JP2003150766A - 信用格付方法、記録媒体、信用格付装置及びプログラム - Google Patents

信用格付方法、記録媒体、信用格付装置及びプログラム

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JP2003150766A
JP2003150766A JP2001352552A JP2001352552A JP2003150766A JP 2003150766 A JP2003150766 A JP 2003150766A JP 2001352552 A JP2001352552 A JP 2001352552A JP 2001352552 A JP2001352552 A JP 2001352552A JP 2003150766 A JP2003150766 A JP 2003150766A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 中小企業の実質的財務体質を反映した信用格
付を行うことができる信用格付方法を提供する。 【解決手段】 貸借対照表(B/S)とオフバランス追
加情報とに基づきオフバランスB/S上の数値を演算し
(403)、オフバランスB/Sと財務追加情報とに基
づきオフバランスB/Sの資産の不健全分を排除した修
正B/S上の数値を演算し(404)、B/S、修正B
/S及び損益計算書上の数値に基づき企業の表面的財務
体質を多面的に表す第1財務指標及び企業の実質的財務
体質を多面的に表す第2財務指標を演算し(408、4
10)、予め定められた第1評点基準に従って第1及び
第2財務指標を評点して加算し、加算された評点に応じ
て予め定められた企業の信用の程度を複数に区分した信
用区分のいずれに属するかを判定する(414)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は信用格付方法、記録
媒体、信用格付装置及びプログラムに係り、特に、企業
の財務諸表を分析して該企業の信用格付を行う信用格付
方法、該方法を記録した記録媒体、該信用格付装置及び
該プログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、金融機関及び金融関連機関では、
自己の取引先企業に対する与信限度額を定めたり当該取
引先の財務体質向上のために信用格付を行っている。こ
のような信用格付は一般に、貸借対照表や損益計算書等
の財務諸表上に表された数値から、総資本経常利益率、
売上高経常利益率、総資本回転率、流動比率、固定長期
適合率、自己資本比率、経常収支比率、売上高推移、当
期利益推移、自己資本額等の財務指標を算出して、多面
的に収益性、効率性、安全性、成長性、企業規模等につ
いて評価・評点することで、債務者区分(正常先、要注
意先、破綻懸念先、実質破綻先、破綻先)のいずれに該
当するかを決定するものである。ここに、信用格付と
は、債権者の信用リスクの程度に応じた格付をいい、信
用リスク管理のために不可欠なものであるとともに、正
確な自己査定及び適正な償却・引当の基礎となるもので
あり、債務者区分と整合的でなければならない、とされ
ている(平成11年4月、金融監督庁発表の金融検査マ
ニュアル)。
【0003】このような信用格付方法によれば、上場企
業等の大企業では監査役や公認会計士が財務諸表を監査
しているので、財務諸表から得られた財務指標や債務者
区分はほぼその企業の財務体質を反映しており、金融機
関等にとって与信判断上有効な基準となっている反面、
中小企業では経営者、特に、代表者と企業との関係が大
企業の場合より密接であるため、大企業の場合と同様の
信用格付方法により財務諸表上から直接信用格付を行う
と、その中小企業の本来の財務体質とは乖離した信用格
付となってしまう、という問題がある。例えば、預金を
例に採れば、大企業では融資に対する協力預金(非拘
束)であるのに対し、中小企業では融資の担保として拘
束されることもあるので、算出される当座比率や流動比
率が同一値でも、その意味合いが異なってくる。また、
中小企業では、会社と代表者個人の金銭が混在している
場合もあり得るので、給与・報酬が法人税対策に利用さ
れることもある。更に、企業が代表者個人から借入をし
ている場合には、負債というより、むしろ劣後ローン的
な性格を有する自己資本に近いものとなる。
【0004】このため、金融機関の中小企業に対する信
用格付では、当該企業の財務体質との乖離を避けるため
に、財務面及び非財務面双方の評価を総合的に行うこと
によって判断されている。すなわち、金融機関では企業
に対して担当者を設定して、財務面では当該企業の最新
の経営情報を把握し、非財務面では経営者の資質やその
企業が属する業界の動向を把握することにより、これら
の要素を加味して信用格付が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、中小企
業の経営状況を総合的に判断する場合には、担当者の恣
意性が入り込む余地が大きいので、加味した要素の客観
性や合理性を検討しないまま信用格付がなされると誤っ
た企業評価につながり易く、結果として金融機関にとっ
て過大なリスクとなったり、企業にとって本来融資可能
なはずの資金の提供が制限されてしまう、という問題点
がある。
【0006】また、財務面及び非財務面で加味した新た
な要素を加える場合にも、他の企業の信用格付との整合
性を検討したり、加味した新たな要素をどの程度の大き
さとして捉えるかも、技術的に難しい点である。例え
ば、運輸業の場合には、車輌1台でも業を営むことがで
きるため算入が比較的容易であることから小規模企業が
多い。このような業種では、車輌等の主要設備の調達方
法として、リース、割賦、手形等が挙げられるが、主要
設備の会計処理が簿外で行われていたり、主要設備が適
正な減価償却がなされていない場合もみられる。また、
小規模企業では、従業員等から預かった消費税、源泉所
得税、社会保険料等が運転資金に用いられ、しばしば滞
納する場合もみられる。これらの数値は貸借対照表、損
益計算書等の財務諸表上の数値だけでは判別しにくい。
【0007】本発明は上記事案に鑑み、中小企業の実質
的財務体質を反映した信用格付を行うことができる信用
格付方法、記録媒体、信用格付装置及びプログラムを提
供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の第1の態様は、企業の財務諸表を分析して
該企業の信用格付を行う信用格付方法であって、貸借対
照表上の数値と、リース契約により使用しているリース
物件のうち会計処理が簿外となっているオフバランスリ
ース資産に関するオフバランス追加情報とに基づいて、
前記オフバランスリース資産を前記貸借対照表における
資産として加味したオフバランス貸借対照表上の数値を
演算し、前記オフバランス貸借対照表上の数値と、前記
貸借対照表及び損益計算書上の部分的な実質数値を表す
財務追加情報とに基づいて、前記オフバランス貸借対照
表の不健全資産を排除した修正貸借対照表上の数値を演
算し、前記貸借対照表、前記修正貸借対照表及び前記損
益計算書上の数値に基づいて、前記企業の表面的財務体
質を多面的に表す第1財務指標及び前記企業の実質的財
務体質を多面的に表す第2財務指標を演算し、予め定め
られた第1評点基準に従って前記第1及び第2財務指標
を評点して加算し、前記加算された評点に応じて、予め
定められ企業の信用の程度を複数に区分した信用区分の
いずれに属するかを判定する、ステップを含む。
【0009】本態様では、貸借対照表にリース契約によ
り使用しているリース物件のうち会計処理が簿外となっ
ているオフバランスリース資産を反映させるために、オ
フバランスリース資産を加味したオフバランス貸借対照
表上の数値を演算し、健全な貸借対照表を把握するため
に、オフバランス貸借対照表から不健全資産を排除した
修正貸借対照表上の数値を演算するので、オフバランス
リース資産を多く内在する業種に属する企業について、
貸借対照表及び損益計算書等の財務情報のみを基礎とす
る場合より実体に則した財務情報を得ることができると
共に、貸借対照表、修正貸借対照表及び損益計算書上の
数値に基づいて、企業の表面的財務体質を多面的に表す
第1財務指標及び実質的財務体質を多面的に表す第2財
務指標を演算して信用格付を行うので、表面的財務体質
を表す第1財務指標のみで企業の信用格付を行う場合よ
りも、企業の実体を反映した信用格付を行うことができ
る。
【0010】本態様において、修正貸借対照表上の数値
と財務追加情報とに基づいて、会計処理外となっている
資産を加味した会計処理外資産加味貸借対照表上の数値
を更に演算し、第2財務指標を、貸借対照表、修正貸借
対照表及び損益計算書上の数値並びに会計処理外資産加
味貸借対照表上の数値に基づいて演算するようにすれ
ば、会計処理外資産加味貸借対照表上の数値を踏まえて
第2財務指標を演算することができるので、より実体を
反映した信用格付を行うことが可能となる。このとき、
貸借対照表、修正貸借対照表及び損益計算書上の数値並
びに会計処理外資産加味貸借対照表上の数値に基づい
て、貸借対照表及び損益計算書上の数値の実体的数値か
らの乖離の程度を表す第3財務指標を演算し、予め定め
られた第2評点基準に従って第3財務指標を評点し、該
評点を前記加算された評点から減算して、該減算された
評点に応じて、予め定められ企業の信用の程度を複数に
区分した信用区分のいずれに属するかを判定するように
すれば、貸借対照表及び損益計算書が実体から乖離した
程度に応じて信用格付のための評点が減算され一層企業
の実体を反映した評点となるので、精度の高い信用格付
を行うことができる。
【0011】また、本態様において、オフバランス貸借
対照表が、オフバランスリース資産に見合うように、オ
フバランスリース資産に関するリース料のうち未払金を
負債として加味するようにしてもよい。このとき、オフ
バランス貸借対照表を、リース料のうち、費用化の期限
が決算日の翌日から起算して1年以内に到来するものを
流動負債に、費用化の期限が決算日の翌日から起算して
1年を超えて到来するものを固定負債に加味することが
好ましい。更に、オフバランス追加情報のうちオフバラ
ンスリース資産の額が未入力のときに、オフバランス追
加情報に含まれる支払リース料の額についての情報又は
販売費・一般管理費明細及び製造原価明細上のうち賃借
