JP2003147763A - 地盤改良体施工方法および地盤改良工法ならびに地盤改良機 - Google Patents

地盤改良体施工方法および地盤改良工法ならびに地盤改良機

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誠二 南
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一男 南
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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 場所打ち工法により地盤中に形成する円柱状
の地盤改良体の強度をより高める。 【解決手段】 中空軸10の先端部に掘削機20を備え
た地盤改良機により地盤を所定深度まで掘削し、その後
地盤改良機を引き上げる過程で中空軸10に備えた土壌
供給路(内管31)を経由して掘削機20の中心部21
から地盤改良区域の掘削残土Dを削孔40の中心域51
に供給するとともに、中空軸10に備えた地盤改良材供
給路(外管32)を経由して掘削機20の外周部から地
盤改良材(セメントC)を削孔40の外周域52の土壌
に供給することにより、地盤改良体50の中心域51は
地盤改良前の土壌で、外周域52が改良された土壌とな
るので、地盤改良体50は土壌中に中空の円筒状体を打
設した状態に近いかたちになり、曲げ強度の高い地盤改
良体50となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は場所打ち工法により
地盤改良体を形成して地盤を改良する地盤改良技術に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、軟弱な地盤を強化する方法とし
て、地盤内にセメントなどの固化材を供給し、攪拌混合
することによって地盤を固化する地盤改良工法が種々提
案されている。その代表的な工法として、スラリー状の
セメントおよびセメント系固化材を現位置土に定圧で注
入し、現位置土とセメントおよびセメント系固化材を機
械的に混合攪拌することにより、地中に安定した地盤を
造成する工法がある。この工法は、図4の(a)〜
(f)に示す基本的な手順によって行われる。図4にお
いて、(a)はオーガ(地盤改良機)100と杭110
(地盤改良体)との芯合わせ、(b)は削孔開始、杭天
端位置セメントミルク注入開始、(c)は削孔完了、杭
下端位置セメントミルク注入終了、(d)は杭先端処理
ターニング引き抜き、(e)は杭先端処理ターニング削
孔、(f)はオーガ逆転、引き抜きの各工程を示す。
【0003】上記のような工法は現位置土置換工法、場
所打ち工法といわれ、この工法によって得られる柱状の
改良体は実質的に中実の円形断面の杭である。さらに、
この柱状の改良体を所定範囲の地盤全面に多数隣接して
配置し、柱列杭とする地盤改良工法も行われている。
【0004】ところで、前記の地盤改良体施工方法で
は、地盤改良機(オーガ)の内部を通じて供給されるセ
メントミルクの流量には限界があり、そのため土壌に対
するセメントミルクの混合比が低く、杭の強度はそれほ
ど大きくはできない、あるいは杭の長さ方向に強度が不
均一である、という難点がある。これに対して、特開平
8−296246号公報および特開平11−22937
1号公報で、注入したセメントミルクが硬化する前に改
良体(土壌とセメントミルクの混合体)に既製杭あるい
はパイプを圧入し建て込む工法が提案されている。
【0005】また特開昭58−173216号公報に
は、中空軸を回転させて攪拌翼にて削孔を行い、その間
或いは所定深度削孔後引き上げる過程で中心域以外の少
なくとも一部位にセメントを噴射して中心域に未改良域
を形成しながら、強度を大きくしたリング状の改良体を
形成するようにした地盤改良体施工方法が記載されてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の特開昭58−1
73216号公報の記載によれば、地盤改良機を引き上
げていくと、地盤中にはリング状の改良層の造成体が筒
状に形成され、内部には未改良柱状体が形成されてい
く、とされている。しかしながら前記公報に記載の方法
では、地盤改良機を引き上げるときに、中空軸が位置し
ていた中心域の部分に周辺の土壌がセメントとともに流
れ込む。このため、中心域に未改良域を形成するとはい
うものの、実際には中心域も周辺の改良層と大差ない土
壌となり、中実杭と比較して強度の向上はそれほど期待
