JP2003148331A - ワッブル式ポンプ - Google Patents

ワッブル式ポンプ

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JP2003148331A
JP2003148331A JP2001342372A JP2001342372A JP2003148331A JP 2003148331 A JP2003148331 A JP 2003148331A JP 2001342372 A JP2001342372 A JP 2001342372A JP 2001342372 A JP2001342372 A JP 2001342372A JP 2003148331 A JP2003148331 A JP 2003148331A
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JP
Japan
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swing
shaft
support mechanism
outer ring
rocking
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Withdrawn
Application number
JP2001342372A
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English (en)
Inventor
Takashi Inoue
孝 井上
Shigeru Kawano
茂 川野
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Denso Corp
Soken Inc
Original Assignee
Denso Corp
Nippon Soken Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 斜板型圧縮機のようなワッブル式ポンプにお
いて、揺動部材を支持すると共にその自転を阻止する揺
動支持機構を、簡素で振動の少ないものにする。 【解決手段】 シャフト106と共に回転して揺動運動
もする旋回部材108にスラスト軸受111を介して揺
動部材110を連結し、その揺動運動によってピストン
112を往復運動させる。揺動部材110の回転を阻止
するために設けられる揺動支持機構14は、内面の溝の
中に一対の中間部材を嵌合しているアウターリング21
と、球形の頭部を有するセンターシャフト24と、中間
部材の内面及び球形の頭部の外面のいずれか一方に形成
された穴によって支持されると共に、他方に形成された
円弧状の溝に係合する2個の転動体から構成されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シャフトに傾斜し
た旋回部材(斜板)が取り付けられ、その旋回部材によ
って揺動運動をする揺動部材(ワッブルプレート)に往
復運動をする少なくとも1個のピストンが連結されてい
るワッブル式ポンプ(或いはワッブル式流体機械)に係
り、特に、車両用の空調装置における冷媒のような流体
を圧縮するのに適したワッブル式圧縮機に関する。
【0002】
【従来の技術】ワッブル式ポンプには、例えば特開昭6
3−94085号公報に記載されているように、シャフ
トに対して傾斜した傾斜面を有し、シャフトが回転する
時に回転運動と揺動運動をする旋回部材と、旋回部材の
傾斜面に対してスラスト軸受を介して連結されて、旋回
部材と共に揺動運動をするが、自転は阻止される揺動部
材と、揺動部材を揺動運動可能に支持すると共に、その
自転を阻止する揺動支持機構と、シリンダボア内に挿入
されて、揺動部材によって往復運動を強制されるピスト
ン等から構成されているものがある。
【0003】前述の公報に記載されているワッブル式ポ
ンプにおいては、揺動部材を揺動可能に支持すると共に
揺動部材の自転を阻止するために、揺動部材の背面にベ
ベルギヤを設けると共に、これをシャフトの延長線上に
おいて回転しないように支持された軸に取り付けられて
いる他のベベルギヤに噛み合わせるという構成の揺動支
持機構を用いている。しかしながら、このようなベベル
ギヤを使用する揺動支持機構は、ワッブル式ポンプの運
転時にベベルギヤの歯当たり音による騒音が発生しやす
いという問題がある。
【0004】これに対して、特開平2−275070号
公報に記載されているワッブル式ポンプでは、揺動部材
