JP2003157829A - リチウムイオン二次電池用正極板およびそれを用いたリチウムイオン二次電池 - Google Patents
リチウムイオン二次電池用正極板およびそれを用いたリチウムイオン二次電池Info
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Abstract
ハイレート放電特性のいずれもが大きく改善され、かつ
確実に安全なリチウムイオン二次電池を提供する。 【解決手段】 平均粒径が15μm以上のLi−Co系
複合酸化物からなる活物質と、粒径が4μm〜8μmの
範囲内にある大径成分および粒径が0.1μm以下の小
径成分の合計量が全体の70重量%以上であり、かつ、
大径成分と小径成分の重量比が1:0.01〜1:1で
ある粒状の導電材と、結着剤とを含む塗工物層を、該層
内において活物質の表面の5%〜50%が導電材の小径
成分によって覆われるように集電体上に形成してなり、
上記結着剤が、融点165℃以下のポリフッ化ビニリデ
ンであるリチウムイオン二次電池用正極板、ならびにこ
の正極板と粘度が3cps以下の電解液を用いたもので
あるリチウムイオン二次電池。
Description
電池用の正極板、およびそれを用いたリチウムイオン二
次電池に関する。
液を含浸させたセパレータを正極板と負極板とで挟み込
んでなる構造を有している。正極板および負極板は、そ
れぞれ、活物質とバインダーを少なくとも含むスラリー
(正極においては、通常、活物質とともに導電材も使用
される)を、金属箔などの集電体上に塗工し、乾燥され
た塗工物層を設けて形成される。正極活物質としてはL
i−Co系複合酸化物が一般的であり、負極活物質とし
ては炭素材料が一般的である。
電池は、ニッカド電池などに比べ高エネルギー密度、高
電圧を達成することができる。そのため、リチウムイオ
ン二次電池は、近年、携帯電話やノート型パソコンとい
った携帯機器の駆動源として急速に採用が進んでいる。
さらに、将来的には適用範囲の拡大が期待される。
温で放電を行うと、室温で放電を行う場合と比較して放
電容量および放電電圧が大きく低下する性質がある。こ
のため、リチウムイオン二次電池は観測機器や通信機
器、さらには電気自動車や電力貯蔵機器といった低温下
での使用が想定される機器への適用が困難となってい
る。したがって、リチウムイオン二次電池を上記機器に
適用するには、低温下における放電容量および放電電圧
の低下を抑制できる性質、すなわち低温特性をより向上
させる必要がある。また、低温特性が良好であっても、
充分なサイクル特性を備えていなければ実用的なリチウ
ムイオン二次電池とはいえない。さらに、各種機器への
適用のために、大電流放電(ハイレート放電)時の放電
特性の更なる向上が要求されている。さらにリチウムイ
オン二次電池には、上記各種の優れた特性の前提とし
て、安全性が確保されたものであることが要求される。
鑑み、従来よりも、低温特性、サイクル特性およびハイ
レート放電特性のいずれもが大きく改善され、かつ確実
に安全なリチウムイオン二次電池を提供することであ
る。
を達成すべく鋭意研究した結果、正極板における正極塗
工物層中の高分子バインダーに融点が165℃以下のポ
リフッ化ビニリデンを使用するとともに、活物質表面が
特定の範囲内にて導電材で覆われるように設計すること
で、従来よりも、低温特性、サイクル特性およびハイレ
ート放電特性のいずれもが大きく改善され得ることを見
出し、本発明を完成させた。
物からなる活物質と、粒径が4μm〜8μmの範囲内に
ある大径成分および粒径が0.1μm以下の小径成分の
合計量が全体の70重量%以上であり、かつ、大径成分
と小径成分の重量比が1:0.01〜1:1である粒状
の導電材と、結着剤とを含む塗工物層を、該層内におい
て活物質の表面の5%〜50%が導電材の小径成分によ
って覆われるように集電体上に形成してなるリチウムイ
オン二次電池用の正極板であって、上記結着剤が、融点
165℃以下のポリフッ化ビニリデンである、リチウム
イオン二次電池用正極板。 (2)上記(1)に記載の正極板を用いたリチウムイオ
ン二次電池であって、粘度が3cps以下の電解液を用
いたものであるリチウムイオン二次電池。
用正極板(以下、単に「正極板」ということがある。)
は、〔1〕平均粒径が15μm以上のLi−Co系複合
酸化物からなる活物質と、〔2〕粒径が4μm〜8μm
の範囲内にある大径成分および粒径が0.1μm以下の
小径成分の合計量が全体の70重量%以上であり、か
つ、大径成分と小径成分の重量比が1:0.01〜1:
1である粒状の導電材と、結着剤とを含む塗工物層を、
〔3〕該層内において活物質の表面の5%〜50%が導
電材の小径成分によって覆われるように集電体上に形成
してなり、〔4〕結着剤が、融点165℃以下のポリフ
ッ化ビニリデンであるもの、であることを特徴とする。
以下、本発明における上記〔1〕〜〔4〕の特徴につい
て詳述する。
止(安全性の確保)の点、塗工物層における空孔の形成
性の点、また活物質の電気抵抗が高くなるのを防ぐ点か
ら平均粒径が15μm以上、好ましくは17μm以上の
Li−Co系複合酸化物が使用される。このようなLi
−Co系複合酸化物の例としては、LiCoO2や、L
iACo1-XMeXO2で示されるものが挙げられる。な
お、後者において、Aは0.05〜1.5、特には0.
1〜1.1とするのが好ましい。Xは0.01〜0.
