JP2003149120A - 近接場光を利用した装置用プローブヘッドとその利用装置 - Google Patents

近接場光を利用した装置用プローブヘッドとその利用装置

Info

Publication number
JP2003149120A
JP2003149120A JP2001349306A JP2001349306A JP2003149120A JP 2003149120 A JP2003149120 A JP 2003149120A JP 2001349306 A JP2001349306 A JP 2001349306A JP 2001349306 A JP2001349306 A JP 2001349306A JP 2003149120 A JP2003149120 A JP 2003149120A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
field light
probe head
generating
optical waveguide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001349306A
Other languages
English (en)
Inventor
Satoshi Kawada
聡 河田
Koji Inoue
康志 井上
Yoshiyuki Yamada
良行 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEOARK CORP
Original Assignee
NEOARK CORP
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEOARK CORP filed Critical NEOARK CORP
Priority to JP2001349306A priority Critical patent/JP2003149120A/ja
Publication of JP2003149120A publication Critical patent/JP2003149120A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の光導波路のプローブおよびSILの近
接場光発生機能に加えて、同一プローブ基板上または同
一SILのレンズ上に、距離制御機能の付与と傾き検知
機能を付与することにより、一つのプローブおよび一つ
のSILで、近接場光の発生、距離および傾き制御が可
能する近接場光を利用した装置用プローブヘッドと、そ
のプローブヘッドを用いた光微細加工装置及び計測・診
断装置を提供する。 【解決手段】 基板1の側面中央に光微細加工用光導波
路1aを設け、その両側に距離計測用光導波路1bと1
cをそれぞれ配置すると共に、光導波路1c,1cの光
出射口部を除く基板1の下面に金属膜8を蒸着させ、そ
の金属膜8の光導波路1aの光出射口と対応する位置に
微細開口孔9を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、近接場光を利用し
た装置用プローブヘッドと、そのプローブヘッドを用い
た近接場光を利用した装置、詳しくは、光微細加工装置
や計測・診断装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ナノテクノロジーを用いた微細加工や計
測・診断が近年注目を浴び、その研究・開発は活発に行
われている。このナノテクノロジーの中でも近接場光を
用いる技術は、その中核となる技術であり、ナノメータ
−オーダーのリソグラフィー、描画や成膜、さらに三次
元的な加工などの微細加工や、生物試料の観察などの計
測・診断への応用が期待されている。
【0003】よく知られているように、近接場光を発生
させるためには、大別して、以下のような3タイプのプ
ローブが使用されている。即ち、原子間力顕微鏡のプロ
ーブであるカンチレバーを応用したプローブ、ファイバ
コアの先端を先鋭化したファイバプローブおよび、走査
型トンネル顕微鏡のプローブを利用した金属プローブで
ある。例えば、金属プローブを用いた近接場光によるレ
ジスト・パターン加工に関し、特許出願されている(特
願2001−191780号)。
【0004】このうち、カンチレバーを応用したプロー
ブにおいて、光導波路を形成したプローブがあることが
知らされいる(オプトロニクス社、2000年発行、大
津、河田編:近接場ナノフォトニクス入門)。またこの
光導波路形成プローブとして、走査型近接場原子間力顕
微鏡への応用(特開2000−46717号)や、光ピ
ックアップへの応用(特開2000−215494号)
がある。
【0005】一方上記のような近接場光発生の方法とは
異なる方法、即ち、ソリッドイマージョンレンズ(以
下、SILという)を用いた対物レンズが知られてお
り、このレンズの実効開口数(以下、NAという)が1
以上の領域に入る光はエバネッセント波となり、上記し
た方法で発生する近接場光と同様の近接場光が発生す
る。
【0006】これはファー・フィールド・オプティクス
の延長から発展したものであり、このSILを用いると
入射波長以下の微小スポットを得ることができ、光情報
記憶装置への応用を目指して開発が進められている
(S.Imanishi et al.,J.Appl.Phys.
