JP2003173620A - 信号処理シミュレーションシステム及び信号処理シミュレーション方法 - Google Patents
信号処理シミュレーションシステム及び信号処理シミュレーション方法Info
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- JP2003173620A JP2003173620A JP2001370255A JP2001370255A JP2003173620A JP 2003173620 A JP2003173620 A JP 2003173620A JP 2001370255 A JP2001370255 A JP 2001370255A JP 2001370255 A JP2001370255 A JP 2001370255A JP 2003173620 A JP2003173620 A JP 2003173620A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 光記録媒体及びそのドライブの開発を短時間
及び低コストで行うことができる信号処理シミュレーシ
ョンシステムを提供する。 【解決手段】 疑似信号発生器41と、疑似信号発生器
41からの疑似信号aを受ける帯域可変フィルタ20
と、帯域可変フィルタ20の出力である疑似信号bを解
析するパルスハイト処理器30とを備える。これによ
り、実際の光記録媒体及び/又はドライブを用いること
なく、シミュレーションによってこれら光記録媒体及び
/又はそのドライブの評価を行うことができるので、開
発時間及び開発コストを大幅に削減することが可能とな
る。
及び低コストで行うことができる信号処理シミュレーシ
ョンシステムを提供する。 【解決手段】 疑似信号発生器41と、疑似信号発生器
41からの疑似信号aを受ける帯域可変フィルタ20
と、帯域可変フィルタ20の出力である疑似信号bを解
析するパルスハイト処理器30とを備える。これによ
り、実際の光記録媒体及び/又はドライブを用いること
なく、シミュレーションによってこれら光記録媒体及び
/又はそのドライブの評価を行うことができるので、開
発時間及び開発コストを大幅に削減することが可能とな
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、信号処理シミュレ
ーションシステム及び信号処理シミュレーション方法に
関し、特に、マルチレベル光記録媒体及びそのドライブ
の開発を短時間及び低コストで行うことが可能な信号処
理シミュレーションシステム及び信号処理シミュレーシ
ョン方法に関する。
ーションシステム及び信号処理シミュレーション方法に
関し、特に、マルチレベル光記録媒体及びそのドライブ
の開発を短時間及び低コストで行うことが可能な信号処
理シミュレーションシステム及び信号処理シミュレーシ
ョン方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、デジタルデータを記録するた
めの記録媒体として、CDやDVDに代表される光記録
媒体が広く利用されており、そのデータ記録方式として
は、記録すべきデータをトラックに沿ったピットの長さ
に変調するという方式が広く用いられている。
めの記録媒体として、CDやDVDに代表される光記録
媒体が広く利用されており、そのデータ記録方式として
は、記録すべきデータをトラックに沿ったピットの長さ
に変調するという方式が広く用いられている。
【0003】このような記録方式を用いた場合、データ
の読み出しに際しては再生用レーザービームが光記録媒
体のトラックに沿って照射され、その反射光を検出する
ことによりピットの有無が判別される。また、データの
書き込みに際しては記録用レーザービームが光記録媒体
のトラックに沿って照射され、所定の長さを持ったピッ
トが形成される。
の読み出しに際しては再生用レーザービームが光記録媒
体のトラックに沿って照射され、その反射光を検出する
ことによりピットの有無が判別される。また、データの
書き込みに際しては記録用レーザービームが光記録媒体
のトラックに沿って照射され、所定の長さを持ったピッ
トが形成される。
【0004】しかしながら、近年、光記録媒体に対する
いっそうの高密度記録が求められており、これを実現す
る手法として、いわゆる「マルチレベル記録方式」が提
案されている。マルチレベル記録方式は、上述した従来
の記録方式とは異なり、互いに異なる意味を持つ複数の
記録マークのうちの一つを1の仮想記録セルに割り当て
る方式であり、データの読み出しに際しては、再生用レ
ーザービームがマルチレベル光記録媒体のトラックに沿
って照射され、その反射光を検出することにより、各仮
想記録セルに割り当てられた記録マークの種類が判別さ
れる。また、データの書き込みに際しては記録用レーザ
ービームがマルチレベル光記録媒体のトラックに沿って
照射され、割り当てるべき記録マークが各仮想記録セル
に記録される。
いっそうの高密度記録が求められており、これを実現す
る手法として、いわゆる「マルチレベル記録方式」が提
案されている。マルチレベル記録方式は、上述した従来
の記録方式とは異なり、互いに異なる意味を持つ複数の
記録マークのうちの一つを1の仮想記録セルに割り当て
る方式であり、データの読み出しに際しては、再生用レ
ーザービームがマルチレベル光記録媒体のトラックに沿
って照射され、その反射光を検出することにより、各仮
想記録セルに割り当てられた記録マークの種類が判別さ
れる。また、データの書き込みに際しては記録用レーザ
ービームがマルチレベル光記録媒体のトラックに沿って
照射され、割り当てるべき記録マークが各仮想記録セル
に記録される。
【0005】互いに異なる記録マークが割り当てられた
仮想記録セルは、再生用レーザービームに対する光透過
率が互いに異なっている。したがって、データの書き込
みに際しては、記録用レーザービームの照射量を各仮想
記録セルごとにマルチレベルに制御することによって、
各仮想記録セルごとに上記光透過率がマルチレベルに制
御される。
仮想記録セルは、再生用レーザービームに対する光透過
率が互いに異なっている。したがって、データの書き込
みに際しては、記録用レーザービームの照射量を各仮想
記録セルごとにマルチレベルに制御することによって、
各仮想記録セルごとに上記光透過率がマルチレベルに制
御される。
【0006】ここで、「光透過率」とは、仮想記録セル
に照射した再生用レーザービームに対して、仮想記録セ
ルを通過したレーザービームの割合をいう。したがっ
て、データの読み出しに際しては、仮想記録セルに照射
された再生用レーザービームが仮想記録セルを通過し、
反射層で反射された後に同じ仮想記録セルを再度通過し
てマルチレベル光記録媒体の外部に出射されるレーザー
ビームの強度が検出され、これにより、各仮想記録セル
に割り当てられた記録マークの種類が判別される。
に照射した再生用レーザービームに対して、仮想記録セ
ルを通過したレーザービームの割合をいう。したがっ
て、データの読み出しに際しては、仮想記録セルに照射
された再生用レーザービームが仮想記録セルを通過し、
反射層で反射された後に同じ仮想記録セルを再度通過し
てマルチレベル光記録媒体の外部に出射されるレーザー
ビームの強度が検出され、これにより、各仮想記録セル
に割り当てられた記録マークの種類が判別される。
【0007】以上から明らかなとおり、マルチレベル光
記録媒体に対してより高密度にデータを記録するために
は、各仮想記録セル毎の光反射率をより多段階に制御す
ることが有効である。例えば、各仮想記録セル毎の光反
射率を4段階に制御すれば、1つの仮想記録セルに格納
される情報は2ビットであるが、各仮想記録セル毎の光
反射率を8段階に制御すれば、1つの仮想記録セルに格
納される情報は3ビットとなる。
記録媒体に対してより高密度にデータを記録するために
は、各仮想記録セル毎の光反射率をより多段階に制御す
ることが有効である。例えば、各仮想記録セル毎の光反
射率を4段階に制御すれば、1つの仮想記録セルに格納
される情報は2ビットであるが、各仮想記録セル毎の光
反射率を8段階に制御すれば、1つの仮想記録セルに格
納される情報は3ビットとなる。
【0008】ここで、マルチレベル光記録媒体に記録さ
れたデータを再生するための装置としては、マルチレベ
ル光記録媒体を回転させるための回転機構と、マルチレ
ベル光記録媒体に対してレーザビームを照射し、その反
射光量を電気信号に変換するヘッドと、ヘッドより供給
される電気信号を処理するデータ処理部が少なくとも必
要である。このうち、ヘッドより供給される電気信号を
処理するデータ処理部は、かかる信号に含まれる不要な
高周波成分を除去するフィルタと、フィルタからの出力
をクロックに同期してサンプリングし、そのレベルに基
づいてサンプリングされた信号をデジタル値に変換する
データ弁別部と、データ弁別部からの出力に含まれる誤
りを検出し、これを訂正するエラー検出訂正部によって
構成される。
れたデータを再生するための装置としては、マルチレベ
ル光記録媒体を回転させるための回転機構と、マルチレ
ベル光記録媒体に対してレーザビームを照射し、その反
射光量を電気信号に変換するヘッドと、ヘッドより供給
