JP2003172355A - 磁性流体軸受 - Google Patents

磁性流体軸受

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JP2003172355A
JP2003172355A JP2001370369A JP2001370369A JP2003172355A JP 2003172355 A JP2003172355 A JP 2003172355A JP 2001370369 A JP2001370369 A JP 2001370369A JP 2001370369 A JP2001370369 A JP 2001370369A JP 2003172355 A JP2003172355 A JP 2003172355A
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bearing
magnetic
magnetic fluid
shaft
magnet
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Akira Yamamura
章 山村
Terutoshi Komatsu
輝寿 小松
Heiichi Unosawa
平一 鵜ノ澤
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Ferrotec Corp
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
    • F16C33/00Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
    • F16C33/02Parts of sliding-contact bearings
    • F16C33/04Brasses; Bushes; Linings
    • F16C33/06Sliding surface mainly made of metal
    • F16C33/10Construction relative to lubrication
    • F16C33/1025Construction relative to lubrication with liquid, e.g. oil, as lubricant
    • F16C33/103Construction relative to lubrication with liquid, e.g. oil, as lubricant retained in or near the bearing
    • F16C33/1035Construction relative to lubrication with liquid, e.g. oil, as lubricant retained in or near the bearing by a magnetic field acting on a magnetic liquid
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
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    • F16C2370/12Hard disk drives or the like

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 流体の漏れがなく、両持ち構造が可能で、回
転方向を選ばず、低コストの磁性流体軸受を提供する。 【解決手段】 本発明の磁性流体軸受1は、非磁性材料
の軸受ハウジング3と、非磁性材料のシャフト2と、シ
ャフトの周囲に嵌合される磁石5と、磁気浮上力を生じ
させるために保持される磁性流体6とで構成され、該磁
性流体は磁石の外周面及び上下面と軸受ハウジングの内
壁との間に保持される。磁石の磁力によって磁性流体は
飛散することなく、シャフトの両持ち構造が可能であ
る。また、磁性流体の磁気浮上力によって軸受ハウジン
グは一定の位置及び姿勢に保たれる。そのため、従来の
動圧軸受のシャフトの溝加工が不要となり低コストで軸
受を製造でき、軸受は左右どちらにも回転する。本発明
の軸受は送風機等様々な回転軸に適用できるが、特にH
