JP2003152536A - 周波数拡散されたクロックを発生するクロックジェネレータ - Google Patents

周波数拡散されたクロックを発生するクロックジェネレータ

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JP2003152536A
JP2003152536A JP2001348961A JP2001348961A JP2003152536A JP 2003152536 A JP2003152536 A JP 2003152536A JP 2001348961 A JP2001348961 A JP 2001348961A JP 2001348961 A JP2001348961 A JP 2001348961A JP 2003152536 A JP2003152536 A JP 2003152536A
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的簡単な設定で所望の周波数拡散特性を
有するクロックを生成する。 【解決手段】 周波数拡散されたクロックを発生するク
ロックジェネレータは、比較基準信号と比較信号の位相
差を検出する位相差検出器と、前記位相差検出器から出
力される位相差出力に応じた周波数で発振し、前記クロ
ックを出力する発振器と、前記発振器から出力される前
記クロックを、比較信号分周値に基づいて分周して、前
記比較信号として出力する比較信号分周器と、外部から
調整可能な所定の許容条件に基づいて、許容分周値を発
生する許容分周値発生器と、外部から調整可能な基準分
周値と発生された前記許容分周値とに基づいて前記比較
信号分周値を求めて、前記比較信号分周器に供給する演
算器とを備える。前記許容分周値発生器は、前記許容条
件に応じて決定される所定の許容範囲内に含まれる乱数
を前記許容分周値として発生させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、PLL(Phase-
Locked Loop)を用いたクロックジェネレータに関し、
特に、クロックジェネレータから出力されるクロックを
基準に動作するシステムにおけるEMI(Electromagne
tic Interference)の抑制を可能とするクロックジェネ
レータに関する。
【0002】
【従来の技術】各種の電子機器が発生するノイズは、他
の電子機器に好ましくない障害(EMI)を与える場合
がある。このため、電子機器が発生するノイズ(以下、
「EMIノイズ」と呼ぶ。)には、種々の規制が設けら
れている。
【0003】電子機器を開発し製造する場合において、
通常、製造メーカは、製造する電子機器がEMIノイズ
の規制を満足するように、電子機器が発生するEMIノ
イズの低減を図っている。
【0004】ここで、電子機器を構成する電子回路は、
通常、1または複数のクロックを基準に動作するのが一
般的である。図7は、クロックの周波数スペクトラムの
例を示す説明図である。実線で示すように、クロックの
周波数スペクトラムは、通常、クロックの発振周波数
(基本波:f1)とその調波に相当する各周波数(f
2,f3…)で振幅のピークを有する。このため、電子
機器において発生するEMIノイズの周波数スペクトル
も、通常、クロックの発振周波数(f1)とその調波に
相当する各周波数(f2,f3…)で振幅のピークを有
する。EMIを低減するためには、クロックの基本波と
その調波の各周波数で発生する振幅のピークを低減する
ことが要求される。その一手法として、クロックの発振
周波数を変化させることにより、図7に破線で示すよう
に、クロックの周波数スペクトラムを拡散させて、クロ
ックの基本波(f1)とその調波の周波数(f2,f3
…)で発生する周波数スペクトラムの振幅のピークを低
減することが考えられている。以下では、クロックの発
振周波数を変化させて、周波数スペクトラムを拡散させ
ることを、「周波数拡散」と呼ぶ。また、周波数拡散に
より変化するクロックの発振周波数の変化量を「拡散
量」と呼ぶ。
【0005】周波数拡散されたクロックを出力するクロ
ックジェネレータの例として、特開平9−98152号
に開示されている拡散スペクトル・クロック生成装置等
がある。
