JP2003164750A - 分析廃液の処理方法及び分析廃液処理装置 - Google Patents

分析廃液の処理方法及び分析廃液処理装置

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JP2003164750A JP2001365904A JP2001365904A JP2003164750A JP 2003164750 A JP2003164750 A JP 2003164750A JP 2001365904 A JP2001365904 A JP 2001365904A JP 2001365904 A JP2001365904 A JP 2001365904A JP 2003164750 A JP2003164750 A JP 2003164750A
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emulsion
water
reactor
analytical
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Osamu Nakamori
理 中森
Akira Suzuki
明 鈴木
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Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有機塩素化合物を含む分析廃液を確実に無害
化処理できる方法を提供する。 【解決手段】 本方法は、有機塩素化合物を含む分析廃
液を無害化処理する方法である。本方法では、分析廃液
処理装置10の水ポンプ18、分析廃液ポンプ22及び
界面活性剤ポンプ26を起動して、水槽16、槽20、
及び槽24から所定比率で水、分析廃液、界面活性剤を
乳化装置14に送る。乳化装置で、界面活性剤の作用に
よりミセル平均粒径が2μm以下の水/分析廃液エマル
ションを形成してタンク30に収容する。ポンプ34を
起動してエマルションを反応器12に送入する。ポンプ
37を起動して過酸化水素水槽35から過酸化水素水を
吸引し、予熱器38で所定温度に予熱しつつ送入管32
に注入する。エマルションと過酸化水素水とは、ライン
ミキサー39で混合された後、反応器に流入する。以
下、通常の超臨界水酸化装置と同様にして運転する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機溶媒に有機塩
素化合物を溶解させた分析廃液の処理方法及び処理装置
に関し、更に詳細には、安全かつ確実に分析廃液中の有
機塩素化合物の濃度を排出基準値以下に低下できる分析
廃液の処理方法及び処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】環境問題に対する認識の高まりと共に、
試料中の有機塩素化合物、例えばPCB(ポリ塩素化ビ
フェニル)、ダイオキシン、有機塩素系溶剤等の有無、
また試料中のそれらの含有量等を分析する作業が増大し
ており、特にダイオキシンを分析する作業が著しく増大
している。そして、分析作業の増大と共にダイオキシン
を含む分析廃液の量も増大している。ダイオキシンを含
む分析廃液は、通常、トルエン、アセトン等の有機溶媒
に少量ないし微量のダイオキシンを溶解させたもので構
成されている。尚、本明細書で、分析廃液とは、分析に
供するために、有機溶媒に有機塩素化合物を溶解させて
調製した分析試料の残余等、分析に供した試料及び分析
廃液自体を含む概念である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えばダイ
オキシン類の分析廃液は、極めて有害なダイオキシン類
を有機溶媒に溶解させているために、分析廃液を処理す
ることが技術的に難しく、従来、処分することなく、分
析廃液をそのまま保管していることが多かった。しか
し、分析廃液の保管は、分析廃液の逸出、拡散を防止す
るために、厳重な注意を必要とする結果、多大な人手と
コストを要し、しかも保管できる分析廃液の量にも倉庫
等の容積から限界があるので、発生し続ける分析廃液を
保管し続けることは、難しい。そこで、ダイオキシン類
の有害な有機塩素化合物を溶解している分析廃液を無害
化して処分する装置及び方法の実現が要望されていた。
【0004】本発明の目的は、ダイオキシン等の有機塩
素化合物を含む分析廃液を確実に無害化処理できる装置
及び方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、有機物の酸
