JP2003154379A - 殺菌水製造方法 - Google Patents

殺菌水製造方法

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JP2003154379A
JP2003154379A JP2001354303A JP2001354303A JP2003154379A JP 2003154379 A JP2003154379 A JP 2003154379A JP 2001354303 A JP2001354303 A JP 2001354303A JP 2001354303 A JP2001354303 A JP 2001354303A JP 2003154379 A JP2003154379 A JP 2003154379A
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hydrogen peroxide
water
ultraviolet
photocatalytic
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Kazuhito Hashimoto
和仁 橋本
Hiroshi Noguchi
寛 野口
Koji Itsunoi
浩二 五ノ井
Yuuko Sumiya
祐公 角谷
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Meidensha Corp
Kanagawa Academy of Science and Technology
Photoscience Japan Corp
Japan Science and Technology Agency
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Kanagawa Academy of Science and Technology
Photoscience Japan Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Japan Science and Technology Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 有害副生成物の生成がなく、菌の光回復が起
こらない殺菌水を効率よく製造できる方法を提供する。 【解決手段】 光触媒処理と、紫外線殺菌処理または/
および過酸化水素処理を組み合わせて殺菌水を製造する
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光触媒を利用した
殺菌水の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】大腸菌やビブリオ菌、ウイルスなどの水
中微生物の殺菌法として、塩素剤やオゾン、過酸化水素
などの酸化剤を用いる方法や254nm程度の波長の光を照
射する紫外線殺菌などの方法がある。塩素剤やオゾン、
過酸化水素を用いる方法は、水中微生物の細胞膜や機能
性たんぱく質、遺伝子(DNA)などを破壊して微生物
の生存機能や増殖機能を停止させる方法である。また、
紫外線殺菌はDNAの一部を2量体化し、微生物の増殖
機能を停止させる方法であり、不活化と呼ばれている。
【0003】殺菌方法として、近年、光触媒を用いた方
法が注目されている。光触媒にそのバンドギャップ以上
の光を照射すると正孔と電子が生成する。それら正孔と
電子の酸化還元力により水中微生物の細胞膜や機能性た
んぱく質、DNAなどを破壊して微生物の生存機能や増
殖機能を停止させることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、塩素剤
を用いた場合にはトリハロメタンなどの有機塩素化合物
が、オゾンを用いた場合には臭素酸イオンなどの有害副
生成物が生成する問題がある。また、過酸化水素の場合
には処理後に高濃度の過酸化水素が残留すると安全性な
どの点で問題がある。さらに、紫外線殺菌では、処理後
に近紫外〜可視領域の光が照射されると、一旦不活化さ
れた微生物がDNAの修復機能により増殖能力を回復
し、再び微生物が増殖する。この現象は光回復と呼ば
れ、紫外線殺菌水での微生物の再増殖として問題となっ
ている。
【0005】一方、光触媒を用いた方法では、トリハロ
メタンなどの有機塩素化合物や臭素酸イオンなどの有害
副生成物の生成がなく、また、殺菌後に光回復が起こる
問題もない。しかし、光触媒反応が光触媒表面でしか起