をその中心部において傾斜自由に支持する機構と、その
周辺部において回り止めをする機構とがそれぞれ独立し
ていて、回り止め機構の方は揺動部材の周辺部に形成さ
れた溝部と、それに係合するように軸方向にハウジング
に固定支持されたガイド棒と、それらの間の摺動摩擦を
軽減するためのスライダ等からなっている。
【0005】このように、揺動部材のための揺動支持機
構と回り止め機構を別に設けると、ワッブル式ポンプ全
体が大型化することが避けられない。また、揺動部材が
中心に関して非対称の形状になることから、中心の回り
に振り子のようなバランスしていないモーメントが発生
して振動の原因になるため、吐出容量が不安定になるこ
とがある。また、1本のガイド棒による回り止め機構で
は、揺動部材に揺動運動以外の回転運動の成分が残りや
すく、それもまた振動や騒音の原因になるし、高速の運
転状態においてはガイド棒と揺動部材との間の相対速度
が非常に高くなるので、摺動部分に過大な荷重が作用し
て焼き付きが起こる可能性がある等、耐久性及び信頼性
においても不安がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ピストンを
往復運動させるために、旋回部材と共に揺動運動をする
揺動部材を備えている従来のワッブル式ポンプにおけ
る、揺動部材のための揺動支持機構に見られる前述のよ
うな問題に鑑み、揺動支持機構がポンプを大型化させる
ことがなく、大きな振動及び騒音を発生させる恐れがな
いと共に、堅牢で耐久性及び信頼性が高く、安定な運転
が可能になるような、新規な構成の揺動支持機構を備え
ているワッブル式ポンプを提供することを目的としてい
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、この課題を解
決するための手段として特許請求の範囲の請求項1に記
載されたワッブル式ポンプを提供する。
【0008】本発明のワッブル式ポンプにおいては、そ
の揺動支持機構が、揺動部材に対して同心的に取り付け
られた環状のアウターリングと、それ自体が回転をしな
いようにシャフトの延長線上においてハウジングによっ
て支持されていると共に、その球形部分がアウターリン
グの内部の中心に位置するように伸びているセンターシ
ャフトと、アウターリングの内面における対称的な位置
に形成された一対の溝に嵌合する一対の中間部材と、一
対の中間部材の内面と、それらに対向するセンターシャ
フトの球形部分の外面との一方に形成された穴によって
転動可能に支持されると共に、他方に形成された円弧状
の溝に係合する一対の転動体とを備えている。
【0009】本発明における揺動支持機構の主要な構成
部品は、1個のアウターリングと、一対の中間部材と、
1本のセンターシャフトと、一対の転動体だけであるか
ら、構成が簡素で小型であり、中間部材に相当する部分
を初めからアウターリングと一体のものとして形成する
こともできるため、揺動支持機構を揺動部材の中心部に
小さく纏めすることができる結果、圧縮機を小型化する
ことができる。また、この揺動支持機構は構成が簡単で
あるため非常に堅牢で、転動体を使用しているために摺
動摩擦も少なく、高い作動の安定性と耐久性が得られる
から、圧縮機の信頼性を高めることができると共に、振
動や騒音の発生を抑えることができる。
【0010】本発明のワッブル式ポンプは、このような
構成の揺動支持機構を備えているので、旋回部材及び揺
動部材の傾斜角度を変更可能に構成することにより、無
段階に容量を変化させることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1乃至図8は本発明のワッブル
式圧縮機の第1実施例を示すものである。第1実施例の
ワッブル式圧縮機は可変容量型のものであって、最大の
吐出容量をもたらす運転状態における圧縮機全体の縦断
面構造を示す図1において、101は圧縮機の外殻の一
部であるフロントハウジング、102は図示しない通し
ボルトのような締結手段によってフロントハウジング1
01と一体化されたミドルハウジングを示している。ミ
ドルハウジング102の内部には、図1において横方向
(後述の「軸方向」)に複数個(例えば5個)のシリン
ダボア103が、中心線の周りに概ね均等に形成されて
いる。105はリアハウジングであって、図示しない締
結手段によってフロントハウジング101やミドルハウ
ジング102と一体化されるが、リアハウジング105
の内部の外周部分には空間としての吸入室121が形成
されていると共に、中心部分には空間としての吐出室1
