JP2003148307A - スタータ - Google Patents

スタータ

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JP2003148307A
JP2003148307A JP2001352030A JP2001352030A JP2003148307A JP 2003148307 A JP2003148307 A JP 2003148307A JP 2001352030 A JP2001352030 A JP 2001352030A JP 2001352030 A JP2001352030 A JP 2001352030A JP 2003148307 A JP2003148307 A JP 2003148307A
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movable body
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fixed contact
pinion
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JP2001352030A
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Shinji Usami
伸二 宇佐見
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Denso Corp
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Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 可動接点15及び固定接点20の偏摩耗を防
止して接点寿命の低下を抑制すること。 【解決手段】 ピニオン移動体の回転を規制する際に規
制プレート11の凹部11aに係合する規制部材12
と、スタータモータの通電回路を開閉する可動接点21
とが、それぞれ第1可動体15と第2可動体とに設けら
れ、その第1可動体15と第2可動体が共に共通の駆動
用モータ3によって駆動される。この構成によれば、規
制部材12によりピニオン移動体の回転が規制されてい
る時に、出力軸2が回転して第1可動体15が傾いても
第2可動体が傾くことはない。従って、第2可動体が駆
動用モータ3に駆動されて可動接点21が固定接点20
に当接する際に、可動接点21が傾くことはなく、正常
な姿勢で固定接点20に当接できるので、可動接点21
及び固定接点20の偏摩耗を防止でき、接点寿命の低下
を抑制できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転規制されたピ
ニオン移動体をヘリカルスプラインの作用により押し出
してピニオンギヤをリングギヤに噛み合わせる回転規制
噛合い式スタータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術として、例えば特開平9−17
7646号公報に記載されたスタータが公知である。こ
のスタータは、出力軸にヘリカルスプライン嵌合するピ
ニオンと、このピニオンの回転を規制する回転規制手段
とを有し、この回転規制手段によりピニオンの回転を規
制した状態で出力軸を回転させることにより、ヘリカル
スプラインの作用でピニオンを軸前方へ押し出して、ピ
ニオンギヤをリングギヤに噛み合わせる方式である。
【0003】回転規制手段は、ピニオンに組付けられる
プレート(このプレートの外径部に複数の凹部が設けら
れている)と、ピニオンを回転規制する際にプレートの
凹部に係合する規制爪とで構成され、この規制爪が連結
ロッドを介して電磁スイッチのプランジャに連結され、
プランジャと一体に可動する様に設けられている。な
お、電磁スイッチは、プランジャの端部に可動接点が設
けられ、モータの通電回路に設けられる固定接点に対向
して可動接点を駆動することにより、モータの通電電流
をON/OFF制御する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のスタ
ータは、規制爪がプレートの凹部に係合してピニオンの
回転が規制された状態で出力軸が回転すると、その回転
力が規制爪から連結ロッドを介してプランジャに伝達さ
れるため、プランジャが傾いた状態で移動する。このた
め、プランジャに設けられている可動接点も傾くことに
なり、可動接点が固定接点に正常に当接することができ