DDのスピンドルに好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、磁性流体を用い
た軸受に関し、特にコンピュータの補助記憶装置用HD
D(ハードディスクドライブ)のスピンドルに好適であ
り、ブロアーやファン等流体を送るための機械をはじめ
あらゆる回転軸に用いることのできる磁性流体軸受に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、HDD等の精密機器に用いられて
いる代表的な軸受には、ボールを用いた転がり軸受があ
る。転がり軸受は摩擦を軽減するために潤滑剤を使用す
るが、この潤滑剤が散逸し、コンタミネーションとなっ
てディスク表面に付着する場合がある。すると、ヘッド
やディスクの損傷を引き起こし、問題となっていた。さ
らに、転がり軸受では精度や振動の抑制等に今日要求さ
れる性能を満足できず、加えて磨耗の問題も生じてい
る。
【0003】そこで、流体、主として潤滑油を用いた動
圧軸受が開発されている。動圧軸受は、図3に示すよう
に、シャフトとスリーブ(軸受ハウジング)の狭い間隙
に停止時には毛管現象によって潤滑油等の流体を保持し
ている。シャフト表面及びスラストプレート表面に、ス
テップ、スパイラル、ヘリンボーン等の方向性のある溝
が形成されており、図3はヘリンボーン状の溝が形成さ
れた例を示している。シャフトが回転すると、溝が形成
されているために、スラストプレート上の溝はシャフト
の軸に沿う方向に、シャフト上の溝はシャフトの半径方
向に流体を中心に集めるように働き、動圧が発生する。
流体による動圧はシャフトを中央に固定するように働
き、軸受全体の姿勢を制御する。流体を用いた動圧軸受
は、騒音の発生がなく磨耗の問題も解消されるため、近
年注目されている。
【0004】また、潤滑油の代わりに滑剤として磁性流
体を用いた動圧軸受も開発されている。この場合は、図
3における潤滑油の代わりに磁性流体を用い、シャフト
に磁性材料、軸受ハウジングに磁石を組み込んで使用
し、毛管現象ではなく磁石の磁力によって磁性流体を保
持している。しかし、回転によって動圧が発生すること
により軸受として作用するという動作原理については、
潤滑油を用いた場合と同様である。従って、シャフトや
スラストプレートの溝加工は不可欠であり、回転方向も
溝加工の方向によって決まっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
潤滑油を用いた動圧軸受は、未だ次のような解決すべき
問題点を有している。動圧軸受は、その原理的な構成か
ら停止時には軸受の役割を果たすことができず、その姿
勢を保持することはできない。流体は毛管現象で保持さ
れているだけであり、飛散しやすく、汚染の原因とな
る。それと共に、シャフトの両端を支えるいわゆる両持
ち構造の軸受は製造することが難しく、HDD全体の構
造に制限があった。軸受の両端に開口部があるため、鉛
直方向に配置したとき等に流体が漏れてしまうからであ
る。さらに、ヘリンボーン等の溝加工は精度よく行うこ
とが困難であり、この溝加工のために流体軸受は高コス
トとなっている。さらにまた、この溝は流体の流れる方
向を決めてしまうため、左回り又は右回りのどちらか一
方向に回転したときだけにしか動圧は発生しない。した
がって、動圧軸受を装着する装置に対応するよう、回転
方向を選んで製造しなくてはならない。また、HDDの
スピンドルにこの軸受を使用すると、磁気ディスクの枚
数が多くなるにつれ回転時の遠心力によってシャフトが
傾きやすいという問題が発生している。したがって、現
在では、磁気ディスクの枚数が比較的少なくかつ回転数
が遅いHDDに実用化されているのみである。
【0006】一方、磁性流体を用いて動圧を発生させる
軸受については、回転の停止時にも磁石の磁力が働くた
め、流体漏れの問題は改善された。しかし、動圧を発生
させるためにシャフトやプレートに溝加工を施す必要が
あることは潤滑油を用いた軸受の場合と同様であり、こ
のために磁性流体を用いた動圧軸受も高コストである。
さらに、溝加工によって軸受の回転方向が一方向に決ま
ってしまうことも上記の潤滑油の動圧軸受の場合と同様
であり、未だ改善点を有している。
【0007】そこで、本発明は、流体漏れがなく、コス
トが安く、両持ち構造が可能で、回転の方向性を選ばな
い磁性流体軸受を提供することを目的とする。本発明の
