JP2003150047A - 端末装置 - Google Patents

端末装置

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JP2003150047A
JP2003150047A JP2002218846A JP2002218846A JP2003150047A JP 2003150047 A JP2003150047 A JP 2003150047A JP 2002218846 A JP2002218846 A JP 2002218846A JP 2002218846 A JP2002218846 A JP 2002218846A JP 2003150047 A JP2003150047 A JP 2003150047A
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JP2002218846A
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Nobuyuki Nakano
信之 中野
Yasuhiro Ihara
康博 井原
Yoshiki Kamiyama
芳樹 上山
Sachihiro Suzuki
祥弘 鈴木
Hisaya Fukuda
久哉 福田
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ある1つが更新された場合に、隣接ユニット
の地図ファイルを更新する必要がない地図ファイルを読
み出すための端末装置を提供することである。 【解決手段】 地図を複数の領域に分割して得られる各
ユニットを表す地図ファイルは、ノード毎に作成される
ノードレコードと、リンク毎に作成されるリンクレコー
ドとを含む。所定のノードレコードには、ユニットとそ
れに隣接するユニットとの道路の接続関係を規定する隣
接ノードの座標情報が記録される。以上の地図ファイル
は、第1の記憶装置19に格納される。データ処理部1
3は、地図ファイルを利用して経路を探索する処理を実
行する。データ処理部13は、経路探索処理の最中に、
一方のユニットおよび他方の隣接ユニットの隣接ノード
が有する座標情報に基づいて、当該一方のユニット内の
道路から、当該他方の隣接ユニット内の道路への接続を
たどる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、端末装置に関し、
より特定的には、地図を複数の領域に分割して得られる
各ユニットがデジタルデータ化された地図ファイルが内
部の記憶装置に格納されており、当該記憶装置から地図
ファイルを読み出す端末装置に関する。
【0002】
【従来の技術】「第1の従来技術」近年、ナビゲーショ
ンシステムが搭載された車両が増加してきている。ナビ
ゲーションシステムでは、当初は、画面上に地図を作成
するファイル(以下、地図ファイルと称す)だけが提供
されていた。しかし、近年は、地図ファイルに加えて、
例えば交通情報および経路案内情報も提供されるように
なった。かかる情報の多様化により、ナビゲーションシ
ステムは、より便利になり、今後も急速に普及すると期
待されている。
【0003】当初、ナビゲーションシステムには、CD
−ROMに代表される読み出し専用の記録媒体を有する
記憶装置が搭載されていた。この記録媒体には、ユーザ
に提供されるべき地図ファイルと、その関連データとが
予め記録されている。記憶装置は、記憶媒体に記録され
た地図ファイルを、必要に応じて読み出す。読み出され
た地図ファイルは、ユーザにより参照されたり、経路探
索処理またはマップマッチング処理に利用されたりして
いた。
【0004】一般的にディジタル地図ファイルは、互い
に縮尺の異なる地図の階層構造を効率よく管理するため
に、当該各地図を経度方向および緯度方向に等間隔に分
割した矩形領域毎に作成される。以下、「第1の従来技
術」において、かかる矩形領域を以降ではユニットと呼
ぶ。
【0005】かかる地図ファイルは、典型的には、カー
ナビゲーションシステムにおいて、経路探索処理または
現在位置の補正処理(マップマッチング)に用いられ
る。そのために、地図ファイルには、道路ネットワーク
データが記録される。道路ネットワークデータは、少な
くとも、各ノードおよび各リンクの接続関係を示す接続
情報とから構成される。ここで、ノードとは、主とし
て、道路網に存在する交差点を表す情報であり、リンク
とは、主として、2つの交差点間に存在する道路を表す
ベクトル情報である。かかるノードおよびリンクの集合
によって、それぞれのユニット内の道路ネットワークを
表す地図が表現される。
【0006】上記のノード、リンクおよびそれらの接続
情報で最小限の道路網を表現することができるが、これ
だけでは地図を表示する用途には不十分である。例え
ば、山岳部や臨海部の道路では交差点間の道路が屈曲し
ている場合が多い。そこで、道路ネットワークデータ
は、屈曲した道路の形状を表示するためにリンク形状を
特定するための情報をさらに含む。以上から明らかなよ
うに、リンクはベクトルデータで表現されることが多
い。また、道路には、国道および県道というように様々
な種類がある。他にも、車線数の相違または中央分離帯
の有無等により道路を分類することができる。かかる道
路の種類を区別するために、道路ネットワークデータ
は、道路の種別等を示す属性情報をさらに含んでいる。
また、交差点には、交差点名称が付けられているもの
や、付けられていないものがある。さらには、信号機が
設置されている交差点、信号機が設置されていない交差
点がある。そこで、道路ネットワークデータはさらに、
ノード毎に属性情報を有している。各属性情報には、対
応する交差点の名称および信号機の有無等の情報が記録
される。
【0007】また、ベクトルデータ構造を有する地図フ
ァイルでは、複数のユニットに跨るような道路が存在す
る場合には、ユニットの境界に特別なノード(以降、隣
接ノードと称す)が別途作成される。かかる隣接ノード
を経由することによって、互いに隣接するユニットとの
間で道路の接続関係を辿ることができるようになる。従
来の地図ファイルでは、あるユニットの隣接ノードが、
隣接するユニットのどの隣接ノードと対応するかを特定
するために、オフセットアドレスおよびレコード番号が
記録されていた。ここで、オフセットアドレスとは、基
準アドレスからみて、隣接ノードがどのアドレス位置に
記録されているかを示す。また、レコード番号とは、隣
接ユニットの地図ファイルにおいて、先頭のノードから
起算して隣接ノードが何番目の位置に記録されているか
を示す。
【0008】「第2の従来技術」「第1の従来技術」で
説明したように、従来のナビゲーションシステムは、当
初、読み出し専用の記録媒体に記録された地図ファイル
しか利用できなかったので、リアルタイム性の高い情報
を提供することが困難であった。かかるリアルタイム性
の高い情報としては、交通情報または気象情報が代表的
である。そのため、リアルタイム性が要求される情報、
さらには地図ファイルを提供できる地図提供システム
が、例えば、「特開平7−262493号」公報に開示
されている。この公報の地図提供システムでは、地図フ
ァイルおよびリアルタイム性の高い情報が、情報提供セ
ンターから車載用の端末装置へと通信メディアを介して
ダウンロードされる。
【0009】また、地図提供システムは、情報をリアル
タイムに提供するために、移動体通信技術とデジタル放
送技術とに基づいて構築される。このような地図提供シ
ステムでは、センタ局は、サービスエリア内に存在する
移動体に対し、所定の放送用チャンネルを用いて情報を
配信する。センタ局としては、通信衛星(いわゆるC
S)、放送衛星(いわゆるBS)、または地上波のディ
ジタル放送局が典型的である。この移動体通信技術とデ
ジタル放送技術が利用された地図提供システムは、例え
ば、「特開平7−154350号」公報に開示されてい
る。より具体的には、この公報には、ある情報の放送地
域を限定するための技術的内容が開示されている。つま
り、センタ局は、多重された情報を、放送メディアを介
して送信する際に、各情報に郵便番号のような地域コー
ドを付ける。端末装置は、自身の現在位置に対応する地
域コードをIDとして予めメモリに登録しておく。端末
装置の内部では、データ抽出回路が、放送局から放送さ
れる多重情報を分離して、各情報に付加された地域コー
ドを取り出す。さらに、端末装置の内部では、取り出さ
れた地域コードと、登録されたIDとが比較される。両
者が一致する場合に、端末装置は、対象となった地域コ
ードが付された情報をユーザに参照させる。
【0010】以上のように、通信または放送により地図
を提供するような地図提供システムの開発が近年盛んで
ある。この地図提供システムにおいて、センタ局は、端
末装置に送信すべき地図ファイルをユニット単位で読み
出して、当該端末装置に送信する。端末装置は、センタ
局からの地図データを受信した後に、記憶装置に格納す
る。格納された地図ファイルは、必要に応じて、ユーザ
が参照するため、経路探索処理のため、またはマップマ
ッチング処理のために用いられる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】「第1の従来技術の課
題」「第1の従来技術」から明らかなように、従来で
は、あるユニットの地図ファイルには、隣接ユニットの
地図ファイル内部のデータ構造を直接指示する情報(上
述のオフセットアドレスまたはレコード番号)が記録さ
れていた。例えば、あるユニット内の道路が新しく造成
された場合には、当然、当該ユニットの地図ファイルは
更新される。更新された地図ファイルでは、隣接ノード
が記録される位置が変わる場合が多い。そのため、従来
のような地図ファイル内部のデータ構造を直接指示する
方法と採用していれば、隣接ユニットの地図ファイルに
記録された隣接ノードから、更新された地図ファイルに
おいて対応する隣接ノードを正確にたどれなくなる。つ
まり、ある1つの地図ファイルが更新されると、隣接ユ
ニットの地図ファイルも更新しなければならない場合が
多くなるという問題点があった。
【0012】また、上述のディジタル地図ファイルの品
質を評価する尺度として、地図の詳細度がある。しかし
ながら、地図ファイルは、リンクがベクトルデータで表
現されることから、詳細な地図を表現しようとすればす
るほど、当該地図ファイルのデータ量が大きくなるとい
う問題点があった。従来、かかる地図ファイルは、主と
して、カーナビゲーションシステムにて使用される。カ
ーナビゲーションシステムでは、CD−ROM、DVD
−ROMまたはハードディスク等の大容量の記憶媒体
に、地図ファイルが記録される。しかし、今後、地図フ
ァイルは、カーナビゲーションシステムだけでなく、人
が携帯できるような情報機器においても使用されること
が考えられる。かかる携帯型情報機器に、カーナビゲー
ションシステムのような大容量の記憶媒体を搭載するこ
とは難しい。かかる点から、地図ファイルのデータ量を
圧縮する必要性は高い。
【0013】「第2の従来技術の課題」ところで、「第
2の従来技術」の欄で示した各公報は、端末装置が地図
ファイルを記憶装置にどのようにして格納するかについ
て何ら開示していない。容易に想到できるのは、端末装
置が、受信したユニット毎の地図ファイルを作成して、
作成した地図ファイルを記憶装置に格納するという方法
である。しかしながら、この方法では、記憶領域の利用
効率が悪くなるという問題点があった。今、例えば、あ
る範囲を表す地図βが、図71のように、64個の矩形
のユニットに区画化されると仮定する。さらに、端末装
置が、4個のユニット71から74を受信し格納すると
仮定する。また、周知のように、記憶装置の記憶領域
は、クラスタ単位で管理される。また、各ユニットのデ
ータサイズは、クラスタのサイズの整数倍に一致すると
は限らない。そのため、端末装置が、受信した4個のユ
ニット71〜74について、4個のファイル81〜84
を作成すると、図72に示すように、空き領域を有する
4個のクラスタ91〜94が発生する場合が多い。図7
2において、ドットが付された部分は、各ファイル81
〜84が記録された領域を示す。また、斜線が付された
部分は、空き領域を示す。各クラスタ91〜94に生じ
た空き領域は使用されない。つまり、たとえ、端末装置
が、各ユニット71〜74以外のユニット75(図71
参照)を受信したとしても、このユニット75を基に作
成されたファイルは、各クラスタ91〜94の空き領域
に格納されることはない。以上から明らかなように、端
末装置が受信するユニットが多くなればなるほど、空き
領域を有するクラスタが多くなる。つまり、記憶領域の
利用効率が悪くなる。
【0014】ところで、地図が相対的に少数のユニット
に区画されれば、空き領域を有するクラスタを発生し難
くすることができる。今、図71と同じ範囲の地図β
が、図73のように、16個の矩形のユニットに区画さ
れると仮定する。図73のユニット76が表す範囲は、
図71のユニット71〜74を併せた範囲に相当する。
さらに、端末装置が1個のユニット76を受信し格納す
ると仮定する。この仮定下では、端末装置は、受信した
1個のユニット76について、1個のファイル86を作
成すると、図74に示すように、空き領域を有するクラ
スタ96が1個しか発生しない。図74のドット部分
は、ファイル86が記録された領域を示す。また、斜線
部分は、空き領域を示す。
【0015】以上から明らかなように、地図が小さいユ
ニットに区画された場合(図71参照)、ある範囲を表
す地図ファイルが記憶装置に格納されると、相対的に多
く空き領域が発生する(図72参照)。しかしながら、
地図が大きなユニットに区画された場合には(図73参
照)、同じ範囲の地図データが記憶装置に格納されて
も、発生する空き領域は少ない(図74参照)。つま
り、記憶領域の有効利用の観点からは、地図は少数のユ
ニットに区画された方がよい。
【0016】しかしながら、地図を少数のユニットに区
画するということは、1ユニット当たりのデータ量が大
きくなることを意味する。そのため、基地局は、1度
に、大量のデータを端末装置に送信しなければならな
い。その結果、無線伝送路は輻輳状態に陥り易くなる、
つまり無線伝送路の利用効率が悪くなる、という別の問
題点が生じる。つまり、記憶領域を重視すれば、無線伝
送路の効率的な利用が難しく、無線伝送路を重視すれ
ば、記憶領域の効率的な利用が難しくなるという問題点
があった。
【0017】それゆえに、本発明の第1の目的は、ある
1つが更新された場合に、隣接ユニットの地図ファイル
を更新する必要がない地図ファイルのデータ構造を提供
することである。また、本発明の第2の目的は、そのデ
ータ量を圧縮可能な地図ファイルのデータ構造を提供す
ることである。また、本発明の第3の目的は、端末装置
内の記憶領域を効率的に利用し、しかもセンタ局と端末
装置との間の伝送路を効率的に利用できる地図提供シス
テムを提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段および発明の効果】本願発
明は、端末装置であって、各地図ファイルを格納する記
憶装置を備えている。ここで、各地図ファイルは、自身
が表す地図の範囲を一意に対応するファイル名が付けら
れている。読み出し装置はさらに、外部から指定された
地図の範囲を示す情報を生成する入力装置と、入力装置
により生成された情報に基づいて、地図ファイルの名前
を特定し、さらに、特定した地図ファイル名に基づい
て、必要な地図ファイルの記録領域を特定するデータ処
理部と、データ処理部で特定された記録領域から地図フ
ァイルを読み出す読み出し制御部とを備える。
【0019】上記発明は、より好ましくは、各地図ファ
イルは、それぞれのユニット内に含まれる道路網をノー
ドとリンクとで表すべく、当該ノード毎に作成されるノ
ードレコードと、当該リンク毎に作成されるリンクレコ
ードとを含んでいる。データ処理部は、読み出し制御部
により今回読み出された地図ファイルに記録されたノー
ドレコードおよびリンクレコードを用いて経路を探索す
る処理を実行し、今回読み出された地図ファイルが表す
範囲において、経路の探索が終了すると、さらなる経路
の探索に必要な地図の範囲を算出して、算出した地図の
範囲に基づいて、次に読み出すべき地図ファイルの記録
領域を特定する。
【0020】また、本願発明の他の態様は、コンピュー
タ装置により読み出されるデータが記録された記録媒体
であって、地図ファイルと地図を複数の領域に分割して
得られる各ユニットがデジタルデータ化された地図ファ
イルと、各地図ファイルの名前をツリー構造で表現し
て、当該各地図ファイルの記録領域を管理する管理情報
とを含む。
【0021】上記発明によれば、各地図ファイルは、自
身が表す地図の範囲を一意に特定するファイル名が付け
られる。そのため、データ処理部は、それぞれ名前から
互いに隣接する地図ファイルを特定することができる。
このように、上記発明によれば、各地図ファイルには、
隣接するユニットの地図ファイルのデータ構造に関連す
る情報を記録する必要がなくなるので、複数の地図ファ
イル間の関係が薄くなる。これによって、ある1つの地
図ファイルを更新した場合であっても、それ以外の地図
ファイルを更新する必要がなくなる。
【0022】
【発明の実施の形態】「第1の実施形態」「システム構
成」図1は、本発明の一実施形態に係る地図提供システ
ムの構成を示すブロック図である。図1において、本地
図提供システムには、端末装置1とセンタ局2とが収容
される。端末装置1とセンタ局2とは通信網3を通じて
双方向通信可能に接続される。より具体的には、端末装
置1とセンタ局2との間には、アップリンクULとダウ
ンリンクDLとが張られる。アップリンクULとは、端
末装置1からセンタ局2への通信路を意味し、ダウンリ
ンクDLとは、センタ局2から端末装置1への通信路を
意味する。ここで、通信網3の典型例としては、携帯電
話に代表される移動体通信網、ISDN(Integr
ated ServicesDigital Netw
ork)に代表される公衆回線、または専用回線があ
る。また、通信網3は、移動体通信網、公衆回線および
専用回線の内のいずれか2つ以上により構成される場合
もある。
【0023】次に、端末装置1の構成について説明す
る。端末装置1は、典型的には、カーナビゲーションシ
ステムにより相当し、入力装置11と、位置検出装置1
2と、データ処理部13と、要求生成部14と、第1の
送受信部15と、アンテナ16と、パケット分解部17
と、読み出し/書き込み制御部18と、第1の記憶装置
19と、出力装置110とを備える。入力装置11は、
カーナビゲーションシステムを遠隔から操作するリモー
トコントローラまたはカーナビゲーションシステム本体
に配列されたキーによりハードウェア的に実現された
り、カーナビゲーションシステムのメニュー画面に表示
されたボタンによりソフトウェア的に実現されたりす
る。さらには、入力装置11は、音声認識技術を駆使し
て実現される場合もある。端末装置1のユーザは、以上
の入力装置11を操作して、端末装置1に対して、表示
された地図のスクロールまたは縮尺変更、経路探索、情
報検索、もしくはセンタ局2への接続等、様々な処理の
要求を行う。さらに、入力装置11は、特徴的な動作と
して、ユーザが必要とする地図ファイルCFを特定する
ための情報をデータ処理部13に出力する。
【0024】位置検出装置12は、速度センサ、ジャイ
ロセンサ、またはGPS(Global Positi
oning System)のアンテナおよび受信機に
より実現される。また、速度センサ、ジャイロセンサ、
ならびにGPS(Global Positionin
g System)のアンテナおよび受信機のいずれか
2つ以上の組み合わせにより、位置検出装置12は実現
される場合もある。位置検出装置12は、速度センサに
より端末装置1の移動速度を検出して、検出結果を基に
走行距離を算出したり、ジャイロセンサにより端末装置
1の進行方向を検出したり、アンテナおよび受信機によ
り人工衛星からの電波を受信して、地球上における端末
装置1の絶対的な位置を検出したりする。以上の検出結
果を基に、位置検出装置12は端末装置1の現在位置を
検出する。データ処理部13は、後述する各種のデータ
処理を行う。データ処理部13の処理の一つに、入力装
置11から入力された情報を基に、ユーザが必要とする
地図の範囲を特定する座標を求めて、要求生成部14に
出力するという処理がある。要求生成部14は、座標情
報が入力されると、ユーザが必要とする地図ファイルC
Fの送信をセンタ局2に要求するための制御コマンドを
生成する。以降、生成された制御コマンドを要求REQ
と称することとする。要求REQは、予め定められたフ
ォーマットを有しており、要求生成部14に入力された
座標情報を少なくとも含む。以上のような要求REQ
は、第1の送受信部15に出力される。第1の送受信部
15は、典型的には、携帯電話に代表される移動体通信
装置により実現される。第1の送受信部15は、入力さ
れた要求REQを、アンテナ16を通じてアップリンク
ULに送出する。
【0025】要求REQは、アップリンクULを通じ
て、センタ局2により受信される。センタ局2は、要求
REQを解析して、ユーザが必要とする地図ファイルC
Fを特定する。センタ局2は、特定した地図ファイルC
Fを第2の記憶装置24から取り出して、複数のパケッ
トPを組み立てる(アセンブリする)。組み立てられた
パケットPは、通信網3(ダウンリンクDL)を通じ
て、順次端末装置1に送信される。なお、センタ局2の
処理は後で詳しく説明される。端末装置1において、第
1の送受信部15はさらに、アンテナ16を通じてパケ
ットPを受信して、パケット分解部17に出力する。パ
ケット分解部17は、入力されたパケットPを、元の地
図ファイルCFに分解(デアセンブリ)して、データ処
理部13に出力する。データ処理部13は、地図ファイ
ルCFが入力されると、予め定められた処理を実行し
て、所定の条件を満たす場合、入力された地図ファイル
CFを基に第1のデータベース111を作成して読み出
し/書き込み制御部18に出力する。読み出し/書き込
み制御部18は、入力された地図ファイルCFを第1の
記憶装置19にそのまま書き込んだり、既存の地図ファ
イルCFと書き換えたりする。なお、一連の書き込み処
理については後で説明する。第1の記憶装置19は、典
型的には、ハードディスクドライブまたはフラッシュメ
モリに代表される、データの書き換えが可能な記憶装置
からなる。第1の記憶装置19には、第1のデータベー
ス111が蓄積される。第1のデータベース111は、
本端末装置1がナビゲーションシステムとして機能する
ために必要な少なくとも1つの地図ファイルCFから構
成されるデータの集合体である。また、出力装置110
は、典型的には、ディスプレイおよびスピーカからな
る。ディスプレイには、地図ファイルCFにより表され
る地図が現在位置とともに表示されたり、データ処理部
13による経路探索処理の結果または経路案内処理の結
果が表示されたりする。スピーカは、データ処理部13
による経路案内処理の結果が音声によりユーザに提供す
る。
【0026】ところで、データ処理部13は、第1のデ
ータベース111を構成する地図ファイルCFを使って
様々な処理を行う。例えば、データ処理部13は、端末
装置1の現在位置の表示処理を実行する。この場合、デ
ータ処理部13は、位置検出装置12により検出された
現在位置周辺の地図が必要となるので、読み出し/書き
込み制御部18と協働して、第1のデータベース111
から、当該地図を表す地図ファイルCFを検索して取り
出す。データ処理部13は、取り出された地図ファイル
CFを使って、マップマッチング等の位置補正処理を行
う。位置補正処理後、データ処理部13は、取り出した
地図ファイルCFが表す地図上に、検出された現在位置
を視覚的に示すポインタを重ね合わせて、出力装置11
0に出力する。また、データ処理部13は、端末装置1
のユーザが入力装置11を用いて経路探索処理等を要求
した場合には、出発地および目的地付近の地図を表す地
図ファイルCF、ならびに探索すべき経路を含む地図を
表す地図ファイルCFを読み出して経路探索処理等を行
う必要がある。この場合にも、データ処理部13は、読
み出し/書き込み制御部18と協働して、第1のデータ
ベース111から、経路探索処理等に必要となる地図フ
ァイルCFを検索して取り出す。なお、一連の地図ファ
イルCFの読み出し処理については後で説明する。
【0027】次に、センタ局2の構成について説明す
る。センタ局2は、第2の送受信部21と、受信要求解
析部22と、読み出し制御部23と、第2の記憶装置2
4と、パケット組み立て部25とを備える。上述したよ
うに、センタ局2には、端末装置1により生成された要
求REQが通信網3(アップリンクUL)を通じて送信
されてくる。第2の送受信部21は、典型的には、モデ
ム、ターミナルアダプタ、またはゲートウェイに代表さ
れる通信装置からなる。ここで、ゲートウェイとは、異
なる通信プロトコルが使用される通信網3にセンタ局2
を接続するための装置または機能を意味するだけでな
く、他の局が当該センタ局2に不正アクセスすることを
防止するための装置または機能を意味する。第2の送受
信部21は、通信網3と接続されており、端末装置1か
らのデータ受信および端末装置1へのデータ送信を制御
する。より具体的には、第2の送受信部21は、その一
つの機能として、アップリンクULを通じて送信されて
きた要求REQを受信して受信要求解析部22に出力す
る。
【0028】受信要求解析部22は、入力された要求R
EQを解析して、解析結果を読み出し制御部23に出力
する。読み出し制御部23は、入力された解析結果を基
に、端末装置1が必要とする地図ファイルCFを第2の
記憶装置24から読み出す。ここで、第2の記憶装置2
4は、典型的には、ハードディスクドライブ、CD−R
OMドライブまたはDVD−ROMドライブで構成され
ており、少なくとも蓄積されたデータの読み出しが可能
な記録媒体とそのドライバとからなる。第2の記憶装置
24は、第2のデータベース25を格納する。第2のデ
ータベース25は、センタ局2が本端末装置1に地図を
提供する局として機能するために必要な少なくとも1つ
の地図ファイルCFから構成されるデータの集合体であ
る。つまり、地図ファイルCFは、端末装置1に提供可
能な地図を表現したデジタルデータを意味する。端末装
置1側の第1のデータベース111は、センタ局2によ
り提供される地図ファイルCFから作成される。ここ
で、読み出し制御部23が読み出すのは、地図ファイル
CFのすべてである場合もあれば、当該地図ファイルC
Fの一部である場合もある。読み出し制御部23は、読
み出した地図ファイルCFを、パケット組み立て部25
に出力する。パケット組み立て部25は、入力された地
図ファイルCFを基にパケットPを組み立てて(アセン
ブリして)、第2の送受信部21に出力する。第2の送
受信部21は、ダウンリンクDLを通じて、入力された
パケットPを端末装置1に送信する。
【0029】以上、本実施形態に係る地図提供システム
の全体構成、ならびに端末装置1およびセンタ局2の構
成について説明した。次に、上述の地図ファイルCFの
階層構造およびファイル名について詳細に説明する。
【0030】「階層構造およびファイル名」図2は、本
実施形態に係る地図ファイルCFにより表現される地図
の階層構造を説明するための図である。図2に示すよう
に、まず、互いに縮尺の異なる複数種類の地図が準備さ
れる。本実施形態では、便宜上、4段階の縮尺の地図が
準備されると仮定する。以降の説明では、最大縮尺をレ
ベル「0」、2番目に大きな縮尺をレベル「1」、3番
目に大きな縮尺をレベル「2」、最小縮尺をレベル
「3」と称する。以上から分かるように、地図データ
は、最大縮尺をレベル「0」として、レベル「0」〜
「3」の4階層から構成される。さらに、レベルが高い
ものを上位階層の地図と称し、レベルが低いものを下位
階層の地図と称する。したがって、図2に示すように、
上位階層の地図ほど、広域でかつ詳細度が低い。逆に、
下位階層の地図ほど、狭域でかつ詳細度が高い。また、
各階層の地図は、経度方向および緯度方向に沿って等間
隔に区切られる。
【0031】ここで、図3は、最上位階層(レベル
「3」)のユニットを説明するための図である。図3の
世界地図は、緯度0度を基準として、当該緯度方向に沿
って5度20分毎に区切られる。さらに、この世界地図
は、経度0度を基準として、当該経度方向に沿って約8
度毎に区切られる。その結果、世界地図は、約640k
m四方の矩形領域に分割される。最上位階層(レベル
「3」)においては、約640km四方の矩形領域をユ
