JP2003171047A - 記録装置 - Google Patents

記録装置

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JP2003171047A
JP2003171047A JP2001370564A JP2001370564A JP2003171047A JP 2003171047 A JP2003171047 A JP 2003171047A JP 2001370564 A JP2001370564 A JP 2001370564A JP 2001370564 A JP2001370564 A JP 2001370564A JP 2003171047 A JP2003171047 A JP 2003171047A
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paper
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロール紙の巻き癖矯正装置が、ロール紙を記
録部へ精密送りする搬送ローラの駆動源を利用する際
に、前記精密送り精度の低下を防止し、適切な記録動作
を維持すること。 【解決手段】 ロール紙を搬送する挟圧ローラは駆動ロ
ーラ歯車121を軸端に有している。動力伝達装置80
は伝達歯車103を利用する第1の動力伝達経路と、伝
達歯車109を利用する、前記第1の動力伝達経路より
も速度伝達比の小なる第2の動力伝達経路とを備えてい
る。駆動モータ81は動力伝達装置80の他にロール紙
を精密送りする紙送りローラへ動力を伝達する。ロール
紙先端部分が前記挟圧ローラを通過する際に前記挟圧ロ
ーラに最も負荷が掛かるが、動力伝達装置80はこの時
だけ前記第2の動力伝達経路を選択し、駆動モータ81
の負荷を軽減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロール紙を湾曲さ
せる湾曲手段によってロール紙の巻き癖を矯正するロー
ル紙の巻き癖矯正装置を備えた記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】FAX、プリンタ等に代表される記録装
置においては、長尺に渡って記録(印刷)を実行可能な
ロール紙が用いられているが、近年、写真画質を実現す
る民生用のプリンタにおいて、ロール紙を用いて銀塩写
真並の印刷が可能なものが開発されている。
【0003】一方で、ロール紙は通常の単票紙と異なる
特質、即ち、ロール状に巻かれているが故に、巻き解か
れた後も巻き癖(カール)が残るという性質を有してい
る為、印刷後の取り扱いにおいて不都合が生じる場合が
ある。従ってこれを防止すべく、巻き解かれたロール紙
を、巻き癖に対して逆方向に湾曲(デカール)させるこ
とにより、巻き癖を矯正するロール紙の巻き癖矯正装置
が、既に種々の実施形態によって実施されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、プリンタに
おいては複数の駆動対象を1つの駆動モータによって駆
動し、低コスト化を計るのが一般的である。従って、ロ
ール紙の巻き癖矯正装置が、ロール紙に湾曲状態を形成
する湾曲形成部と、該湾曲形成部へロール紙を搬送する
挟圧ローラとを備える場合には、当該挟圧ローラの駆動
源を、ロール紙を精密送りする搬送ローラ用の駆動モー
タを利用することによって低コスト化を計ることができ
る。
【0005】しかし、ロール紙は前記湾曲形成部によっ
て湾曲されながら下流へと進む為、この様な湾曲形成部
にロール紙を搬送する挟圧ローラには大なる駆動負荷が
掛かることになる。従って、前記挟圧ローラを回動駆動
しつつ、ロール紙を記録ヘッドへ向けて精密送りする搬
送ローラを回動駆動すれば、当該搬送ローラの送り精度
が低下する虞がある。そして、この様な問題は、ロール
紙先端が前記湾曲形成部を通過する際、即ち、前記挟圧
ローラに最も負荷が掛かる際に最も顕著となる。
【0006】そこで本発明は上記問題に鑑みなされたも
のであり、その課題は、ロール紙の巻き癖矯正装置が、
ロール紙を記録部へ精密送りする搬送ローラの駆動源を
利用する際に、前記精密送り精度の低下を防止し、適切
な記録動作を維持することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本願請求項1記載の記録装置は、被記録材に記録を
行う記録ヘッドと、該記録ヘッドへ向けてロール紙を精
密送りする搬送ローラと、該搬送ローラを回動駆動する
駆動モータと、前記搬送ローラの上流側または下流側に
設けられ、ロール紙を湾曲させる湾曲手段によってロー
ル紙の巻き癖を矯正するロール紙の巻き癖矯正装置と、
を備えた記録装置であって、前記湾曲手段が、ロール紙
を挟持して搬送する、前記駆動モータを駆動源とする挟
圧ローラと、該挟圧ローラの下流側近傍に配置され、巻
き癖に対してロール紙を逆方向に湾曲させる湾曲形成部
と、からなり、前記駆動モータから前記挟圧ローラへ動
力を伝達する動力伝達装置が、前記駆動モータから前記
挟圧ローラへ動力を伝達する第1の動力伝達経路と、該
第1の動力伝達経路よりも速度伝達比の小なる第2の動
力伝達経路と、のいずれか一方を選択的に切り替える動
力伝達切り替え手段を有し、前記動力伝達切り替え手段
が、ロール紙先端部分以降が前記湾曲形成部を通過する
際に前記第1の動力伝達経路を選択し、ロール紙先端部
分が前記湾曲形成部を通過する際に前記第2の動力伝達
経路を選択する様に構成されていることを特徴とする。
【0008】本願請求項1記載の発明によれば、ロール
紙の巻き癖矯正装置が、ロール紙を記録ヘッドへ向けて
精密送りする搬送ローラを回動駆動する駆動モータを駆
動源として利用する様に構成されていても、前記搬送ロ
ーラの送り精度の低下を防止し、適切な記録動作を維持
することができる。即ち、ロール紙の巻き癖矯正は、ロ
ール紙を湾曲させる湾曲形成部へ向けてロール紙を搬送
する挟圧ローラを有し、該挟圧ローラが、前記搬送ロー
ラを回動駆動する駆動モータを駆動源としている為、挟
圧ローラに回動負荷が掛かると前記駆動モータに影響
し、従って前記搬送ローラの送り精度に影響を及ぼすこ
とになる。
【0009】しかし、本願請求項1記載のロール紙の巻
き癖矯正装置において、前記挟圧ローラへ前記動力モー
タの動力を伝達する動力伝達装置は、第1の動力伝達経
路と、該第1の動力伝達経路よりも速度伝達比の小なる
第2の速度伝達経路とを有し、動力伝達切り替え手段に
よっていずれか一方を選択的に切り替え可能となってい
る。そして、前記動力伝達切り替え手段は、前記挟圧ロ
ーラに最も回動負荷が掛かる時、つまり、ロール紙先端
部分が前記湾曲形成部を通過する際(ロール紙を最初に
湾曲させる際)に前記第2の動力伝達経路を選択し、ロ
ール紙先端部分以降が前記湾曲形成部を通過する際に前
記第2の動力伝達経路を選択する。ここで、前記第2の
動力伝達経路は、前記第1の動力伝達経路よりも速度伝
達比が小なる(前記第1の動力伝達経路よりも小さいト
ルクで回動駆動することができる)ので、従って前記第
1の動力伝達経路を利用して最適なロール紙の搬送を行
いつつ、場合に応じて前記第2の動力伝達経路を利用す
ることによって前記駆動モータに必要以上の負荷を掛け
ない様にすることができ、以て前記搬送ローラの送り精
度低下を防止することができる。
【0010】本願請求項2記載の記録装置は、請求項1
において、前記動力伝達切り替え手段が、前記駆動モー
タの回動によって回動する太陽歯車と、該太陽歯車の周
りを遊星回動する遊星歯車と、回動可能に設けられ、回
動することにより、前記遊星歯車が前記第1の動力伝達
経路に連結する第1の連結位置と、前記第2の動力伝達
経路に連結する第2の連結位置と、を変位する、前記遊
星歯車を軸支する遊星レバーと、前記遊星レバーを前記
第1の連結位置および前記第2の連結位置に固定するス
トッパ手段とからなることを特徴とする。
【0011】本願請求項2記載の発明によれば、前記動
力伝達切り替え手段が、太陽歯車と、該太陽歯車の周り
を遊星回動し、当該遊星回動によって前記第1の動力伝
達経路と前記第2の動力伝達経路との連結の切り替えを
行う様に構成されているので、前記動力伝達切り替え手
段を簡単且つ省スペースに構成することができる。
【0012】本願請求項3記載の記録装置は、請求項2
において、前記ストッパ手段が、前記遊星レバーにおい
