JP2003148432A - 締結方法及び装置 - Google Patents

締結方法及び装置

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JP2003148432A
JP2003148432A JP2001338167A JP2001338167A JP2003148432A JP 2003148432 A JP2003148432 A JP 2003148432A JP 2001338167 A JP2001338167 A JP 2001338167A JP 2001338167 A JP2001338167 A JP 2001338167A JP 2003148432 A JP2003148432 A JP 2003148432A
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locking
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shaft
ring
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Ryoshu Bun
良洙 文
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、締結筒と締結軸とワンタッチで
嵌合させて目的物を緊結固定することを目的としたもの
である。 【解決手段】 この発明は、締結筒内へ締結軸を圧入し
て、前記締結の内壁に突設した係止片を加圧変形させ
て、前記係止片端と、前記締結軸の外壁とを加圧係止さ
せることを特徴とした締結方法により目的を達成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、締結筒の一端面
と、締結軸頭との間に目的物を緊締固定することを目的
とした締結方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来目的物を固定する為に、ボルトとナ
ットを用いることは広く知られていた。また二枚の鋼板
などを鋲固着する技術も知られている。従来ナット体に
固定した板ばねの穴へボルトを嵌入固定した締結装置が
提案されている(特開2001−107939)。
【0003】また嵌合片を固定したキャップナットの嵌
合体に、ボルトのねじ部を係止させたキャップナットが
提案されている(実公平5−4569)。
【0004】
【発明により解決しようとする課題】従来広く知られた
ボルトとナットを用いた締結装置は、締結に時間と、労
力が多くかかるのみならず、ナットの廻り止めに配慮し
なければならない問題点がある。
【0005】次に鋲止め締結作業は短時間であり、固定
については信頼性があるが、締結力は一定でなく、かつ
現場において、特別の器具(鋲頭変形の為)を必要とす
る問題点があった。
【0006】また前記発明・考案は、ボルトを回転しな
ければならない点で、ボルトとナットの締結と同一であ
るが、廻り止めの点で工夫されている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、係止片付の
締結筒に締結軸を嵌挿することにより、締結筒の端面
と、締結軸の頭部端面との間に目的物を挟着することに
より、簡単、容易、確実にこの目的物を緊締固定するこ
とに成功し、前記従来の問題点を解決したのである。
【0008】即ち方法の発明は締結筒内へ締結軸を圧入
して、前記締結筒の内壁に突設した係止片を加圧変形さ
せて、前記係止片端を、前記締結軸の外壁に加圧係止さ
せることを特徴とした締結方法であり、締結筒と締結軸
の材質、構造を選択し、締結内に設けた係止片と、締結
軸との引張耐力値に基づいて使途を選択・決定し、これ
を使用することを特徴とした締結方法である。また筒内
に、締結軸との係止手段を設けると共に、締結軸の嵌挿
孔を設けた締結筒の端面と、該締結筒に嵌挿する締結軸
の頭部内端面との間に、目的物を緊締固定したことを特
徴とする締結装置としたものである。
【0009】次に装置の発明は係止手段は、締結筒の内
周壁に複数の係止片を1段又は複数段固定した締結装置
であり、係止手段は、締結筒の内周壁に、複数の係止片
を設けた係止リングを等間隔に積層設置すると共に、該
係止片の先端を、締結軸の挿入方向へ傾斜させた締結装