ニットと称する。レベル「3」においては、かかる約6
40km四方のユニットがデジタルデータ化されること
により、1つの地図ファイルCFが作成される。以上の
ような、最上位階層(レベル「3」)のユニットを代表
して、ユニットU3 (ハッチングを付した部分)につい
て説明する。最上位階層(レベル「3」)のユニットU
3 は、日本の関西圏を含むユニットであり、緯度0度、
経度0度の位置を原点として、東経方向に数えて16番
目、北緯方向に数えて6番目に位置する(ただし、原点
を含むユニットは0番目と数える)。以上のユニットU
3 が、図2の最上段に示されている。
【0032】図2に示すように、ユニットU3 の地図
は、一つの頂点を基準として、点線で示すように、緯度
方向に沿って40分毎に区切られる。さらに、ユニット
3 の地図は、上記と同じ頂点を基準として、点線で示
すように、当該経度方向に沿って1度毎に区切られる。
その結果、ユニットU3 の地図は、約80km四方の矩
形領域に64分割される。約80km四方の各矩形領域
を詳細に表した地図が、1階層下(つまり、レベル
「2」の階層)における1つのユニットとなる。レベル
「2」の階層のユニットを代表して、ユニットU2 (ハ
ッチングを付した部分)について説明する。かかるユニ
ットU2 は、ユニットU3 内の1つの頂点(便宜上、左
下の頂点とする)の位置を原点として、東経方向に数え
て4番目、北緯方向に数えて1番目に位置する(ただ
し、原点を含むユニットUは0番目と数える)。レベル
「2」の階層のユニットU2 が、図2の2段目に示され
ている。
【0033】同様に、ユニットU2 の地図は、一つの頂
点を基準として、緯度方向に沿って5分毎に、さらに経
度方向に沿って7分30秒毎に区切られ、その結果、約
10km四方の矩形領域に64分割される。約10km
四方の各矩形領域を詳細に表した地図が、1階層下(つ
まり、レベル「1」の階層)における1つのユニットと
なる。その内の一つであるユニットU1 (ハッチングを
付した部分)は、ユニットU2 の左下の頂点を原点とし
て、東経方向に数えて5番目、北緯方向に数えて3番目
に位置する(ただし、原点を含むユニットは0番目と数
える)。レベル「1」のユニットU1 が、図2の上から
3段目に示されている。
【0034】同様に、ユニットU1 の地図は、約1.2
km毎四方の矩形領域に64分割される。約1.2km
四方を詳細に表した各地図が、1階層下(つまり、レベ
ル「0」の階層)における1つのユニットUとなる。そ
の内の一つであるユニットU 0 (ハッチングを付した部
分)は、ユニットU1 の左下の頂点を原点として、東経
方向に2番目、北緯方向に1番目に位置する(ただし、
原点を含むユニットは0番目と数える)。レベル「0」
のユニットU0 が、図2の上から4段目に示されてい
る。
【0035】図4は、レベル「3」〜「0」のそれぞれ
の階層間におけるユニットUの親子関係を説明するため
の図である。まず、以下の説明において、子ユニットC
Uとは、ある1つのユニットUがカバーする範囲に包含
される、下位階層の全てのユニットを意味する。言い換
えれば、子ユニットCUとは、上位階層のある1つのユ
ニットUが表す地図の一部分を表すユニットUの集合で
ある。逆に、親ユニットPUとは、あるユニットUのカ
バーする範囲を包含する、上位階層の全てのユニットを
意味する。言い換えれば、親ユニットPUとは、下位階
層のある1つのユニットUが表す地図を、自身が表す地
図の一部として含んでいるユニットUの集合である。こ
こで、図4中のユニットU3 は、図2に示すユニットU
3 に相当しており、レベル「3」のユニットの一つであ
る。ユニットU3 を親ユニットPU3 とするレベル
「2」のユニットU、すなわちユニットU3 の子ユニッ
トCUの内、レベル「2」に属するものは、ユニットU
3 を経度および緯度方向にそれぞれ8等分してできる6
4個のユニットUとなる。
【0036】このように、親ユニットPUに対しては、
1階層下に64個の子ユニットCUができる。各子ユニ
ットCUには位置コードが割り当てられる。位置コード
とは、子ユニットCUが表す地図が、親ユニットPUの
どの部分に相当するかを特定するための情報である。言
い換えれば、位置コードとは、親ユニットPUを基準と
した子ユニットCUの位置を特定するための情報であ
る。今、親ユニットPUが図4ユニットU3 であるとす
る。かかる場合、ユニットU3 の左下隅の地図を詳細に
表す子ユニットCUには、位置コードとして「000
0」が割り当てられる。この位置コード「0000」を
基準値として、子ユニットCU(位置コード「000
0」)に対して、東経方向に沿って隣接する子ユニット
CUには「0100」が割り当てられる。以下同様に、
子ユニットCUが東経方向に1つ移るたびに、位置コー
ドは、「0100」だけ増加する.また、位置コード
「0000」を基準値として、子ユニットCU(位置コ
ード「0000」)に対して、北緯方向に沿って隣接す
る子ユニットCUには「0001」が割り当てられる。
以下同様に、子ユニットCUが北緯方向に1つ移るたび
に、位置コードは、「0001」だけ増加する。以上の
ように割り当てられる位置コードに従えば、ユニットU
3 の子ユニットCUの一つであるユニットU2 の位置コ
ードは「0401」である。
【0037】次に、親ユニットPUがユニットU2 であ
ると仮定する。このユニットU2 に対しても、1階層下
(レベル「1」)には64個の子ユニットCUができ
る。レベル「1」の64個の子ユニットCUに対して
も、図4に示すように、上述と同様の方法で位置コード
が割り当てられる。例えば、ユニットU2 の子ユニット
CUの一つであるユニットU1 の位置コードは「050
3」である。また、親ユニットPUとしてのユニットU
1 に対しても、1階層下(レベル「0」)には、64個
の子ユニットCUができる。レベル「0」の各子ユニッ
トCUに対しても、図4に示すように、同様に位置コー
ドが割り当てられる。例えば、ユニットU1 の子ユニッ
トCUの一つであるユニットU0 の位置コードは「02
01」である。
【0038】以上のように、本実施形態に係る位置コー
ドでは、東経方向への値の増分および北緯方向への値の
増分が予め定められている。そのため、子ユニットCU
同士の隣接関係を簡単に把握することができる。
【0039】ところで、図1に示す端末装置1およびセ
ンタ局2にはそれぞれ、ファイルシステムが搭載され
る。端末装置1側のファイルシステムは、データ処理部
13および読み出し/書き込み制御部18により構成さ
れる。端末装置1側のファイルシステムは、第1の記憶
装置19内の第1のデータベース111を容易に管理す
べく、第1の記憶装置19が有する記録領域を「ディレ
クトリ」と呼ばれるいくつかの論理領域に分割する。さ
らに、端末装置1側のファイルシステムは、第1のデー
タベース111を構成する地図ファイルCFの親子関係
および隣接関係を、ツリー構造に基づくディレクトリ名
およびファイル名により表す。また、センタ局2側のフ
ァイルシステムは、受信要求解析部22および読み出し
制御部23により構成される。センタ局2側のファイル
システムは、第2の記憶装置24内の第2のデータベー
ス25の記憶領域を「ディレクトリ」(論理領域)に分
割し、さらに、第2のデータベース25を構成する地図
ファイルCFの親子関係および隣接関係を、ツリー構造
に基づくディレクトリ名およびファイル名により表す。
【0040】以下、図5は、図2〜図4に示す地図ファ
イルCFを管理するためのツリー構造を示す図である。
上述したように、各ファイルシステムの各ディレクトリ
は、図5に示すようなツリー構造をとり、「¥」マーク
により表される。「¥」マークは、ディレクトリを識別
するための識別子である。また、最上部のディレクトリ
は、ルートと呼ばれ、「¥MAP」で表される。ルート
ディレクトリ「¥MAP」の下のディレクトリには、地
図ファイルCFそのものまたはサブディレクトリを格納
することができる。ここで、ファイルシステムは、必要
な地図ファイルCFを指定する際、ファイル名の前にル
ート「¥MAP」から当該地図ファイルCFが存在する
ディレクトリまでに介在するディレクトリ名を「パス」
として記述する必要がある。したがって、2つの「¥」
マークで挟まれた文字列がディレクトリ名を表すことと
なる。サブディレクトリ名の頭文字は「D」と定義され
る。また、ファイル名の頭文字は「M」と定義される。
さらに、ファイル名の拡張子は「.map」と定義され
る。
【0041】さて、次に、本実施形態の一つの特徴であ
る、ディレクトリ名およびファイル名を割り当て方法を
説明する。まず、原則として、最上位階層の各ユニット
がカバーする地図を表す地図ファイルCFは、所定の規
則に従ってファイル名が付けられ、ルート(「¥ma
p」)の直下のディレクトリ(論理領域)に格納され
る。例えば、図3に示すユニットU3 は、最上位の階層
(レベル「3」)に属しており、原点(緯度0度、経度
0度)を基準として、東経方向に数えて16番目、北緯
方向に6番目(ただし、原点を含むユニットはそれぞれ
0番目と数える)のユニットに該当する。そのため、ユ
ニットU3 には、ファイル名の頭文字および拡張子を含
めて「M1606.map」という名前が付けられる。
さらに、最上位階層のユニットU3 は、ルート(「¥m
ap」)の直下に格納されるので、パスは、「¥MAP
¥M1606.map」となる。以上のユニットU3
ファイル名から分かるように、ファイル名の頭文字およ
び拡張子の間には、4桁の数字が並ぶ。上位2桁の数字
は、ユニットUが原点から東経方向に数えて何番目に位
置するかを規定する。また、下位2桁の数字は、ユニッ
トUが原点から北緯方向に数えて何番目に位置するかを
規定する。このように、ファイル名は、ユニットUの位
置を規定する。また、ユニットU3 のパスから分かるよ
うに、ルート(「¥map」)からファイル名に至るま
でにはサブディレクトリが介在しない。このように、サ
ブディレクトリの個数は、ユニットUがどの階層に属し
ているかを規定する。ユニットU3 の場合には、ルート
とファイル名との間に介在するサブディレクトリの個数
が「0」であることにより、ユニットU3 (M160
6.map)が最上位階層に属することが分かる。以上
の規則に従うと、他の最上位階層のユニットUのための
パスは、「¥MAP¥M0000.map」,「¥MA
P¥M0001.map」,…「¥MAP¥M160
6.map」…等のように表される。
【0042】また、最上位階層のユニットUを親ユニッ
トPUとするユニットのグループを格納するためのサブ
ディレクトリがルートの直下に作成される。例えば、ユ
ニットU3 を親ユニットPUとするユニットUのグルー
プを格納するために、「¥D1606」と名付けられた
サブディレクトリがルートの直下に作成される。以上の
サブディレクトリ名から分かるように、サブディレクト
リ名の頭文字には4桁の数字が続く。この4桁の数字
は、ファイル名の場合と同様に、親ユニットPUが原点
から東経方向および北緯方向に数えてそれぞれ何番目に
位置するかを表す。そのため、ルート(「¥MAP」)
の直下には、「¥D0000」、「¥D0001」,
…,「¥D1606」,…が作成される。
【0043】次に、レベル「2」の階層に属する各ユニ
ットUは、位置コードに基づくファイル名が付けられ、
自身の親ユニットPUを表すサブディレクトリの直下の
ディレクトリ(論理領域)に格納される。例えば、ユニ
ットU3 を親ユニットPUとするレベル「2」のユニッ
トUは、図4等を参照すると64個ある。その内の一つ
であるユニットU2 は、位置コードが「0401」であ
るため、ファイル名の頭文字および拡張子を含めて「M
0401.map」という名前が付けられる。さらに、
レベル「2」のユニットU2 は、ユニットU3 (親ユニ
ットPU)のサブディレクトリ(「¥map¥D160
6」)の直下に格納されるので、パスは、「¥MAP¥
D1606¥M0401.map」となる。以上のユニ
ットU2 のファイル名から分かるように、レベル「2」
のユニットUのファイル名の頭文字および拡張子の間に
は、上述した位置コードが並ぶ。そのため、レベル
「2」のユニットUのファイル名もまた、当該ユニット
Uの位置を規定することとなる。また、ユニットU2
パスから分かるように、ルート(「¥map」)からフ
ァイル名に至るまでにはサブディレクトリが1つだけ介
在する。サブディレクトリの個数は、ユニットUがどの
階層に属しているかを規定する。ユニットU2 の場合に
は、ルートとファイル名との間に介在するサブディレク
トリの個数が「1」であることにより、当該ユニットU
2 (M0401.map)がレベル「2」の階層に属す
ることが分かる。以上の規則に従うと、他のレベル
「2」のパスは、「¥MAP¥D0000¥M000
0.map」,「¥MAP¥D0000¥M0001.
map」,…,「¥MAP¥D0000¥M0007.
map」,「¥MAP¥D0000¥M0100.ma
p」,…「¥MAP¥D0000¥M0707.ma
p」,「¥MAP¥D0001¥M0000.ma
p」,…「¥MAP¥D1606¥M0001.ma
p」,…,「¥MAP¥D1606¥M0401.ma
p」,…「¥MAP¥D1606¥M0707.ma
p」,…等のように表される。
【0044】同様に、レベル「2」のユニットU2 を親
ユニットPUとするユニットのグループは、サブディレ
クトリ「¥D0401」の下のディレクトリ(論理領
域)の下に格納されることになる。例えば、ユニットU
1 は、ユニットU2 の子ユニットCUの一つであって、
当該ユニットU2 が64分割されたユニットUの内、位
置コード「0503」に該当するユニットである。その
ため、ユニットU1 のためのパスは、「¥MAP¥D1
606¥D0401¥M0503.map」と表され
る。同様に、ユニットU2 を親ユニットPUとするレベ
ル「1」の各ユニットのパスは、「¥MAP¥D160
6¥D0401¥M0000.map」、「¥MAP¥
D1606¥D0401¥M0001.map」,…,
「¥MAP¥D1606¥D0401¥M0707.m
ap」で表される。
【0045】さらに、ユニットU1 を親ユニットPUと
するユニットUのグループは、「¥MAP¥D1606
¥D0401¥D0503」と表されるサブディレクト
リの直下のディレクトリ(論理領域)に格納される。か
かるグループに属するユニットU0 は、ユニットU1
64分割されたユニットUの内、位置コード「020
1」に該当するユニットである。そのため、ユニットU
0 のパスは、「¥MAP¥D1606¥D0401¥D
0503¥M0201.map」と表される。同様に、
ユニットU1 を親ユニットPUとするレベル「0」の各
ユニットのパスは、「¥MAP¥D1606¥D040
1¥D0503¥M0000.map」,「¥MAP¥
D1606¥D0401¥D0503¥M0001.m
ap」,…「¥MAP¥D1606¥D0401¥D0
503¥M0707.map」で表される。
【0046】以上、地図ファイルCFにより実現される
階層構造およびファイル名について説明した。ここで、
以上のユニットUがデジタルデータ化され、必要な管理
情報が付加されることにより、1つの地図ファイルCF
が構成される(詳細は図7を参照)。以下の説明におい
て、ユニットデータは、ユニットUをデジタルデータ化
したものを意味する。つまり、1つの地図ファイルCF
には、1つのユニットデータが含まれる。次に、地図フ
ァイルCFのデータ構造について詳細に説明する。
【0047】「地図ファイルCFのデータ構造」図6
は、1つの地図ファイルCFを基に描かれる地図を説明
するための図である。また、図7は、1つの地図ファイ
ルCFのデータ構造を示している。図7において、地図
ファイルCFは、大略的に、ユニットヘッダとユニット
データとから構成される。まず、ユニットデータから説
明する。一般的に、地図は、用途に応じて、図7に示す
ように、背景、道路、地図記号および文字から構成され
る。しかし、地図ファイルCFは、主として、端末装置
1のディスプレイ上への表示、マップマッチングまたは
経路探索処理に使用される。例えば、経路探索処理で
は、道路のつながりが分かればよく、背景の必要性は薄
い。そこで、1つのユニットデータは、図6に示すよう
に、文字記号データと、道路ネットワークデータと、背
景データとに分けてデータ化される。これによって、文
字記号データ、道路ネットワークデータおよび背景デー
タはそれぞれ、独立的に使用することができる。文字記
号データとは、ユニットUがカバーする地図に記載され
るべき文字列(地名および交差点名称等)からなるデー
タと、当該地図に記載されるべき地図記号からなるデー
タとを意味する。道路ネットワークデータとは、ユニッ
トUがカバーする地図に表されるべき道路そのものおよ
び道路同士のつながりを表す図形データを意味する。背
景データとは、水系、山系、建造物等、ユニットUがカ
バーする地図に表されるべき背景を表す図形データを意
味する。背景の例としては、河川、湖、山、緑地帯、鉄
道、建造物、橋、公園がある。以上の文字記号データ、
道路ネットワークデータおよび背景データを重ねあわせ
て表示することにより、図6に示すように、ユニットデ
ータは、背景、道路、地図記号および文字を表すことが
できる。
【0048】次に、背景データの詳細なデータ構造を、
図7および図8を参照して説明する。図7に示すよう
に、背景データは、基本背景テーブルおよび詳細背景テ
ーブルから構成される。基本背景テーブルは、図8
(a)から明らかなように、河川、鉄道および緑地帯
等、地図の背景を表示する際に概略となる図形データを
集合である。一方、詳細背景テーブルは、図8(b)か
ら明らかなように、橋および建造物等、地図の背景をよ
り詳細に表示するための図形データの集合である。これ
ら基本背景テーブルおよび詳細背景テーブルは、図7か
ら明らかなように、ユニットデータにおいて互いに別々
に記録される。さらに、基本背景テーブルおよび詳細背
景テーブルには、相互に参照し合うような情報は記録さ
れない。つまり、基本背景テーブルを構成する背景デー
タを描いている際に、詳細背景テーブルの背景データは
何一つ参照されない。逆に、詳細背景テーブルを構成す
る背景データを描いている際に、基本背景テーブルの背
景データは何一つ参照されない。このように、基本背景
テーブルおよび詳細背景テーブルは、相互に独立したデ
ータ構造を有する。したがって、背景をディスプレイ上
に表示する場合には、図8(a)に示すように、基本背
景テーブルのみで表される背景を表示することが可能に
なる。これによって、端末装置1のユーザは、概略的な
地図を見ることが可能になる。また、図8(c)に示す
ように、基本背景テーブルおよび詳細背景テーブルで表
される背景を表示することもできる。この場合、所定の
原点を基準として、基本背景テーブルから得られる概略
的な背景の上に、詳細背景テーブルから得られる詳細な
背景を重ねあわせることとなる。これによって、端末装
置1のユーザは、詳細な地図を見ることが可能となる。
なお、本実施形態では、背景データは基本背景テーブル
および詳細背景テーブルとから構成されるとして説明し
たが、第1の記憶装置19または第2の記憶装置24に
記憶容量の制限がある場合等には、第1のデータベース
111または第2のデータベース25を小さいサイズに
する観点から、背景データは基本背景テーブルのみから
構成されてもよい。逆に、本実施形態で説明したよう
に、背景データは基本背景テーブルおよび詳細背景テー
ブルとから構成される場合には、センタ局2は、詳細な
地図を端末装置1に提供することが可能となり、当該端
末装置1は詳細な地図をディスプレイに表示できるよう
になる。
【0049】上述の基本背景テーブルおよび詳細背景テ
ーブルの内部のデータ構造は互いに同じである。以下に
は、基本背景テーブルおよび詳細背景テーブルを背景テ
ーブルと総称して、双方のデータ構造についてより詳細
に説明する。上述したように、背景テーブルは、地図の
背景をディスプレイ上に描画するために使用される図形
データの集合である。各図形データによって、河川、公
園、工場および鉄道等がディスプレイ上に描画される。
以下、これら地図の背景の要素となる、河川、公園、工
場および鉄道等を総称して「描画オブジェクト」と呼ぶ
こととする。ここで、図9は、描画オブジェクトの概念
を示す図である。上述から明らかなように、描画オブジ
ェクトは、公園または工場等のように、それ自体で意味
のあるひとまとまりの対象物を表し、データ構造として
は、対象物を折れ線で描画するための要素点の並びから
構成される。例えば、図9には、矩形領域のユニットU
が示されている。ユニットUがカバーする範囲には、2
つの描画オブジェクトDO1およびDO2が存在する。
描画オブジェクトDO1は、オブジェクトOBJ1とO
2とから構成される。オブジェクトOBJ1は、要素点
a→要素点b→要素点c→要素点d→要素点e→要素点
aの順番に一筆書きした時に作成される折れ線で囲まれ
る領域である。また、オブジェクトOBJ2は、要素点
f→要素点g→要素点h→要素点i→要素点fの順番に
一筆書きした時に描かれる折れ線で囲まれる領域であ
る。また、描画オブジェクトDO2は、オブジェクトO
BJ3から構成される。オブジェクトOBJ3は、要素
点j→要素点k→要素点l→要素点m→要素点n→要素
点jの順番に一筆書きした時に描かれる折れ線で囲まれ
る領域である。以上から明らかなように、本実施形態の
描画オブジェクトは、複数の要素点を一筆書きして得る
ことができる1つ以上のオブジェクトにより表される。
【0050】ここで、図10は、背景テーブル、つまり
基本背景テーブルまたは詳細背景テーブルの詳細なデー
タ構造を示す図である。図10において、背景テーブル
には、背景レコード数Mと、M個の背景レコードBR1
〜BRMとから構成される。ここで、Mは、1以上の自
然数である。背景レコード数Mは、背景テーブルに含ま
れる背景レコードBR1〜BRMの個数を示す情報であ
る。また、背景レコードBR1は、背景属性と、オブジ
ェクト数Nと、オブジェクトOBJ1〜ONの要素点数
N1〜NNと、オブジェクトレコードOR1〜ORNと
から構成される。背景属性は、背景レコードBR1内に
含まれる各オブジェクトOBJにより表される背景の属
性を示す情報である。より具体的には、背景属性は、背
景レコードBR1内に含まれる各オブジェクトOBJの
カラーコードおよびテクスチャーマッピングコードであ
る。ここで、本実施形態の一つの特徴として、背景属性
には、1つのカラーコードまたはテクスチャマッピング
コードのみが記述される。つまり、例えば、「青」を示
すカラーコードと、「赤」を示すカラーコードとが一緒
に背景属性に記述されることはない。「青」を示すカラ
ーコードのみ、または「赤」を示すカラーコードのみが
背景属性に記述される。
【0051】また、オブジェクト数Nは、背景レコード
BR1内に含まれるオブジェクトOBJの数を示す情報
である。また、要素点数N1は、オブジェクトOBJ1
を構成する要素点の数を示している。要素点数N2は、
オブジェクトOBJ2を構成する要素点の数を示してい
る。以降、同様に、要素点数NNは、オブジェクトOB
JNの要素点の数を示す。このように、背景レコードB
R1には、そこに含まれるN個のオブジェクトOを構成
する要素点の数が並ぶ。ここで、Nは1以上の自然数で
ある。
【0052】さらに、オブジェクトレコードOR1は、
1つのオブジェクトOBJ1を構成する要素点の座標を
示す情報である。ここで注意を要するのは、オブジェク
トOBJ1は複数の要素点を含むので、オブジェクトレ
コードOR1には複数の座標情報が並ぶこととなる。つ
まり、オブジェクトレコードOR1には座標列の情報が
記述される。ここで、上述から明らかなように、オブジ
ェクトレコードOR1には、要素点数N1に相当する個
数の座標情報が記述される。また、オブジェクトレコー
ドOR2は、オブジェクトOBJ2を構成する要素点の
座標列を示す情報である。オブジェクトレコードOR2
には、要素点数N2に相当する個数の座標情報が記述さ
れる。以降、同様に、オブジェクトレコードORNは、
オブジェクトOBJNを構成するNN個の要素点の座標
列を示す情報である。オブジェクトレコードORNに
は、要素点数NNに相当する個数の座標情報が記述され
る。
【0053】以上のように、各オブジェクトレコードO
Rには、オブジェクトOBJを構成する要素点の座標列
が記述される。座標列の表現方法としては、ユニットU
内での絶対座標で表現する方法と、ある要素点の座標と
直前の要素点の座標との差分を用いた相対座標で表現す
る方法とがある。絶対座標は、ユニットU内の所定の原
点を基準とした各要素点の座標であるため、多くのビッ
ト数を必要とする。そのため、座標列の表現方法とし
て、相対座標が使用されることが、地図ファイルCFの
データサイズを小型化する観点から、好ましい。以下、
絶対座標と相対座標とについて、詳細に説明する。
【0054】図11は絶対座標が多くのビット数を必要
とすることを説明するための図である。図11には、8
個の要素点P0〜P7で構成される図形データが示され
ている。要素点P0の絶対座標は、予め定められた原点
を基準として、(X0,Y0)である。以降、同様に、
要素点P1〜P7の絶対座標は、(X1,Y1)〜(X
7,Y7)である。また、図12は、以上のP0〜P7
の各絶対座標情報をオブジェクトレコードORに記述し
た時の図である。今、要素点P0〜P7の絶対座標は、
東経方向(x軸方向)および北緯方向(y軸方向)それ
ぞれについて、例えば2バイトで表現すると、P0〜P
7の各絶対座標情報をオブジェクトレコードORに記述
するためには、32バイトが必要となる。
【0055】一方、図13は、図11と同じ図形データ
の各要素点P0〜P7を相対座標で表現した時の図であ
る。図13において、図形データは、要素点P0→P1
→P2→P3→P4→P5→P6→P7の順番で一筆書
きされる。相対座標表現であっても、一筆書きされる最
初の要素点P0は、絶対座標表現と同様に、所定の原点
を基準として、(X0,Y0)で表される。ただし、次
の要素点P1は、絶対座標表現の場合には、(X1,Y
1)と表される。しかし、相対座標表現では、要素点P
1は(ΔX1,ΔY1)で表される。ここで、ΔX1
は、ΔX1=X1−X0である。また、ΔY1は、ΔY
1=Y1−Y0である。以降の要素点P2〜P7も、そ
れぞれの要素点の絶対座標と、直前の要素点の絶対座標
との差分により表現される。図14は、以上の要素点P
0〜P7の各相対座標情報をオブジェクトレコードOR
に記述した時のデータ構造を示す図である。ここで注意
を要するのは、相対座標表現は、それぞれの要素点の絶
対座標と、直前の要素点の絶対座標との差分で表される
ため、ΔX1≪X1,ΔX2≪X2,…ΔX7≪X7と
なる。同様に、ΔY1≪Y1,ΔY2≪Y2,…ΔY7
≪Y7となる。そのため、要素点P1〜P7の相対座標
は、東経方向(x軸方向)および北緯方向(y軸方向)
それぞれについて2バイトで表現するのではなく、それ
ぞれ1バイトで表現する。その結果、要素点P1〜P7
の各相対座標情報をオブジェクトレコードORに記述す
るためには、14バイトが必要となる。ただし、最初の
要素点P0は、絶対座標で記述される必要があるので、
要素点P0〜P7の各座標情報をオブジェクトレコード
ORに記述するためには、差分数(「7」)の情報を含
めて、19バイトが必要となる。
【0056】以上、図11〜図14を参照して説明した
ように、オブジェクトOBJを構成する各要素点Pを相
対座標を使って表現すると、絶対座標表現のみを用いた
場合と比較して、オブジェクトレコードORのサイズが
小さくなる。しかしながら、オブジェクトOBJを構成
する各要素点を無条件に相対座標で表現すると、データ
サイズの小型化を実現できない場合が生じるという問題
点が想定できる。かかる問題点を、図15を参照して説
明する。図15には、要素点P0、P1およびPnで構
成されるオブジェクトOBJが示されている。今、要素
点P1は、相対座標では(ΔX1,ΔY1)で表され
る。ΔX1およびΔY1の双方は、1バイトで表現でき
るとする。同様に、要素点Pnは、相対座標では(ΔX
n,ΔYn)で表される。しかしながら、ΔXnおよび
/またはΔYnは、要素点Pnが直前の要素点P1から
離れた位置にあるため、1バイトでは表現しきれない値
であると仮定する。このような場合、図16に示すよう
に、要素点P1およびPnを結ぶ直線上に、新しい要素
点P2およびP3を作成する必要が生じる。これによっ
て、要素点Pnの相対座標は、直前の要素点P3の絶対
座標を基に、(ΔX4,ΔY4)で表すことができる。