22が形成されている。
【0012】106は外部の動力源から回転動力を受け
入れるためのシャフトであって、それと直交するように
概ね円板状のディスク部106dが一体的に形成されて
いる。ディスク部106dの外周の一部から1枚の耳状
のアーム106aが後方に向かって突出するように設け
られている。アーム106aにはカムとしての案内溝1
06bが所定の位置に所定の形状で形成されている。シ
ャフト106はラジアル軸受107a及び107bを介
してフロントハウジング101によって軸承されている
と共に、ディスク部106dの背面を支持するスラスト
軸受107cを介して、軸方向にもフロントハウジング
101によって軸承されている。なお、これらの軸承部
分にはシャフトシール126が設けられて、シャフト1
06の周りから流体が外部へ漏洩するのを防止してい
る。
【0013】108は旋回部材(ドライブプレート或い
は斜板ともいう)であって、その背面から前述のシャフ
ト106側のアーム106aに向かって突出する2枚の
アーム108aを備えており、2枚のアーム108aの
間に1本の連結ピン109を支持している。連結ピン1
09はアーム106aに形成された案内溝106bに挿
入されて摺動可能に係合している。それによって旋回部
材108はシャフト106と共に回転することができる
と共に、シャフト106に対して傾斜することができ
る。
【0014】旋回部材108はニードルローラ型のスラ
スト軸受111を介して、概ね円板状の揺動部材(或い
はワッブルプレートともいう)110を支持している。
揺動部材110の周辺部には複数個の球形の窪みが形成
されていて、それぞれの窪みに対してピストンロッド1
13の一端に形成された球形端部が嵌入して回転可能に
係合している。また、各ピストンロッド113の他端に
形成された球形端部はそれぞれ、複数個のピストン11
2に形成された球形の窪みに嵌入して回転可能に係合し
ている。これらのピストン112は、前述のミドルハウ
ジング102に形成されたシリンダボア103にそれぞ
れ摺動可能に挿入されている。
【0015】第1実施例のワッブル式圧縮機は可変容量
型であるから、揺動部材110の回り止め機構を兼ねて
いる揺動支持機構14を軸方向に移動可能に構成する必
要がある。そこで、シャフト106の延長線上におい
て、ミドルハウジング102に軸方向の穴102aを形
成し、その中へ揺動支持機構14の1つの要素であるセ
ンターシャフト24の基部をキー或いはスプライン等の
回り止め手段と共に摺動可能に挿入して、センターシャ
フト24が穴102a内で軸方向に摺動することによ
り、センターシャフト24の先端に形成された球形の頭
部24aの位置が軸方向に移動し得るように構成してい
る。また、穴102aの中にコイルばね120を装着し
て、シャフト106に対する旋回部材108及び揺動部
材110の傾斜角度が小さくなる方向に常に軸方向に付
勢している。
【0016】第1実施例の特徴である揺動支持機構14
の具体的構成は後に詳細に説明するが、その外殻である
カップ状のアウターリング21は揺動部材110と嵌合
して一体化されていると共に、旋回部材108は、その
中心の開口がアウターリング21の外周面に緩やかに嵌
合していて、アウターリング21に対して自由に回転す
ることができる。16は、アウターリング21から旋回
部材108が軸方向に抜け出るのを防止するためのスナ
ップリングである。
【0017】104は厚板からなるバルブプレートであ
って、各シリンダボア103に対応する位置においてそ
れを貫通するように少なくとも1個ずつの吸入ポート1
23と吐出ポート124が開口している。バルブプレー
ト104の各吸入ポート123は、図示しない薄いばね
鋼板からなる吸入弁によってシリンダボア103の側か
ら閉塞されている。各吐出ポート124は、やはり薄い
ばね鋼板からなる吐出弁225の一部によって吐出室1
22の側から閉塞されている。吐出弁225は、それを
保護する弁止板226がボルトによってバルブプレート
104に螺着されるときに同時に固定される。また、バ
ルブプレート104と図示しない吸入弁はミドルハウジ
ング102とリアハウジング105が締結されて一体化
されるときに、それらの間に挟み込まれて固定される。
128は制御弁であって、吸入室121及び吐出室12
2にある流体の圧力を利用して、各ピストン112の共
通の背圧室であるクランク室127の圧力を調整するこ
とができる。
【0018】第1実施例の特徴は、揺動部材110のた
めの揺動支持機構14と、それに関連するセンターシャ
