JP2003145783A - インクジェット装置 - Google Patents

インクジェット装置

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JP2003145783A JP2001351287A JP2001351287A JP2003145783A JP 2003145783 A JP2003145783 A JP 2003145783A JP 2001351287 A JP2001351287 A JP 2001351287A JP 2001351287 A JP2001351287 A JP 2001351287A JP 2003145783 A JP2003145783 A JP 2003145783A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 【課題】 本発明は、水性インクや溶剤インク等の蒸発
する溶媒を用いたインクを用いる場合の溶媒の蒸発によ
るノズルつまりの発生を防止し、高信頼な印刷、あるい
はパターニングを行うことのできるインクジェット装置
を提供することを課題とする。 【解決手段】 インクジェットヘッド1のオリフィスプ
レート6の表面のノズル8の近傍に、レーヨンまたはポ
リエステル、もしくは両者の繊維を混合したもの、ある
いは金属繊維よりなる不職布からなる保持体12をオリ
フィスプレート6の表面に設け、水性インクに用いる溶
媒が入ったタンクから毛管現象あるいはポンプにより、
チューブを介して保持体12に溶媒を補給する。これに
より、ノズル開口部近傍の空間の湿度は、ヘッド設置環
境温度での飽和蒸気圧レベルとなり、設置が低湿環境下
におかれても、ノズル開口部での溶媒の乾燥を防ぐこと
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録媒体上に、インク
滴からなるパターンを形成するインクジェット装置に係
わり、特に、乾燥性を有する溶媒を含む液体インクを用
いた場合において、環境条件や休止時間(インクの不吐
出時間)の長さに関わらず、再吐出可能なノズルの目づ
まりのない高信頼な記録可能なインクジェット装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット式印字ヘッドで吐出する
液体インクには、使用する溶媒によって水性インク(溶
媒は水)、UVインク(溶媒は光重合開始剤とアクリレ
ート)、溶剤インク(溶媒はMEK(メチルエチルケト
ン)や低級アルコール)、油性インク(溶媒は炭化水素
やシリコーン)に分けられる。油性インクを除く、他の
インクに用いる溶媒は揮発性である。このため、水性イ
ンクや溶剤インク、UVインク等の液体インクを用いた
インクジェット装置において、インクジェットヘッドの
信頼性を低下させる要因の一つに、液体インク中に含ま
れる溶媒の蒸発によるインク粘度の増加に基づくノズル
の目詰まりがある。
【0003】図5はインクジェットヘッド1の断面図で
ある。PZT等の圧電素子3に駆動電源2から電圧が印
加されると、圧電素子が変位し、これによって振動板4
が変形してインク室5内のインクが加圧され、オリフィ
スプレート6に設けられたノズル(開口部)8からイン
ク滴9が吐出する。
【0004】最近、パーソナルインクジェットプリンタ
等で用いられる水性インクは染料や顔料等の色素、溶媒
としての水、湿潤剤、PH調整剤等の混合物である。通
常、インクジェット装置が非稼働時は、ヘッドのノズル
開口部は、キャッピング(図示せず)機構によりふさが
れ、ノズル開口部8からの水分蒸発は抑制されるが、稼
働時(印刷中)はインク吐出に備え、常に開放された状
態にある。このため、印刷データ内容によっては、複数
のノズルのうち、インクが吐出しない期間が長いものが
あり、これらのノズルにおいては、ノズル内のインク表
面(メニスカス)10から水分の蒸発23が始まるとイ
ンクの粘度が高くなり、インクが吐出できにくくなり、
最終的に、目詰まりが生じることになる。
【0005】上述した目詰まりを解決する方法として、
特開2000−79696号公報には、インクジェット
装置とは別体に加湿器を設け、前記加湿器からパイプに
より加湿空気をインクジェットヘッドのノズルの近傍に
供給するとともに、供給された加湿空気を排出するため
のパイプ及びパイプ内の加湿空気を装置外部に排出する
ファンを有する構成が提案されている。これにより、イ
ンク吐出ノズル周辺は常に適度な湿度が維持され、その
ノズル付近のインクの乾燥が防止されるとしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の構成に
おいては以下の問題がある。 (1)加湿器からパイプによりインクジェット装置内に
送りこまれた加湿空気は、ノズル近傍だけでなく装置内
部にも滞留するため、湿度上昇による装置の動作不良、
例えば、結露や電気系統の絶縁不良等が懸念されるた
め、加湿空気を装置の外部に排出する排気機構が不可欠