こらないために、微生物の光触媒への接近速度が反応律
速となり、そのため処理に長時間を要するという欠点が
ある。
【0006】本発明の課題は、従来の各殺菌処理におけ
る上記のような個々の問題点に着目し、有害副生成物の
生成がなく、菌の光回復が起こらない殺菌水を効率よく
製造できる方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に係る殺菌水製造方法は、紫外線殺菌処理後
に光触媒処理を行うことにより、殺菌水を製造すること
を特徴とする方法からなる。つまり、紫外線殺菌処理の
後段で光触媒処理を行い、有害副生成物の生成がなく、
菌の光回復が起こらない殺菌水を製造することを特徴と
する殺菌水製造方法である(第1の方法)。
【0008】また、本発明に係る殺菌水製造方法は、過
酸化水素処理後に光触媒処理を行うことにより、殺菌水
を製造することを特徴とする方法からなる。つまり、過
酸化水素処理の後段で光触媒処理を行い、有害副生成物
の生成がなく、菌の光回復が起こらない殺菌水を製造す
ることを特徴とする殺菌水製造方法である(第2の方
法)。
【0009】さらに、本発明に係る殺菌水製造方法は、
紫外線殺菌処理、過酸化水素処理、光触媒処理を順に行
うことにより、殺菌水を製造することを特徴とする方法
からなる。つまり、紫外線殺菌と過酸化水素処理、光触
媒処理を順に行い、有害副生成物の生成がなく、菌の光
回復が起こらない殺菌水を製造することを特徴とする殺
菌水製造方法である(第3の方法)。
【0010】本発明に係る上記第1〜第3の方法におい
て、光触媒処理とは、光触媒を利用した処理方法で、光
触媒はそのバンドギャップ以上のエネルギーを有する光
を照射すると正孔電子を生成する光触媒機能を発現する
物質のことであり、酸化チタン、チタン酸ストロンチウ
ム、チタン酸バリウム、酸化亜鉛などの金属化合物半導
体を1種または2種以上用いることができる。特に、化
学的に安定でかつ無害である酸化チタンが望ましい。
【0011】光触媒には、粉末状のものや担体上に固定
化したものを利用することができ、固定化する担体には
珪素、チタン、アルミニウム、ジルコウム、マグネシウ
ム、亜鉛、カドミウム、ビスマス、スズ、鉛、アンチモ
ン、ニッケル、トリウムより選ばれる少なくとも1種の
金属原子を含む化合物を用いることができる。光触媒反
応を起こすために用いる光源には、太陽光の自然光源、
ブラックライト、冷陰極管、発光ダイオード、水銀ラン
プなどの人工光源を用いることができる。
【0012】上記第1の方法において、光触媒処理にお
ける近紫外線照射量としては、7.2W・sec/cm2より大きい
ことが好ましく、7.2〜9.3W・sec/cm2の近紫外線照射量
がより好ましい。
【0013】上記第2の方法においては、過酸化水素処
理の処理時間は1〜10時間が好ましく、5〜10時間がより
好ましい。過酸化水素初期濃度は7〜170mg/Lが好まし
く、10〜20mg/Lがより好ましい。光触媒処理における近
紫外線照射量としては、1.1〜7.8W・sec/cm2であること
が好ましく、1.1〜2.0W・sec/cm2の近紫外線照射量がよ
り好ましい。
【0014】上記第3の方法においては、過酸化水素処
理の処理時間は1〜10時間が好ましく、5〜10時間がより
好ましい。過酸化水素初期濃度は5〜15mg/Lが好まし
く、5〜8mg/Lがより好ましい。光触媒処理における近紫
外線照射量としては、0.36〜1.2W・sec/cm2であることが
好ましく、0.36〜1.1W・sec/cm2の近紫外線照射量がより
好ましい。
【0015】上記のような本発明に係る殺菌水製造方法
においては、光触媒処理に紫外線殺菌処理を組み合わせ
ることで、光触媒処理に必要な処理時間の短縮および近
紫外線照射量の低減、すなわちエネルギー消費量の低減
を図り、有害副生成物の生成がなく、菌の光回復が起こ
らない殺菌水を効率よく製造することができる。また、
光触媒処理と過酸化水素処理を組み合わせることで、光
触媒処理に必要な処理時間の短縮および近紫外線照射量
の低減、すなわちエネルギー消費量の低減を図り、有害
副生成物の生成がなく、菌の光回復が起こらない殺菌水
を効率よく製造することができる。さらに、紫外線殺菌
処理、過酸化水素処理、光触媒処理を順に行うことで、
光触媒処理に必要な処理時間をより短縮することがで
き、近紫外線照射量をより低減することができ、有害副
生成物の生成がなく、菌の光回復が起こらない殺菌水を
短時間でより効率よく製造することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について、望まし
