JP2003154765A - 転写媒体とその製造方法、及び磁気記録媒体とその製造方法 - Google Patents

転写媒体とその製造方法、及び磁気記録媒体とその製造方法

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JP2003154765A
JP2003154765A JP2001359046A JP2001359046A JP2003154765A JP 2003154765 A JP2003154765 A JP 2003154765A JP 2001359046 A JP2001359046 A JP 2001359046A JP 2001359046 A JP2001359046 A JP 2001359046A JP 2003154765 A JP2003154765 A JP 2003154765A
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Kiyoshi Horie
潔 堀江
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Toppan Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】個別画像情報を加工することが可能で偽造防止
に優れた磁気隠蔽カードを確実に作れるようにするこ
と。 【解決手段】支持体上に、少なくとも、剥離性を有する
保護層兼受像層3と接着層4がこの順に設けられている
転写媒体1において、200nmから400nmの波長
域の光による外部刺激によって発光し、該発光波長域は
400nmから800nmの範囲内である偽造防止層5
が、該保護層兼受像層3と接着層4の層間か、もしく
は、接着層4上に、部分的に設けてあることを特徴とす
る転写媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気情報記録する
磁気記録媒体とその製造方法、及びその磁気記録媒体を
構成するための転写媒体とその製造方法に係わり、更に
詳しくは、カード基材上に磁気テープを配し、更にこれ
を隠蔽し、印刷層、保護層を有するオーバープリントカ
ード、特に顔写真等の個別画像情報を加工することが可
能で偽造防止性に優れたオーバープリントカードを好適
に構成するために利用可能な転写媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録媒体であるクレジットカ
ードやキャッシュカードが広く利用されている。これら
は、一般的に白色の塩化ビニル樹脂をコア材として用
い、この両面もしくは片面に、所定の磁気テープを所定
位置に貼付した透明な塩化ビニル樹脂シートを重ねて加
熱加圧プレスしたものを基材として用いたものである。
【0003】欧州や米国では白色のコア材に印刷を施
し、後に透明シートをプレスする構成をとっている。し
かし日本国内では、これら諸外国と同様な構成のカード
の他に、透明シートをプレス接着した後に、表面にデザ
イン等の絵柄印刷を施す構成のカードも使用されてい
る。
【0004】これは、日本国内のみで通用するJIS規
格の磁気テープがカード表面に付与されているためであ
る。すなわち、諸外国ではカード表面に磁気テープがな
いため、印刷はシートの内側でかまわないが、日本では
カード表面にJIS規格磁気テープを使用し、磁気情報
の記録消去を行う必要があるため、この磁気テープが基
材の最表層付近になければならず、結果として透明シー
トの外側に磁気テープを設けることになる。したがっ
て、デザイン上でこの磁気テープを隠蔽するための印刷
を透明シートの外側に施すことになるのである。
【0005】この透明シートの外側に印刷を施すカード
を磁気隠蔽カード(オーバープリントカード)と呼ぶこ
とにする。
【0006】磁気隠蔽カードの作成手順の一例を挙げる
と次の通りである。白色コア材の両面に、あらかじめ所
定位置に磁気テープを貼付した透明オーバーシートを重
ね、加熱加圧プレスしてカード基材を得る。その後、磁
気テープを隠すための隠蔽層、デザインのための印刷層
や必要に応じて設けられる偽造防止層、印刷面を保護す
るための保護層が設けられ、表面を平らにするためのプ
レスを再度行ってカード形状に打ち抜き、必要に応じて
設けられるホログラムの箔転写、サインパネル転写及び
エンボス工程を経て、磁気隠蔽カードとなる。
【0007】また、近年のクレジットカードの偽造・不
正使用防止策の一つとして、カードに所有者の顔写真を
入れる方法が取られている。これは、一般的に塩ビに染
着しやすい昇華(熱移行)性の染料を用い、YMCの各
色に塗り分けた昇華転写リボンをサーマルヘッド等で熱
エネルギーを与え、個々の画像情報を記録していくもの
である。この様な使用をする磁気隠蔽カードにおいて
は、保護層上に別途受像層を設け、プレス加工を行い表
面を平らにして製造されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のことからわかる
とおり、印刷層が透明シートの内側にあって十分に保護
されている諸外国のカードとは異なり、日本の磁気隠蔽
カードの耐性は非常に薄い保護層のみによって保たれて
