JP2003149468A - 光導波路型回折格子素子 - Google Patents

光導波路型回折格子素子

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JP2003149468A
JP2003149468A JP2002191026A JP2002191026A JP2003149468A JP 2003149468 A JP2003149468 A JP 2003149468A JP 2002191026 A JP2002191026 A JP 2002191026A JP 2002191026 A JP2002191026 A JP 2002191026A JP 2003149468 A JP2003149468 A JP 2003149468A
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清孝 村嶋
Takeshi Hashimoto
健 橋本
Toru Iwashima
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射モード損失およびモード間光結合に因る
透過損失の双方を抑制することができる光導波路型回折
格子素子を提供する。 【解決手段】 光導波路型回折格子素子1は、光導波路
である光ファイバ10の長手方向に沿って屈折率変調が
形成されたものである。光ファイバ10は、光軸中心か
ら順にコア領域11、内クラッド領域12および外クラ
ッド領域13を有している。光ファイバ10の長手方向
に沿って互いに離間した複数の領域A1〜AN(Nは2以
上の整数)それぞれにおいて、光ファイバ10のコア領
域11および内クラッド領域12の双方に屈折率変調が
形成されている。この光導波路型回折格子素子1では、
コア領域11および内クラッド領域12の双方に屈折率
変調が形成された領域An(n=1〜N)と、屈折率変
調が形成されていない領域Bn(n=1〜N−1)と
が、長手方向に沿って交互に存在している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光導波路の長手方
向に沿って屈折率変調が形成された光導波路型回折格子
素子に関する。
【0002】
【従来の技術】光導波路型回折格子素子は、光導波路
(光ファイバまたは平面型光導波路)の長手方向に沿っ
て屈折率変調が形成されたものである。特にブラッグ型
の屈折率変調が形成された光導波路型回折格子素子は、
導波する光のうちブラッグ条件を満たす特定波長の光を
選択的に反射することができるので、光通信システムに
おいて光フィルタ等として用いられる。このような光導
波路型回折格子素子は二光束干渉法または位相格子法に
より製造される。通常、このような光導波路型回折格子
素子は、光導波路の長手方向に沿った1つの領域に一定
周期の屈折率変調が形成されていて、この屈折率変調周
期に応じてブラッグ条件を満たす反射波長を1つしか有
しない。
【0003】これに対して、複数の反射波長を有する光
導波路型回折格子素子の提案がなされている。例えば文
献「M. A. Muriel, et al., "Field Distributions Ins
ideFiber Gratings", IEEE Journal of Quantum Electr
onics, Vol.35, No.4, pp.548-558 (1999)」に記載され
た光導波路型回折格子素子は、光導波路の長手方向に沿
って互いに離間した複数の領域それぞれにおいて光導波
路のコア領域に屈折率変調が形成されたものであり、こ
れら複数の領域の配置の周期(以下では「サンプリング
周期」と言う。)に応じた波長間隔で多数の反射波長を
有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】発明者らは、上記した
従来の技術を検討した結果、以下のような課題を発見し
た。すなわち、上記の光導波路型回折格子素子は、複数
の領域それぞれにおける屈折率変調の周期が短周期であ
る点では、ブラッグ条件を満たす特定波長の光をブラッ
グ反射させるブラッググレーティング素子としての性格
を有している。その一方で、この光導波路型回折格子素
子は、サンプリング周期が数百μm程度であることか
ら、コアモード光とクラッドモード光との間の位相整合
条件を利用して特定波長の光に対して損失を与える長周
期グレーティング素子としての性格をも有する。
【0005】ところで、この光導波路型回折格子素子