い実施の形態とともに詳細に説明する。本発明に係る殺
菌水製造方法を図1〜3に示す。図1は、紫外線殺菌処
理と光触媒処理を組み合わせた殺菌水の製造システムを
示している。被処理水は、原水槽aから送水ポンプbに
より紫外線殺菌装置cに送られる。紫外線殺菌装置cで
は、紫外線ランプdから254nmの紫外線が被処理水に照
射され、被処理水中に存在する細菌やウイルスなどの微
生物が不活される。つまり、微生物の遺伝子の一部が2
量体化され、増殖機能が停止する。紫外線殺菌された被
処理水は、さらに光触媒処理装置eに送られる。光触媒
処理装置eは、アルミナ担体上に固定化した酸化チタン
光触媒fと光源である冷陰極管gから構成されている。
冷陰極管gから360nm付近を波長ピークとする紫外線が
光触媒fに照射され、光吸収により光触媒内部で正孔電
子対が生成する。生成した正孔電子は光触媒表面に拡散
し、水や酸素と反応してOHラジカルやスパーオキサイ
ドなどの活性酸素種が生成する。これら活性酸素種が微
生物に作用することで、微生物の光回復機能、つまり一
旦不活化された微生物が近紫外〜可視域の光を受けて遺
伝子を修復し再び増殖する機能が破壊される。光触媒処
理された処理水は処理水槽hに貯留され、光回復の起こ
らない殺菌水として使用される。
【0017】図2は、過酸化水素処理と光触媒処理の組
み合わせた殺菌水の製造システムを示している。被処理
水は、原水槽aから送水ポンプbにより過酸化水素反応
槽iに送られる。原水槽aから過酸化水素反応槽iへの
送水管の途中で、過酸化水素貯留槽jから薬液ポンプk
により送られてきた過酸化水素水が被処理水に添加され
る。過酸化水素反応槽iでは、残留した過酸化水素の酸
化力により微生物の細胞膜や機能蛋白、遺伝子などの生
存機能が破壊され殺菌が行われる。過酸化水素処理され
た被処理水はさらに光触媒処理装置eに送られる。光触
媒処理装置eは、アルミナ担体上に固定化した酸化チタ
ン光触媒fと光源である冷陰極管gから構成されてい
る。冷陰極管gから360nm付近を波長ピークとする近紫
外線が光触媒fに照射され、光吸収により光触媒内部で
正孔電子対が生成する。生成した正孔電子は光触媒表面
に拡散して、被処理水中から光触媒表面に吸着した過酸
化水素と反応する。この反応により酸化水素は分解さ
れ、酸素とOHラジカルが発生する。発生したOHラジ
カルの酸化作用により被処理水中の微生物の細胞膜や機
能蛋白、遺伝子などの生存機能が破壊され殺菌がさらに
行われる。光触媒処理後の残留過酸化水素濃度が一定レ
ベル以下になった殺菌水が処理水槽hに貯留され、光回
復の起こらない殺菌水として使用される。
【0018】図3は、紫外線殺菌処理と過酸化水素処
理、光触媒処理を組み合わせた殺菌水の製造システムを
示している。被処理水は、原水槽aから送水ポンプbに
より紫外線殺菌装置cに送られる。紫外線殺菌装置cで
は紫外線ランプdから254nmの紫外線が被処理水に照射
され、被処理水中に存在する細菌やウイルスなの微生物
が不活化される。つまり、微生物の遺伝子の一部が2量
体化され、増殖機能が停止する。紫線殺菌された被処理
水は、さらに過酸化水素反応槽iに送られる。紫外線殺
菌装置cから過酸化水素反応槽iへの送水管の途中で、
過酸化水素貯留槽jから薬液ポンプkにより送られてき
た過酸化水素水が被処理水に添加される。過酸化水素反
応槽iでは残留した過酸化水素の酸化力により微生物の
光回復機能や生存機能が破壊される。過酸化水素処理さ
れた被処理水はさらに光触媒処理装置eに送られる。光
触媒処理装置eは、アルミナ担体上に固定化した酸化チ
タン光触媒fと光源である冷陰極管gから構成されてい
る。冷陰極管gから360nm付近を波長ピークとする近紫
外線が光触媒fに照射され、光吸収により触媒内部で正
孔電子対が生成する。生成した電子は光触媒表面に拡散
して、被処理水中から光触媒表面に吸着した過酸化水素
と反応する。この反応により酸化水素は分解され、酸素
とOHラジカルが発生する。発生したOHラジカルの酸
化作用により被処理水中の微生物の細胞膜や機能蛋白、
遺伝子などの生存機能が破壊され殺菌がさらに行われ
る。光触媒処理後の残留過酸化水素濃度が一定レベル以
下になった殺菌水が処理水槽hに貯留され、光回復の起
こらない殺菌水として使用される。
【0019】
【実施例】実施例1 図1の製造システムにおいて、紫外線殺菌装置での紫外
線量を30mW・sec/cm2とし、光触媒処理装置での近紫外
線照射量を9.3 W・sec/cm2として殺菌水を製造した。
