JP2003171397A - オリゴペプチド - Google Patents

オリゴペプチド

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JP2003171397A JP2001371175A JP2001371175A JP2003171397A JP 2003171397 A JP2003171397 A JP 2003171397A JP 2001371175 A JP2001371175 A JP 2001371175A JP 2001371175 A JP2001371175 A JP 2001371175A JP 2003171397 A JP2003171397 A JP 2003171397A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 毛成長促進作用を有する修飾オリゴペプチド
を提供すること。 【解決手段】 下記のアミノ酸配列(I)、(II)、(II
I)又は(IV)の何れかを含む8から20アミノ酸残基
から成るオリゴペプチドであって、毛成長促進作用を有
するオリゴペプチド: Ser-Ile-Glu-Gln-Ser-Xaa-Asp-Gln (I) Ser-Ile-Glu-Gln-Xaa-Ser-Asp-Gln (II) Ser-Ile-Glu-Xaa-Gln-Ser-Asp-Gln (III) Ser-Ile-Xaa-Glu-Gln-Ser-Asp-Gln (IV) (式中、Xaaは、反応性物質が結合しているCysまたは反
応性物質が結合しているLysを示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、毛成長促進作用を
有する修飾オリゴペプチド、及び該修飾オリゴペプチド
を有効成分として含む医薬に関するものである。
【0002】
【従来の技術】上皮組織の正常な形態形成は上皮組織の
周りに存在する間充織細胞由来の因子による制御を受け
ていることが示唆されており、また、上皮組織の形態形
成異常に起因する疾患の多くが間充織細胞の異常を原因
としていることから、間充織細胞が上皮組織の形態形成
を制御するメカニズムの解明に興味がもたれている。し
かしながら、上皮組織の形態形成の制御に関与する物質
群は複雑な系の中で時間的及び空間的な制御を受けて発
現されており、それらの物質を単離して機能を解析する
ことは極めて困難であること、また、上皮組織の形態形
成を単純化したモデル実験系の構築も難しいことなどの
理由から、この分野の研究には今日まで大きな進展が見
られていない。上皮組織の形態形成に起因する疾患の発
症機序の解明やそれらの疾患の治療方法の確立などのた
めに、上皮組織における形態形成の制御メカニズムの解
析が切望されていた。
【0003】このような状況下にあって、上皮組織の形
態形成の制御に関与するエピモルフィン (epimorphin)
が分離・精製された(特開平6-25295 号公報)。この物
質は277 ないし 289個のアミノ酸からなる蛋白質をコア
・蛋白質とする生理活性物質であり、主として間充織細
胞により生合成されていることが明らかにされた。ま
た、エピモルフィンは、上皮細胞に作用して上皮組織の
形態形成を促進する作用を有していること、並びにエピ
モルフィンが機能しない場合には正常な組織形成が行わ
れないことも明らかにされた。
【0004】エピモルフィンの構造については、エピモ
ルフィン分子が構造上大きく4個のフラグメントに分け
られることが見いだされている(欧州特許公開第069866
6 号)。すなわち、エピモルフィンの全長を構成するポ
リペプチドは、N末端側より、コイルドコイル領域
(1)、機能ドメイン(2)、コイルドコイル領域(3)、及び
C末端の疎水性領域に分けることができる。これらのフ
ラグメントのうち、機能ドメイン(ヒト・エピモルフィ
ンではN末端より104 番目から187 番目のアミノ酸によ
り特定される領域)については、この領域が細胞接着に
関与しており、エピモルフィンの生理活性の発現に密接
にかかわっていることが示唆されている(上掲欧州特許
公開)。
【0005】エピモルフィンが正常な形態形成を促進す
る作用を有することから、この物質は、形態形成の異常
に起因する疾患などの予防や治療のための医薬や、又は
育毛剤などの医薬の有効成分として有用であることが期
待される。しかしながら、哺乳類動物から得られた天然
型エピモルフィンは生理食塩水などの水性媒体に難溶で
あり、医薬として実用に供することが困難であった。こ
のため、天然型エピモルフィンの形態形成促進作用を実
質的に保持しつつ、溶解性に優れたエピモルフィン誘導
体を創製する試みがなされている。例えば、C末端部の
疎水性領域を除去した改変体(フラグメント123)など
が知られている(特開平6-25295 号公報)。エピモルフ
ィンの部分構造を有するポリペプチドが上皮細胞に作用
