JP2003147535A - プラズマ処理方法及び装置 - Google Patents

プラズマ処理方法及び装置

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JP2003147535A
JP2003147535A JP2001336792A JP2001336792A JP2003147535A JP 2003147535 A JP2003147535 A JP 2003147535A JP 2001336792 A JP2001336792 A JP 2001336792A JP 2001336792 A JP2001336792 A JP 2001336792A JP 2003147535 A JP2003147535 A JP 2003147535A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コストの著しい増大を招くことなく、安定し
たプラズマ形成を実現する。 【解決手段】 放電発生用電極12に対向する対向電極
14上に基材16を設置し、この基材16と前記放電発
生用電極12との間に所定の間隙を確保した状態で両電
極12,14間にグロー放電プラズマを発生させ、この
プラズマにより反応ガスを分解して前記基材の表面を処
理する。前記プラズマの形成にあたり、第1の高周波電
源22によって放電発生用電極12に高周波電圧を印加
すると同時に、第2の高周波電源26によって対向電極
14にも高周波電圧を印加し、これによって荷電粒子を
プラズマ中に閉じ込めてプラズマ密度を高める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、グロー放電プラズ
マによる化学反応を利用して基材表面に成膜や改質等の
処理を施するためのプラズマ処理方法及び装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、基材の表面処理を行う手段とし
て、放電発生用電極と対向電極とを対向配置するととも
に、前記対向電極に基材を載置してこの基材と放電発生
用電極との間に所定の間隙を確保し、前記対向電極を接
地する一方で前記放電発生用電極に高周波電圧もしくは
直流電圧を印加することにより、前記間隙中にグロー放
電プラズマを発生させ、このプラズマによって反応ガス
を分解することにより基材表面に適当な処理(例えば成
膜や改質)を施すプラズマ処理が知られている。
【0003】このプラズマ処理は、当該プラズマを安定
して形成することができる低圧下(例えば0.1〜10Tor
r)で行われるのが一般的であったが、近年、設備の小
型化やタクトタイムの短縮化を目的として、大気圧また
はそれに近い圧力下においても安定したグロー放電プラ
ズマを形成できるようにする技術の開発が進められてい
る。
【0004】具体的には、放電発生用電極にパルス電圧
を印加することによりグロー放電からアーク放電への移
行を回避するものや(特開平10−154598号公
報)、放電発生用電極に印加する電圧を高周波化して電
極間にイオンや電子などの荷電粒子をトラップしてプラ
ズマを高密度化する技術が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記のように印加電圧
をパルス化する場合、使用ガス(不活性ガスや原料ガ
ス)の種類や放電条件に応じてパルス幅や立ち上げ時
間、デューティ比などを最適化する必要があり、設計が
面倒であるとともに、コストが増大する不都合がある。
また、150MHzといった非常に高い周波数をもつ電圧
を印加する場合もコスト増大は免れ得ず、またマッチン
グが困難であるという不都合もある。
【0006】なお、印加電圧の周波数として工業的に一
般に用いられている周波数(例えば13.56MHz)を大気圧
下でのプラズマ処理に適用した場合、安定したプラズマ
を得ることは困難であり、電極間の電界が増大してグロ
ー放電が局所的にアーク放電に移行する等の不都合が生
ずるおそれがある。
【0007】本発明は、このような事情に鑑み、コスト
の著しい増大を招くことなく安定したプラズマ形成を実
現できる方法及び装置の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記従来技術は、いずれ
も、対向電極を接地した状態で放電発生用電極に所定電
圧を印加するものであり、放電発生用電極から放たれた
荷電粒子がその途中で反応ガス分子と衝突することなく
即座に対向電極側の基材表面へ至る確率が高い。従っ
て、高いプラズマ密度が得られにくく、これがプラズマ
安定化の妨げとなっている。
【0009】本発明は、かかる点に着目してなされたも
のであり、放電発生用電極に対向する対向電極上に基材
を設置してこの基材と前記放電発生用電極との間に所定
の間隙を確保した状態で両電極間にグロー放電プラズマ
を発生させ、このプラズマにより反応ガスを分解して前
