JP2003147602A - 快適パンツ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本願発明は、男性用トランクス型パンツにお
いて、従来着用時に感じられた不快感を解消する、快適
パンツを供給することを目的とする。 【解決手段】 その内側に左右あて布が設けられた男性
用トランクス型パンツであって、該左右あて布がパンツ
本体前身頃内面とパンツ本体後身頃内面とにおいてのみ
パンツ本体と接するように設けられ、該あて布の上端が
両脚鼠蹊部の直下に位置し、該あて布の下端から上端ま
での高さが前方から後方にかけて直線状又は弧状に低く
なっており、その最も低い高さにおいても男性器全面を
覆うことができる高さであり、そして、該左右あて布の
間に男性器が収納されて、男性器全面と左右両内股とを
隔てることを特徴とするパンツ。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、下半身に着用する
男性用トランクス型パンツ、より詳しくは、快適な着用
感を供給する男性用トランクス型パンツに関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】従来の男性用トランクス型パンツは、胴
体を納める胴部用開口部から脚に向けて二股に分かれて
二つの脚用開口部が設けられており、これを男性が着用
した場合、開放的な構造のため通気性が良く、蒸れにく
いという利点がある。しかし、男性器を支持する部分が
無いため、男性器は、下着内部で必ず左右どちらかの脚
の側に片寄り内股に触れた形で納められていた。このよ
うな状況は下半身が非常に窮屈であり、気候や着用の状
況によっては蒸れが生じて不快感を感じたり股ズレした
りする原因ともなる。このような不都合を改善するた
め、種々の方策が検討されてきている。

【０００３】特願平６−２９１６２３号は、男性用パン
ツの内側に２本の帯状体を設けることにより、男性器と
両脚の鼠蹊部との間を密着させないようにしたパンツを
開示するが、これは男性器と両脚の鼠蹊部とを隔てる部
分が帯状であるため陰嚢部全てを内股に接触させないよ
うにすることができない。特願平６−２８６１１６号
は、男性用下着の前面に陰嚢部あるいは陰茎部を収容可
能な袋部をそれぞれ設けることにより着用時にそれらを
所定の位置に保持させることができる下着を開示する。
しかし、この下着によれば陰嚢部あるいは陰茎部は袋部
によって覆われることとなるので、かかる下着を特にイ
ンナータイプとして使用しこの上に普通の下着を重ねて
着用する場合には通気性に問題があり蒸れの原因ともな
る。

【０００４】特願平７−２２０９８５号は、パンツ本体
の前部内側に穴を有する布片を設けて、この穴から陰茎
部と陰嚢部を出しパンツ本体の前部内側と布片との隙間
にそれらを納めるパンツを開示し、登録実用新案公報第
３０４２８９３号は、パンツの前面に開口部を設け、そ
の外側に覆い布を付けたパンツを開示する。これらによ
れば陰茎部及び陰嚢部が内股や下腹部に直接接すること
が避けられるが、いずれも男性器を収納する部分が塞が
った構造になっているため通気性に問題がある。特願平
１０−２９４８７４号は、パンツ本体の前面内側にパン
ツ後面側に開口する収納袋を設け、これに男性器を乗せ
るように収納するパンツを開示するが、当該パンツも男
性器を収納する部分、特に下部が塞がった構造になって
いるため通気性に問題がある。

【０００５】特願平８−２０３１４３号は、パンツ本体
の前面内側に、男性の外陰部を取り囲むことが可能なＵ
字状又はＯ字状の布体を取り付けたパンツを開示する
が、かかる構造により陰嚢部が完全に内股に接触しない
ようにするには、布体の幅を大きくとる必要があり、履
きづらく、気候によっては却って蒸れの原因ともなる。
特願平１１−２３４５１３号は、胴体収納部に二つの脚
用収納部と男性器収納部とを三股分かれに取り付けた男
性用下着を開示するが、この構造によれば、座ったとき
に前から男性器が見えてしまうという欠点がある。

【０００６】

【発明の解決しようとする課題】本願発明は、男性用ト
ランクス型パンツにおいて従来着用時に感じられた不快
感を解消する、快適パンツを供給することを目的とす
る。また、本願発明は、詳しくは、男性用トランクス型
パンツが本来有する通気性が良く蒸れにくいという利点
を有したまま、男性器を一定の位置に収納することがで
きる男性用トランクス型パンツを供給することをその目
的とする。更に、本願発明は、男性用トランクス型パン
ツを着用して座ったときに、前から男性器が見えること
がないパンツを供給することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係る男性用トランクス型パンツは、例え
ば、請求項１に記載するように、その内側に左右あて布
が設けられた男性用トランクス型パンツであって、該左
右あて布がパンツ本体前身頃内面とパンツ本体後身頃内
面とにおいてのみパンツ本体と接するように設けられ、
該あて布の上端が両脚鼠蹊部の直下に位置し、該あて布
の下端から上端までの高さが前方から後方にかけて直線
状又は弧状に低くなっており、その最も低い高さにおい
ても男性器全面を覆うことができる高さであり、そし
て、該左右あて布の間に男性器が収納されて、男性器全
面と左右両内股とを隔てることを特徴とするパンツであ
る。