して上皮組織の形態形成を促進することが知られている
(国際公開WO98/22505号)。このポリペプチドは生理食
塩水などの水性媒体に溶解可能なポリペプチドであり、
上記刊行物には、該ポリペプチドが毛成長促進作用を有
することが教示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、毛成
長促進作用を有する修飾オリゴペプチドを提供すること
にある。また、本発明の別の課題は、上記の修飾オリゴ
ペプチドを有効成分として含む医薬を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記の課題を
解決すべく鋭意努力した結果、エピモルフィンの部分構
造であるオリゴペプチド又は該オリゴペプチドのアミノ
酸残基の位置を改変したオリゴペプチド中のCys残基ま
たはLys残基を修飾することにより得たオリゴペプチド
が、優れた毛成長促進作用を有していることを見出し、
本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明によれば、以下の(1)か
ら(3)の何れかに記載のオリゴペプチドが提供され
る。 (1)下記のアミノ酸配列(I)、(II)、(III)又は
(IV)の何れかを含む8から20アミノ酸残基から成る
オリゴペプチドであって、毛成長促進作用を有するオリ
ゴペプチド: Ser-Ile-Glu-Gln-Ser-Xaa-Asp-Gln (I) Ser-Ile-Glu-Gln-Xaa-Ser-Asp-Gln (II) Ser-Ile-Glu-Xaa-Gln-Ser-Asp-Gln (III) Ser-Ile-Xaa-Glu-Gln-Ser-Asp-Gln (IV) (式中、Xaaは、反応性物質が結合しているCysまたは反
応性物質が結合しているLysを示す。) (2)上記のアミノ酸配列(I)、(II)、(III)又は
(IV)においてXaaを除く1〜数個のアミノ酸が欠失、
置換、及び/又は挿入されたアミノ酸配列を含む8から
20アミノ酸残基から成るオリゴペプチドであって、上
記(1)に記載のオリゴペプチドと同様の毛成長促進作
用を有するオリゴペプチド; (3)上記の(1)又は(2)に記載のオリゴペプチド
の修飾オリゴペプチドであって、上記の(1)又は
(2)のオリゴペプチドと同様の毛成長促進作用を有す
る修飾オリゴペプチド:
【0009】好ましくは、反応性物質は架橋剤である。
本発明の別の側面によれば、上記の何れかのオリゴペプ
チド又は生理学的に許容されるそれらの塩を有効成分と
して含む医薬(例えば、毛成長促進剤)が提供される。
【0010】本発明のさらに別の側面によれば、上記の
医薬(例えば、毛成長促進剤)の製造のための上記のオ
リゴペプチド又は生理学的に許容されるその塩の使用;
及び毛の成長促進方法であって、上記のオリゴペプチド
又は生理学的に許容されるその塩の有効量をヒトを含む
哺乳類動物に投与する工程を含む方法が提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明のオリゴペプチドの第1の実
施態様は、下記のアミノ酸配列(I)、(II)、(III)又
は(IV)の何れかを含む8から20アミノ酸残基から成
るオリゴペプチドであって、毛成長促進作用を有するオ
リゴペプチドである。 Ser-Ile-Glu-Gln-Ser-Xaa-Asp-Gln (I)(配列番号1) Ser-Ile-Glu-Gln-Xaa-Ser-Asp-Gln (II)(配列番号2) Ser-Ile-Glu-Xaa-Gln-Ser-Asp-Gln (III)(配列番号3) Ser-Ile-Xaa-Glu-Gln-Ser-Asp-Gln (IV)(配列番号4) (式中、Xaaは、反応性物質が結合しているCysまたは反
応性物質が結合しているLysを示す。)
【0012】上記のアミノ酸配列(I)、(II)、(III)
又は(IV)は、国際公開WO98/22505号に開示されたポリ
ペプチド(II)のC-末端から11個のアミノ酸残基におい
て、N-末端から1個のアミノ酸残基(Lys)およびC-末
端から2個のアミノ酸残基(Asp-Glu)を除いたアミノ
酸配列、または該アミノ酸配列においてさらにシステイ
ン残基(Cys)の位置を変更したアミノ酸配列であっ
て、Cys残基を、反応性物質が結合しているCysまたは反
応性物質が結合しているLysに置き換えたものである。
上記アミノ酸配列(I)、(II)、(III)又は(IV)を含
むオリゴペプチドは、下記の実施例に具体的に示すよう
に優れた毛成長促進作用を有している。
【0013】アミノ酸配列(I)、(II)、(III)又は
(IV)において、Xaaは、反応性物質が結合しているCys
または反応性物質が結合しているLysを示す。反応性物
質としては、例えば、−SH基や−NH2基などの官能
基と反応して結合することができる物質が好ましく、架