化/分解性に優れ、環境汚染物質を分解、無害化できる
反応として評価されている超臨界水反応に注目し、分析
廃液の処理に超臨界水反応を利用することを着想した。
超臨界水反応方法とは、超臨界水の高い反応性を利用し
て有機物を分解する方法であって、例えば、難分解性の
有害な有機物を分解して無害な二酸化炭素と水に転化し
たり、難分解性の高分子化合物を分解して有用な低分子
化合物に転化したりするために、現在、その実用化が盛
んに研究されている。超臨界水とは、超臨界状態にある
水、即ち、水の臨界点を越えた状態にある水を言い、詳
しくは、374.1℃以上の温度で、かつ22.04M
Pa以上の圧力下にある状態の水を言う。超臨界水は、
有機物を溶解する溶解能が高く、有機化合物に多い非極
性物質をも完全に溶解することができる一方、逆に、金
属、塩等の無機物に対する溶解能は著しく低い。また、
超臨界水は、酸素や窒素などの気体と任意の割合で混合
して単一相を構成することができる。
【0006】ここで、図2を参照して、基本的な超臨界
水酸化装置の構成を説明する。図2は超臨界水酸化装置
の構成を示すフローシートである。超臨界水酸化装置6
0は、有機物を含む被処理液を超臨界水の存在下で超臨
界水反応により酸化処理する装置であって、図2に示す
ように、超臨界水反応を行う反応器として、縦型の耐圧
密閉型反応器62を備え、反応器62から処理流体を流
出させる処理流体管64に、順次、処理流体を冷却する
冷却器66、反応器62内の圧力を制御する圧力制御弁
68、及び、処理流体をガスと液体とに気液分離する気
液分離器70を備えている。
【0007】超臨界水酸化装置60は、超臨界水反応に
供する反応物を反応器62に供給する供給系統として、
被処理液ポンプ72と、空気圧縮機74とを備え、被処
理液管76を介して有機物を含む被処理液を反応器62
に送入し、かつ、被処理液管76に接続された空気送入
管78を介して酸化剤として空気を被処理液と共に反応
器62に送入する。更に、被処理液中の有機物の酸化熱
のみでは超臨界水温度以上に維持できないような場合
は、反応器62での超臨界水反応を維持するのに必要な
熱エネルギー源として石油系炭化水素油等の補助燃料を
反応器62に送入する補助燃料管80を被処理液管76
に合流させる。更に、必要に応じて、反応器62で超臨
界水反応により処理流体中の有機物から発生した塩素等
を中和するアルカリ剤を反応器62に送入するアルカリ
剤送入管82を被処理液管76に合流させている。ま
た、被処理液中の水分が不足し、超臨界水反応が維持で
きない場合は、補給水管84を介して被処理液管76に
補給水を加えることもある。
【0008】なお、被処理液と処理流体とを熱交換させ
て処理流体を冷却するとともに被処理液を昇温して熱回
収を図る熱交換器(図示せず)を冷却器66の上流の処
理流体管64に、又は被処理液を予熱する予熱器を反応
器62の上流の被処理液管76に設けることもある。更
には、反応器62の下部に亜臨界水領域を設け、反応器
62内で生じた無機塩類を亜臨界水領域に沈降させ、除
去する機構を設けることもある。
【0009】そして、超臨界水反応を利用することによ
り、ダイオキシン等の有機塩素化合物を比較的容易に分
解できることが、実験的にも、実用的にも、確認されて
いる。
【0010】しかし、かかる有機溶媒からなる分析廃液
の処理装置として上述の超臨界水酸化装置をそのまま適
用することは、以下の理由から技術的に難しい。 (1)第1の理由は、超臨界水反応の際に発生する単位
量当たりの有機溶媒の熱エネルギーが、超臨界水反応の
維持に必要な熱エネルギーに比べて高すぎることであ
る。 (2)第2の理由は、上述の超臨界水酸化装置の構成機
器を単に小型化するだけでは、分析廃液の処理を行う実
験室等で要求される小型処理装置を実現することが難し
いことである。
【0011】本発明者は、第1の理由に対しては、有機
溶媒からなる分析廃液を水で希釈して単位量当たりの分
析廃液の発生熱エネルギーを低下させ、かつ希釈した水
を超臨界水反応の補給水として利用することを考えた。
【0012】ところで、主として有機溶媒からなる分析
廃液と水とを混合した混合流体を小型の管型反応器に送
入して、超臨界水酸化反応を行うと、反応温度が不安定
になることが多い。それは、有機溶媒からなる分析廃液
と水とが相互に分離して、分析廃液リッチのブロック
と、水リッチのブロックとにブロック化し、分析廃液濃
度が高いブロックと、分析廃液濃度が低いブロックとに
分離して、交互に管型反応器に流入するからである。そ