される電気信号を処理するデータ処理部が少なくとも必
要である。このうち、ヘッドより供給される電気信号を
処理するデータ処理部は、かかる信号に含まれる不要な
高周波成分を除去するフィルタと、フィルタからの出力
をクロックに同期してサンプリングし、そのレベルに基
づいてサンプリングされた信号をデジタル値に変換する
データ弁別部と、データ弁別部からの出力に含まれる誤
りを検出し、これを訂正するエラー検出訂正部によって
構成される。
【0009】このため、従来、マルチレベル光記録媒体
の開発においては、フィルタ、データ弁別部及びエラー
検出訂正部を備えるデータ処理部を実際に作製し、これ
を用いてエラーレート等を測定することによってマルチ
レベル光記録媒体の評価を行っていた。
の開発においては、フィルタ、データ弁別部及びエラー
検出訂正部を備えるデータ処理部を実際に作製し、これ
を用いてエラーレート等を測定することによってマルチ
レベル光記録媒体の評価を行っていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、実際に
このようなデータ処理部を作製し、これを用いてマルチ
レベル光記録媒体を評価を行うと、評価に多くの時間と
コストを要するという問題がある。しかも、このように
して得られる測定結果は、フィルタやデータ弁別部等の
特性に大きく依存するため、フィルタの特性やデータ弁
別部の特性等、ドライブ側の仕様が定まらない限り、有
効な評価を行うことができなかった。
このようなデータ処理部を作製し、これを用いてマルチ
レベル光記録媒体を評価を行うと、評価に多くの時間と
コストを要するという問題がある。しかも、このように
して得られる測定結果は、フィルタやデータ弁別部等の
特性に大きく依存するため、フィルタの特性やデータ弁
別部の特性等、ドライブ側の仕様が定まらない限り、有
効な評価を行うことができなかった。
【0011】かかる問題は、マルチレベル光記録媒体の
開発のみならず、2値記録が行われる通常の光記録媒体
の開発においても同様に生じる。
開発のみならず、2値記録が行われる通常の光記録媒体
の開発においても同様に生じる。
【0012】このため、光記録媒体及びそのドライブの
開発において、実際の光記録媒体やドライブを用いるこ
となく、シミュレーションによってこれら光記録媒体及
びそのドライブの評価を行うことができれば、開発時間
及び開発コストを削減できるものと期待される。
開発において、実際の光記録媒体やドライブを用いるこ
となく、シミュレーションによってこれら光記録媒体及
びそのドライブの評価を行うことができれば、開発時間
及び開発コストを削減できるものと期待される。
【0013】したがって、本発明の目的は、光記録媒体
及びそのドライブの開発を短時間及び低コストで行うこ
とができる信号処理シミュレーションシステム及び信号
処理シミュレーション方法を提供することである。
及びそのドライブの開発を短時間及び低コストで行うこ
とができる信号処理シミュレーションシステム及び信号
処理シミュレーション方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のかかる目的は、
信号発生源と、前記信号発生源からの信号を受ける帯域
可変フィルタと、前記帯域可変フィルタの出力を解析す
るパルスハイト処理器とを備える信号処理シミュレーシ
ョンシステムによって達成される。
信号発生源と、前記信号発生源からの信号を受ける帯域
可変フィルタと、前記帯域可変フィルタの出力を解析す
るパルスハイト処理器とを備える信号処理シミュレーシ
ョンシステムによって達成される。
【0015】本発明によれば、実際の光記録媒体及び/
又はドライブを用いることなく、シミュレーションによ
ってこれら光記録媒体及び/又はそのドライブの評価を
行うことができるので、開発時間及び開発コストを大幅
に削減することが可能となる。
又はドライブを用いることなく、シミュレーションによ
ってこれら光記録媒体及び/又はそのドライブの評価を
行うことができるので、開発時間及び開発コストを大幅
に削減することが可能となる。
【0016】本発明の好ましい実施態様においては、前
記信号発生源が、光ヘッドによる光記録媒体からの再生
信号を擬似的に生成する疑似信号発生器である。
記信号発生源が、光ヘッドによる光記録媒体からの再生
信号を擬似的に生成する疑似信号発生器である。
【0017】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記疑似信号発生器が、擬似的に生成する信号にノ
イズを重畳可能に構成されている。
は、前記疑似信号発生器が、擬似的に生成する信号にノ
イズを重畳可能に構成されている。
【0018】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記帯域可変フィルタが、遮断周波数が可変である
ローパスフィルタからなる。
は、前記帯域可変フィルタが、遮断周波数が可変である
ローパスフィルタからなる。
【0019】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記パルスハイト処理器が、前記帯域可変フィルタ
の出力をサンプリングするサンプリング手段と、サンプ
リングされたアナログレベルをデジタル値に変換する変
換手段と、前記各デジタル値の出現回数をカウントする
カウント手段とを含む。
は、前記パルスハイト処理器が、前記帯域可変フィルタ
の出力をサンプリングするサンプリング手段と、サンプ
リングされたアナログレベルをデジタル値に変換する変
換手段と、前記各デジタル値の出現回数をカウントする
カウント手段とを含む。
【0020】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記信号発生源からの信号がクロック信号に同期し
て変化する信号であり、前記サンプリング手段が前記ク
ロック信号に同期してサンプリングを行う。
は、前記信号発生源からの信号がクロック信号に同期し
て変化する信号であり、前記サンプリング手段が前記ク
ロック信号に同期してサンプリングを行う。
【0021】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記変換手段の変換精度が、前記信号発生源からの
信号がとりうる値の数を超える。
は、前記変換手段の変換精度が、前記信号発生源からの
信号がとりうる値の数を超える。
【0022】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記疑似信号発生器が、光ヘッドによるマルチレベ
ル光記録媒体からの再生信号を擬似的に生成するもので
ある。
は、前記疑似信号発生器が、光ヘッドによるマルチレベ
ル光記録媒体からの再生信号を擬似的に生成するもので
ある。
【0023】本発明の前記目的はまた、光ヘッドによる
光記録媒体からの再生信号を擬似的に生成し、前記擬似
的な再生信号をフィルタリングした信号をサンプリング
し、サンプリングされたレベルを解析することを特徴と
する信号処理シミュレーション方法によって達成され
る。
光記録媒体からの再生信号を擬似的に生成し、前記擬似
的な再生信号をフィルタリングした信号をサンプリング
し、サンプリングされたレベルを解析することを特徴と
する信号処理シミュレーション方法によって達成され
る。
【0024】本発明の好ましい実施態様においては、前
記解析が、サンプリングされたレベルをデジタル値に変
換し、前記各デジタル値の出現回数をカウントすること
により行う。
記解析が、サンプリングされたレベルをデジタル値に変
換し、前記各デジタル値の出現回数をカウントすること
により行う。
【0025】本発明のさらに好ましい実施態様において
は、前記擬似的な再生信号が、光ヘッドによるマルチレ
ベル光記録媒体からの擬似的な再生信号である。
は、前記擬似的な再生信号が、光ヘッドによるマルチレ
ベル光記録媒体からの擬似的な再生信号である。
【0026】
【発明の実施の形態】まず、本発明の信号処理シミュレ
ーションシステムについて詳細に説明する前に、本発明
による信号処理シミュレーションシステムを用いた開発
の対象として好適なマルチレベル光記録媒体について説
明する。
ーションシステムについて詳細に説明する前に、本発明
による信号処理シミュレーションシステムを用いた開発
の対象として好適なマルチレベル光記録媒体について説
明する。
【0027】図1は、マルチレベル光記録媒体1(以
下、「光記録媒体1」ともいう)の構成を示す切り欠き
斜視図である。
下、「光記録媒体1」ともいう)の構成を示す切り欠き
斜視図である。
【0028】図1に示す光記録媒体1は、CD−R型の
光記録媒体(追記型光記録媒体)であって、基板11、
記録層12、反射膜13および保護層14を備えて構成
されている。基板11は、透明な樹脂を基材として円盤
状に形成されている。この基板11の一方の面(図1に
おける上面)には、その中心部近傍から外縁部に向け
て、レーザービームガイド用のグルーブ11a、および
ランド11bが螺旋状に形成されている。記録層12
は、シアニン、メロシアニン、メチン系色素およびその
誘導体、ベンゼンチオール金属錯体、フタロシアニン色