他の目的は、HDDのスピンドルに用いたときに、高い
回転精度を有し、シャフトの傾きが発生せず、回転数を
従来より増すことのできる磁性流体軸受を提供すること
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、軸受に磁
性流体を用い、磁石を用いてその位置を保持し、磁性流
体の磁気浮上力を利用することによって上記の目的を達
成できることを見出した。すなわち、この発明は、下記
の(1)〜(5)よりなる。
【0009】(1) 非磁性材料からなる軸受ハウジン
グと、非磁性材料からなるシャフトと、該シャフトの周
囲に嵌合される磁石と、磁気浮上力を生じさせるために
保持される磁性流体とで構成され、該磁性流体は、磁石
の外周面及び上下面と軸受ハウジングの内壁との間に保
持されることを特徴とする磁性流体軸受。
【0010】(2) 非磁性材料からなる軸受ハウジン
グと、非磁性材料からなるシャフトと、該軸受ハウジン
グの内壁に装着される磁石と、磁気浮上力を生じさせる
ために保持される磁性流体とで構成され、該磁性流体
は、磁石の内周面及び上下面とシャフトの外壁との間に
保持されることを特徴とする磁性流体軸受。
【0011】(3) 上記シャフトの両端が固定される
(1)又は(2)に記載の磁性流体軸受。
【0012】(4) 上記シャフトの一方の端のみが固
定される(1)又は(2)に記載の磁性流体軸受。
【0013】(5) 上記磁石を、磁性材料からなるヨ
ークを介在させることによって、上記シャフトに対して
垂直な面で分割して配置する(1)〜(4)のいずれか
に記載の磁性流体軸受。
【0014】以下、本発明の構成原理について説明す
る。磁性流体は、通常磁粉が一定の密度で流体全体に分
散している。そのため、通常の状態では、非磁性体のボ
ールを磁性流体中に入れると、一定の位置から動くこと
はない。しかし、図4に示すように、例えばボールが沈
んでいるときに磁性流体の下方に磁石(図示せず)を近
づけると、磁性流体中で分散している磁粉が磁石に引き
寄せられ、磁場の強さの勾配に従って、磁性流体には図
面の上下方向において密度に勾配が生じる。すなわち、
磁粉には下向き矢印のように磁場の強い方へ引き寄せる
力が働き、一方でボールには、上向き矢印のようにボー
ルを浮上させる力が働く。ボールに働くこの力は磁気浮
上力(magnetic levitation force)と呼ばれる。この
磁気浮上力によってボールに働く他の力(この場合は重
力及びアルキメデスの原理による浮力)とのつりあいを
くずすことにより、ボールを浮き上がらせることができ
る。すなわち、強さに勾配のある磁場中に置くことで、
磁性流体中の非磁性体のボールを低磁場側へ動かし、そ
の位置を保つことができる。本発明者らはこの磁気浮上
力を効果的に軸受に用いることに成功した。
【0015】図1は本発明の軸受の第1の態様を模式的
に示した部分断面図である。図1に示すように、本発明
の軸受1は円環状の磁石5がシャフト2の周囲に直接固
定されており、磁石5及びヨーク4と軸受ハウジング3
との間には微少間隙があって、その間隙に磁石5の磁力
によって磁性流体6を保持する。したがって、磁性流体
6は磁石の外周面、及び、上下面すなわち円環状の磁石
の平坦な両端面に接して保持される。図1の軸受は、シ
ャフトと軸受ハウジングのどちらを固定してもよく、固
定しないもう一方を回転させることができる。磁性流体
6は、上述の磁気浮上力によって軸受ハウジング3を外
側及び上下方向に向かって押し上げ、すなわち、固定さ
れているシャフト2に対して軸受ハウジング3を周囲の
一定位置に保持し姿勢を保つ働きをする。したがって、
上述の動圧軸受と異なり、シャフトに動圧を生じさせる
ための溝加工をする必要はなくなる。溝加工が必要なく
なることにより軸受の回転には方向性がなくなるので、
軸受は左右どちらにも回転可能である。さらに、磁性流
体の磁気浮上力は、軸受が回転しているいないに関わら
ず常に働いているので、回転の停止時にも軸受として機
能する。さらに、本発明の軸受をHDDのスピンドルに
用いたときに、ディスク枚数が多くなりかつディスク面
積が大きくなったとしても、磁性流体の磁気浮上力によ
って、シャフトが傾くことがなくなる。
【0016】本発明の軸受では、シャフト2及び軸受ハ
ウジング3は、SUS303、SUS304、アルミニ
ウム等の非磁性材料で形成する。通常、磁性流体を用い
