JP2003159221A - 女性の肌状態の判定方法 - Google Patents
女性の肌状態の判定方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 観察者の知見に依らず、被判定者から得たデ
ータに基づいて被判定者の肌状態を客観的に判定するこ
とを課題とする。 【解決手段】 被判定者の該当愁訴数の強弱、負の情動
指数の高低、サーカディアンリズムのパターンに基づい
て、被判定者を複数の集合群に選別し、各集合群の属性
要素を指標として被判定者の肌状態を判定することを特
徴とする。
ータに基づいて被判定者の肌状態を客観的に判定するこ
とを課題とする。 【解決手段】 被判定者の該当愁訴数の強弱、負の情動
指数の高低、サーカディアンリズムのパターンに基づい
て、被判定者を複数の集合群に選別し、各集合群の属性
要素を指標として被判定者の肌状態を判定することを特
徴とする。
Description
【０００１】
【発明の属する分野】この発明は、女性の肌状態の判定
方法に関する。
方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、女性の７０％以上に月経周期に伴
い様々な症状を呈する月経前症候群（ＰＭＳ）と呼ばれ
る症状が存在することが知られている。月経前症候群の
発生には心理学的要因や社会学的要因などの要因が相互
に関わっており、各人の発生要因を的確に捉えることは
困難であるが、その症状には不安や憂鬱などの精神的症
状や、腹痛やむくみなどの身体的症状がある。
い様々な症状を呈する月経前症候群（ＰＭＳ）と呼ばれ
る症状が存在することが知られている。月経前症候群の
発生には心理学的要因や社会学的要因などの要因が相互
に関わっており、各人の発生要因を的確に捉えることは
困難であるが、その症状には不安や憂鬱などの精神的症
状や、腹痛やむくみなどの身体的症状がある。
【０００３】また、肌状態の判定に際しては、皮膚の表
面を拡大鏡等を用いて観察し、観察者が自己の知見に基
づいて肌状態を判定する手法が採られている。しかし、
月経前症候群の身体的症状の一つである肌において生ず
る症状に着目し、月経周期と連関させて肌状態を判定す
る方法は、従来行われていない。
面を拡大鏡等を用いて観察し、観察者が自己の知見に基
づいて肌状態を判定する手法が採られている。しかし、
月経前症候群の身体的症状の一つである肌において生ず
る症状に着目し、月経周期と連関させて肌状態を判定す
る方法は、従来行われていない。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、観察者の
知見に依らず、被判定者から得たデータに基づいて被判
定者の肌状態を客観的に判定することを課題とする。
知見に依らず、被判定者から得たデータに基づいて被判
定者の肌状態を客観的に判定することを課題とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
にこの発明が採った手段は、被判定者の該当愁訴数の強
弱、負の情動指数の高低、サーカディアンリズムのパタ
ーンに基づいて、被判定者を複数の集合群に選別し、各
集合群の属性要素を指標として被判定者の肌状態を判定
することを特徴とする。
にこの発明が採った手段は、被判定者の該当愁訴数の強
弱、負の情動指数の高低、サーカディアンリズムのパタ
ーンに基づいて、被判定者を複数の集合群に選別し、各
集合群の属性要素を指標として被判定者の肌状態を判定
することを特徴とする。
【０００６】また、複数の集合群は、愁訴数の強弱、負
の情動指数の高低、サーカディアンリズムのパターンに
基づいて少なくとも３つの群に区分されていることを特
徴とする。
の情動指数の高低、サーカディアンリズムのパターンに
基づいて少なくとも３つの群に区分されていることを特
徴とする。
【０００７】また、複数の集合群は、愁訴数の強弱、負
の情動指数の高低及びサーカディアンリズムのパターン
に基づいて少なくとも３つの群にそれぞれ区分され、各
群は互いに対応した関係で配列され、各群の属性要素の
集積を指標として肌状態を判定するようにしたことを特
徴とする。
の情動指数の高低及びサーカディアンリズムのパターン
に基づいて少なくとも３つの群にそれぞれ区分され、各
