JP2003172694A - 全反射減衰を利用したセンサー - Google Patents

全反射減衰を利用したセンサー

Info

Publication number
JP2003172694A
JP2003172694A JP2001382817A JP2001382817A JP2003172694A JP 2003172694 A JP2003172694 A JP 2003172694A JP 2001382817 A JP2001382817 A JP 2001382817A JP 2001382817 A JP2001382817 A JP 2001382817A JP 2003172694 A JP2003172694 A JP 2003172694A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
total reflection
differential value
dielectric block
light receiving
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001382817A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3783131B2 (ja
Inventor
Nobufumi Mori
信文 森
Hitoshi Shimizu
清水  仁
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2001382817A priority Critical patent/JP3783131B2/ja
Publication of JP2003172694A publication Critical patent/JP2003172694A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3783131B2 publication Critical patent/JP3783131B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 全反射減衰を利用したセンサーにおいて、電
気回路を飽和させることなく、微分値の変化を高感度で
測定して試料分析を正確に行なう。 【解決手段】 誘電体ブロック10と、その一面に形成さ
れた金属膜12と、光ビーム13を誘電体ブロック10に対し
て、それと金属膜12との界面10bで全反射条件が得られ
るように種々の角度で入射させる光学系15と、上記界面
10bにおいて全反射した光ビームを検出するアレイ状光
検出手段17と、この光検出手段17の各受光素子が出力す
る光検出信号を、受光素子の並設方向に関して微分する
差動アンプアレイ18とを備え、所定時間経過毎に微分値
の変化を測定する全反射減衰を利用したセンサーにおい
て、測定毎に、微分値からその初期値を減算して微分値
の変化量ΔI’を求め、この変化量ΔI’を増幅して測
定する。微分値ではなく変化量ΔI’を増幅するので、
後段の電気回路が飽和せず高感度な測定ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面プラズモンの
発生を利用して試料中の物質の特性を分析する表面プラ
ズモンセンサー等の、全反射減衰を利用したセンサーに
関し、特に詳細には、全反射減衰によって測定光に生じ
る暗線を、複数の受光素子が所定方向に並設されてなる
アレイ状の光検出手段を用いて検出するタイプの、全反
射減衰を利用したセンサーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属中においては、自由電子が集団的に
振動して、プラズマ波と呼ばれる粗密波が生じる。そし
て、金属表面に生じるこの粗密波を量子化したものは、
表面プラズモンと呼ばれている。
【0003】従来より、この表面プラズモンが光波によ
って励起される現象を利用して、試料中の物質の特性を
分析する表面プラズモンセンサーが種々提案されてい
る。そして、それらの中で特に良く知られているものと
して、 Kretschmann配置と称される系を用いるものが挙
げられる(例えば特開平6−167443号参照)。
【0004】上記の系を用いる表面プラズモンセンサー
は基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体ブロ
ックと、この誘電体ブロックの一面に形成されて試料に
接触させられる金属膜と、光ビームを発生させる光源
と、上記光ビームを誘電体ブロックに対して、該誘電体
ブロックと金属膜との界面で全反射条件が得られるよう
に種々の角度で入射させる光学系と、上記界面で全反射
した光ビームの強度を測定して表面プラズモン共鳴の状
態、つまり全反射減衰の状態を検出する光検出手段とを
備えてなるものである。
【0005】なお上述のように種々の入射角を得るため
には、比較的細い光ビームを入射角を変化させて上記界
面に入射させてもよいし、あるいは光ビームに種々の角
度で入射する成分が含まれるように、比較的太い光ビー
ムを上記界面に収束光状態であるいは発散光状態で入射
させてもよい。前者の場合は、入射した光ビームの入射
角の変化に従って、反射角が変化する光ビームを、上記
反射角の変化に同期して移動する小さな光検出器によっ
て検出したり、反射角の変化方向に沿って延びるエリア
センサによって検出することができる。一方後者の場合
は、種々の反射角で反射した各光ビームを全て受光でき
る方向に延びるエリアセンサによって検出することがで
きる。
【0006】上記構成の表面プラズモンセンサーにおい
て、光ビームを金属膜に対して全反射角以上の特定入射
角θSPで入射させると、該金属膜に接している試料中
に電界分布をもつエバネッセント波が生じ、このエバネ
ッセント波によって金属膜と試料との界面に表面プラズ
モンが励起される。エバネッセント光の波数ベクトルが
表面プラズモンの波数と等しくて波数整合が成立してい
るとき、両者は共鳴状態となり、光のエネルギーが表面
プラズモンに移行するので、誘電体ブロックと金属膜と
の界面で全反射した光の強度が鋭く低下する。この光強
度の低下は、一般に上記光検出手段により暗線として検
出される。
【0007】なお上記の共鳴は、入射ビームがp偏光の
ときにだけ生じる。したがって、光ビームがp偏光で入
射するように予め設定しておく必要がある。
【0008】この全反射減衰(ATR)が生じる入射角
θSPより表面プラズモンの波数が分かると、試料の誘
電率が求められる。すなわち表面プラズモンの波数をK
SP、表面プラズモンの角周波数をω、cを真空中の光
速、εとεをそれぞれ金属、試料の誘電率とす
ると、以下の関係がある。
【0009】
【数1】 試料の誘電率εが分かれば、所定の較正曲線等に基
づいて試料中の特定物質の濃度が分かるので、結局、上
記反射光強度が低下する入射角θSPを知ることによ
り、試料の誘電率つまりは屈折率に関連する特性を求め
ることができる。
【0010】なおこの種の表面プラズモンセンサーにお
いては、全反射減衰角θSPを精度良く、しかも大きな
ダイナミックレンジで測定することを目的として、特開
平11−326194号に示されるように、アレイ状の
光検出手段を用いることが考えられている。この光検出
手段は、複数の受光素子が所定方向に並設されてなり、
前記界面において種々の反射角で全反射した光ビームの
成分をそれぞれ異なる受光素子が受光する向きにして配
設されたものである。
【0011】そしてその場合は、上記アレイ状の光検出
手段の各受光素子が出力する光検出信号を、該受光素子
の並設方向に関して微分して出力する微分手段が設けら
れ、この微分手段が出力する微分値、特に暗線部分に対
応した微分値に基づいて試料の屈折率に関連する特性を
求めることが多い。
【0012】また、全反射減衰(ATR)を利用する類
似のセンサーとして、例えば「分光研究」第47巻 第
1号(1998)の第21〜23頁および第26〜27
頁に記載がある漏洩モードセンサーも知られている。こ
の漏洩モードセンサーは基本的に、例えばプリズム状に
形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一
面に形成されたクラッド層と、このクラッド層の上に形
成されて、試料に接触させられる光導波層と、光ビーム
を発生させる光源と、上記光ビームを上記誘電体ブロッ
クに対して、該誘電体ブロックとクラッド層との界面で
全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光
学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定し
て導波モードの励起状態、つまり全反射減衰状態を検出
する光検出手段とを備えてなるものである。
【0013】上記構成の漏洩モードセンサーにおいて、
光ビームを誘電体ブロックを通してクラッド層に対して
全反射角以上の入射角で入射させると、このクラッド層
を透過した後に光導波層においては、ある特定の波数を
有する特定入射角の光のみが導波モードで伝搬するよう
になる。こうして導波モードが励起されると、入射光の
ほとんどが光導波層に取り込まれるので、上記界面で全
反射する光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じる。
