JP2003172693A - 全反射減衰を利用した測定装置 - Google Patents

全反射減衰を利用した測定装置

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JP2003172693A
JP2003172693A JP2001372325A JP2001372325A JP2003172693A JP 2003172693 A JP2003172693 A JP 2003172693A JP 2001372325 A JP2001372325 A JP 2001372325A JP 2001372325 A JP2001372325 A JP 2001372325A JP 2003172693 A JP2003172693 A JP 2003172693A
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Japan
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dielectric block
light beam
total reflection
thin film
resin
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Takashi Kubo
隆 久保
Takamitsu Nomura
能光 野村
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Fujinon Corp
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Fuji Photo Optical Co Ltd
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    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/55Specular reflectivity
    • G01N21/552Attenuated total reflection
    • G01N21/553Attenuated total reflection and using surface plasmons

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表面プラズモン共鳴測定装置等の、全反射減
衰を利用した測定装置において、高S/Nの測定データ
を得る。 【解決手段】 測定チップ10を構成する誘電体ブロック
11が、測定用光ビーム30の入射面11b、出射面11cおよ
び薄膜層12が形成される一面11aの全てを含む1つのブ
ロックとして樹脂から形成され、かつ薄膜層12が形成さ
れる一面11aを規定する型面に対向する位置に樹脂導入
用ゲートを配して射出成形されたものである場合、誘電
体ブロック11の入射面11b、出射面11c上における光ビ
ーム30の通過位置が、射出成形の際に樹脂導入用ゲート
の側に位置した該誘電体ブロックの端面11eから1mm
以上離れた位置に存在するように該誘電体ブロック11を
配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面プラズモンの
発生を利用して試料中の物質を定量分析する表面プラズ
モン共鳴測定装置等の、全反射減衰を利用した測定装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】金属中においては、自由電子が集団的に
振動して、プラズマ波と呼ばれる粗密波が生じる。そし
て、金属表面に生じるこの粗密波を量子化したものは、
表面プラズモンと呼ばれている。
【0003】従来より、この表面プラズモンが光波によ
って励起される現象を利用して、試料中の物質を定量分
析する表面プラズモン共鳴測定装置が種々提案されてい
る。そして、それらの中で特に良く知られているものと
して、 Kretschmann配置と称される系を用いるものが挙
げられる(例えば特開平6−167443号参照)。
【0004】上記の系を用いる表面プラズモン共鳴測定
装置は基本的に、例えばプリズム状に形成された誘電体
ブロックと、この誘電体ブロックの一面に形成されて試
料に接触させられる金属膜と、光ビームを発生させる光
源と、上記光ビームを誘電体ブロックに対して、該誘電
体ブロックと金属膜との界面で全反射条件となり、か
つ、表面プラズモン共鳴条件を含む種々の入射角が得ら
れるように入射させる光学系と、上記界面で全反射した
光ビームの強度を測定して表面プラズモン共鳴の状態を
検出する光検出手段とを備えてなるものである。
【0005】なお上述のように種々の入射角を得るため
には、比較的細い光ビームを偏向させて上記界面に入射
させてもよいし、あるいは光ビームに種々の角度で入射
する成分が含まれるように、比較的太い光ビームを上記
界面に収束光あるいは発散光の状態で入射させてもよ
い。前者の場合は、光ビームの偏向にともなって反射角
が変化する光ビームを、光ビームの偏向に同期移動する
小さな光検出器によって検出したり、反射角の変化方向
に沿って延びるエリアセンサによって検出することがで
きる。一方後者の場合は、種々の反射角で反射した各光
ビームを全て受光できる方向に延びるエリアセンサによ
って検出することができる。
【0006】上記構成の表面プラズモン共鳴測定装置に
おいて、光ビームを金属膜に対して全反射角以上の特定
入射角θSPで入射させると、該金属膜に接している試
料中に電界分布をもつエバネッセント波が生じ、このエ
バネッセント波によって金属膜と試料との界面に表面プ
ラズモンが励起される。エバネッセント光の波数ベクト
ルが表面プラズモンの波数と等しくて波数整合が成立し
ているとき、両者は共鳴状態となり、光のエネルギーが
表面プラズモンに移行するので、誘電体ブロックと金属
