JP2003164474A - 医療用ユニットの配水管および配水の電流殺菌方法および装置 - Google Patents

医療用ユニットの配水管および配水の電流殺菌方法および装置

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JP2003164474A
JP2003164474A JP2002129300A JP2002129300A JP2003164474A JP 2003164474 A JP2003164474 A JP 2003164474A JP 2002129300 A JP2002129300 A JP 2002129300A JP 2002129300 A JP2002129300 A JP 2002129300A JP 2003164474 A JP2003164474 A JP 2003164474A
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pipe
water distribution
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JP2002129300A
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Masahiro Takahashi
正浩 高橋
Eisuke Wada
英輔 和田
Toraichi Katsube
寅市 勝部
Yoshikazu Hashiguchi
芳和 橋口
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JONAN KK
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JONAN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 経済的で、安全、かつ充分な殺菌特性を持っ
た医療用ユニットの配水管および配水の電流殺菌方法お
よび装置を提供する。 【解決手段】 医療用ユニットの配水管内の配水中に露
出するように陽極電極を設けるとともに、陰極を前記配
水管の内面に電気的に導通する該配水管の外表面部に接
続するか該配水管内の配水中に露出させ、これら電極に
よって、管内配水に、出力が3〜50mAの範囲の電流
を印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用ユニットの
配水管内の配水や配水管の内壁に生息する細菌の殺菌、
滅菌あるいは不活性化または増殖や生育の阻止を電流の
印加や電気化学反応によって、効果的に行なう医療用ユ
ニットの配水管および配水の殺菌方法および装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】歯科、眼科、外科、その他の医療施設に
おいて治療等に用いられる医療用ユニットには、患者の
患部の洗浄等を行うために水が使用されており、そのた
めに配水管が内蔵されている。この配水管は内部から外
部に延出している場合もある。この配水管に供給される
水としては、通常、飲料用の水道水が使用されている。
前記配水管としては、白ガス管(亜鉛メッキ鋼管)や樹脂
ライニング鋼管、樹脂管などが使用されている。
【0003】前記飲料用の水道水は、水道局による塩素
消毒が実施されており、細菌による水質の汚染の心配が
ない水質基準として、消毒力のある次亜塩素酸や次亜塩
素酸イオン(以下、これを総称して残留塩素と記載す
る)の水中濃度が所定範囲値に規定されている。しかし
ながら、医療用ユニット内の配水は、水道本管から引き
込まれたもので、水道本管以降の引き込み管の残留塩素
濃度は、配管材料に金属管が使用されていると水質基準
値以下となったり、検出されなくなったりする場合も多
く、その場合の細菌による汚染が問題となっている。例
えば、米国のCRA(Clinical Research Associates)
は、Clinical Research Associates Newsletter,vo
l.21,No.5,May,1997に汚染状況を報告している。また、
国内においても『日本歯科保存学雑誌 第43巻第1
号:16〜22、2000』にも、デンタルユニットの配水管に
おける細菌汚染状況やバイオフィルムの存在が報告され
ている。これらの原因の多くは、配水管に金属材料が使
用されていたり、ユニット内を流れる水量が少量であっ
たり、使用しない時間が長いなどで配水中の残留塩素が
消耗したことによると思われる。また、白ガス管や樹脂
ライニング鋼管では、使用年月の経過とともに管内部全
体や継手部等の金属部が腐食してくる。また、材質を問
わず配水管の内壁には、スケールやスライムが経時的に
付着する現象が生じる。この配水管内面の金属の腐食や
スケールやスライム付着が生じると、それらの腐食部や
付着部に細菌が入り込み、細菌はそこで増殖し、いわゆ
るバイオフィルムを形成するので、水を更に汚染するこ
とにもつながる。
【0004】電流と殺菌の関係については、特開平6−
292892号公報に塩化ナトリウムと無機酸を溶解さ
せた水に電流を流して殺菌水を製造する方法とその製造
装置が報じられている。また、特開平11−33086
号公報には、電流を直接細菌のいる寒天培地に印加し
て、細菌に対して生育抑制や殺菌効果があることが報じ
られている。しかしながら、その詳細はいずれも配水管
における具体例ではなく、電流出力装置も具体的に明示
されていない。
【0005】また、配水管中の細菌汚染を、電流を用い
て阻止あるいは滅菌を行なう装置や方法を開示している
従来の技術としては、特開平10−237681号公
報、特開平10−290824号公報、実用新案登録第
3069670号公報に報告例がある。この3例に開示
の技術は、いずれも本願発明人らを中心に開発したもの
である。
【0006】先願の技術およびその効果は、配水管内の
細菌の増殖阻止や滅菌作用に対してそれぞれの効果が発
現されるも、その主たる目的が配水管の金属部に防食電
位を与えることにより金属部の腐食を防ぐことにあるた
め、電流による殺菌効果の原理的な解明が充分とは言え
ず、そのために技術的な改良の余地を残すものであっ
た。具体的に技術的な改良の余地がある例としては、電
極部への電解質皮膜付着などによる電気的短絡現象の発
生、配水管材料として腐食防止の観点から使用されるよ
うになったコアライニング管や合成樹脂管の場合におけ
る陰極電極部へのカルシウムやマグネシウム化合物の多
量析出による早期出力低下現象、殺菌の対象となる配水
への適正な出力電流値と安全性、それに伴う殺菌効果の
発現までの期間、あるいは電極設置位置から配水の出口
までの距離による効果の違いなどが挙げられる。そのひ
とつである電気的短絡防止方法については、本発明に用
いても効果的である電極構造について、先に、特願平1
3−059083号において提案した。その他の事項に
ついても、医療用ユニットの配水を殺菌対象とした場合
には、更なる研究による改良が必要である。このような
更なる改良が必要なのは、特に、医療用ユニットがデン
タルユニットの場合である。図1に示すように、デンタ
ルユニットは、ハンドピースやシリンジ1、スケーラー
2等の先端を口中に入れて一定圧の空気とともに注水し
ながら治療するものであるが、このユニットに電流殺菌
法を適用しようとした場合、注水の水流や空気流が乱れ
ないように、配水管3内における水の電気分解によるガ
スの発生を制御することが必要であり、また、電流滅菌
装置をデンタルユニットのケーシングであるチェアユニ
ット・ボックス4内に一体化して装着する場合は、より
コンパクト化が望まれ、医療機器安全規格である(JIS
T-1001 等)に適合していることも要求される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、医療
用ユニットの配水の電流殺菌方法および装置を構成する
場合に問題となる水質と出力電流の関係、電極設置位置