群は互いに対応した関係で配列され、各群の属性要素の
集積を指標として肌状態を判定するようにしたことを特
徴とする。
【０００８】また、肌状態に変化のあると判定される集
合群に属することとなった被判定者に、所要の処置を施
すことにより、被判定者に肌状態の改善をもたらし、ま
た、その処置にはクラリセージ油などを用いることを特
徴とする。
合群に属することとなった被判定者に、所要の処置を施
すことにより、被判定者に肌状態の改善をもたらし、ま
た、その処置にはクラリセージ油などを用いることを特
徴とする。
【０００９】
【発明の実施の形態】この発明の好ましい実施の形態
を、以下に詳細に説明する。この発明は、(ｉ)被判定者
の該当愁訴数の強弱、(ii)負の情動指数の高低、(iii)
サーカディアンリズムのパターンに基づいて、被判定者
を複数の集合群に選別し、各集合群の属性要素を指標と
して被判定者の肌状態を判定することを特徴とする。ま
ず、被判定者の該当愁訴数とは、月経前症候群（ＰＭ
Ｓ）の発症の程度を調査する月経随伴症状質問紙（ＭＤ
Ｑ）などにより被判定者にアンケート形式で愁訴につい
て質問し、そのうち該当すると回答された愁訴の合計数
である。なお、該回答は即時的回答であることが望まし
い。また、負の情動指数とは、調査時の被判定者の心理
状態を調査する情動及び覚醒に関する質問紙により被判
定者にアンケート形式で質問し、後に述べる各質問項目
のうちの「負の情動」と呼ばれる項目に該当した合計数
である。また「サーカディアンリズム」は、後述の通り
唾液中コルチゾール数値の経時的なグラフから把握され
るものであるが、かかる唾液中コルチゾール（ＣＳ）
は、様々なストレス状態の研究に用いられるいわゆるス
トレスホルモンの一つであり、月経前症候群による心理
状態をストレス状態に近似した心理状態として捉えて、
本発明の要素として用いるものである。
を、以下に詳細に説明する。この発明は、(ｉ)被判定者
の該当愁訴数の強弱、(ii)負の情動指数の高低、(iii)
サーカディアンリズムのパターンに基づいて、被判定者
を複数の集合群に選別し、各集合群の属性要素を指標と
して被判定者の肌状態を判定することを特徴とする。ま
ず、被判定者の該当愁訴数とは、月経前症候群（ＰＭ
Ｓ）の発症の程度を調査する月経随伴症状質問紙（ＭＤ
Ｑ）などにより被判定者にアンケート形式で愁訴につい
て質問し、そのうち該当すると回答された愁訴の合計数
である。なお、該回答は即時的回答であることが望まし
い。また、負の情動指数とは、調査時の被判定者の心理
状態を調査する情動及び覚醒に関する質問紙により被判
定者にアンケート形式で質問し、後に述べる各質問項目
のうちの「負の情動」と呼ばれる項目に該当した合計数
である。また「サーカディアンリズム」は、後述の通り
唾液中コルチゾール数値の経時的なグラフから把握され
るものであるが、かかる唾液中コルチゾール（ＣＳ）
は、様々なストレス状態の研究に用いられるいわゆるス
トレスホルモンの一つであり、月経前症候群による心理
状態をストレス状態に近似した心理状態として捉えて、
本発明の要素として用いるものである。
【００１０】また、この発明は上記判定を行った結果、
肌状態に変化のある（肌荒れ状態にある）と判定される
集合群に属することとなった被判定者に、クラリセージ
油などを用いた処置を施すことにより、被判定者の肌状
態の改善をもたらすことを特徴とする。
肌状態に変化のある（肌荒れ状態にある）と判定される
集合群に属することとなった被判定者に、クラリセージ
油などを用いた処置を施すことにより、被判定者の肌状
態の改善をもたらすことを特徴とする。
【００１１】
【実施例】この発明に係る肌状態の判定方法は、(ｉ)被
判定者の該当愁訴数の強弱、(ii)負の情動指数の高低、
(iii)サーカディアンリズムのパターンに基づいて、被
判定者を複数の集合群に選別し、各集合群の属性要素を
指標として被判定者の肌状態を判定するものであるが、
複数の集合群は三群であることが好ましく、ここでは被
判定者をＡ，Ｂ，Ｃの三群に分けてその肌状態を判定す
る。以下各評価項目について詳細に説明する。
判定者の該当愁訴数の強弱、(ii)負の情動指数の高低、
(iii)サーカディアンリズムのパターンに基づいて、被