5、特には0.02〜0.2とするのが好ましい。元素
Meとしては、Zr、V、Cr、Mo、Mn、Fe、N
iなどの周期律表の3〜10族元素や、B、Al、G
e、Pb、Sn、Sbなどの13〜15族元素が挙げら
れる。中でも、LiCoO2を使用するのが好ましい。
上記のLi−Co系複合酸化物は、通常、粒状である。
また当該Li−Co系複合酸化物の平均粒径は、上限が
好ましくは25μm以下、より好ましくは23μm以下
である。
る導電材 本発明の正極板は、正極塗工物層中の導電材として、粒
径が4μm〜8μmの範囲内にある大径成分および粒径
が0.1μm以下の小径成分を主成分とし、かつ、大径
成分と小径成分の重量比が1:0.01〜1:1である
導電材を、使用する。ここで、「粒径が4μm〜8μm
の範囲内にある大径成分および粒径が0.1μm以下の
小径成分を主成分とする」とは、これら両成分の合計量
が導電材全体の70重量%以上、好ましくは90重量%
以上、さらに好ましくは95重量%以上であることを意
味する。
上記平均粒径のLi−Co系複合酸化物と、上記の粒径
が4μm〜8μmの範囲内にある大径成分および粒径が
0.1μm以下の小径成分を主成分とし、かつ、大径成
分と小径成分の重量比が1:0.01〜1:1の特定の
粒状の導電材を存在させることにより、塗工物層内にお
ける活物質(粒子)と活物質(粒子)間の隙間を主に大
径成分の粒子が埋め、0.1μm以下の小径成分の粒子
が主に活物質の表面を後述する特定の範囲内で覆い、正
極の導電性が十分に確保される。当該導電材において、
大径成分と小径成分の重量比が上記範囲を外れて、大径
成分の量が多過ぎる場合や小径成分の量が多すぎる場
合、正極の十分な導電性が得られず、また特に大径成分
の量が多すぎる場合は放電初期の急激な放電降下を助長
させることがあり、また特に小径成分の量が多すぎる場
合は、安全性が低下する傾向となる。当該導電材におけ
る好ましい大径成分と小径成分の重量比は1:0.1〜
1:0.5である。
状、球状、擬似球状、塊状、ウィスカー状などが含ま
れ、2種以上の形状の異なる粒子が混在していてもよ
い。粒状の導電材には、通常、炭素材料が使用される。
該炭素材料としては、人造あるいは天然の黒鉛類(黒鉛
化炭素)、ケッチェンブラック、アセチレンブラック、
オイルファーネスブラック、イクストラコンダクティブ
ファーネスブラックなどのカーボンブラック類などが挙
げられる。これらの炭素材料はいずれか1種または2種
以上の材料を混合してもよいが、大径成分が黒鉛類から
なり、かつ、小径成分がカーボンブラックからなる態様
が好ましく、さらに、大径成分の黒鉛類においては、結
晶格子の面間距離(d002)が0.34nm以下、c
軸方向の結晶子寸法(Lc)が10nm以上の黒鉛化炭
素がより好ましく、小径成分のカーボンブラックにおい
てはオイルファーネスブラックであるのがより好まし
い。
上記大径成分と小径成分の間にある粒子を含んでいても
よく、また、このような粒子とともに、その粒径が大径
成分のそれよりも大きい粒子をさらに含んでいてもよい
が、これらの粒子を含む場合、その量は全体の30重量
%未満である。大径成分の粒径よりも大きい粒子や大径
成分と小径成分との間の粒径の粒子といった本願発明で
いう主成分以外の成分を導電材全体の30重量%以上含
むと、大径成分が活物質間の隙間を埋め、かつ小径成分
が特定の範囲内で活物質表面を覆うことによる、優れた
導通性およびリチウムイオンの放出性が得られにくくな
る傾向にあるため好ましくない。また活物質の小径成分
によって覆われる割合を、後述する特定の範囲内としや
すくなる観点から、小径成分の粒径は0.001μm以
上であるのが好ましい。
合が5%〜50% 本発明では、正極塗工物層内において活物質の表面の5
%〜50%、好ましくは10%〜40%、より好ましく
は25%〜40%が上記小径成分の導電材によって覆わ
れるように実現される。上記導電材が活物質の表面の5
0%を超えて覆うような場合には、これを用いたリチウ
ムイオン二次電池において、電解液が活物質表面に接触
する機会が低下するとともにリチウムイオンの機動性も
低下し、室温(20℃)でのレート特性、低温特性など
の電池特性が劣化してしまう不具合がある。さらに上記
の場合には、活物質の表面の多くが覆われ活物質の見か
け上の表面積が向上するので、該活物質からの酸素脱離
が容易に進行しやすくなってしまい安全性に問題が生じ
てしまう。また、活物質が上記導電材によってその表面
の5%未満しか覆われないような場合には、導電性が充
分に得られず、結果的には電極の抵抗を上昇させ電池容
量の低下あるいはサイクル特性の低下が生じる不具合が
ある。
の融点が165℃以下 本発明の正極板は、上記〔1〕〜〔3〕の構成に加え、
融点が165℃以下のポリフッ化ビニリデン(以下、
「PVdF」ともいう)を塗工物層の結着剤として使用
することを最も大きな特徴とする。上述のように正極板
は、集電体上に、活物質、導電材および高分子バインダ
ーを含むスラリーを塗工し、これを乾燥、圧延して、集
電体上に、多孔性の塗工物層を形成することで得られ
る。かかる塗工物層における空孔率の制御は、乾燥温度
や圧延時の圧力等で調整するのが簡単であるため、専ら
この方法で行われている。塗工物層の空孔率は電解液の
保持性(含浸性)の観点からはより大きいことが好まし
い。しかし、空孔率が大きいことは、その分、構成材料
(活物質、導電材、高分子バインダー等)間の結合力が