フト24等の構成にある。吐出容量が最大となった運転
状態を示す図1と、吐出容量が実質的に零となった運転
状態を示す図2と、更に、揺動支持機構14の要部及び
その作動を示す図3乃至図8の各図から明らかなよう
に、第1実施例の揺動支持機構14は、外周面が円筒形
のカップ状で揺動部材110と一体化されている前述の
アウターリング21と、その中心へ球形の頭部24aを
挿入している前述のセンターシャフト24と、アウター
リング21の内面に軸方向に形成された一対の溝21g
に挿入されていると共に、それ自体が軸方向に円弧状の
溝22aを備えている2個の中間部材22と、センター
シャフト24の球形の頭部24aの表面において、セン
ターシャフト24の中心線24sに対して直交すると共
に球形の頭部24aの中心を通る1本の直線24r上に
形成された半球形の2個の穴24dと、該穴24dによ
って回転可能に支持されると共に、前述の中間部材22
の円弧状の溝22aに係合して、溝22a内を転動する
ことができる鋼球のような2個の転動体23からなって
いる。
【0019】図4及び図5に示す例では、センターシャ
フト24の円柱状の基部24bの外表面に軸方向にスプ
ライン24cが形成されていて、それが前述のようにミ
ドルハウジング102の軸方向の穴102aの内面に形
成されたスプラインの溝に係合して、センターシャフト
24の回転を阻止しながら、それが軸方向に摺動するこ
とを可能にしている。
【0020】第1実施例のワッブル式圧縮機100はこ
のように構成されているので、次のように作動する。シ
ャフト106が車両に搭載された内燃機関やモータのよ
うな外部の動力源によって回転駆動されると、シャフト
106のディスク部106dに対してアーム106a、
案内溝106b、連結ピン109、及びアーム108a
を介して連結されている旋回部材108がシャフト10
6と一体的に回転する。しかし、揺動部材110は、旋
回部材108によってスラスト軸受111を介して支持
されているのと、前述のように揺動支持機構14によっ
て回転(自転)を阻止されているので、旋回部材108
が、シャフト106に対して傾斜角度θが90°以下の
鋭角をなすように傾斜しているときだけ、振幅がその傾
斜角度に概ね反比例する大きさの揺動運動をする。それ
によって、揺動部材110にピストンロッド113を介
して連結されている複数個のピストン112が、それぞ
れのシリンダボア103内で往復運動をして、冷媒のよ
うな流体を圧縮する。
【0021】第1実施例の場合、旋回部材108と揺動
部材110は、連結ピン109がシャフト106側の案
内溝106bの中で摺動しながら移動するときに、セン
ターシャフト24の球形の頭部24aの回りに回転する
結果、それらがシャフト106及びセンターシャフト2
4に対してなす傾斜角度θが変化するので、全てのピス
トン112のストロークが同時に同じ量だけ変化する。
即ち、傾斜角度θが小さくなるほど吐出容量が大きくな
る。それによって圧縮機の吐出容量が無段階に変化する
ことになる。
【0022】複数個のピストン112の中でも吸入行程
にあるものの頂面に形成される作動室Vは拡大して低圧
となるので、その中へ吸入室121内にある圧縮すべき
流体、例えば空調装置の冷媒が、バルブプレート104
の吸入ポート123に設けられた吸入弁を押し開いて流
入する。これと反対に、圧送行程にあるピストン112
の頂面に形成される作動室Vは縮小するため、その内部
にある流体は圧縮されて高圧となり、バルブプレート1
04の吐出ポート124に設けられた吐出弁225を押
し開いて吐出室122へ吐出される。その場合の吐出容
量は、旋回部材108及び揺動部材110の傾斜角度θ
によって決まるピストン112のストロークの長さに概
ね比例している。
【0023】このように、旋回部材108及び揺動部材
110の傾斜角度θを変化させると圧縮機の吐出容量が
変化するので、吐出容量を制御するために、第1実施例
の圧縮機においては、全てのピストン112の背圧とな
るクランク室127内の圧力を圧力制御弁128を使用
して変化させる。通常、クランク室127内には吐出室
122内の高圧と、吸入室121内の低圧との中間の圧
力が圧力圧力制御弁128から導入される。
【0024】クランク室127内の圧力、即ちピストン
112の背圧を高めると、各ピストン112の頂面に形
成される作動室V内の圧力との釣り合い状態が崩れるの
で、新たな釣り合い状態が得られるところまで、複数個
のピストン112の平均的な位置がバルブプレート10
4に近い位置に向かって移動する。それによって全ての