判定者を複数の集合群に選別し、各集合群の属性要素を
指標として被判定者の肌状態を判定するものであるが、
複数の集合群は三群であることが好ましく、ここでは被
判定者をＡ，Ｂ，Ｃの三群に分けてその肌状態を判定す
る。以下各評価項目について詳細に説明する。
【００１２】前記(ｉ)のＭＤＱによる被判定者の該当愁
訴数の調査は月経の前・中・後の計３回行い、その質問
内容は、以下に示す８の愁訴群に分類される各愁訴の有
無を問うものである。まず第１群の「痛み」に分類され
る愁訴としては、肩や首がこったり、筋肉が痛くなる、
頭が痛い、下腹部が痛い、腰が痛い、疲れやすい、体が
痛い、等である。第２群の「集中力の低下」に分類され
る愁訴としては、眠れない、もの忘れしやすい、考えが
まとまらない、判断力が鈍る、集中力が低下する、気が
散る、指を切ったり皿を割ったり失敗が多くなる、動作
がぎこちなくなる、等である。第３群の「自律神経失
調」に分類される愁訴としては、めまいがしたり、ボー
ッとなったりする、冷や汗が出る、吐き気がする、顔が
火照る、等である。第４群の「行動の変化」に分類され
る愁訴としては、勉強や仕事への根気がなくなる、居眠
りをしたり、ふとんから起き出せなくなる、人との付き
合いを避けたくなる、出不精になる、勉強や仕事の能率
が低下する、等である。第５群の「水分貯留」に分類さ
れる愁訴としては、体重が増えてくる、肌が荒れたり、
吹き出物が出たりする、お乳が痛い、腹部・乳房・足に
むくみがある、等である。第６群の「否定的情緒」に属
する愁訴としては、ちょっとしたことで泣いたり、泣き
たくなる、さびしくなる、不安になる、落ち着かない、
いらいらしたり、怒りっぽい、気分が変わりやすかった
り、動揺する、憂鬱になる、緊張しやすくなる、等であ
る。第７群の「気分の高揚」に分類される愁訴として
は、やさしい気分になる、素直になる、興奮しやすい、
満たされた気持ちになる、活動的になる、等である。第
８群の「コントロール」に分類される愁訴としては、息
苦しい、胸が締め付けられる感じ、耳鳴りがする、動揺
する、手足がしびれる、ぼやけて見えたり、目がかす
む、等である。
訴数の調査は月経の前・中・後の計３回行い、その質問
内容は、以下に示す８の愁訴群に分類される各愁訴の有
無を問うものである。まず第１群の「痛み」に分類され
る愁訴としては、肩や首がこったり、筋肉が痛くなる、
頭が痛い、下腹部が痛い、腰が痛い、疲れやすい、体が
痛い、等である。第２群の「集中力の低下」に分類され
る愁訴としては、眠れない、もの忘れしやすい、考えが
まとまらない、判断力が鈍る、集中力が低下する、気が
散る、指を切ったり皿を割ったり失敗が多くなる、動作
がぎこちなくなる、等である。第３群の「自律神経失
調」に分類される愁訴としては、めまいがしたり、ボー
ッとなったりする、冷や汗が出る、吐き気がする、顔が
火照る、等である。第４群の「行動の変化」に分類され
る愁訴としては、勉強や仕事への根気がなくなる、居眠
りをしたり、ふとんから起き出せなくなる、人との付き
合いを避けたくなる、出不精になる、勉強や仕事の能率
が低下する、等である。第５群の「水分貯留」に分類さ
れる愁訴としては、体重が増えてくる、肌が荒れたり、
吹き出物が出たりする、お乳が痛い、腹部・乳房・足に
むくみがある、等である。第６群の「否定的情緒」に属
する愁訴としては、ちょっとしたことで泣いたり、泣き
たくなる、さびしくなる、不安になる、落ち着かない、
いらいらしたり、怒りっぽい、気分が変わりやすかった
り、動揺する、憂鬱になる、緊張しやすくなる、等であ
る。第７群の「気分の高揚」に分類される愁訴として
は、やさしい気分になる、素直になる、興奮しやすい、
満たされた気持ちになる、活動的になる、等である。第
８群の「コントロール」に分類される愁訴としては、息
苦しい、胸が締め付けられる感じ、耳鳴りがする、動揺
する、手足がしびれる、ぼやけて見えたり、目がかす
む、等である。
【００１３】前記(ii)の情動及び覚醒に関する質問紙に
よる負の情動指数の調査は、１日計５回、起床時、１０
時、１１時４０分、１４時、１６時に行い、好ましくは
各月経周期ごとに調査を行う。なお、被判定者が月経
期、卵胞期、排卵期、黄体期のいずれの月経周期に属し
ているかについては、月経周期の判定法として従来知ら
