JP2003161620A - 地上波ディジタル放送を利用したカーナビゲーションシステム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のカーナビゲーションシステムでは、地
図データが更新されるたびに蓄積メディアなどを買い換
える必要があった。 【解決手段】 本発明では、放送局は地上波ディジタル
放送の各チャンネルを利用して蓄積メディアの地図デー
タを更新するための差分データを送信し、車両はその差
分データを受信し、地図データを更新する。また、放送
局はサービス可能地域を複数のブロックに分割し、それ
ぞれにブロックコードを付与し、各ブロックごとの差分
データを作成し、地上波ディジタル放送の各チャンネル
によって送信する。車両の移動に際して、現在位置する
ブロックコードを判別し、現在位置するブロック及びそ
れに隣接するブロックの差分データのみを受信してそれ
以外の不要な地図データを消去する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は自動車等が地上波デ
ィジタル放送によって送信される地図情報などの地域情
報を受信するナビゲーションシステムに関する。

【０００２】

【従来の技術】書き換え不可能な蓄積メディア、例えば
ＤＶＤ−ＲＯＭを用いた従来の一般的なカーナビゲーシ
ョンシステムではＤＶＤ−ＲＯＭに蓄積された地図デー
タをナビゲーション装置が取り出して表示させていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし地図データに含
まれる実際の道路、店舗、施設などの情報は頻繁に変化
する。よってナビゲーション装置は常に最新の地図デー
タを取得する必要があるので、従来のナビゲーション装
置では、ユーザーは最新の地図データが蓄積されたＤＶ
Ｄ−ＲＯＭが発行されるたびに買い換えなければならな
い。しかも地図データが更新された後、工場でＤＶＤ−
ＲＯＭを量産し、店舗で発行されるまでにかかる時間
と、コスト面から地図データのある程度の量が更新され
ないと最新のＤＶＤは発行できないということを考える
と、前バージョンのＤＶＤ−ＲＯＭ発行から最新バージ
ョンのＤＶＤ−ＲＯＭ発行まで、だいたい１年間以上と
いうのが現状であり、ユーザーは長い時間待たされるこ
とになる。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、放送局から送信された地上波ディジタ
ル放送を車両が受信する地上波ディジタル放送を利用し
たカーナビゲーションシステムにおいて、前記車両は、
地図データが蓄積されている蓄積メディアから蓄積地図
データを読み取る蓄積データ読取部と、地上波ディジタ
ル放送を受信する放送受信部と、地図データを記憶する
記憶部と、ＧＰＳ測位装置によって前記車両の現在位置
を検出する位置検出部と、地図データを表示する表示部
と、ユーザーが情報を選択する入力部と、前記蓄積デー
タ読取部及び前記放送受信部及び前記記憶部及び前記位
置検出部及び前記表示部及び前記入力部を制御する制御
処理部を有する構成となっている。

【０００５】本発明では、前記放送局は地上波ディジタ
ル放送の各チャンネルを利用して前記蓄積地図データを
更新するための差分データを送信することと、前記車両
は、前記差分データを受信し、前記蓄積地図データと前
記差分データの相違部分を上書きして地図データを更新
する。

【０００６】本発明では、前記放送局はサービス可能地
域を複数のブロックに分割し、それぞれにブロックコー
ドを付与し、各前記ブロックごとの前記差分データを作
成し、地上波ディジタル放送の各チャンネルによって送
信し、かつ、前記車両の移動に際して、前記車両は現在
位置する前記ブロックコードを認識し、現在位置する前
記ブロック及びそれに隣接する前記ブロックの全ての情
報の前記差分データだけを受信してそれ以外の不要な前
記差分データを消去する処理手順、または前記処理手順
を実行する前記制御処理部を有する。

【０００７】

【発明の実施の形態】図１は、本発明の実施の形態を示
す概略図である。本発明は、地上波ディジタル放送を送
信する放送局と地上波ディジタル放送を受信する車両か
ら構成されている。

【０００８】まず請求項２の実施の形態について説明す
る。

【０００９】放送局の基本処理は図２の放送局の基本処
理手順に従って行われる。

【００１０】「地図データ作成」では、放送局のサービ
ス可能地域の地図データを作成し、ディジタルデータに
加工する。地図データとは道路網、橋梁、トンネル、店
舗、住宅、公共施設などの情報や通行止めなどの道路規
制情報のことであるが、その情報に店舗の営業案内など
の付加情報を含めてもよい。

