JP2003153001A - 誤差拡散法による画像処理方式 - Google Patents

誤差拡散法による画像処理方式

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JP2003153001A
JP2003153001A JP2001351998A JP2001351998A JP2003153001A JP 2003153001 A JP2003153001 A JP 2003153001A JP 2001351998 A JP2001351998 A JP 2001351998A JP 2001351998 A JP2001351998 A JP 2001351998A JP 2003153001 A JP2003153001 A JP 2003153001A
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JP2001351998A
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English (en)
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Akimasa Yoshikawa
晃正 吉川
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Ricoh Printing Systems Ltd
Original Assignee
Hitachi Printing Solutions Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誤差拡散法において低濃度域での鎖状の特異
模様の発生を抑えた高画質な画像処理方式を提供するも
のである。 【解決手段】 入力画像信号が所定濃度以下の低濃度域
では、ブルーノイズマスクの手法により作成された均一
処理閾値マトリックスによりドットの発生位置を空間的
に均一になるよう制限し、さらに誤差拡散法により量子
化することで、低濃度域で発生していた特有な構造の模
様(テクスチャ)を防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機を含むプリ
ンタや各種印刷システムなどに用いられる多階調の入力
画像信号を低階調の画像信号に変換する手法として誤差
拡散法を用いた画像処理方式に関する。
【0002】
【従来の技術】中間調画像を記録する擬似階調表現方法
の一つとして誤差拡散法(Robert Floyd and Louis Ste
inberg, “An Adaptive Algorithm for Spatial Gray S
cale”,Proc.SID,Vol17,No2,pp.75-77,1976)が知られ
ている。誤差拡散法は入力画像と出力画像の濃度誤差が
最小となるように濃度補正を行う量子化処理であり、2
値記録しかできないプリンタなどでフルカラーの高精細
画像を印刷する場合に、見かけの解像度と階調表現の低
下を抑えた良好な画像を記録することができる極めて有
効な手法である。
【0003】図14を用いて従来の誤差拡散法を説明す
る。主走査方向がm画素、副走査方向がn画素で、1画
素あたり8ビット(0〜255)の濃度を持った入力画
像信号Sから、主走査方向がm画素、副走査方向がn画
素で、1画素あたり1ビット(0or1)の濃度の出力画
像信号Oを生成する。先ず、入力画像信号Sの左からx
番目・上からy番目の画素の濃度値をS(x,y)、出
力画像信号Oの左からx番目・上からy番目の画素の濃
度値をO(x,y)で表すとき、出力画像信号Oの濃度
値O(x,y)と、入力画像信号Sと出力画像信号Oと
の間で生じた量子化誤差ERRを、下記式1、式2で算
出する。
【0004】 S(x,y)≧ TH のとき O(x,y)= 1、ERR =S(x,y)− 255 ・・・[式1] S(x,y)< TH のとき O(x,y)= 0、ERR =S(x,y)− 0 ・・・[式2] ここで、THは2値化閾値であり、入力画像信号Sの表
現可能な最大濃度値の半分、つまりTH=128を用い
る。次に入力画像信号Sと出力画像信号Oとの間で生じ
た量子化誤差ERRを、注目画素近傍の周辺画素に分配
する。
【0005】図15は、量子化誤差ERRを周辺画素に
分配するときの分配比率を表す重み付け係数マトリック
スである。同図の重み付け係数により、量子化誤差ER
Rを下記式3〜式6で周辺画素に分配する。下記の処理
