JP2003174306A - 共振器、フィルタ、デュプレクサ、および高周波回路装置 - Google Patents
共振器、フィルタ、デュプレクサ、および高周波回路装置Info
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Abstract
に電極を形成した構造を備え、その電極における導体損
失を低減して低損失動作を可能とした、共振器、フィル
タ、デュプレクサ、および高周波回路装置を提供する。 【解決手段】 誘電体と電極との界面において、電界の
垂直成分が大きなD領域と、電界の垂直成分が0または
0近傍のS領域とを備え、D領域である誘電体の各側面
に、分割した単層導体膜4を形成し、誘電体の端面であ
るS領域に薄膜多層電極を形成する。その薄膜多層電極
の各導体薄膜を単層導体膜4に交互に接続する。この構
造により、S領域における薄膜多層電極の各導体薄膜
に、同一振幅同一位相の電流が対称軸を中心として放射
状に流れ、S領域における低損失な薄膜多層動作を実現
する。
Description
波の送受信に利用される、例えばマイクロ波帯やミリ波
帯における共振器、フィルタ、デュプレクサ、および高
周波回路装置に関するものである。
に関して国際公開WO95/06336が開示されてい
る。
膜とを交互に積層したものであり、高周波において低損
失な電極として作用する。上記公報に開示されている設
計方法では、導体薄膜の膜厚および誘電体薄膜の膜厚
に、導電率と誘電率に応じて定まる膜厚の最適値が存在
する。導体薄膜と誘電体薄膜のそれぞれの膜厚を最適値
とすれば、電流密度が各導体薄膜の層にバランス良く分
配されるため、表皮効果が緩和され、単層電極に比べて
低損失に動作する。
いる薄膜多層電極を形成した共振器等においては、薄膜
多層電極の各導体薄膜に略均等な電流を分布させるため
に、誘電体薄膜の誘電率および膜厚が導体薄膜間の変位
電流を制御する役割を果たしていた。このため、薄膜多
層電極の低損失動作のために、以下の2点が必要条件と
なっていた。
な方向に設けられていること (2)誘電体薄膜の誘電率および膜厚が最適値またはそ
の付近になるように設計されていることしたがって、上
記公報に示されている共振器等においては、電界の向き
に対して接線方向になる電極は単層電極とし、電界の向
きに対して垂直な面に形成した薄膜多層電極の各導体薄
膜の端部を単層電極で短絡するようにしていた。また
は、電界の向きに対して接線方向の面には電極を形成せ
ずに開放端としていた。
ドの共振器の構成を示している。(A)は上面図、
(B)は正面図、(C)は(B)の部分拡大断面図であ
る。この例では、円柱形状の誘電体1の、互いに平行な
2面に導体薄膜2a,2bおよび誘電体薄膜3からなる
2層構造の薄膜多層電極10を形成している。
器の構成を示している。(A)は上面図、(B)は正面
図、(C)は(B)の部分拡大断面図である。この例で
は、導体薄膜2a,2bの周辺部を単層導体膜4に接続
して、各導体薄膜の周辺を短絡している。
たは0近傍となる部分に電極を形成した構造を備え、そ
の電極における導体損失を低減して、低損失動作を可能
とした共振器、フィルタ、デュプレクサ、および高周波
回路装置を提供することにある。
電体と電極との界面において、電界の垂直成分が所定の
しきい値より大きな領域であるD領域(Displacement a
rea :変位領域)と、前記電界の垂直成分が前記しきい
値より下回る領域であるS領域(Short area:短絡領域
またはSteady area :定常領域)とを備えた誘電体共振
器において、S領域の電極を薄膜多層電極とするととも
