JP2003169697A - 水中のリン酸計測方法と装置 - Google Patents

水中のリン酸計測方法と装置

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JP2003169697A
JP2003169697A JP2001371761A JP2001371761A JP2003169697A JP 2003169697 A JP2003169697 A JP 2003169697A JP 2001371761 A JP2001371761 A JP 2001371761A JP 2001371761 A JP2001371761 A JP 2001371761A JP 2003169697 A JP2003169697 A JP 2003169697A
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Takashi Inui
貴誌 乾
Yoshiharu Tanaka
良春 田中
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Fuji Electric Co Ltd
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Fuji Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料水中の無機リン酸濃度を、他の物質の影
響を受けることなく正確に、リアルタイムで連続計測可
能な水中のリン酸計測方法および装置を提供する。 【解決手段】 無機リン酸(Pi)を含む試料水12に、
グリセルアルデヒド-3-リン酸(GAP)および補酵素ニコ
チンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)を含む試薬
13を混合し、リアクタ1において、酵素グリセルアル
デヒド-3-リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)を触媒とし
て、グリセリン酸-1,3-二リン酸(GDP)および還元型ニ
コチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADH)を生成
し、このNADHの生成量を、リアクタ前後のフローセル6
a,6b部における波長340nmの光の吸光度変化量とし
て光学的に検出することにより、試料水中の無機リン酸
濃度を計測する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、都市下水や産業
排水あるいは水道原水のリン酸濃度、特に無機リン酸の
濃度を計測する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、湖沼や湾などへ流入する下水の窒
素やリンによって、これらの閉鎖性水域での富栄養化が
進行している。このため、植物プランクトンの異常繁殖
が発生し、水道水の異臭味や植物プランクトン由来の毒
性物質混入、港湾での溶存酸素不足による養殖被害の原
因となっている。このような背景から窒素、リンに対す
る総量規制等の規制強化や下水処理場への高度処理導入
の動きが活発になっている。
【0003】下水高度処理におけるリン除去法には物理
化学的手法と生物学的手法があり、前者は凝集法、後者
は嫌気−好気法(AO法)、嫌気−無酸素−好気法(A2O
法)などがある。凝集法は原水または沈殿水に凝集剤を
添加してリンを凝集沈殿させる方式である。AO、A2O法
は活性汚泥が酸素のない嫌気条件下で菌体内に蓄積して
いるポリリン酸をオルトリン酸として放出し、好気条件
下で放出した以上のオルトリン酸を摂取し菌体内に蓄積
することを利用してリン除去を行なっている。
【0004】以上の処理法において、最適なリン除去処
理を行なうには、前者は凝集剤の注入率制御、後者は微
生物の嫌気条件下でのリン酸放出量制御および好気条件
下でのリン酸摂取量制御を行なう必要がある。そのた
め、流入水や処理水中の無機リン酸濃度をリアルタイム
で、連続計測可能なリン酸検出方法および装置が必要と
されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、リン酸濃度測定
法として、吸光光度法であるモリブデン−アスコルビン
酸法(JIS K0101 43.1およびJIS K0102 46.1)が一般的
に用いられている。この方法を自動化した自動全リン測
定装置やリン酸測定装置があるが、試料水中の他の成分
の吸収による測定誤差があること、メンテナンスが煩雑