を、すべての画素に対して順に行うことで、量子化され
た出力画像信号Oを得ることができる。
【0006】 S(x+1,y) = S(x+1,y) +(7/16) × ERR ・・・[式3] S(x-1,y+1) = S(x-1,y+1) +(3/16) × ERR ・・・[式4] S(x,y+1) = S(x,y+1) + (5/16) × ERR ・・・[式5] S(x+1,y+1) = S(x+1,y+1) + (1/16) × ERR ・・・[式6]
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来法で
は、低濃度域でのドット分散性は十分ではなく、図16
に示すような鎖状の特異模様が発生している。これは記
録媒体上のドット発生率が広い範囲では均一であるのに
対し、局所的には偏っていることに起因する。これが、
低濃度域での画質劣化を引き起こしている。
【0008】本発明の目的は、このような従来技術の欠
点を解消し、低濃度域での鎖状の特異模様の発生を抑え
た誤差拡散法による高画質な画像処理方式を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
請求項1記載の発明は、入力画像信号の濃度レベルがド
ット発生位置に制限を加えるか否かを決定する上限濃度
値以下の低濃度域の場合には、前記入力画像信号の濃度
レベルに応じて、印字ドットの発生を制限し印字ドット
の発生率を空間的に均一にする均一処理工程と、均一処
理工程後の画像信号に誤差拡散処理により量子化する誤
差拡散処理工程とを有する画像処理方式を提供すること
で達成できる。
【0010】ここで、均一処理工程は、入力画像信号の
注目画素に対し、予め用意した均一処理閾値マトリック
スから前記注目画素の位置に応じて閾値を抽出すると共
に、前記注目画素の濃度レベルを該濃度レベルに応じて
重み付けを行い、抽出された前記閾値と重み付けされた
前記濃度レベルとを比較し、前記濃度レベルが前記閾値
より大きければ、注目画素に対して前記誤差拡散処理工
程により誤差拡散処理を行い、前記濃度レベルが前記閾
値より小さければ、その注目画素には印字ドットは発生
させず、前記濃度レベルを量子化誤差として前記誤差拡
散処理工程に受け渡す。
【0011】一方、前記誤差拡散処理工程は、誤差拡散
処理を行う入力画像信号の注目画素に対し量子化を行
い、その量子化で発生した量子化誤差に重み付け係数を
かけ算して、該注目画素近傍のまだ量子化されていない
画素の画像信号に加算する。
【0012】ここで重要な点は、前記均一処理工程にお
いて、前記閾値と比較する注目画素の濃度レベルは、前
記誤差拡散工程で量子化誤差が加算されたあとの濃度レ
ベル、つまり誤差拡散処理後の濃度レベルを用いず、オ
リジナルの入力画像信号の濃度レベルを用いることであ
る。そのためには、オリジナルの入力画像信号を複製画
像信号として予めコピーし、前記均一処理工程ではオリ
ジナルの入力画像信号を、前記誤差拡散部ではコピーし
た複製画像信号を用いることが必要である。
【0013】以上の処理をすべての画素に対して順次行
うことにより、入力画像信号は誤差拡散処理により量子
化されると共に、低濃度域でのドットの発生率が空間的
に均一になり、特有な構造の模様(テクスチャ)の発生
を防止できる。
【0014】請求項2記載の発明は、前記請求項1記載
の発明の前記注目画素位置に応じた閾値を求める手段を
具体化したもので、均一処理閾値マトリックスを用いて
閾値を求める。
【0015】請求項3記載の発明は、前記請求項2記載
の発明の前記均一処理閾値マトリックスを具体化したも
ので、該均一処理閾値マトリックスはブルーノイズマス
クの手法により閾値を配置することにより、低濃度域で
のドットの発生がブルーノイズ風になり、特有な構造の
模様(テクスチャ)の発生が防止できる。ブルーノイズ
マスクの手法としては(Robert Ulichney,“The void-a
nd-cluster methord for dither array generation”,S
PIE,Vol.1913,pp.332-343)を用いることができる。た
だし、これに限定されるものではなく、他に知られた方
法で作成しても良い。
【0016】請求項4記載の発明は、前記請求項1ない
し3記載の発明の前記均一処理工程において、前記注目
画素の濃度レベルを該濃度レベルに応じて重み付けを行
う際、前記入力画像信号の注目画素の濃度レベルが上限
濃度値以下である場合には、前記注目画素の濃度レベル