て前記第1の連結位置用および前記第2の連結位置用に
それぞれ設けられる第1の係合部および第2の係合部
と、前記遊星レバーに対して進退可能に設けられ、進出
することによって前記第1の係合部および前記第2の係
合部と係合するストッパピンとからなることを特徴とす
る。
【0013】本願請求項3記載の発明によれば、前記ス
トッパ手段が、前記遊星レバーに設けられる第1の係合
部および第2の係合部と、前記遊星レバーに対して進退
可能に設けられ、進出することによって前記第1の係合
部および前記第2の係合部と係合するストッパピンとか
らなるので、当該ストッパピンによって前記遊星レバー
を左右いずれか、或いは左右いずれの方向にも回動しな
い様確実に固定することができる。
【0014】本願請求項4記載の記録装置は、請求項3
において、主走査方向に往復動可能に設けられるキャリ
ッジが前記ストッパピンと係合可能に構成され、前記キ
ャリッジを駆動制御することにより、前記ストッパピン
の前記遊星レバーに対する進退動作を実行可能に構成さ
れていることを特徴とする。
【0015】本願請求項4記載の発明によれば、前記ス
トッパピンが前記キャリッジを駆動制御することによっ
て前記遊星レバーに対する進退動作を実行可能に構成さ
れているので、前記ストッパピンの進退動作を実行する
駆動系を別途設ける必要が無く、以て低コスト化を計る
ことができる。
【0016】本願請求項5記載の記録装置は、請求項2
から4のいずれか1項において、前記動力伝達切り替え
手段が、前記遊星歯車を前記第1の動力伝達経路および
前記第2の動力伝達経路のいずれにも連結しない非連結
位置を備えていることを特徴とする。
【0017】本願請求項5記載の発明によれば、前記動
力伝達切り替え手段が、前記遊星歯車を前記第1の動力
伝達経路および前記第2の動力伝達経路のいずれにも連
結しない非連結位置を備えているので、当該非連結位置
においては前記駆動モータに負荷が掛からない。従っ
て、記録装置がロール紙用給送経路以外に他の給装経路
を備えている様な場合、より具体的には、ロール紙の巻
き癖矯正装置を備えていない他の給送経路を備えている
場合に、前記動力伝達切り替え手段を前記非連結位置と
すれば、前記他の給送経路を利用して記録を行う際に、
前記搬送ローラの送り精度をより一層高精度に保つこと
によってより高い記録品質を得ることができる。
【0018】本願請求項6記載の記録装置は、請求項1
から5のいずれか1項において、ロール紙先端部分が前
記湾曲形成部を通過する速度VA1が、ロール紙先端部
分以降が前記湾曲形成部を通過する速度VA2よりも大
なる様に設定されていることを特徴とする。
【0019】巻き癖の矯正程度が強いと、ロール紙には
当初の巻き癖方向とは逆方向に湾曲する現象(以下これ
を「オーバーデカール」と言う)が発生する。そして当
該オーバーデカールがロール紙先端部分に発生すると、
ロール紙先端が記録装置の搬送経路中で引っ掛かった
り、或いは、記録ヘッドに擦れたりするといった不具合
が生じる。そこで本願請求項6記載の発明は、ロール紙
先端部分が前記湾曲形成部を通過する速度VA1を、ロ
ール紙先端部分以降が前記湾曲形成部を通過する速度V
A2よりも大なる様にしたので、これによってロール紙
先端部分の巻き癖が緩やかに矯正され、従って安価に且
つ簡易にオーバーデカールを低減或いは防止することが
できる。
【0020】本願請求項7記載の記録装置は、請求項1
から6のいずれか1項において、前記挟圧ローラが、回
動駆動される駆動ローラと、該駆動ローラの周面に対し
て押圧状態で接する周面を有し、且つ、前記駆動ローラ
に圧接する位置を変位可能に配設される従動ローラとか
らなることを特徴とする。
【0021】本願請求項7記載の発明によれば、前記挟
圧ローラが、回動駆動される駆動ローラと、該駆動ロー
ラの周面に対して押圧状態で接する周面を有し、且つ、
前記駆動ローラに圧接する位置を変位可能に配設される
従動ローラとからなるので、当該従動ローラを変位させ
ることによってロール紙を繰り出す方向(進行方向)を
変化させることができ、これによりデカールの曲率を変
化させることができ、以て巻き癖の矯正程度を容易に且
つ自在に調節することが可能となる。
【0022】本願請求項8記載の記録装置は、請求項1
から7のいずれか1項において、前記湾曲形成部が、前
記挟圧ローラから繰り出されたロール紙と当接する位置
に配置され、ロール紙の進行方向を変えることによって
ロール紙に所定の湾曲状態を形成し、且つ、回動するこ
とによってロール紙を下流側へ案内する補助ローラによ
って構成されていることを特徴とする。
【0023】本願請求項8記載の発明によれば、ロール
紙は挟圧ローラに挟持されながら補助ローラへと進み、
当該補助ローラによって進行方向を変えられることによ
って湾曲し、そして下流側へと進む。従って、ロール紙
が湾曲することによって強い外力を付与する部分(前記
湾曲手段によって湾曲した部分(湾曲部)の外側)が、
回動する補助ローラによって構成されていることから、
前記湾曲部の曲率を小さくすることによって強い巻き癖
矯正を行う様な場合でも、ロール紙を円滑に下流側に進
行させることが可能となる。
【0024】本願請求項9記載の記録装置は、請求項8
において、前記補助ローラ外周の周速度Vが、前記挟
圧ローラ外周の周速度Vよりも大なる様に設定されて
いることを特徴とする。
【0025】本願請求項9記載の発明によれば、ロール
紙に湾曲状態を形成する湾曲形成部を、ロール紙が適切
に通過できる様になる。即ち、ロール紙が前記補助ロー
ラに急な角度で突き当たる様に構成されていると、ロー
ル紙先端が前記補助ローラに当接する時に、ロール紙先
端部が逆方向(進むべき方向(下流方向)とは反対の方
向)に湾曲し、紙ジャムとなる虞がある。しかし、本発
明は前記補助ローラ外周の周速度Vを、前記挟圧ロー
ラ外周の周速度Vよりも大なる様に設定している。従
って、ロール紙先端は前記挟圧ローラによる紙送り速度
よりも速い紙送り速度で回動する前記補助ローラに当接
することにより、ロール紙先端が適切に下流側に案内さ
れ、以てロール紙を適切に通過させることが可能とな
る。
【0026】本願請求項10記載の記録装置は、請求項
1から9のいずれか1項において、前記挟圧ローラから
繰り出されたロール紙と、前記湾曲形成部を通過したロ
ール紙とのなす角度が、搬送経路を側視して略直角をな
す様に構成されている、ことを特徴とする。
【0027】本願請求項10記載の発明によれば、前記
挟圧ローラから繰り出されたロール紙と、前記湾曲形成
部を通過したロール紙とのなす角度が、搬送経路を側視
して略直角をなす様に構成されているので、ロール紙は
前記挟圧ローラから繰り出された後に進行方向を急角度
(略直角)によって変え、これによってロール紙には小
さい曲率で確実な湾曲状態が形成され、以てロール紙の
巻き癖を確実に矯正することが可能となる。特に、ロー
ル紙が写真画質を実現する厚手のコート紙である場合に
は当該作用効果をより一層発揮することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下では図面を参照しつつ本発明
の実施形態について、 1.インクジェットプリンタの構成 2.ロール紙の巻き癖矯正装置の構成および作用効果 3.動力伝達装置の構成および作用効果 の順に説明する。
【0029】<1.インクジェットプリンタの構成>以
下、図1乃至図3を参照しつつ、本発明の一実施形態に
係るインクジェットプリンタ(以下「プリンタ」と略称
する)1の構成について概説する。ここで、図1はプリ
ンタ1の外観斜視図(外部カバーを外した状態)、図2
はプリンタ1の側断面概略図、図3はプリンタ1の制御
系のブロック図である。
【0030】図1および図2において、プリンタ1は装
置後方(図1および図2の左側)に給紙装置5を備えて
いる。給紙装置5は、被記録材としての印刷用紙(単票
紙、ロール紙、ボード紙等:以下これらを総称して「用
紙」と言う)を、下流側(用紙が進む経路における下流
側:図1および図2の右側)へと給送する。
【0031】より詳しくは、給紙装置5は図1に示す様
にロール紙ロールRを自由回動可能に軸支するロール紙
供給装置11から、図2に示す様にロール紙を矢印で
示す方向(斜め下方向)に繰り出して給送する「第1の
給送経路」と、湾曲した給送経路を通過することのでき
ない厚手のボード紙等を、給紙装置5の後方側から矢印
で示す方向(略水平方向)に手差し給送する「第2の