れている基礎体温と女性ホルモン測定による判定法を用
いて判定するのが好ましい。該質問紙による質問内容
は、以下に示す覚醒に関する４項目と情動に関する５項
目に分類される心理状態の有無を問うものである。まず
覚醒の第１項目「エネルギー覚醒＋」に分類される心理
状態としては、機敏な、活動的な、気力に満ちた、エネ
ルギッシュな、等である。覚醒の第２項目「エネルギー
覚醒−」に分類される心理状態としては、無気力な、生
気がない、気分ののらない、等である。覚醒の第３項目
「緊張覚醒＋」に分類される心理状態としては、緊張し
た、気が休まらない、落ち着かない、等である、覚醒の
第４項目「緊張覚醒−」に分類される心理状態として
は、くつろいだ、落ち着いた、ゆったりした、等であ
る。情動の第１項目「恐怖」に分類される心理状態とし
ては、こわい、おびえている、不安な、びくびくしてい
る、等である。情動の第２項目「怒り」に分類される心
理状態としては、腹が立っている、いらいらしている、
不機嫌な、気が立っている、等である。情動の第３項目
「悲しみ」に分類される心理状態としては、落ち込んで
いる、気が滅入った、ふさいでいる、悲しい、等であ
る。情動の第４項目「嫌悪」に分類されている心理状態
としては、うんざりした、不快な、嫌悪感がある、嫌
な、等である。情動の第５項目「喜び」に分類される心
理状態としては、楽しい、さわやかな、快い、満ち足り
た、等である。このうち、情動の第１〜４項目「恐怖」
「怒り」「悲しみ」「嫌悪」を「負の情動」といい、本
発明ではこの「負の情動」に該当した指数を評価の際に
用いる。
よる負の情動指数の調査は、１日計５回、起床時、１０
時、１１時４０分、１４時、１６時に行い、好ましくは
各月経周期ごとに調査を行う。なお、被判定者が月経
期、卵胞期、排卵期、黄体期のいずれの月経周期に属し
ているかについては、月経周期の判定法として従来知ら
れている基礎体温と女性ホルモン測定による判定法を用
いて判定するのが好ましい。該質問紙による質問内容
は、以下に示す覚醒に関する４項目と情動に関する５項
目に分類される心理状態の有無を問うものである。まず
覚醒の第１項目「エネルギー覚醒＋」に分類される心理
状態としては、機敏な、活動的な、気力に満ちた、エネ
ルギッシュな、等である。覚醒の第２項目「エネルギー
覚醒−」に分類される心理状態としては、無気力な、生
気がない、気分ののらない、等である。覚醒の第３項目
「緊張覚醒＋」に分類される心理状態としては、緊張し
た、気が休まらない、落ち着かない、等である、覚醒の
第４項目「緊張覚醒−」に分類される心理状態として
は、くつろいだ、落ち着いた、ゆったりした、等であ
る。情動の第１項目「恐怖」に分類される心理状態とし
ては、こわい、おびえている、不安な、びくびくしてい
る、等である。情動の第２項目「怒り」に分類される心
理状態としては、腹が立っている、いらいらしている、
不機嫌な、気が立っている、等である。情動の第３項目
「悲しみ」に分類される心理状態としては、落ち込んで
いる、気が滅入った、ふさいでいる、悲しい、等であ
る。情動の第４項目「嫌悪」に分類されている心理状態
としては、うんざりした、不快な、嫌悪感がある、嫌
な、等である。情動の第５項目「喜び」に分類される心
理状態としては、楽しい、さわやかな、快い、満ち足り
た、等である。このうち、情動の第１〜４項目「恐怖」
「怒り」「悲しみ」「嫌悪」を「負の情動」といい、本
発明ではこの「負の情動」に該当した指数を評価の際に
用いる。
【００１４】前記(iii)のサーカディアンリズムに関す
る唾液中コルチゾール（ＣＳ）濃度の数値の測定は、前
記(ii)の情動及び覚醒に関する質問紙による負の情動指
数の調査と同様、１日計５回、起床時、１０時、１１時
４０分、１４時、１６時に測定し、測定方法はＲＩＡ法
又はＨＰＬＣ法を用いることが好ましい。
る唾液中コルチゾール（ＣＳ）濃度の数値の測定は、前
記(ii)の情動及び覚醒に関する質問紙による負の情動指
数の調査と同様、１日計５回、起床時、１０時、１１時
４０分、１４時、１６時に測定し、測定方法はＲＩＡ法
又はＨＰＬＣ法を用いることが好ましい。
【００１５】図１は起床時、１０時、１１時４０分、１
４時、１６時に一日計５回測定した被判定者の唾液中コ
ルチゾール（ＣＳ）濃度の数値をグラフ化したものの例