【００１１】「差分データ作成」では、地図データから
差分データを作成する。差分データとは、車両のナビゲ
ーション装置に挿入されている蓄積メディアの地図デー
タと最新の地図データとを比較した場合の相違部分のこ
とである。しかし車両によって保有する蓄積メディアの
メーカー、バージョンが異なるので、それぞれのメーカ
ー、バージョンごとに差分データを作成する。

【００１２】「チャンネルデータ作成」では、放送受信
部が地上波ディジタル放送を受信するのに必要なチャン
ネルデータを作成する。チャンネルデータとは、蓄積メ
ディアのメーカー情報、バージョン情報からそれに対応
する差分データがそれぞれどのチャンネルに含まれてい
るかを判別する情報である。

【００１３】「データの多重化とチャンネル割り当て」
では、図３に示すように、例えば図３の差分データがＡ
社のバージョン５であるとすると、その差分データを分
割し、それらに各々ヘッダを付加してパケット１とす
る。ヘッダにはチャンネル、データ長などの情報が含ま
れる。そして他のパケットも同様の構成とする。また差
分データのパケットの間にチャンネルデータを含むパケ
ット０を各チャンネルに挿入して周期的に取得できるよ
うにする。これらのパケットを時分割多重して地上波デ
ィジタル放送の各チャンネルに割り当てる。チャンネル
はどのように割り当ててもよいが、差分データのデータ
量のばらつきを考慮して、各チャンネルのデータ量に大
きな差が出ないようにすればよい。

【００１４】「データ送信」では、これらのデータを変
調し、地上波ディジタル放送として送信する。

【００１５】受信側の車両のナビゲーション装置の構成
及び基本処理手順について説明する。

【００１６】図４に示すように、ナビゲーション装置
は、蓄積データ読取部と放送受信部と記憶部と位置検出
部と入力部と表示部と、これらの機能を制御し、所定の
処理を実行する制御処理部とを有する。放送受信部は地
上波ディジタル放送受信アンテナと受信回路とデコード
回路を含む。記憶部は車両の制御処理部が実行する基本
プログラムを記憶するＲＯＭと差分データを記憶するＲ
ＡＭとを含む。位置検出部はＧＰＳ電波受信アンテナと
受信回路と測位回路とを含む。

【００１７】図５に示すように、基本処理手順の「蓄積
メディアの情報取得」では、車両のナビゲーション装置
に蓄積メディアが挿入されたとき、蓄積メディアのメー
カー情報、バージョン情報が制御処理部によって記憶部
に記憶される。

【００１８】「蓄積地図データ読み出し」では、蓄積デ
ータ読取部が蓄積メディアから蓄積地図データを取り出
す。

【００１９】「チャンネルデータの取得」では、放送受
信部が地上波ディジタル放送のチャンネルを受信して、
チャンネルデータを取り出し、記憶部が記憶する。放送
局が送信する差分データはいつ更新されるかわからない
ので、この処理は周期的に行われる。

【００２０】「蓄積メディアの情報と差分データの情報
比較」では、制御処理部は記憶部に記憶されている蓄積
メディアのメーカー情報、バージョン情報とチャンネル
データ内のメーカー情報、バージョン情報とを比較して
一致していれば蓄積地図データを表示部で表示させる。
もし異なっていれば、次の「差分データ受信」を実行す
る。

【００２１】「差分データ受信」では、放送受信部は蓄
積メディアと同じメーカー、同じバージョンに対応する
差分データを受信し、記憶部が記憶する。

【００２２】「地図データ更新」では、制御処理部は差
分データと蓄積地図データを比較して相違部分を差分デ
ータで上書きし、蓄積地図データを更新する。更新され
た地図データは表示部で表示される。

【００２３】以上が請求項２の実施の形態であるが、こ
れを実施することによってユーザーは常に最新の地図デ
ータが取得できる。

【００２４】次に請求項３の実施の形態について説明す
る。

【００２５】放送局の基本処理は図６の放送局の基本処
理手順に従って行われる。

【００２６】「サービス可能地域のブロック分割」で
は、図７に示すように本発明のサービス可能地域をいく
つかのブロックで分割する。しかし都市中心部と郊外を
比較すると道路、建物の密度は異なるので、ブロックの
形状はその地域の情報量の分布などを考慮して必ずしも
等分割でなくてもよいが、実施の形態では図７のように
ブロックを等分割にして、詳細な拡大図がある都市中心
部のブロックではさらに小さいブロックに等分割してい
る。

