JP2003155531A - 耐摩耗性、耐焼付性に優れた摺動材料用黄銅系合金 - Google Patents

耐摩耗性、耐焼付性に優れた摺動材料用黄銅系合金

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JP2003155531A
JP2003155531A JP2001350405A JP2001350405A JP2003155531A JP 2003155531 A JP2003155531 A JP 2003155531A JP 2001350405 A JP2001350405 A JP 2001350405A JP 2001350405 A JP2001350405 A JP 2001350405A JP 2003155531 A JP2003155531 A JP 2003155531A
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Hidemasa Takeuchi
英昌 竹内
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KAIBARA KK
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KAIBARA KK
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 Zn:27.0〜33.0質量%,Mn:2.0 〜
3.5 質量%,Si:0.5〜1.5 質量%,Ni:1.0 〜2.5
質量%,Bi:2.0 〜4.5 質量%,を含有し、残部が
Cuおよび不可避的不純物からなる耐摩耗性、耐焼付性
に優れた摺動材料用黄銅系合金。 【効果】 黄銅系合金のα相、或いはα+β相の母材に
微細なマンガン珪化物(Mn5Si3)を分散させて耐摩耗性
を向上させると共に、環境や衛生面に配慮して有害物で
はないBi粒子を均一に分布させて耐焼付性を向上させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、各種産業機械の摺
動用材料に適するよう耐摩耗性、耐焼付性に優れ、しか
も、環境や衛生面に配慮した黄銅系合金に関するもので
ある。 【0002】 【従来の技術】従来、銅合金系の摺動用材料としては、
BC系,LBC系,PBC系のものが多く使用されてい
る。しかしながら、これらの材料はいずれも強度が弱い
ので、近年の連続的高速・高圧条件のような過酷な条件
下に使用する摺動用材料としては不十分である。また、
AlBC系やHBSC系のものは強度面では優れている
ものの、耐焼付性に問題があり、相手方の表面硬さを高
くする必要がある。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】すなわち、JISに規
定されているものは、上記したように、いずれも過酷な
条件で使用する摺動用材料としては満足できるものでは
ない。特に鉛を含有するものは、環境や衛生面に悪影響
を与えるという問題がある。 【0004】また、銅合金のなかで広く採用されている
アルミニウム青銅系のものは、機械的強度,特に疲労強
度には優れているものの、耐焼付性は大変劣っている。
一方、高力黄銅系合金は、抗張力や靱性が優れているこ
とから、広く採用されているが、耐摩耗性の点でアルミ
ニウム青銅より劣っている。 【0005】本発明は、上記した従来の銅合金系摺動用
材料にあった問題点を解決し、耐摩耗性と耐焼付性を高
いレベルで両立させ、しかも、環境や衛生面に配慮した
摺動材料用黄銅系合金を提供することを目的としてい
る。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記した目的を達成する
ために、本発明の摺動材料用黄銅系合金は、CuにZ
n:27.0〜33.0 質量%,Mn: 2.0 〜3.5 質量%,
Si: 0.5 〜1.5 質量%,Ni: 1.0 〜2.5 質量
%,Bi: 2.0 〜4.5 質量%,を含有させることとし
ている。そして、このような摺動材料用黄銅系合金で
は、黄銅中にMn珪化物が分散すると共に、Bi粒子も
均一に分布することに成る。 【0007】 【発明の実施の形態】前述したように、銅合金のなかで
高力黄銅は、抗張力や靱性が優れているもののアルミニ
ウム青銅に比べて耐摩耗性に劣っている。本発明に係る
摺動材料用黄銅系合金は、この耐摩耗性を改善すると共
に、耐焼付性をも向上させ、しかも、環境や衛生面に配
慮するために、Zn:27.0〜33.0 質量%,Mn: 2.
0 〜3.5 質量%,Si: 0.5 〜1.5 質量%,Ni:
1.0 〜2.5 質量%,Bi: 2.0 〜4.5 質量%,を含有
し、残部がCuおよび不可避的不純物からなる構成とし