が高かければ高いほど印字ドットの発生可能領域が増加
すように、さらに、該発生可能領域の増加率は前記入力
画像信号の濃度レベルが高かければ高いほど大きくなる
ように重み付けをすることで、低濃度域では高濃度域に
比べドットの発生位置がより制限される。そのため、該
発生位置は、前記均一処理工程のあとに行う前記誤差拡
散工程より前記均一処理閾値マトリックスによる影響が
大きくなり、誤差拡散処理で発生する特有な構造の模様
(テクスチャ)の発生を防止できる。
【0017】請求項5記載の発明は、前記請求項1ない
し請求項4のいずれかの発明の画像処理方式を印刷シス
テムに適用して誤差拡散法による画像処理をしたことを
特徴とするものである。
【0018】請求項6記載の発明は、前記請求項1ない
し請求項4のいずれかの発明の画像処理方式をプリンタ
のメモリに格納して誤差拡散法による画像処理をしたこ
とを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態を図ととも
に説明する。なお、本実施形態では説明のために便宜
上、入力画像信号は1画素あたり8ビット(0〜25
5)濃度を持った画像信号とし、処理後の出力画像信号
は1画素あたり1ビットの2値信号とするが、本発明は
これに限ったものではない。
【0020】図3は、ドットの発生を局所的に均一させ
るために使用する均一処理閾値マトリックスである。本
実施形態の均一処理閾値マトリックスは、16×16ド
ットサイズの分散型ディザマトリックスで、各濃度レベ
ルでの印字ドット発生可能領域は、濃度レベルに対して
1次関数で増加するように閾値を配置してある。
【0021】図4はその均一処理閾値マトリックスの各
濃度レベルでの印字ドット発生可能領域率を示す図であ
り、同図に示すように濃度レベルに正比例して印字ドッ
ト発生可能領域率が大きくなっている。次の式7は、本
発明の均一処理工程において、ドット発生が空間的に均
一なるようにドットの発生位置を制限するために、入力
画像信号の注目画素の濃度レベルと図3の均一処理閾値
マトリックスを比較する際に用いる重み付け関数F
(D)を算出する式である。
【0022】 D<Lのとき F(D)=〔(DMAX −L)×D2 /L2 +D D≧Lのとき F(D)=DMAX ・・・[式7] ここで、Dは入力画像信号の注目画素の濃度レベル値、
Lは注目画素の濃度レベル値Dに対しドット発生位置に
制限を加えるか否かを決定する上限濃度値、D MAX は入
力画像信号の1画素当たりの最大濃度値であり、本実施
形態の場合は255である。
【0023】つまり均一処理工程では、入力画像信号の
濃度レベルDが上限値濃度Lより小さい低濃度の場合
は、図3の均一処理閾値マトリックスと式7の重み付け
関数によりドット発生位置を制限し、濃度レベルDが上
限値濃度L以上の場合には、ドット発生位置に制限を加
えないことを意味している。
【0024】また、その際に使用する式7の重み付け関
数は2次関数を使用し、入力画像信号の濃度レベルDが
高ければ高いほど、印字ドットの発生可能領域率が増加
し、さらに、その発生可能領域の増加率は前記入力画像
信号の濃度レベルDが高ければ高いほど大きくなるよう
に重み付けをしている。
【0025】図5は、図3の均一処理閾値マトリックス
と式7の重み付け関数を使用して重み付けしたあとの、
注目画素の濃度レベル値Dに対する印字ドット発生可能
領域率を示した図である。同図に示すように、濃度レベ
ルDが高ければ高いほど印字ドット発生可能領域率は2
次関数的に大きくなっている。
【0026】なお本実施形態では、重み付け関数に2次
関数を使用したが、これに限ったものではない。例え
ば、3次関数、4次関数とより高次にすることで、さら
に低濃度域にドット発生の制限を加えることも可能であ
る。また、発明者の実験では、上限濃度値Lを32程度
にした場合が良好な結果となったが、これに限ったもの
ではない。
【0027】図6は、入力画像信号S〔同図(a)〕、
その複製画像信号C〔同図(b)〕、さらに本発明の誤
差拡散処理後の出力画像信号O〔同図(c)〕を表して
いる。これらの画像はいずれも主走査方向サイズがm画
素、副走査方向サイズがn画素で構成され、主走査方向
がx番目、副走査方向がy番目の画素の濃度レベルを、
入力画像信号ではS(x,y)、複製画像信号ではC
(x,y)、誤差拡散処理後の出力画像信号ではO
(x,y)で表現している。
【0028】ここで、入力画像信号Sは、後述する均一
処理工程においてドットの発生を制限する均一処理閾値