の結果、分析廃液濃度の高いブロックが反応器に流入す
ると、有機溶媒の超臨界水酸化反応が急激に進行して反
応温度が上昇する。逆に、分析廃液濃度の低いブロック
が流入すると、発熱量が不足して、反応温度が低下す
る。即ち、分析廃液が均一な濃度で被処理液中に分散し
た状態で反応器に流入しないために、反応温度が不安定
になることを見い出した。この現象は、特に管型反応器
に著しい。
【0013】そこで、本発明者は、分析廃液と水の混合
流体を処理する際には、分析廃液と水とを混合して相互
に分散させたエマルション状の流体を形成し、形成した
エマルションを反応器に送入することを着想し、種々の
実験を行った結果、次のことを見い出した。 (1)エマルションを形成する際、分析廃液と水とに単
に乳化剤、例えば界面活性剤を添加して混合・分散した
だけでは、以下のような理由から、反応器内の反応温度
は安定しないことが、実験により判った。即ち、単に界
面活性剤を添加し、混合、分散させただけでは、エマル
ション中に生成したミセルが、エマルションを収容した
エマルション槽内、エマルションを送入する被処理液管
内、更にはエマルションを反応器に送入するために圧送
する圧送ポンプ内で沈降してしまうことが多い。その結
果、エマルション中のミセル濃度、従って分析廃液濃度
が不均一になるので、分析廃液濃度の異なるエマルショ
ンの導入に伴い、反応器温度も変動する。つまり、エマ
ルションの性状が反応温度の変動の大小を規定すること
が判った。
【0014】(2)エマルションの性状を規定する因子
は、エマルション中に生成したミセルの平均粒径及びミ
セル濃度であって、特にミセルの平均粒径が重要であ
る。ミセルの平均粒径が大きいときには、ミセルの負に
帯電した相互反発力よりもミセルに作用する重力の方が
大きくなり、ミセルが沈降し始める。ミセルの平均粒径
が小さいと、ミセル同士の相互反発力が、重力による沈
降力を上回り、沈降作用を抑制して、長時間安定した濃
度分布を示す。つまり、ミセルの粒径が小さいほど、ミ
セル濃度が均一で、長時間安定した乳化状態のエマルシ
ョンを維持することができる。そして、ミセルの平均粒
径が2μm以下であれば、ミセルの沈降が殆ど起こらな
いことを実験により確認した。
【0015】(3)また、界面活性剤にも制約があっ
て、界面活性剤であれば、何でもよいという訳ではな
く、非イオン性界面活性剤を使用することが重要であ
る。適用できる界面活性剤は、分析廃液中に含まれる有
機溶媒の種類によって異なるものの、トルエン等のベン
ゼン環を含む有機溶媒を主体とする分析廃液には、アル
キルフェニルエーテル系、多環フェニルエーテル系、ソ
ルビタン系の非イオン性界面活性剤を用いることがで
き、特に、ソルビタン系あるいは多環フェニルエーテル
系非イオン性界面活性剤が望ましい。これらの界面活性
剤を使用することにより、ミセルの平均粒径が2μm以
下の分析廃液と水のエマルションを容易に形成すること
ができる。また、界面活性剤が酸生成成分又は塩基生成
成分を含んでいると、それらが反応器内で塩類や酸を形
成して、塩類の析出や酸による反応器の腐食等を引き起
こす恐れがあるので、界面活性剤は、アルカリ、アルカ
リ土類金属等の塩基生成成分、ハロゲン及び硫黄等の酸
生成成分を含まないことが重要である。 (4)ミセルの平均粒径を2μm以下にするためには、
臨界ミセル濃度以上の濃度範囲で、疎水性有機物の質量
に対して1質量%以上の添加率で界面活性剤を添加する
ことが必要であることが判った。
【0016】更に、本発明者は、第2の理由に対して、
超臨界水酸化装置の機器をチューブラー化すること、及
び酸化剤の注入設備を小型化し易くするために、酸化剤
として大型の機器である圧縮機を必要とする空気に代え
て、小型のポンプで供給できる液状の酸化剤、例えば過
酸化水素(H2 2 )水を使用することを考え、実験に
よりその有効性を確認した。
【0017】上記目的を達成するために、上述の知見に
基づいて、本発明に係る分析廃液の処理方法は、有機溶
媒に有機塩素化合物を溶解させた分析廃液を超臨界水酸
化反応により処理する方法であって、分析廃液と水と乳
化剤とを混合して、エマルションを形成するエマルショ
ン形成工程と、エマルションと液状酸化剤とを反応器に
送って、超臨界水酸化反応によりエマルションを処理す
る処理工程とを有し、分析廃液に添加した水を超臨界水
酸化反応に要する補給水として利用することを特徴とし
ている。
【0018】好適には、反応器の上流にラインミキサー
等を設け、エマルション形成工程と処理工程との間にエ
