JP2003160506A - 治療用遺伝物質のコラーゲン担体およびその方法 - Google Patents

治療用遺伝物質のコラーゲン担体およびその方法

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JP2003160506A
JP2003160506A JP2002235032A JP2002235032A JP2003160506A JP 2003160506 A JP2003160506 A JP 2003160506A JP 2002235032 A JP2002235032 A JP 2002235032A JP 2002235032 A JP2002235032 A JP 2002235032A JP 2003160506 A JP2003160506 A JP 2003160506A
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collagen
matrix material
membrane
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cartilage
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JP2002235032A
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Inventor
Peter Geistlich
ペーター・ガイストリッヒ
Lothar Schloesser
ロタール・シュレッサー
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Ed Geistlich Soehne AG fuer Chemische Industrie
Original Assignee
Ed Geistlich Soehne AG fuer Chemische Industrie
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 コラーゲン材料を使用する治癒促進の改良法
を提供する。 【解決手段】 細胞増殖促進を誘導する核酸配列を担持
するシート状のコラーゲン基質材料。核酸配列は単離さ
れたDNAであり、特に、軟骨増殖、骨増殖を促進させ
る遺伝子治療で、脊椎円板損傷等の脊椎損傷、歯科損
傷、顎顔面骨、その他の整形外科的損傷、関節間軟骨組
織を含む骨、膝関節での表面軟骨等を修復する方法であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】(関連出願のクロス−リファレンス)本出
願は、2001年8月10日に出願された米国仮特許出
願第60/311,078号の恩典を主張するものであ
る。
【0002】(発明の分野)本発明は、コラーゲン物質
を利用する治癒の分野に関するものである。
【0003】(背景技術の説明)コラーゲン膜は、歯科
損傷(米国特許第5,837,278号)、脊髄損傷(米
国特許第6,221,109号)、および膝損傷(米国特
許第6,352,558号)の治療に使用されている。当
業界はコラーゲン物質を利用して治癒を促進する改良法
を必要としている。
【0004】(発明の概要)本発明により、細胞増殖促
進を誘導する核酸配列を担持したコラーゲン基質材料が
提供される。本発明の上記核酸担持コラーゲン基質材料
は治癒促進の方法に利用され得る。
【0005】(発明の詳細な説明)本発明は、細胞増殖
促進誘導性核酸配列、より好ましくは単離または精製し
た核酸配列を担持したコラーゲン基質材料を提供する。
上記配列はDNA配列またはRNA配列でよい。特に好
ましい実施態様において、コラーゲン基質材料は単離し
た遺伝子配列を担持し、特に好ましくはDNAを担持し
ている。
【0006】本発明により使用するための誘導性核酸配
列は、軟骨細胞増殖、骨細胞増殖またはこの両方を促進
することができる。
【0007】誘導性核酸配列はその天然細胞環境にはな
いものである。すなわち上記誘導性核酸配列の環境は天
然には現れないようなものである。
【0008】本発明により使用するための精製された治
療用核酸配列は、適切なソースから誘導でき、細胞増殖
を促進するようにコラーゲン基質材料に担持される。一
実施態様においては、レトロウィルスベクター、または
他の適した遺伝子運搬(carrying)および遺伝子導入メ
カニズムを利用する。例えば、レトロウィルスベクター
を用いてヒト骨誘導因子7(BMP−7)cDNAを間
葉系幹細胞に安定的に導入できる。
【0009】本発明による遺伝子治療は、治療遺伝子ま
たはその他の遺伝子物質の細胞および組織への運搬(デ
リバリー)を含む。
【0010】本発明は、椎間円板損傷等の脊椎損傷を治
療するために、かつ歯科損傷、顎顔面骨およびその他の
整形外科的損傷を治療するために、関節間軟骨組織(me
niscus tissue)を含む骨または軟骨、および膝等の関
節での表面軟骨を修復する方法を提供する。
【0011】本発明の方法は、治療すべき損傷または傷
害領域を本発明による遺伝物質担持コラーゲン膜で覆
い、治療すべき領域の上に上記コラーゲン膜を固定さ
せ、その領域を治癒せしめることにより実施できる。
【0012】一実施態様によると、本発明は膝等の関節
の表面軟骨の損傷および傷害を修復する方法を提供す
る。一実施態様によると、軟骨欠損は治療すべき損傷領
域から、例えば石灰化軟骨を上記損傷領域から削り取る
ことによって除去される。
【0013】石灰化軟骨を削り取った後、微小骨折法
(microfracture)を用いて損傷領域の軟骨下プレート
に複数の小孔を形成させ得る。図1は治療すべき損傷領
域(14)を示す軟骨(12)をもった骨(10)を示
す。ここでは石灰化軟骨は治療すべき領域から削り取ら
れている。複数の小孔(16)が損傷領域の軟骨下プレ
ート(18)に形成されている。
【0014】軟骨下プレートの小孔(16)は、例えば
マイクロサージカル・ピックの真っすぐな鋭い先端で、
例えば約0.5−5mm、より好ましくは約1.5−2m
mの深さに形成できる。小孔(16)は、例えば約0.