できない。
【0007】本発明が解決すべき課題は、場所打ち工法
により地盤中に概略円柱状の地盤改良体を形成するにあ
たり、地盤改良体の中心域の土壌を現位置土と同じ土壌
として外周域の改良された土壌と明確に区分し、地盤改
良体の強度をより高めることにあり、さらに、多数の地
盤改良体を広い領域に配置するにあたり、多方向からの
負荷に対する抵抗力を高めることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の地盤改良体施工
方法は、場所打ち工法により地盤中に概略円柱状の地盤
改良体を形成する方法において、中空軸の先端部に掘削
機を備えた地盤改良機により地盤を所定深度まで掘削
し、その後地盤改良機を引き上げる過程で前記中空軸に
備えた土壌供給路を経由して前記掘削機の中心部から地
盤改良区域の掘削残土を削孔の中心域に供給するととも
に、前記中空軸に備えた地盤改良材供給路を経由して前
記掘削機の外周部から地盤改良材を削孔の外周域の土壌
に供給することを特徴とする。
【0009】本発明の地盤改良体施工方法では、削孔後
に地盤改良機を引き上げる過程で、地盤改良機の中空軸
が位置していた中心域に対しては地盤改良区域の掘削残
土を供給し、外周域の土壌に対してのみ地盤改良材(た
とえばセメント)を供給することで、円柱状の地盤改良
体の中心域は地盤改良前の土壌で、外周域が改良された
土壌となるので、円柱状の地盤改良体は土壌中に中空の
円筒状体を打設した状態に近いかたちになり、中術杭に
比べて断面係数は小さくなるが曲げ強度の高い地盤改良
体となる。
【0010】また、本発明の地盤改良工法は、上記の地
盤改良体施工方法により構築される複数の地盤改良体を
隣接配置して柱列杭とする地盤改良工法であって、地盤
改良区域の一部または全部の区域にわたる地盤改良体の
平面的な配置形状として、個々の地盤改良体の中心点を
結ぶ仮想線がハニカム状となるように配置することを特
徴とする。
【0011】従来の地盤改良工法においては、広い区域
の地盤改良を行うときの地盤改良体の平面配置は、縦方
向および横方向に地盤改良体を隣接配置する方法であっ
た。このような従来の地盤改良体の配置では、縦方向お
よび横方向に対する負荷には抵抗力が大きいが、斜め方
向の負荷に対しては抵抗力が小さい。これに対し本発明
の工法では、地盤改良体の中心点を結ぶ仮想線がハニカ
ム状なるように平面配置しているので、水平方向のいず
れの方向からの負荷に対しても抵抗力が大きくなる。
【0012】上記の地盤改良体施工方法は、中空軸の先
端部に掘削機を備えた地盤改良機の前記中空軸の内部に
土壌供給路と地盤改良材供給路を別々に形成し、前記土
壌供給路の先端を前記掘削機の中心部に開口し、前記地
盤改良材供給路を前記掘削機の外周部に開口させた構造
の地盤改良機を使用して実施することができる。
【0013】地盤改良機の中空軸の内部に、たとえば二
重管を設けて内管を土壌供給路とし、内管と外管の間を
地盤改良材供給路とすれば、掘削後に地盤改良機を引き
上げる過程で、内管を通じて掘削後の削孔の中心域に対
しては地盤改良区域の掘削残土を供給し、外周域の土壌
に対してのみ地盤改良材(たとえばセメント)を供給す
ることで、円柱状の地盤改良体の中心域は地盤改良前の
土壌で、外周域が改良された土壌となる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態における
地盤改良機の先端部分の構造を模式的に示す概略図であ
り、図2は土壌改良体の横断面図である。
【0015】本実施形態における地盤改良機は、先端部
に掘削機20を設けた中空軸10の内部に二重管30を
設け、内管31を掘削機20の中心部21の下部に開口
させ、内管31と外管32で形成される通路をパイプ3
2aで延長して掘削機20の外周部の攪拌翼22の中間
に開口させている。なお、図中21aおよび22aは掘
削刃である。
【0016】この地盤改良機の掘削機20により地盤G
を掘削し、削孔40を形成する。地盤Gを所定深度まで
掘削し、その後地盤改良機を引き上げる過程で内管31
を経由して掘削機の中心部21の下部開口21bから地
盤改良区域の掘削残土Dを削孔40の中心域に供給す
る。同時に、内管31と外管32で形成される通路およ
びパイプ32aを経由して地盤改良材であるセメントC
を削孔40の外周域の土壌に供給する。
【0017】削孔40の中心域に掘削残土Dを供給し、
削孔40の外周域の土壌にセメントCを供給しながら地
盤改良機を引き上げることにより、削孔40は図2に示
すように、中心域51には掘削残土Dが充填され、外周