料・リース料の額についての情報に基づいて、オフバラ
ンスリース資産の額を推定するようにすれば、常にオフ
バランス貸借対照表上の数値を得ることが可能となる。
また、オフバランス追加情報に割賦契約による物件の割
賦買掛金の額の情報及び手形で購入した物件の支払手形
の額の情報を更に含み、オフバランス貸借対照表は割賦
買掛金の額及び支払手形の額を負債の内訳として含むよ
うにすれば、主要設備の調達方法がリース以外であって
も包括的に資産内容を把握することができるので、信用
格付の精度を更に高めることができる。更に、修正貸借
対照表又は会計処理外資産加味貸借対照表上で、少なく
とも預かっている消費税、源泉所得税及び社会保険料の
うちいずれかの滞納分を流動資産の現金・預金から固定
資産性の預金として分離させるようにすれば、返済順位
の高い債務を流動資産の現金・預金から区別することが
できるので、健全な流動資産の把握が可能となる。この
とき、滞納分を流動資産の現金・預金から固定資産に組
み入れるようにしてもよく、滞納分が分離後の現金・預
金の額を超えるときに該超えた額を借入金に準ずる負債
として演算し、該借入金に準ずる負債に基づいて第2及
び第3財務指標を演算するようにすれば、一層実体に近
い貸借対照表とすることができる。
【0012】また、本発明の第2の態様は、上述した第
1の態様の信用格付方法を記録したコンピュータ読取可
能な記録媒体である。更に、本発明の第3の態様は、企
業の財務諸表を分析して該企業の信用格付を行う信用格
付装置において、貸借対照表上の数値と、リース契約に
より使用しているリース物件のうち会計処理が簿外とな
っているオフバランスリース資産に関するオフバランス
追加情報とに基づいて、前記オフバランスリース資産を
前記貸借対照表における資産として加味したオフバラン
ス貸借対照表上の数値を演算するオフバランス貸借対照
表数値演算手段と、前記オフバランス貸借対照表上の数
値と、前記貸借対照表及び損益計算書上の部分的な実質
数値を表す財務追加情報とに基づいて、前記オフバラン
ス貸借対照表の不健全資産を排除した修正貸借対照表上
の数値を演算する修正貸借対照表数値演算手段と、前記
貸借対照表、前記修正貸借対照表及び前記損益計算書上
の数値に基づいて、前記企業の表面的財務体質を多面的
に表す第1財務指標及び前記企業の実質的財務体質を多
面的に表す第2財務指標を演算する指標演算手段と、予
め定められた第1評点基準に従って前記第1及び第2財
務指標を評点して加算する加点手段と、前記加算された
評点に応じて、予め定められ企業の信用の程度を複数に
区分した信用区分のいずれに属するかを判定する判定手
段と、を備えている。そして、本発明の第4の態様は、
企業の財務諸表を分析して該企業の信用格付を行うプロ
グラムであって、コンピュータを、貸借対照表上の数値
と、リース契約により使用しているリース物件のうち会
計処理が簿外となっているオフバランスリース資産に関
するオフバランス追加情報とに基づいて、前記オフバラ
ンスリース資産を前記貸借対照表における資産として加
味したオフバランス貸借対照表上の数値を演算するオフ
バランス貸借対照表数値演算手段、前記オフバランス貸
借対照表上の数値と、前記貸借対照表及び損益計算書上
の部分的な実質数値を表す財務追加情報とに基づいて、
前記オフバランス貸借対照表の不健全資産を排除した修
正貸借対照表上の数値を演算する修正貸借対照表数値演
算手段、前記貸借対照表、前記修正貸借対照表及び前記
損益計算書上の数値に基づいて、前記企業の表面的財務
体質を多面的に表す第1財務指標及び前記企業の実質的
財務体質を多面的に表す第2財務指標を演算する指標演
算手段、予め定められた第1評点基準に従って前記第1
及び第2財務指標を評点して加算する加点手段、前記加
算された評点に応じて、予め定められ企業の信用の程度
を複数に区分した信用区分のいずれに属するかを判定す
る判定手段、として機能させるためのプログラムであ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明
を、信用金庫の取引先(以下、信用格付対象企業とい
う。)が運輸業であることを想定して、当該信用格付対
象企業に対する信用格付を行う信用格付システムに適用
した実施の形態について説明する。
【0014】(構成)図1に示すように、本実施形態の
信用格付システムでは、秘密を保持するために外部ネッ
トに対して閉じられたイントラネット等のネットワーク
101を備えている。ネットワーク101には、各信用
金庫のコンピュータ端末102、103が専用回線又は
公衆回線を介して接続される。
【0015】また、ネットワーク101には、各信用金
庫の依頼に応じて企業の信用格付を行う企業信用格付サ
イト110が接続されている。企業信用格付サイト11
0は、企業信用格付サイト110外部からの不正アクセ
スに対して武装するためのファイアウォール111を備
えている。ネットワーク101は、このファイアウォー
ル111を介して、後述するように信用格付を行う、オ
フバランス貸借対照表数値演算手段、修正貸借対照表数
値演算手段、指標演算手段、加点手段及び判定手段とし
てのネットワークサーバ112に接続されている。ネッ
トワークサーバ112は、企業信用格付サイト110内
に張られたバス型のLAN114に接続されている。L
AN114には、各信用金庫から送信されたファイル情
報及びネットワークサーバ112が演算した財務上の数
値を格納するためのデータベースサーバ113が接続さ
れている。
【0016】(動作)次に、フローチャートを参照して
企業信用格付サイト110の動作について説明する。コ
ンピュータ端末102(又は、103)からのアクセス
があると、企業信用格付サイト110のネットワークサ
ーバ112は、企業の信用格付を行うための信用格付ル
ーチンを実行する。
【0017】図2に示すように、この信用格付ルーチン
では、まず、ステップ202において、顧客開設、すな
わち、データベースサーバ113に登録のない信用格付
対象企業に対して新たに信用格付を行うための基本情報
の取り込みか否かを判断する。なお、コンピュータ端末
102側では、メニュー画面に複数のボタンが配置さ
れ、それらのボタンにはVB(Visual Basic)、C++
等の言語で記述されたプログラムが割り当てられてお
り、「顧客開設」をクリックすることで顧客開設である
ことをネットワークサーバ112に通知可能とされてい
る(以下、後述する登録、格付依頼、ダウンロード、デ
ータ修正等についても同じ。)。ステップ202での判
断が肯定されたときは、ステップ212において、信用
金庫の店番号、信用格付対象企業の口座番号(顧客番
号)、当該企業の名称、住所、業種コード(本例では運
輸業のコード)、会社設立年月等の基本情報を取り込む
開設処理を実行して、信用格付ルーチンを終了する。
【0018】一方、ステップ202での判断が否定され
たときは、次のステップ204において、財務情報の登
録か否かを判断し、否定判断のときはステップ206に
進み、肯定判断のときはステップ214において、財務
情報ファイルのファイル情報を取り込むためのファイル
情報取込処理サブルーチンが実行される。
【0019】図3に示すように、このファイル情報取込
処理サブルーチンでは、ステップ302において財務諸
表の受信か否かを判断する。なお、コンピュータ端末1
02側では、メニュー画面の「登録」がクリックされる
と、「財務諸表の送信」「追加情報の送信」「債務情報
の送信」のボタンが配置されたサブメニューが表示さ
れ、いずれかのボタンがクリックされることにより、ボ
タンに割り当てられたプログラムによりネットワークサ
ーバ112に財務諸表、追加情報、債務情報のいずれの
送信であるかを判定可能とさせている。
【0020】ステップ302で肯定判断されたときは、
ステップ306において、財務諸表を取り込んでデータ
ベースサーバ113に格納する。これらの財務諸表は、
図12、図13及び図14に示すように、当期、前期、
2期前及び3期前の貸借対照表(以下、B/Sと略記す
る。)、損益計算書(以下、P/Lと略記する。)、並
びに、販売費・一般管理費明細および製造原価明細(以
下、M/Cと略記する。)上の数値である。一方、ステ
ップ302で否定判断されたときは、次のステップ30
4において、追加情報(以下、A/Iと略記する。)の
受信か否かを判断し、肯定判断のときはステップ308
においてA/Iを取り込んでデータベースサーバ113
に格納し、否定判断のときはステップ310において債
務情報を取り込んでデータベースサーバ113に格納し
て、ファイル情報取込処理サブルーチン及び信用格付ル
ーチンを終了する。
【0021】このA/Iには、オフバランスリース資産
等を加味するためのオフバランス追加情報とB/S、P
/L及びM/C上に現れない信用格付対象企業の財務上
の部分的な実体を表す財務追加情報とが含まれている。
【0022】図15に示すように、オフバランス追加情
報はオフバランスリース資産に関する狭義の(請求項上
の)オフバランス追加情報(図15に「オフバランス」
と記載)と、狭義のオフバランス追加情報以外の情報と
を含み、(長期)割賦買掛金OFA(OFA、OFA
)、(長期)リース未払金OFB(OFB、OFB
)、設備(長期)支払手形OFC(OFC、OFC
)、滞納税金等OFD(OFD〜OFD)、支払
リース料OFE(OFE、OFE)、車輌に係る処
分損OFF(OFF)、オフバランスリース資産OF
G(OFG)、オフバランス(長期)リース未払金O
FH(OFH、OFH)及びオフバランスリース資
産に係る減価償却実施額OFJ(OFJ)についての
当期、前期、2期前及び3期前の情報で構成されてい
る。(長期)割賦買掛金OFA、(長期)リース未払金
OFB、設備(長期)支払手形OFC、滞納税金等OF
D、支払リース料OFE及び車輌に係る処分損OFFに
ついては、決算書類の付属明細書等から信用金庫の信用
格付対象企業の担当者により把握された数値が入力さ
れ、オフバランスリース資産OFG、オフバランス(長
期)リース未払金OFH及びオフバランスリース資産に
係る減価償却実施額OFJについては、財務諸表の注
記、決算書類の付属明細書及びリース台帳等から把握さ
れた数値が入力される。なお、図15において、「−」
はこのような把握ができず、未入力とした場合を示して
いる。
【0023】買掛金のうち割賦買掛金OFA、買掛金