39(2000)pp.800−805)。
【0007】ところで近接場光を用いて微細加工を行う
には、近接場光は、上記のようなプローブの先端近傍
や、SILではレンズ出射面の近傍に局在化して存在す
るので、プローブの先端やレンズの出射面と試料との間
の距離を精密に制御する必要がある。
【0008】例えば、波長以下の微小開口を用いて近接
場光を発生させる導波路形成プローブやファイバプロー
ブでは、開口部から近接場光の滲み出し長は開口径程度
であるため、距離制御には0nm〜10nm程度の精度
が必要となる。SILによる距離制御も同様である。
【0009】これら距離制御を達成する方法として、従
来より、プローブによる近接場光では、走査型顕微鏡に
用いられているせん断応力制御法や、原子間力顕微鏡の
制御法が利用され(大津、河田編:近接場ナノフォトニ
クス入門(オプトロニクス社、2000年))、SIL
ではレンズを試料との間の静電容量値を制御する方法
(市村等:光学、29(2000)pp.672−67
7.)などが用いられていた。
【0010】しかしながらこれら制御方法では、例えば
プローブによる近接場光発生の場合、プローブ先端位置
を検出するために、プローブの変位を光学的や電気的に
検出しており、この検出において、プローブに外部か
ら、例えばピエゾ素子などを用いて、強制的に振動を加
える、という手段を採用しており(代表的な原子間力顕
微鏡制御(AFM)法の例として(大津、河田編:近接
場ナノフォトニクス入門(オプトロニクス社、2000
年)参照)プローブにストレスを与えると同時に、プロ
ーブの振動に伴う加工精度の劣化が発生する、という問
題点がある。
【0011】また光学的なプローブ変位の検出では、光
てこの原理による検出方法が、電気的な変位検出には、
圧電検出が用いられており、相方とも複雑な構造である
ばかりでなく、プローブと制御部の大型化につながって
いる。
【0012】さらに近接場光発生プローブと制御部は同
じ製造プロセスで製作困難のため、製作工程が複雑であ
るとともに、コストアップにつながっている、という問
題点を有している。
【0013】一方、SILを用いる近接場光では、プロ
ーブ先端部の電極による静電容量ギャップ制御にレンズ
ホルダの外側に設けられた、電磁アクチュエータを用い
て、距離制御が行われており、ヘッド部の小型・軽量化
が図れない、という問題点を有している。
【0014】また、プローブおよびSILの制御におい
て、近接場光が常に試料面に垂直に照射されるような制
御機能、すなわち傾き検知機能を有しておらず、照射方
向の傾きが伴う精度のばらつきが生じるという、加工・
計測上の問題点も有している。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、従
来の導波路のプローブおよびSILの近接場光発生機能
に加えて、同一プローブ基板上または同一SILのレン
ズ上に、距離制御機能の付与と傾き検知機能を付与する
ことにより、一つのプローブおよび一つのSILで、近
接場光の発生、距離および傾き制御が可能する近接場光
を利用した装置用プローブヘッドと、そのプローブヘッ
ドを用いた光微細加工装置及び計測・診断装置を提供す
ることを課題とする。
【0016】
【発明が解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたもので、第1の発明は、支持体とな
る基板と、その基板上に近接場光発生用コアとクラッド
からなる光導波路と、少なくとも1つのコアとクラッド
からなる距離制御用光導波路とを設けた近接場光を利用
した装置用プローブヘッドである。
【0017】第2の発明は、支持体となる基板上に設け
た近接場発生用光導波路の周囲に少なくとも2つの傾き
制御用光導波路を設けた第1の発明に記載の近接場光を
利用した装置用プローブヘッドである。
【0018】傾き制御用光導波路は、左右の傾きのみを
制御する時は、近接場光発生用光導波路を挟んで両側に
設け、平面性制御の場合は3つ以上を同じ距離において
設ける。
【0019】第3の発明は、基板の近接場光が発生する
面に、近接場光発生用光導波路の先端中央部に形成され
た微小開口部を設けた金属膜を設け、距離制御用光導波
路は入射光用と反射光用の光導波路を備えると共に入射
光が先端部で全反射することにより前記金属膜に表面プ
ラズモン共鳴を励起し、かつ前記金属膜と試料との間の
距離に対応して変化する反射光量を反射光用光導波路で
検出する第1又は第2の発明に記載の近接場光を利用し
た装置用プローブヘッドである。
【0020】第4の発明は、近接場光発生用光導波路の
先端部のみに光導波路の中央部に微小開口を設けた金属
膜を設け、かつ入射光用と反射光用の光導波路を備える
と共に入射光が先端部で全反射することによりエバネッ
セント波を発生させる距離制御用光導波路を設けた第1
又は第2の発明に記載の近接場光を利用した装置用プロ
ーブヘッドである。
【0021】第5の発明は、非球面レンズとソリッドイ
マージョンレンズ(SIL)を組合せた近接場光発生プ
ローブヘッドにおいて、近接場光が発生するSILの底