た動圧軸受ではシャフト及び軸受ハウジングを磁性材料
で形成するので、本発明の軸受はこの点で異なる。本発
明の軸受においては、したがって、磁石5と磁性流体6
の間に図1中の点線で示したような磁気回路が形成され
ることになり、磁性流体は回転停止時でも安定に保持さ
れる。
【0017】磁性流体が磁力によって安定に保持される
ことにより、通常の潤滑油を用いた流体軸受の場合の油
漏れの問題は、本発明の軸受では発生しない。すなわ
ち、本発明の軸受では磁性流体の飛散や漏洩がなく、コ
ンタミネーションの発生を防ぐことができる。さらに、
従来の潤滑油を用いた動圧軸受では、やはり流体が漏れ
やすいために両持ち構造の軸受は困難であったが、本発
明の軸受は図1に示したように両持ち構造にすることが
可能になる。
【0018】図2は本発明の軸受の第2の態様を模式的
に示した部分断面図である。図2に示すように、本発明
の軸受11は円環状の磁石5が軸受ハウジング3の内側
に直接固定されており、磁石5及びヨーク4とシャフト
2との間には微少間隙があって、その間隙に磁石5の磁
力によって磁性流体6を保持する。したがって、磁性流
体6は磁石の内周面、及び、上下面すなわち円環状の磁
石の平坦な両端面に接して保持される。図2の軸受にお
いても、シャフトと軸受ハウジングのどちらを固定して
もよく、固定しないもう一方を回転させることができ
る。磁性流体6は、上述の磁気浮上力によってシャフト
2を中心に向かうと共に上下方向に向かって押し上げ、
すなわち、固定されている軸受ハウジング3に対してシ
ャフト2を中央に保持し姿勢を保つ働きをする。図2の
磁性流体軸受においても、磁石5と磁性流体6の間に点
線で示したような磁気回路が形成される。したがって、
図1の軸受と同様に、シャフトに動圧を生じさせるため
の溝加工をする必要はなくなり、軸受は左右どちらにも
回転でき、さらに、回転の停止時にも軸受として機能す
る。
【0019】本発明の軸受に用いることのできる磁性流
体は特に制限はなく、従来からあるどのようなものを用
いてもよい。しかし、従来の動圧軸受に潤滑剤として用
いられていた磁性流体は磁石で保持できる程度の飽和磁
化値のものであったが、本発明では磁気浮上力を生じさ
せ、軸受の磁気浮上効果を高めるために、動圧軸受の磁
性流体に比べてある程度飽和磁化値の大きいものを用い
る方が好ましい。
【0020】また、本発明の軸受では、軸受ハウジング
とシャフトの間が液体であることにより機械的接触部が
ない。そのため、無音性であり、同時にボールを用いた
軸受に見られるようなフレッチング磨耗を発生すること
がなく、軸受が長寿命となりかつ回転精度が高精度とな
る。このことは、HDDのみならず、例えば送風機に本
発明の軸受を応用したときにも、騒音の発生がなく長寿
命の優れた製品が提供できることを示している。本発明
の軸受は、ブロアーやシロッコファン等の送風機に好適
に用いることができ、その他にも回転軸を備えるもので
あれば液体を流すための装置や撹拌機等、様々な用途に
用いることが可能である。さらに、上述のように本発明
の軸受は金属粉や潤滑油の飛散による汚染がないため、
クリーンルームにおいて使用する機械にも好適に使用す
ることができる。
【0021】また、本発明の軸受では、磁石を用いる関
係上軸受ハウジング外部へ磁束が漏洩してHDD内部の
環境に磁気的な影響を及ぼすことが考えられるので、軸
受ハウジングの最外周に磁性体の被覆を施し、磁束の漏
洩を防止することが好ましい。図1及び図2において
は、軸受ハウジングの外側を磁性材料の被覆7で覆った
例を示した。磁束の漏洩が防止できるのは、表面に磁性
体の被覆を施すことで軸受ハウジング内部の磁石との間
に閉じた磁路が形成されるため、磁束が集中して流れる
ためである。例えば軸受ハウジングの材質をアルミニウ
ムとすると、被覆する磁性体はニッケル、鉄、鉄−ニッ
ケル合金(パーマロイ)などがよく、被覆手段は電気メ
ッキ、蒸着、スパッタリング等がある。
【0022】さらに、本発明の軸受では、磁石によって
保持されるため磁性流体が漏れることはないが、さら
に、軸受ハウジングの開口から突出するシャフトと開口
との間の僅かな間隙に撥油剤を介在させる、すなわち、
軸受ハウジングの開口部内側の表面とそれに対向するシ
ャフト表面に撥油剤を塗布することによって磁性流体の
滲みを防止することもできる。