小さくなるので、充放電サイクルの繰り返しによる温度
変化等によって、塗工物層の多孔構造が壊れやすく、そ
のために放電特性の低下を起こすことになってしまう。
を結着剤として使用することで、高い空孔率を有しなが
らも、安定な多孔構造の塗工物層を実現することができ
る。これは、融点が165℃以下のPVdFは、溶媒に
溶解してスラリーを調整した場合に、従来の融点が17
0℃〜180℃程度のPVdFを使用した場合とはスラ
リー中で異なる挙動を示し(活物質表面へポリマーの絡
みかたが異なる)、スラリーを乾燥して得られる塗工物
層内に空孔を作りやすく、また、スラリーの乾燥過程
で、従来の融点が高いPVdFよりもその結晶化度が高
くなり、安定な多孔構造を形成するものと考えられる
(すなわち、集電体上に塗工されたスラリーの乾燥時、
その熱履歴によって集電体の機械的強度が低下し、圧
延、捲回作業時等に集電体が切断されやすくなるという
問題があるため、スラリーの乾燥は通常このような問題
が起こらないように80℃〜150℃程度で行われる
が、融点が165℃以下のポリフッ化ビニリデンは、従
来から用いられてきたPVdF(融点が170℃〜18
0℃程度)に比べて、スラリーの乾燥時に結晶化がより
進行し、活物質、導電材等との結合力が高くなり、塗工
物層は従来よりも安定な多孔構造を形成すものと考えら
れる。)。
フッ化ビニリデンは、好ましくは融点が150℃〜16
5℃、より好ましくは155℃〜160℃であり、ま
た、232℃で測定した溶融粘度が29kps〜33k
ps(キロポイズ)であるものが特に好ましい。
においては、上記〔1〕〜〔4〕の特徴を同時に兼ね備
える。このような本発明の正極板は、上述したように、
上記の活物質、導電材およびPVdFを少なくとも含む
スラリーを調製し、該スラリーを集電体上に塗工し、次
いで乾燥し、得られた塗工物層にさらに圧延処理を施す
ことにより作製される。
およびPVdFを適当な溶媒とともに混練することで行
われる。溶媒は特に限定されないが、N−メチルピロリ
ドンが好ましい。また、混練は、例えば、プラネタリデ
ィスパ混練装置(浅田鉄工所製)などの従来公知の混練
装置を用いて行うことができ、最終的なスラリーの粘度
(25℃)が概ね3000cps〜30000cps
(センチポイズ)となるように行う。なお、ここでの粘
度(25℃)はB型粘度計で6rpmの回転速度で測定
した値である。
ールタイプあるいはダイコートタイプの塗工機などの従
来公知の塗工機により行われ、スラリーの乾燥は、集電
体上に塗工されたスラリーを、集電体とともに温風乾燥
炉などの乾燥装置を使用して、80℃〜200℃、好ま
しくは100℃〜180℃の温度範囲で、5分間〜20
分間乾燥させる。なお、スラリーの塗工量は集電体上に
おける乾燥後の付着物の量を、活物質の量で示すとし
て、好ましくは1mg/cm2〜100mg/cm2程度
である。
を用いて、圧延温度を好ましくは20℃〜100℃、よ
り好ましくは25℃〜50℃、特に好ましくは20℃〜
35℃として、圧延率が好ましくは10%〜40%、よ
り好ましくは20%〜40%、特に好ましくは25%〜
35%となるように行う。ここで、圧延率とは、圧下率
などとも呼ばれる圧延の加工度を表す尺度であり、圧延
前の厚みをh1、圧延後の厚みをh2、集電体の厚みを
h3とするとき、下記式(I)で算出される。 圧延率(%)=(h1−h2)×100/(h1−h3) (I)
であると、低温圧延のためスプリングバックが発生し、
これで得られた正極板を用いたリチウムイオン二次電池
の安全性が低下するとともに、低圧延率の圧延のため設
計容量が得られなかったり塗工物層と集電体との間の密
着性が低下したりする不具合があるため好ましくない。
また圧延温度および圧延率が共に上記範囲を超えると、
高温圧延のため電解液の含浸の際に含浸が進行せず抵抗
の高い電極となってしまうとともに、高圧延率のためハ
イレート特性が著しく低下してしまう不具合があるため
好ましくない。また圧延率が上記範囲内でありかつ圧延
温度が上記範囲未満であると、設計容量は得られるもの
のスプリングバックが原因となり、リチウムイオン二次
電池の安全性が低下してしまう不具合があるため好まし
くなく、圧延率が上記範囲内でありかつ圧延温度が上記
範囲を超えると、設計容量は得られるものの電解液の含
浸不足に起因して電極の抵抗が大きくなってしまう不具
合があるため好ましくない。またさらに圧延温度が上記
範囲内でありかつ圧延率が上記範囲未満であると、圧延
を充分に行うことができず、塗工物層と集電体との間の
密着性の低下によるサイクル特性の劣化という不具合が
あるため好ましくなく、また圧延温度が上記範囲内であ
りかつ圧延率が上記範囲を超えると、レート特性の低下
が引き起こされてしまう不具合があるため好ましくな
い。
上記の如き小径成分の導電材により活物質が表面を覆わ
れる割合が5%〜50%であり、かつ充分に多孔な塗工
物層を備える正極板を得ることができる。このような正
極板を使用することで、低温特性、ハイレート特性およ
びサイクル特性のいずれもが、従来と比較して格段に優
れたリチウムイオン二次電池を得ることができる。
ン二次電池は、電解液として、23℃における粘度が3
cps以下、より好ましくは2cps以下であるものを
使用するのが好ましい。即ち、電解液の粘度がかかる3
cps以下の低粘度であることにより、電解液が塗工物
層の空孔に十分に浸透し、保持され、活物質との間でL
iイオンの挿入・脱離が活発に行われ、十分に高い放電
