JP2003166404A - タービンブレードの製造方法および補修方法 - Google Patents

タービンブレードの製造方法および補修方法

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JP2003166404A JP2001366234A JP2001366234A JP2003166404A JP 2003166404 A JP2003166404 A JP 2003166404A JP 2001366234 A JP2001366234 A JP 2001366234A JP 2001366234 A JP2001366234 A JP 2001366234A JP 2003166404 A JP2003166404 A JP 2003166404A
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turbine blade
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piece
turbine
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Yoshito Miyasaka
好人 宮坂
Hitoshi Karasawa
均 唐沢
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Suwa Netsu Kogyo Co Ltd
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Suwa Netsu Kogyo Co Ltd
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    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23PMETAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; COMBINED OPERATIONS; UNIVERSAL MACHINE TOOLS
    • B23P6/00Restoring or reconditioning objects
    • B23P6/002Repairing turbine components, e.g. moving or stationary blades, rotors
    • B23P6/005Repairing turbine components, e.g. moving or stationary blades, rotors using only replacement pieces of a particular form

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の分割ブレード片を相互に接合すること
によりブレード本体が構成されているタービンブレード
を、簡単に製造可能な方法を提案すること。 【解決手段】 タービンブレード1は、ブレード本体3
と、この内部に形成された冷媒通路4を備えている。ブ
レード本体3は、第1および第2の分割ブレード片5、
6を相互に接合することにより構成され、その内部に冷
媒通路4が形成された構造となっている。第1および第
2の分割ブレード片5、6を重ね合わせた状態で、所定
の押圧力の下で直流電流あるいはパルス電流を所定時間
流し、所定の加熱状態にして所定時間放置することで、
各接合面が母材強度に匹敵する接合強度で接合されたブ
レード本体3を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1枚のブレード本
体が複数個のブレード片を相互に接合することにより構
成されているタービンブレードの製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】タービンブレードとしては、各ブレード
本体の内部に冷却用媒体を循環させる冷媒通路が形成さ
れたものが知られている。この冷媒通路を形成するため
の方法としては、1枚のブレード本体を複数の分割片と
して構成し、これらを相互に接合することにより、各分
割片の接合面間に冷媒通路を形成する方法が知られてい
る。この方法では、予め分割片の接合面に冷媒通路用の
溝を形成しておけばよいので、精密鋳造などによって、
ブレード本体内部に冷媒通路を一体成形する方法に比べ
て簡単であり、また、任意の形状の冷媒通路を形成し易
いという利点がある。