素、ナフタロシアニン色素、アゾ色素などの有機色素か
らなり、この有機色素がグルーブ11aおよびランド1
1bを覆うように塗布されて形成されている。この記録
層12は、記録装置によって記録用レーザービームが照
射されることで分解変質し、そのレーザービームの照射
量に応じて、その光透過率が変化する。反射膜13は、
光記録媒体1に記録された記録データの再生時に基板1
1および記録層12を通過した再生用レーザービームを
反射するための薄膜層であって、金や銀などの金属を主
原料として記録層12の上に例えばスパッタリングによ
って形成されている。保護層14は、反射膜13および
記録層12を保護する層であって、反射膜13の外面を
覆うように形成されている。
光記録媒体(追記型光記録媒体)であって、基板11、
記録層12、反射膜13および保護層14を備えて構成
されている。基板11は、透明な樹脂を基材として円盤
状に形成されている。この基板11の一方の面(図1に
おける上面)には、その中心部近傍から外縁部に向け
て、レーザービームガイド用のグルーブ11a、および
ランド11bが螺旋状に形成されている。記録層12
は、シアニン、メロシアニン、メチン系色素およびその
誘導体、ベンゼンチオール金属錯体、フタロシアニン色
素、ナフタロシアニン色素、アゾ色素などの有機色素か
らなり、この有機色素がグルーブ11aおよびランド1
1bを覆うように塗布されて形成されている。この記録
層12は、記録装置によって記録用レーザービームが照
射されることで分解変質し、そのレーザービームの照射
量に応じて、その光透過率が変化する。反射膜13は、
光記録媒体1に記録された記録データの再生時に基板1
1および記録層12を通過した再生用レーザービームを
反射するための薄膜層であって、金や銀などの金属を主
原料として記録層12の上に例えばスパッタリングによ
って形成されている。保護層14は、反射膜13および
記録層12を保護する層であって、反射膜13の外面を
覆うように形成されている。
【0029】次に、光記録媒体1の記録原理について、
図面を参照して説明する。
図面を参照して説明する。
【0030】この光記録媒体1では、図1に示すよう
に、その回転方向(円周方向)に沿ってグルーブ11a
を仮想的に分割した仮想記録セルS,S・・が記録単位
として規定されている。
に、その回転方向(円周方向)に沿ってグルーブ11a
を仮想的に分割した仮想記録セルS,S・・が記録単位
として規定されている。
【0031】図2は、光記録媒体1に記録された記録マ
ークMa〜Mgを概念的に示す概念図である。図2に示
されるように、仮想記録セルSのグルーブ11aに沿っ
た方向の長さは、集光ビーム径(ビームウエストの直
径)Dよりも短く規定されている。
ークMa〜Mgを概念的に示す概念図である。図2に示
されるように、仮想記録セルSのグルーブ11aに沿っ
た方向の長さは、集光ビーム径(ビームウエストの直
径)Dよりも短く規定されている。
【0032】この場合、記録装置のピックアップから出
射される記録用レーザービームの照射時間(すなわち、
レーザービームの照射量)を記録データの値に応じて多
段階に制御することで、図2に示すように、記録層12
(主として有機色素)の分解変質の度合いが異なる記録
マークMa〜Mg(以下、区別しないときには「記録マ
ークM」ともいう)が仮想記録セルS内に形成される。
なお、同図では、分解変質の度合いを記録マークMの大
きさで概念的に図示している。また、記録用レーザービ
ームによって記録データを記録する際には、光記録媒体
1を回転させつつ記録用レーザービームを照射するた
め、記録マークMは、照射時間に応じた長さの長円形と
なる。
射される記録用レーザービームの照射時間(すなわち、
レーザービームの照射量)を記録データの値に応じて多
段階に制御することで、図2に示すように、記録層12
(主として有機色素)の分解変質の度合いが異なる記録
マークMa〜Mg(以下、区別しないときには「記録マ
ークM」ともいう)が仮想記録セルS内に形成される。
なお、同図では、分解変質の度合いを記録マークMの大
きさで概念的に図示している。また、記録用レーザービ
ームによって記録データを記録する際には、光記録媒体
1を回転させつつ記録用レーザービームを照射するた
め、記録マークMは、照射時間に応じた長さの長円形と
なる。
【0033】したがって、この光記録媒体1にマルチレ
ベル記録する際には、仮想記録セルSに再生用レーザー
ビームを照射した際の光反射率が例えば7段階(未記録
部分を含めて8段階)となるように、記録マークMa〜
Mgのそれぞれの分解変質度合い(光透過率の変化量)
を規定する。この場合、光反射率は、記録層12の分解
変質度合いが小さいほど大きくなる。このため、記録マ
ークMが割り当てられていない仮想記録セルSが最大光
反射率の特性を有し、最も小さな記録マークMaが割り
当てられた仮想記録セルSが記録マークMのうち最も大
きい光反射率の特性を有し、以降、記録マークMb〜M
fが割り当てられた仮想記録セルSの順に光反射率が低
下し、最も大きな記録マークMgが割り当てられた仮想
記録セルSが最小光反射率の特性を有する。したがっ
て、レーザービームの照射量を制御して分解変質部分の
面積比(つまり記録層12の光透過率)を適宜設定する
ことにより、光反射率が7段階となる記録マークMa〜
Mgを形成することが可能となる。
ベル記録する際には、仮想記録セルSに再生用レーザー
ビームを照射した際の光反射率が例えば7段階(未記録
部分を含めて8段階)となるように、記録マークMa〜
Mgのそれぞれの分解変質度合い(光透過率の変化量)
を規定する。この場合、光反射率は、記録層12の分解
変質度合いが小さいほど大きくなる。このため、記録マ
ークMが割り当てられていない仮想記録セルSが最大光
反射率の特性を有し、最も小さな記録マークMaが割り
当てられた仮想記録セルSが記録マークMのうち最も大
きい光反射率の特性を有し、以降、記録マークMb〜M
fが割り当てられた仮想記録セルSの順に光反射率が低
下し、最も大きな記録マークMgが割り当てられた仮想
記録セルSが最小光反射率の特性を有する。したがっ
て、レーザービームの照射量を制御して分解変質部分の
面積比(つまり記録層12の光透過率)を適宜設定する
ことにより、光反射率が7段階となる記録マークMa〜
Mgを形成することが可能となる。
【0034】ここで、各記録マークMa〜Mgは記録さ
れたデータに対応しており、図2に示されるように、記
録マークMaが形成された仮想記録セルSは、データ
「1(001B)」を表し、以下同様に、記録マークM
b,Mc,Md,Me,Mf,Mgが形成された仮想記
録セルSは、それぞれデータ「2(010B)」、「3
(011B)」、「4(100B)」、「5(101
B)」、「6(110B)」、「7(111B)」を表
す。また、記録マークが形成されていない仮想記録セル
Sは、データ「0(000B)」を表す。但し、以上は
マルチレベル光記録媒体に対するデータの割り当ての一
例であり、本発明がこのようなデータの割り当てを行う
マルチレベル光記録媒体の開発にのみ適用可能であるこ
とを意味するものではない。
れたデータに対応しており、図2に示されるように、記
録マークMaが形成された仮想記録セルSは、データ
「1(001B)」を表し、以下同様に、記録マークM
b,Mc,Md,Me,Mf,Mgが形成された仮想記
録セルSは、それぞれデータ「2(010B)」、「3
(011B)」、「4(100B)」、「5(101
B)」、「6(110B)」、「7(111B)」を表
す。また、記録マークが形成されていない仮想記録セル
Sは、データ「0(000B)」を表す。但し、以上は
マルチレベル光記録媒体に対するデータの割り当ての一
例であり、本発明がこのようなデータの割り当てを行う
マルチレベル光記録媒体の開発にのみ適用可能であるこ
とを意味するものではない。
【0035】次に、光記録媒体1の記録層12に使用さ
れる有機色素の特性について、図面を参照して説明す
る。
れる有機色素の特性について、図面を参照して説明す
る。
【0036】記録層12に使用される有機色素は、一般
的に、記録用レーザービームの照射時間(照射量)の増
加に伴い分解変質の度合いも増加するという特性を有す
る。その一方、この際の光反射率の変化は、記録用レー
ザービームの照射時間(照射量)に対して直線的ではな
い。また、記録用レーザービームの照射時間(照射量)
に伴う分解変質は、照射開始から暫くの間はその度合い
が緩やかで、所定時間経過後にその度合いが急峻かつ直
線的となり、その後、その度合いが再び緩やかとなっ
て、ある照射時間を超えた後には、その度合いが殆ど増
加しないという特性を示す。
的に、記録用レーザービームの照射時間(照射量)の増
加に伴い分解変質の度合いも増加するという特性を有す
る。その一方、この際の光反射率の変化は、記録用レー
ザービームの照射時間(照射量)に対して直線的ではな
い。また、記録用レーザービームの照射時間(照射量)
に伴う分解変質は、照射開始から暫くの間はその度合い
が緩やかで、所定時間経過後にその度合いが急峻かつ直
線的となり、その後、その度合いが再び緩やかとなっ
て、ある照射時間を超えた後には、その度合いが殆ど増