いるので、保護層の役割は非常に重要である。また、要
求される磁気特性を得るため、隠蔽層、印刷層、保護
層、場合により設けられる受像層の厚みは必要以上に厚
くすることができず、さらに耐久性を増すことは困難に
なっている。
【0009】この保護層を設ける方法としてはいくつか
考えられ、グラビア塗工系の方式とスクリーン印刷系の
方式、さらにオフセット印刷系の方式がある。しかし、
このうちスクリーン印刷系は膜厚制御が困難であるの
で、磁気出力変動率が大きくなる恐れがある。また、オ
フセット印刷系の方式では、主に紫外線硬化型のオフセ
ットインキを使用するが、これは様々なものとの密着性
が悪い。さらに、耐擦過性を向上させるために滑材成分
を添加すると、ほとんどのものが密着不可能である。従
って、後工程となるホログラム箔の転写や受像層の塗工
が非常に困難となってしまう。以上のことから、保護層
を設ける方法としてグラビア塗工系の方式が用いられて
きている。
【0010】しかしながら、上述のグラビア塗工系の方
式によって保護層を設ける方法には、以下に述べる様々
な問題がある。
【0011】まず、強い溶媒を多量に含む保護層の塗液
を直接的に上から塗工するため、溶剤の浸透によって基
材や印刷の歪みが生じやすい状況となる。
【0012】また、溶剤が多量に含まれる塗液を塗工す
るので、塗工後には十分な乾燥が必要であるが、塩ビ樹
脂や非晶質ポリエステル樹脂に代表されるカード基材に
使用される樹脂は熱変形を起こしやすいため、高温かつ
長時間の乾燥は無理であり、結果として溶剤が残留し、
密着性低下や樹脂の可塑化等の悪影響を及ぼす。
【0013】さらには、磁気出力の変動率を安定させる
ためには塗膜の膜厚を安定させる必要があるが、枚葉の
シートへの塗工では膜厚安定性にも限界があり、安定し
た塗膜は得られにくい上、膜厚の管理も容易でないとい
う問題がある。
【0014】また、上述したグラビア塗工系の問題点に
加え、以下の諸問題がある。
【0015】まず、顔写真付き磁気隠蔽カードを製造す
る場合、顔写真等の画像データを入れる場所は顧客の仕
様により、まちまちである。よって、受像層を形成する
方式としては、印刷エリアの指定が容易であるスクリー
ン印刷法が採用されている。このスクリーン印刷法の欠
点は、上述した膜厚の制御が困難であること以外にも、
印刷版上に乗せたインキを印圧により印刷版を通過させ
押し出す方式であるため、版乾きの問題を回避する方法
として乾きにくい高沸点溶剤が使用される。すなわち、
十分な乾燥を行うことが不可能であるカードにおいて、
生乾きの印刷を行うことは、後々カード同士のブロッキ
ング等様々な問題を引き起こす。
【0016】また、必要に応じて偽造防止層を設ける場
合があるが、一般的には蛍光体を分散又は溶解させたイ
ンキをスクリーン印刷法にて形成している。これは、通
常の絵柄印刷に用いられる紫外線硬化型オフセットイン
キにおいては、蛍光体がインキの硬化を阻害してしまう
ためである。よって、上述したスクリーン印刷系の問題
点が同様に発生する。更に、偽造防止層の場合は、発行
会社のトレードマーク等精密なパターンであるため、極
端な膜厚の変動(増加)があった場合には、カードを平
らにするプレス加工をした際には、他の印刷層に部分的
な歪みを生じてしまう。
【0017】本発明は、係る従来技術の諸問題に対処
し、個別画像情報を加工することが可能で偽造防止に優
れた磁気隠蔽カードを確実に作れるようにすることを課
題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明において上記の課
題を達成するために、まず請求項1の発明では、支持体
上に、少なくとも、剥離性を有する保護層兼受像層と接
着層がこの順に設けられている転写媒体において、20
0nmから400nmの波長域の光による外部刺激によ
って発光し、該発光波長域は400nmから800nm
の範囲内である偽造防止層が、該保護層兼受像層と接着
層の層間か、もしくは、接着層上に、部分的に設けてあ
ることを特徴とする転写媒体としたものである。
【0019】また請求項2の発明では、前記偽造防止層
は、用いられている樹脂の組成が前記接着層のそれと同
一であり、該樹脂中に0.1〜80重量%の蛍光体を含
有していることを特徴とする請求項1に記載の転写媒体
としたものである。
【0020】また請求項3の発明では、前記偽造防止層
は、特定の絵柄、文字、あるいはパターンが形成してあ
り、該偽造防止層と所定の位置関係を有し、転写されて
被転写基材側に残る領域外に相当する位置にレジスター
マークを設けたことを特徴とする請求項1又は2の何れ
かに記載の転写媒体としたものである。
【0021】また請求項4の発明では、支持体上に、少
なくとも、剥離性を有する保護層兼受像層と接着層がこ
の順設けられている転写媒体を製造する方法であって、
200nmから400nmの波長域の光による外部刺激
によって発光し、該発光波長域は400nmから800
nmの範囲内である偽造防止層を、該保護層兼受像層と
接着層の層間か、もしくは、接着層上に、部分的に設け
ることを特徴とする転写媒体の製造方法としたものであ
る。
【0022】また請求項5の発明では、磁気記録層を備
えている基材上に、少なくとも接着層と保護層兼受像層