橋剤であることが特に好ましい。
【0014】本発明で用いる架橋剤として特に好ましい
ものは、オリゴペプチド中のシステイン残基のスルフヒ
ドリル基を活性化して、他のオリゴペプチド中のシステ
イン残基のスルフヒドリル基またはリジン残基のアミノ
基と共有結合を形成することができる二官能性架橋剤、
並びにオリゴペプチド中のリジン残基のアミノ基を活性
化して、他のオリゴペプチド中のリジン残基のアミノ基
またはシステイン残基のスルフヒドリル基と共有結合を
形成することができる二官能性架橋剤を挙げることがで
きる。
【0015】システイン残基のスルフヒドリル基を活性
化する二官能性架橋剤の具体例としては、ビスマレイミ
ド化合物が挙げられ、例えば、水酸基などの置換基を有
していてもよい低級アルキル基(例えば、炭素数1から
10、より好ましくは炭素数1から8のアルキル基)の
両末端にマレイミド基のN原子が結合している化合物を
挙げることができる。ビスマレイミド化合物の具体例と
しては、1,4−ビスマレイミジル−2,3−ジヒドロ
キシブタン、1,6−ビスマレイミドヘキサン、ビスマ
レイミドエタン、及び1,4−ビスマレイミドブタンな
どが挙げられる。
【0016】また、リジン残基のアミノ基を活性化する
二官能性架橋剤の具体例としては、DSG(disuccinim
idyl glutarate)などが挙げられる。
【0017】本発明のオリゴペプチドはアミノ酸配列
(I)、(II)、(III)又は(IV)を含む8から20アミ
ノ酸残基から成るオリゴペプチドであり、アミノ酸残基
の数は、毛成長促進作用を示す限り、8から20の範囲
内の任意の数とすることができる。アミノ酸残基の数は
好ましくは8から15であり、より好ましくは8から1
2であり、特に好ましくは8から10の範囲内である。
【0018】本発明のオリゴペプチドの第2の態様は、
上記のアミノ酸配列(I)、(II)、(III)又は(IV)に
おいてXaaを除く1〜数個のアミノ酸が欠失、置換、及
び/又は挿入されたアミノ酸配列を含む8から20アミ
ノ酸残基から成るオリゴペプチドであって、上記(1)
に記載のオリゴペプチドと同様の毛成長促進作用を有す
るオリゴペプチドである(以下、このオリゴペプチドを
「本発明の改変オリゴペプチド」と呼ぶ場合があ
る。)。
【0019】本発明のオリゴペプチドの第3の態様は、
上記のアミノ酸配列(I)、(II)、(III)又は(IV)を
含む8から20アミノ酸残基から成るオリゴペプチドで
あって毛成長促進作用を有するオリゴペプチド又は上記
した本発明の改変オリゴペプチドの修飾オリゴペプチド
であって、上記した本発明のオリゴペプチド又は改変オ
リゴペプチドと同様の毛成長促進作用を有する修飾オリ
ゴペプチドである。
【0020】上記の改変オリゴペプチド又は修飾オリゴ
ペプチドが、上記のアミノ酸配列(I)、(II)、(III)
又は(IV)を含む8から20アミノ酸残基から成るオリ
ゴペプチドと同様の毛成長促進作用を有することは、本
明細書の実施例に詳細かつ具体的に記載した試験方法に
よって、又は上記試験方法に適宜の改変や修飾を加える
ことにより、当業者が容易に確認可能である。このよう
な方法の具体例としては、以下の方法が挙げられるがこ
れらに限定されるものではない。
【0021】(1)C3HやC57BL/6マウスは生後45日から
95日前後まで約50日間休止期が続くことが知られてい
る。また、休止期ではピンク、成長期ではグレー又はク
ロと皮膚の色が変化するため、毛周期の判定が容易であ
る。このマウスを使用し、被験物質の投与により、成長
期への移行が促進されるか否か評価することにより、育
毛活性を評価することが可能である。
【0022】(2)上皮性の新生毛包に存在する抗原
(例えば、約220kDaの抗原が挙げられる)を特異
的に認識するモノクローナル抗体(例えば、受託番号F
ERMP−18578を有するハイブリドーマが産生す
るモノクローナル抗体)またはその断片を用いて育毛活
性を評価することができる。より具体的には、生体由来
の皮膚組織を被験物質の存在下で培養し、該皮膚組織片
を回収し、上記のモノクローナル抗体またはその断片と
反応させ、皮膚組織片と反応した該モノクローナル抗体
またはその断片を検出または測定することにより、上皮
性の新生毛包に存在する抗原の発現量を測定し、育毛活
性を評価することができる。あるいは、皮膚を切断して
被験物質の存在下で培養し、その培養物中の蛋白質と前
記モノクローナル抗体を反応させた結果により、育毛活
性を評価することができる。
【0023】上記改変オリゴペプチドにおいて、挿入又
は置換されるアミノ酸の種類は特に限定されないが、L
-アミノ酸であることが好ましい。挿入又は置換される
アミノ酸の個数及び位置も特に限定されない。例えば、
挿入されるアミノ酸の個数は1〜5個、好ましくは1〜3
個、より好ましくは1〜2個である。N-末端又はC-末端に