2−1.5mm、より好ましくは約0.5−1mm、最も
好ましくは約0.8mmの幅を有し得る。
【0015】本発明は、上記のように軟骨下プレートに
複数の小孔を形成することを含む微小骨折法の利用に関
して述べられているとはいえ、本発明はドリリング、研
磨のような軟骨下プレートに孔をあけるその他の方法に
もまた適用できることが考えられる。
【0016】上記のような軟骨下プレートに小孔を形成
した後、処置すべき領域の小孔を複数層のコラーゲン膜
材料からなるパッチ(20)によって覆うことができ
る。そのパッチには所望ならば細胞外で培養した軟骨細
胞を担持させることができる。
【0017】上記パッチをその後、例えば図2に示すよ
うな縫合糸(22)を使って治療すべき領域上に固定
し、パッチを治療すべき領域の周囲の健康な軟骨に、ま
たは軟骨上に固定する。或いは、パッチを周囲の健康な
軟骨にまたは健康な軟骨上に接着性結合することによ
り、例えば当業者に公知の有機接着剤を使用し、または
その他の適した方法を使用して上記治療すべき領域上に
固定してもよい。上記手術手順は、直視下手術または間
接鏡視下手術でよい。上記パッチをした領域はその後軟
骨を再生することができる。
【0018】一実施態様によると、上記コラーゲン膜材
料は、細胞付着を阻止するための少なくとも一つの平滑
面(116)をもち、細胞の通過を防ぐバリヤーとして
作用する、少なくとも一層のバリヤー層を含んでなる。
図3を参照されたい。この実施態様によると、さらにバ
リヤー層は平滑面(116)の反対側に繊維性面(11
8)を有し、この繊維性面上には細胞増殖が可能であ
る。平滑面(116)は治療すべき領域から離れた面で
あるのが好ましく、繊維性面(118)は治療すべき面
に向いているのが好ましい。好ましい実施態様におい
て、バリヤー層は主としてコラーゲンI、コラーゲンII
Iまたはこれらの混合物である。適切な一材料は、本発
明の譲渡人である化学工業のEd.ガイストリッヒ・シ
ェーネ社(Ed. Geistlich Sohne AG fur Chemische Ind
ustrie)から提供されるビオガイド(Biogide)(登録商
標)である。ビオガイド(登録商標)材料は、本明細書
に参考として組み込まれる米国特許第5,837,278
号に記載されている。
【0019】図4は本発明によって使用され得る多層膜
を示す。この膜は、図3に示されるようなバリヤー層
(115)を含み、さらに連通スポンジ様組織を有する
主としてコラーゲンIIの基質層(120)を含む。図4
に示されるようなコラーゲン膜は、1997年10月1
0日出願の英国特許出願第9721585.9号の優先
権主張に基づく、PCT出願PCT/GB98/029
76号、2000年4月7日出願の米国特許出願第09
/545,465号に記載されている。これは参考とし
て本明細書に組み込まれる。
【0020】図4Aは本発明によって使用され得る別の
多層膜を示す。この膜は、連通スポンジ様組織を有する
主としてコラーゲンIIの中心基質層(120)を間には
さんだ一対のバリヤー層(115)を含んでなる。この
実施態様によると、バリヤー層の平滑面(116)は外
側を向いており、バリヤー層(115)の繊維性面(1
18)は内側、すなわち基質層(120)の方に向いて
いる。
【0021】参考として本明細書に組み込まれる199
7年11月10日に出願された米国特許出願第08/8
94,517号は、本発明によって使用できるコラーゲ
ンIIをベースにする基質を開示している。
【0022】また、本発明は基質インプラントを使用
し、この基質インプラントは生体内での移植後に、天然
軟骨細胞の内増殖(ingrowth)を成功させ、それによっ
て軟骨組織の再生を可能にすることができる。生体内で
周囲の結合組織から保護されるだけでなく基庭にある骨
または軟骨欠損からも保護されるコラーゲンII基質の使
用によって、軟骨および最終的には新しい骨組織を再構
成することができる。これは多層膜インプラントの使用
によって実現する。この多層膜インプラントは、それ自
体、上記基質への周囲組織の望ましくない内増殖を阻止
することができ、または欠損部位に外科的に移植してこ
の効果を得ることができる。
【0023】一面から見ると、本発明はこのように、連
通スポンジ様組織を有する主としてコラーゲンIIの基質
層と、閉鎖した比較的不透過性の組織を有する少なくと
も一層のバリヤー層とを含む多層膜を提供する。
【0024】本発明による膜を使用した際の特別の利点
は、天然細胞が閉鎖した比較的不透過性の組織を有する
膜に浸透または増殖し得ないことである。
【0025】理論によって束縛されるものではないが、
今般、軟骨再生がうまくいくためには、結合組織、血管
等の天然組織細胞だけでなく、いかなる新しい骨組織も
欠損部位における速やかな増殖を阻止することが要求さ
れる。これは、コラーゲン基質を一側からの天然組織細
胞の内増殖から保護するのに役立つ本発明の一実施態様
による二重層膜を使用することによって達成できる。外
科的移植中に、これを骨膜移植片等の組織移植片と組み
合わせで用い、反対側からの天然組織細胞の内増殖を効
果的に阻止することができる。従って、例えば、骨膜移
植片等を最初に、骨または軟骨欠損上の被覆となるよう
な適所に縫合する。その後に本発明の二重層膜を、これ
が上記移植片と接触するように欠損部位に移植し、かつ
基質層が骨欠損の方に向くように配置する。或いは、最
初に本発明の二重層膜を、バリヤー層が骨または軟骨欠
損の方に向くようにして欠損部位に移植することもでき
る。その後骨膜移植片が基質層と接触するように配置さ
れる。
【0026】上記移植片はフィブリン接着剤のような生
体適合性接着剤で接着するか、または吸収可能ポリラク
チックピンで止めてもよい。或いは必要ならばまたは可
能ならばこれがその後周囲結合組織の内増殖に対する不
透過性バリヤーの提供に役立つようなやり方で縫合して
もよい。
【0027】本発明の別の実施態様において、上記膜そ
のものが天然組織細胞の内増殖を効果的に阻止すること
ができる。本発明は、少なくとも3層からなる膜を使用
することができ、その膜において、主としてコラーゲン
IIから作られ、かつ連通スポンジ様組織を有する基質層
が、閉鎖した比較的不透過性の組織を有する2枚のバリ
ヤー層の間に置かれている。
【0028】上記基質層は、天然軟骨細胞の内増殖のた
めのメジウムとして作用することができ、それによって
軟骨組織の再生をおこし得る。しかし、軟骨組織の再生
をさらに助けるためには、生体内での移植の前または後
に上記基質層に軟骨細胞を注入させることができる。移
植直前に上記基質層に例えば注射(injection)によっ
て軟骨細胞を注入させることができる。一方、一般に
は、移植後に軟骨細胞の懸濁液の直接注入によって上記
基質層に軟骨細胞を導入することが期待される。この方
法で、膜の基質層に存在する軟骨細胞が、軟骨の再生お
よび最終的には新しい骨の再生をもたらすことができ、
一方、その膜は同時に周囲組織からのその他の細胞種の
内増殖を阻止する。
【0029】本発明に使用する軟骨細胞は、関節軟骨、
骨膜および軟骨膜から単離した同種または自生細胞、お
よび骨髄からの間葉(間質)幹細胞を含む細胞ソースか
ら得られる。同種細胞は、免疫反応および感染性合併症
の潜在性を有するから、自生細胞、特に自生関節軟骨か
ら軟骨細胞を単離するのが好ましい。細胞を採取する技
術は公知であり、酵素的消化または外増殖(outgrowt
h)培養等が挙げられる。採取した細胞をその後細胞培
養で増やし、その後体内に再導入する。軟骨組織の最適
再生をもたらすためには、概して、少なくとも105
より好ましくは少なくとも107の細胞を基質層に注入