は、多くの反射波長の光を高効率に反射させるには、屈
折率変調が形成される複数の領域それぞれの長手方向に
沿った長さを短くするとともに、複数の領域それぞれに
おける屈折率変調の振幅を大きくすることが要求され
る。しかし、この光導波路型回折格子素子は、複数の領
域それぞれにおける屈折率変調の振幅が大きいと、コア
領域からクラッド領域への光の放射が多くなり、放射モ
ード損失が大きくなる。また、この光導波路型回折格子
素子は、長周期グレーティング素子としての性格を有す
ることから、コアモード光とクラッドモード光との間の
光結合に因り透過損失が生じる。
【0006】本発明は、上記問題点を解消する為になさ
れたものであり、放射モード損失およびモード間光結合
に因る透過損失の双方を抑制することができる光導波路
型回折格子素子を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係る光導波路型
回折格子素子は、光導波路の長手方向に沿って屈折率変
調が形成された光導波路型回折格子素子であって、光導
波路が光軸中心から順にコア領域、内クラッド領域およ
び外クラッド領域を有し、光導波路の長手方向に沿って
互いに離間した複数の領域それぞれにおいて光導波路の
コア領域および内クラッド領域の双方に屈折率変調が形
成されている。
【0008】この光導波路型回折格子素子では、光導波
路を導波してきて屈折率変調が形成された領域に達した
コアモード光のうち、ブラッグ条件を満たす特定波長の
コアモード光がブラッグ反射されるとともに、この波長
との周波数差が所定値の整数倍である波長のクラッドモ
ード光も反射される。このうち、後進クラッドモード光
との結合に際しては、屈折率変調が形成さているコア領
域および内クラッド領域の双方において光が反射される
ことになる。このことから、コア領域から外クラッド領
域への光の放射が低減される。一方、前進クラッドモー
ド光との結合に際しては、屈折率変調が形成された領域
とそれ以外の領域において、コア領域と内クラッド領域
との屈折率差の変化が抑制されているため、モード変換
が抑制される。このことから、コア領域から外クラッド
領域への光の放射が低減される。
【0009】本発明に係る光導波路型回折格子素子で
は、複数の領域それぞれにおいて、屈折率変調の形成に
よるコア領域の屈折率の変化量と内クラッド領域の屈折
率の変化量との差の、コア領域の屈折率の変化量に対す
る割合は12.5%以下であると好ましい。あるいは、
複数の領域におけるコア領域の屈折率と複数の領域以外
におけるコア領域の屈折率との差をコア屈折率差とし、
複数の領域における内クラッド領域の屈折率と複数の領
域以外における内クラッド領域の屈折率との差を内クラ
ッド屈折率差としたとき、コア屈折率差と内クラッド屈
折率差との差のコア屈折率差に対する割合は12.5%
以下であると好ましい。このようにすれば、他モードと
の結合をシングルモードファイバの場合と比べて5%以
下に抑えることができる。
【0010】上記割合は10%以下であるとより好まし
く、また5%以下であるとより一層好ましい。このよう
にすれば、他モードとの結合をシングルモードファイバ
の場合と比べて3%以下に抑えることができ、また1%
以下に抑えることができる。
【0011】また、本発明に係る光導波路型回折格子素
子では、内クラッド領域の径方向の大きさは16μm以
上であると好ましい。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明にお
いて同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を
省略する。なお、各図に示された直交座標系は説明の便
宜のためのものである。
【0013】図1(a)は、本実施形態に係る光導波路
型回折格子素子1の断面図である。また図1(b)は、
図1(a)の一部を拡大して示す図である。この図1
(a)は、光導波路型回折格子素子1の光軸を含む面で
切断したときの光導波路型回折格子素子1の断面を示し
ている。
【0014】光導波路型回折格子素子1は、光導波路で
ある光ファイバ10の長手方向(x軸方向)に沿って屈
折率変調が形成されたものである。光ファイバ10は、
光軸中心から順にコア領域11、内クラッド領域12お
よび外クラッド領域13を有している。そして、光ファ
イバ10の長手方向に沿って互いに離間した複数の領域
1〜AN(Nは2以上の整数)それぞれにおいて、光フ
ァイバ10のコア領域11および内クラッド領域12の
双方に屈折率変調が形成されている。すなわち、この光