面に金属膜を設け、近接場光が発生する微小部分のみ金
属膜が施されていない微小開口部を設けることにより近
接場光を発生させ、かつ近接場光発生用光源又は近接場
光発生用光源と異なる少なくとも1つの光源からの光を
用いて、微小開口部の外側の金属膜に入射光を全反射さ
せ、表面プラズモン共鳴を励起させる近接場光を利用し
た装置用プローブヘッドである。
【0022】第6の発明は、非球面レンズとソリッドイ
マージョンレンズ(SIL)を組合せた近接場光発生プ
ローブヘッドにおいて、近接場光発生用光源又は近接場
光発生用の光源とは異なる少なくとも1つの光源からの
光を用いて、SIL底面に入射光を全反射させ、エバネ
ッセント波を発生させる近接場光を利用した装置用プロ
ーブヘッドである。
【0023】第7の発明は、光学レンズの底面に中心部
に微小開口部を設けた金属膜を設けることにより近接場
光を発生させ、かつ近接場光発生用光源又は近接場光発
生用光源と異なる少なくとも1つの光源からの光を用い
て、微小開口部の外側の金属膜に入射光を全反射させ、
表面プラズモン共鳴を励起させる近接場光を利用した装
置用プローブヘッドである。
【0024】第8の発明は、光学レンズの底面に中心部
に微小開口部を設けた金属膜を設けることにより近接場
光を発生させ、かつ近接場光発生用光源又は近接場光発
生用光源と異なる少なくとも1つの光源からの光を用い
て、光学レンズの底面に入射光を全反射させ、エバネッ
セント波を発生させる近接場光を利用した装置用プロー
ブヘッドである。
【0025】第9の発明は、プリズムの底面に中心部に
微小開口部を設けた金属膜を設けることにより近接場光
を発生させ、かつ近接場光発生用光源又は近接場光発生
用光源と異なる少なくとも1つの光源からの光を用い
て、微小開口部の外側の金属膜に入射光を全反射させ、
表面プラズモン共鳴を励起させる近接場光を利用した装
置用プローブヘッドである。
【0026】第10の発明は、プリズムの底面に中心部
に微小開口部を設けた金属膜を設けることにより近接場
光を発生させ、かつ近接場光発生用光源又は近接場光発
生用光源と異なる少なくとも1つの光源からの光を用い
て、光学レンズの底面に入射光を全反射させ、エバネッ
セント波を発生させる近接場光を利用した装置用プロー
ブヘッドである。
【0027】第11の発明は、プローブヘッドを保持す
るホルダに少なくとも1つのコアとクラッドからなる距
離制御用光導波路とを設けた第5〜第10の発明に記載
の近接場光を利用した装置用プローブヘッドである。
【0028】第12の発明は、微細加工用及び距離計測
用の光源と、反射光量検出器と、第1〜第11の発明の
いずれかのプローブヘッドと、そのプローブヘッドと試
料間を制御する制御装置を具備した光微細加工装置であ
る。
【0029】第13の発明は、計測・診断用及び距離計
測用の光源と、反射光量検出器と、第1〜第11の発明
のいずれかのプローブヘッドと、そのプローブヘッドと
試料間を制御する制御装置を具備した計測・診断装置で
ある。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明では、これを実施するため
に、まず光導波路形成プローブヘッドにおいては、同一
基板上に作製された近接場光発生用光導波路と距離制御
用光導波路および、傾き検知用光導波路が用いられ、こ
のうち距離制御方法として近接場光発生のために設けら
れた微小開口作成のために使用される金属膜を利用し、
この金属膜に表面プラズモン波が励起できるよう距離制
御用光導波路を配置する。
【0031】この導波路中にp−偏光波を伝搬させる
と、まず金属膜と試料との間の距離が十分離れている場
合、金属膜の誘電率と金属膜と試料間の媒体の誘電率か
らなる分散関係を満たす表面プラズモン波が金属膜中に
励起され、金属膜外側の媒体中に伝搬することなく数1
00nmの範囲で滲み出して行く。ここに試料が近づく
と、金属膜、金属膜と試料間の媒体および、試料の3層
構造を満たす分散関係により、試料中へも滲み出しが起
こるようになる。この滲み出しに伴う金属膜からの反射
光量変化を距離制御用光導波路を用いて測定することに
より、0nm〜10nm程度の精度で距離制御が可能と
なる。
【0032】ここで上述の金属膜を除去すると、よく知
られたエバネッセント波を発生させる導路構造を作製す
ることができる。この場合は、試料が数100nmのエ
バネッセント波滲み出し範囲内に入ってくると、全反射
から試料の距離に応じた反射光量に減少して行く。これ
により、表面プラズモン波利用と同程度の0nm〜10
nm程度の精度で距離制御が可能となる。
【0033】次に傾き制御として、上記表面プラズモン
波やエバネッセント波を発生させる光導波路を少なくと
も2つ以上、同一基板上に設けることにより、それら反
射光量を同一値になるよう制御することで近接場光発生
面と試料とを常に平行に保つことが可能となる。これに
代えて、少なくとも2本の光導波路または、基板上に設
置された少なくとも2本の光ファイバを用い、導波路や
ファイバから出射された光の試料からの反射光量値を一
定になるように設定すると、左右の傾き検知が可能とな
る。