容量が得られるためである。電解液の上記粘度が3cp
sより大きくなると、電解液が塗工物層中に十分量保持
されず、低温特性およびサイクル特性が低下してしまう
傾向にあるため好ましくない。また電解液の粘度は、
0.1cps以上であるのがより好ましい。電解液の粘
度が0.1cps未満になると、揮発性が増し高温保存
特性が低下する傾向があるからである。
液は、ジエチルカーボネート(DEC)およびエチルメ
チルカーボネート(EMC)から選ばれる少なくとも一
種と、エチレンカーボネート(EC)と、プロピレンカ
ーボネート(PC)と、ジメチルカーボネート(DM
C)との混合溶媒によって達成するのが好ましい。
およびプロピレンカーボネート(PC)の合計量を全体
の25体積%以下にするのが好ましく、具体的組成とし
ては、例えば、ジエチルカーボネートおよびエチルメチ
ルカーボネートから選ばれる少なくとも一種を25体積
%〜50体積%(好ましくは30体積%〜35体積
%)、エチレンカーボネートを4体積%〜20体積%
(好ましくは6体積%〜18体積%)、プロピレンカー
ボネートを3体積%〜17体積%(好ましくは5体積%
〜15体積%)、ジメチルカーボネートを40体積〜6
0体積%(好ましくは45体積%〜55体積%)が挙げ
られる。
カーボネートから選ばれる少なくとも一種においては、
上記混合比が25体積%未満であると、電解液の凝固点
が上昇して、特に−20℃以下の低温下において、電池
の内部抵抗を増大させ、充放電サイクル特性および低温
特性を低下させることがあり好ましくない。一方、上記
混合比が50体積%を超えると電解液の粘度が上昇して
電池の内部抵抗を増大させ、充放電サイクル特性を低下
させることがあり好ましくない。
合比が4体積%未満であると、負極板表面で安定な皮膜
が形成されにくく、サイクル特性を低下させる恐れがあ
り好ましくない。また上記混合比が20体積%を超える
と、電解液の粘度が上昇して電池の内部抵抗を増大さ
せ、充放電サイクル特性が低下させることがあり好まし
くない。
混合比が3体積%未満であると充放電サイクルに伴うイ
ンピーダンスの増加の抑制効果が小さくなり、サイクル
特性を低下させる恐れがあり好ましくない。上記混合比
が17体積%を超えると、電解液の粘度が上昇して電池
の内部抵抗を増大させ、充放電サイクル特性を低下させ
ることがあり好ましくない。
合比が40体積%未満であると電解液の粘度が上昇して
電池の内部抵抗を増大させ、充放電サイクル特性を低下
させることがあり好ましくない。上記混合比が60体積
%を超えると、電解液の揮発が容易に進行し、高温特性
が低下する傾向にあるため好ましくない。
ClO4、LiBF4、LiPF6、LiAsF6、LiA
lCl4およびLi(CF3SO2)2Nから選ばれる一種
または二種以上が好適であり、その非水溶媒中の濃度
は、好ましくは0.1モル/L〜2モル/L、より好ま
しくは0.5モル/L〜1.8モル/Lがよい。リチウ
ム塩の濃度が0.1モル/L未満であると、電解液とし
てのイオン伝導度が十分に得られず、リチウム塩の濃度
が2モル/Lを超えると、電解液の粘度が上昇し、3c
ps以下の低粘度を実現することが困難になる。
は、正極板として上記構成を有するものを使用していれ
ばよく、好ましくは電解液として上記粘度を有するもの
を使用するならば、その他の構成について特に制限され
るものではない。以下、本発明において好適に使用され
る、その他の構成について説明する。
化物は、上述のように平均粒径が15μmであって、か
つ平均粒径[μm]と比表面積[m2/g]との積で2
0を割って得られる値が7〜9となる、即ち、下記の式
(II)を満たすものがとりわけ好ましい。 7≦〔20/(比表面積[m2/g]×平均粒径[μm])〕≦9 (II) 該20/(比表面積[m2/g]×平均粒径[μm])
の値が、7〜9の範囲であると、活物質自体の抵抗成分
が減少して、サイクル特性、低温特性、さらにはレート
特性がより向上する。なお、当該20/(比表面積[m
2/g]×平均粒径[μm])の値は、7.5〜8.5
であるのがより好ましい。このような条件を満たすLi
−Co系複合酸化物は、一般的なものに比して、その平
均粒径に対して比表面積が小さなものであり、このよう
なLi−Co系複合酸化物の表面について小径成分の導
電材により覆われる割合を上記のように5%〜50%と
することで、良好な低温特性およびハイレート特性が得
られる。上記平均粒径と式(II)の条件とを同時に満
たすLi−Co系複合酸化物は、たとえば、特開200
0−327338号公報に記載された方法にて作製する
ことができる。
とも、上記の活物質、導電材およびPVdFを含んで構
成されるが、活物質100重量部に対して、導電材の量
は3〜15重量部が好ましく、3.5重量部〜12重量
部がより好ましく、とりわけ好ましくは4重量部〜8重
量部である。また、PVdFの量は活物質100重量部
に対して、1重量部〜10重量部が好ましく、2重量部
〜7重量部がより好ましく、とりわけ好ましくは3重量
部〜6重量部である。導電材の量が3重量部未満の場
合、正極の導電性が十分に高くならず、15重量部を超
える場合には、活物質の充填量が低下し、目標である容
量が得られないため好ましくない。また、PVdFの量
が1重量部未満である場合、塗工物層を構成する材料間
の結合が不十分となり、活物質の剥がれが生じやすくな
り、特にサイクル特性が低下してしまう。また、PVd
Fの量が10重量部を超える場合、塗工物層(正極)の