加しないという特性を示す。
【0037】また、分解変質されていない有機色素の光
透過率、最も大きく分解変質した有機色素(分解変質の
度合いが殆ど増加しない状態となるまで分解変質させら
れた状態の有機色素)の光透過率、および分解変質の度
合いに応じた光透過率の変化量も、使用する有機色素の
材質によって様々である。したがって、例えば互いに異
なる有機色素で記録層12が形成される5種類の光記録
媒体1を作製した場合、各光記録媒体1の各記録層12
における絶対光反射率は互いに相違する。ここで、「絶
対光反射率」とは、平滑な表面に例えばスパッタリング
などによって金などの薄膜が施された円盤体の光反射率
の値を100%とした場合における、各光記録媒体1の
未記録部分(未記録の仮想記録セルS)での光反射率を
意味する。
透過率、最も大きく分解変質した有機色素(分解変質の
度合いが殆ど増加しない状態となるまで分解変質させら
れた状態の有機色素)の光透過率、および分解変質の度
合いに応じた光透過率の変化量も、使用する有機色素の
材質によって様々である。したがって、例えば互いに異
なる有機色素で記録層12が形成される5種類の光記録
媒体1を作製した場合、各光記録媒体1の各記録層12
における絶対光反射率は互いに相違する。ここで、「絶
対光反射率」とは、平滑な表面に例えばスパッタリング
などによって金などの薄膜が施された円盤体の光反射率
の値を100%とした場合における、各光記録媒体1の
未記録部分(未記録の仮想記録セルS)での光反射率を
意味する。
【0038】図3は、各種有機色素を使用した光記録媒
体1の相対光反射率特性を示す特性図である。
体1の相対光反射率特性を示す特性図である。
【0039】各光記録媒体1の各記録層12における相
対光反射率の特性も、図3の特性C1〜C5に示すよう
に、互いに相違する。なお、同図に示すように、上記し
た分解変質の度合いが特性C1〜C5の曲線における傾
きに寄与している。ここで、「相対光反射率」とは、各
光記録媒体1の未記録部分(つまり未記録の仮想記録セ
ルS)の絶対光反射率の値を100%とした場合におけ
る、対応する光記録媒体1の各記録部分(つまり記録さ
れている仮想記録セルS)の光反射率を意味する。
対光反射率の特性も、図3の特性C1〜C5に示すよう
に、互いに相違する。なお、同図に示すように、上記し
た分解変質の度合いが特性C1〜C5の曲線における傾
きに寄与している。ここで、「相対光反射率」とは、各
光記録媒体1の未記録部分(つまり未記録の仮想記録セ
ルS)の絶対光反射率の値を100%とした場合におけ
る、対応する光記録媒体1の各記録部分(つまり記録さ
れている仮想記録セルS)の光反射率を意味する。
【0040】このように、各記録層12の相対光反射率
の特性は、記録層12に用いられる有機色素によって異
なるため、データの記録/再生における最適な条件はマ
ルチレベル光記録媒体の種類ごとに異なる。したがっ
て、マルチレベル光記録媒体の開発においては、マルチ
レベル光記録媒体の種類ごとに、どのような特性を持つ
装置によって記録/再生を行った場合にどのような特性
(エラーレート等)が得られるかを評価することが必要
である。
の特性は、記録層12に用いられる有機色素によって異
なるため、データの記録/再生における最適な条件はマ
ルチレベル光記録媒体の種類ごとに異なる。したがっ
て、マルチレベル光記録媒体の開発においては、マルチ
レベル光記録媒体の種類ごとに、どのような特性を持つ
装置によって記録/再生を行った場合にどのような特性
(エラーレート等)が得られるかを評価することが必要
である。
【0041】次に、本発明の好ましい実施態様にかかる
信号処理シミュレーションシステムについて詳細に説明
する。
信号処理シミュレーションシステムについて詳細に説明
する。
【0042】図4は、本発明の好ましい実施態様にかか
る信号処理シミュレーションシステムの概要を示すブロ
ック図である。
る信号処理シミュレーションシステムの概要を示すブロ
ック図である。
【0043】図4に示されるように、本実施態様にかか
る信号処理シミュレーションシステムは、疑似信号発生
器10と、帯域可変フィルタ20と、パルスハイト処理
器30からなる。
る信号処理シミュレーションシステムは、疑似信号発生
器10と、帯域可変フィルタ20と、パルスハイト処理
器30からなる。
【0044】疑似信号発生器10は、所定の光ヘッドを
用いて所定のマルチレベル光記録媒体に対するデータの
再生を行った場合に、当該光ヘッドより得られるべき出
力信号を擬似的に生成する装置である。
用いて所定のマルチレベル光記録媒体に対するデータの
再生を行った場合に、当該光ヘッドより得られるべき出
力信号を擬似的に生成する装置である。
【0045】図5は、疑似信号発生器10により生成さ
れる疑似信号aの一例を示す波形図である。
れる疑似信号aの一例を示す波形図である。
【0046】図5に示されるように、対象とするマルチ
レベル光記録媒体が光反射率を8段階に設定することに
より各仮想記録セルSに3ビットの情報を記録可能なタ
イプのマルチレベル光記録媒体であれば、疑似信号発生
器10により生成される疑似信号aは、各周期において
それぞれデータ0(000B)からデータ7(111
B)に対応する8段階のレベルのいずれかのレベルをと
る波形となる。
レベル光記録媒体が光反射率を8段階に設定することに
より各仮想記録セルSに3ビットの情報を記録可能なタ
イプのマルチレベル光記録媒体であれば、疑似信号発生
器10により生成される疑似信号aは、各周期において
それぞれデータ0(000B)からデータ7(111
B)に対応する8段階のレベルのいずれかのレベルをと
る波形となる。
【0047】図6は、疑似信号発生器10の具体的な構
成の一例を概略的に示すブロック図である。
成の一例を概略的に示すブロック図である。
【0048】図6に示す例においては、疑似信号発生器
10はアナログ信号源41と、A/Dコンバータ42
と、メモリ43と、D/Aコンバータ44からなる。ア
ナログ信号源41は、メモリ43に書き込むべきランダ
ムなデジタル値の元となる信号を与える信号源であり、
任意の信号源、例えば実際の光ヘッドより得られるアナ
ログ信号を利用することができる。A/Dコンバータ4
2は、アナログ信号源41より供給されるアナログ信号
をデジタル信号に変換し、これをメモリ43に書き込む
回路である。ここで、A/Dコンバータ42の変換精度
としては、少なくとも対象とするマルチレベル光記録媒
体の各仮想記録セルSに記録可能なビット数をもつデジ
タル値への変換が可能である必要がある。例えば、図1
及び図2を用いて説明したマルチレベル光記録媒体のよ
うに、各仮想記録セルSに記録可能なビット数が「3」
であれば、A/Dコンバータ42の変換精度としては、
アナログ信号を3ビット以上のデジタル信号に変換可能
な精度を有している必要がある。変換精度が対象とする
マルチレベル光記録媒体の各仮想記録セルSに記録可能
なビット数を超えるA/Dコンバータ42を使用する場
合には、その出力値のうち、任意のビットを選択するこ
とにより、各仮想記録セルSに記録可能なビット数と同
数のビットからなるデジタル信号をメモリ43に供給す
ればよい。D/Aコンバータ44は、クロック信号(C
LOCK)に同期してメモリ43より次々と読み出され
るデジタル信号をアナログ信号に変換する回路であり、
その出力が疑似信号aとなる。疑似信号発生器10とし
て図6に示す構成を用いれば、非常に簡単且つ安価に疑
似信号発生器10を構成することが可能となる。
10はアナログ信号源41と、A/Dコンバータ42
と、メモリ43と、D/Aコンバータ44からなる。ア
ナログ信号源41は、メモリ43に書き込むべきランダ
ムなデジタル値の元となる信号を与える信号源であり、
任意の信号源、例えば実際の光ヘッドより得られるアナ
ログ信号を利用することができる。A/Dコンバータ4
2は、アナログ信号源41より供給されるアナログ信号
をデジタル信号に変換し、これをメモリ43に書き込む
回路である。ここで、A/Dコンバータ42の変換精度
としては、少なくとも対象とするマルチレベル光記録媒
体の各仮想記録セルSに記録可能なビット数をもつデジ
タル値への変換が可能である必要がある。例えば、図1
及び図2を用いて説明したマルチレベル光記録媒体のよ
うに、各仮想記録セルSに記録可能なビット数が「3」
であれば、A/Dコンバータ42の変換精度としては、
アナログ信号を3ビット以上のデジタル信号に変換可能
な精度を有している必要がある。変換精度が対象とする
マルチレベル光記録媒体の各仮想記録セルSに記録可能
なビット数を超えるA/Dコンバータ42を使用する場
合には、その出力値のうち、任意のビットを選択するこ
とにより、各仮想記録セルSに記録可能なビット数と同
数のビットからなるデジタル信号をメモリ43に供給す
ればよい。D/Aコンバータ44は、クロック信号(C
LOCK)に同期してメモリ43より次々と読み出され
るデジタル信号をアナログ信号に変換する回路であり、
その出力が疑似信号aとなる。疑似信号発生器10とし
て図6に示す構成を用いれば、非常に簡単且つ安価に疑
似信号発生器10を構成することが可能となる。