から治療用ユニットの水の出口までの距離、および水の
電気分解によるガスの発生を制御しながら、配水管内の
電流殺菌効果を安全かつ最も効果的に高めることのでき
る要件を明らかにし、経済的で、安全、かつ充分な殺菌
特性を持った医療用ユニットの配水管および配水の電流
殺菌方法および装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、この課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、電極の配水管
への接続や出力制御などについて各種実験を行い、いく
つかの条件を満足させることにより、目的とする医療用
ユニットの配水管および配水の電流殺菌を効果的に行う
ことが可能となることを見いだすに至った。
【0009】日本国内では通常の医療用ユニットに用い
ている水の導電率は、3〜60mS/mの範囲内(水温が
2〜40℃の範囲)にある。一方、海外では、カルシウ
ムやマグネシウムが比較的多い硬水や塩分の多い水も上
水道水として使用され、160ms/m程度の値を示す
場合もある。医療用ユニットの配水管中に導入される、
このような水の電流殺菌は、図2に示すように、配水管
3の配水中に露出するように陽極電極5を設置し、他方
の陰極6を配管内に導通する金属の外表面部に接続する
か該配水管3内の水中に陰極6を設置し、管内の水を介
して、この双方の両極間に電流を印加する構成をとる。
この場合に印加する出力電圧、電流、電力としては、下
記1)の条件であることが重要であることが判明した。
【0010】また、前記陽極5および陰極6を介して配
水中に電流を印加する役割を果たすことになる直流電流
出力装置7の特性としては、下記の2)および3)の条
件を満たすことが重要である。
【0011】1) 配水管3内の電極5,6を介した配
水中への適正な出力電流は3〜50mAの範囲内であ
り、その範囲内において、望ましくは、出力電圧が5〜
30Vの範囲内で、その積算値である出力電力が15〜
1000mWの範囲内である。
【0012】2) 直流電流出力装置7の本体出力電圧
は、典型的には10〜50Vの範囲内であって、その場
合において、その短絡電流値が5〜80mAの範囲内で
あることが望ましい。
【0013】なお、図2において、符号8は直流整流器
を示すものであり、9は変圧器を、10は交流電源を示
している。
【0014】本発明は前述の知見に基づいてなされたも
ので、本発明に係る医療用ユニットの配水管および配水
の電流殺菌方法は、医療用ユニットの配水管および該配
水管内の配水の電流殺菌方法であって、前記配水管内の
配水中に露出するように陽極電極を設けるとともに、陰
極を前記配水管の内面に電気的に導通する該配水管の外
表面部に接続するか該配水管内の配水中に露出させ、こ
れら電極によって、管内配水に、出力が3〜50mAの
範囲の電流を印加することを特徴とする。前記出力電流
の範囲で制御するに際して、望ましくは、出力電圧が5
〜30Vで、該電圧と前記電流との積算値である出力電
力が15から1000mWとする。
【0015】また、本発明に係る医療用ユニットの配水
管および配水の電流殺菌装置は、医療用ユニットの配水
管および該配水管内の配水の電流殺菌装置であって、前
記配水管内の水中に露出するように設けた陽極電極と、
陰極を前記配水管の内面に電気的に導通する該配水管の
外表面部に接続するか該配水管内の配水中に露出させて
取り付けられた陰極電極と、これら電極を介して、管内
配水に、出力が3〜50mAの範囲の電流を印加する直
流電流出力装置とを有することを特徴とする。前記直流
電流出力装置では、前記電流値を制御するに際して、望
ましくは、出力電圧を5〜30Vで、該電圧と前記電流
との積算値である出力電力を15から1000mWに制
御する。前記直流電流出力装置では、望ましくは、本体
出力電圧が10〜50Vの範囲に設定されるとともに、
その短絡電流値が5〜80mAの範囲に設定される。
【0016】
【発明の実施の形態】前記構成の本願発明において、前
記配水管内の陽極電極取り付け位置から配水管の出口位
置までの距離は、通常の医療用ユニットで通常の使用環
境にある場合は、配管長で5m以内であることが望まし
い。
【0017】また、本発明は、医療用ユニットが歯科治
療用のデンタルユニットである場合に特に有効であると
考えられる。
【0018】前記陽極と陰極の双方の電極を水中に露出
させた場合は、一定時間ごとにプラスとマイナスが反転
する出力電流形態を採用してもよい。
【0019】本発明方法および装置の対象となる水の導
電率の値は、水温が2〜40℃の範囲におけるものであ
る。水の導電率は水中のイオン濃度に支配されている。
医療用ユニットに用いられている水の多くは水道水であ
り、その水源である河川や地下水にはカルシウムやマグ
ネシウムを主体とした無機陽イオンをはじめ、各種の陽
イオンや陰イオンが含まれており、その濃度は地域によ
って異なる。これらのイオン濃度が水の導電率を支配し
ている。
【0020】また、溶解している状態の無機化合物も多
く含まれている。これらの無機化合物の水中への溶解度
やイオン化度は、温度によって変化する。殆どの場合
は,温度が上がれば溶解度もイオン化度も高くなり、通
常は温度に比例的である。この水温と導電率との関係の
例については、参考例として後述する。
【0021】純粋な水は極めて電気抵抗が高く、例え
ば、大気中の炭酸ガスの分圧と平衡状態にある蒸留水の
導電率は0.2mS/m程度(20℃)である。蒸留に
よって精製された水は、必然的に加熱殺菌がされている
ので、改めて殺菌の必要性はないが、常温において除菌
フィルター無しで大気中に開放されると、大気中の細菌
が入り込むことになるので注意を要する。日本では、電
流殺菌の対象とする水の導電率は、現実の使用水の値で
ある3〜60mS/mであるが、そのような水を電流殺
菌する場合は、その水中への出力電圧は、5〜30Vの
範囲内が望ましく、更に好ましくは5〜20V、特に好
ましくは5〜15Vの範囲内である。一方、目を海外で
医療用ユニットに使用されている水に移すと、60mS
/mを大きく越える導電率(>120mS/m)の水も
使用されているので、所望の印加電流値を得る為には、
出力電圧値、出力電力の適正運用範囲を修正する必要が
ある。
【0022】一方では、電流による殺菌を効率的に行う
という観点からは、水中に3mA以上の電流を流す必要
がある。したがって、結果的には、本発明を用いて、殺
菌に効果的な電流を流すには、日本における通常の使用
環境下においては、水の導電率が3mS/m以上である
ことが好ましいということになる。他方、導電率が60
mS/mを超えている(海外の例では>120mS/
m)水を対象とした場合、陰極電極表面に電気絶縁性の
難溶性カルシウムやマグネシウムの炭酸塩や水酸化物を
主成分とした無機物の析出・沈着が激しくなり、電流出
力低下現象が早期に起こるようになること、導電率が高
い水ほどその導電率が温度の影響を受けて変化しやすく
なり、例えば、同一水源であっても厳寒期と酷暑期では
導電率が大きく異なるために、出力電流の制御に、より
多くの制御部品を必要とするなどが起きるので、その点
を考慮して、電流殺菌の出力電圧、電力を制御する必要
がある。
【0023】電流(I)と電圧(E)と電気抵抗(R)
の関係は、I=E/Rで表され、出力電力(=消費電力)
Wは、W=I×Eの関係で表される。水の電気抵抗R
(導電率の逆数)が、水質や温度によって大きく変化す
ることは、出力装置を製造する上では大きな問題であ
る。本発明にとって、予め対象となる水の導電率の範囲
を知ることによって、その水の導電率の変化に追随する
回路を出力制御装置に組み込むことは経済的に可能であ
る。
【0024】すなわち、本発明の電流殺菌の対象とする
現状の水は、世界的に見ても、そのほとんどが、導電率
が3〜120mS/mの範囲内(水温が2〜40℃の範
囲)にあるが、殺菌処理の容易さという観点からは、好
ましくは、導電率が3〜80mS/mの範囲内(水温が
2〜40℃の範囲)、特に好ましくは、導電率が5〜6