置としたものである。更に 係止手段は、締結筒の内周
壁に、複数の係止片を等間隔に設けた係止リングを単数
又は複数固定すると共に、前記締結筒に嵌挿する締結軸
に、前記係止リングの係止片と対応して係止できる環状
溝部を単数又は複数設けた締結装置としたものである。
【0010】また製造方法の発明は筒体の一端内側に締
結軸との嵌合孔部と、係止片の逃げた孔部と、係止片の
固定孔部とを順次設けた後、係止片を等間隔に係止片を
設けた係止リングを、前記固定孔部に嵌挿し、ついで支
持リングを重ねた後、前記筒体の固定孔部端を、支持リ
ング側へ加圧屈曲して、前記係止リングと支持リングと
を緊締固定することを特徴とした締結筒の製造方法であ
る。次に筒体の嵌合孔部、逃げた孔部及び固定孔部は、
鋳込成形又は機械加工成形とする締結筒の製造方法であ
り、係止リングと、支持リングを交互に複数個嵌挿した
後、筒体の固定孔部端を支持リング側へ加圧屈曲して、
前記係止リングと支持リングとを緊締固定する締結筒の
製造方法である。
【0011】この発明における締結筒及び締結軸の材質
は、金属(例えばステンレススチール、その他の鋼鉄、
その他の金属)及び硬質合成樹脂(例えばナイロン、塩
化ビニリデン、その他の強靭な樹脂類)が使用できる。
また係止片の材質は弾性を有する強靭な金属(例えばス
テンレススチール、ばね鋼など)及び強靭な合成樹脂が
ある。
【0012】この発明は、係止片端と、締結軸の外壁面
との緊結によって、締結軸の脱抜が防止(ゆるみがな
い)されるのであるから、係止片は確実に係止しなけれ
ばならない。そこで締結軸の外側壁に係止片と係止する
環状溝を設けることにより、係止が確実になり、係止片
が破壊しなければ締結軸を引抜くことができない。
【0013】前記締結筒と締結軸との締結強度は、材
質、形状、構造によって50Kg〜数トンまであるが実
際使用に際しては用途に応じ材質、構造を選定し、必要
な強度の物を使用する。例えば、合成樹脂製の目的物を
締結することは合成樹脂製の締結筒を使用するとか、こ
の場合でも、強度を大きくする為に係止片は金属リング
を使用するとか適宜選定する。専ら使用目的に応じ、引
張耐力を勘案して定めることになる。前記においては、
締結筒を用いたが、締結筒の一方(締結軸の反対側)を
閉塞しても同様である。
【0014】前記発明における係止片は、一旦締結後は
変形しないことを要件とするので、係止片がリングの内
側に突設されていても、一部を切欠いたリングの内側に
突設されていても、両方共に使用することができる。
【0015】この発明における係止片の傾斜は、締結軸
が容易に圧入できて、絶対に後退できない作用効果を期
待するものであるから、角度的規制はないけれども、通
常5度乃至30度が使用され、15度〜20度が好まし
い。
【0016】また係止片の先端側を傾斜させるか、湾曲
させるかの形状は自由に選定できるけれども、強度上
と、弾力保持上の2点を中心にして選定する。比較的弾
性の小さい材質では湾曲させて弾力を保有し易くし、弾
性の大きい材質では、単に直線状に傾斜させるのみで十
分蓄力できることになる。
【0017】また係止片を複数段に積層させる場合に
は、軸方向からみて、各係止片が均等位置で締結軸に係
止していることが好ましいので、製造に際し、係止片の
位置を規制した方がよい。
【0018】
【発明の実施の形態】この発明は、係止片付きの締結筒
に、締結軸を嵌挿して、目的物を緊締固定するようにし
た緊結方法及び装置並びに締結筒の製造方法である。
【0019】この発明は、締結筒内に、締結軸と係止す
る為に複数の係止片を等間隔に配置する。例えば係止片
を多段に積層させる場合には(係止片付リングは、1枚
又は数枚用いる)全体として均等に配置することが好ま
しい。
【0020】通常の目的物を固定する際の引張耐力は1
枚のリングで十分であるが、目的物に引張力が加わった
り、締結軸の軸方向に外力が加わるおそれのある場所
(目的)については、複数のリングを用いた方が良い。
尤も各装置毎に夫々の引張耐力を表示(例えば刻印など
の記号)しておけば、使用目的とその引張耐力に十分耐
え得る締結筒を選定すれば安全である。
【0021】この発明の締結筒を製造する場合に筒体は
鋳込成型の場合と、鋼管などから切断・成形する加工成
形の場合とがある。また締結軸の場合も同様であるが、
多量生産を要する場合、材質、寸法、精度その他条件を