給送経路」と、湾曲した給送経路を通過することのでき
る単票紙(普通紙、写真用紙、OHPシート等々)を、
複数枚傾斜姿勢でセット可能なホッパ9から矢印で示
す方向(斜め下方向)に自動給送する「第3の給送経
路」との3つの給送経路を備えていて、これら全ての給
送経路は、下流側に設けられた、後述する紙送りローラ
19へと向かっている。
【0032】ここで、ロール紙を給送する第1の給送経
路は、ロール紙供給装置11から、斜め前方下に配置さ
れた後述するロール紙の巻き癖矯正装置(以下「巻き癖
矯正装置」と言う)2へ向かい、該巻き癖矯正装置2を
経由した後に略水平に向きを変え、用紙ガイド後上6
9、用紙ガイド後下71、用紙ガイド前上73、用紙ガ
イド前下74とによって形成された紙経路を通過して紙
送りローラ19へ到達する給送経路である。また、ボー
ド紙等を給送する第2の給送経路は、給紙装置2の後方
から略水平に巻き癖矯正装置2に入り、該巻き癖矯正装
置2を横切った後に前記同様用紙ガイド後上69等によ
って形成された紙経路を通過して紙送りローラ19へ到
達する給送経路である。従って、第1の給送経路と第2
の給送経路とは、巻き癖矯正装置2内部で交差(合流)
する様に構成されていて、ロール紙Pが第1の給送経路
にあるときには、第2の給送経路を利用できない構成と
なっている。
【0033】第3の給送経路を形成するホッパ9は、上
部に設けられた揺動支点9aを中心に揺動可能(図2の
時計方向および半時計方向)に設けられ、図示を省略す
る駆動機構によって揺動することにより、下部が給紙ロ
ーラ13に圧接および離間する様になっていて、圧接す
ることにより、ホッパ9上に堆積された単票紙が給紙ロ
ーラ13の回動と共に紙送りローラ19へ給送される。
尚、給紙ローラ13は、駆動モータ81(後述)によっ
て回動駆動される様構成されている。
【0034】紙送りローラ19は、駆動モータ81(後
述)によって回動駆動される紙送り駆動ローラ15と、
該紙送り駆動ローラ15に圧接して従動回動する紙送り
従動ローラ17とから構成されている。紙送り従動ロー
ラ17は紙送り従動ローラホルダ18によって軸支さ
れ、該紙送り従動ローラホルダ18の上から下に突出す
る様に、用紙の通過を検出する紙検出器12(図3参
照)を構成する紙検出レバー14が設けられている。紙
検出レバー14は図2の時計方向および半時計方向に揺
動可能に設けられ、紙送り従動ローラホルダ18の下部
を通過する用紙先端の通過によって上方に押し上げられ
る方向に揺動し、且つ、用紙後端の通過によって下方に
下がる方向に揺動し、これによって用紙先端の通過およ
び用紙サイズを検出できる様になっている。
【0035】紙送りローラ19の下流には記録ヘッド2
1および該記録ヘッド21に対向してプラテン25が設
けられている。記録ヘッド21はキャリッジ23の下方
に設けられ、キャリッジ23に搭載されたインクカート
リッジ24からインクを供給されることにより、プラテ
ン25に押しつけられた用紙にインク滴を吐出する。キ
ャリッジ23は、プリンタ1の基体を構成する、装置右
側に立設されたサイドフレーム右8aおよび装置左側に
立設されたサイドフレーム左8b(図1参照)との間に
掛架された主キャリッジガイド軸22aおよび副キャリ
ッジガイド軸22bとにガイドされながら、キャリッジ
モータ20(図3参照)の駆動力を受けて主走査方向
(図2の紙面表裏方向)に往復動する様構成されてい
る。
【0036】次に、記録ヘッド21の下流には第1排紙
ローラ26が設けられ、該第1排紙ローラ26の下流に
は更に第2排紙ローラ27が設けられている。第1排紙
ローラ26および第2排紙ローラ27は、それぞれ駆動
モータ81(後述)によって回動駆動される第1排紙駆
動ローラ28および第2排紙駆動ローラ29と、これら
ローラに点接触して従動回動する第1排紙ギザローラ3
0および第2排紙ギザローラ31によって構成されてい
て、これら2組のローラで用紙を挟圧し、且つ、それぞ
れの駆動ローラが回動駆動されることによって用紙が排
紙トレイ10(図1参照)に排出される。
【0037】以上説明した給紙ローラ13、紙送りロー
ラ17(紙送り駆動ローラ15)、第1排紙ローラ26
(第1排紙駆動ローラ28)、第2排紙ローラ27(第
2排紙駆動ローラ29)は、本実施形態に係るプリンタ
100においては図3に示す様に1つの駆動モータ81
によって回動駆動される様に構成されている。図3にお
いて、制御部4は図示しないCPU、メモリ、モータド
ライバ等のハードウェア構成からなり、該制御部4によ
ってキャリッジモータ20および駆動モータ81が駆動
制御され、そして該制御部4には、各検出手段、即ち、
紙検出器12およびロール紙検出器63(後述)からの
検出信号が入力される様になっている。尚、駆動モータ
81は、前述した給紙ローラ13等の他に、後述する挟
圧ローラ37および補助ローラ47を回動駆動する様に
構成されている。また、駆動モータ81から当該挟圧ロ
ーラ37および補助ローラ47へ動力を伝達する動力伝
達装置については、後に詳しく説明する。
【0038】<2.ロール紙の巻き癖矯正装置の構成お
よび作用効果>次に、図4乃至図12および適宜その他
の図面をも参照しながら巻き癖矯正装置2の構成につい
て詳説する。ここで、図4は巻き癖矯正装置2の側断面
図、図5は揺動フレーム50の外観斜視図、図6は挟圧
ローラ37部分の拡大側断面図、図7は従動ローラホル
ダ57の外観斜視図、図8は揺動フレーム50の側面図
である。また、図9は、補助ローラ47へのロール紙突
入角度を変化させた状態の巻き癖矯正装置2の側断面図
であり、図10はロール紙P先端を補助ローラ47の上
に配置した状態の巻き癖矯正装置2の側断面図である。
更に、図11は挟圧ローラ37の他の実施形態を示す為
の斜視図、図12は補助ローラ47の他の実施形態を示
す為の側断面図である。
【0039】先ず、巻き癖矯正装置2の概略について説
明する。巻き癖矯正装置2は、ロールRから繰り出され
たロール紙Pの巻き癖を、当該巻き癖とは逆方向に湾曲
させる湾曲手段によって矯正する装置である。図4にお
いて、巻き癖矯正装置2は、ロールRから繰り出された
ロール紙Pを挟持して搬送する挟圧ローラ37と、該挟
圧ローラ37の下流側近傍に配置される補助ローラ47
とを備え、これらのローラによって前記湾曲手段を構成
する。
【0040】より詳しくは、挟圧ローラ37は、回動駆
動される駆動ローラ33と、該駆動ローラ33の周面に
対して押圧状態で接する周面を有し、且つ、駆動ローラ
33に圧接する位置を変位可能に配設された従動ローラ
35とから構成され、駆動ローラ33と従動ローラ35
とによってロール紙Pを挟持し、そして駆動ローラ33
を回動させることによってロール紙Pを下流側の補助ロ
ーラ47へ向けて繰り出す。挟圧ローラ37によって繰
り出されたロール紙Pは「案内面」としての補助ローラ
47の外周面に当接することによって湾曲し、略水平に
向きを変え、当該補助ローラ47の回動によってガイド
されながら下流側へと更に進む様になっている。尚、駆
動ローラ33と補助ローラ47とは、共に駆動モータ8
1(図3参照)によって回動駆動され、制御部4(図3
参照)による制御によって回転速度或いは回転方向を自
在に変更することができる様になっているが、駆動モー
タ81からこれらローラに動力を伝達する動力伝達装置
の構成については、後に詳しく説明する。
【0041】ここで、プリンタ1においてロールRから
繰り出されたロール紙Pは上に凸となる様な巻き癖を有
していて、補助ローラ47に当接して進行方向を変える
際には下に凸となる湾曲状態が付与されるので、従って
これによりロール紙Pの巻き癖が矯正され、印刷後には
巻き癖が低減或いは除去された状態となり、良好な印刷
結果を得ることができ、また、湾曲状態を付与する際に
は、湾曲部の内側に何らの構成要素も接触しないので、
ロール紙Pの印刷面に傷を付けたりする虞がなく、より
一層良好な巻き癖矯正を行うことが可能となっている。
【0042】尚、以上から、補助ローラ47はロール紙
Pを巻き癖に対して逆方向に湾曲させる「湾曲形成部」
としての機能を果たすことになる。また、挟圧ローラ3
7から補助ローラ47に突入するロール紙Pの突入角
度、或いは、挟圧ローラ37と補助ローラ47との距離
(配設間隔)は、ロール紙Pに付与される湾曲状態の曲
率を変更する要因となり、従ってこれらを調節すること
によって巻き癖の矯正程度を調節することが可能とな