のうちリース未払金OFB、その他の流動負債のうち
設備支払手形OFCとは、それぞれ、割賦金の支払
日、費用化の期限(リース料の支払日)、設備の建設・
固定資産の購入等その他通常の取引以外の取引に基づい
て発生した手形債務の支払期限、が決算日の翌日から起
算して1年以内に到来するものをいい、その他の固定負
債のうち長期割賦買掛金OFA、その他の固定負債の
うち長期リース未払金OFB、その他の固定負債のう
ち設備長期支払手形OFCとは、それぞれ、割賦金の
支払日、費用化の期限(リース料の支払日)、設備の建
設・固定資産の購入等その他通常の取引以外の取引に基
づいて発生した手形債務の支払期限、が決算日の翌日か
ら起算して1年を超えて到来するものをいう。特に、運
輸業では、主要設備である車輌の調達方法が金融機関等
からの借入金によるもの以外に、割賦による方法、リー
スによる方法、手形による方法等があるので(全額キャ
ッシュという方法もあるが殆ど用いられない。)、これ
らの調達方法による勘定科目を借入金に準ずる負債とし
て取り扱うことが妥当である。
【0024】また、滞納税金等OFDとは販売先や従業
員等から預かっている消費税、源泉所得税、社会保険料
等のうち納付期限まで納付しなかったものをいい、差押
の対象となることから極めて返済順位の高い負債とみる
ことができる。支払リース料OFEは販売費・一般管
理費に計上されている賃借料・リース料のうちのリース
料であり、支払リース料OFEは製造原価に計上され
ている賃借料・リース料のうちリース料である。固定資
産処分損のうち車輌に係る処分損OFFとは特別損失
に計上されている固定資産処分損のうち車輌に係るもの
をいう。オフバランスリース資産OFGとは、リース契
約に基づき使用している物件のうち、会計処理が簿外と
なっているものをいう。オフバランスリース未払金OF
とは費用化の期限(リース料としての支払期限)の
決算日の翌日から起算して1年以内に到来するもののう
ち会計処理が簿外となっているものをいい、オフバラン
ス長期リース未払金OFHとは費用化の期限(リース
料としての支払期限)の決算日の翌日から起算して1年
を超えて到来するもののうち会計処理が簿外となってい
るものをいう。オフバランスリース資産に係る減価償却
実施額OFJとは当年度決算に計上した支払リース料
のうち減価償却費に相当する額をいう。従って、オフバ
ランス追加情報には、運輸業の業態に関連した資産、負
債上の詳細な情報が含まれている。
【0025】図16に示すように、財務追加情報は、回
転期間により算出される不健全流動資産L(L
)、その他流動資産のうち換金可能額M(M〜M
)、減価償却費不足額N(N)、有価証券・投資有
価証券および不動産に係る含み損益P(P〜P)、
投資その他(投資その他のうちその他を除く)のうちの
換金可能額Q(Q〜Q)、その他の投資における不
健全資産R(R)、繰延資産のうちの換金可能額S
(S)、代表者等からの借入の状況T(T
)、オフバランス損益U(U〜U)及び固定資
産性預金A確定額V(V)についての当期、前期、2
期前及び3期前の情報で構成されている。ここで、「投
資その他のうちその他」とは、投資有価証券、長期貸付
金、保険積立金、差入保証金及び不渡手形(投資その他
で計上されているもの)・固定化営業債権を除くものを
いう。なお、現金・預金架空計上確定額L1、受取手形
貸倒・架空計上確定額L2、売掛金貸倒・架空計上確定
額L3、棚卸資産不良・架空計上確定額L5等の図16
に示した財務追加情報は、信用金庫の担当者が信用格付
対象企業の経営者等との面接ヒアリングや実地調査など
を行い、当該企業の業況・財務内容、各勘定科目の相手
先の業況等から換金可能か否かの判断を加えた上で最終
的に確定した数値が入力される。従って、財務追加情報
には、B/S及びP/L上の不健全な財務の部分的な実
体が表されている。
【0026】また、債務情報は、図17に示すように、
対象企業の支払の延滞状況及び借入債務状況についての
情報であり、マトリックス内のいずれかを選択して入力
される(例えば、債務状況が、債務超過なし、赤字・繰
越損なしの通常先で、支払状況が、1カ月以上3カ月未
満延滞している場合に該当するときは、括弧内のC1が
債務情報として入力される)。なお、図17において、
特定先とは共同債権買取機構・整理回収機構・自己競落
会社等をいい、特例先とは特別な事情により今後の管理
に注意を要する企業をいい、通常先とは特例先以外の企
業をいう。
【0027】次に、図2のステップ206では、格付依
頼か否かの判断を行い、否定判断のときはステップ20
8へ進み、肯定判断のときはステップ216において信
用格付対象企業の信用格付を行うための格付処理サブル
ーチンを実行する。
【0028】図4に示すように、この格付処理サブルー
チンでは、ステップ402において、ステップ212、
306、308、310でデータベースサーバ113に
格納した信用格付対象企業の業種情報(本例では運輸
業)、財務諸表、A/I及び債務情報を読み出してRA
M上に展開し、次のステップ403において、B/Sと
オフバランス追加情報とからオフバランスリース資産等
を加味した貸借対照表(以下、オフバランスB/Sとい
う。)上の数値を演算するためのオフバランスリース加
味貸借対照表数値演算サブルーチンが実行される。この
オフバランスリース加味貸借対照表数値演算サブルーチ
ンでの演算について一言すれば、図19(A)に示すB
/S(図12に示したB/Sを圧縮して模式的に示した
もの)と、図19(B)に示すオフバランス追加情報
(図15に示すオフバランス追加情報を圧縮して模式的
に示したもの)と、から図20(A)に示すオフバラン
スB/S(図18に示すオフバランスB/Sを圧縮して
模式的に示したもの)上の4期分の数値を演算するもの
であるが、詳しくは次の通りである。
【0029】図5に示すように、オフバランスリース加
味貸借対照表数値演算サブルーチンでは、まず、ステッ
プ452において、オフバランスリース資産を演算す
る。このオフバランスリース資産の演算では、図15に
示したオフバランス追加情報のオフバランスリース資産
確定額OFGに数値が入力されているか否かを判定
し、肯定判定のとき(数値がヌルでないとき、以下同
じ。)はその額(4期分のオフバランスリース資産確定
額OFG)を図18に示すオフバランスB/S上のオ
フバランスリース資産101とする(本例の場合)。一
方、否定判定のとき(数値がヌルのとき、以下同じ。)
は、オフバランス追加情報の支払リース料OFE(販
売費・一般管理費分)及び支払リース料OFE(製造
原価分)が共に数値が入力されているか否かを判断し、
肯定判断のときは、各4期毎に支払リース料OFE
(販売費・一般管理費分)と支払リース料OFE
(製造原価分)とを合計した合計額TLを車輌の法定
耐用年数の5年に対応して5倍の額としたオフバランス
リース資産推定値((OFE+OFE)×5)をオ
フバランスB/S上のオフバランスリース資産101と
して演算し、否定判断のときは、図14に示したM/C
の賃借料・リース料MM5(販売費・一般管理費分)と
賃借料・リース料MC6(製造原価分)とを合計した合
計額TLを同様に5倍の額としたオフバランスリース資
産推定値((MM5+MC6)×5)をオフバランスB
/S上のオフバランスリース資産101として演算する
と共に、オフバランスリース資産推定値に用いた方の合
計額TLをRAMに記憶する。
【0030】次のステップ454では、オフバランスリ
ース未払金及びオフバランス長期リース未払金を演算す
る。すなわち、オフバランスリース未払金の演算では、
オフバランス追加情報のオフバランスリース未払金確定
額OFHの数値が入力されているか否かを判定し、肯
定判定のときはオフバランスリース未払金確定額OFH
をオフバランスB/S上のオフバランスリース未払金
114とし(本例の場合)、否定判定のときは、ステッ
プ452で演算したオフバランスリース資産101を
0.2倍した推定額をオフバランスB/S上のオフバラ
ンスリース未払金114として演算する。また、オフバ
ランス長期リース未払金の演算では、オフバランス追加
情報のオフバランス長期リース未払金確定額OFH
数値が入力されているか否かを判定し、肯定判定のとき
はオフバランス長期リース未払金確定額OFHをオフ
バランスB/S上のオフバランス長期リース未払金12
4とし(本例の場合)、否定判定のときは、ステップ4
52で演算したオフバランスリース資産101を0.8
倍した推定額をオフバランスB/S上のオフバランス長
期リース未払金124として演算する。
【0031】次にステップ456では、オフバランスリ
ース資産に係る減価償却実施額を演算する。このオフバ
ランスリース資産に係る減価償却実施額の演算では、オ
フバランス追加情報のオフバランスリース資産に係る減
価償却実施確定額OFJの数値が入力されているか否
かを判定し、肯定判定のときはオフバランスリース資産
に係る減価償却実施確定額OFJをオフバランスB/
Sの脚注上のオフバランスリース資産に係る減価償却実
施額131とし(本例の場合)、否定判定のときは、ス
テップ452でRAMに記憶した合計額TLを読み出し
て0.8倍した推定値(TL×0.8)をオフバランス
B/Sの脚注上のオフバランスリース資産に係る減価償
却実施額131として演算する。
【0032】また、ステップ456では、オフバランス
追加情報の買掛金のうち割賦買掛金OFAをオフバラ
ンスB/S上の流動負債の買掛金・工事未払金39のう
ち割賦買掛金111とし、オフバランス追加情報のその
他の固定負債のうち長期割賦買掛金OFAをオフバラ
ンスB/S上のその他の固定負債52のうち長期割賦買
掛金121とし、オフバランス追加情報の買掛金のうち
リース未払金OFBをオフバランスB/S上の流動負
債の買掛金・工事未払金39のうちリース未払金112
とし、オフバランス追加情報のその他の固定負債のうち
長期リース未払金OFBをオフバランスB/S上のそ
の他の固定負債52のうち長期リース未払金122と
し、オフバランス追加情報のその他の流動負債のうち設
備支払手形OFCをオフバランスB/S上のその他の
流動負債48のうち設備支払手形113とし、オフバラ
ンス追加情報のその他の固定負債のうち設備長期支払手
形OFCをオフバランスB/S上のその他の固定負債
52のうち設備長期支払手形123として、図18に示
すオフバランスB/Sを作成し、オフバランスリース加