0mS/mの範囲内(水温:20℃基準)にある水を用
いた方がよく、最も好ましくは導電率が5〜40mS/
mの範囲内の水であるが、これは一種の目安である。使
用水とはそもそも医療用ユニットを設けた場所に所与の
ものであるので、このような導電率を大幅に逸脱する水
を医療用ユニットにて使用しなければならないのであれ
ば、本発明装置に付加的に水の導電率を制御する水質処
理装置を設置し、いわば使用水を前処理するようにすれ
ば、使用水としては、特に制限を設ける必要もない。な
お、20℃基準の導電率の求め方は、測定の対象となる
水を20℃の温度にして、その導電率を測定すればよ
い。
【0025】次に、本発明では、水中へ3〜50mAの
範囲内の電流を出力することによって目的を果たすが、
そのような出力電流値の範囲内において、出力電圧が5
〜30Vの範囲内とするとともに、該電圧値と前記電流
値との積算値である単位時間当りの出力電力が15〜1
000mWの範囲内とすることが、望ましい。これにつ
いてさらに追加説明をする。
【0026】水の導電率が5〜120mS/mの範囲内
(水温が2〜40℃の範囲)である場合を想定すると、
すなわち、世界的に見て、元来、一般に使用されてきた
水質の水であれば、殺菌効果と電圧・電流量に比例的な
水の電解による水素や酸素ガスの発生量を制御すること
は困難ではない。水の電解による水素や酸素ガスの発生
と生成量は、電気化学反応で既知であり、ファラデーの
法則に従う。問題となるのは、弁を締め切った配水管内
の水に夜間・休日などに電気を流し続ける状態が続いた
ときに生成するガス量である。その観点から、本発明を
適用する場合、上述の水を使用する場合を前提とする
と、時間当りの出力電流としては3〜50mAの範囲内
が適当であり、好ましくは4〜30mAの範囲内、更に
好ましくは4〜15mAの範囲内である。
【0027】夜間、休日などの停滞した水に電気を流し
続ける場合は、系内の残留塩素濃度や酸素ラジカル濃度
も次第に増え続ける一方となる。また、水素ガスや酸素
ガスの蓄積が問題となる。このような場合には、もう一
つの方法として、タイマを設置して、このタイマーに、
休日明けの始業開始前、数時間に電流滅菌装置が作動を
始め、終業時に作動を停止するようなプログラムを組み
込んでおいてもよい。このガス発生による影響として、
下記(i)(ii)(iii)の3点に関しては、ガス抜き
をアノードの下流側に設置すればよい。 (i) 朝一番のデンタルチェアの使用時に、うがい
水、シリンジ、ハンドピース等から、ガスが吹き出す。 (ii) アノード下流側に中空糸フィルター等がある場
合、ガスがフィルター内に留まってしまい、そのために
水流量が低下する。 (iii) 長期の休日の際に配水管内に発生したガスが
次第に蓄積して配水管内の圧力が上昇し、配水チューブ
などを破損する。
【0028】しかしながら、対象とする医療装置、特に
デンタルチェアのユニットボックスは多様であり、アノ
ード取り付け位置より低い位置に、アノードの下流側配
水管が引き回されている場合がある。このような場合に
対処するために、通常のアノードではなく、特殊構造の
アノードが必要になる。そのような特殊構造のアノード
を配水管継手に組み込むことにより、問題の解決を図っ
た。図3は、そのような継手の一例を示す一部断面視し
た側面図である。この継手の図に付した符号を以下に説
明することにより、構造の説明に代えることとする。図
中、符号11は白金被覆チタン陽極、12は陽極保護
管、13は袋ナット、14はO−リング、15、16は
T継手、17はエルボー、18はフロートカバー、19
はフロートであり、Aは配水の入り口、Bは配水の出
口、Cはガス排気口である。
【0029】前記T継手16の上部には前記ガス排気口
Cを有するフロートカバー18が取り付けられており、
このフロートカバー18によりチャンバー20が形成さ
れている。そして、このチャンバー20内に前記フロー
ト19が設置されている構成となっている。このフロー
ト19はチャンバー20内に水が満たされているとき
は、浮力により上方に押しつけられて、前記ガス排気口
Cを塞ぐようになっており、チャンバー20内にガスが
溜まり始め、チャンバー20内の水位が低下すると、フ
ロート19も低下して、前記ガス排気口Cを開放するよ
うになっている。
【0030】前記構成では、チャンバー20、フロート
19、およびフロートカバー18が、ガス発生検知手段
を構成し、これらチャンバー20、フロート19、フロ
ートカバー18、そして、ガス排気口Cがガス排出手段
を構成している。
【0031】なお、医療用配水管には、耐圧限界以上に
圧力が上昇しないように安全弁が設置されている例も多
いが、安全弁が設置されていない場合もある。医療用装
置に本発明の前述のガス排気機能を有する電気殺菌ユニ
ットを取り付けた場合であっても、配水管に安全弁が設
置されていない状態であると、次のような問題が生じる
場合があることに、本願発明者らは、気がついた。すな
わち、医療装置の配水管の配水の入口弁を閉じて本発明
装置を作動させると、水の溶解限度を越える遊離ガスが
生じる場合があり、その場合、配水管中の水圧が上昇
し、その水圧の上昇によって、逆に遊離ガスも圧縮され
るので、遊離ガスの占有容積が発生量が増えた割には、
増加しない。その結果、前記構造のフロート19が作動
するに至らず、ガス量の増加と水圧の増加が生じ続ける
ことになり、配水系に異常な圧力負荷が掛かり続ける危
険な状態に至ることがある。ちなみに、内容積100c
cの密閉配水管に10mAの電流を継続して流した場
合、1時間当たり0.1kg/cmの圧力上昇が測定
された。したがって、配水系に安全弁を有しない医療装
置に本発明の電気殺菌装置を設置する場合は、アノード
構造をガス抜き機能を有するものとするとともに、配水
管に安全弁を併設する必要がある。
【0032】前記特殊構造のアノードによる実際の効果
については、後述の実施例において、説明する。
【0033】次に、その電流と電圧の積算値である出力
電力が15〜1000mWの範囲内に限定した理由につ
いて述べる。本発明の電流殺菌装置を医療用ユニットの
配水管に取り付ける場合の位置としては、配水管の出口
近くに取り付けることが好ましい。これは、遠くに取り
付けると言うまでも無く、その間に殺菌された水の効力
が配管内で減衰したり、消失したりする可能性があるか
らである。近くであれば、配管の長さを勘案することに
よって不必要な電力消費やガス発生、漏れ電流を容易に
制御できる。この医療用ユニットと電極間の距離につい
ては、後述するが、それらを要件とすると、出力電力が
15〜1000mWの範囲内、更に好ましくは30〜5
00mWの範囲内、最も好ましくは40〜150mWの
範囲内である。これらが限定されることによる他のメリ
ットとしては、ユニットの発熱を少なくすることがで
き、それに伴って、直流電流出力装置のコンパクト化が
図れることが挙げられる。
【0034】次に、本発明の水中への電流出力による殺
菌の原理および作用について説明する。
【0035】本発明者らは、水道配管である金属配管
(白ガス管などの鉄を主体とした水道配管)内部が、経
時的に腐食し、鉄の酸化物が水に混入している赤水と呼
ばれる水や配管内が錆コブによって閉塞し、水の出が悪
くなるのを阻止する方法として、電気化学的に金属部を
不活性化して阻止する方法である電気防食装置を、先に
実用化した。装置を取り付けていない赤錆配管のいくつ
かからは、飲料水基準を越えた細菌が検出された。しか
し、この装置の装着により、鉄と反応し消滅していた残
留塩素の消耗が大幅に抑制されたため、本来の殺菌・消
毒力のある状態で蛇口から出るようになり、細菌の検出
もされなくなった。残留塩素濃度とその殺菌・消毒効果
については(財団法人)日本環境整備教育センター出版
の『水の消毒』、技報堂出版の『水質衛生学』などに記
載されているので明らかである。
【0036】本発明者らは、その後、電気防食と殺菌に
ついて、研究を続けた結果、電気防食装置を設置して、