マトリックスとの比較のために使用する。複製画像信号
Cは後述する誤差拡散処理工程の誤差計算及び誤差分配
に使用し、誤差拡散処理工程後の2値画像を出力画像信
号Oに格納する。
【0029】以下、図1および図2に示すフローチャー
トに従って本発明の量子化処理法を説明する。先ず、図
1のステップS100で、入力画像信号Sを複製画像信号C
にコピーする。次に、入力画像の量子化処理(ステップ
S130)のため、ステップS110で副走査方向の画像サイズ
であるn回数分のくり返し処理を、ステップS120で主走
査方向の画像サイズであるm回数分の繰り返し処理を行
い、入力画像を順次走査する。
【0030】次に、図1のステップS130の量子化処理を
図2を用いて説明する。先ず、注目画素に対する均一処
理閾値Tmを、図3の均一処理閾値マトリックスに基づ
いて求める(ステップS200)。例えば、注目画素の座標
が走査方向がx、副走査方向がyの場合、均一処理閾値
Tmは図3の均一処理閾値マトリックスのB(x%1
6,y%16)で求められる。ここで、x%16とは、
xを16で割ったときの余りを表してる。例えば注目画
素の座標が、主走査方向が20、副走査方向が40の場
合では、均一処理閾値Tmは、B(20%16,40%
16)=B(4,8)=12となる。
【0031】次に、入力画像信号Sの注目画素の濃度S
(x,y)を前述した式7の重み付け関数F(D)を用
い重み付けしたF(S(x,y))と、均一処理閾値T
mとを比較する(ステップS210)。もし、入力画像信号
Sの注目画素の濃度S(x,y)を重み付けしたF(S
(x,y))がTmより小さければ(YES)、ドット
を発生させないために、出力画像信号Oの注目画素の濃
度O(x,y)を0に設定し(ステップS240)、その際
の量子化誤差ERRに複製画像信号Cの注目画素の濃度
C(x,y)を代入する(ステップS260)。
【0032】一方、入力画像信号Sの注目画素の濃度S
(x,y)を重み付けしたF(S(x,y))がTm以
上であれば(NO)、複製画像信号Cの注目画素の濃度
C(x,y)と誤差拡散処理閾値Teとを比較する(ス
テップS220)。本実施形態では、誤差拡散処理閾値Te
は入力画像信号Sの取りうる値の中間値である128と
したが、これにとらわれるものではない。
【0033】次に、複製画像信号Cの注目画素の濃度C
(x,y)が誤差拡散処理閾値Teより小さい場合は、
ステップS210の入力画像信号Sの注目画素の濃度S
(x,y)を重み付けしたF(S(x,y))がTmよ
り小さい場合と同様に、ドットを発生させないために、
出力画像信号Oの注目画素の濃度O(x,y)を0に設
定し(ステップS240)、その際の量子化誤差ERRに複
製画像信号Cの注目画素の濃度C(x,y)を代入する
(ステップS260)。
【0034】一方、複製画像信号Cの注目画素の濃度C
(x,y)がTe以上であれば、ドットを発生させるた
めに、出力画像信号Oの注目画素の濃度O(x,y)を
1に設定し(ステップS230)、その際の量子化誤差ER
Rに複製画像信号Cの注目画素の濃度C(x,y)から
255を引いた値を代入する(ステップS250)。
【0035】次に、量子化誤差ERRを注目画素の近傍
画素に分配する(ステップS270)。その際の、量子化誤
差ERRの分配先画素とその分配率は、図15の重み付
け係数マトリックスにより決定する。図15の重み付け
係数マトリックスでは、注目画素近傍の4画素を式8〜
式11のように分配する。
【0036】 C(x+1,y) = C(x+1,y) + 7/16 * ERR ・・・[式8] C(x-1,y+1)= C(x-1,y+1) + 3/16 * ERR ・・・[式9] C(x,y+1) = C(x,y+1) + 5/16 * ERR ・・・[式10] C(x+1,y+1)= C(x+1,y+1) + 1/16 * ERR ・・・[式11] これで、1画素に対する量子化処理は終了であり、次の
画素に処理を移す。
【0037】以上説明した量子化処理により、入力画像
信号Sが予め設定した上限濃度値以下の低濃度域ではド
ットの発生が均一処理閾値マトリックスにより空間的に
均一になり、特有な構造の模様(テクスチャ)の発生が
防止できる。
【0038】なお、本実施形態では、図15の重み付け
係数マトリックスを使用したが、これに限定されるもの
ではない。例えば、図7の重み付け係数マトリックスを
使用することも可能である。同図の重み付け係数マトリ