味貸借対照表数値演算サブルーチンして図4に示すステ
ップ404へ進む。
【0033】なお、図18に示すオフバランスB/S
は、図12に示すB/Sに対して、固定資産にオフバラ
ンスリース資産101、流動負債にオフバランスリース
未払金114、固定負債にオフバランス長期リース未払
金124がそれぞれ加えられた点(図20(A)も参
照)、流動負債の買掛金・工事未払金39の内訳として
割賦買掛金111及びリース未払金112、その他の流
動負債48の内訳として設備支払手形113、その他の
固定負債52の内訳として長期割賦買掛金121、長期
リース未払金122及び設備長期支払手形123が加え
られた点、並びに、脚注にオフバランスリース資産に係
る減価償却実施額131が加えられた点で相違してい
る。従って、図19(A)及び図20(A)に示すよう
に、オフバランスB/S上の固定資産Bは、B/S上
の固定資産Bにステップ452で演算したオフバラン
スリース資産101(図20(A)上のオフバランスリ
ース資産OB)を加えると共に、オフバランスB/S上
の流動負債Dは、B/S上の流動負債Dにステップ
454で演算したオフバランスリース未払金114(図
20(A)上のオフバランスリース未払金OD)を加
え、オフバランスB/S上の固定負債Eは、B/S上
の固定負債Eにステップ454で演算したオフバラン
ス長期リース未払金124(図20(A)上のオフバラ
ンス長期リース未払金OE)を加えたものである。
【0034】次のステップ404では、ステップ403
で作成したオフバランスB/Sと図16に示した財務追
加情報とからB/Sを修正した修正B/S上の数値を演
算するための修正貸借対照表数値演算サブルーチンが実
行される。
【0035】ここで、図20及び図21を参照して、こ
の修正貸借対照表数値演算サブルーチンで実行される演
算概念について説明する。上述したように、図20
(A)は図18に示したオフバランスB/Sを圧縮して
模式的に表したものであり、図20(B)は図16に示
した財務追加情報を圧縮して模式的に表したものであ
る。一方、図21(A)は、図20(A)に示した資産
欄の流動資産Aを修正流動資産A、固定資産性預金
及び不健全流動資産Aに分類し(A=A+A
+A)、固定資産Bを修正固定資産B及び不健
全固定資産Bに分類し(B=B+B)、繰延資
産Cを修正繰延資産C及び不健全繰延資産Cに分
類し(C=C+C)、負債・資本欄の固定負債E
のうち代表者等からの借入金のうち自己資本相当額E
を顕在化させると共に、その他の剰余金のうち当期利
益Hについて、不健全資産計T(=不健全流動資産
+不健全固定資産B+不健全繰延資産C)に見
合う未実現損失H(=T)を顕在化させたものであ
る(図26(A)も参照)。図21(B)は、図21
(A)に示したB/Sから不健全資産計T及び未実現
損失Hを排除した修正B/Sである。この修正B/S
は、不健全資産計Tが排除されているので、図21
(A)に示したB/Sに比べ信用格付対象企業の財務実
体をより正確に表しているものと考えられる。修正貸借
対照表数値演算サブルーチンでは、オフバランスB/S
とP/Lと財務追加情報とからこの修正B/S上の数値
を演算するものである。
【0036】図6に示すように、この修正貸借対照表数
値演算サブルーチンでは、まず、ステップ502におい
て、固定資産性預金Aを固定資産性預金Aと固定資産
性預金Bとを加えることにより算出する。
【0037】固定資産性預金Aは下式(1)により演算
される。すなわち、式(1)は、財務追加情報の固定資
産性預金A確定額V欄が入力されいるときはその額と
なり、入力されていないときは、固定資産性預金A推定
額Vが演算され、演算された数値がその額となる。な
お、固定資産性預金A推定額Vは、演算された数値が
現金・預金の額を越える場合には現金・預金の額とし、
マイナスの場合は0として演算される。
【0038】
【数1】
【0039】一方、固定資産性預金Bの算出では、固定
資産性預金A控除後の現金・預金1(預金・現金1−固
定資産性預金A)がオフバランス追加情報の滞納税金等
確定額OFDより大きいか否かを判断し、肯定判断の
ときは、固定資産性預金B=滞納税金等確定額OFD
とし、否定判断のときは、固定資産性預金B=固定資産
性預金A控除後の現金・預金1(預金・現金1−固定資
産性預金A)とする。すなわち、滞納税金等は、上述し
たように、極めて返済順位の高い負債とみることができ
るため、固定資産性預金A控除後の預金・現金1と相殺
するものとして扱い、固定資産性預金A控除後の預金・
現金1で相殺しきれない滞納税金等未相殺額fmが生じ
るときは、その滞納税金等未相殺額(滞納税金等確定額
OFD−固定資産性預金B)を借入金に準ずる負債と
して取り扱う。本例に則して付言すれば、下表1に示す
ように、固定資産性預金Bはe=d(dがcを超えると
きはe=c)として算出され、dがcを超えるときは、
滞納税金等未相殺額がfm=d−eとして算出される。
【0040】
【表1】
【0041】次にステップ504では、不健全流動資産
が演算される。下表2に示すように、不健全流動資
産Aは(1)〜(14)までの合計値である。
【0042】
【表2】
【0043】調整後現金・預金架空計上額Aaの演算で
は、財務追加情報に現金・預金架空計上確定額L欄が
入力されているときはその額となり、入力されていない
ときは、下式(2)により売上高PL1に対する回転期間
の時系列変化に基づいて現金・預金架空計推定額が演算
され、演算された数値が調整後現金・預金架空計上額A
aとされる。すなわち、この現金・預金架空計推定額
は、当期の回転期間が前期又は2期前に比べて30日以
上伸びた場合は、架空計上があったものとして判断し
て、30日を超える日数に相当する額を不健全流動資産
として演算する。
【0044】
【数2】
【0045】調整後売上債権貸倒・架空計上額Abの演
算では、財務追加情報に受取手形(含む割手・譲手)貸
倒・架空計上確定額L及び売掛金貸倒・架空計上確定
額L 欄が入力されているときはそれらの額の合計とな
り、入力されていないときは、下式(3)により売上高
PL1に対する回転期間の時系列変化に基づいて売上債権
貸倒・架空計上推定額が演算され、演算された数値が調
整後売上債権貸倒・架空計上額Abとされる。すなわ
ち、この売上債権貸倒・架空計上推定額は、当期の回転
期間が前期又は2期前に比べて10日以上伸びた場合
は、架空計上があったものとして判断して、10日を超
える日数に相当する額を不健全流動資産として演算す
る。
【0046】
【数3】
【0047】調整後棚卸資産不良・架空計上額Acの演
算では、財務追加情報に棚卸資産不良・架空計上確定額
欄が入力されているときはその額となり、入力され
ていないときは、下式(4)により売上高PL1に対する
回転期間の時系列変化に基づいて調整後棚卸資産不良・
架空計上推定額が演算され、演算された数値が調整後棚
卸資産不良・架空計上額Acとされる。すなわち、この
棚卸資産不良・架空計上推定額は、当期の回転期間が前
期又は2期前に比べて10日以上伸びた場合は、架空計
上があったものとして判断して、10日を超える日数に
相当する額を不健全流動資産として演算する。
【0048】
【数4】
【0049】調整後総合調整額Adの演算では、財務追
加情報に受取手形(含む割手・譲手)貸倒・架空計上確
定額、売掛金貸倒・架空計上確定額及び棚卸不良・架空
計上確定額のすべてが入力されているときは0(ゼロ)
となり、いずれか又は全部が入力されていないときは、
下式(5)により売上高PL1に対する回転期間の時系列
変化に基づいて総合調整推定額が演算され、演算された
数値が調整後総合調整額Adとされる。すなわち、この
総合調整では、複数の勘定科目にわたり不健全資産が分
割・計上されている場合や負債サイドの粉飾を想定し
て、総合回転期間(所要運転資金回転期間)の時系列変
化に基づいて換金不能な不健全資産を算出するものであ
る。ここで、所要運転資金は(受取手形+売掛金+割引
手形+裏書譲渡手形+棚卸資産)から(支払手形+買掛
金に計上されている割賦買掛金およびリース未払金を除
く買掛金+裏書譲渡手形)を減算することにより求める
ことができる。総合調整推定額は、当期の総合回転期間
が前期又は2期前に比べて10日以上伸びた場合は、架
空計上があったものとして判断して、10日を超える日
数に相当する額を不健全流動資産として演算する。この
とき、当期の総合回転期間との乖離が大きい期の総合回
転期間が基準回転期間とし、売上債権及び棚卸資産で不
健全資産として計上した額は、重複計上となるので、控
除される。
【0050】
【数5】
【0051】調整後前渡金AeはオフバランスB/Sの
前渡金12から財務追加情報の前渡金のうち換金可能額
を減算することにより演算され、調整後未収入金A
fはオフバランスB/Sの未収入金13から財務追加情
報の未収入金のうち換金可能額Mを減算することによ
り演算され、調整後前払費用AgはオフバランスB/S
の前払費用14から財務追加情報の前払費用のうち換金
可能額Mを減算することにより演算され、調整後仮払
金AhはオフバランスB/Sの仮払金15から財務追加
情報の仮払金のうち換金可能額Mを減算することによ
り演算され、調整後短期貸付金AiはオフバランスB/
Sの短期貸付金16から財務追加情報の短期貸付金のう
ち換金可能額Mを減算することにより演算され、調整
後立替金AjはオフバランスB/Sの立替金17から財
務追加情報の立替金のうち換金可能額Mを減算するこ
とにより演算され、調整後不渡手形Akはオフバランス
B/Sの不渡手形18から財務追加情報の不渡手形のう
ち換金可能額Mを減算することにより演算され、調整
後その他の流動資産AlはオフバランスB/Sのその他
19から財務追加情報のその他の流動資産のうち換金可
能額Mを減算することにより演算される。差引有価証
券含み損Amは、財務追加情報の有価証券含み損P
ら有価証券含み益Pを減算した差引有価証券含み損P
と同じであり、貸倒引当金(流動資産)21はオフバ
ランスB/Sの流動資産欄の貸倒引当金21と同じであ
る。なお、これらの換金可能額(表2の(5)〜(1
2))について財務追加情報に入力されていないときは
未入力科目の全額が換金不能額(不健全流動資産)とみ
なされ、差引有価証券含み損Amがプラスであればその
額が不健全流動資産とみなされる(差引有価証券含み損
Amがマイナスの場合は評価されない)。