十分に高い導電性が得られなくなり、特に低温特性、ハ
イレート特性が低下してしまう。
体としては、たとえばアルミニウム、アルミニウム合
金、チタンなどで形成された箔やエキスパンドメタルな
ど従来と同様のものが利用できる。なお、集電体が箔や
穴あき箔の場合は、その厚みは通常10〜100μm程
度であり、好ましくは15〜50μm程度である。集電
体がエキスパンドメタルの場合は、その厚みは通常25
〜300μm程度、好ましくは30〜150μm程度で
ある。
負極板にも特に制限はないが、好適な負極活物質として
は炭素材料が用いられ、そのうちでも、比表面積が好ま
しくは2.0m2/g以下、より好ましくは0.5m2/
g〜1.5m2/gで、結晶格子の面間距離(d00
2)が好ましくは0.3380nm以下、より好ましく
は0.3355nm〜0.3370nmで、c軸方向の
結晶子寸法(Lc)が好ましくは30nm以上、より好
ましくは40nm〜70nmである黒鉛化炭素が好適で
あり、このような黒鉛化炭素の具体例としてはメソフェ
ーズ系黒鉛化炭素が挙げられる。
プロピレンカーボネートを含む場合に、充電時のプロピ
レンカーボネートの分解反応による電池容量の低下を防
止できる。また、上記の結晶格子の面間距離(d00
2)およびc軸方向の結晶子寸法(Lc)を有すること
で、負極板の電位上昇を抑制でき、電池の平均放電電位
がより安定化する。
粒子形状は特に限定されず、例えば、鱗片状、繊維状、
球状、擬似球状、塊状、ウィスカー状などが挙げられ
る。但し、集電体への塗布が容易であり、塗布後の粒子
の配向を制御できる点から、繊維状であるのが好まし
い。よって、本発明においては、負極の活物質は繊維状
のメソフェーズ系黒鉛化炭素(即ちメソフェーズ系黒鉛
化炭素繊維)が特に好適である。メソフェーズ系黒鉛化
炭素繊維の製造方法の好ましい一例を以下に示す。
などのピッチ類を溶融ブロー法により長さ200μm〜
300μm程度の繊維に紡糸する。該ピッチ類として
は、メソフェーズの含有量が70体積%以上のメソフェ
ーズピッチを用いるのが特に好ましい。次に、この繊維
を800℃〜1500℃で炭素化し、ついで適当な大き
さたとえば平均繊維長1μm〜100μm程度、平均繊
維径1μm〜15μm程度に粉砕する。続いて、この粉
砕された繊維を2500℃〜3200℃、好ましくは2
800℃〜3200℃で加熱して黒鉛化することでメソ
フェーズ系黒鉛化炭素繊維が得られる。
性を良好とする点からは、上記の粉砕は平均繊維長が好
ましくは1μm〜100μm、より好ましくは2μm〜
50μm、とりわけ好ましくは3μm〜25μmとなる
ように、また平均繊維径が好ましくは0.5μm〜15
μm、より好ましくは1μm〜15μm、とりわけ好ま
しくは5μm〜10μmとなるように行うのが好まし
い。この時、アスペクト比(平均繊維径に対する平均繊
維長の比)は、1〜5となるのが好ましい。
当分野での一般的な方法を適用できるが、負極活物質と
高分子バインダーを含むスラリーを調製し、該スラリー
を集電体上に塗工、乾燥し(塗工物層を形成し)、必要
に応じて圧延処理を施して作製する方法が好ましい。こ
こでの、高分子バインダーとしては、特に限定はされな
いが、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリ
デン、ポリエチレン、エチレン−プロピレン−ジエン系
ポリマー等が好適である。
質とともに導電材を配合してもよい。この場合、導電材
としては、平均粒径が5μm以下の天然黒鉛、人造黒
鉛、カーボンブラックなどが好ましい。また、負極板に
用いる集電体としては、従来と同様のものが利用でき、
銅、ニッケル、銀、ステンレスなどで形成された箔やエ
キスパンドメタルが挙げられる。
介在させるが、当該セパレータには、ポリオレフィンセ
パレータ等の従来からリチウムイオン二次電池で使用さ
れている公知のセパレータが使用される。ここで、セパ
レータは多孔質状のものでも、実質的に孔形成を行って
いない、中実のセパレータでもよい。また、ポリオレフ
ィンセパレータはポリエチレン層単体やポリプロピレン
層単体のものでもよいが、ポリエチレン層とポリプロピ
レン層とを積層したタイプが好ましく、特に安全性の点
からポリプロピレン層/ポリエチレン層/ポリプロピレ
ン層の3層タイプが好ましい。
れない。従来からリチウムイオン二次電池で使用されて
いる公知のものを使用でき、例えば、Fe、Fe(Ni
メッキ)、SUS、アルミ、アルミ合金等の金属からな
る円筒缶、角筒缶、ボタン状缶等や、ラミネートフィル
ム等のシート状の外装材が使用される。ラミネートフィ
ルムとしては、銅、アルミニウム等の金属箔の少なくと
も片面にポリエステル、ポリプロピレン等の熱可塑性樹
脂ラミネート層が形成されたものが好ましい。
の測定方法を記載する。 導電材にて覆われる活物質表面の割合 たとえば、従来公知の方法である電子プローブ微小分析
法(EPMA)による元素分析によって判定できる。具
体的には、該正極板の任意の部分を切り取り、これに導
電性を付与するためスパッタリング蒸着法によって金蒸
着を施しサンプルとする。このサンプルに対してたとえ
ばX線マイクロアナライザーJXA−8600MA(日
本電子株式会社製)を用いて炭素元素を対象とした元素
分析を行い、その元素マッピングから、炭素元素がサン
プル全体に占める割合を算出することによって、正極活
物質の導電材によって覆われる表面の割合を算出する。