に、その各導体薄膜に略均等な電流振幅の電流を強制励
振する。上記所定のしきい値は0近傍の値であり、例え
ば、利用する共振モードにおける最大電界の5%程度で
ある。
誘電体薄膜の上下を導体薄膜で挟み込んで成る薄膜多層
電極共振器、について考える。まず、この薄膜多層電極
共振器において、最大電界強度の5%となるときの電気
角をθ1とすれば、sinθ1=0.05 すなわち、
θ1≒2.87°となる。
d1≒0.00125(0.125%)となる。すなわ
ち、上記5%のしきい値以下であれば、そのS領域にお
いて、実電流が変位電流に変換される割合は、0.12
5%以下となる。したがって、S領域において、略均等
となる様に分配した実電流の分布が、式1,式2に示し
た正弦波状からかたくずれするとしても、上記割合は約
0.125%以下の範囲となる。このような変位電流へ
の変換が少ない範囲は、薄膜多層電極が低損失動作する
ための条件が良好に保存される範囲と言える。したがっ
て、利用する共振モードにおける最大電界の5%程度を
しきい値として、S領域とD領域の境界を定めればよ
い。
解釈することができる。すなわちこれは他の受動回路に
おける導体と接続することに対応する。例えば、対称性
の良い構造で、かつ対称性の良い電磁界モードをもつ、
多導体系の受動回路では、各導体に均等な電流振幅が分
布する。
て、上記S領域の薄膜多層電極の各導体薄膜に上記導体
を接続することにより、均等な電流振幅での強制励振を
実現する。
体薄膜と誘電体薄膜とを交互に積層した薄膜多層電極と
し、D領域の電極を、S領域の薄膜多層電極と同じ層数
の薄膜多層電極とし、S領域とD領域における互いに対
応する層の導体薄膜同士を導通させて構成する。
膜の電流が、S領域の薄膜多層電極における各導体薄膜
に分配され、全体に電流が略均等に流れる。その結果、
S領域の薄膜多層電極における導体損失が低減される。
を、導体薄膜と誘電体薄膜とを交互に積層した薄膜多層
電極とし、D領域の電極を、S領域の薄膜多層電極にお
ける導体薄膜の層数の整数倍に対応して分割されたそれ
ぞれ略合同の電極パターンで構成し、D領域の各電極を
S領域における各層の導体薄膜とを対応させて互いに接
続して構成する。
た各電極パターンの電流が、S領域の薄膜多層電極にお
ける各導体薄膜に分配され、全体に電流が略均等に流れ
る。その結果、S領域の薄膜多層電極における導体損失
が低減される。
数の曲面と複数の平面からなる誘電体、もしくは複数の
平面からなる誘電体を用い、前記D領域と前記S領域
を、誘電体の面毎に定める。これにより、誘電体の各面
に対する薄膜多層電極の形成、または分割した複数の電
極パターンの形成を容易にする。
膜のうち、少なくとも1層の膜厚を表皮深さの2.75
倍以下にする。これにより、バルク導体の表面抵抗に対
する導体薄膜の表面抵抗を小さくして、薄膜多層化によ
る導体損失低減効果を高める。
入出力部を設けて構成する。これにより、小型で低挿入
損失のフィルタが得られる。
ィルタを2組備えるとともに、その信号入出力部とし
て、送信信号入力端子、送受信共用入出力端子、および
受信信号出力端子を設けて構成する。これにより小型で
低挿入損失のデュプレクサが得られる。
器、フィルタ、またはデュプレクサを備えて構成する。
これにより、小型で低損失な高周波回路が構成でき、そ
れを用いた通信装置の雑音特性および伝送速度等の通信
品質を向上させることができる。
成を、図1〜図3および図11〜図15を参照して説明
する。図1の(A)は共振器の正面図、同図の(B)は
その右側面図である。また、図2の(A)は図1におけ
るA−A断面図、同図の(B)は図1におけるB−B断
面図である。また図2の(C)は同図の(A)における