とがこの順設けられている磁気記録媒体において、20
0nmから400nmの波長域の光による外部刺激によ
って発光し、該発光波長域は400nmから800nm
の範囲内である偽造防止層が、該接着層と保護層兼受像
層の層間か、もしくは、該接着層と該基材の間に、部分
的に設けられており、しかも、該磁気記録層上の非磁性
層の厚みが0.8μmから9μmの範囲内であることを
特徴とする磁気記録媒体としたものである。
【0023】また請求項6の発明では、請求項1乃至3
の何れかに記載の転写媒体の転写層が、磁気記録層を備
えている基材上に転写されてあり、該磁気記録層上の非
磁性層の厚みが0.8μmから9μmの範囲内であるこ
とを特徴とする磁気記録媒体としたものである。
【0024】また請求項7の発明では、前記磁気記録層
が、道具を使用しない目視では視認不能か又は視認困難
な状態で隠蔽されていることを特徴とする請求項5又は
6の何れかに記載の磁気記録媒体としたものである。
【0025】また請求項8の発明では、磁気記録層を備
えている基材上に、請求項1乃至3の何れかに記載の転
写媒体の転写層を転写する磁気記録媒体の製造方法であ
って、該磁気記録層上の非磁性層厚みが0.8μmから
9μmの範囲内であることを特徴とする磁気記録媒体の
製造方法としたものである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
一実施形態を詳細に説明する。
【0027】図1の(a)、(b)は、それぞれ本発明
の転写媒体1の基本的な構成を示す断面図である。転写
媒体1は、支持体2上に保護層兼受像層3、接着層4の
順に各層が形成されており、偽造防止層5が保護層兼受
像層3と接着層4の層間に存在するのが図1(a)であ
り、図1(b)は偽造防止層5が接着層4上に形成され
ている。
【0028】図2の(a)、(b)は、それぞれ本発明
の転写媒体1の一例を示す平面図である。図2(a)に
示すように、転写媒体1には、その転写媒体1を被転写
基材に転写して最終製品としたときに、被転写基材に残
り最終製品の構成要素として使用される使用領域8上に
存在する偽造防止層5と所定の位置関係を示す様に、レ
ジスターマーク7が配置されている。このレジスターマ
ーク7は、1つの使用領域につき1つのマークを対応さ
せても良いし、図2bに示す様に、複数の使用領域を1
単位として設けても良い。すなわち、カードを1枚ずつ
製造していく場合には、1つの使用領域につき1つのレ
ジスターマークが必要であるが、製造効率を図るため
に、複数枚のカードを同時に作成し、最後にカードサイ
ズに抜く様な場合においては、その製造効率にあった複
数の使用領域に対して少なくとも1つのレジスターマー
クを設けてやれば良い。
【0029】図3は、本発明の転写媒体1の転写層6
を、被転写基材22上に転写し、磁気記録媒体11とし
てカード化した場合の一例を示す断面図である。磁気記
録媒体11は、カード基材12として白色コア材13の
両面に透明オーバーシート材14が積層されている。こ
の透明オーバーシート材14の表面(図の上側)にJI
S磁気テープ15が埋め込まれ、裏面(図の下側)にI
SO磁気テープ20が埋め込まれている。このJIS磁
気テープ15が埋め込まれた面側に、隠蔽層16、印刷
層17が設けられ、被転写基材22が形成されている。
この被転写基材22上に、転写媒体1上の保護層兼受像
層3、接着層4、偽造防止層5からなる転写層6が転写
されて構成されたのが磁気記録媒体11である。
【0030】支持体2としては厚みが安定しており、か
つ耐熱性の高いポリエチレンテレフタレート樹脂フィル
ムを用いるのが一般的であるが、これに限るものではな
い。その他の材料としては、ポリエチレンナフタレート
樹脂フィルム、ポリイミド樹脂フィルム等が耐熱性の高
いフィルムとして知られており、同様の目的で使用する
ことが可能である。また、他のフィルム、例えば、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、耐熱塩化ビニル等の材料で
も、塗液の塗工条件、さらに言えば乾燥条件が許せば使
用可能である。
【0031】また、転写条件等により保護層兼受像層の
剥離が困難である場合には、支持体側に別途従来既知の
離形層を設けても良く、剥離が軽すぎる場合には同様に
従来既知の易接着処理を行っても良い。また、転写層へ
の影響が無い限りは、帯電防止処理等の加工も何ら問題
は無い。
【0032】次に、保護層兼受像層3、接着層4および
偽造防止層5の組成について説明する。
【0033】保護層兼受像層3は、支持体2との密着性
が軽度のものであって、転写媒体1の加熱プレス転写後
には容易に剥離する材料でなければならない。さらに、
転写後は保護層としての役割と昇華転写による受像適性
も果たさなければならない。さらには、保護層上へのホ
ログラムの転写および転写後の密着性、あるいはエンボ
ス加工時の適性も考慮される必要がある。
【0034】以上のことを全て満たす保護層兼受像層3
の組成としては、(1)重合度が600から2000の
範囲内にある塩化ビニル樹脂を含有する組成であるこ
と、(2)融点が90℃以上の滑材成分を1〜20重量