【０００８】本願発明のトランクス型パンツは、その内
側に男性器全面と左右両内股とを隔てる左右あて布が設
けられているので、男性器がパンツ内部で左右どちらか
の脚の側に片寄ることなく当該左右あて布の間に男性器
を支持することができる。この構造により、従来、トラ
ンクス型パンツ着用時に感じられた下半身の窮屈感や蒸
れを解消することができ、使用者に快適感を供給するこ
とができる。ここで本明細書中で使用される「男性器全
面」とは、男性器の陰嚢部及び陰茎部全体の表面をい
い、「男性器全面と左右両内股とを隔てる」とは、男性
器全面が左右両内股に触れることなく収納されることを
いう。

【０００９】本願発明のトランクス型パンツの内側に設
けられた左右あて布は、パンツ本体前身頃内面とパンツ
本体後身頃内面とにおいてのみパンツ本体と接するよう
に設けられている。ここでいう「パンツ本体前身頃内面
とパンツ本体後身頃内面とにおいてのみパンツ本体と接
する」とは、左右あて布がパンツ本体前身頃内面及び後
身頃内面以外の部分においては接することが無く、従っ
て、従来のトランクス型パンツと同様、開放された構造
（特に男性器下部）であることを示す。この構造によ
り、本願発明のパンツは、トランクス型パンツが本来有
する通気性が良く蒸れにくいという利点を有したまま、
男性器を一定の位置に収納することができる。

【００１０】また、本願発明のトランクス型パンツにお
いては、かかる左右あて布をその上端が両脚鼠蹊部の直
下に位置するようにパンツ本体内部に設けることによ
り、あて布が内股に食い込むのを防ぐことができ、更
に、該あて布の下端から上端までの高さを前方から後方
にかけて直線状又は弧状に低くすることにより、内股、
特に肛門付近への食い込みを防ぐことができる。ここで
「前方」、「後方」とは、それぞれ「前身頃に接する部
分」、「後見頃に接する部分」をいい、あて布の下端か
ら上端までの高さは、直線状又は弧状に、連続的に低く
するか又は不連続に段階的に低くしてもよい。またこの
とき、該あて布の最も低い高さを、男性器全面（特に陰
嚢部）を覆うことができる高さにすることにより、男性
器全面と左右両内股とを隔てることができる。

【００１１】また、本発明に係る男性用トランクス型パ
ンツは、例えば、請求項２に記載するように、トランク
ス型パンツを成形後に左右あて布が設けられたか、又は
一枚布を用いてパンツ本体と左右あて布が同時に一体成
形された、請求項１記載の男性用トランクス型パンツで
ある。左右あて布がトランクス型パンツを成形後に設け
られる場合には、あて布は、例えば、逢着、接着など当
業者に周知のいずれの方法により取り付けられても良
い。

【００１２】また、本発明に係る男性用トランクス型パ
ンツは、例えば、請求項３に記載するように、パンツ本
体及びあて布が、通気性、吸湿性に優れ、肌に触れても
不快感がない素材で作製された、請求項１又は２に記載
のパンツである。本発明のパンツ本体及びあて布に用い
る材料は、通常、吸湿性に優れた布が用いられるが、吸
湿性に優れ適度な柔らかさがあれば、布に限らず紙等ど
のようなものを採用してもよい。

【００１３】

【発明の実施の態様】以下、添付図面により本発明の男
性用トランクス型快適パンツの一例を具体的に説明す
る。図１は、パンツ本体１の上縁２を広げた状態の説明
用概略斜視図であり、図２及び３は、それぞれその立体
正面図及び平面図である。本発明のパンツは、図１〜３
に示すＡに左脚を、Ｂに右脚を入れて着用することによ
り、左あて布３と右あて布４の間に男性器が収納される
構造である。左右のあて布３，４は、それぞれパンツの
前身頃５，６の内面と後見頃８，９の内面に接するよう
にパンツ本体内部に設けられる。