【0020】実施例2 図2の製造システムにおいて、過酸化水素処理での処理
時間を10hr、過酸化水素初期濃度を14 mg/Lとし、光触
媒処理装置での近紫外線照射量を1.2 W・sec/cm2として
殺菌水を製造した。
【0021】実施例3 図2の製造システムにおいて、過酸化水素処理での処理
時間を10hr、過酸化水素初期濃度を14 mg/Lとし、光触
媒処理装置での近紫外線照射量を1.6 W・sec/cm2として
殺菌水を製造した。
【0022】実施例4 図2の製造システムにおいて、過酸化水素処理での処理
時間を3.5 hr、過酸化水素初期濃度を17 mg/Lとし、光
触媒処理装置での近紫外線照射量を1.1 W・sec/cm2とし
て殺菌水を製造した。
【0023】実施例5 図2の製造システムにおいて、過酸化水素処理での処理
時間を3.5 hr、過酸化水素初期濃度を34 mg/Lとし、光
触媒処理装置での近紫外線照射量を1.6 W・sec/cm2とし
て殺菌水を製造した。
【0024】実施例6 図2の製造システムにおいて、過酸化水素処理での処理
時間を3.5 hr、過酸化水素初期濃度を68 mg/Lとし、光
触媒処理装置での近紫外線照射量を3.9 W・sec/cm2とし
て殺菌水を製造した。
【0025】実施例7 図2の製造システムにおいて、過酸化水素処理での処理
時間を3.5 hr、過酸化水素初期濃度を170 mg/Lとし、光
触媒処理装置での近紫外線照射量を7.8 W・sec/cm2とし
て殺菌水を製造した。
【0026】実施例8 図2の製造システムにおいて、過酸化水素処理での処理
時間を2 hr、過酸化水素初期濃度を68 mg/Lとし、光触
媒処理装置での近紫外線照射量を3.9 W・sec/cm2として
殺菌水を製造した。
【0027】実施例9 図2の製造システムにおいて、過酸化水素処理での処理
時間を2 hr、過酸化水素初期濃度を170 mg/Lとし、光触
媒処理装置での近紫外線照射量を7.8 W・sec/cm 2として
殺菌水を製造した。
【0028】実施例10 図2の製造システムにおいて、過酸化水素処理での処理
時間を1 hr、過酸化水素初期濃度を170 mg/Lとし、光触
媒処理装置での近紫外線照射量を7.8 W・sec/cm 2として
殺菌水を製造した。
【0029】実施例11 図3の製造システムにおいて、紫外線殺菌装置での紫外
線量を30mW・sec/cm2とし、過酸化水素処理での処理時
間を10 hr、過酸化水素初期濃度を14 mg/Lとし、光触媒
処理装置での近紫外線照射量を1.2W・sec/cm2 として殺
菌水を製造した。
【0030】実施例12 図3の製造システムにおいて、紫外線殺菌装置での紫外
線量を30mW・sec/cm2とし、過酸化水素処理での処理時
間を10 hr、過酸化水素初期濃度を6 mg/Lとし、光触媒
処理装置での近紫外線照射量を0.36 W・sec/cm2として殺
菌水を製造した。
【0031】実施例13 図3の製造システムにおいて、紫外線殺菌装置での紫外
線量を30mW・sec/cm2とし、過酸化水素処理での処理時
間を10 hr、過酸化水素初期濃度を6 mg/Lとし、光触媒
処理装置での近紫外線照射量を0.72 W・sec/cm2として殺
菌水を製造した。
【0032】実施例14 図3の製造システムにおいて、紫外線殺菌装置での紫外
線量を30mW・sec/cm2とし、過酸化水素処理での処理時
間を10 hr、過酸化水素初期濃度を6 mg/Lとし、光触媒
処理装置での近紫外線照射量を1.1W・sec/cm2として殺菌
水を製造した。
【0033】比較例1 図1の製造システムにおいて、紫外線殺菌装置での紫外
線量を30mW・sec/cm2とし、光触媒処理装置での近紫外
線照射量を7.2 W・sec/cm2として殺菌水を製造した。
【0034】比較例2 図1の製造システムにおいて、紫外線殺菌装置での紫外
線量を30mW・sec/cm2とし、光触媒処理装置での近紫外
線照射量を0 W・sec/cm2として殺菌水を製造した。
【0035】比較例3 図2の製造システムにおいて、過酸化水素処理での処理
時間を10 hr、過酸化水素初期濃度を7 mg/Lとし、光触
媒処理装置での近紫外線照射量を1.1 W・sec/cm 2として
殺菌水を製造した。
【0036】比較例4 図2の製造システムにおいて、過酸化水素処理での処理
時間を10 hr、過酸化水素初期濃度を0 mg/Lとし、光触
媒処理装置での近紫外線照射量を1.1 W・sec/cm 2として
殺菌水を製造した。