【0052】次に、図6のステップ506では、不健全
固定資産Bが演算される。表2に示すように、不健全
固定資産Bは(16)〜(24)までの合計値であ
る。
【0053】減価償却不足確定額Nは財務追加情報の
減価償却不足確定額Nと同じであり、差引投資有価証
券含み損Pは財務追加情報の投資有価証券含み損P
から投資有価証券含み益Pを減算した差引投資有価証
券含み損Pと同じであり、不動産含み損Pは財務追
加情報の不動産含み損Pと同じであり、貸倒引当金
(固定資産)36はオフバランスB/Sの固定資産欄の
貸倒引当金36と同じである。なお、差引投資有価証券
含み損Pがプラスであればその額が不健全流動資産と
みなされる(差引投資有価証券含み損Pがマイナスの
場合は評価されない)。調整後長期貸付金Aqはオフバ
ランスB/Sの長期貸付金31から財務追加情報の長期
貸付金のうち換金可能額Qを減算することにより演算
され、調整後保険積立金ArはB/Sの保険積立金32
から財務追加情報の保険積立金のうち換金可能額Q
減算することにより演算され、調整後差入保証金Asは
オフバランスB/Sの差入保証金33から財務追加情報
の差入保証金のうち換金可能額Qを減算することによ
り演算され、調整後不渡手形・固定化営業債権Atはオ
フバランスB/Sの不渡手形・固定化営業債権34から
財務追加情報の不渡手形・固定化営業債権のうち換金可
能額Qを減算することにより演算される。
【0054】なお、財務追加情報に減価償却不足確定額
が入力されていないときは、下式(6)により減価
償却不足額の推定額が演算され、演算された推定額が減
価償却不足額となる。式(6)により演算された数値が
マイナスのときは、減価償却不足額の推定額は0とされ
る。機械・装置等の推定耐用年数(5年)は、営業用車
輌を考慮し、運送事業用、貸自動車業用又は自動車教習
所用の車輌及び運搬具のうち自動車(大型乗用車)及び
乗合自動車の耐用年数と同じとしたものである。
【0055】
【数6】
【0056】調整後その他の投資Auの演算では、財務
追加情報にその他の投資における不健全資産確定額R
欄が入力されているときはその額となり、入力されてい
ないときは、下式(7)により総資産に対する構成比の
時系列変化に基づいてその他投資における不健全資産推
定額が演算され、演算された数値が調整後その他の投資
Auとされる。すなわち、当期の構成比が前期、2期前
又は3期前に比べて増加した場合には、架空計上があっ
たものとして判断して、その増加分に相当する額を不健
全固定資産として演算する。
【0057】
【数7】
【0058】図6のステップ508では、オフバランス
B/Sの繰延資産合計Cから繰延資産のうち換金可能
額Sを減算することにより不健全繰延資産Cが演算
され、次のステップ510では、ステップ504〜50
8で演算した不健全流動資産A、不健全固定資産B
及び不健全繰延資産Cを加算することにより不健全資
産計Tiが演算される。次にステップ512では、財務
追加情報の代表者等借入のうち自己資本相当額Tを代
表者等からの借入金のうち自己資本相当額Eとして取
得し、次のステップ514において、修正流動資産
、修正固定資産B及び修正繰延資産Cを演算す
る。図20(A)及び図21(A)に示したように、修
正流動資産AはオフバランスB/Sの流動資産A
らステップ502、504で演算した固定資産性預金A
及び不健全流動資産Aを減算することにより、修正
固定資産BはオフバランスB/Sの固定資産Bから
不健全固定資産Bを減算することにより、修正繰延資
産CはオフバランスB/Sの繰延資産Cから不健全
繰延資産Cを減算することによりそれぞれ求めること
ができる。
【0059】次のステップ516では、修正資本G
び修正当期利益Hを演算して、修正貸借対照表数値演
算サブルーチンを終了し(図26(B)も参照)、図4
のステップ406に進む。図21(B)に示すように、
修正資本Gは資本Gからステップ510で演算した
不健全資産計Tiに等しい未実現損失Hを減算するこ
とにより求めることができ、修正当期利益Hはその他
の剰余金のうち当期利益Hから未実現損失Hを減算
することにより求めることができる。
【0060】次に、図4のステップ406では、図21
(A)に示したB/Sについて財務追加情報により簿外
を加味して修正した、会計処理外資産加味貸借対照表と
しての簿外加味B/S上の数値を演算するための簿外加
味修正貸借対照表数値演算サブルーチンが実行される。
【0061】ここで、図21及び図22を参照して、こ
の簿外加味修正貸借対照表数値演算サブルーチンで実行
される演算概念について説明する。図22(A)に示す
簿外加味B/Sの作成過程では、図21(A)に示した
資産欄の固定資産性預金Aを固定資産の一部とみなし
て、みなし固定資産Bに組み入れると共に、財務追加
情報の第三者提供による担保の処分可能見込額のうち預
金・有価証券・本業に欠かせない現物出資相当額(T
+T+T)もみなし固定資産Bに組み入れるもの
である。また、負債・資本欄のみなし自己資本Gには
資産欄に見合うように現物出資相当額(T+T+T
)が組み込まれている。更に、負債・資本欄には、代
表者等に対する多額の役員報酬等調整額Uがプラス要
素とし付加され、損失確実な簿外債務に係る未実現特別
損失Uがマイナス要素として付加されている。なお、
代表者等に対する多額の役員報酬等調整額Uは社外流
出分であることから、みなし自己資本Gには含められ
ず、また、損失確実な簿外債務に係る未実現特別損失U
も簿外であることから不健全資産計Tiには含められ
ない。これらは、後述するように、総資本みなし当期利
益率を演算するときに用いられる。図22(B)は、図
22(A)の資産欄及び負債・資本欄からそれぞれ不健
全資産計Ti、未実現損失Hが排除されている。な
お、修正流動資産A、固定資産性預金A、修正繰延
資産C、不健全資産計Ti、流動負債D、代表者等
からの借入金のうち自己資本相当額E及び未実現損失
は、修正貸借対照表数値演算サブルーチンで演算さ
れネットワークサーバ112に格納されているので、簿
外加味修正貸借対照表数値演算サブルーチンでは演算さ
れない。
【0062】図7に示すように、この簿外加味修正貸借
対照表数値演算サブルーチンでは、まず、ステップ53
2で財務追加情報の第三者提供による担保の処分可能見
込額のうち預金(現物出資相当)T、有価証券(現物
出資相当)T及び本業に欠かせない不動産(現物出資
相当)Tを取得し、これらを加算して現物出資相当額
(T+T+T)を求め、次のステップ534にお
いて、求めた現物出資相当額(T+T+T)にス
テップ502、514で演算した固定資産性預金A
び修正固定資産Bを加算することによりみなし固定資
産Bを演算する(B=B+A+T+T+T
)。
【0063】ステップ536では、修正固定負債E
を、固定負債Eから、代表者等からの借入金のうち
自己資本相当額Eを減算することにより演算し(E
=E−E)、次のステップ538において、ステッ
プ516で演算した修正資本Gに代表者等からの借入
金のうちステップ512で演算した自己資本相当額E
及びステップ532で求めた現物出資相当額(T+T
+T)を加算し、ステップ510で演算した不健全
資産計Tiに相当する未実現損失Hを減算することに
より、みなし自己資本Gを演算する(G=G+E
+T+T+T −H)。次に、ステップ540
において、財務追加情報の当該企業からの収入のうち多
額と認められる金額計Uを取得して代表者等に対する
多額の役員報酬等調整額Uとし、財務追加情報の損失
確実な簿外債務Uを取得して損失確実な簿外債務に係
る未実現特別損失Uとして、簿外加味修正貸借対照表
数値演算サブルーチンを終了し(図26(C)も参
照)、図4のステップ408へ進む。
【0064】ステップ408では、B/S、オフバラン
スB/S、修正B/S、簿外加味B/S及びP/L上及
びそれらの演算過程での数値から信用格付対象企業の第
1財務指標としての表面財務指標を演算する表面財務分
析指標演算サブルーチンが実行される。なお、表面財務
分析指標演算サブルーチンで演算する指標は、図23
(A)に示すように、収益性、効率性、安全性、成長性
及び企業規模等の多面的な評価に資するものである。
【0065】図8に示すように、この表面財務分析指標
演算サブルーチンでは、ステップ562において、P/
L上の数値に基づいて下式(8)により売上高経常利益
率aが演算される。なお、売上高経常利益率aは売上高
に対する経常利益の割合を示しており、経常利益を用い
ることで、企業本来の営業活動の効率とこれに関連して
生じる財務活動を総合した経常的な活動が反映されるこ
とから、平時における収益性を判断する上で適当と考え
られる。
【0066】
【数8】
【0067】次のステップ564では、オフバランスB
/S及びP/L上の数値に基づいて下式(9)により総
資本回転率bが演算される。総資本回転率bは、1年間
に総資本の何倍の売上げを計上したかを示すもので、総
資本をいかに効率的に活用させたかを示している。な
お、売上不振、過大な借入れ、過大な設備投資、売掛金
(未収運賃)の未収、手形の乱発等は、総資本回転率b
に直接影響を及ぼす。
【0068】
【数9】
【0069】次のステップ566では、オフバランスB
/S上の数値に基づいて下式(10)により流動比率c
が演算される。流動比率cは、当面の債務である流動負
債に対してこれを賄うべき流動資産がどの程度保有され
ているかを示すもので、流動性や資金繰り状況、支払能
力等をみるための基本的指標である。一般的に、望まし
い基準は200%以上とされている。
【0070】
【数10】
【0071】次にステップ568では、オフバランスB
/S上の数値に基づいて下式(11)により固定長期適
合率dが演算される。固定長期適合率dは、固定資産が
自己資本及び固定負債でどの程度賄われているかを示す
もので、資金の調達と運用とのバランスが保たれている
かをみるためのものである。一般的に、望ましい水準は
100%以下とされている。固定資産に投下した資金は
返済期限のない自己資本で賄われることが望ましいが、
例えば、運輸業では、現実的に外部負債に頼っている企
業が多いことから、企業格付の上で判断要素となる。
【0072】
【数11】
【0073】次のステップ570では、B/S及びP/
L上の数値に基づいて下式(12)により経常収支比率
eが演算される。経常収支比率eは、経常的な営業活動
における収入合計と支出合計の割合を示すもので、資金