C部分の拡大断面図、図2の(D)は同図の(B)にお
けるD部分の拡大断面図である。
形状で、その中心に断面8角形状の孔を形成した、筒状
の誘電体である。この共振器は、誘電体1に所定の電極
を形成したものである。すなわち、誘電体1の8つの側
面には、稜線部分で分離した単層導体膜4を形成してい
る。孔5の内面にも、その8つの面に、コーナー部分で
分離して単層導体膜4を形成している。誘電体1の互い
に平行な2つの端面には薄膜多層電極10を形成してい
る。
す図である。図3の(A)は誘電体表面の第1の導体薄
膜、(B)はその上面の誘電体薄膜、(C)はさらにそ
の上面の第2の導体薄膜について、それぞれのパターン
を示している。この図3および図2の(C),(D)に
示すように、第1の導体薄膜2aは、誘電体1の外側面
の四面および孔5の内面の四面にそれぞれ導通してい
る。同様に、第2の導体薄膜2bも、誘電体1の外側面
の四面および孔5の内面の四面にそれぞれ導通してい
る。但し、第1の導体薄膜2aが導通する単層導体膜4
と第2の導体薄膜2bが導通する単層導体膜4とは交互
に配置される位置関係にあり、両者は絶縁状態にある。
共振器であり、誘電体1の孔5の内面に形成した単層導
体膜4と外側面に形成した単層導体膜4との間に電界が
向くTEMモードで共振する。誘電体1の互いに平行な
2つの端面にそれぞれ薄膜多層電極を形成した場合、両
端短絡型半波長共振器として作用し、一方の端面にのみ
薄膜多層電極を形成すれば、1/4波長共振器として作
用する。誘電体1の外側面および孔5の内面が、この発
明に係るD領域であり、薄膜多層電極を形成した、誘電
体の端面がS領域である。このように、S領域に薄膜多
層電極を形成し、その導体薄膜の層数に等しい数“2”
に分割した単層導体膜4をD領域に形成したことによ
り、S領域における導体薄膜2a,2bには同一振幅・
同一位相の電流が対称軸を中心にして放射状に流れる。
ついて、図11〜図15を参照して説明する。図11の
(A)は、基準モデルである単層導体膜と、比較モデル
である2層の薄膜多層電極の構造を示している。また
(B)は、その薄膜多層電極の第1の導体薄膜に対する
第2の導体薄膜の電流比と導体Qとの関係を示してい
る。ここでは、上下の電気壁、左右磁気壁の平行平板線
路の強制電流による導体損失を解析した。なお、この解
析には、変位電流を仮定せず、磁界による渦電流の効果
だけを考慮する解析方法を用いた。この解析方法は、導
体膜の界面に電界が垂直成分を持たない部分の解析に有
効である。この解析の結果から、図11の(B)に示し
たように、第1の導体薄膜と第2の導体薄膜を強制励振
する電流の振幅比が1:1の時、導体Qの上昇効果が最
大1.51倍となることがわかる。
デルについての解析モデルである。ここでは平行平板導
波路として扱う。図13は、図12に示した各パラメー
タを定め、導体Qの誘電体薄膜の膜厚依存性を解析した
ものである。上記各パラメータは次のとおりである。
=77.4 となる。図13の(A)は導体Qを絶対量で表したも
の、(B)は比較モデルを基準モデルで正規化したもの
である。このように、比較モデルの誘電体薄膜の膜厚d
2を変化させた時の導体Qの変化は緩やかであり、1以
上の導体Q上昇効果を持つ。誘電体薄膜の膜厚d2が1
0μm程度に大きくなった時の劣化傾向は、基準モデル
の基板厚さに対する割合が大きくなったことに起因して
いる。
依存性を解析した結果を示している。(A)は導体薄膜
の膜厚に対する導体Qの関係を示している。(B)は
(A)における基準モデルに対して正規化した結果であ
る。
d3を変化させた時の導体Qの変化は急峻なピークを持