マルションと酸化剤とを均一に混合するようにする。酸
化剤として、例えば、過酸化水素水又は酸素溶存水を使
用する。
【0019】また、エマルション形成工程では、エマル
ション形成工程では、単位量当たりのエマルションを超
臨界水酸化する際に発生する熱エネルギーが、エマルシ
ョンの超臨界水酸化反応を維持するのに必要な熱エネル
ギーを超えないように、分析廃液に水を添加して、単位
量当たりのエマルションの超臨界水酸化反応の際の発生
熱エネルギーを低下させるようにする。
【0020】更には、エマルション形成工程では、ミセ
ルの平均粒径が2μm以下であるエマルションを形成す
ることにより、エマルションの分離を抑制して、エマル
ション中の分析廃液濃度の安定性を増大させることがで
きる。ミセルの平均粒径が2μm以下であるエマルショ
ンを形成するためには、乳化剤の分析廃液に対する比率
は1質量%以上である。また、乳化剤として、アルカ
リ、アルカリ土類金属等の塩基生成成分、及びハロゲ
ン、硫黄等の酸生成成分を含まない非イオン性界面活性
剤を用いることにより、超臨界水酸化装置の腐食、特に
反応器等の腐食を防止することができる。
【0021】また、本発明に係る分析廃液処理装置は、
有機溶媒に有機塩素化合物を溶解させた分析廃液を超臨
界水酸化反応により処理するために、超臨界水を収容す
る管型反応器を備え、水と分析廃液とのエマルション、
及び液状酸化剤を反応器に供給して、超臨界水の存在下
で分析廃液と酸化剤との超臨界水酸化反応を行い、分析
廃液を処理する分析廃液処理装置であって、分析廃液と
水と乳化剤とを混合して、エマルションを形成する乳化
手段と、エマルションを反応器に注入するエマルション
注入手段と、管型予熱器を備え、予熱器で液状酸化剤を
予熱してエマルションと共に反応器に注入する酸化剤注
入手段と、反応器から流出した処理流体を冷却する管型
冷却器とを備えていることを特徴としている。
【0022】管型予熱器とは、例えば液状酸化剤が流れ
る管体の外側に発熱体を被覆した形式の加熱器、或いは
液状酸化剤が流れる管体をコイル状又は蛇管状にして電
気炉内に設けた加熱器等を言う。管型冷却器とは、二重
管型冷却器、水槽に処理流体が流れる管体をコイル状又
は蛇管状にして浸漬させた冷却器等を言う。管型反応器
とは、いわゆるチューブラー反応器を言う。反応器は、
21秒以上の反応時間を確保できる容積を有し、反応器
での反応温度は560℃以上である。そのため、反応器
の外側には、必要に応じて、発熱体を設けてもよい。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に、添付図面を参照し、実施
形態例を挙げて本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に
説明する。分析廃液処理装置の実施形態例 本実施形態例は、本発明に係る分析廃液処理装置の実施
形態の一例であって、図1は本実施形態例の分析廃液処
理装置の構成を示すフローシートである。本実施形態例
の分析廃液処理装置10は、分析廃液を超臨界水生成用
の水と共に反応器に送入して分析廃液を超臨界水反応さ
せて処理する装置であって、図1に示すように、管状反
応器12、反応器12に分析廃液、超臨界水生成用の水
及び界面活性剤を供給する供給系統、分析廃液と水とを
界面活性剤によってエマルション化する乳化装置14、
酸化剤として過酸化水素水を供給する供給系統、及び反
応器12以降の処理流体系統を備えている。反応器12
は、チューブラー反応器であって、21秒以上の反応時
間を確保できる容積を有し、反応器12での反応温度は
560℃以上である。そのため、反応器12の外側に
は、必要に応じて、発熱体を設けてもよい。
【0024】水の供給系統は、水を収容した水槽16
と、水槽16から乳化装置14に水を送る水ポンプ18
とから、分析廃液の供給系統は、分析廃液を収容した分
析廃液槽20と、分析廃液槽20から乳化装置14に分
析廃液を送る分析廃液ポンプ22とから、また、界面活
性剤の供給系統は、界面活性剤を収容した界面活性剤槽
24と、界面活性剤槽24から乳化装置14に界面活性
剤を送る界面活性剤ポンプ26とから、それぞれ、構成
されている。乳化装置14は、エマルションを生成する
乳化装置本体28と、乳化装置本体28から流出したエ
マルションを収容するエマルション・タンク30、及
び、エマルション・タンク30から送入管32を通って
反応器12にエマルションを送入する送入ポンプ34を
備えている。
【0025】乳化装置本体28は、連続運転型でも、バ