また、走査電子顕微鏡(SEM)写真による画像解析に
よっても判定できる。具体的には、該正極板の任意の部
分を1cm×1cmに切り取り、これに導電性を付与す
るためスパッタリング蒸着法によって金蒸着を施しサン
プルとする。このサンプルについて任意の100μm×
100μmの面積を走査電子顕微鏡を用いて観察し、正
極活物質の導電材によって覆われる表面部分の面積を画
像解析によって求め、この表面部分のサンプル全体に対
する割合を算出する。 ポリフッ化ビニリデンの融点 DSC(示唆走査熱量計)を用い、昇温速度5℃/mi
nとし室温(20℃)〜300℃の範囲にて測定を行
う。 ポリフッ化ビニリデンの溶融粘度(232℃) キャピログラフ(東洋精器製)を用い、測定する。 電解液の粘度(23℃) ウベローデ型粘度計を用いて測定する。 Li−Co系複合酸化物および正極板用の導電材の粒
径(平均粒径) マイクロトラック粒度分析計(島津製作所(株)製、S
ALD−3000J)を使用して測定する。手順は、最
初に、測定対象となる粒状物を、水やエタノールなどの
有機液体に投入し、35kHz〜40kHz程度の超音
波を付与して約2分間分散処理を行う。ここで、測定対
象となる粒状物の量は、分散処理後の分散液のレーザ透
過率(入射光量に対する出力光量の比)が70%〜95
%となる量とする。次に、この分散液をマイクロトラッ
ク粒度分析計にかけ、レーザー光の散乱により個々の粒
状物の粒径(D1、D2、D3・・)、および各粒径毎
の存在個数(N1、N2、N3・・・)を計測する。こ
の粒径分布の計測は、観測された散乱強度分布に最も近
い理論強度になる球形粒子群の粒径分布として算出され
る(粒子は、レーザー光の照射によって得られる投影像
と同面積の断面円を持つ球体と想定され、この断面円の
直径(球相当径)が粒径として計測される)。平均粒径
(μm)は、個々の粒子の粒径(D)と各粒径毎の存在
個数(N)とから、下記式により算出される。 平均粒径(μm)=(ΣND3/ΣN)1/3 なお、粒径が1μm以下の粒子は分散液中で凝集する場
合があり、このような凝集が生じる場合には、電子顕微
鏡を用いて測定する。すなわち、最初に視野に粒子が2
0個以上入るよう倍率を設定して電子顕微鏡写真を撮影
し、次に、写真に写った各粒子の像の面積を算出し、さ
らにこの算出された面積から同面積を持つ円の直径を算
出し(この直径の断面円をもつ球体と想定する)、この
直径を粒径とする。 Li−Co系複合酸化物および負極板用の活物質(黒
鉛化炭素)の比表面積比表面積計モノソーブ(クアンタ
クロム社製)を使用し、窒素を吸着体とする気相吸着法
(一点法)により測定する。 正極板用の導電材(黒鉛化炭素)および負極板用の活
物質(黒鉛化炭素)の結晶格子の面間距離(d002)
とc軸方向の結晶子寸法(Lc) 日本学術振興会法により、以下の手順で測定する。最初
に、X線標準用高純度シリコンをメノウ乳鉢で325メ
ッシュ標準篩以下に粉砕して標準物質を作製し、この標
準物質と被測定試料の黒鉛化炭素とをメノウ乳鉢で混合
(黒鉛化炭素100重量%に対して標準物質10重量
%)してX線用試料を作製し、次に、このX線用試料
を、たとえばX線回析装置RINT2000(理学電機
社製、X線源:CuKα線)の試料板に均一に充填す
る。次に、X線管球への印加電圧を40kV、印加電流
を50mAに設定し、更に走査範囲を2θ=23.5度
〜29.5度、スキャンスピードを0.25度/min
として、炭素の002ピークおよび標準物質の111ピ
ークを測定する。続いて、得られたピーク位置およびそ
の半値幅から、上記のX線回析装置に付属の黒鉛化度計
算用ソフトを用いて、結晶格子の面間距離(d002)
およびc軸方向の結晶子寸法(Lc)を算出する。
す。 実施例1 〔正極板の作製〕正極活物質としてのLiCoO2(平
均粒径:18μm、20/(平均粒径×比表面積):
8.5)91重量部と、導電材としての球状黒鉛化炭素
(平均粒径:6μm、結晶格子の面間距離:0.336
0nm、c軸方向の結晶子寸法:60nm)5重量部
と、同じく導電材としてのオイルファーネスブラック
(平均粒径:0.01μm)1重量部と、高分子バイン
ダーとしての融点が160℃のポリフッ化ビニリデン
(PVdF)(アウジモント社製、ハイラー301F)
3重量部とを、N−メチルピロリドン中に均一に分散し
てなる正極活物質組成物を、混練してスラリーとした。
ここで、球状黒鉛化炭素とオイルファーネスブラックか
らなる導電材全体における大径成分(粒径が4μm〜8
μmの範囲の粒子)の割合は75重量%で、小径成分
(0.1μm以下の粒子)の割合は15重量%で、これ
ら以外の粒径の粒子の割合は10重量%であった。
箔(厚み:20μm)の両面上に塗布し、140℃で、
5分間乾燥させ、ついで圧延温度が30℃、圧延率が3
0%の圧延条件で圧延処理して集電体上に塗工物層を形
成し、アルミニウム箔の片面あたり20mg/cm2の
LiCoO2を有する正極板とした。スラリーの塗工直
前の粘度は8000cpsであった。X線マイクロアナ
ライザーJXA−8600MA(日本電子株式会社製)
を用いたEPMAで炭素元素を対象とした元素マッピン
グによって、導電材に覆われる活物質の表面の割合を測
定したところ、38%であった。
炭素メルブロンメルド FM−14(比表面積:1.3
2m2/g、結晶格子の面間距離:0.3364nm、
c軸方向の結晶子寸法:50nm)95重量部と、バイ
ンダーとなるポリフッ化ビニリデン(PVdF)5重量