【００２７】「ブロックコードの付与」では、各ブロッ
クにブロックコードを付与する。付与するコードは数
字、英字など何でもよいが、実施の形態では図７のよう
にブロックコードＡ０１、Ａ０２、Ａ０３・・・・・と
３桁の英数字を付与し、情報の密度が高い都市中心部の
ブロックＡ０２内ではさらに分割してブロックコードＢ
０１、Ｂ０２・・・・などを付与し、ブロックＢ０３内
ではさらに分割してブロックコードＣ０１、Ｃ０２・・
・・・のように付与している。

【００２８】「地図データ作成」は請求項２の実施の形
態の放送局の基本処理手順と同様である。

【００２９】「差分データ作成」では、地図データから
差分データを作成するが、車両によって保有する蓄積メ
ディアのメーカー、バージョンが異なり、ブロックごと
に異なるので、それぞれのメーカー、バージョン、ブロ
ックごとに差分データを作成する。

【００３０】「チャンネルデータとブロックコードデー
タ作成」では、チャンネルデータ、ブロックコードデー
タを作成する。チャンネルデータとは、蓄積メディアの
メーカー情報、バージョン情報からそれに対応する差分
データがそれぞれどのチャンネルに含まれているかを判
別する情報であり、ブロックコードデータとは各ブロッ
クに付与されているブロックコードとそのブロックの緯
度／経度座標との対応関係を示す情報である。

【００３１】「データの多重化とチャンネル割り当て」
では、図８に示すように、例えばＡ社のバージョン５の
ブロックコードＢ０３に対応する差分データを分割し、
それらに各々ヘッダを付加してパケット１とする。ヘッ
ダにはチャンネル、ブロックコード、データ長などの情
報が含まれる。そして他のパケットも同様の構成とす
る。また差分データのパケットの間にチャンネルデー
タ、ブロックコードデータを含むパケット０を各チャン
ネルに挿入して周期的に取得できるようにする。これら
のパケットを時分割多重して地上波ディジタル放送の各
チャンネルに割り当てる。チャンネルはどのように割り
当ててもよいが、差分データのデータ量のばらつきを考
慮して、各チャンネルのデータ量に大きな差が出ないよ
うにすればよい。

【００３２】「データ送信」は請求項２の実施の形態の
放送局の基本処理手順と同様である。

【００３３】続いて受信側の車両のナビゲーション装置
の構成であるが、これは請求項２の実施の形態と同様で
ある。

【００３４】図９の基本処理手順については、「蓄積メ
ディアの情報取得」及び「蓄積地図データ読み出し」は
請求項２の実施の形態の車両のナビゲーション装置の基
本処理手順と同様である。

【００３５】「チャンネルデータとブロックコードデー
タの取得」では、放送受信部が地上波ディジタル放送の
チャンネルを受信して、チャンネルデータとブロックコ
ードデータを取り出し、記憶部が記憶する。放送局が送
信する差分データはいつ更新されるかわからないので、
この処理は周期的に行われる。

【００３６】「車両の現在位置ブロック判別」では、位
置検出部により車両の現在位置の緯度／経度座標が特定
され、記憶部に記憶されているブロックコードデータか
ら車両が現在位置するブロックとそれの隣接ブロックを
判別する。車両は移動するので、これは周期的に行われ
る。

【００３７】「蓄積メディアの情報と差分データの情報
比較」は請求項２の実施の形態の車両のナビゲーション
装置の基本処理手順と同様である。

【００３８】「差分データ受信」では、放送受信部は蓄
積メディアと同じメーカーで現在位置ブロック及びそれ
の周囲ブロックコードに対応する差分データを受信し、
記憶部が記憶する。