記基材の表面を処理するプラズマ処理方法において、前
記放電発生用電極に高周波電圧を印加すると同時に、前
記対向電極にも高周波電圧を印加して前記プラズマを発
生させるものである。
【0010】また本発明は、放電発生用電極と、この放
電発生用電極に対向するように配置される対向電極とを
備え、この対向電極上に基材が設置された状態で両電極
間にグロー放電プラズマを発生させ、このプラズマによ
り反応ガスを分解して前記基材の表面を処理するプラズ
マ処理装置において、前記放電発生用電極に高周波電圧
を印加する第1の高周波電源と、前記対向電極に高周波
電圧を印加する第2の高周波電源とを備えたものであ
る。
【0011】これらの方法及び装置によれば、放電発生
用電極だけでなく、これに対向する対向電極にも高周波
電源を印加することによって、基材表面側に向かおうと
する荷電粒子(例えば陽イオンや電子)をプラズマ中に
押し戻すことができ、これによってプラズマを高密度化
することが可能になる。
【0012】従って、前記プラズマを大気圧またはその
近傍圧力下で安定した状態で形成することが可能であ
り、これによって設備の小型化及びコストの低減を図る
ことができる。
【0013】なお、「大気圧またはその近傍圧力」とは
100〜800Torrの圧力をいう。より好ましくは、基材のAi
r to air搬送が可能な700〜800Torrでプラズマ形成を行
うのがよい。
【0014】前記方法及び装置では、前記対向電極に印
加される高周波電圧を利用してイオン衝撃効果を得るこ
とが可能になる。具体的には、前記高周波電圧の印加に
よって対向電極の電位が負電位となる時に陽イオンを当
該対向電極側に引き付け、基材表面に叩きつけることが
可能である。このようなイオン衝撃により、例えば基材
表面に成膜を行う場合には当該膜の硬質化を図ることが
できる。ただし、対向電極に印加される高周波電圧の周
波数が過度に高いと、その電圧変化に間隙中のイオン粒
子が追従できなくなるため、当該イオン粒子の質量等を
考慮して、前記イオン粒子が基材表面上に叩きつけられ
るように当該高周波電圧の周波数を低く設定する必要が
ある。
【0015】一方、放電発生用電極に印加される高周波
電圧の周波数は、対向電極に印加される高周波電圧の周
波数よりも高くするのが望ましい。このように放電発生
用電極に印加される高周波電圧の周波数を高くすること
により、この放電発生用電極が前記イオン衝撃を受ける
のを抑止することができ、当該電極の表面を長期にわた
って良好に維持することが可能になる。
【0016】前記放電発生用電極の形状や構造は適宜設
定が可能である。例えば、前記放電発生用電極が一方向
に延び、かつ、前記対向電極に向かって曲面状に膨出す
る膨出端部をもつ断面形状を有し、その膨出端部と前記
対向電極上に載置される基材との間に前記間隙が形成さ
れた状態で当該基材が前記放電発生用電極の長手方向と
直交する方向に搬送される構成とすれば、対向電極への
放電発生用電極の投影面積を小さく抑えながら、広面積
にわたって基材表面の処理を行うことができる。また、
放電発生用電極の端部が鋭く尖っているものに比べ、グ
ロー放電からアーク放電への移行をより確実に回避する
ことができる。
【0017】なお、このようないわゆるライン状プラズ
マを形成する装置では、大面積の平行平板型電極を用い
る場合に比べ、イオン衝撃に有効な自己バイアス(直流
的な電圧)が発生しにくい傾向があるが、前記のように
適当な周波数の高周波電圧を対向電極に印加することに
よって、イオン衝撃を励起することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施の形態
では、基材表面にDLC(ダイヤモンドライク・カーボ
ン)薄膜を形成する例を示すが、本発明はその他の薄
膜、例えば耐食及び耐摩耗を目的としたSiN4薄膜
や、Si薄膜などの半導体薄膜、SiC薄膜、TiC薄
膜、TiN薄膜などの耐食、耐摩耗、あるいは潤滑など
を目的とした種々の薄膜の形成や、その他のプラズマ処
理、例えば特開平9−31620号公報に示されるよう
なプラズマ反応を利用した基材表面の除去加工などにも
適用できる。また、基材24の材質も、プラスチック、
金属、紙、ガラスなど、その種類を問わない。
【0019】図1に示すプラズマ処理装置は、チャンバ
10を備え、その内部に放電発生用電極12が設けられ
るとともに、この放電発生用電極12の下方に同電極1
2と対向する平板状の対向電極14が配置されている。
【0020】放電発生用電極12は、一方向(図1では
奥行き方向、図2では左右方向)に延び、かつ、その下
端に前記対向電極14に向かって曲面状に膨出する膨出
端部をもつ断面形状を有し、絶縁フレーム18を介して
チャンバ10の天壁に固定されている。そして、前記対
向電極14上に薄板状の基材16が設置された状態で当
該基材16の上面と前記膨出端部との間に所定の間隙が