1〜数個、好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個程
度のアミノ酸が付加されていてもよい。また、置換され
るアミノ酸の個数は好ましくは1〜5個、より好ましく
は1〜3個、特に好ましくは1〜2個である。
【0024】あるアミノ酸を別のアミノ酸で置換して得
られる改変オリゴペプチドが置換前のオリゴペプチドと
同様の毛成長促進作用を有するためには、置換されるア
ミノ酸同士は互いに類似した性質を有するアミノ酸であ
ることが好ましい場合がある。具体的には、上記のアミ
ノ酸配列(I)、(II)又は(III)においては、Cys残基
以外のSer(2箇所)、Ile、Glu、Gln(2箇所)、及び
Aspの5種(合計7箇所)のアミノ酸残基が置換の対象と
なりうる。このうち、Ser(セリン)は、ヒドロキシア
ミノ酸に属するThr(トレオニン)に置換することが可
能であり、Ile(イソロイシン)は、脂肪族アミノ酸で
あるGly(グリシン)、Ala(アラニン)、Val(バリ
ン)またはLeu(ロイシン)に置換することが可能であ
り、Glu(グルタミン酸)は、酸性アミノ酸であるAsp
(アスパラギン酸)に置換することが可能であり、Gln
(グルタミン)は、アミドであるAsn(アスパラギン)
に置換することが可能であり、そしてAsp(アスパラギ
ン酸)は、酸性アミノ酸であるGlu(グルタミン酸)に
置換することが可能である。但し、これらは置換の好ま
しい具体例を例示したものにすぎず、毛成長促進作用を
維持する限りは他のアミノ酸で置換することも可能であ
る。
【0025】上記の修飾オリゴペプチドにおいて、「修
飾」という用語は、化学的修飾及び生物学的修飾を含め
て最も広義に解釈しなければならない。修飾の例として
は、例えば、アルキル化、エステル化、ハロゲン化、又
はアミノ化などの官能基導入、酸化、還元、付加、又は
脱離などによる官能基変換、糖化合物(単糖、二糖、オ
リゴ糖、若しくは多糖)又は脂質化合物などの導入、リ
ン酸化、あるいはビオチン化などを挙げることができる
が、これらに限定されることはない。
【0026】好ましい修飾オリゴペプチドとしては、ビ
オチン化されたオリゴペプチドを挙げることができ、よ
り好ましくは修飾オリゴペプチドとして、スペーサを介
して又はスペーサーを介さずにビオチンがN-末端に結合
したオリゴペプチドを挙げることができる。上記の修飾
オリゴペプチドにおいて、ビオチンには所望の生理活性
を損なわない限りにおいて適宜の化学的修飾が施されて
いてもよい。ビオチン化されたオリゴペプチドの製造方
法は、本明細書の実施例に具体的に示されている。適宜
の長さのスペーサーを介してビオチンをオリゴペプチド
のN-末端に導入するためには、例えば、NHS-Biotin又は
NHS-LC-Biotin(いずれピアース社から入手できる)など
を用いることができる。
【0027】上記した各種のオリゴペプチド(改変オリ
ゴペプチドや修飾オリゴペプチドも含む)は遊離形態で
あってもよいが、酸付加塩又は塩基付加塩として提供さ
れてもよい。酸付加塩としては、例えば、塩酸塩、硫酸
塩、硝酸塩、リン酸塩などの鉱酸塩;又は、p-トルエン
スルホン酸塩、メタンスルホン酸塩、クエン酸塩、蓚酸
塩、マレイン酸塩、酒石酸塩などの有機酸塩を挙げるこ
とができる。塩基付加塩としては、例えば、ナトリウム
塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩などの
金属塩;アンモニウム塩;メチルアンモニウム塩、トリ
エチルアンモニウム塩などの有機アンモニウム塩を挙げ
ることができる。グリシンなどのアミノ酸と塩を形成す
る場合もあり、また、分子内で対イオンを形成すること
もある。
【0028】さらに、これらのオリゴペプチド又はその
塩は、水和物又は溶媒和物として存在する場合がある。
上記オリゴペプチドは複数の不斉炭素を有している。各
不斉炭素の立体は特に限定されないが、アミノ酸残基は
L-アミノ酸であることが望ましい。これらの不斉炭素に
基づく光学活性体、ジアステレオ異性体などの立体異性
体、立体異性体の任意の混合物、ラセミ体などはいずれ
も本発明の範囲に包含される。
【0029】本発明のオリゴペプチドは、ペプチド合成
に通常用いられる固相法および液相法などの化学的手法
により合成することができる。ペプチド合成におけるア
ミノ基等の保護基および縮合反応の縮合剤については種
々の成書があり、それらを参照することができる。固相
法では市販の各種ペプチド合成装置を利用することがで
きる。必要に応じて、官能基の保護及び脱保護を行うこ
とにより効率的に合成を行うことができる。保護基の導
入及び脱離方法については、例えば、プロテクティブ・
グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protec
tive Groups inOrganic Synthesis)、グリーン(T. W.