【0003】このような複数の分割片を接合することに
よりタービンブレードを製造する方法としては、例え
ば、特開平11−14662号公報に開示されているよ
うに、分割片の間にインサート材を挟んで拡散接合を行
う方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インサ
ート材を使用することなく、分割片を相互に接合するこ
とができれば、廉価に、効率良く、タービンブレードを
製造できるので好ましい。
【0005】このような接合を行うためには、例えば、
所定の圧力下で被接合部材間に直流電流を流して接合す
るホットプレス接合法、あるいは、これらの間に直流パ
ルス電流を流して焼結する放電プラズマ焼結法(SP
S)の原理を利用した接合方法を採用することが考えら
れる。
【0006】しかし、後者のSPS技術利用の接合方法
では、接合しようとする部材をグラファイト製の型の中
に入れて、その型の中で接合する必要があるので、接合
作業が煩雑であり、接合部材の形状、寸法に大きな制約
がある等の欠点があり、さらには十分な接合強度が得ら
れないという欠点がある。また、放電プラズマ焼結法の
原理を利用した接合方法としては特開平11−1585
14号公報に開示されたものがあるが、ここに開示され
ている方法では、接合面を粗面化する必要があり、鏡面
状に仕上げた接合面の接合には利用できず、また、十分
な接合強度が得られないという欠点がある。
【0007】また、前者のホットプレス接合方法をバル
ク材の接合に用いた場合には、時間とコストが掛かる一
方、十分な接合強度を得ることが困難であるという欠点
がある。
【0008】一方、タービンブレードにおいては、その
一部が欠損した場合における適切な補修方法が提案され
ていないのが現状である。タービンブレードを簡単に補
修できれば極めて有効である。
【0009】本発明の課題は、このような点に鑑みて、
分割ブレード片が強固に接合されたブレード本体を備え
たタービンブレードを簡単に製造できる方法を提案する
ことにある。
【0010】また、本発明の課題は、タービンブレード
の補修を簡単に行うことのできるタービンブレードの補
修方法を提案することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明は、少なくとも第1および第2の分割ブレ
ード片を接合して構成されるブレード本体を有するター
ビンブレードの製造方法であって、前記第1および第2
の分割ブレード片を相互に重ね合わせ、この状態で、前
記第1および第2の分割ブレード片の接合面を相互に所
定の圧力で押し付け、この押し付け状態を保持しなが
ら、前記第1の分割ブレード片および前記第2の分割ブ
レード片に、直流電流および/またはパルス電流を流し
て、前記第1および第2の分割ブレード片の前記接合面
を仮接合し、仮接合された状態の前記第1の分割ブレー
ド片および前記第2の分割ブレード片を、所定の雰囲気
温度で熱処理することを特徴としている。
【0012】本発明の方法では、接合面にインサート材
を挟み込むことなく、各分割ブレード片を相互に重ね合
せて強固に接合することができる。従って、分割ブレー
ド片を接合したブレード本体を備えたタービンブレード
を簡単かつ効率良く製造できる。
【0013】また、前記接合面は鏡面であることが好ま
しい。一方、前記接合面が粗面である場合には、接合面
を押し付ける圧力を高めることにより接合することがで
きる。
【0014】ここで、前記ブレード本体が内部に冷媒通
路を備えている場合には、前記第1および前記第2の分
割ブレード片における少なくとも一方の接合面に、前記
冷媒通路を形成するための溝を形成することが望まし
い。このようにすると、接合面の溝によりブレード本体
の内部に冷媒通路を形成することができる。
【0015】また、冷媒通路が外部に連通している冷媒
導入用の入口側通路部分および冷媒排出用の出口側通路
部分を備えている場合には、これらの通路部分を予め形
成しておき、前記溝をこれらに連通するように形成すれ
ばよい。
【0016】次に、本発明の方法においては、前記圧力
を1メガパスカル以上700メガパスカル以下とするこ
とが望ましい。この圧力が100メガパスカル以下であ
れば、装置の大型化を引き起こさないため好ましい。一
方、圧力が100メガパスカル以上であっても700メ
ガパスカル以下であれば、接合面の接合が可能である。
また、仮接合の際は、赤外線放射温度計等を用い、接合
部側面の温度範囲を接合すべき部材の最も低い融点の5
5%〜85%とするのがよい。接合界面そのものの温度