【0006】従来例のクロックジェネレータは、周波数
偏差プロファイル対プロファイルの周期(分周器の分周
値対分周器の設定周期)を示すデータに基づいて、PL
Lを構成する分周器の分周値を変化させて出力クロック
の周波数を変調することにより、周波数拡散を行ってい
る。周波数偏差プロファイル対プロファイルの周期を示
すデータは、あらかじめ書き換え可能なROMに記憶さ
れており、周波数拡散の特性の変更は、ROMに記憶さ
れている周波数偏差プロファイル対プロファイルの周期
を示すデータを書き換えることにより行うことができ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ROMに記憶
されている周波数偏差プロファイル対プロファイルの周
期を示すデータは、プロファイルの周期ごとの多くの周
波数偏差プロファイルを含んでいる。このため、クロッ
クの周波数拡散の特性を、ユーザが所望する特性に変更
するためには、ROMに記憶されているデータを、対応
する周波数偏差プロファイル対プロファイルの周期を示
すデータに書き換えるために比較的多くの時間を要する
ことになる。
【0008】以上の問題から、比較的簡単な設定で、ユ
ーザが所望する周波数拡散の特性を有するクロックを生
成可能なクロックジェネレータの提供が望まれている。
【0009】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、比較的簡単な設
定で、ユーザが所望する周波数拡散の特性を有するクロ
ックを生成可能なクロックジェネレータを提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の装
置は、周波数拡散されたクロックを発生するクロックジ
ェネレータであって、比較基準信号と比較信号の位相差
を検出する位相差検出器と、前記位相差検出器から出力
される位相差出力に応じた周波数で発振し、前記クロッ
クを出力する発振器と、前記発振器から出力される前記
クロックを、比較信号分周値に基づいて分周して、前記
比較信号として出力する比較信号分周器と、外部から調
整可能な所定の許容条件に基づいて、許容分周値を発生
する許容分周値発生器と、外部から調整可能な基準分周
値と、発生された前記許容分周値とに基づいて、前記比
較信号分周値を求めて、前記比較信号分周器に供給する
演算器と、を備え、前記許容分周値発生器は、前記許容
条件に応じて決定される所定の許容範囲内に含まれる乱
数を前記許容分周値として発生させることを特徴とす
る。
【0011】上記クロックジェネレータでは、供給され
た許容条件に応じて決定される所定の許容範囲内に含ま
れる乱数を許容分周値として発生させることができるの
で、これに応じて発振器の発振周波数を変化させて、周
波数拡散されたクロックを出力することが可能となる。
従って、比較的簡単な設定で、ユーザが所望する周波数
拡散の特性を有するクロックが生成可能となる。
【0012】ここで、前記許容分周値発生器は、前記許
容条件に応じて決定される所定の許容範囲に対応するM
系列の乱数を発生するM系列発生器を含むことが好まし
い。
【0013】こうすれば、容易に許容分周値発生器を構
成することができる。
【0014】なお、上記クロックジェネレータにおい
て、外部から調整可能な比較基準信号分周値に基づいて
所定の原クロックを分周して、前記比較基準信号として
出力する比較基準信号分周器を備えるようにしてもよ
い。
【0015】さらに、前記原クロックを発生するための
原クロック発振器を備えるようにしてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】A.クロックジェネレータの構
成:図1は、本発明の一実施例としてのクロックジェネ
レータの構成を示すブロック図である。このクロックジ
ェネレータ10は、発振器12と、第1の分周器14
と、位相周波数検出器(PFD)16と、ローパスフィ
ルタ(LPF。ループフィルタとも呼ばれる)18と、
電圧制御発振器(VCO)20と、第2の分周器22と
を備えている。
【0017】発振器12は、外部に接続される水晶振動
子OXの振動周波数fsに応じた周波数を有する原クロ
ックOSCKを出力する。第1の分周器14は、原クロ