膜との界面で全反射した光の強度が鋭く低下する。この
光強度の低下は、一般に上記光検出手段により暗線とし
て検出される。
【0007】なお上記の共鳴は、入射ビームがp偏光の
ときにだけ生じる。したがって、光ビームがp偏光で入
射するように予め設定しておく必要がある。
【0008】この全反射減衰(ATR)が生じる入射角
θSPより表面プラズモンの波数が分かると、試料の誘
電率が求められる。すなわち表面プラズモンの波数をK
SP、表面プラズモンの角周波数をω、cを真空中の光
速、εとεをそれぞれ金属、試料の誘電率とす
ると、以下の関係がある。
【0009】
【数1】 試料の誘電率εが分かれば、所定の較正曲線等に基
づいて試料中の特定物質の濃度が分かるので、結局、上
記反射光強度が低下する入射角θSPを知ることによ
り、試料中の特定物質を定量分析することができる。
【0010】上記の系を用いる従来の表面プラズモン共
鳴測定装置において、実用上は、試料に接触させる金属
膜を測定毎に交換する必要がある。そこで従来は、この
金属膜を平坦な板状の誘電体ブロックに固定し、それと
は別に前記全反射を生じさせるための光カップラーとし
てのプリズム状誘電体ブロックを設け、この後者の誘電
体ブロックの一面に前者の誘電体ブロックを一体化する
という手法が採用されていた。そのようにすれば、後者
の誘電体ブロックは光学系に対して固定としておき、前
者の誘電体ブロックと金属膜とを測定チップとして、こ
の測定チップのみを試料毎に交換することが可能とな
る。
【0011】また、全反射減衰(ATR)を利用する類
似の測定装置として、例えば「分光研究」第47巻 第
1号(1998)の第21〜23頁および第26〜27
頁に記載がある漏洩モード測定装置も知られている。こ
の漏洩モード測定装置は基本的に、例えばプリズム状に
形成された誘電体ブロックと、この誘電体ブロックの一
面に形成されたクラッド層と、このクラッド層の上に形
成されて、試料に接触させられる光導波層と、光ビーム
を発生させる光源と、上記光ビームを上記誘電体ブロッ
クに対して、該誘電体ブロックとクラッド層との界面で
全反射条件が得られるように種々の角度で入射させる光
学系と、上記界面で全反射した光ビームの強度を測定し
て導波モードの励起状態、つまり全反射減衰状態を検出
する光検出手段とを備えてなるものである。
【0012】上記構成の漏洩モード測定装置において、
光ビームを誘電体ブロックを通してクラッド層に対して
全反射角以上の入射角で入射させると、このクラッド層
を透過した後に光導波層においては、ある特定の波数を
有する特定入射角の光のみが導波モードで伝搬するよう
になる。こうして導波モードが励起されると、入射光の
ほとんどが光導波層に取り込まれるので、上記界面で全
反射する光の強度が鋭く低下する全反射減衰が生じる。
そして導波光の波数は光導波層の上の試料の屈折率に依
存するので、全反射減衰が生じる上記特定入射角を知る
ことによって、試料の屈折率や、それに関連する試料の
特性を分析することができる。
【0013】なおこの漏洩モード測定装置を用いる場合
も、前述の表面プラズモン共鳴測定装置を用いる場合と
同様に、装置の光学系に対して1つの誘電体ブロックを
固定する一方、別の誘電体ブロックにクラッド層および
光導波層を形成して測定チップとし、この測定チップの
みを試料毎に交換することが可能である。
【0014】ところで、この交換可能とされた従来の測
定チップを用いる場合は、その誘電体ブロックとプリズ
ム状誘電体ブロックとの間に空隙が生じて屈折率が不連
続となることを防止するため、それら両誘電体ブロック
を屈折率マッチング液を介して一体化する必要が生じ
る。そのようにして両誘電体ブロックを一体化する作業
は非常に煩雑であり、そのため、この従来の測定チップ
は、測定に際しての取扱い性が良くないものとなってい
る。特に、測定チップをターレット等の上に自動装填
し、このターレットを回転させることにより、測定チッ
プを光ビームを受ける測定位置に自動供給して測定を自
動化するような場合は、測定チップの装填、取外しに手
間取り、それが自動測定の能率向上を妨げる原因となり
やすい。
【0015】またこの従来の測定チップは、屈折率マッ
チング液を使用することから、環境に与える悪影響も懸
念されている。
【0016】上記の事情に鑑みて本出願人は、屈折率マ
ッチング液を使用する必要がなく、そして測定用光学系
に対して簡単に交換することができる測定チップを提案
した(特願2001−92666号)。
【0017】この測定チップは、誘電体ブロックと、こ
の誘電体ブロックの一面に形成されて試料に接触させら
れる薄膜層と、光ビームを発生させる光源と、前記光ビ
ームを前記誘電体ブロックに対して、該誘電体ブロック
と前記薄膜層との界面で全反射条件となり、かつ、種々
の入射角成分を含むようにして入射させる光学系と、前
記界面で全反射した光ビームの強度を測定して全反射減
衰の状態を検出する光検出手段とを備えてなる、全反射
減衰を利用した測定装置に用いられる測定チップにおい
て、前記誘電体ブロックが、前記光ビームの入射面、出
射面および前記薄膜層が形成される一面の全てを含む1
つのブロックとして形成され、この誘電体ブロックに前
記薄膜層が一体化されてなることを特徴とするものであ
る。
【0018】なお、この測定チップが前記表面プラズモ
ン共鳴測定用のものである場合、上記薄膜層は金属膜か
ら構成され、漏洩モード測定用のものである場合、上記
薄膜層はクラッド層および光導波層から構成される。
【0019】また、上記測定チップを構成する誘電体ブ
ロックにおいて、好ましくは、薄膜層が形成される一面
の上方の空間を側方から囲んで、この一面の上に試料を
保持する液溜めを画成する部分が形成される。
【0020】ところで、上述の誘電体ブロックとして
は、樹脂を射出成形してなるものが好適に用いられる
が、従来、そのような樹脂製誘電体ブロックからなる測