なくなる。その結果、可動接点及び固定接点が偏摩耗し
て、接点寿命が低下する虞があった。本発明は、上記事
情に基づいて成されたもので、その目的は、可動接点及
び固定接点の偏摩耗を防止して接点寿命の低下を抑制で
きるスタータを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】(請求項1の発明)本発
明のスタータは、エンジンを始動するための回転力を発
生するモータと、このモータに駆動されて回転する出力
軸と、エンジン始動時にリングギヤに噛み合うピニオン
ギヤを有し、出力軸上を軸方向に移動可能に設けられた
ピニオン移動体と、出力軸が回転を開始する前にピニオ
ン移動体に係合してピニオン移動体の回転を規制するた
めの規制部材を有し、この規制部材と一体に可動する第
1可動体と、規制部材によりピニオン移動体が回転規制
された状態で、出力軸の回転を受けてピニオン移動体を
軸前方へ押し出すスラスト力を発生するヘリカルスプラ
イン機構と、モータの通電回路に設けられた固定接点に
対向する可動接点を有し、この可動接点と一体に可動す
る第2可動体と、第1可動体と第2可動体とを駆動する
駆動用モータとを備えている。
【0006】この構成によれば、規制部材を有する第1
可動体と、可動接点を有する第2可動体とが別体に設け
られているので、規制部材がピニオン移動体を回転規制
した状態で出力軸が回転する際に第1可動体が傾いて
も、第2可動体が傾くことはない。従って、第2可動体
が駆動用モータに駆動されて可動接点が固定接点に当接
する際に、可動接点が傾くことなく、正常な姿勢で固定
接点に当接できるので、可動接点及び固定接点の偏摩耗
を防止でき、接点寿命の低下を抑制できる。
【0007】また、本発明のスタータは、可動接点を有
する第2可動体を駆動用モータにて駆動するので、その
駆動用モータの回転速度を制御することにより、可動接
点が固定接点に当接する時の速度を任意に制御できる。
従って、例えば、可動接点が固定接点に当接する時の速
度を遅くすることで、可動接点が固定接点に当接する際
の衝撃を緩和できるので、可動接点及び固定接点の異常
摩耗を抑制でき、接点寿命の低下を抑制できる。
【0008】(請求項2の発明)請求項1に記載したス
タータにおいて、駆動用モータは、回転軸がモータハウ
ジングの両側から取り出される両軸構造であり、回転軸
の一端側に第1可動体が連結され、回転軸の他端側に第
2可動体が連結されている。この構成によれば、第1可
動体と第2可動体とを別々に設けても、1個の駆動用モ
ータで第1可動体と第2可動体の両方を同時に駆動でき
るので、駆動用モータを2個設置する必要がなく、その
分、装置の大型化を抑制できる。
【0009】(請求項3の発明)請求項1または2記載
したスタータにおいて、可動接点は、固定接点に対し時
間差を有して当接可能に設けられた高抵抗部材と低抵抗
部材とから構成され、規制部材がピニオン移動体の回転
を規制してからピニオンギヤがリングギヤに噛み合うま
での間、高抵抗部材が固定接点に当接してモータの通電
回路を閉成し、ピニオンギヤがリングギヤに噛み合った
後、低抵抗部材が固定接点に当接する。
【0010】この構成では、可動接点の高抵抗部材が固
定接点に当接してモータの通電回路が閉成されると、モ
ータの通電電流が小さいため、モータが比較的低速で回
転する。従って、ピニオン移動体が出力軸上を前進する
速度が遅くなるため、ピニオンギヤがリングギヤに当た
る時の衝撃を緩和でき、且つリングギヤとの噛み合いを
良好に行うことができる。その後、ピニオンギヤがリン
グギヤに噛み合うと、可動接点の低抵抗部材が固定接点
に当接するため、モータの通電電流が大きくなってモー
タが高速で回転し、エンジンを始動するために必要な回
転力をピニオンギヤからリングギヤに伝達してエンジン
をクランキングさせることができる。
【0011】(請求項4の発明)請求項3に記載したス
タータにおいて、高抵抗部材は、低抵抗部材の内部に配
され、且つ固定接点に対向して第2可動体の可動方向に
摺動自在に保持されると共に、固定接点方向にスプリン
グにより付勢されている。この構成では、高抵抗部材を
低抵抗部材の内部に配置することにより、高抵抗部材と
低抵抗部材とをコンパクトに配置できる。
【0012】(請求項5の発明)請求項1〜4に記載し
た何れかのスタータにおいて、第1可動体は、可動方向
の一端側と他端側の少なくとも2箇所で保持されてい
る。この構成によれば、規制部材がピニオン移動体を回
転規制している時に出力軸が回転しても、第1可動体が