しなければならない。
【0030】一般に、本発明による膜の基質層が、ヒア
ルロン酸、コンドロイチン6−硫酸、ケラチン硫酸、デ
ルマタン硫酸等のグリコサミノグリカン(GAGs)を
含むのが所望である。これらは軟骨細胞が植え付けられ
て増殖し得る天然メジウムを提供するのに役立つ。軟骨
からのものと必ずしも同じ組成、分子量および生理的特
性をもたない別のソースからのグリコサミノグリカンを
コラーゲン基質に組み込むことができるとはいえ、より
好ましいグリコサミノグリカンは軟骨そのものから抽出
したものである。概して、基質層は、約1ないし10重
量%のグリコサミノグリカン、例えば約2ないし6重量
%のグリコサミノグリカンを含むのが好ましい。若干の
グリコサミノグリカンは不透過性層に存在し得るとはい
え、より多くの部分が基質層に存在する。
【0031】天然コラーゲン組織において、GAGsは
少なくとも一部分はプロテオグリカン(PGs)の一成
分として生ずる。PGsの形でのGAGsの使用は、P
Gsのタンパク質含有率によって生じ得る免疫学的問題
の可能性を考慮すると、好ましくない。そこで基質層は
実質的にいかなるプロテオグリカンも含まないのが好ま
しい。これは、精製したテロペプチドフリーのコラーゲ
ンII材料とグリコサミノグリカンとの混合物から基質層
を調製することによって好都合に実現する。
【0032】基質層に存在するその他の添加物には、例
えばコンドロネクチン、ラミニン、フィブロネクチン、
アルギン酸カルシウムまたは軟骨細胞のコラーゲンII繊
維への付着を助けるアンコリンII、骨および軟骨細胞増
殖促進ホルモン類、および軟骨誘導因子(CIP)、イ
ンスリン様成長因子(IGF)、ホモダイマーまたはヘ
テロダイマーとして存在する形質転換増殖因子β(TG
Fβ)、骨形成タンパク質−1(OP−1)および骨誘
導因子(BMPs)、例えば天然または組み換えヒトB
MP−2、BMP−3(骨形成原(osteogenin))、B
MP−4、BMP−7、BMP−8、bFGF、CDM
Pまたはその他の骨格基質分子などの増殖因子、並びに
シグナルペプチド、例えば形質転換増殖因子(TGF−
β、TGF−β1)、血管内皮増殖因子(EGF/VE
GF)、インスリン様成長因子(IGF/IGF−
1)、副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTHrP)
および血小板由来成長因子(PDGF)が挙げられる。
上記をコードする核酸配列、または上記の生体内での産
生を誘発または促進し得る核酸配列を、本発明のコラー
ゲン基質材料に組み込むことができる。
【0033】本発明に使用する生成物は、関節軟骨また
は骨のような特殊の分化系列に入る幹細胞のための担体
としても作用することができる。このような幹細胞は、
生体外で増殖させそれらの数を増やすことができ、増殖
因子のある、または増殖因子のない担体基質中で修復部
位に適用される。例としては間葉幹細胞や骨髄基質幹細
胞などがある。上記をコードする核酸配列、または上記
の生体内での産生を誘発または促進し得る核酸配列を、
本発明のコラーゲン基質材料に組み込むことができる。
【0034】BMP−2は、独立的に骨形成の二経路−
すなわち骨の直接形成、並びに軟骨(これはその後除去
され骨に置き換わる)の形成−に影響を与える。種々の
ソースの皮質骨からの抽出により得られた骨基質または
脱塩化骨基質を含むBMPsとコラーゲンとの複合体
は、約90%のコラーゲンと、BMP活性用またはBM
P/NCP誘導性軟骨形成用の約10%の非コラーゲン
性タンパク質(NCP)とを含む。骨基質不溶性コラー
ゲン性基質およびラミニンまたはフィブロネクチンは、
BMPsの担体としてはたらく。若干の増殖因子は不透
過性層にも存在し得る。しかし、より大きい部分が基質
層に存在するのがより好ましい。概して、膜は約100
μgないし約5mgの増殖因子を含む。上記をコードす
る核酸配列、または上記の生体内での産生を誘発または
促進し得る核酸配列が本発明のコラーゲン基質材料に組
み込まれる。
【0035】本発明は、細胞増殖促進遺伝物質またはそ
れらが組み込まれたDNAを有する遺伝子または核酸-
補充コラーゲン基質を含むことができる。上記コラーゲ
ン基質材料は、細胞増殖促進遺伝物質の持続的放出をも
たらすことができる。上記基質から体内への放出におい
て、上記遺伝物質は、細胞増殖および治癒を促進するよ
うに体内において細胞を形質転換(トランスフォーム)
することができる。
【0036】前記のように、上記膜は異なる構造を有す
る少なくとも2つの層を含み得る。上記膜のバリヤー層
は、主としてコラーゲンIおよびIIIから作られるのが
好ましい。或いは、これは合成物質、例えば任意にI型
および/またはIII型コラーゲンのようなコラーゲン物
質で覆われた合成吸収性ポリマー網目構造等を含み得
る。
【0037】適切な合成物質の例としては、ポリエステ
ル類、ポリグリコール酸およびポリ乳酸(PLA)ホモ
ポリマーおよびコポリマー、グリコリドおよびラクチド
コポリマー、ポリオルトエステル類およびポリカプロラ
クトン類が挙げられる。これらの多くの例は、例えばベ
ーリンガー・インゲルハイム(Boehringer Ingelheim)
からRESOMERシリーズとして入手可能である。P
LAポリマーは約650−1200という適切な分子量
をもち、非常に急速な分解をしないワックスとして好ま
しい。特に好ましい生体内分解性ポリマーは、D−ラク
チド対L−ラクチドの比が約70:30であるポリ
(D,L−乳酸)である。このような合成物質の利点
は、その膜インプラントを複雑な三次元の骨損傷部上に
断裂をおこさずに引き伸ばすことができる高い機械的安
定性を有することである。このような材料は縫合にもま
た適当である。
【0038】好都合なことに、バリヤー層構造は主とし
て長いコラーゲン繊維からなり、これらのコラーゲン繊
維は非常に緻密にくっついているため高分子物質はこの
バリヤーを透過することができない。上記長い繊維は、
高い引張強度と断裂抵抗を与え、そのためこの材料は良
好な分離膜であるだけでなく容易に縫い付けることもで
きる。手術では、膜インプラントを正しい位置に縫い付
けることまたはピンで止めることができるのがしばしば
重要である。そしてこれまでに提案された膜の多くには
この能力がない。本発明により使用するために好ましい
膜は、移植のための外科的処置には機械的に十分安定で
ある。
【0039】基質層は非常に多孔性であり、0.02と
いう低い比重を有し、この基質層は細胞を非常に速やか
にこの層内に増殖させ得る。膜のこの層(この層もグリ
コサミノグリカンを含む)は著しく膨潤し、5000%
もの液体を取り込むことができる。理想的にはこの基質
層が有する孔構造(孔の容積部分および孔サイズ)は、
細胞の付着および増殖を可能とし、植え付けられた細胞
が軟骨特異的タンパク質の合成によって特徴づけられる
軟骨細胞表現型を維持できるものでなければならない。
孔サイズはコラーゲンII基質の製造に使用する(例えば
凍結乾燥)方法によって決まるが、約10ないし約10
0μm、例えば20ないし100μmの範囲、例えば約
85μmであると考えることができる。このような孔サ
イズは、約−5ないし−10℃で約24時間ゆっくりと
凍結し、その後凍結乾燥するか、または重炭酸水素アン
モニウムを凍結乾燥前にスラリーに加えるという方法で
容易に得られる。
【0040】上記膜の基質層は、軟骨、好ましくはブタ
のヒアリン軟骨から得られるコラーゲンII材料によって
好ましくは作られる。
【0041】上記基質層の所望厚さは、治療すべき骨ま
たは軟骨欠損の性質に依存するが、概してこれは約0.