定チップにおいては、薄膜層が形成される一面の平面度
が低い、圧縮や引っ張りに対する強度が低いといった問
題が認められている。
【0021】そこで、薄膜層が形成される一面の平面度
が高くて、圧縮や引っ張りに対する強度も高い樹脂製誘
電体ブロックを作製できる測定チップの作製方法が提案
されている(特願2001−299568号)。
【0022】この測定チップの作製方法は、前記特願2
001−92666号で提案された測定チップにおける
ものと各々同様の誘電体ブロック、薄膜層(前述の通り
測定チップが表面プラズモン共鳴測定用のものである場
合は金属膜であり、漏洩モード測定用のものである場合
はクラッド層および光導波層である)、光源、光学系、
および光検出手段を備えてなる、全反射減衰を利用した
測定装置に用いられる測定チップであって、前記誘電体
ブロックが、前記光ビームの入射面、出射面および前記
薄膜層が形成される一面の全てを含む1つのブロックと
して樹脂から形成され、この誘電体ブロックに前記薄膜
層が一体化されてなる測定チップの作製方法において、
誘電体ブロックを、前記薄膜層が形成される一面を規定
する型面に対向する位置に樹脂導入用ゲートを配して射
出成形することを特徴とするものである。
【0023】この測定チップの作製方法においては、樹
脂導入用ゲートを上記の位置に配したことにより、薄膜
層が形成される一面の平面度が高くて、圧縮や引っ張り
に対する強度も高い樹脂製誘電体ブロックを備えた測定
チップを提供可能となっている。以下、その点について
詳しく説明する。
【0024】まず、従来技術における問題について説明
する。図3は、表面プラズモン共鳴測定に用いられる測
定チップの一例を示すものである。この測定チップ10は
図示の通り、例えば概略四角錐の一部を切り取った形状
の透明誘電体ブロック11と、この誘電体ブロック11の一
面11aに形成された例えば金、銀、銅、アルミニウム等
からなる金属膜12と、この金属膜12の上に側方が閉じら
れた空間を画成する筒状の試料保持枠13とから構成され
ている。誘電体ブロック11は、上記金属膜12が形成され
る面11aと、測定用光ビームが入射する面11bと、該光
ビームが出射する面11cとを全て含む1つのブロックと
して形成されている。試料保持枠13は、その中に液溜め
としての空間を画成するものであり、その空間内には例
えば液体の試料が貯えられる。なお本例では、金属膜12
の上にセンシング媒体14が固定されているが、それにつ
いては後に詳述する。
【0025】上述の形状を有する樹脂製誘電体ブロック
11は従来、基本的に図5に示すようにして射出成形によ
り作製されていた。すなわち、誘電体ブロック11の外形
形状を規定する空間3を画成する上型1と、この上型1
側に突出したピン4を有する下型2とが用いられ、固定
の下型2に対して上方から上型1が下降して密着するこ
とにより、上記空間3が閉じられるとともに、その空間
3内に、液溜めを成形するピン4が進入した状態とされ
る。そして、上型1に形成されたゲートGから、溶融し
た樹脂が空間3内に導入されて、誘電体ブロック11が成
形される。なおここで示すゲートGは、通常ピンゲート
と称される形状のものである。
【0026】本発明者の研究によると、このような従来
技術において生じる前述の問題は、根本的に、ゲートG
が空間3の側方に位置していることに起因していること
が判明した。つまり、空間3の側方にゲートGが位置し
ていると、そこから空間3内に流入した溶融樹脂は図中
2つの矢印で示すような経路で流れて、ピン4の先端面
4aの上で合わさるようになる。そこで、このピン4の
先端面4aで規定される誘電体ブロック11の面(これは
図3に示した金属膜12が形成される面11aである)に
は、2つの樹脂の流れの合流面が線となって表れる。こ
れは一般に「ウェルド」と称されており、この線が形成
されたことにより上記誘電体ブロック11の一面11aの平
面度が損なわれ、また、2つの樹脂の流れが合流した部
分が、圧縮や引っ張りの力に対して弱いものとなってし
まうのである。
【0027】さらにこの例では、下型2に直立固定させ
たピン4を用いているため、空間3の側方にゲートGが
位置していると、例えば1000kg/cm程度にもなる
高圧で樹脂を導入した際に、ピン4がその圧力で横方に
倒れて、先端面4aが傾いて転写されたり、あるいは誘
電体ブロック11の形状が不正なものになってしまうこと
もある。
【0028】なお誘電体ブロック11の一面11aには前述
のように金属膜12が形成され、後述のように測定に際し
て光ビームがこの一面11aに照射されるので、この一面
11aの平面度が低いと、測定精度が損なわれることにな
る。
【0029】特願2001−299568号で提案され
た測定チップの作製方法においては、上記の知見に基づ
いて、樹脂導入用ゲートGを図6に示す位置に配して射
出成形を行なうものである。つまりこのように、前記誘
電体ブロック11の一面11aを規定する型面であるピン先
端面4aに対向する位置にゲートGを配して射出成形す
ることにより、誘電体ブロック11の一面11aのところで
樹脂が合流することがなくなる。つまりこのとき樹脂
は、図6中に2本の矢印で示すように、ピン先端面4a
に向かって流れるようになる。
【0030】したがってこの場合は、樹脂が合流した部
分において誘電体ブロック11の強度が低下することがな
く、また誘電体ブロック11の上記一面11aにウェルドが
発生することも防止される。さらに、図示のようなピン
4を用いる場合でも、それが樹脂導入の圧力で横方に倒
れることがなくなるので、先端面4aが傾いて転写され
たり、あるいは誘電体ブロック11の形状が不正になるこ
とが防止される。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の新し
い方法により作製された測定チップを用いて、高いS/
Nの測定データを得ることができる、全反射減衰を利用