ΔX4およびΔY4は、要素点P3が要素点P1と比べ
て要素点Pnの近くに位置するため、1バイトで表現で
きる。以上の要素点P0,P1,P2,P3およびPn
の各相対座標情報をオブジェクトレコードORに記述す
ると、図17に示すように、13バイト必要となる。
【0057】以上、図15〜図17を参照して説明した
ように、2個の要素点Pが離れて位置している場合に
は、新しい要素点Pを補う必要が生じる。その結果、オ
ブジェクトレコードORには、補った要素点Pの相対座
標情報を記述しなければならない。このように、最初の
要素点Pを除くすべての要素点Pを相対座標で表現しよ
うとすると、要素点Pの数が不必要に多くなり、オブジ
ェクトレコードORのデータサイズが不必要に大きくな
るという問題点が顕在化してくる。そこで、図15の要
素点P0およびPnを絶対座標で表現し、要素点P1を
要素点P0を基準とした相対座標で表現することが有効
となる。今、要素点Pnの絶対座標は、4バイトで表現
できる(Xn,Yn)であると仮定して、要素点P0,
P1およびPnの各座標情報をオブジェクトレコードO
Rに記述すると、図18に示すようになる。図18にお
いて、要素点P0およびPnの絶対座標情報はそれぞれ
4バイトであり、要素点P1の相対座標情報は2バイト
である。さらに、絶対座標で表されたP0およびPnを
基準として、いくつの相対座標が作成されているかを示
す差分数の情報は2バイトである。以上の合計をとる
と、オブジェクトレコードORのデータサイズは12バ
イトとなる。このデータサイズは、相対座標だけで表現
した場合のオブジェクトレコードORのデータサイズ1
3バイト(図17参照)よりも小さい。
【0058】以上、図18を参照して説明したように、
その直前の要素点と離れて位置する要素点は絶対座標で
表現される。このように、本実施形態では、ある要素点
は、主として相対座標で表現されるが、他の要素点は絶
対座標で表現される。これによって、オブジェクトレコ
ードORのデータサイズをより小さくすることが可能と
なる。
【0059】また、上述したように、本実施形態では、
オブジェクトの境界にも、相対座標表現が適用される。
ここで、オブジェクトの境界とは、あるオブジェクトO
BJを構成する1つの要素点Pからペンアップして、他
のオブジェクトOBJを構成する1つの要素点Pにペン
ダウンする部分を意味する。かかる相対座標表現の適用
によって、本実施形態は、背景テーブルのデータサイズ
を小型化できるという技術的効果を奏する。以下には、
まず、かかる技術的効果を明確にするために、オブジェ
クトの境界に相対座標表現が適用されない場合につい
て、図19および図20を参照して説明する。図19に
は、描画オブジェクトDO3が示されている。描画オブ
ジェクトBO3は、オブジェクトOBJ3およびOBJ
4から構成される。オブジェクトOBJ3は、6個の要
素点P0〜P5から構成される。また、オブジェクトO
BJ4は、4個の要素点P6〜P9から構成される。
【0060】以上のオブジェクトOBJ3は、要素点P
0→P1→P2→P3→P4→P5→P0という順番で
一筆書きされる。その後、要素点P0でペンアップが行
われ、要素点P6でペンダウンが行われる。そして、オ
ブジェクトOBJ4は、要素点P6→P7→P8→P9
→P6という順番で一筆書きされる。この時、オブジェ
クトの境界で相対座標が適用されないと仮定すると、要
素点P0〜P5および要素点P6〜P9を表す座標のデ
ータ構造は、図20に示すようになる。図20におい
て、最初に、オブジェクトOBJ3の基準点となる要素
点P0の絶対座標(X0,Y0)が4バイトで記述され
る。オブジェクトOBJ3の描画時には、要素点P0に
ペンダウンした後ペンアップするまでに、要素点P1〜
P5を辿ることになるので、差分数(つまり相対座標の
個数)は、5個となり、1バイトの情報である。今、要
素点P1〜P5の相対座標は、前述と同様に2バイトで
表され、(ΔX1,ΔY1)〜(ΔX5,ΔY5)であ
る。また、オブジェクトの境界部分に相対座標が適用さ
れないので、要素点P5の相対座標の後には、オブジェ
クトOBJ4の基準点となる要素点P6の絶対座標(X
1,Y1)が4バイトで記述される。オブジェクトOB
J4の描画時には、要素点P6にペンダウンした後ペン
アップするまでに、要素点P7〜P9を辿ることになる
ので、差分数(相対座標の個数)は、3個となり、1バ
イトの情報である。要素点P7〜P9の相対座標は、
(ΔX6,ΔY6)〜(ΔX8,ΔY8)であり、2バ
イトで表される。したがって、両オブジェクトの境界に
相対座標を適用することなく、オブジェクトOBJ3お
よびOBJ4を相対座標列は、26バイトで表現され
る。
【0061】次に、オブジェクトの境界に相対座標表現
が適用される場合について、図21および図22を参照
して説明する。図21には、図19と同様に、2個のオ
ブジェクトOBJ3およびOBJ4から構成される描画
オブジェクトDO3が示されている。描画オブジェクト
DO3は、要素点P0→P1→P2→P3→P4→P5
という順番で一筆書きされる。その後、要素点P5から
要素点P6へのペンアップおよびペンダウンが行われた
後、描画オブジェクトDO3は、要素点P6→P7→P
8→P9→P6という順番で一筆書きされる。ただし、
描画時においては、一筆書きの開始点とペンアップした
点とは必ず結ぶという原則があるので、要素点P5およ
び要素点P0は線で結ばれる。以上の描画時において、
オブジェクトの境界で相対座標が適用されると仮定する
と、要素点P0〜P5および要素点P6〜P9を表す座
標のデータ構造は、図22に示すようになる。図22に
おいて、最初に、オブジェクトOBJ3の基準点となる
要素点P0の絶対座標(X0,Y0)が4バイトで記述
される。描画オブジェクトDO3の描画時には、要素点
P0から一筆書きを開始から終了までに、要素点P1〜
P9を辿ることになるので、相対座標の個数、つまり差
分数は、1バイトのデータであって、「9個」を示す。
今、要素点P1〜P9の相対座標は、前述と同様に2バ
イトで表され、(ΔX1,ΔY1)〜(ΔX9,ΔY
9)である。したがって、両オブジェクトの境界に相対
座標を適用する場合には、オブジェクトOBJ3および
OBJ4を相対座標列は、23バイトで表現される。
【0062】以上、図19〜図22を参照して説明した
ように、オブジェクトの境界に相対座標を適用すると、
それを適用しない場合と比較して、背景テーブルのデー
タサイズを小型化することができる。
【0063】ここで注意を要するのは、図20において
はオブジェクトの境界は、オブジェクトレコードORに
記述された絶対座標により分かる。しかし、図22にお
いては、オブジェクトの境界は、絶対座標からは見つけ
ることはできない。図21に示すように、オブジェクト
の境界を規定するペンアップする要素点Pおよびペンダ
ウンする要素点Pはそれぞれ相対座標で示される場合が
あり、さらには、図18に示したように2点間の距離が
離れている場合には、要素点Pが絶対座標で表現される
場合があるからである。しかしながら、図22におい
て、オブジェクトの境界は、図10に示された要素点数
N1〜要素点数NNを参照すれば正確に規定できる。つ
まり、本実施形態では、要素点数N1〜要素点数NNは
それぞれ、ペンダウンしてからペンアップするまでに一
筆書きで辿る要素点の個数を意味する。したがって、実
際の描画時において、オブジェクトレコードORの先頭
から座標の個数をカウントし、カウント値が要素点数N
1と同じであれは、最初のオブジェクトの境界を正確に
特定することができる。同様に、カウント値が要素点数
N1およびN2の加算値と同じであれは、2回目のオブ
ジェクトの境界を特定することができる。以降、同様
に、カウント値が要素点数N1〜NNの加算値と同じで
あれは、N回目のオブジェクトの境界を特定することが
できる。
【0064】「文字記号データの詳細なデータ構造」次
に、図7に示す文字記号データについて説明する。な
お、文字記号データは本願発明の特徴的な事項ではない
ため、簡単に説明する。文字記号データとは、前述した
ように、ユニットUがカバーする地図に記載されるべき
文字列(地名、道路名称および交差点名称等)からなる
データと、当該地図に記載されるべき地図記号からなる
データとを意味する。さらに、文字記号データは、図7
に示すように、基本文字記号テーブルと詳細文字記号テ
ーブルとから構成される。基本文字記号テーブルは、ユ
ニットUがカバーする地図に記載される文字列または地
図記号の内、基本的な文字列および地図記号を表すデー
タを集合である。より具体的には、基本文字記号テーブ
ルには、図23(a)から明らかなように、河川名称、
道路名称および地図記号等、ユニットUがカバーする地
図を表示する際に概略となる文字列および地図記号とが
記録される。一方、詳細文字記号テーブルは、ユニット
Uがカバーする地図に記載される文字列または地図記号
の内、基本文字記号テーブルには記録されない文字列お
よび地図記号を表すデータを集合である。より具体的に
は、詳細文字記号テーブルには、図23(b)から明ら
かなように、公園、鉄道、橋および工場の名称等、ユニ
ットUがカバーする地図をより詳細に表示するための文
字列および地図記号とが記録される。
【0065】ここで、本実施形態の端末装置1として
は、上述したようにカーナビゲーションシステムが想定
されている。かかる事情から、基本文字データテーブル
には、カーナビゲーションに重要な河川名称、道路名称
および地図記号等が記録されると説明した。しかし、他
の用途の端末装置1も想定できる。そのため、基本文字
記号テーブルにどのような文字列および地図記号が記録
されるか、また、詳細文字記号テーブルにどのような文
字列および地図記号が記録されるかについては、端末装
置1の用途に依存する。それゆえに、本願発明の技術範
囲は、基本文字記号データテーブルには、河川名称、道
路名称および地図記号等が記録される、というように限
定解釈されてはならない。
【0066】さて、以上の基本文字記号テーブルおよび
詳細文字記号テーブルは、図7から明らかなように、ユ
ニットデータにおいて互いに別々のフィールドに記録さ
れる。さらに、基本文字記号テーブルおよび詳細文字記
号テーブルには、相互に参照し合うような情報は一切記
録されない。つまり、基本文字記号テーブルを構成する
文字列または地図記号を描いている際に、詳細文字記号
テーブルの文字列または地図記号は何一つ参照されな
い。逆に、詳細文字記号テーブルを構成する文字列およ
び地図記号を描いている際に、基本文字記号テーブルの
文字列および地図記号は何一つ参照されない。このよう
に、基本文字記号テーブルおよび詳細文字記号テーブル
は、相互に独立したデータ構造を有する。したがって、
文字列および地図記号をディスプレイ上に表示する場合
には、図23(a)に示すように、基本文字記号テーブ
ルのみで表される文字列および地図記号を表示すること
が可能になる。これによって、端末装置1のユーザは、
概略的な地図を見ることが可能になる。また、図23
(c)に示すように、基本文字記号テーブルおよび詳細
文字記号テーブルそれぞれを構成する文字列および地図
記号を表示することもできる。この場合、所定の原点を
基準として、基本文字記号テーブルから得られる概略的
な文字列および地図記号に、詳細文字記号テーブルから
得られる文字列および地図記号を重ねあわせることとな
る。これによって、端末装置1のユーザは、詳細な地図
を見ることが可能となる。なお、本実施形態では、文字
記号データは基本文字記号テーブルおよび詳細文字記号
テーブルとから構成されるとして説明したが、第1の記
憶装置19または第2の記憶装置24に記憶容量の制限
がある場合等には、第1のデータベース111または第
2のデータベース25を小さいサイズにする観点から、
文字記号データは基本文字記号テーブルのみから構成さ
れてもよい。逆に、本実施形態で説明したように、文字
記号データは基本文字記号テーブルおよび詳細文字記号
テーブルとから構成される場合には、センタ局2は、詳
細な地図を端末装置1に提供することが可能となり、当
該端末装置1は詳細な地図をディスプレイに表示できる
ようになる。
【0067】上述の基本文字記号テーブルおよび詳細文
字記号テーブルの内部のデータ構造は互いに同じであ
る。以下には、基本文字記号テーブルおよび詳細文字記
号テーブルを文字記号テーブルと総称して、双方のデー
タ構造についてより詳細に説明する。
【0068】上述したように、文字記号テーブルは、ユ
ニットUがカバーする地図上の文字列および地図記号を
ディスプレイ上に表すためのデータの集合である。ここ
で、図24は、文字記号テーブル、つまり基本文字記号
テーブルまたは詳細文字記号テーブルの詳細なデータ構
造を示す図である。図24において、文字記号テーブル
は、文字記号レコード数Pと、P個の文字記号レコード
TSR1〜TSRPとから構成される。文字記号レコー
ド数Pは、文字記号テーブルに含まれる文字記号レコー
ドTSR1〜TSRPの個数を示す情報である。ここ
で、Pは、1以上の自然数であって、ユニットUがカバ
ーする地図上の文字列および地図記号の総数である。文
字記号レコードTSR1〜TSRPは、ユニットUがカ
バーする地図上の文字列または地図記号の数だけ作成さ
れる。文字記号レコードTSR1は、文字記号属性と、
ポイント座標と、文字記号コードとから構成される。
【0069】文字記号属性は、文字記号レコードTSR
1により表されるべき文字列または地図記号の属性を示
す情報である。文字記号属性には、文字列または当該地
図記号のサイズと、文字列が並ぶ方向(縦/横)とを示
す情報が記録される。ここで注意を要するのは、地図記
号は、複数の記号により1つの対象物を表すことがほと
んどなく、さらに、1つの文字で表される地名もある。
かかる場合には、文字列が並ぶ方向(縦/横)を示す情
報が文字記号属性に記録される必要性は特にない。ポイ
ント座標は、文字記号レコードTSR1により表される
べき文字列または地図記号がユニットU上のどの位置に
表示されるかを特定するための座標情報である。文字記
号レコードTSR1により表されるべき文字列等は、デ
ィスプレイ上において、ポイント座標により特定される
位置に表示される。また、文字記号コードは、文字記号
レコードTSR1により表されるべき文字列および地図
記号のコード番号である。文字列のコード番号として
は、日本国ではシフトJISコードが典型的であり、文
字記号属性に記録された文字列の大小を表すサイズに該
当する情報が記録される。ここで、地図記号は、シフト
JIS等のように、それに関連する規格がないので、独
自に作成される。さらに、作成された地図記号のコード
番号としては、日本国ではシフトJISの空きコード番
号が割り当てられる。割り当てられたコード番号が、文
字記号コードとして記録される。なお、他の文字記号レ
コードTSR2〜TSRPは、文字記号レコードTSR
1と同様のデータ構造を有するので、それぞれの説明を
省略する。
【0070】「道路ネットワークデータの詳細なデータ
構造」次に、図7に示す道路ネットワークデータについ
て説明する。道路ネットワークデータは、カーナビゲー
ションシステムとしての端末装置1において、ディスプ
レイ上に道路を表示するために使用されるだけでなく、
マップマッチング、経路探索処理または経路案内処理に
も使用される。そのため、道路ネットワークデータは、
前述したように、ユニットUがカバーする地図に表され
るべき道路そのものを表す図形データ、および道路同士
のつながりを表すデータの集合を意味する。より具体的
には、道路ネットワークデータはマップマッチング等に
使用されるため、当該道路ネットワークデータには、単
に、道路網の形状を表す図形データが記録されるだけで
はなく、ユニットUがカバーする範囲の地図に表される
道路同士の接続関係を示すデータも記録される。
【0071】以上の道路ネットワークデータは、図7に
示すように、第1のネットワークデータと第2のネット
ワークデータとから構成される。第1のネットワークデ
ータには、主要幹線道路の道路ネットワークデータが記
録される。主要幹線道路とは、例えば、以下の3つの条
件のいずれかを満たすものを意味する。まず、第1の条
件は、地方自治体およびそれよりも上位の行政機関が造
った道路(高速道路、国道)であることである。第2の
条件は、地方自治体よりも下位の行政機関が造った道路
(高速道路、国道)および私道であって、かつその幅員
が5.5m以上の道路であることである。第3の条件
は、上記第1および第2の条件に該当する道路に接続さ
れた道路であることである。また、第2のネットワーク
データには、細街路の道路ネットワークデータが記録さ
れる。細街路とは、その幅員が3.0m以上であって、
主要幹線道路に該当しない道路(例えば、住宅の周辺に
造られた道路)を意味する。ただし、上記の主要幹線道
路および細街路の定義は単なる一例であって、他の定義
を採用しても構わない。それゆえに、本願発明の技術範
囲は、第1および第2の道路ネットワークデータには、
上記定義にのみ該当する道路ネットワークデータが記録
される、というように限定解釈されてはならない。
【0072】次に、第1の道路ネットワークデータおよ
び第2の道路ネットワークデータの関係について、図2
5を参照して説明する。第1の道路ネットワークデータ
は、主要幹線道路の道路ネットワークデータである。そ
のため、第1の道路ネットワークデータが端末装置1の
ディスプレイに表示されると、図25(a)に示すよう
に、主要幹線道路を表す図形が表示される。一方、第2
の道路ネットワークデータは、細街路の道路ネットワー
クデータである。そのため、第2の道路ネットワークデ
ータが端末装置1のディスプレイに表示されると、図2
5(b)に示すように、細街路を表す図形が表示され
る。これら第1および第2の道路ネットワークデータ
は、図7から明らかなように、ユニットデータにおいて
互いに別々に記録される。したがって、図25(a)に
示すように、第1の道路ネットワークデータを構成する
主要幹線道路のみを端末装置1のディスプレイに表示す
ることが可能になる。これによって、端末装置1のユー
ザは、概略的な道路ネットワークを見ることが可能にな
る。また、図25(c)に示すように、第1および第2
の道路ネットワークデータを構成する主要幹線道路およ
び細街路を表示することもできる。この場合、所定の原
点を基準として、第1の道路ネットワークデータから得
られる主要幹線道路網の上に、第2の道路ネットワーク
データから得られる細街路の道路網を重ねあわせること
となる。これによって、端末装置1のユーザは、詳細な
道路網を見ることが可能となる。なお、本実施形態で
は、道路ネットワークデータは、第1および第2の道路
ネットワークデータから構成されるとして説明したが、
第1の記憶装置19または第2の記憶装置24に記憶容
量の制限がある場合等には、第1のデータベース111
または第2のデータベース25を小さいサイズにする観
点から、道路ネットワークデータは、第1の道路ネット
ワークデータのみから構成されてもよい。逆に、本実施
形態で説明したように、道路ネットワークデータが第1
および第2の道路ネットワークデータから構成される場
合には、センタ局2は、詳細な道路網を端末装置1に提
供することが可能となり、当該端末装置1は詳細な道路
網をディスプレイに表示できるようになる。
【0073】上述の第1および第2の道路ネットワーク
データのデータ構造は互いに同じである。以下には、第
1および第2の道路ネットワークデータのデータ構造に
ついてより詳細に説明する。周知のように、道路ネット
ワークデータは、主として、ノードとリンクにより構成
される。ノードとは、主として、交差点または道路の区
切りを表現するためのデータを意味する。また、リンク
とは、2個の交差点の間をつなぐ道路を表現するための
データである。かかるノードとリンクを用いることによ
り、ユニットUがカバーする地図上に表されるべき道路
(主要幹線道路または細街路)の形状および道路同士の
接続関係が端末装置1のディスプレイ上に表示される。
そのため、図7に示すように、第1の道路ネットワーク
データは、第1のノードテーブルおよび第1のリンクテ
ーブルから構成され、第2の道路ネットワークデータ
は、第2のノードテーブルおよび第2のリンクテーブル
から構成される。以下には、まず、第1および第2のノ
ードテーブルのデータ構造をまず説明する。
【0074】ここで、図26は、ノードおよびリンクの
概念を説明するための図である。図26には、1つのユ
ニットUがカバーする範囲に存在する道路網が示されて
いる。図26の道路網は、11個のノードN0〜N10
と、11個のリンクL0〜L10とから構成される。1
1個のノードN0〜N10は、非隣接ノードと隣接ノー
ドとに大別される。非隣接ノードとは、通常の交差点、
もしくは道路の種別または属性が変わる点(上述の道路
の区切りに相当する)に作成されるノードであり、ユニ
ットU内での道路の接続関係を表す分岐点を意味する。
ところで、図26のユニットUには、同じレベルに属し
かつ隣接するユニットUがいくつかある(図2参照)。
したがって、1本の道路が、互いに隣り合う複数のユニ
ットUにまたがる場合がある。以下では、図26のユニ
ットUに隣接するユニットUのことを、便宜上、隣接ユ
ニットNUと称する。図26には、隣接ユニットNUの
1つが点線にて示されている。隣接ノードは、図26の
ユニットUおよび隣接ユニットNUの間をまたがる道路
が存在する場合に、当該ユニットUの境界(つまり矩形
領域の辺)上に作成されるノードであり、当該ユニット
Uと隣接ユニットNUとの道路の接続関係を表す点を意
味する。以上の定義に従うと、図26のノードN1、N
2、N5およびN8の4つ(○印参照)が非隣接ノード
に分類される。また、ノードN0、N3、N4、N6、
N7、N9、N10の7つ(●印参照)が隣接ノードに
分類される。ここで注意を要するのは、交差点または道
路の区切りを表すノードNがユニットUの境界上に存在
する場合には、当該ノードNを隣接ノードと分類する
か、非隣接ノードと分類するかが問題となる。かかる場
合、交差点または道路の区切りを表すノードNを境界上
からずらして、新しい非隣接ノードを作成することが1
つの対処方法である。他の対処方法として、ユニットU
の境界上の交差点または道路の区切りと同じ座標上に非
隣接ノードを作成することがある。以上から明らかなよ
うに、ユニットUの境界上には非隣接ノードが作成され
てはならない。
【0075】図27は、第1のノードテーブルの詳細な
データ構造を示す図である。ここで、予め断っておく
が、第1および第2のノードテーブルは、互いに同様の
データ構造を有しており、主要幹線道路および細街路に
ついて作成される点で相違する。そのため、説明の簡素
化の観点から、第2のノードテーブルの詳細な説明を省
略する。さて、図27において、第1のノードテーブル
は、隣接ノード数Qと、非隣接ノード数Rと、(Q+
R)個のノードレコードNR1〜NR(Q+R)とから
構成される。隣接ノード数Qは、第1のノードテーブル
に含まれる隣接ノードの個数を示す情報である。ここ
で、Qは、1以上の自然数であって、ユニットUにより
表される地図上の道路網に隣接ノードがいくつ存在する
かを示す。非隣接ノード数Rは、第1のノードテーブル
に含まれる非隣接ノードの個数を示す情報である。ここ
で、Rは、1以上の自然数であって、ユニットUにより
表される地図上の道路網に非隣接ノードがいくつ存在す
るかを示す。
【0076】ノードレコードNR1〜NR(Q+R)
は、ユニットUにより表される地図上の道路網に存在す
るノードNの数だけ作成される。ノードレコードNR1
〜NR(Q+R)には、(Q+R)個のノードNに関連
する情報が記録される。次に、本実施形態におけるノー
ドレコードNR1〜NR(Q+R)の並べ方について説
明する。第1のノードテーブルにおいて、最初のQ個の
ノードレコードNR1〜NRQには、Q個の隣接ノード
に関連する情報が記録され、後のR個のノードレコード
NR(Q+1)〜NR(Q+R)には、R個の非隣接ノ
ードに関連する情報が記録される。また、Q個のノード
レコードNR1〜NRQにおいて、先頭から順番に、矩
形領域(ユニットU)の左辺上に存在する隣接ノード
(図26の参照)に関連する情報が記録される。次
に、矩形領域の上辺上に存在する隣接ノード(図26の
参照)に関連する情報が記録される。次に、矩形領域
の右辺上に存在する隣接ノード(図26の参照)に関
連する情報が記録される。最後に、矩形領域の下辺上に
存在する隣接ノード(図26の参照)に関連する情報
が記録される。また、上記上辺上または下辺上の隣接ノ
ードのノードレコードNRは、当該隣接ノードの緯度が
昇順になるよう並べられる。一方、上記右辺上または左
辺上の隣接ノードのノードレコードNRは、当該隣接ノ
ードの経度が昇順になるよう並べられる。
【0077】さらに、非隣接ノードのノードレコードN
Rは、最初に、当該非隣接ノードの緯度が昇順になるよ
うに並べられる。この時、同じ緯度の非隣接ノードが複
数存在した場合には、ノードレコードNRは、当該非隣
接ノードの経度が昇順になるように並べられる。
【0078】図26のノードN0〜N10に関して、上
記の並べ方に従うと、図28に示すように、先頭のノー
ドレコードNR1には、隣接ノードN6の情報が記録さ
れる。次のノードレコードNR2には、隣接ノードN0
の情報が記録される。ノードレコードNR3、NR4、
NR5、NR6およびNR7には、隣接ノードN4、N
7、N10、N3およびN9の情報が記録される。ここ
で、図28中の〜は、図26の〜に対応してお
り、隣接ノードが並べられる順位を示している。次のノ
ードレコードNR8には、非隣接ノードN8の情報が記
録される。ノードレコードNR9、NR10およびNR
11には、非隣接ノードN5、N2およびN1の情報が
記録される。以上のように、本実施形態では、ユニット
Uに含まれるノードNの情報は、ランダムにではなく、
上述した規則に従った順番でノードレコードNRに記録
されていく。ここで、以下の説明において、ノードレコ
ード番号とは、最初のノードレコードNR1を「0」と
して、各ノードレコードNR2以降が何番目に記録され
ているかを特定する番号を意味する。以上のノードレコ
ード番号を図28のノードレコードNR1〜NR11に
当てはめると、当該ノードレコードNR1〜NR11の
ノードレコード番号は「0」〜「10」となる。なお、
以上のような並べ方は、ユニットUと隣接ユニットNU
の間にまたがる道路の接続関係をたどる処理を高速に行
ったり、ユニットUの親子間におけるノードやリンクの
対応づけを的確に行ったりできるという効果を生むが、
これらの具体的な処理および効果については後述する。
【0079】さて、再度図27を参照して、ノードレコ
ードNR1の内部データ構造を詳細に説明する。ノード
レコードNR1は、ノード属性と、ノード座標と、ノー
ド接続情報とから構成される。ノード属性は、ノードレ
コードNR1に記録されるノードの属性を表すための情
報である。ノード属性の例としては、記録されたノード
に交差点での交通が規制されているか否かを示す情報、
当該ノードにより表される交差点に名称があるか否かを
示す情報、当該ノードにより表される交差点に信号機が
存在するか否か等の情報がある。なお、ノード属性に交
通規制または交差点名称の有無に関する情報を記録する
場合には、本実施形態では説明しない交差点規制テーブ
ルおよび交差点名称テーブル等のテーブルを別途作成
し、該当する情報を記録するようにする。
【0080】また、ノード座標は、ノードレコードNR
1に記録されるノードの経度方向の座標および緯度方向
の座標を表すための情報である。ノードの経度方向の座
標および緯度方向の座標としては、絶対経度緯度座標を
記録しても良いが、記録されるノードを含むユニットU
(矩形領域)の左下隅を基準点として、当該ユニットU
がカバーする範囲の経度幅および緯度幅を2バイト程度
の値で正規化した座標で表すのが一般的である。例え
ば、図29に示すように、ユニットUの左下隅Naの座
標を(0000h,0000h)と表現し(hは16進
数の値を表す)、当該ユニットUの座標系を経度方向お
よび緯度方向共に8000hで正規化する。この場合、
ユニットの左上隅Nbの座標は(0000h,8000
h)と表現される。また、ユニットの右下隅Ncの座標
は(8000h,0000h)と表現される。さらに、
ユニットの右上隅Ndの座標は(8000h,8000
h)で表現される。また、ノード接続情報は、ノードレ
コードNR1に記録されるノードNと、後述するリンク
レコードLRに記録されるリンクLとの接続関係を表す
情報である。ノード接続情報の詳細については後述す