ックOSCKを、調整可能な分周値m1で分周する。こ
れにより、周波数fr(=fs/m1)を有する比較基
準クロック(比較基準信号)RCKを出力する。なお、
第1の分周器14は、分周値m1を記憶するためのレジ
スタを有しており、分周値m1は、外部の直列バスある
いは並列バス等の制御線CTLSを介して、図示しない
CPUによって設定可能である。なお、発振器12が本
発明の原クロック発振器に相当する。また、第1の分周
器14が本発明の比較基準信号分周器に相当し、分周値
m1が比較基準信号分周値に相当する。
【0018】位相周波数検出器16の比較基準信号入力
PAには比較基準クロックRCKが入力されており、比
較信号入力PBには比較クロック(比較信号)FCKが入
力されている。位相周波数検出器16は、位相差出力P
OUTから比較基準クロックRCKと比較クロックFC
Kとのエッジ差、例えば、立ち上がりエッジ同士の差に
応じた電圧レベルを有する出力信号を出力する。この位
相周波数検出器16が本発明の位相差検出器に相当す
る。
【0019】位相差出力POUTからの出力信号は、ロ
ーパスフィルタ18を通じて電圧制御発振器20の制御
入力VCOINに与えられる。電圧制御発振器20の出
力VCOOUTからは、制御入力VCOINに与えられ
た電圧に応じた周波数fgを有するクロックGCKが出
力される。また、電圧制御発振器20から出力されるク
ロックGCKは、第2の分周器22の入力CKINに入
力される。第2の分周器22は、調整可能な分周値s1
でクロックGCKを分周する。第2の分周器22の出力
CKOUTから出力される分周クロックは、比較クロッ
クFCKとして位相周波数検出器16の比較信号入力P
Bに入力される。なお、第2の分周器22が本発明の比
較信号分周器に相当し、分周値s1が本発明の比較信号
分周値に相当する。
【0020】位相周波数検出器16と、ローパスフィル
タ18と、電圧制御発振器20と、第2の分周器22と
は、PLLを構成している。従って、比較基準クロック
RCKと比較クロックFCKの位相と周波数がロックし
た状態においては、クロックGCKは、その周波数fg
が比較基準クロックRCKのs1倍の周波数s1・fr
を有する周期信号となる。なお、比較基準クロックRC
は、その周波数frが原クロックOSCKのm1分の1
の周波数fs/m1を有する周期信号である。従って、
クロックGCKは、その周波数fgが原クロックOSC
Kのs1/m1倍の周波数fs・s1/m1を有する周
期信号でもある。
【0021】クロックジェネレータ10は、さらに、第
2の分周器22の分周値s1を設定するために、演算装
置32と、基準分周値設定レジスタ34と、許容分周値
発生器36とを備えている。基準分周値設定レジスタ3
4には、制御線CTLSを介して供給される基準分周値
n1が記憶される。許容分周値発生器36は、許容分周
値k1を発生する。なお、許容分周値発生器36につい
ては、後述する。
【0022】演算装置32は、基準分周値設定レジスタ
34に記憶されている基準分周値n1と許容分周値発生
器36で発生される許容分周値k1とを加算して、第2
の分周器22に設定する分周値s1を求める。求められ
た分周値s1は、第2の分周器22に設定される。
【0023】図2は、第2の分周器22に設定される分
周値s1の設定タイミングの例を示すタイミングチャー
トである。図2(b)は、図2(a)に示すクロックG
CKを分周値s1で分周した比較クロックFCKを示し
ている。基準分周値設定レジスタ34は、図2(c)に
示すように、記憶されている一定の基準分周値n1のデ
ータを出力する。許容分周値発生器36は、図2(d)
に示すように、比較信号FCKの立ち上がりエッジタイ
ミングごとに許容分周値k1のデータを出力する。この
許容分周値k1は、後述するように、比較信号FCKの
立ち上がりエッジタイミングごとに異なった値に変化す
る。演算装置32は、図2(e)に示すように、基準分
周値設定レジスタ34から出力される基準分周値n1
と、許容分周値発生器36から出力される許容分周値k
1とを加算し、加算値(n1+k1)のデータを出力す
る。第2の分周器22は、分周値s1を記憶する図示し
ないレジスタを有しており、図2(f)に示すように、
加算値(n1+k1)を分周値s1として比較信号FC