した測定装置を提供することを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】本発明による全反射減衰
を利用した測定装置は、前記特願2001−29956
8号で提案された方法で作製された測定チップを使用
し、そして、該測定チップを構成する誘電体ブロックの
前記入射面、出射面上における測定用光ビームの通過位
置が、前記射出成形の際に樹脂導入用ゲートの側に位置
した該誘電体ブロックの端面から1mm以上離れた位置
に存在するように該誘電体ブロックが配置されたことを
特徴とするものである。
【0033】すなわち、より具体的に本発明による第1
の全反射減衰を利用した測定装置は、誘電体ブロック
と、この誘電体ブロックの一面に形成されて試料に接触
させられる薄膜層と、光ビームを発生させる光源と、前
記光ビームを前記誘電体ブロックに対して、該誘電体ブ
ロックと前記薄膜層との界面で全反射条件となり、か
つ、種々の入射角成分を含むようにして入射させる光学
系と、前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して
全反射減衰の状態を検出する光検出手段とを備えてな
る、全反射減衰を利用した測定装置において、前記誘電
体ブロックが、前記光ビームの入射面、出射面および前
記薄膜層が形成される一面の全てを含む1つのブロック
として樹脂から形成され、かつ前記薄膜層が形成される
一面を規定する型面に対向する位置に樹脂導入用ゲート
を配して射出成形されたものであり、前記誘電体ブロッ
クの前記入射面、出射面上における前記光ビームの通過
位置が、前記射出成形の際に前記樹脂導入用ゲートの側
に位置した該誘電体ブロックの端面から1mm以上離れ
た位置に存在するように該誘電体ブロックが配置されて
いることを特徴とするものである。
【0034】なお本発明において、光ビームの通過位置
を規定する上でそのビーム半径は、いわゆる1/e
(ビーム中心から、強度がピーク値の1/eとなる点
までの径)で定義するものとする。
【0035】また本発明による第2の全反射減衰を利用
した測定装置は、特に前述した表面プラズモン共鳴測定
を行なうものであって、上記第1の装置において、誘電
体ブロックの一面に形成されて試料に接触させられる薄
膜層が特に金属膜からなるものである。
【0036】また本発明による第3の全反射減衰を利用
した測定装置は、特に前述した漏洩モード測定を行なう
ものであって、上記第1の装置において、誘電体ブロッ
クの一面に形成されて試料に接触させられる薄膜層が特
に該一面に形成されたクラッド層、およびその上に形成
されて試料に接触させられる光導波層からなるものであ
る。
【0037】
【発明の効果】本発明者の研究によると、前記特願20
01−299568号で提案された方法で測定チップが
作製された場合、誘電体ブロックの入射面および出射面
の平面度は、射出成形の際に樹脂導入用ゲートの側に位
置した端面から1mm以上離れないと十分良好になり得
ないことが判明した。誘電体ブロックの入射面および出
射面の上記端面から1mm未満の領域で平面度が劣るの
は、樹脂の流れの歪みや、樹脂の収縮の影響等によるも
のであると考えられる。この入射面および出射面の平面
度が低いと、そこを通過する光ビームが非常に僅かなが
ら乱反射、乱入射を起こし、そのために検出光量が低下
して、測定データのS/Nが低下することになる。
【0038】なお、測定チップを構成する樹脂製誘電体
ブロックは、通常、人間の指先程度の大きさに形成され
るものであるが、その程度の大きさである限り、上記の
「1mm」という距離は、樹脂製誘電体ブロックからな
る測定チップに対して広く一般に当てはまるものであ
る。
【0039】以下、上記入射面および出射面の平面度に
関して詳しく説明する。図9は、本発明者がこの平面度
の測定に供した装置の概略構成を示すものである。この
装置は測定用の光ビーム(レーザビーム)90を発生させ
るレーザ光源91と、光ビーム90の光路に挿入されたハー
フミラー92と、このハーフミラー92を透過した光ビーム
90の光路に挿入された平行平板93と、測定対象の誘電体
ブロック11をその測定面11P(上記入射面あるいは出射
面)が平行平板93の基準面93Pと平行になる状態に載置
する試料台94と、上記測定面11Pおよび基準面93Pで反
射した後ハーフミラー92で反射した光ビーム90を受ける
位置に配されたモニター95とから構成されている。
【0040】この装置においては、平行平板93の極めて
平面度の高い基準面93Pで反射した光ビーム90と、誘電
体ブロック11の測定面11Pで反射した光ビーム90とが互
いに干渉し、それらが形成する干渉縞がモニター95に表
示されるようになっている。そして、測定面11Pの平面
度が極めて高ければ、上記の干渉縞は観察されないか、
あるいは干渉縞の間隔が大きなものとなり、この平面度
が劣るほど間隔の細かい干渉縞が観察されるようにな
る。
【0041】図10は、モニター95に表示された上述の
干渉縞を撮影した写真を(1)、(2)として2例示すもので
ある。これらは、条件を互いに変えて射出成形された2
つの誘電体ブロック11についての干渉縞であるが、どち
らの場合も、誘電体ブロック11の底面11e(これは先の
図6に示すようにして該誘電体ブロック11を射出成形す
る際に、樹脂導入用ゲートGの側に位置したブロック端
面である)から1mmに近いところまでの範囲に、細か
い干渉縞が観察されている。
【0042】本発明は、この全く新しい知見に鑑みて、
誘電体ブロックの入射面、出射面上における光ビームの
通過位置が、射出成形の際に樹脂導入用ゲートの側に位
置した該誘電体ブロックの端面から1mm以上離れた位
置に存在するように該誘電体ブロックを配置したもので
ある。それにより、本発明の全反射減衰を利用した測定
装置においては、誘電体ブロックの入射面および出射面