ッチ運転型でも良い。更には、連続運転型の乳化装置本
体28と、送入ポンプ34とを円滑に連動させることが
できる限り、エマルション・タンク30を設ける必要は
なく、乳化装置本体28と送入ポンプ34とを配管で直
接、接続して連続運転することもできる。尚、エマルシ
ョンが再び分離することを防ぐためには、エマルション
・タンク30の容量は小さいことが望ましく、更に望ま
しくは、上述のように乳化装置本体28と送入ポンプ3
4とを配管で直接、接続して連続運転する。本分析廃液
処理装置10で使用する乳化装置本体28は、例えばミ
ズホ工業(株)製の乳化攪拌装置、真空乳化攪拌装置を
使用することができる。
【0026】過酸化水素水の供給系統は、過酸化水素水
を収容する過酸化水素水槽35と、過酸化水素水槽35
から送入管32に接続され、過酸化水素水を注入する過
酸化水素水注入管36、過酸化水素水送入管36と送入
管32を介して反応器12に過酸化水素水を圧入する過
酸化水素水ポンプ37、及び過酸化水素水ポンプ37の
下流の過酸化水素水注入管36に設けられ、過酸化水素
水を予熱する管状予熱器38とを備えている。送入管3
2と過酸化水素水注入管36の合流点と反応器12との
間の送入管32には、エマルションと過酸化水素水とを
一様に混合するために、ディスク/ドーナツ式又はリボ
ン式のラインミキサー39が設けてある。
【0027】また、分析廃液処理装置10は、反応器1
2から処理流体を流出させる処理流体管40に、順次、
処理流体を冷却する冷却器42、反応器12内の圧力を
制御する圧力制御弁44、及び、処理流体をガスと液体
とに気液分離する気液分離器46を備えている。尚、濃
度が高い有機塩素化合物を含む分析廃液を処理する場合
には、反応器12から流出する処理流体に塩酸が含ま
れ、腐食問題が生じるので、処理流体にアルカリ水溶液
を注入して処理流体を中和し、かつ急冷する中和急冷部
48を反応器12の出口直後に備え、そこにアルカリ水
溶液を注入するアルカリ水溶液注入管50が接続されて
いる。
【0028】本実施形態例の分析廃液処理装置10は、
反応器12、予熱器38、冷却器42等の機器が全て管
状機器であって、しかも大型の空気圧縮器に代えて小型
の過酸化水素水ポンプを設けているので、大幅な小型化
が可能であって、全ての機器をハウジングに収容したパ
ッケージ型の分析廃液処理装置として、例えば実験室等
に設置できるようにすることができる。
【0029】分析廃液の処理方法の実施形態例 本実施形態例は、上述の分析廃液処理装置10を使って
本発明に係る分析廃液の処理方法を実施する実施形態の
一例である。本実施形態例の方法では、先ず、分析廃液
処理装置10の水ポンプ18、分析廃液ポンプ22及び
界面活性剤ポンプ26を起動して、水槽16、分析廃液
槽20、及び界面活性剤槽24から、それぞれ、所定比
率で水、分析廃液、界面活性剤を乳化装置14に送る。
【0030】乳化装置14で、界面活性剤の作用によ
り、ミセルの平均粒径が2μm以下の、水と分析廃液の
エマルションを形成して、エマルション・タンク30に
収容する。そして、送入ポンプ34を起動して、エマル
ションを反応器12に送入する。同時に、過酸化水素水
ポンプ37を起動して、過酸化水素水槽35から過酸化
水素水を吸引し、予熱器38で所定温度に予熱しつつ送
入管32に注入する。エマルションと過酸化水素水と
は、ラインミキサー39で一様に混合された後、反応器
12に流入する。以下、通常の超臨界水酸化装置と同様
にして運転する。尚、反応器12での反応温度は560
℃以上であり、反応時間は21秒以上である。
【0031】本実施形態例の方法では、小型の分析廃液
処理装置により、有害な有機塩素化合物、例えばダイオ
キシンを含む分析廃液を超臨界水酸化により確実にかつ
手軽に排出基準以下の濃度の処理液とすることができ
る。
【0032】
【発明の効果】本発明によれば、予熱器、反応器、冷却
器等の機器を管状機器にし、しかも大型の空気圧縮器を
必要とする空気に代えて、酸化剤として小型のポンプの
みを必要とする液状酸化剤を使用するので、装置の大幅
な小型化が可能であって、全ての機器をハウジングに収
容したパッケージ型の分析廃液処理装置として、例えば
実験室等に設置できるようにすることができる。本発明
方法によれば、小型の分析廃液処理装置により、有害な
有機塩素化合物、例えばPCB等を含む分析廃液を超臨
界水酸化により確実にかつ手軽に排出基準以下の濃度の
処理液とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例の分析廃液処理装置の構成を示すフ