勘案して定めるが、係止片の設置について、大きい引張
耐力(100Kg以上とか)を必要とする場合には、係
止片を別製し、組立てるのが普通である。また締結筒を
合成樹脂製とし、係止片を金属製とする場合もある。
【0022】
【実施例1】この発明の製造方法の実施例を図1に基づ
いて説明する。
【0023】ステンレス筒体1の一端部内側に、締結軸
との嵌合孔部2を設け、ついで係止片の逃げ孔部3と、
係止片のリング固定孔部4とを順次連設した後、内側へ
3枚の係止片5、5、5を等間隔に突設し、一部に切欠
部6を設けた係止リング7aを、前記リング固定孔部4
に嵌挿し、前記係止リング7aの上へスペーサリング8
a(支持リングのこと)を重ねる。ついで前記と同形の
係止リング7bを、前記スペーサリング8a上へ重ね、
その上へ同形のスペーサリング8b(支持リングのこ
と)を重ねる。更にスペーサリング8bの上部へ、前記
係止リング7aと同形の係止リング7cを重ね、その上
に前記と同形のスペーサリング8c(支持リングのこ
と)を重ねる。次にステンレス筒体1の上端1aを型9
のプレスによって図中鎖線図示の位置から矢示11、1
2のように屈曲変形させて、環状鍔部1bを形成し、前
記スペーサリング8cを加圧緊締する。このようにし
て、係止リング7a、7b、7cと、スペーサリング8
a、8b、8cとの積層物は、前記環状鍔部1bとリン
グ固定孔部の段部とによって緊締固定され、この発明の
締結筒10ができ上がる。この場合に嵌合孔部2の内径
と、挿入孔2aの内径はほぼ等径にして、締結軸15が
安定して挿入されるようにしてある。
【0024】前記において、筒体1及びその大小径の内
孔は、金属管から切出すか、鋳造成形かによって、製造
方法(出発点)が異なるが、成形後の係止片嵌入以下の
製造方法は同様である。
【0025】
【実施例2】この発明の装置の実施例を図2、3、4、
5に基づいて説明する。この発明における締結筒10
は、図2に示すように、その下部内側から小径の嵌合孔
部2、逃げ孔部3及び大径のリング固定孔部4が順次設
けてある。
【0026】前記リング固定部4には、下部から、係止
リング7a、スペーサリング8a、係止リング7b、ス
ペーサリング8b及び係止リング7cとスペーサリング
8cを順次積層し、最上部のスペーサリング8cを、環
状鍔部1bによって加圧固定している。
【0027】前記実施例は、締結筒10と締結軸15の
緊締状況が堅固であって、一旦緊締すると、破壊しなけ
れば分離できない。然し乍ら時には分離の必要の場合も
あり得るので、図3の(d)及び図5のように分離可能
の構造を示した。
【0028】即ち図3(d)は締結軸15aに工夫を加
えたものである。頭部14aに軸部13aを螺合し、ピ
ン22で軸部の回転を止めたものである。
【0029】従ってピン22を抜けば、軸部13aと、
頭部14aを分離できるので、容易に分解することがで
きる。
【0030】次に図5の実施例は、締結筒10を、係止
筒10aと、嵌合筒10bに分離したものであって、そ
の他は従って分解を希望する時には、嵌合筒10bを外
して、係止リングを取外せば容易に分解することができ
る。
【0031】一方締結軸15は軸部13と、頭部14か
らなり、軸部13は、円柱状の場合(図3(a))と、
環状溝19を1本設けた場合(図3(b))と、環状溝
19、19を2本設けた場合(図3(c))とがある。
前記図3(c)の場合には、環状溝を2本以上(中間省
略)を設けた場合を示す。前記環状溝の数には制限がな
く1〜5本程度設けることが多いが、通常1〜3本であ
る。
【0032】前記環状溝19は、係止リング7に対応す
るものであり、水平部19aと、傾斜部19bとからな
り、一旦係止片が係止すると、水平部19aと、係止片
5の先端とが係止し、締結軸15は矢示16の方向へ移
動不能となり締結固定状態は堅固に保持される。
【0033】前記実施例における係止リング7(全部の
とき)には、切欠部6の有る場合(図4(a))と、な
い場合(図4(c))とがあるが、作用効果上大差はな
い。
【0034】この発明は図6に示すように締結すべき基
板17と板体18(目的物)とを締結筒10の上端面1
0aと、締結軸15の頭部14の下端面14aとの間に
挟着し、締結軸15を基板17及び板体18とを貫通し
て、締結筒10へ嵌挿固定すれば、前記基板17及び板
体18を緊密に締結することができる。