2ないし約12mm、例えば約1ないし約6mmの範囲
にあると考えることができる。上記バリヤー層の厚さ
は、好ましくは約0.2ないし約2mm、例えば約0.2
ないし約0.7mmである。最終的パッチの厚さは、約
20−120mm、より好ましくは約60−100mm
でよい。
【0042】バリヤー層は、コラーゲンIおよびIIIを
含む天然動物膜によって作られる。天然ソースに由来す
るから、これは体内に完全に吸収され、毒性分解産物を
生成しない。このような膜はまた、湿潤または乾燥状態
いずれにおいても特に高い断裂強度を有し、そのため必
要ならば外科的に縫い付けることができる。湿潤した際
に、この材料は非常に弾力性となり、不規則な形の骨欠
損部上に伸展させることができる。
【0043】コラーゲンの他に、天然動物膜は除去しな
ければならない多くのその他の生体物質を含む。このよ
うな膜を酵素、溶媒またはその他の化学物質で処理し、
精製し、これらの膜を医学に使用することは公知であ
る。これらの膜の大部分は非常に薄く、特に使用しにく
いことが非常に多い。コラーゲン繊維はそれらの天然特
性を失っており、その他にもこの材料を縫合材料として
使用するには強度が不十分であり、水膨潤性をもたず、
滑らかな粒状肌(grain)面と繊維性の肉面との間の差
がないことが欠点である。精製テレペプチドフリーコラ
ーゲンI型またはII型の繊維性タイプは、溶解性および
生体内分解性が比較的小さいため、最も有用な担体材料
となることが判明している。
【0044】本発明による生成物のバリヤー層を与える
膜には、天然コラーゲン構造を保有する子牛またはブタ
から得られる腹膜等が含まれる。齢6−7週の若いブタ
(60−80kg)から得られる腹膜が特に好ましい。
【0045】バリヤー層は、好ましくは純粋な天然(変
性せず)不溶性コラーゲンを含んでいるのがよく、米国
特許第6,837,278号(WO−A−95/1863
8に対応する)に記載された方法にしたがって調製され
得る。上記の天然膜を最初にアルカリ、例えば約0.2
−4重量%濃度のNaOH水溶液で処理する。これは全
ての脂肪、およびアルカリに感受性のあるタンパク質も
鹸化するようにはたらく。第二工程は、酸、通常はHC
lのような無機酸を用いた上記材料の処理を行う。これ
により、酸感受性混入物は排除される。上記材料をその
後pHが約2.5−3.5の範囲になるまで洗う。上記膜
は、滑らかなまたは粒状面と、疎のより繊維性の面とを
有する。上記膜を100−120℃に加熱することによ
って若干架橋させることが好ましい。
【0046】上記膜の基質層をつくるために用いられる
コラーゲンII材料は、主としてコラーゲンIおよびIII
を含むバリヤー層に関して上に記載したものと同様の方
法によって軟骨から得ることができる。アセトンで処理
することによって軟骨から水を除去し、その後n−ヘキ
サンのような炭化水素溶媒で脂肪を抽出することが好ま
しいが、エタノール等のアルカノール類、ジエチルエー
テル等のエーテル類、またはクロロホルムのような塩素
化炭化水素、またはこれらの混合物も使用できる。次い
で、上記脱脂した材料をアルカリ処理にかける。この処
理は残留脂肪を全て鹸化し、存在するタンパク質の若干
を分解する。最後に、上記材料を酸で処理するとさらに
タンパク質分解がおこる。上記材料を水中で膨潤させ、
コロイドミルに通過させてスラリーを生成する。
【0047】多層膜を生成するために、コラーゲンIIを
含んでなる軟質スラリーを例えば米国特許第5,837,
278号によって調製した平らな膜の繊維性面に適用す
る。普通は、上記膜を平らな表面上に粒状面を下にして
置き、コラーゲンIIスラリーを例えば膜の繊維面にこす
りつけることにより容易に適用できるようにする。こう
してスラリーは、コラーゲン膜にしっかりと付着した所
望厚さの層を形成する。こうして形成された二重層は、
その後凍結および凍結乾燥にかけられ、所望の孔サイズ
を有する所望のスポンジ様構造を与える。必要ならば、
均一な厚さの二重膜を得るために上記基質層を少し除去
してもよい。三層膜を形成するためには第二の平らな膜
を、その繊維性面が基質層と接触するように、基質層の
頂上部に置く。
【0048】膜に塗布するコラーゲンIIスラリーは、概
して約1.0−4.0重量%のコラーゲンを含み、約2−
3重量%を含むのが好都合である。この混合物のpH値
は、約2.5−4.5に調節するのが便利であり、約3.
0−4.0が好都合である。
【0049】さらにコラーゲンII材料を凍結乾燥工程後
に架橋させて上記基質層を安定化することができる。こ
れは基質層の機械的安定性を高め、体内吸収速度を低下
させるのに役立つ。理想的には架橋度は、上記基質の分
解速度が組織再生の速度に合うように決められなければ
ならない。物理的には架橋は加熱によって行われるが、
これは好ましくない吸収性減少を避けるために注意深く
行わなければならない。100−120℃の温度に約3
0分ないし約5時間加熱することが好ましい。より好ま
しいのはUVランプを使用して例えば8時間までUV照
射を行うというやり方で架橋をおこすことである。架橋
は、アルデヒド類(例えばホルムアルデヒド、グリオキ
サール、グルタールアルデヒド、またはスターチアルデ
ヒド等)、ジイソシアネート(例えばヘキサメチレンジ
イソシアネート)、カルボジイミド類(例えば[1−エ
チル−3(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミ
ド]塩酸(EDC))、またはスクシンイミド類(例え
ばN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS))を使用す
る化学的架橋によっても実現する。
【0050】コラーゲンII材料は、グリコサミノグリカ
ン類(GAGs)を含むのが好都合である。後者は実際
にコラーゲンIIと反応し、若干の架橋を形成し、不溶性
産物を生成する。必要ならば、その後上記のように材料
の加熱またはUV照射によってさらに架橋させることが
できる。上記グリコサミノグリカンとコラーゲンとの反
応は、周囲温度で、2.5−3.5範囲のpHで行うこと
ができる。グリコサミノグリカンの量は、約1ないし約
10重量%でよい。上記材料をこのような処理後直ぐに
凍結および凍結乾燥にかけるのがよい。
【0051】例えば、コンドロイチン硫酸(CS)等の
GAGsを、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプ
ロピル)カルボジイミド(EDC)およびN−ヒドロキ
シスクシンイミド(NHS)を使用して、公知の方法で
コラーゲン基質に共有結合させることができる。EDC
/NHS架橋を利用して、GAGsをコラーゲン基質に
固定してもよい。上記GAGsにはデルマタン硫酸、ヘ
パリンおよびヘパラン硫酸、並びに上記のCS等が含ま
れ得る。このようなGAGsは本発明によるパッチに担
持され、治癒を促進する。
【0052】スラリー形成はコラーゲンII物質のpHを
高めることによって行われる。この方法では、上記物質
を約4℃に冷やし、冷NaOH水溶液を4℃でpH値が
約6.5−7.5になるまで添加することによりpH値を
ゆっくりと上昇させる。その後、上記物質を周囲温度に