繰りの良否をみることができる。100%以上であるこ
とが原則であり、一度でも85%を切るようなことがあ
れば資金繰り状態が注意を要する水準にあると考えられ
る。
【0074】
【数12】
【0075】ステップ572及びステップ574では、
信用格付対象企業の成長性を分析するために、それぞれ
P/L上の数値に基づいて売上高推移f及び当期利益額
推移gが演算される。一般に、成長性分析では、売上高
・当期利益額等を用いて、増減率でみる方法と増減実績
でみる方法とがあるが、中小企業では売上高や当期利益
が環境変化や特殊要因等により大きくブレることがある
ことから、増減率をでみる方法では、当期及び前期が減
少であっても2期前が大幅な増加であれば、プラス評価
となるなど、直近の決算の状況が色濃く反映されないと
いう問題がある。このため、これら両指標では、4期分
のP/L上の数値に基づいて、3期連続増加若しくは減
少、2期連続増加若しくは減少、前期比増加若しくは減
少、又は、増減なしのいずれかを選択する。
【0076】次にステップ576では、オフバランスB
/S上の数値に基づいて下式(13)により自己資本額
hを演算して、表面財務分析指標演算サブルーチンを終
了し、図4のステップ410へ進む。自己資本額hは、
企業規模を計る上で、営業活動によって獲得された利益
が保留されたものであること、返済期限がないこと等か
ら、毎期の成績が反映され、ストックとして比較的安定
した評価が可能である。
【0077】
【数13】
【0078】ステップ410では、B/S、オフバラン
スB/S、修正B/S、簿外加味B/S及びP/L上の
数値から、信用格付対象企業の第2財務指標としての実
質財務指標を演算する実質財務分析指標演算サブルーチ
ンが実行される。なお、実質財務分析指標演算サブルー
チンで演算する指標は、図23(B)に示すように、健
全性、収益性、返済能力、安全性及び企業規模等の多面
的な評価に資するものである。
【0079】図9に示すように、この実質財務分析指標
演算サブルーチンでは、ステップ602において、オフ
バランスB/S及び修正B/S上の数値に基づいて下式
(14)により不健全資産比率jが演算される。不健全
資産比率jは、オフバランスB/S上の総資産に対して
不健全資産がどの程度内包されているかを示すもので、
企業の健全性をみるための指標となる。なお、この数値
が大きいほど、資産内容が悪化している懸念がある。
【0080】
【数14】
【0081】次にステップ604では、オフバランスB
/S、修正B/S、簿外加味B/S及びP/L上の数値
に基づいて下式(15)により総資本みなし当期利益率
kが演算される。総資本みなし当期利益率kは、総資本
に対するみなし当期利益の割合を示すもので、企業の実
体に則した最終利益に基づく収益性をみるための指標と
して用いられる。例えば、表面的に少額の赤字であって
も、不健全資産を内包せず、かつ、赤字をカバーするだ
けの代表者等に対する当該企業からの収入のうち多額と
認められる金額があれば、みなし当期利益はプラスとな
り、逆に、表面的には黒字であっても、多額の不健全資
産を内包している場合にはみなし当期利益はマイナスと
なり、低い評価となる場合がある。
【0082】
【数15】
【0083】次のステップ606では、修正B/S及び
P/L上の数値に基づいて下式(16)により修正当期
利益額lが演算される。修正当期利益額lは、当期利益
から不健全資産を控除したもので、運輸業は車1台でも
業を営むことができるため参入が比較的容易であり小規
模(零細)企業も多いことから、比率による分析より実
数による分析の方が好ましいと考えられる。
【0084】
【数16】
【0085】次にステップ608では、オフバランスB
/S、修正B/S及びP/L上の数値に基づいて下式
(17)により修正借入金等償還年数mが演算される。
修正借入金等償還年数mは、営業活動により生じた資金
流入額(キャッシュフロー)を実質ベースに引き直し、
実際に返却すべき借入金を何年で償還できるかをみるも
ので、年数が短ければ短いほど高い評価となる。金融機
関等借入相当額に短期借入金を含めている理由は、設備
資金にも拘わらず短期借入金で資金調達をする場合があ
るためであり、キャッシュフローに車輌に係る処分損を
含めている理由は、主要設備である車輌の減価償却耐用
年数が3〜5年であること、車輌に係る設備投資がある
程度一定したサイクルで行われていること、事故等によ
り処分しなければならないケースがあること等による。
【0086】
【数17】
【0087】次のステップ610では、オフバランスB
/S及び簿外加味B/S上の数値に基づいて下式(1
8)によりみなし自己資本比率nが演算される。みなし
自己資本比率nは、総資本に対してみなし自己資本がど
の程度占めているかを示すもので、企業の実体に則した
資本蓄積の度合いをみるための指標である。
【0088】
【数18】
【0089】次のステップ612では、オフバランスB
/S及び修正B/S上の数値に基づいて下式(19)に
より修正流動比率pが演算される。修正流動比率pは、
当面の債務である流動負債に対してこれを賄うべき実質
的な資産価値を持つ流動動産がどの程度保有されている
かを示すもので、企業の実体に則した流動性や資金繰り
状況、支払能力等をみるための指標である。
【0090】
【数19】
【0091】次にステップ614では、B/S、修正B
/S及びP/L上の数値に基づいて不健全資産が対前期
比で増加している場合には下式(20−2)により、不
健全資産が対前期比で減少している場合には下式(20
−3)により、増減がない場合には下式(20−1)に
より、修正経常収支比率qが演算される。修正経常収支
比率qは、表面的な経常収支比率に不健全資産の対前期
比増減を加味したもので、実質的な資金繰りの良否をみ
るための指標である。なお、表面財務分析の経常収支比
率eが100%を超えていても、当該指標が100%を
割り込んでいるときは注意が必要となり、一度でも85
%を切るようであれば資金繰り状況は警戒水準にあると
考えられる。
【0092】
【数20】
【0093】次にステップ616では、簿外加味B/S
上の数値に基づいて下式(21)によりみなし自己資本
額rを演算して実質財務分析指標演算サブルーチンを終
了し図4のステップ412へ進む。みなし自己資本額r
は、自己資本から不健全資産を控除して、代表者等借入
のうち自己資本相当額及び第三者提供担保のうち現物出
資相当額を加えたもので、実質的な自己資本とみること
ができる。
【0094】
【数21】
【0095】ステップ412では、オフバランスB/
S、修正B/S、簿外加味B/S及びP/L上の数値か
ら、B/SやP/L上の実体からの乖離、換言すれば、
粉飾度合いを測る、第3財務指標としての粉飾等調整指
標を演算する粉飾等調整指標演算サブルーチンが実行さ
れる。なお、粉飾等調整分析指標演算サブルーチンで演
算する指標は、図23(C)に示すように、健全性、特
に、財務諸表の数値と実質的な財務諸表の数値との乖離
の程度を多面的に評価するものである。
【0096】図10に示すように、この粉飾等調整指標
演算サブルーチンでは、ステップ632においてオフバ
ランスB/S及び修正B/S上の数値に基づいて下式
(22)により流動比率乖離幅sが演算され、次のステ
ップ634でB/S、修正B/S及びP/L上の数値に
基づいて下式(23)により経常収支比率乖離幅tが演
算される。両指標は、不良・架空資産を計上しやすい勘
定科目に基づいて算出されるものであり、短期返済能力
をみるためのものである。表面と実質との差異が大きい
程粉飾の可能性が高まり、資金繰り状況、延いては企業
の将来性に懸念があると考えられる。
【0097】
【数22】
【0098】
【数23】
【0099】次にステップ636では、オフバランスB
/S、修正B/S及びP/L上の数値に基づいて下式
(24)により修正後売上高借入金等倍率uが演算され
る。修正後売上高借入金等倍率uは、金融機関等借入金
相当額及び借入金に準ずる負債額が売上高の何倍あるか
をみるための指標である。一般的に、企業が正常な営業
活動をしている限り、当該指標が1.2倍以上となる可
能性は低く、1.2倍以上となる原因としては、売上不
振、過大な設備投資、使途不明金への流用、多額の不健
全資産の内包、税金の滞納等が考えられる。
【0100】
【数24】
【0101】次のステップ638では、修正B/S及び
P/L上の数値に基づいて下式(25)により売上高減
価償却不足額比率vを演算し、粉飾等調整指標演算サブ
ルーチンを終了して図4のステップ414へ進む。売上
高減価償却不足額比率vは、売上高に対する減価償却不
足額の割合を示すもので、当該指標の数値が大きい程、
粉飾の可能性は高く、かつ、資産内容の実体は悪化して
いる懸念がある。通常、減価償却額は一定の金額を限度
として損金に算入できることから、企業が正常な営業活
動をしている限り、当該指標は0.0%となるはずで、
当該指標がプラスの数値となる場合は、どうしても黒字
決算を組まなければならない事情があるはずである。な
お、当該指標が2.0%以上の企業は、粉飾決算による
健全性の欠如や資金繰りショート等の懸念があるものと
考えられる。
【0102】
【数25】
【0103】図4のステップ414では、表面財務分析
指標演算サブルーチン、実質財務分析指標演算サブルー
チン及び粉飾等調整指標演算サブルーチンで演算した表
面財務分析指標、実質財務分析指標及び粉飾等調整指標
を評点し、格付する評点・格付処理サブルーチンが実行
される。ここで、図23を参照して、評点・格付処理サ
ブルーチンでの評価概念について簡単に説明すれば、図
23(A)に示すように、表面財務分析指標の各指標は
それぞれ5〜0の評点がなされ、図23(B)に示すよ
うに、実質財務分析指標の各指標はそれぞれ10〜0又
は5〜0のプラス評点がなれる。これに対し、図23
(C)に示すように、粉飾等調整指標の各指標は、財務
諸表の実体財務からの乖離や財務体質の脆弱性を測るも
のであるため、0〜−10のマイナス評点がなされる。
【0104】図11に示すように、この評点・格付処理
サブルーチンでは、ステップ652において、データベ
ースサーバ113に格納されている、第1評点基準、第
2評点基準としての評点テーブルを読み出し(下表3は
運輸業の評点テーブルの例である。)、次のステップ6
54において、表面財務分析指標、実質財務分析指標及