【0037】比較例5 図3の製造システムにおいて、紫外線殺菌装置での紫外
線量を30mW・sec/cm2とし、過酸化水素処理での処理時
間を10 hr、過酸化水素初期濃を3 mg/Lとし、光触媒処
理装置での近紫外線照射量を0.36 W・sec/cm2として殺菌
水を製造した。
【0038】比較例6 図3の製造システムにおいて、紫外線殺菌装置での紫外
線量を30mW・sec/cm2とし、過酸化水素処理での処理時
間を10 hr、過酸化水素初期濃度を0 mg/Lとし、光触媒
処理装置での近紫外線照射量を0.36 W・sec/cm2として殺
菌水を製造した。
【0039】〔処理水質の評価〕実施例1〜14および
比較例1〜6において、処理水槽中の処理水について大
腸菌群数および過酸化水素濃度の測定を行った。大腸菌
測定にはm-Endo Broth培地を用いたメンブランフィルタ
ー法を用いた処理水の一定量をメンブランフィルターで
ろ過し、培養液を含ませた培地上に乗せた。培地に乗せ
たままメンブランフィルターに室温・24時間条件の蛍光
灯を照射し、光回復させた。その後、恒温槽に入れて培
養し、菌数を数えた。過酸化水素の濃度測定にはDMP法
(K. Kosakaet al., Environ. Sci. Technol., 32, 382
1, 1998)を利用した。
【0040】表1は、紫外線殺菌処理と光触媒処理を組
み合わせた殺菌水の製造システム(図1)について、処
理中の大腸菌群数を測定した結果である。光触媒処理装
置での近紫外線の照射量を9.3 W・sec/cm2とた場合(実
施例1)、光回復後の菌が100mL中で不検出となってい
た。これに対して、近紫外線照量を7.2 W・sec/cm2とし
た場合には(比較例1)、光回復後に菌が検出された。
また、近紫外線照射量を0 W・sec/cm2とした場合には
(比較例2)、光回復後に菌数が10個/100mL検出され、
紫外線殺菌水で光回復が顕著に認められた。これらの結
果から、紫外線殺菌処理と光触媒処理を組み合わせた殺
菌の製造システムでは、紫外線殺菌水の光回復を完全に
防止するためには近紫外線照射量を7.2 W・sec/cm2より
大きくする必要があることが明らかとなった。
【0041】表2は、過酸化水素処理と光触媒処理を組
み合わせた殺菌水の製造システム(図2)について、処
理中の大腸菌群数および過酸化水素濃度を測定した結果
である。過酸化水素処理槽での反応時間10時間条件で
は、初期過酸化水素濃度14 mg/L、光触媒処理装置での
近紫外線照射量1.1または1.6 W・sec/cm2の条件で光回復
後の菌が100mL中で不検出となっていたのに対し、初期
過酸化水素濃度が7 mg/L以下(比較例3〜4)では光回
復後に大腸菌が検出された。また、過酸化水素の反応時
間を3.5時間とした場合には初期濃度17〜170 mg/Lの条
件(実施例4〜7)で、過酸化水素の反応時間を2時間
とした場合には初期濃度68〜170 mg/Lの条件(実施例8
〜9)で、さらに過酸化水素の反応時間を1時間とした
場合には初期濃度170 mg/Lの条件(実施例10)で光回復
後の菌が不検出となり、紫外線殺菌後の光回復を完全に
防止できることが明らかとなった。以上の結果から、過
酸化水素処理と光触媒処理を組み合せた殺菌水の製造シ
ステムでは、過酸化水素処理槽での反応時間10時間の条
件では初期過酸化水素濃度を7 mg/Lより大きくする必要
があることが明らかとなった。
【0042】表3は、紫外線殺菌処理と過酸化水素処
理、光触媒処理を組み合わせた殺菌水の製造システム
(図3)について、処理水中の大腸菌群数および過酸化
水素濃度を測定した結果である。過酸化水素処理槽で反
応時間10時間の条件では、初期過酸化水素濃度6〜14 mg
/Lの条件(実施例11〜14)で光回復後の菌が100mL中で
不検出となっていたのに対し、初期過酸化水素濃度3 mg
/L以下では光回復後に大腸菌が検出された。これらの結
果から、紫外線殺菌処理と過酸化水素処理、光触媒処理
を組み合わせた殺菌水の製造システムでは、過酸化水素
処理槽での反応時間10時間の条件では初期過酸化水素濃
度を3 mg/Lより大きくする必要があることが明らかとな
った。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る殺菌
水製造方法によれば、紫外線処理の後段に光触媒処理を
設けることで、有害副生成物の生成がなく、菌の光回復
が起こらない殺菌水を短時間かつ、少ない近紫外線の照
射量で効率よく製造することができる。また、過酸化水