ピストン112のストロークが一斉に小さくなるので、
圧縮機の吐出容量が無段階に減少する。この時は、揺動
部材110と旋回部材108の傾斜角度θが大きくなっ
て90°に近づく。
【0025】図2は、傾斜角度θが実質的に90°にな
り、ピストン112のストロークが実質的に零になっ
て、第1実施例のワッブル式圧縮機100の吐出容量が
実質的に零になった状態を示している。この場合はクラ
ンク室127内の圧力が最大となることによって、旋回
部材108と揺動部材110の傾斜角度θが実質的に零
になっているから、旋回部材108がシャフト106と
共に回転しても、揺動部材110は実質的に揺動運動を
しないで殆ど静止した状態にある。そのため、全てのピ
ストン112が実質的に上死点の位置にあってシリンダ
ボア103内で殆ど往復運動をすることがない。
【0026】これと反対に、圧力圧力制御弁128を作
動させてクランク室127内の圧力を低下させると、ピ
ストン112に作用する背圧が小さくなるために、全て
のピストン112のストロークが一斉に大きくなって、
圧縮機100の吐出容量が無段階に大きくなる。この時
は旋回部材108と揺動部材110の傾斜角度θが小さ
くなって、揺動部材110の揺動運動の振幅も大きくな
る。図1は、クランク室127内の圧力が最小となっ
て、旋回部材108と揺動部材110の傾斜角度が最大
限度まで大きくなり、ピストン112のストローク及び
圧縮機100の吐出容量が最大となった状態を示してい
る。
【0027】第1実施例の特徴は、揺動部材110を、
ミドルハウジング102によって軸方向に伸縮可能に、
且つ回転しないように片持ち支持されているセンターシ
ャフト24を使用し、センターシャフト24の球形の頭
部24aの穴24dに支持されている2個の転動体23
を、アウターリング21の軸方向の溝21gに嵌合して
いる中間部材22に形成された円弧状の溝22aに係合
させることにより、揺動部材110と旋回部材108を
支持して揺動運動を許すと共に、揺動部材110の回転
を阻止している点、即ち、図3乃至図8に図示したよう
な揺動支持機構14を設けた点にある。2個の穴24d
は、センターシャフト24の球形の頭部24aの中心に
関して対称的な位置に形成している。
【0028】第1実施例における揺動支持機構14の作
用は、センターシャフト24の球形の頭部24aに支持
された2個の転動体23が、揺動部材110に取り付け
られたアウターリング21側の中間部材22に形成され
ている円弧状の溝22aに沿って自由に転動することが
できるため、旋回部材108と揺動部材110が何の抵
抗もなく球形の頭部24aの回りに首を振るように回転
して、自転を伴うことなく所定の角度範囲内で全ての方
向に傾斜をすることができることによって得られる。
【0029】第1実施例においては、小型で堅牢な揺動
支持機構14を揺動部材110の中心部に設けることに
よって、揺動部材110と旋回部材108を強固に支持
しながら、揺動部材110の自転を確実に阻止すること
ができる。従って、ワッブル式可変容量圧縮機100全
体が小型化すると共に耐久性、信頼性が向上する。この
場合、揺動支持機構14に転動する転動体23を使用し
ているので、摩擦が少なくて機械的な効率が高く、振動
及び騒音を発生する恐れもない。また、揺動支持機構1
4がバーフィールド型等速自在継ぎ手等を使用する場合
に比べて簡素な構造を有するので、製作が容易でコスト
の面でも有利である。
【0030】なお、旋回部材108及び揺動部材110
の傾斜角度θを変更して圧縮機の吐出容量を変化させる
ための手段として、第1実施例のワッブル式圧縮機10
0においては、クランク室127内の圧力を変化させる
ように構成しているが、本発明はこの手段に特徴を有す
る訳ではないから、同じ目的を達し得る他の手段を採用
することができることは言うまでもない。
【0031】図9乃至図14に本発明の第2実施例の要
部である揺動支持機構14のみを示す。第2実施例のワ
ッブル式圧縮機としての全体構成は、図1及び図2に示
す第1実施例のワッブル式圧縮機100と同様である。
第2実施例における揺動支持機構14が第1実施例にお
けるそれと異なっている点は、2個の転動体33が、セ
ンターシャフト34の球形の頭部34aではなく、揺動
部材110に取り付けられたアウターリング31に形成
されている軸方向の溝31gに嵌合する中間部材32に
半球形の穴32aを形成して支持させていることと、セ
ンターシャフト34の球形の頭部34aに転動体33が
係合する円弧状の溝34dを形成している点にある。2