【0035】前記実施例において、基板17又は板体1
8へ、これを剥離しようとする力20、21が働いて
も、締結軸と係止片との係止耐力以下の場合には、前記
基板17と、板体18とは一体的に保持される。
【0036】
【発明の効果】この発明は、締結筒の係止片と、締結軸
とを係止して目的物を締結するので、単に締結軸を締結
筒内へ挿入係止すればよく、夫々ワンタッチで締結を完
了することができる。従って手動は勿論、自動の場合に
も簡単、容易、確実であって、作業性もきわめて良好で
ある。
【0037】この発明の製造方法によれば、全自動で複
雑な形状、構造の締結筒を多量生産できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の概念図。
【図2】(a)同じく締結筒の実施例の概念図。 (b)同じく平面図。
【図3】(a)同じく締結軸の実施例の一部を切断した
正面図。 (b)同じく他の実施例の一部を切断した正面図。 (c)同じく他の実施例の一部を切断し、一部を省略し
た正面図。 (d)同じく他の実施例の一部を切断した正面図。
【図4】(a)同じく係止リングの背面図。 (b)同じく(a)中A−A断面図。 (c)同じく他の係止リングの背面図。 (d)同じく(c)中B−B断面図。
【図5】同じく他の実施例の断面図。
【図6】同じく目的物を緊締した状態の一部を切断した
正面図。
【符号の説明】
1 ステンレス筒体 2 嵌合孔部 3 逃げ孔部 4 リング固定孔部 5 係止片 6 切欠部 7a、7b、7c 係止リング 8a、8b、8c スペーサリング 9 型 10 締結筒 11 段部 13 軸部 14 頭部 15 締結軸 17 基板 18 板体 19 環状溝
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年12月3日(2002.12.
3)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 締結方法及び装
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、締結筒の一端面
と、締結軸頭との間に目的物を緊締固定することを目的
とした締結方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来目的物を固定する為に、ボルトとナ
ットを用いることは広く知られていた。また二枚の鋼板
などを鋲固着する技術も知られている。従来ナット体に
固定した板ばねの穴へボルトを嵌入固定した締結装置が
提案されている(特開2001−107939)。
【0003】また嵌合片を固定したキャップナットの嵌
合体に、ボルトのねじ部を係止させたキャップナットが
提案されている(実公平5−4569)。
【0004】
【発明により解決しようとする課題】従来広く知られた
ボルトとナットを用いた締結装置は、締結に時間と、労
力が多くかかるのみならず、ナットの廻り止めに配慮し
なければならない問題点がある。
【0005】次に鋲止め締結作業は短時間であり、固定
については信頼性があるが、締結力は一定でなく、かつ
現場において、特別の器具(鋲頭変形の為)を必要とす
る問題点があった。
【0006】また前記発明・考案は、ボルトを回転しな
ければならない点で、ボルトとナットの締結と同一であ
るが、廻り止めの点で工夫されている。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、弾性係止片
付の締結筒に締結軸を嵌挿することにより、締結筒の端
面と、締結軸の頭部端面との間に目的物を挟着すること
により、簡単、容易、確実にこの目的物を緊締固定する
ことに成功し、前記従来の問題点を解決したのである。
【0008】即ち方法の発明は、締結筒内へ締結軸を圧
入して、前記締結筒の内壁に突設した弾性係止片を加圧
変形させて、前記弾性係止片端を、前記締結軸の外壁に
設けた環状溝の水平段部と係止させることを特徴とした
締結方法であ
【0009】次に装置の発明は、締結筒の内周壁に、締
結軸の側壁に係止する複数の弾性係止片を設けた係止リ
ングを等間隔に積層設置して、前記弾性係止片の先端間
隔を、締結軸の外径より小さくすると共に、その挿入方
向へ傾斜させ、前記締結軸の嵌挿孔を設けた締結筒の端
面と、該締結筒に嵌挿する締結軸の頭部内端面との間
に、目的物を挟着して、これを緊締固定したことを特徴