ている。 【0008】本発明に係る摺動材料用黄銅系合金は、上
記した構成とすることで、黄銅系合金のα相、或いはα
+β相の母材に微細なマンガン珪化物(Mn5Si3)を分散
させて耐摩耗性を向上させると共に、環境や衛生面に配
慮して有害物ではないBi粒子を均一に分布させて耐焼
付性を向上させているのである。 【0009】次に、本発明の摺動材料用黄銅系合金にお
ける化学組成の限定理由を説明する。 Zn:Znはα相とα+β相の量比を制御する意味にお
いて、本発明では27.0〜33.0質量%としている。 【0010】Mn:Mnは摩擦係数の小さいマンガン珪
化物を構成する主要な元素であり、Siとの配合比によ
って含有量が定まるものではあるが、マンガン珪化物
(Mn5Si3)が多くなりすぎると延性が低下するので、3.
5 質量%以下としている。また、2.0 質量%未満ではマ
ンガン珪化物が少なすぎて耐摩耗性が低下する。従っ
て、本発明ではMnの含有量を2.0 〜3.5 質量%として
いる。本発明者の実験では、更に好ましい範囲は2.0 〜
3.0 質量%である。 【0011】Si:Siは耐摩耗性を向上させると共に
Mnとでマンガン珪化物(Mn5Si3)を構成する主要な元
素であり、Mnとの配合比によって含有量が定まるもの
ではあるが、Siが0.5 質量%未満ではマンガン珪化物
が少なく耐摩耗性が低下する。一方、1.5 質量%を超え
ると延性が低下する。従って、本発明ではSiの含有量
を0.5 〜1.5 質量%としている。本発明者の実験では、
更に好ましい範囲は0.5 〜1.2 質量%である。 【0012】Ni:Niは機械的性質を改善させると同
時に耐食性を向上させる元素であるが、1.0 質量%未満
ではその効果が低い。一方、2.5 質量%を超えるとNi
を主成分とする析出物が現れて延性を低下させる。従っ
て、本発明ではNiの含有量を1.0 〜2.5 質量%として
いる。 【0013】Bi:通常の黄銅系合金ではBiを添加す
ることはないが、本発明では、環境や衛生面に配慮しつ
つ耐焼付性を向上させるためにBiを添加する。Biは
Pbと同様マトリックス中に単独で存在するが、Pbよ
りも融点が約56℃も低いので、Pbを添加した場合よ
りも潤滑効果が良くなり、相手材とのなじみ性が向上す
る。また、比重も9.78と、Pbより約1.6小さい
ので、偏析も少なくより均一に分散される。 【0014】しかしながら、2.0 質量%未満ではその効
果が低い。一方、4.5 質量%を超えると合金の強度が低
下すると共にBiの重力偏析が生じ、また、材料コスト
も高くなる。従って、本発明ではBiの含有量を2.0 〜
4.5 質量%としている。 【0015】 【実施例】以下、本発明の摺動材料用黄銅系合金の効果
を確認するために、実施例を比較例と対比しながら説明
する。なお、これらの実施例は本発明に係る摺動材料用
黄銅系合金の効果を示す例示であって、本発明の技術的
範囲を何等制限するものではないことは言うまでもな
い。 【0016】表1及び表2に示す化学成分組成の各種黄
銅系合金を溶解して、それぞれの試験片に準拠した形状
の金型に鋳込み、JIS Z 2201に規定する4号
試験片及び図1、図2に示す形状のテストピン、相手軸
材を製造して各種試験を行った。その結果を表3及び表
4に示す。 【0017】 【表1】 【0018】 【表2】 【0019】 【表3】 【0020】 【表4】【0021】表1は本発明の黄銅系合金の実施例であ
り、この表1に示す実施例における各種試験結果を示し
たのが表3である。また、同様に表2は本発明の比較例
で、No.11〜18は*印を付した点において本発明の
成分含有量から外れたもの、No.19〜22はJISに
規定された材料である。そして、この表2に示す比較例
における各種試験結果を示したのが表4である。 【0022】なお、表4中におけるNo.12〜18の
引張強度、0.2%耐力、伸び、ブリネル硬さ、及び、
No.17の耐焼付性、摩耗量、摩擦係数については試
験を行っていない。 【0023】これは、No.12〜16及びNo.18
は、摩耗量、摩擦係数の内の少なくともどちらか一方が
本発明の実施例に比べて悪かったので、引張強度、0.
2%耐力、伸び、ブリネル硬さの試験をするまでも無か
ったからである。また、No.17については、Biの
偏析がひどく、製品にならないので、試験するまでも無
かったからである。 【0024】各種試験のうち、耐焼付性を求める試験
は、図1に示すように、300rpmで回転させた状態
のS45C(機機構造用炭素鋼鋼材)調質材でロックウ
ェル硬さHR Bを97としたテストピン2(外径6.5
mm)を、試験片である2個のVブロック1で所定の荷
重を作用させて挟持することによって行うものであり、
耐焼付性(F値)は初期荷重を200kgに設定した