Kの立ち下がりエッジタイミングで記憶する。
【0024】B.許容分周値発生器:図3は、許容分周
値発生器36の構成例を示すブロック図である。許容分
周値発生器36は、pビット(pは3以上n以下の整
数、nは4以上の整数)のM系列(maximum length cod
e)発生器36aと、M系列発生器36aに設定される
べきビット数pの値BTを設定するビット数設定部36
bと、M系列発生器36aに初期データを設定するため
の初期データ設定部36cとを備えている。M系列発生
器36aに設定されるビット数pは、ビット数設定部3
6bから供給されるセレクトデータSELに応じて可変
可能である。ビット数設定部36bと、初期データ設定
部36cとは、制御線CTLSを介して図示しないCP
Uにより設定可能である。ビット数設定部36bは、図
示しないレジスタを有しており、制御線CTLSを介し
て供給されるM系列発生器36aに設定されるべきビッ
ト数pの値BTを記憶する。また、ビット数設定部36
bは、記憶されているM系列発生器36aに設定される
べきビット数pの値BTに応じて、M系列発生器36a
に設定されるべきビット数pを設定するためのセレクト
データSELを出力する。初期データ設定部36cは、
図示しないレジスタを有しており、制御線CTLSを介
して供給されるデータを、M系列発生器36aの初期デ
ータPD1〜PDnとして記憶する。また、初期データ
設定部36cは、初期データPD1〜PDnおよび初期
データ設定信号PRSTを、M系列発生器36aに出力
する。
【0025】図4は、M系列発生器36aの構成例を示
すブロック図である。このM系列発生器36aは、1ビ
ットのレジスタ302をn段並べたシフトレジスタと、
n−2個のEXOR304と、セレクタ306とで構成
されている。
【0026】n個のレジスタ302の各クロック入力C
Kには、シフトクロックSFCKとしての比較クロック
FCKが入力されている。
【0027】i(iは2からn−1の整数)段目の出力
Qiとi+1段目の出力Qi+1の出力とは第i−1の
EXOR304により排他的論理和がとられる。例え
ば、2段目の出力Q2と3段目の出力Q3とは第1のE
XOR304により排他的論理和がとられ、3段目の出
力Q3と4段目の出力Q4とは第2のEXOR304に
より排他的論理和がとられる。また、第n−1段目の出
力Qn−1と第n段目の出力Qnとは第n−2のEXO
R304により排他的論理和がとられる。
【0028】第1から第n−2のEXOR304の出力
E1からEn−2は、セレクタ306に入力されてい
る。セレクタ306は、第1から第n−2の排他的論理
和出力E1からEn−2のうち1つを、ビット数設定部
36bから出力されるセレクトデータSELに応じて選
択する。選択された排他的論理和出力は、1段目(左
端)のレジスタ302の入力Dに入力される。
【0029】M系列発生器36aは、第j(jは1以上
n−2以下の整数)の排他的論理和出力Ejが選択され
ている場合には、j+2ビットのM系列発生器を構成す
る。例えば、第1の排他的論理和出力E1が選択されて
いる場合には3ビットのM系列発生器を構成し、第2の
排他的論理和出力E2が選択されている場合には4ビッ
トのM系列発生器を構成する。また、第n−2の排他的
論理輪出力En−2が選択されている場合にはnビット
のM系列発生器を構成する。すなわち、M系列発生器3
6aは、セレクタ306により選択される排他的論理和
出力E1〜En−2に応じて、3ビット〜nビットのM
系列発生器を構成する。
【0030】n個のレジスタ302のプリセットデータ
入力PDには、それぞれ対応する1ビットの初期データ
PD1〜PDnが入力されており、プリセットイネーブ
ル入力PREには、初期データ設定信号PRSTが入力
されている。初期データPD1〜PDnは、初期データ
設定信号PRSTに基づいて、それぞれ対応する第1〜
第nのレジスタ302に初期設定される。なお、第1〜
第nのレジスタ302の初期設定は、クロックジェネレ
ータの動作の初期化実行時に実行される。
【0031】図5は、M系列発生器36aの動作を示す
説明図である。図5(A)は、図4において、EXOR
304の出力E2、すなわち、第3段目の出力Q3と第