約15−25時間保持する。このときに、スラリーが形
成され、スラリー形成後、上記物質を凍結および凍結乾
燥することができる。
【0053】もう一つの別の方法は、空気を除去した
後、コラーゲンII物質をpH値約6.8−7.4にまで中
性にする。混合物を型に入れ、37℃で約15−20時
間インキュベートする。微細なスラリーが生じ、それを
その後凍結および凍結乾燥することができる。
【0054】上記方法のいずれを使用するかは所望生成
物の性質に依存する。第一のプロセスは最も安定した生
成物を与える。しかし、その沈殿は物質塊を与えること
があり、非常に注意深く行わなければならない。第二の
方法はソフトで均質な生成物を与えるが、その生成物は
第一のプロセスの生成物より可溶性である。
【0055】上記スラリーの生成において、追加的にそ
の他の所望の物質、例えばタウロリジンおよび/または
タウラウタムのような抗菌剤またはゲンタマイシンのよ
うな抗生物質等の薬剤を加えることができる。
【0056】上記膜に上記スラリーを塗布した後、この
膜を凍結させる。再現性のある孔サイズを得るために、
凍結は注意深くコントロールし、凍結速度および時間、
pH値および粒度を正確にコントロールしなければなら
ない。非常に小さい孔を得るために、上記材料を非常に
低温でショック凍結してもよい。
【0057】凍結した膜をその後凍結乾燥し、引き続き
約110−130℃に加熱する。このやり方で若干の架
橋が起きる。その後、凍結乾燥した生体膜を必要な厚さ
に調節することができる。その結果、上記基質層の厚さ
は通常約2mmである。この二重膜を、例えばガンマ照
射またはエチレンオキシド等によって滅菌する。強い照
射、例えば線量25kGyの60Coの照射による滅菌は
BMPsを不活性化することがある。このような状況の
際は上記滅菌ずみ基質に滅菌食塩水中のBMPsを注入
し、その後移植する。
【0058】本発明による膜を次のようにして医学に利
用することができる:誘導性組織再生のための物質とし
て使用される。細胞増殖が上記基質層によって促進され
る。バリヤー層は望ましくない細胞増殖を阻止する。軟
骨欠損、すなわち軟骨下プレートにまで侵入していない
損傷の修復のための物質として、および骨軟骨欠損の修
復のための物質として使用される。
【0059】本発明は誘導性組織再生における上記のよ
うな多層コラーゲン膜の使用もまた提供する。上記膜の
コラーゲンII含有量は軟骨組織の再生に特に適するが、
その他の組織種にも適する。
【0060】その他の面では、本発明はこれまでに記載
したような膜を誘導性組織再生インプラントとして使用
することをさらに提供する。
【0061】本発明はさらに、ヒトまたはヒト以外の動
物体における骨または軟骨欠損を治療する方法を提供す
る。前記方法はこれまでに記載したような膜を上記欠損
部に適用することを含んでなり、その際前記膜は、バリ
ヤー層が望ましくない組織型の骨または軟骨再生領域内
への増殖を阻止する向きに配置される。
【0062】基にある骨、並びに関節周囲の表面軟骨の
損傷等を含むより重要な損傷に関する、別の実施態様に
よると、吸収性骨ミネラル等のインプラント材料(2
4)が治療すべき領域内の骨損傷に移植される。図5を
参照されたい。骨ミネラルは所望ならば軟骨細胞を担持
する。小孔(16)が治療すべき軟骨下プレート領域
(18)に作られる。その後コラーゲン膜パッチを治療
すべき領域上に図2に示すように固定することができ
る。
【0063】適切なインプラント材料の一つは、本発明
の譲渡人である化学工業のEd.ガイストリッヒ・シェ
ーネ社から提供されるビオ−オス(Bio-Oss)(登録商
標)である。ビオ−オス(登録商標)は、米国特許第
5,167,961号および第5,417,975号に記載
されており、これは参考として本明細書に組み込まれ
る。もう一つの適切なインプラント材料は、化学工業の
Ed.ガイストリッヒ・シェーネ社から提供されるビオ
−オス コラーゲン(Bio-Oss Collagen)(登録商標)
である。これはコラーゲン基質中の吸収性骨ミネラルで
ある。ビオ−オスコラーゲン(登録商標)は、米国特許
第5,573,771号に記載されており、これは参考と
して本明細書に組み込まれる。
【0064】骨ミネラルは、コラーゲン基質の担持物と
関連して上に列挙した添加物、増殖因子等のいずれを担
持してもよい。
【0065】毎年、円板損傷の治療、椎骨の修復、除去
または融合、またはこれらの組み合わせを行うために多
数の脊椎手術が行われている。このような手術中に、脊
髄および脊髄を取り巻く硬膜鞘を損傷から保護すること
が望ましい。脊椎手術は損傷椎骨の修復または置換のた
めに骨移植材料の挿入も含むことが多い。その後の治癒
過程において、脊椎領域を結合組織および正常な治癒を
妨害する望ましくない細胞の内増殖から保護することが
好ましい。
【0066】本発明は脊椎手術または脊椎損傷の最中お
よび後に、脊髄および脊柱の諸領域を保護し、治癒させ
る方法もまた提供する。
【0067】一実施態様により、脊髄周囲の硬膜鞘が露
出する脊椎手術中では、遺伝物質を担持したコラーゲン
膜材料のシート(210)を患者の脊髄(214)周囲
の硬膜鞘(212)に隣接するように置き、硬膜鞘(2
12)を保護する。図6および図7を参照されたい。
【0068】図7を参照し、本発明のもう一つの実施態
様により、コラーゲン膜材料のシート(210’)を、
脊髄(214)周囲の脊椎(222)の少なくとも一部
分を取り巻くように置く。若干の手術においては、吸収
性骨材料のような脊椎インプラント材料(224)が2
つの脊椎(222a)および(222b)の間に置か
れ、脊椎(222a)と脊椎(222b)との融合を容
易にすることができる。この観点によれば、本発明は脊
椎インプラント材料(224)の少なくとも一部分を取
り巻くようなコラーゲン材料シート(210’)を包含
する。適切な脊椎インプラント材料の一つは、本発明の
譲渡人である化学工業のEd.ガイストリッヒ・シェー
ネ社から提供されるビオ−オス(登録商標)である。ビ
オ−オス(登録商標)は米国特許第5,167,961号
および第5,417,975号に記載されており、これは
参考として本明細書に組み込まれる。もう一つの適切な
脊椎インプラント材料は、化学工業のEd.ガイストリ
ッヒ・シェーネ社から提供されるビオ−オス コラーゲ
ン(登録商標)である。これはコラーゲン基質中の吸収
性骨材料である。ビオ−オス コラーゲン(登録商標)
は、米国特許第5,573,771号に記載されており、
これは参考として本明細書に組み込まれる。本発明はそ
の他の骨移植法、例えば“ケージ法”にも適用できる。
ここでは骨移植材料を包むチタン・ネットが脊椎間に挿
入される。これらの実施態様により、コラーゲン膜材料
のシートは上記インプラント材料を、結合組織および外
側に隣接する骨材料からの他の細胞の内増殖から保護す
る。上記内増殖は、骨細胞やその他の骨再生細胞を妨害
して、脊椎インプラント材料が脊柱に完全に合体して最
大強度および治癒に達することを阻止する。
【0069】本発明の方法は、図7に示すように、コラ
ーゲン膜材料のシート(210’)を、脊髄(214)
周囲の椎間円板(226)の少なくとも一部分を取り巻
くように置くこともまた包含する。図7に示す実施態様