大きく傾くことがないので、規制部材により確実にピニ
オン移動体を回転規制できる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面に
基づいて説明する。図1はスタータ1の要部断面図であ
る。本実施例のスタータ1は、エンジンを始動するため
の回転力を発生するスタータモータ(図示しない)、こ
のスタータモータに駆動されて回転する出力軸2、この
出力軸2上を移動可能に設けられたピニオン移動体(後
述する)、出力軸2が回転する前にピニオン移動体の回
転を規制する回転規制手段(後述する)、スタータモー
タの通電回路を開閉するスイッチ手段(後述する)、及
び駆動用モータ3等より構成されている。
【0014】スタータモータは、周知の直流電動機であ
り、上記のスイッチ手段によりスタータモータの通電回
路が閉成すると、車載バッテリ4から給電されてアーマ
チャに回転力が発生する。出力軸2は、モータ回転軸
(アーマチャシャフト)と同軸に設けられて、自身の先
端部が軸受5を介してハウジング6のノーズ部6aに回
転自在に支持され、後端部が図示しない減速装置を介し
てモータ回転軸に連結されている。この出力軸2の外周
には、ヘリカルスプライン2aが設けられている。
【0015】ピニオン移動体は、エンジン始動時にリン
グギヤ7に噛み合うピニオンギヤ8と、出力軸2の回転
をピニオンギヤ8に伝達する一方向クラッチ9とを有し
ている。ピニオンギヤ8は、一方向クラッチ9の前方側
に配されて、一方向クラッチ9のインナ9bと一体に設
けられ、出力軸2の外周に軸受10を介して回転自在及
び摺動自在に嵌合している。
【0016】一方向クラッチ9は、径方向に対向するア
ウタ9aとインナ9bとの間にローラ9cを配置し、こ
のローラ9cを介してアウタ9aからインナ9bへトル
ク伝達を行う周知のローラ式クラッチである。この一方
向クラッチ9は、アウタ9aと一体に円筒状のバレル9
dが設けられ、そのバレル9dの内周に形成されたヘリ
カルスプライン9eが出力軸2のヘリカルスプライン2
aと噛み合って出力軸2上を軸方向に移動可能に設けら
れている。
【0017】回転規制手段は、規制プレート11と規制
部材12とで構成される。規制プレート11は、一方向
クラッチ9のバレル9dの外周面に嵌合して軸方向に移
動可能に設けられると共に、クリップ13によって軸後
方への移動が阻止され、且つアウタ9aとの間に配され
たスプリング14によりクリップ13側へ付勢されてい
る。この規制プレート11の外径部には、図3に示す様
に、三角形状に窪む複数の凹部11aが全周に亘って連
続して設けられている。
【0018】規制部材12は、規制プレート11の回転
(即ちピニオン移動体の回転)を規制する際に規制プレ
ート11の凹部11aに係合するもので、第1可動体1
5の下端部に固定されて規制プレート11の径方向外周
に配置され、第1可動体15と一体に可動する。この規
制部材12は、ピニオンギヤ8がリングギヤ7と完全に
噛み合う位置まで規制プレート11の回転を規制できる
様に、軸方向に所定の長さを有している。
【0019】第1可動体15は、図2に示す様に、自身
の上端部がハウジング6に固定された筒状のガイド部1
6に挿入されて上下動可能に保持され、同じくガイド部
16に挿入されたスプリング17により図示上方へ付勢
されている。また、第1可動体15の下端側が、ハウジ
ング6に固定された保持部材18により摺動自在に保持
されている。なお、第1可動体15は、例えば一定の厚
みを有する細長い板状に設けられ、厚み方向に弾性変形
可能である。
【0020】この第1可動体15は、回転運動を直線運
動に変換するギヤ機構を介して駆動用モータ3に駆動さ
れ、図1の上下方向に可動する。ギヤ機構は、例えば、
第1可動体15の上端部に形成されたラック(歯)15
aと、このラック15aに噛み合う小歯車19とで構成
され、その小歯車19が駆動用モータ3のシャフト3a
の一端側に取り付けられている。
【0021】スイッチ手段は、スタータモータの通電回
路に設けられる固定接点20と、この固定接点20に対
向する可動接点21、及びこの可動接点21と一体に可
動する第2可動体22等より構成される。固定接点20
は、第2可動体22を収容する樹脂製のスイッチケース
23に固定された端子ボルト24と一体に設けられてい
る。その端子ボルト24は、バッテリケーブル25を介
して車載バッテリ4に接続されている。
【0022】可動接点21は、第2可動体22(図2参
照)の下端部に絶縁保持されて、電気配線を介してスタ