とする締結装置であり、締結筒の内周壁に、締結軸の側
壁に係止する複数の弾性係止片を設けた係止リングを単
数又は複数積層固定し、前記弾性係止片の先端間隔を締
結軸の外径より小さくすると共に、前記締結筒に嵌挿す
る締結軸に、前記係止リングの弾性係止片と対応して係
止できる環状溝部を単数又は複数設けて、前記締結軸の
嵌挿孔を設けた締結筒の端面と、該締結筒に嵌挿する締
結軸の頭部内端面との間に、目的物を挟着して、これを
緊締固定したことを特徴とする締結装置である。
【0010】この発明における締結筒及び締結軸の材質
は、金属(例えばステンレススチール、その他の鋼鉄、
その他の金属)及び硬質合成樹脂(例えばナイロン、塩
化ビニリデン、その他の強靭な樹脂類)が使用できる。
また弾性係止片の材質は弾性を有する強靭な金属(例え
ばステンレススチール、ばね鋼など)及び強靭な合成樹
脂がある。
【0011】この発明は、弾性係止片端と、締結軸の外
壁面との緊結によって、締結軸の脱抜が防止(ゆるみが
ない)されるのであるから、弾性係止片は確実に係止し
なければならない。そこで締結軸の外側壁に弾性係止片
と係止する環状溝を設けることにより、係止が確実にな
り、弾性係止片が破壊しなければ締結軸を引抜くことが
できない。
【0012】前記締結筒と締結軸との締結強度は、材
質、形状、構造によって50Kg〜数トンまであるが実
際使用に際しては用途に応じ材質、構造を選定し、必要
な強度の物を使用する。例えば、合成樹脂製の目的物を
締結することは合成樹脂製の締結筒を使用するとか、こ
の場合でも、強度を大きくする為に弾性係止片は金属リ
ングを使用するとか適宜選定する。専ら使用目的に応
じ、引張耐力を勘案して定めることになる。前記におい
ては、締結筒を用いたが、締結筒の一方(締結軸の反対
側)を閉塞しても同様である。
【0013】前記発明における弾性係止片は、一旦締結
後は変形しないことを要件とするので、弾性係止片がリ
ングの内側に突設されていても、一部を切欠いたリング
の内側に突設されていても、両方共に使用することがで
きる。
【0014】この発明における弾性係止片の傾斜は、締
結軸が容易に圧入できて、絶対に後退できない作用効果
を期待するものであるから、角度的規制はないけれど
も、通常5度乃至30度が使用され、15度〜20度が
好ましい。
【0015】また弾性係止片の先端側を傾斜させるか、
湾曲させるかの形状は自由に選定できるけれども、強度
上と、弾力保持上の2点を中心にして選定する。比較的
弾性の小さい材質では湾曲させて弾力を保有し易くし、
弾性の大きい材質では、単に直線状に傾斜させるのみで
十分蓄力できることになる。
【0016】また弾性係止片を複数段に積層させる場合
には、軸方向からみて、各弾性係止片が均等位置で締結
軸に係止していることが好ましいので、製造に際し、
係止片の位置を規制した方がよい。
【0017】
【発明の実施の形態】この発明は、弾性係止片付きの締
結筒に、締結軸を嵌挿して、目的物を緊締固定するよう
にした緊結方法及び装置並びに締結筒の製造方法であ
る。
【0018】この発明は、締結筒内に、締結軸と係止す
る為に複数の弾性係止片を等間隔に配置する。例えば
係止片を多段に積層させる場合には(係止片付リング
は、1枚又は数枚用いる)全体として均等に配置するこ
とが好ましい。
【0019】通常の目的物を固定する際の引張耐力は1
枚のリングで十分であるが、目的物に引張力が加わった
り、締結軸の軸方向に外力が加わるおそれのある場所
(目的)については、複数のリングを用いた方が良い。
尤も各装置毎に夫々の引張耐力を表示(例えば刻印など
の記号)しておけば、使用目的とその引張耐力に十分耐
え得る締結筒を選定すれば安全である。
【0020】この発明の締結筒を製造する場合に筒体は
鋳込成型の場合と、鋼管などから切断・成形する加工成
形の場合とがある。また締結軸の場合も同様であるが、
多量生産を要する場合、材質、寸法、精度その他条件を
勘案して定めるが、弾性係止片の設置について、大きい
引張耐力(100Kg以上とか)を必要とする場合に
は、弾性係止片を別製し、組立てるのが普通である。ま
た締結筒を合成樹脂製とし、弾性係止片を金属製とする
場合もある。
【0021】
【実施例1】この発明の製造方法の実施例を図1に基づ
いて説明する。
【0022】ステンレス筒体1の一端部内側に、締結軸
との嵌合孔部2を設け、ついで弾性係止片の逃げ孔部3