を計測するのは、現時点では難しいからである。
【0017】また、前記熱処理を不活性雰囲気中で行う
ことが望ましい。さらには、前記熱処理の温度を接合す
べき部材の最も低い融点の55%〜85%の範囲内の値
とすることが望ましい。
【0018】次に、本発明は、一部が欠損したタービン
ブレードを補修するタービンブレードの補修方法であっ
て、タービンブレードの欠損部分に対応する形状の補修
用ブレード片を製作し、前記タービンブレードの欠損部
分に前記補修用ブレード片を位置決めし、この状態で、
前記タービンブレードの欠損部分と前記補修用ブレード
片の接合面を相互に所定の圧力で押し付け、この押し付
け状態を保持しながら、前記タービンブレードおよび前
記補修用ブレード片に、直流電流および/またはパルス
電流を流して、前記補修用ブレード片を前記タービンブ
レードの欠損部分に仮接合し、仮接合された状態の前記
タービンブレードおよび前記補修用ブレード片を、所定
の雰囲気温度で熱処理することを特徴としている。
【0019】本発明の補修方法によれば、簡単な操作に
より、補修用のブレード片を強固にタービンブレードに
接合することができる。
【0020】ここで、前記タービンブレードの欠損部分
および前記補修用ブレード片の接合面に対して略直交す
る方向から前記圧力を加えることが望ましい。
【0021】また、前記圧力を1メガパスカル以上70
0メガパスカル以下とすることが望ましい。
【0022】さらには、前記熱処理を不活性雰囲気中で
行うことが望ましい。また、前記熱処理の温度を接合す
べき部材の最も低い融点の55〜85%の範囲内の値と
することが望ましい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して、本発明
の製造方法により製造されたタービンブレードの例、お
よびその製造方法の例を説明する。
【0024】(タービンブレード)図1は、本例のター
ビンブレードを示す斜視図である。本例のタービンブレ
ード1は、二点鎖線で示すタービンの回転軸2に複数枚
取付けられてタービンの羽根車を構成するものである。
このタービンブレード1は、ブレード本体3と、ブレー
ド本体3の内部に形成された冷媒通路4とを備えてい
る。
【0025】ブレード本体3は、羽根部分31と、回転
軸2へ取り付けるため羽根部分31の下端に形成された
取付部分32とを有している。冷媒通路4は、ブレード
本体3の内部を循環する通路であり、ブレード本体3の
取付部分32に形成された入口41および出口42と、
入口41と出口42を連結してブレード本体3の羽根部
分31まで循環する通路部分43とを備えている。この
冷媒通路4に水、油、空気、ガス等の冷却媒体を循環さ
せることにより、羽根車の回転に伴って発生するブレー
ド本体3の発熱を抑制できる。
【0026】本例のブレード本体3は、羽根部分31を
厚さ方向に二分割した第1および第2の分割ブレード片
5、6を相互に接合することにより構成されている。
【0027】図2は、ブレード本体3を構成する第1の
分割ブレード片5および第2の分割ブレード片6を示す
斜視図である。この図に示すように、第1および第2の
分割ブレード片5、6はブレード本体3を縦割りした形
状となっており、第1の分割ブレード片5は、その一方
の面が第2の分割ブレード片6との接合面51となって
おり、第2の分割ブレード片6は、この接合面51に対
応する一方の面が第1の分割ブレード片5との接合面6
1となっている。また、第2の分割ブレード片6におけ
る接合面61には、冷媒通路4を形成するための半円形
状の溝62が形成されている。これら第1および第2の
分割ブレード片5、6を接合することにより、ブレード
本体3が構成されると共に、それらの接合面51、61
の間には、溝62によって冷媒通路4が形成された状態
になる。
【0028】なお、第1の分割ブレード片5の接合面5
1側にも、半円形状の溝を形成すれば、円形断面の冷媒
通路4を形成することができる。また、第1の分割ブレ
ード片5の側にのみ冷媒通路用の溝を形成してもよい。
【0029】(タービンブレードの製造方法)次に、本
例のタービンブレード1の製造方法を説明する。まず、
上記形状の第1の分割ブレード片5および第2の分割ブ
レード片6を例えばNi基耐熱合金等で製造する。ま
た、第2の分割ブレード片6における接合面61には、
溝62を機械加工、放電加工、鋳出し加工等の方法で形
成する。溝62は表面加工により形成できるので、その
形状を曲線状などの任意の形状にすることが簡単であ
り、また、溝面の仕上げ加工、例えば溝面を鏡面仕上げ
とすることも容易である。