の平面度が高い領域を光ビームが通過するようになり、
それらの面における光ビームの乱反射、乱入射が抑えら
れて、高S/Nの測定データが得られるようになる。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実
施の形態による表面プラズモン共鳴測定装置の全体形状
を示すものである。また図2はこの装置の要部の側面形
状を示し、図3はここで用いられている測定チップ10の
斜視形状を示している。まず、表面プラズモン共鳴測定
装置について説明する。
【0044】図1に示す通りこの表面プラズモン共鳴測
定装置は、複数の測定チップ10を支持するターンテーブ
ル20と、測定用の光ビーム(レーザビーム)30を発生さ
せる半導体レーザ等のレーザ光源31と、入射光学系を構
成する集光レンズ32と、光検出器40と、上記ターンテー
ブル20を間欠的に回動させる支持体駆動手段50と、この
支持体駆動手段50の駆動を制御するとともに、上記光検
出器40の出力信号Sを受けて後述の処理を行なうコント
ローラ60と、試料自動供給機構70とを有している。
【0045】上記測定チップ10は図2および図3に示す
通り、例えば概略四角錐の一部を切り取った形状の透明
誘電体ブロック11と、この誘電体ブロック11の上面に形
成された例えば金、銀、銅、アルミニウム等からなる金
属膜12と、この金属膜12の上に側方が閉じられた空間を
画成する筒状の試料保持枠13とから構成されている。誘
電体ブロック11は、上記金属膜12が形成される一面11a
(後述の界面を構成する面)と、光ビーム30が入射する
面11bと、光ビーム30が出射する面11cとを全て含む1
つのブロックとして形成されている。試料保持枠13の中
には、後述のようにして例えば液体の試料15が貯えられ
る。
【0046】測定チップ10を構成する誘電体ブロック11
および試料保持枠13は透明樹脂を用いて一体成形されて
おり、ターンテーブル20に対して交換可能とされてい
る。交換可能とするためには、例えばターンテーブル20
に形成された貫通孔に、測定チップ10を嵌合保持させる
等すればよい。
【0047】上記透明樹脂の好ましいものとしては、シ
クロオレフィンポリマー、PMMA、ポリカーボネー
ト、非晶性ポリオレフィン等を挙げることができる。ま
た、日本ゼオン株式会社が製造するシクロオレフィンポ
リマーの一つである「ZEONEX 330R」(商品
名)も極めて好ましいものとして挙げることができる。
【0048】なお本例では、金属膜12の上にセンシング
媒体14が固定されているが、それについては後に詳述す
る。また誘電体ブロック11を形成する材料として一般に
は、屈折率が1.45〜2.5程度の範囲内にあるものを用い
るのが望ましい。その理由は、この屈折率範囲で実用的
なSPR共鳴角が得られるからである。
【0049】ターンテーブル20は複数(本例では11
個)の上記測定チップ10を、その回動軸20aを中心とす
る円周上に等角度間隔で支持するように構成されてい
る。支持体駆動手段50はステッピングモータ等から構成
され、ターンテーブル20を測定チップ10の配置角度と等
しい角度ずつ間欠的に回動させる。
【0050】集光レンズ32は図2に示す通り、光ビーム
30を集光して収束光状態で誘電体ブロック11に通し、誘
電体ブロック11と金属膜12との界面(なお以下ではこの
界面を便宜的に、誘電体ブロック11の一面11aと同じ付
番「11a」を付して示す)に対して種々の入射角が得ら
れるように入射させる。この入射角の範囲は、上記界面
11aにおいて光ビーム30の全反射条件が得られ、かつ、
表面プラズモン共鳴が生じ得る角度範囲を含む範囲とさ
れる。
【0051】なお光ビーム30は、界面11aに対してp偏
光状態で入射させる。そのようにするためには、予めレ
ーザ光源31をその偏光方向が所定方向となるように配設
すればよい。その他、波長板や偏光板で光ビーム30の偏
光の向きを制御してもよい。
【0052】光検出器40は、多数の受光素子が1列に配
されてなるラインセンサーから構成されており、受光素
子の並び方向が図2中の矢印X方向となるように配され
ている。
【0053】一方コントローラ60は、支持体駆動手段50
からその回動停止位置を示すアドレス信号Aを受けると
ともに、所定のシーケンスに基づいてこの支持体駆動手
段50を作動させる駆動信号Dを出力する。またこのコン
トローラ60は、上記光検出器40の出力信号Sを受ける信
号処理部61と、この信号処理部61からの出力を受ける表
示部62とを備えている。
【0054】試料自動供給機構70は、例えば液体試料を
所定量だけ吸引保持するピペット71と、このピペット71
を移動させる手段72とから構成されたものであり、所定
位置にセットされた試料容器73から試料をピペット71に
吸引保持し、所定の停止位置にある測定チップ10の試料
保持枠13内にその試料を滴下供給する。
【0055】以下、上記構成の表面プラズモン共鳴測定
装置による試料分析について説明する。試料分析に際し
てターンテーブル20は、前述のように支持体駆動手段50
によって間欠的に回動される。そして、ターンテーブル
20が停止したとき所定位置に静止した測定チップ10の試
料保持枠13に、上記試料自動供給機構70によって試料15
が供給される。
【0056】その後ターンテーブル20が何回か回動され
てから停止すると、試料保持枠13に試料15を保持してい
る測定チップ10が、その誘電体ブロック11に前記光ビー
ム30が入射する測定位置(図2中の右側の測定チップ10
の位置)に静止する状態となる。この状態のとき、コン
トローラ60からの指令でレーザ光源31が駆動され、そこ
から発せられた光ビーム30が前述のように収束する状態
で、誘電体ブロック11と金属膜12との界面11aに入射す
る。この界面11aで全反射した光ビーム30は、光検出器
40によって検出される。
【0057】光ビーム30は、上述の通り収束光状態で誘