つの円弧状の溝34dは、球形の頭部34aの中心に関
して対称的な位置に形成する。
【0032】第2実施例のワッブル式圧縮機における揺
動支持機構14も、前述の第1実施例のワッブル式圧縮
機100における揺動支持機構14と概ね同様な作用効
果を奏する。なお、図中の参照符号34bはセンターシ
ャフト34の基部を、34cはそれに形成されたスプラ
インを示している。
【0033】図15に本発明のワッブル式圧縮機の第3
実施例を示す。第3実施例のワッブル式圧縮機200は
吐出容量が変化しない固定容量型のものであるが、その
構成上の特徴は、やはり揺動部材110のために設けら
れた揺動支持機構14の構造にある。この場合の揺動支
持機構14は、前述の第1実施例におけるセンターシャ
フト24が軸方向に伸縮することができるように支持さ
れていたのに対して、第3実施例におけるセンターシャ
フト44の基部44bはミドルハウジング102の穴1
02bに圧入されて固定されている点にある。それ以外
の点においては、第3実施例のワッブル式圧縮機200
は、第1実施例のワッブル式圧縮機100と実質的に同
じ構成を有する。
【0034】センターシャフト44を固定する理由は、
第3実施例のワッブル式圧縮機200のように固定容量
型の場合には、シャフト106に対する旋回部材108
と揺動部材110の傾斜角度が一定であるため、それら
の中心にある球形の頭部44aが軸方向に移動する必要
がないためである。しかしながら図15においては、第
1実施例の場合と同様に、旋回部材108のアーム10
8aに設けられた連結ピン109を、シャフト106側
のアーム106aに形成された溝106bに係合させて
いるが、これは旋回部材108にある程度の自由度を与
えるためであって、基本的には溝106bは単なる円形
の穴であって、旋回部材108がシャフト106に固定
されていてもよい。第3実施例のワッブル式圧縮機20
0は、吐出容量が固定である点を除いて、第1実施例の
ワッブル式圧縮機100と同様な作用効果を奏する。
【0035】なお、第1実施例の揺動支持機構14に類
似している第3実施例の揺動支持機構14における球形
の頭部44aとアウターリング21の関連構成を、第2
実施例のように構成しても同様な作用効果を奏すること
は説明の必要がない。
【0036】また、図示の実施例においては、組み付け
を容易にするために、一対の中間部材22又は32をア
ウターリング21又は31とは別体のものとして製作
し、それらをアウターリングの内面に形成した一対の溝
21g又は31gに嵌め込む構成としているが、仮組み
立ての際に、アウターリング21又は31の中心軸線
と、センターシャフト24,34,44のそれとの傾斜
角を十分に大きくすることができる場合には、転動体2
3又は33の装填が可能になる場合もあるから、そのよ
うな設計条件の下では中間部材を別体としないで、アウ
ターリングの内面の一部を中間部材とみなして、そこに
円弧状の溝22a又は半球形の穴32aに相当するもの
を直接に形成することができる。このような変形例は図
示の各実施例について、それぞれ考えることができる。
【0037】このようにアウターリングと中間部材を初
めから一体化した変形例の一つを図16及び図17に示
す。この変形例は図3及び図4に示す第1実施例に対応
するものである。変形例の揺動支持機構14′において
は、アウターリング21′の内面に直接に円弧状の溝2
1rが設けられている。従って、円弧状の溝21rは、
第1実施例における円弧状の溝22aと同じ働きをす
る。その他の点、及び作用効果等は、前述の各実施例に
おける揺動支持機構14と実質的に同じである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるワッブル式圧縮機の第1実施例を
示す縦断正面図である。
【図2】図1に示す第1実施例の他の運転状態を示す縦
断正面図である。
【図3】第1実施例における揺動支持機構の横断側面図
である。
【図4】図3に示す揺動支持機構のA−A線における縦
断正面図である。
【図5】図4に示す揺動支持機構の他の作動状態を示す
縦断正面図である。
【図6】図3及び図4に示す揺動支持機構のB−B線に
おける縦断平面図である。
【図7】図3に示す揺動支持機構の一部のC−C線にお
ける縦断平面図である。
【図8】図6に示す揺動支持機構の他の作動状態を示す
縦断平面図である。
【図9】本発明の第2実施例における揺動支持機構の横
断側面図である。
【図10】第2実施例における揺動支持機構の縦断正面
図である。