【0030】なお、タービンブレードの材料は、Ni基
耐熱合金以外の公知の材料でもよい。
【0031】次に、第1の分割ブレード片5を第2の分
割ブレード片6の上に重ねる。この積層体を通電接合装
置に装着して、第1の分割ブレード片5と第2の分割ブ
レード片6の接合面51、61を接合する。
【0032】図3には本例の通電接合装置の全体構成を
示してある。この図に示すように、本例の通電接合装置
7は、通電接合機70と熱処理機80を備えている。通
電接合機70は、基台72の上に絶縁部材を介して公知
の方法で基台72と電気的に絶縁して固定された下側通
電電極73と、基台73の上方に配置され当該基台に公
知の方法で支持された流体圧シリンダ74と、流体圧シ
リンダ74のピストンロッド75の先端に絶縁部材を介
して公知の方法でピストンロッド75と電気的に絶縁し
て固定された上側通電電極76とを備えている。
【0033】流体圧シリンダ74は被接合材を押圧する
加圧装置として機能する。加圧装置としては流体圧シリ
ンダの代わりに電動モータ、ねじ機構などを用いて上側
通電電極76を昇降させるようにしてもよい。上側およ
び下側の通電電極73、76は、電源装置77に電気的
に接続されており、電源装置77は、直流のパルス電流
を供給できるようになっている。本例の電源装置77の
供給電力は、電圧が100V以下で、電流が2000か
ら20000Aの範囲内の大電流電力である。なお、本
例では上側通電電極76を移動可能としてあるが、逆に
下側通電電極73を移動可能とすることもでき、また、
双方を移動可能にすることも可能である。
【0034】次に、熱処理機80は公知の構造の真空熱
処理炉を備えた構成となっている。なお、通電接合機7
0と熱処理機80を一体化した装置構成とすることもで
き、また、これらを移動可能な構造とすることもでき
る。勿論、これらを別個に配置してもよい。
【0035】次に、この構造の通電接合装置7を用い
て、積層体30を構成している第1の分割ブレード片5
および第2の分割ブレード片6を相互に接合する手順を
説明する。
【0036】まず、通電電極73、76の間に積層体3
0を挟んで流体圧シリンダ74を駆動して、ピストンロ
ッド75により上側通電電極76を降下させる。従っ
て、積層体30は、通電電極73、76の間に挟まれ
て、所定の押圧力で押し付けられた状態になる。このた
め、第1の分割ブレード片5の接合面51と第2の分割
ブレード片6の接合面61との間に所定の押圧力が作用
した状態になる。この押圧力は部材の材質、接合面の状
態によっても異なるが1メガパスカル〜700メガパス
カルの間に設定することができる。
【0037】なお、タービンブレードの材料は高圧力で
も使用可能なので、押圧力を700メガパスカルにまで
高めることができる。また、接合面が鏡面であれば、押
圧力が低くても接合が可能である。一方、接合面が粗面
である場合には、押圧力を高くすることにより接合が可
能となる。
【0038】図4は、積層体30を挟んだ下側および上
側通電電極73、76を示す拡大断面図である。この図
に示すように、下側および上側通電電極73、76にお
ける表面73a、76aを第1および第2の分割ブレー
ド片5、6が収まるように掘り込んでおくことにより、
接合面51、61をそれぞれ均一に加圧することができ
る。
【0039】この結果、各接合面51、61の間が互い
に接合された状態になる。この接合の正確な原理は必ず
しも明確ではないが、接合面間での放電プラズマの発
生、ジュール熱による熱拡散効果、電場による電解拡散
効果などにより接合されるものと考えられる。
【0040】ここで、積層体30に所定の値の直流電流
のみを流しても、また、直流電流およびパルス電流の双
方を同時に流しても、接合面間が互いに接合された状態
を形成できることが確認された。
【0041】このようにして各接合面が接合された状態
は、接合強度の点からはまだ完全なものではない。そこ
で、この接合状態を仮接合状態と呼び、仮接合状態にあ
る積層体30を仮接合体と呼ぶ。
【0042】この仮接合体を、熱処理機80の熱処理炉
内で熱処理する。熱処理温度および時間は部材の材質お
よび大きさによって異なる。熱処理を行うことにより、
仮接合状態の接合面間の接合が完全なものになって完全
接合体になる。すなわち、接合面間の接合強度が部材の
材質強度に匹敵する値になったブレード本体3が得ら
れ、図1に示すタービンブレード1が完成する。
【0043】なお、熱処理を真空以外の不活性雰囲気中
で行うようにしてもよい。また、熱処理の温度は、接合
すべき部材の最も低い融点の55〜85%の範囲内の値