%含有する組成であること、を満たすことが好ましい。
以下に、(1)及び(2)の組成が好ましいことの理由
を、順に述べる。
【0035】(1)の組成は、昇華(熱移行)性染料に
よる染着が容易であること、サインパネル材とのブロッ
キング(変形)がしづらい強靱な皮膜であること、劣化
がし難いこと、及び後加工(ホログラム等の転写性)が
し易いことを考慮した結果である。
【0036】昇華(熱移行)性染料による染着が容易で
ある材料としては、塩化ビニル酢酸ビニル共重合樹脂に
代表される塩ビ系材料が知られている。
【0037】しかし、塩化ビニル樹脂に他成分を共重合
する理由としては溶剤への溶解性・柔軟性を付与するた
めであり、取り扱いが容易になる反面、JISX630
1(旧規格)に代表される接着性・粘着性の試験におい
て、40℃90%RH環境に48時間、4.9KPa荷
重にてブロッキング試験をした場合、カード裏面のサイ
ンパネル材(膜厚10μm程度)の段差が密着跡として
変形してしまう。
【0038】また、塩ビ系の材料を使用する場合、熱や
光による劣化の問題が生じる。この劣化現象はポリ塩化
ビニルが空気(酸素)に接して、熱や光(紫外線)に曝
されると脱塩素を起こし、不安定な共役二重結合のポリ
エン構造を生じて変色し始める。さらには架橋や分子切
断を誘発して分解・劣化を導き、黒変・脆化・発泡等を
起こし、使用に耐えなくなる。この劣化現象は、重合度
が600未満の不安定な材料で顕著に現れ、構造的に安
定な高分子材料を使用することが望ましい。また、重合
度が2000を超える場合には各種溶剤への溶解性が乏
しくなり、溶液のゲル化等の問題が発生し、加工性の問
題を引き起こす。但し、熱溶融押し出し法等で無溶剤に
よる薄膜均一加工が可能である場合には、これに限定さ
れるものでは無い。
【0039】後加工のし易さについて説明すると、ホロ
グラムの転写箔はカード基材の最表面にある透明塩化ビ
ニルシート上に転写され易い様に設計されているため、
塩ビ系の材料を使用するのが望ましい。
【0040】以上の理由から、重合度600から200
0の範囲内にある塩化ビニル樹脂を含有するのが好まし
いことがわかった。
【0041】(2)の組成は、カードとして使用される
場合、磁気ヘッドとの擦れが問題になること、及び昇華
転写による画像の形成性を考慮した結果である。
【0042】まず、磁気ヘッドとの擦れの問題である
が、一般的に、週に3回の割合で買い物をしてクレジッ
トカードを使用することを考えると、一年当たりで15
0回、有効期限の5年間では750回、磁気ヘッドと擦
れることになる。しかし、クレジットカードの利用時に
通す、いわゆるCAT端末は、通常人間の手で通すの
で、カードと磁気ヘッドの当たり具合が均一でないた
め、さらにマージンを5倍程度見込むと、約4000回
程度のヘッドパス耐性が必要と考えられる。
【0043】この耐性を満たすため、ステアリン酸(融
点70℃前後)、ステアリン酸メチル(融点40℃前
後)、ステアリン酸エチル(融点30℃前後)、ステア
リン酸亜鉛(融点120℃前後)、ステアリン酸ブチル
(融点30℃前後)、ポリエチレンワックス(融点70
〜140℃前後)、パラフィンワックス(融点−10〜
70℃前後)、カルナバワックス(融点80℃前後)モ
ンタンワックス(融点70〜100℃前後)、マイクロ
クリスタリンワックス(融点60〜100℃前後)、セ
ラックワックス(融点60〜80℃前後)、サゾールワ
ックス(融点100℃前後)、キャンデリラワックス
(融点70℃前後)、ライスワックス(融点80℃前
後)、木蝋(融点50℃前後)、蜜榔(融点60〜70
℃)、ラノリン(融点40℃前後)、セレシン(融点5
0〜100℃前後)、テフロン(登録商標)パウダー
(融点320℃前後)等から選択される滑材成分を1〜
20重量%含有する組成が好ましいことがわかった。
【0044】滑材添加量が1重量%未満では、ヘッド擦
れの耐性が低すぎ、20重量%を超えて添加すると、滑
材成分が表面へ激しくブリードしてくるため、カード表
面が不均一にマット化されて曇ったた状態になり、見た
目の印象が悪くなってしまうだけでなく、ホログラムの
転写・密着性が悪くなってしまう等の加工性悪化を引き
起こす。しかし、カードの印刷が黒等の濃い色であった
場合、滑剤添加量が20重量%であっても濁った印象を
与える場合がある。下層にどのような色の印刷がきても
美しい外観を保つには、滑剤添加量が15重量%以下が
好ましい。
【0045】次に、昇華転写による画像の形成性である
が、染着性の良い塩ビ系樹脂に上記の滑剤を15重量%
以下の含有率で添加したものを受像層として、画像の形
成性を見たところ、滑剤の種類によって昇華リボンの貼
り付きが発生した。これは、昇華転写リボンにサーマル
ヘッドから熱エネルギーを与え、染料を昇華(溶融)さ
せ移行させるものであるため、受像層の樹脂中に含まれ
る滑剤の影響によって、受像層自体が溶融しやすくな
り、リボンのバインダーとの接着性が増し、融着しやす
くなったものと考えられる。滑剤の添加量を15重量%
に固定し、滑剤の融点を変えて実験を行ったところ、融
点が90℃を超える滑剤を使用することにより、昇華リ
ボンとの貼り付きが起きなくなることを見いだした。
【0046】上記の理由により、耐摩擦性及び昇華転写