である。図１で示したグラフは起床時に一番高い数値を
示し、時間の経過に従って数値が低くなっている。この
時間の経過に伴う唾液中コルチゾール濃度の数値の減少
を「サーカディアンリズム」という。図２〜４は、各月
経周期における起床時、１０時、１１時４０分、１４
時、１６時に一日計５回測定した被判定者の唾液中コル
チゾール（ＣＳ）濃度の数値をグラフ化したものの例で
ある。図２のグラフにおいては、いずれの月経周期にお
いても、時間の経過に伴い唾液中コルチゾール濃度の数
値が減少する「サーカディアンリズム」が明確に現れて
いることが理解できる。これに対し、図３の各グラフに
おいては、いずれかの月経周期、例えば本グラフでは月
経期、卵胞期において、サーカディアンリズムが崩れて
おり、更に図４の各グラフにおいてはいずれの月経周期
においてもサーカディアンリズムが現れていないことが
理解できる。なお、月経周期については被判定者の基礎
体温又は女性ホルモンを測定することにより判別する。
４時、１６時に一日計５回測定した被判定者の唾液中コ
ルチゾール（ＣＳ）濃度の数値をグラフ化したものの例
である。図１で示したグラフは起床時に一番高い数値を
示し、時間の経過に従って数値が低くなっている。この
時間の経過に伴う唾液中コルチゾール濃度の数値の減少
を「サーカディアンリズム」という。図２〜４は、各月
経周期における起床時、１０時、１１時４０分、１４
時、１６時に一日計５回測定した被判定者の唾液中コル
チゾール（ＣＳ）濃度の数値をグラフ化したものの例で
ある。図２のグラフにおいては、いずれの月経周期にお
いても、時間の経過に伴い唾液中コルチゾール濃度の数
値が減少する「サーカディアンリズム」が明確に現れて
いることが理解できる。これに対し、図３の各グラフに
おいては、いずれかの月経周期、例えば本グラフでは月
経期、卵胞期において、サーカディアンリズムが崩れて
おり、更に図４の各グラフにおいてはいずれの月経周期
においてもサーカディアンリズムが現れていないことが
理解できる。なお、月経周期については被判定者の基礎
体温又は女性ホルモンを測定することにより判別する。
【００１６】ここで上記(ｉ)被判定者の該当愁訴数の強
弱、(ii)負の情動指数の高低、(iii)サーカディアンリ
ズムのパターンにより、被判定者をＡ，Ｂ，Ｃの三群に
分ける。図５を参照して、上述のＭＤＱにより該当した
愁訴が少なく、負の情動指数が低く、月経周期のいずれ
の時期においても図２に見られるようなサーカディアン
リズムが明確に現出している（目安としてＣＳ起床時値
１４〜２０Ｐｍｏｌ／ｍｌ）被判定者をＡ群とする。ま
た、ＭＤＱにより該当した愁訴数が半数程度、負の情動
指数が半数程度、図３に見られるような月経周期のいず
れかの時期においてサーカディアンリズムが消失してい
る（目安としてＣＳ起床時値８〜９Ｐｍｏｌ／ｍｌ）被
判定者をＢ群とする。また、ＭＤＱにより該当した愁訴
数が多く、負の情動指数が高く、図４に見られるような
いずれの月経周期においてもサーカディアンリズムが消
失している（目安としてＣＳ起床時値２〜５Ｐｍｏｌ／
ｍｌ）被判定者をＣ群とする。なお各群への選別は、既
述のように被判定者の該当愁訴数、負の情動指数、サー
カディアンリズムのすべての要素に基づいて行うことが
最も好ましいが、３つの要素のすべてを用いず、要素の
１つあるいは２つのみを用いて被判定者を各群に選別す
ることも可能である。
弱、(ii)負の情動指数の高低、(iii)サーカディアンリ
ズムのパターンにより、被判定者をＡ，Ｂ，Ｃの三群に
分ける。図５を参照して、上述のＭＤＱにより該当した
愁訴が少なく、負の情動指数が低く、月経周期のいずれ
の時期においても図２に見られるようなサーカディアン
リズムが明確に現出している（目安としてＣＳ起床時値
１４〜２０Ｐｍｏｌ／ｍｌ）被判定者をＡ群とする。ま
た、ＭＤＱにより該当した愁訴数が半数程度、負の情動
指数が半数程度、図３に見られるような月経周期のいず
れかの時期においてサーカディアンリズムが消失してい
る（目安としてＣＳ起床時値８〜９Ｐｍｏｌ／ｍｌ）被
判定者をＢ群とする。また、ＭＤＱにより該当した愁訴
数が多く、負の情動指数が高く、図４に見られるような
いずれの月経周期においてもサーカディアンリズムが消