4段目の出力Q4の排他的論理和の出力がセレクタ30
6により選択されて、4ビットのM系列発生器を構成し
ている場合を示している。4つのレジスタ302の出力
Q1〜Q4は、図5(B)に示すように変化する。
【0032】なお、図5(B)において、シフトクロッ
クSFCKの”0”〜”14”の数字は、クロックパル
スの数を示しており、最初の”0”は、初期データ設定
時を示している。また、許容分周値k1は、第1の出力
Q1が最下位ビットで第4の出力Q4が最上位ビットと
する4ビットの出力”Q1,Q2,Q3,Q4”の表す
値を符合付きの十進数で示している。なお、出力Q4は
符号も表しおり、”0”で”+”符号を表し、”1”
で”−”符号を表している。
【0033】初期データ設定時において、4ビットのレ
ジスタ302には、下位ビットから順に”1”,”
0”,”0”,”0”の初期データが設定されていると
する。このとき4ビットの出力”Q1,Q2,Q3,Q
4”は”1,0,0,0”となり、許容分周値k1は”
+1”である。
【0034】シフトクロックSFCKに1つのクロック
パルスが発生すると各レジスタ302の記憶内容は、そ
れぞれ右隣のレジスタ302に移行する。ただし、左端
の第1のレジスタ302は、EXOR304の出力、す
なわち、出力Q3と出力Q4の排他的論理和の内容に移
行する。
【0035】具体的には、図5(B)に示すように、シ
フトクロックSFCKのクロックパルスが”0”から”
1”となると、4ビットの出力”Q1,Q2,Q3,Q
4”は”1,0,0,0”から”0,1,0,0”に移
行し、許容分周値k1は”+2”となる。シフトクロッ
クSFCKのクロックパルスが”1”から”2”となる
と、4ビットの出力”Q1,Q2,Q3,Q4”は”
0,1,0,0”から”0,0,1,0”に移行し、許
容分周値k1は”+4”となる。同様にして、シフトク
ロックSFCKのクロックパルスが0から14まで順に
変化すると、4ビットの出力”Q1,Q2,Q3,Q
3”は、順に”1,0,0,0”、”0,1,0,
0”、”0,0,1,0”、”1,0,0,1”、”
1,1,0,0”、”0,1,1,0”、”1,0,
1,1”、”0,1,0,1”、”1,0,1,
0”、”1,1,0,1”、”1,1,1,0”、”
1,1,1,1”、”0,1,1,1、”、”0,0,
1,1”、”0,0,0,1”となる。許容分周値k1
は、順に、”+1”、”+2”、”+4”、”−
1”、”+3”、”+6”、”−5”、”−2”、”+
5”、”−3”、”+7”、”−7”、”−6”、”−
4”、”−8”となる。なお、シフトクロックSFCK
のクロックパルスが”16”となると、4ビットの出
力”Q1,Q2,Q3,Q4”は、クロックパルスが”
0”の状態と同じとなり、以後同じ変化を繰り返す。
【0036】このように、4ビットのM系列発生器36
aは、シフトクロックSFCKのクロックパルスに従っ
て、4ビットの出力”Q1,Q2,Q3,Q4”が”
1,0,0,0”から”1,1,1,1”までの”0,
0,0,0”を除く15種類の出力に変化し、”−8”
〜”+7”までの15種類の許容分周値k1を乱数発生
する。
【0037】なお、図5(C)に示すように、M系列発
生器36aが4ビット以外の構成をとる場合において
も、4ビットの場合と同様に、許容分周値k1を乱数発
生することができる。具体的には、3ビットの場合に
は”−4”から”+3”まで、5ビットの場合には”−
16”から”+15”まで、6ビットの場合には”−3
2”から”+31”まで、nビットの場合には”−2
n-1”から”+2n-1−1”、の許容分周値k1を乱数発
生する。
【0038】C.拡散量の設定:ところで、クロックジ
ェネレータ10から出力されるクロックGCKの周波数
fgは、上述したように、下式(1)で表される。
【0039】 fg=s1・fr=n1・fr+k1・fr …(1)
【0040】ここで、frは比較基準クロックRCK
(図1)の周波数、s1は第2の分周器22に設定され
る分周値、n1は基準分周値、k1は許容分周値を示し
ている。
【0041】クロックGCKの周波数fgは、上記
(1)式に示すように、比較基準クロックの周波数fr
を基準分周値n1倍することにより求められる一定の基