ち、1以上の導体Q上昇効果を持つ。導体薄膜の膜厚d
3が10μm程度に大きくなった時の劣化傾向は、2層
の比較モデルにおいて、界面側の第1層(厚みd3部
分)が10μm程度に大きくなると、この第1層の表側
と裏側とで、逆向きの電流が流れて、導体損失が増加す
るためであるものと考えられる。したがって、導体Qの
高い領域を利用できるように、導体薄膜の膜厚を設定す
る。
さδで割って規格化した値(規格化導体膜厚)に対す
る、バルク導体の表面抵抗Rをバルク導体の表面抵抗R
sで割って規格化した値、の関係を示している。
た。先ず、導体の内部を伝搬する平面波に関する接続行
列(F行列)は式(3)で表される。
また伝搬定数は、
さ、Rsはバルク導体の表面抵抗である。
スは、裏面を開放条件としてF行列の11成分、21成
分の比から次式の様に計算される。
て、実部、虚部を整理すると次式のようになる。
る。(虚部は表面リアクタンス。)
る。
が、バルク導体よりも表面抵抗が小さくなる領域であ
る。すなわち、表皮深さの約1.1417〜2.750
5の範囲で薄膜多層化した時に導体Qの向上効果が得ら
れる。なお、xを小さくした時、R/Rsが1以上にな
る規格化導体膜厚の下限値(図15に示した例では1.
1417)は、積層数が多くなるほど小さくなる。ま
た、それに伴い、R/Rsが最低値となるx/δの値
(図15に示した例では1.5708)も積層数に応じ
て変化する。R/Rsが1以上になる規格化導体膜厚の
上限値(図15に示した例では2.7505)は、積層
数に関わらず一定である。したがって、x/δが約2.
75以上となる範囲で、積層数に応じて導体薄膜の膜厚
xを選定すればよい。
薄膜多層電極を2層構造としたが、これに限らず、3層
以上の導体薄膜を有する薄膜多層電極を形成してもよ
く、そのことにより、さらに低損失動作が実現できる。
例えば、4層構造であれば、やはり8角柱形状の誘電体
を用い、対向する互いに平行な2辺を1組とする4組の
単層導体膜に各導体薄膜を導通させればよい。
場合にも、各層の導体薄膜に等振幅の電流を流すことに
より、薄膜多層電極のQを最大にすることができる。次
に、第2の実施形態に係る共振器の構成を図4を参照し
て説明する。この共振器は誘電体部分が円筒形を成す同
軸共振器である。(A)は正面図、(B)はその右側面
図、(C)は(B)におけるA−A部分の断面図、
(D)は(C)におけるD部分の拡大断面図である。円
筒形状の誘電体1の側面および孔5の内面には、導体薄
膜2c、誘電体薄膜3、導体薄膜2dの積層体からなる
薄膜多層電極を形成している。また、誘電体1の互いに
平行な2つの端面には、導体薄膜2a、誘電体薄膜3、
導体薄膜2bを積層してなる薄膜多層電極を形成してい
る。
ある、D領域における薄膜多層電極と、誘電体1の平行
な端面であるS領域における薄膜多層電極とは、それぞ
れの互いに対応する層の導体薄膜同士を接続している。
すなわち、導体薄膜2a−2c,2b−2d間をそれぞ
れ接続している。
いに平行な2つの端面にそれぞれ薄膜多層電極を形成し
た場合、両端短絡型半波長共振器として作用し、一方の
端面にのみ薄膜多層電極を形成すれば、1/4波長共振
器として作用する。
ードの電界成分が垂直に入射するため、その誘電体薄膜
には膜厚方向に電界が発生する。これは誘電体薄膜にお
ける変位電流であり、導体薄膜2c,2dにおける実電
流の交換作用となる。このD領域における薄膜多層電極
の導体薄膜と誘電体薄膜の膜厚は、薄膜多層電極の膜厚
設計により決定する。すなわち、導体薄膜の膜厚は、表
皮深さと層数に基づいて設計する。誘電体薄膜の膜厚
は、基体である誘電体の誘電率と、誘電体薄膜の誘電率