る。なお、他のノードレコードNR2〜NR(Q+R)
の内部データ構造については、ノードレコードNR1と
同様であるため説明を省略する。ただし、他のノードレ
コードNR2〜NR(Q+R)には、互いに異なるノー
ドNの情報が記録される。
【0081】次に、図7の第1のリンクテーブルのデー
タ構造を説明する。ここで、予め断っておくが、第1お
よび第2のリンクテーブルは、同様のデータ構造を有し
ており、主要幹線道路および細街路について作成される
点で相違する。そのため、以降では、第2のリンクテー
ブルの詳細な説明を省略する。図30は、第1のリンク
テーブルの詳細なデータ構造を示す図である。図30に
おいて、第1のリンクテーブルは、道路数Sと、S個の
道路レコードRR1〜RRSとから構成される。道路数
Sは、第1のノードテーブルにより表される道路網に含
まれる道路の本数を示す情報である。ここで、Sは、1
以上の自然数であって、ユニットUにより表される地図
上の道路網に道路が何本存在するかを示す。道路レコー
ドRR1には、ある1つの道路属性が割り当てられ、当
該道路属性が同じリンクLおよびノードNに関する情報
が記録される。また、道路レコードRR2には、他の1
つの道路属性が割り当てられ、当該道路属性が同じリン
クLおよびノードNに関する情報が記録される。以降、
同様に、道路レコードRRSには、他の道路レコードR
R1〜RR(S−1)には割り当てられていない1つの
道路属性が割り当てられ、当該道路属性が同じリンクL
およびノードNに関する情報が記録される。以上から明
らかなように、道路レコードRR1〜RRSには、互い
に異なる道路属性が割り当てられる。ここで、道路属性
とは、道路の種別毎に分類するための情報である。典型
的には、道路は、高速道路、国道、県道、市道、私道等
といった区分で分類され、さらには、各道路の名称によ
ってより詳細に分類される。なお、必要に応じて、道路
の一方通行規制等を道路属性に採用してもよい。
【0082】道路レコードRR1は、道路属性と、リン
ク数T1と、先頭ノードレコード番号と、T1個のリン
クレコードLR1〜LRT1とから構成される。道路属
性には、道路種別(高速道路、国道、県道等)、道路の
一方通行規制等を示す情報が記録される。リンク数T1
は、道路レコードRR1に記録されるリンクLの個数を
示す情報である。ここで、T1は、1以上の自然数であ
って、ユニットUにより表される地図上の道路網におい
て、道路属性の情報に該当するリンクLが何個存在する
かを示す情報である。先頭ノードレコード番号は、所定
のノードレコードNRを特定するためのノードレコード
番号を意味する。このノードレコード番号は、図28等
を参照して上述したように、最初のノードレコードNR
1を「0」として、各ノードレコードNR2以降が何番
目に記録されているかを特定する番号である。さらに、
所定のノードレコードNRとは、道路レコードRR1に
より表される道路網の先頭に位置するノードNが記録さ
れたものを意味する。また、リンクレコードLR1に
は、ユニットUにより表される地図上の道路網におい
て、道路属性により分類されるリンクLの内のある1つ
に関する情報が記録される。そのために、リンクレコー
ドLR1は、リンク属性と、リンク接続情報とから構成
される。リンク属性とは、リンクレコードLR1により
表されるリンクLの属性を示す情報である。リンク属性
の典型例としては、リンク種別(本線リンクであるか、
側道リンクであるか等)または車線数等がある。また、
リンク接続情報は、リンクレコードLR1により表され
るリンクLに接続されたノードN、またはリンクレコー
ドLR1により表されるリンクLとノードNを介してつ
ながっているリンクLの情報である。また、リンクレコ
ードLR2には、道路属性により分類されるリンクLの
内の他の1つに関する情報が記録される。以降同様に、
リンクレコードLRT1には、道路属性により分類され
るリンクLの内、他のリンクレコードLR(T1−1)
に記録されていない1つのリンクLに関する情報が記録
される。ここで、リンクレコードLR2〜LRTは、リ
ンクレコードLR1と同様に、リンク属性と、リンク接
続情報とから構成される。以上から明らかなように、リ
ンクレコードLR1〜LRT1には、互いに異なるリン
クLに関する情報が記録される。
【0083】さて、次に、第1のリンクテーブルに記載
される情報の具体例を、図26の道路網の場合について
具体的に説明する。上述したように、図26の道路網
は、11個のノードN0〜N10と、11個のリンクL
0〜L10とから構成される。また、説明をより具体的
にするために、リンクL0〜L2は、ノードN0を先頭
として、L0→L1→L2の順番で接続されることによ
り、1本の道路(例えば、国道)を構成すると仮定す
る。この仮定下では、リンクL0〜L2は互いに同一の
道路属性(国道)を有する。リンクL3〜L5は、ノー
ドN4を先頭として、L3→L4→L5の順番で接続さ
れることにより、1本の道路(例えば、県道)を構成す
ると仮定する。この仮定下では、リンクL3〜L5は互
いに同一の道路属性(県道)を有する。リンクL6〜L
8は、ノードN7を先頭として、L6→L7→L8の順
番で接続されることにより、1本の道路(例えば、幅員
が5.5m以上の私道)を構成すると仮定する。この仮
定下では、リンクL6〜L8は互いに同一の道路属性
(私道)を有する。リンクL9およびL10は、ノード
N5を先頭として、L9→L10の順番で接続されるこ
とにより、1本の道路(例えば、市道)を構成すると仮
定する。この仮定下では、リンクL9およびL10は互
いに同一の道路属性(市道)を有する。
【0084】以上の仮定下では、道路は、国道、県道、
私道および市道の4本であるから、第1のリンクテーブ
ルの道路数Sとして、「4」が記録される。また、道路
属性としては、国道、県道、私道および市道の4種類が
あるので、第1のリンクテーブルには、4個の道路レコ
ードRR1〜RR4が記録される。まず、道路レコード
RR1について説明する。道路属性としては「国道」を
表す情報が記録される。また、リンク数T1としては、
国道がリンクL0〜L2で構成されることから「3」を
示す情報が記録される。また、リンクL0〜L2で表さ
れる道路の先頭は、ノードN0により表される。ノード
N0のレコード番号は「1」である(図28参照)。ゆ
えに、先頭ノードNの番号としては「1」が記録され
る。次に、リンクレコードLR11(リンクL0のレコ
ード)において、リンク属性については説明を省略す
る。
【0085】さて、ここで、各リンクレコードLRに記
録されるリンク接続情報、および図27に示されるノー
ド接続情報を説明する。同時に、ノードNとリンクLの
接続関係をたどる処理についても説明する。例えば、図
26に示すように、ノードN2はリンクL1、L2、L
6、およびL7の4本と接続している。このように、各
ノードN2を中心として、4本のリンクL1、L2、L
6およびL7がつながっている。また、ノードレコード
NR10には、ノードN2に関連する情報が記録される
(図27参照)。また、リンクレコードLR12、LR
13、LR31およびLR32には、リンクL1、L
2、L6およびL7に関連する情報が記録される(図3
1参照)。ノードレコードNR10のノード接続情報
(図27参照)、および各リンクレコードLR12、L
R13、LR31およびLR32のリンク接続情報(図
31参照)には、ノードN2に接続されたリンクL1、
L2、L6およびL7をたどるための情報が記録され
る。まず、ノードレコードNR10には、ノード接続情
報として、ノードN2に接続された最初のリンクL
(今、仮にリンクL1とする)が記録されたリンクレコ
ードLR12を参照するための情報が記録される。より
具体的には、ノード接続情報としては、リンクテーブル
の先頭からリンクレコードLR12までのオフセットア
ドレスを記録しても良いし、リンクレコードLR12の
リンクレコード番号を記録しても良い。ここで、リンク
レコード番号とは、リンクテーブルにおいて最初のリン
クレコードLR11を「0」として、リンクレコードL
R12以降が何番目に記録されているかを特定する番号
を意味する。以上のリンクレコード番号を図31のリン
クレコードLRに当てはめると、リンクレコードLR1
1〜LR13のリンクレコード番号は「0」〜「3」と
なる。また、リンクレコードLR21〜LR23のリン
クレコード番号は「4」〜「6」となる。また、リンク
レコードLR31〜LR33のリンクレコード番号は
「7」〜「9」となる。さらに、リンクレコードLR4
1およびLR42のリンクレコード番号は「10」およ
び「11」となる。
【0086】ここで注意を要するのは、ノード接続情報
には、同じユニットU内の道路網の接続をたどる場合に
限り、オフセットアドレスおよびリンクレコード番号が
記録される。同様に、リンク接続情報には、同じユニッ
トU内の道路網の接続をたどる場合に限り、オフセット
アドレスおよびノードレコード番号が参照される。詳し
くは図37および図38を参照して説明するが、あるユ
ニットUおよび隣接ユニットNUの境界をまたぐような
道路網の接続をたどる場合には、オフセットアドレスお
よびリンクレコード番号は参照されない。
【0087】図32の例では、ノードレコードNR10
のノード接続情報には、当該ノードレコードNR10か
ら、リンクテーブルのリンクレコードLR12を参照可
能なように、当該リンクレコードLR12までのオフセ
ットアドレスまたは当該リンクレコードLR12のリン
クレコード番号が記録される。また、図32の例では、
リンクレコードLR12からはリンクレコードLR31
が参照されるので、リンクレコードLR12のリンク接
続情報には、リンクL1と接続する他のリンクL6を参
照可能なように、当該リンクレコードLR31へのオフ
セットアドレスまたは当該リンクレコードLR31のリ
ンクレコード番号が記録される。かかるノードレコード
NR10のノード接続情報およびリンクレコードLR1
2のリンク接続情報により、リンクL1はノードN2を
起点として、リンクL6と接続していることが分かる。
【0088】ここで注意を要するのは、リンクレコード
LR12のリンク接続情報としては、リンクレコード番
号やオフセットアドレスだけでなく、当該リンク接続情
報が他のリンクLに対してであることを示すフラグを記
録しておく。さらに注意を要するのは、同一道路レコー
ドRR内で記録されるリンクLを参照するためのリンク
接続情報は、各リンクレコードLRには記録されない。
同一道路レコードRRに属するリンクL同士は、リンク
接続情報を参照しなくとも、リンクレコードLRの並び
方によりたどることができるからである。つまり、道路
レコードRR1においてリンクレコードLR11とリン
クレコードLR12とは、連続するアドレス領域に並べ
て記録されるため、リンクL1およびリンクL2は相互
に接続していると判断することができる。同様に、道路
レコードRR3において、リンクレコードLR31およ
びLR32は連続アドレス領域に並べて記録されるた
め、リンクL6とリンクL7とは相互に接続していると
判断することができる。
【0089】さて、リンクレコードLR12の次に参照
されるリンクレコードLR31に記録されたリンクL6
は、道路レコードRR1以外に区分されたリンクLとは
接続されていない。そのため、リンクレコードLR31
のリンク接続情報としては、リンクL1、L2、L6お
よびL7の中心に位置するノードN2が記録されたノー
ドレコードNR10を参照可能な情報が記録される。リ
ンクレコードLR31のリンク接続情報としても、ノー
ドレコードNR10へのオフセットアドレスまたは当該
ノードレコードNR10のノードレコード番号が用いら
れる。ここで注意を要するのは、リンクレコードLR3
1のリンク接続情報としては、ノードレコードNR10
のノードレコード番号またはオフセットアドレスだけで
なく、当該リンク接続情報がノードテーブルNRに対し
て設定されていることを示すフラグも記録される。
【0090】以上のように、各ノードレコードNRに
は、最初に接続するリンクLへのノード接続情報のみを
記録し、各リンクレコードLRには、そこに記録される
リンクLに接続する他の道路レコードRR内のリンクL
へのリンク接続情報、もしくは起点となったノードNが
記録されるノードレコードNRへのリンク接続情報を記
録することによって、各ノードNを起点としたリンクL
の接続をたどることができる。
【0091】「ユニットヘッダのデータ構造」さて、再
度図7を参照して、ユニットヘッダのデータ構造につい
て詳細に説明する。ユニットヘッダには、地図ファイル
CFのユニットデータの管理情報が記録される。ユニッ
トヘッダは、少なくともユニットID、バージョンコー
ド、およびユニットデータを構成する8種類のテーブル
のデータサイズから構成される。ユニットIDは、当該
地図ファイルCFにより表されるユニットUを一意に特
定できる識別番号である。より具体的には、ユニットI
Dは、ユニットUのレベルL、およびユニットUの親子
関係および隣接関係が特定できる番号であり、地図ファ
イルCFのパス名と相互に変換できるものが望ましい。
例えば、ユニットIDを32ビット(4バイト)のコー
ドで表現するとし、MSBから2ビットをリザーブビッ
トとし、順にユニットレベルLを2ビット、レベル
「3」の経度方向の分割位置X3を5ビット、レベル
「3」の緯度方向の分割位置Y3を5ビット、レベル
「2」の経度方向の分割位置X2を3ビット、レベル
「2」の緯度方向の分割位置Y2を3ビット、レベル
「1」の経度方向の分割位置X1を3ビット、レベル
「1」の緯度方向の分割位置Y1を3ビット、レベル
「0」の経度方向の分割位置X0を3ビット、レベル
「0」の緯度方向の分割位置Y0を3ビットで表す。こ
こで、レベル「3」の経度方向の分割位置X3は、ユニ
ットUがレベル「3」に属するとした場合に東経方向に
数えて何番目(起算点は経度0度)に位置するかを示す
数である。レベル「3」の緯度方向の分割位置Y3は、
ユニットUがレベル「3」に属するとした場合に北緯方
向に数えて何番目(起算点は北緯0度)に位置するかを
示す数である。レベル「2」の経度方向の分割位置X2
は、ユニットUがレベル「2」に属するとした場合に東
経方向に数えて何番目(起算点はレベル「3」のユニッ
トUの左下)に位置するかを示す数である。レベル
「2」の緯度方向の分割位置Y2は、ユニットUがレベ
ル「2」に属するとした場合に北緯方向に数えて何番目
(起算点はレベル「3」のユニットUの左下)に位置す
るかを示す数である。レベル「1」の経度方向の分割位
置X1は、ユニットUがレベル「1」に属するとした場
合に東経方向に数えて何番目(起算点はレベル「2」の
ユニットUの左下)に位置するかを示す数である。レベ
ル「1」の緯度方向の分割位置Y1は、ユニットUがレ
ベル「1」に属するとした場合に北緯方向に数えて何番
目(起算点はレベル「2」のユニットUの左下)に位置
するかを示す数である。レベル「0」の経度方向の分割
位置X0は、ユニットUがレベル「0」に属するとした
場合に東経方向に数えて何番目(起算点はレベル「1」
のユニットUの左下)に位置するかを示す数である。レ
ベル「0」の緯度方向の分割位置Y0は、ユニットUが
レベル「0」に属するとした場合に北緯方向に数えて何
番目(起算点はレベル「1」のユニットUの左下)に位
置するかを示す数である。
【0092】例えば、図4に示すレベル「0」のユニッ
トU0 のパス名は「¥MAP¥D1606¥D0401
¥D0503¥M0201.map」であるため、前述
のL=0、X3=16、Y3=6、X2=4、Y2=
1、X1=5、Y1=3、X0=2、Y0=1となる。
この場合、ユニットU0 のユニットIDは、13592
8529(10進数表記)となる。以上から明らかなよ
うに、地図ファイルCFのパス名からユニットIDを一
意に特定することができ、逆にユニットIDからパス名
を一意に特定することができる。
【0093】またバージョンコードは、地図ファイルC
F(ユニットU)のバージョンを表すための識別コード
であり、例えば、当該ユニットのフォーマットバージョ
ンを表すコードを2バイト、当該ユニットのコンテンツ
バージョンを表すコードを2バイト等で記述した、合計
4バイトのコードで表すものとする。このバージョンコ
ードは、センタ局2からあるユニットIDの地図ファイ
ルCFが端末装置1にダウンロードされた際に、端末装
置1の第1の記憶装置19に既に格納されている同一ユ
ニットIDの地図ファイルCFと置き換えるか否かの判
断等に使用される。なお、この際の詳細な処理について
は後述する。
【0094】また、各テーブルのデータサイズには、地
図ファイルCFを構成する各テーブルのデータサイズが
記録されており、それぞれは例えば2バイトで表され
る。各テーブルのデータサイズを順に加算していくこと
により、各テーブルが格納されている、地図ファイルC
Fの先頭からのオフセットアドレスが算出可能となる。
なお、各テーブルのデータサイズとしては、基本背景テ
ーブルのデータサイズ、詳細背景テーブルのデータサイ
ズ、基本文字記号テーブルのデータサイズ、詳細文字記
号テーブルのデータサイズ、第1のノードテーブルのデ
ータサイズ、第1のリンクテーブルのデータサイズ、第
2のノードテーブルのデータサイズ、第2のリンクテー
ブルのデータサイズが並ぶ。それぞれのテーブルの内容
については上述した通りである。
【0095】以上、地図ファイルCFの詳細なデータ構
造について説明した。次に、第1のデータベース111
から地図ファイルCFを読み出す際の端末装置1の動作
について、図面を参照して説明する。「読み出し処理」
図1を参照して説明したように、本実施形態の端末装置
1は、典型的にはカーナビゲーションシステムである。
周知のように、マップマッチング、経路探索、または経
路案内等の処理が実行される。以下には、これらの処理
の内、経路探索処理に関連して、地図ファイルCFを読
み出す処理、あるユニットUと隣接ユニットNUにまた
がる道路の接続をたどる処理、および階層間でのノード
NとリンクLとの対応づけを行う処理について詳細に説
明する。なお、以下では、出発地および目的地の間の最
短ルートを求める処理そのものについては本願発明のポ
イントではないため特に説明しない。
【0096】図33は、経路探索処理の概念を示す図で
ある。図33に示すように、最短ルートを求める処理で
は、出発地SP側と目的地DP側の両方向から探索が広
げられる。さらに、経路探索処理では、下位階層から上
位階層までの複数階層の地図ファイルCFが用いられ
る。この時、出発地SPおよび目的地DP周辺では、詳
細な道路網を表す下位階層の地図ファイルCFを用い
て、最短ルートが探索される。一方、出発地SPおよび
目的地DP周辺以外では、粗い道路網を表す上位階層の
地図ファイルCFが用いられる。以上の図33に示す経
路探索処理では、いわゆる双方向階層別探索の手法が用
いられる。また、地図ファイルCFを用いて、出発地S
Pから目的地DPへの最短ルートを求める場合には、周
知のダイクストラ法等が使用される。なお、ダイクスト
ラ法については、本願発明のポイントではなく、かつ周
知の技術であるため、これ以上説明しない。
【0097】以下、図34のフローチャートを参照し
て、端末装置1で実行される双方向階層別探索の処理手
順を詳細に説明する。まず、双方向階層別探索では、端
末装置1の出発地SPおよび目的地DPの設定が実行さ
れる(ステップS101,S102)。ステップS10
1およびS102において、出発地SPおよび目的地D
Pは、出力装置110のディスプレイに表示されるメニ
ューに従って、端末装置1のユーザが入力装置11を操
作することにより設定される。ここで、最近のカーナビ
ゲーションシステムでは、出発地SPおよび目的地DP
は、一般的に、住所、電話番号、地名または施設名称等
を使って設定される。設定された出発地SPおよび目的
地DPを特定する情報は、入力装置11からデータ処理
部13に送信される。
【0098】ステップS102が終了すると、データ処
理部13は、読み出し/書き込み制御部18と協働し
て、経路探索処理に必要な地図ファイルCFを、第1の
記憶装置19から主記憶(図示せず)に順次読み込む
(ステップS103)。前述したように、第1の記憶装
置19に格納された各地図ファイルCFは、図2等に示
すように、地図を矩形領域に分割したユニットUを単位
としてデジタルデータ化される。さらに、各地図ファイ
ルCFは、ファイルシステムにより管理される。ファイ
ルシステムは、第1の記憶装置19の論理領域がツリー
構造をとるようにディレクトリを作成する。これによっ
て、各地図ファイルCFが格納される論理領域は、ルー
トおよびファイル名、ならびにそれらの間に介在するサ
ブディレクトリ名により表されるパスにより一意に特定
される。また、本実施形態のツリー構造およびファイル
名は、上述したように、ユニットU同士の親子関係およ
び隣接関係を特定する。ファイルシステムを構成するデ
ータ処理部13および読み出し/書き込み制御部18
は、最初のステップS103において、入力装置11か
ら送信されてくる出発地SP周辺を表す地図ファイルC
Fを第1の記憶装置19から読み出すためには、当該地
図ファイルCFのパス名を求めなければならない。
【0099】ここで、図35は、図34のステップS1
03の詳細な処理手順を示すフローチャートである。図
35の処理を簡単に説明すると、データ処理部13が読
み込むべき地図ファイルCFのレベル(階層)および代
表点となる地点の座標情報から、当該地図ファイルCF
のパス名を求める。そして、読み出し/書き込み制御部
18は、データ処理部13により求められたパス名を基
に、第1の記憶装置19から地図ファイルCFを読み出
す。以下、図35のフローチャートを参照して、図4お
よび図5に示すレベル「0」のユニットU0 を表す地図
ファイルCF(「¥M0201.map」)を読み出す
際の処理手順を説明する。
【0100】ここで、代表点とは、読み出すべき地図フ
ァイルCFがカバーする範囲に含まれる1つの地点を意
味する。以下の説明において、経度座標LON0 およ
び経度座標LAT0は、ユニットU0 の代表点の経度方
向の位置を示す座標および緯度方向の位置を示す座標と
する。本実施形態では、経度座標LON0 および経度
座標LAT0は、東経132度39分20秒および北緯
32度55分37秒とする。
【0101】さらに、ステップS103の処理には、い
くつかのパラメータが必要となる。以下の説明におい
て、経度幅W3は、レベル「3」に属する各ユニットU
がカバーする矩形領域の経度方向に沿う辺の長さを意味
する。緯度幅H3は、レベル「3」に属する各ユニット
Uがカバーする矩形領域の緯度方向に沿う辺の長さを意
味する。本実施形態の場合、図2および図3で説明した
ように、レベル「3」の矩形領域が約640km四方の
場合には、経度幅W3および緯度幅H3は28800秒
(8度)および19200秒(5度20分)である。経
度幅W2は、レベル「2」に属する各ユニットUがカバ
ーする矩形領域の経度方向に沿う辺の長さを意味する。
緯度幅H2は、レベル「2」に属する各ユニットUがカ
バーする矩形領域の緯度方向に沿う辺の長さを意味す
る。レベル「2」の矩形領域が約80km四方の場合に
は、経度幅W2および緯度幅H2は3600秒(1度)
および2400秒(40分)である。経度幅W1は、レ
ベル「1」に属する各ユニットUがカバーする矩形領域
の経度方向に沿う辺の長さを意味する。緯度幅H1は、
レベル「1」に属する各ユニットUがカバーする矩形領
域の緯度方向に沿う辺の長さを意味する。レベル「1」
の矩形領域が約10km毎の場合には、経度幅W1およ
び緯度幅H1は450秒(7分30秒)および300秒
(5分)である。経度幅W0は、レベル「0」に属する
各ユニットUがカバーする矩形領域の経度方向に沿う辺
の長さを意味する。緯度幅H0は、レベル「0」に属す
る各ユニットUがカバーする矩形領域の緯度方向に沿う
辺の長さを意味する。レベル「0」の矩形領域が約1.
2km毎の場合には、経度幅W0および緯度幅H0は5
6.25秒および37.5秒である。
【0102】さて、データ処理部13は、まず、代表点
の経度座標LON0 および緯度LAT0 を特定し(ステ
ップS201)、読み込むべき地図ファイルCFのレベ
ルL(ユニットU0 の地図ファイルCFを読み込む場
合、L=0)を特定する(ステップS202)。ここ
で、ステップS201およびS202は、双方向階層別
探索において一般的に実行される処理であるため、ここ
では詳細に説明しない。
【0103】次に、データ処理部13は、ステップS2
03に進み、代表点の経度座標LON0 をレベル「3」
の経度幅W3で除算した時の商DLON3、および、当
該代表点の緯度LAT0 をレベル「3」の緯度幅H3で
除算した時の商DLAT3を算出する。今、経度幅W3
=28800秒(8度)、緯度幅H3=19200秒
(5度20分)、経度座標LON0 =東経132度39
分20秒、経度座標LAT0 =北緯32度55分37
秒であるから、商DLON3=16、商DLAT3=6
となる。データ処理部13は、算出された商DLON3
および商DLAT3を順番に並べて4桁の数字を作成す
る。今回作成される4桁の数字は、「1606」であ
る。ここで、商DLON3および/または商DLAT3
が1桁となる場合は、下から2桁目に「0」を付ける。
【0104】データ処理部13は、作成した4桁の数字
の先頭に、ディレクトリの識別子「¥」およびファイル
名の頭文字を定義する「M」を付加し、さらにその末尾
にファイル名の拡張子「.map」を付加する。これに
よって、データ処理部13は、代表点の経度座標LON
0 および経度座標LAT0 から、読み込むべき地図フ
ァイルCF(ユニットU0 のもの)のファイル名(今回
の場合、「¥M1606.map」)を導き出す。さら
に、データ処理部13は、作成した4桁の数字の先頭
に、ディレクトリの識別子「¥」およびサブディレクト
リ名の頭文字を定義する「D」を付加する。これによっ
て、データ処理部13は、代表点の経度座標LON0
よび経度座標LAT0 から、読み込むべき地図ファイ
ルCFが格納されたサブディレクトリ名(今回の場合
「¥D1606」)を導出する(ステップS203)。
【0105】次に、データ処理部13は、ステップS2
02で指定されたレベルLが「3」か否かを判断する
(ステップS204)。レベルLが「3」の場合、デー
タ処理部13は、ステップS205に進み、ルート
(「¥MAP」)の後に、ステップS203で導出した
ファイル名(「¥M1606.map」)を付加して、
パス名を導出する。したがって、パス名は「¥MAP¥
M1606.map」となる。データ処理部13は、導
出したパス名を読み出し/書き込み制御部18に出力す
る(ステップS205)。読み出し/書き込み制御部1
8は、入力されたパス名(「¥MAP¥M1606.m
ap」)に従って、地図ファイルCFを第1の記憶装置
19内の第1のデータベース111から読み出す。読み
出し/書き込み制御部18は、読み出した地図ファイル
CFをデータ処理部13内の主記憶(図示せず)に転送
する。このようにして、データ処理部13は、地図ファ
イルCFを第1の記憶装置19から主記憶に読み込む
(ステップS206)。
【0106】ところで、上述したように、ステップS2
02で指定されたレベルは「0」であるから、データ処
理部13は、ステップS204においてレベルLが
「3」でないと判断して、ステップS207に進む。デ
ータ処理部13は、ステップS203で導出した商DL
ON3の余りRLON3を算出した後、当該余りRLO
N3をレベル「2」の経度幅W2で除算した時の商DL
ON2を算出する。さらに、データ処理部13は、ステ
ップS203で導出した商DLAT3の余りRLAT3
を算出した後、当該余りRLAT3をレベル「2」の緯
度幅H2で除算した時の商DLAT2を算出する。今、
上述した数値を用いた場合、商DLON2および商DL
AT2は、DLON2=4およびDLAT2=1とな
る。データ処理部13は、算出された商DLON2およ
び商DLAT2を順番に並べて4桁の数字を作成する。
今回作成される4桁の数字は、「0401」である。こ
こで、商DLON2および/または商DLAT2が1桁
となる場合は、2桁目に「0」を付ける。
【0107】データ処理部13は、作成した4桁の数字
の先頭に、ディレクトリの識別子「¥」およびファイル
名の頭文字を定義する「M」を付加し、さらにその末尾
にファイル名の拡張子「.map」を付加する。これに
よって、データ処理部13は、代表点の経度座標LON
0 および経度座標LAT0 から、読み込むべき地図ファ
イルCFのファイル名(今回の場合、「¥M0401.