準周波数fc(「中心周波数」と呼ぶ。)と、許容分周
値k1倍することにより求められる周波数変化分Δf
(「拡散周波数」とも呼ぶ。)との和で表される。
【0042】許容分周値k1は、上述のようにシフトク
ロックSFCKとしての比較クロックFCKのクロック
パルスに従って、M系列発生器36aを構成するレジス
タのビット数に応じて決定される許容範囲内で変化す
る。このため、クロックGCKの周波数fgは、中心周
波数fcを中心として拡散周波数Δfの範囲内で変化す
ることになる。これにより、本実施例のクロックジェネ
レータ10は周波数拡散されたクロックGCKを発生す
ることが可能となる。
【0043】なお、上記例では、4ビットのM系列発生
器36aの初期データとして最下位ビット(左端)のレ
ジスタ302に”1”を設定する場合を例に説明してい
るが、これに限定されるものではなく、全ビット”0”
および全ビット”1”を除く種々のデータを初期データ
として利用することが可能である。初期データに応じ
て、M系列発生器36aは種々の発生パターンを有する
乱数データを発生することが可能である。従って、装置
の状況等に応じて適切な初期データを設定するようにす
ればよい。
【0044】以上説明したように、本実施例のクロック
ジェネレータ10では、M系列発生装置36aに設定さ
れるべきビット数と初期データを設定することにより、
中心周波数fcに対して、設定されたビット数に応じて
決定される拡散周波数Δfの範囲内で周波数が変化する
クロックGCKを発生することができる。
【0045】なお、中心周波数fcに対する拡散周波数
Δf(以下、「拡散量」とも呼ぶ。)は、下式(2)で表
される。
【0046】 Δf/fc[%]=(k1/n1)・100 …(2)
【0047】上記(2)式からわかるように、拡散量Δf
/fcは、許容分周値k1および基準分周値n1に依存
して変化する。すなわち、基準分周値n1が大きいほど
拡散量Δf/fcは小さくなり、基準分周値n1が小さ
いほど拡散量Δf/fcは大きくなる。また、許容分周
値k1が小さいほど拡散量Δf/fcは小さくなり、許
容分周値k1が大きいほど拡散量Δf/fcは大きくな
る。なお、許容分周値k1の変化範囲は、上述したよう
に、M系列発生器36aのビット数に応じて変化する。
従って、拡散量Δf/fcは、M系列発生器36aのビ
ット数に応じて変化する。具体的には、ビット数が大き
くなれば拡散量は大きくなり、ビット数が小さくなれば
拡散量は小さくなる。なお、許容分周値k1の変化範囲
がより大きい方が、設定された拡散量Δf/fcの範囲
内において、クロックGCKの周波数をより多くの異な
った周波数に変化させることができるので、クロックG
Ckの周波数スペクトラムのピーク値をより多く分散さ
せて、ピーク値をより低くすることが可能である。この
ため、M系列発生器36aのビット数は、より大きく設
定するほうが好ましい。ただし、M系列発生器36aの
ビット数をより大きくすると、許容分周値k1が大きく
なり、拡散量Δf/fcも大きくなる。このため、クロ
ックGCKの拡散量を所望の拡散量に設定するために
は、許容分周値k1を決定するM系列発生器のビット数
pと、基準分周値n1とを適切な組み合わせに調整する
ことが好ましい。
【0048】図6は、クロックジェネレータ10の設定
例を示す説明図である。設定条件として、原クロックO
SCKの周波数fsを10MHz、第1の分周器14の
分周値m1を100、基準分周値n1を1000とす
る。比較基準クロックFCKの周波数frは、原クロッ
クOSCKの周波数fsを分周値m1で除算した周波数
であり、0.1MHzとなる。クロックGCKの中心周
波数fcは比較基準クロックFCKの周波数frを基準
分周値n1倍した周波数であり、100MHzとなる。
【0049】このとき、拡散量Δf/fcの設定値は、
上記(2)式から、M系列発生器36aのビット数が3
ビットで−0.4%〜+0.3%、4ビットで−0.8
%〜+0.7%、5ビットで−1.6%〜+1.5%、
6ビットで−3.2%〜+3.1%、nビットで−2
n-1/10%〜+(2n-1−1)/10%と、ビット数に
応じて大きくなる。
【0050】なお、拡散量Δf/fcの保証許容値は、
通常、設定値の約2倍に設定することが好ましい。例え