素処理の後段に光触媒処理を設けることで、有害副生成
物の生成がなく、菌の光回復が起こらない殺菌水を短時
間かつ、少ない近紫外線の照射量で製造することができ
る。さらに、紫外線殺菌、過酸化水素処理、光触媒処理
を順に行うことで、有害副生成物の生成がなく、菌の光
回復が起こらない殺菌水をより短時間かつ、少ない近紫
外線の照射量で効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施態様に係る紫外線殺菌処理と光
触媒処理を組み合わせた殺菌水の製造システムの機器系
統図である。
【図2】本発明の別の実施態様に係る過酸化水素処理と
光触媒処理を組み合わせた殺菌水の製造システムの機器
系統図である。
【図3】本発明のさらに別の実施態様に係る紫外線殺菌
処理と過酸化水素処理、光触媒処理を組み合わせた殺菌
水の製造システムの機器系統図である。
【符号の説明】
a:原水槽 b:送水ポンプ c:紫外線殺菌装置 d:紫外線ランプ e:光触媒処理装置 f:酸化チタン光触媒 g:冷陰極管 h:処理水槽 i:過酸化水素反応槽 j:過酸化水素貯留槽 k:薬液ポンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/50 520 C02F 1/50 520A 531 531Q 540 540B 550 550C 550H 560 560C 560Z (71)出願人 391031155 株式会社日本フォトサイエンス 東京都八王子市散田町5丁目8番3号 (72)発明者 橋本 和仁 神奈川県横浜市栄区飯島町2073−2−D 213 (72)発明者 野口 寛 東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式会 社明電舎内 (72)発明者 五ノ井 浩二 東京都品川区大崎2丁目1番17号 株式会 社明電舎内 (72)発明者 角谷 祐公 東京都八王子市散田町5丁目8番3号 株 式会社日本フォトサイエンス内 Fターム(参考) 4D037 AA01 AB03 BA18 BB01 CA11 4D050 AA01 AB06 BB09 BB20 BC06 BC09 BD03 BD06 BD08 CA07 4G069 AA03 BA01A BA01B BA03A BA04B BA05A BA06A BA48A BB04A BB06A BC12A BC13A BC21A BC22A BC25A BC26A BC35A BC36A BC48A BC50A BC68A CD10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線殺菌処理後に光触媒処理を行うこ
    とにより、殺菌水を製造することを特徴とする殺菌水製
    造方法。
  2. 【請求項2】 過酸化水素処理後に光触媒処理を行うこ
    とにより、殺菌水を製造することを特徴とする殺菌水製
    造方法。
  3. 【請求項3】 紫外線殺菌処理、過酸化水素処理、光触
    媒処理を順に行うことにより、殺菌水を製造することを
    特徴とする殺菌水製造方法。
  4. 【請求項4】 光触媒処理で用いる光触媒が、珪素、チ
    タン、アルミニウム、ジルコウム、マグネシウム、亜
    鉛、カドミウム、ビスマス、スズ、鉛、アンチモン、ニ
    ッケル、トリウムより選ばれる少なくとも1種の金属原
    子を含む化合物からなる担体に、酸化チタン、チタン酸
    ストロンチウム、チタン酸バリウム、酸化亜鉛より選ば
    れる少なくとも1種の化合物からなる光触媒を担持した
    ものからなる、請求項1〜3のいずれかに記載の殺菌水
    製造方法。
  5. 【請求項5】 光触媒処理における近紫外線照射量が7.
    2 W・sec/cm2より大きいことを特徴とする、請求項1に
    記載の殺菌水製造方法。
  6. 【請求項6】 過酸化水素処理の処理時間が1〜10時
    間、過酸化水素初期濃度が7〜170 mg/L、光触媒処理に
    おける近紫外線照射量が1.1〜7.8 W・sec/cm2であること
    を特徴とする、請求項2に記載の殺菌水製造方法。
  7. 【請求項7】 過酸化水素処理の処理時間が1〜10時
    間、過酸化水素初期濃度が5〜15 mg/L、光触媒処理にお
    ける近紫外線照射量が0.36〜1.2 W・sec/cm2であること
    を特徴とする、請求項3に記載の殺菌水製造方法。
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