【００１４】図３において、左右あて布３，４（図中太
波線で示す）は前身頃内面５，６と後身頃内面８，９に
接して設けられていればよいが、前身頃においては、左
右あて布が前身頃中心線７（鉛直方向の線）から水平方
向左右にそれぞれ、左右あて布の間に男性器を収納でき
るような一定の間隔を隔てた位置において前身頃内面
５，６と接するように設けられるのが好ましい。また、
後身頃においては、左右あて布が内股に食い込むのを防
ぐために、後見頃中心線１０（鉛直方向の線）から水平
方向左右にそれぞれ一定間隔を隔てた位置において後身
頃内面７，８と接するように設けられるのが好ましい。
同時に、パンツ本体へのあて布の取り付けを確実なもの
とするためには、例えば、後見頃中心線１０から水平方
向左右にあて布が接する位置までの間隔を取り付けしろ
として、あて布を設ける（接着、逢着など）ことが好ま
しいが、取り付けしろはこの部分に限定されるものでは
なく、また、当業者に周知の他のいずれの方法をも用い
ることができる。

【００１５】あて布の下端から上端までの高さ（図中矢
印で示す）は使用者の体格に依存するが、男性器全面と
内股が直接触れないように隔てることができる高さであ
る。あて布が内股に食い込むのを防ぐため、その上端は
両脚鼠蹊部の直下に位置することが好ましく、更に、内
股、特に肛門付近への食い込みを減らすため、あて布の
上端部において前見頃に接する部分１３から後見頃に接
する部分１４にかけて直線上又は弧状に高さが低くなっ
ていることが好ましい。

【００１６】図４は、一枚布を用いてパンツ本体と左右
あて布とを同時に一体成形した本発明に係るパンツの一
態様を示す上面図である。図４左図の態様においては、
一枚布の両端１１，１２を後身頃８，９の内面に接し、
左前見頃５と右前身頃６とを接して前身頃中心部７を構
成することにより本発明のパンツを作製する。一方、図
４右図の態様においては、一枚布の両端１１，１２をそ
れぞれ左前身頃５及び右前身頃６の内面に接し、左後見
頃８と右後身頃９とを接して後身頃中心部１０を構成す
ることにより本発明のパンツを作製する。

【００１７】布を接する際には、例えば、逢着、接着な
ど当業者に周知のいずれの方法により取り付けられても
良い。このようにして作製された図４のパンツを、Ａに
左脚を、Ｂに右脚を入れて着用することにより、左あて
布３と右あて布４の間に男性器が収納される。図４の左
図又は右図に示すいずれの態様でもよいが、この方法に
よれば、一枚布を用いて極めて簡単に本発明のパンツを
作製することができ、同時に製造コストの低減を図るこ
とも可能となる。

【００１８】

【発明の効果】本発明の快適パンツによれば、股ズレを
起こしたり股間が蒸れたりすることがなく、男性器の安
定した収納が可能である。また、この構造だと座ったと
きに男性器が見えづらくなる長所もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 図１は、本発明に係る快適パンツのパンツ本
体の上縁を広げた状態の説明用概略斜視図である。

【図２】 図２は、本発明に係る快適パンツの一態様を
示す立体正面図である。

【図３】 図３は、本発明に係る快適パンツの一態様を
示す平面図である。

【図４】 図４は、一枚布を用いてパンツ本体と左右あ
て布とを同時に一体成形した本発明に係る快適パンツの
一態様を示す上面図である。

【符号の説明】

１： パンツ本体 ２： パンツ上縁 ３： 左あて布 ４： 右あて布 ５： 左前身頃 ６： 右前見頃 ７： 前身頃中心線（鉛直方向） ８： 左後見頃 ９： 右後見頃 １０： 後見頃中心線（鉛直方向） １１： 一枚布の端部 １２： 一枚布の端部 １３： あて布上端の本体前見頃に接する部分 １４： あて布上端の本体後見頃に接する部分 Ａ： 左脚用開口部 Ｂ： 右脚用開口部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 その内側に左右あて布が設けられた男性
   用トランクス型パンツであって、 該左右あて布がパンツ本体前身頃内面とパンツ本体後身
   頃内面とにおいてのみパンツ本体と接するように設けら
   れ、 該あて布の上端が両脚鼠蹊部の直下に位置し、 該あて布の下端から上端までの高さが前方から後方にか
   けて直線状又は弧状に低くなっており、その最も低い高
   さにおいても男性器全面を覆うことができる高さであ
   り、そして、 該左右あて布の間に男性器が収納されて、男性器全面と
   左右両内股とを隔てることを特徴とするパンツ。
2. 【請求項２】 トランクス型パンツを成形後に左右あて
   布が設けられたか、又は一枚布を用いてパンツ本体と左
   右あて布が同時に一体成形された、請求項１記載の男性
   用トランクス型パンツ。
3. 【請求項３】 パンツ本体及びあて布が、通気性、吸湿
   性に優れ、肌に触れても不快感がない素材で作製され
   た、請求項１又は２に記載の男性用トランクス型パン
   ツ。