【0023】また、本発明の軸受は、各部品の表面があ
まり滑らかであると部品同士が張り付くことがあるた
め、これを防止するための表面加工が各部品に施されて
いてもよい。この表面加工は、軸受の回転に影響を与え
るものではなく、多少表面を粗くする程度のもので十分
である。
【0024】本発明の軸受は、通常は磁石の上下に円環
状の磁性材料からなるヨークを配置することが好まし
く、これは図1及び2においてヨーク4として示されて
いる。通常の磁石は精密な加工精度で成形するのが困難
であるが、これに対してヨークは磁性体であればよく、
SUS430等の金属を用いれば十分な加工精度が得ら
れる。そこで、ヨークで軸受内部の大きさを実質的に決
定し、磁石の大きさに多少ばらつきがあっても収容でき
るようにする。すると、磁石の大きさがばらついてもヨ
ークと軸受ハウジングの間の微小間隙は一定になるよう
に製造できる。加えて、ヨークには磁束を集中させる効
果もあり、そのため、ヨークの上面(又は下面)及び側
面から軸受ハウジング又はシャフトへ向かう高い磁束密
度分布によって、軸受ハウジング又はシャフトは上下方
向にも浮上し、同時に横方向にも浮上しシャフト又は軸
受ハウジングの歳差運動を防止できる。
【0025】一方で、金属材料の磁石を用いる場合に
は、磁石自体を精密な加工精度で形成できるため、ヨー
クを用いなくとも本発明の軸受を形成できる。この場合
には、部品点数を減らすことができるため、部品製造コ
スト、および組立コストを削減することができるという
利点がある。
【0026】さらに、本発明の軸受では、円環上の磁性
材料からなるヨークを磁石の上下面に配置するだけでは
なく、磁石をシャフトに垂直な面で分割するように磁石
の間に配置し、複数の円環状の磁石を用いてもよい。後
述する実施例で示すように、ヨークによって磁石を分割
すると、そのヨーク部分で上下の磁石から発生する磁束
が互いに反発しあって外側へ向かうことになる。そのた
め、磁石が単一の場合よりも軸受ハウジング側面へ向か
う磁束が強められ、磁気浮上効果が大きく働く。もちろ
ん、この磁石を分割するヨークは、上記の磁石の上下面
のヨークと共に使用することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいてこの発明の
実施例を説明する。もちろんこの発明はかかる実施例に
よって限定されるものではない。また、図面において同
一名称部分は同一の符号を用いて示した。
【0028】実施例1 実施例1では、単一の磁石を用いた本発明の磁性流体軸
受を三種類作製した。第一は図5に示した磁性流体軸受
であり、図5はシャフトを含む面での断面図である。図
5中2はSUS303製のシャフトであり、図から分か
るようにシャフト表面は溝加工が施されていない。シャ
フト2の周囲には円環状の磁石5が固定され、磁石5の
外側にはアルミニウム製の軸受ハウジング3が磁石5及
びシャフト2とは微小な間隙をおいて配置されている。
この微小な間隙には磁性流体6が磁石5の磁力によって
保持されている。シャフト2は軸受ハウジング3の底部
及び上部より突出し、この軸受ハウジング3の開口部内
側表面とそれに対向するシャフト2の表面には撥油剤8
が塗布してある。
【0029】第二は図6に示した磁性流体軸受であり、
図6は図5と同様のシャフトを含む面での断面図であ
る。第一の磁性流体軸受と異なるところは、磁石の上下
に円環状の磁性材、SUS416製のヨーク4を設けた
ことである。また、第三は図7に示した磁性流体軸受で
あり、図7は図5と同様のシャフトを含む面での断面図
である。第一の磁性流体軸受と異なるところは、磁石5
の上下に円環状の磁性材からなるヨーク4を設けたこと
と、さらに軸受ハウジング3の外側を覆う磁性材の被覆
7としてニッケル層を電気メッキにより設けたことであ
る。
【0030】図8は、本発明の軸受をHDDのスピンド
ルとして組み込んだ例を示す断面図である。磁性流体軸
受21は図6に示した構成の軸受を使用し、磁性流体軸
受21はベース10に固定され、ハブ9内で軸受ハウジ
ングが回転する。軸受ハウジングは、HDD装置に合う
ように加工された上部15、円筒部16及び底部17で
構成され、一体に回転する。軸受ハウジングの内側には
磁性流体6がヨーク4を伴う磁石5によって保持され、
中心にシャフト2が位置する。ハブ9の下部には、ステ
ータ12及びロータ用磁石13、バックアイアン14が