において、硬膜(212)は本発明による遺伝物質を担
持したコラーゲン膜(210)によって取り囲まれ、そ
れに加えて第二の遺伝物質担持コラーゲン膜(21
0’)が脊椎(222a)および(222b)、並びに
円板(226)および脊椎インプラント材料(224)
の周囲に巻かれ、これらを保護している。このため、本
発明は手術中の物理的損傷から脊髄硬膜を保護すること
ができ、膜(210’)が図7に示すように脊柱周囲に
巻かれている治癒過程においては、膜(210’)のバ
リヤー層が上記手術部位を好ましくない細胞の内増殖か
ら保護する。上記コラーゲン膜材料(210)、(21
0’)は、患者の体に徐々に吸収され、治癒後にその膜
を外科的に除去する必要がない。
【0070】図8は、歯科領域、顎顔面骨領域またはそ
の他の整形外科領域である領域(310)の骨および/
または軟骨の傷害または損傷を修復するために本発明を
利用することを示す。上記方法は治療すべき領域を上記
のように遺伝物質担持コラーゲン基質膜(320)で処
理し、縫合(322)、接着等の適切な手段を用いて上
記材料を固定することを含む。
【0071】本発明は以下に示す非制限的な実施例によ
ってさらに詳しく説明される。
【0072】(実施例1)ブタの皮を細切して、20m
lのピースとし、過剰のアセトンで処理して水分含有量
3重量%未満とし、アセトンを蒸発させる。脱水した材
料を過剰のヘキサンで処理し、脂肪含有量を2重量%未
満とする。その後ヘキサンを蒸発させる。乾燥し脱脂し
た皮を過剰の水で処理し、コラーゲン含有量約4−7重
量%のスラリーを形成する。上記スラリーに水酸化ナト
リウムを加えて4%水酸化ナトリウム溶液を生成するこ
とによって、最低4時間、20℃で撹拌しながらアルカ
リ処理する。上記スラリーを水で洗ってpH8.4と
し、その後塩酸を加えて3.2%塩酸溶液を形成すると
いうやり方で酸処理する。上記酸処理は20℃で最低2
時間、撹拌しながら行われる。スラリーを水で洗ってp
H2.5とする。処理ずみの皮に水を加え、固体含有量
1.5重量%の混合物を生成する。上記混合物を均質化
してゲル様スラリーにする。ゲル様スラリーをその後凍
結乾燥してコラーゲンIスポンジが形成される。
【0073】(実施例2)ブタの皮を細切して10ml
のピースとし、25℃の気流による空気乾燥によって、
残留水含有量が15重量%未満になるまで脱水する。脱
水した材料を過剰の塩化メチレン/メタノール(87
%:13%(重量))で処理することにより脱脂し、脂
肪含有量を2%未満とする。溶媒をその後蒸発させる。
乾燥し脱脂した皮を過剰の水で処理してコラーゲン含有
量約4−7重量%の混合物を生成する。上記混合物に水
酸化ナトリウムを加えて4重量%水酸化ナトリウム溶液
を形成することによって最低4時間20℃で撹拌しなが
らアルカリ処理する。混合物を水で洗ってpH8.4と
する。混合物に塩酸を加えて3.2%塩酸溶液を生成す
ることによって、上記混合物を20℃で最低2時間、撹
拌しながら酸処理する。混合物を水で洗ってpH2.5
とする。処理ずみの皮に水を加え、固体含有量約1.5
重量%の混合物を形成する。上記混合物を均質化してゲ
ル様スラリーにする。上記ゲル様スラリーをその後凍結
乾燥してコラーゲンIスポンジが形成される。
【0074】(実施例3)ブタの皮を細切して10ml
のピースとし、25℃の気流下で空気乾燥して脱水し、
残留水含有量を15重量%未満とする。上記脱水した皮
を、過剰の塩化メチレン/メタノール(87%:13%
(重量))で処理することによって脱脂し、脂肪含有量
を2%未満とする。溶媒をその後蒸発させる。乾燥し脱
脂した皮を過剰の水で処理してコラーゲン含有量約4−
7重量%の混合物を形成する。必要ならば、処理ずみの
皮にさらに水を加えて固体含有量約4重量%の混合物を
生成し、上記混合物を均質化してゲル様軟塊とする。ゲ
ル様軟塊1kgあたり4M塩酸グアニジン溶液10kg
を加えて混合物を生成し、それを4℃で24時間振盪す
る。混合物を水でよく洗い、残留コラーゲンを濾過す
る。上記混合物をその後次のようにペプシン消化させ
る。pH2.5の0.1M乳酸中ペプシン:コラーゲン比
1:10重量/重量の混合物になるようにペプシンを加
え、48時間4℃で振盪し、コラーゲンを溶解する。2
M水酸化ナトリウムで混合物のpHを約7まで高め、塩
化ナトリウムを最終含有量0.7Mまで添加することに
よってコラーゲンを沈殿させる。沈殿したコラーゲンを
遠心分離によって集める。水を沈殿物に加え、固体含有
量約2.5重量%のゲル様軟塊を形成する。上記ゲル様
軟塊を凍結乾燥するとコラーゲンIスポンジが形成され
る。
【0075】(実施例4)低温凍結したブタ軟骨を6℃
で72時間かけて解凍する。解凍した軟骨を約3mmの
大きさに砕く。砕いた軟骨に水を加えて固体含有量4重
量%を有する混合物を生成し、均質化してゲル様軟塊に
する。軟塊1kgあたり4M塩酸グアニジン溶液10k
gを加え、4℃で24時間振とうする。このように処理
した材料を水でよく洗い、残留コラーゲンを濾過する。
濾過したコラーゲンにペプシンをペプシン:コラーゲン
比1:10w/wになるように加え、0.1M乳酸でp
H2.5とし、4℃で48時間振とうし、コラーゲンを
溶解する。上記混合物のpHを2M水酸化ナトリウムで
約7まで高める。コラーゲンは塩化ナトリウムを最終含
有量0.7Mにまで添加することによって沈殿する。沈
殿したコラーゲンを遠心分離によって集め、水のもつp
H7で塩化ナトリウムを洗い流す。pH3.3の塩酸水
溶液を上記沈殿物に加えると固体含有量2.5重量%が
得られ、pH3.3でよく撹拌すると均質なゲル様軟塊
が得られる。上記ゲル様軟塊を凍結乾燥してコラーゲン
IIスポンジが形成される。
【0076】(実施例5)低温凍結したブタ軟骨を6℃
で72時間かけて解凍し、約5mmの大きさに砕いた。
砕いた材料を過剰のアセトンで処理し、水分含有量3重
量%未満にする。その後アセトンを蒸発させる。こうし
て脱水した材料を過剰のヘキサンで処理し脂肪含有量約
を約2%未満にする。その後ヘキサンを蒸発させる。こ
うして乾燥し脱脂した材料を過剰の水で処理し、コラー
ゲン含有量約5−12重量%の混合物を得る。この混合
物を4%水酸化ナトリウム溶液で20℃で24時間撹拌
しながらアルカリ処理し、次に水で洗ってpH9.3と
する。この材料を3.2%塩酸で20℃で最低2.5時間
撹拌しながらで酸処理する。その後材料を水で洗い、p
H3.2にする。このように処理した軟骨に水を加え、
固体含有量1.5重量%とし、均質化すると、ゲル様ス
ラリーが得られる。上記ゲル様スラリーを凍結乾燥して
コラーゲンIIスポンジとする。
【0077】(実施例6)コラーゲンIとコラーゲンII
との組み合わせスポンジの製法 実施例1−3に記載したようなコラーゲンIゲル様スラ
リーまたはゲル様軟塊(凍結乾燥する前)を実施例4−
5に示したコラーゲンII含有ゲル様軟塊またはゲル様ス
ラリー(凍結乾燥する前)と混合し、その際のコラーゲ
ンI:IIの比(乾燥重量でw/w)は1%コラーゲン
I:99%コラーゲンIIないし99%コラーゲンI:1
%コラーゲンIIとする。その後凍結乾燥してコラーゲン
I/コラーゲンIIスポンジにする。
【0078】(実施例7)均質化後のコラーゲンI 1.