ータモータのプラス側ブラシ(図示しない)に接続され
ている。この可動接点21は、高抵抗部材21aと低抵
抗部材21bとで構成され、その高抵抗部材21aと低
抵抗部材21bとが固定接点20に対し時間差を有して
当接できる様に構成されている。具体的には、図2に示
す様に、低抵抗部材21bの内部に高抵抗部材21aが
摺動自在に配されて、その高抵抗部材21aが接点圧を
付与するためのスプリング26に付勢されて低抵抗部材
21bより固定接点20側へ飛び出した状態に設けられ
ている。
【0023】これにより、規制部材12が規制プレート
11の凹部11aに係合してピニオン移動体の回転を規
制してからピニオンギヤ8がリングギヤ7に噛み合うま
での間、高抵抗部材21aが先に固定接点20に当接し
てモータの通電回路を閉成し、ピニオンギヤ8がリング
ギヤ7に噛み合った後、低抵抗部材21bが固定接点2
0に当接することができる。
【0024】第2可動体22は、図2に示す様に、自身
の上部がスイッチケース23に固定された筒状のガイド
部27に挿入されて上下動可能に保持され、同じくガイ
ド部27に挿入されたスプリング28により図示上方へ
付勢されている。この第2可動体22は、第1可動体1
5と同様に、回転運動を直線運動に変換するギヤ機構を
介して駆動用モータ3に駆動され、図1の上下方向に可
動する。ギヤ機構は、例えば、第2可動体22の上部に
形成されたラック(歯)22aと、このラック22aに
噛み合う小歯車29とで構成され、その小歯車29が駆
動用モータ3のシャフト3aの他端側に取り付けられて
いる。
【0025】駆動用モータ3は、第1可動体15と第2
可動体22との間に配置され、ステー30を介してハウ
ジング6とスイッチケース23との間に挟持されてい
る。この駆動用モータ3は、第1可動体15と第2可動
体22とを同時に駆動できる様に、自身のシャフト3a
がモータハウジングの左右両側から取り出される両軸構
造を有し、シャフト3aの両端部にそれぞれ上記の小歯
車19、29が取り付けられている。なお、駆動用モー
タ3は、コントローラ31を介して通電制御される。
【0026】次に、本実施例のスタータ1の作動を説明
する。IGキー32が閉じると、コントローラ31を介し
て駆動用モータ3に通電され、シャフト3aが回転す
る。これにより、シャフト3aに取り付けられた小歯車
19、29が回転して、小歯車19、29と噛み合うラ
ック15a、22aに直線運動が付与される。この結
果、図4に示す様に、第1可動体15及び第2可動体2
2が図示下方へ移動し、第1可動体15に固定された規
制部材12が規制プレート11の凹部11aに係合して
ピニオン移動体の回転を規制した後、第2可動体22に
具備された可動接点21の高抵抗部材21aが固定接点
20に当接してスタータモータの通電回路を閉成する。
【0027】これにより、スタータモータに通電されて
アーマチャが回転を始めるが、高抵抗部材21aを介し
て通電されているので、アーマチャの回転力は小さくな
る。アーマチャの回転が伝達されて出力軸2が回転する
と、回転規制されているピニオン移動体にヘリカルスプ
ライン2a、9eを介してスラスト力が付与されるた
め、ピニオン移動体が出力軸2上を前進してピニオンギ
ヤ8がリングギヤ7に当接する(図5参照)。この時、
アーマチャの回転力が小さいため、出力軸2の回転速度
が遅くなり、ピニオン移動体の移動速度も遅くなる。
【0028】ピニオンギヤ8がリングギヤ7に当接して
ピニオン移動体が一旦停止すると、出力軸2からピニオ
ン移動体に回転力が付与されるため、第1可動体15が
自身の厚み方向に弾性変形しながらピニオン移動体の回
転を許容する。ここで、ピニオンギヤ8がリングギヤ7
と噛み合い可能な位置まで回転すると、ピニオンギヤ8
がリングギヤ7側に押し込まれてリングギヤ7との噛み
合いが完了する(図6参照)。この時、規制部材12
は、規制プレート11の凹部11aから外れて規制プレ
ート11の後方側に入り込むことにより、ピニオン移動
体の後退を規制している。
【0029】ピニオンギヤ8が完全にリングギヤ7に噛
み合うと、可動接点21の低抵抗部材21bが固定接点
20に当接してスタータモータに定格電流が流れるた
め、アーマチャが高速回転を開始する。これにより、ア
ーマチャの高速回転が出力軸2から一方向クラッチ9を
介してピニオンギヤ8に伝達され、更にピニオンギヤ8
に噛み合うリングギヤ7に伝達されてエンジンをクラン
キングさせる。
【0030】エンジン始動後、駆動用モータ3を逆回転
させて第1可動体15及び第2可動体22を上方へ移動