確保されるとともに、この間隙を保ったまま前記対向電
極14とともに基材16が前記放電発生用電極12の長
手方向と直交する方向に搬送されるようになっている。
【0021】前記膨出端部の正面視形状(図1に示す形
状)は、滑らかな曲線状が好ましく、図示のような曲率
半径R1をもつ半円状の他、例えば楕円状や放物線状に
設定してもよい。また、放電発生用電極12の長手方向
端部にも図2に示すような曲率半径R2が与えられてい
ることが好ましい。
【0022】放電発生用電極12の膨出端部と基材16
の表面との距離(間隙寸法)は、0.5〜10mmが好適であ
る。特に当該間隙寸法が1mm程度の場合、本発明による
プラズマ高密度化の効果は顕著となる。
【0023】なお、本発明において放電発生用電極の具
体的な形状は特に問わず、例えば従来の平行平板型電極
や、特開平9−104985号公報に示されるような回
転電極を適用してもよい。
【0024】また、各電極12,14の表面には、アー
ク放電を防止するための誘電体層(例えば金属酸化物)
が形成されていることが好ましい。
【0025】図1に示すように、前記放電発生用電極1
2には、整合器(マッチング装置)20を介して第1の
高周波電源22が接続され、この第1の高周波電源22
によって前記放電発生用電極12に高周波電圧が印加さ
れるようになっている。
【0026】さらに、この装置の特徴として、前記対向
電極14には整合器24を介して第2の高周波電源26
が接続され、この第2の高周波電源26によって前記対
向電極14にも高周波電圧が印加されるようになってい
る。
【0027】なお、各電極12,14に印加される電圧
の周波数については後に詳述する。
【0028】両電極12,14を挟んでチャンバ10の
一方の側部には入口圧力調節室28が設けられ、他方の
側部には出口圧力調節室30が設けられている。両室2
8,30内に対しては、不活性ガスの給排が適宜行わ
れ、これにより室内圧力の調節が行われる。入口圧力調
節室28には、同室28内を装置外部に対して開閉する
ゲートバルブ32と、当該室28内をチャンバ10内に
対して開閉するゲートバルブ34とが設けられ、同様に
出口圧力調節室30には、同室30内を装置外部に対し
て開閉するゲートバルブ38と、当該室30内をチャン
バ10内に対して開閉するゲートバルブ36とが設けら
れている。
【0029】なお、放電発生用電極12の近傍には排気
ダクト40が設けられ、この排気ダクト40はバルブ4
2を介して排気装置44に接続されている。
【0030】次に、この装置の作用を説明する。
【0031】処理対象となる基材16は、入口圧力調節
室28を通じてチャンバ10内に搬入され、対向電極1
4上に載置される。そして、この対向電極14とともに
出口圧力調節室30側に向かって(図1では左側に向か
って)搬送される。
【0032】一方、排気ダクト40から適当な排気が行
われることにより、チャンバ10内が大気圧またはその
近傍圧力に保持される。
【0033】さらに、チャンバ10内にはガス導入口1
3から反応ガス(DLCを成膜する場合には例えばCH
4)及び不活性ガス(例えばHe)が導入されるととも
に、高周波電源22,26から放電発生用電極12,1
4にそれぞれ高周波電圧が印加される。
【0034】かかる電圧の印加によって、放電発生用電
極12の膨出端部と基材16の表面との間に当該放電発
生用電極12に沿って延びるプラズマP(図2)が形成
され、このプラズマPによって反応ガスが分解される。
そして、このプラズマPの長手方向と直交する方向に前
記基材16が搬送されることにより、当該基材16上に
成膜が施される。この基材16は、出口圧力調節室30
を通じて装置外へ搬出される。
【0035】かかるプラズマ処理において、従来は対向
電極14が接地されていたのに対し、図示の装置では対
向電極14にも高周波電圧が印加されているため、その
印加によって、プラズマ高密度化及びイオン衝撃の励起
という従来装置では得られない優れた作用効果を得るこ
とが可能となっている。その詳細は次のとおりである。
【0036】1)プラズマ高密度化について 図3(a)(b)は、放電発生用電極12と基材16と
の間の領域における性状を模式的に示したものである。
図示のように、放電発生用電極12の表面近傍及び基材
16の表面近傍にはそれぞれ電界領域(シース)E1,
E2が形成され、両シースの間にプラズマ形成領域が存
在する。
【0037】ここで、対向電極14への高周波電極によ
り基材16の表面が正に帯電するときには、図3(a)
に示すように基材16近傍の陽イオン(例えば不活性ガ
スとしてHeを用いる場合にはヘリウムイオン)がプラ
ズマ内に押し戻され、逆に基材16の表面が負に帯電す
るときには同図(b)に示すように電子がプラズマ内に
押し戻される。このようにして荷電粒子である陽イオン
や電子がプラズマ内に閉じ込められることにより、プラ
ズマ密度が高まり、ひいては良好なプラズマを安定した