とすることが望ましい。
【0044】(実施例の効果)本例のタービンブレード
1の製造方法では、各分割ブレード片5、6を接合する
際に、インサート材を使用する必要がないので、タービ
ンブレード1を簡単かつ効率良く製造できる。また、接
合強度も、その母材強度程度の強さにできるので、分割
ブレード5、6片からブレード本体3を構成しても、何
ら不具合が発生しない。
【0045】(ブレード本体の分割方法)ここで、上記
のタービンブレード1では、ブレード本体3を羽根部分
31の厚さ方向に二分割して冷媒通路4を構成してい
る。ブレード本体3の分割方法は、上記の例に限定され
るものではなく、例えば、内部に形成すべき冷媒通路の
形状、構造などに応じて分割方向や分割数を変えること
が望ましい。また、接合面は、鏡面であることが好まし
い。さらに、対向する接合面を平坦面として形成するこ
とが好ましいが、隙間の無い曲面として形成してもよ
い。
【0046】(ブレード本体の分割例1)例えば、図5
に示すタービンブレード1Aでは、ブレード本体3Aを
厚さ方向に第1の分割ブレード片5A、第2の分割ブレ
ード片6A、第3の分割ブレード片8に三分割してい
る。第1の分割ブレード片5Aと第2の分割ブレード片
6Aの接合面51A、61Aのうち、第2の分割片6A
の接合面61Aに第1の溝62Aを掘り込んである。ま
た、第2の分割ブレード片6Aと第3の分割ブレード片
8の接合面63、81のうち、第3の分割片8の接合面
81に第2の溝82が掘り込んである。このようにする
と、タービンブレード1Aの内部には、第1の溝62A
から構成される第1の冷媒通路および第2の溝82から
構成される第2の冷媒通路を形成することができる。
【0047】(ブレード本体の分割例2)次に、図6
(a)に示すタービンブレード1Bは、ブレード本体3
Bの羽根部分を高さ方向に上側の第1の分割ブレード片
5Bと、下側の第2の分割ブレード片6Bに2分割して
いる。第2の分割ブレード片6Bの上面である接合面6
1Bには、第2の分割ブレード片6Bを上下に貫通する
入口通路部分44および出口通路部分45を結ぶ溝46
が形成されている。第1の分割ブレード片5Bと第2の
分割ブレード片6Bが接合されることで、溝46が入口
通路部分44と出口通路部分45を連結する通路部分と
なるので、冷媒通路を形成することができる。
【0048】また、タービンブレード1Bにおける第2
の分割ブレード片6Bを更に上下に分割すれば、図6
(b)に示すタービンブレード1Cのように、ブレード
本体3Cを上側から第1の分割ブレード片5C、第2の
分割ブレード片6C、第3の分割ブレード片8Cに3分
割構成にすることができる。第1、第2、第3の分割ブ
レード片5C、6C、8Cが接合されることで、第2の
分割ブレード片6Cに形成された溝46と、この溝46
に連通する2本の第1および第2の通路部分441、4
51と、第3の分割ブレード片8Cを上下に貫通する第
3および第4の通路部分442、452が接続され、冷
媒通路を形成することできる。
【0049】(ブレード本体の分割例3)図7に示すタ
ービンブレード1Dにおけるブレード本体3Dは、羽根
部分である第1の分割ブレード片5Dと、回転軸2への
取付部分である第2の分割ブレード片6Dとに上下で2
分割されている。第1の分割ブレード片5Dは、内部が
下面側から掘り込まれた凹部52となっている。この凹
部52には第2のブレード片6Dの上面から突出する凸
部64が嵌まるようになっている。凸部64の幅広面6
5には、第2の分割ブレード片6Dの下面から形成され
た入口側通路部分44Aおよび出口側通路部分45Aを
結ぶ溝46Aが掘り込まれている。第1および第2の分
割ブレード片5D、6Dが接合されることで、溝46A
が入口側通路部分44Aと出口側通路部分45Aを連結
する通路部分となって冷媒通路が構成される。
【0050】この場合は、図3で示した通電接合装置7
を用いて第1分割ブレード片5Dと第2の分割ブレード
片6Dを上下から加圧通電して接合する際には、通電に
より第1および第2の分割ブレード片5D、6Dは加熱
される。加熱された第1および第2の分割ブレード片5
D、6Dは、熱膨張するので、凹部52と凸部64のク
リアランスを調整することにより、これらの間の接合面
に所定の押圧力が作用した状態を形成することができ
る。このため、第1および第2の分割ブレード片5D、
6Dにおいて、上下の加圧方向とは異なる方向である凹
部52の内周面と凸部64の外周面を接合することがで
きる。このクリアランスは、一般に鉄系の場合、2から
50μmがよい。
【0051】(タービンブレードの補修方法)次に、上