び粉飾等調整指標の各指標のポイント化(評点)が行わ
れ、ステップ656で評点された各指標のポイントの得
点を加算(及び減算)する演算が実行される(図23
(D)参照)。
【0105】
【表3】
【0106】次のステップ658では、ステップ310
でデータベースサーバ113に格納した債務情報を読み
出し、ステップ670において、データベースサーバ1
13に格納されている債務情報得点テーブルを読み出し
て得点(図17に示す各マトリックス内の括弧の前に記
載された数値)を取得する。次にステップ672におい
て、ステップ656で演算した財務分析の得点がステッ
プ670で演算(取得)した債務情報得点より大きいか
否かを判断し、肯定判断されたときは、次のステップ6
74において、信用格付を行うための区分対象得点を債
務情報得点とし、否定判断されたときは、ステップ67
6において、区分対象得点を財務分析得点としてステッ
プ678へ進む。すなわち、ステップ672〜676で
は、区分対象得点を財務分析得点及び債務情報得点のい
ずれか小さい方とする処理がなされる。これは、対象企
業の財務体質が良好でも支払に延滞が発生するような場
合を考慮したものである。
【0107】次にステップ678では、下表4に示すよ
うに、企業の信用の程度を複数に区分した格付ランクテ
ーブルをデータベースサーバ113から読み出して、次
のステップ680において、区分対象得点がいずれの信
用区分に属するかを判定することにより企業の信用格付
を行って、次のステップ682で、図24、図25及び
図26に示すように、信用格付及び財務諸表に関連する
帳票のイメージをPDF(Public Domain Software)化
してデータベースサーバ113に格納して、評点・格付
処理サブルーチンを終了し図2の格付処理サブルーチン
及び格付ルーチンを終了する。
【0108】
【表4】
【0109】図2のステップ208では、コンピュータ
端末102からダウンロードの要求か否かを判断し、肯
定判断のときは、ステップ218において、ステップ6
82でデータベースサーバ113に格納した信用格付及
び財務諸表に関連する帳票のイメージを要求先に送信す
ることによりダウンロード処理を実行して信用格付ルー
チンを終了する。なお、コンピュータ端末102から対
象企業を特定するには、自己(信用金庫)の店番号及び
対象企業の口座番号(顧客番号)を入力すればよい。
【0110】一方、ステップ208で否定判断されたと
きは、ステップ210において、ステップ212又は2
14で既に受信したデータの修正か否かを判断し、肯定
判断のときは、ステップ220において、データの追加
・修正を許容し、修正されたデータをデータベースサー
バ113に格納して信用格付ルーチンを終了し、否定判
断のときは、ステップ222において、例えばデータベ
ースサーバ113のホームページ参照等に対応するため
の別処理を実行して信用格付ルーチンを終了する。
【0111】以上のように、B/S上の数値とオフバラ
ンス追加情報とに基づいてオフバランス資産を加味した
オフバランスB/S上の数値を演算し(ステップ40
3)、オフバランスB/S上の数値と財務追加情報とに
基づいてオフバランスB/Sの不健全流動資産、不健全
固定資産及び不健全繰延資産を排除した修正B/S上の
数値を演算し(ステップ404)、修正B/S上の数値
と財務追加情報とに基づいてオフバランス資産の外に会
計処理が簿外となっている簿外資産を加味した簿外加味
B/S上の数値を演算するようにした(ステップ40
6)ので、オフバランスB/S、修正B/S及び簿外加
味B/Sには会計処理が簿外となっているオフバランス
資産が反映され、修正B/S及び簿外加味B/Sでは不
健全資産が排除され、簿外加味B/Sには更にオフバラ
ンス資産の外の簿外資産が反映されることから、B/S
及びP/L等の財務情報のみを規則とする場合よりも信
用格付対象企業の財務情報を実体に則して把握すること
ができると共に、これらのB/S、オフバランスB/
S、修正B/S、簿外加味B/S及びP/L上の数値に
基づいて信用格付対象企業の表面財務分析、実質財務分
析及び粉飾等調整上の指標を演算し(ステップ408〜
ステップ412)、表3に示した評点テーブルにより表
面財務分析、実質財務分析及び粉飾等調整上の指標を評
点して加算し、表4に示した信用区分で信用格付対象企
業の信用格付を行うようにした(ステップ414)の
で、信用格付対象企業の実体に沿った精度の高い信用格
付を行うことができる。更に、本実施形態では、区分対
象得点を財務分析得点及び債務情報得点のいずれか小さ
い方した(ステップ672〜676)ので、信用格付対
象企業の支払状況等についての形式的側面からの情報も
加味して信用格付を行うことが可能である。
【0112】なお、本実施形態ではネットワーク上での
信用格付システムについて説明したが、上述した信用格
付のプログラムをCD−ROM等の記録媒体に記録し、
当該プログラムをコンピュータにインストールした信用
格付装置に本発明を適用するようにしてもよい。また、
本実施形態では、表面財務分析指標、実質財務分析指標
及び粉飾等調整指標を演算した後、評点するようにした
が、各指標を演算した後に各指標毎に評点するようにし
てもよく、修正B/S、簿外加味B/Sを格付処理が終
了した後作成するようにしたが(ステップ682)、表
面財務分析指標、実質財務分析指標及び粉飾等調整指標
を演算する前後に作成するようにしてもよい。更に、本
実施形態では、ネットワークサーバ112に格付処理サ
ブルーチンを実行させる例を示したが、ネットワークサ
ーバ112の負荷を軽減するために、格付処理用のコン
ピュータに格付処理を実行させるようにしてもよい。ま
た、本実施形態では、債務情報を略号化して企業信用格
付サイト110に送信する例を示したが、信用金庫側が
債務情報とその情報を評点する評点表を有しており、債
務情報として評点表に記載された評点を送信するように
してもよく、ネットワークでの安全性を確保するために
暗号化して送信するようにしてもよい。
【0113】更に、本実施形態では、支払リース料を把
握するためにM/Cを財務諸表として信用金庫のコンピ
ュータ端末から企業信用格付サイトに送信する例を示し
たが、信用格付を行う上で財務諸表としてM/Cは必要
ではなく、オフバランス追加情報や他の財務諸表から推
定することが可能である。また、本実施形態では、財務
追加情報により簿外を加味して修正した簿外加味B/S
上の数値を演算し、減点要素として粉飾等調整指標を用
いた例を示したが、簿外加味B/Sを作成せず、及び/
又は、粉飾等調整指標がなくても信用格付対象企業に対
して適正な信用格付を行うことができる。簿外加味B/
Sを作成し、かつ、粉飾等調整指標を演算することで、
一層精度の高い信用格付を行うことができる。更に、本
実施形態では、多数の表面財務指標、実質財務指標、粉
飾等調整指標を例示したが、信用格付にはこれらの指標
の全てが必要なわけではなく、適宜適正な指標を選択す
るようにしてもよい。この場合には、表3及び表4に示
した評点テーブル等を信用格付対象企業の実体に応じて
変更すればよい。そして、本発明は上述した実施形態に
制限されることなく、特許請求の範囲を逸脱することな
く種々の態様を採ることができる。
【0114】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
オフバランスリース資産を加味したオフバランス貸借対
照表上の数値を演算し、オフバランス貸借対照表から修
正貸借対照表上の数値を演算するので、オフバランスリ
ース資産を多く内在する業種に属する企業について、貸
借対照表及び損益計算書等の財務情報のみを基礎とする
場合より実体に則した財務情報を得ることができると共
に、貸借対照表、修正貸借対照表及び損益計算書上の数
値に基づいて、企業の表面的財務体質を多面的に表す第
1財務指標及び実質的財務体質を多面的に表す第2財務
指標を演算して信用格付を行うので、表面的財務体質を
表す第1財務指標のみで企業の信用格付を行う場合より
も、企業の実体を反映した信用格付を行うことができ
る、という効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用可能な実施形態の信用格付システ
ムの概略構成図である。
【図2】本実施形態の企業信用格付サイトのネットワー
クサーバが実行する信用格付ルーチンのフローチャート
である。
【図3】信用格付ルーチンのステップ214の詳細を示
すファイル情報取込処理サブルーチンのフローチャート
である。
【図4】信用格付ルーチンのステップ216の詳細を示
す格付処理サブルーチンのフローチャートである。
【図5】格付処理サブルーチンのステップ403の詳細
を示すオフバランスリース加味貸借対照表数値演算サブ
ルーチンのフローチャートである。
【図6】格付処理サブルーチンのステップ404の詳細
を示す修正貸借対照表数値演算サブルーチンのフローチ
ャートである。
【図7】格付処理サブルーチンのステップ406の詳細
を示す簿外加味修正貸借対照表数値演算サブルーチンの
フローチャートである。
【図8】格付処理サブルーチンのステップ408の詳細
を示す表面財務分析指標演算サブルーチンのフローチャ
ートである。
【図9】格付処理サブルーチンのステップ410の詳細
を示す実質財務分析指標演算サブルーチンのフローチャ
ートである。
【図10】格付処理サブルーチンのステップ412の詳
細を示す粉飾等調整指標演算サブルーチンのフローチャ
ートである。
【図11】格付処理サブルーチンのステップ414の詳
細を示す評点・格付処理サブルーチンのフローチャート
である。
【図12】コンピュータ端末から企業信用格付サイトへ
送信される貸借対照表のデータを示す説明図である。
【図13】コンピュータ端末から企業信用格付サイトへ
送信される損益計算書のデータを示す説明図である。
【図14】コンピュータ端末から企業信用格付サイトへ
送信される販売費・一般管理費明細および製造原価明細
のデータを示す説明図である。
【図15】コンピュータ端末から企業信用格付サイトへ
送信されるオフバランス追加情報のデータを示す説明図
である。
【図16】コンピュータ端末から企業信用格付サイトへ
送信される財務追加情報のデータを示す説明図である。
【図17】コンピュータ端末から企業信用格付サイトへ
送信される債務情報の概念を説明するための説明図であ
る。
【図18】企業信用格付サイトで演算されたオフバラン