Greene)著、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ・イ
ンコーポレイテッド(John Wiley & Sons, Inc.)(198
1年)などを参照することができる。
【0030】また、通常の遺伝子発現操作等の生物学的
手法に従って、上記オリゴペプチドをコードするDNA 配
列を含む組み換えベクターを製造した後、該ベクターに
より形質転換された微生物(形質転換体)を調製し、該
形質転換体を培養した培養物から所望のオリゴペプチド
を分離・精製することができる。もっとも、上記オリゴ
ペプチドの製造方法はこれらの化学的方法及び生物学的
方法に限定されることはない。また、化学的修飾又は生
物学的修飾などを含めて修飾オリゴペプチドの製造方法
は当業者に周知されており、いかなる方法を用いてもよ
い。
【0031】本発明のオリゴペプチドは、医薬の有効成
分として有用である。本明細書における医薬という用語
は、ヒトを含む哺乳類の病気の予防又は治療のほか、医
薬部外品として分類される場合がある毛成長促進剤など
を含めて最も広義に用いる。
【0032】本発明の医薬の投与対象、薬効、並びに本
発明の医薬による治療の対象疾患の具体例を以下に列挙
する。 (1)本発明のオリゴペプチドは、血管再生作用、再生
促進作用、心臓血管再生作用、血管内皮細胞誘導作用な
どを示し、慢性閉塞性動脈硬化症、バージャー病、重症
狭心症、動脈硬化症などの治療及び予防に有用である
(Exp Cell Res 1996 Jan 10, 222(1):189-98) (2)本発明のオリゴペプチドは、膵臓上皮の形態形成
に関与し、糖尿病などの治療および予防に有用である
(J Cell Biol 2001, Mar 5;152(5):911-22)。
【0033】(3)本発明のオリゴペプチドは、肝臓の
形成(再生)に関与し、肝代謝障害の治療および予防に
有用である(Biochem Biophys Res Commun 1998 Sep 1
8; 250(2):486-90)。 (4)本発明のオリゴペプチドは、骨や歯の形成に関与
し、歯周病、骨折、骨腫瘍、骨欠損、骨粗しょう症の治
療および予防に有用である(Arch Oral Biol 1995 Feb;
40(2):161-4)。
【0034】(5)本発明のオリゴペプチドは、肺分岐
の形態形成や肺線維症に関与し、肺疾患の治療および予
防に有用である(Biochem Biophys Res Commun 1997 Ma
y 19;234(2):522-5;及びAm J Respir Cell Mol Biol 2
000 Aug;23(2):168-74)。 (6)本発明のオリゴペプチドは、腸ひだの形成に関与
し、腸疾患の治療および予防に有用である(Am J Physi
ol 1998 Jul; 275(1 Pt1):G114-24)。
【0035】(7)本発明のオリゴペプチドは、筋肉の
構造に維持に関与し、例えば、筋ジストロフィー症の治
療および予防に有用である(Histochem J 1998 Dec;30
(12):903-8)。 (8)本発明のオリゴペプチドは、胆嚢上皮の形成に関
与し、胆嚢疾患の治療および予防に有用である(Cell T
issue Res 2000 May; 300(2):331-44) (9)本発明のオリゴペプチドは、乳上皮の形態形成に
関与し、乳疾患の治療および予防に有用である(J Cell
Biol 2001 May 14; 153(4):785-94)
【0036】これらの中でも最も好ましくは、毛成長促
進剤として使用することができる。本明細書において用
いられる「毛成長促進」という用語は、育毛促進、発毛
促進、及び脱毛予防などを含めて最も広義に解釈すべき
であり、いかなる意味においても限定的に解釈してはな
らない。
【0037】本発明の医薬としては、上記のオリゴペプ
チド又は生理学的に許容されるその塩から選ばれる1又
は2種以上の物質をそのまま用いてもよいが、通常は、
製剤学的に許容しうる1又は2種以上の製剤用添加物を
用いて上記物質の1又は2種以上を有効成分として含む
医薬組成物を製造して投与することが好ましい。上記の
オリゴペプチドの1種又は2種以上を有効成分として含
む毛成長促進剤は、クリーム剤、噴霧剤、塗布用の溶液
剤、又は貼付剤などとして外用剤として適用できるが、
注射剤として患部に直接投与してもよく、毛成長促進剤
としての使用目的に好適な形態の製剤として提供するこ
とが可能である。
【0038】例えば、シャンプーやリンスに有効成分で