部と、N−メチルピロリドン50重量部とを混合してス
ラリー化し、このスラリーを集電体となる銅箔(厚み:
14μm)の両面に塗布し、乾燥させた。なお負極活物
質の結晶格子の面間距離およびc軸方向の結晶子寸法に
ついては、上記の球状黒鉛化炭素と同様に測定を行っ
た。次に、この銅箔に当業者が一般に行う圧延条件(圧
延温度:120℃、圧延率:20%)によって圧延処理
を行い、負極板を得た。
体積%と、エチルメチルカーボネート29体積%と、エ
チレンカーボネート11体積%と、プロピレンカーボネ
ート9体積%と、ジメチルカーボネート47体積%との
混合溶媒に、LiPF6を、その濃度が1.0モル/L
(調製後の電解液に対し)となるように溶解させて電解
液を調製した。該電解液の粘度(23℃)は、1.9c
psであった。
作製した正極板と負極板とを、多孔質のポリエチレン−
ポリプロピレン複合セパレータを介して捲巻し、これを
円筒型の電池缶(外径:18mm、高さ:650mm)
に収容した。さらに、上記で得た電解液をセパレータに
含浸させ、リチウムイオン二次電池を作製した。
20/(平均粒径×比表面積):8.0)を用い、実施
例1に記載の方法と同じ条件で正極板を得、かつ電解液
としてジエチルカーボネート7体積%と、エチルメチル
カーボネート23体積%と、エチレンカーボネート10
体積%と、プロピレンカーボネート10体積%と、ジメ
チルカーボネート50体積%との混合溶媒に、LiPF
6を、その濃度が1.0モル/L(調製後の電解液に対
し)となるように溶解させて調製したものを用いた以外
は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作
製した。導電材に覆われる活物質の表面の割合は40
%、電解液の粘度(23℃)は、2.1cpsであっ
た。
20/(平均粒径×比表面積):7.5)を用い、実施
例1に記載の方法と同じ条件で正極板を得、かつ電解液
としてジエチルカーボネート16体積%と、エチルメチ
ルカーボネート16体積%と、エチレンカーボネート1
0体積%と、プロピレンカーボネート15体積%と、ジ
メチルカーボネート43体積%との混合溶媒に、LiP
F6を、その濃度が1.0モル/L(調製後の電解液に
対し)となるように溶解させて調製したものを用いた以
外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を
作製した。導電材に覆われる活物質の表面の割合は18
%、電解液の粘度(23℃)は、2.4cpsであっ
た。
20/(平均粒径×比表面積):8.3)を用い、実施
例1に記載の方法と同じ条件で正極板を得、かつ電解液
としてジエチルカーボネート4体積%と、エチルメチル
カーボネート29体積%と、エチレンカーボネート7体
積%と、プロピレンカーボネート7体積%と、ジメチル
カーボネート53体積%との混合溶媒に、LiPF
6を、その濃度が1.0モル/L(調製後の電解液に対
し)となるように溶解させて調製したものを用いた以外
は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作
製した。導電材に覆われる活物質の表面の割合は28
%、電解液の粘度(23℃)は、1.5cpsであっ
た。
20/(平均粒径×比表面積):7.5)を用い、実施
例1と同じ条件で正極板を得、かつ電解液としてジエチ
ルカーボネート4体積%と、エチルメチルカーボネート
29体積%と、エチレンカーボネート20体積%と、プ
ロピレンカーボネート20体積%と、ジメチルカーボネ
ート27体積%との混合溶媒に、LiPF6を、その濃
度が1.0モル/L(調製後の電解液に対し)となるよ
うに溶解させて調製したものを用いた以外は、実施例1
と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。導電
材に覆われる活物質の表面の割合は35%、電解液の粘
度(23℃)は、3.5cpsであった。
0/(平均粒径×比表面積):8.9)を用い、実施例
1に記載の方法と同じ条件で正極板を得、かつ電解液と
してジエチルカーボネート4体積%と、エチルメチルカ
ーボネート29体積%と、エチレンカーボネート11体
積%と、プロピレンカーボネート9体積%と、ジメチル
カーボネート47体積%との混合溶媒に、LiPF
6を、その濃度が1.0モル/L(調製後の電解液に対
し)となるように溶解させて調製したものを用いた以外
は、実施例1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作
製した。導電材に覆われる活物質の表面の割合は28
%、電解液の粘度(23℃)は、1.9cpsであっ
た。
20/(平均粒径×比表面積):7.5)を用い、大径
成分の導電材を配合しなかった以外は、実施例1と同じ
条件で正極板を得た以外は、実施例1と同様にしてリチ
ウムイオン二次電池を作製した。
20/(平均粒径×比表面積):7.5)を用い、また
導電材として実施例1と同じ球状黒鉛化炭素のみを5重
量部配合し、小径成分の導電材を配合しなかった以外
は、実施例1と同じ条件で正極板を得た以外は、実施例
1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
20/(平均粒径×比表面積):8.3)を用い、また
導電材を配合しない以外は、実施例1と同じ条件で正極
板を得た以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン
二次電池を作製した。導電材に覆われる活物質の表面の
割合は65%であった。
20/(平均粒径×比表面積):7.5)を用い、実施
例1の2倍の時間をかけて混練した以外は、実施例1と
同じ条件で正極板を得た以外は、実施例1と同様にして
リチウムイオン二次電池を作製した。スラリーの塗工直
前の粘度は7000cps、導電材に覆われる活物質の
表面の割合は65%であった。
径:6μm、結晶格子の面間距離:0.3360nm、
c軸方向の結晶子寸法:60nm)と、0.08重量部
のオイルファーネスブラック(平均粒径:0.01μ
m)を使用した以外は、実施例1と同様にして正極板を
作製した。なお、導電材全体における大径成分(粒径が
4μm〜8μmの範囲の粒子)の割合は99.4重量%
で、小径成分(0.1μm以下の粒子)の割合は0.5
重量%で、これら以外の粒径の粒子の割合は0.1重量
%であった。このような正極板を用いた以外は、実施例
1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。導
電材に覆われる活物質の表面の割合は、45%であっ
た。
6μm、結晶格子の面間距離:0.3360nm、c軸
方向の結晶子寸法:60nm)と、5重量部のオイルフ
ァーネスブラック(平均粒径:0.01μm)を使用し
た以外は、実施例1と同様にして正極板を作製した。な
お、導電材全体における大径成分(粒径が4μm〜8μ
mの範囲の粒子)の割合は40重量%で、小径成分
(0.1μm以下の粒子)の割合は50重量%で、これ
ら以外の粒径の粒子の割合は10重量%であった。この
ような正極板を用いた以外は、実施例1と同様にしてリ
チウムイオン二次電池を作製した。導電材に覆われる活
物質の表面の割合は、68%であった。
リデンに変更した以外は実施例1と同様にして正極板を
作製した。導電材に覆われる活物質の表面の割合は、6
0%であった。
よび比較例1〜8の各リチウムイオン二次電池につい
て、以下の手順で低温特性試験、ハイレート放電試験、
サイクル特性試験および釘刺し試験を行った。
イオン二次電池について室温で充電を行なった後、これ
を−20℃の大気雰囲気中に24時間放置する。なお、
充電は、1C(1600mA)定電流で電圧が4.2V
となるまで電流を流した後、続いて全充電時間が2.5
時間となるまで4.2V定電圧で電流を流して行なっ
た。次に、この−20℃の大気雰囲気中で0.5C(8
00mAh)/2.5Vカットオフで放電を行い、その
時の放電容量〔mA・H〕を求める。また、室温(20
℃)でも同様の条件で充電と放電とを行い、放電容量
〔mA・H〕を求める。さらに、−20℃下での放電容
量を室温下での放電容量で割って放電容量変化率〔%〕
を求めた。
で、2C(3600mAの定電流)放電を行い、その放
電容量の0.2C(360mAの定電流)放電時の放電
容量〔%〕に対する割合(容量維持率)を算出した。
ウムイオン二次電池について1C/1Cの充放電を室温
(20℃)下で500サイクル行い、1サイクル時と5
00サイクル時について、放電電流値と放電時間とから
放電容量〔mA・H〕を算出する。次に、500サイク
ル時の放電容量〔mA・H〕を1サイクル目の放電容量
〔mA・H〕で割って放電容量変化率〔%〕を求めた。
となるまで充電し、充電後直ちに外径3mmの釘を、各
リチウムイオン二次電池の正極端子と負極端子との間の
略中央辺りにおいて4cm/秒の速度で刺し込んで電池
を貫通させ、10本中での発火本数を調べる安全性の試
験を行った。発火本数が0本であったものを○、1本で
もあったものを×とした。
のリチウムイオン二次電池は、低温特性、ハイレート放
電特性およびサイクル特性の何れにも優れていることが
分かる。また、釘さし試験の結果、安全性にも優れるこ
とが分かった。これに対し、表2に示すように各パラメ
ータの範囲外となった場合は、いずれか一つあるいは複
数の特定項目を満足できない電池であることが明らかで
ある。
よれば、従来よりも、低温特性、サイクル特性およびハ
イレート放電特性のいずれも大きく改善され、さらには
確実に安全なリチウムイオン二次電池、およびそれに用
いるための正極板を提供することができる。従って、観
測機器や通信機器、さらには電気自動車や電力貯蔵機器
といった、低温下で使用が想定され、かつ、大電流放電
も必要とされる機器にも、好適に用いることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 平均粒径が15μm以上のLi−Co系
複合酸化物からなる活物質と、 粒径が4μm〜8μmの範囲内にある大径成分および粒
径が0.1μm以下の小径成分の合計量が全体の70重
量%以上であり、かつ、大径成分と小径成分の重量比が
1:0.01〜1:1である粒状の導電材と、 結着剤とを含む塗工物層を、該層内において活物質の表
面の5%〜50%が導電材の小径成分によって覆われる
ように集電体上に形成してなるリチウムイオン二次電池
用の正極板であって、 上記結着剤が、融点165℃以下のポリフッ化ビニリデ
ンである、リチウムイオン二次電池用正極板。 - 【請求項2】 請求項1に記載の正極板を用いたリチウ
ムイオン二次電池であって、23℃における粘度が3c
ps以下の電解液を用いたものであるリチウムイオン二
次電池。
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