ス貸借対照表を示す説明図である。
【図19】(A)は貸借対照表を模式的に示す説明図で
あり、(B)はオフバランス追加情報を模式的に示す説
明図である。
【図20】(A)はオフバランス貸借対照表を模式的に
示す説明図であり、(B)は財務追加情報を模式的に示
す説明図である。
【図21】(A)は修正貸借対照表の作成過程を模式的
に示す説明図であり、(B)は修正貸借対照表を模式的
に示す説明図である。
【図22】(A)は簿外加味貸借対照表の作成過程を模
式的に示す説明図であり、(B)は簿外加味修正貸借対
照表を模式的に示す説明図である。
【図23】(A)は表面財務分析指標と評点との関係を
模式的に示す説明図であり、(B)は実質財務分析指標
と評点との関係を模式化した模式的に示す説明図であ
り、(C)は粉飾等調整指標と評点との関係を模式的に
示す説明図であり、(D)はこれら(A)〜(C)の評
点を加算した財務分析得点合計の説明図である。
【図24】(A)は表面財務分析指標、実質財務分析指
標及び粉飾等調整指標のPDFイメージを示したもので
あり、(B)は表面財務分析指標、実質財務分析指標及
び粉飾等調整指標の評点後のPDFイメージを示したも
のである。
【図25】(A)は貸借対照表のPDFイメージを示し
たものであり、(B)はオフバランス貸借対照表のPD
Fイメージを示したものである。
【図26】(A)は修正貸借対照表の作成過程で演算さ
れる不健全資産のPDFイメージを示したものであり、
(B)は修正貸借対照表のPDFイメージを示したもの
であり、(C)は簿外加味修正貸借対照表のPDFイメ
ージを示したものである。
【符号の説明】
101 ネットワーク 102、103 コンピュータ端末 110 企業信用格付サイト 112 ネットワークサーバ(オフバランス貸借対照表
数値演算手段、修正貸借対照表数値演算手段、指標演算
手段、加点手段及び判定手段) 113 データベースサーバ

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 企業の財務諸表を分析して該企業の信用
    格付を行う信用格付方法であって、 貸借対照表上の数値と、リース契約により使用している
    リース物件のうち会計処理が簿外となっているオフバラ
    ンスリース資産に関するオフバランス追加情報とに基づ
    いて、前記オフバランスリース資産を前記貸借対照表に
    おける資産として加味したオフバランス貸借対照表上の
    数値を演算し、 前記オフバランス貸借対照表上の数値と、前記貸借対照
    表及び損益計算書上の部分的な実質数値を表す財務追加
    情報とに基づいて、前記オフバランス貸借対照表の不健
    全資産を排除した修正貸借対照表上の数値を演算し、 前記貸借対照表、前記修正貸借対照表及び前記損益計算
    書上の数値に基づいて、前記企業の表面的財務体質を多
    面的に表す第1財務指標及び前記企業の実質的財務体質
    を多面的に表す第2財務指標を演算し、 予め定められた第1評点基準に従って前記第1及び第2
    財務指標を評点して加算し、 前記加算された評点に応じて、予め定められ企業の信用
    の程度を複数に区分した信用区分のいずれに属するかを
    判定する、ステップを含む信用格付方法。
  2. 【請求項2】 更に、前記修正貸借対照表上の数値と前
    記財務追加情報とに基づいて、会計処理外となっている
    資産を加味した会計処理外資産加味貸借対照表上の数値
    を演算し、前記貸借対照表、前記修正貸借対照表及び前
    記損益計算書上の数値並びに前記会計処理外資産加味貸
    借対照表上の数値に基づいて前記第2財務指標を演算す
    ることを特徴とする請求項1に記載の信用格付方法。
  3. 【請求項3】 前記貸借対照表、前記修正貸借対照表及
    び前記損益計算書上の数値並びに前記会計処理外資産加
    味貸借対照表上の数値に基づいて、前記貸借対照表及び
    前記損益計算書上の数値の実体的数値からの乖離の程度
    を表す第3財務指標を演算し、予め定められた第2評点
    基準に従って前記第3財務指標を評点し、該評点を前記
    加算された評点から減算して、該減算された評点に応じ
    て、予め定められ企業の信用の程度を複数に区分した信
    用区分のいずれに属するかを判定することを特徴とする
    請求項2に記載の信用格付方法。
  4. 【請求項4】 前記オフバランス貸借対照表は、前記オ
    フバランスリース資産に見合うように、前記オフバラン
    スリース資産に関するリース料のうち未払金を負債とし
    て加味したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のい
    ずれか1項に記載の信用格付方法。
  5. 【請求項5】 前記オフバランス貸借対照表は、前記リ
    ース料のうち、費用化の期限が決算日の翌日から起算し
    て1年以内に到来するものを流動負債に、費用化の期限
    が決算日の翌日から起算して1年を超えて到来するもの
    を固定負債に加味したことを特徴とする請求項4に記載
    の信用格付方法。
  6. 【請求項6】 前記オフバランス追加情報のうち前記オ
    フバランスリース資産の額が未入力のときに、前記オフ
    バランス追加情報に含まれる支払リース料の額について
    の情報又は販売費・一般管理費明細及び製造原価明細上
    のうち賃借料・リース料の額についての情報に基づい
    て、前記オフバランスリース資産の額を推定することを
    特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載
    の信用格付方法。
  7. 【請求項7】 前記オフバランス追加情報は割賦契約に
    よる物件の割賦買掛金の額の情報及び手形で購入した物
    件の支払手形の額の情報を更に含み、前記オフバランス
    貸借対照表は前記割賦買掛金の額及び前記支払手形の額
    を負債の内訳として含むことを特徴とする請求項1乃至
    請求項6のいずれか1項に記載の信用格付方法。
  8. 【請求項8】 前記修正貸借対照表は、少なくとも預か
    っている消費税、源泉所得税及び社会保険料のうちいず
    れかの滞納分を流動資産の現金・預金から固定資産性の
    預金として分離したことを特徴とする請求項1乃至請求
    項7のいずれか1項に記載の信用格付方法。
  9. 【請求項9】 前記会計処理外資産加味貸借対照表は、
    少なくとも預かっている消費税、源泉所得税及び社会保
    険料のうちいずれかの滞納分を流動資産の現金・預金か
    ら固定資産に組み入れたことを特徴とする請求項2乃至
    請求項7のいずれか1項に記載の信用格付方法。
  10. 【請求項10】 前記滞納分が前記分離後の現金・預金
    の額を超えるときに該超えた額を借入金に準ずる負債と
    して演算し、該借入金に準ずる負債に基づいて前記第2
    及び第3財務指標を演算することを特徴とする請求項8
    又は請求項9に記載の信用格付方法。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至請求項10のいずれか1
    項に記載の信用格付方法を記録したコンピュータ読取可
    能な記録媒体。
  12. 【請求項12】 企業の財務諸表を分析して該企業の信
    用格付を行う信用格付装置において、 貸借対照表上の数値と、リース契約により使用している
    リース物件のうち会計処理が簿外となっているオフバラ
    ンスリース資産に関するオフバランス追加情報とに基づ
    いて、前記オフバランスリース資産を前記貸借対照表に
    おける資産として加味したオフバランス貸借対照表上の
    数値を演算するオフバランス貸借対照表数値演算手段
    と、 前記オフバランス貸借対照表上の数値と、前記貸借対照
    表及び損益計算書上の部分的な実質数値を表す財務追加
    情報とに基づいて、前記オフバランス貸借対照表の不健
    全資産を排除した修正貸借対照表上の数値を演算する修
    正貸借対照表数値演算手段と、 前記貸借対照表、前記修正貸借対照表及び前記損益計算
    書上の数値に基づいて、前記企業の表面的財務体質を多
    面的に表す第1財務指標及び前記企業の実質的財務体質
    を多面的に表す第2財務指標を演算する指標演算手段
    と、 予め定められた第1評点基準に従って前記第1及び第2
    財務指標を評点して加算する加点手段と、 前記加算された評点に応じて、予め定められ企業の信用
    の程度を複数に区分した信用区分のいずれに属するかを
    判定する判定手段と、を備えた信用格付装置。
  13. 【請求項13】 企業の財務諸表を分析して該企業の信
    用格付を行うプログラムであって、コンピュータを、 貸借対照表上の数値と、リース契約により使用している
    リース物件のうち会計処理が簿外となっているオフバラ
    ンスリース資産に関するオフバランス追加情報とに基づ
    いて、前記オフバランスリース資産を前記貸借対照表に
    おける資産として加味したオフバランス貸借対照表上の
    数値を演算するオフバランス貸借対照表数値演算手段、 前記オフバランス貸借対照表上の数値と、前記貸借対照
    表及び損益計算書上の部分的な実質数値を表す財務追加
    情報とに基づいて、前記オフバランス貸借対照表の不健
    全資産を排除した修正貸借対照表上の数値を演算する修
    正貸借対照表数値演算手段、 前記貸借対照表、前記修正貸借対照表及び前記損益計算
    書上の数値に基づいて、前記企業の表面的財務体質を多
    面的に表す第1財務指標及び前記企業の実質的財務体質
    を多面的に表す第2財務指標を演算する指標演算手段、 予め定められた第1評点基準に従って前記第1及び第2
    財務指標を評点して加算する加点手段、 前記加算された評点に応じて、予め定められ企業の信用
    の程度を複数に区分した信用区分のいずれに属するかを
    判定する判定手段、として機能させるためのプログラ
    ム。
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