導波路型回折格子素子1では、コア領域11および内ク
ラッド領域12の双方に屈折率変調が形成された領域A
n(n=1〜N)と、屈折率変調が形成されていない領
域Bn(n=1〜N−1)とが、長手方向に沿って交互
に存在している。
【0015】各領域An(n=1〜N)のx軸方向の幅
Aは、異なっていてもよいし、一定であってもよい。
各領域Bn(n=0〜N)のx軸方向の幅WBも、異なっ
ていてもよいし、一定であってもよい。また、各領域A
n(n=1〜N)に形成された屈折率変調の周期Lgも、
異なっていてもよいし、一定であってもよい。ただし、
設計・製造の容易さを考慮すると、各領域An(n=1
〜N)のx軸方向の幅WAが一定であり、各領域Bn(n
=0〜N)のx軸方向の幅WBも一定であるのが好適で
ある。なお、例えば、幅WAは100μm〜200μm
程度であり、幅WBは1mm程度であり、屈折率変調が
形成された領域Aの個数Nは50〜100程度である。
図では、便宜上、N=5としている。
【0016】この光導波路型回折格子素子1のサンプリ
ング周期Lsは、 Ls=WA+WB …(1) なる式で表される。ブラッグ波長λBraggは、 λBragg=2・neff・Lg …(2) なる式で表される。反射波長の周波数間隔Δfは、 Δf=c/(2・neff・Ls) …(3) なる式で表される。なお、cは真空中の光速であり、n
effは光ファイバ10の実効的屈折率である。すなわ
ち、この光導波路型回折格子素子1は、コア領域11を
導波する光のうち、波長λBraggの光をブラッグ反射す
ることができるだけでなく、この波長λBraggとの周波
数差がΔfの整数倍である波長の光をも反射することが
できる。このように、光導波路型回折格子素子1は複数
の反射波長を有している。
【0017】図2(a)から図2(d)は、光導波路型
回折格子素子1が備える光ファイバ10の説明図であ
る。図2(a)は、光ファイバ10におけるGe添加濃
度の径方向分布を示す。図2(b)は、光ファイバ10
におけるF添加濃度の径方向分布を示す。図2(c)
は、屈折率変調形成前の光ファイバ10における屈折率
の径方向分布を示す。また、図2(d)は、屈折率変調
形成後の光ファイバ10における平均屈折率の径方向分
布を示す。
【0018】この光ファイバ10は、石英ガラスをベー
スとするものであって、コア領域11および内クラッド
領域12の双方にGeO2が添加されていて(図2
(a)参照)、内クラッド領域12にF元素が添加され
ている(図2(b)参照)。このようにGeO2および
F元素それぞれが添加されていることにより、屈折率変
調形成前の光ファイバ10における屈折率の径方向分布
は、コア領域11の屈折率が最も高く、内クラッド領域
12の屈折率がもっとも低いものとなっている(図2
(c)参照)。なお、内クラッド領域12の外径は、こ
の光ファイバ10を導波するコアモード光のエネルギが
実質的に存在する範囲の径の程度であるのが好適であ
る。
【0019】この光ファイバ10に対して屈折率変調が
形成されると、GeO2が添加されたコア領域11およ
び内クラッド領域12の双方に屈折率変調が形成され、
これにより、コア領域11および内クラッド領域12そ
れぞれの平均屈折率が大きくなる。図2(d)には、屈
折率変調形成に因る平均屈折率の上昇分がハッチングで
示されている。
【0020】図2(c)及び図2(d)に示すように、
屈折率変調が形成された各領域An(n=1〜N)とそ
れ以外の領域Bn(n=1〜N−1)において(屈折率
変調の形成前後において)、コア領域11と内クラッド
領域12との屈折率差の変化が抑制されており、モード
変換が抑制されている。
【0021】この光導波路型回折格子素子1では、光フ
ァイバ10を導波してきて領域Anに達したコアモード
光のうち、ブラッグ条件を満たす特定波長λBragg(上
記(2)式)のコアモード光がブラッグ反射されるととも
に、この波長λBraggとの周波数差がΔf(上記(3)式)
の整数倍である波長のクラッドモード光も反射される。
このうち、後進クラッドモード光との結合に際しては、
屈折率変調が形成さているコア領域11および内クラッ
ド領域12の双方において光が反射されることになる。
このことから、コア領域11から外クラッド領域13へ
の光の放射が低減される。
【0022】一方、前進クラッドモード光との結合に際
しては、上記したようにモード変換が抑制される。この
ことから、コア領域11から外クラッド領域13への光
の放射が低減される。
【0023】ここで、本実施形態に係る光導波路型回折