【0034】さらに、これら2本の導波路または、2本
の光ファイバの反射量変化により、近接場光発生面と試
料面との間の粗調距離制御も、傾き検知と同時に行なえ
ることになり、三次元の微細加工も可能となる。
【0035】この様にして、従来の光導波路形成プロー
ブとは異なった、まったく新規なプローブを作製でき、
近接場光による光微細加工装置や計測・診断装置とな
る。
【0036】他方SILを用いた距離制御法、傾き検知
および粗調制御法も、上述した光導波路形形成プローブ
と略同様に達成できる。
【0037】またSILという特殊レンズを用いる代わ
りに、金属膜が施された底面を有する通常の光学レンズ
を用い、底面の中心部に微小開口を設けることで容易に
近接場光を発生できるので、このレンズを用いることに
よりコストの低減、量産性を向上することが容易とな
る。
【0038】これらにより、上述した目的を達成する近
接場光を利用した装置、すなわち光微細加工装置や計測
・診断装置を実現できることになる。
【0039】
【実施例】図1は、本発明を適用した光微細加工装置の
実施例の概略図で、1はプローブヘッド、2は405n
mの加工用青色レーザと780nmの距離測定用赤色レ
ーザを出射する光源、3は検出器、4はビームスプリッ
タ、5はX−Y−Zステージ、6は試料、7は光源2と
検出器3及びX−Y−Zステージ5を制御する制御装置
である。L1,L2,L2,L2’,L2’,L3,L
3は光ファイバのケーブルである。
【0040】プローブヘッド1はケーブルL1より導光
された光源2からの405nmの青色レーザ光を用いて
試料6を加工すると共に、試料6からの780nmの赤
色レーザの反射光をケーブルL2’,L2’,L3,L
3により検出器3に導光することで、その反射光量の変
化からプローブヘッド1と試料6の距離を検出し、その
検出結果を用いて制御装置7は試料6が載っているX−
Y−Zステージ5を上下左右に動かし、加工及び距離制
御を行う。
【0041】図2は本発明にかかるプローブヘッドの一
実施例の断面図で、1はコアとクラッドからなる板状プ
ローブヘッド本体、1a,1b,1cはそれぞれコアか
らなる光導波路で光導波路1aを中心にして両側に光導
波路1b、1cが配置されている。8は光導波路1c、
1cの光出射口部を除くプローブヘッド本体1の下面に
蒸着させた金属膜、9は光導波路1aの先端中央に設け
られた加工用青色レーザの波長以下、ここでは100n
m以下の微小開口孔である。
【0042】プローブヘッド本体1を構成する材料とし
ては、誘電体、非晶質、半導体等からなる基板を用い、
公知の方法で、その側面に各光導波路を形成する。
【0043】光導波路1aではプローブヘッド先端部に
設けられた金属膜8の微小開口孔9により近接場光が発
生する。光導波路1bは金属膜8に対して表面プラズモ
ン波を励起するように光導波路の一方から入射した光が
全反射し、その反射光が他方の光導波路に伝搬するよう
に全反射角をもったV字状に設けられている。光導波路
1bの一方から伝搬された反射光はL2’により検出器
3へと送られ、この反射光量の変化を検出器3によって
検出することによってプローブヘッド1の下面と試料6
間の距離をnm単位で計測を行うことができる。光導波
路1cは通常の光ファイバーセンサーと同様に試料から
の反射光量の変化や、光導波路出射端からの反射光と試
料からの反射光との干渉による反射干渉光量の変化等に
より距離計測用として使用する。図2では光導波路1
b、1cはそれぞれ2つ設けてあるので、それぞれから
検出した計測結果によりそれぞれの試料6までの距離を
一定にすることにより傾き制御を行うためのもので、光
導波路1c、1cは粗制御用、光導波路1b、1bは超
微小制御用である。尚、より精度を高めるためには、距
離計測用の光導波路1b、1cを複数設ければよい。
【0044】図3は本発明にかかるプローブヘッドの他
の一実施例を示す断面図で、図2に示した実施例に対し
て光導波路1aの先端部のみ金属膜8’を設けたもので
ある。従って光導波路1bの先端部には全反射によりエ
バネッセント波が発生し、反射光の光量変化を検出器3
で検出することにより距離計測をすることができる。
【0045】図4は、平面制御機能を付与したプローブ
ヘッドの実施例の分解斜視図を示すもので、主プローブ
ヘッドM1には光導波路1a,1b,1cを設け、副プ
ローブヘッドM2,M3にはそれぞれ光導波路1b、1
cを設けて合体させたものである。
【0046】この構成によると3点でプローブヘッドと
試料間の距離制御を行うことができるので、平面制御プ
ローブヘッドが実現できる。
【0047】図5は、SIL10と非球面レンズ11を
用いた本発明にかかるプローブヘッドの実施例を示す断
面図で、101はプローブヘッド本体、12は中心部に
微小開口孔13を設けたSIL10底面に蒸着させた金
属膜、14は光ファイバである。
【0048】このプローブヘッド101では、非球面レ
ンズ11上から入射する青色レーザ光のNA>1の領域
にある光AはSIL10底面上でエバネッセント波を発
生させる。また青色レーザとは異なる角度から、別の光