5重量%スラリー(実施例I)、および均質化後のコラ
ーゲンII 1.5重量%スラリー(実施例5)を10:9
0%(w/w)の比で混合し、凍結乾燥してコラーゲン
I/コラーゲンIIスポンジにする。
【0079】(実施例8)実施例1−7により生成した
ゲル様スラリーまたはゲル様軟塊をグリコサミノグリカ
ン、プロテオグリカンまたはこれらの混合物を含んでな
る添加物と混合する;その際乾燥重量ベースで0.5−
50重量%の濃度に達する量の添加物を加える。
【0080】(実施例9)実施例1−7により生成した
乾燥スポンジ材料をグリコサミノグリカン、プロテオグ
リカンまたはこれらの混合物を含んでなる添加物水溶液
で処理し、その後凍結乾燥すると、乾燥重量で0.5−
50重量%の添加物含有量が得られる。
【0081】(実施例10)ヒアルロン酸を水に溶解
し、5重量%溶液を生成し、この溶液を実施例1で調製
した1.5重量%コラーゲンIゲル様スラリー(凍結乾
燥前)と混合し、凍結乾燥して、最終ヒアルロン酸含有
量10重量%(乾燥重量ベース)を有するスポンジを形
成する。
【0082】(実施例11)コンドロイチン−6−硫酸
を水に溶解して1重量%コンドロイチン−6−硫酸溶液
を作り、実施例4で生成したコラーゲンIIスポンジに加
え、上記コラーゲンIIスポンジがコンドロイチン−6−
硫酸溶液を吸着するようにする。濡れたスポンジを再び
凍結乾燥し、コンドロイチン−6−硫酸の最終濃度が乾
燥重量ベースで2重量%になるようにする。
【0083】(実施例12)実施例1−11に記載した
ように生成したスポンジを、紫外線(UV)照射による
架橋、脱水加熱処理(DHT)、アルデヒド(例えばホ
ルムアルデヒド、グリオキサル、グルタールアルデヒ
ド、またはスターチアルデヒド等)、ジイソシアネート
(例えばヘキサメチレンジイソシアネート)、カルボジ
イミド(例えば[1−エチル−3(3−ジメチルアミノ
プロピル)カルボジイミド]塩酸(EDC))またはス
クシンイミド(例えばN−ヒドロキシスクシンイミド
(NHS))による化学的架橋によって、酵素攻撃に対
して安定化させる。
【0084】(実施例13)実施例10において生成し
たコラーゲンI(90%)−ヒアルロン酸(10%)ス
ポンジを、スポンジから50cmの距離にある57マイ
クロワット/cm2UV光源でUV架橋(照射時間12
0分)することによって安定化させる。
【0085】(実施例14)実施例9において生成した
コラーゲンI(88%)−ヒアルロン酸(10%)−コ
ンドロイチン−6−硫酸(2%)スポンジをEDC架橋
によって安定化させる。そのために50mgスポンジ
(乾燥重量)を、33mmolEDCを含む、pH5.
5に緩衝した40%(v/v)エタノール20mlに浸
し、温度20℃で4時間反応させる。反応生成物を洗浄
によって除去し、材料を凍結乾燥する。
【0086】(実施例15)ヒアルロン酸を水に溶解
し、5重量%のヒアルロン酸溶液を生成する。これを実
施例5において調製した1.5重量%コラーゲンIIゲル
様スラリーと混合し、その後均質化する。上記材料を実
施例5に記載したように均質化し、凍結乾燥すると乾燥
重量ベースで10重量%のヒアルロン酸含有量を有する
スポンジが形成される。そのスポンジを実施例13に記
載したものと同じ光源を用い、スポンジからの距離を6
5cmとして200分間UV架橋することによって安定
化させる。
【0087】(実施例16)コンドロイチン−6−硫酸
を水に溶解して2.7重量%コンドロイチン−6−硫酸
溶液を調製する。この溶液を実施例4において調製した
2.5重量%コラーゲンIIゲル様軟塊と混合し、その後
凍結乾燥する。材料を凍結乾燥して、乾燥重量ベースで
2.8重量%のコンドロイチン−6−硫酸を含むスポン
ジが形成される。その後50mgスポンジ(乾燥重量)
をpH5.5に緩衝した40%(v/v)エタノール2
0mlに浸すことによって(このエタノール1リットル
は33mmolEDCおよび20mmolNHSを含
む)EDC/NHS架橋し、スポンジを安定化させる。
反応時間は4時間、22℃で、反応生成物を洗浄によっ
て除去する。その後この材料を凍結乾燥する。
【0088】(実施例17)実施例7において生成した
コラーゲンI/II(10:90w/w)スポンジをブレ
ンダーでpH3.0塩酸溶液に再分散し、固体含有量2
重量%とする。ヒアルロン酸を水に溶解して3重量%溶
液とし、コンドロイチン−6−硫酸溶液を水に溶解して
0.9重量%溶液にする。ヒアルロン酸溶液およびコン
ドロイチン−6−硫酸溶液を2重量%コラーゲンI/II
分散液と混合し、凍結乾燥すると、乾燥重量ベースでヒ
アルロン酸の最終含有量が10重量%、そしてコンドロ
イチン−6−硫酸の最終含有量が2.75重量%とな
る。上記凍結乾燥したスポンジをEDC/NHS架橋に
よって安定化させる。そのために上記スポンジ50mg
(乾燥重量)をpH5.5に緩衝した40%(v/v)
エタノール20mlに浸し(上記エタノール1リットル
は33mmolEDCと20mmolNHSを含む)、
22℃で4時間反応させる。反応生成物を洗浄によって
除去し、塊を凍結乾燥する。
【0089】記載の実施態様には細部に多くの変更、バ
リエーションおよび変化が可能であるから、上の説明に
記載されるおよび添付の図面に示される全ての事項は説
明するためのものであって、制限するためのものではな
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 骨関節端メンバーの表面軟骨または関節間軟
骨の損傷領域を示す部分切り取り斜視図である。
【図2】 本発明によるコラーゲン膜材料から作られた
パッチで損傷領域を覆った後の図1の骨関節を示す部分
切り取り斜視図である。
【図3】 本発明により使用する膜を示す側面略図であ
る。
【図4】 本発明により使用する二重層膜を示す側面略
図である。
【図4A】 対置する外側バリヤー面を有する、バリヤ
ー層によって取り囲まれたコラーゲンII内層基質を含
む、本発明により使用する膜を示す側面略図である。
【図5】 本発明の別の実施態様による骨ミネラルイン
プラントと軟骨下孔とを示す、骨関節端メンバーの部分
切り取り斜視図である。
【図6】 本発明の一実施態様によるコラーゲン膜材料
シートによって取り囲まれた脊髄を示す断面略図であ
る。
【図7】 第一のコラーゲン膜材料シートが患者の脊髄
に直接隣接し、第二のコラーゲン膜材料シートが患者の
脊椎、椎間円板および挿入された脊椎インプラント材料
の外側に配置される、本発明の第二の実施態様を示す部
分断面略平面図である。
【図8】 本発明の別の実施態様により使用する膜を示