ックスを使用すると、より多くの演算が必要になるが、
量子化誤差が広範囲に分散されるため、図15の重み付
け係数マトリックスを使用したときより特有な構造の模
様(テクスチャ)の発生を抑えることができる。
【0039】次に、本発明の第2の実施形態について、
図8ないし図10を用いて説明する。本実施例では、均
一処理工程において、ブルーノイズマスクの手法により
閾値が配置されている均一処理閾値マトリックスを使用
することのみが、第1の実施形態と相違する。以下、ブ
ルーノイズマスクの生成方法について説明する。
【0040】図8は、作成するブルーノイズマスクBを
示しており、マトリックスサイズは主走査方向がi、副
走査方向がjである。また、主走査方向がx、副走査方
向がyの閾値の座標を(x,y)で、その座標の閾値を
B(x,y)で表わすものとする。また、入力画像信号
の濃度レベルは0〜255の256段階なので、ブルー
ノイズマスク内に配置する閾値は1〜255とする。
【0041】次に図9,図10のフローチャート図でブ
ルーノイズマスクの生成方法について説明する。最初
に、使用する変数であるK、B(x,y)、A(x,
y)、Eva0、majorityをステップS300で初期化する。K
は現在作成しているブルーノイズマスクの濃度値で初期
値はK=1である。B(x,y)は前述したように、作
成するブルーノイズマスクの座標(x,y)での閾値配
列で、初期値はすべて0である。
【0042】A(x,y)はブルーノイズマスクの座標
(x,y)に既にドットが発生したか否かを表す配列
で、初期値はすべて0である。Eva0は濃度1でのドット
分散具合の判断する収束評価値で初期値はi*jである。m
ajorityはブルーノイズマスク内に既に発生したドット
数が全画素数の半分より大きい場合は1、少ない場合は
0を示す変数で、初期値は0である。
【0043】次にステップS310からステップS380で、濃
度1(K=1)のマスクを作成する。これが、濃度2か
ら255のマスクを作成するための初期パターンとな
る。先ず、ステップS310で1濃度分のドットをランダム
にマスク内に配置する。ドットを配置するときは、A
(x,y)に1を代入する。また、配置するドット数
は、各濃度で同数になるように、(i×j/255)個とす
る。
【0044】次に、ステップS320〜S370の処理でマスク
内にランダムに配置されたドットを空間的に分布が均一
になるように再配置する。先ず、マスク内のすべての画
素の期待濃度を計算する。この期待濃度とは、ドットの
分散具合を評価するのもであり、対象画素の座標を
(x,y)とするとき、その画素の期待濃度をD(x,
y)で表し、次の式12で算出する。
【0045】
【数1】 ここで、式12内のmajorityは、マスク内に発生した画
素の数が全画素数の半分未満の場合には0、半分以上の
場合には1となる変数である。また、u、v、f(p,
q)は次の式13〜式15で算出する。
【0046】 u=(i+x+p)%i ・・・[式13] v=(j+y+q)%j ・・・[式14]
【数2】 式13および式14内の%は第1の実施形態でも記載し
たように剰余を表す記号で、例えば、5 %3 = 2, 3% 5
= 3となる。また、σは調整用係数で発明者の実験では
1.5が良い結果を示した。ところで、期待濃度とは、
対象画素(x,y)の周辺に存在する周辺画素(u,
v)を、対象画素からの距離に応じて重み付けし合計し
たものである。f(p,q)が対象画素からの距離に応
じた重み関数である。そのため、対象画素の周辺に画素
が多く存在すればするほど、またその距離が近ければ近
いほど、対象画素の期待濃度は大きくなる。この期待濃
度を、ドットの分散具合の判定材料としてステップS350
で使用する。
【0047】ただし、majorityの値が1の場合には、つ
まり、マスク内に発生した画素の数が全画素数の半分以
上の場合には、対象画素(x,y)の周辺のまだドット
が配置されていない周辺画素(u,v)を探索し期待濃
度を計算するため、対象画素の周辺に画素が多く存在す
ればするほど、またその距離が近ければ近いほど、対象
画素の期待濃度が小さくなる。また、周辺画素の探索範
囲は、水平方向がx-(i/2)〜x+(i/2)、垂直方向がx-(j/
2)〜x+(j/2)とすることで、マスク内すべての画素を考
慮することができる。ただし、マスクサイズが大きくな
ると処理に時間が増大するため、マスクサイズや濃度に
応じて探索範囲を調整することも可能である。
【0048】次に、ステップS330で、ドットが配置され