失している（目安としてＣＳ起床時値２〜５Ｐｍｏｌ／
ｍｌ）被判定者をＣ群とする。なお各群への選別は、既
述のように被判定者の該当愁訴数、負の情動指数、サー
カディアンリズムのすべての要素に基づいて行うことが
最も好ましいが、３つの要素のすべてを用いず、要素の
１つあるいは２つのみを用いて被判定者を各群に選別す
ることも可能である。
【００１７】そして各群に分類された被判定者の肌状態
について、Ａ群の被判定者は月経周期による変化なし、
Ｂ群の被判定者は黄体期において変化して肌荒れを起こ
し、Ｃ群の被判定者は黄体期の変化（肌荒れ）が顕著で
ある、というように判定を行う。
について、Ａ群の被判定者は月経周期による変化なし、
Ｂ群の被判定者は黄体期において変化して肌荒れを起こ
し、Ｃ群の被判定者は黄体期の変化（肌荒れ）が顕著で
ある、というように判定を行う。
【００１８】次に、Ｃ群に分類され、黄体期の変化（肌
荒れ）が顕著である、と判定された被判定者に対する処
置について説明する。当該被判定者に対しては、クラリ
セージ油などを用いた処理、例えば、クラリセージ油な
どを浴槽内の湯に数滴入れて入浴させ、又はアロマポッ
トを用いてクラリセージ油などを内容分に含む香料を鼻
腔から吸入させる等の処置を行う。ここでクラリセージ
油は、クラリセージの花の部分と花の咲いた茎の先端部
分を蒸留して精油されたもので、これを使用するとリラ
クセーション効果があることが知られているため、かか
る効果から被判定者におけるサーカディアンリズムの現
出、ひいては肌状態の改善という派生効果が現れること
を企図して用いるものである。なお、ここでの処理はリ
ラクセージ油などを用いることに主眼が置かれるので、
クラリセージ油などを用いた処置の方法は上記入浴や鼻
腔からの吸入に限られるものではない。
荒れ）が顕著である、と判定された被判定者に対する処
置について説明する。当該被判定者に対しては、クラリ
セージ油などを用いた処理、例えば、クラリセージ油な
どを浴槽内の湯に数滴入れて入浴させ、又はアロマポッ
トを用いてクラリセージ油などを内容分に含む香料を鼻
腔から吸入させる等の処置を行う。ここでクラリセージ
油は、クラリセージの花の部分と花の咲いた茎の先端部
分を蒸留して精油されたもので、これを使用するとリラ
クセーション効果があることが知られているため、かか
る効果から被判定者におけるサーカディアンリズムの現
出、ひいては肌状態の改善という派生効果が現れること
を企図して用いるものである。なお、ここでの処理はリ
ラクセージ油などを用いることに主眼が置かれるので、
クラリセージ油などを用いた処置の方法は上記入浴や鼻
腔からの吸入に限られるものではない。
【００１９】
【適用例】上述のＡ・Ｂ・Ｃの各群に属する被判定者に
対し、その皮膚について、経皮水分損失量（ＴＥＷ
Ｌ）、皮脂量（ＬＰ）の測定を行った。図６は月経周期
のうち黄体期と卵胞期の経皮水分損失量（ＴＥＷＬ）の
平均値の差をグラフ化したものである。また、図７，８
は同じく黄体期と卵胞期の皮脂量（ＬＰ）の平均値の差
をグラフ化したものであり、図７は被判定者の頬の皮膚
を、図８は顎の皮膚を測定したものである。これらのグ
ラフによれば、黄体期とＰＭＳがほとんど存在しない卵
胞期とのＴＥＷＬ及びＬＰの数値の差が一番大きいのが
Ｃ群の被判定者であり、次いでＢ群、そして一番小さい
のがＡ群の被判定者である。これより各月経周期間にお
いて肌状態に一番差があるのがＣ群の被判定者であり、
次いでＢ群、そして一番差がないのがＡ群の被判定者で
あることが理解できる。なお各グラフにおいて、ＴＥＷ
Ｌの数値の単位はｇ／ｍ２ｈ、ＬＰの数値の単位は、皮
脂の量が多いほど透過濃度が上昇するフィルムを当てた
際のフィルムの透過濃度である。
対し、その皮膚について、経皮水分損失量（ＴＥＷ
Ｌ）、皮脂量（ＬＰ）の測定を行った。図６は月経周期
のうち黄体期と卵胞期の経皮水分損失量（ＴＥＷＬ）の
平均値の差をグラフ化したものである。また、図７，８
は同じく黄体期と卵胞期の皮脂量（ＬＰ）の平均値の差
をグラフ化したものであり、図７は被判定者の頬の皮膚
を、図８は顎の皮膚を測定したものである。これらのグ
ラフによれば、黄体期とＰＭＳがほとんど存在しない卵
胞期とのＴＥＷＬ及びＬＰの数値の差が一番大きいのが
Ｃ群の被判定者であり、次いでＢ群、そして一番小さい