後、1秒当り16kgで荷重を増加し、焼付きを生じる
までの荷重P(kg)、トルクT(N−cm)と、時間
t(秒)を計測・記録し、耐焼付性(F値)は下記数式
1によって求めた。なお、F値は焼付きまでの摩擦エネ
ルギーに相当し、この値が大きいほど、耐焼付性が優れ
ている。 【0025】 【数1】F= P(t)dt 【0026】また、摩耗量及び摩擦係数は、図2に示す
ように、相手軸材3に割メタルの供試材4を上下より挟
み付け、上部油圧シリンダー5で鉛直荷重を加えると共
に、横部油圧シリンダー6で軸に取付けたレバー7を揺
動させ、低圧(P=980N/cm2 、V=1.0m/
min)時の摩耗量(mm3 )と、高圧(P=3920
N/cm2 、V=0.5m/min)時の摩耗量(mm
3 )と、摩擦係数(μ)を求めた。 【0027】なお、引張強度,0.2%耐力,伸びはJ
IS S Z2241に規定する引張試験方法により、
また、ブリネル硬さはJIS S Z2243に規定す
るブリネル硬さ試験方法により、ロックウェル硬さはJ
IS S Z2245に規定するロックウェル硬さ試験
方法によって行った。 【0028】表2より明らかなように、No.11〜1
8の比較例では、それぞれZn,Mn,Si,Ni,B
iの含有量のいずれかが本発明の範囲を外れているの
で、耐焼付性、摩耗量、摩擦係数等のいずれかに着眼し
た場合には本発明の実施例よりも優れている例もあるも
のの、表4より明らかなように、耐焼付性と耐摩耗性が
高いレベルで両立していない。 【0029】特に、No.11の比較例は本発明の実施
例と比較して硬いので、摺動材として使用した場合に
は、相手軸の摩耗量が増大する。従って、相手軸の表面
に焼入れ等を施して硬さを高める必要がある。また、N
o.17はBi含有量が多いためBiの偏析を生じ、製
品として不向きである。また、No.19〜22はそれ
ぞれJISに規定されたものではあるが、本発明の実施
例よりも機械的性質や耐焼付性、耐摩耗性等が劣ってい
る。 【0030】これらの比較例に対して表3に示す本発明
の実施例は、いずれも耐焼付性、耐摩耗性に優れ、摩擦
係数も低いので、摺動用材料として適しているのが判
る。また、その他の機械的性質についても本発明の実施
例は十分満足できる値を示している。すなわち、本発明
では耐焼付性と耐摩耗性が高いレベルで両立している。 【0031】 【発明の効果】以上説明したように、本発明の摺動材料
用黄銅系合金は、耐摩耗性と耐焼付性を高いレベルで両
立させることができるので、過酷な条件であっても摺動
材料用部材として長期間にわたって使用が可能となる。
加えて、本発明の摺動材料用黄銅系合金は、Pbを添加
していないので、環境や衛生面に悪影響を与えることも
ない。
【図面の簡単な説明】 【図1】焼付性を求める試験の説明図である。 【図2】摩耗量及び摩擦係数を求める試験の説明図であ
る。 【符号の説明】 1 Vブロック 2 テストピン 3 相手軸材 4 供試材

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 Zn:27.0〜33.0 質量%,Mn: 2.
    0 〜3.5 質量%,Si: 0.5 〜1.5 質量%,Ni:
    1.0 〜2.5 質量%,Bi: 2.0 〜4.5 質量%,を含有
    し、残部がCuおよび不可避的不純物からなることを特
    徴とする耐摩耗性、耐焼付性に優れた摺動材料用黄銅系
    合金。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016089214A (ja) * 2014-11-04 2016-05-23 大豊工業株式会社 すべり軸受用銅合金およびすべり軸受
US20170321302A1 (en) * 2014-11-18 2017-11-09 Taiho Kogyo Co., Ltd. Copper alloy for bearing and bearing

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016089214A (ja) * 2014-11-04 2016-05-23 大豊工業株式会社 すべり軸受用銅合金およびすべり軸受
US20170314098A1 (en) * 2014-11-04 2017-11-02 Taiho Kogyo Co., Ltd. Copper alloy for bearing and bearing
US20170321302A1 (en) * 2014-11-18 2017-11-09 Taiho Kogyo Co., Ltd. Copper alloy for bearing and bearing

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