ば、上記設定値の場合、ビット数が3ビットで±0.8
%、4ビットで±1.6%、5ビットで±3.2%、6
ビットで±6.4%、nビットで±2n/10%とな
る。これは、以下の理由による。
【0051】クロックGCKは、位相周波数検出器16
と、ローパスフィルタ18と、電圧制御発振器20と、
第2の分周器22とで構成されるPLLにより生成され
る。このとき、第2の分周器22の分周値s1が許容分
周値k1に応じて変化すると、位相周波数検出器16に
入力される比較クロックFCKの周波数および位相が変
化するため、PLLは比較基準クロックRCKに対して
比較クロックFCKの周波数および位相が一致するよう
に動作する。このとき、PLLの応答特性によって、ク
ロックGCKの周波数fgが大きく変化する場合があ
る。また、許容分周値k1の変化によるクロックGCK
の変化は、許容分周値k1の最小値から最大値あるいは
最大値から最小値に変化する場合がある。この場合の変
化量は、中心周波数fcに対する周波数変化Δfの約2
倍である。従って、拡散量Δf/fcの保証許容値は、
これらの変化量を考慮して、設定値の約2倍に設定する
ことが好ましい。
【0052】以上説明したように、本実施例のクロック
ジェネレータ10は、周波数拡散されたクロックGCK
を発生することが可能である。また、許容分周値発生器
36を構成するM系列発生器36aに設定されるべきビ
ット数pを、制御線CTLSを介して設定することによ
り、拡散量を容易に調整することが可能である。
【0053】なお、制御線CTLSを介して設定される
M系列発生器36aに設定されるべきビット数pが本発
明の所定の許容条件に相当する。
【0054】D.変形例:なお、この発明は上記の実施
例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱
しない範囲において種々の態様において実施することが
可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0055】上記実施例の許容分周値発生器36は、ビ
ット数nを選択設定可能なM系列発生器36aにより、
選択設定されたビット数を有する許容分周値k1を乱数
発生する構成としているが、これに限定されるものでは
ない。ビット数nを選択設定可能で、選択設定されたビ
ット数を有する許容分周値k1を乱数発生することがで
きる種々の乱数発生器を利用することが可能である。
【0056】上記実施例では、クロックGCKの周波数
fgが、基準分周値n1によって決定される中心周波数
fcに対してプラス側およびマイナス側に周波数拡散さ
れるように、許容分周値k1を符号付きの整数とする場
合を示しているが、これに限定されるものではない。基
準分周値n1によって決定される基準周波数を、クロッ
クGCKの周波数fgに許容される最小周波数fmin
に設定し、クロックGCKの周波数fgが最小周波数f
minに対してプラス側に周波数拡散されるように、許
容分周値k1を正の整数とするようにしてもよい。ま
た、基準分周値n1によって決定される基準周波数をク
ロックGCKの最大周波数fmaxとして、クロックG
CKの周波数fgが、最大周波数fmaxに対してマイ
ナス側に周波数拡散されるように、許容分周値k1を負
の整数とするようにしてもよい。
【0057】なお、上記実施例では、許容分周値k1と
してM系列発生器36aが乱数データを発生することに
より、周波数拡散されたクロックGCKを発生するクロ
ックジェネレータを説明している。しかしながら、この
クロックジェネレータは、以下に示すように、周波数拡
散されない単一周波数のクロックGCKを発生すること
も可能である。
【0058】ビット数設定部36b(図3)にM系列発
生器36aのビット数を”0”と設定して、セレクタ3
06(図4)によって、データ”0”に相当する信号E
0(グランドGNDに接続)を選択する。また、初期デ
ータ設定部36c(図3)に初期データを”0”と設定
することにより、M系列発生器36aの各レジスタ30
2(図4)には初期データ”0”が記憶される。これに
より、クロックGCKの周波数fgは、上記(1)式の
第1項(n1・fr)のみによって決定される。ここ
で、基準分周値n1及び比較基準クロックFCKの周波