た画素、つまり、A(x,y)=1の画素のうち、最大期待濃度
を求め、その最大期待濃度をDmax、その画素の座標を(x
max,ymax)とする。さらに、ドットが配置されていない
画素、つまり、A(x,y)=0の画素のうち、最小期待濃度を
求め、その最小期待濃度をDmin、その画素の座標を(xmi
n,ymin)とする。濃度Kが1の場合は、majority=0なの
で、座標(xmax,ymax)がドットが最も密集しているとこ
ろで、座標(xmin,ymin)が最も粗のところである。
【0049】次に、ステップS340で、最大期待濃度Dmax
と最小期待濃度Dminの差をEvaに代入する。ここで求め
たEvaが現在のドットの分散具合を表すパラメータとな
る。次に、ステップS350で、このEvaとドット分散具合
の収束評価値Eva0を比較し、ドット分散処理が収束した
か否かを判断する。EvaがEva0未満の場合には、ドット
分散具合がまだ不十分と判断し、ステップS360で、最大
期待濃度の画素と最小期待濃度の画素を入れ替える。つ
まり、A(xmax,ymax)=0、A(xmin,ymin)=1としする。
【0050】さらにステップS370で、収束評価値Eva0に
Evaを代入し新しい収束条件とし、ドット分散処理を続
けるためステップ320に制御を戻す。一方、ステップS35
0でEvaがEva0以上の場合には、ドットが十分分散したと
判断し、ステップS380に移動し、配列A(x,y)の内容をB
(x,y)にコピーする。これで、濃度1のブルーノイズマ
スク作成が終了したことになる。
【0051】次に、ステップS400〜S500で濃度2〜254の
ブルーノイズマスクを作成する。ステップS400はそのた
めのループ処理で、K=2からK=254までステップS410〜S5
00の処理を繰り返している。ステップS410はマスク内に
発生したドット数が、全画素数の半分(i×j/2)に達し
た否か調べるため、現在処理中の階調値Kと128とを比較
している。
【0052】Kが128未満の場合には、マスク内に発生
したドット数が全画素数の半分(i×j/2)に達していな
いと判断し、ステップS420で majorityに0を代入す
る。そうでない場合はステップS430で majorityに1を
代入する。ただし、この処理では、マスク内に発生した
ドット数が、全画素数の半分(i×j/2)に達した否かを
厳密に判断することはできないが、それによる影響は処
理時間が多少変化するのみでマスク作成にはなんら問題
ない。
【0053】ステップS440は、1濃度分のマスク作成の
ためのループ処理で、ステップS450からステップS500ま
でをi×j/255回繰り返している。このループ回数は、ス
テップS310と同様、各濃度におけるドットの追加数を同
数にするため、全画素数を255で割った値にしている。
そして、ステップS440のループを抜けるとステップS400
に戻り、次の濃度のマスク作成を行う。
【0054】次に、ステップS450からステップS500まで
の処理を説明する。先ず、ステップS450で、ステップS3
20と同様、全画素の期待濃度を求める。次に、ステップ
S460でmajorityが0か否かを判断し、0の場合には、ス
テップS470でドットがまだ配置されていない画素、つま
り、A(x,y)=0の画素のうち、最小期待濃度を求め、その
画素の座標を(xmin,ymin)に代入する。この座標(xmin,y
min)がドットの密集具合の最も粗の座標なので、座標(x
min,ymin)にドットを発生させる。また、マスクには現
在処理中の濃度値Kを代入する。つまり、A(xmin,ymin)=
1、 B(xmin,ymin)=Kとする(ステップS480)。
【0055】一方、ステップS460で、majorityが1の場
合には、ステップS490でドットがまだ配置されていない
画素、つまり、A(x,y)=0の画素のうち、最大期待濃度を
求め、その画素の座標を(xmax,ymax)に代入する。この
座標(xmax,ymax)がドットの密集具合の最も粗の座標な
ので、座標(xmax,ymax)にドットを発生させる。また、
マスクには現在処理中の濃度値Kを代入する。つまり、A
(xmax,ymax)=1、 B(xmax,ymax)=Kとする(ステップS50
0)。
【0056】このようにして、ステップS440の繰り返し
処理、および、ステップS400の繰り返し処理を共に終了
すると、濃度1から濃度254のマスクが完成したことに