との比および層数に基づいて定める。
薄膜には、その膜厚方向に電界が発生せず、変位電流は
発生しない。このため、導体薄膜2a,2bにおける実
電流は、電流振幅と電流位相の分配比が保存される。す
なわち、導体薄膜2c,2dの実電流を、電流振幅、電
流位相共に略等しく分配することができる。このことに
より、前述したとおり、S領域における薄膜多層電極に
おいても低損失動作が実現できる。
薄膜については、図13に示したように、誘電体薄膜の
膜厚に対する導体Qの変化に山形のピークが生じないた
め、すなわちS領域における誘電体薄膜の膜厚は設計中
心を持たないため、誘電体薄膜は、絶縁機能をもって、
できるだけ薄く設計すればよい。
を図5および図6を参照して説明する。図5の(A)は
共振器の上面図、(B)はその正面図、(C)は(B)
におけるC部分の拡大図である。また、図6の(A)は
図5におけるA−A部分の断面図、図6の(B)は図5
におけるB−B部分の断面図、図6の(C)は図6の
(A)におけるC部分の拡大断面図、図6の(D)は図
6の(B)におけるD部分の拡大断面図である。
い、8つの側面に、導体薄膜2a、誘電体薄膜3、導体
薄膜2bからなる薄膜多層電極を形成している。また、
誘電体1の互いに平行な上下面には、それぞれスリット
6を介して8分割した単層導体膜4a,4bを形成して
いる。各側面の薄膜多層電極の導体薄膜2aは、上下面
の単層導体膜4aに接続している。薄膜多層電極の導体
薄膜2bは、上下面の単層導体膜4bに接続している。
モード)の共振器として動作する。この軸対称モードに
より、スリット6を介して分割した8つの単層導体膜4
a,4bには均等に分割された電流が分布する。すなわ
ち、誘電体1の上面で外向きの電流が流れる場合、下面
では内向きの電流が流れる。この結果、側面における薄
膜多層電極の導体薄膜2a,2bは、略等しい電流振幅
・電流位相をもって強制励振される。この誘電体の8つ
の側面は短絡端として動作するため、側面における誘電
体薄膜3には、その膜厚方向に電界が発生しない。すな
わち変位電流は発生しない。このため、導体薄膜2a,
2bにおける実電流は、電流振幅と電流位相の分配比が
保存される。前述したように、誘電体薄膜3の膜厚には
設計中心を持たないため、絶縁機能をもつだけでよく、
所定の絶縁機能をもつ範囲でできるだけ薄く設計する。
電体1を用いたが、誘電体1の形状はこれに限らずn角
形の角柱形状であればよい。一般に、多角形の辺の数が
大きい程、側面の薄膜多層電極で理想的な電流分布が実
現できる。
層電極を2層構造としたが、これに限らず、3層以上の
導体薄膜を有する薄膜多層電極を形成してもよく、その
ことにより、さらに低損失動作が実現できる。
を図7を参照して説明する。図7の(A)は共振器の上
面図、(B)は正面図、(C)は(A)におけるA−A
部分の断面図、(D)は(C)におけるD部分の拡大断
面図である。この共振器は、円柱形状の誘電体1の上下
面および側面にそれぞれ薄膜多層電極を形成したもので
ある。上下面の薄膜多層電極における導体薄膜および誘
電体薄膜の膜厚は薄膜多層電極設計によって決定してい
る。側面の薄膜多層電極を構成する導体薄膜の膜厚は薄
膜多層電極設計によって決定している。側面における誘
電体薄膜3の膜厚は、上述した各実施形態の場合と同様
に、絶縁機能をもってできるだけ薄く設計している。S
領域である側面の各導体薄膜と、D領域である上下面の
各導体薄膜は、境界部分においてそれぞれ互いに導電性
をもって接続している。
ード)共振器として動作する。すなわち、上下面の薄膜
多層電極には、電界が垂直に入射するため、誘電体薄膜
にはその膜厚方向に電界が発生する。これは誘電体薄膜