ある上記のオリゴペプチドを配合してもよく、上記のオ
リゴペプチドをリポソームなどに封入して製剤を調製し
てもよい。このような形態の組成物も本発明の医薬に包
含される。皮膚のケラチン層を通して有効成分であるオ
リゴペプチドを効率的に経皮吸収させるために、適宜の
界面活性剤や脂溶性物質などをクリーム剤などに配合す
ることも好適である。上記の毛成長促進剤の投与量は使
用目的、製剤形態、有効成分の種類などに応じて適宜選
択可能であるが、例えば、本明細書の実施例に具体的に
示した投与量を参考にして選択することが可能である。
例えば、成人一日当たり有効成分の投与量としては、1
μg/kg/日〜10mg/kg/日、好ましくは10
μg/kg/日〜1mg/kg/日程度の範囲内であ
る。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明の範囲は以下の実施例に限定される
ことはない。実施例1:修飾オリゴペプチドの作製 下記のアミノ酸配列で表されるオリゴペプチドをFmocを
用いた固相法により合成した。 Ser-Ile-Glu-Gln-Ser-Cys-Asp-Gln-Asp-Glu (配列番号5)
【0040】次に、合成したオリゴペプチドと架橋剤
(ビスマレイミドヘキサン、品名BMH、ピアス社製)
とを、同架橋剤の使用説明書に従って反応させた。反応
は、オリゴペプチドと架橋剤との比率を変えて行った。
反応産物をゲル濾過カラム(アマシャムファルマシア社
製、SuperdexTM peptide PC 3.2/30、展開液には250mM
のNaCl、20mMのNa−リン酸緩衝液(pH7.2)を使用
した)を用いて解析した結果を図1に示す。
【0041】図1の上段の図(A)は、オリゴペプチド
とビスマレイミドヘキサンとを7:3の比率で反応さ
せ、液体クロマトグラフィ(アマシャムファルマシア
社、Smart system)で分離した結果を示す。ピーク
(a)はペプチド二量体を示し、ピーク(b)は反応性
マレイミドを有するペプチド単量体を示す。ピーク
(a)は1.2ml溶出した時点であり、ピーク(b)
は1.4ml溶出した時点である。
【0042】図1の中段の図(B)は、オリゴペプチド
とビスマレイミドヘキサンとを2:5の比率で反応させ
た結果を示す。ピーク(a)はペプチド二量体を示し、
ピーク(b)は反応性マレイミドを有するペプチド単量
体を示す。ビスマレイミドヘキサンが過剰に存在するた
め、ペプチド二量体(a)よりも反応性マレイミドを有
するペプチド単量体(b)が多量に形成されている。
【0043】図1の下段の図(C)は、上記(B)のサ
ンプル(即ち、オリゴペプチドとビスマレイミドヘキサ
ンとを2:5の比率で反応させた反応産物)に未修飾の
オリゴペプチドSer-Ile-Glu-Gln-Ser-Cys-Asp-Gln-Asp-
Gluを過剰に加えたサンプルの結果を示す。ピーク
(b)が減少し、ピーク(a)が増加していることによ
り、添加した(c)の一部は(b)と反応し、二量体
(a)を形成していることが分かる。
【0044】実施例2:新生毛包に特異的なモノクロー
ナル抗体の作製 B57BLマウスの成長期(48から50日目)の皮膚
から毛を切り取り、8M尿素、2%SDS、100mM
のDTTを含むPBS中で37℃で一晩インキュベート
し、タンパク質を抽出した。また、B57BLマウスの
ヒゲの毛包(毛球部に色素がついているもの;成長期)
を実体顕微鏡で採取し、PBS中にホモジナイズした。
上記2種類の試料(タンパク質量として0.5mg)を
混合し、等量のコンプリートアジュバンドと混合してミ
セルを作製した。上記で得たミセル(0.2mg)をラ
ット(Wister)の皮下(3箇所)に分けて投与して免疫
した。初回免疫の1ヵ月後に上記と同様に追加免疫を行
なった。さらに2週間後に上記と同様に2回目の追加免
疫を行なった。2回目の追加免疫の3日後に、免疫ラッ
トから脾臓を取り出し、メッシュにて血球成分を回収し
た。この血球成分の中には抗体産生細胞が含まれてい
る。上記で回収した血球成分(全量)とマウスミエロー
マP3U1とをポリエチレングリコール1500を用い
て混合し、ダルベッコ/ハムF12混合培地中に懸濁
し、96ウエルプレートに各ウエル100μlずつ播い
た。翌日、等量(100μl)のHAT培地(シグマ
社)を各ウエルに添加した。2日後に各ウエルから15
0μlずつを吸引廃棄し、150μlの新培地を各ウエ
ルに添加した。96ウエルプレートを37℃のCO2
ンキュベーター内に静置した。
【0045】成長期のB57BLマウスのヒゲの毛包を
8M尿素中に超音波粉砕機を用いて溶解した。この溶液