格子素子1では、各領域An(n=1〜N)それぞれに
おいて、屈折率変調の形成によるコア領域11の屈折率
の変化量と内クラッド領域12の屈折率の変化量との差
の、コア領域11の屈折率の変化量に対する割合は1
2.5%以下であると好ましい。すなわち、各領域An
(n=1〜N)におけるコア領域11の屈折率とそれ以
外の領域Bn(n=1〜N−1)におけるコア領域11
の屈折率との差をコア屈折率差とし、各領域An(n=
1〜N)における内クラッド領域12の屈折率とそれ以
外の領域Bn(n=1〜N−1)における内クラッド領
域12の屈折率との差を内クラッド屈折率差としたと
き、コア屈折率差と内クラッド屈折率差との差のコア屈
折率差に対する割合は12.5%以下であると好まし
い。これにより、他モードとの結合をシングルモードフ
ァイバの場合と比べて5%以下に抑えることができる。
【0024】なお、上記割合は10%以下であるとより
好ましく、また5%以下であるとより一層好ましい。こ
のようにすれば、他モードとの結合をシングルモードフ
ァイバの場合と比べて3%以下に抑えることができ、ま
た1%以下に抑えることができる。
【0025】また、本実施形態に係る光導波路型回折格
子素子1では、内クラッド領域12の径方向の大きさr
clは16μm以上であると好ましい。
【0026】ここで、基底モードからその他のモードへ
のモード変換を示す結合係数は、コア領域を伝搬する基
底モードの電界分布の重なり積分の初期値からのずれに
比例する。
【0027】よって、屈折率変調の形成前後における次
式(1)に示す重なり積分の差の絶対値αを求めること
で、屈折率変調の形成による基底モードと他モードとの
結合の度合いを知ることができる。
【0028】
【数1】
【0029】なお、ECa(r)はコア領域及びクラッド
領域の屈折率を上昇させた後のコア領域を伝搬する基底
モードの電界分布を示している。また、ECb(r)はコ
ア領域及びクラッド領域の屈折率を上昇させる前のコア
領域を伝搬する基底モードの電界分布を示している。な
お、E* Cb(r)はECb(r)の複素共役を示してい
る。
【0030】屈折率変調の形成によるコア領域11の屈
折率の変化量をΔncとし、内クラッド領域12の屈折
率の変化量をΔnclとする。このとき、Δncl−Δnc
で表される屈折率変化量差δΔnを種々変化させ、この
屈折率変化量差δΔnと上記した重なり積分の差の絶対
値αとの関係を調べた。
【0031】図3及び図4は、それぞれコア領域11の
屈折率の変化量Δncが2×10-3のときと4×10-3
のときにおける、屈折率変化量差δΔnと上記した重な
り積分の差の絶対値αとの関係を示すグラフである。こ
こで、αの計算においては、内クラッド領域12の径方
向の大きさrclを16μmとした。なお、図3及び図4
において縦軸は、標準シングルモードファイバのコア領
域の屈折率を同じだけ変化させたときの、屈折率変調の
形成前後における次式(2)に示す重なり積分の差の絶
対値βで規格化した。
【0032】
【数2】
【0033】なお、ES Ca(r)はコア領域の屈折率を
上昇させた後のコア領域を伝搬する基底モードの電界分
布を示している。また、∫ES Cb(r)はコア領域の屈
折率を上昇させる前のコア領域を伝搬する基底モードの
電界分布を示している。なお、ES* Cb(r)はE
S Cb(r)の複素共役を示している。
【0034】図3及び図4に示すように、コア領域とク
ラッド領域との屈折率変化量差がない場合(δΔn=
0)、屈折率変調形成前後で重なり積分の変化はほとん
ど無い。そのため、基底モードからその他のモードへの
変換がほとんど生じず、ロスの発生が抑制される。この
重なり積分の差を5%以下に抑えれば、他モードとの結
合をシングルモードファイバの場合と比べて5%以下に
抑えることができる。この重なり積分の差を5%以下に
抑えるためには、図3及び図4に示すように、コア領域
11の屈折率の変化量Δncが2×10-3のときには屈
折率変化量差δΔnを4×10-4以下に、Δncが4×
10-3のときには屈折率変化量差δΔnを5×10-4
下に抑えればよい。すなわち、屈折率変化量差δΔn
の、コア領域11の屈折率の変化量Δncに対する割合
を12.5%以下に抑えればよい。
【0035】次に、内クラッド領域12の大きさの許容
範囲を調べた。ここで、同じ内クラッド領域12の大き
さであっても、コア領域11に与える屈折率上昇が大き
い方が重なり積分の変化が大きくなる。そのため、内ク
ラッド領域の径方向の大きさrclの許容範囲を調べるに