状態で形成することができる。
【0038】すなわち、従来のように荷電粒子がほとん
ど抵抗を受けずにそのまま基材16に到達してしまう場
合には、放電発生用電極12の膨出端部と基材16とを
結ぶ直線上で高いプラズマ密度を確保することができ
ず、その結果、図4(a)に示すようにプラズマPの形
成領域が薄く広がってしまい、グロー放電を安定して維
持することが困難になる。これに対して本発明のよう
に、対向電極14への高周波電圧の印加によって荷電粒
子をプラズマ形成領域中に閉じ込めることにより、図4
(b)に示すように、放電発生用電極12と基材16と
の間の特定領域に集中して高密度プラズマPを形成する
ことが可能になり、その結果、良好なグロー放電を安定
して維持することが可能になる。
【0039】従って、従来のように放電発生用電極12
に対してパルス電圧や極めて周波数の高い特別な電圧を
印加しなくても、ごく一般的な高周波電圧(例えば13.5
6MHz)を印加するだけで、大気圧またはそれに近い圧力
下においても安定したプラズマ形成を実現することがで
きる。
【0040】2)イオン衝撃の励起について 前記対向電極14への高周波電圧の印加により、基材1
6が負に帯電しているときには、図3(b)に示すよう
に、プラズマ中の陽イオンがクーロン力によって基材1
6側に引き付けられ、当該基材16の表面に叩きつけら
れる。このようなイオン衝撃の励起により、例えば成膜
時においては既成の膜を再構成して硬化することが可能
となり、好適な硬度をもつ膜(例えばDLC膜)を得る
ことが可能になる。また、その他のプラズマ処理におい
ても、当該処理を促進する効果を得ることかできる。
【0041】なお、このようなイオン衝撃効果を得るた
めには、対向電極14へ印加する高周波電圧の周波数を
適正な周波数に設定することが肝要である。すなわち、
イオン粒子にはその質量に比例した慣性が存在してお
り、対向電極14へ印加する高周波電圧の周波数が過度
に高いとその電圧振動にイオン粒子が追従できず、イオ
ン衝撃効果を得ることが困難となるため、当該周波数は
所定値以下にしておく必要がある。
【0042】具体的に、素電荷量をe、電界強さをE
o、イオン粒子の質量をm、周波数をf、角周波数をω
(=2πf)とすると、前記イオン粒子の振動振幅A
は、A=|eEo/mω2|で表されるので、例えば、
不活性ガスにヘリウムを用いた場合、基材16側の電界
領域(シース)E2の厚みを0.1mm、Eo=106V/mと
すると、前記周波数fを10MHz以下にすることによ
り、前記シースの厚みを超えた振幅をもつ振動をプラズ
マ中のヘリウムイオンに付与することができ、これによ
ってイオン衝撃を励起することが可能となる。
【0043】ただし、前記周波数を過度に低くすると前
述の荷電粒子の閉じ込めによるプラズマ高密度化の効果
が得られにくくなるので、当該周波数は100kHz以上に設
定することが、より好ましい。
【0044】その一方、放電発生用電極12に印加する
電圧の周波数は、対向電極14に印加する電圧の周波数
よりも高く設定しておくことが、より好ましい。このよ
うに放電発生用電極12側の周波数を高くすることによ
り、イオン粒子が放電発生用電極12の表面に叩きつけ
られるのを抑止することができ、当該電極12の表面を
長期にわたって良好に維持することが可能になる。
【0045】
【実施例】前記図1に示す装置において、次のような条
件下でDLCの成膜を行う。
【0046】・放電発生用電極12の膨出端部におい
て、正面から見た曲率半径R1を50mm、側面から見た曲
率半径R2を10mmとする。
【0047】・放電発生用電極12及び対向電極14の
表面にはプラズマ溶射によってアルミナをコーティング
する。その厚みは、放電発生用電極12側で150μm、
対向電極14側で100μmとする。
【0048】・基材16として、厚さ1.1mm、搬送方向
長さ300mm、幅250mmのガラス板を用い、この基材16と
放電発生用電極12との距離(間隙寸法)を1mmとす
る。
【0049】・チャンバ10内にはHe,CH4,H2
5:1:1のモル比で導入し、チャンバ内圧力は700Tor
rに保持する。
【0050】・放電発生用電極12に13.56MHzの周波数
をもつ600Wの高周波電力を印加する一方、対向電極に
は400kHzの周波数をもつ60Wの高周波電力を印加してプ
ラズマを形成し、2.0mm/secの速度で基材16を搬送す
る。
【0051】このようにしてプラズマ処理を試みた結
果、基材16上に厚さ200mmのDLC膜を形成すること
ができた。また、その膜硬度をナノインダンターで測定
したところ7Gpaという優れた値が得られた。一方、比
較例として、従来と同様に対向電極14を接地して放電
発生用電極12にのみ13.56MHzの周波数をもつ600Wの
高周波電力を印加して成膜を行ったところ、得られたD
LC膜の厚さは30mm、硬度は1GPaであった。従って、