させると、可動接点21が固定接点20から離れてスタ
ータモータの通電回路を開くことにより、スタータモー
タへの通電が停止してアーマチャの回転が停止する。ま
た、規制部材12が規制プレート11の後方から外れて
ピニオン移動体の後退規制を解除することにより、ハウ
ジング6のノーズ部6aとピニオンギヤ8との間に配さ
れたリターンスプリング33の反力により、ピニオン移
動体が出力軸2上を後退して始動前の位置(図1に示す
位置)まで押し戻される。
【0031】なお、コントローラ31は、スタータモー
タに通電される電流を常時モニタリングしており、その
通電電流に応じて駆動用モータ3の通電電流及び回転方
向を制御している。また、コントローラ31は、駆動用
モータ3に通電を開始してからピニオンギヤ8がリング
ギヤ7に当接するまでの時間を予め記憶すると共に、駆
動用モータ3を逆転させる時期を判断するためにエンジ
ンの着火タイミングを記憶している。
【0032】(本実施例の効果)本実施例のスタータ1
は、規制部材12が規制プレート11の凹部11aに係
合してピニオン移動体の回転を規制している時に、出力
軸2が回転して第1可動体15が傾いても、規制部材1
2を有する第1可動体15と可動接点21を有する第2
可動体22とが別体に設けられているので、第2可動体
22が傾くことはない。従って、第2可動体22が駆動
用モータ3に駆動されて可動接点21が固定接点20に
当接する際に、可動接点21が傾くことはなく、正常な
姿勢で固定接点20に当接できるので、可動接点21及
び固定接点20の偏摩耗を防止でき、接点寿命の低下を
抑制できる。
【0033】また、本実施例では、可動接点21を有す
る第2可動体22を駆動用モータ3により駆動している
ので、駆動用モータ3の回転速度をコントローラ31に
て制御することにより、可動接点21が固定接点20に
当接する時の速度を任意に制御できる。例えば、可動接
点21が固定接点20に当接する時の速度を遅くするこ
とで、可動接点21が固定接点20に当接する際の衝撃
を緩和できるので、可動接点21及び固定接点20の異
常摩耗を抑制でき、接点寿命の低下を抑制できる。
【0034】更に、駆動用モータ3は、シャフト3aが
モータハウジングの両側から取り出される両軸構造であ
り、シャフト3aの一端側に第1可動体15が連結さ
れ、シャフト3aの他端側に第2可動体22が連結され
ている。この構成によれば、第1可動体15と第2可動
体22とを別々に設けても、1個の駆動用モータ3で第
1可動体15と第2可動体22の両方を同時に駆動でき
るので、駆動用モータ3を2個設置する必要がなく、そ
の分、装置の大型化を抑制できる。また、駆動用モータ
3を1個にすることで、第1可動体15と第2可動体2
2とをそれぞれ駆動用モータ3に近接して配置できるの
で、軸方向の体格を小型化できる。
【0035】第2可動体22に具備される可動接点21
は、高抵抗部材21aと低抵抗部材21bとで構成さ
れ、その高抵抗部材21aと低抵抗部材21bとが固定
接点20に対し時間差を持って当接できる様に構成され
ている。即ち、高抵抗部材21aが先に固定接点20に
当接してスタータモータの通電回路が閉成されると、通
電電流が小さいため、アーマチャの回転力が小さくな
る。従って、ピニオン移動体が出力軸2上を前進する速
度が遅くなるため、ピニオンギヤ8がリングギヤ7に当
たる時の衝撃を緩和でき、且つリングギヤ7との噛み合
いを良好に行うことができる。その後、ピニオンギヤ8
がリングギヤ7に噛み合うと、低抵抗部材21bが固定
接点20に当接して通電電流が大きくなるため、アーマ
チャが高速で回転し、エンジンを始動するために必要な
回転力をピニオンギヤ8からリングギヤ7に伝達してエ
ンジンをクランキングさせることができる。
【0036】また、第1可動体15は、自身の上端部が
ガイド部16に挿入されて上下動可能に保持され、且つ
自身の下端側が保持部材18により摺動自在に保持され
ている(即ち、上下2箇所で保持されている)ので、規
制部材12が規制プレート11の凹部11aに係合して
いる時に出力軸2が回転しても、第1可動体15が大き
く傾くことはなく、確実にピニオン移動体を回転規制す
ることができる。
【0037】(変形例)上記実施例では、コントローラ
31が駆動用モータ3に通電を開始してから所定時間経
過した時点でピニオンギヤ8がリングギヤ7に当接した
と見なしている(ピニオンギヤ8がリングギヤ7に当接
するまでの時間をコントローラ31が記憶している)
が、ピニオンギヤ8の位置をポジションセンサで検出す