電体ブロック11に入射するので、上記界面11aに対して
種々の入射角θで入射する成分を含むことになる。なお
この入射角θは、全反射角以上の角度とされる。そこ
で、光ビーム30は界面11aで全反射し、この反射した光
ビーム30には、種々の反射角で反射する成分が含まれる
ことになる。ここで、上記集光レンズ32等の光学系は、
光ビーム30を界面11aにデフォーカス状態で入射させる
ように構成されてもよい。そのようにすれば、表面プラ
ズモン共鳴の状態検出(例えば前記暗線の位置測定)の
誤差が平均化されて、測定精度が高められる。
【0058】上述のように光ビーム30が全反射すると
き、界面11aから金属膜12側にエバネッセント波がしみ
出す。そして、光ビーム30が界面11aに対してある特定
の入射角θSPで入射した場合は、このエバネッセント
波が金属膜12の表面に励起する表面プラズモンと共鳴す
るので、この光については反射光強度Iが鋭く低下す
る。なお図4には、この全反射減衰現象が生じた際の入
射角θと反射光強度Iとの関係を概略的に示してある。
【0059】そこで、光検出器40が出力する光量検出信
号Sから各受光素子毎の検出光量を調べ、暗線を検出し
た受光素子の位置に基づいて上記入射角(全反射減衰
角)θ SPを求め、予め求めておいた反射光強度Iと入
射角θとの関係曲線に基づけば、試料15中の特定物質を
定量分析することができる。コントローラ60の信号処理
部61は、以上の原理に基づいて試料15中の特定物質を定
量分析し、その分析結果が表示部62に表示される。
【0060】測定を1つの試料15に対して1回だけ行な
う場合は、以上の操作で測定が完了するので、測定を終
えた測定チップ10をターンテーブル20から手操作によ
り、あるいは自動排出手段を用いて排出すればよい。一
方、1つの試料15に対して測定を複数回行なう場合は、
測定終了後も測定チップ10をそのままターンテーブル20
に支持させておけば、ターンテーブル20の1回転後に、
その測定チップ10に保持されている試料15を再度測定に
かけることができる。
【0061】以上説明した通り、この表面プラズモン共
鳴測定装置は、複数の測定チップ10をターンテーブル20
に支持させ、このターンテーブル20を移動させて各測定
チップ10を順次測定位置に配置するように構成されてい
るから、複数の測定チップ10の各試料保持枠13に保持さ
せた試料15を、ターンテーブル20の移動にともなって次
々と測定に供することができる。それにより、この表面
プラズモン共鳴測定装置によれば、多数の試料15につい
ての測定を短時間で行なうことが可能になる。
【0062】この測定チップ10は、従来なされていたよ
うに誘電体ブロック11を屈折率マッチング液を介して他
の誘電体ブロックと光学的に結合させるような必要はな
いものである。したがって、この測定チップ10は取扱い
性が良く、また屈折率マッチング液が環境に及ぼす悪影
響から無縁のものとなり得る。
【0063】なお金属膜12の表面に固定されているセン
シング媒体14は、試料15中の特定物質と結合するもので
ある。このような特定物質とセンシング媒体14との組合
せとしては、例えば抗原と抗体とが挙げられる。その場
合は、全反射減衰角θSPに基づいて抗原抗体反応を検
出することができる。
【0064】次に、測定チップ10を作製する方法につい
て説明する。図7は、この測定チップ10を作製する射出
成形装置の一例を概略的に示すものである。図示の通り
この射出成形装置は、上下方向に移動自在とされた可動
取付板80にスペーサブロック81を介して固定された下型
2と、この下型2に密着、離間する上型1とから構成さ
れている。
【0065】下型2は受け板82と、この上に組み付けら
れたストッパプレート83と、先に図6に示したものと同
様のピン4とから構成されている。上型1は、下型2に
よって下側から押圧されると図示のように互いが上下方
向に密着する可動型板84と、ランナープレート85と、ラ
ンナーストリッパプレート86と、固定取付板87とから構
成されている。固定取付板87は上下方向位置が固定され
ており、下型2が図7の状態から所定距離下降すると、
可動型板84とランナープレート85とランナーストリッパ
プレート86とが互いに離れつつ固定取付板87から離れ
る。
【0066】可動型板84には、図中左右方向に移動し
て、互いに密着したときに互いの間に空間3を画成する
2つのスライダブロック84a、84bが組み込まれてい
る。上型1と下型2とが密着すると、上記空間3内にピ
ン4の先端部分が進入した状態となる。なおこの図7で
は、上記空間3のように溶融樹脂が流れる空間をハッチ
ングを付して示してある。
【0067】ランナープレート85の上面とランナースト
リッパプレート86の下面にはそれぞれ、両者が密着した
とき互いに整合するランナー溝85a、86aが形成されて
いる。またランナーストリッパプレート86には、上記ラ
ンナー溝86aに連続する樹脂導入通路86bが形成され、
また固定取付板87には、該固定取付板87がランナースト
リッパプレート86に密着したとき上記樹脂導入通路86b
と連通する樹脂導入通路87aが形成されている。
【0068】上型1と下型2とを図7のように密着した
状態とし、固定取付板87の樹脂導入通路87aから矢印A
で示すように溶融した透明樹脂を圧入させると、先に図
6を参照して説明したのと同様にピンゲートGから空間
3内に樹脂が射出される。この樹脂が冷却固化した後に
上型1と下型2とを離間させれば、図3に示した測定チ
ップ10を構成する誘電体ブロック11が得られる。
【0069】このようにして誘電体ブロック11を射出成
形する際、誘電体ブロック11の一面11aを規定する型面
であるピン先端面4aに対向する位置にゲートGを配し
ておくことにより、樹脂が合流した部分において誘電体
ブロック11の強度が低下したり、誘電体ブロック11の上
記一面11aにウェルドが発生することが防止される。さ