であり連続計測が困難であること、装置価格が高い(約
800万円/台)ことなどの問題があり、プロセス制御に
は用いられていない。
【0006】この発明は、上記従来の問題点に鑑みてな
されたもので、この発明の課題は、試料水中の無機リン
酸濃度を他の物質の影響を受けることなく正確に、リア
ルタイムで、連続計測可能な水中のリン酸計測方法およ
び装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めに、この発明によれば、無機リン酸(Pi)を含む試料
水に、酵素グリセルアルデヒド-3-リン酸(GAP)および
補酵素ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD+
を含む試薬を混合し、酵素グリセルアルデヒド-3-リン
酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)を触媒として、下記反応
(1)により、グリセリン酸-1,3-二リン酸(GDP)およ
び還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NAD
H)を生成し、このNADHの生成量を、波長340nmの光の吸
光度変化量として光学的に検出することにより、前記試
料水中の無機リン酸濃度を計測する(請求項1の発
明)。
【0008】 (GAPDH) GAP + Pi + NAD+ ⇔ GDP + NADH + H+ (1) 上記計測方法を実施するための装置としては、下記請求
項5の発明が好ましい。即ち、請求項1に記載の計測方
法を実施するための装置であって、前記酵素(GAPDH)
を充填または固定化したリアクタと、このリアクタ前後
に配設したフローセルと、この各フローセルに波長340n
mの光を照射する光源およびその透過光量を検出する受
光素子と、前記前後の受光素子で検出した透過光量の差
に基づき前記試料水中の無機リン酸濃度を演算する演算
手段と、前記試料水および試薬の送液手段とを備えるも
のとする。
【0009】上記請求項1および5の発明によれば、前
記酵素(GAPDH)の触媒反応によるリン酸消費量を、吸
光度変化量として光学的に検出することができ、試料水
中のリン酸濃度をリアルタイムで連続計測する事が可能
となり、下水高度処理におけるリン除去処理の制御が可
能となる。
【0010】また、前記請求項1の発明とは異なるこの
発明の計測方法によれば、前記請求項1に記載の反応
(1)で生成したNADHを、酵素NADHオキシダーゼ(NO
D)を触媒として、下記反応(2)により、NAD+および
過酸化水素(H2O2)を生成し、前記反応(2)の生成物
に、ルミノールを含む試薬を混合し、酵素ペルオキシダ
ーゼ(POD)を触媒として、下記反応(3)により発生
する青色発光(hν)の発光量を検出することにより、
前記試料水中の無機リン酸濃度を計測する(請求項2の
発明)。
【0011】 (NOD) NADH + H+ + O2 → NAD+ + H2O2 (2) (POD) H2O2 + ルミノール → アミノフタル酸 + H2O + N2 +hν (3) 上記計測方法を実施するための装置としては、下記請求
項6ないし7の発明が好ましい。即ち、請求項2に記載
の計測方法を実施するための装置であって、前記酵素
(GAPDH),(NOD)および(POD)を充填または固定化
したリアクタと、このリアクタの後段に配設したフロー
セルと、この各フローセル内の試料液が発する青色発光
(hν)の発光量を検出する受光素子と、この受光素子
での検出値に基づき前記試料水中の無機リン酸濃度を演
算する演算手段と、前記試料水および試薬の送液手段と
を備えるものとする(請求項6の発明)。また、請求項
6に記載のリン酸計測装置において、前記リアクタに代
えて、前記三種類の酵素を固定化した酵素固定化膜を用
い、この酵素固定化膜と受光素子とを前記フローセル内
に配設して一体化してなるものとする(請求項7の発
明)。
【0012】上記請求項2、6および7の発明によれ
ば、前記酵素(GAPDH)の触媒反応によるリン酸消費量
を、最終的に化学発光量として検出することができ、前
記発明と同様に試料水中のリン酸濃度をリアルタイムで
連続計測する事が可能となる。また、請求項7の発明に
よれば、装置がコンパクトになる利点がある。
【0013】さらに異なるこの発明の計測方法によれ
ば、前記請求項2に記載の反応(2)により生成したH2
O2の生成量を、酵素電極を用いてH2O2の酸化電流として
検出することにより、前記試料水中の無機リン酸濃度を
計測する(請求項3発明)。
【0014】また、上記計測方法を実施するための装置