は、コア領域11及びクラッド領域12の屈折率変化量
が4×10-3の場合を考えれば十分である。
【0036】ところで、内クラッド領域12の大きさを
小さくしていくと、屈折率変調の形成前後で重なり積分
の差が変化する。図5に示すように、内クラッド領域1
2の大きさrclが16μmから小さくなるにつれ、δΔ
n=0であっても重なり積分の差αが大きくなることが
分かる。しかし、上記した重なり積分の差の許容値を5
%以下としたとき、図6に示した曲線とrcl軸とで囲ま
れた範囲内であれば許容範囲内となる。rclが16μm
より大きいときは、許容される屈折率のずれが12.5
%より小さくなることはないため、rclが16μmより
大きいときも同様に、許容範囲(曲線とrcl軸とで囲ま
れた)が存在することが分かる。
【0037】なお、図3及び図4に示すように、上記し
た重なり積分の差の許容値を3%以下としたとき、許容
される屈折率変化量差δΔnは、コア領域11の屈折率
の変化量Δncが2×10-3のときには3×10-4以下
に、Δncが4×10-3のときには4×10-4以下に抑
えればよい。すなわち、屈折率変化量差δΔnの、コア
領域11の屈折率の変化量Δncに対する割合を10%
以下に抑えればよい。
【0038】また、上記した重なり積分の差の許容値を
1%以下としたとき、許容される屈折率変化量差δΔn
は、コア領域11の屈折率の変化量Δncが2×10-3
のときには1×10-4以下に、Δncが4×10-3のと
きには2×10-4以下に抑えればよい。すなわち、屈折
率変化量差δΔnの、コア領域11の屈折率の変化量Δ
cに対する割合を5%以下に抑えればよい。
【0039】図7及び図8は、それぞれ上記した重なり
積分の差の許容値を3%以下としたとき及び1%以下に
したときの、許容される屈折率変化量差δΔnと内クラ
ッド領域12の大きさrclとの関係を示すグラフであ
る。上記した重なり積分の差の許容値を3%以下、ある
いは1%以下としたとき、図7及び図8に示した曲線と
cl軸とで囲まれた範囲内であれば許容範囲内となる。
clが16μmより大きいときは、許容される屈折率の
ずれが図7においては10%より小さくなることはな
く、また図8においては5%より小さくなることはない
ため、rclが16μmより大きいときも同様に、許容範
囲(曲線とrcl軸とで囲まれた)が存在することが分か
る。
【0040】次に、本実施形態に係る光導波路型回折格
子素子1の製造方法の一例について説明する。図9は、
本実施形態に係る光導波路型回折格子素子1を製造する
際に用いられる位相格子マスク2の斜視図である。図1
0(a)は、位相格子マスク2の側面図である。図10
(b)は、位相格子マスク2の第1面21の一部を拡大
して示す図である。
【0041】この位相格子マスク2は、石英ガラスから
なる平板20の第1面21上において、互いに離間した
N個の領域21An(n=1〜N)それぞれに位相格子
が形成されている。すなわち、石英ガラス平板20の厚
み方向をz軸方向とし、z軸に直交する石英ガラス平板
20の辺に平行な方向をx軸方向およびy軸方向とす
る。このとき、石英ガラス平板20の第1面21上にお
いて、位相格子が形成された領域21An(n=1〜
N)と、位相格子が形成されておらず平坦な領域21B
n(n=0〜N)とが、x軸方向に交互に存在する。各
領域21An(n=1〜N)では、周期2Lgでz軸方向
の厚みがx軸方向に変化していて、これにより位相格子
が形成されている。このような位相格子マスク2は、フ
ォトリソグラフィ技術を用いて作製することができる。
なお、石英ガラス平板20の第2面22は平坦である。
【0042】各領域21An(n=1〜N)それぞれに
形成されている位相格子における回折効率は、位置によ
らず一定であってもよいし、位置によって異なっていて
もよい。後者の場合には、この位相格子マスク2を用い
て製造される光導波路型回折格子素子1は、屈折率変調
の振幅が位置によって異なるものとなり、優れた反射特
性を奏することができる。また、位相格子が形成されて
おらず平坦な領域21Bn(n=0〜N)それぞれは、
光ファイバ10のコア領域11および内クラッド領域1
2それぞれの屈折率の変化を誘起せしめる波長の光(屈
折率変化誘起光)を透過させてもよいが、遮光膜が形成
されていて屈折率変化誘起光を透過させないようになっ
ていてもよい。
【0043】図11は、本実施形態に係る光導波路型回
折格子素子1の製造方法の説明図である。この製造方法
は、上述した位相格子マスク2を用いて光導波路型回折