【００３９】「地図データ更新」は請求項２の実施の形
態の車両のナビゲーション装置の基本処理手順と同様で
ある。

【００４０】以上が基本処理手順であるが、図１０に示
すように車両がブロックコードＡ０１のブロックを経て
Ａ０２のブロック内を移動している場合、車両がＡ０３
ブロックに入った直後、すなわち現在位置ブロックコー
ドがＡ０２からＡ０３へ変わったときに制御処理部は放
送受信部にＡ０４ブロックとその周囲のブロック（ブロ
ック群と呼ぶ）の差分データの受信を開始させる。それ
と同時にＡ０１とその両側のブロックの差分データは消
去される。このように車両のナビゲーション装置は車両
が現在位置するブロック群の差分データだけを保持し、
移動しながら移動先ブロック群の差分データを受信し、
すでに通過したブロック群の差分データを消去する。こ
のとき消去するブロック群は、移動後のブロック群から
移動前のブロック群と受信開始したブロック群を差し引
いた部分のことであり、この部分を記憶部が記憶してい
るブロックコードデータで緯度／経度座標に変換し、そ
れに該当する地図データを消去する。

【００４１】以上が請求項３の実施の形態であるが、こ
れを実施した場合、放送局は地域を限定した差分データ
を送信するので、ナビゲーション装置はブロック単位で
差分データの受信／消去が可能になる。

【００４２】

【発明の効果】本発明によって、ユーザーは放送さえ受
信できれば時間場所を問わず移動中でも最新の地図デー
タを利用することができるので、蓄積メディアを頻繁に
買い換える必要がなくなる。さらに放送局が送信するデ
ータは差分データであるし、車両が移動している周辺の
地図データだけを更新し、不要なデータは消去されるの
で、放送局が送信するデータ量及びナビゲーション装置
が保有するデータ量を最小限に抑えられるという効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の概略図

【図２】請求項２の実施の形態の放送局の基本処理手順
の図

【図３】請求項２の実施の形態の放送局が送信する差分
データの構成図

【図４】車両のナビゲーション装置の構成例の図

【図５】請求項２の実施の形態の車両のナビゲーション
装置の基本処理手順の図

【図６】請求項３の実施の形態の放送局の基本処理手順
の図

【図７】サービス可能地域分割例の図

【図８】請求項３の実施の形態の放送局が送信する差分
データの構成図

【図９】請求項３の実施の形態の車両のナビゲーション
装置の基本処理手順の図

【図１０】車両移動時の差分データの受信／消去動作の
概要図

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｈ０４Ｎ 7/08 Ｈ０４Ｎ 7/08 Ｚ 7/081 Ｆターム(参考） 2F029 AA02 AB07 AC02 AC14 AC16 5C025 BA25 BA30 DA01 DA05 5C063 AB03 AB07 AC10 CA23 5H180 AA01 BB04 CC12 EE01 EE18 FF05 FF13 FF22 FF27 FF32 5J062 AA05 BB01 CC07 HH05

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 放送局から送信された地上波ディジタル
   放送を車両が受信する地上波ディジタル放送を利用した
   カーナビゲーションシステムにおいて、 前記車両は、地図データが蓄積されている蓄積メディア
   から蓄積地図データを読み取る蓄積データ読取部と、地
   上波ディジタル放送を受信する放送受信部と、地図デー
   タを記憶する記憶部と、ＧＰＳ測位装置によって前記車
   両の現在位置を検出する位置検出部と、地図データを表
   示する表示部と、ユーザーが情報を選択する入力部と、
   前記蓄積データ読取部及び前記放送受信部及び前記記憶
   部及び前記位置検出部及び前記表示部及び前記入力部を
   制御する制御処理部を有するカーナビゲーションシステ
   ム。
2. 【請求項２】 請求項１記載のカーナビゲーションシス
   テムであって、 前記放送局は地上波ディジタル放送の各チャンネルを利
   用して前記蓄積地図データを更新するための差分データ
   を送信することと、前記車両は、前記差分データを受信
   し、前記蓄積地図データと前記差分データの相違部分を
   上書きして地図データを更新することを特徴とするカー
   ナビゲーションシステム。
3. 【請求項３】 請求項１及び請求項２記載のカーナビゲ
   ーションシステムであって、 前記放送局はサービス可能地域を複数のブロックに分割
   し、それぞれにブロックコードを付与し、各前記ブロッ
   クごとの前記差分データを作成し、地上波ディジタル放
   送の各チャンネルによって送信し、かつ、前記車両の移
   動に際して、前記車両は現在位置する前記ブロックコー
   ドを認識し、現在位置する前記ブロック及びそれに隣接
   する前記ブロックの全ての情報の前記差分データだけを
   受信してそれ以外の不要な前記差分データを消去する処
   理手順、または前記処理手順を実行する前記制御処理部
   を有するカーナビゲーションシステム。