記の各例は、タービンブレードの内部に冷媒通路を形成
するためにブレード本体を分割して接合する例である
が、それ以外にも本例の接合方法を適用することができ
る。例えば、タービンブレードを補修するために、不良
部分を切断して修理用部材を接合するときにも本例の接
合方法を適用することができる。図8は、タービンブレ
ードの補修方法の説明図である。
【0052】図8(a)に示すように、タービンブレー
ド1Eは、ブレード本体3Eの角部33が欠けた部分が
不良部分34となっている。この不良部分34を修理す
るときは、図8(b)に示すように、不良部分34を切
断して平坦な接合面35を付ける。また、平坦な接合面
35に接合すべき補修用ブレード片36を製作する。次
に、補修用ブレード片36を、ブレード本体3Eの接合
面35に位置決めして重ね合わせ、この状態で、図3に
示す通電接合装置7を用いてブレード本体3Eと補修用
ブレード片36の接合面35、37を上下から加圧通電
して接合する。
【0053】ここで、例えば、図8(c)に示すよう
に、下側および上側通電電極73、76の表面73a、
76aを、ブレード本体3Eおよび補修用ブレード片3
6が収まるように掘り込んでおくことにより、それぞれ
の接合面35、37に対して直交する方向から加圧を均
一に行えるようにすることが望ましい。
【0054】このようにタービンブレード1Eを補修あ
るいは修理する場合にも、本例の接合方法を利用して補
修用ブレード片36を補修個所に接合することができ
る。この場合も、インサート材を使用することなく、ブ
レード本体3Eに補修用ブレード片36を強固に接合す
ることができるので、補修作業が簡単である。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の方法で
は、ブレード本体を構成するための複数の分割ブレード
片を相互に重ね合わせ、この状態でそれらの接合面に所
定の圧力を加えながら直流電流および/またはパルス電
流を流して仮接合し、しかる後に熱処理を施し、これに
より、分割ブレード片を強固に接合してブレード本体を
製造している。
【0056】本発明の方法によれば、従来において接合
面に挟んでいたインサート材を用いることなく、分割ブ
レード片を相互に接合することができる。従って、ター
ビンブレードを簡単に製造することができる。また、接
合面に溝を形成することにより、ブレード本体の内部に
冷媒通路を簡単に形成することもできる。
【0057】さらには、本発明のタービンブレードの補
修方法においても、インサート材を用いることなく、簡
単な操作により、強固の補修用ブレード片をタービンブ
レードの補修個所に接合できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明により製造されたタービンブレードを示
す斜視図である。
【図2】図1のブレード本体を構成する第1の分割ブレ
ード片および第2の分割ブレード片を示す斜視図であ
る。
【図3】本発明の方法を実施するための通電接合装置の
一例を示す概略構成図である。
【図4】図3の通電接合装置において積層体を挟んだ一
対の通電電極を示す拡大断面図である。
【図5】図1のブレード本体の分割例を示す斜視図であ
る。
【図6】図1のブレード本体の別の分割例を示す斜視図
である。
【図7】図1のブレード本体の別の分割例を示す斜視図
である。
【図8】(a)、(b)および(c)は、タービンブレ
ードの補修方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1 タービンブレード 2 タービンの回転軸 3 ブレード本体 4 冷媒通路 5 第1の分割ブレード片 6 第2の分割ブレード片 30 積層体 31 羽根部分 32 取付部分 33 角部 34 不良部分 35、37 接合面 36 補修用ブレード片 41 入口 42 出口 43 通路部分 51、61 接合面 62 溝 7 通電接合装置 70 通電接合機 73、76 通電電極 73a、76a 表面 80 熱処理機

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも第1および第2の分割ブレー
    ド片を接合して構成されるブレード本体を有するタービ
    ンブレードの製造方法であって、 前記第1および第2の分割ブレード片を相互に重ね合わ
    せ、 この状態で、前記第1および第2の分割ブレード片の接
    合面を相互に所定の圧力で押し付け、 この押し付け状態を保持しながら、前記第1の分割ブレ