る。また、補助ローラ47を通過するロール紙Pの速度
を変化させれば、ロール紙Pに湾曲状態が付与される時
間が変化するので、従って挟圧ローラ37によるロール
紙Pの送り速度(挟圧ローラ37の周速度:V)を調
節することによっても、巻き癖の矯正程度を調節するこ
とが可能となる。故に、この様に巻き癖の矯正程度を調
節する手段が、巻き癖矯正装置2における「矯正量調節
手段」となる。
【0043】また、挟圧ローラ37の上流側には、ロー
ル紙検出器63が設けられている。ロール紙検出器63
は、検出部本体61と検出レバー59とを備えてなる。
検出レバー59は検出部本体61からロール紙Pの経路
に突出した状態に置かれていて、ロール紙Pが通過する
ことにより検出部本体61側に押され、これによってロ
ール紙Pの通過を検出し、当該検出信号を制御部4に送
信する様に構成されている。従ってこれを利用し、例え
ばロール紙Pを巻き癖矯正装置2に最初にセットする際
に、ロール紙検出器63がロール紙Pの通過を検出して
から一定時間(例えば、2秒)経過した後に挟圧ローラ
37の回動を開始させ、以てロール紙Pをローディング
する、といったことが可能となる。以上が、巻き癖矯正
装置2の概略である。
【0044】次に、挟圧ローラ37の構成について詳説
する。図5に示す様に、巻き癖矯正装置2はロール紙P
の幅方向に長い揺動フレーム50を備えている。揺動フ
レーム50は図6に示す様に断面視において略コの字形
の形状をなし、当該コの字形の形状によって駆動ローラ
33と従動ローラ35とを上から覆う様な形状となって
いる。また、上面にはロール紙Pの幅方向に長い溝穴5
0aが形成されていて、当該溝穴50aにロール紙Pが
上方から入り、駆動ローラ33と従動ローラ35とにニ
ップされる様になっている。
【0045】駆動ローラ33はロール紙Pの幅方向に長
い軸体によって構成されていて、図5に示す様に揺動フ
レーム50の両端の折り曲げ部50bおよび50c(図
7参照)を軸通することにより、当該揺動フレーム50
が、駆動ローラ33を揺動軸として図6の実線で示す状
態と、符号50’および仮想線で示す状態との間で揺動
可能となっている。
【0046】従動ローラ35は、駆動ローラ33に対し
て装置前方側(図6の右側)に配置され、且つ、駆動ロ
ーラ35の軸方向に渡って複数個配設されてなる(図7
参照)。図6に示す様に各々の従動ローラ35は従動ロ
ーラホルダ55に回動可能に軸支され、そして該従動ロ
ーラホルダ55は、揺動フレーム50に、駆動ローラ3
3に対して進退可能な様に配設されている。
【0047】より詳しくは、従動ローラホルダ55は図
6および図7に示す様に2つの従動ローラ35を駆動ロ
ーラ33の軸方向に沿って軸支する軸支部55bと、当
該軸支部55bにおける、2つの従動ローラ35の中間
位置から従動ローラ35が退避すべき方向(図6の右方
向)に延びる摺動軸55aとを有している。該摺動軸5
5aは、揺動フレーム50のコの字形の形状を内から外
へ貫通する様に構成され、また、摺動軸55aにはコイ
ルばね57が挿通され、揺動フレーム50の内側と軸支
部55bとにばね力を付与する様になっている。従って
これにより従動ローラホルダ55は駆動ローラ33に対
して進退可能となり、且つ、コイルばね57によって従
動ローラ35の周面が駆動ローラ33の周面に常に圧接
する様になっている。
【0048】続いて、揺動フレーム50の一端側を形成
する折り曲げ部50cには、図8に示す様に連続した凹
凸形状からなるギア部51が形成されていて、一方で巻
き癖矯正装置2を構成する図示しないフレーム部材に
は、該ギア部51と噛合する歯車77が回動軸75aを
中心に回動可能に設けられている。歯車77には操作レ
バー75が取り付けられていて(図5も参照)、当該操
作レバー75を操作することによって歯車77が回動
し、以て図8(A),(B)に示す様に揺動フレーム5
0が揺動する。
【0049】ここで、従動ローラ35は揺動フレーム5
0に取り付けられた従動ローラホルダ55によって軸支
されているので、揺動フレーム50が駆動ローラ33を
揺動軸として揺動すると、図8に示す様に従動ローラ3
5は駆動ローラ33の周りを変位(遊星回転)すること
になる。つまり、揺動フレーム50の揺動によって従動
ローラ35は駆動ローラ33に圧接する位置を変位し、
当該変位によってロール紙Pが繰り出される方向(図8
の接線Tで示す方向)が変化し、以てロール紙Pの巻き
癖の矯正程度を調節することが可能となる。
【0050】尚、本実施形態における操作レバー75
は、図示しないスナップフィット手段によって図8
(B)に示す状態、即ち、駆動ローラ33の周面と従動
ローラ35の周面との接点における接線T(ロール紙P
が繰り出される方向)が垂直の状態と、図8(A)に示
す状態、即ち、接線Tが、垂直状態から25.0deg
傾いた状態(接線Tが装置後方上から装置前方下(図8
の左上から右下)に向かう方向に傾いた状態)と、これ
ら2つの状態の中間の状態、即ち、同12.5deg傾
いた状態とを段階的に切り替えることができる様になっ
ている。
【0051】ところで、駆動ローラ33は前述の様にロ
ール紙Pの幅方向に長い軸体によって構成されている。
図11(A)は当該駆動ローラ33の周面の状態を示す
ものであり、図11(A)に示す様に本実施形態に係る
駆動ローラ33は、ロール紙Pの幅方向に長い軸体33
aの外周に耐摩耗性粒子(例えば、セラミック粒子)が
接着材によって固着されてなる高摩擦層34aを有し、
当該高摩擦層34にロール紙Pを従動ローラ35によっ
て圧接させ、以てロール紙Pをスリップすることなく確
実に搬送する様構成している。しかし、当該構成に限ら
ず、例えば図11(B)の様な構成、即ち、ロール紙P
の幅方向に長い軸体33aにゴムローラ34bを配設
し、該ゴムローラ34bに、円周方向に沿って配設され
る複数(図11(B)では2つ)の従動ローラ35によ
ってロール紙Pを圧接させ、以てロール紙Pを搬送する
様構成することも可能である。この場合、駆動ローラ3
3をゴムローラによって構成できるので、駆動ローラ3
3の低コスト化を計ることができる。
【0052】続いて、補助ローラ47の構成について詳
説する。補助ローラ47は、図4を参照しつつ述べた通
り挟圧ローラ37の下流側近傍であって、挟圧ローラ3
7から繰り出されたロール紙Pに当接可能な位置に配設
されている。また、補助ローラ47は図5に示す様にロ
ール紙Pの幅方向に長い軸体47aの軸方向に渡って複
数個(本実施形態では6個)取り付けられている。
【0053】補助ローラ47は、挟圧ローラ37から繰
り出されたロール紙Pを下流側に正しく案内する為に、
ロール紙Pが進む方向(図4における時計方向)に回動
する様に構成されている。即ち、ロール紙Pの先端は補
助ローラ47の周面に当接し、湾曲して下流側へと進む
為、補助ローラ47への突入角度が急角度(例えば、図
8(B)の様な状態)であると、ロール紙Pの先端が本
来進むべき方向(装置前方)とは逆の方向(装置後方)
に進み、紙ジャムとなる虞がある。従ってこれを防止す
べく、補助ローラ47をロール紙Pが進む方向に回動駆
動することにより、ロール紙P先端を正しい方向に確実
に案内する様になっている。
【0054】ここで、本実施形態における当該補助ロー
ラ47の回動速度、より詳しくは、補助ローラ47外周
の周速度Vは、挟圧ローラ37の周速度Vよりも大
なる様に設定されている。つまり、補助ローラ47によ
る紙送り速度が、挟圧ローラ37による紙送り速度より
も大なる様に設定されている為、より一層確実にロール
紙P先端を正しい方向に案内することが可能となってい
る。ここで、本実施形態においてはV=2Vに設定
することによって前述した作用効果を確実に得る様に構
成されているが、V≧Vとなる様に設定されていれ
ば、前述した作用効果を得ることが可能となる。尚、補
助ローラ47の外周面を弾性材料(本実施形態ではゴム
材)によって形成すれば、前記作用効果を安価に得るこ
とが可能となる。
【0055】また、上述の様な補助ローラ47によるロ
ール紙P先端のガイド機能を、図12に示す様な構成に
よっても実現することができる。図12において、補助
ローラ47の装置後方側には突き当てロッド48と歯車
49とが配設されている。突き当てロッド48の上面に
は凹凸が形成され、従ってラック機構によって歯車49
が図12の反時計方向に回動すると、突き当てロッド4
8は図12(A)に示す様にロール紙Pに向かって進出