と、弾性係止片のリング固定孔部4とを順次連設した
後、内側へ3枚の弾性係止片5、5、5を等間隔に突設
し、一部に切欠部6を設けた係止リング7aを、前記リ
ング固定孔部4に嵌挿し、前記係止リング7aの上へス
ペーサリング8a(支持リングのこと)を重ねる。つい
で前記と同形の係止リング7bを、前記スペーサリング
8a上へ重ね、その上へ同形のスペーサリング8b(支
持リングのこと)を重ねる。更にスペーサリング8bの
上部へ、前記係止リング7aと同形の係止リング7cを
重ね、その上に前記と同形のスペーサリング8c(支持
リングのこと)を重ねる。次にステンレス筒体1の上端
1aを型9のプレスによって図中鎖線図示の位置から矢
示11、12のように屈曲変形させて、環状鍔部1bを
形成し、前記スペーサリング8cを加圧緊締する。この
ようにして、係止リング7a、7b、7cと、スペーサ
リング8a、8b、8cとの積層物は、前記環状鍔部1
bとリング固定孔部の段部とによって緊締固定され、こ
の発明の締結筒10ができ上がる。この場合に嵌合孔部
2の内径と、挿入孔2aの内径はほぼ等径にして、締結
軸15が安定して挿入されるようにしてある。
【0023】前記において、筒体1及びその大小径の内
孔は、金属管から切出すか、鋳造成形かによって、製造
方法(出発点)が異なるが、成形後の弾性係止片嵌入以
下の製造方法は同様である。
【0024】
【実施例2】この発明の装置の実施例を図2、3、4、
5に基づいて説明する。この発明における締結筒10
は、図2に示すように、その下部内側から小径の嵌合孔
部2、逃げ孔部3及び大径のリング固定孔部4が順次設
けてある。
【0025】前記リング固定部4には、下部から、係止
リング7a、スペーサリング8a、係止リング7b、ス
ペーサリング8b及び係止リング7cとスペーサリング
8cを順次積層し、最上部のスペーサリング8cを、環
状鍔部1bによって加圧固定している。
【0026】前記実施例は、締結筒10と締結軸15の
緊締状況が堅固であって、一旦緊締すると、破壊しなけ
れば分離できない。然し乍ら時には分離の必要の場合も
あり得るので、図3の(d)及び図5のように分離可能
の構造を示した。
【0027】即ち図3(d)は締結軸15aに工夫を加
えたものである。頭部14aに軸部13aを螺合し、ピ
ン22で軸部の回転を止めたものである。
【0028】従ってピン22を抜けば、軸部13aと、
頭部14aを分離できるので、容易に分解することがで
きる。
【0029】次に図5の実施例は、締結筒10を、係止
筒10aと、嵌合筒10bに分離したものであって、そ
の他は従って分解を希望する時には、嵌合筒10bを外
して、係止リングを取外せば容易に分解することができ
る。
【0030】一方締結軸15は軸部13と、頭部14か
らなり、軸部13は、円柱状の場合(図3(a))と、
環状溝19を1本設けた場合(図3(b))と、環状溝
19、19を2本設けた場合(図3(c))とがある。
前記図3(c)の場合には、環状溝を2本以上(中間省
略)を設けた場合を示す。前記環状溝の数には制限がな
く1〜5本程度設けることが多いが、通常1〜3本であ
る。
【0031】前記環状溝19は、係止リング7に対応す
るものであり、水平部19aと、傾斜部19bとからな
り、一旦弾性係止片が係止すると、水平部19aと、
係止片5の先端とが係止し、締結軸15は矢示16の
方向へ移動不能となり締結固定状態は堅固に保持され
る。
【0032】前記実施例における係止リング7(全部の
とき)には、切欠部6の有る場合(図4(a))と、な
い場合(図4(c))とがあるが、作用効果上大差はな
い。
【0033】この発明は図6に示すように締結すべき基
板17と板体18(目的物)とを締結筒10の上端面1
0aと、締結軸15の頭部14の下端面14aとの間に
挟着し、締結軸15を基板17及び板体18とを貫通し
て、締結筒10へ嵌挿固定すれば、前記基板17及び板
体18を緊密に締結することができる。
【0034】前記実施例において、基板17又は板体1
8へ、これを剥離しようとする力20、21が働いて
も、締結軸と弾性係止片との係止耐力以下の場合には、
前記基板17と、板体18とは一体的に保持される。
【0035】
【発明の効果】この発明は、締結筒の弾性係止片と、
性係止片の中央部へ挿入した締結軸とを弾性係止片が変
形し、その先端と締結軸の側壁に設けた環状溝とが係止