としては、下記請求項8の発明が好ましい。即ち、請求
項3に記載の計測方法を実施するための装置であって、
フローセル内に装着され前記酵素(GAPDH)および(NO
D)を固定化した酵素電極と、H2O2の酸化電流を発生さ
せるための酵素電極への電圧印加用のポテンシオスタッ
トと、前記酸化電流に基づき前記試料水中の無機リン酸
濃度を演算する演算手段と、前記試料水および試薬の送
液手段とを備えるものとする。
【0015】上記請求項3および8の発明によれば、前
記酵素(GAPDH)の触媒反応によるリン酸消費量を、生
成したH2O2の酸化電流として検出することができ、前記
発明と同様に試料水中のリン酸濃度をリアルタイムで連
続計測する事が可能となる。
【0016】また、さらに異なるこの発明の計測方法に
よれば、請求項2に記載の反応(2)に基づき、溶存酸
素電極を用いて溶存酸素消費量を検出することにより、
前記試料水中の無機リン酸濃度を計測する(請求項4の
発明)。
【0017】上記計測方法を実施するための装置として
は、下記請求項9ないし10の発明が好ましい。即ち、
請求項4に記載の計測方法を実施するための装置であっ
て、前記酵素(GAPDH)および(NOD)を充填または固定
化したリアクタと、フローセル内に装着され液中の溶存
酸素濃度を電圧検出する溶存酸素電極と、前記試料水お
よび試薬の混合液(A液)と純水および試薬の混合液
(B液)とを切り換えてリアクタおよびフローセル内に
送液する送液手段と、前記A液およびB液の各溶存酸素
濃度に応ずる電圧の差に基づき前記試料水中の無機リン
酸濃度を演算する演算手段とを備えるものとする(請求
項9の発明)。また、請求項9に記載のリン酸計測装置
において、前記リアクタに代えて、前記二種類の酵素触
媒を固定化した溶存酸素電極を用い、この溶存酸素電極
を前記フローセル内に装着してなるものとする(請求項
10の発明)。
【0018】上記請求項4、9および10の発明によれ
ば、前記酵素(GAPDH)の触媒反応によるリン酸消費量
を、溶存酸素消費量として検出することができ、前記発
明と同様に試料水中のリン酸濃度をリアルタイムで連続
計測する事が可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】図面に基づき、本発明の実施例に
ついて以下にのべる。
【0020】(実施例1)図1は、請求項1および5の
発明に関わるリン酸計測装置の一例を示す模式的構成図
で、GAPDHと試料水中のリン酸との酵素反応を試料水の
吸光度変化量として検出し、試料水中のリン酸濃度を測
定・記録するための装置を示す。
【0021】図1において、GAPDHを充填または固定化
したリアクタ1は、熱交換器2と共に恒温槽3にセット
される。測定は次の手順により行なわれる。送液ポンプ
4により無機リン酸を含む試料水12を、送液ポンプ5
によりGAPおよびNAD+を含む試薬13を送液し、両者を
混合後、フローセル6aに通水する。フローセル6aに
光源7aから波長340nmの光を照射し、透過光量11a
をフォトダイオード等の受光素子8aで検出し、演算部
9に記憶させる。
【0022】フローセル6aに続いてリアクタ1に通水
すると、試料水12中の無機リン酸とGAPおよびNAD+
反応し、リアクタ1からGDPおよびNADHを含む溶液14
が排出され、フローセル6bに通水される。フローセル
6bに光源7bから波長340nmの光を照射し、透過光量
11bをフォトダイオード等の受光素子8bで検出し、
演算部9に記憶させ、11aと11bの差分11cがリ
ン酸濃度に変換され、記録計10に出力される。
【0023】なお、試薬13としては、以下の組成から
なる測定試薬を調製して用いた。Tricine-NaOH緩衝液
(pH8.8) 0.1M、GAP30mM、NAD+30mM。なお、リアクタ1
内に充填した酵素溶液の組成はTris-HCl (pH7.5) 50mM,
20U/ml(Uは、Uniteで、酵素活性量を意味する。)と
した。
【0024】図2に、酵素反応開始300秒後の、340nm吸
光度とリン酸濃度との相関についての測定結果を示す。
波長340nmの吸光度とリン酸濃度は良好な比例関係にあ
ることが確認された。なお、図2において、yは吸光
度、xはリン酸濃度を示し、また、R2は相関係数を示
す。
【0025】(実施例2)図3は、請求項2および6の
発明に関わるリン酸計測装置の一例を示す模式的構成図
で、GAPDHと試料水中のリン酸との酵素反応をNOD、POD
の酵素反応を用いて化学発光として検出し、試料水中の
リン酸濃度を測定・記録するための装置を示す。
【0026】図3において、GAPDH、NODおよびPODを充