ローシートである。
【図2】超臨界水反応装置の基本的構成を示すフローシ
ートである。
【符号の説明】
10 実施形態例の分析廃液処理装置 12 反応器 14 乳化装置 16 水槽 18 水ポンプ 20 分析廃液槽 22 分析廃液ポンプ 24 界面活性剤槽 26 界面活性剤ポンプ 28 乳化装置本体 30 エマルション・タンク 32 送入管 34 送入ポンプ 35 過酸化水素水槽 36 過酸化水素水注入管 37 過酸化水素水ポンプ 38 管状予熱器 39 ラインミキサー 40 処理液管 42 冷却器 44 圧力制御弁 46 気液分離器 48 中和急冷部 50 アルカリ水溶液注入管 60 超臨界水反応装置 62 反応器 64 処理液管 66 冷却器 68 圧力制御弁 70 気液分離器 72 被処理液ポンプ 74 空気圧縮機 76 被処理液管 78 空気送入管 80 補助燃料管 82 アルカリ剤送入管 84 補給水管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07D 319/24 C07D 319/24

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機溶媒に有機塩素化合物を溶解させた
    分析廃液を超臨界水酸化反応により処理する方法であっ
    て、 分析廃液と水と乳化剤とを混合して、エマルションを形
    成するエマルション形成工程と、 エマルションと液状酸化剤とを反応器に送って、超臨界
    水酸化反応によりエマルションを処理する処理工程とを
    有し、分析廃液に添加した水を超臨界水酸化反応に要す
    る補給水として利用することを特徴とする分析廃液の処
    理方法。
  2. 【請求項2】 エマルション形成工程と処理工程との間
    にエマルションと酸化剤とを混合する工程を有すること
    を特徴とする請求項1に記載の分析廃液の処理方法。
  3. 【請求項3】 酸化剤が過酸化水素水又は酸素溶存水で
    あることを特徴とする請求項1又は2に記載の分析廃液
    の処理方法。
  4. 【請求項4】 エマルション形成工程では、単位量当た
    りのエマルションを超臨界水酸化する際に発生する熱エ
    ネルギーが、エマルションの超臨界水酸化反応を維持す
    るのに必要な熱エネルギーを超えないように、分析廃液
    に水を添加して、単位量当たりのエマルションの超臨界
    水酸化反応の際の発生熱エネルギーを低下させることを
    特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の分析
    廃液の処理方法。
  5. 【請求項5】 エマルション形成工程では、ミセルの平
    均粒径が2μm以下であるエマルションを形成すること
    を特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の分
    析廃液の処理方法。
  6. 【請求項6】 乳化剤の分析廃液に対する添加比率は1
    質量%以上であることを特徴とする請求項5に記載の分
    析廃液の処理方法。
  7. 【請求項7】 乳化剤として、アルカリ、アルカリ土類
    金属等の塩基生成成分、及びハロゲン、硫黄等の酸生成
    成分を含まない非イオン性界面活性剤を用いることを特
    徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の分析廃
    液の処理方法。
  8. 【請求項8】 有機溶媒に有機塩素化合物を溶解させた
    分析廃液を超臨界水酸化反応により処理するために、超
    臨界水を収容する管型反応器を備え、水と分析廃液との
    エマルション、及び液状酸化剤を反応器に供給して、超
    臨界水の存在下で分析廃液と酸化剤との超臨界水酸化反
    応を行い、分析廃液を処理する分析廃液処理装置であっ
    て、 分析廃液と水と乳化剤とを混合して、エマルションを形
    成する乳化手段と、 エマルションを反応器に注入するエマルション注入手段
    と、 管型予熱器を備え、予熱器で液状酸化剤を予熱してエマ
    ルションと共に反応器に注入する酸化剤注入手段と、 反応器から流出した処理流体を冷却する管型冷却器とを
    備えていることを特徴とする分析廃液処理装置。
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