における変位電流であり、導体薄膜2c,2dにおける
実電流の交換作用となる。このD領域における薄膜多層
電極の導体薄膜と誘電体薄膜の膜厚は、薄膜多層電極の
膜厚設計により決定する。誘電体薄膜3の膜厚を薄膜多
層設計によって決定することにより、導体薄膜2c,2
dの実電流を、電流振幅、電流位相共に略等しく分配す
ることができる。この結果、S領域における導体薄膜2
a,2bは、略等しい電流振幅と電流位相をもって強制
励振される。すなわち、側面はS領域は短絡端として動
作するため、S領域の薄膜多層電極における誘電体薄膜
には膜厚方向に電界が発生せず、変位電流は発生しな
い。このため、D領域の薄膜多層電極における導体薄膜
の電流振幅と電流位相の分配比が、S領域の薄膜多層電
極における導体薄膜に保存される。
薄膜多層電極による低損失動作が実現できる。
誘電体薄膜とを交互に積層して薄膜多層電極を構成した
が、導体薄膜と誘電体薄膜の密着性を良くするために、
例えばチタン(Ti)などの薄膜材料を、導体薄膜と誘
電体薄膜との間に数十[nm]挿入させてもよい。
成を図8に示す。図8において3つの共振器は、第1〜
第4の各実施形態で示したいずれかの共振器であり、こ
れらの共振器間を、図中のコンデンサの記号で表した結
合容量で結合させ、さらに、初段および終段の共振器と
入出力端子との間を結合容量で結合させることにより、
3段の共振器からなる帯域通過フィルタ特性を有するフ
ィルタを構成する。
の構成例を図9を参照して説明する。ここで、送信フィ
ルタと受信フィルタは、いずれも、図8等に示した構造
のフィルタである。但し、送信フィルタは送信帯域を通
過させ、受信フィルタは受信帯域を通過させるように、
それぞれのフィルタ特性を定めておく。
の入力ポートとの間は、送信信号が受信フィルタ側へ回
り込まないように、また、受信信号が送信フィルタ側へ
回り込まないように、位相調整を行っている。
成を図10に示す。ここで、デュプレクサは、図9に示
した構成のデュプレクサである。このデュプレクサの送
信端子には送信回路を、受信端子には受信回路をそれぞ
れ接続している。また、アンテナ端子にはアンテナを接
続している。
面において、電界の垂直成分が所定のしきい値より大き
な領域であるD領域と、前記電界の垂直成分が前記しき
い値より下回る領域であるS領域とを備え、S領域の電
極を、導体薄膜と誘電体薄膜とを交互に積層した薄膜多
層電極とし、D領域の電極を、S領域の薄膜多層電極と
同じ層数の薄膜多層電極とし、S領域とD領域における
互いに対応する層の導体薄膜同士を接続して共振器を構
成することにより、S領域においても電極の導体損失を
効果的に抑えることができる。
を、導体薄膜と誘電体薄膜とを交互に積層した薄膜多層
電極とし、D領域の電極を、それぞれの界面において出
入りする変位電流が略同一になるような複数の電極パタ
ーンで構成し、D領域の各電極をS領域における各層の
導体薄膜とを対応させて互いに接続して共振器を構成す
ることにより、S領域の薄膜多層電極における導体損失
が低減される。
を、導体薄膜と誘電体薄膜とを交互に積層した薄膜多層
電極とし、D領域の電極を、S領域の薄膜多層電極にお
ける導体薄膜の層数の整数倍に対応して分割された、そ
れぞれ略合同の電極パターンで構成し、D領域の各電極
をS領域における各層の導体薄膜とを対応させて互いに
接続して共振器を構成することにより、S領域の薄膜多
層電極における導体損失が低減される。
の曲面と複数の平面からなる誘電体、もしくは複数の平
面からなる誘電体を用い、前記D領域と前記S領域を、
誘電体の面毎に定めて共振器を構成することにより、誘