そして導波光の波数は光導波層の上の試料の屈折率に依
存するので、全反射減衰が生じる上記特定入射角を知る
ことによって、試料の屈折率や、それに関連する試料の
特性を分析することができる。
【0014】なおこの漏洩モードセンサーにおいても、
全反射減衰によって反射光に生じる暗線の位置を検出す
るために、前述したアレイ状の光検出手段を用いること
ができ、またそれと併せて前述の微分手段が適用される
ことも多い。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】上述した表面プラズモ
ンセンサーや漏洩モードセンサーは、創薬研究分野等に
おいて、所望のセンシング媒体に結合する特定物質を見
いだすランダムスクリーニングへ使用されることがあ
り、この場合には前記薄膜層(表面プラズモンセンサー
の場合は金属膜であり、漏洩モードセンサーの場合はク
ラッド層および光導波層)上にセンシング媒体を固定
し、該センシング媒体上に種々の物質の溶液(液体試
料)を添加し、所定時間が経過する毎に前述の微分値を
測定している。添加した物質が、センシング媒体と結合
するものであれば、この結合によりセンシング媒体の屈
折率が時間経過に伴って変化する。したがって、所定時
間経過毎に上記微分値を測定し、微分値に変化が生じて
いるか否か測定することにより、添加した物質とセンシ
ング媒体の結合が行われているか否か、すなわち添加し
た物質がセンシング媒体と結合する特定物質であるか否
かを判定することができる。この場合には、センシング
媒体と液体試料の双方が、分析対象の試料となる。この
ような特定物質とセンシング媒体との組み合わせとして
は、例えば抗原と抗体が挙げられる。
【0016】ところで、所定時間毎の微分値の変化は、
微少なものであるため、この微分値の変化を高感度で測
定するためには、微分値を増幅手段を用いて増幅した上
で検出することが望ましい。しかし、光ビームの暗線部
分に対応した微分値は、光検出素子と暗線の位置関係に
応じた値となり、最も絶対値の小さい微分値を選択して
も、その値にバラツキが生じる。このため、増幅度が大
きく、また微分値の絶対値も大きい場合には、後段の電
気回路が飽和してしまう恐れがあり、十分な増幅を行う
ことができず、高感度な測定が不可能であった。
【0017】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、微分値の経時変化を高感度で測定して試料分析
を正確に行なうことができる、全反射減衰を利用したセ
ンサーを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明による1つの全反
射減衰を利用したサンサーは、誘電体ブロックと、この
誘電体ブロックの一面に形成されて、試料に接触させら
れる薄膜層と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビ
ームを上記誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロック
と上記薄膜層との界面で全反射条件が得られるように種
々の角度で入射させる光学系と、複数の受光素子が所定
方向に並設されてなり、上記界面において種々の反射角
で全反射した光ビームの成分をそれぞれ異なる受光素子
が受光する向きにして配設された、全反射減衰の状態を
検出する光検出手段と、この光検出手段の各受光素子が
出力する光検出信号を、該受光素子の並設方向に関して
微分して微分値を出力する微分手段とを備えてなる全反
射減衰を利用したセンサーにおいて、上記受光素子の並
設方向における前記光検出信号の変化が減少から増加へ
転ずる点の近傍に存在する上記微分値から該微分値の初
期値を減算し、該初期値が減算された微分値の経時変化
を測定する測定手段を備えたことを特徴とするものであ
る。
【0019】本発明による別の全反射減衰を利用したセ
ンサは、特に前述の表面プラズモンセンサーとして構成
されたものであり、誘電体ブロックと、この誘電体ブロ
ックの一面に形成されて、試料に接触させられる金属膜
と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビームを上記
誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックと金属膜と
の界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射
させる光学系と、複数の受光素子が所定方向に並設され
てなり、上記界面において種々の反射角で全反射した光
ビームの成分をそれぞれ異なる受光素子が受光する向き
にして配設された、表面プラズモン共鳴による全反射減
衰の状態を検出する光検出手段と、この光検出手段の各
受光素子が出力する光検出信号を、該受光素子の並設方
向に関して微分して微分値を出力する微分手段とを備え
てなる全反射減衰を利用したセンサーにおいて、上記受
光素子の並設方向における前記光検出信号の変化が減少
から増加へ転ずる点の近傍に存在する上記微分値から該
微分値の初期値を減算し、該初期値が減算された微分値
の経時変化を測定する測定手段を備えたことを特徴とす
るものである。
【0020】また、本発明によるさらに別の全反射減衰
を利用したセンサーは、特に前述の漏洩モードセンサー
として構成されたものであり、誘電体ブロックと、この
誘電体ブロックの一面に形成されたクラッド層と、この
クラッド層の上に形成されて、試料に接触させられる光
導波層と、光ビームを発生させる光源と、上記光ビーム
を上記誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックとク
ラッド層との界面で全反射条件が得られるように種々の
角度で入射させる光学系と、複数の受光素子が所定方向
に並設されてなり、上記界面において種々の反射角で全
反射した光ビームの成分をそれぞれ異なる受光素子が受
光する向きにして配設された、上記光導波層での導波モ
ードの励起による全反射減衰の状態を検出する光検出手
段と、この光検出手段の各受光素子が出力する光検出信
号を、該受光素子の並設方向に関して微分して微分値を
出力する微分手段とを備えてなる全反射減衰を利用した
センサーにおいて、上記受光素子の並設方向における前
記光検出信号の変化が減少から増加へ転ずる点の近傍に
存在する上記微分値から該微分値の初期値を減算し、該
初期値が減算された微分値の経時変化を測定する測定手
段を備えたことを特徴とするものである。
【0021】上記各全反射減衰を利用したセンサーにお
いては、「光検出信号の変化が減少から増加へ転ずる点
の近傍に存在する上記微分値」とは、光検出信号の変化
が減少から増加へ転ずる点に、最も近い微分値が好まし
いが、これに限定されるものではなく、光検出信号の変
化が減少から増加へ転ずる点の近傍に存在するものであ
ればよい。また、上記「微分値の初期値」としては、測
定開始時に最初に測定した、光検出信号の変化が減少か
ら増加へ転ずる点の近傍に存在する微分値の値をそのま
ま使用してもよいし、あるいは測定開始時に、フィード
バック等の演算処理を行い、測定開始時の測定値を0近
傍にシフトさせる値を求め、初期値として設定したもの
等でもよい。また、「減算」を行う際には、減算器等を
用いて、光検出信号の変化が減少から増加へ転ずる点の
近傍に存在する上記微分値から該微分値の初期値を減算
してもよいし、あるいは差動回路などを用いて両者の差
分を求めることにより、減算を行ってもよい。
【0022】なお、上記微分手段としては、上記微分値
として、上記光検出手段の相隣接する受光素子が出力す
る光検出信号の差分値を求めるものを好適に用いること
ができる。また光検出手段としては、例えばフォトダイ
オードアレイ等を好適に用いることができる。上記微分
手段としては、アナログ回路を用いることができる。ま
た上記測定手段としては、減算をアナログ回路により行
い、測定を初期値が減算された微分値をA/D変換した
後デジタル回路により行うものを用いることができる。
また、測定手段は、初期値が減算された微分値を増幅す
るアナログ回路からなる増幅手段をさらに備えたもので
あってもよい。
【0023】また、本発明の全反射減衰を利用したセン
サーは、上記微分値にフィルタリング処理を施すフィル
タリング手段をさらに備えたものであってもよい。
【0024】上記各全反射減衰を利用したセンサーにお
いては、「微分値にフィルタリング処理を施す」とは、
微分値そのものにフィルタリング処理を施すことに加
え、微分値を算出するための光検出信号にフィルタリン
グ処理を施すことや、初期値が減算された微分値にフィ
ルタリング処理を施すことなども含むものである。
【0025】なお、フィルタリング手段としては、例え
ば100Hz以下の周波数帯域の信号を通過させる低域
通過フィルタを用いることができる。また上記低域通過
フィルタは、10Hz以下の周波数帯域の信号を通過さ
せるものであってもよい。
【0026】
【発明の効果】本発明による全反射減衰を利用したセン
サーにおいては、複数の受光素子が並設されてなるアレ
イ状の光検出手段を用い、この光検出手段の各受光素子
が出力する光検出信号を、微分手段によって該受光素子
の並設方向に関して微分し、この微分値の経時変化を測
定して、試料の特性を分析している。そこで、まず測定