map」)を導き出す。さらに、データ処理部13は、
作成した4桁の数字の先頭に、ディレクトリの識別子
「¥」およびサブディレクトリ名の頭文字を定義する
「D」を付加する。これによって、データ処理部13
は、代表点の経度座標LON0 および経度座標LAT0
から、読み込むべき地図ファイルCF(ユニットU0
もの)が格納されたサブディレクトリ名(今回の場合
「¥D0401])を導出する(ステップS207)。
【0108】次に、データ処理部13は、ステップS2
02で指定されたレベルLが「2」か否かを判断する
(ステップS208)。レベルLが「2」の場合、デー
タ処理部13は、ステップS209に進み、ルート
(「¥MAP」)の後に、ステップS203で導出した
サブディレクトリ名(「¥D1606」)およびステッ
プS207で導出したファイル名(「¥M0401.m
ap」)を付加して、パス名を導出する。したがって、
パス名は「¥MAP¥D1606¥M0401.ma
p」となる。データ処理部13は、導出したパス名を読
み出し/書き込み制御部18に出力する(ステップS2
09)。読み出し/書き込み制御部18は、入力された
パス名(「¥MAP¥D1606¥M0401.ma
p」)に従って、地図ファイルCFを第1の記憶装置1
9内の第1のデータベース111から読み出す。読み出
し/書き込み制御部18は、読み出した地図ファイルC
Fをデータ処理部13内の主記憶(図示せず)に転送す
る。このようにして、データ処理部13は、地図ファイ
ルCFを第1の記憶装置19から主記憶に読み込む(ス
テップS206)。
【0109】上述したように、ステップS202で指定
されたレベルは「0」であるから、データ処理部13
は、ステップS208においてレベルLが「2」でない
と判断して、ステップS210に進む。データ処理部1
3は、ステップS207で導出した商DLON2の余り
RLON2を算出した後、当該余りRLON2をレベル
「1」の経度幅W1で除算した時の商DLON1を算出
する。さらに、データ処理部13は、ステップS207
で導出した商DLAT2の余りRLAT2を算出した
後、当該余りRLAT2をレベル「1」の緯度幅H1で
除算した時の商DLAT1を算出する。今、上述した数
値を用いた場合、商DLON1および商DLAT1は、
DLON1=5およびDLAT1=3となる。データ処
理部13は、算出された商DLON1および商DLAT
1を順番に並べて4桁の数字を作成する。今回作成され
る4桁の数字は、「0503」である。ここで、商DL
ON1および/または商DLAT1が1桁となる場合
は、2桁目に「0」を付ける。
【0110】データ処理部13は、作成した4桁の数字
の先頭に、ディレクトリの識別子「¥」およびファイル
名の頭文字を定義する「M」を付加し、さらにその末尾
にファイル名の拡張子「.map」を付加する。これに
よって、データ処理部13は、代表点の経度座標LON
0 および経度座標LAT0 から、読み込むべき地図ファ
イルCFのファイル名(「¥M0503.map」)を
導き出す。さらに、データ処理部13は、作成した4桁
の数字の先頭に、ディレクトリの識別子「¥」およびサ
ブディレクトリ名の頭文字を定義する「D」を付加す
る。これによって、データ処理部13は、代表点の経度
座標LON0 および経度座標LAT0 から、読み込むべ
き地図ファイルCF(ユニットU0 のもの)が格納され
たサブディレクトリ名(今回の場合「¥D0503])
を導出する(ステップS2010)。
【0111】次に、データ処理部13は、ステップS2
02で指定されたレベルLが「1」か否かを判断する
(ステップS2011)。レベルLが「1」の場合、デ
ータ処理部13は、ステップS2012に進み、ルート
(「¥MAP」)の後に、ステップS203で導出した
サブディレクトリ名(「¥D1606」)、ステップS
207で導出したサブディレクトリ名(「¥D040
1」)およびステップS2010で導出したファイル名
(¥M0503.map)を付加して、パス名を導出す
る。したがって、パス名は「¥MAP¥D1606¥D
0401¥M0503.map」となる。データ処理部
13は、導出したパス名を読み出し/書き込み制御部1
8に出力する(ステップS2012)。読み出し/書き
込み制御部18は、入力されたパス名(「¥MAP¥D
1606¥D0401¥M0503.map」)に従っ
て、地図ファイルCFを第1の記憶装置19内の第1の
データベース111から読み出す。読み出し/書き込み
制御部18は、読み出した地図ファイルCFをデータ処
理部13内の主記憶(図示せず)に転送する。このよう
にして、データ処理部13は、地図ファイルCFを第1
の記憶装置19から主記憶に読み込む(ステップS20
6)。
【0112】上述したように、ステップS202で指定
されたレベルLは「0」であるから、データ処理部13
は、ステップS2011においてレベルLが「1」でな
いと判断して、ステップS2013に進む。データ処理
部13は、ステップS210で導出した商DLON1の
余りRLON1を算出した後、当該余りRLON1をレ
ベル「0」の経度幅W0で除算した時の商DLON0を
算出する。さらに、データ処理部13は、ステップS2
10で導出した商DLAT1の余りRLAT1を算出し
た後、当該余りRLAT1をレベル「0」の緯度幅H0
で除算した時の商DLAT0を算出する。今、上述した
数値を用いた場合、商DLON0および商DLAT0
は、DLON0=2およびDLAT0=1となる。デー
タ処理部13は、算出された商DLON0および商DL
AT0を順番に並べて4桁の数字を作成する。今回作成
される4桁の数字は、「0201」である。ここで、商
DLON0および/または商DLAT0が1桁となる場
合は、2桁目に「0」を付ける。データ処理部13は、
作成した4桁の数字の先頭に、ディレクトリの識別子
「¥」およびファイル名の頭文字を定義する「M」を付
加し、さらにその末尾にファイル名の拡張子「.ma
p」を付加する。これによって、データ処理部13は、
代表点の経度座標LON0 および経度座標LAT0
ら、読み込むべき地図ファイルCFのファイル名(今回
の場合、「¥M0201.map」)を導き出す(ステ
ップS2013)。ここで、ステップS2013では、
レベルLが最下位層の「0」と自動的に判断できるの
で、データ処理部13は、サブディレクトリ名を導出し
ない。
【0113】次に、データ処理部13は、ステップS2
014に進み、ルート(「¥MAP」)の後に、ステッ
プS203、S207およびS210で導出したサブデ
ィレクトリ名の配列(「¥D1606¥D0401¥D
0503)ならびにステップS2013で導出したファ
イル名(今回の場合、「¥M0201.map」)を付
加して、パス名を導出する。したがって、パス名は「¥
MAP¥D1606¥D0401¥D0503¥M02
01.map」となる。データ処理部13は、導出した
パス名を読み出し/書き込み制御部18に出力する(ス
テップS2014)。読み出し/書き込み制御部18
は、入力されたパス名(「¥MAP¥D1606¥D0
401¥M0503.map」)に従って、地図ファイ
ルCFを第1の記憶装置19内の第1のデータベース1
11から読み出す。読み出し/書き込み制御部18は、
読み出した地図ファイルCFをデータ処理部13内の主
記憶(図示せず)に転送する。このようにして、データ
処理部13は、所望の地図ファイルCF(ユニットU0
を表す地図を表示可能なデータ)を第1の記憶装置19
から主記憶に読み込む(ステップS206)。
【0114】データ処理部13は、以上のステップS2
06の後、図35のフローチャートから抜けて、図34
のステップS104に進む。データ処理部13は、主記
憶上に読み込まれた地図ファイルCFを用いて、出発地
SP側からの経路探索処理を行う(ステップS10
4)。ここで注意を要するのは、ダイクストラ法等の手
法は周知であるため、その詳細な説明を省略する。ダイ
クストラ法等を簡単に説明すると、地図ファイルCF内
の道路ネットワークの接続をたどりながら最短ルートを
求める処理が行われる。かかる地図ファイルCF内での
ノードNとリンクLの接続関係をたどる手順について
は、図32を参照して前述の通りである。
【0115】また、データ処理部13は、ステップS1
02の後、ステップS103と並行して、ステップS1
05を実行する。データ処理部13は、ステップS10
2で設定された目的地DP周辺の地図ファイルCFを第
1の記憶装置19から、自身の内部に有する主記憶(図
示せず)に読み込む(ステップS105)。さらに、デ
ータ処理部13は、ステップS105で読み込んだ地図
ファイルCFを用いて、目的地DP側の経路探索処理を
行う(ステップS106)。ここで、ステップS105
およびS106の処理については、ステップS103お
よびステップS104と同様であるため詳細な説明は省
略する。
【0116】データ処理部13は、ステップS104お
よびS106の処理が終了すると、当該ステップS10
4およびS106で使用された地図ファイルCFの階層
での探索終了条件を満たしたか否かの判断を行う(ステ
ップS107)。ステップS107では、一般的に、読
み込んだ地図ファイルCFの数、または探索したノード
Nの数等が所定の値に達しているか否かに基づいて、探
索条件が終了したか否かが判断される。ステップS10
7において探索終了条件を満たしていないと判断された
場合には、データ処理部13は、ステップS103およ
びS105に戻って、出発地SP側および目的地DP側
の双方からの探索処理で既に読み込まれている地図ファ
イルCFに隣接する地図ファイルCFを読み込む。ここ
で、既に読み込まれている地図ファイルCFがユニット
Uの地図を表すとすると、隣接する地図ファイルCF
は、隣接ユニットNU(図26参照)の地図を表すこと
となる。データ処理部13は、新たな代表点の経度座標
LONおよび緯度座標LATを求めて、隣接する地図フ
ァイルCFのパス名を導出し、当該パス名により特定さ
れる地図ファイルCFを第1の記憶装置19から主記憶
に読み込む。
【0117】ここで、図36に示すように、隣接ユニッ
トNUを決定するための新しい代表点の位置は、道路網
の接続をたどるリンクLが、どのユニット境界上の隣接
ノード(詳しくは図26を参照)を経由して当該隣接ユ
ニットNU内のリンクLと接続するかによって異なる。
より具体的に説明すると、図36のリンクL11は、ユ
ニットUの境界(矩形)の上辺上に位置する隣接ノード
N12を経由して隣接ユニットNU1のあるリンクLと
接続する。このため、ユニットUの代表点Pの緯度座標
LATに対して、当該ユニットUが属するレベルLの緯
度幅Hを加算した緯度座標LAT1をもつ地点が新しい
代表点P1と定められる。
【0118】一方、図36のリンクL12は、ユニット
Uの境界(矩形)の右辺上に位置する隣接ノードN13
を経由して隣接ユニットNU2内のあるリンクLと接続
する。このため、ユニットUの代表点Pの経度座標LO
Nに対して、当該ユニットUが属するレベルLの経度幅
Wを加算した経度座標LON2をもつ地点が新しい代表
点P2と定められる。
【0119】2回目以降のステップS103およびS1
05では、データ処理部13は、図36を参照して説明
したようにして求められた新しい代表点に基づいて、当
該代表点を含む範囲を表す地図の地図ファイルCFを読
み込む。なお、この際の処理手順は前述の通りである。
次のステップS104およびS106では、データ処理
部13は、ステップS103およびS105で読み込ん
だ地図ファイルCFを使って探索処理を行う。かかる探
索処理は、前回読み込んだ地図ファイルCFから今回読
み込んだものへと、つまりユニットUと隣接ユニットN
Uとの境界をまたいで道路網の接続をたどることを意味
している。
【0120】ところで、従来の技術では、ユニットUお
よび隣接ユニットNUの境界をまたいだ場合であって
も、道路網の接続をたどることができるように、各地図
ファイルの隣接ノードのレコードに、隣接ユニットNU
の隣接ノードを特定する番号またはオフセットアドレス
等が記録されていた。しかし、このような地図ファイル
の内部データ構造に関わる情報を当該ユニットに記録し
てしまうと、隣接ユニットNUを表す地図ファイルが更
新された場合、上記番号またはオフセットアドレスが変
わってしまう場合がある。したがって、1つの地図ファ
イルが更新されることにより、その周囲のすべての隣接
ユニットNUを表す地図ファイルが更新される必要が生
じるおそれがあるという問題点があった。かかる問題点
を解消すべく、本実施形態の各地図ファイルCFには、
隣接ユニットNUの内部データ構造に直接関わる情報は
記録されておらず、データ処理部13は、ノードNの座
標情報および/またはリンクLの属性情報を用いて、隣
接ユニットNUの隣接ノードNをたどる処理を実行す
る。
【0121】以下、図37および図38の2つの図面を
参照して、図34のステップS104またはS106に
おける、データ処理部13がユニットUと隣接ユニット
NUの境界をまたいで道路網の接続をたどる処理につい
て詳細に説明する。図37は、互いに隣接し合う4個の
ユニットU1〜U4を並べた際に構成される道路網を示
している。ユニットU1に含まれる道路網は、4個のノ
ードN10〜N13と、3個のリンクL10〜L12と
から構成される。ユニットU1では、3個のノードN1
0、N12およびN13(●印参照)は隣接ノードであ
って、ユニットU1の境界上に位置する。また、ユニッ
トU2に含まれる道路網は、5個のノードN20〜N2
4と、4個のリンクL20〜L23とから構成される。
ユニットU2では、4個のノードN20およびN22〜
24(●印参照)は、隣接ノードであって、ユニットU
2の境界上に位置する。また、ユニットU3に含まれる
道路網は、4個のノードN30〜N33と、3個のリン
クL30〜L32とから構成される。ユニットU3で
は、ノードN30、N32およびN33(●印参照)が
隣接ノードであり、ユニットU3の境界上に位置する。
さらに、ユニットU4に含まれる道路網は、4個のノー
ドN40〜N43と、3個のリンクL40〜L42とか
ら構成される。3個のノードN40〜N43(●印参
照)は、隣接ノードであって、ユニットU4の境界上に
位置する。さらに、図37において、ノードN13およ
びN20が接続され、ノードN12およびN30が接続
され、ノードN24およびN43が接続され、さらにノ
ードN33およびN40が接続され、これによって、1
つの道路網が構成される。
【0122】以上の図37の道路網において、リンクL
12は、隣接ノードN13およびN20を経由して、リ
ンクL20とつながっている。上述したように、経路探
索処理において、データ処理部13は、隣接ユニットN
Uを表す地図ファイルCFを順次読み込んで、目的地D
Pまたは出発地SPの方向へと探索を広げていく。その
ためには、データ処理部13は、あるユニットUおよび
隣接ユニットNUの境界をまたぐような2個のリンクL
の接続関係をたどる必要がある。そこで、まず、データ
処理部13は、主記憶上に読み込まれたユニットU(つ
まり、ユニットU1)の地図ファイルCF(より具体的
には、リンクレコードRR(図30および図31参
照))から、ユニットU1からユニットU2へと向かう
リンクL12のリンク属性を取り出す(図38;ステッ
プS301)。以下では、ユニットU1の境界へと向か
うリンクL12を脱出リンクL12と呼ぶこととする。
【0123】次に、データ処理部13は、脱出リンクL
12の接続先情報(ノードレコード番号またはオフセッ
トアドレス)を参照して、地図ファイルCF(より具体
的には、第1または第2のノードテーブル)から、当該
脱出リンクL12に接続された隣接ノードN13のノー
ドレコードNR(図27参照)を探し出す。その後、デ
ータ処理部13は、探し出したノードレコードNRか
ら、隣接ノードN13のノード座標を取り出す(ステッ
プS302)。以下では、脱出リンクL12に接続され
た隣接ノードN13を脱出ノードN13と呼ぶこととす
る。
【0124】次に、データ処理部13は、主記憶上に読
み込まれている隣接ユニットNU(つまり、ユニットU
2)の地図ファイルCF(より具体的には、第1または
第2のノードテーブル)から、ノード座標を1つずつ取
り出す(ステップS303)。データ処理部13は、ス
テップS302で取り出した脱出ノードN13のノード
座標と、ステップS303で取り出したノード座標との
差分値を算出して、当該差分値が所定の閾値以下である
か否かを判断する(ステップS304)。ここで、図2
9を参照して説明したように、本実施形態では、ノード
座標は正規化された値で記録されている。上記所定の閾
値としては、正規化された座標値の幅により異なるが、
「1」〜「2」程度の値が好ましい。データ処理部13
は、ステップS304の条件を満たすまで、ステップS
303およびS304を繰り返し実行する。ただし、デ
ータ処理部13は、ステップS303を実行するたび
に、過去に取り出したものとは異なるノード座標を取り
出す。ここで、ステップS304の条件を満たすという
ことは、ステップS303で取り出したノード座標を有
するノードNが脱出ノードN13と同じ位置を示してい
ることとなる。つまり、制御部13は、ステップS30
3およびS304を繰り返し実行することにより、脱出
ノードN13とほぼ同じ位置を有する隣接ノードN20
を探し出すことができる。以下では、探し出された隣接
ノードN20を進入ノードと呼ぶこととする。
【0125】ここで、一般的に、ステップS303にお
いては、ノードレコード番号(図28参照)の順番に従
って、ノード座標が1つずつ順番に取り出される。本実
施形態では、図26および図28を参照して説明したよ
うに、第1または第2のノードテーブルにおいて、隣接
ノードNのノードレコードNRは、非隣接レコードNの
ノードレコードNRの前に記録されている。これによっ
て、データ処理部13は、非隣接ノードNのノードレコ
ードNRからノード座標を取り出すことなく、進入ノー
ドを見つけ出すことができる。これによって、データ処
理部13が進入ノードを検索する処理の負荷を最小限に
抑えることができる。すわなち、データ処理部13は、
隣接ユニットNUの地図ファイルCFに記録された第1
および第2のノードテーブル内に並ぶ全てのノードレコ
ードNRを検索しなくても、当該第1または第2のノー
ドテーブルの先頭から隣接ノードの数だけノードレコー
ドNRを検索すれば、必ず進入ノードを見つけ出すこと
ができる。このように、本実施形態におけるノードレコ
ードNRの並べ方は、進入ノードを検索する処理の高速
化にも寄与する。
【0126】また、隣接ノードのノードレコードNR
は、図26を参照して説明したように、ユニットU(矩
形)の左辺→上辺→右辺→下辺という優先順位に従って
並べられる。さらに、左辺および右辺上に位置する隣接
ノードのノードレコードNRは緯度の昇順に並べられ、
上辺および下辺上に位置する隣接ノードのノードレコー
ドNRは経度の昇順に並べられる。また、非隣接ノード
のレコードNRについては、まず緯度の昇順に並べら
れ、緯度が同一座標の複数の非隣接ノードのレコードN
Rについては経度の昇順に並べられる。かかる並べ方に
よって、進入ノードの検索処理をさらに高速化すること
ができる。例えば、上記の並べ方の規則に従えば、図3
9の隣接ノードN10〜N20のノードレコードNR
は、N10→N11→N12→N13→N14→N15
→N16→N17→N18→N19→N20の順で、ユ
ニットU1の地図ファイルCF内に記録される。同様
に、隣接ノードN20〜N27のノードテーブルU2の
ノードレコードNRは、N20→N21→N22→N2
3→N24→N25→N26→N27の順で、ユニット
U2の地図ファイルCF内に記録される。さらに、ユニ
ットU3の地図ファイルCF内には、ノードN30→N
31→N32→N33→N34→N35→N36→N3
7→N38の順にノードレコードNRが記録される。
【0127】通常、経路探索処理では、読み込んだ地図
ファイルCF内で探索が広げられ、探索中のルートが隣
接ノードに到達した際には、その対応する隣接ユニット
NUが新たに読み込まれる。本実施形態では、隣接ユニ
ットNUの地図ファイルCFが読み込まれた際に、まず
前回読み込まれた地図ファイルCFと今回読み込まれた
地図ファイルCFとの、ユニットの間の境界上に存在す
る全隣接ノードの対応付けが行われる。この際に、前述
のようにノードテーブルにおいて、隣接ノードのノード
レコードNRが、上述した順位で記録されることによ
り、隣接ノードの対応付けを高速化することができる。
このため、例えば、ユニットU1の隣接ノードN12と
同じ位置を示すユニットU3の隣接ノードN35が見つ
かれば、ユニット1の次の隣接ノードN13に対応する
ユニット3の隣接ノードN36は必ずN35の次のレコ
ードに並んでいる。また同様に、ユニット2の隣接ノー
ドN20に対応するユニット1の隣接ノードN16が見
つかれば、ユニット2の次の隣接ノードN21に対応す
るユニット1の隣接ノードN17は必ずN16の次のレ
コードに並んでいる。このように、前述のような規則性
に従って隣接ノードを並べることにより、隣接ユニット
間における隣接ノードの検索処理を高速化することがで
きる。
【0128】さて、ステップS304で進入ノードが見
つかると、データ処理部13は、進入ノードN20の接
続先情報(ノードレコード番号またはオフセットアドレ
ス)を参照して、ユニットU2の地図ファイルCF(よ
り具体的には、第1または第2のリンクテーブル)か
ら、当該進入ノードN20に接続されたリンクL20の
リンクレコードLR(図30および図31参照)を探し
出す。以下では、進入ノードN20に接続されたリンク
L20を進入リンクL20と呼ぶこととする。その後、
データ処理部13は、探し出したリンクレコードLRか
ら、進入リンクL20の属性情報を取り出す(ステップ
S305)。
【0129】次に、データ処理部13は、ステップS3
01で取り出した脱出リンクL12の属性情報と、ステ
ップS305から取り出した進入リンクL20の属性情
報が同じか否かを判断する(ステップS306)。デー
タ処理部13は、2つの属性情報が互いに異なると判断
した場合、ステップS303に戻って、新しい進入ノー
ドNを探す。ここで、本実施形態では、図2を参照して
説明したように、互いに異なる縮尺の地図を表すいくつ
かの地図ファイルCFが第1の記憶装置19には格納さ
れている。下位階層の地図ファイルCFは、詳細な道路
網を表すことができるので、2つのノード座標の差分値
が所定の閾値以下であれば、両ノードNが同じ位置を示
す確率が相対的に高くなる。しかしながら、上位階層の
地図ファイルCFは粗い道路網しか表すことができない
ので、2つのノード座標の差分値が所定の閾値以下であ
っても、両ノードNが同じ位置を示す確率は相対的に低
くなる。本実施形態では、ステップS306において脱
出リンクおよび進入リンクの属性を一致/不一致を判断
することにより、データ処理部13が、ある道路から別
の道路をたどることなく、同じ1本の道路を正確にたど
るようにしている。つまり、ステップS306の処理
は、下位階層の地図ファイルCFに対して実行されなく
ともよい。
【0130】データ処理部13は、ステップS306で
脱出リンクL12および進入リンクL20の属性情報が
一致していると判断すると、1本の道路を正確にたどっ
ているとみなして、図38のフローチャートから抜け
て、図34のステップS107に進む。データ処理部1
3は、今回の読み込み続けた地図ファイルCFの階層で
の探索終了条件を満たしたと判断した場合、出発地SP
側の経路と目的地DP側の経路がつながったかどうかを
判断する(ステップS108)。データ処理部13は、
出発地SP側と目的地DP側の経路とがつながっている
場合には、両地点間の最短ルートが求まったと判断し、
経路探索処理を終了する。一方、出発地SP側と目的地
DP側との経路がまだつながっていない場合には、デー
タ処理部13は、ステップS109に進み、1つ上位の
階層に移行して、広域かつ粗い道路網を表す地図ファイ
ルCFを使って経路探索処理を続行する。
【0131】次に、ある下位階層から上位階層への以降
処理について詳細に説明する。この時、データ処理部1
3は、下位階層における探索処理の終点となるノードN
(探索中のルートの終点)から、上位階層の地図ファイ
ルCF内に存在しかつ同じ位置を示すノードNへと移行
する。したがって、データ処理部13が上位階層への移
行処理を確実に行うためには、上位階層の地図ファイル
CFに含まれるすべてのノードNが、その子ユニットC
Uの各ノードNから必ず検索できる必要がある。
【0132】従来では、かかる検索を実現するために、
下位階層のノードNと同じ位置を示すに上位階層のノー
ドNのノード番号やオフセットアドレス等がノードレコ
ード内に記録されるという方法が採用されていた。しか
し、このような上位階層の地図ファイルの内部データ構
造に関わる情報が下位階層の地図ファイルに記録される
と、上位階層の地図ファイルが更新された場合、下位階
層の地図ファイルも更新されなければ、下位階層から上
位階層への移行処理をスムーズに行えなくなるという問
題点があった。そこで、本実施形態では、各地図ファイ
ルCFには、上位階層の地図ファイルCFの内部データ
構造に直接関わるような情報は記録されず、階層移行を
行う際にノードの座標情報やリンクの属性情報が参照さ
れる。しかし、この場合、一般的に上位階層の地図ファ
イルCFが表す地図は、下位階層の地図ファイルCFが
表す地図に比べて座標の分解能が低い。そのため、図4
0に示すように、下位階層および上位階層の地図ファイ
ルCFでは互いに異なる座標をもっていた2つのノード
Nが、上位階層の地図ファイルCFにおける座標の丸め
誤差のために、同一の座標をもってしまう可能性があ
る。したがって、ノード座標だけでは、下位階層のノー
ドNと一致する上位階層のノードNを一意に特定するこ
とはできない。
【0133】そこで、本実施形態では、ノード座標だけ
でなく、ノードレコードNRの記録順序(並び方)が利
用される。すなわち、前述のように第1または第2のノ
ードテーブルにおけるノードレコードNRの並びの順
は、隣接ノード、非隣接ノード共に明確に規定されてい
る。このため、座標の丸め誤差が生じるような上位階層
のユニットUにおいても、丸め誤差が生じる前の正規化
経度緯度座標を利用して、座標の昇順でノードレコード
NRが記録される。これによって、データ処理部13
は、下位階層のノードNから、同じ位置を示しかつ上位
階層の親ユニットPUに含まれるノードNを検索する場
合にも、下位階層ユニットU内に記録されているノード
Nの内で、親ユニットUにも記録されており、かつ上位
階層で丸め誤差が生じた場合に同一座標になると考えら
れるノードNの中から、ノードレコードNRの記録順序
に基づいて、親ユニットPU内で対応するノードNを一
意に特定することができる。
【0134】より具体的には、前述のように地図ファイ
ルCFでは、相対的に1階層上の親ユニットPUは、そ
の子ユニットCUに対して、経度方向および緯度方向共
に8倍のユニット幅を有する。その一方で、階層には関
係なく、各ノードは、ユニットUの経度方向および緯度
方向共に8000h(16ビット)で正規化した正規化
座標をもつ。すなわち、親ユニットPUは子ユニットC
Uに対して、その座標分解能が、経度方向および緯度方
向共に1/8であるということができる。このため、子
ユニットCUの正規化経度および正規化緯度座標16ビ
ットの内、上位13ビットが同じ値をもつノードNは、
その親ユニットPUにおいて同一の正規化座標をもつこ
とになる。
【0135】例えば、図41に示すように、子ユニット
CUに記録されている5つのノードNa、Nb、Nc、
Nd、Neの正規化経度および正規化緯度座標16ビッ
トの内、その上位13ビットが同じ値をもち、かつこの
内の4つのノードNa、Nc、Nd、Neの親となるノ
ードNa2、Nc2、Nd2およびNe2が親ユニット
PUに記録されている(各ノードレコードNRに、親ノ
ードPUが存在することを示すフラグあるいはコードを
記録している)とする。この場合、図42に示すよう
に、子ユニットCUのノードテーブルには、ノードN
a、Nb、Nc、NdおよびNeの5個のノードレコー
ドNRは、緯度および経度の昇順に従って(前述)、N
a→Nb→Nc→Nd→Neの順に記録されている。な
お、この際、ノードNa、Nb、Nc、NdおよびNe
の5個のノードレコードNRは、ノードテーブル内で必
ずしも連続しているわけではない。
【0136】親ユニットPUのノードテーブルを作成す
る際には、上記5個のノードレコードNRの並びの順に
基づいて、ノードNa、Nc、NdおよびNeそれぞれ
に対応する親ノードNa2、Nc2、Nd2およびNe
2のノードレコードNRが、この順に記録(必ずしも連
続して記録する訳ではない)される。この結果、下記の
ようにして、子ユニットCUに記録されているノードN
dに対する、親ユニットPUにおける親ノードNd2を
特定することができる。最初に、子ユニットCUのノー
ドNdは、ノードテーブルにおいて、その正規化座標1
6ビットの内の上位13ビットが同じノードNで、かつ
親ノードNが存在するものの内の3番目のノードレコー
ドNRに記録されている。次に、子ユニットCUにおけ
るノードNdの正規化座標から、親ユニットPUにおけ
る正規化座標が算出される。次に、算出した正規化座標
をもつノードNが、親ユニットPUのノードテーブルか
ら探し出される。その結果、図41および図42の例で
は、4つのノードNa2、Nc2、Nd2およびNe2
が検出される。次に、子ユニットCUのノードNdに対
応する親ノードNdは、上述したように、これらノード
Na2、Nc2、Nd2、Ne2の4つのノードの内の
3番目に記録されているはずなので、ノードNdの親ノ
ードはNd2であることが分かる。
【0137】以上のように、データ処理部13は、上位
階層に移行した後、その上位階層でステップS103か
らステップS108までの処理を繰り返し、出発地SP
側と目的地DP側の探索がつながった時点で経路探索処
理を終了する。
【0138】以上のように、本願発明で用いる地図デー
タは矩形領域で区切られたユニット単位でファイル化さ
れ、かつこれらの各ユニットには、同一階層内の隣接ユ