【0049】図7は、疑似信号発生器10の具体的な構
成の他の例を概略的に示すブロック図である。
成の他の例を概略的に示すブロック図である。
【0050】図7に示す例においては、疑似信号発生器
10はアドレス生成器45と、メモリ46と、D/Aコ
ンバータ47からなる。アドレス生成器45は、クロッ
ク信号(CLOCK)に同期してメモリ46に対し、ラ
ンダムなアドレスを供給する回路である。これを受ける
メモリ46は、与えられたアドレスに格納されているデ
ジタル値をD/Aコンバータ47に供給し、D/Aコン
バータ47はこれをアナログ信号に変換する。D/Aコ
ンバータ47の出力は疑似信号aとして用いられる。こ
の場合、マルチレベル光記録媒体の各仮想記録セルSに
記録可能な値の数と同数の容量のメモリ46があれば、
全てのレベル値をシミュレートすることができる。例え
ば、図1及び図2を用いて説明したマルチレベル光記録
媒体のように、各仮想記録セルSに記録可能なビット数
が「3」であるために、記録可能な値の数が「8」(=
23)であれば、メモリ46は8ワード分の記録容量が
あればよい。また、1ワードに必要なビット数は、各仮
想記録セルSに記録可能なビット数と同数である。この
ように、疑似信号発生器10として図7に示す構成を用
いた場合、メモリ46に要求される記録容量は極めて小
さい。
10はアドレス生成器45と、メモリ46と、D/Aコ
ンバータ47からなる。アドレス生成器45は、クロッ
ク信号(CLOCK)に同期してメモリ46に対し、ラ
ンダムなアドレスを供給する回路である。これを受ける
メモリ46は、与えられたアドレスに格納されているデ
ジタル値をD/Aコンバータ47に供給し、D/Aコン
バータ47はこれをアナログ信号に変換する。D/Aコ
ンバータ47の出力は疑似信号aとして用いられる。こ
の場合、マルチレベル光記録媒体の各仮想記録セルSに
記録可能な値の数と同数の容量のメモリ46があれば、
全てのレベル値をシミュレートすることができる。例え
ば、図1及び図2を用いて説明したマルチレベル光記録
媒体のように、各仮想記録セルSに記録可能なビット数
が「3」であるために、記録可能な値の数が「8」(=
23)であれば、メモリ46は8ワード分の記録容量が
あればよい。また、1ワードに必要なビット数は、各仮
想記録セルSに記録可能なビット数と同数である。この
ように、疑似信号発生器10として図7に示す構成を用
いた場合、メモリ46に要求される記録容量は極めて小
さい。
【0051】帯域可変フィルタ20は、遮断周波数f0
が可変であるローパスフィルタであり、実際に光ヘッド
より供給される出力信号に含まれる不要な高周波成分を
除去するためのフィルタをシミュレートするために用い
る。帯域可変フィルタ20を通過した疑似信号bは、図
8に示されるように、疑似信号aをややなだらかにした
波形となる。
が可変であるローパスフィルタであり、実際に光ヘッド
より供給される出力信号に含まれる不要な高周波成分を
除去するためのフィルタをシミュレートするために用い
る。帯域可変フィルタ20を通過した疑似信号bは、図
8に示されるように、疑似信号aをややなだらかにした
波形となる。
【0052】通常、高周波成分を除去するためのフィル
タは、f0がクロック信号(CLOCK)の周波数以下
となり、2×f0がクロック信号(CLOCK)の周波
数以上となるように設計されるので、帯域可変フィルタ
20の特性としても、かかる範囲内において設定するこ
とが好ましい。しかしながら、より高密度記録になると
信号対雑音比(S/N比)はより悪化する。この状態を
シミュレートするにはf0をクロック信号の周波数以上
に設定することが望ましい。本実施態様ではクロック信
号の周波数に対しf0を0.5〜10倍に設定できるよ
うにしてある。
タは、f0がクロック信号(CLOCK)の周波数以下
となり、2×f0がクロック信号(CLOCK)の周波
数以上となるように設計されるので、帯域可変フィルタ
20の特性としても、かかる範囲内において設定するこ
とが好ましい。しかしながら、より高密度記録になると
信号対雑音比(S/N比)はより悪化する。この状態を
シミュレートするにはf0をクロック信号の周波数以上
に設定することが望ましい。本実施態様ではクロック信
号の周波数に対しf0を0.5〜10倍に設定できるよ
うにしてある。
【0053】パルスハイト処理器30は、データ弁別部
の特性をシミュレートするために用いられ、帯域可変フ
ィルタ20からの出力である疑似信号bを解析すること
により、対象となるマルチレベル光記録媒体の再生に好
適なデータ弁別部の特性を決定するためのデータを生成
する。
の特性をシミュレートするために用いられ、帯域可変フ
ィルタ20からの出力である疑似信号bを解析すること
により、対象となるマルチレベル光記録媒体の再生に好
適なデータ弁別部の特性を決定するためのデータを生成
する。
【0054】図9は、パルスハイト処理器30の具体的
な構成の一例を概略的に示すブロック図である。
な構成の一例を概略的に示すブロック図である。
【0055】図9に示されるように、パルスハイト処理
器30は、サンプル・ホールド回路31と、A/Dコン
バータ32と、カウンタ33と、解析部34と、入力デ
バイス35と、ディスプレイ36からなる。
器30は、サンプル・ホールド回路31と、A/Dコン
バータ32と、カウンタ33と、解析部34と、入力デ
バイス35と、ディスプレイ36からなる。
【0056】サンプル・ホールド回路31は、疑似信号
発生器10に供給されるクロック信号(CLOCK)と
同じクロック信号に同期して、帯域可変フィルタ20か
らの出力である疑似信号bをサンプリングし、これを保
持する回路である。また、A/Dコンバータ32は、サ
ンプル・ホールド回路31によってサンプリングされ保
持されているアナログレベルをデジタル値に変換する回
路である。ここで、A/Dコンバータ32の変換精度と
しては、対象とするマルチレベル光記録媒体の各仮想記
録セルSに記録可能なビット数よりも2ビット以上多い
ビット数をもつデジタル値への変換が可能である必要が
あり、各仮想記録セルSに記録可能なビット数よりも3
ビット以上多いビット数をもつデジタル値への変換が可
能であることが好ましい。例えば、図1及び図2を用い
て説明したマルチレベル光記録媒体のように、各仮想記
録セルSに記録可能なビット数が「3」であれば、A/
Dコンバータ32の変換精度としては、アナログ信号を
4ビット以上のデジタル信号に変換可能な精度を有して
いる必要があり、5ビット以上のデジタル信号に変換可
能な精度を有している必要があり、6ビット以上のデジ
タル信号に変換可能な精度を有していることが好まし
い。
発生器10に供給されるクロック信号(CLOCK)と
同じクロック信号に同期して、帯域可変フィルタ20か
らの出力である疑似信号bをサンプリングし、これを保
持する回路である。また、A/Dコンバータ32は、サ
ンプル・ホールド回路31によってサンプリングされ保
持されているアナログレベルをデジタル値に変換する回
路である。ここで、A/Dコンバータ32の変換精度と
しては、対象とするマルチレベル光記録媒体の各仮想記
録セルSに記録可能なビット数よりも2ビット以上多い
ビット数をもつデジタル値への変換が可能である必要が
あり、各仮想記録セルSに記録可能なビット数よりも3
ビット以上多いビット数をもつデジタル値への変換が可
能であることが好ましい。例えば、図1及び図2を用い
て説明したマルチレベル光記録媒体のように、各仮想記
録セルSに記録可能なビット数が「3」であれば、A/
Dコンバータ32の変換精度としては、アナログ信号を
4ビット以上のデジタル信号に変換可能な精度を有して
いる必要があり、5ビット以上のデジタル信号に変換可
能な精度を有している必要があり、6ビット以上のデジ
タル信号に変換可能な精度を有していることが好まし
い。
【0057】また、カウンタ33は、A/Dコンバータ
32により生成される各デジタル値の出現回数をカウン
トする回路であり、具体的には、メモリを用いることが
できる。カウンタ33としてメモリを用いる場合、A/
Dコンバータ32により生成されるデジタル値をアドレ
ス情報とし、対応するアドレスに格納されたデータ(カ
ウント値)をインクリメントすればよい。
32により生成される各デジタル値の出現回数をカウン
トする回路であり、具体的には、メモリを用いることが
できる。カウンタ33としてメモリを用いる場合、A/
Dコンバータ32により生成されるデジタル値をアドレ
ス情報とし、対応するアドレスに格納されたデータ(カ
ウント値)をインクリメントすればよい。
【0058】解析部34は、カウンタ33によるカウン
ト結果を解析する回路であり、入力デバイス35を介し
たユーザの操作に基づいて解析を行うとともに、その結
果をディスプレイ36に表示する。特に限定されるもの
ではないが、入力デバイス35としてはキーボードやマ
ウス等を用いることができ、ディスプレイ36としては
CRTやLCDを用いることができる。
ト結果を解析する回路であり、入力デバイス35を介し
たユーザの操作に基づいて解析を行うとともに、その結
果をディスプレイ36に表示する。特に限定されるもの
ではないが、入力デバイス35としてはキーボードやマ