の受像適性を両方満足させるには、融点が90℃以上の
滑材成分を1〜15重量%含有することが好ましい。但
し、カードの印刷が黒等の濃い色でない場合など、カー
ドに印刷する色によっては、融点が90℃以上の滑材成
分を1〜20重量%含有しても良い。
【0047】接着層4の組成としては、平均分子量5万
以下のアクリル系樹脂を50重量%以上含む組成として
用いることが好ましい。アクリル系樹脂としては、ポリ
アクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルア
クリレート等のアクリル酸及びそのエステル系樹脂、ポ
リメタクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリエ
チルメタクリレート等のメタクリル酸及びそのエステル
系樹脂、あるいはこれらにエチレン、プロピレン、ブタ
ジエン、スチレン等を共重合した樹脂等が挙げられる。
【0048】アクリル系樹脂が好ましい理由は、その下
層として設けられる印刷層17が主に紫外線硬化型オフ
セットインキから構成されているためである。紫外線硬
化型オフセットインキは、一般にアクリル酸系樹脂のモ
ノマーやプレポリマーと紫外線照射によってラジカルを
発生する光開始剤、および色材から構成される。したが
って、樹脂の重合過程が樹脂製造時と塗工乾燥時に行わ
れるという差はあるが、その成分は比較的似通ったもの
であり、密着性は比較的良好であるからである。しか
し、単にアクリル系樹脂であれば密着するわけではな
い。
【0049】一般的に、紫外線硬化型樹脂の硬化過程に
おいては、雰囲気中の酸素が重合反応を阻害して、表面
のごく近傍1〜10nm程度の深さまでは硬化反応が完
全には進行しないといわれている。この酸素阻害を防止
するために、紫外線ランプ付近に窒素ガスを充填する方
法も実際に採られているが、一般の印刷機ではそのよう
な機能は付いていないことが多い。したがって、ほとん
どの紫外線硬化型オフセットインキを使用した印刷物の
表面は未反応の層が存在している。
【0050】従って、この未反応層の上に転写箔側の接
着層4を熱で密着させようとしても、見かけ上は密着し
たように見えても、未反応層の強度が弱いため、強い力
をかけると未反応層が破壊されて剥がれてしまう。その
ため、熱で密着させる際には、この未反応層を超えて下
層の硬化層まで接着剤が浸透し、十分な密着をとること
が必要である。
【0051】そこで、本発明においては、アクリル系樹
脂のうち、平均分子量が5万以下の樹脂を使用すること
により、加熱時の粘度ができるだけ低い状態で樹脂を浸
透させることが可能である。これにより、接着層4と印
刷層17の密着強度が十分な磁気記録媒体11を得るこ
とが可能となる。
【0052】偽造防止層5は200nm〜400nmの
範囲内にある波長の紫外線、さらに好ましくは254n
m及び365nmの何れか一方もしくは両方の紫外線照
射により可視域の光(400nm〜800nmとする)
を発するものであり、蛍光体・燐光体・畜光体を接着層
4と同一組成から成るバインダー樹脂と有機溶剤からな
るインキに分散させたものを塗布乾燥して設けられる。
上記蛍光体・燐光体・畜光体は偽造防止層内に0.1〜
80重量%の範囲内で含有させるのが望ましい。0.1
重量%以下の添加量では十分な発光が得られず、80重
量%以上の添加量になるとバインダー樹脂との結着力が
弱くなり、最終製品としたときに加える、ホログラムの
箔転写やカードエンボス加工時の熱・圧・変形などによ
り部分的な破壊(層間剥離や粉落ち)が起こってしま
う。
【0053】蛍光体は、外部からの刺激(励起)により
可視域付近の光を発するものであるが、励起の停止後に
目に感じられる程度の時間(0.1sec程度)以上の残
光が続くものを燐光体という。また、長残光のものを畜
光体と呼ぶ。
【0054】蛍光性物質としては、次のものが挙げられ
る。
【0055】まず、紫外線発光蛍光剤は、紫外線により
励起され、これよりも低いエネルギー準位に戻るときに
発するスペクトルのピークが青、緑、赤等の波長域にあ
るものであり、硫化亜鉛やアルカリ土類金属の硫化物の
高純度蛍光体に、発光をより強くするために微量の金属
(銅、銀、マンガン、ビスマス、鉛など)を付活剤とし
て加えた後、高温焼成にて得られる。母体結晶と付活剤
の組み合わせにより、色相、明るさ、色の減衰の度合い
を調整できる。
【0056】また、上記の紫外線発光蛍光剤以外にも、
蛍光性物質として、ジアミノスチルベンジルスルホン酸
などのスチルベン系、ジアミノジフェニル系、イミダゾ
ール系、チアゾール系、クマリン系、ナフタールイミド
系、チオフェン系などの有機系の顔料や染料を使用して
も良い。
【0057】一般的に、有機系の顔料や染料は発光効率
が高いため、0.1〜30重量%程度の添加量で十分で
ある。しかし、無機系の顔料の場合は保存性(耐光性)
が高い反面、発光効率が低いという欠点があり、20〜
80重量%程度の添加量が必要となる。添加量にかんし
ては、使用する材料に応じて適宜選択すれば良い。
【0058】偽造防止層5のバインダー樹脂を接着層4
と同一の組成で用いる理由としては、保護層兼受像層3
や接着層4との相性がまず上げられる。偽造防止層5