のがＡ群の被判定者である。これより各月経周期間にお
いて肌状態に一番差があるのがＣ群の被判定者であり、
次いでＢ群、そして一番差がないのがＡ群の被判定者で
あることが理解できる。なお各グラフにおいて、ＴＥＷ
Ｌの数値の単位はｇ／ｍ２ｈ、ＬＰの数値の単位は、皮
脂の量が多いほど透過濃度が上昇するフィルムを当てた
際のフィルムの透過濃度である。
【００２０】次に、Ｃ群に属することとされた被判定者
に対し、クラリセージ油などを用いた処置を行い、唾液
中コルチゾール（ＣＳ）濃度を測定した。ここでは当該
被判定者に対するクラリセージ油を用いた処置として、
ＰＭＳが発現する時期である月経開始約１週間前からク
ラリセージ油などを浴槽内の湯に数滴入れて入浴させる
と共に、就寝前から就寝中においてアロマポットを用い
てクラリセージ油などを内容分に含む香料を鼻腔から吸
入させる処置を行った。図９は、Ｃ群に属する被判定者
における上記クラリセージ油などを用いた処理前と処置
後の唾液中コルチゾール（ＣＳ）濃度の数値をグラフ化
したものであり、測定は、起床時、１０時、１１時４０
分、１４時、１６時の一日計５回測定した。このグラフ
によれば、処置前のグラフ(ａ)においては図４と同様に
サーカディアンリズムが消失してるのに対し、処置後の
グラフ(ｂ)においては図２と同様にサーカディアンリズ
ムが明確に現れており、被判定者における肌状態が改善
されていることが理解できる。
に対し、クラリセージ油などを用いた処置を行い、唾液
中コルチゾール（ＣＳ）濃度を測定した。ここでは当該
被判定者に対するクラリセージ油を用いた処置として、
ＰＭＳが発現する時期である月経開始約１週間前からク
ラリセージ油などを浴槽内の湯に数滴入れて入浴させる
と共に、就寝前から就寝中においてアロマポットを用い
てクラリセージ油などを内容分に含む香料を鼻腔から吸
入させる処置を行った。図９は、Ｃ群に属する被判定者
における上記クラリセージ油などを用いた処理前と処置
後の唾液中コルチゾール（ＣＳ）濃度の数値をグラフ化
したものであり、測定は、起床時、１０時、１１時４０
分、１４時、１６時の一日計５回測定した。このグラフ
によれば、処置前のグラフ(ａ)においては図４と同様に
サーカディアンリズムが消失してるのに対し、処置後の
グラフ(ｂ)においては図２と同様にサーカディアンリズ
ムが明確に現れており、被判定者における肌状態が改善
されていることが理解できる。
【００２１】
【発明の効果】この発明によれば、被判定者の該当愁訴
数の強弱、負の情動指数の高低、サーカディアンリズム
のパターンに基づいて、被判定者を複数の集合群に選別
し、各集合群の属性要素を指標として被判定者の肌状態
を判定することができるから、従来観察者の知見に委ね
られていた肌状態の判定を客観的に行うことが可能とな
る。
数の強弱、負の情動指数の高低、サーカディアンリズム
のパターンに基づいて、被判定者を複数の集合群に選別
し、各集合群の属性要素を指標として被判定者の肌状態
を判定することができるから、従来観察者の知見に委ね
られていた肌状態の判定を客観的に行うことが可能とな
る。
【００２２】また、かかる判定方法により黄体期の変化
（肌荒れ）が顕著であると判定された被判定者に対し、
肌状態を改善させることが可能となる。
（肌荒れ）が顕著であると判定された被判定者に対し、
肌状態を改善させることが可能となる。
【図１】サーカディアンリズムの一例を示すグラフ
【図２】サーカディアンリズムが現出した被判定者の唾
液中ＣＳ数値のグラフ
液中ＣＳ数値のグラフ
【図３】サーカディアンリズムがやや消失した被判定者
の唾液中ＣＳ数値のグラフ
の唾液中ＣＳ数値のグラフ
【図４】サーカディアンリズムが消失した被判定者の唾
液中ＣＳ数値のグラフ
液中ＣＳ数値のグラフ
【図５】被判定者の該当愁訴数、負の情動指数、サーカ
ディアンリズムと各集合群の対応関係を表した図
ディアンリズムと各集合群の対応関係を表した図
【図６】黄体期と卵胞期の経皮水分損失量（ＴＥＷＬ）
の平均値の差を示したグラフ
の平均値の差を示したグラフ
【図７】頬の皮膚における黄体期と卵胞期の皮脂量（Ｌ
Ｐ）の平均値の差を示したグラフ
Ｐ）の平均値の差を示したグラフ
【図８】顎の皮膚における黄体期と卵胞期の皮脂量（Ｌ