する微分値の初期値を求め、微分値の測定毎に、微分手
段から出力される微分値から該微分値の初期値を減算す
れば、この初期値が減算された微分値には、光検出素子
と暗線の位置関係に応じた絶対値のバラツキが含まれ
ず、測定開始時からの微分値の経時変化のみを反映した
値となる。従って、この減算後の値は、通常の微分値に
比べ、その絶対値が小さく、十分な高増幅率で増幅可能
であるため、微分値の経時変化を高感度で測定して試料
分析を正確に行なうことができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実
施形態による表面プラズモンセンサーの側面形状を示す
ものである。この表面プラズモンセンサーは、例えば概
略四角錐の一部が切り取られた形状とされた誘電体ブロ
ック10と、この誘電体ブロック10の一面(図中の上面)
に形成された、例えば金、銀、銅、アルミニウム等から
なる金属膜12とを有している。
【0028】誘電体ブロック10は例えば透明樹脂等から
なり、金属膜12が形成された部分の周囲が嵩上げされた
形とされ、この嵩上げされた部分10aは液体の試料11を
貯える試料保持部として機能する。なお本例では、金属
膜12の上にセンシング媒体30が固定されるが、このセン
シング媒体30については後述する。
【0029】誘電体ブロック10は金属膜12とともに、使
い切りの測定チップを構成しており、例えばターンテー
ブル31に複数設けられたチップ保持孔31aに1個ずつ嵌
合固定される。誘電体ブロック10がこのようにターンテ
ーブル31に固定された後、ターンテーブル31が一定角度
ずつ間欠的に回動され、所定位置に停止した誘電体ブロ
ック10に対して液体試料11が滴下され、該液体試料11が
試料保持部10a内に保持される。その後さらにターンテ
ーブル31が一定角度回動されると、誘電体ブロック10が
この図1に示した測定位置に送られ、そこで停止する。
【0030】本実施形態の表面プラズモンセンサーは、
上記誘電体ブロック10に加えてさらに、1本の光ビーム
13を発生させる半導体レーザ等からなるレーザ光源14
と、上記光ビーム13を誘電体ブロック10に通し、該誘電
体ブロック10と金属膜12との界面10bに対して、種々の
入射角が得られるように入射させる光学系15と、上記界
面10bで全反射した光ビーム13を平行光化するコリメー
ターレンズ16と、この平行光化された光ビーム13を検出
する光検出手段17と、この光検出手段17に接続された微
分手段として差動アンプアレイ18と、測定手段としての
ドライバ19およびコンピュータシステム等からなる信号
処理部20と、この信号処理部20に接続された表示手段21
と、信号処理部20およびドライバ19に接続された補正回
路5を備えている。
【0031】図2は、この表面プラズモンセンサーの電
気的構成を示すブロック図である。図示の通り上記ドラ
イバ19は、差動アンプアレイ18の各差動アンプ18a、18
b、18c……の出力をサンプルホールドするサンプルホ
ールド回路22a、22b、22c……、これらのサンプルホ
ールド回路22a、22b、22c……の各出力が入力される
マルチプレクサ23、このマルチプレクサ23の出力をデジ
タル化して信号処理部20に入力するA/D変換器24、マ
ルチプレクサ23とサンプルホールド回路22a、22b、22
c……とを駆動する駆動回路25、信号処理部20からの指
示に基づいて駆動回路25の動作を制御するコントローラ
26、マルチプレクサ23から出力される微分値I’から補
正回路5から出力される微分値の初期値を減算する減算
器28および減算器28の出力を増幅する増幅器29から構成
されている。なお増幅器29は、信号処理部20の制御によ
り、1倍、10倍および100倍の中から増幅率を選択で
きる。
【0032】補正回路5は、信号処理部20の出力をアナ
ログ化するD/A変換器7、およびD/A変換器7の出
力を減衰する減衰器6から構成されている。なお減衰器
6は、信号処理部20の制御により、1倍、1/10倍お
よび1/100倍の中から減衰率を選択できる。
【0033】図1に示す通り、レーザ光源14から発散光
状態で出射した光ビーム13は、光学系15の作用により、
誘電体ブロック10と金属膜12との界面10b上で集束す
る。したがって光ビーム13は、界面10bに対して種々の
入射角θで入射する成分を含むことになる。なおこの入
射角θは、全反射角以上の角度とされる。そこで、光ビ
ーム13は界面10bで全反射し、この反射した光ビーム13
には、種々の反射角で反射する成分が含まれることにな
る。
【0034】なお光ビーム13は、界面10bに対してp偏
光で入射させる。そのようにするためには、予めレーザ
光源14をその偏光方向が所定方向となるように配設すれ
ばよい。その他、波長板や偏光板で光ビーム13の偏光の
向きを制御してもよい。
【0035】界面10bで全反射した後、コリメーターレ
ンズ16によって平行光化された光ビーム13は、光検出手
段17により検出される。本例における光検出手段17は、
複数のフォトダイオード17a、17b、17c……が1列に
並設されてなるフォトダイオードアレイであり、図1の
図示面内において、平行光化された光ビーム13の進行方
向に対してフォトダイオード並設方向がほぼ直角となる
向きに配設されている。したがって、上記界面10bにお
いて種々の反射角で全反射した光ビーム13の各成分を、
それぞれ異なるフォトダイオード17a、17b、17c……
が受光することになる。
【0036】上記フォトダイオード17a、17b、17c…
…の各出力は、差動アンプアレイ18の各差動アンプ18
a、18b、18c……に入力される。この際、互いに隣接
する2つのフォトダイオードの出力が、共通の差動アン
プに入力される。したがって各差動アンプ18a、18b、
18c……の出力は、複数のフォトダイオード17a、17
b、17c……が出力する光検出信号を、それらの並設方
向に関して微分したものと考えることができる。
【0037】まず、各差動アンプ18a、18b、18c……
の出力は、それぞれサンプルホールド回路22a、22b、
22c……により所定のタイミングでサンプルホールドさ
れ、マルチプレクサ23に入力される。マルチプレクサ23
は、サンプルホールドされた各差動アンプ18a、18b、
18c……の出力を、所定の順序に従って出力する。この
ときには、減算器28は差動せず、増幅器29は10倍の増
幅率に設定されている。各差動アンプ18a、18b、18c
……の出力は、増幅器29により増幅された後A/D変換
器24に入力する。A/D変換器24はこれらの出力をデジ
タル化して信号処理部20に入力する。なお作動アンプア
レイ18から、A/D変換器24の前段までの各回路、差
動アンプアレイ18、サンプルホールド回路22a、22b、22
c・・・、マルチプレクサ23、減算器28および増幅器29
はアナログ回路により構成されている。
【0038】図3は、界面10bで全反射した光ビーム13
の入射角θ毎の光強度と、差動アンプ18a、18b、18c
……の出力との関係を説明するものである。ここで、光
ビーム13の界面10bへの入射角θと上記光強度Iとの関
係は、同図(1)のグラフに示すようなものであるとす
る。
【0039】界面10bにある特定の入射角θSPで入射
した光は、金属膜12と試料11との界面に表面プラズモン
を励起させるので、この光については反射光強度Iが鋭
く低下する。つまりθSPが全反射減衰角であり、この
角度θSPにおいて反射光強度Iは最小値を取る。この
反射光強度Iの低下は、図1にDで示すように、反射光
中の暗線として観察される。
【0040】また図3の(2)は、フォトダイオード17
a、17b、17c……の並設方向を示しており、先に説明
した通り、これらのフォトダイオード17a、17b、17c
……の並設方向位置は上記入射角θと一義的に対応して
いる。
【0041】そしてフォトダイオード17a、17b、17c
……の並設方向位置、つまりは入射角θと、差動アンプ
18a、18b、18c……の出力I’(反射光強度Iの微分
値)との関係は、同図(3)に示すようなものとなる。
【0042】測定に先立って、まず信号処理部20は微分
値I’の初期値I’rの設定処理を行う。増幅器29の増
幅度を10倍に設定し、また減衰器6の減衰率を1/1
0に設定する。信号処理部20は、A/D変換器24から入
力された微分値I’(×10倍)の値に基づいて、差動
アンプ18a、18b、18c……の中から、反射光強度Iの
変化が減少から増加へ転ずる点近傍、すなわち全反射減
衰角θSPに対応する微分値I’=0に最も近い微分値
I’minが得られている差動アンプを選択する。図3の
例では差動アンプ18eとなる。
【0043】信号処理部20には、差動アンプ18eから出
力された微分値I’minが増幅器29で10倍増幅され、
入力される。信号処理部20では、微分値I’min(×1
0倍)と同電圧の初期値I’rをD/A変換器7に出力
する。D/A変換器7でアナログ化された初期値I’r
は、アナログ回路である減衰器6で1/10に減衰さ
れ、アナログ回路である減算器28において、マルチプレ
クサ23から出力された微分値I’minから減算される。
このため、信号処理部20には、差動アンプ18eから出力
された微分値I’minから初期値I’r(×1/10)
が減算された値が、再度入力される。信号処理部20は、