らに、ピン4が樹脂導入の圧力で横方に倒れることがな
くなるので、誘電体ブロック11の形状が不正になること
が防止される。その理由は、先に図6を参照して詳しく
説明した通りである。
【0070】以上の通りにして誘電体ブロック11を射出
成形した後、この誘電体ブロック11の上記一面11aに金
属膜12を形成し、さらにその上にセンシング媒体14を固
定すると、図3に示した測定チップ10が得られる。
【0071】本実施の形態において誘電体ブロック11
は、図2に示すように、その光入射面11bと光出射面11
cにおける光ビーム30の下端位置と、誘電体ブロック11
の底面11e(これは先の図7に示すようにして該誘電体
ブロック11を射出成形する際に、樹脂導入用ゲートGの
側に位置したブロック端面である)との距離Hが1mm
以上となるようにしてターンテーブル20に支持されてい
る。なお、光ビーム30の下端位置を規定する上でそのビ
ーム半径は、いわゆる1/e径(ビーム中心から、強
度がピーク値の1/eとなる点までの径)で定義す
る。
【0072】以上のようにして、誘電体ブロック11の入
射面11bと出射面11cにおける光ビーム30の通過位置
が、ブロック底面11eから1mm以上離れるようにして
おくことにより、S/Nの高い測定データを得ることが
可能になる。その詳しい理由は、先に図9および図10
を参照して詳しく説明した通りである。
【0073】なお本発明は、以上説明したような形状の
誘電体ブロック11を用いる場合に限らず、その他の形状
の誘電体ブロックを用いる場合にも同様に適用可能であ
り、そして同様の効果を奏するものである。
【0074】次に図8を参照して、本発明の別の実施の
形態について説明する。この図8は、本発明の第2の実
施の形態による漏洩モード測定装置の側面形状を示すも
のである。この漏洩モード測定装置は基本的に、図2に
示した表面プラズモン共鳴測定装置と同様の構成を有す
るものである。一方、ここで使用される測定チップ700
は、誘電体ブロック11の一面(図中の上面)にクラッド
層701が形成され、さらにその上に光導波層702が形成さ
れてなるものである。
【0075】誘電体ブロック11は、例えば前述したよう
な透明樹脂を用いて形成されている。一方クラッド層70
1は、誘電体ブロック11よりも低屈折率の誘電体や、金
等の金属を用いて薄膜状に形成されている。また光導波
層702は、クラッド層701よりも高屈折率の誘電体、例え
ばPMMAを用いてこれも薄膜状に形成されている。ク
ラッド層701の膜厚は、例えば金薄膜から形成する場合
で36.5nm、光導波層702の膜厚は、例えばPMMAから
形成する場合で700nm程度とされる。
【0076】上記構成の漏洩モード測定装置において、
レーザ光源31から出射した光ビーム30を誘電体ブロック
11を通してクラッド層701に対して全反射角以上の入射
角で入射させると、該光ビーム30が誘電体ブロック11と
クラッド層701との界面11aで全反射するが、クラッド
層701を透過して光導波層702に特定入射角で入射した特
定波数の光は、該光導波層702を導波モードで伝搬する
ようになる。こうして導波モードが励起されると、入射
光のほとんどが光導波層702に取り込まれるので、上記
界面11aで全反射する光の強度が鋭く低下する全反射減
衰が生じる。
【0077】光導波層702における導波光の波数は、該
光導波層702の上の試料15の屈折率に依存するので、全
反射減衰が生じる上記特定入射角を知ることによって、
試料15の屈折率や、それに関連する試料15の特性を分析
することができる。信号処理部61は、以上の原理に基づ
いて試料15中の特定物質を定量分析し、その分析結果が
図示外の表示部に表示される。
【0078】本実施の形態の漏洩モード測定装置におい
ても、測定チップ700を構成する誘電体ブロック11は、
その光入射面11bと光出射面11cにおける光ビーム30の
下端位置と、誘電体ブロック11の底面11e(これも該誘
電体ブロック11を射出成形する際に、樹脂導入用ゲート
の側に位置したブロック端面である)との距離Hが1m
m以上となるようにしてターンテーブル20に支持されて
いる。それによりこの場合も、第1の実施の形態におけ
るのと同様に、S/Nの高い測定データを得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による表面プラズモ
ン共鳴測定装置の全体図
【図2】図1の表面プラズモン共鳴測定装置の要部を示
す一部破断側面図
【図3】図1の装置に用いられた表面プラズモン共鳴測
定チップを示す斜視図
【図4】表面プラズモン共鳴測定装置における光ビーム
入射角と、光検出器による検出光強度との概略関係を示
すグラフ
【図5】表面プラズモン共鳴測定チップを作製する方法
を示す説明図
【図6】表面プラズモン共鳴測定チップを作製する別の
方法を示す説明図
【図7】図1の装置に用いられた測定チップを作製する
装置を示す側断面図
【図8】本発明の第2の実施の形態による漏洩モード測
定装置の要部を示す一部破断側面図
【図9】誘電体ブロックの光通過面の平面度を測定する
装置を示す概略側面図
【図10】図9の装置で観測された干渉縞を示す写真
【符号の説明】
10 表面プラズモン共鳴測定チップ 11 誘電体ブロック 11a 誘電体ブロックの一面 11b 誘電体ブロックの光入射面 11c 誘電体ブロックの光出射面 11e 誘電体ブロックの底面 12 金属膜 13 試料保持枠 14 センシング媒体 15 試料 80 可動取付板 81 スペーサブロック 82 受け板 83 ストッパプレート 84 可動型板 85 ランナープレート 86 ランナーストリッパプレート 87 固定取付板 700 漏洩モード測定装置用測定チップ 701 クラッド層 702 光導波層 G ゲート