し、歯車49が図12の時計方向に回動すると図12
(B)に示す様にロール紙Pから退避する。従って、図
12(A)に示す様にロール紙P先端が補助ローラ47
に当接する際に、突き当てロッド48をロール紙P先端
部分の裏面から突き当てれば、図12(B)に示す様に
ロール紙P先端を下流側へ正しく流すことが可能とな
る。
【0056】次に、以上説明した巻き癖矯正装置2のそ
の他の作用効果について、図4および適宜その他の図面
をも参照しながら説明する。先ず、前述の通り挟圧ロー
ラ37は、回動駆動される駆動ローラ33と、該駆動ロ
ーラ33の周面に対して押圧状態で接する周面を有し、
且つ、駆動ローラ33に圧接する位置を変位可能に配設
される従動ローラ35とから構成されているので、操作
レバー75(図5または図8参照)を操作して従動ロー
ラ35を変位させれば、ロール紙Pが補助ローラ47に
進む角度を自在に変更することができる。つまり、ロー
ル紙Pを湾曲させる際の曲率を自在に変更することがで
きるので、従ってロール紙Pの紙質、使用環境等に応じ
て従動ローラ35を変位させれば、より適切な巻き癖の
矯正を行うことが可能となる。
【0057】特に、巻き癖の矯正程度が強いと、ロール
紙Pが当初の巻き癖とは逆方向に湾曲する現象が発生す
る(以下これを「オーバーデカール」と言う)。そし
て、オーバーデカールがロール紙Pの先端部分に発生す
ると、ロール紙P先端が記録ヘッド21に接触して印刷
面を汚したり、第1排紙ローラ26或いは第2排紙ロー
ラ27に正しくニップされずに紙ジャムとなったりする
虞がある。そこで、ロール紙Pの紙質に応じて従動ロー
ラ35を変位させ、巻き癖の矯正程度を調節すれば、こ
の様な不具合を防止することができる。
【0058】次に、挟圧ローラ37がロール紙Pを鉛直
下方に繰り出す様な従動ローラ35の位置(図8(B)
に示す状態)では、挟圧ローラ37から繰り出されたロ
ール紙Pと、補助ローラ47を通過したロール紙Pとの
なす角度が、搬送経路を側視して略直角をなす様に構成
されている(図4参照)。従って、ロール紙Pは進行方
向を急角度で変え、これによってロール紙Pには小さい
曲率の湾曲状態が形成され、以て当該従動ローラ35の
位置においてはロール紙Pが写真画質を実現する厚手の
コート紙の様なものであっても確実に巻き癖を矯正する
ことが可能となる。
【0059】尚、本実施形態においては、挟圧ローラ3
7がロール紙Pを鉛直下方に繰り出す様な従動ローラ3
5の位置(図8(B)に示す状態)において、駆動ロー
ラ33と従動ローラ35とのニップ点から補助ローラ4
7外周面に接触するまでの経路長が8mm以下に設定さ
れているので、これによってロール紙Pに形成される湾
曲状態がより一層強くなり、以て巻き癖を確実に矯正す
る様になっている。
【0060】続いて、本実施形態に係る巻き癖矯正装置
2は、ロール紙P先端部分の巻き癖を、先端部分以降の
巻き癖よりも緩やかに矯正する様に構成されている。よ
り詳しくは、ロール紙P先端部分が補助ローラ47を通
過する際の挟圧ローラ37の周速度VA1を、ロール紙
P先端部分以降が補助ローラ47を通過する際の挟圧ロ
ーラ37の周速度VA2よりも大なる様に設定してい
る。
【0061】即ち、オーバーデカールに伴う不具合は、
オーバーデカールしたロール紙P先端が紙経路途中で引
っ掛かったり、或いは、記録ヘッド21に擦れるといっ
たことであり、従ってロール紙P先端部分のみのオーバ
ーデカールが低減或いは除去されていれば、ロール紙P
先端部分以降のオーバーデカールがある程度顕著であっ
ても正常な印刷動作を行い、且つ、正常な印刷品質を得
ることは可能となる。この様な観点から、本実施形態に
おいては前述した手段によってロール紙P先端部分の巻
き癖を、ロール紙P先端部分以降の巻き癖よりも緩やか
に矯正する様に構成したので、従って例えば、ロールR
の巻き始め部分の巻き癖が強いことに鑑みて、巻き癖を
確実に矯正すべく、挟圧ローラ37と補助ローラ47と
の配設間隔を小さく設定する等によって湾曲形成部の曲
率を小さく設定した様な場合でも、ロール紙P先端部分
については巻き癖が緩やかに矯正される為、ロール紙P
先端部分のオーバーデカールが低減或いは防止され、以
て適切な印刷結果を得ることが可能となる。
【0062】尚、本実施形態では前述の通り挟圧ローラ
37の周速度Vを調節することによって巻き癖の矯正
程度を調節している為、巻き癖の矯正程度を調節する為
の専用の構成部品が不要となり、以て巻き癖矯正装置2
の低コスト化を計っているが、前述した通り巻き癖の矯
正程度を調節する為の手段としてはこれに限られず、例
えば、ロール紙P先端部分が補助ローラ47を通過する
際の曲率Rを、ロール紙P先端部分以降が補助ローラ
47を通過する際の曲率Rよりも大なる様にすること
によっても同様な効果を得ることができる。
【0063】より具体的には、本実施形態においては手
動によって変位動作させる従動ローラ35をモータ等の
動力を用いて自動で変位動作させる様に構成し、これに
よってロール紙Pの補助ローラ47への突入角度を変化
させる様に構成することもできるし、或いは、挟圧ロー
ラ37を補助ローラ47に対して進退可能に構成し、挟
圧ローラ37と補助ローラ47との間の経路長を変化さ
せる様に構成することもできる。特に、ロール紙Pの紙
厚が厚い様な場合には、最初にロール紙P先端部分が補
助ローラ47を通過する際の搬送負荷が大なるものとな
り、挟圧ローラ37の周速度VA1を充分に大きく設定
できない虞があるが、前述の様に補助ローラ47を通過
する際の曲率Rを調節する手段によれば、ロール紙Pの
紙厚が厚い場合でも、緩やかな曲率で補助ローラ47を
無理なく確実に通過させることができ、そしてこれによ
ってロール紙P先端部分のオーバーデカールを低減或い
は防止することが可能となる。
【0064】更に加えて、本実施形態に係る巻き癖矯正
装置2は、挟圧ローラ37がロール紙Pの紙送り動作
(搬送動作)を行わない休止状態に入る前に、挟圧ロー
ラ37を駆動制御してロール紙P先端を補助ローラ47
の上流側に配置する様に構成されている(図10に示す
状態)。この理由は、以下の通りである。即ち、ロール
紙Pを長期間巻き癖矯正装置2の紙経路中にセットした
ままにすると、補助ローラ47によって湾曲された部分
に湾曲癖が残ってしまい、従って次に印刷を開始する際
には当該湾曲癖の残った部分が紙経路途中で引っ掛かっ
て紙ジャムとなったり、或いは記録ヘッド21との距離
が不均一となって印刷品質が低下する等の種々の不具合
を招くことになる。
【0065】また、前述の通りロール紙Pを給送する前
記第1の給装経路と、湾曲した給送経路を通過できない
厚手の用紙を略水平に手差し給送する前記第2の給送経
路とは、巻き癖矯正装置2において交差して合流するの
で、ロール紙Pが巻き癖矯正装置2にセットされた状
態、つまり、ロール紙Pが挟圧ローラ37と補助ローラ
47との間の紙経路に存在する状態では、前記第2の給
送経路を利用することができず、従って前記第2の給送
経路を利用するにはロール紙Pを予め除去しておかなけ
ればならない。
【0066】そこで、本実施形態に係る巻き癖矯正装置
2は、前述の通り挟圧ローラ37がロール紙Pの搬送動
作を行わない休止状態に入る前に、挟圧ローラ37を駆
動制御してロール紙P先端を補助ローラ47の上流側に
配置し、これによって前記第2の給送経路を開放する様
に構成されている為、ロール紙Pには長期に渡って巻き
癖矯正の為の湾曲状態が形成されず、ロール紙Pには湾
曲癖が残らないし、次に前記第2の給送経路を利用する
際にも、特別な作業を必要とせず直ちに印刷を実行する
ことが可能となる。
【0067】尚、挟圧ローラ37がロール紙Pの搬送動
作を行わない休止状態とは、挟圧ローラ37によるロー
ル紙Pの紙送り動作を以降に控えていない状態(次の紙
送り動作を行うまでの時間が未定の状態)を意味し、例
えば、プリンタ1において一連の印刷ジョブが終了し、
且つ、次の印刷ジョブが控えていない状態をいう。
【0068】ところで、巻き癖矯正装置2は、休止状態
に入る前にロール紙P先端を補助ローラ47の上流側に
配置する際に、ロール紙P先端が挟圧ローラ37に挟持
された状態を保持する様に構成されている。従って、次
に紙送り動作を開始する際にロール紙P先端を挟圧ロー
ラ37に通紙する作業が不要となり、以て容易に次回の
ロール紙Pの紙送り動作を実行することが可能となって
いる。
【0069】<3.動力伝達装置の構成および作用効果