配置されている。実際に、本発明の磁性流体軸受は、H
DD用スピンドルとして良好に動作することが確認され
た。
【0031】図9は、図8に示した磁性流体軸受の断面
の左側半分における磁力線の流れを計算により求めた磁
場解析図(有限要素法による)であり、磁束の分布の様
子を示している。図の左側が軸受ハウジング3、右側が
シャフト2であり、ヨーク4を伴った磁石5と軸受ハウ
ジング3との間隙には磁性流体6が存在している。磁力
線は磁石及びヨークから外側の軸受ハウジングに向かっ
て伸びており、この磁力によって、磁石及びヨークの周
囲に磁性流体を保持すると共に、磁性流体の磁気浮上力
によっていわば軸受ハウジングを浮上させる働きが生じ
る。また、この磁力線の間隔が狭いほど磁束密度が高い
ことを示しており、図9から特にヨークに磁力線が集中
しこの付近の磁束密度が高いことが分かる。すなわち、
ヨークが存在することによって、特にヨーク部分の磁気
浮上力が強く、軸受ハウジングを図の上下方向のみなら
ず左右方向にも効果的に浮上させていることが分かる。
【0032】実施例2 実施例2では、基本的な構成は実施例1の磁性流体軸受
と同様であるが、磁性流体軸受の内部に配置する磁石
を、ヨークを用いて三分割した軸受を三種類製作した。
第一は図10に示した磁性流体軸受であり、図10はシ
ャフトを含む面での軸受の断面図を示した。図10に示
すように、磁石5をSUS416製のヨーク4をもって
シャフト2に垂直な方向に3分割し、磁性流体軸受を作
製した。第二は図11に示した磁性流体軸受であり、図
11は図10と同様のシャフトを含む面での断面図であ
る。第一の磁性流体軸受と異なるところは、磁石の間の
みならず、上下にもSUS416製のヨーク4を設けた
ことである。また、第三は図12に示した磁性流体軸受
であり、図12は図10と同様のシャフトを含む面での
断面図である。第一の磁性流体軸受と異なるところは、
磁石5の上下にもSUS416製のヨーク4を設けたこ
とと、さらに軸受ハウジング3の外側を覆う磁性材の被
覆7としてニッケル層を電気メッキにより設けたことで
ある。
【0033】図13は、図11の磁性流体軸受をHDD
のスピンドルとして組み込んだ例を示す断面図である。
磁性流体軸受31は、ベース10に固定され、ハブ9内
で軸受ハウジングが回転する。軸受ハウジングは、HD
D装置に合うように加工された上部15、円筒部16及
び底部17で構成され、一体に回転する。軸受ハウジン
グの内側には磁性流体6が、ヨーク4によって分割され
た磁石5によって保持され、中心にシャフト2が位置す
る。ハブ9の下部には、ステータ12及びロータ用磁石
13、バックアイアン14が配置されている。実際に、
図11に示した本発明の磁性流体軸受は、HDD用スピ
ンドルとして良好に動作することが確認された。
【0034】図13に示した磁性流体軸受の、図9と同
様の磁場解析図すなわち磁束の分布の様子を図14に示
す。図9と同様に左側が軸受ハウジング3、右側がシャ
フト2であり、ヨーク4で分割された磁石5と軸受ハウ
ジング3との間隙には磁性流体6が存在している。磁石
5をヨーク4によって三分割したことにより、図14か
ら分かるように磁力線はヨーク部分に集中し、この部分
で磁束密度が高く、磁性流体6による磁気浮上効果がよ
り強く働くことが分かる。環状の磁石5は三つに分割す
ることによってそれぞれが反発し合うように同極側が向
かい合わせになり、その間にヨーク4を配置した。その
ため、上下の磁石から発生する磁束は磁石間で互いに反
れ、磁石が1個の場合よりも強い磁束が外側へ、すなわ
ちハウジングへ向かうことになる。これにより、磁石が
1個の場合よりも磁性流体の磁気浮上効果が大きくなっ
た。
【0035】
【発明の効果】本発明の軸受は、磁性流体の磁気浮上力
を用いることにより、従来の動圧軸受に不可欠であった
シャフトやスラストプレートの溝加工が必要なくなる。
そのため、溝加工にかかっていた製造コストを削減する
ことができる。さらに、従来の動圧軸受は溝加工の方向
性によって回転が一方向であったが、本発明の軸受は左
右どちらにも回転が可能であり、汎用性がある。磁石の
磁力によって磁性流体を保持することによって、流体の
漏れがなく、両持ち構造の軸受も提供することができ、
様々な型のHDD装置に使用できる。また、本発明の軸
受は機械的接触がないため、無音であり、回転精度が高
く、磨耗の発生しない軸受である。したがって、送風機
等に用いれば、騒音の発生のない製品を低コストで提供
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の軸受を模式的に示した部分断面図で
ある。
【図2】 本発明の別の軸受を模式的に示した部分断面
図である。
【図3】 従来の動圧軸受の一例の断面図である。
【図4】 磁性流体の磁気浮上力を説明するための図で
ある。
【図5】 実施例1で製作した磁性流体軸受の断面図で
ある。
【図6】 実施例1で製作した別の磁性流体軸受の断面
図である。
【図7】 実施例1で製作した別の磁性流体軸受の断面
図である。
【図8】 図6に示した構成の磁性流体軸受をHDDの
スピンドルに使用した例の断面図である。
【図9】 図8に示した磁性流体軸受の磁場解析図であ
る。
【図10】 実施例2で製作した磁性流体軸受の断面図
である。
【図11】 実施例2で製作した別の磁性流体軸受の断
面図である。
【図12】 実施例2で製作した別の磁性流体軸受の断
面図である。
【図13】 図11に示した構成の磁性流体軸受をHD
Dのスピンドルに使用した例の断面図である。
【図14】 図13に示した磁性流体軸受の磁場解析図
である。
【符号の説明】
1、11、21、31 磁性流体軸受 2 シャフト 3 軸受ハウジング 4 ヨーク 5 磁石 6 磁性流体 7 被覆 8 撥油剤 9 ハブ 10 ベース 12 ステータ 13 ロータ用磁石 14 バックアイアン 15 軸受ハウジング(上部) 16 軸受ハウジング(円筒部) 17 軸受ハウジング(底部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鵜ノ澤 平一 東京都中央区京橋1−4−14 株式会社フ ェローテック内 Fターム(参考) 3J011 JA03 KA04 MA23 3J102 AA01 BA03 BA17 BA18 CA05 CA11 CA16 DA02 DA03 DA10 DA16 DA17 GA03 5D109 BB01 BB13 BB17 BB21 BB22 BB31 5H607 AA04 BB01 BB07 BB14 BB17 CC01 DD02 DD03 GG09 GG15 GG17 GG19

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非磁性材料からなる軸受ハウジングと、
    非磁性材料からなるシャフトと、該シャフトの周囲に嵌
    合される磁石と、磁気浮上力を生じさせるために保持さ
    れる磁性流体とで構成され、該磁性流体は、磁石の外周
    面及び上下面と軸受ハウジングの内壁との間に保持され
    ることを特徴とする磁性流体軸受。
  2. 【請求項2】 非磁性材料からなる軸受ハウジングと、
    非磁性材料からなるシャフトと、該軸受ハウジングの内
    壁に装着される磁石と、磁気浮上力を生じさせるために
    保持される磁性流体とで構成され、該磁性流体は、磁石
    の内周面及び上下面とシャフトの外壁との間に保持され
    ることを特徴とする磁性流体軸受。
  3. 【請求項3】 上記シャフトの両端が固定される請求項
    1又は2に記載の磁性流体軸受。
  4. 【請求項4】 上記シャフトの一方の端のみが固定され
    る請求項1又は2に記載の磁性流体軸受。
  5. 【請求項5】 上記磁石を、磁性材料からなるヨークを
    介在させることによって、上記シャフトに対して垂直な
    面で分割して配置する請求項1〜4のいずれか一項に記
    載の磁性流体軸受。
JP2001370369A 2001-12-04 2001-12-04 磁性流体軸受 Pending JP2003172355A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103094171A (zh) * 2011-10-27 2013-05-08 沈阳芯源微电子设备有限公司 一种磁悬浮晶圆旋转系统
CN114062246A (zh) * 2021-11-22 2022-02-18 安徽工程大学 一种用于磁流体润滑的摩擦磨损旋转实验装置及其使用方法

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