源、例えば赤色レーザB1をSIL底面の金属膜12に
全反射が起こる角度で入射させると金属膜12に表面プ
ラズモン波が励起され、その全反射した反射光B2の光
量の変化を検出することにより試料6までの距離を計測
をすることができる。14は、前記1cと同様粗距離制
御用として用いる。
【0049】図6は、図5のSIL10のみを表した概
略斜視図で、SIL底面の金属膜12部分に異なる角度
から複数の表面プラズモン波を励起させる構造とするこ
とによりそれぞれの全反射点での距離計測を行うことで
プローブ本体の傾き制御による水平保持制御をすること
ができる。
【0050】図7は、SIL10底面に金属膜がない場
合の実施例を示した断面図で、図4の実施例と同様に赤
色レーザB1をSIL10底面で全反射させるとSIL
10底面にエバネッセント波が生じ、この反射光B2の
光量の変化を計測することにより距離計測を行うことが
できる。
【0051】また、図6と同様に異なる角度の光源によ
るSIL底面に複数のエバネッセント波を発生させて傾
き制御できることは勿論である。
【0052】図8と図9は、SILを用いた他の実施例
を示した断面図で、102はコアとクラッドからなるプ
ローブヘッド本体、15a,15bは入射用と反射用の
光導波路で、非球面レンズ11を通さず、直接SIL1
0底面へ光導波路15aから入射光B1を全反射させ、
全反射した反射光B2を光導波路15bで受光し、反射
光量の変化を計測して距離計測を行う。従って図8は金
属膜による表面プラズモン波、図9はエバネッセント波
を用いた距離計測機能を備えたものである。
【0053】また、15a,15bと同様な光導波路を
複数設けることにより、異なる角度から表面プラズモン
波又はエバネッセント波を発生させることにより傾き制
御をすることができる。
【0054】図10、図11はSILに代えて半球レン
ズ16を用いた実施例の断面図で、17,17’は半球
レンズ16底面に蒸着させた金属膜、18は金属膜1
7,17’の中央部に設けた微小開口孔である。レンズ
11’は非球面でもどちらでも良く、このレンズの役割
としては、近接場光発生用光源からの光A’を微小開口
孔17,17’上に集光させ、効率よく近接場光を発生
させるためのものである。従ってレンズ11’を設けな
くても機能的には問題がない。また半球レンズ16を平
凸レンズとしてもよいことは勿論である。
【0055】図12,図13は、SILに代えてプリズ
ム19を用いた実施例の断面図で、104はコアとクラ
ッドからなるプローブヘッド本体、20,20’はプリ
ズム19底面に蒸着させた金属膜、21は金属膜20,
20’の中央部に設けた微小開口孔,23a,23bは
入射用と反射用の光導波路で、レンズ22を通さず、直
接プリズム19底面へ光導波路23aから入射光B1を
全反射させ、全反射した反射光B2を光導波路23bで
受光し、反射光量の変化を計測して距離計測を行う。従
って図12は金属膜による表面プラズモン波、図13は
エバネッセント波を用いた距離計測機能を備えたもので
ある。24は粗制御用の光導波路である。25は反射面
で入射光B1,反射光B2を垂直に反射することができ
る。
【0056】図14は、非球面レンズ部22’とプリズ
ム部19’が一体となったレンズプリズム26を使用し
た実施例の断面図で、前記レンズ22とプリズム19か
らなる光学系と同様の作用効果を持ち、図12の実施例
よりレンズとプリズムの一体化により構造の簡素化が実
現できると共に製作コストを下げることができる。
【0057】これら実施例においても前記のSILを用
いた実施例と同様に微細加工用の光源とは別の光源によ
り半球レンズ底面に表面プラズモン波又はエバネッセン
ト波を発生させることにより距離制御及び傾き制御を行
うことができる。
【0058】図15〜図17は、本発明を適用した計測
・診断装置の実施例の概略図で、図15はプローブヘッ
ド1、例えば図2に示すプローブヘッドを使用した場合
では、ケーブル1より導光された光源2からの光が光導
波路1aを通って試料6に近接場光を照射し、その反射
光を光導波路1aで集光してハーフミラー4により計測
・観察装置27へ導光し、計測・診断を行うものであ
る。
【0059】図16は、X−Y−Zステージ5の一部に
グラスプレート部28を設け、ケーブルL1’により導
光された光源2の光を試料6直下で全反射させて近接場
光を励起させ、プローブヘッド1の光導波路1aにより
試料6表面に発生した近接場光を集光し、ケーブルL1
により計測・観察装置27’へ導光して計測・診断を行
うものである。
【0060】図17は、ケーブルL1より導光され、光
導波路1aで発生させた近接場光を試料6に照射し、試
料6を透過した光を集光し、その光をケーブルL1”で
計測・観察装置27”へ導光して計測・診断するもので
ある。
【0061】なお、プローブヘッドを図3〜図14に示
すプローブヘッドとしても同様に近接場光による計測・
診断をすることができる。
【0062】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来の光導波路のプローブおよびSILの近接場光発生