ウス等を用いることができ、ディスプレイ36としては
CRTやLCDを用いることができる。
【0059】次に、パルスハイト処理器30の動作につ
いて具体例を挙げて詳細に説明する。
いて具体例を挙げて詳細に説明する。
【0060】本例においては、対象とするマルチレベル
光記録媒体の各仮想記録セルSに記録可能なビット数が
「3」であり、A/Dコンバータ32の変換精度が6ビ
ットであり、サンプル・ホールド回路31によってサン
プリングされ保持されているアナログレベルを0000
00B(0)〜101111B(47)の48段階のデ
ジタル値に変換可能であるものとして説明する。
光記録媒体の各仮想記録セルSに記録可能なビット数が
「3」であり、A/Dコンバータ32の変換精度が6ビ
ットであり、サンプル・ホールド回路31によってサン
プリングされ保持されているアナログレベルを0000
00B(0)〜101111B(47)の48段階のデ
ジタル値に変換可能であるものとして説明する。
【0061】図10は、サンプル・ホールド回路31に
よるサンプリング動作及びA/Dコンバータ32による
変換動作の一例を示すタイミング図である。
よるサンプリング動作及びA/Dコンバータ32による
変換動作の一例を示すタイミング図である。
【0062】図10に示されるように、A/Dコンバー
タ32による変換が000000B(0)〜10111
1B(47)の48段階であるとすれば、クロック信号
(CLOCK)の立ち上がりエッジが現れる度に、疑似
信号bのレベルに基づき、6ビットのデジタルデータが
生成される。このようにして生成されたデジタルデータ
は、上述の通り、カウンタ33に供給されてその出現回
数がカウントされる。
タ32による変換が000000B(0)〜10111
1B(47)の48段階であるとすれば、クロック信号
(CLOCK)の立ち上がりエッジが現れる度に、疑似
信号bのレベルに基づき、6ビットのデジタルデータが
生成される。このようにして生成されたデジタルデータ
は、上述の通り、カウンタ33に供給されてその出現回
数がカウントされる。
【0063】ここで、疑似信号発生器10により生成さ
れた疑似信号aがデータ0(000B)である場合に期
待されるA/Dコンバータ32の出力は、000000
B(0)〜000101B(5)であり、疑似信号aが
データ1(001B)である場合に期待されるA/Dコ
ンバータ32の出力は、000110B(6)〜001
011B(11)であり、疑似信号aがデータ2(01
0B)である場合に期待されるA/Dコンバータ32の
出力は、001100B(12)〜010001B(1
7)であり、疑似信号aがデータ3(011B)である
場合に期待されるA/Dコンバータ32の出力は、01
0010B(18)〜010111B(23)であり、
疑似信号aがデータ4(100B)である場合に期待さ
れるA/Dコンバータ32の出力は、011000B
(24)〜011101B(29)であり、疑似信号a
がデータ5(101B)である場合に期待されるA/D
コンバータ32の出力は、011110B(30)〜1
00011B(35)であり、疑似信号aがデータ6
(110B)である場合に期待されるA/Dコンバータ
32の出力は、100100B(36)〜101001
B(41)であり、疑似信号aがデータ7(111B)
である場合に期待されるA/Dコンバータ32の出力
は、101010B(42)〜101111B(47)
である。
れた疑似信号aがデータ0(000B)である場合に期
待されるA/Dコンバータ32の出力は、000000
B(0)〜000101B(5)であり、疑似信号aが
データ1(001B)である場合に期待されるA/Dコ
ンバータ32の出力は、000110B(6)〜001
011B(11)であり、疑似信号aがデータ2(01
0B)である場合に期待されるA/Dコンバータ32の
出力は、001100B(12)〜010001B(1
7)であり、疑似信号aがデータ3(011B)である
場合に期待されるA/Dコンバータ32の出力は、01
0010B(18)〜010111B(23)であり、
疑似信号aがデータ4(100B)である場合に期待さ
れるA/Dコンバータ32の出力は、011000B
(24)〜011101B(29)であり、疑似信号a
がデータ5(101B)である場合に期待されるA/D
コンバータ32の出力は、011110B(30)〜1
00011B(35)であり、疑似信号aがデータ6
(110B)である場合に期待されるA/Dコンバータ
32の出力は、100100B(36)〜101001
B(41)であり、疑似信号aがデータ7(111B)
である場合に期待されるA/Dコンバータ32の出力
は、101010B(42)〜101111B(47)
である。
【0064】このようなカウント動作は、十分な数の疑
似信号に対して行う必要があり、本例のように、対象と
するマルチレベル光記録媒体の各仮想記録セルSに記録
可能なビット数が「3」である場合には、10万個以上
の疑似信号に対してかかるカウントを行うことが好まし
く、30万個以上の疑似信号に対してかかるカウントを
行うことがより好ましい。
似信号に対して行う必要があり、本例のように、対象と
するマルチレベル光記録媒体の各仮想記録セルSに記録
可能なビット数が「3」である場合には、10万個以上
の疑似信号に対してかかるカウントを行うことが好まし
く、30万個以上の疑似信号に対してかかるカウントを
行うことがより好ましい。
【0065】図11は、カウンタ33によるカウント結
果の一部を例示的に示す図であり、疑似信号aがデータ
0(000B)である場合に期待されるA/Dコンバー
タ32の出力(000000B(0)〜000101B
(5))についてのカウント結果の一例が示されてい
る。
果の一部を例示的に示す図であり、疑似信号aがデータ
0(000B)である場合に期待されるA/Dコンバー
タ32の出力(000000B(0)〜000101B
(5))についてのカウント結果の一例が示されてい
る。
【0066】図11に示す例では、クロックに同期した
タイミングにおいて疑似信号bの波高値が000001
B(1)に対応するレベルであったケースが5回検出さ
れ、疑似信号bの波高値が000010B(2)に対応
するレベルであったケースが1400回検出され、疑似
信号bの波高値が000011B(3)に対応するレベ
ルであったケースが47083回検出され、疑似信号b
の波高値が000100B(4)に対応するレベルであ
ったケースが1500回検出され、疑似信号bの波高値
が000101B(5)に対応するレベルであったケー
スが12回検出されたことが示されている。
タイミングにおいて疑似信号bの波高値が000001
B(1)に対応するレベルであったケースが5回検出さ
れ、疑似信号bの波高値が000010B(2)に対応
するレベルであったケースが1400回検出され、疑似
信号bの波高値が000011B(3)に対応するレベ
ルであったケースが47083回検出され、疑似信号b
の波高値が000100B(4)に対応するレベルであ
ったケースが1500回検出され、疑似信号bの波高値
が000101B(5)に対応するレベルであったケー
スが12回検出されたことが示されている。
【0067】カウンタ33には、このようなカウント結
果が000000B(0)〜101111B(47)に
ついてそれぞれ集計されており、ユーザは、入力デバイ
ス35を介して所定の操作を行うことにより、解析部3
4による解析を実行することができる。解析部34によ
る解析の方法は特に限定されないが、カウンタ33によ
って集計された値をディスプレイ36に直接表示させて
も良いし、カウンタ33によって集計された値を元にグ
ラフを作成し、これをディスプレイ36に表示させても
良い。さらに、カウンタ33によって集計された値を各
疑似信号aの値に基づいて分類し、各分類ごとに出現率
を計算してこれをディスプレイ36に表示させても良
い。例えば、図11に示した例では、疑似信号aがデー
タ0(000B)である場合に期待されるカウント値の
区分(000000B(0)〜000101B(5))
におけるカウント値の合計が50000カウントである
から、000011B(3)の出現率は 47083÷50000=94.2% となる。
果が000000B(0)〜101111B(47)に
ついてそれぞれ集計されており、ユーザは、入力デバイ
ス35を介して所定の操作を行うことにより、解析部3
4による解析を実行することができる。解析部34によ
る解析の方法は特に限定されないが、カウンタ33によ
って集計された値をディスプレイ36に直接表示させて
も良いし、カウンタ33によって集計された値を元にグ
ラフを作成し、これをディスプレイ36に表示させても
良い。さらに、カウンタ33によって集計された値を各
疑似信号aの値に基づいて分類し、各分類ごとに出現率
を計算してこれをディスプレイ36に表示させても良
い。例えば、図11に示した例では、疑似信号aがデー
タ0(000B)である場合に期待されるカウント値の
区分(000000B(0)〜000101B(5))
におけるカウント値の合計が50000カウントである
から、000011B(3)の出現率は 47083÷50000=94.2% となる。