填または固定化したリアクタ21は、熱交換器22と共
に恒温槽23にセットされる。測定は次の手順により行
なわれる。送液ポンプ24により無機リン酸を含む試料
水31を、送液ポンプ25によりGAP、NAD+、ルミノー
ルを含む試薬32を送液し、両者を混合後、酸素律速を
防ぐためエアポンプ26により空気を混合し、リアクタ
21に通水する。
【0027】リアクタ21において、試料水31中の無
機リン酸とGAP、NAD+、およびルミノールが反応し、リ
アクタ21からGDP、NAD+、アミノフタル酸、およびN2
を含み、試料水中の無機リン酸濃度に比例して青色光を
呈する溶液33が排出される。溶液33をフローセル2
7に通水し、光電子増倍管やフォトダイオード等の受光
素子28により溶液33の青色光を電気信号に変換す
る。上記電気信号は演算部29において試料水31のリ
ン酸濃度測定値に変換され、記録計30に出力される。
【0028】(実施例3)図4は、請求項7の発明に関
わるリン酸計測装置の一例を示す模式的構成図であり、
実施例2と同様の酵素反応を用いて、試料水中のリン酸
濃度を測定・記録するための装置を示す。図4(a)は
装置全体図、図4(b)はフローセル部の部分拡大図を
示す。
【0029】図4において、酵素を固定化した酵素膜4
1および受光素子44を装着したフローセル43は、熱
交換器42と共に恒温槽45にセットされる。測定は次
の手順により行なわれる。送液ポンプ46により無機リ
ン酸を含む試料水51を、送液ポンプ47によりGAP、N
AD+、ルミノールを含む試薬52を送液し、両者を混合
後、酸素律速を防ぐためエアポンプ48により空気を混
合し、酵素膜41を装着したフローセル43に通水す
る。
【0030】酵素膜41において、試料水中のリン酸と
GAP、NAD+、およびルミノールが反応し、試料水52中
のリン酸濃度に比例して酵素膜41は青色光を呈する。
光電子増倍管やフォトダイオード等の受光素子44によ
り上記青色光を電気信号に変換する。上記電気信号は演
算部49において試料水51のリン酸濃度に変換され、
記録計50に出力される。
【0031】(実施例4)図5は、請求項3および8の
発明に関わるリン酸計測装置の一例を示す模式的構成図
で、GAPDHおよびNODを固定化した酵素電極において、GA
PDHと試料水中のリン酸との酵素反応をNODの酵素反応を
用いてH2O2の酸化電流として検出し、試料水中のリン酸
濃度を測定・記録するための装置を示す。
【0032】図5において、酵素電極61はフローセル
63内に装着され、熱交換器62と共に恒温槽64にセ
ットされる。測定は次の手順により行なわれる。送液ポ
ンプ65により無機リン酸を含む試料水71を、送液ポ
ンプ66によりGAPおよびNAD +を含む試薬72を送液
し、両者を混合後、酸素律速を防ぐためエアポンプ67
により空気を混合し、酵素電極61を装着したフローセ
ル63に通水する。
【0033】酵素電極61において、試料水71中の無
機リン酸とGAPおよびNAD+が反応し、試料水中のリン酸
濃度に比例してH2O2が生成する。ポテンシオスタット6
8を用いて酵素電極61に電圧を印加することにより、
H2O2の酸化電流が発生する。上記酸化電流はA/Dコンバ
ータ69を介してコンピュータ70に送信され、コンピ
ュータ70において試料水71のリン酸濃度に変換さ
れ、コンピュータ70の画面上に出力される。
【0034】(実施例5)図6は、請求項4および9の
発明に関わるリン酸計測装置の一例を示す模式的構成図
で、GAPDHおよびNODを充填または固定化したリアクタに
おいて、GAPDHと試料水中のリン酸との酵素反応をNODの
酵素反応を用いて溶存酸素消費量として検出し、試料水
中のリン酸濃度を測定・記録するための装置を示す。
【0035】図6において、リアクタ81は、溶存酸素
電極82を装着したフローセル84、熱交換器83と共
に恒温槽85にセットされる。測定は次の手順により行
なわれる。まず、送液ポンプ86により純水91を、送
液ポンプ87によりGAPおよびNAD+を含む試薬92を送
液し、両者を混合後、酸素律速を防ぐためエアポンプ8
8により空気を混合し、リアクタ81に続いて溶存酸素
電極82が装着されたフローセル84に通水し、この時
の溶存酸素電極82の電圧値82aを演算部88に記憶
させる。
【0036】次に、電磁弁89を切替えて、無機リン酸
を含む試料水93を試薬92と共に送液すると、リアク
タ81において、試料水93中の無機リン酸とGAPおよ
びNAD +が反応し、リアクタ81からGDPおよびNADHを含む
溶液94が排出される。溶液94をフローセル84に通