機能に加えて、同一プローブ基板上および同一SILの
レンズ上に、距離制御機能の付与と傾き検知機能を付与
することにより、一つのプローブおよび一つのSIL
で、近接場光の発生、距離および傾き制御が可能とな
り、 (1)加工・計測精度の向上 (2)ヘッド部の小型・軽量化 (3)構造の簡素化 (4)コストの低減 (5)量産性に優れている (6)三次元の微細加工ができる 等の効果が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプローブヘッドを用いた微細加工
装置の概略図。
【図2】本発明によるプローブヘッドの一実施態様の断
面図。
【図3】本発明によるプローブヘッドの異なる実施態様
の断面図。
【図4】本発明による3点距離制御用のプローブヘッド
の分解斜視図。
【図5】本発明によるプローブヘッドの異なる実施態様
の断面図。
【図6】本発明によるプローブヘッドのSILのみを表
した概略斜視図。
【図7】本発明によるプローブヘッドの他の実施態様の
断面図。
【図8】本発明によるプローブヘッドの他の一実施態様
の断面図。
【図9】本発明によるプローブヘッドの他の一実施態様
の断面図。
【図10】本発明によるプローブヘッドの他の一実施態
様の断面図。
【図11】本発明によるプローブヘッドの他の一実施態
様の断面図。
【図12】本発明によるプローブヘッドの他の一実施態
様の断面図。
【図13】本発明によるプローブヘッドの他の一実施態
様の断面図。
【図14】本発明によるプローブヘッドの他の一実施態
様の断面図。
【図15】本発明によるプローブヘッドを用いた計測・
診断装置の概略図。
【図16】本発明によるプローブヘッドを用いた異なる
実施形態の計測・診断装置の概略図。
【図17】本発明によるプローブヘッドを用いた異なる
実施形態の計測・診断装置の概略図。
【符号の説明】
1 プローブヘッド 2 光源 3 検出器 4 ビームスプリッタ 5 X−Y−Zステージ 6 試料 7,7’ 制御装置 8,12 金属膜 9,13 微小開口孔 10 SIL 11,11’ 非球面レンズ 14 光ファイバ 15a,15b 光導波路 16 半球レンズ 17,17’ 金属膜
フロントページの続き (72)発明者 山田 良行 東京都府中市若松町2丁目8番地33 ネオ アーク株式会社内 Fターム(参考) 2F065 AA01 AA06 AA20 AA31 AA49 AA53 BB05 DD02 DD14 FF00 FF23 FF41 GG04 GG22 GG23 LL00 LL12 LL30 LL37 PP12 QQ25

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体となる基板と、その基板上に近接
    場光発生用コアとクラッドからなる光導波路と、少なく
    とも1つのコアとクラッドからなる距離制御用光導波路
    とを設けたことを特徴とする近接場光を利用した装置用
    プローブヘッド。
  2. 【請求項2】 支持体となる基板上に設けた近接場光発
    生用光導波路の周囲に少なくとも2つの傾き制御用光導
    波路を設けたことを特徴とする請求項1記載の近接場光
    を利用した装置用プローブヘッド。
  3. 【請求項3】 基板の近接場光が発生する面に、近接場
    発生用光導波路の先端中央部に形成された微小開口部を
    設けた金属膜を設け、距離制御用光導波路は入射光用と
    反射光用の光導波路を備えると共に入射光が先端部で全
    反射することにより前記金属膜に表面プラズモン共鳴を
    励起し、かつ前記金属膜と試料との間の距離に対応して
    変化する反射光量を反射光用光導波路で検出することを
    特徴とする請求項1又は2記載の近接場光を利用した装
    置用プローブヘッド。
  4. 【請求項4】 近接場光発生用光導波路の先端部のみに
    光導波路の中央部に微小開口を設けた金属膜を設け、か
    つ入射光用と反射光用の光導波路を備えると共に入射光
    が先端部で全反射することによりエバネッセント波を発
    生させる距離制御用光導波路を設けたことを特徴とする
    請求項1又は2記載の近接場光を利用した装置用プロー
    ブヘッド。
  5. 【請求項5】 非球面レンズとソリッドイマージョンレ
    ンズ(SIL)を組合せた近接場光発生プローブヘッド
    において、近接場光が発生するSILの底面に金属膜を
    設け、近接場光が発生する微小部分のみ金属膜が施され
    ていない微小開口部を設けることにより近接場光を発生
    させ、かつ近接場光発生用光源又は近接場光発生用光源
    と異なる少なくとも1つの光源からの光を用いて、微小
    開口部の外側の金属膜に入射光を全反射させ、表面プラ
    ズモン共鳴を励起させることを特徴とする近接場光を利
    用した装置用プローブヘッド。
  6. 【請求項6】 非球面レンズとソリッドイマージョンレ
    ンズ(SIL)を組合せた近接場光発生プローブヘッド
    において、近接場光発生用光源又は近接場光発生用の光