ニット間においても、上下階層に存在する親子ユニット
間においても、他ユニット内の内部データ構造に関係す
るようなレコード番号や記録アドレス等を一切記録して
いないため、任意の範囲、任意の階層のユニットファイ
ルを置き換えることにより、地図データの更新を柔軟に
行うことができる。
【0139】「地図ファイルCFの送受信処理」近年、
センタ局2から端末装置1へと地図を提供するようなシ
ステムが研究・開発がされている。かかるシステムによ
り、端末装置1は、必要な時に必要な地図を得ることが
できる。そのため、センタ局2の第2の記憶装置24に
は、一般的に、端末装置1側の第1のデータベース11
1よりも大規模な第2のデータベース25が準備されて
いる。本実施形態では、第1のデータベース111およ
び第2のデータベース25には、上述したファイルシス
テムによりいくつかの地図ファイルCFが管理されてい
る。そして、以下に説明するようにして、センタ局2お
よび端末装置1とは地図ファイルCFの送信および受信
を行う。
【0140】まず、端末装置1はセンタ局2に地図ファ
イルCFの送信を要求する。図43(a)は、端末装置
1がある地図ファイルCFの送信をセンタ局2に要求す
る際の処理手順を示すフローチャートである。また、図
43(b)は、図43(a)の処理手順により送信され
る制御データとしての要求REQのフォーマットを示す
図である。端末装置1のユーザは、第1の記憶装置19
に、新しい地図ファイルCFを追加したい場合、また
は、古い地図ファイルCFを新しいものに更新したい場
合、入力装置11を操作して、地図の要求・受信機能を
起動する。次に、ユーザは、出力装置110のディスプ
レイに表示されるメニュー画面に従いつつ、入力装置1
1を操作して、必要な地図の範囲および階層(レベル)
を入力する。入力装置11は、ユーザの入力に応答し
て、地図の範囲および階層を示す情報をデータ処理部1
3に出力し指定する(ステップS401)。ここで、地
図の範囲の入力には、ディスプレイに表示される広域地
図に対して所望の範囲をユーザが入力装置11を用いて
矩形領域で囲って指定したり、住所索引を使って地域を
ユーザが入力装置11で指定したりする方法がある。
【0141】データ処理部13は、入力装置11から出
力された範囲および階層の情報が入力されると、当該範
囲情報を経度・緯度座標に変換する。データ処理部13
は、経度・緯度座標および階層の情報を要求生成部14
に出力する。要求生成部14は、入力された経度・緯度
座標および階層の情報を用いて、図43(b)に示すフ
ォーマットの要求REQを生成する(ステップS40
2)。図43(b)において、要求REQは、ユーザが
必要とする地図ファイルCFの階層を示す情報と、当該
地図ファイルCFが表す地図の範囲を特定する経度・緯
度座標とから構成される。ここで、経度・緯度座標は、
より具体的には、ユーザが広域地図を矩形領域で囲って
指定する場合に、その左下経度座標、左下緯度座標、右
上経度座標および右上緯度座標からなる。要求生成部1
4は、生成した要求REQを第1の送受信部15に出力
し、当該第1の送受信部15は、アンテナ16を通じ
て、入力された要求REQをアップリンクULに送出す
る(ステップS403)。
【0142】次にセンタ局2における地図ファイルCF
の送信処理について説明する。端末装置1から送出され
た要求REQは、通信網3のアップリンクULを通じ
て、センタ局2の第2の送受信部21により受信され
る。第2の送受信部21は、受信した要求REQを受信
要求解析部22に出力する。ここで、図44は、センタ
局2が要求REQの受信後に実行する処理手順を示すフ
ローチャートである。受信要求解析部22は、入力され
た要求REQを解析して、解析結果を読み出し制御部2
3に出力する。読み出し制御部23は、解析結果により
特定される地図ファイルCFを第2のデータベース25
から検索する(ステップS501)。ここで、要求RE
Qには、端末装置1が要求した地図ファイルCFの階層
(レベル)、および当該地図ファイルCFが表す地図の
左下経度座標、左下緯度座標、右上経度座標、および右
上緯度座標が記述されている。そこで、受信要求解析部
22は、まず、要求REQから左下経度座標および左下
緯度座標を取り出し、当該左下経度座標および左下緯度
座標を代表点として、図35のフローチャートで示した
処理手順に従って、要求された地図ファイルCFのパス
名を導出する。
【0143】次に、受信要求解析部22は、導出したパ
ス名を有する地図ファイルCFが第2の記憶装置24に
格納されているか否かを調べる(ステップS502)。
地図ファイルCFが格納されていない場合、センタ局2
は図44の処理を終了する。一方、地図ファイルCFが
格納されている場合、読み出し制御部23は、受信要求
解析部22により導出されたパス名を受け取って、当該
パス名に従って第2の記憶装置24から、要求された地
図ファイルCFを読み出す。読み出し制御部23は、読
み出した地図ファイルCFをパケット組み立て部25の
メモリに転送する。これによって、パケット組み立て部
25は、要求された地図ファイルCFを内部に読み込む
(ステップS503)。パケット組み立て部25は、読
み込んだ地図ファイルCFを基にパケットPを組み立て
て(ステップS504)、第2の送受信部21に出力す
る。第2の送受信部21は、入力されたパケットPをダ
ウンリンクDLに送出する(ステップS505)。な
お、ステップS504の詳細については後述される。
【0144】ステップS505が終了すると、受信要求
解析部22は、要求REQで指定される範囲の地図ファ
イルCFが第2のデータベース25にさらに存在するか
否かを調べるために、前回のステップS501で指定し
た代表点座標に、要求REQで指定されるレベルの経度
幅Wおよび緯度幅Hを加算して、当該加算値を、新しい
代表点として設定する。さらに、受信要求解析部22
は、新しい代表点の経度座標および緯度座標が要求RE
Qで指定される右上経度座標および右上緯度座標を越え
ているか否かを判断する。新しい代表点の経度座標およ
び緯度座標が右上経度座標および右上緯度座標を越えて
いなければ、センタ局2では、引き続きステップS50
2〜S505を処理が実行され、もう1つの地図ファイ
ルCFを基に組み立てられたパケットPが端末装置1に
送信される。新しい代表点の経度座標および緯度座標が
右上経度座標および右上緯度座標を越えていれば、要求
された地図ファイルCFをすべて端末装置1に送信した
として、センタ局2は図44の処理を終了する。以上の
ステップS501〜S505を繰り返すことにより、セ
ンタ局2は、端末装置1が要求した通りのレベルおよび
範囲の地図を表す地図ファイルCFを当該端末装置1に
送信することができる。
【0145】ここで、図45は、地図ファイルCFから
パケットPが組み立てられるまでの過程における、各デ
ータの構造を示している。ステップS503の終了時点
で、パケット組み立て部25の内部には、図45(a)
に示すように、1つの地図ファイルCFが読み込まれて
いる。パケット組み立て部25は、ステップS504を
実行する。ここで、図46は、ステップS504の詳細
な処理手順を示すフローチャートである。以下、図45
および図46を参照して、パケット組み立て部25の処
理を詳細に説明する。最初に、パケット組み立て部25
は、内部に読み込んだ地図ファイルCFを基に、マスタ
データMDを作成する(ステップS601)。マスタデ
ータMDは、図45(b)に示すように、データヘッダ
DHとデータ部とから構成される。ここで図47は、マ
スタデータMDの詳細な内部データ構造を示す。図47
において、データヘッダDHは、ユニットIDおよびバ
ージョンコードから構成される。ユニットIDは、この
マスタデータMDの基礎となる地図ファイルCFを特定
するためのコードである。バージョンコードは、このマ
スタデータMDの基礎となる地図ファイルCFのフォー
マットバージョンおよびコンテンツバージョンを表すコ
ードである。なおユニットID、バージョンコード共に
地図ファイルCFのユニットヘッダ(図7参照)に格納
されている情報であり、地図ファイルCFがパケット組
み立て部25に読み込まれた時点で、当該パケット組み
立て部25により取り出され保持される。なお、これら
ユニットIDとバージョンコードは、後述する端末装置
1の処理において使用される。
【0146】またマスタデータMDのデータ部には、地
図ファイルCFそのものが設定される。ところで、地図
ファイルCFは、前述したように、各種テーブルから構
成される(図7参照)。これら各テーブルには互いに、
他のテーブルを参照し合うような情報は記録されない。
言い換えれば、端末装置1は各テーブルを独立的に使用
することができる。例えば、図8(a)に示すように、
端末装置1は、基本背景テーブルのみを出力装置110
に表示することができる。つまり、各テーブルは、互い
に分離可能なデータ構造を有する。そのため、データ部
は、基本背景テーブル、基本文字記号テーブル、主要道
ノードテーブル、主要道リンクテーブルの基本データ
(つまり、大略的な地図を表すデータ)のみから構成さ
れても良い。また、データ部は、詳細背景テーブル、詳
細文字記号テーブル、細街路ノードテーブル、細街路リ
ンクテーブルの詳細データのみから構成されても良い。
以上のように、地図ファイルCFの一部分がデータ部に
設定される場合がある。
【0147】なお、図7に示すように、ユニットヘッダ
には、ユニットIDおよびバージョンコードが含まれ
る。このユニットIDおよびバージョンコードは、デー
タヘッダDH(図47参照)に含まれる。したがって、
マスタデータMDのデータ部に、ユニットIDおよびバ
ージョンコードが設定されると、マスタデータMD内に
2個のユニットIDおよびバージョンコードが含まれる
ことになる。そのため、このデータ部にはユニットID
とバージョンコードは含まれなくとも良い。
【0148】パケット組み立て部25は、以上のように
して生成されたマスタデータMDをi個に分割する。こ
れによって、図45(c)のように、i個のセグメント
データSD1〜SDiが生成される(ステップS60
2)。このステップS602において、パケット組み立
て部25は、マスタデータMDに含まれるデータヘッダ
DHおよびデータ部(つまり地図ファイルCF)を意識
しない。つまり、いずれかのセグメントデータSDに、
データヘッダDHの一部と、データ部の一部とが混在す
る場合も起こりうる。これらi個のセグメントデータS
Dには、番号(以降、セグメント番号と称す)が付加さ
れる。このセグメント番号は、セグメントデータ相互で
重複せず、かつ連続する番号であることが好ましい。な
ぜなら、後述する端末装置1の処理が容易になるからで
ある。
【0149】さらに、パケット組み立て部25は、i個
のセグメントデータSD1〜SDiに、誤り訂正符号
(または誤り検出符号)を付加する(ステップS60
3)。これによって、図45(d)に示すように、i個
のセグメントデータ(誤り訂正符号付き)SD1〜SD
iが生成される。パケット組み立て部25はさらに、各
セグメントデータ(誤り訂正符号付き)SD1〜SDi
をj個に分割する。これによって、図45(e)に示す
ように、1個のセグメントデータSDにつき、j個のパ
ケットが生成される(ステップS604)。以上の処理
の結果、パケット組み立て部25は、1つの地図ファイ
ルCFを基に、全部でi×j個のパケットP11,P1
2,…,P1j,…Pijを生成する。また、これらi
×j個のパケットP11,P12,…,P1j,…Pi
jにはそれぞれ、番号(以降、パケット番号と称す)が
付加される。このパケット番号は、パケット毎で互いに
重複しないようにかつ連続する番号であることが好まし
い。なぜなら、後述する端末装置1の処理が容易になる
からである。このパケット番号により、端末装置1は、
別々に送信されるi×j個のパケットP11,P12,
…,P1j,…Pijが、すべて揃ったかどうかを容易
に判断できるようになる。このステップS604が終了
すると、パケット組み立て部25は、サブルーチンであ
る図46の処理から抜けて、図44の処理に戻る。そし
て、ステップS505の処理が行われる。以上の各パケ
ットP11,P12,…,P1j,…Pijは、ステッ
プS505において、第2の送受信部21から、通信網
3(ダウンリンクDL)に順次送出され、端末装置1に
送信される。
【0150】次に、図48のフローチャートを参照し
て、端末装置1における地図ファイルCFの受信手順に
ついて説明する。センタ局2より送信された各パケット
P11,P12,…,P1j,…,Pijは、通信網3
を通じて、端末装置1のアンテナ16に入力される。第
1の送受信部15は、アンテナ16から出力されるパケ
ットP11,P12,…,P1j,…Pijを順次受信
する(ステップS701)。また、第1の送受信部15
は、図示しないバッファメモリを有する。第1の送受信
部15は、受信された各パケットP11,P12,…,
P1j,…Pijを、バッファメモリに順次格納する。
パケット分解部17は、第1の送受信部15のバッファ
メモリに定期的にアクセスして、センタ局2により送信
されたi×j個のパケットP11,P12,…,P1
j,…,Pijがバッファメモリ内に揃っているか否か
を判断する(ステップS702)。ステップS702の
判断は、各パケットP11,P12,…,P1j,…,
Pijに付加されたパケット番号に基づいて行われる。
より具体的には、パケット番号が連番であれば、パケッ
ト分解部17は、1から(i×j)までのパケット番号
が全て揃っているか否かを判断する。
【0151】ステップS702で、パケットPが全て揃
っていない場合、パケット分解部17はステップS70
3に進まず、ステップS701が再度実行される。その
結果、第1の送受信部15は、不足分のパケットPをや
がて受信する。一方、ステップS702で、パケットP
が全て揃っている場合、パケット分解部17は、ステッ
プS703に進む。パケット分解部17は、ステップS
701で受信されたパケットP11,P12,…,P1
j,…PijからマスタデータMDを分解(デアセンブ
リ)する(ステップS703)。ステップS703の間
に、誤り訂正も必要に行われる。分解されたマスタデー
タMDはデータ処理部13に出力される。データ処理部
13は、入力されたマスタデータMDを基に地図ファイ
ルCFを作成して、作成した地図ファイルCFを読み出
し/書き込み制御部18と協働してを第1の記憶装置1
9に格納する(ステップS704)。
【0152】ステップS704の後、データ処理部25
は、受信すべき一連のパケットPがまだあるか否かを判
断する(ステップS705)。受信すべきパケットPが
ある場合、ステップS701に戻り、パケットPの受信
処理が引き続き行われる。一方、受信すべきパケットP
がない場合には、図48の処理を終了する。ここで、図
49は、図48のステップS703の詳細な処理手順を
示すフローチャートである。また、図50は、パケット
P11,P12,…,P1j,…Pijから地図ファイ
ルCFが作成されるまでの過程における各データの構造
を示している。上述から明らかなように、図48のステ
ップS703が開始される時点で、第1の送受信部15
には、図50(a)に示すように、一連のパケットP1
1,P12,…,P1j,…,Pijが揃っている。パ
ケット分解部17は、第1の送受信部15にバッファさ
れているパケットP11,P12,…,P1j,…,P
ijから、処理すべきパケットPを得る(ステップS8
01)。今、パケット分解部17はパケットP11,P
12,…,P1jを得ると仮定する。
【0153】次に、パケット分解部17は、ステップS
801で得られた各パケットPからパケット番号を外
す。パケット分解部17は、番号が外された各パケット
Pを一まとめにして、図50(b)に示すように、1つ
のセグメントデータSDを復元する(ステップS80
2)。上述の仮定に従うと、パケットP11,P12,
…,P1jが一まとめにされ、その結果、セグメントデ
ータSD1が復元される。各セグメントデータSDには
誤り訂正符号(または誤り検出符号)が付加されてい
る。ステップS802の次に、パケット分解部17は、
誤り訂正符号を利用して、復元されたセグメントデータ
(誤り訂正符号付き)SDに生じている可能性がある誤
りを訂正する(ステップS803)。次に、パケット分
解部17は、セグメントデータ(誤り訂正符号付き)S
Dから誤り訂正符号を外し、これによって、図50
(c)に示すように、セグメントデータ(誤り訂正符号
なし)SDが復元される(ステップS804)。復元さ
れたセグメントデータSDは、パケット分解部17の記
憶領域に保持される。上述の仮定に従うと、セグメント
データSD1に誤り訂正が施された後、パケット分解部
17の記憶領域に保持される。
【0154】ステップS804の次に、パケット分解部
17は、第1の送受信部15内に、処理すべきパケット
Pが残っているか否かを判断する(ステップS80
5)。処理すべきパケットPが残っている場合、パケッ
ト分解部17はステップS801に戻って、ステップS
801〜S804を行って、図50(a)〜(c)に示
すように、パケットPからセグメントデータSDを復元
する。本説明では、図49の処理の開始時点で、第1の
送受信部15には、(i×j)個のパケットPがある。
したがって、ステップS701〜S705で構成される
ループはi回繰り返される。その結果、i個のセグメン
トデータSD1〜SDiが復元される。このループが必
要回数だけ繰り返されると、第1の送受信部15内に
は、処理すべきパケットPがなくなる。この状態で、ス
テップS805の判断が行われると、パケット分解部1
7は、ステップS806に進む。処理すべきパケットP
がなくなった時点で、i個のセグメントデータSD1〜
SDiがパケット分解部17に保持される。また、上述
したように、各セグメントデータSD1〜SDiには、
セグメント番号が付されている。パケット分解部17
は、このセグメント番号に従って、つまりセグメント番
号が連続するように、セグメントデータSD1〜SDi
を順番に並べる。その後、セグメント番号は、各セグメ
ントデータSD1〜SDiから取り外される。パケット
分解部17は、セグメント番号が取り外されたセグメン
トデータSD1〜SDiを一まとめにする。その結果、
図50(d)に示すように、マスタデータMDが復元さ
れる(ステップS806)。復元されたマスタデータM
Dは、データ処理部13に出力される(ステップS80
7)。
【0155】なお、本地図提供システムに限らず、通信
システムでは通信障害が起こりうる。したがって、端末
装置1は、全てのセグメントデータSDを正しく復元で
きるとは限らない。ここで、正しく復元されたセグメン
トデータSDとは、センタ局2が生成したものと同じセ
グメントデータSDを意味する。例えば、セグメントデ
ータSD2が正しく復元されなかった場合であって、他
のセグメントデータSD1、SD3〜SDiが正しく復
号された場合を想定する。かかる場合、パケット分解部
17は、セグメントデータSD1、SD3〜SDiに付
加された誤り訂正符号を利用して、セグメントデータS
D2を正しいものに復元することもできる。
【0156】データ処理部13は、マスタデータMDの
入力に起因して、ステップS704を開始する。このス
テップS704は、上述したように、マスタデータMD
から地図ファイルCFを作成する処理と、作成された地
図ファイルCFを第1の記憶装置19に格納するための
処理である。ここで、図51は、図48のステップS7
04の詳細な処理の手順を示すフローチャートである。
まず、データ処理部13は、入力されたマスタデータM
DのデータヘッダDHから、ユニットIDを取り出す
(ステップS901)。前述のようにユニットIDは、
当該ユニットのパス名と相互に変換できるように付与さ
れている。データ処理部13は、取り出したユニットI
Dから、マスタデータMD内の地図ファイルCFのパス
名を導出する。
【0157】データ処理部13は、ステップS902で
導出したパス名をもつ地図ファイルCFが既に、第1の
記憶装置19内に格納されているかどうかを判断する
(ステップS903)。もし格納されていなければ、デ
ータ処理部13は、マスタデータMDからデータヘッダ
DHを取り外して、地図ファイルCFを得る。そして、
データ処理部13は、導出したパス名および今回受信し
た地図ファイルCFとを読み出し/書き込み制御部18
に転送する。読み出し/書き込み制御部18は、転送さ
れてきたパス名に従って、今回受信した地図ファイルC
Fを第1の記憶装置19に格納する。これによって、第
1のデータベース111には、新しい地図ファイルCF
が追加されることとなる。
【0158】一方、ステップS903において、ステッ
プS902で導出したパス名をもつ地図ファイルCF
が、第1の記憶装置19内に既に存在すると判断された
場合の処理について説明する。この場合、データ処理部
13は、ステップS904に進んで、マスタデータMD
のデータヘッダDH内に格納されているバージョンコー
ドを取り出す。さらに、データ処理部13は、読み出し
/書き込み制御部18と協働して、ステップS902で
導出したパス名を持つ地図ファイルCFを第1の記憶装
置19から読み込む。データ処理部13は、第1の記憶
装置19から読み込んだ地図ファイルCFのユニットヘ
ッダ内に記録されたバージョンコードを取り出し、ステ
ップS904で取り出したバージョンコードと比較す
る。データ処理部13は、マスタデータMDから取り出
したバージョンコードの方が新しいと判断された場合に
は、ステップS906に進み、マスタデータMDのデー
タ部のみを取り出して、新しいバージョンの地図ファイ
ルCFを第1の記憶装置19に格納する。これによっ
て、第1のデータベース111において、古い地図ファ
イルCFは、新しいものに更新される。
【0159】逆に、データ処理部13は、第1の記憶装
置19から読み込んだ地図ファイルCFの方が新しいと
判断した場合には、受信したマスタデータMDを破棄す
る。つまり、今回受信した地図ファイルCFは第1の記
憶装置19には格納されない。以上のように、本実施形
態に係る地図ファイルCFは、複数の縮尺の地図をユニ
ット単位で区切ってデジタルデータ化されることにより
生成される。各地図ファイルCFの記録領域(論理領
域)は、その親子関係および隣接関係を表すツリー構造
で特定されるパス名で表現される。これによって、各地
図ファイルCFは効率的に管理される。これによって、
1つのユニットUには、他のユニットのデータ構造に関
連する情報が記録されないので、複数のユニットUの間
の関係が薄くなる。これによって、ある1つの地図ファ
イルCFを更新した場合であっても、それ以外の地図フ
ァイルCFを更新する必要がなくなる。このように、本
実施形態に係る地図ファイルCFによれば、第1の記憶
装置19における地図ファイルCFの新規格納処理およ
び更新処理が非常に簡単になる。
【0160】また、このような各地図ファイルCFにお
いて、互いに隣接するユニットUの境界をまたがる道路
網の接続をたどる際に、データ処理部13は、脱出ノー
ドおよび進入ノードの座標情報、ならびに/もしくは脱
出リンクおよび進入リンクの属性情報を参照する。つま
り、データ処理部13は、隣接ユニットNUに記録され
たノードNまたはリンクLのレコード番号またはオフセ
ットアドレスのような、隣接ユニットNUの内部データ
構造に関わる情報を参照しない。そのため、第1の記憶
装置19内のある1つの地図ファイルCFが更新された
場合においても、隣接ユニットNUの地図ファイルCF
を更新することなく、互いに隣接し合う地図ファイルC
Fの道路網の接続を正確にたどることができる。
【0161】また、本実施形態では、あるユニットUお
よび隣接ユニットNUの境界をまたがる道路網の接続を
たどる際に、隣接ユニットNU側の進入ノードおよび進
入リンクを検索する必要が出てくる。しかしながら、各
ユニットUにおいて、ノードレコードNRおよびリンク
レコードLRの並び方は予め規定されている。これによ
って、進入ノードおよび進入リンクの検索処理を高速化
することができる。
【0162】また、本実施形態では、経路探索処理にお
いて、データ処理部13は、下位階層のあるノードNか
ら、それと同じ位置を示すノードNを上位階層の地図フ
ァイルCFから探し出す場合がある。この場合において
も、上下階層のユニットUの間においても、子ユニット
CU側に親ユニットPUの内部データ構造に関わる情報
が記録されず、親ユニットPU側に子ユニットCUの内
部データ構造に関わるような情報が記録されないので、
上位の階層の地図ファイルCFだけが更新されたような
場合においても、その子ユニットCUを表す地図ファイ
ルCFを全て更新するような必要性は生じない。
【0163】また以上のように、ユニットUのように部
分的な領域の地図だけが新しいものに更新されたような
場合においても、隣接ユニット間および上下階層間での
データの整合性は保持されるため、センタ局2が端末装
置1などに有線あるいは無線で地図ファイルCFを提供
する場合においても、端末装置1が必要とする地図ファ
イルCFのみを送信することができる。これによって、
データ送信時間および通信コストの低減につながる。
【0164】なお、以上の実施形態は、端末装置1の一
例としてカーナビゲーションシステムを想定して説明し
た。しかし、パーソナルコンピュータ内に地図ファイル
CFのデータベースを作成して、当該パーソナルコンピ
ュータが地図を表示したり、経路探索を行ったりするよ
うな用途にも、本実施形態は適用することができる。つ
まり、本実施形態は、移動可能な端末装置に限らず、据
え置き型の端末装置にも適用することができる。また、
据え置き型の端末装置に対しては、通信網3は無線伝送
路である必要性はなく、有線であってもよい。
【0165】なお、本実施形態では、端末装置1は、セ
ンタ局2と通信網3を通して双方向通信を行って、ユー
ザが必要とする地図の範囲をセンタ局2に通知し、当該
範囲に対応する地図ファイルCFを受信していた。しか
し、センタ局2は、放送形式で、地図ファイルCFを端
末装置1に送信してもよい。
【0166】なお、本実施形態では、第1のデータベー
ス111および第2のデータベース25は、レベル
「0」〜「3」までの4段階の階層構造を有する地図フ
ァイルCFから構成されていた。しかし、第1のデータ
ベース111および第2のデータベース25は、4階層
に限らず、何階層の地図ファイルCFから構成されても
構わない。また、本実施形態では、各階層地図は経度方
向および緯度方向に等間隔に分割され、これによって矩
形領域(ユニットU)が形成されていた。しかし、各階
層の地図ファイルCFのデータ量がほぼ一定になるよう
に、各階層地図は、経度方向および緯度方向に様々な間
隔で分割されてもよい。ただし、この場合、各地図ファ
イルCFには、経度方向および緯度方向に沿う分割サイ
ズを特定する情報を付加する必要がある。
【0167】また、本実施形態では、地図ファイルCF
は、ユニットU単位で作成されていた。しかし、地図フ
ァイルCFは、複数のユニットUと、当該複数のユニッ
トUを管理するための管理情報とから構成されてもよ
い。この場合、地図ファイルCFの更新の容易さを確保
するために、1つの地図ファイルCFにまとめるユニッ
トUの個数は最大64個程度で、かつまとめられたユニ
ットUを管理するための管理情報は複雑にならないよう
にすることが望ましい。
【0168】また、1つの地図ファイルCFにおいて、
隣接ノードのノードレコードNRは、当該ユニットUの
境界を一周するような順序で記録されてもよい。今、記
録順序の一例として、隣接ノードのノードレコードNR
は、ユニットUの左下隅から時計周りの順序に従って記
録されると仮定する。この仮定下では、図39に示すユ
ニットU1に含まれる隣接ノードのノードレコードNR
は、「N10」→「N11」→「N12」→「N13」
→「N14」→「N15」→「N18」→「N17」→
「N16」→「N20」→「N19」という順序で記録
される。また、ユニットU3に含まれる隣接ノードのノ
ードレコードNRは、「N30」→「N31」→「N3
2」→「N34」→「N33」→「N38」→「N3
7」→「N36」→「N35」という順序で記録され
る。さらに、ユニットU2に含まれる隣接ノードのノー
ドレコードNRは、「N20」→「N21」→「N2
2」→「N23」→「N24」→「N25」→「N2
7」→「N26」という順序で記録される。今、具体例
として、データ処理部13が、隣接ノードN14および
N15に対応する隣接ノードN37およびN38を検索
する場合について説明する。上述したように、ユニット
U1の地図ファイルCFでは隣接ノードN14→N15
の順序でノードレコードNRは記録される。一方、ユニ
ットU3の地図ファイルCFでは隣接ノードN38→N
37の順序でノードレコードNRは記録される。したが
って、データ処理部13が隣接ノードN14に対応する
隣接ノードN37を探し出せれば、隣接ノードN15に
対応する隣接ノードは、隣接ノードN37のノードレコ
ードNRの一つ手前に記録されている。そのため、デー
タ処理部13は、隣接ノードN15に対応する隣接ノー
ドをいち早く探し出すことができる。このように、隣接
ノードのノードレコードNRがユニットUの境界を一周
するような順序で記録されることにより、あるユニット
Nとその隣接ユニットとの境界上に並ぶ隣接ノードは、
それぞれの地図ファイルCFにおいて互いに逆順に連続
して並ぶこととなるので、データ処理部13は、あるユ
ニットの隣接ノートに対応する隣接ユニットの隣接ノー
ドを高速に見つけることができる。
【0169】「第2の実施形態」図52は、本発明の第
2の実施形態に係る地図提供システムの構成を示す。本
地図提供システムには、センタ局101と端末装置10
2とが収容される。センタ局101と端末装置102と
は無線伝送路103により接続される。無線伝送路10
3には、センタ局101から端末装置102へのダウン
リンクが少なくとも形成される。センタ局101は、地
図サーバ1011と、アンテナ1012とを備える。地
図サーバ1011には、第1の記憶装置1013と、読
み出し制御部1014と、パケット組み立て部1015
と、送信部1016とを含む。端末装置102は、典型
的には、カーナビゲーションシステムであって、アンテ