なる。あとは、まだ閾値が埋まっていない画素、つまり
B(x,y)=0の画素に255を代入することで、全濃度のマス
クが完成する(ステップS510)。
【0057】以上の方法により作成したブルーノイズマ
スクを、均一処理閾値マトリックスとして使用すること
で、ドットの偏りが少なく同時にザラツキ感がなくな
り、特有な構造の模様(テクスチャ)の発生を抑えるこ
とができる。
【0058】図11は、本実施形態で5%濃度のブラッ
ク画像を量子化した結果である。図16のように、従来
法で量子化した画像において発生していた鎖状の特異模
様が、本実施形態では解消している。
【0059】図12は、本発明の第1の適用例に係る印
刷システムの概略構成を示すブロック図である。この印
刷システムは、ホストコンピュータ11と、それによっ
て制御されるプリンタ12から主に構成されている。そ
して前記ホストコンピュータ11は、アプリケーション
ソフト13とプリンタドライバ14などを備えている。
前記プリンタ12は、コントローラ15とプリンタエン
ジン16を備えている。本実施形態に係る誤差拡散法に
よる画像処理プログラムはアプリケーションソフト14
に格納されており、プリンタ12で画像形成される際の
画像処理に用いられる。
【0060】図13は、本発明の第2の適用例に係るプ
リンタの概略構成を示すブロック図である。このプリン
タ21は、コントローラ22とプリンタエンジン23と
操作パネル24から主に構成されている。そしてコント
ローラ22は、CPU25、メモリ26、エンジンI/
F27、バスブリッジ28、ネットワークI/F29、
ローカルI/F30、パネルI/F31、HDD32な
どを備えている。本実施形態に係る誤差拡散法による画
像処理プログラムは前記メモリ26に格納されており、
プリンタエンジン23で画像形成される際の画像処理に
用いられる。
【0061】前記実施形態では、注目画素位置に応じた
閾値を均一処理閾値マトリックスを用いて求めた。この
方法だと簡便に閾値を求めることができるが、本発明は
これに限定されるものではなく、計算式などを用いた他
の手段で注目画素位置に応じた閾値を求めることも可能
である。
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、従来の誤差拡散法では
低濃度域でのドット分散性が十分ではなく特有な構造の
模様(テクスチャ)が発生することがあったのに対し
て、入力画像信号が所定濃度以下の低濃度域ではドット
の発生が均一処理閾値マトリックスにより空間的に均一
になるように制限されることにより、特有な構造の模様
(テクスチャ)の発生が抑えられ、低濃度領域における
画質向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る量子化処理を示
すフローチャート図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る量子化処理を示
すフローチャート図である。
【図3】本発明の均一処理閾値マトリックスを示す図で
ある。
【図4】図3の均一処理閾値マトリックスにおける濃度
レベルとドット発生可能領域率との関係を示す図であ
る。
【図5】本発明の均一処理工程における濃度レベルとド
ット発生可能領域率との関係を示す図である。
【図6】本発明に用いる入力画像信号S、複製画像信号
C、出力画像信号Oの構成説明図である。
【図7】本発明の第2の重み付け係数マトリックスを示
す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態のブルーノイズマスク
を示す図である。
【図9】本発明の第2の実施形態におけるブルーノイズ
マスク作成方法を示すフローチャートである。
【図10】本発明の第2の実施形態におけるブルーノイ
ズマスク作成方法を示すフローチャートである。
【図11】本発明の誤差拡散法による出力結果を示す図
である。
【図12】本発明の第1の適用例に係る印刷システムの
概略構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の第2の適用例に係るプリンタの概略
構成を示すブロック図である。
【図14】従来の誤差拡散法に用いる画像信号の構成説
明図である。
【図15】第1の重み付け係数マトリックスである。