にニトロセルロースメンブレンを5分間浸し、PBSで
十分に洗浄したものをBioradドットブロッターに装着し
たものを用いて、上記の96ウエルプレートの各ウエル
から回収したハイブリドーマ上清を一次スクリーニング
した。先ず、上記で作製したニトロセルロースメンブレ
ンを5%スキムミルクを溶解したトリスバッファー(T
BST)でブロッキングした後、当該ニトロセルロース
メンブレンを底とする各ウエルにハイブリドーマ上清1
00μlを添加した。1時間インキュベートした後、ト
リスバッファーで洗浄し、二次抗体であるホースラディ
ッシュパーオキシダーゼ標識抗ラットIgG(1μg/
mlTBST)を添加した。発色基質であるECL試薬
(アマシャムファルマシア社製)を添加して、発色の有
無により成長期のヒゲの毛包と反応する抗体(全部で5
0種類)を選出した(一次スクリーニング)。
【0046】上記の一次スクリーニングで選出した抗体
(50種類)について、成長期ヒゲ毛包の凍結切片(1
0μm)を用いて特異的に反応にするものを選出した
(二次スクリーニング)。具体的には、スライドガラス
上に成長期ヒゲ毛包の凍結切片を置き、一次スクリーニ
ングで選出されたハイブリドーマ上清を添加し、二次抗
体で発色させた。具体的には、クライオスダト(ブライ
ト社)で作成した成長期ヒゲ毛包の凍結切片を−20℃
メタノールで処理し、TBSTで1時間ブロッキングを
行った後、ハイブリドーマ上清を1時間反応させた。ト
リスバッファーで洗浄後、FITC標識抗ラットIgG
(TBSTに100μg/mlで溶解したもの)を反応
させた。トリスバッファーで洗浄後、カバーガラスをか
けて、蛍光顕微鏡にて観察を行った。
【0047】二次スクリーニングの結果、全部で8種類
の抗体を選出した。これらの抗体は表皮とは反応せず、
毛包に特異的に反応するものであった。これら8種類の
抗体を限界希釈法でクローニングした。
【0048】これら8種類の抗体について、成長期ヒゲ
毛包又は休止期ヒゲ毛包をサンプルとしたウエスタンブ
ロットで反応性を調べ、さらに毛包が形成されている1
4日齢マウス胎児皮膚の切片試料を用いて反応性を調べ
た。その結果、成長期ヒゲ毛包及び形成途中毛包(新生
毛包)と特異的に反応し、休止期ヒゲ毛包とは反応しな
いモノクローナル抗体としてmAb27を取得した。モ
ノクローナル抗体mAb27を産生するハイブリドーマ
は、受託番号FERM P−18578として平成13
年11月2日付けで独立行政法人産業技術総合研究所
特許生物寄託センター(日本国茨城県つくば市東一丁目
1番地1 中央第6)に寄託されている。
【0049】実施例3:各種オリゴペプチドの毛成長促
進作用の評価 (1)各種オリゴペプチドの調製 下記のアミノ酸配列で表されるオリゴペプチド(A)及
び(B)をFmocを用いた固相法により合成した(以下、
これを未修飾オリゴペプチドとも言う)。 (A)Ser-Ile-Glu-Gln-Ser-Cys-Asp-Gln-Asp-Glu (配列番号5) (B)Ser-Ile-Glu-Gln-Ser-Lys-Asp-Gln-Asp-Glu (配列番号6)
【0050】合成したオリゴペプチド(A)と架橋剤
(ビスマレイミドヘキサン、品名BMH、ピアス社製)
とを、同架橋剤の使用説明書に従って反応させた。ま
た、合成したオリゴペプチド(B)と架橋剤DSG(di
succinimidyl glutarate)とを反応させた。フラクショ
ンコレクターを使って、架橋剤が結合している単量体を
分取した。以下、これらを修飾オリゴペプチドとも言
う。
【0051】(2)毛成長促進作用の評価 12日目のICRマウス胎児の上アゴ皮膚組織を実体顕
微鏡で採取し、左と右に分けて5頭分を回収した。回収
した5頭分の皮膚を左(コントロール用)と右(被験オ
リゴペプチド用)を別々に5個ずつ一枚のヌクレポアメ
ンブレン(孔径8μm、直径13mm)の上に載せ、実
体顕微鏡で観察して外側が上になるようにした。1%B
SAを含むダルベッコMEM/ハムF12培地500μ
lを24ウエルディッシュの2ウエルに添加し、片方に
は被験オリゴペプチド溶液(溶媒はPBS)を最終濃度
20μMとなるように添加し、他方には溶媒(PBS)
を対照として同量入れた。被験オリゴペプチドとして
は、上記(1)で作製した未修飾オリゴペプチド及び修
飾オリゴペプチドを使用した。
【0052】皮膚組織を載せたメンブレン1枚ずつを上
記のウエル中の溶液に浮かべ、37℃で6日間培養し
た。メンブレンから5個の組織片をSDSサンプルバッ
ファ(SDS 0.02g/ml、グリセロール 0.