電体の各面に対する薄膜多層電極の形成、または分割し
た複数の電極パターンの形成が容易になる。
うち、少なくとも1層の膜厚を表皮深さの2.75倍以
下にして共振器を構成することにより、薄膜多層化によ
る導体損失低減効果が高まる。
力部を設けてフィルタを構成することにより、小型で低
挿入損失なフィルタが得られる。
2組備えるとともに、その信号入出力部として、送信信
号入力端子、共用入出力端子、および受信信号出力端子
を設けてデュプレクサを構成することにより、小型で低
挿入損失なデュプレクサが得られる。
合体素子、共振器、フィルタ、またはデュプレクサを備
えて高周波回路装置を構成することにより、小型で低損
失な高周波回路が構成でき、それを用いた通信装置の雑
音特性および伝送速度などの通信品質を向上させること
ができる。
の構成を示す図
の図
性を示す図
を示す図
Claims (8)
- 【請求項1】 誘電体の表面に電極を形成して成る誘電
体共振器において、誘電体と電極との界面において、電
界の垂直成分が所定のしきい値より大きな領域であるD
領域と、前記電界の垂直成分が前記しきい値より下回る
領域であるS領域とを備え、 前記S領域の電極は、導体薄膜と誘電体薄膜とを交互に
積層した薄膜多層電極であり、 前記D領域の電極は、前記S領域の薄膜多層電極と同じ
層数の薄膜多層電極であり、 前記S領域と前記D領域における互いに対応する層の導
体薄膜同士を導通させて成る共振器。 - 【請求項2】 誘電体の表面に電極を形成して成る誘電
体共振器において、誘電体と電極との界面において、電
界の垂直成分が所定のしきい値より大きな領域であるD
領域と、前記電界の垂直成分が前記しきい値より下回る
領域であるS領域とを備え、 前記S領域の電極は、導体薄膜と誘電体薄膜とを交互に
積層した薄膜多層電極であり、 前記D領域の電極は、それぞれの界面において出入りす
る変位電流が略同一になるような複数の電極パターンか
ら成り、 前記複数の電極パターンと前記S領域における各層の導
体薄膜とを対応させて互いに接続して成る共振器。 - 【請求項3】 誘電体の表面に電極を形成して成る誘電
体共振器において、誘電体と電極との界面において、電
界の垂直成分が所定のしきい値より大きな領域であるD
領域と、前記電界の垂直成分が前記しきい値より下回る
領域であるS領域とを備え、 前記S領域の電極は、導体薄膜と誘電体薄膜とを交互に
積層した薄膜多層電極であり、 前記D領域の電極は、前記S領域の薄膜多層電極におけ
る導体薄膜の層数の整数倍に分割された、それぞれが略
合同の電極パターンから成り、 前記電極パターンと前記S領域における各層の導体薄膜
とを対応させて互いに接続して成る共振器。 - 【請求項4】 前記誘電体は、単一または複数の曲面と
複数の平面とから成り、もしくは複数の平面から成り、
前記D領域と前記S領域を、前記誘電体の面毎に定めた
請求項1〜3のうちいずれかに記載の共振器。 - 【請求項5】 前記導体薄膜のうち少なくとも一層の膜
厚が表皮深さの2.75倍以下である請求項1〜4のう
ちいずれかに記載の共振器。 - 【請求項6】 請求項1〜5のうちいずれかに記載の共
振器に信号入出力部を設けたフィルタ。 - 【請求項7】 請求項6に記載のフィルタを2組備える
とともに、前記信号入出力部として、送信信号入力端
子、送受信共用入出力端子、および受信信号出力端子を
設けて成るデュプレクサ。 - 【請求項8】 請求項1〜5のうちいずれかに記載の共
振器、請求項6に記載のフィルタ、もしくは請求項7に
記載のデュプレクサを備えた高周波回路装置。
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