入力される信号値が0になるように初期値I’rの電圧
の微調整を行い、その後初期値I’rを図示省略した記
憶部に記憶する。上記初期値I’rの微調整により、増
幅器29、A/D変換器24、信号処理部20、D/A変換器
7、減衰器6および減算器28のオフセット等の影響を除
去することができる。
【0044】なお、増幅器29の増幅率を10倍に設定
し、かつ減衰器6の減衰率を1/10に設定することに
より、D/A変換器7としてビット数の少ない変換器を
使用しても、細かく初期値を調整することができる。ま
た、マルチプレクサ23から出力される微分値I’の絶対
値が大きい場合には、増幅器29の増幅率を1倍に設定
し、同時に減衰器6の減衰率も1倍に設定すればよい。
【0045】初期値I’rを設定後、信号処理部20は、
増幅器29の増幅率を100倍に設定し、測定を開始す
る。なお、減衰器6の減衰率は1/10倍に維持する。
信号処理部20は、コントローラ26および駆動回路25を介
して、差動アンプ18eから出力された微分値I’をマル
チプレクサ23から出力させる。また、信号処理部20は、
記憶部に設定されている初期値I’rをD/A変換器7
へ出力する。この初期値I’rは、減衰器6にて1/1
0倍に減衰され、減算器28において、微分値I’から減
算される。このため、減算器28からは、微分値の変化量
ΔI’が出力される。この変化量ΔI’は増幅器29によ
り100倍された後、A/D変換器24に入力され、デジ
タル化されて出力される。信号処理部20では、100倍
された変化量ΔI’を測定し、その値を図4に示すよう
なグラフとして表示手段21に表示させる。
【0046】最初の測定時には、差動アンプ18eが出力
する微分値I’の大小にかかわらず、表示される値はほ
ぼ0となる。以後所定時間が経過する毎に、最初に微分
値を測定したときから測定時までの間の、微分値の変化
量ΔI’が100倍増幅された値が表示手段21のグラフ
上に表示されることとなる。
【0047】微分値I’は、測定チップの金属膜12(図
1参照)に接している物質の誘電率つまりは屈折率が変
化して、図3(1)に示す曲線が左右方向に移動する形
で変化すると、それに応じて上下する。したがって、こ
の微分値I’の変化量ΔI’を時間の経過とともに測定
し続けることにより、金属膜12に接している物質の屈折
率変化、つまりは特性の変化を調べることができる。
【0048】特に本実施形態では金属膜12に、液体試料
11の中の特定物質と結合するセンシング媒体30を固定し
ており、それらの結合状態に応じてセンシング媒体30の
屈折率が変化するので、上記微分値の変化量ΔI’を測
定し続けることにより、この結合状態の変化の様子を調
べることができる。
【0049】以上の説明から明かなように本実施形態で
は、光検出手段17として複数のフォトダイオード17a、
17b、17c……が1列に並設されてなるフォトダイオー
ドアレイを用いているので、液体試料11に応じて図3
(1)に示す曲線が左右方向に移動する形である程度大
きく変化しても、暗線検出が可能である。つまり、この
ようなアレイ状の光検出手段17を用いることにより、測
定のダイナミックレンジを大きく確保することができ
る。
【0050】なお、複数の差動アンプ18a、18b、18c
……からなる差動アンプアレイ18を用いる代わりに1つ
の差動アンプを設け、フォトダイオード17a、17b、17
c……の各出力をマルチプレクサで切り替えて、それら
のうちの隣接する2つの出力をこの1つの差動アンプに
順次入力するようにしても構わない。
【0051】以上のように、本センサーにおいては、測
定開始時に、反射光強度Iの変化が減少から増加へ転ず
る点近傍、すなわち全反射減衰角θSPに対応する微分
値I’=0に最も近い微分値I’minが得られている差
動アンプ18eを選択し、該差動アンプ18eから出力され
た微分値に基づいて、該微分値の初期値を求め図示外の
記憶手段に記憶しておき、以後の所定時間経過毎の測定
時には、まず差動アンプ18eから出力された微分値I’
から上記初期値を減算して微分値の変化量ΔI’を求
め、その後この変化量ΔI’を100倍増幅したのち
に、A/D変換を行いその値を測定して表示手段21に表
示させる。このようにすることにより、後段の電気回路
を飽和させることなく、微分値の経時変化を高感度で測
定でき、試料分析を正確に行なうことができる。
【0052】次に、図5〜図7を参照して本発明の第2
の実施形態について説明する。なお図5および図6にお
いて、図1および図2中の要素と同等の要素には同番号
を付してあり、それらについての説明は特に必要の無い
限り省略する。
【0053】図5は、本発明の第2の実施形態による表
面プラズモンセンサーの側面形状を示すものである。こ
の表面プラズモンセンサーは、誘電体ブロック10と、レ
ーザ光源14と、光学系15と、光ビーム13を平行光化する
コリメーターレンズ16と、この平行光化された光ビーム
13を検出する光検出手段17と、この光検出手段17に接続
された微分手段として差動アンプアレイ18と、測定手段
としてのドライバ50およびコンピュータシステム等から
なる信号処理部51と、この信号処理部51に接続された表
示手段21とを備えている。
【0054】図6は、この表面プラズモンセンサーの電
気的構成を示すブロック図である。図示の通り上記ドラ
イバ50は、サンプルホールド回路22a、22b、22c…
…、これらのサンプルホールド回路22a、22b、22c…
…の各出力が入力されるマルチプレクサ23、このマルチ
プレクサ23の出力をデジタル化して信号処理部20に入力
するA/D変換器24、マルチプレクサ23とサンプルホー
ルド回路22a、22b、22c……とを駆動する駆動回路2
5、信号処理部51からの指示に基づいて駆動回路25の動
作を制御するコントローラ26、マルチプレクサ23から出
力される微分値I’と、最初の測定時に設定された微分
値の初期値との差分を出力するゼロ点補正回路52および
ゼロ点補正回路52の出力を増幅する増幅器29から構成さ
れている。
【0055】ゼロ点補正回路52は、図7に示すように、
信号処理回路51により開閉が制御されるスイッチ55と、
微分値の初期値とゼロ点との差分を出力する差分回路56
と、該差分回路56からの出力値を保持するサンプルホー
ルド回路57と、測定された微分値と、微分値の初期値の
差分をもとめる差分回路58とから構成されている。な
お、ゼロ点補正回路52の各回路はアナログ回路であり、
差分回路56のスイッチ55と接続されていない端子は接地
されている。
【0056】測定に先立って、信号処理部51は微分値
I’の初期値I’rの設定処理を行う。まず、増幅器29
の増幅度を10倍に設定し、A/D変換器24から入力さ
れた微分値I’(×10倍)の値に基づいて、差動アン
プ18a、18b、18c……の中から、反射光強度Iの変化
が減少から増加へ転ずる点の近傍、すなわち全反射減衰
角θSPに対応する微分値I’=0に最も近い微分値
I’minが得られている差動アンプ、例えば差動アンプ1
8eを選択する。
【0057】次に、信号処理部51は、ゼロ点補正回路52
のスイッチ55をオン状態とする。差分回路56からは、差
動アンプ18eから出力された微分値I’minと、ゼロ点
との差分値、すなわち初期値I’rが出力される。この
初期値I’r(差分値)はサンプルホールド回路57に保
持される。その後、信号処理部51は、スイッチ55をオフ
状態とする。
【0058】初期値I’rを設定後、信号処理部51は、
増幅器29の増幅率を100倍に設定し、測定を開始す
る。信号処理部51は、コントローラ26および駆動回路25
を介して、差動アンプ18eから出力された微分値I’を
マルチプレクサ23から出力させる。スイッチ55はオフ状
態であるため、微分値I’は、差動回路58のみに出力さ
れる。差動回路58からは、微分値I’と初期値I’rの
差分、すなわち微分値の変化量ΔI’が出力される。こ
の変化量ΔI’は増幅器29により100倍された後、A
/D変換器24に入力され、デジタル化されて出力され
る。信号処理部51では、100倍された変化量ΔI’を
測定し、その値を表示手段21に表示させる。
【0059】最初の測定時には、差動アンプ18eが出力
する微分値I’の大小にかかわらず、表示される値はほ
ぼ0となる。以後所定時間が経過する毎に、最初に微分
値を測定したときから測定時までの間の、微分値の変化
量ΔI’が100倍増幅された値が表示手段21に表示さ
れることとなる。
【0060】以上の説明から明かなように、本センサー
においては、測定開始時に、反射光強度Iの変化が減少
から増加へ転ずる点近傍、すなわち全反射減衰角θSP
に対応する微分値I’=0に最も近い微分値I’minが
得られている差動アンプ18eを選択し、該差動アンプ18
eから出力された微分値とゼロ点との差分値(初期値)
をサンプルホールド回路57に保持し、以後の所定時間経
過毎の測定時には、まず差動アンプ18eから出力された
微分値I’と、上記初期値との差分を求めることによ
り、微分値の変化量ΔI’を求め、その後この変化量Δ
I’を100倍増幅したのちに、A/D変換を行いその
値を測定して表示手段21に表示させる。このようにする
ことにより、後段の電気回路を飽和させることなく、微
分値の経時変化を高感度で測定でき、試料分析を正確に
行なうことができる。
【0061】次に、図8〜図10を参照して本発明の第