>次に、図13乃至図16を参照しつつ、駆動モータ8
1から挟圧ローラ37および補助ローラ47へ動力を伝
達する動力伝達装置80の構成および作用効果について
説明する。ここで、図13および図14は動力伝達装置
80を構成する歯車輪列の正面図、図15はロックピン
89(後述)の動作を示す説明図、図16は遊星レバー
95(後述)の動作を示す説明図である。
【0070】先ず、動力伝達装置80の大略について説
明する。動力伝達装置80は図1に示す様にプリンタ1
の基体を構成するサイドフレーム左8bに設けられてい
る。図13に示す様に、サイドフレーム左8bの前方側
(図13の右側)には駆動モータ81が、その回動軸8
1aがサイドフレーム8bがなす平面と直交する様に固
設されている。また、サイドフレーム8bには、円盤面
がサイドフレーム左8bのなす平面と平行になる様に複
数の歯車が設けられ、動力伝達装置80の歯車輪列を構
成している。そして、該歯車輪列を介して、回動軸81
aに取り付けられたピニオン歯車83から、サイドフレ
ーム左8bの後方側(図13の左側)に設けられた、前
述した駆動ローラ33の軸端に取り付けられた駆動ロー
ラ歯車121(図5参照)と、補助ローラ軸47aの軸
端に取り付けられた補助ローラ歯車119とに動力が伝
達される。
【0071】ここで、動力伝達装置80は、駆動ローラ
歯車121および補助ローラ歯車119への動力伝達経
路として、伝達歯車103から左方向に動力を伝達する
第1の動力伝達経路(歯車輪列)と、伝達歯車109か
ら左方向に動力を伝達する第2の動力伝達経路(歯車輪
列)との2つの動力伝達経路を有していて、更に、これ
ら2つの動力伝達経路のいずれか一方を選択的に切り替
える動力伝達切り替え手段を有している。図13は、駆
動モータ81の回動力を前記第1の動力伝達経路を利用
して伝達する様子を示すものであり、図14は、同じく
前記第2の動力伝達経路を利用して伝達する様子を示し
ていて、図中の矢印はそれぞれの歯車の回転方向を示し
ている。以上が、動力伝達装置80の大略である。
【0072】以下、前記第1の動力伝達経路、前記第2
の動力伝達経路、前記動力伝達切り替え手段の詳細な構
成について説明する。先ず、図13において、前記第1
の動力伝達経路は、符号103、105、107、11
5、117で示す伝達歯車によって形成されていて、当
該順に駆動モータ81の動力が伝達され、最終的には伝
達歯車115が駆動ローラ歯車121に、伝達歯車11
7が補助ローラ歯車119に動力を伝達する。また、当
該歯車輪列の一番先頭の伝達歯車103へは、遊星歯車
87によって動力が伝達される。
【0073】次に、図13において前記第2の動力伝達
経路は、符号109、111、113、115、117
で示す伝達歯車によって形成されていて、当該順に駆動
モータ81の動力が伝達され、最終的には前記第1の動
力伝達経路と同様に、伝達歯車115が駆動ローラ歯車
121に、伝達歯車117が補助ローラ歯車119に動
力を伝達する。また、当該歯車輪列の一番先頭の伝達歯
車109へ動力を伝達するのは、前記第1の動力伝達経
路と同様に遊星歯車87となっている。
【0074】遊星歯車87は太陽歯車85と常に噛合
し、且つ、太陽歯車85の周りを遊星回動(公転)する
様に構成されている。太陽歯車85は伝達歯車101と
によって2段歯車を構成し、ピニオン歯車83、伝達歯
車99、伝達歯車101、太陽歯車85、の順に駆動モ
ータ81の回動力が伝達され、そして遊星歯車87が回
動(自転)する様になっている。
【0075】ここで、遊星歯車87は、太陽歯車85と
回動中心を同じくし且つ太陽歯車85とは独立して自由
回動可能な遊星レバー95に軸支されている。遊星レバ
ー95は円盤形状をなし、外周部には、図13および図
14に示す様に径方向寸法を大きくして扇形の形状をな
す様に形成された第1係合部95aおよび第2係合部9
5bとが形成されている。尚、第2係合部95bは、第
1係合部95aよりも図13の反時計方向側に設けら
れ、また、第1係合部95aよりも円周寸法が小なる様
に形成されていて、遊星歯車87は、第1係合部95a
の部分に取り付けられている。
【0076】以上により、遊星レバー95が回動すると
遊星歯車87が太陽歯車85の周りを遊星回動し、これ
によって遊星歯車87が、伝達歯車103(第1の動力
伝達経路)との噛合状態と、伝達歯車109(第2の動
力伝達経路)との噛合状態とを切り替える様になってい
る。即ち、遊星レバー95と、遊星歯車87とが動力伝
達装置80における動力伝達切り替え手段を構成する。
【0077】続いて、遊星歯車87が伝達歯車103と
噛合する遊星レバー95の位置(以下これを「第1の連
結位置」と言う)と、遊星歯車87が伝達歯車109と
噛合する遊星レバー95の位置(以下これを「第2の連
結位置」と言う)とに、当該遊星レバー95を固定する
ストッパ手段について説明する。図15に示す様に、サ
イドフレーム左8bに直交する方向に延びるストッパピ
ン89が、サイドフレーム左8bを貫通して遊星レバー
95に対して進退可能となる様に設けられている。
【0078】ストッパピン89は付勢ばね90によって
常に遊星レバー95に進出する方向に付勢されていて、
遊星レバー95に進出した状態では、図15(A)に示
す様にその先端部が遊星レバー95の外周部に形成され
た第1係合部95a或いは第2係合部95bと係合可能
な状態となる様に構成されている(図13および図14
も参照)。従ってストッパピン89が遊星レバー95に
対して進出した状態では、遊星レバー95の回動動作が
規制されることになる。以上により、遊星レバー95に
設けられた第1係合部95aおよび第2係合部95b
と、ストッパピン89とが、遊星レバー95を前記第1
の連結位置および前記第2の連結位置に固定するストッ
パ手段となる。
【0079】一方、サイドフレーム左8bの内側(図1
5の右側)には鉛直方向(図15の紙面表裏方向)に平
行な回動軸91aを有する解除レバー91が、ストッパ
ピン89から装置前方側(図15の下側)に設けられて
いる。解除レバー91は回動軸91aからストッパピン
89に向かって延びるレバー部91cと、回動軸91a
からレバー部91cとは逆方向に延びるキャリッジ係合
部91bとを有し、レバー部91cは、ストッパピン8
9に形成されたレバー係合部89aと係合可能となって
いる。従って、解除レバー91が回動軸91aを中心に
回動すると、レバー部91cが付勢ばね90の付勢力に
抗してストッパピン89を退避方向に移動させ、これに
よってストッパピン89の先端部が遊星レバー95から
外れ、遊星レバー95が自由回動可能になる(図15
(B)の状態)。
【0080】ここで、ストッパピン89の進退動作、即
ち、解除レバー91の回動動作は、キャリッジ23によ
って行われる様に構成されている。解除レバー91の前
方側(図15の下側)はキャリッジ23の往復動領域と
なっていて、回動軸91aから延びるキャリッジ係合部
91bは、当該キャリッジ23の往復動領域に突出する
様に形成されている。従ってキャリッジ23が往復動領
域の左端、即ちサイドフレーム左8bの側に移動する
と、図15(A)から図15(B)への変化の如くキャ
リッジ23がキャリッジ係合部91bを押すことによっ
て解除レバー91が回動し、これによってストッパピン
89が遊星レバー95から退避する方向に移動する。
【0081】次に、遊星レバー95の回動動作について
詳説する。図13に示す様に、第1の連結位置では第1
係合部95aの側壁にストッパピン89が位置し、これ
によって遊星歯車87を伝達歯車103から離間させる
方向に太陽歯車85が回動(図13では時計方向の回
動)しても、伝達歯車103との噛合状態が維持される
様になっている。そして、当該状態からストッパピン8
9を退避させ、太陽歯車85を図13の時計方向に回動
させると、遊星歯車87が伝達歯車103から離れ、や
がて伝達歯車109と噛合する。そして、当該状態でス
トッパピン89を遊星レバー95へ進出させると、図1
4に示す様に第2係合部95bの側壁にストッパピン8
9が位置し、これによって遊星歯車87を伝達歯車10
9から離間させる方向に太陽歯車85が回動(図14で
は反時計方向の回動)しても、伝達歯車109との噛合
状態が維持される様になっている。
【0082】以下、以上の様に構成された動力伝達装置
80の作用効果について説明する。動力伝達装置80に