格子素子1を製造するものである。この製造方法では、
先ず、上述した位相格子マスク2および光ファイバ10
が用意される。そして、光ファイバ10の側方に位相格
子マスク2が配置される。このとき、光ファイバ10の
光軸がx軸に平行になるようにして、光ファイバ10は
位相格子マスク2の第1面21に略密着して配置され
る。次に、位相格子マスク2の第2面22側より、位相
格子マスク2の位相格子が形成されたN個の領域21A
n(n=1〜N)それぞれに対して同時に、屈折率変化
誘起光(例えばKrFエキシマレーザ光源から出力され
る波長248nmの紫外レーザ光)が照射される。この
照射により、位相格子マスク2の領域21An(n=1
〜N)それぞれに略密着して配置された光ファイバ10
の各領域An(n=1〜N)において、コア領域11お
よび内クラッド領域12の双方に長手方向に沿って屈折
率変調が形成される。このようにして、図1(a)に示
した光導波路型回折格子素子1が製造される。
【0044】次に、本実施形態に係る光導波路型回折格
子素子1の実施例および比較例について説明する。実施
例の光導波路型回折格子素子は、上述した構成のもので
ある。一方、比較例の光導波路型回折格子素子は、コア
領域のみに屈折率変調が形成されていて、コア領域以外
の領域には屈折率変調が形成されていないものである。
実施例および比較例それぞれにおいて、サンプリング周
期Lsを1.03mmとし、屈折率変調の周期Lgを0.
1mmとし、全長((N−1)・Ls+WA)を100mm
とした。また、実施例および比較例それぞれにおいて、
分散補償機能を実現するために、屈折率変調の周期Lg
の長手方向変化率を0.013nm/cmとした。
【0045】図12(a)及び図12(b)は、実施例
および比較例それぞれの光導波路型回折格子素子の透過
特性を示す図である。図12(a)は実施例の光導波路
型回折格子素子の透過特性を示し、図12(b)は比較
例の光導波路型回折格子素子の透過特性を示す。図12
(b)に示されるように、比較例の光導波路型回折格子
素子では、放射モード損失およびモード間光結合に因る
透過損失が1542nm付近をピークにして現れてお
り、そのピーク値が28dBにもなった。なお、この比
較例の光導波路型回折格子素子の外周が樹脂で被覆され
ることにより、モード間光結合に因る透過損失は低減さ
れるものの、放射モード損失は1dB〜2dB程度残存
した。これに対して、図12(a)に示されるように、
実施例の光導波路型回折格子素子では、放射モード損失
およびモード間光結合に因る透過損失は極めて小さく、
また、外周が樹脂で被覆されることにより、これらの損
失は更に小さくなった。
【0046】以上、詳細に説明したとおり、本実施形態
に係る光導波路型回折格子素子は、光導波路が光軸中心
から順にコア領域、内クラッド領域および外クラッド領
域を有し、光導波路の長手方向に沿って互いに離間した
複数の領域それぞれにおいて光導波路のコア領域および
内クラッド領域の双方に屈折率変調が形成されている。
【0047】従って、光導波路を導波してきて屈折率変
調が形成された領域に達したコアモード光のうち、ブラ
ッグ条件を満たす特定波長のコアモード光がブラッグ反
射されるとともに、この波長との周波数差が所定値の整
数倍である波長のクラッドモード光も反射される。この
うち、後進クラッドモード光との結合に際しては、屈折
率変調が形成さているコア領域および内クラッド領域の
双方において光が反射されることになる。このことか
ら、コア領域から外クラッド領域への光の放射が低減さ
れる。一方、前進クラッドモード光との結合に際して
は、屈折率変調が形成された領域とそれ以外の領域にお
いて、コア領域と内クラッド領域との屈折率差の変化が
抑制されているため、モード変換が抑制される。このこ
とから、コア領域から外クラッド領域への光の放射が低
減される。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、放射モード損失および
モード間光結合に因る透過損失の双方を抑制することが
できる光導波路型回折格子素子が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は、本実施形態に係る光導波路型回
折格子素子の断面図である。図1(b)は、図1(a)
の一部を拡大して示す図である。
【図2】図2(a)から図2(d)は、光導波路型回折
格子素子が備える光ファイバの説明図である。
【図3】図3は、コア領域の屈折率の変化量Δncが2