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // G01N 35/04 G01N 35/04 A 35/10 B29L 11:00 B29L 11:00 G01N 35/06 A Fターム(参考) 2G057 AA02 AB04 AB07 AC01 BA01 BB06 HA04 2G058 CA04 CD04 EA02 EA11 ED03 GA02 GE02 2G059 AA01 BB04 BB12 CC16 DD12 DD13 EE02 EE05 GG01 GG04 JJ11 JJ12 JJ17 JJ19 JJ20 KK04 PP04 4F202 AH73 CA11 CB01 CK06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 誘電体ブロックと、 この誘電体ブロックの一面に形成されて試料に接触させ
    られる薄膜層と、 光ビームを発生させる光源と、 前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して、該誘電体
    ブロックと前記薄膜層との界面で全反射条件となり、か
    つ、種々の入射角成分を含むようにして入射させる光学
    系と、 前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して全反射
    減衰の状態を検出する光検出手段とを備えてなる、全反
    射減衰を利用した測定装置において、 前記誘電体ブロックが、前記光ビームの入射面、出射面
    および前記薄膜層が形成される一面の全てを含む1つの
    ブロックとして樹脂から形成され、かつ前記薄膜層が形
    成される一面を規定する型面に対向する位置に樹脂導入
    用ゲートを配して射出成形されたものであり、 前記誘電体ブロックの前記入射面、出射面上における前
    記光ビームの通過位置が、前記射出成形の際に前記樹脂
    導入用ゲートの側に位置した該誘電体ブロックの端面か
    ら1mm以上離れた位置に存在するように該誘電体ブロ
    ックが配置されていることを特徴とする全反射減衰を利
    用した測定装置。
  2. 【請求項2】 誘電体ブロックと、 この誘電体ブロックの一面に形成されて試料に接触させ
    られる金属膜からなる薄膜層と、 光ビームを発生させる光源と、 前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して、該誘電体
    ブロックと前記金属膜との界面で全反射条件となり、か
    つ、種々の入射角成分を含むようにして入射させる光学
    系と、 前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して全反射
    減衰の状態を検出する光検出手段とを備えてなる、全反
    射減衰を利用した測定装置において、 前記誘電体ブロックが、前記光ビームの入射面、出射面
    および前記薄膜層が形成される一面の全てを含む1つの
    ブロックとして樹脂から形成され、かつ前記薄膜層が形
    成される一面を規定する型面に対向する位置に樹脂導入
    用ゲートを配して射出成形されたものであり、 前記誘電体ブロックの前記入射面、出射面上における前
    記光ビームの通過位置が、前記射出成形の際に前記樹脂
    導入用ゲートの側に位置した該誘電体ブロックの端面か
    ら1mm以上離れた位置に存在するように該誘電体ブロ
    ックが配置されていることを特徴とする全反射減衰を利
    用した測定装置。
  3. 【請求項3】 誘電体ブロックと、 この誘電体ブロックの一面に形成されたクラッド層、お
    よびその上に形成されて試料に接触させられる光導波層
    からなる薄膜層と、 光ビームを発生させる光源と、 前記光ビームを前記誘電体ブロックに対して、該誘電体
    ブロックと前記クラッド層との界面で全反射条件とな
    り、かつ、種々の入射角成分を含むようにして入射させ
    る光学系と、 前記界面で全反射した光ビームの強度を測定して全反射
    減衰の状態を検出する光検出手段とを備えてなる、全反
    射減衰を利用した測定装置において、 前記誘電体ブロックが、前記光ビームの入射面、出射面
    および前記薄膜層が形成される一面の全てを含む1つの
    ブロックとして樹脂から形成され、かつ前記薄膜層が形
    成される一面を規定する型面に対向する位置に樹脂導入
    用ゲートを配して射出成形されたものであり、 前記誘電体ブロックの前記入射面、出射面上における前
    記光ビームの通過位置が、前記射出成形の際に前記樹脂
    導入用ゲートの側に位置した該誘電体ブロックの端面か
    ら1mm以上離れた位置に存在するように該誘電体ブロ
    ックが配置されていることを特徴とする全反射減衰を利
    用した測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012090759A1 (ja) * 2010-12-28 2012-07-05 コニカミノルタホールディングス株式会社 表面プラズモン励起増強蛍光測定装置およびこれに用いられるセンサチップ

Cited By (2)

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WO2012090759A1 (ja) * 2010-12-28 2012-07-05 コニカミノルタホールディングス株式会社 表面プラズモン励起増強蛍光測定装置およびこれに用いられるセンサチップ
JPWO2012090759A1 (ja) * 2010-12-28 2014-06-05 コニカミノルタ株式会社 表面プラズモン励起増強蛍光測定装置およびこれに用いられるセンサチップ

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