JP2003163108A - 負磁歪材料およびその製造方法 - Google Patents

負磁歪材料およびその製造方法

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JP2003163108A
JP2003163108A JP2001360963A JP2001360963A JP2003163108A JP 2003163108 A JP2003163108 A JP 2003163108A JP 2001360963 A JP2001360963 A JP 2001360963A JP 2001360963 A JP2001360963 A JP 2001360963A JP 2003163108 A JP2003163108 A JP 2003163108A
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rare earth
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negative magnetostrictive
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Tomohisa Arai
智久 新井
Toshiya Sakamoto
敏也 坂本
Hideki Yamamiya
秀樹 山宮
Tadahiko Kobayashi
忠彦 小林
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 希土類合金からなる負磁歪材料を工業的手法
で異方化する技術を確立することによって、負磁歪材料
の磁歪特性(負の変位量)を高める。 【解決手段】 負磁歪材料1は、負の磁歪を示すMg2
Cu型結晶構造を持つ希土類合金の熱間押出成形材1a
を具備し、この熱間押出成形材1aには押出方向に異方
性が付与されている。熱間押出成形材1aを構成する希
土類合金は、その結晶方位が押出方向に配向している。
このような負磁歪材料1は、希土類合金素材を400℃以
上の温度に加熱した後、この加熱温度を保ちつつ熱間押
出成形することにより得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気−機械変位変
換デバイスなどに用いられる負磁歪材料とその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】磁性体に外部磁界を印加した際に生じる
変形、すなわち磁歪を応用したデバイスとしては、変位
制御アクチュエータ、磁歪センサ、磁歪フィルタ、超音
波振動子、超音波遅延線などが知られている。これらの
用途では、Ni基合金、Fe−Co合金、フェライトな
どが磁歪材料として用いられてきた。
【0003】近年、計測工学の進歩や精密機械分野の発
展に伴い、ミクロンオーダの微小変位制御に不可欠な変
位駆動部の開発が進められており、そのような変位駆動
部の機構の一つとして、磁歪合金を用いた磁気−機械変
位変換デバイスが有力視されている。しかし、従来の磁
歪合金では変位の絶対量が不十分であり、またミクロン
オーダの精密駆動部品材料としては絶対駆動変位量のみ
ならず、精密制御の点からも満足し得るものではなかっ
た。
【0004】このような点に対して、希土類−遷移金属
系の磁歪合金(特公昭61-33892号公報、米国特許第478,
258号明細書など参照)は高磁歪を有することから、磁
歪アクチュエータの駆動部や磁歪センサのセンサ部など
として実用化が進められている。さらに、希土類−遷移
金属系の磁歪合金については、例えば磁歪特性、温度特
性、動作性能、機械的強度などの特性を改善するための
種々の提案がなされている(例えば特開平10-102218号
公報、特開平10-242543号公報、特開平11-246948号公
報、特開2001-223402公報など参照)。
【0005】上述したような希土類−遷移金属系の磁歪
合金のうち、正磁歪を示す合金としてはTbFe2系合
金が知られている。このような正磁歪合金については、
ブリッジマン法や磁場成形を適用した粉末冶金法などで
結晶方位を揃えて大きな磁歪を示す異方性材料として実
用化されている。一方、負磁歪を示す磁歪合金としては
SmFe2系合金が知られているが、このような負磁歪
合金はブリッジマン法や磁場成形を適用した粉末冶金法
などでは異方化することが難しく、工業用途では等方性
材料として利用せざるを得ない。
【0006】すなわち、SmFe2系合金に代表される
負磁歪合金は包晶合金であり、例えばブリッジマン法で
液相温度から目的とする結晶相(1-2相)を直接析出さ
せようとしても、異相(例えば1-3相)が混入してしま
うため、目的とする結晶相を有する異方性材料を得るこ
とができない。また、SmFe2系合金には磁化容易軸
が複数(3方向)存在するため、磁場配向を利用して結
晶方位を揃えた異方性材料を得ることができない。この
ようなことから、負磁歪合金は等方性材料として利用さ
れているものの、この等方性の材料特性に基づく小さな
磁歪が負磁歪合金の応用分野の拡大を妨げている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、希土
類−遷移金属系の磁歪合金をアクチュエータなどとして
利用する場合、より多くの変位量を得る上で、磁歪合金
の結晶方位を揃えて異方性材料として利用することが有
効であるものの、SmFe2系合金に代表される負磁歪
合金はその材料特性に起因して、従来のブリッジマン法
や磁場成形を適用した粉末冶金法などでは異方化するこ
とが難しいという問題を有している。
【0008】このようなことから、負磁歪合金について
は等方性材料として利用せざるを得ないため、小さな磁
歪しか得ることができず、これが負磁歪合金の応用分野
の拡大を妨げている。そこで、負磁歪合金を異方化する
技術を確立し、大きな負磁歪特性を再現性よく得られる
ようにすることが強く求められている。
【0009】本発明はこのような課題に対処するために
なされたもので、負磁歪合金を工業的手法で異方化する
ことを可能にすることによって、磁歪特性(負の変位
量)を向上させた負磁歪材料およびその製造方法を提供
することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の負磁歪材料は、
請求項1に記載したように、負の磁歪を示すMg2Cu
型結晶構造を持つ希土類合金からなる負磁歪材料であっ
て、前記希土類合金は熱間押出成形材を具備すると共
に、前記熱間押出成形材の押出方向に異方性が付与され
ていることを特徴としている。
【0011】また、本発明の負磁歪材料の製造方法は、
請求項6に記載したように、負の磁歪を示すMg2Cu
型結晶構造を持つ希土類合金素材を400℃以上の温度に
加熱する工程と、前記加熱後の希土類合金素材を、前記
温度を保ちつつ熱間押出成形して、前記希土類合金の熱
間押出成形材を作製する工程とを具備することを特徴と
している。
【0012】本発明においては、Mg2Cu型結晶構造
を持つ希土類合金を熱間押出成形しており、この熱間押
出成形時の圧力(径方向および押出方向)により希土類
合金を塑性変形させている。この熱間での塑性変形によ
って、希土類合金の結晶粒は押出方向に伸びた状態とす
ることによって、それに伴って押出方向に結晶方位が揃
った状態を得ることができる。このような結晶方位が揃
った集合組織(結晶組織)に基づいて、負磁歪材料を異
方化することが可能となる。すなわち、熱間押出成形材
の押出方向に異方性を付与した負磁歪材料を提供するこ
とができる。そして、このような異方性負磁歪材料に磁
界を印加して変位させることによって、優れた負の磁歪
量(縮み)を得ることが可能となる。
【0013】上述したように、希土類合金(負磁歪合
金)の熱間押出成形材は、その押出方向に結晶粒が伸び
た状態となっているため、このような形状の結晶粒に基
づいて確認することができる。さらに、希土類合金の結
晶粒の伸び具合やそのばらつきなどが熱間押出成形材の
負磁歪特性に影響を及ぼすことから、請求項4に記載し
たように、希土類合金の結晶粒は押出方向の寸法Aと押
出方向に直交する方向の寸法Bの比で表されるアスペク
ト比(A/B)を平均値として1.1以上とすることが好
ましい。
【0014】本発明の負磁歪材料の製造方法において
は、熱間押出成形時の押出比が負磁歪特性に影響を及ぼ
すことから、例えば請求項7に記載したように、熱間押
出成形時に希土類合金素材を前方押出する場合には、前
方押出時の押出比を2以上に設定することが好ましい。
また、請求項8に記載したように、熱間押出成形時に希
土類合金素材を後方押出する場合には、後方押出時の押
出比を1.3以上に設定することが好ましい。なお、これ
ら押出比については後に詳述する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。図1は本発明の一実施形態による
負磁歪材料1を示している。この負磁歪材料1は希土類
合金の熱間押出成形材1aを具備し、この熱間押出成形
材1aは熱間押出成形時に前方押出を適用したものであ
って、前方押出に応じて円柱形状を有している。また、
図2は本発明の他の実施形態による負磁歪材料2を示し
ており、この負磁歪材料2も希土類合金の熱間押出成形
材2aを具備している。この熱間押出成形材2aは熱間
押出成形時に後方押出を適用したものであるため、後方
押出に応じて円筒形状を有している。
【0016】これら熱間押出成形材1a、2aを具備す
る負磁歪材料1、2は、いずれも負の磁歪を示すMg2
Cu型結晶構造を持つ希土類合金により構成されてい
る。負の磁歪を示す希土類合金としては、例えば 一般式:R(Tx1-xz …(1) (式中、Rは希土類元素から選ばれる少なくともSmを
含む1種または2種以上の元素を、TはFe、Coおよび
Niから選ばれる少なくとも1種の元素を、Mは前記T
元素以外の遷移金属元素から選択される元素を示し、x
およびzは0.5≦x≦1、1.4≦z≦2.5を満足する数であ
る)で組成が表され、かつMg2Cu型結晶構造を持つ
合金が挙げられる。
【0017】希土類元素(R)は少なくともSmを含む
ものである。Smと遷移金属元素との合金は負の磁歪、
すなわち磁界を印加した際に負の変位量(縮み)を示す
磁歪合金(負磁歪合金)となる。R元素としては、Sm
を単独で使用してもよいし、またSmと他の希土類元素
との組合せを使用してもよい。Sm以外の希土類元素に
はYを含むランタノイド元素を適宜使用することがで
き、例えば、Ce、Nd、Tb、Dy、Ho、Er、T
m、Pr、Gd、Ybなどを用いることが好ましい。こ
れらSm以外の希土類元素については1種または2種以上
の元素を使用することができる。ただし、Sm以外の希
土類元素の量があまり多すぎると、例えば負磁歪量が低
下するおそれがあるため、R元素の50%以上がSmであ
ることが好ましい。
【0018】遷移金属元素は、Fe、CoおよびNiか
ら選ばれる少なくとも1種のT元素が主要構成元素とな
る。これらのT元素のうちでも、良好な負磁歪を得る上
でFeを主として用いることが好ましい。具体的には、
T元素の50%以上がFeであることが好ましい。SmF
2合金は代表的な負磁歪合金として知られており、こ
の系を基礎としてSmの一部を他の希土類元素で置換し
たり、またFeの一部をCoやNi、さらには以下に示
すM元素で置換することが好ましい。
【0019】上記したように、T元素の一部は必要に応
じて、T元素以外の遷移金属元素から選択されるM元
素、具体的にはMn、Cr、Mg、Al、Ti、V、C
r、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、I
n、Sn、Hf、Ta、W、Re、Ir、B、C、P、
Siなどから選ばれる1種または2種以上の遷移金属元素
で置換してもよい。T元素の一部をM元素で置換するこ
とによって、磁歪特性、材料強度、耐食性などを改善す
ることができる。
【0020】M元素による置換量は、T元素(Fe、C
oおよびNi)の総量に対して50%以下(0.5≦x≦1)
とすることが好ましい。M元素によるT元素の置換量が
50%を超えると、希土類合金の磁歪特性が劣化したり、
またキュリー温度が低下するおそれがある。T元素を置
換するM元素としては、Mn、Cr、Zn、Mo、A
l、Ga、Zrなどを用いることが好ましい。
【0021】希土類元素(R)と遷移金属元素(T+
M)の比であるzの値は、上記したように1.4〜2.5の範
囲とすることが好ましい。zの値が1.4未満だと主相と
なるラーベス相の割合が減少し、一方2.5を超えると異
相の生成が増大するため、磁歪特性が劣化すると共に、
機械的強度などが低下してしまう。また、若干R元素が
リッチな組成は脆さが改善され、塑性変形能が向上する
ことから、zの値は1.7≦z<2の範囲とすることがさら
に好ましい。
【0022】負磁歪を示す希土類合金(負磁歪合金)の
代表例としては、SmFe2、Sm(Fe,Co)2、S
m(Fe,Ni)2、(Sm1-aCea)Fe2、(Sm
1-aNda)Fe2、(Sm1-aTba)Fe2、(Sm1-a
Dya)Fe2、(Sm1-aHoa)Fe2、(Sm1-aEr
a)Fe2、(Sm1-aTma)Fe2、(Sm1-a-bTba
Dyb)Fe2、(Sm1-a-bTbaHob)Fe2、(Sm
1-aTba)(Fe,Co)2、(Sm1-aTba)(F
e,Ni)2などが挙げられる。上記した各式におい
て、aおよびbはそれぞれ0<a≦0.5、0<b≦0.5、0
<a+b≦0.5を満足する数である。これらの合金はい
ずれもMg2Cu型結晶構造を持つものである。
【0023】なお、負の磁歪を示す希土類合金(負磁歪
合金)は、上述した主要構成元素に加えて、窒素、水
素、ホウ素、炭素、リンおよびケイ素から選ばれる少な
くとも1種を含んでいてもよい。これらの元素は希土類
合金のキュリー温度の向上などに寄与する。ただし、あ
まり多量に含有すると磁歪量の低下などを招くため、こ
れらの元素の含有量は合計量で3質量%以下とすること
が好ましい。窒素、水素、ホウ素、炭素、リン、ケイ素
によるキュリー温度の向上効果を得る上で、これらの元
素の含有量は合計量で0.0001質量%以上とすることが好
ましい。
【0024】図1および図2に示す負磁歪材料1、2
は、上述したような負の磁歪を示す希土類合金(負磁歪
合金)を熱間押出成形することにより得た熱間押出成形
材1a、1bをそれぞれ具備している。図1および図2
において、矢印Xはそれぞれ熱間押出成形時における押
出方向を示している。ここで、Mg2Cu型結晶構造を
持つ希土類合金に熱間押出成形を施すと、その際の圧力
(径方向および押出方向)により塑性変形する。Mg2
Cu型結晶構造を持つ合金は適度な塑性変形能を有する
ことから、この塑性変形により希土類合金の結晶粒が押
出方向に伸びた状態となる。
【0025】図3は希土類合金の熱間押出成形材1a、
1bの微細構造を拡大して示す模式図である。図3にお
いて、Gは希土類合金の結晶粒を示しており、また矢印
Xは図1および図2と同様に熱間押出成形時の押出方向
を示している。図3に示すように、熱間押出成形材1
a、1bを構成する結晶粒Gは、Mg2Cu型結晶構造
を持つ希土類合金の塑性変形能に基づいて押出方向Xに
伸びた状態となる。このように、希土類合金が塑性変形
して結晶粒Gが押出方向Xに伸びる際に、希土類合金の
結晶は回転して押出方向Xに結晶方位が揃った状態、す
なわち結晶方位が押出方向Xに配向した状態となる。例
えば、SmFe2合金では押出方向Xに結晶の〈111〉方
位が配向した状態となる。
【0026】上述したように、熱間押出成形により結晶
方位が揃った集合組織とすることによって、そのような
集合組織(結晶組織)に基づいて異方化された負磁歪材
料を得ることが可能となる。すなわち、図1および図2
に示した負磁歪材料1、2は、それぞれ押出方向Xに異
方性が付与された熱間押出成形材1a、1bを具備する
ものである。そして、このような特定の結晶方位(例え
ば〈111〉方位)を一定の方向(押出方向X)に配向さ
せた熱間押出成形材1a、1bを具備する異方性負磁歪
材料1、2に対して、結晶の配向方向に磁界を印加して
変位させることによって、優れた負の磁歪量(縮み)を
得ることができる。すなわち、異方性負磁歪材料1、2
によれば、従来の等方性負磁歪材料に比べて、磁界印加
時における負の変位量(負磁歪量)を大幅に向上させる
ことが可能となる。
【0027】図3に示したように、希土類合金(負磁歪
合金)の熱間押出成形材1a、1bは、その押出方向X
に結晶粒Gが伸びた状態となっているため、この押出方
向Xに伸びた結晶粒Gに基づいて確認することができ
る。この希土類合金の結晶粒Gの伸び具合やそのばらつ
きなどは、熱間押出成形材1a、1bを具備する負磁歪
材料1、2の特性に影響を及ぼす。すなわち、熱間押出
成形による結晶粒Gの伸びが不十分であったり、また一
部の結晶粒Gしか伸びていないような状態では、材料全
体として結晶方位を良好かつ均一に配向させることがで
きず、異方性負磁歪材料による特性改善効果を十分に得
ることができないおそれがある。
【0028】そこで、結晶粒Gの押出方向Xの寸法を
A、この押出方向Xに直交する方向の寸法をBとしたと
き、これらの比で表されるアスペクト比(A/B)を負
磁歪材料1、2(熱間押出成形材1a、1b)全体の平
均値として1.1以上とすることが好ましい。平均アスペ
クト比が1.1未満であるということは、材料全体として
の結晶粒Gの伸びが不足していたり、また部分的に結晶
粒Gが伸び、材料全体としてはばらつきが大きいことを
意味している。これに対して、結晶粒Gの平均アスペク
ト比が1.1以上の場合には、材料全体として結晶方位を
良好かつ均一に配向させた状態が得られるため、負磁歪
材料の異方化により磁歪特性を改善することが可能とな
る。結晶粒Gの平均アスペクト比は2以上であることが
より好ましい。
【0029】なお、熱間押出成形材1a、1bを構成す
る結晶粒Gの平均アスペクト比は、熱間押出成形材1
a、1bの断面観察を行い、観察視野内から20個以上の
結晶粒の寸法Aと寸法Bをそれぞれ測定して、個々の結
晶粒Gのアスペクト比(A/B)を求め、これらアスペ
クト比の平均値を示すものとする。熱間押出成形材1
a、1bの断面観察は3箇所以上について実施し、各観
察範囲内の平均アスペクト比をさらに平均して、熱間押
出成形材1a、1bを構成する結晶粒Gの平均アスペク
ト比を求めることが好ましい。
【0030】上述したように、この実施形態の負磁歪材
料1、2は、押出方向に結晶方位を配合させ、この結晶
配向状態に基づいて押出方向に異方性を付与した熱間押
出成形材1a、1bを具備している。例えば、SmFe
2合金では結晶方位が押出方向Xに〈111〉配向する。S
mFe2合金は〈111〉方向に良好な変位量を有すること
から、熱間押出成形材1a、1bの異方性を付与した方
向(押出方向)に磁界を印加して負磁歪材料1、2を変
位させることで、優れた負の変位量(負磁歪量)を得る
ことが可能となる。これは負磁歪材料1、2の応用分野
の拡大に大きく寄与するものである。
【0031】次に、上述した実施形態の負磁歪材料1、
2の製造方法について説明する。まず、熱間押出成形を
施す成形素材として希土類合金素材を用意する。希土類
合金素材は特に限定されるものではなく、上述したMg
2Cu型結晶構造を持つ希土類合金からなるものであれ
ば種々の素材を使用することができ、例えば希土類合金
の鋳造材、希土類合金粉末の圧粉体やこれを焼成した焼
結体、また希土類合金の溶湯急冷材などが用いられる。
鋳造材を使用する場合には、予め均質化などのための熱
処理を施した熱処理材を用いることによって、熱間押出
性やそれに基づく結晶の配向性などを高めることができ
る。
【0032】上記した圧粉体や焼結体の原料となる希土
類合金粉末には、鋳造材やそれに熱処理を施した熱処理
材を粉砕して粉末化したもの、あるいは溶湯急冷法で作
製したフレーク状の粉末などが用いられる。このような
希土類合金粉末を使用した素材は均質性が高く、また結
晶粒が微細であることから、熱間押出性やそれに基づく
結晶の配向性(回転性)に優れている。溶湯急冷法で作
製した粉末は特に均質性に優れる。従って、本発明の負
磁歪材料を熱間押出成形で作製する際の成形素材に好適
である。これら希土類合金粉末を用いた圧粉体や焼結体
などの成形素材は1mm以下、さらには100μm以下の結晶
粒径を有することが好ましい。
【0033】次に、上述したような希土類合金素材を熱
間押出成形し、これにより図1に示した円柱状の熱間押
出成形材1aや図2に示した円筒状の熱間押出成形材1
bを作製する。図1に示したような熱間押出成形材1a
を作製する場合には、前方押出を適用する。なお、この
際の形状は円柱に限られるものではなく、角柱などの種
々の形状とすることができる。熱間押出成形に前方押出
を適用する場合には、図4に示すように、適度な内径d
0を有し、かつこの内径d0に対して所定の押出比が得ら
れるように設定された孔径d1を有する押出孔11を備
える金型コンテナ12と、パンチ13とを具備する成形
装置が用いられる。
【0034】また、図2に示したような熱間押出成形材
2aを作製する場合には、後方押出を適用する。なお、
この際の形状は円筒に限られるものではなく、角筒など
の種々の形状とすることができる。熱間押出成形に後方
押出を適用する場合には、図5に示すように、適度な内
径d0を有する金型コンテナ14と、この内径d0に対し
て所定の押出比が得られるように設定された外径d2
有するパンチ15とを具備する成形装置が用いられる。
【0035】金型コンテナ12、14やパンチ13、1
5などの成形装置部品には高温での強度が求められるた
め、セラミックス材料、タングステン、超鋼などの材質
からなるものが好ましく、また素材16と各部品との反
応抑制や円滑な押出を実現するために、潤滑材の選択も
重要である。潤滑材としてはBN、酸化サマリウム、黒
鉛などを使用することが好ましい。潤滑性の確保と微小
領域での応力集中を分散させるために、素材16を薄銅
板でキャニングし、これを加熱した後にキャンごと押出
成形してもよい。キャニング材には素材16と反応しに
くく、かつ適度に加工硬化する軟質の金属であれば種々
の材料を使用することができる。
【0036】上述したような成形装置の金型コンテナ1
2、14内に希土類合金素材16を挿入して熱間押出成
形を行うのであるが、本発明で用いる希土類合金は脆性
材料であるため、希土類合金素材16を予め加熱して十
分に軟化させ、かつ前述したような集合組織を得るため
に適度な粘度で押出する必要がある。このようなことか
ら、希土類合金素材16は予め400℃以上温度に加熱し
た後に、同様な温度に予熱された金型コンテナ12、1
4内に挿入する。
【0037】希土類合金素材16の加熱温度が400℃未
満であると、押出成形時にクラックや割れなどが生じや
すいと共に、結晶の回転に基づく結晶配向性が低下す
る。希土類合金素材16の加熱温度は500℃以上である
ことがより好ましく、さらには600℃以上であることが
望ましい。加熱温度の上限は基本的にRT2相が安定に
存在し得る温度とする。例えば、SmFe2合金の場
合、900℃を超えるとSmFe 3相が出現するため、加熱
温度は900℃以下とすることが好ましい。
【0038】次に、400℃以上温度に加熱した希土類合
金素材16を金型コンテナ12、14内に挿入した後、
同様な温度に予熱されたパンチ13、15で希土類合金
素材16を熱間押出することによって、目的とする熱間
押出成形材1a、2aを作製する。押出圧力や押出速度
などの成形条件は、温度条件、素材16の大きさや組
成、また金型コンテナ12、14の形状や押出比に応じ
て適宜に設定する。
【0039】上述した熱間押出時の塑性変形により希土
類合金の結晶が回転することで、熱間押出成形材1a、
2a中の結晶の方位が押出方向に配向する。このような
熱間押出によって、押出方向に異方性が付与された熱間
押出成形材1a、2aが得られる。この際、良好な結晶
配向性を得るためには押出比が重要な要因となる。例え
ば、図4に示した前方押出の場合、押出比は2以上とす
ることが好ましく、さらに好ましくは3以上である。ま
た、図5に示した後方押出の場合、押出比は1.3以上と
することが好ましく、さらに好ましくは1.5以上であ
る。押出比が上記した値未満であると、熱間押出成形材
1a、2aの外周部と中心部との間で結晶粒の形状や配
向性にばらつきが生じ、良好な結晶配向性並びにそれに
基づく異方性を得ることができないおそれがある。
【0040】ここで、本発明で規定する押出比とは、熱
間押出成形材の断面が円形の場合には以下に示す(2)式
または(3)式で表される値である。 前方押出の場合:押出比=d0 2/d1 2 …(2) 後方押出の場合:押出比=d0 2/(d0 2−d2 2) …(3) また、押出成形材の断面が円形以外の場合には以下に示
す(4)式で表される。 押出比=S0/S1 …(4) (式中、S0は素材の押出方向に直角な断面積、S1は熱
間押出を施した成形材の押出方向に直角な断面積を示
す)
【0041】上述したような条件下で熱間押出成形する
ことにより得られる熱間押出成形材1a、2aは、希土
類合金の結晶成長や成分均質化、さらには歪取りなどの
ための熱処理を施した後に急冷し、負磁歪材料1、2と
して実用に供される。熱処理温度は500〜900℃の範囲と
することが好ましく、また熱処理雰囲気は真空中または
不活性雰囲気中とする。このような温度で熱間押出成形
材1a、2aを熱処理することによって、合金組成など
に見合う磁歪特性が再現性よく得られる。
【0042】本発明の負磁歪材料によれば、磁界の印加
方向の磁歪を利用して磁歪アクチュエータや磁歪センサ
などが構成される。このように、本発明の負磁歪材料
は、負の磁歪を利用した磁歪アクチュエータの駆動部、
もしくは磁歪センサのセンサ部などとして使用される。
本発明の負磁歪材料は、精密機械、産業機械、電気・電
子、資源・エネルギー、土木・建築、航空・宇宙・自動
車、医療などの多岐にわたる分野での利用が期待される
ものである。
【0043】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例およびその評
価結果について述べる。
【0044】実施例1 まず、鋳造法によりSmFe1.95合金インゴットを作製
し、この合金インゴットの表面を平滑に機械加工して、
外径29mm×長さ60mmの円柱状SmFe1.95合金ブロック
を得た。この合金ブロックの表面にBN粉末を塗付し、
これをArガス雰囲気中で600℃まで加熱した後、600℃
に予熱した内径30mmの金型コンテナに挿入した。直ちに
同じく600℃に予熱したパンチで直径8mmの孔より前方押
出成形することによって、直径8mmの棒状の熱間押出成
形材を作製した。この際の押出比は14である。なお、金
型コンテナおよびパンチには予めBN粉末を塗付した。
【0045】次に、上記した棒状の熱間押出成形材に71
5℃で10時間の均質化および歪取りのための熱処理を施