数frは一定である。したがって、このクロックジェネ
レータは、周波数拡散されない単一周波数のクロックG
CKを発生することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例としてのクロックジェネレー
タの構成を示すブロック図である。
【図2】第2の分周器22に設定される分周値s1の設
定タイミングの例を示すタイミングチャートである。
【図3】許容分周値発生器36の構成例を示すブロック
図である。
【図4】M系列発生器36aの構成例を示すブロック図
である。
【図5】M系列発生器36aの動作を示す説明図であ
る。
【図6】クロックジェネレータ10の設定例を示す説明
図である。
【図7】クロックの周波数スペクトラムの例を示す説明
図である。
【符号の説明】
10…クロックジェネレータ 12…発振器 14…第1の分周器(比較基準信号分周器) 16…位相周波数検出器(PFD) 18…ローパスフィルタ(LPF) 20…電圧制御発振器(VCO) 22…第2の分周器(比較信号分周器) 32…演算装置 34…基準分周値設定レジスタ 36…許容分周値発生器 36a…M系列発生器 36b…ビット数設定部 36c…初期データ設定部 302…レジスタ 304…EXOR 306…セレクタ RCK…比較基準クロック(比較基準信号) FCK…比較クロック(比較信号) CTLS…制御線 OSCK…原クロック OX…水晶振動子 PA…比較基準信号入力 PB…比較信号入力 POUT…位相差出力 VCOIN…制御入力 VCOOUT…出力 GCK…クロック CKIN…入力 CKOUT…出力 m1…分周値(比較基準信号分周値) n1…基準分周値 k1…許容分周値 s1…分周値(比較信号分周値)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周波数拡散されたクロックを発生するク
    ロックジェネレータであって、 比較基準信号と比較信号の位相差を検出する位相差検出
    器と、 前記位相差検出器から出力される位相差出力に応じた周
    波数で発振し、前記クロックを出力する発振器と、 前記発振器から出力される前記クロックを、比較信号分
    周値に基づいて分周して、前記比較信号として出力する
    比較信号分周器と、 外部から調整可能な所定の許容条件に基づいて、許容分
    周値を発生する許容分周値発生器と、 外部から調整可能な基準分周値と、発生された前記許容
    分周値とに基づいて、前記比較信号分周値を求めて、前
    記比較信号分周器に供給する演算器と、を備え、 前記許容分周値発生器は、前記許容条件に応じて決定さ
    れる所定の許容範囲内に含まれる乱数を前記許容分周値
    として発生させる、クロックジェネレータ。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のクロックジェネレータで
    あって、 前記許容分周値発生器は、前記許容条件に応じて決定さ
    れる所定の許容範囲に対応するM系列の乱数を発生する
    M系列発生器を含む、クロックジェネレータ。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2記載のクロック
    ジェネレータであって、 外部から調整可能な比較基準信号分周値に基づいて所定
    の原クロックを分周して、前記比較基準信号として出力
    する比較基準信号分周器を備える、クロックジェネレー
    タ。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のクロックジェネレータで
    あって、さらに、前記原クロックを発生するための原ク
    ロック発振器を備える、クロックジェネレータ。
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WO2007023528A1 (ja) * 2005-08-23 2007-03-01 Shearwater Kabushiki Kaisha 信号形成回路、信号形成方法及び電子機器

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