JP2003172451A - バックアップリング付きｏシール - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】高圧でもシール漏れしない様にするとともに、
簡単に加工、装着できる様にする。 【解決手段】内周面にねじ部１１を有する円筒１０と、
外周面に前記ねじ部１１に螺着するねじ部２４を有する
受圧部材２０の挿入部２２と、前記ねじ部の基端側に連
続し、前記円筒の基端面１０ａから離間して設けられた
リング溝３０と、該リング溝に嵌着されたＯリング３５
と、該リング溝に嵌着され前記Ｏリングに重合するバッ
クアップリング４０と、を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、流体の漏れを防
止するための０シールに関するものであり、特に、高圧
下で使用してもシール漏れしないバックアップリング付
きＯシールに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、油圧回路の配管（円筒）等は、蓋
体により封止されているが、この配管と蓋体とのシール
部には、液漏れを防止するため、次の様なシール手段が
用いられている。 （１）平面シール；円筒の端面にフランジ部を設け、該
フランジ部にＯリング溝を形成し、該Ｏリング溝にＯリ
ングを嵌着する。前記フランジ部に円板状の蓋体を被
せ、両者を複数のボルトで締め付け固定する。

【０００３】（２）円筒シール：図４に示すように、蓋
体１は、円筒５に挿入する挿入部２と該円筒５のフラン
ジ部６に当接する固定部３と、からなるＴ字状の受圧部
材であり、この挿入部２の外周面には、０リング溝７が
周設され、該０リング溝７にＯリング８が嵌着されてい
る。前記蓋体１の固定部３と円筒５のフランジ部６と
は、複数のボルト９により締め付け固定されている。 （３）Ｏシール：図３に示すように、円筒１０にＯリン
グ３５を介して受圧部材２０の挿入部２２を挿着するシ
ール方法であって；前記円筒１０の内周面と前記挿入部
２２の外周面に、互いに螺合するねじ部１１、２４が形
成され；該ねじ部１１の基端１１ａ側にＯリング溝１５
が設けられ；該Ｏリング溝１５にＯリング３５が収容さ
れている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】従来のシール手段に
は、次に様な問題がある。 （１）平面シールは、ボルトの締め付けが弱かったり、
緩んだりした場合、蓋体が圧力液体に押圧されると、フ
ランジ部と蓋体との間に隙間が発生し、シール漏れが発
生すると共に、Ｏリングが該隙間に入り込みむしれてし
まう。又、複数のボルトを均等に締め付けなければなら
ないので、ねじこみ作業が面倒で時間がかかる。

【０００５】（２）円筒シールは、前記平面シールと異
なり、シール漏れしたり、Ｏリングがむしられたりする
ことがないが、円筒と挿入部との隙間をできるだけ少な
くなるように、精密に加工しなければならない。そのた
め、加工が面倒で加工費が嵩んでしまう。 （３）Oシールは、スペースが少なくて済む等の利点は
あるが、高圧、例えば、２５MPa以上になると、Ｏリン
グ３５が液圧に押されてはみ出してしまい液漏れが発生
する。

【０００６】この発明は、上記事情に鑑み、高圧でもシ
ール漏れしない様にするとともに、簡単に加工、装着で
きる様にすることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】この発明は、内周面にね
じ部を有する円筒と、外周面に前記ねじ部に螺着するね
じ部を有する受圧部材の挿入部と、前記ねじ部の基端側
に連続し、前記円筒の基端面から離間して設けられたリ
ング溝と、該リング溝に嵌着されたＯリングと、該リン
グ溝に嵌着され前記Ｏリングに重合するバックアップリ
ングと、を備えていることを特徴とする。

【０００８】このＯリングは、リング溝が、先端内周面
を介して基端面に連続していることを特徴とする。ま
た、リング溝が、ねじ逃げ溝を加工して形成されている
ことを特徴とする。更に、リング溝が、Ｏリング収容部
とバックアップリング収容部とからなることを特徴とす
る。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明者は、前記Ｏシールの、 （１）円筒の内周面と前記挿入部の外周面に、互いに螺
合するねじ部を形成すれば、複数のボルトを締め付ける
必要がなくなる。又、円筒又は挿入部の加工は、前記円
筒シールに比較し、容易である。 (2)Ｏリング溝は、ねじ逃げ溝を加工して形成すること
ができるので、加工が容易である。という利点を残しな
がら、高圧に耐え得る様にするためには、Ｏリングにバ
ックアップリングを重合して用いればよい、と考えた。

【００１０】しかし、従来のＯリング溝の上部にバック
アップリング収容部を設け、該収容部にバックアップリ
ングを装着すると、高圧時にバックアップリングがＯリ
ングに押圧され円筒１０基端面１０ａと受圧部材２０の
蓋２１の下端面との隙間にはみだし、破損してしまう。
そこで、リング溝を基端面から離間することにより、前
記問題の解決を図った。この発明は、以上の知見に基づ
いてなされたものである。