おいて、駆動モータ81の回動力を伝達歯車103(第
1の動力伝達経路)を介して補助ローラ歯車119およ
び駆動ローラ歯車121に伝達する際の速度伝達比h
と、同じく伝達歯車109(第2の動力伝達経路)を介
して伝達する際の速度伝達比hとは、h=4h
なる様にそれぞれの歯車輪列が構成されている。即ち、
伝達歯車109(第2の動力伝達経路)を利用するほう
が、低トルクで補助ローラ歯車119および駆動ローラ
歯車121を回動駆動することが可能となっている。
【0083】これは、以下の様な理由による。即ち、前
述した様に巻き癖矯正装置2には、ロール紙P先端部分
の巻き癖を、先端部分以降の巻き癖よりも緩やかに矯正
する為に、ロール紙P先端部分が補助ローラ47を通過
する際の挟圧ローラ37の周速度VA1を、ロール紙P
先端部分以降が補助ローラ47を通過する際の挟圧ロー
ラ37の周速度VA2よりも大なる様に設定している。
ここで、ロール紙P先端が補助ローラ47を通過する際
には、ロール紙Pを湾曲させなければならないことか
ら、ロール紙P先端部分以降が補助ローラ47を通過す
る時よりも搬送負荷が増大し、ロール紙Pが特に厚手の
写真用紙等である場合には、前記周速度V A1を充分に
大きく設定することができない虞もある。
【0084】そこで、本実施形態に係る動力伝達装置8
0は、ロール紙P先端部分が通過する際には伝達歯車1
09(第2の動力伝達経路)を介して動力を伝達し、こ
れによって挟圧ローラ37を確実に回動駆動すると共
に、ロール紙P先端部分以降が通過する際には伝達歯車
103(第1の動力伝達経路)を介して動力を伝達する
ことによって最適な動力伝達を行える様になっている。
【0085】ところで、動力伝達装置80における動力
伝達切り替え手段は、遊星歯車87を伝達歯車103
(第1の動力伝達経路)および伝達歯車109(第2の
動力伝達経路)のいずれにも連結しない非連結位置を備
えている。図16(C)は、当該非連結位置を示したも
のである。ストッパピン89は、前述した様に第1係合
部95aにおける第2係合部95bから遠い側の側壁と
係合することによって遊星レバー95を第1の連結位置
に固定し(図16(A)の状態)、第2係合部95bに
おける第1係合部95aから遠い側の側壁と係合するこ
とによって遊星レバー95を第2の連結位置に固定する
(図16(B)の状態)が、ストッパピン89の進退動
作および遊星レバー95の回動動作とのタイミングを調
節すれば、ストッパピン89を第1係合部95aと第2
係合部95bとの間に配置することもできる。こうする
ことにより、遊星歯車87は伝達歯車103と伝達歯車
109とのいずれにも噛合しない状態を維持することが
可能となり、動力伝達装置80が駆動モータ81に対し
て負荷を与えない状態を形成することができる。
【0086】つまり、駆動モータ81は、前述した通り
プリンタ1において種々の駆動対象(例えば、紙送り駆
動ローラ15:図2参照)を駆動する為、動力伝達装置
80が駆動モータ81に対して大きな負荷を与えると、
例えば紙送り駆動ローラ15によるロール紙Pの精密送
り動作に影響を与え、印刷品質が低下する虞もある。し
かし、前述の様に動力伝達装置80は無負荷状態を形成
することができるので、これによって前述の様な不具合
を防止することが可能となる。
【0087】次に、以下では、挟圧ローラ37によるロ
ール紙Pの紙送り速度(V:挟圧ローラ37の周速
度)と、紙送りローラ19(図2参照)によるロール紙
Pの紙送り速度(V:紙送りローラ19の周速度)と
の関係について説明する。図2において、挟圧ローラ3
7と紙送りローラ19とはいずれも回動駆動されるロー
ラであり、ロール紙Pは、これら2つのローラによる紙
送り動作を受けて精密送りされる。従って、ロール紙P
はこれらローラの協働作用によって記録ヘッド21下へ
と精密送りされることとなり、挟圧ローラ37による紙
送り動作と紙送りローラ19による紙送り動作とを同期
させることは、適切な印刷結果を得る上で重要となる。
【0088】そこで、プリンタ1においては、挟圧ロー
ラ37による紙送り速度(挟圧ローラ37の周速度
)を、紙送りローラ19による紙送り速度(紙送り
ローラ19の周速度V)よりも大なる様に設定してい
る。以下、挟圧ローラ37の周速度Vを、紙送りロー
ラ19の周速度Vよりも大なる様にすることによって
得られる作用効果について説明する。
【0089】挟圧ローラ37の下流側近傍には補助ロー
ラ47が配設されていて、ロール紙Pは当該補助ローラ
47に当接し、そして湾曲して下流側に進む。従って、
補助ローラ47は挟圧ローラ37に搬送負荷を発生させ
る搬送負荷発生部となり、この様に搬送負荷発生部があ
ると、挟圧ローラ37においてロール紙Pがスリップし
たり、或いは挟圧ローラ37が所定量回動しない事態が
発生する。すると、補助ローラ47の下流側に位置する
紙送りローラ19との同期が取れなくなり、結果として
紙送りローラ19によるロール紙Pの精密送り動作に悪
影響を及ぼし、印刷品質の低下を招来する虞がある。
【0090】そこでプリンタ1においては、前述の様に
挟圧ローラ37の周速度Vを紙送りローラ19の周速
度Vよりも大なる様にすることによって、補助ローラ
47の存在によって発生する搬送負荷と、挟圧ローラ3
7による、紙送りローラ19よりも若干紙送り量が多い
紙送り動作とが打ち消し合う様に構成した。従ってこれ
により、紙送りローラ19によるロール紙Pの精密送り
動作に影響を与えず、適切な印刷品質が得られる様にな
っている。尚この場合において、補助ローラ47によっ
て発生する搬送負荷の大きさに応じて挟圧ローラ37の
周速度Vと紙送りローラ19の周速度Vとが決定さ
れることが望ましい。
【0091】ところで、挟圧ローラ37の周速度V
紙送りローラ19の周速度Vよりも大なる場合に、結
果として補助ローラ47から下流に進むロール紙Pの進
み量が紙送りローラ19による紙送り量よりも多くなる
場合もある。この様な場合、補助ローラ47から紙送り
ローラ19に至る紙経路中においてロール紙Pに撓みが
生じることになる。この撓みは、特に1巻分のロールR
に連続して印刷を行う様な場合は無視できない大きさと
なり、紙経路途中における紙ジャム発生の原因となる虞
もある。
【0092】そこで、本実施形態に係るプリンタ1で
は、補助ローラ47から紙送りローラ19に至る紙経路
中に、ロール紙Pの撓みを規制するガイド手段を設けて
いる。図2において用紙ガイド後上69、用紙ガイド後
下71、用紙ガイド前上73、用紙ガイド前下74、紙
送り従動ローラホルダ18は当該ガイド手段を構成し、
補助ローラ47から紙送りローラ19に向かうロール紙
Pは、当該ガイド手段によって表裏面をガイドされ、そ
して撓みが規制される様になっている。
【0093】従ってこれにより、補助ローラ47から紙
送りローラ19に至る紙経路中においてロール紙Pに極
端な撓みが発生し、そして当該撓みが原因となって紙ジ
ャムとなったりする虞が無く、円滑な紙送り動作を実行
することが可能となる。尚、この場合において前記ガイ
ド手段によって規制された撓みは、専ら紙送りローラ1
9におけるスリップ現象を介してロール紙Pが当該紙送
りローラ19から下流側に余分に送られることによって
解放される。従って、補助ローラ47から下流側に進む
ロール紙の進み量と、紙送りローラ19による紙送り量
との差は、記録ヘッド21における印刷品質を一定以上
に維持できる様な差であることが望ましい。
【0094】また、本実施形態の様にガイド手段を設け
てロール紙Pの撓みを規制するのでは無く、補助ローラ
47から紙送りローラ19に至る紙経路途中に、ロール
紙Pの撓みを紙ジャムを発生させることなく安全に吸収
できる様な撓み空間を設けても良い。この場合、ロール
紙Pに生じた撓みが紙送りローラ19による精密送り動
作に殆ど影響を与えないので、より一層高品質な印刷結
果を得ることが可能となる。
【0095】尚、以上説明した挟圧ローラ37を「第1
の搬送ローラ」とし、紙送りローラ19を「第2の搬送
ローラ」とし、補助ローラ47を「搬送負荷発生部」と
すれば、本実施形態の構成、特に、巻き癖矯正装置2に
限定されることなく、前述した作用効果を得ることが可
能となる。即ち、搬送媒体を挟持して搬送する「第1の
搬送ローラ」と、該第1の搬送ローラの下流近傍に設け
られ、該第1の搬送ローラから繰り出された搬送媒体に
負荷を与えることによって前記第1の搬送ローラに搬送
負荷を発生させる「搬送負荷発生部」と、該搬送負荷発