本発明の適用により、膜厚及び硬度がともに従来に比し
て7倍近く改善されたこととなる。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明は、放電発生用電極
と対向電極との間にプラズマを形成して基材表面をプラ
ズマ処理するにあたり、前記放電発生用電極に高周波電
圧を印加するのに加え、対向電極にも高周波電圧を印加
するようにしたものであるので、プラズマ中の荷電粒子
を基材表面からプラズマ中に押し返すことによってプラ
ズマ密度を高め、これにより、コストの著しい増大を招
くことなく安定したプラズマ形成を実現することができ
る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態にかかるプラズマ処理装置
の全体構成図である。
【図2】前記プラズマ処理装置の要部を示す側面図であ
る。
【図3】(a)(b)はプラズマ処理中における荷電粒
子を挙動を模式的に示した図である。
【図4】(a)は本発明により安定したプラズマが集中
形成されている状態を示す図、(b)はプラズマ領域が
拡散された状態を示す図である。
【符号の説明】
10 チャンバ 12 放電発生用電極 14 対向電極 16 基材 22 第1の高周波電源 26 第2の高周波電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4K030 AA09 BA28 FA03 JA03 JA09 JA18 KA14 5F045 AA08 AB02 AB06 AB07 AB33 AC01 AC17 AE25 DP03 DP21 EB08 EG10 EH04 EH12 EH19 EN02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電発生用電極に対向する対向電極上に
    基材を設置してこの基材と前記放電発生用電極との間に
    所定の間隙を確保した状態で両電極間にグロー放電プラ
    ズマを発生させ、このプラズマにより反応ガスを分解し
    て前記基材の表面を処理するプラズマ処理方法におい
    て、前記放電発生用電極に高周波電圧を印加すると同時
    に、前記対向電極にも高周波電圧を印加して前記プラズ
    マを発生させることを特徴とするプラズマ処理方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のプラズマ処理方法におい
    て、前記プラズマを大気圧またはその近傍圧力下で形成
    することを特徴とするプラズマ処理方法。
  3. 【請求項3】 放電発生用電極と、この放電発生用電極
    に対向するように配置される対向電極とを備え、この対
    向電極上に基材が設置された状態で両電極間にグロー放
    電プラズマを発生させ、このプラズマにより反応ガスを
    分解して前記基材の表面を処理するプラズマ処理装置に
    おいて、前記放電発生用電極に高周波電圧を印加する第
    1の高周波電源と、前記対向電極に高周波電圧を印加す
    る第2の高周波電源とを備えたことを特徴とするプラズ
    マ処理装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のプラズマ処理装置におい
    て、前記第2の高周波電源による前記対向電極への高周
    波電圧の印加によって前記間隙中のイオン粒子が基材表
    面上に叩きつけられるように当該高周波電圧の周波数が
    設定されていることを特徴とするプラズマ処理装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のプラズマ処理装置におい
    て、前記第1の高周波電源により放電発生用電極に印加
    される高周波電圧の周波数が前記第2の高周波電源によ
    り前記対向電極に印加される高周波電圧の周波数よりも
    高いことを特徴とするプラズマ処理装置。
  6. 【請求項6】 請求項3〜5のいずれかに記載のプラズ
    マ処理装置において、前記放電発生用電極は一方向に延
    び、かつ、前記対向電極に向かって曲面状に膨出する膨
    出端部をもつ断面形状を有し、その膨出端部と前記対向
    電極上に載置される基材との間に前記間隙が形成された
    状態で当該基材が前記放電発生用電極の長手方向と直交
    する方向に搬送されることを特徴とするプラズマ処理装
    置。
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JP2004068143A (ja) * 2002-06-10 2004-03-04 Konica Minolta Holdings Inc 薄膜形成方法並びに該薄膜形成方法により薄膜が形成された基材
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