まだ残留塩素が出ていない状態においても殺菌作用が生
じていることを見出した。さらに、直接電流が細菌に対
して殺菌効果を示すこと以外にも、いくつかの化学反応
が殺菌作用をもたらすことを見出した。そのひとつは、
水の電解によって生成する酸素ラジカル、ヒドロキシラ
ジカル、パーオキシラジカルなどの活性酸素の働きと推
定されるものである。また、塩素イオンの飲料水として
の許容濃度は、例えば、日本国では、200mg/L以
下であるが、この場合でも、塩素イオンが存在すれば、
電流を流すことによって、残留塩素濃度が生成すること
も確認できた。また、他の例として、海外に目を転じて
みると、米国のロサンゼルス市の水質基準では、塩素イ
オンの上限値は500mg/Lであり、このような水で
は、さらに効率よく残留塩素を生成できることも確かめ
られた。
【0037】つまり、本発明の水中への電流印加による
殺菌の原理および作用としては、本来水道水に入れられ
ている残留塩素の出現、水の電解による活性酸素の働
き、塩素イオンからの残留塩素の復活、直接電流による
細菌への電気ショックが推定される。
【0038】本発明の基本的構成は、医療用ユニットの
配水管内の水中に露出させて陽極電極を設置し、陰極を
配水管内面に電気的に導通する該配水管の外表面部に接
続、または該配水管内の水中に陰極を設置する異にある
が、この本発明の構成について説明する。
【0039】これらについては、先願技術の特開平10
−290824号公報、特開平10−237681号公
報、実用新案登録第3069670号公報にあるよう
に、配水管が白ガス管などの金属配管や金属配管部を有
する場合は、配管の金属と短絡しないように電気絶縁体
を介して陽極を配水管内に設置し、陰極は金属配管の外
表面部に接続すればよい。これによって、配水管内の水
を介して陽極電極と配水管内面に露出した金属配管を陰
極として電流が流れる。金属配管内部が電気絶縁性の樹
脂で完全にライニングされた管や合成樹脂製の配管にお
いては、陰極を配管内に設ける必要がある。これについ
ては、配管の途中に、先願技術同様にフランジ形状の継
手や多方管継手形状の電極、または陽極と陰極の両方が
露出したフランジ形状の継手や多方管継手形状のもの
を、介装すればよい。また、陽極を配水管のストレーナ
ー内部に設置したものでもよい。このような構成の一例
を図4に示した。図中、符号111は制御ユニットであ
り、112はクロスアノード、113はストレーナー、
114はデンタルチェアの脚部である。このような構成
では、双方の電極間距離は、近すぎると、短絡のおそれ
があり、また遠すぎると水の電気抵抗の影響を受けるこ
とから、0.5〜50cm、更に好ましくは1〜10c
mの範囲内である。
【0040】本発明において、直流電流出力装置の本体
出力電圧が10〜50Vの範囲内で、その短絡電流値が
5〜80mAの範囲内であることが望ましいが、その点
について説明する。なお、この直流電流出力装置が、例
えば、交流電流を直流電流に整流する回路、整流された
電流を受けて定電流を出力する回路あるいはパルス電流
を出力する回路、あるいは電極反転出力回路などからな
る構成としてもよい。
【0041】前記直流電流出力装置を構成する定電圧制
御回路および定電流供給回路を含む回路の一例を図5に
示した。
【0042】図5に示した回路では、直流整流器からの
接続端子115,116を介して印加された電力をレギ
ュレータ17で一定電圧に制御し、トランジスタ118
に印加する。トランジスタ118,抵抗器119,ツェ
ナーダイオード120,および抵抗器121は、電流が
規定値以上に流れないように制御して、陽極15および
陰極16に電力を供給する定電流制限機構を構成してい
る。発光ダイオード123は電気の入力を表示する。抵
抗器122は発光ダイオード123に流れる電流を必要
最小限に抑える。
【0043】図6は前記パルス電流供給回路の一例を示
すもので、このパルス電流供給回路では、端子115,
116を介して印加された電力をレギュレータ124で
パルスの高圧側一定電圧に制御し、レギュレータ125
でパルスの低圧側一定電圧に制御する。タイマー回路1
26とリレー回路127とを介して電流制御機構128
に高圧と低圧の電力を交互に入力する。このことにより
陽極5と陰極6とにパルス電流が供給されることとな
る。
【0044】本発明では、殺菌の対象となる配水管内の
配水中に設置した陽極と陰極の両極間に前記の出力電
圧、電流、電力を印加することのできる直流電流出力装
置を用いるが、この装置は、ユニットに一体化して使用
することが望ましい。このようなシステムにおいて、前
記好適な範囲の出力電流、電圧、電力を送り込むには、
電流出力装置の本体出力電圧としては、5〜50Vの範
囲内とすることが好ましい。この電圧値として、更に好
ましくは12〜30Vの範囲内、最も好ましくは15〜
25Vの範囲内である。また、本発明に言う短絡電流と
は、前記の一対の電極(個別電極)に対して、送り込む
制限電流値のことであり、万一、双方の電極が短絡して
も、それ以上の電流が流れないように安全上の対策を図
るためのものである。本発明では、この値としては、5
〜80mAの範囲とすることが望ましい。従って、医療
用のユニットが隣接して複数設置されている場合は、各
々の配水管に電極のみを設置し、直流電流出力装置の本
体から各々の電極に同等の電流を印加できるように出力
端子を設ければよい。または、陽極電極と本体出力装置
との間に、リミッターと称されている制限電流制御部材
を個々に取り付けても良い。また、そのような場合にお
いても、本体そのものから出力する最大電圧×電流値も
安全上制限する方が好ましい。例えば、直流電流出力装
置の本体付近で水素ガスやエチレンガスの漏逸が起こっ
たと想定した時、短絡電流によるガスの点火電圧×電流
の関係は、15Vで1000mA、20Vで500m
A、30Vで150mA、40Vで80mA、50Vで
60mAであり、これを越えないように、本体そのもの
から出力する最大電圧×電流値も安全上制限しておく方
が好ましい。また、電流の出力形態はパルス電流であっ
ても良い。このようにパルス電流とする効果としては、
陰極電極へのエレクトロコーティングの付着量の抑制が
挙げられる。また、最大出力と最小出力との変動を与え
ることにより平均ガス発生量は抑制しつつ、最大出力時
の塩素および/または発生期の酸素の拡散波及領域の拡
大効果も期待できる。
【0045】次に、本発明では、医療用ユニットの配水
管内の水中に露出した陽極電極と配水管出口との間の距
離が、通常の医療用ユニットで通常の使用環境において
は、配管長で5m以内であることが望ましい。この点に
ついて以下に説明する。なお、この電極の設置位置の好
適な数値範囲は、医療用ユニットに一対の電極のみを取
り付ける場合に適用する条件であり、後述するように、
必要に応じて、電極対を複数も設ける場合には、常用す
る電極対についてのみ適用する条件であり、副次的に設
ける他の電極対については、特に適用する必要はない。
【0046】本発明においては、医療用ユニットの配水
管への陽極取り付け位置は、この陽極が装置に唯一の電
極もしくは複数も受ける場合の主たる役割の電極である
場合には、配水管出口近くに取り付けることが好まし
い。これは、遠くに取り付けると、言うまでも無く、そ
の間に殺菌された水の効力が配水管内で減衰したり消失
したりする可能性が生じるからである。近くであれば、
配管の長さを勘案することによって不必要な電力消費や
ガス発生、漏れ電流を容易に制御できることに基づく。
水中に陰陽双方の電極を露出させて、そこに電流を印加
した場合、流れる電流Iは、I=E/Rで既に示した。
これまでに述べてきたように、配水管に電流を流す場合
の安全性から、陰陽双方の電極間距離や水の抵抗に応じ
て電流や電圧を無制限に上げることは望ましくなく、ま
た、むやみに下げることは電流が弱すぎて殺菌作用が乏
しくなる点で望ましくないのは、明らかである。先行技
術にあるような電気防食法では、配管内のエレクトロコ
ーティング生成により、1年経過後に至って15mから