【００１１】

【実施例】この発明の実施例を図１により説明する。円
筒１０は、圧力流体の流路の一部をなしており、その内
周面には、ねじ部１１が形成されている。このねじ部１
１の基端部１１ａは、リング溝３０の一部をなしている
外側壁３１に連続し、該外側壁３１は、先端内周面１０
ｂを介して基端面１０ａに連続している。

【００１２】このリング溝３０は、円筒１０の基端面１
０ａから離間しており、バックアップリング収容部３０
ａの一部をなしている円周端壁３１ａと、Ｏリング収容
部３０ｂの一部をなしている壁３１ｂ、３１ｃとから構
成されている。この壁３１ｂはリング溝内方に傾斜する
第１傾斜壁であり、又、壁３１ｃはこの第１傾斜壁３１
ｂの下端から更に内方に傾斜する第２傾斜壁である。こ
の外側壁３１は、ねじ部１１を加工する時に発生する、
ねじ逃げ溝を加工して形成されるが、ねじ逃げ溝の形状
によっては、更に加工することなく、そのまま利用する
ことができる。この外側壁３１の形状は、必要に応じて
適宜選択される。

【００１３】受圧部材２０は、Ｔ字状のボルト体であ
り、蓋部２１と挿入部２２とを備えている。この蓋部２
１は、円筒１０の外径より大径の円板であり、前記挿入
部２２は、蓋部２１の直下に形成され、円筒１０の先端
内周面１０ｂに嵌着される円柱部２２ａと、該円柱部22
aに連続し、前記リング溝３０の一部をなす凹部２３
と、該凹部２３に連続するねじ部２４と、を備えてい
る。この凹部２３の底面３２は、垂直状に形成され、バ
ックアップリング収容部３０ａの一部をなす上壁３２ａ
と、Ｏリング収容部３０ｂの一部をなす下壁３２ｂとを
備えている。

【００１４】次に、本実施例の作動について説明する。
リング溝３０のＯリング収容部３０ｂにＯリング３５を
嵌着し、バックアップリング収容部３０ａにバックアッ
プリング４０を嵌着して両者３５，４０を重合させる。
その後、前記挿入部２２の先端を円筒１０に入れて回転
させると、ねじ部２４はねじ部１１に螺合しながら前進
する。

【００１５】この時、バックアップリング４０は、Ｏリ
ングに押圧されるが、バックアップ収容部３０ａは基端
面１０ａから常に離れているので、該基端面１０ａと蓋
２１の下面21aとの隙間にはみ出すことはない。そし
て、蓋部２１の下面２１ａが円筒１０の基端面１０ａに
当接すると、前記Ｏリング３５は、押し潰されてリング
溝３０内に広がり密着する。

【００１６】この状態で圧力液体Ｆが挿入部２２を押圧
すると、該圧力液体Ｆは、ねじ部１１、２４の隙間を通
ってリング溝３０側に向かうが、該リング溝３０は、Ｏ
リング３５により密封され、円筒シールと同様の状態と
なっているので、前記圧力流体Ｆは、それ以上流下する
ことがない。この時、Ｏリング３５はバックアップリン
グ４０によりはみ出しを防止されので、破損することは
ない。そのため、シール漏れは発生しない。

【００１７】この発明の第２実施例を図２により説明す
る。この実施例と第１実施例との相違は、第１実施例の
受圧部材がボルト体であるのに対し、ピストン型アキュ
ムレータ５０である点である。図２において、５１はシ
リンダ、５２はシリンダ５１に内蔵されているピスト
ン、５５は挿入部２２に形成された流通路、をそれぞれ
示す。

【００１８】

【発明の効果】この発明は、円筒の基端面から離間して
リング溝を設け、該リング溝にバックアップリングとＯ
リングとを嵌着したので、高圧を受けてもシール漏れが
発生しないとともに、簡単に、加工装着できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例を示す縦断面図である。

【図２】本発明の第２実施例を示す縦断面図である。

【図３】従来例を示す縦断面図である。

【図４】他の従来例を示す縦断面図である。

【符号の説明】

１０ 円筒 １１ ねじ部 ２０ 受圧部材 ２２ 挿入部 ２４ ねじ部 ３０ リング溝 ３５ Ｏリング ４０ バックアップリング

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】内周面にねじ部を有する円筒と、 外周面に前記ねじ部に螺着するねじ部を有する受圧部材
   の挿入部と、 前記ねじ部の基端側に連続し、前記円筒の基端面から離
   間して設けられたリング溝と、 該リング溝に嵌着されたＯリングと、 該リング溝に嵌着され前記Ｏリングに重合するバックア
   ップリングと、 を備えていることを特徴とするバックアップリング付き
   Ｏシール。
2. 【請求項２】リング溝が、先端内周面を介して基端面に
   連続していることを特徴とする請求項１記載のバックア
   ップリング付きＯシール。
3. 【請求項３】リング溝が、ねじ逃げ溝を加工して形成さ
   れていることを特徴とする請求項１記載のバックアップ
   リング付きＯシール。
4. 【請求項４】リング溝が、Ｏリング収容部とバックアッ
   プリング収容部とからなることを特徴とする請求項１記
   載のバックアップリング付きＯシール。