は、保護層兼受像層3や接着層4上に部分的に特定の絵
柄として設けるため、他層との接着力が異なる材料を使
用すると、部分的な剥がれがでてしまう場合がある。ま
た、異なる樹脂を使用した場合に樹脂の屈折率が微妙に
異なってしまう。部分的に設けた層の屈折率が異なった
場合には、それぞれの屈折率差により反射が起こるのは
公知の事実である。すなわち、偽造防止層として設けて
いるにも係わらず、微妙な光線の加減により偽造防止層
の存在が光沢差により確認できてしまうのである。ま
た、偽造防止層5を接着層4上に設けた場合には、カー
ド基材との接着性が問題となる。偽造防止層5の接着性
が接着層4の接着性(感度・接着力等)と異なる場合、
接着層4もしくは偽造防止層5の何れか一方が部分的に
接着不良を起こす可能性がある。みかけ上はきれいに転
写されていても、使用中に部分的な剥がれや粉落ちをし
てくる可能性も否定できない。以上の理由から、偽造防
止層5のバインダー樹脂としては、接着層4と同一の組
成であることが必要である。
【0059】レジスターマーク7は、機械的に何らかの
方法で感知できるものであれば良く、一般的に光学法や
物理的手法が使用される。光学法としては、反射光・散
乱光・透過光の変調により感知され、物理的手法として
は、パンチ穴を開けておき、その穴が検知機に引っかか
ったら搬送を止めるといった方法を一例として挙げるこ
とができる。レジスターマーク7の形成方法としては、
薬品による腐食、研磨、焼き付け、パターン描画、打ち
抜き、インクジェット印字、オフセット印刷、グラビア
印刷、シルクスクリーン印刷、パッド印刷、フレキソ印
刷、熱転写、テープ貼り等の方法を挙げることができ
る。レジスターマーク7の形態は、回折格子、着色ベタ
画像(遮光)、艶消し(マット)、光沢等が代表として
挙げられる。
【0060】また、レジスターマーク7を設ける場所で
あるが、最終製品として使用する領域(使用領域8)外
に設けるため特に限定されない。支持体2上に形成し転
写後には支持体側に残しても良いし、カード基材上の使
用領域外(抜き加工時のカス・外枠等)に転写層と同時
に転写しても良い。この場合、後工程(主にカード抜き
加工)の位置検知マークと兼用できるというメリットも
ある。
【0061】続いて、JIS磁気テープ15上の各層厚
みについて説明する。
【0062】JIS磁気テープ15上の厚みを制限する
要因は、主にヘッドパス耐性と磁気出力である。発明者
らの実験によれば、ヘッドパス耐性は、保護層兼受像層
3の組成が同じ場合には、厚いほど向上する。逆に、磁
気出力はJIS磁気テープ15上の非磁性層の厚みが厚
いほど低下する。そこで、市販されている磁気テープの
うち高出力のテープを使用して、非磁性層の厚み、すな
わち、隠蔽層16、印刷層17、偽造防止層5、接着層
4、保護層兼受像層3の合計厚みを変化させて実験を行
ったところ、非磁性層の合計厚みが9μm以下で磁気情
報の読み取りテストが合格となった。一方、一般的に、
隠蔽層16の厚みは2〜3μm、印刷層17の厚みは2
〜3μmであるから、各平均値は2.5μm、合計で5
μmと見積もることができる。したがって、偽造防止層
5、接着層4と保護層兼受像層3の合計厚みの上限は4
μm以下が適当であるという結果が得られた。
【0063】しかし、JIS磁気テープ15を隠蔽する
方法としては、通常の銀ペーストを印刷する方法以外
に、AlやSn等の金属や無機化合物を蒸着等の薄膜形
成手段により成膜する方法もある。その場合には、実質
的に隠蔽層16の厚みはほとんど0であるので、印刷層
17、偽造防止層5、接着層4および保護層兼受像層3
の合計厚みを9μm以下に設定すればよい。また、偽造
防止層5がデザイン的に磁気テープ15上に存在しない
場合には、印刷層17、接着層4および保護層兼受像層
3の合計厚みを9μm以下に設定すればよい。
【0064】また、同時に行った実験で、接着層4の厚
みを変化させると、0.1μm以上の厚みがあれば十分
な密着性が得られることがわかった。さらに、0.1μ
mの接着層4を用いて、保護層兼受像層3の厚みを変化
させたところ、0.5μmをきったところでヘッドパス
耐性が4000回もたず、不合格という結果が得られ、
保護層兼受像層3の厚みが0.5μm未満ではヘッドパ
ス耐性が不合格となり、保護層兼受像層3の厚みが0.
5μm以上必要であることが示された。しかし、ここで
昇華転写の受像適性をみたところ、それぞれ必要な最低
厚み、すなわち接着層4が0.1μm、保護層兼受像層
3が0.5μmの組み合わせでは昇華転写リボンの貼り
付きが一部発生した。これは下層の印刷層17、隠蔽層
16に含まれる顔料や無機フィラー等の熱伝導性が悪い
ため、蓄熱効果により貼り付きを起こしたためである。
【0065】よって、ある程度の距離をとることが必要
となり、さらに実験を重ねた結果、保護層兼受像層3及
び接着層4の合計厚みは少なくとも0.8μmが必要で
あることが示された。
【0066】
【実施例】以下に、本発明の実施例と、実施例に対する
比較例とを説明する。
【0067】<実施例> [被転写基材の作成]0.56mm厚の白色塩化ビニル
コア材13の両面に0.1mm厚の透明塩化ビニルシー
ト材14を重ねて、カード裏面となる側に保磁力23.