【0068】このような解析結果を元に、ユーザは、当
該マルチレベル光記録媒体を再生するのに適したデータ
弁別部の特性を決定することができる。例えば、疑似信
号aがデータ0(000B)である場合に対応するカウ
ント値が図11に示した通りであるとすれば、A/Dコ
ンバータ32の出力値が000010B(2)〜000
100B(4)となる疑似信号bのレベルの範囲を「デ
ータ0」として弁別すべき範囲に決定すればよい。この
ように決定すれば、アドレス000010B(2)〜0
00100B(4)の合計カウント値は 1400+47083+1500=49983カウント であるから、帯域可変フィルタ20の特性とほぼ同じ特
性を持ったフィルタを用いることにより、99.97%
(=49983÷50000)の確率で当該マルチレベ
ル光記録媒体から「データ0」を正しく読み出せること
が分かる。また、正しく読めない比率であるエラーレー
トは0.03%(=17÷50000)であることが分
かる。
該マルチレベル光記録媒体を再生するのに適したデータ
弁別部の特性を決定することができる。例えば、疑似信
号aがデータ0(000B)である場合に対応するカウ
ント値が図11に示した通りであるとすれば、A/Dコ
ンバータ32の出力値が000010B(2)〜000
100B(4)となる疑似信号bのレベルの範囲を「デ
ータ0」として弁別すべき範囲に決定すればよい。この
ように決定すれば、アドレス000010B(2)〜0
00100B(4)の合計カウント値は 1400+47083+1500=49983カウント であるから、帯域可変フィルタ20の特性とほぼ同じ特
性を持ったフィルタを用いることにより、99.97%
(=49983÷50000)の確率で当該マルチレベ
ル光記録媒体から「データ0」を正しく読み出せること
が分かる。また、正しく読めない比率であるエラーレー
トは0.03%(=17÷50000)であることが分
かる。
【0069】このような弁別範囲の決定をデータ0〜デ
ータ7のそれぞれについて行うことにより、対象となる
マルチレベル光記録媒体に対するデータの再生を行うド
ライブに要求されるフィルタの特性及びデータ弁別部の
特性を決定することが可能となる。
ータ7のそれぞれについて行うことにより、対象となる
マルチレベル光記録媒体に対するデータの再生を行うド
ライブに要求されるフィルタの特性及びデータ弁別部の
特性を決定することが可能となる。
【0070】尚、疑似信号発生器10により生成される
疑似信号aは、実際に光ヘッドを用いて対象となるマル
チレベル光記録媒体に対するデータの再生を行った場合
に得られるであろう出力信号を擬似的に示すものである
から、疑似信号発生器10は、疑似信号aにノイズ等、
実際に得られるであろう各主成分を重畳しておくことが
好ましい。
疑似信号aは、実際に光ヘッドを用いて対象となるマル
チレベル光記録媒体に対するデータの再生を行った場合
に得られるであろう出力信号を擬似的に示すものである
から、疑似信号発生器10は、疑似信号aにノイズ等、
実際に得られるであろう各主成分を重畳しておくことが
好ましい。
【0071】ノイズとしてはホワイトノイズ、ジッタ、
メカニカルノイズ、クロストークなどが代表的なもの
で、ホワイトノイズは信号の大きさに細かな変動を付け
ることにより、ジッタはクロックに対する信号の時間ず
れを生じさせることにより、メカニカルノイズは信号の
大きさを全体的に小さくすることにより、クロストーク
は信号の大きさをランダムに変化させることにより、擬
似信号として実現することができる。このようなノイズ
は、それぞれ単独で重畳させても良いし、種類の異なる
複数のノイズを併せて重畳させても良い。
メカニカルノイズ、クロストークなどが代表的なもの
で、ホワイトノイズは信号の大きさに細かな変動を付け
ることにより、ジッタはクロックに対する信号の時間ず
れを生じさせることにより、メカニカルノイズは信号の
大きさを全体的に小さくすることにより、クロストーク
は信号の大きさをランダムに変化させることにより、擬
似信号として実現することができる。このようなノイズ
は、それぞれ単独で重畳させても良いし、種類の異なる
複数のノイズを併せて重畳させても良い。
【0072】このように、本実施態様による信号処理シ
ミュレーションシステムにおいては、疑似信号aを生成
する疑似信号発生器10と、疑似信号aを受けて疑似信
号bを生成する帯域可変フィルタ20と、疑似信号bを
サンプリングしこれを解析するパルスハイト処理器30
とを備え、これにより実際の光記録媒体やドライブを用
いることなく、シミュレーションによってこれら光記録
媒体及びそのドライブの評価を行うことができるので、
光記録媒体及びそのドライブの開発時間及び開発コスト
を大幅に削減することが可能となる。
ミュレーションシステムにおいては、疑似信号aを生成
する疑似信号発生器10と、疑似信号aを受けて疑似信
号bを生成する帯域可変フィルタ20と、疑似信号bを
サンプリングしこれを解析するパルスハイト処理器30
とを備え、これにより実際の光記録媒体やドライブを用
いることなく、シミュレーションによってこれら光記録
媒体及びそのドライブの評価を行うことができるので、
光記録媒体及びそのドライブの開発時間及び開発コスト
を大幅に削減することが可能となる。
【0073】本発明は、以上の実施態様に限定されるこ
となく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種
々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含
されるものであることはいうまでもない。
となく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種
々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含
されるものであることはいうまでもない。
【0074】例えば、上記実施態様においては、マルチ
レベル光記録媒体及びそのドライブの開発を行う場合を
例に説明したが、本発明にかかる信号処理シミュレーシ
ョンシステムの適用対象がマルチレベル光記録媒体及び
そのドライブの開発に限定されることはなく、2値記録
を行う通常の光記録媒体及びそのドライブの開発に用い
ることも可能である。また、開発対象とするマルチレベ
ル光記録媒体についても、上記実施態様にて説明したC
D-R媒体に限るわけではなく、DVDや、450nm
以下の短波長レーザを用いた高記録密度媒体であっても
構わない。
レベル光記録媒体及びそのドライブの開発を行う場合を
例に説明したが、本発明にかかる信号処理シミュレーシ
ョンシステムの適用対象がマルチレベル光記録媒体及び
そのドライブの開発に限定されることはなく、2値記録
を行う通常の光記録媒体及びそのドライブの開発に用い
ることも可能である。また、開発対象とするマルチレベ
ル光記録媒体についても、上記実施態様にて説明したC
D-R媒体に限るわけではなく、DVDや、450nm
以下の短波長レーザを用いた高記録密度媒体であっても
構わない。
【0075】また、上記実施態様においては、マルチレ
ベル光記録媒体からデータ弁別部までの全ての要素をシ
ミュレートしているが、これらの一部を実際の要素に置
き換えても構わない。例えば、疑似信号発生器10を用
いることなく、実際のマルチレベル光記録媒体から実際
の光ヘッドを用いて出力信号を生成し、かかる出力信号
に基づき、帯域可変フィルタ20及びパルスハイト処理
器30を用いてシミュレーションを行っても構わない。
このようなシミュレーションは、マルチレベル光記録媒
体及び光ヘッドの仕様が確定しており、フィルタ及びデ
ータ弁別部の仕様が未確定である場合に、その開発を行
うケースにおいて有効である。
ベル光記録媒体からデータ弁別部までの全ての要素をシ
ミュレートしているが、これらの一部を実際の要素に置
き換えても構わない。例えば、疑似信号発生器10を用
いることなく、実際のマルチレベル光記録媒体から実際
の光ヘッドを用いて出力信号を生成し、かかる出力信号
に基づき、帯域可変フィルタ20及びパルスハイト処理
器30を用いてシミュレーションを行っても構わない。
このようなシミュレーションは、マルチレベル光記録媒
体及び光ヘッドの仕様が確定しており、フィルタ及びデ
ータ弁別部の仕様が未確定である場合に、その開発を行
うケースにおいて有効である。
【0076】また、本発明において、手段とは、必ずし
も物理的手段を意味するものではなく、各手段の機能が
ソフトウエアによって実現される場合も包含する。さら
に、一つの手段の機能が二以上の物理的手段により実現
されても、二以上の手段の機能が一つの物理的手段によ
り実現されてもよい。
も物理的手段を意味するものではなく、各手段の機能が
ソフトウエアによって実現される場合も包含する。さら
に、一つの手段の機能が二以上の物理的手段により実現
されても、二以上の手段の機能が一つの物理的手段によ
り実現されてもよい。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように、本発明にかかる信
号処理シミュレーションシステム及び信号処理シミュレ