して締結軸を固定し、目的物を締結するので、締結軸を
単に締結筒内へ挿入係止すればよく、夫々ワンタッチで
締結を完了することができる。従って手動は勿論、自動
の場合にも簡単、容易、確実であって、作業性もきわめ
て良好である。また一旦係止後は締結筒を破壊しないと
分離できない
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例の概念図。
【図2】(a)同じく締結筒の実施例の概念図。 (b)同じく平面図。
【図3】(a)同じく締結軸の実施例の一部を切断した
正面図。 (b)同じく他の実施例の一部を切断した正面図。 (c)同じく他の実施例の一部を切断し、一部を省略し
た正面図。 (d)同じく他の実施例の一部を切断した正面図。
【図4】(a)同じく係止リングの背面図。 (b)同じく(a)中A−A断面図。 (c)同じく他の係止リングの背面図。 (d)同じく(c)中B−B断面図。
【図5】同じく他の実施例の断面図。
【図6】同じく目的物を緊締した状態の一部を切断した
正面図。
【符号の説明】 1 ステンレス筒体 2 嵌合孔部 3 逃げ孔部 4 リング固定孔部 5 弾性係止片 6 切欠部 7a、7b、7c 係止リング 8a、8b、8c スペーサリング 9 型 10 締結筒 11 段部 13 軸部 14 頭部 15 締結軸 17 基板 18 板体 19 環状溝

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 締結筒内へ締結軸を圧入して、前記締結
    筒の内壁に突設した係止片を加圧変形させて、前記係止
    片端を、前記締結軸の外壁に加圧係止させることを特徴
    とした締結方法。
  2. 【請求項2】 締結筒と締結軸の材質、構造を選択し、
    該締結筒内に設けた係止片と、締結軸との係止耐力値に
    基づいて使途を選択・決定し、これを使用することを特
    徴とした締結方法。
  3. 【請求項3】 筒体内に、締結軸との係止手段を設ける
    と共に、締結軸の嵌挿孔を設けた締結筒の端面と、該締
    結筒に嵌挿する締結軸の頭部内端面との間に、目的物を
    挟着して、これを緊締固定したことを特徴とする締結装
    置。
  4. 【請求項4】 係止手段は、締結筒の内周壁に複数の係
    止片を1段又は複数段固定したことを特徴とする請求項
    3記載の締結装置。
  5. 【請求項5】 係止手段は、締結筒の内周壁に、複数の
    係止片を設けた係止リングを等間隔に積層設置すると共
    に、該係止片の先端を、締結軸の挿入方向へ傾斜させた
    ことを特徴とする請求項3記載の締結装置。
  6. 【請求項6】 係止手段は、締結筒の内周壁に、複数の
    係止片を設けた係止リングを等間隔に設けた係止リング
    を単数又は複数積層固定すると共に、前記締結筒に嵌挿
    する締結軸に、前記係止リングの係止片と対応して係止
    できる環状溝部を単数又は複数設けたことを特徴とする
    請求項3記載の締結装置。
  7. 【請求項7】 筒体の一端内側に締結軸との嵌合孔部
    と、係止片の逃げ孔部と、係止片の固定孔部とを順次設
    けた後、係止片を等間隔に設けた係止リングを、前記固
    定孔部に嵌挿し、ついで支持リングを重ねた後、前記筒
    体の固定孔部端を、支持リング側へ加圧屈曲して、前記
    係止リングと支持リングとを緊締固定することを特徴と
    した締結筒の製造方法。
  8. 【請求項8】 筒体の嵌合孔部、逃げ孔部及び固定孔部
    は、鋳込成形又は機械加工成形とすることを特徴とした
    請求項7記載の締結筒の製造方法。
  9. 【請求項9】 係止リングと、支持リングを交互に複数
    個嵌挿した後、筒体の固定孔部端を支持リング側へ加圧
    屈曲して、前記係止リングと支持リングとを緊締固定す
    ることを特徴とした請求項7記載の締結筒の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014122687A (ja) * 2012-12-21 2014-07-03 Kitagawa Kogyo Co Ltd 固定具

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