【図16】従来の誤差拡散法による出力結果を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 入力画像信号S 2 出力画像信号O 3 第1の重み付け係数マトリックス 4 均一処理閾値マトリックスB 5 入力画像信号S 6 複製画像信号C 7 出力画像信号O 8 第2の重み付け係数マトリックス 9 ブルーノイズマスクB 11 ホストコンピュータ 12 プリンタ 13 アプリケーションソフト 14 プリンタドライバ 15 コントローラ 16 プリンタエンジン 21 プリンタ 22 コントローラ 23 プリンタエンジン 25 CPU 26 メモリ 27 エンジンI/F

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多階調の入力画像信号を誤差拡散法を用
    いて低階調の出力画像信号に変換する画像処理方式にお
    いて、 均一処理工程と、その均一処理工程後の画像信号に誤差
    拡散処理により量子化する誤差拡散処理工程とを備え、 前記均一処理工程が、 前記入力画像信号の注目画素の濃度レベルが、ドット発
    生位置に制限を加えるか否かを決定する上限濃度値以下
    であるかどうかを判定する第1のステップと、 その第1のステップで上限濃度値以下であると判定され
    た場合は、前記注目画素位置に応じて閾値を求める第2
    のステップと、 前記注目画素の濃度レベルをその濃度レベルに応じて重
    み付けを行なう第3のステップと、 前記第2のステップで抽出した前記閾値と第3のステッ
    プで重み付けした前記濃度レベルとを比較して、前記注
    目画素に対応した位置にドットを形成するか否かを判断
    する第4のステップを有していることを特徴とする誤差
    拡散法による画像処理方式。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の画像処理方式において、
    前記注目画素位置に応じた閾値を均一処理閾値マトリッ
    クスを用いて求めることを特徴とする誤差拡散法による
    画像処理方式。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の画像処理方式において、
    前記均一処理閾値マトリックスは、ブルーノイズマスク
    の手法により閾値が配置されていることを特徴とする誤
    差拡散法による画像処理方式。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載の画像処理方式において、前記均一処理工程は、前記
    入力画像信号の注目画素の濃度レベルが上限濃度値以下
    である場合には、前記注目画素の濃度レベルが高かけれ
    ば高いほど印字ドットの発生可能領域率が増加し、さら
    に、該発生可能領域の増加率は前記入力画像信号の濃度
    レベルが高ければ高いほど大きくなるように重み付けを
    した工程であることを特徴とする誤差拡散法による画像
    処理方式。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載の画像処理方式を用いたことを特徴とする印刷システ
    ム。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載の画像処理方式をメモリに格納したことを特徴とする
    プリンタ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7881553B2 (en) 2005-12-06 2011-02-01 Ricoh Company, Ltd. Image processing apparatus, image processing method, and computer program product
US8419151B2 (en) 2008-09-12 2013-04-16 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Inkjet printer

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7881553B2 (en) 2005-12-06 2011-02-01 Ricoh Company, Ltd. Image processing apparatus, image processing method, and computer program product
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