    源とは異なる少なくとも1つの光源からの光を用いて、
    SIL底面に入射光を全反射させ、エバネッセント波を
    発生させることを特徴とする近接場光を利用した装置用
    プローブヘッド。
  7. 【請求項7】 光学レンズの底面に中心部に微小開口部
    を設けた金属膜を設けることにより近接場光を発生さ
    せ、かつ近接場光発生用光源又は近接場光発生用光源と
    異なる少なくとも1つの光源からの光を用いて、微小開
    口部の外側の金属膜に入射光を全反射させ、表面プラズ
    モン共鳴を励起させることを特徴とする近接場光を利用
    した装置用プローブヘッド。
  8. 【請求項8】 光学レンズの底面に中心部に微小開口部
    を設けた金属膜を設けることにより近接場光を発生さ
    せ、かつ近接場光発生用光源又は近接場光発生用光源と
    異なる少なくとも1つの光源からの光を用いて、光学レ
    ンズの底面に入射光を全反射させ、エバネッセント波を
    発生させることを特徴とする近接場光を利用した装置用
    プローブヘッド。
  9. 【請求項9】 プリズムの底面に中心部に微小開口部を
    設けた金属膜を設けることにより近接場光を発生させ、
    かつ近接場光発生用光源又は近接場光発生用光源と異な
    る少なくとも1つの光源からの光を用いて、微小開口部
    の外側の金属膜に入射光を全反射させ、表面プラズモン
    共鳴を励起させることを特徴とする近接場光を利用した
    装置用プローブヘッド。
  10. 【請求項10】 プリズムの底面に中心部に微小開口部
    を設けた金属膜を設けることにより近接場光を発生さ
    せ、かつ近接場光発生用光源又は近接場光発生用光源と
    異なる少なくとも1つの光源からの光を用いて、光学レ
    ンズの底面に入射光を全反射させ、エバネッセント波を
    発生させることを特徴とする近接場光を利用した装置用
    プローブヘッド。
  11. 【請求項11】 支持体となる基板上に少なくとも1つ
    のコアとクラッドからなる距離制御用光導波路とを設け
    たことを特徴とする請求項5〜10記載の近接場光を利
    用した装置用プローブヘッド。
  12. 【請求項12】 微細加工用及び距離計測用の光源と、
    反射光量検出器と、請求項1〜11のいずれかのプロー
    ブヘッドと、そのプローブヘッドと試料間を制御する制
    御装置を具備したことを特徴とする光微細加工装置。
  13. 【請求項13】 計測・診断用及び距離計測用の光源
    と、反射光量検出器と、請求項1〜11のいずれかのプ
    ローブヘッドと、そのプローブヘッドと試料間を制御す
    る制御装置を具備したことを特徴とする計測・診断装
    置。
JP2001349306A 2001-11-14 2001-11-14 近接場光を利用した装置用プローブヘッドとその利用装置 Pending JP2003149120A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001349306A JP2003149120A (ja) 2001-11-14 2001-11-14 近接場光を利用した装置用プローブヘッドとその利用装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001349306A JP2003149120A (ja) 2001-11-14 2001-11-14 近接場光を利用した装置用プローブヘッドとその利用装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003149120A true JP2003149120A (ja) 2003-05-21

Family

ID=19161991

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001349306A Pending JP2003149120A (ja) 2001-11-14 2001-11-14 近接場光を利用した装置用プローブヘッドとその利用装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003149120A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008224424A (ja) * 2007-03-13 2008-09-25 Institute Of National Colleges Of Technology Japan 微小変位の検出方法および微小変位計
JP2009527736A (ja) * 2006-02-16 2009-07-30 シーリート エルエルシー プラズモン・トモグラフィ
JP2016516194A (ja) * 2013-03-11 2016-06-02 ケーエルエー−テンカー コーポレイション 表面増強電場を用いた欠陥検出