30m先まで届くようになるが、このような長期経過を
必要とするのでは、医療用途には役に立たない。医療用
ユニットでは、装着すれば、そのときから徐々にではあ
ったとしても効果の発現が望まれる。早期に効果を発現
させるには、出力電流×電圧と水の導電率が関与する。
一方では、先ほど述べたように、遠くに取り付けた場
合、その間に殺菌された水の効力が配管内で減衰した
り、消失したりする場合もあるので、電極は配水管出口
近くに取り付けることが好ましい。この電極取り付け位
置は、本発明では、出力との関係から配水管出口までの
配管長で5m以内が適当であり、更に好ましくは3m以
内である。最短距離としては、最大出力時の漏れ電流を
基準値以内に収めるために、数十センチは水の出口との
距離を保つ方が良いと思われる。このような取付範囲の
限定は、設置電極が装置にただ一つであるか、設置電極
を複数とした場合の主たる作用を担う電極に適用される
べきもので、複数設ける他の電極には適用する必要はな
いと、先に述べた。この場合の、複数設ける電極のうち
他の副次的な電極としては、例えば、装置の不使用時の
配水管に滞留する配水の殺菌状態の経時的劣化を防止す
るために給水路閉止弁(主に電磁弁が使用されている)
の給水上流側または/および給水下流側に設ける電極が
代表例として挙げることができる。その他にも常用する
主電極の稼働負担を分担し、装置内の殺菌・防食効果を
より効率化するための稼働補助電極が考えられる。
【0047】本発明は、医療用ユニットが歯科治療用の
デンタルユニットである場合、特に有用であるが、この
点について以下に説明する。
【0048】歯科治療用のデンタルユニットについて、
業界では、その細菌による水質汚染問題が取りざたされ
るようになってきた。その汚染状況についての文献等は
既述した報告書に記載されている。本発明は、医療用の
ユニットに使用されている水の殺菌や細菌の生育、増殖
などを究極的には阻止することが目的であるが、試験的
に本発明の装置をデンタルユニット装着した結果は極め
て満足すべき結果が得られている。その詳細は、実施例
として後述する。
【0049】本発明において陽極と陰極の双方の電極を
水中に露出した場合、時間毎にプラスとマイナスが反転
する電流出力形態を採用してもよい。この構成について
以下に説明する。
【0050】既に述べたように、水中にはカルシウムや
マグネシウム化合物やイオンが溶存している。これら
は、水の導電率を高め、また金属配管の電気防食におい
てはエレクトロコーティング生成の源であり、有用なも
のであるが、一方では、陰極電極表面に無機物として付
着し、出力電流を減衰する厄介ものでもある。金属配管
の場合は、導通している配管全体が陰極となるので、そ
れ程問題とはならないが、樹脂ライニング管や樹脂配管
の場合は陰極電極面積が限られているので、水の流れが
遅いと、洗浄効果が弱く、陰極電極部に集中的に付着す
る現象を起こしやすい。これを防ぐ効果的な方法として
は、チタンやニオブを基体とした材料に白金をメッキあ
るいはクラッドした電極などを使用して、そこにパルス
電流を印加することも効果的であるが、特に効果的な方
法は、一定時間毎にプラスとマイナスとが反転する出力
電流を電極に流す方法である。本発明においては、プラ
スとマイナスを反転させる間隔としては、水の導電率、
更なる目安としては水の硬度(水質基準のカルシウム、
マグネシウム等)が高い場合は比較的短時間ごとに行な
うのが好ましく、硬度が低ければ、カルシウムやマグネ
シウムを主成分とした析出・沈着物も少なくなるので、
その間隔を延ばすことができる。この反転間隔として
は、24hr以内に1回、更に好ましくは0.25〜2
4hrに1回、特に好ましくは1〜12hrに1回であ
れば、顕著な効果が発現される。
【0051】前述の印加電極反転装置の一例を図7に示
す。この装置では、端子115,116を介して印加さ
れた電力をレギュレータ129で一定電圧に制御し、そ
の一定電圧をタイマー130とリレー回路131に入力
する。タイマー130とリレー回路131の作用により
電極132および133に予め設定する時間ごとにプラ
スマイナスを逆転した電圧が印加される。
【0052】
【実施例】次に、実施例および参考例によって本発明を
更に詳しく説明する。
【0053】(参考例1)日本国内において殺菌対象と
なる水の現状を知るために、導電率の異なる数種類の水
を各地から採水し、その温度依存性について測定した。
その結果のデータを以下の表1に示した。また、これを
グラフにしたものを図8に示した。この結果を踏まえ
て、本発明において殺菌対象となる水として、導電率が
3〜60mS/mの範囲内(水温が2〜40℃の範囲)の
水を前提とし得ると判断した。なお、この前提は、日本
国内でのもので、例えば、米国のロサンゼルス市の水質
基準では、導電率の上限値が示されており、それによる
と上水道水としての導電率は120mS/mであり、日
本国以外の他の国でも同様に適用できるものではない。
実際にロサンゼルス市の東部と西部地区の家庭の水の導
電率を測定したところ、おおよそ60〜80mS/mで
あった。
【0054】(参考例2)参考例として、導電率が18
mS/m(水温16℃)、残留塩素濃度が0.67mg
/Lである水道水500ccをビーカーに入れて、これ
に脱脂・研磨した鋼板(50×100×1.0mm)を
浸漬し、緩やかに攪拌しながら、時間ごとにその水の残
留塩素濃度を測定した。また、鋼板を浸漬しない場合の
残留塩素濃度についても同様に測定した。その測定値を
合わせて表2に示した。この結果からも残留塩素は、金
属と共存すると著しく消耗が速くなることがわかる。ま
た、180分後に取出した浸漬鋼板の表面には、明らか
に腐食現象が見られた。
【0055】(実施例1)導電率が18mS/m(水温
16℃)、残留塩素濃度が0.67mg/Lである水道
水1.8リットルをビーカーに採取し、埃が入らないよ
うにガーゼを被せて1週間放置した。この水の導電率は
23mS/m(水温20℃)で、残留塩素は検出されな
かった。この500ccをビーカーに入れて、そこに電
極として8cm間隔を空けて白金メッキ線2本を挿入し
た。水を緩やかに攪拌しながら、上記の電極を通じて水
中への出力電圧が18V、出力電流が15mAとなるよ
うに制御した直流電流を3時間流した。このときの時間
ごとの、水中の残留塩素濃度を測定した。この測定値を
表3に示した。この結果、流した電流に比例して残留塩
素の生成が確認された。また、その値から残留塩素の生
成速度を計算したら、0.0015mg/L・hr・m
Aであった。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】(実施例2)蒸留水に塩化ナトリウム(試
薬1級)を、塩素イオン濃度で、40ppmと200p
pmとなるように溶かした。飲料水の水質基準では、塩
素イオン濃度が200ppmは上限値である。このそれ
ぞれについて、その500ccをビーカーに入れて、そ
こに電極として8cm間隔を空けて白金メッキ線2本を
挿入した。水を緩やかに攪拌しながら、上記の電極を通
じて水中へ同一出力の直流電流を流した。流れた電流
は、40ppmの溶液は20mA、200ppmの溶液
は42mAであった。この双方の時間ごとの、水中の残
留塩素濃度を測定した。この測定値を表4に示した。表
4をグラフにしたものを図9に示した。
【0060】この結果、流した電流に比例して残留塩素
の生成が確認された。また、200ppmの水溶液の値
から残留塩素の生成速度を計算したら、0.0056m
g/L・hr・mAであった。
【0061】
【表4】
【0062】(実施例3)実際に大腸菌や一般細菌およ
び従属栄養菌がいると思われる雨水枡と排水路から採水
し、残留塩素の消滅した水道水で10倍に希釈し、これ
を試験水−1,2とした。また、出力電圧が20Vでリ
ミッターを介した短絡電流が10mAである直流電力出
力装置を準備した。このそれぞれについて、その500
ccをビーカーに入れて、そこに電極として8cm間隔
を空けて白金メッキ線2本を挿入した。水を緩やかに攪
拌しながら、上記の直流電力出力装置から電極を通じて
水中へ電流を14時間流した。電極を通じて流れた電流
と掛かった電圧は、いずれも7mAと10Vであった。
これらの水について、厚生省令69号水質省令基準によ
る細菌試験結果を表5に示した。いずれも電流を流した
ものについては、その殺菌効果が明らかに確認された。
【0063】
【表5】
【0064】(実施例4)東京医科歯科大学菌学部付属
病院第2総合診療室において、通常の歯科治療に使用さ
れているデンタルユニットのボックス内に、出力電圧が
20Vでリミッターを介した短絡電流が10mAである
直流電力出力装置(装置名:バイオプロテクター:城南
株式会社:東京目黒区)を設置した。また、同ボックス
内の15A配水管に白金電極が内蔵されている継手(城
南株式会社製の商品名クロスアノード:陰極接続部は継
手外表面にある)を繋ぎ込んだ。そして、上記の直流電
力出力装置から、設置したクロスアノード電極に電流を
流した。管内の水の導電率は20mS/mであり、電極
に流れた電流と掛かった電圧は7.0mAで8.6Vで
あった。この工事前のデンタルユニットのタービン水と
スリーウエイシリンジ水の採水結果と、バイオプロテク
ター装着後の期間をおきながら採水した水の細菌培養試
験結果を表6に示した。なお、バイオプロテクター装着
後も、実際の治療時のハンドピースからの水流変動や空
気量変動などの異常現象は、感じられなかった。
【0065】
【表6】
【0066】(実施例5)前記実施例5では、広島市の
A歯科医院と、B歯科医院とにおいて、本発明装置によ
る殺菌効果を測定した。それぞれの歯科医院には2台の
歯科診療台があり、A医院では1台のみに本発明装置を
設置し、B医院では2台ともに本発明装置を設置した。
水の導電率はいずれも5.5〜6.0mS/mと低いた
め、出力電圧が20Vでリミッターを介した短絡電流が
20mAである直流電流出力装置とした。A医院では、
電圧10.3V、電流3.9mAであり、B医院では、
電圧10.7V、電流4.2〜4.4mAであった。試
験結果をそれぞれ表7と表8とに示した。
【0067】
【表7】
【0068】
【表8】
【0069】(参考例3)本発明の殺菌効果は、活性酸
素や電流殺菌効果もあるので限定しにくいが、ここでは
殺菌力の高い残留塩素生成速度を用いて計算した、配水
管の長さと残留塩素濃度との関係を示す。
【0070】前記実施例2で得られた残留塩素の生成速
度0.0015mg/L・hr・mAと、前記実施例3
で得られた塩素イオン濃度200ppmの水溶液の値か
ら残留塩素の生成速度0.0056mg/L・hr・m
Aを用いて、実際の配水管における配管長さと残留塩素
生成量との関係について、モデル計算した値を表9と表
10に示した。医療用ユニットに接続した配水管のサイ
ズは、特殊な場合を除き15A(内径15mm)であ
り、表9は、その場合の配管の長さとその長さに対する
計算上の内容積、つまり配水管内の水の量(単位:リッ
トル)を表している。表10は、上記の残留塩素の生成
速度を用いて、15Aの配管に6mAの電流を16hr
(およそ、一晩に相当する時間)流したときに、その配
水管内の残留塩素濃度が、どの程度となるかを計算で求
めた値である。表中のロス率が0%の値は、電流に比例
して残留塩素が100%生成し、100%残存した場合
を示している。ロス率が50%の値は、残留塩素の生成
または/および消耗によって、50%をロスしたと想定
した場合の配管内の残留塩素濃度を示している。同様
に、ロス率80%は残留塩素の生成または/および消耗
によって80%をロスしたと想定した場合の配管内の残
留塩素濃度を示している。医療用ユニットに接続した配
水管における、実際の残留塩素の生成または/および消
耗がどの程度であるかは、複雑な要因によって変化する
ので計算できない。しかしながら、参考として想定ロス
率を加味して計算したとき、水質基準による殺菌に必要
な残留塩素濃度0.05mg/L以上、好ましくは0.0
7mg/Lを確保するためには、配管長7mが限度、好ま
しくは5mであり、特に好ましくは3m以内であること
がわかる。
【0071】
【表9】
【0072】
【表10】
【0073】(実施例6)実施例として、本体出力電圧
が20Vでリミッターを介した短絡電流が6mAと10
mAである直流電力出力装置を用意した。これと別に、
本体出力電圧が10Vでリミッターを介した短絡電流が
7mAと12.5mAおよび20mAである直流電力出
力装置(ユニット)を用意した。また、導電率が異なる
水6種類を用意した。次に、それぞれの直流電力出力装
置の端子接続部に、前記実施例5に記載の白金電極が内
蔵されている15Aサイズの継手(城南株式会社製の商
品名クロスアノード)を用意し、15Aサイズのライニ
ング管に接続した。この陽極電極端子接続部に既述のリ
ミッターを介してプラス極を接続し、マイナス極は継手
の外表面の接続指定部に繋いだ。このクロスアノード継
手を有するライニング管内に、導電率が異なる上記の水
6種類のそれぞれを注水した配管を準備した。次いで、
この継手電極部に先ほどの直流電力出力装置から電流を
流した。表11に、直流電力出力装置本体の出力電圧と
リミッターの短絡電流値および各種水の導電率と、実際
に継手の陽極と陰極にかかった電圧、その電極間に水を
介して流れた電流値、およびその積算値である出力電力
を記載した。10V出力装置は、20V出力装置よりも
短絡電流値(出力制限電流値)を更に高めたにもかかわ
らず、実際の水中への出力値は相当低い値に留まった。
例えば、実施例の7.5mS/mの導電率の水を用いた
場合の20V×6mAの本体出力と比較例の10V×1
2.5mAの本体出力とを比較した場合、その装置本体
の出力電圧と電流の積算値は同等であるにもかかわら
ず、実際の水中への出力値は、いずれも前者の装置に及
ばない。本発明の範囲において、この差を解消するには
短絡電流値を高くすれば補正できることが分かる。ある
いは、導電率の高い水であれば問題とならないことも分
かる。
【0074】
【表11】
【0075】(実施例7)実施例7として、本体出力電
圧が、12V、15V、および20Vで短絡電流がそれ
ぞれの出力電圧に対して下記表12に示した値となる色
で区別したリミッターを接続した直流電力出力装置(ユ
ニット)を用意した。また、導電率が異なる水6種類を
用意した。次に、それぞれの直流電力出力装置の端子接
続部に、前記実施例4に記載の白金電極が内蔵されてい
る15Aサイズの継手(城南株式会社製の商品名クロス
アノード)を用意し、15Aサイズのライニング管に接
続した。この陽極電極端子接続部に既述のリミッターを
介してプラス極を接続し、マイナス極は継手の外表面の
接続指定部に繋いだ。このクロスアノード継手を有する
ライニング管内に、導電率が異なる上記の水6種類のそ
れぞれを注水した配管を準備した。次いで、この継手電
極部に先ほどの直流電力出力装置から電流を流した。以
下の表13に、直流電力出力装置本体の出力電圧とリミ
ッターの短絡電流値および各種水の導電率と、実際に継
手の陽極と陰極にかった電圧、その電極間に水を介して
流れた電流値、およびその積算値である出力電力を記載
した。この結果、12V出力のユニットでは青色リミッ
ターでは水中への出力電流が不足となるが、黄色リミッ
ターでは解消されてくる。また、20V出力のユニット
では青色リミッターでも目標値を達成する。
【0076】
【表12】
【0077】
【表13】
【0078】(実施例8)実施例8として、本体出力電
圧が、25V、30V、35V、および40Vで短絡電
流がそれぞれの出力電圧に対して表14に示した値とな
る色で区別したリミッターを接続した直流電力出力装置
(ユニット)を用意した。また、導電率が異なる水6種
類を用意した。次に、それぞれの直流電力出力装置の端
子接続部に、前記実施例5に記載の白金電極が内蔵され
ている15Aと20Aサイズの継手(城南株式会社製の
商品名クロスアノード)を用意し、これを同じサイズの
ライニング管に接続した。この陽極電極端子接続部に既
述のリミッターを介してプラス極を接続し、マイナス極
は継手の外表面の接続指定部に繋いだ。このクロスアノ
ード継手を有するライニング管内に、導電率が異なる上
記の水6種類のそれぞれを注水した配管を準備した。次
いで、この継手電極部に先ほどの直流電力出力装置から
電流を流した。表14、表15、表16、表17に、直
流電力出力装置本体の出力電圧とリミッターの短絡電流
値および各種水の導電率と、実際に継手の陽極と陰極に
かかった電圧、その電極間に水を介して流れた電流値、
およびその積算値である出力電力をそれぞれ記載した。
この結果から、ユニット電圧が40Vの場合もリミッタ
ー電流を茶色(67mA)とすれば、その積算値である
出力電力も1000mWを超えない。これらの値からユ
ニット出力が50V以下であれば、水の導電率を参考に
してリミッターを選ぶことで本発明の目的を達成できる
ことが、計算からも推定できる。
【0079】
【表14】
【0080】
【表15】
【0081】
【表16】
【0082】
【表17】
【0083】(実施例9)本実施例は、医療用ユニット
に電流殺菌装置の電極として複数個の電極対を設ける構
成の一具体例を示すものであり、主たる電極対を追加し
て、医療用ユニットの稼働停止時および稼働再開立ち上
がり時の殺菌水質を良好に維持し、医療用ユニットの使
用再開を常に迅速に実施できるようにするための構成を
説明するものである。
【0084】多くの医療用ユニット、例えば、歯科治療
台の場合、給水の元バルブ以降の配水管ラインには、電
気的あるいは手動による開閉弁が設置されているものが
多い。例えば、治療中にハンドピースやシリンジに供給
される水は手元操作や足踏み操作によって、途中の開閉
弁(電磁弁)を開閉する。この開閉弁の給水側上流には
さらに止水弁が設けられていることが多い。また、診療
終了時に治療代の電源を切ることによって、電磁弁を閉
じて(または手動閉止弁を閉じて)、水を遮断する場合
では、本発明の電流殺菌装置の電極をどの位置に取り付
けるかによって、診療台の配水管全体に対する効果が発
現するまでの期間が異なることになる。本発明の電流殺
菌装置では、水中に陽極を置くので、開閉弁によって配
水の回路が遮断されると、それ以降の管路内の配水につ
いては電流が届かなくなる。本発明の電流殺菌装置は、
対象とする診療台(医療用ユニット)の稼働・停止に関
わらず、最大限の効果を発現させるためには、配水管全
体に電流が流れている状態を作り出すことが望ましい。
そのための一具体例として、本実施例では、図10に示
すように、配水管3に介装した開閉弁(電磁弁)140
の下流側(治療注水を担う水分配器143側)に設けた
主たる役割の陽極5とは別に前記開閉弁140の上流側
に補助陽極141を設ける。図示の構成では、開閉弁1
40とさらに上流にある止水弁142との間に補助陽極
141を設けたが、止水弁142を開放しておく場合に
は補助陽極141を止水弁142の上流側に設置しても
よい。さらに、図示の補助陽極141とは別にさらに別
の補助陽極を止水弁の開閉に関係なく止水弁の上流側に
設けてもよい。
【0085】本実施例の構成において、開閉弁140に
よって水流を閉止した配水管中への電流の印加によって
生じる発生ガスが蓄積することもあるので、それに対応
するために閉止状態の配水管の適当な位置にレリーフ弁
またはガス抜き弁を取り付けておくことが望ましい。
【0086】なお、図10の構成において、主たる役割
の陽極5は先に説明したように、治療注水出口(配水管
出口)から5m以内で、配水管に設けられている開閉弁
の配水管出口側に設置した方が望ましいが、補助陽極1
41にはそのような限定は必要ない。また、本発明にお
いて、医療用ユニットの配水管とは、配水管出口から水
源とする上水道給水管との連結部までの管路を意味して
おり、この配水管全体が診療台などの医療用ユニットの
本体に収納されていても、その一部が外部に延出してい
ても、ユニットの配水管と見なすものである。
【0087】図10に示した構成の装置において、電流
殺菌を実施し、その効果を確認した。配水の伝導率は2
5mS/mであり、配水の全塩素イオン濃度は25mg
/Lであった。主陽極5と補助陽極141とに、直流電
流出力装置から、それぞれ電圧18Vを掛け、配水に
5.5mAの電流を印加した。また、比較のために、主
陽極5のみに同量の電流を印加する試行も行った。その
結果を表18に示した。
【0088】表から明らかなように、電磁開閉弁の前後
に一つずつ陽極を設けた構成(補助陽極を電磁開閉弁の
上流に追加設置した構成)の方が、殺菌効果の発現が迅
速である。
【0089】
【表18】
【0090】 従属栄養菌数の単位:cfu/mL
(PGY寒天培地、26℃、7日間培養;上水試験方法
による)** 残留塩素濃度の単位:mg/L
【0091】(実施例10)先に、配水管中にガスが発
生する場合があり、配水チューブの破損や、配水の水流
量が低下する等の問題が発生すること、その場合には、
本発明では、図3の特殊構造のアノードを用いて解決す
ることを説明した。本実施例は、係る特殊構造のアノー
ドを使用した結果を示すものである。本発明の医療用ユ
ニットでは、通常、前記の表6,7,8などに示すよう
な良好な結果が得られる。これら表6,7,8の結果が
得られた装置と同様の装置をC医院のデンタルチェアに
取り付けて実験を行ったところ、下記の表19に示すよ
うな不満足な結果が得られた。この表19では、比較の
ために、電流殺菌装置を装着しない状態での測定結果を
も掲載した。この結果では、装置の装着がない状態と大
差がなく、長期間にわたって期待される効果が達成され
ていない。その原因を調べたところ、デンタルチェアの
配水管のクロスアノード周辺の構造がこのクロスアノー
ドで発生したガスが水流によって容易に搬送されにくい
構造となっていることが判明した。そのために内部にガ
スが溜まり、そのガスが陽極の白金被覆チタン線を覆
い、陽極がほとんど配水に接することができない状態に
なっており、その結果、必要かつ十分な電流が配水中に
流れていなかった。
【0092】
【表19】
【0093】そこで、本実施例では、一例を図3に示し
た特殊構造のアノードを有するユニットを同じく、C医
院のデンタルチェアに装着して配水の殺菌状態を測定し
た。その結果を下記の表20に示した。この表におい
て、特殊構造のアノードを有するユニットを取り付けた
場合を特殊ユニットとして記した。比較のために先のA
医院やB医院に取り付けたものと同じ構造のユニットを
取り付けた場合を通常ユニットと記した。ガスが溜まり
やすいクロスアノードを有するデンタルチェアでも、本
発明の特殊構造のユニットを用いれば、所期の目的を達
成できることが、表20の結果から明らかである。これ
は、陽極の白金被覆チタン線が常時完全に配水に接して
いる状態となっており、所要の電流が流れ続けた結果で
ある。
【0094】
【表20】
【0095】
【発明の効果】本発明の医療用ユニットの配水管内の水
の殺菌方法と殺菌装置は、医療施設の治療用ユニット等
の配水管内の水中や配水管の内壁に生息する細菌の殺
菌、不活性化あるいは増殖や生育の阻止などを目的とし
て用いた場合、それを安全かつ効果的に行なうことが出
来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】医療用ユニットの一例であるデンタルユニット
の概略構成図である。
【図2】本発明の医療用ユニットの配水管および配水の
電流殺菌装置の基本的な構成を示す説明図である。
【図3】ガス抜き構造を有する本発明の医療用ユニット
のアノード構造を示す継手部分の一部断面視した側面図
である。
【図4】本願発明の装置における電極取り付け構造の変
形例を示すもので、装置をデンタルユニットのチェアボ
ックス内の設けた場合の要部斜視図である。
【図5】本願発明装置の構成要素である定電圧制御回路
および定電流供給回路を含む回路の一例を示す回路図で
ある。
【図6】本願発明装置の構成要素とする場合もあるパル
ス電流供給回路の一例を示す回路図である。