【図11】図10に示す揺動支持機構の他の作動状態を
示す縦断正面図である。
【図12】図9及び図10に示す揺動支持機構のF−F
線における縦断平面図である。
【図13】図9及び図10に示す揺動支持機構のG−G
線における縦断平面図である。
【図14】図12に示す揺動支持機構の他の作動状態を
示す縦断平面図である。
【図15】本発明によるワッブル式圧縮機の第3実施例
を示す縦断正面図である。
【図16】第1実施例における揺動支持機構の変形例を
示す横断側面図である。
【図17】図16に示す揺動支持機構のA′−A′線に
おける縦断正面図である。
【符号の説明】
14,14′…揺動支持機構 21,21′,31…アウターリング 22,32…中間部材 22a,34d,21r…円弧状の溝 23,33…転動体 24,34,44…センターシャフト 24a,34a,44a…球形の頭部 24d,32a…半球形の穴 106…シャフト 108…旋回部材 110…揺動部材 111…スラスト軸受 112…ピストン 127…クランク室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川野 茂 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 Fターム(参考) 3H076 AA06 BB01 BB26 CC20 CC99

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸受を介してハウジングに軸承されてい
    るシャフトと、該シャフトに連結されて回転運動をする
    と共に、前記シャフトに対して傾斜していることによっ
    て揺動運動もする旋回部材と、スラスト軸受を介して前
    記旋回部材に連結されることによってそれと同じ傾斜角
    度をとって揺動運動をするが、回転運動は阻止される揺
    動部材と、該揺動部材の周辺部に連結されてシリンダボ
    ア内において往復運動をするピストンと、前記揺動部材
    を揺動運動可能に支持すると共に、その回転運動を阻止
    するために、前記揺動部材の中心部に設けられた揺動支
    持機構とを備えているワッブル式ポンプにおいて、前記
    揺動支持機構が、 前記揺動部材に対して同心的に取り付けられた環状のア
    ウターリングと、 それ自体が回転をしないように前記シャフトの延長線上
    において前記ハウジングによって支持されていると共
    に、その球形部分が前記アウターリングの内部の中心に
    位置するように伸びているセンターシャフトと、 前記アウターリングの内面における対称的な位置に形成
    された一対の溝に嵌合する一対の中間部材と、 前記一対の中間部材の内面と、それらに対向する前記セ
    ンターシャフトの球形部分の外面との一方に形成された
    穴によって転動可能に支持されると共に、他方に形成さ
    れた円弧状の溝に係合する一対の転動体と、から構成さ
    れていることを特徴とするワッブル式ポンプ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記円弧状の溝が前
    記一対の中間部材の内面にそれぞれ形成されていること
    を特徴とするワッブル式ポンプ。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記円弧状の溝が前
    記センターシャフトの球形部分の外面に形成されている
    ことを特徴とするワッブル式ポンプ。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記揺動支持機構によって、前記旋回部材及び前記揺動
    部材が傾斜角度を変更することができるように支持され
    ていることを特徴とするワッブル式ポンプ。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記旋回部材及び前
    記揺動部材の傾斜角度を変更するために、前記センター
    シャフトが伸縮し得るように構成されていることを特徴
    とするワッブル式ポンプ。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
    前記中間部材が、前記アウターリングの内面の一部分と
    して初めから一体に形成されていることを特徴とするワ
    ッブル式ポンプ。
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