JP2019200205A (ja) * 2018-05-16 2019-11-21 クリンゲルンベルク・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツングKlingelnberg GmbH 粗さ計測プローブ、粗さ計測プローブを備えた装置、およびそれらの使用

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009527736A (ja) * 2006-02-16 2009-07-30 シーリート エルエルシー プラズモン・トモグラフィ
JP2008224424A (ja) * 2007-03-13 2008-09-25 Institute Of National Colleges Of Technology Japan 微小変位の検出方法および微小変位計
JP2016516194A (ja) * 2013-03-11 2016-06-02 ケーエルエー−テンカー コーポレイション 表面増強電場を用いた欠陥検出
JP2019200205A (ja) * 2018-05-16 2019-11-21 クリンゲルンベルク・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツングKlingelnberg GmbH 粗さ計測プローブ、粗さ計測プローブを備えた装置、およびそれらの使用

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Ohtsu Progress of high-resolution photon scanning tunneling microscopy due to a nanometric fiber probe
US6643012B2 (en) Apertureless near-field scanning raman microscopy using reflection scattering geometry
US5821409A (en) Scanning near-field optic/atomic-force microscope with observing function in liquid
CA2170860C (en) Near-field optical microscope
JP2005535878A (ja) 走査型無開口蛍光顕微鏡のための改良された方法およびシステム
JP3264824B2 (ja) 光伝搬体プローブと走査型近視野顕微鏡及び光伝搬体プローブの透過孔形成方法
Dietrich et al. 3D‐printed scanning‐probe microscopes with integrated optical actuation and read‐out
US7274012B2 (en) Optical fiber probe, light detection device, and light detection method
US5838000A (en) Method device and system for optical near-field scanning microscopy of test specimens in liquids
JPH05503586A (ja) 顕微鏡検査法及び近領域反射顕微鏡
JP2003149120A (ja) 近接場光を利用した装置用プローブヘッドとその利用装置
JP3290356B2 (ja) ワークピースのニア・フィールド測定を行うのに適した装置
JP4323412B2 (ja) 表面性状測定用探針およびこれを用いた顕微鏡
JP3825568B2 (ja) 近接場光顕微鏡用プローブとその製造方法および走査型近接場光顕微鏡
KR100525241B1 (ko) 전위차를 이용한 광섬유 탐침 및 그를 이용한 광기록 장치
JP3592546B2 (ja) 高出力光プローブおよび光システム
EP1741485A1 (en) Photoreactive thin film processing method and photoreactive thin film processing apparatus
Minh et al. Spatial distribution and polarization dependence of the optical near‐field in a silicon microfabricated probe
KR102634125B1 (ko) 전반사를 발생시키는 광학모듈을 포함하는 광유도력 현미경
JPH0882633A (ja) 近接視野顕微鏡
JP3450460B2 (ja) 走査型プローブ顕微鏡
JP4034141B2 (ja) エバネッセント波を利用した光距離制御方法
JP2007322159A (ja) 光ファイバープローブ及び光検出装置及び光検出方法
JP2006226901A (ja) 近接場光プローブ、この近接場光プローブの作製方法および作製装置
Kambalathmana et al. Plasmonic Nanocone Scanning Antenna: Fabrication and Optical Properties