3の実施形態について説明する。図8は、本発明の第3
の実施形態による表面プラズモンセンサーの側面形状を
示すものであり、図9は電気的構成を示すブロック図で
あり、図10は本実施形態に用いられる低域通過フィル
タの回路図である。この第3の実施形態の表面プラズモ
ンセンサーは、図1に示す第1の実施形態の表面プラズ
モンセンサーにフィルタ部60が付加されたものである。
他の構成は、第1の実施形態の表面プラズモンセンサー
と同様である。なお図8および図9において、図1およ
び図2中の要素と同等の要素には同番号を付してあり、
それらについての説明は特に必要の無い限り省略する。
【0062】図示の通りフィルタ部60は低域通過フィル
タ60a、60b、60c……から構成され、差動アンプアレ
イ18とドライバ19との間に設けらている。各低域通過フ
ィルタ60a、60b、60c……は、各差動アンプ18a、18
b、18c……と、各サンプルホールド回路22a、22b、
22c……の間に配設されている。各低域通過フィルタ60
a、60b、60c……は、図10の(a)に示すように、
コイル62およびコンデンサ63から構成されるアナログ型
の帯域フィルタであり、100Hz以下の周波数の信号
のみを通過させるものである。
【0063】上記構成の表面プラズモンセンサーでは、
各差動アンプ18a、18b、18c……から出力された微分
値I’に含まれる100Hz以下の信号のみが、各低域
通過フィルタ60a、60b、60c……を通過し、各サンプ
ルホールド回路22a、22b、22c……に出力される。各
サンプルホールド回路22a、22b、22c……以降では、
上記低域通過フィルタ60a、60b、60c……により、1
00Hzを越える信号が除去された微分値I’に対し
て、第1実施形態における処理と同様の処理がなされ、
微分値の変化量ΔI’が測定され、表示手段21に表示さ
れる。
【0064】このようにすることにより、本実施形態で
は、フォトダイオード17a、17b、17c……および差動
アンプ18a、18b、18c……において重畳された100
Hzより大きい周波数を有するノイズが除去される。な
お、高周波信号には微分値I’は含まれないため、ノイ
ズのみが除去され、微分値I’のS/Nが向上し、その
結果、微分値の変化量ΔI’のS/Nも向上する。この
ため、微分値の経時変化をさらに高感度で測定できる。
【0065】また、低域通過フィルタ60a、60b、60c
……の通過帯域を10Hz以下とすれば、10Hzより
大きい周波数を有するノイズを除去することができ、一
層微分値I’のS/Nを向上することができる。
【0066】なお、低域通過フィルタ60a、60b、60c
……としては、図10の(b)に示すようなオペアンプ
を用いたフィルタを使用してもよい。また、微分値I’
に含まれる可能性のあるノイズの周波数帯域に合わせ
て、通過波長帯域を変化させることができる通過帯域可
変フィルタを用いてもよい。
【0067】さらに、低域通過フィルタ60a、60b、60
c……は、差動アンプ18a、18b、18c……とサンプル
ホールド回路22a、22b、22c……間以外の部位に配設
してもよく、例えばサンプルホールド回路22a、22b、
22c……とマルチプレクサ23の間、あるいはフォトダイ
オード17a、17b、17c……と差動アンプ18a、18b、
18c……の間等に設けてもよい。また、マルチプレクサ
23以降に低域通過フィルタを設ける場合には、一個の低
域通過フィルタを設ければよく、フィルタ部60の構成が
簡素化される。
【0068】次に、図11および図12を参照して本発
明の第4の実施形態について説明する。図11は、本発
明の第4の実施形態による表面プラズモンセンサーの側
面形状を示すものであり、図12は、電気的構成を示す
ブロック図である。この第4の実施形態の表面プラズモ
ンセンサーは、図1に示す第1の実施形態の表面プラズ
モンセンサーにフィルタ部61が付加されたものである。
他の構成は、第1の実施形態の表面プラズモンセンサー
と同様である。なお図11および図12において、図1
および図2中の要素と同等の要素には同番号を付してあ
り、それらについての説明は特に必要の無い限り省略す
る。
【0069】フィルタ部61は、100Hz以下の周波数
の信号のみを通過させるデジタル型の低域通過フィルタ
であり、図示の通り、ドライバ19と信号処理部20の間に
設けられている。フィルタ部61を構成するデジタル型の
フィルタとしては、通過域の減衰特性が直流で最大の平
坦性を持ち、通過域と阻止域の減衰特性がともに、単調
に変化するフィルタであるバタワースフィルタや、通過
域の群遅延特性が直流で最大の平坦性をもち、通過域と
阻止域の減衰特性がともに単調に変化するベッセルフィ
ルタを用いることができる。また、所定の信号の前後n
個の信号の信号値の加算平均値を算出して出力する加算
平均処理回路や、所定の信号の前後n個の信号から重み
付け処理により信号値を算出して出力する重み付け処理
回路も、上記フィルタ部61として使用することができ
る。
【0070】上記構成の表面プラズモンセンサーでは、
ドライバ19のA/D変換器24から出力された微分値の変
化量ΔI’に含まれる100Hz以下の信号のみが、フ
ィルタ部61を通過し、信号処理部20に出力される。信号
処理回路20では、第1実施形態における処理と同様の処
理がなされ、微分値の変化量ΔI’が表示手段21に表示
される。
【0071】このようにすることにより、本実施形態で
は、微分値の変化量ΔI’から信号処理部20に入力され
る前に重畳された100Hzより大きい周波数を有する
ノイズが除去される。なお、高周波信号には微分値の変
化量ΔI’は含まれないため、ノイズのみが除去され、
微分値I’の変化量のS/Nが向上し、このため、微分
値の経時変化をさらに高感度で測定できる。
【0072】また、フィルタ部61の通過帯域を10Hz
以下とすれば、10Hzより大きい周波数を有するノイ
ズを除去することができ、一層微分値の変化量ΔI’の
S/Nを向上することができる。
【0073】なお、以上説明した各実施形態において
は、誘電体ブロック10が金属膜12とともに、使い切りさ
れる測定チップを構成しているが、誘電体ブロック10が
チップ化されずに表面プラズモンセンサー本体に組み込
まれる場合でも、同様の効果を奏することができる。
【0074】次に、図13を参照して本発明の第5の実
施形態について説明する。なおこの図13において、図
1中の要素と同等の要素には同番号を付してあり、それ
らについての説明は特に必要の無い限り省略する。
【0075】この第5の実施形態の全反射減衰を利用し
たセンサーは、先に説明した漏洩モードセンサーであ
り、本例でも測定チップ化された誘電体ブロック10を用
いるように構成されている。この誘電体ブロック10の一
面(図中の上面)にはクラッド層40が形成され、さらに
その上には光導波層41が形成されている。
【0076】誘電体ブロック10は、例えば合成樹脂やB
K7等の光学ガラスを用いて形成されている。一方クラ
ッド層40は、誘電体ブロック10よりも低屈折率の誘電体
や、金等の金属を用いて薄膜状に形成されている。また
光導波層41は、クラッド層40よりも高屈折率の誘電体、
例えばPMMAを用いてこれも薄膜状に形成されてい
る。クラッド層40の膜厚は、例えば金薄膜から形成する
場合で36.5nm、光導波層41の膜厚は、例えばPMMA
から形成する場合で700nm程度とされる。
【0077】上記構成の漏洩モードセンサーにおいて、
レーザ光源14から出射した光ビーム13を誘電体ブロック
10を通してクラッド層40に対して全反射角以上の入射角
で入射させると、該光ビーム13が誘電体ブロック10とク
ラッド層40との界面10bで全反射するが、クラッド層40
を透過して光導波層41に特定入射角で入射した特定波数
の光は、該光導波層41を導波モードで伝搬するようにな
る。こうして導波モードが励起されると、入射光のほと
んどが光導波層41に取り込まれるので、上記界面10bで
全反射する光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じ
る。
【0078】光導波層41における導波光の波数は、該光
導波層41の上のセンシング媒体30の屈折率に依存するの
で、差動アンプアレイ18の各差動アンプが出力する微分
値I’に基づいてセンシング媒体30の屈折率を測定する
ことができる。
【0079】本実施形態でも、信号処理部20および補正
回路5において上記微分値I’に対して第1実施形態に
おける処理と同様の処理がなされ、微分値の変化量Δ
I’を求め、その後この変化量ΔI’を100倍増幅し
たのちに、A/D変換を行いその値を測定して表示手段
21に表示させる。このようにすることにより、本実施形
態でも、後段の電気回路を飽和させることなく、微分値
の経時変化すなわち全反射減衰の状態の経時変化を測定
し、被検体とセンシング媒体30との結合状態を測定する
ことができる。
【0080】また第1の実施形態および第3〜第5の実
施形態においては、ドライバ19の減算回路28におい
て、アナログ信号である微分値I’からアナログ信号で
ある微分値の初期値I’rの減算処理を行っている。こ
のような減算処理をデジタル信号により行うと、信号量
が微弱な場合にはビット誤差が大きくなる虞れがある
が、アナログ信号を用いることにより、信号量が微弱で