域52には削孔40の土壌とセメントCの混合物が形成
される。これにより、外周域52は改良された土壌とな
り、中心域51は改良地盤の土壌と同じ土壌で、曲げ強
度の高い地盤改良体50となる。
【0018】図3は上記の地盤改良体50を隣接配置し
て柱列杭とした実施形態を平面的に示す模式図である。
図は地盤改良区域の一部のみを示しており、地盤改良区
域の全域にわたって図3に示す配置とすることもできる
が、場所によっては配置を変更することもできる。
【0019】図3に示すように、個々の地盤改良体50
の中心点50aを結ぶ仮想線Hがハニカム状となるよう
に多数の地盤改良体を配置した柱列杭とすることによ
り、水平方向のいずれの方向からの負荷に対しても抵抗
力が大きくなる。
【0020】
【発明の効果】(1)中空軸の先端部に掘削機を備え、
中空軸の内部に土壌供給路と地盤改良材供給路を別々に
形成した地盤改良機を使用して、地盤改良機を引き上げ
る過程で土壌供給路を経由して掘削機の中心部から地盤
改良区域の掘削残土を削孔の中心域に供給するととも
に、地盤改良材供給路を経由して掘削機の外周部から地
盤改良材を削孔の外周域の土壌に供給することにより、
円柱状の地盤改良体の中心域は地盤改良前の土壌で、外
周域が改良された土壌となるので、円柱状の地盤改良体
は土壌中に中空の円筒状体を打設した状態に近いかたち
になり、曲げ強度の高い地盤改良体を得ることができ
る。
【0021】(2)地盤改良区域の一部または全部の区
域にわたる地盤改良体の平面的な配置形状として、個々
の地盤改良体の中心点を結ぶ仮想線がハニカム状となる
ように平面配置することにより、水平方向のいずれの方
向からの負荷に対しても抵抗力が大きくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態における地盤改良機の先端
部分の構造を模式的に示す概略図である。
【図2】 本発明の土壌改良体の横断面図である。
【図3】 地盤改良体を隣接配置して柱列杭とした実施
形態を平面的に示す模式図である。
【図4】 従来の地盤改良工法の一例を説明する工程図
である。
【符号の説明】
10 中空軸 20 掘削機 21 掘削機の中心部 21a 掘削刃 21b 下部開口 22 攪拌翼 22a 掘削刃 30 二重管 31 内管 32 外管 32a パイプ 40 削孔 50 地盤改良体 50a 中心点 51 中心域 52 外周域 G 地盤 C セメント D 掘削残土 H 仮想線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 南 誠二 石川県河北郡七塚町字松浜ハ16番地2 株 式会社ミナミ内 (72)発明者 南 一男 石川県河北郡七塚町字松浜ハ16番地2 株 式会社ミナミ内 Fターム(参考) 2D040 AB00 AB05 BA08 BC01 BD00 BD05 CA01 DA03 DA11

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 場所打ち工法により地盤中に概略円柱状
    の地盤改良体を形成する方法において、中空軸の先端部
    に掘削機を備えた地盤改良機により地盤を所定深度まで
    掘削し、その後地盤改良機を引き上げる過程で前記中空
    軸に備えた土壌供給路を経由して前記掘削機の中心部か
    ら地盤改良区域の掘削残土を削孔の中心域に供給すると
    ともに、前記中空軸に備えた地盤改良材供給路を経由し
    て前記掘削機の外周部から地盤改良材を削孔の外周域の
    土壌に供給することを特徴とする地盤改良体施工方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の地盤改良体施工方法によ
    り構築される複数の地盤改良体を隣接配置して柱列杭と
    する地盤改良工法であって、地盤改良区域の一部または
    全部の区域にわたる地盤改良体の平面的な配置形状とし
    て、個々の地盤改良体の中心点を結ぶ仮想線がハニカム
    状となるように配置することを特徴とする地盤改良工
    法。
  3. 【請求項3】 中空軸の先端部に掘削機を備えた地盤改
    良機の前記中空軸の内部に土壌供給路と地盤改良材供給
    路を別々に形成し、前記土壌供給路の先端を前記掘削機
    の中心部に開口し、前記地盤改良材供給路を前記掘削機
    の外周部に開口させたことを特徴とする地盤改良機。
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