水し、この時の溶存酸素電極82の電圧値82bを演算
部88に記憶させ、82aと82bの差分82cがリン
酸濃度に変換され、記録計90に出力される。
【0037】なお、本実施例のリアクタ81は、請求項
10の発明のように、GAPDHおよびNODが微孔性高分子膜
に固定化された酵素膜を溶存酸素電極82に装着するこ
とで置き換えることも可能である。
【0038】
【発明の効果】上記のとおり、この発明のリン酸計測方
法および装置は、下記(1)式の化学反応において触媒
作用を持ち、無機リン酸に対して選択性を持つ酵素であ
るGAPDH、下記(2)式の化学反応において触媒作用を
持つNOD、および下記(3)式の化学反応において触媒
作用を持つPODを、リアクタあるいは膜に固定化し、試
料水に浸漬した時、リン酸消費量と比例する下記(2)
式のH2O2生成量を、下記(3)式における青色発光量と
して検出する方法、下記(2)式のH2O2生成量を、GAPD
H−NOD固定化電極でのH2O2酸化電流として検出する方
法、同じくリン酸消費量と比例する下記(2)式の溶存
酸素消費量を溶存酸素電極で検出する方法、下記(1)
式のNADH生成量を340nmの吸光度変化量として検出する
方法等により求め、演算部においてこれらの値を試料水
中のリン酸濃度に換算することとしたので、 (GAPDH) GAP + Pi + NAD+ ⇔ GDP + NADH + H+ (1) (NOD) NADH + H+ + O2 → NAD+ + H2O2 (2) (POD) H2O2 + ルミノール → アミノフタル酸 + H2O + N2 +hν (3) 試料水中の無機リン酸濃度を、他の物質の影響を受ける
ことなく正確にリアルタイムで、かつ連続計測すること
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に関わる水中のリン酸計測装置の実施例
を示す模式的構成図
【図2】340nm吸光度とリン酸濃度との相関についての
測定結果を示す図
【図3】本発明に関わる水中のリン酸計測装置の異なる
実施例を示す模式的構成図
【図4】図3のリン酸計測装置の変形例を示す模式的構
成図
【図5】本発明の水中のリン酸計測装置のさらに異なる
実施例を示す模式的構成図
【図6】本発明の水中のリン酸計測装置のさらに異なる
実施例を示す模式的構成図
【符号の説明】
1,21,81:リアクタ、6a,6b、27,43,
63,84:フローセル、7a,7b:光源、8a,8
b,28,44:受光素子、9,29,49,88:演
算部、12,31,51,71,93:試料水、13,
32,52,72,92:試薬、41:酵素膜、61:
酵素電極、68:ポテンシオスタット、82:溶存酸素
電極、89:電磁弁、91:純水。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 21/78 G01N 21/78 C Z 27/327 C12Q 1/00 B 27/416 G01N 27/30 353P // C12Q 1/00 27/46 301G Fターム(参考) 2G054 AA02 AB10 CA10 CE02 EA03 EA04 FA32 JA05 4B029 AA07 BB16 BB18 CC03 FA12 4B063 QA01 QQ18 QQ89 QR02 QR04 QR57 QR64 QR90 QS02 QS39 QX02

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機リン酸(Pi)を含む試料水に、グリセ
    ルアルデヒド-3-リン酸(GAP)および補酵素ニコチンア
    ミドアデニンジヌクレオチド(NAD+)を含む試薬を混合
    し、酵素グリセルアルデヒド-3-リン酸デヒドロゲナー
    ゼ(GAPDH)を触媒として、下記反応(1)により、グ
    リセリン酸-1,3-二リン酸(GDP)および還元型ニコチン
    アミドアデニンジヌクレオチド(NADH)を生成し、この
    NADHの生成量を、波長340nmの光の吸光度変化量として
    光学的に検出することにより、前記試料水中の無機リン
    酸濃度を計測することを特徴とする水中のリン酸計測方
    法。 (GAPDH) GAP + Pi + NAD+ ⇔ GDP + NADH + H+ (1)
  2. 【請求項2】請求項1に記載の反応(1)で生成したNA
    DHを、酵素NADHオキシダーゼ(NOD)を触媒として、下
    記反応(2)により、NAD+および過酸化水素(H2O2)を
    生成し、前記反応(2)の生成物に、ルミノールを含む