あっても、誤差の少ない減算結果を得ることができる。
また、差動アンプアレイ18および増幅器29としても、ア
ナログ回路を用いたため、信号処理部20に入力される1
00倍された微分値の変化量ΔI’は、一層誤差の少な
いものとなる。
【0081】なお、各実施の形態においては、反射光強
度Iの変化が減少から増加へ転ずる点近傍、すなわち全
反射減衰角θSPに対応する微分値I’=0に最も近い
微分値I’minが得られている差動アンプを選択してい
るが、これに限定されるものではなく、例えば差動アン
プ18dや、差動アンプ18fを選択し、測定時にその初期
値を減算してもよい。すなわち、試料の特性変化を反映
した微分値を出力する差動アンプであれば、如何なる差
動アンプを選択しても、経時変化を検出できる。また、
差動アンプからの出力ではなく、試料の特性変化を反映
した微分値を出力する差動アンプに接続された光検出素
子で検出した反射光強度Iから該反射光強度の初期値を
減算し、その経時変化を直接測定してもよい。
【0082】なお、本実施の形態の変型例として、第2
の実施形態と同様にゼロ点補正回路を使用したものや、
第3および第4の実施形態に使用されたフィルタ部を設
けたものなどが考えられる。
【0083】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明の実施の形態には、特許請求の範囲に記載
した要件はもちろんのこと、他にも各種の技術事項の実
施態様を有するものである。すなわち、(1)誘電体ブ
ロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されて、試
料に接触させられる薄膜層と、光ビームを発生させる光
源と、前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して、該
誘電体ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得
られるように種々の角度で入射させる光学系と、複数の
受光素子が所定方向に並設されてなり、前記界面におい
て種々の反射角で全反射した光ビームの成分をそれぞれ
異なる受光素子が受光する向きにして配設された、全反
射減衰の状態を検出する光検出手段と、この光検出手段
の各受光素子が出力する光検出信号を、該受光素子の並
設方向に関して微分して微分値を出力する微分手段とを
備えてなる全反射減衰を利用したセンサーにおいて、前
記受光素子の並設方向における前記光検出信号の変化が
減少から増加へ転ずる点の近傍に存在する前記微分値か
ら該微分値の初期値を減算し、該初期値が減算された微
分値の経時変化を測定する測定手段を備えたことを特徴
とする全反射減衰を利用したセンサー。
【0084】(2)誘電体ブロックと、この誘電体ブロ
ックの一面に形成されて、試料に接触させられる金属膜
と、光ビームを発生させる光源と、前記光ビームを前記
誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロックと金属膜と
の界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射
させる光学系と、複数の受光素子が所定方向に並設され
てなり、前記界面において種々の反射角で全反射した光
ビームの成分をそれぞれ異なる受光素子が受光する向き
にして配設された、表面プラズモン共鳴による全反射減
衰の状態を検出する光検出手段と、この光検出手段の各
受光素子が出力する光検出信号を、該受光素子の並設方
向に関して微分して微分値を出力する微分手段とを備え
てなる全反射減衰を利用したセンサーにおいて、前記受
光素子の並設方向における前記光検出信号の変化が減少
から増加へ転ずる点の近傍に存在する前記微分値から該
微分値の初期値を減算し、該初期値が減算された微分値
の経時変化を測定する測定手段を備えたことを特徴とす
る全反射減衰を利用したセンサー。
【0085】(3)誘電体ブロックと、この誘電体ブロ
ックの一面に形成されたクラッド層と、このクラッド層
の上に形成されて、試料に接触させられる光導波層と、
光ビームを発生させる光源と、前記光ビームを前記誘電
体ブロックに対して、該誘電体ブロックとクラッド層と
の界面で全反射条件が得られるように種々の角度で入射
させる光学系と、複数の受光素子が所定方向に並設され
てなり、前記界面において種々の反射角で全反射した光
ビームの成分をそれぞれ異なる受光素子が受光する向き
にして配設された、前記光導波層での導波モードの励起
による全反射減衰の状態を検出する光検出手段と、この
光検出手段の各受光素子が出力する光検出信号を、該受
光素子の並設方向に関して微分して微分値を出力する微
分手段とを備えてなる全反射減衰を利用したセンサーに
おいて、前記受光素子の並設方向における前記光検出信
号の変化が減少から増加へ転ずる点の近傍に存在する前
記微分値から該微分値の初期値を減算し、該初期値が減
算された微分値の経時変化を測定する測定手段を備えた
ことを特徴とする全反射減衰を利用したセンサー。
【0086】(4)前記微分手段が、前記光検出手段の
相隣接する受光素子が出力する光検出信号の差分値を出
力するものであることを特徴とする上記(1)から
(3)いずれか1つに記載の全反射減衰を利用したセン
サー。
【0087】(5)前記光検出手段がフォトダイオード
アレイであることを特徴とする上記(1)から(4)い
ずれか1つに記載の全反射減衰を利用したセンサー。
【0088】(6)前記微分手段がアナログ回路である
ことを特徴とする上記(1)から(5)いずれか1つに
記載の全反射減衰を利用したセンサー。
【0089】(7)前記測定手段が、前記減算をアナロ
グ回路により行い、前記測定を前記初期値が減算された
微分値をA/D変換した後デジタル回路により行うもの
であることを特徴とする上記(1)から(6)いずれか
1つに記載の全反射減衰を利用したセンサー。
【0090】(8)前記測定手段が、前記初期値が減算
された微分値を増幅するアナログ回路からなる増幅手段
をさらに備えたものであることを特徴とする上記(1)
から(7)いずれか1つに記載の全反射減衰を利用した
センサー。
【0091】(9)前記微分値にフィルタリング処理を
施すフィルタリング手段をさらに備えたものであること
を特徴とする上記(1)から(8)いずれか1つに記載
の全反射減衰を利用したセンサー。
【0092】(10)前記フィルタリング手段が100
Hz以下の周波数帯域の信号を通過させる低域通過フィ
ルタであることを特徴とする上記(1)から(9)いず
れか1つに記載の全反射減衰を利用したセンサー。
【0093】(11)前記低域通過フィルタが10Hz
以下の周波数帯域の信号を通過させるものであることを
特徴とする上記(1)から(10)いずれか1つに記載
の全反射減衰を利用したセンサー。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による表面プラズモン
センサーの側面図
【図2】上記表面プラズモンセンサーの電気的構成を示
すブロック図
【図3】上記表面プラズモンセンサーにおける光ビーム
入射角と検出光強度との関係、並びに光ビーム入射角と
光強度検出信号の微分値との関係を示す概略図
【図4】経過時間と微分値の変化量の関係を示すグラフ
【図5】本発明の第2の実施形態による表面プラズモン
センサーの側面図
【図6】上記表面プラズモンセンサーの電気的構成を示
すブロック図
【図7】ゼロ点補正回路の構成概略図
【図8】本発明の第3の実施形態による表面プラズモン
センサーの側面図
【図9】上記表面プラズモンセンサーの電気的構成を示
すブロック図
【図10】上記表面プラズモンセンサーに用いられる低
域通過フィルタの回路図
【図11】本発明の第4の実施形態による表面プラズモ
ンセンサーの側面図
【図12】上記表面プラズモンセンサーの電気的構成を
示すブロック図
【図13】本発明の第5の実施形態による漏洩モードセ
ンサーの側面図
【符号の説明】
5 補正回路 6 減衰器 7 D/A変換器 10 誘電体ブロック 10a 誘電体ブロックの試料保持部 10b 誘電体ブロックと金属膜との界面 11 試料 12 金属膜 13 光ビーム 14 レーザ光源 15 光学系 16 コリメーターレンズ 17 光検出手段(フォトダイオードアレイ) 17a、17b、17c…… フォトダイオード 18 差動アンプアレイ 18a、18b、18c…… 差動アンプ 19、50 ドライバ 20、51 信号処理部 21 表示手段 22a、22b、22c…… サンプルホールド回路 23 マルチプレクサ 24 A/D変換器 25 駆動回路 26 コントローラ 28 減算器 29 増幅器 30 センシング媒体 31 ターンテーブル 40 クラッド層 41 光導波層 52 ゼロ点補正回路 60、61 フィルタ部 60a、60b、60c…… 低域通過フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G057 AA02 AB04 AB07 AC01 BA01 BB01 BB06 BC07 HA04 2G059 AA01 BB04 BB12 CC16 DD12 EE02 EE05 FF04 GG01 GG04 JJ11 JJ17 JJ19 JJ20 KK03 KK04 LL04 MM01 MM09 MM10 MM11 MM15 NN01 PP04