生部の下流に設けられ、搬送媒体を挟持して下流側に精
密送りする「第2の搬送ローラ」とを備えた「搬送媒体
送り装置」において、前記第1の搬送ローラによる搬送
媒体の送り速度が、前記第2の搬送ローラによる搬送媒
体の送り速度よりも大なる様に設定されていれば、前記
搬送負荷発生部による搬送負荷と、前記第1の搬送ロー
ラによる、前記第2の搬送ローラよりも若干送り量が多
い搬送媒体送り動作とが打ち消し合い、これによって前
記第2の搬送ローラによる精密送り動作に影響を与え
ず、適切な搬送動作を行うことが可能となる。
【0096】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、第
1の動力伝達経路と、該第1の動力伝達経路よりも速度
伝達比の小なる第2の速度伝達経路とを有し、動力伝達
切り替え手段によっていずれか一方を選択的に切り替え
可能となっているので、ロール紙を搬送する挟圧ローラ
に最も回動負荷が掛かる時、つまり、ロール紙先端部分
が湾曲形成部を通過する際に前記第2の動力伝達経路を
選択すれば、駆動モータに必要以上の負荷を掛けない様
にすることができ、以て前記駆動モータを駆動源とする
搬送ローラ等の送り精度低下を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェットプリンタの外観斜
視図である。
【図2】本発明に係るインクジェットプリンタの側断面
概略図である。
【図3】本発明に係るインクジェットプリンタの制御系
のブロック図である。
【図4】巻き癖矯正装置の側断面図である。
【図5】揺動フレームの外観斜視図である。
【図6】挟圧ローラの側面図である。
【図7】従動ローラホルダの外観斜視図である。
【図8】揺動フレームの側面図である。
【図9】巻き癖矯正装置の側断面図である。
【図10】巻き癖矯正装置の側断面図である。
【図11】巻き癖矯正装置の挟圧ローラの他の実施形態
を示す斜視図である。
【図12】巻き癖矯正装置の、補助ローラの他の実施形
態を示す側断面図である。
【図13】動力伝達装置の歯車輪列の正面図である。
【図14】動力伝達装置の歯車輪列の正面図である。
【図15】ロックピンの動作を示す説明図である。
【図16】遊星レバーの動作を示す説明図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ 2 ロール紙の巻き癖矯正装置 5 給紙装置 8 フレーム 8a サイドフレーム右 11 ロール紙供給装置 12 紙検出器 13 給紙ローラ 19 紙送りローラ 20 キャリッジモータ 21 印刷ヘッド 23 キャリッジ 26 第1排紙ローラ 27 第2排紙ローラ 37 挟圧ローラ 47 補助ローラ 50 揺動フレーム 63 ロール紙検出器 80 動力伝達装置 85 太陽歯車 87 遊星歯車 89 ロックピン 95 遊星レバー 99〜117 伝達歯車 119 補助ローラ歯車 121 駆動ローラ歯車 R ロール紙ロール P ロール紙

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被記録材に記録を行う記録ヘッドと、 該記録ヘッドへ向けてロール紙を精密送りする搬送ロー
    ラと、 該搬送ローラを回動駆動する駆動モータと、 前記搬送ローラの上流側または下流側に設けられ、ロー
    ル紙を湾曲させる湾曲手段によってロール紙の巻き癖を
    矯正するロール紙の巻き癖矯正装置と、を備えた記録装
    置であって、 前記湾曲手段が、ロール紙を挟持して搬送する、前記駆
    動モータを駆動源とする挟圧ローラと、 該挟圧ローラの下流側近傍に配置され、巻き癖に対して
    ロール紙を逆方向に湾曲させる湾曲形成部と、からな
    り、 前記駆動モータから前記挟圧ローラへ動力を伝達する動
    力伝達装置が、前記駆動モータから前記挟圧ローラへ動
    力を伝達する第1の動力伝達経路と、該第1の動力伝達
    経路よりも速度伝達比の小なる第2の動力伝達経路と、
    のいずれか一方を選択的に切り替える動力伝達切り替え
    手段を有し、 前記動力伝達切り替え手段が、ロール紙先端部分以降が
    前記湾曲形成部を通過する際に前記第1の動力伝達経路
    を選択し、 ロール紙先端部分が前記湾曲形成部を通過する際に前記
    第2の動力伝達経路を選択する様に構成されている、こ
    とを特徴とする記録装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記動力伝達切り替
    え手段が、前記駆動モータの回動によって回動する太陽
    歯車と、 該太陽歯車の周りを遊星回動する遊星歯車と、 回動可能に設けられ、回動することにより、前記遊星歯
    車が前記第1の動力伝達経路に連結する第1の連結位置
    と、前記第2の動力伝達経路に連結する第2の連結位置
    と、を変位する、前記遊星歯車を軸支する遊星レバー
    と、 前記遊星レバーを前記第1の連結位置および前記第2の
    連結位置に固定するストッパ手段と、からなることを特
    徴とする記録装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記ストッパ手段
    が、前記遊星レバーにおいて前記第1の連結位置用およ
    び前記第2の連結位置用にそれぞれ設けられる第1の係
    合部および第2の係合部と、 前記遊星レバーに対して進退可能に設けられ、進出する
    ことによって前記第1の係合部および前記第2の係合部
    と係合するストッパピンと、からなることを特徴とする
    記録装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、主走査方向に往復動
    可能に設けられるキャリッジが前記ストッパピンと係合
    可能に構成され、 前記キャリッジを駆動制御することにより、前記ストッ
    パピンの前記遊星レバーに対する進退動作を実行可能に
    構成されている、ことを特徴とする記録装置。
  5. 【請求項5】 請求項2から4のいずれか1項におい
    て、前記動力伝達切り替え手段が、前記遊星歯車を前記
    第1の動力伝達経路および前記第2の動力伝達経路のい
    ずれにも連結しない非連結位置を備えている、ことを特
    徴とする記録装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれか1項におい
    て、ロール紙先端部分が前記湾曲形成部を通過する速度
    A1が、ロール紙先端部分以降が前記湾曲形成部を通
    過する速度VA2よりも大なる様に設定されていること
    を特徴とする記録装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から6のいずれか1項におい
    て、前記挟圧ローラが、回動駆動される駆動ローラと、 該駆動ローラの周面に対して押圧状態で接する周面を有
    し、且つ、前記駆動ローラに圧接する位置を変位可能に
    配設される従動ローラと、からなることを特徴とする記
    録装置。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のいずれか1項におい
    て、前記湾曲形成部が、前記挟圧ローラから繰り出され
    たロール紙と当接する位置に配置され、ロール紙の進行
    方向を変えることによってロール紙に所定の湾曲状態を
    形成し、且つ、回動することによってロール紙を下流側
    へ案内する補助ローラによって構成されている、ことを
    特徴とする記録装置。
  9. 【請求項9】 請求項8において、前記補助ローラ外周
    の周速度Vが、前記挟圧ローラ外周の周速度Vより
    も大なる様に設定されていることを特徴とする記録装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項1から9のいずれか1項におい
    て、前記挟圧ローラから繰り出されたロール紙と、前記
    湾曲形成部を通過したロール紙とのなす角度が、搬送経
    路を側視して略直角をなす様に構成されている、ことを
    特徴とする記録装置。
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