す側面略図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61L 31/00 A61P 1/02 A61P 1/02 19/02 19/02 19/04 19/04 19/08 19/08 43/00 105 43/00 105 A61K 37/12 (71)出願人 500140219 Bahnhofstrasse 40, P.O. Box 157, 6110 Wol husen, Switzerland (72)発明者 ペーター・ガイストリッヒ スイス国、6362 スタンススタト、ケール ジテンストラーセ 19 (72)発明者 ロタール・シュレッサー ドイツ連邦共和国、64297 ダルムスタッ ト、フォン−デル−アウ−ストラーセ 27 Fターム(参考) 4C076 AA76 BB32 BB40 CC26 EE43 4C081 AB02 AB04 AB05 CD12 CD28 CD35 DA02 DB07 DC04 DC14 4C084 AA02 AA13 MA02 MA32 NA05 ZA67 ZA96 ZB21 4C086 AA01 AA02 EA16 MA02 MA67 MA70 ZA67 ZA96

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 細胞増殖促進誘導性核酸配列を担持した
    コラーゲン基質材料。
  2. 【請求項2】 前記配列が単離された核酸配列である、
    請求項1記載のコラーゲン基質材料。
  3. 【請求項3】 前記配列が単離された遺伝子配列であ
    る、請求項1記載のコラーゲン基質材料。
  4. 【請求項4】 前記配列が単離されたDNA配列であ
    る、請求項1記載のコラーゲン基質材料。
  5. 【請求項5】 前記配列が軟骨増殖を促進させる、請求
    項1記載のコラーゲン基質材料。
  6. 【請求項6】 前記配列が骨増殖を促進させる、請求項
    1記載のコラーゲン基質材料。
  7. 【請求項7】 主としてコラーゲンI、コラーゲンIII
    またはこれらの混合物から作られた膜からなる、請求項
    1記載のコラーゲン基質材料。
  8. 【請求項8】 主としてコラーゲンIIから作られた膜か
    らなる、請求項1記載のコラーゲン基質材料。
  9. 【請求項9】 コラーゲン膜材料の多層シートからな
    り、前記コラーゲン膜材料の多層シートが、細胞の通過
    を阻止するバリヤーとしてはたらく少なくとも一層のバ
    リヤー層を含んでなり、前記コラーゲン膜材料シートが
    さらに、連通スポンジ様組織を有する主としてコラーゲ
    ンIIの基質層を含む、請求項1記載のコラーゲン基質材
    料。
  10. 【請求項10】 前記バリヤー層が細胞付着を阻止する
    ような少なくとも一つの平滑面を有し、前記バリヤー層
    がさらに前記平滑面の反対側に繊維性面を有し、前記基
    質層が前記繊維性面に付着している、請求項9記載のコ
    ラーゲン基質材料。
  11. 【請求項11】 前記バリヤー層がコラーゲンI、コラ
    ーゲンIIIまたはこれらの混合物からなる、請求項9記
    載のコラーゲン基質材料。
  12. 【請求項12】 関節の表面軟骨の再生を促進する方法
    であって、治療すべき関節の損傷軟骨領域を請求項1記
    載のコラーゲン基質材料で覆い、前記コラーゲン基質材
    料が細胞増殖を促進する核酸配列を担持しているもので
    あり;前記コラーゲン基質材料を前記領域上に固定し;
    前記領域に軟骨を再生させる、諸段階を含む方法。
  13. 【請求項13】 前記コラーゲン基質材料が主としてコ
    ラーゲンI、コラーゲンIIIまたはこれらの混合物から
    作られた膜からなる、請求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 前記コラーゲン基質材料が主としてコ
    ラーゲンIIから作られた膜からなる、請求項12記載の
    方法。
  15. 【請求項15】 前記コラーゲン基質材料がコラーゲン
    膜材料の多層シートであり、前記多層シートが細胞の通
    過を阻止するバリヤーとしてはたらく少なくとも一層の
    バリヤー層からなり、前記コラーゲン膜材料シートがさ
    らにスポンジ様組織を有する主としてコラーゲンIIの基
    質層を含む、請求項12記載の方法。
  16. 【請求項16】 前記バリヤー層が細胞付着を阻止する
    ように少なくとも一つの平滑面を有し、前記バリヤー層
    がさらに前記平滑面の反対側に繊維性面を有し、前記基
    質層が前記繊維性面に付着している、請求項15記載の
    方法。
  17. 【請求項17】 前記バリヤー層がコラーゲンI、コラ
    ーゲンIIIまたはこれらの混合物からなる、請求項15
    記載の方法。
  18. 【請求項18】 骨、軟骨またはこれらの組み合わせに
    対する傷害または損傷を修復する方法であって、傷害ま
    たは損傷した骨、軟骨またはこれらの組み合わせの治療
    すべき領域を請求項1記載のコラーゲン基質材料で覆
    い、前記コラーゲン基質材料が細胞増殖促進誘導性核酸
    配列を担持しているものであり;前記コラーゲン基質材
    料を前記領域上に固定し;前記領域を治癒せしめる、諸
    段階を含む方法。
  19. 【請求項19】 前記コラーゲン基質材料が主としてコ
    ラーゲンI、コラーゲンIIIまたはこれらの混合物から
    作られた膜からなる、請求項18記載の方法。
  20. 【請求項20】 前記コラーゲン基質材料が主としてコ
    ラーゲンIIから作られた膜からなる、請求項18記載の
    方法。
  21. 【請求項21】 前記コラーゲン基質材料がコラーゲン
    膜材料の多層シートであり、前記多層シートは細胞の通
    過を阻止するバリヤーとしてはたらく少なくとも一層の
    バリヤー層からなり、前記コラーゲン膜材料シートがさ
    らに連通スポンジ様組織を有する主としてコラーゲンII
    の基質層を含む、請求項18記載の方法。
  22. 【請求項22】 前記バリヤー層が細胞付着を阻止する
    ように少なくとも一つの平滑面を有し、前記バリヤー層
    がさらに前記平滑面の反対側に繊維性面を有し、前記基
    質層が前記繊維性面に付着している、請求項21記載の
    方法。
  23. 【請求項23】 前記バリヤー層がコラーゲンI、コラ
    ーゲンIIIまたはこれらの組み合わせからなる、請求項
    21記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記領域が歯科領域、顎顔面の領域ま
    たは脊椎の領域である、請求項18記載の方法。
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