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体ブロックと、 この誘電体ブロックの一面に形成されて、試料に接触さ
    せられる薄膜層と、 光ビームを発生させる光源と、 前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して、該誘電体
    ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件が得られる
    ように種々の角度で入射させる光学系と、 複数の受光素子が所定方向に並設されてなり、前記界面
    において種々の反射角で全反射した光ビームの成分をそ
    れぞれ異なる受光素子が受光する向きにして配設され
    た、全反射減衰の状態を検出する光検出手段と、 この光検出手段の各受光素子が出力する光検出信号を、
    該受光素子の並設方向に関して微分して微分値を出力す
    る微分手段とを備えてなる全反射減衰を利用したセンサ
    ーにおいて、 前記受光素子の並設方向における前記光検出信号の変化
    が減少から増加へ転ずる点の近傍に存在する前記微分値
    から該微分値の初期値を減算し、該初期値が減算された
    微分値の経時変化を測定する測定手段を備えたことを特
    徴とする全反射減衰を利用したセンサー。
  2. 【請求項2】 誘電体ブロックと、 この誘電体ブロックの一面に形成されて、試料に接触さ
    せられる金属膜と、 光ビームを発生させる光源と、 前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して、該誘電体
    ブロックと金属膜との界面で全反射条件が得られるよう
    に種々の角度で入射させる光学系と、 複数の受光素子が所定方向に並設されてなり、前記界面
    において種々の反射角で全反射した光ビームの成分をそ
    れぞれ異なる受光素子が受光する向きにして配設され
    た、表面プラズモン共鳴による全反射減衰の状態を検出
    する光検出手段と、 この光検出手段の各受光素子が出力する光検出信号を、
    該受光素子の並設方向に関して微分して微分値を出力す
    る微分手段とを備えてなる全反射減衰を利用したセンサ
    ーにおいて、 前記受光素子の並設方向における前記光検出信号の変化
    が減少から増加へ転ずる点の近傍に存在する前記微分値
    から該微分値の初期値を減算し、該初期値が減算された
    微分値の経時変化を測定する測定手段を備えたことを特
    徴とする全反射減衰を利用したセンサー。
  3. 【請求項3】 誘電体ブロックと、 この誘電体ブロックの一面に形成されたクラッド層と、 このクラッド層の上に形成されて、試料に接触させられ
    る光導波層と、 光ビームを発生させる光源と、 前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して、該誘電体
    ブロックとクラッド層との界面で全反射条件が得られる
    ように種々の角度で入射させる光学系と、 複数の受光素子が所定方向に並設されてなり、前記界面
    において種々の反射角で全反射した光ビームの成分をそ
    れぞれ異なる受光素子が受光する向きにして配設され
    た、前記光導波層での導波モードの励起による全反射減
    衰の状態を検出する光検出手段と、 この光検出手段の各受光素子が出力する光検出信号を、
    該受光素子の並設方向に関して微分して微分値を出力す
    る微分手段とを備えてなる全反射減衰を利用したセンサ
    ーにおいて、 前記受光素子の並設方向における前記光検出信号の変化
    が減少から増加へ転ずる点の近傍に存在する前記微分値
    から該微分値の初期値を減算し、該初期値が減算された
    微分値の経時変化を測定する測定手段を備えたことを特
    徴とする全反射減衰を利用したセンサー。
  4. 【請求項4】 前記微分値にフィルタリング処理を施す
    フィルタリング手段をさらに備えたものであることを特
    徴とする請求項1から3いずれか1項記載の全反射減衰
    を利用したセンサー。
JP2001382817A 2000-12-27 2001-12-17 全反射減衰を利用したセンサー Expired - Fee Related JP3783131B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001382817A JP3783131B2 (ja) 2000-12-27 2001-12-17 全反射減衰を利用したセンサー