ナ1021と、受信部1022と、パケット分解部10
24およびファイル管理部1025を含むデータ処理部
1023と、第2の記憶装置1026とを備える。
【0170】次に、センタ局101の構成を説明する。
第1の記憶装置1013には、端末装置102に提供可
能な地図ファイルCFが1つ以上蓄積される。地図ファ
イルCFの詳細は後述される。第1の記憶装置1013
は、典型的には、ハードディスクドライブ、CD−RO
MドライブまたはDVD−ROMドライブから構成され
る。読み出し制御部1014は、必要に応じて第1の記
憶装置1013から、地図ファイルCFの一部分を、端
末装置102に提供すべき地図データCDとして読み出
す。この地図データCDの詳細は後述される。読み出さ
れた地図データCDは、パケット組み立て部1015に
出力される。
【0171】パケット組み立て部1015は、入力され
た地図データCDを基にパケットPを組み立てる(アセ
ンブリする)。パケット組み立て部1015の詳細な処
理およびパケットPの形式は、後述される。組み立てら
れたパケットPは送信部1016に出力される。送信部
1016は、入力されたパケットPを、アンテナ101
2を通じて無線伝送路103に送り出し、これによっ
て、地図データCDはパケットPとして端末装置102
に送信される。送信部1016およびアンテナ1012
は、典型的には、携帯電話等の移動体通信装置、もしく
は、地上波デジタル放送または衛星デジタル放送等の放
送装置により実現される。
【0172】次に、端末装置102の構成について説明
する。受信部1022は、センタ局101により送信さ
れたパケットPを、無線伝送路103を通じて受信す
る。アンテナ1021および受信部1022は、典型的
には、携帯電話等の移動体通信装置、もしくは、地上波
デジタル放送または衛星デジタル放送等の受信装置を用
いて実現される。受信部1022は、受信したパケット
Pをパケット分解部1024に出力する。パケット分解
部1024は、入力されたパケットPを分解(デアセン
ブリ)して、地図データCDを復元する。復元された地
図データCDはファイル管理部1025に出力される。
ファイル管理部1025は、入力された地図データCD
を、予め定められた手順に従って処理する。この処理の
手順は後述される。この処理により、地図ファイルCF
が作成される。地図ファイルCFは、センタ局101側
の地図ファイルCF地図データと同様の構造を有する。
地図ファイルCFの詳細は後述される。第2の記憶装置
1026は、読み出しおよび書き込みが可能で、大容量
の記憶媒体を有する。第2の記憶装置1026は、典型
的には、HDD、DVD−RAM駆動装置により構成さ
れる。この記憶媒体上に、ファイル管理部1025によ
り生成された地図ファイルCFが書き込まれる。また、
周知のように、第2の記憶装置1026はクラスタ単位
で記憶領域を管理する。
【0173】なお、データ処理部1023は、上記復号
やファイル管理以外にも、様々な処理(例えば、経路探
索、マップマッチングまたは経路案内)を行う。さら
に、データ処理部1023は、必要に応じて、第2の記
憶装置1026内の地図ファイルCFを部分的に取り出
して、後述する出力装置に出力する。また、端末装置1
02は、図示された構成以外にも、入力装置および出力
装置を備える。しかし、これらの処理、入力装置および
出力装置は、本願発明のポイントではなく詳説されず、
さらに図示もされない。入力装置および出力装置を簡単
に説明する。入力装置は、端末装置102のユーザによ
り操作される。ユーザは、入力装置を通じて、地図のス
クロールまたは縮尺変更等を、端末装置102に対して
要求する。また、出力装置は、主として、ディスプレイ
およびスピーカから構成される。ディスプレイには、必
要に応じて地図が表示される。さらに、ディスプレイに
は、データ処理部1023が行った経路探索処理または
経路案内処理の結果も表示する場合がある。スピーカ
は、データ処理部1023が行った経路案内処理の結果
を音声によりユーザに提供する。
【0174】次に、図53を参照して、各地図ファイル
CFの構造を説明する。まず、図53(a)のように、
ある範囲の地図αは、予め定めされた形状(本実施形態
では便宜上、矩形形状とされる)のM×N個(Mおよび
Nは任意の自然数)の領域に区画され、ユニットU0,0
〜UM-1,N-1 が作成される。ユニットU0,0 〜UM-1,
N-1 はそれぞれデータ化され、ユニットデータUD0,0
〜UDM-1,N-1 が生成される。ユニットデータUD0,0
〜UDM-1,N-1 は、後述するユニットレコードUR0,0
〜URM-1,N-1 の一部を構成する。地図ファイルCF
は、各ユニットU0, 0 〜UM-1,N-1 を基に作成され、第
1の記憶装置1013の所定アドレス領域に格納され
る。
【0175】各地図ファイルCFは、図53(b)のよ
うに、ファイルヘッダFHと、ユニット管理情報MI
UNITと、M×N個のユニットレコードUR0,0 〜UR
M-1,N-1とから構成される。ファイルヘッダFHには、
地図ファイルCF(地図α)がカバーする範囲を特定す
るための情報が記述される。より具体的には、ファイル
ヘッダFHは、最小の緯度LATMIN および経度LON
MIN 、最大の緯度LATMA X および経度LONMAX 、緯
度方向の実距離DLAT 、および経度方向の実距離D LON
とを含む。ここで、LATMIN 、LONMIN 、LAT
MAX およびLONMAXは、図53(a)に示すように、
地図αの最小緯度、最小経度、最大緯度および最大経度
を示す。また、DLAT およびDLON は、図53(a)に
示すように、地図αの緯度方向および経度方向の実際の
距離を示す。このように、LATMIN 、LONMIN 、L
ATMAX 、LONMAX 、DLAT 、およびDLON は、地図
ファイルCF(つまり地図α)がカバーする範囲を規定
する。ユニット管理情報MIUNITには、各ユニットレコ
ードUR0,0 〜URM-1,N-1を管理するための情報が記
述される。より具体的には、ユニット管理情報MIUN IT
は、地図ファイルCFに含まれるユニットレコードの数
NOUと、各ユニットレコードのオフセット値X0,0
M-1,N-1 とを含む。ここで、NOUは、M×Nの値で
ある。このオフセット値X0,0 〜XM-1,N-1 は、この地
図ファイルCFが格納されている先頭のアドレス(第1
の記憶装置1013における格納位置)から、各ユニッ
トレコードUR0,0 〜URM-1,N-1 が格納される先頭ア
ドレスまでのオフセットである。図53(b)には、ユ
ニットレコードUR0,0 のオフセット値X0,0 が例示さ
れている。
【0176】各ユニットレコードUR0,0 〜UR
M-1,N-1 は、ユニット管理情報MIUNITのオフセット値
0 〜XN-1 により特定されるアドレスを基準にして、
第1の記憶装置1013の記憶媒体に格納される。ま
た、ユニットレコードUR0,0 〜UR M-1,N-1 は、図5
4のように、ユニットデータUD0,0 〜UDM-1,N-1
含む。また、各ユニットデータUD0,0 〜UDM-1,N-1
には、ユニットヘッダUH0,0〜UHM-1,N-1 が付加さ
れる。これによって、各ユニットレコードUR0,0 〜U
M-1,N-1 が構成される。以下、各ユニットレコードU
Rを具体的に説明するために、ユニットレコードUR
0,0 を例に採り上げる。まず、ユニットデータUD0,0
は、図53に示すように、地図αが区画された領域の一
つをデータ化したものであり、対応するユニットU0,0
が表す領域の地図を構成する実データである。なお、以
下、説明を明確にするため、ユニットU0,0 が表す領域
の地図を地図β0,0 と記す。ユニットデータUD0,0
は、より具体的には、地図β0,0 について、背景データ
BD0,0、文字記号データCD0,0 、および道路ネット
ワークデータND0,0 から構成される。
【0177】背景データBD0,0 は、地図β0,0 上の河
川、鉄道、緑地帯、建造物、橋等を表示するための図形
データである。背景データBD0,0 は、図54に示すよ
うに、基本背景データテーブルBBD0,0 と、詳細背景
データテーブルDBD0,0 とから構成される。基本背景
データテーブルBBD0,0 には、図55(a)に示すよ
うに、河川、鉄道および緑地帯等、地図β0,0 上の基本
的な要素(つまり背景)を表示するための図形データが
記録される。詳細背景データテーブルDBD0, 0 には、
地図β0,0 の基本的な背景をより詳細に表示するため
に、図55(b)のように、建造物、橋等の図形データ
が記録される。
【0178】また、基本背景データテーブルBBD0,0
および詳細背景データテーブルDBD0,0 は、図54に
示すように互いに独立した構造を有する。これによっ
て、センタ局101と端末装置102とは、基本背景デ
ータテーブルBBD0,0 および詳細背景データテーブル
DBD0,0 を分離して、独立的に用いることが可能とな
る。つまり、端末装置102は、図55(a)のよう
に、基本背景データテーブルBBD0,0 を単体で表示す
ることができる。さらに、端末装置102は、図55
(c)のように、基本背景データテーブルBBD0,0
詳細背景データテーブルDBD0,0 を重畳して表示する
こともできる。また、地図β0,0 の背景は、基本背景デ
ータテーブルBBD0,0 が表示するものと、詳細背景デ
ータテーブルDBD0,0 が表示するものとが重畳される
ことにより構成される。つまり、見方を変えれば、詳細
背景データテーブルDBD0,0は、背景データBD0,0
と、基本背景データテーブルBBD0,0 との差分データ
である。
【0179】また、文字記号データCD0,0 は、地図β
0,0 上の文字列および/または地図記号を表すデータで
ある。この文字記号データCD0,0 により、地名、道路
名称、施設名称、地図記号等が地図β0,0 上に表示され
る。文字記号データCD0,0は、図54に示すように、
基本文字記号データテーブルBCD0,0 と、詳細文字記
号データテーブルDCD0,0 とから構成される。基本文
字記号データテーブルBCD0,0 には、図56(a)に
示すように、地名、道路名称、地図記号等、地図β0,0
を構成するための基本的なデータが記録される。詳細文
字記号データテーブルDCD0,0 には、図56(b)の
ように、公園、鉄道、橋および工場の名称等、地図β
0,0 を詳細に表示するために必要なデータが記録され
る。
【0180】また、基本文字記号データテーブルBCD
0,0 および詳細文字記号データテーブルDCD0,0 は、
図54に示すように互いに独立した構造を有する。これ
によって、基本文字記号データテーブルBCD0,0 およ
び詳細文字記号データテーブルDCD0,0 は独立的に用
いられることが可能となる。つまり、端末装置102
が、図56(a)のように、基本文字記号データテーブ
ルBCD0,0 を単体で表示したり、図56(c)のよう
に、基本文字記号データテーブルBCD0,0 に詳細文字
記号データテーブルDCD0,0 を重畳して表示したりで
きる。また、詳細文字記号データテーブルDCD0,0
は、文字記号データCD0,0 と、基本文字記号データテ
ーブルBCD0,0 との差分データである。
【0181】さらに、道路ネットワークデータND0,
0 は、背景データBD0,0 および文字記号データCD
0,0 と共に用いられ、地図β0,0 上に道路を表示するた
めのデータである。この道路ネットワークデータND
0,0 はさらに、マップマッチング、経路探索または経路
案内の各処理に使用される場合もある。道路ネットワー
クデータND0,0 は、主要幹線ネットワークデータテー
ブルMND0,0 と細街路ネットワークデータテーブルS
ND0,0 とから構成される。主要幹線ネットワークデー
タテーブルMND0,0 には、図57(a)に示すよう
に、幅員が相対的に広い(例えば5.5m以上)道路、
つまり主要道路用の道路ネットワークデータが記録され
る。さらに、主要幹線ネットワークデータテーブルMN
0,0 には、道路ネットワークデータが、高速道路、一
般国道および都道府県道等の道路種別毎に記録されるこ
とが好ましい。細街路ネットワークデータテーブルSN
0,0には、図57(b)に示すように、幅員が相対的
に狭い(例えば、3.0m以上かつ5.5m未満)道
路、つまり細街路用の道路ネットワークデータが記録さ
れる。
【0182】また、主要幹線ネットワークデータテーブ
ルMND0,0 および細街路ネットワークデータテーブル
SND0,0 もまた、基本背景データテーブルBBD0,0
および詳細背景データテーブルDBD0,0 と同様の独立
的な構造を有している。そのため、端末装置102は、
図57(a)のように、主要幹線ネットワークデータテ
ーブルMND0,0 を単体で用いて、主要道路のみを表示
させることができる。また、端末装置102は、図57
(b)のように、細街路ネットワークデータテーブルS
ND0,0 を単体で用いて、細街路のみを表示させること
もできる。さらに、端末装置102は、図57(c)の
ように、主要幹線ネットワークデータテーブルMND
0,0 に細街路ネットワークデータテーブルSND0,0
重畳して用いて、主要道路および細街路を表示させたり
することができる。また、細街路ネットワークデータテ
ーブルSND0,0 は、道路ネットワークデータND0,0
と、主要幹線ネットワークデータテーブルMND0,0
の差分データである。
【0183】なお、端末装置102は、マップマッチン
グ処理等の際に、主要幹線ネットワークデータテーブル
MND0,0 を単独で用いたり、主要幹線ネットワークデ
ータテーブルおよび細街路ネットワークデータテーブル
SND0,0 の両方を用いたりすることもできる。また、
主要道路と細街路との接続関係を辿る場合にも、主要幹
線ネットワークデータテーブルMND0,0 および細街路
ネットワークデータテーブルSND0,0が用いられる。
かかる接続関係を辿る場合、主要道路と細街路との交差
点を示すノードが用いられる。
【0184】また、図58(a)のように、基本背景デ
ータテーブルBBD0,0 と、基本文字記号データテーブ
ルBCD0,0 と、主要幹線ネットワークデータテーブル
MND0,0 とが重畳され、これによって、端末装置10
2は、相対的に粗い地図β0, 0 を作成することができ
る。一方、詳細背景データテーブルDBD0,0 、詳細文
字記号データテーブルDCD0,0 、および細街路ネット
ワークデータテーブルSND0,0 が、図58(a)のよ
うに構成された粗い地図β0,0 に重ね合わされることに
より、図58(b)のような、より詳細な地図β0,0
構成することができる。
【0185】以上、ユニットデータUD0,0 の詳細な構
造について説明した。他のユニットデータUD0,1 、…
UD0,N-1 、UD1,0 、…UDM-1,N-1 もまた、ユニッ
トデータUD0,0 と同様に、対応する範囲について、図
54〜図58を参照して説明したような構造を有する。
【0186】また、ユニットレコードUR0,0 〜UR
M-1,N-1 は、上述したように、ユニットヘッダUH0,0
〜UHM-1,N-1 を含む。ユニットヘッダUH0,0 〜UH
M-1,N- 1 には、ユニットデータUD0,0 〜UDM-1,N-1
の属性情報が記述される。より具体的には、例えばユニ
ットヘッダUH0,0 には、ユニットデータUD0,0 を特
定するためユニットIDと、基本背景データテーブルB
BD0,0 、詳細背景データテーブルDBD0,0 、基本文
字記号データテーブルBCD0,0 、詳細文字記号データ
テーブルDCD0,0 、主要幹線ネットワークデータテー
ブルMND0,0 および細街路ネットワークデータテーブ
ルSND0,0 のサイズとが記述される。他のユニットヘ
ッダUH0,1 〜UHM-1,N-1 もまた、ユニットヘッダU
0,0 と同様に、対応するユニットデータUD0,1 〜U
M-1,N-1 の属性情報が記述される。ユニットヘッダU
0,0 〜UHM-1,N-1 内の各ユニットIDは、対応する
ユニットデータUD0,0 〜UDM-1,N-1 を特定さえでき
れば、どのような情報でもよいが、連続番号または、経
度および緯度等によりこれらを特定することが典型的で
ある。
【0187】次に、図59のフローチャートを参照し
て、センタ局101における地図データの送信手順につ
いて説明する。上述したように、第1の記憶装置101
3には、1つ以上の地図ファイルCF(図53および図
54参照)が予め格納されている。読み出し制御部10
14は、必要に応じて、第1の記憶装置1013から、
予め定められたいくつかの地図ファイルCFの一部また
はすべてを読み出す(ステップS1001)。ここで、
地図ファイルCFの一部とは、本実施形態では、地図フ
ァイルCFを構成するファイルヘッダFH、ユニット管
理情報MIUNITおよびいくつかのユニットレコードUR
を意味する。一方、地図ファイルCFのすべてとは、本
実施形態では、地図ファイルCFを構成するファイルヘ
ッダFH、ユニット管理情報MIUNITおよびすべてのユ
ニットレコードURを意味する。以下では、読み出し制
御部1014により読み出された一部またはすべての地
図ファイルCFを地図データCDと称する。読み出され
た地図データCDは、パケット組み立て部1015内の
記憶領域(典型的にはRAM)に展開される。
【0188】パケット組み立て部1015は、ステップ
S1001の後、内部の記憶領域に展開された地図デー
タCDから、端末装置102に送信するために必要なフ
ァイルヘッダFH、ユニット管理情報MIUNIT(図53
(b)参照)および1つのユニットレコードUR(図5
3(b)参照)を取り出す(ステップS1002)。
【0189】パケット組み立て部1015は、ステップ
S1002で得られたユニットレコードUR、ファイル
ヘッダFH、およびユニット管理情報MIUNITを基に、
パケットPを組み立てる(ステップS1003)。な
お、ステップS1003の詳細な処理は後述される。組
み立てられたパケットPは、送信部1016に出力され
る。送信部1016は、入力されたパケットPを、アン
テナ1012を通じて無線伝送路103に送出して、パ
ケットPを端末装置102に送信する(ステップS10
04)。
【0190】パケット組み立て部1015は、ステップ
S1004の次に、内部の記憶領域に展開された地図デ
ータCDに、送信すべきユニットデータUDがさらに存
在するか否かを判断する(ステップS1005)。送信
すべきユニットデータUDがまだ存在する場合には、パ
ケット組み立て部1015は、必要なデータを得るため
に、ステップS1002に戻る。一方、送信すべきユニ
ットデータUDが存在しない場合には、パケット組み立
て部1015は読み出し制御部1014にその旨を通知
する。
【0191】読み出し制御部1014は、パケット組み
立て部1015の通知に応答して、ステップS1001
で読み出された地図データCDを閉じる(ステップS1
006)。次に、読み出し制御部1014は、端末装置
102に送信すべきユニットデータUDを含む地図デー
タCD(ステップS1006で閉じられたものとは別の
もの)が存在するか否かを判断する(ステップS100
7)。別の地図データCDが存在する場合、読み出し制
御部1014は、当該地図データCDを読み出すべく、
ステップS1001に戻る。一方、別の地図データCD
がない場合には、センタ局101は、図59のフローチ
ャートに示された一連の処理を終了する。
【0192】ここで、図60は、地図データCDからパ
ケットPが生成されるまでの過程における、各データの
構造を示している。ステップS1001(図59参照)
の終了時点で、読み出し制御部1014は、図60
(a)に示すように、地図データCDを読み出してい
る。また、ステップS1002の終了時点で、パケット
組み立て部1015は、ファイルヘッダFHおよびいく
つかのユニットレコードURを保持している。図60
(a)では、ユニットレコードUR0,0 が保持される例
が示されている。そして、パケット組み立て部1015
は、ステップS1003を実行する。ここで、図61
は、ステップS1003の詳細な処理の手順を示すフロ
ーチャートである。以下、図61を参照して、パケット
組み立て部1015の処理を詳細に説明する。最初に、
マスタデータMDが、パケット組み立て部1015によ
り保持されているファイルヘッダFH、ユニット管理情
報MIUNIT、および1つのユニットレコードURに基づ
いて生成される(ステップS1101)。なお、マスタ
データMDは、地図ファイルCFから直接的に生成され
るのではなく、パケット組み立て部1015が保持する
1つのユニットレコードURに基づいて生成される。か
かる生成方法が採用されることにより、たとえ、図59
のステップS1001〜S1007において、外部的あ
るいは内部的要因によってエラーが発生しても、そのエ
ラーの影響は、1個のユニットレコードURにしか及ば
ないからである。つまり、エラーの影響が地図データC
D全体に及ぶことを避けるためである。
【0193】マスタデータMDは、図60(b)に示す
ように、データヘッダDHとデータ部とから構成され
る。ここで、図62は、マスタデータMDの詳細な構造
を示す。図62において、データヘッダDHは、ファイ
ルID、ユニットIDおよびユニットサイズから構成さ
れる。ファイルIDは、このマスタデータMDの基礎と
なる地図データCD(つまり、現在、パケット組み立て
部1015に展開されているもの)を特定するためのコ
ードである。このファイルIDの生成方法の一例を説明
する。パケット組み立て部1015は、ファイルヘッダ
FHを保持している。前述したように、ファイルヘッダ
FHには、地図ファイルCF(地図α)がカバーする範
囲を特定するための情報が記述される(図53(b)参
照)。したがって、ファイルヘッダFHは、地図ファイ
ルCFを特定することも可能である。パケット組み立て
部1015は、このファイルヘッダFHを用いて、ファ
イルIDを生成する。ユニットIDは、このマスタデー
タMDの基礎となるユニットレコードUR(つまり、ス
テップS1002で抜き出されたもの)を特定するため
のコードである。パケット組み立て部1015は、ステ
ップS1002の終了以降、送信すべきユニットレコー
ドUR(図54参照)を保持している。パケット組み立
て部1015は、保持されたユニットレコードURか
ら、ユニットIDを取り出す。取り出されたユニットI
Dが、データヘッダDHに設定される。なお、以上の2
つのIDおよびユニットサイズは、後述する端末装置1
02の処理において使用される。
【0194】また、マスタデータMDのデータ部には、
ファイルヘッダFHと、ユニットレコードURが有する
全データまたは一部のデータが設定される。設定される
ファイルヘッダFHおよびユニットレコードURは、パ
ケット組み立て部1015が保持しているものである。
ところで、ユニットレコードURには、前述したよう
に、各種テーブルが保持される(図54参照)。これら
各テーブルは、互いに分離可能な構造を有する。そのた
め、データ部は、基本背景データテーブルBBD、基本
文字記号データテーブルBCD、主要幹線ネットワーク
データテーブルMNDの基本データ(つまり、大略的な
地図を表すデータ)のみから構成されても良い。また、
データ部は、詳細背景データテーブルDBD、詳細文字
記号データテーブルDCD、細街路ネットワークデータ
テーブルSNDの詳細データのみから構成されても良
い。以上のように、ユニットレコードURの一部分がデ
ータ部に設定される場合がある。なお、図54に示すよ
うに、ユニットヘッダUHには、ユニットIDが含まれ
る。このユニットIDは、データヘッダDH(図62参
照)に含まれる。したがって、マスタデータMDのデー
タ部に、ユニットIDが設定されると、マスタデータM
D内に2個のユニットIDが含まれることになる。その
ため、このデータ部にはユニットIDが含まれなくとも
良い。
【0195】ところで、データヘッダDHのデータサイ
ズは、データ部のサイズである。ファイルヘッダFH
と、ユニットレコードURの全体とのサイズは、第1の
記憶装置1013に地図ファイルCFが生成された時点
で決まるので、容易に求められる。また、データ部に、
部分的なユニットレコードURが設定される場合には、
対応するユニットヘッダUHに設定されている各サイズ
に基づいて、当該部分的なユニットレコードURのサイ
ズは求められる。
【0196】パケット組み立て部1015は、生成され
たマスタデータMDをi個に分割する。これによって、
図60(c)のように、i個のセグメントデータSD1
〜SDi が生成される(ステップS1102)。このス
テップS1102において、パケット組み立て部101
5は、マスタデータMDに含まれるデータヘッダDHお
よびデータ部(つまりユニットレコードUR)を意識し
ない。つまり、いずれかのセグメントデータSDに、デ
ータヘッダDHの一部と、データ部の一部とが混在する
場合も起こりうる。これらi個のセグメントデータSD
には、番号(以降、セグメント番号と称す)が付加され
る。このセグメント番号は、セグメントデータ相互で重
複せず、かつ連続する番号であることが好ましい。なぜ
なら、後述する端末装置102の処理が容易になるから
である。
【0197】さらに、パケット組み立て部1015は、
i個の各セグメントデータSD1 〜SDi に、誤り訂正
符号(または誤り検出符号)を付加する(ステップS1
103)。これによって、図60(d)に示すように、
i個のセグメントデータ(誤り訂正符号付き)SD1
SDi が生成される。パケット組み立て部1015はさ
らに、各セグメントデータ(誤り訂正符号付き)SD1
〜SDi をj個に分割する。これによって、図60
(e)に示すように、1個のセグメントデータSDにつ
き、j個のパケットが生成される(ステップS110
4)。以上の処理の結果、パケット組み立て部1015
は、ステップS1002で抜き出された1つのユニット
レコードURを基に、全部でi×j個のパケットP11
12、…P1j、…Pijを生成する。また、これらi×j
個のパケットP11、P12、…P1j、…P ijにはそれぞ
れ、番号(以降、パケット番号と称す)が付加される。
このパケット番号は、パケット毎で互いに重複しないよ
うにかつ連続する番号であることが好ましい。なぜな
ら、後述する端末装置102の処理が容易になるからで
ある。このパケット番号により、端末装置102は、別
々に送信されるi×j個のパケットP11、P12、…
1j、…Pijが、すべて揃ったかどうかを容易に判断で
きるようになる。このステップS1104が終了する
と、パケット組み立て部1015は、サブルーチンであ
る図61の処理から抜けて、図59の処理に戻る。そし
てステップS1004が行われる。以上の各パケットP
11、P12、…P1j、…P ijは、ステップS1004にお
いて、送信部1016から、アンテナ1012を通じて
無線伝送路103に順次送出され、端末装置102に送
信される。
【0198】次に、図63のフローチャートを参照し
て、端末装置102における地図データの受信手順につ
いて説明する。センタ局により送信された各パケットP
11、P 12、…P1j、…Pijは、無線伝送路103を通じ
て、端末装置102のアンテナ1021に入力される。
受信部1022は、アンテナ1021から出力されるパ
ケットP11、P12、…P1j、…Pijを順次受信する(ス
テップS1201)。また、受信部1022は、図示し
ないバッファメモリを有する。受信部1022は、受信
された各パケットP11、P12、…P1j、…Pijを、バッ
ファメモリに順次格納する。
【0199】パケット分解部1024は、受信部102
2のバッファメモリに定期的にアクセスして、センタ局
101により送信されたi×j個のパケットP11
12、…P1j、…Pijがバッファメモリ内に揃っている
か否かを判断する(ステップS1202)。ステップS
1202の判断は、各パケットP11、P12、…P1j、…
ijに付加されたパケット番号に基づいて行われる。よ
り具体的には、パケット番号が連番であれば、パケット
分解部1024は、1から(i×j)までのパケット番
号が全て揃っているか否かを判断する。
【0200】ステップS1202で、パケットPが全て
揃っていない場合、パケット分解部1024はステップ
S1203に進まず、ステップS1201が再度実行さ
れる。その結果、受信部1022は、不足分のパケット
Pを受信する。一方、ステップS1202で、パケット
Pが全て揃っている場合、パケット分解部1024は、
ステップS1203に進む。パケット分解部1024
は、ステップS1201で受信されたパケットP11、P
12、…P1j、…Pijを分解して、マスタデータMDを復
元する(ステップS1203)。復元されたマスタデー
タMDはファイル管理部1025に出力される。ファイ
ル管理部1025は、入力されたマスタデータMDを基
に地図ファイルCFを生成する。生成された地図ファイ
ルCFは第2の記憶装置1026に格納される(ステッ
プS1204)。
【0201】ステップS1204の後、データ処理部1
023は、受信すべき一連のパケットPがまだあるか否
かを判断する(ステップS1205)。受信すべきパケ
ットPがある場合、ステップS1201に戻り、パケッ
トPの受信処理が引き続き行われる。一方、受信すべき
パケットPがない場合には、図63の処理を終了する。
【0202】ここで、図64は、図63のステップS1
203の詳細な処理の手順を示すフローチャートであ
る。また、図65は、パケットP11、P12、…P1j、…
ijから地図ファイルCFが生成されるまでの過程にお
ける各データの構造を示している。上述から明らかなよ
うに、図63のステップS1203が開始される時点
で、受信部1022には、図65(a)に示すように、
一連のパケットP11、P12、…P1j、…Pijが揃ってい
る。パケット分解部1024は、受信部1022に保持
されているパケットP11、P12、…P1j、…Pijから、
処理すべきパケットPを得る(ステップS1301)。
今、パケット分解部1024はパケットP11、P12、…
1jを得ると仮定する。
【0203】次に、パケット分解部1024は、ステッ