7kA/mのISO磁気テープ20を仮止めし、カード
表面となる側に保磁力51.4kA/m、残留磁束17
nWb/cmのJIS磁気テープ15を仮止めし、全体
を温度150℃、圧力3MPa、時間30分の条件にて
加熱加圧プレスを行い、続いて、隠蔽層16として、市
販のアルミペーストスクリーンインキをスクリーン印刷
法にて、3μm厚で全面に設けた。続いて、印刷層17
として、市販の紫外線硬化型オフセットインキのプロセ
ス4色である黄、紅、藍、墨にて絵柄を印刷し、紫外線
ランプを照射してオフセットインキを硬化させ、被転写
基材22を作製した。この状態で、JIS磁気テープ1
5上の非磁性層の厚みは約5μmであった。
【0068】[転写媒体の作成]厚み25μmのポリエ
チレンテレフタレートフィルムからなる支持体上に、下
記組成物からなる各塗工液を、乾燥後の膜厚が保護層
兼受像層:1.5μm、接着層:1μm、偽造防止
層:1μmとなるように形成し、次いで市販黒色インキ
にてレジスターマークを偽造防止層とは異なる位置に、
偽造防止層と同じく接着層上に形成し、転写媒体1を得
た。なお、保護層兼受像層及び接着層は全面コート、偽
造防止層及びレジスターマークはグラビアパターン印刷
で製造した。ここで、レジスターマークは、5mm×5
mmのサイズ、反射濃度計にてOD値1.9、透過濃度
計(ビジュアルフィルター)にて1.2の濃度であっ
た。
【0069】 (保護層兼受像層用塗工液の組成) 塩化ビニル樹脂(重合度1000) …15% ポリエチレンワックス …1.5% テトラヒドロフラン(溶剤) …70% トルエン …13.5%
【0070】 (接着層用塗工液の組成) アクリル樹脂(分子量35000) …20% メチルエチルケトン(溶剤) …40% トルエン(溶剤) …40%
【0071】 (偽造防止層用塗工液の組成) アクリル樹脂(分子量35000) …20% 蛍光染料 …2% メチルエチルケトン(溶剤) …40% トルエン(溶剤) …38%
【0072】以上のようにして作製した被転写基材22
上に保護層兼受像層、接着層及び偽造防止層が績層され
た転写媒体を、レジスターマークを基準にして重ね合わ
せ、温度100℃、圧力2MPa、時間15分の条件に
て加熱加圧プレスを行い、JISX6301記載のカー
ドサイズ(ID−1:85.6mm×53.98mm)
に打ち抜き、評価サンプルを得た。
【0073】本実施例の接着層で使用したアクリル樹脂
の屈折率を測定したところ、n=1.57であった。
【0074】[比較例1]上記実施例1で製造した転写
媒体において、偽造防止層を作るための塗工液を、下記
組成に変更した点を除き、同一の条件で転写媒体を製造
した。
【0075】 (偽造防止層用塗工液の組成) ポリビニルブチラール樹脂 …20% 蛍光染料 …2% メチルエチルケトン(溶剤) …60% トルエン(溶剤) …18%
【0076】本比較例の偽造防止層で使用したポリビニ
ルブチラール樹脂の屈折率を測定したところ、n=1.
48であった。また、本比較例の接着層で使用したアク
リル樹脂の屈折率を測定したところ、本実施例の接着層
で使用したアクリル樹脂の屈折率と同じ、n=1.57
であった。
【0077】[比較例2]比較例2として、実施例と同
じ塗工液を用いカード基材上に直接偽造防止層、接着
層、保護層兼受像層を形成していった。しかし、本塗工
液は溶剤分を多量にふくんでいるため、カード基材及び
印刷層が溶剤の浸透により変形してしまった。膜厚に関
しては実施例と同じ設定でおこなったが、カード基材成
分・印刷層成分が溶け出し、磁気隠蔽カードそのものを
製造することすら不可能であり、従って、当然のことな
がら、製造された磁気隠蔽カードを測定評価することも
不可能であった。
【0078】<評価及び結果>実施例及び比較例1にて作
成されたカードは、室内において殆ど見かけが変わらな
い外観を示していた(蛍光燈照明下)。更に、暗室内に
てブラックランプ(365nm)を照射したところ、偽
造防止層が青く発光し偽造防止効果の高いカードが得ら
れた。しかし、白熱燈(ハロゲンランプ)照明下で観察
したところ、比較例1で作成したカードでは微妙な光沢
の違いにより偽造防止層の存在がわかってしまった。
【0079】次に、ニチバン製セロハンテープ(幅18
mm)を両カードに密着させ、90度方向に一気に剥離
した。実施例にて作成したカードは何の異常も発生しな
かったが、比較例1にて作成したカードは偽造防止層が
剥離してしまった。
【0080】上記試験にて、偽造防止層が剥離してしま
ったため、比較例1で作成した転写媒体及びカード基材
を用いて、再度プレス加工を行いサンプルを作成した。
ここで、温度130℃、圧力3MPa、時間30分の条
件に変更して加熱加圧プレスを行った。しかし、この条
件変更でも、セロハンテープ剥離試験を実施したとこ
ろ、偽造防止層の密着性が若干向上したものの、まだ部
分的な剥離箇所が存在し、十分な接着性が得られていな
かった。更に、カード自体も印刷層の変形(歪み)が発
生し、これ以上の条件変更は不可能と判断した。
【0081】上記の結果により、偽造防止層の樹脂バイ
ンダーを接着層と同一にすることによって、偽造防止効
果が高く、転写性能を損なわない転写媒体を得ることが
できた。
【0082】
【発明の効果】以上、詳述したとうり、本発明によって