ーション方法を用いれば、光記録媒体及びそのドライブ
の開発を短時間及び低コストで行うことが可能となり、
特に、マルチレベル光記録媒体及びそのドライブの開発
に好適である。
号処理シミュレーションシステム及び信号処理シミュレ
ーション方法を用いれば、光記録媒体及びそのドライブ
の開発を短時間及び低コストで行うことが可能となり、
特に、マルチレベル光記録媒体及びそのドライブの開発
に好適である。
【図1】マルチレベル光記録媒体1の構成を示す切り欠
き斜視図である。
き斜視図である。
【図2】マルチレベル光記録媒体1に記録された記録マ
ークMa〜Mgを概念的に示す概念図である。
ークMa〜Mgを概念的に示す概念図である。
【図3】各種有機色素を使用したマルチレベル光記録媒
体1の相対光反射率特性を示す特性図である。
体1の相対光反射率特性を示す特性図である。
【図4】本発明の好ましい実施態様にかかる信号処理シ
ミュレーションシステムの概要を示すブロック図であ
る。
ミュレーションシステムの概要を示すブロック図であ
る。
【図5】疑似信号発生器10により生成される疑似信号
aの一例を示す波形図である。
aの一例を示す波形図である。
【図6】疑似信号発生器10の具体的な構成の一例を概
略的に示すブロック図である。
略的に示すブロック図である。
【図7】疑似信号発生器10の具体的な構成の他の例を
概略的に示すブロック図である。
概略的に示すブロック図である。
【図8】帯域可変フィルタ20より出力される疑似信号
bの一例を示す波形図である。
bの一例を示す波形図である。
【図9】パルスハイト処理器30の具体的な構成の一例
を概略的に示すブロック図である。
を概略的に示すブロック図である。
【図10】サンプル・ホールド回路31によるサンプリ
ング動作及びA/Dコンバータ32による変換動作の一
例を示すタイミング図である。
ング動作及びA/Dコンバータ32による変換動作の一
例を示すタイミング図である。
【図11】カウンタ33によるカウント結果の一部を例
示的に示す図である。
示的に示す図である。
1 マルチレベル光記録媒体
10 疑似信号発生器
11 基板
11a グルーブ
11b ランド
12 記録層
13 反射膜
14 保護層
20 帯域可変フィルタ
30 パルスハイト処理器
31 サンプル・ホールド回路
32 A/Dコンバータ
33 カウンタ
34 解析部
35 入力デバイス
36 ディスプレイ
41 アナログ信号源
42 A/Dコンバータ
43 メモリ
44 D/Aコンバータ
45 アドレス生成器
46 メモリ
47 D/Aコンバータ
Claims (10)
- 【請求項1】 信号発生源と、前記信号発生源からの信
号を受ける帯域可変フィルタと、前記帯域可変フィルタ
の出力を解析するパルスハイト処理器とを備える信号処
理シミュレーションシステム。 - 【請求項2】 前記信号発生源が、光ヘッドによる光記
録媒体からの再生信号を擬似的に生成する疑似信号発生
器であることを特徴とする請求項1に記載の信号処理シ
ミュレーションシステム。 - 【請求項3】 前記疑似信号発生器が、擬似的に生成す
る信号にノイズを重畳可能に構成されていることを特徴
とする請求項2に記載の信号処理シミュレーションシス
テム。 - 【請求項4】 前記帯域可変フィルタが、遮断周波数が
可変であるローパスフィルタからなることを特徴とする
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の信号処理シミュ
レーションシステム。 - 【請求項5】 前記パルスハイト処理器が、前記帯域可
変フィルタの出力をサンプリングするサンプリング手段
と、サンプリングされたアナログレベルをデジタル値に
変換する変換手段と、前記各デジタル値の出現回数をカ
ウントするカウント手段とを含むことを特徴とする請求
項1乃至4のいずれか1項に記載の信号処理シミュレー
ションシステム。 - 【請求項6】 前記信号発生源からの信号がクロック信
号に同期して変化する信号であり、前記サンプリング手
段が前記クロック信号に同期したサンプリングを行うこ
とを特徴とする請求項5に記載の信号処理シミュレーシ
ョンシステム。 - 【請求項7】 前記疑似信号発生器が、光ヘッドによる
マルチレベル光記録媒体からの再生信号を擬似的に生成
することを特徴とする請求項2乃至6のいずれか1項に
記載の信号処理シミュレーションシステム。 - 【請求項8】 光ヘッドによる光記録媒体からの再生信
号を擬似的に生成し、前記擬似的な再生信号をフィルタ
リングした信号をサンプリングし、サンプリングされた
レベルを解析することを特徴とする信号処理シミュレー
ション方法。 - 【請求項9】 前記解析が、サンプリングされたレベル
をデジタル値に変換し、前記各デジタル値の出現回数を
カウントすることにより行うことを特徴とする請求項8
に記載の信号処理シミュレーション方法。 - 【請求項10】 前記擬似的な再生信号が、光ヘッドに
よるマルチレベル光記録媒体からの擬似的な再生信号で
あることを特徴とする請求項8または9に記載の信号処
理シミュレーション方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001370255A JP2003173620A (ja) | 2001-12-04 | 2001-12-04 | 信号処理シミュレーションシステム及び信号処理シミュレーション方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001370255A JP2003173620A (ja) | 2001-12-04 | 2001-12-04 | 信号処理シミュレーションシステム及び信号処理シミュレーション方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003173620A true JP2003173620A (ja) | 2003-06-20 |
Family
ID=19179505
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001370255A Pending JP2003173620A (ja) | 2001-12-04 | 2001-12-04 | 信号処理シミュレーションシステム及び信号処理シミュレーション方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003173620A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1909285A2 (en) * | 2006-10-04 | 2008-04-09 | Delphi Technologies, Inc. | Method and system for evaluating CD player response to vibration during playback of a CD |
-
2001
- 2001-12-04 JP JP2001370255A patent/JP2003173620A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1909285A2 (en) * | 2006-10-04 | 2008-04-09 | Delphi Technologies, Inc. | Method and system for evaluating CD player response to vibration during playback of a CD |
EP1909285A3 (en) * | 2006-10-04 | 2014-01-01 | Tab Two Limited Liability Company | Method and system for evaluating CD player response to vibration during playback of a CD |
USRE44714E1 (en) | 2006-10-04 | 2014-01-21 | Tab Two Limited Liability Company | CD response to vibration during playback of a CD |
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Effective date: 20070320 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
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Effective date: 20070417 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
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Effective date: 20070904 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |