JP2003172205A - ジェット噴流用ミキサ - Google Patents
ジェット噴流用ミキサInfo
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Abstract
なく、高速の内部流と低速の外部流を効率良く混合させ
てジェット騒音を低減することができ、かつ振動の発生
を抑制することができるミキサーを提供する。 【解決手段】 高速の内部流と低速の外部流の間を仕切
る筒状隔壁22を有し、この隔壁の下流端22aより下
流側で内部流と外部流の流れが混合する。筒状隔壁の下
流端部に周方向に間隔を隔てて設けられ、内部流及び/
又は外部流に突出し1つの稜線24aが流れの上流側に
向いた複数の三角錘体24を有する。
Description
速の外部流を混合する流体混合装置(ミキサ)に関す
る。
(ジェットエンジン)は、空気を取り入れるファン2、
取り入れた空気を圧縮する圧縮機3、圧縮した空気によ
り燃料を燃焼させる燃焼器4、燃焼器4の燃焼ガスによ
りファン2及び圧縮機3を駆動するタービン5、推力増
大のため再燃焼させるアフタバーナ6等を備えている。
器)、8は燃料ノズル、9は点火栓、10はアウターダ
クト、11は内側のライナ、12は排気ノズル、16は
テールコーンである。
圧縮機3、燃焼器4およびタービン5を通るコア流14
と、これらをバイパスするバイパス流13(ファン流)
とに分岐され、ミキサ(混合器)15において合流す
る。
断面形状が波形形状の案内壁(隔壁)を有するととも
に、この波形形状が下流ほど大きく成形され、この下流
端で、ファン流13(実線)とコア流14(破線)が合
流し、ミキサ15の下流に循環域Xを形成して効率よく
混合するようになっている。かかる構造のミキサは一般
にローブミキサと呼ばれる。
ミキサは、エンジンの内部に設置される場合と外部に露
出して設置される場合とがある。また、いずれの場合に
も、コアエンジンの後方に離れて設置される場合もあ
る。
流の両方の中に端部が突入しているので混合効果が大き
い。しかし、反面、端部の突入に伴って性能損失を引き
起こすため、ノズル重量が増加し、かつスラスト損失が
大きい問題点がある。また、このローブミキサは、騒音
低減効果を高めようとすると、後流端部に発生する渦流
により起振されて振動が発生しやすく、最悪の事態では
作動中に破損することもあった。
ーとして、特開平11−166451号、特開2000
−80958、等が提案されている。
ン排気ノズル」は、図9に示すように、噴流を導く排気
ダクト17の後端部が三角形状のシェヴロン18に構成
されたものである。シェヴロン18は、噴流内への突出
が最小になるように排気ダクト17と同延上に形成され
ている。この構成のミキサーは、シェヴロン18が排気
ダクト17と同延上に形成されているため、噴流内への
突出が少なく、スラスト損失が少ない特徴があるが、そ
の反面、シェヴロン18を大きくしないと十分な混合効
果が得られない欠点がある。また、シェヴロン18を大
きくすると、シェヴロン端部に発生する渦流により起振
されて振動が発生しやすい問題点がある。
ット騒音低減用のタブ付きノズル」は、図10に示すよ
うに、インナーノズル19又はアウターノズル20が、
径方向内方及び外方へ向けて延設されたタブ21の配列
部を有するものである。タブ21は、ノズルから径方向
外方に延びる(折り曲げられた)三角形状の外方タブ2
1aと、ノズルから径方向内方に延びる三角形状の内方
タブ21bとからなり、その間に形成されたノズルの延
設部を有する。この構成のミキサーは、三角形状の外方
タブ21a及び内方タブ21bが、噴流内へ直接突出し
ているので、小さいタブで大きな混合効果が得られる。
しかし、タブがノズルから径方向外方又は内方に折り曲
げられた形状となっているので、噴流がタブ面に直接当
たり、大きなスラスト損失が発生すると共に、タブ端部
に発生する渦流によりタブが起振されて振動が発生しや
すい問題点がある。
創案されたものである。すなわち本発明の目的は、スラ
スト損失とノズルの重量増加を招くことなく、高速の内
部流と低速の外部流を効率良く混合させてジェット騒音
を低減することができ、かつ振動の発生を抑制すること
ができるミキサーを提供することにある。
内部流と低速の外部流の間を仕切る筒状隔壁(22)を
有し、該隔壁の下流端(22a)より下流側で内部流と
外部流の流れが混合するジェット噴流用ミキサであっ
て、前記筒状隔壁の下流端部に周方向に間隔を隔てて設
けられ、内部流及び/又は外部流に突出し1つの稜線
(24a)が流れの上流側に向いた複数の三角錘体(2
4)を有する、ことを特徴とするジェット噴流用ミキサ
が提供される。
の下流端部に周方向に間隔を隔てて設けられた複数の三
角錘体(24)が、内部流及び/又は外部流に突出して
いるので、高速の内部流と低速の外部流を効率良く混合
させてジェット騒音を低減することができる。また、こ
の三角錘体(24)の1つの稜線(24a)が流れの上
流側に向いているので、稜線を挟む斜面が流れに対して
緩い傾斜面となり、スラスト損失の実質的な増加を防止
することができる。
三角錘体(24)は、前記稜線(24a)を含む2つの
上流側斜面(25a)と、底辺が隔壁の下流端(22
a)に位置する下流側斜面(25b)と、底面(25
c)とからなり、前記2つの上流側斜面(25a)は、
スラスト損失の実質的な増加を招かない緩い傾斜角に設
定されており、前記下流側斜面(25b)は、内部流と
外部流を効率良く混合させてジェット騒音を低減できる
十分な大きさに設定されている。
2つの上流側斜面(25a)で、スラスト損失の実質的
な増加を招かずに、流れを半径方向に向けることができ
る。また、下流側斜面(25b)を十分な大きさに設定
しているので、半径方向に向いた流れにより渦を強制的
に発生させて、内部流と外部流を効率良く混合し、ジェ
ット騒音を低減することができる。
部流の流路面積の約0.25〜0.5%である。本発明
の実施例から、三角錘体(24)の下流側斜面(25
b)の大きさを内部流の流路面積の約0.25〜0.5
%に設定することにより、スラスト損失の実質的な増加
を招かずに、ジェット騒音を低減する効果が得られるこ
とが、試験結果により確認された。
記三角錘体(24)は、少なくとも上流側斜面(25
a)と下流側斜面(25b)が一体成形され、筒状隔壁
(22)に固着されている。この構成により、中実又は
中空の三角錘体(24)を一体成形により製作した後、
溶接等で筒状隔壁(22)に固着することにより、隔壁
の下流端部の剛性を高め、渦流により起振されても振動
の発生を抑制することができる。
れば、前記三角錘体(24)は、下流側斜面(25b)
と底面(25c)が開口し、上流側斜面(25a)が折
り曲げ成形により筒状隔壁(22)と一体に成形されて
いる。この構成により、折り曲げ成形された三角錘体
(24)により、隔壁の下流端部の剛性を高め、渦流に
より起振されても振動の発生を抑制することができる。
を図面を参照して説明する。なお、各図において共通す
る部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略す
る。
サの第1実施形態を示す図である。この図において、
(A)は全体斜視図であり、(B)はその部分拡大図で
ある。図1(A)に示すように、本発明のジェット噴流
用ミキサは、高速の内部流aと低速の外部流bの間を仕
切る筒状隔壁22を有し、隔壁22の下流端22aより
下流側で内部流aと外部流bの流れが混合するようにな
っている。
ンの圧縮機、燃焼器およびタービンを通るコア流であ
り、低速の外部流bは、例えば、これらをバイパスする
バイパス流である。なお、ジェット噴流を直接外気に噴
射する場合には、内部流aはジェット噴流であり、外部
流bは外部の空気流である。
筒状隔壁22の下流端部に周方向に間隔を隔てて設けら
れた複数の三角錘体24を有する。この三角錘体24
は、内部流aと外部流bの両方又は少なくとも一方に突
出するように、隔壁22の内面及び/又は外面に設けら
れる。
れの上流側に向いている。すなわち、この例では、三角
錘体24は、図1(B)に示すように、流れの上流側に
向いた稜線24aを含む2つの上流側斜面25aと、底
辺が隔壁の下流端22aに位置する下流側斜面25b
と、底面25cとからなる。
ト損失の実質的な増加を招かないように緩い傾斜角に設
定されている。更に、下流側斜面25bは、内部流aと
外部流bを効率良く混合させてジェット騒音を低減でき
る十分な大きさに設定されている。この下流側斜面25
bの大きさは、内部流の流路面積の約0.25〜0.5
%であるのがよく、稜線24aは隔壁22に対して約1
5〜30°であるのがよい。約0.25%未満では騒音
低減効果が不十分であり、0.5%を超すとスラスト損
失が明らかに増加する。また下流側斜面25bは、突出
した側の流れ(内部流a又は外部流b)に対して、ほぼ
直交するのが好ましいが、本発明はこれに限定されず、
わずかに上流側に傾斜していてもよい。
は、少なくとも上流側斜面25aと下流側斜面25bが
一体成形され、筒状隔壁22に固着されている。従っ
て、この構成では、中実又は中空の三角錘体24を一体
成形により製作した後、溶接等で筒状隔壁22に固着す
ることができ、三角錘体24が補強部材として作用して
隔壁22の下流端部の剛性を高め、渦流により起振され
ても振動の発生を抑制することができる。
の下流端部に周方向に間隔を隔てて設けられた複数の三
角錘体24が、内部流a及び/又は外部流bに突出して
いるので、内部流aに突出した三角錘体24で高速の内
部流aを半径内方に流れを向け、かつ外部流bに突出し
た三角錘体24で低速の外部流bを半径外方に流れを向
け、これにより半径方向の混合を促進してジェット騒音
を低減することができる。また、この三角錘体24の1
つの稜線24aが流れの上流側に向いているので、稜線
を挟む斜面(上流側斜面25a)が流れに対して緩い傾
斜面となり、スラスト損失の実質的な増加を防止するこ
とができる。
サの第2実施形態を示す図である。この図において、
(A)は全体斜視図であり、(B)はその部分拡大図で
ある。なお、その他の構成は、図1の第1実施形態と同
様である。この実施形態において、三角錘体24は、下
流側斜面25bと底面25cが開口し、上流側斜面25
aが折り曲げ成形により筒状隔壁22と一体に成形され
ている。従って、この構成のジェット噴流用ミキサで
は、折り曲げ成形された三角錘体24により、隔壁の下
流端部の剛性を高め、渦流により起振されても振動の発
生を抑制することができる。
の下流端部に周方向に間隔を隔てて設けられた複数の三
角錘体24が、内部流a及び/又は外部流bに突出して
いるので、内部流aに突出した三角錘体24で高速の内
部流aを半径内方に流れを向けると共に、下流側斜面2
5bと底面25cが開口しているので内部流aに突出し
た三角錘体24で低速の外部流bを半径内方に流れを向
けることができる。また、同様に、外部流bに突出した
三角錘体24で低速の外部流bを半径外方に流れを向け
ると共に、下流側斜面25bと底面25cが開口してい
るので外部流bに突出した三角錘体24で高速の内部流
aを半径外方に流れを向けることができる。従って高速
の内部流aと低速の外部流bを効率良く混合させてジェ
ット騒音を低減することができる。
図4は、ジェット噴流用ミキサがインターナルミキサ
(エンジンの内部に設置されたミキサ)である場合の実
施例であり、図3は、各インターナルミキサのディスプ
レイ上の中間画像であり、図4は各インターナルミキサ
の試験結果を示す周波数特性図である。
り、通常の単純なノズルの場合である。は、図9に示
したシェヴロン排気ノズルである。また、〜は、本
発明の例であり、は三角錘体(タブ)が内側に大6つ
の場合、は同様に大12の場合、は内外に大6つづ
つの場合、は三角錘体(タブ)が内側に小12の場合
である。なお、ここで大きいタブは、内部流の流路面積
の約0.5%であり、小さいタブは同約0.25%であ
る。また、この〜の例では、スラスト損失の実質的
な増加を招かないことが試験的に確認されている。
は騒音レベルである。また図中の各数字は、図3の番号
に対応している。この図から、の基本(ベース)に対
して、のシェヴロン排気ノズル及び〜の本発明の
ジェット噴流用ミキサは明らかに騒音低減効果がほぼ全
周波数範囲で認められることがわかる。
エクスターナルミキサ(エンジンの外部に設置されたミ
キサ)である場合の実施例であり、図3は、各エクスタ
ーナルミキサのディスプレイ上の中間画像であり、図4
は各エクスターナルミキサの試験結果を示す周波数特性
図である。
り、通常の単純なノズルの場合である。は、図9に示
したシェヴロン排気ノズルである。また、は、本発明
の例であり、三角錘体(タブ)が内外に大6つづつの場
合である。
方から125°の場合、(B)は同150°の場合であ
る。また、各図において、横軸は周波数であり、縦軸は
騒音レベルである。また図中の各数字は、図5の番号に
対応している。この図から、本発明のジェット噴流用ミ
キサは、の基本(ベース)及びのシェヴロン排気ノ
ズルと比較して、特に約3200Hz以下の周波数領域
において、騒音低減効果が大きいことがわかる。人間の
耳に感じる耳障りな音は、主として約1000〜300
0Hzの範囲と言われている。また、5000Hz以上
の高周波音は、大気中の減衰効果が大きいため、高空で
はほとんど問題とならない。従って、約3200Hz以
下の周波数領域における騒音低減効果が大きい本発明の
ジェット噴流用ミキサは、非常に効果的であるといえ
る。
に、スラスト損失とノズルの重量増加を招くことなく、
高速の内部流と低速の外部流を効率良く混合させてジェ
ット騒音を低減することができる。更に、隔壁の下流端
部の剛性を高め、渦流により起振されても振動の発生を
抑制することができる。
ず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々に変更できる
ことは勿論である。
用ミキサは、スラスト損失とノズルの重量増加を招くこ
となく、高速の内部流と低速の外部流を効率良く混合さ
せてジェット騒音を低減することができ、かつ振動の発
生を抑制することができる等の優れた効果を有する。
形態を示す図である。
形態を示す図である。
ディスプレイ上の中間画像である。
ある。
のディスプレイ上の中間画像である。
である。
図である。
る。
図である。
ン、3 圧縮機、4 燃焼器、5 タービン、6 アフ
タバーナ、7 フレームホルダ、8 燃料ノズル、9
点火栓、10 アウターダクト、11 ライナ、12
排気ノズル、13 バイパス流(ファン流)、14 コ
ア流、15 ミキサ(混合器)、16 テールコーン、
17 排気ダクト、18 シェヴロン、19 インナー
ノズル、20 アウターノズル、21 タブ、21a
外方タブ、21b 内方タブ 22 隔壁、22a 下流端、24 三角錘体、24a
稜線、25a 上流側斜面、25b 下流側斜面、2
5c 底面
Claims (5)
- 【請求項1】 高速の内部流と低速の外部流の間を仕切
る筒状隔壁(22)を有し、該隔壁の下流端(22a)
より下流側で内部流と外部流の流れが混合するジェット
噴流用ミキサであって、 前記筒状隔壁の下流端部に周方向に間隔を隔てて設けら
れ、内部流及び/又は外部流に突出し1つの稜線(24
a)が流れの上流側に向いた複数の三角錘体(24)を
有する、ことを特徴とするジェット噴流用ミキサ。 - 【請求項2】 前記三角錘体(24)は、前記稜線(2
4a)を含む2つの上流側斜面(25a)と、底辺が隔
壁の下流端(22a)に位置する下流側斜面(25b)
と、底面(25c)とからなり、 前記2つの上流側斜面(25a)は、スラスト損失の実
質的な増加を招かない緩い傾斜角に設定されており、前
記下流側斜面(25b)は、内部流と外部流を効率良く
混合させてジェット騒音を低減できる十分な大きさに設
定されている、ことを特徴とする請求項1に記載のジェ
ット噴流用ミキサ。 - 【請求項3】 前記下流側斜面(25b)の大きさは、
内部流の流路面積の約0.25〜0.5%である、こと
を特徴とする請求項2に記載のジェット噴流用ミキサ。 - 【請求項4】 前記三角錘体(24)は、少なくとも上
流側斜面(25a)と下流側斜面(25b)が一体成形
され、筒状隔壁(22)に固着されている、ことを特徴
とする請求項2に記載のジェット噴流用ミキサ。 - 【請求項5】 前記三角錘体(24)は、下流側斜面
(25b)と底面(25c)が開口し、上流側斜面(2
5a)が折り曲げ成形により筒状隔壁(22)と一体に
成形されている、ことを特徴とする請求項2に記載のジ
ェット噴流用ミキサ。
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JP2001373833A JP3962981B2 (ja) | 2001-12-07 | 2001-12-07 | ジェット噴流用ミキサ |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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ID=19182486
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2001373833A Expired - Lifetime JP3962981B2 (ja) | 2001-12-07 | 2001-12-07 | ジェット噴流用ミキサ |
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