プS1301で得られた各パケットPからパケット番号
を外す。パケット分解部1024は、番号が外された各
パケットPを分解して、図65(b)に示すように、1
つのセグメントデータSDを復元する(ステップS13
02)。上述の仮定に従うと、パケットP11、P12、…
1jが一まとめにされ、その結果、セグメントデータS
D1が復元される。各セグメントデータSDには誤り訂
正符号(または誤り検出符号)が付加されている。ステ
ップS1302の次に、パケット分解部1024は、誤
り訂正符号を利用して、復元されたセグメントデータ
(誤り訂正符号付き)SDに生じている可能性がある誤
りを訂正する(ステップS1303)。次に、パケット
分解部1024は、セグメントデータ(誤り訂正符号付
き)SDから誤り訂正符号を外し、これによって、図6
5(c)に示すように、セグメントデータ(誤り訂正符
号なし)SDが復元される(ステップS1304)。復
元されたセグメントデータSDは、パケット分解部10
24の記憶領域に保持される。上述の仮定に従うと、セ
グメントデータSD1 に誤り訂正が施された後、パケッ
ト分解部1024の記憶領域に保持される。
【0204】ステップS1304の次に、パケット分解
部1024は、受信部1022内に、処理すべきパケッ
トPが残っているか否かを判断する(ステップS130
5)。処理すべきパケットPが残っている場合、パケッ
ト分解部1024はステップS1301に戻って、ステ
ップS1301〜S1304を行って、図65(a)〜
(c)に示すように、パケットPからセグメントデータ
SDを復元する。本説明では、図64の処理の開始時点
で、受信部1022には、(i×j)個のパケットPが
ある。したがって、ステップS1201〜S1205で
構成されるループはi回繰り返される。その結果、i個
のセグメントデータSD1 〜SDi が復元される。
【0205】このループが必要回数だけ繰り返される
と、受信部1022内には、処理すべきパケットPがな
くなる。この状態で、ステップS1305の判断が行わ
れると、パケット分解部1024は、ステップS130
6に進む。処理すべきパケットPがなくなった時点で、
i個のセグメントデータSD1 〜SDi がパケット分解
部1024に保持される。また、上述したように、各セ
グメントデータSD1〜SDiには、セグメント番号が
付されている。パケット分解部1024は、このセグメ
ント番号に従って、つまりセグメント番号が連続するよ
うに、セグメントデータSD1 〜SDiを順番に並べ
る。その後、セグメント番号は、各セグメントデータS
D1 〜SDiから取り外される。パケット分解部10
24は、セグメント番号が取り外されたセグメントデー
タSD1 〜SDiを一まとめにする。その結果、図6
5(d)に示すように、マスタデータMDが復元される
(ステップS1306)。復元されたマスタデータMD
は、ファイル管理部1025に出力される(ステップS
1307)。
【0206】なお、本地図提供システムに限らず、通信
システムでは通信障害が起こりうる。したがって、端末
装置102は、全てのセグメントデータSDを正しく復
元できるとは限らない。ここで、正しく復元されたセグ
メントデータSDとは、センタ局101が生成したもの
と同じセグメントデータSDを意味する。例えば、セグ
メントデータSD2 が正しく復元されなかった場合であ
って、他のセグメントデータSD1 、SD3 〜SDi
正しく復号された場合を想定する。かかる場合、パケッ
ト分解部1024は、セグメントデータSD1 、SD3
〜SDiに付加された誤り訂正符号を利用して、セグメ
ントデータSD2 を正しいものに復元することもでき
る。
【0207】ファイル管理部1025は、マスタデータ
MDの入力に起因して、ステップS1204を開始す
る。このステップS1104は、上述したように、マス
タデータMDから地図ファイルCFを生成する処理と、
生成された地図ファイルCFを第2の記憶装置1026
に格納するための処理である。ここで、図66は、図6
3のステップS1204の詳細な処理の手順を示すフロ
ーチャートである。
【0208】ところで、第2の記憶装置1026は、ス
テップS1204の開始時点で、以前に生成された地図
ファイルCFを既に記憶していることがある。また、地
図ファイルCFが記憶されていない場合もある。ファイ
ル管理部1025は、マスタデータMDの入力後、第2
の記憶装置1026内に地図ファイルCFが格納されて
いるか否かを判断する(ステップS1401)。ファイ
ル管理部1025は、地図ファイルCFがある場合、後
述するステップS1404に進む。一方、ファイル管理
部1025は、地図ファイルCFが無い場合、今回のマ
スタデータMDを基に、完全に新規な地図ファイルCF
を作成する(ステップS1402)。なお、この地図フ
ァイルCFは、地図ファイルCFと同様のデータ構造を
有する(図53(b)および図54参照)。
【0209】ここで、地図ファイルCFの作成方法を説
明する。マスタデータMDは、図62に示したように、
地図ファイルID、ユニットIDおよびデータサイズを
データヘッダDHに有する。さらに、このマスタデータ
MDは、ファイルヘッダFHと、全部または一部のユニ
ットレコードURをデータ部に有する。ファイル管理部
1025は、マスタデータMDから、ファイルヘッダF
Hを取り出す。
【0210】前述したように、マスタデータMDには1
個のユニットレコードURしか含まれない。また、ファ
イル管理部1025は、今回、完全に新規な地図ファイ
ルCFを生成する。そのため、ファイル管理部1025
は、初期値「1」のユニット数NOUを生成する。さら
に、ファイル管理部1025は、ファイルヘッダFHお
よびユニット数NOUのデータサイズとから、今回得ら
れたユニットレコードURまでのオフセット値X0,0
求める。これによって、ユニット管理情報MI UNITが生
成される。
【0211】これによって、ファイル管理部1025
は、完全に新規な地図ファイルCFを生成するために必
要な情報を全て得たこととなる。ファイル管理部102
5は、今回得られたファイルヘッダFH、ユニット管理
情報MIUNITおよびユニットレコードURを一まとめに
して、地図ファイルCFを生成する。この地図ファイル
CFのデータ構造は、図67に示す通りである。以上の
ようにして生成された地図ファイルCFは、第2の記憶
装置1026内に格納される(ステップS1403)。
【0212】次に、ステップS1401で、地図ファイ
ルCFが見つけられた場合の処理について説明する。こ
の場合、ステップS1404が行われる。ファイル管理
部1025は、今回入力されたマスタデータMDから、
ファイルIDを取り出す。ファイルIDは、前述したよ
うに、マスタデータMD内のユニットレコードURがど
の地図ファイルCFに属していたかを特定する。このフ
ァイルIDは、図61を参照して前述したように、パケ
ット組み立て部1015により、地図ファイルCFのフ
ァイルヘッダFHを用いて生成されている。また、ファ
イル管理部1025は、第2の記憶装置1026内の各
地図ファイルCFのファイルヘッダFHを取り出す。フ
ァイルヘッダFHは、地図ファイルCFがカバーする範
囲を特定するものである。地図ファイルCFのファイル
ヘッダFHは、ステップS1402で説明したように、
センタ局101側で管理される地図ファイルCFを基に
作成されている。したがって、ファイルIDとファイル
ヘッダFHとに同一性があれば、今回入力されたユニッ
トレコードURは、地図ファイルCFの一部を構成する
こととなる。そのため、ファイル管理部1025は、両
者の同一性を判断する(ステップS1404)。
【0213】ステップS1404で、同一性が無いと判
断されると、入力されたユニットレコードURを構成要
素とする地図ファイルCFがまだ作成されていないこと
を意味する。この場合、ファイル管理部1025は、上
述のステップS1402およびS1403を実行する。
つまり、全く新規な地図ファイルCFが生成された後
に、第2の記憶装置1026に格納される。
【0214】一方、ステップS1404で、ファイルI
DおよびファイルヘッダFHに同一性があると判断され
ると、入力されたユニットレコードURを構成要素とす
る地図ファイルCFが既に生成されていることを意味す
る。この場合、ファイル管理部1025は、この地図フ
ァイルCFを処理対象として選択する。ファイル管理部
1025は、この処理対象の地図ファイルCFを開き
(ステップS1405)、入力されたユニットレコード
URを、処理対象として選択された地図ファイルCFに
追加する(ステップS1406)。つまり、ステップS
1406では、入力されたユニットレコードURと、地
図ファイルCFとが一まとめにされ、更新された地図フ
ァイルCFが生成される。
【0215】ステップS1406について、より詳細に
説明する。ファイル管理部1025は、今回のマスタデ
ータMDから、ユニットIDを取り出す。以降、入力さ
れたマスタデータMDから取り出されたユニットID
を、第1のユニットIDと称す。第1のユニットID
は、図62を参照して説明したように、今回入力された
マスタデータMDの基礎となったユニットレコードUR
を特定する。また、ファイル管理部1025は、ステッ
プS1405で開かれた地図ファイルCFから、全ての
ユニットIDを取り出す。以降、地図ファイルCFから
取り出された各ユニットIDを、第2のユニットIDと
称す。第2のユニットIDの中には、第1のユニットI
Dと一致するものが含まれていない場合と、一致するも
のが含まれている場合がある。
【0216】第1および第2のユニットIDが一致しな
い場合、ファイル管理部1025は、今回入力されたマ
スタデータMDから、ユニットレコードURを取り出し
て、図68に示すように、現在開かれている地図ファイ
ルCFに追加して、当該地図ファイルCFを更新する。
第1および第2のユニットIDが一致する場合、今回入
力されたユニットレコードURは、過去に、センタ局1
01により、端末装置102に提供されていることとな
る。例えば、図54に示す構造をもつユニットレコード
URにおいて、基本背景データテーブルBBD、基本文
字記号データテーブルBCD、主要幹線ネットワークデ
ータテーブルMND等の基本データ(概略データ)のみ
が、ステップS1204の時点で、端末装置102に既
に提供されているような場合がある。この場合、現在開
かれている地図ファイルCFは、図69のような構造を
有する。ファイル管理部1025は、この場合、図70
に示すように、今回入力されたマスタデータから取り出
されたユニットレコードURを、現在開かれている地図
ファイルCFにおいて、同じユニットIDが付されてい
るユニットレコードURに追加する。これによって、地
図ファイルCFが更新される。
【0217】ファイル管理部1025は、さらに、今回
入力されたマスタデータMDのデータサイズに従って、
ユニット管理情報MIUNITを更新する(ステップS14
07)。次に、ファイル管理部1025は、更新された
地図ファイルCFを、第2の記憶装置1026に格納す
る(ステップS1408)。
【0218】以上のように、本地図提供システムでは、
第1の記憶装置1013には、地図ファイルCFが格納
される。パケット組み立て部1015は、端末装置10
2に送信すべき部分的な地図のみを読み出し制御部10
14から受け取り、当該地図を表す一連のパケットPを
生成する。この一連のパケットPが、無線伝送路103
上を伝送される。この無線伝送路103上には、部分的
な地図を表すデータしか送信されない。そのため、本地
図提供システムは、たとえ、地図ファイルCF自体が大
きなサイズであっても、無線伝送路103に送出するデ
ータの量を抑えることができる。これによって、無線伝
送路103は輻輳しにくくなる。
【0219】また、端末装置102は、部分的な地図を
表すデータを順次受信することになる。しかし、端末装
置102は、初期的には、部分的な地図データを個別に
ファイル化することになる。しかし、端末装置102
は、所定条件を満たす地図ファイルCFが存在する場合
には、受信された部分的な地図データを、当該地図ファ
イルCFに追加して、一まとめにする。そのため、本地
図提供システムは、端末装置102において、大量のフ
ァイルが発生することを抑えることができる。そのた
め、第2の記憶装置1026内には、空き領域を有する
クラスタが生じにくくなる。その結果、本地図提供シス
テムは、第2の記憶装置1026の記憶領域を有効的に
利用することができる。
【0220】また、地図ファイルCFは、図53に示す
ように、予め定められた範囲の地図αが複数の領域に区
画されることにより、つまり、ユニットU単位で構成さ
れる。このような地図αのユニット化により、読み出し
制御部1014は、必要な部分の地図を容易に第1の記
憶装置1013から読み出すことができる。さらに、こ
のユニット化により、センタ局101は、無線伝送路1
03が輻輳しない最適量のデータを容易に当該無線伝送
路103に送出することができる。さらに、センタ局1
01が複数のユニットレコードURを送信した場合であ
っても、通信エラーにより、端末装置102は、いずれ
かのユニットレコードURを受信できない場合がある。
このような場合、端末装置102は、受信できたユニッ
トレコードURを用いて地図ファイルCFを作成する。
端末装置102は、作成された地図ファイルCFに基づ
いて各種処理を行える。つまり、センタ局101から送
信されたユニットレコードURの一部が抜けても、その
抜けによる影響は、端末装置102が受信した他のユニ
ットレコードには及ばない。かかる効果も、地図のユニ
ット化により生まれる。
【0221】また、ユニットレコードUR内において、
地図の基本的なデータ(概略データ)と、当該地図の詳
細なデータとは、互いに独立した複数のテーブルに記述
される。これによって、各テーブルは、たとえ、1ユニ
ットレコードUR内に格納されていても、独立的に使用
されることが可能となる。つまり、例えば、センタ局1
01は、端末装置102に地図を提供する際に、基本デ
ータ(概略データ)を単独で送信したり、詳細データを
単独で送信したり、双方を組み合わせて送信したりする
ことが可能となる。これによって、センタ局101は、
端末装置102の状況や用途に適した地図を提供するこ
とが可能になる。
【0222】例えば、端末装置102側が、詳細な地図
よりも、広範囲の地図を速く受信したい場合には、セン
タ局101は、基本データ(概略データ)だけを優先的
に送信することができる。さらに、端末装置102が基
本データ(概略データ)を完全に受信した後に、センタ
局2が詳細データを送信することもできる。これによっ
て、端末装置102は、基本データ(概略データ)と詳
細データとを混在させて使用することも可能になる。
【0223】なお、前述したように、送信部1016お
よび受信部1022として、前述したように、移動体通
信装置を用いることも可能である。この場合、センタ局
101と端末装置102との双方向通信を容易に実現で
きるので、端末装置102は、提供を希望する地図の種
別(概略データか詳細データかを示す情報)を、センタ
局101に対してリアルタイムに要求することができ
る。また、送信部1016および受信部1022とし
て、地上波ディジタル放送等の放送装置および、この放
送を受信する装置を用いることも可能である。この場
合、センタ局101は、互いに異なるチャンネルを用い
て、基本データ(概略データ)と詳細データとに異なる
チャンネルを割り当てることにより、基本データ(概略
データ)と詳細データとの受信時間、および受信可能な
地図の範囲を調節することができる。
【0224】なお、以上の実施形態では、第2の記憶装
置1026側の地図ファイルCFのファイルヘッダFH
は、第1の記憶装置1013側の地図ファイルCF内の
それをそのまま用いられていた。つまり、双方地図ファ
イルCFは、互いに同範囲をカバーする。しかしなが
ら、センタ局101と端末装置102との処理能力は違
う場合が多い。例えば、第2の記憶装置1026の記憶
容量は、第1の記憶装置1013のそれよりも小さい場
合が多い。したがって、端末装置102は、地図ファイ
ルCFが表す地図の範囲よりも、狭い範囲をカバーする
地図ファイルCFを生成してもよい。つまり、端末装置
102は、独自の範囲をカバーする地図ファイルCFを
生成しても良い。
【0225】なお、第2の実施形態は、端末装置102
の一例としてカーナビゲーションシステムを想定して説
明した。しかし、パーソナルコンピュータ内に地図ファ
イルCFのデータベースを作成して、当該パーソナルコ
ンピュータが地図を表示したり、経路探索を行ったりす
るような用途にも、本実施形態は適用することができ
る。つまり、本発明の技術分野は、移動可能な端末装置
に限らず、据え置き型の端末装置にも適用することがで
きる。また、据え置き型の端末装置に対しては、通信網
103は無線伝送路である必要性はなく、有線であって
もよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る地図提供システ
ムの構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す第1の地図ファイル111および第
2の地図ファイル25により表現される地図の階層構造
を説明するための図である。
【図3】図2に示す最上位階層(レベル「3」)のユニ
ットU3 を説明するための図である。
【図4】レベル「3」からレベル「0」までのそれぞれ
の階層間における親子関係を説明するための図である。
【図5】第1の地図ファイル111および第2の地図フ
ァイル25を管理するためのツリー構造を示す図であ
る。
【図6】あるレベルに属する1つのユニットUのデータ
構造を示す図である。
【図7】地図ファイルCFのデータ構造を示す図であ
る。
【図8】背景データにより表現される地図の模式図であ
る。
【図9】描画オブジェクトBO1およびBO2を用い
て、描画オブジェクトの概念を説明するための図であ
る。
【図10】背景データテーブルの詳細なデータ構造を示
す図である。
【図11】8個の要素点P0〜P7で構成される図形デ
ータを示す図である。
【図12】図11のP0〜P7の各絶対座標をオブジェ
クトレコードORに記述した時のデータ構造を示す図で
ある。
【図13】図11と同じ図形データの各要素点P0〜P
7を相対座標で表現した時の図である。
【図14】図13の要素点P0〜P7の各相対座標をオ
ブジェクトレコードORに記述した時のデータ構造を示
す図である。
【図15】要素点P0、P1およびPnで構成されるオ
ブジェクトOBJを示す図である。
【図16】図15の要素点P1およびPnを結ぶ直線上
に補われる要素点P2およびP3を示す図である。
【図17】図16の要素点P0,P1,P2,P3およ
びPnの各相対座標情報をオブジェクトレコードORに
記述した時のデータ構造を示す図である。
【図18】図15の要素点P0およびPnを絶対座標で
表現し、要素点P1を相対座標で表した時のオブジェク
トレコードORのデータ構造を示す図である。
【図19】描画オブジェクトDO3を用いて、オブジェ
クトの境界に相対座標が適用されない場合を説明するた
めの図である。
【図20】そのオブジェクトの境界に相対座標が適用さ
れない描画オブジェクトDO3の座標列のデータ構造を
示す図である。
【図21】描画オブジェクトDO3を用いて、オブジェ
クトの境界に適用される相対座標を説明するための図で
ある。
【図22】そのオブジェクトの境界に相対座標が適用さ
れた描画オブジェクトDO3の座標列のデータ構造を示
す図である。
【図23】基本文字記号テーブルおよび詳細文字記号テ
ーブルとの関係を説明するための図である。
【図24】文字記号テーブルの詳細なデータ構造を示す
図である。
【図25】第1の道路ネットワークデータおよび第2の
道路ネットワークデータの関係を説明するための図であ
る。
【図26】ノードおよびリンクの概念を説明するための
図である。
【図27】第1のノードテーブルの詳細なデータ構造を
示す図である。
【図28】図26のノードN0〜N10に関して作成さ
れたノードレコードNR1〜NR11の並び方を示す図
である。
【図29】ノードの経度方向および緯度方向の座標の表
現方法の一つである正規化座標を説明するための図であ
る。
【図30】第1のリンクテーブルの詳細なデータ構造を
示す図である。
【図31】各リンクレコードLRに記録されるリンク接
続情報を説明するための図である。
【図32】ノード接続情報およびリンク接続情報によ
り、道路網の接続をたどる時の処理を説明するための図
である。
【図33】端末装置1における経路探索処理の概念を示
す図である。
【図34】端末装置1で実行される双方向階層別探索の
処理手順を示すフローチャートである。
【図35】図34の地図ファイルCFの読み込み処理
(ステップS103)の詳細な処理手順を示すフローチ
ャートである。
【図36】隣接ユニットNUを決定するための新しい代
表点の位置を説明するための図である。
【図37】互いに隣接し合う4個のユニットU1〜U4
を並べた際に構成される道路網を示す図である。
【図38】2個のユニットUの境界をまたいで道路網の
接続をたどる時のデータ処理部13の処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図39】隣接ノードのノードレコードNRが記録され
る順番を示す図である。
【図40】下位階層および上位階層の地図ファイルCF
のノードN同士の対応づけに関する問題点を説明するた
めの図である。
【図41】下位階層および上位階層の地図ファイルCF
のノードN同士の対応関係を説明するための図である。
【図42】正規化座標およびノードレコードNRの記録
順序から、子ユニットCUのノードNdと対応する座標
を有する親ユニットPU内のノードを探し出す方法を説
明するための図である。
【図43】地図ファイルCFの送信要求時における端末
装置1の処理を説明するための図である。
【図44】センタ局2が要求REQの受信後に実行する
処理手順を示すフローチャートである。
【図45】地図ファイルCFからパケットPが組み立て
られるまでの過程における、各データの構造を示す図で
ある。
【図46】ステップS504の詳細な処理手順を示すフ
ローチャートである。
【図47】マスタデータMDの詳細な内部データ構造を
示す図である。
【図48】端末装置1における地図ファイルCFの受信
処理の手順を示すフローチャートである。
【図49】図48のステップS703の詳細な処理手順
を示すフローチャートである。
【図50】パケットP11,P12,…,P1j,…Pijから
地図ファイルCFが作成されるまでの過程における各デ
ータの構造を示す図である。
【図51】図48のステップS704の詳細な処理の手
順を示すフローチャートである。
【図52】本発明の第2の実施形態に係る地図提供シス
テムの構成を示すブロック図である。
【図53】図52に示された第1の記憶装置1013に
格納された各地図ファイルCFの構造を示す図である。
【図54】図53(b)に示された各ユニットレコード
URの詳細な構造を示す図である。
【図55】図54に示された背景データBDを説明する
ための図である。
【図56】図54に示された文字記号データCDを説明
するための図である。
【図57】図54に示された道路ネットワークデータN
Dを説明するための図である。
【図58】図54に示された基本背景テーブルデータB
BD、基本文字記号データテーブルBCDおよび主要幹
線ネットワークデータテーブルMNDを重畳したときに
表示される地図、ならびに、図54に示された詳細背景
テーブルデータDBD、詳細文字記号データテーブルD
CDおよび細街路ネットワークデータテーブルSNDを
重畳したときに表示される地図を示している。
【図59】図52に示されるセンタ局101において実
行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図60】図52に示されるセンタ局101が地図ファ
イルCFからパケットPを生成するまでの過程におけ
る、各データの構造を示している。
【図61】図59に示されるステップS1003が含
む、詳細な処理手順を示すフローチャートである。
【図62】図60(b)に示されるマスタデータMDの
詳細な構造を示している。
【図63】図52に示される端末装置102において実
行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図64】図63に示されるステップS1203の詳細
な処理手順を示すフローチャートである。
【図65】図52に示される端末装置102がパケット
Pから地図ファイルCFを生成するまでの過程におけ
る、各データの構造を示している。
【図66】図63に示されるステップS1204が含
む、詳細な処理手順を示すフローチャートである。
【図67】図52に示される地図ファイルCFの構造を
示している。
【図68】図66に示されるステップS1406におい
て、ファイル管理部1025が、第1および第2のユニ
ットIDが一致しない場合に実行する処理を示してい
る。
【図69】図54に示される基本背景データテーブルB
BD、基本文字記号データテーブルBCD、主要幹線ネ
ットワークデータテーブルMNDが、ステップS120
4の時点で端末装置102に既に提供されているような
場合における、地図ファイルCFの構造を示している。
【図70】図66に示されるステップS1406におい
て、ファイル管理部1025が、第1および第2のユニ
ットIDが一致する場合に実行する処理を示している。
【図71】ある範囲を表す地図βが、64個の矩形のユ
ニットに区画化された場合を示している。
【図72】端末装置の記憶装置内において、空き領域を
有する4個のクラスタ91〜94が発生したときの様子
を示している。
【図73】ある範囲を表す地図βが、16個の矩形のユ
ニットに区画化された場合を示している。
【図74】端末装置の記憶装置内において、空き領域を
有する1個のクラスタ96が発生した場合を示してお
り、さらに、かかる場合には、無線伝送路の利用効率が
悪くなることを説明するための図である。
【符号の説明】
1…端末装置 11…入力装置 12…位置検出装置 13…データ処理部 14…要求生成部 15…第1の送受信部 16…アンテナ 17…パケット分解部 18…読み出し/書き込み制御部 19…第1の記憶装置 110…出力装置 111…第1の地図ファイル 2…センタ局 21…第2の送受信部 22…受信要求解析部 23…読み出し制御部 24…第2の記憶装置 25…パケット組み立て部 3…通信網 101…センタ局 1011…地図サーバ 1012…アンテナ 1013…第1の記憶装置 1014…読み出し制御部 1015…パケット組み立て部 1016…送信部 102…端末装置 1021…アンテナ 1022…受信部 1023…データ処理部 1024…パケット分解部 1025…ファイル管理部 1026…第2の記憶装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G06F 17/30 310 G06F 17/30 310Z G08G 1/13 G08G 1/13 G09B 29/10 G09B 29/10 A (72)発明者 上山 芳樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 鈴木 祥弘 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 福田 久哉 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2C032 HB02 HB05 HB11 HB22 HB25 HB31 HC08 HC24 HC25 HC31 HD03 HD13 HD16 HD30 2F029 AA02 AB01 AB07 AB09 AC01 AC02 AC04 AC14 AC18 5B075 KK33 KK37 ND06 PP10 UU13 5H180 AA01 BB04 BB05 BB13 FF04 FF05 FF13 FF22 FF27 FF32

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地図を複数の領域に分割して得られる各
    ユニットがデジタルデータ化された地図ファイルが記憶
    装置に格納されており、当該記憶装置から地図ファイル
    を読み出すための端末装置であって、 各前記地図ファイルは、自身が表す地図の範囲と一意に
    対応するファイル名が付けられており、 前記端末装置は、 ユーザの操作に応答して、地図の範囲を指定する情報を
    生成する入力装置と、 前記入力装置により生成された情報に基づいて、必要な
    地図ファイルのファイル名を特定するデータ処理部と、 前記データ処理部で特定されたファイル名に従って、前
    記記憶装置から地図ファイルを読み出す読み出し制御部
    とを備える、端末装置。
  2. 【請求項2】 各前記地図ファイルは、それぞれのユニ
    ット内に含まれる道路網をノードとリンクとで表すべ
    く、当該ノード毎に作成されるノードレコードと、当該
    リンク毎に作成されるリンクレコードとを含んでおり、 前記データ処理部は、 前記読み出し制御部により今回読み出された地図ファイ
    ルに記録されたノードレコードおよびリンクレコードを
    用いて経路を探索する処理を実行し、 今回読み出された地図ファイルが表す範囲において、経
    路の探索が終了すると、さらなる経路の探索に必要な地
    図の範囲を算出して、算出した地図の範囲に基づいて、
    次に読み出すべき地図ファイルの記録領域を特定する、
    請求項1に記載の端末装置。
  3. 【請求項3】 コンピュータ装置により読み出されるデ
    ータが記録された記録媒体であって、 地図を複数の領域に分割して得られる各ユニットがデジ
    タルデータ化された地図ファイルと、 各前記地図ファイルの名前をツリー構造で表現して、当
    該各地図ファイルの記録領域を管理する管理情報とを含
    む、地図ファイルが記録された記録媒体。
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