2g/ml、pH6.8)100μl中に回収し、超音
波粉砕器により溶解した。対照も同様に処理した。上記
処理で得た溶液をSDS−PAGE(アクリルアミド4
〜20%)にて電気泳動後(35mA、1.5時間)、
PVDF膜にトランスファーし、5%スキムミルクを含
むトリス緩衝液(TBST)中で1時間インキュベート
した。実施例2で取得したmAb27(TBST中10
μg/ml)と1時間反応後、TBSにて十分に洗浄
し、ペルオキシダーゼ標識抗ラットIgG(アマシャム
社)をTBSTで1/1000に希釈したものを二次抗
体として反応させ、十分に洗浄後、ECLキット(アマ
シャム社)を用いてmAb27の反応の強さを調べた。
【0053】得られた結果を図2に示す。図2における
各レーンの被験オリゴペプチドは以下の通りである。 左から1番目:未修飾オリゴペプチド(A) 左から2番目:BMH修飾オリゴペプチド(A) 左から3番目:未修飾オリゴペプチド(B) 左から4番目:DSG修飾オリゴペプチド(B)
【0054】図2の結果から分かるように、左から2番
目及び4番目のレーン(修飾オリゴペプチド)のバンド
はそれぞれ左から1番目及び3番目のレーン(未修飾オ
リゴペプチド)のバンドよりも濃かった。これらの結果
は、修飾オリゴペプチドは発毛活性を有すること、特
に、対応する未修飾オリゴペプチドよりも強い発毛活性
を有することを実証するものである。
【0055】さらに、アミノ酸配列を変更したオリゴペ
プチド及び各種の架橋剤を用いて、上記と同様に毛成長
促進作用を評価した。その結果、Ser-Ile-Glu-Gln-Ser-
Cys-Asp-Gln-Asp-Glu (オリゴペプチド(A);配列
番号5)、Ser-Ile-Cys-Glu-Gln-Ser-Asp-Gln-Asp-Glu
(配列番号7)、及びSer-Ile-Glu-Gln-Ser-Cys-Asp-Gl
n(配列番号8)をビスマレイミドヘキサン(BM
H)、1,4−ビスマレイミドブタン(BMB)、また
はビスマレイミドエタン(BMOE)で修飾した修飾オ
リゴペプチドは何れも、毛成長促進作用を示すことが実
証された。
【0056】
【発明の効果】本発明の修飾オリゴペプチドは毛成長促
進作用を有しており、毛成長促進剤などの医薬の有効成
分として有用である。
【0057】
【配列表】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、オリゴペプチドと架橋剤との反応産物
をゲル濾過カラムを用いて解析した結果を示す。
【図2】図2は、修飾又は未修飾のオリゴペプチドの毛
成長促進作用を評価した結果を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 栃木 慶子 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 (72)発明者 武部 京子 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 Fターム(参考) 4C084 AA02 AA07 BA01 BA08 BA17 CA18 DB53 DC50 NA14 ZA921 ZC022 4H045 AA10 AA30 BA15 BA16 BA17 CA40 EA20 EA34 FA20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(1)から(3)の何れかに記載
    のオリゴペプチド。 (1)下記のアミノ酸配列(I)、(II)、(III)又は
    (IV)の何れかを含む8から20アミノ酸残基から成る
    オリゴペプチドであって、毛成長促進作用を有するオリ
    ゴペプチド: Ser-Ile-Glu-Gln-Ser-Xaa-Asp-Gln (I) Ser-Ile-Glu-Gln-Xaa-Ser-Asp-Gln (II) Ser-Ile-Glu-Xaa-Gln-Ser-Asp-Gln (III) Ser-Ile-Xaa-Glu-Gln-Ser-Asp-Gln (IV) (式中、Xaaは、反応性物質が結合しているCysまたは反
    応性物質が結合しているLysを示す。) (2)上記のアミノ酸配列(I)、(II)、(III)又は
    (IV)においてXaaを除く1〜数個のアミノ酸が欠失、
    置換、及び/又は挿入されたアミノ酸配列を含む8から
    20アミノ酸残基から成るオリゴペプチドであって、上
    記(1)に記載のオリゴペプチドと同様の毛成長促進作
    用を有するオリゴペプチド; (3)上記の(1)又は(2)に記載のオリゴペプチド
    の修飾オリゴペプチドであって、上記の(1)又は
    (2)のオリゴペプチドと同様の毛成長促進作用を有す
    る修飾オリゴペプチド:
  2. 【請求項2】 反応性物質が架橋剤である、請求項1に
    記載のオリゴペプチド。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載のオリゴペプチド
    又は生理学的に許容されるそれらの塩を有効成分として
    含む医薬。
  4. 【請求項4】 毛成長促進剤である、請求項3に記載の
    医薬。
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