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-398309 2000-12-27
JP2000398309 2000-12-27
JP2001297074 2001-09-27
JP2001-297074 2001-09-27
JP2001382817A JP3783131B2 (ja) 2000-12-27 2001-12-17 全反射減衰を利用したセンサー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003172694A true JP2003172694A (ja) 2003-06-20
JP3783131B2 JP3783131B2 (ja) 2006-06-07

Family

ID=27345579

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001382817A Expired - Fee Related JP3783131B2 (ja) 2000-12-27 2001-12-17 全反射減衰を利用したセンサー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3783131B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007018830A (ja) * 2005-07-06 2007-01-25 Toyota Motor Corp 燃料電池システムとその運転停止方法
EP2034313A1 (en) 2007-09-05 2009-03-11 Fujifilm Corporation Method for measuring interaction between physiologically active substance and test substance
EP2034295A1 (en) 2007-09-04 2009-03-11 FUJIFILM Corporation Biosensor capable of simultaneous detection of substrate binding and reaction product
JP2013501236A (ja) * 2009-08-04 2013-01-10 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 表面プラズモン共鳴システムでのリアルタイムのノイズ低減のための適応線形フィルタ
CN113624626A (zh) * 2021-07-22 2021-11-09 四川省机械研究设计院(集团)有限公司 石膏胶凝材料凝结硬化检测系统及方法
CN113624626B (zh) * 2021-07-22 2024-05-07 四川省机械研究设计院(集团)有限公司 石膏胶凝材料凝结硬化检测系统及方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007018830A (ja) * 2005-07-06 2007-01-25 Toyota Motor Corp 燃料電池システムとその運転停止方法
EP2034295A1 (en) 2007-09-04 2009-03-11 FUJIFILM Corporation Biosensor capable of simultaneous detection of substrate binding and reaction product
EP2034313A1 (en) 2007-09-05 2009-03-11 Fujifilm Corporation Method for measuring interaction between physiologically active substance and test substance
JP2013501236A (ja) * 2009-08-04 2013-01-10 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 表面プラズモン共鳴システムでのリアルタイムのノイズ低減のための適応線形フィルタ
CN113624626A (zh) * 2021-07-22 2021-11-09 四川省机械研究设计院(集团)有限公司 石膏胶凝材料凝结硬化检测系统及方法
CN113624626B (zh) * 2021-07-22 2024-05-07 四川省机械研究设计院(集团)有限公司 石膏胶凝材料凝结硬化检测系统及方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3783131B2 (ja) 2006-06-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6885454B2 (en) Measuring apparatus
US8958999B1 (en) Differential detection for surface plasmon resonance sensor and method
US6678053B2 (en) Sensor utilizing attenuated total reflection
JP3783131B2 (ja) 全反射減衰を利用したセンサー
JP2003329580A (ja) 測定装置および測定チップ
US20040042012A1 (en) Measuring apparatus
JP2003130791A (ja) 全反射減衰を利用した測定方法および測定装置
US6654123B2 (en) Sensor utilizing attenuated total reflection
JP2003065946A (ja) 全反射減衰を利用したセンサー
JP3761079B2 (ja) 全反射減衰を利用したセンサー
JP4053236B2 (ja) 全反射減衰を利用したセンサー
JP4014805B2 (ja) 全反射減衰を利用したセンサー
JP4170350B2 (ja) 全反射減衰を利用したセンサー
JP2003075334A (ja) 全反射減衰を利用したセンサー
JP2003227792A (ja) 全反射減衰を利用したセンサー
JP3776371B2 (ja) 測定装置
JP3913589B2 (ja) 測定装置
JP3830827B2 (ja) 全反射減衰を利用したセンサー
JP2002195943A (ja) 全反射減衰を利用したセンサー
JP2004144477A (ja) 測定方法および測定装置
JP2007206056A (ja) 全反射減衰を利用した測定方法および測定装置
JP2004085487A (ja) 全反射減衰を利用したセンサー
JP2002221487A (ja) 全反射減衰を利用したセンサー
JP2003207446A (ja) 測定方法および測定装置
JP2003279478A (ja) 測定方法、測定装置および測定チップユニット

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040305

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051108

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051115

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060113

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060228

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060301

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090324

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090324

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090324

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090324

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100324

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100324

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110324

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110324

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120324

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120324

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130324

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130324

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140324

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees