JP2003162841A - デジタルビデオディスク基板 - Google Patents

デジタルビデオディスク基板

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JP2003162841A
JP2003162841A JP2002337517A JP2002337517A JP2003162841A JP 2003162841 A JP2003162841 A JP 2003162841A JP 2002337517 A JP2002337517 A JP 2002337517A JP 2002337517 A JP2002337517 A JP 2002337517A JP 2003162841 A JP2003162841 A JP 2003162841A
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Masaya Okamoto
正哉 岡本
Shigeki Kuze
茂樹 久世
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 成形時の割れが少ない上、複屈折が小さ
く、かつ転写性に優れるデジタルビデオディスク基板を
提供する。 【解決手段】 粘度平均分子量(Mv)が10000〜
17000、かつ、重量平均分子量(Mw)/数平均分
子量(Mn)値が2.3以上のポリカーボネートからな
るデジタルビデオディスク基板、及び2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパンなどの二価フェノール
とジフェニルカーボネートなどの炭酸ジエステルとのエ
ステル交換反応により得られた粘度平均分子量(Mv)
が10000〜17000のポリカーボネートからなる
デジタルビデオディスク基板である。成形時の割れが少
ない上、複屈折が小さく、かつ転写性に優れるデジタル
ビデオディスク基板を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、デジタルビデオデ
ィスク基板に関し、さらに詳しくは、成形時の割れが少
ない上、複屈折が小さく、かつ転写性に優れるポリカー
ボネートからなるデジタルビデオディスク基板に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来の光ディスクであるCDやCD−R
OMなどの規格は、ディスク径:120mm、ディスク
厚:1.2mm、構造:単板片面である。これに対し、デ
ジタルビデオディスク(DVD)の規格は、ディスク
径:120mm、ディスク厚:1.2mm、構造:両面貼
り合わせである。したがって、ディスク基板としては、
厚み0.6mmとなる。このディスク基板材料として
は、透明性、耐熱性、耐衝撃性、耐水性などに優れるこ
とから、近年、ポリカーボネートが多用されている。し
かしながら、上記したように、ディスク基板の厚みが1.
2mmから0.6mmに薄くなると、成形時に破損が生
じたり、複屈折が増大するなど、好ましくない事態を招
来する。このディスク基板の成形時の割れを防止するた
めに、基板材料のポリカーボネートの分子量を増加させ
ると、複屈折がさらに増大する。また複屈折を低減する
ために、超音波成形、多段圧縮成形、高速充填成形など
の方法を用いて、デジタルビデオディスク基板を成形す
る試みがなされているが、これらの成形方法でも、複屈
折の低減は充分ではない上、むしろ、通常の成形方法に
比べて破損が生じやすいという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
状況下で、成形時の割れが少ない上、複屈折が小さく、
かつ転写性に優れるデジタルビデオディスク基板を提供
することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、成形時の
割れが少なく、かつ複屈折の小さいデジタルビデオディ
スク基板について鋭意研究を重ねた結果、基板材料とし
て、分子量分布が広い特定の分子量を有するポリカーボ
ネートを用いることにより、あるいは、エステル交換法
で得られた特定の分子量を有するポリカーボネートを用
いることにより、その目的を達成しうることを見出し
た。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものであ
る。
【0005】すなわち、本発明は、 1.粘度平均分子量(Mv)が10000〜1700
0、かつ、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(M
n)の値が2.3以上のポリカーボネートからなるデジ
タルビデオディスク基板。 2.二価フェノールと炭酸ジエステルとのエステル交換
反応により得られた粘度平均分子量(Mv)が1000
0〜17000のポリカーボネートからなるデジタルビ
デオディスク基板。 3.エステル交換反応の触媒として含窒素塩基性化合物
及び非含窒素塩基性化合物を用いることを特徴とする上
記2記載のデジタルビデオディスク基板。 4.含窒素塩基性化合物が4級アンモニウム塩であるこ
とを特徴とする上記3記載のデジタルビデオディスク基
板。 5.非含窒素塩基性化合物が4級ホスホニウム塩である
ことを特徴とする上記3記載のデジタルビデオディスク
基板。 6.4級アンモニウム塩がテトラメチルアンモニウムヒ
ドロキシドであることを特徴とする上記4記載のデジタ
ルビデオディスク基板。 7.4級ホスホニウム塩がテトラフェニルホスホニウム
テトラフェニルボレートであることを特徴とする上記5
記載のデジタルビデオディスク基板。 8.粘度平均分子量(Mv)が12000〜16000
のポリカーボネートからなることを特徴とする上記1又
は上記2記載のデジタルビデオディスク基板。 9.粘度平均分子量(Mv)が13500〜15500
のポリカーボネートからなることを特徴とする上記1又
は上記2記載のデジタルビデオディスク基板。 を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明のDVD基板においては、
材料として用いられるポリカーボネートは慣用された製
造方法である溶液法(界面重合法、ピリジン法)、エス
テル交換法等で製造することが出来る。すなわち、通
常、二価フェノールとホスゲンまたは炭酸エステル化合
物等のポリカーボネート前駆体とを反応させることによ
り、製造することが出来る。具体的には、例えば、塩化
メチレンなどの溶媒中において、公知の酸受容体や分子
量調節剤の存在下、更に、必要により分岐剤を添加し、
二価フェノールとホスゲンのようなカーボネート前駆体
との反応(界面重合法)により、あるいは二価フェノー
ルとジフェニールカーボネートのような炭酸ジエステル
とのエステル交換反応(エステル交換法)などによって
製造される。好ましくは、材料として二価フェノールと
炭酸ジエステルとのエステル交換反応により得られたポ
リカーボネートが用いられる。これらのポリカーボネー
トの原料として用いられる二価フェノールとしては、例
えば一般式(I)
【0007】
【化1】
【0008】で表される化合物を好ましく挙げることが
できる。上記一般式(I)において、R及びRは、
それぞれハロゲン原子、炭素数1〜6のアルキル基又は
フェニル基を示す。ここで、ハロゲン原子としては、塩
素、臭素、フッ素、ヨウ素原子が挙げられ、炭素数1〜
6のアルキル基としては、直鎖状、分岐状、環状のいず
れであってもよく、例えばメチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、t−ブチル基、アミル基、イソアミル基、ヘキシル
基、イソヘキシル基、シクロヘキシル基などが挙げられ
る。このR及びRは、たがいに同一でも異なってい
てもよい。また、Rが複数ある場合は、複数のR
同一でも異なっていてもよく、Rが複数ある場合は、
複数のRは同一でも異なっていてもよい。p及びq
は、それぞれ0〜4の整数である。そして、Zは単結
合、炭素数1〜20のアルキレン基若しくはアルキリデ
ン基、炭素数5〜20のシクロアルキレン基若しくはシ
クロアルキリデン基、−O−、−S−、−SO−、−S
−又は−CO−を示す。ここで、炭素数1〜20の
アルキレン基若しくはアルキリデン基としては、例えば
メチレン基,エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、
ペンチレン基、ヘキシレン基、エチリデン基、イソプロ
ピリデン基などが挙げられ、炭素数5〜20のシクロア
ルキレン基若しくはシクロアルキリデン基としては、例
えばシクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロ
ペンチリデン基、シクロヘキシリデン基などが挙げられ
る。
【0009】上記一般式(I)で表される二価フェノー
ルの例としては、様々なものがあるが、特に2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノー
ルA〕が好適である。ビスフェノールA以外の二価フェ
ノールとしては、例えばビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)メタン;ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ
フェニル)メタン;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒド
ロキシフェニル)メタン;1,1−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)エタン;1,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)エタン;2−メチル−1,1−ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジ
メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;1−エチ
ル−1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン;2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン;2,2−ビス(3,5−ジブロモ
−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;2,2−ビス
(3−クロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン;
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロパン;2,2−ビス(3−フルオロ−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ブタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ブタン;1,4−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ブタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
ペンタン;4−メチル−2,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)ペンタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)ヘキサン;4,4−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)ヘプタン;2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ノナン;1,10−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)デカン;1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)
−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン;2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)−1,1,1,3,3,
3−ヘキサフルオロプロパンなどのジヒドロキシジアリ
ールアルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)シクロヘキサン;1,1−ビス(3,5−ジクロロ
−4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;1,1−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロデカンなどのジ
ヒドロキシジアリールシクロアルカン類、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホン;ビス(3,5−ジメチル
−4−ヒドロキシフェニル)スルホン;ビス(3−クロ
ロ−4−ヒドロキシフェニル)スルホンなどのジヒドロ
キシジアリールスルホン類、ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)エーテル;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロ
キシフェニル)エーテルなどのジヒドロキシジアリール
エーテル類、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン;
3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒド
ロキシベンゾフェノンなどのジヒドロキシジアリールケ
トン類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド;
ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルフィ
ド;ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)スルフィドなどのジヒドロキシジアリールスルフィ
ド類、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシドな
どのジヒドロキシジアリールスルホキシド類などが挙げ
られる。また、二価フェノールとして、これら以外に、
ハイドロキノン,9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)フルオレン及びこれらのハロゲン誘導体なども用い
ることができる。この二価フェノールは単独で用いても
よく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0010】一方、炭酸ジエステルとしては各種のもの
があり、好ましくは炭酸ジアリールエステル化合物、炭
酸ジアルキルエステル化合物及び炭酸アルキルアリール
エステル化合物が挙げられる。炭酸ジアリールエステル
化合物としては、ジフェニルカーボネート、ジトリルカ
ーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、ジ
ナフチルカーボネート、ビスフェノールAビスフェニル
カーボネート等が挙げられる。炭酸ジアルキルエステル
化合物としては、ジメチルカーボネート、ジエチルカー
ボネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカ
ーボネート、ビスフェノールAビスメチルカーボネート
等が挙げられる。炭酸アルキルアリールエステル化合物
としては、メチルフェニルカーボネート、エチルフェニ
ルカーボネート、ブチルフェニルカーボネート、シクロ
ヘキシルフェニルカーボネート、ビスフェノールAメチ
ルフェニルカーボネート等が挙げられる。これは単独で
用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい
が、特にジフェニルカーボネートが好適である。
【0011】使用される炭酸ジエステルの量は、二価フ
ェノールに対し、モル比で好ましくは0.9〜2.5、
更に好ましくは0.98〜2.0である。また、このポ
リカ−ボネ−トの製造方法においては、上記の成分に加
えて末端停止剤(分子量調節剤)を使用することができ
る。使用できる末端停止剤としては、p−tert−ブ
チルフェノール、p−ブロモフェノール、トリブロモフ
ェノール、ノニルフェノール等の一価のフェノールを用
いることができる。さらに、必要に応じて分岐剤とし
て、フロログルシン;トリメリット酸;1,1,1−ト
リス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;1−〔α−メ
チル−α−(4’−ヒドロキシフェニル)エチル〕−4
−〔α’,α’−ビス(4”−ヒドロキシフェニル)エ
チル〕ベンゼン;α,α’,α”−トリス(4−ヒドロ
キシフェニル)−1,3,5−トリイソプロピルベンゼ
ン;イサチンビス(o−クレゾール)等の官能基を3つ
以上有する化合物を用いることもできる。
【0012】さらに、エステル交換反応によるポリカ−
ボネ−トの製造方法においては、必要に応じて、エステ
ル交換反応に通常使用される触媒を用いることができ
る。ここで、用いることのできるエステル交換触媒とし
ては、例えば、アミン類、四級アンモニウム塩類等の含
窒素塩基性化合物あるいは水酸化リチウム、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物、アル
カリ土類金属化合物、硼素化合物等の非含窒素塩基性化
合物が挙げられる。上記触媒の使用量は、二価フェノー
ル1モルに対して、通常1×10−2〜1×10−8
ル、好ましくは1×10−3〜1×10−7モルであ
る。この触媒の添加量が1×10−8モル未満では、触
媒効果が発現されない恐れがある。また、10−2モル
を超えると、最終製品であるポリカーボネートの物性、
特に、耐熱性、耐加水分解性の低下を招く恐れがあり、
また、コストアップに繋がるので、これを超えてまで添
加する必要はない。
【0013】エステル交換触媒を併用する場合、好まし
く用いられる前記含窒素塩基性化合物としては、例え
ば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピ
ルアミン、トリブチルアミン、トリペンチルアミン、ト
リヘキシルアミン、ジメチルベンジルアミン等の脂肪族
第3級アミン化合物、トエフェニルアミン等の芳香族第
3級アミン化合物が挙げられる。また、N,N−ジメチ
ル−4−アミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジ
ン、4−ピロリジノピリジン、4−アミノピリジン、2
−アミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、4−ヒド
ロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシ
ピリジン、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、4
−メチルイミダゾール、2−ジメチルアミノイミダゾー
ル、2−メトキシイミダゾール、2−メルカプトイミダ
ゾール、アミノキノリン、ジアザビシクロオクタン(D
ABCO)等の含窒素複素環化合物も挙げることができ
る。さらに、含窒素塩基性化合物の中でも以下に示すよ
うな4級アンモニウム塩が好ましい。これら、4級アン
モニウム塩としては、テトラメチルアンモニウムヒドロ
キシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テト
ラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジ
ルアンモニウムヒドロキシド等のアルキル基、アリール
基、アラルキル基などを有するアンモニウムヒドロキシ
ド類が挙げられる。これらのアンモニウム塩の中では、
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチル
アンモニウムヒドロキシドが好ましく用いられる。その
他、テトラメチルアンモニウムボロハイドライド、テト
ラブチルアンモニウムボロハイドライド、テトラブチル
アンモニウムフェニルボレート、テトラメチルアンモニ
ウムテトラフェニルボレート等の塩基性塩が挙げられ
る。これらの中では、特に、含窒素塩基性化合物が、塩
基性を示し、反応系中に比較的残留しない特徴を有する
ので好ましく用いられる。
【0014】また、エステル交換触媒を併用する場合、
好ましく用いられる前記非含窒素塩基性化合物として
は、例えば、酸化鉛、酸化アンチモンのような塩基性金
属酸化物、有機チタン化合物、可溶性マンガン化合物、
Ca、Mg、Zn、Pb、Sn、Mn、Cd、Coの酢
酸塩、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリ
ウム等のアルカリ金属化合物、アルカリ金属またはアル
カリ土類金属の単体、酸化物、水酸化物、アルカリ土類
金属化合物、及び硼酸、硼酸トリメチル、硼酸トリエチ
ル、硼酸トリブチル、硼酸トリヘプチル、硼酸トリフェ
ニル、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレ
ート等の硼素化合物が挙げられる。これら、非含窒素塩
基性化合物の中でも以下に示す4級ホスホニウム塩が好
ましい。これら、4級ホスホニウム塩としては、テトラ
フェニルホスホニウムヒドロキシド、テトラナフチルホ
スホニウムヒドロキシド、テトラ(クロロフェニル)ホ
スホニウムヒドロキシド、テトラ(ビフェニル)ホスホ
ニウムヒドロキシド、テトラトリルホスホニウムヒドロ
キシド、テトラメチルホスホニウムヒドロキシド、テト
ラエチルホスホニウムヒドロキシド、テトラブチルホス
ホニウムヒドロキシドなどのテトラ(アリール又はアル
キル)ホスホニウムヒドロキシド類、さらには、テトラ
メチルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラフ
ェニルホスホニウムブロミド、テトラフェニルホスホニ
ウムフェノラート、テトラフェニルホスホニウムテトラ
フェニルボレート、メチルトリフェニルホスホニウムテ
トラフェニルボレート、ベンジルトリフェニルホスホニ
ウムテトラフェニルボレート、ビフェニルトリフェニル
ホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラトリルホ
スホニウムテトラフェニルボレート、シクロヘキシルト
リフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テト
ラフェニルホスホニウムフェノレート、テトラ(p−t
−ブチルフェニル)ホスホニウムジフェニルホスフェ−
ト、トリフェニルブチルホスホニウムフェノレート、ト
リフェニルブチルホスホニウムテトラフェニルボレート
などが挙げられる。これらの、4級ホスホニウム塩の中
で、触媒活性が高く、かつ品質に悪影響を及ぼし難いな
どの点から、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニ
ルボレート、ビフェニルトリフェニルホスホニウムテト
ラフェニルボレート、及びシクロヘキシルトリフェニル
ホスホニウムテトラフェニルボレートが好適である。こ
の4級ホスホニウム塩は1種用いてもよく、2種以上組
み合わせて用いてもよい。
【0015】更に、このエステル交換反応において併用
する触媒の好ましい組合せとしては、含窒素塩基性化合
物と硼素化合物、含窒素塩基性化合物とアルカリ(土
類)金属化合物、含窒素塩基性化合物とアルカリ(土
類)金属化合物と硼素化合物などの併用型触媒が挙げら
れる。最も、好ましい組合せとしては、テトラメチルア
ンモニウムヒドロキシドとテトラフェニルホスホニウム
テトラフェニルボレートとの併用型触媒が挙げられる。
【0016】このエステル交換反応において併用する触
媒の含窒素塩基性化合物を10−1〜10−7モル、好
ましくは10−2〜10−6モル、さらに好ましくは1
〜10−5モル用い、非含窒素塩基性化合物を1
−3〜10−8モル、好ましくは10−4〜10−7
モル、さらに好ましくは10−5〜10−6モル用いる
のが望ましい。前記含窒素塩基性化合物成分の使用量が
10−7モル未満では反応初期での触媒活性が不充分と
なり、また10−1モルを超えるとコストアップに繋が
り好ましくない。一方、前記非含窒素塩基性化合物の使
用量が10−8モル未満では反応後期での触媒活性が不
充分となり、また10−3モルを超えるとコストアップ
に繋がり好ましくない。
【0017】上記触媒の使用量は、二価フェノール1モ
ルに対して含窒素塩基性化合物成分と非含窒素塩基性化
合物のとの合計量が、通常1×10−2〜1×10−8
モル、好ましくは1×10−3〜1×10−7モルであ
る。この触媒の添加量が1×10−8モル未満では、触
媒効果が発現されない恐れがある。また、10−2モル
を超えると、最終製品であるポリカーボネートの物性、
特に、耐熱性、耐加水分解性の低下を招く恐れがあり、
また、コストアップに繋がるので、これを超えてまで添
加する必要はない。
【0018】このエステル交換反応を行うにあたって、
反応温度は、特に限定されないが、通常100℃〜33
0℃の範囲であり、好ましくは180℃〜300℃であ
る。更に、180〜300℃の範囲内で反応の進行に合
わせて次第に温度を上げていく方法が好ましい。該エス
テル交換反応は100℃未満では、反応の進行が遅く、
330℃を超えると、ポリマーの熱劣化が起こり好まし
くない。
【0019】また、反応圧力は特に制限はなく、使用す
るモノマーの蒸気圧に応じて適宜設定されるが、通常、
反応初期においては約50mmHg程度の減圧状態から
約50気圧程度の加圧状態までの間の圧力で行うことが
好ましく、反応後期においては減圧状態で行うことが好
ましく、最終的には0.01〜100mmHgとするこ
とが好ましい。さらに、反応時間は、目標の分子量とな
るまで行えばよく、通常、全体で10分〜10時間程度
である。
【0020】上記の反応は、溶剤の不存在下で行われる
が、必要に応じて、得られるポリカーボネートの1〜1
50重量%の不活性溶剤の存在下において行ってもよ
い。ここで、不活性溶剤としては、例えば、ジフェニル
エーテル、ハロゲン化ジフェニルエーテル、ジフェニル
スルホン、ベンゾフェノン、ポリフェニルエーテル、ジ
クロロベンゼン、メチルナフタレン等の芳香族化合物、
シクロヘキサン、トリシクロ(5.2.10)デカン、
シクロオクタン、シクロデカン等のシクロアルカンなど
が挙げられる。
【0021】このようにして得られたポリカーボネート
は、そのまま、あるいは混合などにより粘度平均分子量
(Mv)が10000〜17000の範囲に制御される
ことを要する。この粘度平均分子量(Mv)が1000
0未満では、DVD基板成形時に割れが生じるおそれが
あり、また17000を超えると得られるDVD基板の
複屈折が増大する。DVD基板成形時の割れ防止及びD
VD基板の複屈折などの面から、この粘度平均分子量の
好ましい範囲は12000〜16000であり、特に1
3500〜15500の範囲が好適である。また、この
ポリカーボネートの分子量分布は、特に制限はないが、
重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比、
即ち、Mw/Mnとして、好ましくは2.3以上、より
好ましくは2.5以上である。この分子量分布が狭すぎ
ると、即ち、Mw/Mnの値が小さいと、DVD基板成
形時に割れ等の破損が生じやすい。
【0022】粘度平均分子量(Mv)を10000〜1
7000の範囲に制御する方法は、特に限定されない
が、溶液法(界面重合法、ピリジン法)、エステル交換
法等で得られたポリカーボネートを所望の粘度平均分子
量(Mv)範囲となるように混合することにより、例え
ば、溶液法で得られたポリカーボネート同士を混合する
ことにより、あるいは溶液法で得られたポリカーボネー
トとエステル交換法で得られたポリカーボネートを混合
すること等により行うことができる。
【0023】重量平均分子量(Mw)/数平均分子量
(Mn)値の制御方法は、特に限定されないが、エステ
ル交換法であれば容易に2.3以上調整することができ
る。一方、溶液法により得られるポリカーボネートの場
合は分子量範囲の異なるポリカーボネートを混合するこ
とによりあるいは、溶液法で得られたポリカーボネート
とエステル交換法で得られたポリカーボネートを混合す
ること等により行うことができる。上記ポリカーボネー
トには、本発明の目的が損なわれない範囲で、所望によ
り各種添加剤、例えば、酸化防止剤、滑剤(離型剤)、
無機充填剤、難燃剤、着色剤などを適宜配合してもよ
い。
【0024】上記酸化防止剤としては、リン系酸化防止
剤が好ましく、例えばトリメチルホスファイト、トリエ
チルホスファイト、トリブチルホスファイト、トリオク
チルホスファイト、トリノニルホスファイト、トリデシ
ルホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、ジス
テアリルペンタエリスチルジホスファイト、トリス(2
−クロロエチル)ホスファイト、トリス(2,3−ジク
ロロプロピル)ホスファイトなどのトリアルキルホスフ
ァイト、トリシクロヘキシルホスファイトなどのトリシ
クロアルキルホスファイト、トリフェニルホスファイ
ト、トリクレジルホスファイト、トリス(エチルフェニ
ル)ホスファイト、トリス(ブチルフェニル)ホスファ
イト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト,トリス
(ヒドロキシフェニル)ホスファイトなどのトリアリー
ルホスファイト、2−エチルヘキシルジフェニルホォス
ファイトなどのモノアルキルジアリールホスファイト、
トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、ト
リブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、ト
リデシルホスフェート、トリオクタデシルホスフェー
ト、ジステアリルペンタエリスリチルジホスフェート、
トリス(2−クロロエチル)ホスフェート、トリス
(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェートなどのトリ
アルキルホスフェート、トリシクロヘキシルホスフェー
トなどのトリシクロアルキルホスフェート、トリフェニ
ルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリス
(ノニルフェニル)ホスフェート、2−エチルフェニル
ジフェニルホスフェートなどのトリアリールホスフェー
トなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二
種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0025】また、滑剤(離型剤)としては、例えばス
テアリルアルコールや、ステアリン酸モノグリセリド、
ペンタエリスリトールステアリン酸エステルなどのステ
アリン酸エステル、あるいは蜜ろうなどが挙げられる。
これらの滑剤は成形時の離型性を向上させる作用を有し
ている。 本発明のDVD基板は、上記ポリカーボネー
ト及び所望により用いられる各種添加成分からなる材料
を用いて成形することによって製造されるが、その成形
方法については特に制限はなく、ディスク成形用金型を
使用し、射出成形又は圧縮成形する通常の成形法、及び
その他に、超音波成形、多段圧縮成形、高速充填成形な
どの方法も用いることができる。
【0026】成形温度は、通常300〜390℃の範
囲、金型温度は通常80〜125℃の範囲である。複屈
折の低減及び転写性向上のためには、樹脂の流動性を向
上させる必要があるが、成形温度が390℃を超えると
ポリカーボネートの劣化が生じ、透明性が低下するおそ
れがある。DVD基板は透明性に優れていることが不可
欠である。また、金型温度についても、流動性向上の点
からは、高い方が好ましいが、125℃を超えると基板
の形が崩れるおそれがある。さらに、射出率に関しては
150cm/秒以上、好ましくは200cm/秒以
上が有利である。この射出率が150cm/秒未満で
は金型内で成形材料が急冷されて流動圧力損失が大きく
なり、樹脂の配向性が増加し、その結果、成形品に歪み
などの不良が生じるおそれがある。また、金型の材質と
しては特に制限はなく、金属、セラミックス、グラファ
イトなどが用いられる。
【0027】このようにして得られた本発明のDVD基
板は、映像、オ−ディオ、コンピュ−タ−ソフトウエア
などのデジタルビデオディスク(DVDファミリー)の
記録媒体基板として多目的に使用可能である。その記録
方式としては、再生専用型、追記型、書換え型、など各
種、各様式のタイプに適用できる。本発明のDVD基板
を用いてデジタルビデオディスク基板を製造する方法と
しては特に制限はなく、通常のコンパンクトディスクの
場合と同様の方法を用いることができる。例えば成膜工
程により、該基板上に、保護層及び記録層を設け、さら
にその上にハードコート層及び必要に応じてオーバーコ
ート層を設けて2枚のディスク単板を作製したのち、一
般的な方法、例えばホットメルト型接着剤や粘着シート
を用いて貼合し、必要に応じハブ付けを行うことによ
り、所望のデジタルビデオディスクが得られる。
【0028】この際用いられるホットメルト型接着剤と
しては、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体(EV
A)系、ポリオレフィン系、合成ゴム系、ポリエステル
系、ポリアミド系などが挙げられる。一方、粘着シート
の接着剤としては、例えばゴム系、アクリル系、シリコ
ーン系などが挙げられ、またシートの材料としては、例
えばポリエステル系、ポリイミド系、ポリウレタン系、
ポリオレフィン系などの樹脂シートやアルミ箔などの金
属のシートを挙げることができる。次に、本発明を実施
例によりさらに詳しく説明するが、本発明は、これらの
例によってなんら限定されるものではない。以下の、各
実施例、比較例で得られた各ポリカーボネート樹脂ペレ
ットA、B、C、D、E、F、及びIからのDVD基板
の作成、評価、及び物性の測定は次の方法で行った。評
価結果を表1示す。なお、表1中−線の項目は評価して
いない。
【0029】DVD基板の作成 各ポリカーボネート樹脂ペレットを、成形機:東芝機械
社製IS80EPN、型締力:50トン、射出率:25
0cm/秒、射出圧力:1500kg/cm 、金型
材質:ジュラルミン2024、成形温度:340℃、金
型温度:115℃、冷却時間:5秒、キャビティ部:無
電解ニッケルメッキの条件で射出成形し、径120m
m、厚さ0.6mmのDVD基板を作成した。
【0030】評価 (1)割れなかった枚数 DVD基板各100枚を成形し、割れなかった枚数を表
す。 (2)落錘衝撃強度 DVD基板を成形後、48時間経過時の成形品の落錘衝
撃強度を荷重3.76kg、速度1m/秒、受台長径5
0mmで測定した。なお、半径18mmの所の内部を打
撃したときの落錘衝撃強度のエネルギー(J)を示す。 (3)転写性 転写性とは、〔成形品の凸部の高さ/金型面の凹部深さ
(5μm)〕×100をいい、20箇所の平均値を用い
た。なお、測定はニコン社製メジャースコープUM−3
を用いた。
【0031】(4)複屈折(Δn) 複屈折(Δn)の測定は、オーク社製ダブルリフラクシ
ョンメジャーメントシステムADR−2000を用い、
ディスクの中心から30mm、及び50mmの円周上の
任意の点を選んで測定した。複屈折(Δn)とレターデ
ーション(R)の関係は「R=Δn・t」で表される。
ここで、tはディスク厚さ(nm)である。表1にレタ
ーデーション(R=Δn・t)の絶対値(nm)を示
す。 (5)耐スチ−ム性 耐スチ−ム性の評価はディスク基板を121℃のスチ−
ムに48時間暴露したものを目視で観察した結果であ
る。 (6)粘度平均分子量(Mv) ウベローデ型粘度管にて、20℃におけるメチレンクロ
ライド溶液の極限粘度〔η〕を測定し、次の関係式によ
り計算した。 〔η〕=1.23×10−5・Mv0.83 (7)重量平均分子量/数平均分子量比(Mw/Mn
比) ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC
法)により、重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量
(Mn)を測定し、Mw/Mn比の値を求めた。
【0032】
【実施例】実施例1 (1)ポリカーボネート樹脂Aの製造 内容積10リットルのニッケル鋼製オートクレーブに、
ビスフェノールA2283g(10.0モル)、ジフェ
ニルカーボネート2249g(10.5モル)及び触媒
としてのテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(ビス
フェノールAに対し、2.4×10−4モル)とテトラ
フェニルホスホニウムテトラフェニルボレート(ビスフ
ェノールAに対し、1.0×10−6モル)の10重量
%水溶液を加え、アルゴンガスによる置換を5回行った
のち、混合物を180℃に加熱し、アルゴン雰囲気下で
30分間反応させた。次いで、温度を徐々に235℃に
上昇させると同時に真空度を60mmHgまで上げて6
0分間反応させ、さらに温度を徐々に270℃にすると
ともに、真空度を10mmHgまで上げて120分間反
応させた。続いて、温度を270℃に保ち、真空度を1
mmHgにし、30分間反応させたのち、真空度を0.
5mmHgまで上げて、さらに15分間反応させた。反
応終了後、アルゴンガスで反応器内を大気圧に戻し、内
容物を取り出し、溶融状態のまま、ギヤポンプで二軸押
出機に送入し、ペレット化し、ポリカーボネート樹脂A
のペレットを得た。このポリカーボネート樹脂Aの粘度
平均分子量(Mv)及び重量平均分子量/数平均分子量
比(Mw/Mn比)の値を表1に示す。
【0033】実施例2 (1)ポリカーボネート樹脂Bの製造 実施例1(1)において、テトラフェニルホスホニウム
テトラフェニルボレートの代わりに水酸化ナトリウムを
用い、かつ二軸押出機に送入する際、ポリマーに対し
て、p−トルエンスルホン酸ブチル1.8重量ppm、
3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−
エポキシシクロヘキシルカルボキシレート100重量p
pmを加え、ペレット化した以外は、実施例1(1)と
同様にして、ポリカーボネート樹脂Bのペレットを得
た。このもののMv及びMw/Mn比の値を表1に示
す。
【0034】実施例3 (1)ポリカーボネート樹脂Cの製造 実施例1(1)において、ジフェニルカーボネートの重
量を2185g(10.2モル)に変更した以外は、実
施例1(1)と同様にして、ポリカーボネート樹脂Cの
ペレットを得た。このもののMv及びMw/Mn比の値
を表1に示す。
【0035】比較例1 (1)ポリカーボネートオリゴマーの調製 5重量%水酸化ナトリウム水溶液400リットルに、ビ
スフェノールA60kgを溶解し、ビスフェノールAの
水酸化ナトリウム水溶液を調製した。次いで、室温に保
持したこのビスフェノールAの水酸化ナトリウム水溶液
を、138リットル/時間の流量で、またメチレンクロ
ライドを69リットル/時間の流量で、内径10mm,
管長10mの管型反応器にオリフィス板を通して導入
し、これにホスゲンを並流して10.0kg/時間の流
量で吹き込み、3時間連続的に反応させた。ここで用い
た管型反応器は二重管となっており、ジャケット部分に
は冷却水を通して反応液の排出温度を25℃に保った。
また、排出液のpHは10〜11を示すように調整し
た。このようにして得られた反応液を静置することによ
り、水相を分離除去し、メチレンクロライド相(220
リットル)を採取し、ポリカーボネートオリゴマー溶液
を得た。
【0036】(2)ポリカーボネート樹脂Dの製造 上記(1)で得られたポリカーボネートオリゴマー溶液
10.0リットルに、p−tert−ブチルフェノール
118.0gを溶解させ、これに、水酸化ナトリウム水
溶液(NaOH:75g、水:1.0リットル)とトリ
エチルアミン1.17ミリリットルを加え、300rpm
で常温にて30分間攪拌した。次いで、メチレンクロラ
イド8リットル及びビスフェノールAの水酸化ナトリウ
ム水溶液(ビスフェノールA:607g、NaOH:3
20g、水:5リットル)を加え、500rpmで常温
にて1時間攪拌した。その後、メチレンクロライド5リ
ットル及び水5リットルを加え、500rpmで常温に
て10分間攪拌した。攪拌停止後、静置分離し、有機相
を得た。この有機相を0.03規定の水酸化ナトリウム
水溶液5リットルでアルカリ洗浄、0.2規定の塩酸5
リットルで酸洗浄及び水5リットルで水洗(2回)を順
次行ったのち、メチレンクロライドを留去し、フレーク
状のポリカーボネートを得た。得られたポリカーボネー
トフレークを120℃で48時間真空乾燥したのち、2
30℃で押出し、ポリカーボネート樹脂Cのペレットを
得た。このもののMv及びMw/Mn比の値を表1に示
す。
【0037】比較例2 (1)ポリカーボネート樹脂Eの製造 実施例1(1)において、触媒としてテトラメチルアン
モニウムヒドロキシド(ビスフェノールAに対し、2.
5×10−4モル)のみを用いた以外は、実施例1
(1)と同様にして、ポリカーボネート樹脂Eのペレッ
トを得た。このもののMvを表1に示す。
【0038】比較例3 (1)ポリカーボネート樹脂Fの製造 実施例1(1)において、触媒として水酸化ナトリウム
(ビスフェノールAに対し、2.5×10−4モル)の
みを用いた以外は、実施例1(1)と同様にして、ポリ
カーボネート樹脂Fのペレットを得た。このもののMv
及びMw/Mn比の値を表1に示す。
【0039】実施例4 (1)ポリカーボネート樹脂Gの製造 比較例1(2)ポリカーボネート樹脂Dの製造方法にお
いて、p−tert−ブチルフェノールの重量を92.
2gに変更した以外は、比較例1(2)のポリカーボネ
ート樹脂Dの製造方法と同様にして、フレーク状のポリ
カーボネート樹脂Gを得た。このもののMv及びMw/
Mn比の値はそれぞれ、17400、2.1であった。 (2)ポリカーボネート樹脂Hの製造 比較例1(2)のポリカーボネート樹脂Dの製造方法に
おいて、p−tert−ブチルフェノールの重量を16
0.0gに変更した以外は、比較例1(2)のポリカー
ボネート樹脂Dの製造方法と同様にして、フレーク状の
ポリカーボネート樹脂Hを得た。このもののMv及びM
w/Mn比の値はそれぞれ、11400、2.1であっ
た。 (3)ポリカーボネート樹脂Iの製造 上記(1)で得られたポリカーボネート樹脂G及び上記
(2)で得られたポリカーボネート樹脂Hを120℃で
48時間真空乾燥したのち、1:1の重量比でドライブ
レンドし、230℃で押出し、ポリカーボネート樹脂I
のペレットを得た。このもののMv及びMw/Mn比の
値を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【発明の効果】本発明のデジタルビデオディスク基板
は、特定の粘度平均分子量を有する分子量分布が広いポ
リカーボネート、又は、特定の粘度平均分子量を有する
エステル交換反応により得られたポリカーボネートから
なるものである。この基板は、成形時の割れが少ない
上、複屈折が小さく、かつ転写性に優れている。したが
って、このデジタルビデオディスク基板は、再生専用
型,追記型,書換え型などのデジタルビデオディスク
(DVDファミリー)の基板として好適に用いられる。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘度平均分子量(Mv)が10000〜
    17000、かつ、重量平均分子量(Mw)/数平均分
    子量(Mn)の値が2.3以上のポリカーボネートから
    なるデジタルビデオディスク基板。
  2. 【請求項2】 二価フェノールと炭酸ジエステルとのエ
    ステル交換反応により得られた粘度平均分子量(Mv)
    が10000〜17000のポリカーボネートからなる
    デジタルビデオディスク基板。
  3. 【請求項3】 エステル交換反応の触媒として含窒素塩
    基性化合物及び非含窒素塩基性化合物を用いることを特
    徴とする請求項2記載のデジタルビデオディスク基板。
  4. 【請求項4】 含窒素塩基性化合物が4級アンモニウム
    塩であることを特徴とする請求項3記載のデジタルビデ
    オディスク基板。
  5. 【請求項5】 非含窒素塩基性化合物が4級ホスホニウ
    ム塩であることを特徴とする請求項3記載のデジタルビ
    デオディスク基板。
  6. 【請求項6】 4級アンモニウム塩がテトラメチルアン
    モニウムヒドロキシドであることを特徴とする請求項4
    記載のデジタルビデオディスク基板。
  7. 【請求項7】 4級ホスホニウム塩がテトラフェニルホ
    スホニウムテトラフェニルボレートであることを特徴と
    する請求項5記載のデジタルビデオディスク基板。
  8. 【請求項8】 粘度平均分子量(Mv)が12000〜
    16000のポリカーボネートからなることを特徴とす
    る請求項1又は2記載のデジタルビデオディスク基板。
  9. 【請求項9】 粘度平均分子量(Mv)が13500〜
    15500のポリカーボネートからなることを特徴とす
    る請求項1又は2記載のデジタルビデオディスク基板。
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