    ード片および前記第2の分割ブレード片に、直流電流お
    よび/またはパルス電流を流して、前記第1および第2
    の分割ブレード片の前記接合面を仮接合し、 仮接合された状態の前記第1の分割ブレード片および前
    記第2の分割ブレード片を、所定の雰囲気温度で熱処理
    することを特徴とするタービンブレードの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記ブレード本体は、内部に冷媒通路を備えており、 前記第1および前記第2の分割ブレード片における少な
    くとも一方の接合面に、前記冷媒通路を形成するための
    溝を形成することを特徴とするタービンブレードの製造
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記接合面は鏡面であることを特徴とするタービンブレ
    ードの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 前記接合面は粗面であることを特徴とするタービンブレ
    ードの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項2において、 前記冷媒通路は、前記ブレード本体から外部に連通して
    いる冷媒導入用の入口側通路部分および冷媒排出用の出
    口側通路部分を備えており、 前記入口側通路部分および出口側通路部分に連通するよ
    うに、前記溝を形成することを特徴とするタービンブレ
    ードの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1において、 前記圧力を1メガパスカル以上700メガパスカル以下
    とすることを特徴とするタービンブレードの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1において、 直流電流および/またはパルス電流を流して、前記第1
    および第2の分割ブレード片の前記接合面を仮接合する
    際の接合部側面の温度範囲を接合すべき部材の最も低い
    融点の55〜85%の範囲内の値とすることを特徴とす
    るタービンブレードの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1において、 前記熱処理を不活性雰囲気中で行うことを特徴とするタ
    ービンブレードの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1において、 前記熱処理の温度を接合すべき部材の最も低い融点の5
    5〜85%の範囲内の値とすることを特徴とするタービ
    ンブレードの製造方法。
  10. 【請求項10】 一部が欠損したタービンブレードを補
    修するタービンブレードの補修方法であって、 タービンブレードの欠損部分に対応する形状の補修用ブ
    レード片を製作し、 前記タービンブレードの欠損部分に前記補修用ブレード
    片を位置決めし、 この状態で、前記タービンブレードの欠損部分と前記補
    修用ブレード片の接合面を相互に所定の圧力で押し付
    け、 この押し付け状態を保持しながら、前記タービンブレー
    ドおよび前記補修用ブレード片に、直流電流および/ま
    たはパルス電流を流して、前記補修用ブレード片を前記
    タービンブレードの欠損部分に仮接合し、 仮接合された状態の前記タービンブレードおよび前記補
    修用ブレード片を、所定の雰囲気温度で熱処理すること
    を特徴とするタービンブレードの補修方法。
  11. 【請求項11】 請求項10において、 前記タービンブレードの欠損部分および前記補修用ブレ
    ード片の接合面に対して略直交する方向から前記圧力を
    加えることを特徴とするタービンブレードの補修方法。
  12. 【請求項12】 請求項10または11において、 前記圧力を1メガパスカル以上700メガパスカル以下
    とすることを特徴とするタービンブレードの補修方法。
  13. 【請求項13】 請求項10において、 前記熱処理を不活性雰囲気中で行うことを特徴とするタ
    ービンブレードの補修方法。
  14. 【請求項14】 請求項10において、 前記熱処理の温度を接合すべき部材の最も低い融点の5
    5〜85%の範囲内の値とすることを特徴とするタービ
    ンブレードの補修方法。
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