なる転写媒体を用いることにより、カード基材及び印刷
層上に直接溶剤を多量に含む塗液を塗工する必要がなく
なるので、基材や印刷の歪みを防止することができる。
また、保護層形成後の乾燥工程が不要となり、残留溶剤
による密着性低下や樹脂の可塑化・脆化等の悪影響を防
ぐことができる。さらに、別途受像層を設ける必要がな
く、保護層兼受像層の塗工がロールの状態で加工可能に
なるため、膜厚管理が容易で高いレベルでの管理が可能
となり磁気特性の変動を抑制することができ、工程の簡
略化を図ることができるとともに、転写後の安定した耐
性を得ることができる。また、接着剤層と同一の樹脂組
成からなる偽造防止層を設けることにより、転写性能を
損なうことなく、偽造防止性に優れた磁気記録媒体を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)、(b)は、それぞれ本発明の転写媒体
の構成例を示す断面図である。
【図2】(a)、(b)は、それぞれ本発明の転写媒体
の構成例を示す平面図である。
【図3】本発明の転写媒体の一例を転写して得られる磁
気記録媒体の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…転写媒体 2…支持体 3…保護層兼受像層 4…接着層 5…偽造防止層 6…転写層 7…レジスターマーク 8…使用領域 11…磁気記録媒体 12…カード基材 13…コア材 14…オーバーシート材 15…JIS磁気テープ 16…隠蔽層 17…印刷層 20…ISO磁気テープ 22…被転写基材

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体上に、少なくとも、剥離性を有する
    保護層兼受像層と接着層がこの順に設けられている転写
    媒体において、 200nmから400nmの波長域の光による外部刺激
    によって発光し、該発光波長域は400nmから800
    nmの範囲内である偽造防止層が、該保護層兼受像層と
    接着層の層間か、もしくは、接着層上に、部分的に設け
    てあることを特徴とする転写媒体。
  2. 【請求項2】前記偽造防止層は、用いられている樹脂の
    組成が前記接着層のそれと同一であり、該樹脂中に0.
    1〜80重量%の蛍光体を含有していることを特徴とす
    る請求項1に記載の転写媒体。
  3. 【請求項3】前記偽造防止層は、特定の絵柄、文字、あ
    るいはパターンが形成してあり、 該偽造防止層と所定の位置関係を有し、転写されて被転
    写基材側に残る領域外に相当する位置にレジスターマー
    クを設けたことを特徴とする請求項1又は2の何れかに
    記載の転写媒体。
  4. 【請求項4】支持体上に、少なくとも、剥離性を有する
    保護層兼受像層と接着層がこの順設けられている転写媒
    体を製造する方法であって、 200nmから400nmの波長域の光による外部刺激
    によって発光し、該発光波長域は400nmから800
    nmの範囲内である偽造防止層を、該保護層兼受像層と
    接着層の層間か、もしくは、接着層上に、部分的に設け
    ることを特徴とする転写媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】磁気記録層を備えている基材上に、少なく
    とも接着層と保護層兼受像層とがこの順設けられている
    磁気記録媒体において、 200nmから400nmの波長域の光による外部刺激
    によって発光し、該発光波長域は400nmから800
    nmの範囲内である偽造防止層が、該接着層と保護層兼
    受像層の層間か、もしくは、該接着層と該基材の間に、
    部分的に設けられており、 しかも、該磁気記録層上の非磁性層の厚みが0.8μm
    から9μmの範囲内であることを特徴とする磁気記録媒
    体。
  6. 【請求項6】請求項1乃至3の何れかに記載の転写媒体
    の転写層が、磁気記録層を備えている基材上に転写され
    てあり、 該磁気記録層上の非磁性層の厚みが0.8μmから9μ
    mの範囲内であることを特徴とする磁気記録媒体。
  7. 【請求項7】前記磁気記録層が、道具を使用しない目視
    では視認不能か又は視認困難な状態で隠蔽されているこ
    とを特徴とする請求項5又は6の何れかに記載の磁気記
    録媒体。
  8. 【請求項8】磁気記録層を備えている基材上に、請求項
    1乃至3の何れかに記載の転写媒体の転写層を転写する
    磁気記録媒体の製造方法であって、 該磁気記録層上の非磁性層厚みが0.8μmから9μm
    の範囲内であることを特徴とする磁気記録媒体の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006263946A (ja) * 2005-03-22 2006-10-05 Dainippon Ink & Chem Inc 蛍光絵柄形成方法、蛍光絵柄を有する物品、積層体、及び磁気記録媒体、並びに蛍光絵柄形成用の転写用積層体

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