×10-3のときにおける、屈折率変化量差δΔnと重な
り積分の差との関係を示すグラフである。
【図4】図4は、コア領域の屈折率の変化量Δncが4
×10-3のときにおける、屈折率変化量差δΔnと重な
り積分の差との関係を示すグラフである。
【図5】図5は、コア領域及びクラッド領域の屈折率の
変化量Δnc及びΔnclが4×10-3の場合における、
内クラッド領域の大きさrclを変化させたときの、重な
り積分の差の変化の様子を示すグラフである。
【図6】図6は、重なり積分の差の許容値を5%以下と
したときの、許容される屈折率変化量差(屈折率のず
れ)δΔnと内クラッド領域の大きさrclとの関係を示
すグラフである。
【図7】図7は、重なり積分の差の許容値を3%以下と
したときの、許容される屈折率変化量差(屈折率のず
れ)δΔnと内クラッド領域の大きさrclとの関係を示
すグラフである。
【図8】図8は、重なり積分の差の許容値を1%以下と
したときの、許容される屈折率変化量差(屈折率のず
れ)δΔnと内クラッド領域の大きさrclとの関係を示
すグラフである。
【図9】図9は、本実施形態に係る光導波路型回折格子
素子を製造する際に用いられる位相格子マスクの斜視図
である。
【図10】図10(a)は、本実施形態に係る光導波路
型回折格子素子を製造する際に用いられる位相格子マス
クの側面図である。図10(b)は、図10(a)の一
部を拡大して示す図である。
【図11】図11は、本実施形態に係る光導波路型回折
格子素子1の製造方法の説明図である。
【図12】図12(a)及び図12(b)は、実施例お
よび比較例それぞれの光導波路型回折格子素子の透過特
性を示す図である。
【符号の説明】
1…光導波路型回折格子素子、10…光ファイバ、11
…コア領域、12…内クラッド領域、13…外クラッド
領域。
フロントページの続き (72)発明者 岩島 徹 神奈川県横浜市栄区田谷町1番地 住友電 気工業株式会社横浜製作所内 Fターム(参考) 2H050 AB05X AC03 AC13 AC38 AC82 AC84 AD00

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光導波路の長手方向に沿って屈折率変調
    が形成された光導波路型回折格子素子であって、 前記光導波路が光軸中心から順にコア領域、内クラッド
    領域および外クラッド領域を有し、 前記光導波路の長手方向に沿って互いに離間した複数の
    領域それぞれにおいて前記光導波路の前記コア領域およ
    び前記内クラッド領域の双方に屈折率変調が形成されて
    いる光導波路型回折格子素子。
  2. 【請求項2】 前記複数の領域それぞれにおいて、前記
    屈折率変調の形成による前記コア領域の屈折率の変化量
    と前記内クラッド領域の屈折率の変化量との差の、前記
    コア領域の屈折率の変化量に対する割合は12.5%以
    下である請求項1に記載の光導波路型回折格子素子。
  3. 【請求項3】 前記割合は10%以下である請求項2に
    記載の光導波路型回折格子素子。
  4. 【請求項4】 前記割合は5%以下である請求項2に記
    載の光導波路型回折格子素子。
  5. 【請求項5】 前記複数の領域における前記コア領域の
    屈折率と該複数の領域以外における前記コア領域の屈折
    率との差をコア屈折率差とし、前記複数の領域における
    前記内クラッド領域の屈折率と該複数の領域以外におけ
    る前記内クラッド領域の屈折率との差を内クラッド屈折
    率差としたとき、前記コア屈折率差と前記内クラッド屈
    折率差との差の該コア屈折率差に対する割合は12.5
    %以下である請求項1に記載の光導波路型回折格子素
    子。
  6. 【請求項6】 前記割合は10%以下である請求項5に
    記載の光導波路型回折格子素子。
  7. 【請求項7】 前記割合は5%以下である請求項5に記
    載の光導波路型回折格子素子。
  8. 【請求項8】 前記内クラッド領域の径方向の大きさは
    16μm以上である請求項1に記載の光導波路型回折格
    子素子。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010211192A (ja) * 2009-02-10 2010-09-24 Hokkaido Univ テーパ光ファイバ

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