【図7】本願発明装置における電極を介して行う電圧印
加を経時的に反転させる装置の一例を示す構成図であ
る。
【図8】各種水の導電率の温度依存性を示すグラフであ
る。
【図9】水中の初期塩素イオン濃度と残留塩素の生成量
との関係を示すグラフである。
【図10】本発明において補助陽極を配水管の水路開閉
弁の給水側上流に設置して配水の殺菌作用の発現の迅速
化を図った構成の実施例を示す図である。
【符号の説明】
1 デンタルユニットのシリンジ 2 デンタルユニットのスケーラー 3 配水管 4 デンタルユニットのケーシングであるチェアユニッ
ト・ボックス 5 陽極 6 陰極 7 直流電流出力装置 8 直流整流器 9 変圧器 10 交流電源 11 白金被覆チタン陽極 12 陽極保護管 13 袋ナット 14 O−リング 15、16 T継手 17 エルボー 18 フロートカバー 19 フロート 20 チャンバー 111 制御ユニット 112 クロスアノード 113 ストレーナー 114 デンタルチェアの脚部 115,116 接続端子 117、124、125、129 レギュレータ 118 トランジスタ 119、121、122 抵抗器 120 ツェナーダイオード 123 発光ダイオード 126、130 タイマー回路 127、131 リレー回路 128 電流制御機構 132,133 電極 140 開閉弁(電磁開閉弁) 141 補助陽極 142 止水弁 143 医療用ユニットの水分配器 A 継手の配水入口 B 継手の配水出口 C ガス排気口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋口 芳和 東京都世田谷区宮坂3−18−6 Fターム(参考) 4C052 AA20 LL06 4C058 AA20 BB02 CC02 DD01

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 医療用ユニットの配水管および該配水管
    内の配水の電流殺菌方法であって、 前記配水管内の配水中に露出するように陽極電極を設け
    るとともに、陰極を前記配水管の内面に電気的に導通す
    る該配水管の外表面部に接続するか該配水管内の配水中
    に露出させ、これら電極によって、管内配水に、出力が
    3〜50mAの範囲の電流を印加すること特徴とする医
    療用ユニットの配水管および配水の電流殺菌方法。
  2. 【請求項2】 前記陽極および陰極の双方を水中に露出
    させて前記配水管に取り付け、これら電極による電流印
    加を、一定時間ごとにプラスとマイナスとを反転させて
    行うことを特徴とする請求項1に記載の医療用ユニット
    の配水管および配水の電流殺菌方法。
  3. 【請求項3】 前記医療用ユニットが歯科治療用のデン
    タルユニットであることを特徴とする請求項1または2
    に記載の医療用ユニットの配水管および配水の電流殺菌
    方法。
  4. 【請求項4】 前記陽極を前記配水管の出口から5m以
    内で、配水管に設けられている開閉弁の給水側または配
    水管出口側に設置して電流を印加することを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれかに記載の医療用ユニットの
    配水管および配水の電流殺菌方法。
  5. 【請求項5】 前記医療用ユニットに対して取り付ける
    前記電極として少なくとも二組を用意し、その内の主に
    常用する一組の電極の陽極を前記配水管の出口から5m
    以内で、配水管に設けられている開閉弁の配水管出口側
    に設置することを特徴とする請求項1ないし3のいずれ
    かに記載の医療用ユニットの配水管および配水の電流殺
    菌方法。
  6. 【請求項6】 前記少なくとも二組の電極のうち前記常
    用する電極以外の他の電極の少なくとも一組の電極の陽
    極を前記配水管に設けられている開閉弁の給水側に設置
    して、印加電流による配水殺菌作用の発現の迅速化を図
    ることを特徴とする請求項5に記載の医療用ユニットの
    配水管および配水の電流殺菌方法。
  7. 【請求項7】 前記陽極の近傍にガス発生検知手段とガ
    ス排出手段を取り付け、配水中への電流の印加によって
    配水中に経時的に発生するガスが陽極付近に溜まった状
    態を検知するとともに、前記陽極がガスにより遮られて
    配水への接触を低下されないように、事前に発生ガスを
    配水管外に排気することを特徴とする請求項1ないし6
    のいずれかに記載の医療用ユニットの配水管および配水
    の電流殺菌方法。
  8. 【請求項8】 医療用ユニットの配水管および該配水管
    内の配水の電流殺菌装置であって、 前記配水管内の水中に露出するように設けた陽極電極
    と、 陰極を前記配水管の内面に電気的に導通する該配水管の
    外表面部に接続するか該配水管内の配水中に露出させて
    取り付けた陰極電極と、 これら電極を介して、管内配水に、出力が3〜50mA
    の範囲の電流を印加する直流電流出力装置と、を有する
    ことを特徴とする医療用ユニットの配水管および配水の
    電流殺菌装置。
  9. 【請求項9】 前記陽極および陰極の双方が水中に露出
    させて前記配水管に取り付けられており、これら電極に
    よる電流印加が、一定時間ごとにプラスとマイナスとが
    反転させて行うように設定されていることを特徴とする
    請求項8に記載の医療用ユニットの配水管および配水の
    電流殺菌装置。
  10. 【請求項10】 前記医療用ユニットが歯科治療用のデ
    ンタルユニットであることを特徴とする請求項8または
    9に記載の医療用ユニットの配水管および配水の電流殺
    菌装置。
  11. 【請求項11】 前記陽極が前記配水管の出口から5m
    以内で、配水管に設けられている開閉弁の給水側または
    配水管出口側に設置されていることを特徴とする請求項
    8ないし10のいずれかに記載の医療用ユニットの配水
    管および配水の電流殺菌装置。
  12. 【請求項12】 前記医療用ユニットに対して取り付け
    る前記電極として少なくとも二組が設けられ、その内の
    主に常用する一組電極の陽極が前記配水管の出口から5
    m以内で、配水管に設けられている開閉弁の配水管出口
    側に設置されていることを特徴とする請求項8ないし1
    0のいずれかに記載の医療用ユニットの配水管および配
    水の電流殺菌装置。
  13. 【請求項13】 前記少なくとも二組の電極のうち前記
    常用する電極以外の他の電極の少なくとも一組の電極の
    陽極が前記配水管に設けられている開閉弁の給水側に設
    置されていことを特徴とする請求項12に記載の医療用
    ユニットの配水管および配水の電流殺菌装置。
  14. 【請求項14】 前記電流の印加によって配水中に経時
    的に発生したガスが陽極の近傍に溜まった状態を検知す
    るガス発生検知手段と、このガスによって前記陽極の配
    水への接触が遮られる前にガスを配水管外に排気するガ
    ス排出手段とが、前記陽極の近傍に取り付けられている
    ことを特徴とする請求項8ないし13のいずれかに記載
    の医療用ユニットの配水管および配水の電流殺菌装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005074256A (ja) * 2003-08-28 2005-03-24 Jonan Kk 配水管への有機物の付着及び堆積防止方法並びに装置
WO2019230952A1 (ja) * 2018-06-01 2019-12-05 国立大学法人東北大学 歯科用ユニットの給水配管内の水を殺菌するための装置及び方法

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