Ｐ）の平均値の差を示したグラフ
Ｐ）の平均値の差を示したグラフ
【図９】クラリセージ油を用いた処置前と処置後の被判
定者の唾液中ＣＳ数値のグラフ
定者の唾液中ＣＳ数値のグラフ
Claims (10)
- 【請求項１】被判定者の該当愁訴数の強弱に基づいて、
被判定者を複数の集合群に選別し、各集合群の属性要素
を指標として被判定者の肌状態を判定することを特徴と
する女性の肌状態の判定方法。 - 【請求項２】被判定者の負の情動指数の高低に基づい
て、被判定者を複数の集合群に選別し、各集合群の属性
要素を指標として被判定者の肌状態を判定することを特
徴とする女性の肌状態の判定方法。 - 【請求項３】被判定者のサーカディアンリズムのパター
ンに基づいて、被判定者を複数の集合群に選別し、各集
合群の属性要素を指標として被判定者の肌状態を判定す
ることを特徴とする女性の肌状態の判定方法。 - 【請求項４】被判定者の該当愁訴数の強弱、負の情動指
数の高低及びサーカディアンリズムのパターンに基づい
て、被判定者を複数の集合群に選別し、各集合群の属性
要素を指標として被判定者の肌状態を判定することを特
徴とする女性の肌状態の判定方法。 - 【請求項５】複数の集合群は、愁訴数の強弱に基づいて
少なくとも３つの群に区分されていることを特徴とする
請求項１記載の女性の肌状態の判定方法。 - 【請求項６】複数の集合群は、負の情動指数の高低に基
づいて少なくとも３つの群に区分されていることを特徴
とする請求項２記載の女性の肌状態の判定方法。 - 【請求項７】複数の集合群は、サーカディアンリズムの
パターンに基づいて少なくとも３つの群に区分されてい
ることを特徴とする請求項３記載の女性の肌状態の判定
方法。 - 【請求項８】複数の集合群は、愁訴数の強弱、負の情動
指数の高低及びサーカディアンリズムのパターンに基づ
いて少なくとも３つの群にそれぞれ区分され、各群は互
いに対応した関係で配列され、各群の属性要素の集積を
指標として肌状態を判定するようにしたことを特徴とす
る請求項４記載の女性の肌状態の判定方法。 - 【請求項９】肌状態に変化のあると判定される集合群に
属することとなった被判定者に、クラリセージ油などを
用いた処置を施すことにより、被判定者に肌状態の改善
をもたらすことを特徴とする女性の肌状態の改善方法。 - 【請求項１０】肌状態に変化のあると判定される集合群
に属することとなった被判定者に、肌状態の改善を目的
とした処置を施すために使用されることを特徴とするク
ラリセージ油。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2002263885A JP2003159221A (ja) | 2001-09-14 | 2002-09-10 | 女性の肌状態の判定方法 |
Applications Claiming Priority (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2001-279178 | 2001-09-14 | ||
| JP2001279178 | 2001-09-14 | ||
| JP2002263885A JP2003159221A (ja) | 2001-09-14 | 2002-09-10 | 女性の肌状態の判定方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2003159221A true JP2003159221A (ja) | 2003-06-03 |
Family
ID=26622201
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2002263885A Pending JP2003159221A (ja) | 2001-09-14 | 2002-09-10 | 女性の肌状態の判定方法 |
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-
2002
- 2002-09-10 JP JP2002263885A patent/JP2003159221A/ja active Pending
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