ることにより、リングギヤ7との当接タイミングを判断
しても良い。また、クランキングを終了する際、回転セ
ンサにてエンジン回転数を検出して、所定回転数(エン
ジン着火回転数;約 400〜600rpm)以上になったら、コ
ントローラ31で判定して駆動用モータ3を制御しても
良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるスタータの要部断面図である
(回転規制前の状態)。
【図2】駆動用モータ周辺の拡大断面図である。
【図3】規制プレートの一部と規制部材を軸方向から見
た平面図である。
【図4】スタータの要部断面図である(回転規制時の状
態)。
【図5】スタータの要部断面図である(ピニオンギヤが
リングギヤに当接した状態)。
【図6】スタータの要部断面図である(ピニオンギヤが
リングギヤに噛み合った状態)。
【符号の説明】 1 スタータ 2 出力軸 2a 出力軸のヘリカルスプライン(ヘリカルスプライ
ン機構) 3 駆動用モータ 3a シャフト(回転軸) 7 リングギヤ 8 ピニオンギヤ(ピニオン移動体) 9 一方向クラッチ(ピニオン移動体) 9e バレルのヘリカルスプライン(ヘリカルスプライ
ン機構) 12 規制部材 15 第1可動体 20 固定接点 21 可動接点 21a 高抵抗部材 21b 低抵抗部材 22 第2可動体 26 スプリング

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンを始動するための回転力を発生す
    るモータと、 このモータに駆動されて回転する出力軸と、 エンジン始動時にリングギヤに噛み合うピニオンギヤを
    有し、前記出力軸上を軸方向に移動可能に設けられたピ
    ニオン移動体と、 前記出力軸が回転を開始する前に前記ピニオン移動体に
    係合して前記ピニオン移動体の回転を規制するための規
    制部材を有し、この規制部材と一体に可動する第1可動
    体と、 前記規制部材により前記ピニオン移動体が回転規制され
    た状態で、前記出力軸の回転を受けて前記ピニオン移動
    体を軸前方へ押し出すスラスト力を発生するヘリカルス
    プライン機構と、 前記モータの通電回路に設けられた固定接点に対向する
    可動接点を有し、この可動接点と一体に可動する第2可
    動体と、 前記第1可動体と前記第2可動体とを駆動する駆動用モ
    ータとを備えることを特徴とするスタータ。
  2. 【請求項2】請求項1に記載したスタータにおいて、 前記駆動用モータは、回転軸がモータハウジングの両側
    から取り出される両軸構造であり、前記回転軸の一端側
    に前記第1可動体が連結され、前記回転軸の他端側に前
    記第2可動体が連結されていることを特徴とするスター
    タ。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載したスタータにお
    いて、 前記可動接点は、前記固定接点に対し時間差を有して当
    接可能に設けられた高抵抗部材と低抵抗部材とから構成
    され、前記規制部材が前記ピニオン移動体の回転を規制
    してから前記ピニオンギヤが前記リングギヤに噛み合う
    までの間、前記高抵抗部材が前記固定接点に当接して前
    記モータの通電回路を閉成し、前記ピニオンギヤが前記
    リングギヤに噛み合った後、前記低抵抗部材が前記固定
    接点に当接することを特徴とするスタータ。
  4. 【請求項4】請求項3に記載したスタータにおいて、 前記高抵抗部材は、前記低抵抗部材の内部に配され、且
    つ前記固定接点に対向して前記第2可動体の可動方向に
    摺動自在に保持されると共に、前記固定接点方向にスプ
    リングにより付勢されていることを特徴とするスター
    タ。
  5. 【請求項5】請求項1〜4に記載した何れかのスタータ
    において、 前記第1可動体は、可動方向の一端側と他端側の少なく
    とも2箇所で保持されていることを特徴とするスター
    タ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013516562A (ja) * 2009-12-30 2013-05-13 ローベルト ボツシユ ゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング 始動装置

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