した後、室温まで急冷することによって、目的とするS
mFe1.95合金の熱間押出成形材からなる負磁歪材料を
得た。この負磁歪材料の結晶組織を観察したところ、組
織全体に押出方向に伸びた結晶粒が見られた。この結晶
粒の平均アスペクト比は8.5であった。平均アスペクト
比は前述した方法にしたがって測定した。また、X線回
折で集合組織の結晶配向性を調べたところ、長手方向
(押出方向)に〈111〉配向していることが確認され
た。このような負磁歪材料の長手方向に室温で5kOeの磁
界を印加し、その際の磁歪量を測定した結果、磁歪値は
負の方向に1200ppmであった。
【0046】比較例1 上記した実施例1と同様に鋳造法でSmFe1.95合金イ
ンゴットを作製し、この合金インゴットを外径8mmまで
機械加工した後、715℃で10時間の均質化熱処理を施す
ことによって、棒状の負磁歪材料を得た。この負磁歪材
料の結晶組織を観察したところ、組織全体に粒状の結晶
粒が見られ、この結晶粒の平均アスペクト比は1.02であ
った。このような負磁歪材料の長手方向に室温で5kOeの
磁界を印加し、その際の磁歪量を測定した結果、磁歪値
は負の方向に850ppmであった。
【0047】実施例2 上記した実施例1において、前方押出成形する際の孔径
を、直径26mm、20mm、15mm、11mm、7mm、6mmにそれぞれ
変更する以外は、実施例1と同一条件で熱間押出成形
(前方押出)することによって、それぞれ棒状の熱間押
出成形材を作製した。各熱間押出成形材の押出比は1.3
3、2.25、4、7.44、18.4、25である。これら棒状の熱間
押出成形材に715℃で10時間の均質化および歪取りのた
めの熱処理を施した後、室温まで急冷することによっ
て、それぞれ目的とするSmFe1.95合金の熱間押出成
形材からなる負磁歪材料を得た。
【0048】このような負磁歪材料の長手方向にそれぞ
れ室温で5kOeの磁界を印加して磁歪量を測定したとこ
ろ、磁歪値はそれぞれ負の方向に850ppm、860ppm、900p
pm、1070ppm、1260ppm、1300ppmであった。前方押出に
よる熱間押出成形時の押出比と負磁歪量との関係を図6
に示す。押出比が1.33の場合にはほとんど効果がなく、
押出比が2.25以上の場合に負磁歪材料の異方化に基づく
効果が見とめられた。このことから、前方押出を適用す
る場合には押出比は2以上とすることが好ましく、さら
に好ましくは3以上であることが分かる。
【0049】さらに、上記した各負磁歪材料の結晶組織
を観察したところ、押出比が2.25以上の負磁歪材料では
組織全体に押出方向に伸びた結晶粒が見られ、押出比が
2.25の負磁歪材料の結晶粒の平均アスペクト比は1.15で
あった。一方、押出比が1.3の負磁歪材料では、棒の外
周部と中心部とで結晶の変形に大きな違いがあり、外周
部の方が中心部より変形が大きくなっていた。結晶粒の
アスペクト比は0.9〜1.1の範囲で幅を持ち、平均アスペ
クト比は1.06であった。
【0050】実施例3 まず、鋳造法によりSmFe1.95合金インゴットを作製
し、この合金インゴットの表面を平滑に機械加工して、
外径29mm×長さ60mmの円柱状SmFe1.95合金ブロック
を得た。この合金ブロックの表面にBN粉末を塗付し、
これをArガス雰囲気中で600℃まで加熱した後、600℃
に予熱した内径30mmの金型コンテナに挿入した。直ちに
同じく600℃に予熱した直径22mmのパンチで後方押出成
形することによって、外径30mm×内径22mmのパイプ状の
熱間押出成形材を作製した。この際の押出比は2.16であ
る。なお、金型コンテナおよびパンチには予めBN粉末
を塗付した。
【0051】次に、上記したパイプ状の熱間押出成形材
に715℃で10時間の均質化および歪取りのための熱処理
を施した後、室温まで急冷することによって、目的とす
るSmFe1.95合金の熱間押出成形材からなる負磁歪材
料を得た。この負磁歪材料の結晶組織を観察したとこ
ろ、組織全体に押出方向に伸びた結晶粒が見られ、結晶
粒の平均アスペクト比は1.9であった。また、X線回折
で集合組織の結晶配向性を調べたところ、長手方向(押
出方向)に〈111〉配向していることが確認された。こ
のような負磁歪材料の長手方向に室温で5kOeの磁界を印
加し、その際の磁歪量を測定した結果、磁歪値は負の方
向に1210ppmであった。
【0052】実施例4 上記した実施例3において、後方押出成形する際のパン
チ径を、直径24mm、18mm、15mm、10mm、5mmにそれぞれ
変更する以外は、実施例3と同一条件で熱間押出成形
(後方押出)することによって、それぞれパイプ状の熱
間押出成形材を作製した。各熱間押出成形材の押出比は
2.8、1.6、1.3、1.1、1.0である。これらパイプ状の熱
間押出成形材に715℃で10時間の均質化および歪取りの
ための熱処理を施した後、室温まで急冷することによっ
て、それぞれ目的とするSmFe1. 95合金の熱間押出成
形材からなる負磁歪材料を得た。
【0053】このような負磁歪材料の長手方向にそれぞ
れ室温で5kOeの磁界を印加して磁歪量を測定したとこ
ろ、磁歪値はそれぞれ負の方向に1320ppm、1050ppm、93
0ppm、870ppm、860ppmであった。後方押出による熱間押
出成形時の押出比と負磁歪量との関係を図7に示す。こ
れらの結から、後方押出を適用する場合には押出比は1.
3以上とすることが好ましく、さらに好ましくは1.5以上
であることが分かる。
【0054】実施例5 まず、平均粒径8μmのSmFe1.9合金粉末を980MPaの
成形圧で直径30mm×厚さ30mmの圧粉体を成形した。この
圧粉体をArガス雰囲気中にて730℃で焼結した後、室
温まで急冷した。この焼結体の表面にBN粉末を塗付
し、これをArガス雰囲気中で500℃まで加熱した後、5
00℃に予熱した内径30mmの金型コンテナに挿入した。直
ちに同じく500℃に予熱したパンチで直径6mmの孔より前
方押出成形することによって、直径6mmの棒状の熱間押
出成形材を作製した。この際の押出比は25である。な
お、金型コンテナおよびパンチには予めBN粉末を塗付
した。
【0055】次に、上記した棒状の熱間押出成形材にA
rガス雰囲気中にて715℃で10時間の均質化および歪取
りのための熱処理を施した後、室温まで急冷することに
よって、目的とするSmFe1.9合金の熱間押出成形材
からなる負磁歪材料を得た。この負磁歪材料の結晶組織
を観察したところ、組織全体に押出方向に伸びた結晶粒
が見られ、結晶粒の平均アスペクト比は6.3であった。
また、X線回折で集合組織の結晶配向性を調べたとこ
ろ、長手方向(押出方向)に〈111〉配向していること
が確認された。このような負磁歪材料の長手方向に室温
で5kOeの磁界を印加し、その際の磁歪量を測定した結
果、磁歪値は負の方向に1250ppmであった。
【0056】比較例2 上記した実施例5と同様な粉末焼結法でSmFe1.9
金の焼結体を作製し、この焼結体を外径6mmまで機械加
工することによって、棒状の負磁歪材料を得た。なお、
焼結体には715℃の温度で均質化熱処理を施した。この
負磁歪材料の結晶組織を観察したところ、組織全体に粒
状の結晶粒が見られ、結晶粒の平均アスペクト比は1.0
であった。このような負磁歪材料の長手方向に室温で5k
Oeの磁界を印加し、その際の磁歪量を測定した結果、磁
歪値は負の方向に800ppmであった。
【0057】実施例6 まず、鋳造法によりSmFe1.9合金インゴットを作製
した。この合金インゴットを、石英製ノズルを有する溶
解容器に装填して再溶解した後、直径5mmのオリフィス
から周速30m/secで回転するベリリウム銅製ロール(水
冷ロール)に溶湯を吹き付けて急冷することによって、
SmFe1.9合金のフレーク材(フレーク状粉末)を得
た。
【0058】上記したSmFe1.9合金のフレーク材を7
80MPaの成形圧で直径30mm×厚さ30mmの圧粉体を成形し
た。この圧粉体をArガス雰囲気中にて730℃で焼結し
た後、室温まで急冷した。この焼結体の表面にBN粉末
を塗付し、これをArガス雰囲気中で550℃まで加熱し
た後、550℃に予熱した内径30mmの金型コンテナに挿入
した。直ちに同じく550℃に予熱したパンチで直径6mmの
孔より前方押出成形することによって、直径6mmの棒状
の熱間押出成形材を作製した。この際の押出比は25であ
る。なお、金型コンテナおよびパンチには予めBN粉末
を塗付した。
【0059】次に、上記した棒状の熱間押出成形材にA
rガス雰囲気中にて715℃で10時間の均質化および歪取
りのための熱処理を施した後、室温まで急冷することに
よって、目的とするSmFe1.9合金の熱間押出成形材
からなる負磁歪材料を得た。この負磁歪材料の結晶組織
を観察したところ、組織全体に押出方向に伸びた結晶粒
が見られ、結晶粒の平均アスペクト比は8.7であった。
また、X線回折で集合組織の結晶配向性を調べたとこ
ろ、長手方向(押出方向)に〈111〉配向していること
が確認された。このような負磁歪材料の長手方向に室温
で5kOeの磁界を印加し、その際の磁歪量を測定した結
果、磁歪値は負の方向に1300ppmであった。
【0060】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば希
土類合金からなる負磁歪材料に異方性を工業的手法で確
実にかつ有効に付与することができる。このような本発
明の異方性負磁歪材料によれば、磁歪特性(負の変位
量)を大幅に向上させることが可能となる。また、本発
明の負磁歪材料の製造方法によれば、そのような磁歪特
性に優れる負磁歪材料を再現性よく得ることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による負磁歪材料の外観
を示す斜視図である。
【図2】 本発明の他の実施形態による負磁歪材料の外
観を示す斜視図である。
【図3】 図1および図2に示す負磁歪材料(熱間押出
成形材)の微細構造を拡大して示す模式図である。
【図4】 図1に示す負磁歪材料の製造工程を説明する
ための図である。
【図5】 図2に示す負磁歪材料の製造工程を説明する
ための図である。
【図6】 本発明の負磁歪材料を前方押出で作製する際
の押出比と得られた負磁歪材料の磁歪量(負の変位量)
との関係の一例を示す図である。
【図7】 本発明の負磁歪材料を後方押出で作製する際
の押出比と得られた負磁歪材料の磁歪量(負の変位量)
との関係の一例を示す図である。
【符号の説明】
1,2……負磁歪材料,1a……前方押出による熱間押
出成形材,2a……後方押出による熱間押出成形材
フロントページの続き (72)発明者 山宮 秀樹 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 小林 忠彦 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株 式会社東芝研究開発センター内 Fターム(参考) 5E040 AA03 AA06 BD01 CA20 NN01 NN06

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 負の磁歪を示すMg2Cu型結晶構造を
    持つ希土類合金からなる負磁歪材料であって、 前記希土類合金は熱間押出成形材を具備すると共に、前
    記熱間押出成形材の押出方向に異方性が付与されている
    ことを特徴とする負磁歪材料。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の負磁歪材料において、 前記希土類合金はその結晶方位が前記押出方向に配向し
    ていることを特徴とする負磁歪材料。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の負磁歪材料において、 前記希土類合金の結晶の〈111〉方位が前記押出方向に
    配向していることを特徴とする負磁歪材料。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれか1項
    記載の負磁歪材料において、 前記希土類合金を構成する結晶粒は、前記押出方向の寸
    法Aと前記押出方向に直交する方向の寸法Bの比で表さ
    れるアスペクト比(A/B)が平均値として1.1以上で
    あることを特徴とする負磁歪材料。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれか1項
    記載の負磁歪材料において、 前記希土類合金は、 一般式:R(Tx1-xz (式中、Rは希土類元素から選ばれる少なくともSmを
    含む1種または2種以上の元素を、TはFe、Coおよび
    Niから選ばれる少なくとも1種の元素を、Mは前記T
    元素以外の遷移金属元素から選択される元素を示し、x
    およびzは0.5≦x≦1、1.4≦z≦2.5を満足する数であ
    る)で表される組成を有することを特徴とする負磁歪材
    料。
  6. 【請求項6】 負の磁歪を示すMg2Cu型結晶構造を
    持つ希土類合金素材を400℃以上の温度に加熱する工程
    と、 前記加熱後の希土類合金素材を、前記温度を保ちつつ熱
    間押出成形して、前記希土類合金の熱間押出成形材を作
    製する工程とを具備することを特徴とする負磁歪材料の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の負磁歪材料の製造方法に
    おいて、 前記熱間押出成形時に前記希土類合金素材を前方押出す
    ると共に、前記前方押出時の押出比を2以上に設定する
    ことを特徴とする負磁歪材料の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6記載の負磁歪材料の製造方法に
    おいて、 前記熱間押出成形時に前記希土類合金素材を後方押出す
    ると共に、前記後方押出時の押出比を1.3以上に設定す
    ることを特徴とする負磁歪材料の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項6ないし請求項8のいずれか1項
    記載の負磁歪材料の製造方法において、 前記希土類合金素材は、前記希土類合金の鋳造材、焼結
    材および溶湯急冷材から選ばれる1種であることを特徴
    とする負磁歪材料の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項6ないし請求項9のいずれか1
    項記載の負磁歪材料の製造方法において、 前記希土類合金の熱間押出成形材に対して、前記押出方
    向に異方性を付与することを特徴とする負磁歪材料の製
    造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112735768A (zh) * 2020-12-29 2021-04-30 广东电网有限责任公司电力科学研究院 一种采用负磁致伸缩材料的干式变压器减振装置
CN114657639A (zh) * 2020-12-22 2022-06-24 哈尔滨工业大学 一种单相磁致伸缩与磁致负热膨胀材料及其制备方法

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CN112735768B (zh) * 2020-12-29 2022-05-27 广东电网有限责任公司电力科学研究院 一种采用负磁致伸缩材料的干式变压器减振装置

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