    試薬を混合し、酵素ペルオキシダーゼ(POD)を触媒と
    して、下記反応(3)により発生する青色発光(hν)
    の発光量を検出することにより、前記試料水中の無機リ
    ン酸濃度を計測することを特徴とする水中のリン酸計測
    方法。 (NOD) NADH + H+ + O2 → NAD+ + H2O2 (2) (POD) H2O2 + ルミノール → アミノフタル酸 + H2O + N2 +hν (3)
  3. 【請求項3】請求項2に記載の反応(2)により生成し
    たH2O2の生成量を、酵素電極を用いてH2O2の酸化電流と
    して検出することにより、前記試料水中の無機リン酸濃
    度を計測することを特徴とする水中のリン酸計測方法。
  4. 【請求項4】請求項2に記載の反応(2)に基づき、溶
    存酸素電極を用いて溶存酸素消費量を検出することによ
    り、前記試料水中の無機リン酸濃度を計測することを特
    徴とする水中のリン酸計測方法。
  5. 【請求項5】請求項1に記載の計測方法を実施するため
    の装置であって、前記酵素(GAPDH)を充填または固定
    化したリアクタと、このリアクタ前後に配設したフロー
    セルと、この各フローセルに波長340nmの光を照射する
    光源およびその透過光量を検出する受光素子と、前記前
    後の受光素子で検出した透過光量の差に基づき前記試料
    水中の無機リン酸濃度を演算する演算手段と、前記試料
    水および試薬の送液手段とを備えることを特徴とする水
    中のリン酸計測装置。
  6. 【請求項6】請求項2に記載の計測方法を実施するため
    の装置であって、前記酵素(GAPDH),(NOD)および
    (POD)を充填または固定化したリアクタと、このリア
    クタの後段に配設したフローセルと、このフローセル内
    の試料液が発する青色発光(hν)の発光量を検出する
    受光素子と、この受光素子での検出値に基づき前記試料
    水中の無機リン酸濃度を演算する演算手段と、前記試料
    水および試薬の送液手段とを備えることを特徴とする水
    中のリン酸計測装置。
  7. 【請求項7】請求項6に記載のリン酸計測装置におい
    て、前記リアクタに代えて、前記三種類の酵素を固定化
    した酵素固定化膜を用い、この酵素固定化膜と受光素子
    とを前記フローセル内に配設して一体化してなることを
    特徴とする水中のリン酸計測装置。
  8. 【請求項8】請求項3に記載の計測方法を実施するため
    の装置であって、フローセル内に装着され前記酵素(GA
    PDH)および(NOD)を固定化した酵素電極と、H2O2の酸
    化電流を発生させるための酵素電極への電圧印加用のポ
    テンシオスタットと、前記酸化電流に基づき前記試料水
    中の無機リン酸濃度を演算する演算手段と、前記試料水
    および試薬の送液手段とを備えることを特徴とする水中
    のリン酸計測装置。
  9. 【請求項9】請求項4に記載の計測方法を実施するため
    の装置であって、前記酵素(GAPDH)および(NOD)を充
    填または固定化したリアクタと、フローセル内に装着さ
    れ液中の溶存酸素濃度を電圧検出する溶存酸素電極と、
    前記試料水および試薬の混合液(A液)と純水および試
    薬の混合液(B液)とを切り換えてリアクタおよびフロ
    ーセル内に送液する送液手段と、前記A液およびB液の
    各溶存酸素濃度に応ずる電圧の差に基づき前記試料水中
    の無機リン酸濃度を演算する演算手段とを備えることを
    特徴とする水中のリン酸計測装置。
  10. 【請求項10】請求項9に記載のリン酸計測装置におい
    て、前記リアクタに代えて、前記二種類の酵素触媒を固
    定化した溶存酸素電極を用い、この溶存酸素電極を前記
    フローセル内に装着してなることを特徴とする水中のリ
    ン酸計測装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007044052A (ja) * 2003-09-02 2007-02-22 Expressive Constructs Inc 合成チモーゲンを用いるシグナル増幅
EP2062979A1 (en) * 2007-11-22 2009-05-27 Nitto Boseki Co., Ltd. Method for measuring phosphoric acid

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