となる。このため、部品点数が増え、これに伴って装置
が大きく複雑になり、装置コストも高くなるという問題
がある。 (2)加湿空気がヘッドのノズル列に近接して設けられ
たインク希釈媒体蒸気吐き出し口から記録媒体である用
紙にも向かって吐き出されるため、用紙の膨潤や吸湿変
形が生じ、記録画質の不良が生じるという問題がある。 (3)加湿空気の供給であるため、インクが水性インク
の場合に限られる。 (4)インクジェットヘッドには加湿空気供給ホースが
接続されているため、スキャン動作により記録媒体にイ
ンクパターンを記録する際、上記加湿空気供給ホース
も、併せてスキャン動作する必要がある。
【0007】そこで、本発明の課題は、排出装置が不要
な簡単な構成で、かつ用紙の膨潤や吸湿変形による記録
画質不良を生じさせることなくノズルつまりの発生を防
止し、高信頼な印刷を行うことのできるインクジェット
装置を提供することにある。さらに、インクも水性イン
クだけでなく、溶剤インク等の蒸発する溶媒を用いた液
体インクを用いる場合にも適用可能なインクジェット装
置を提供することをにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明においては、インク吐出信号に基づいてノズ
ルからインクを吐出し、記録媒体上にインク滴からなる
パターンを形成するインクジェットヘッドを有するイン
クジェット装置において、インクジェットヘッドのノズ
ル近傍に、溶媒を吸収、保持する保持体を設け、該保持
体から前記溶媒を自然蒸発せしめるようにした。保持体
の材料は、レーヨン、ポリエステル、もしくはこれらの
繊維を混合したもの、あるいは金属繊維等からなる不職
布、好ましくは高吸水性ポリマーからなる繊維あるいは
シートであるとよい。
【0009】上記構成に加え、前記保持体からの溶媒の
蒸発が特定領域からのみとなるように、前記保持体の表
面の一部を被覆材または遮蔽板にて遮蔽するとよい。ま
た、本発明のインクジェット装置は、保持体は溶媒を補
充する手段を有し、これによって継続的な、あるいは断
続的な溶媒の補給を行なうように構成されている。
【0010】以上の構成により、水性インクを用いる場
合、低湿環境になってインクジェットヘッドのノズル近
傍空間の水蒸気濃度が、ノズル近傍に設けられた水の吸
収保持体中の水(水蒸気)濃度よりも低くなると、両者
の溶媒の濃度差に基づく濃度拡散現象により、上記水の
吸収保持体から水蒸気がノズル開口部近傍の限られた空
間に自然に放出される。ヘッドのオリフィスプレート面
と記録媒体の距離は通常、1〜1.5mmに設定される
ため、極めて狭い空間となり、基本的には、その温度で
の飽和蒸気状態となる。このため、ノズル開口部近傍の
湿度が高くなり、メニスカス表面からの水分の乾燥を防
止することができる。このように、水蒸気がノズル開口
部近傍の限られた空間のみに自然放出されるため、加湿
空気供給ホースや排気装置が不要となる。
【0011】
【発明の実施の形態】検討の結果、ノズルの目詰まり現
象はノズル開口部近傍空間11(図5参照)での湿度と
密接な関係のあることがわかった。図6は、128個の
ノズルが一列に並んだライン型インクジェットヘッドに
水性顔料インク(インク粘度:7cps)を充填し、イ
ンクジェットヘッドの駆動時のインク滴の吐出特性の環
境依存性を測定した結果である。横軸は相対湿度、縦軸
はノズルからインク滴を吐出させた後、10分間休止
し、再度圧電素子を駆動した時の吐出ノズル率を示す。
【0012】ノズル径(約30〜50μm)のばらつき
やノズルの汚れ程度の差があるものの、ノズル開口部近
傍空間11(図4参照)の相対湿度が60%RH(rela
tivehumidity)以上であれば、吐出ノズル率は100%
(128ノズルの全数吐出)であるが、湿度の低下とと
もに吐出ノズル率が低下し、相対湿度30%RHでは、
ほとんど不吐出となることがわかった。プリンタが使用
される環境として、冬季では相対湿度が35%RHに近
くなるため、不吐出ノズルが増加し、印刷の信頼性が大
幅に低下する。
【0013】インクジェット装置の記録方式として、イ
ンクジェットヘッドが記録媒体の搬送方向と直角方向に
左右に移動しながら、インク滴を吐出して記録媒体に記
録する“シリアル走査”と、インクジェットヘッドが静
止した状態で、ライン状に配置されたノズルから、ヘッ
ドに対して直角方向に搬送される記録媒体にインク滴を
吐出して記録する“ライン走査”方式がある。シリアル
走査方式の場合は、ヘッドが記録媒体の外側に移動した
位置にて、増粘度化したインクを高頻度でかつ、強制的
に吐出させることができるので、相対湿度が50%RH
程度の環境下でも吐出ノズル率100%を確保できる
が、インクをムダに消耗するという問題がある。一方、
ヘッドが静止した状態で記録するライン走査方式では、
強制吐出という操作は適用できず、より深刻な問題とな
る。
【0014】一方、インクジェットヘッドのノズルの目
詰まりは、インク中の溶媒(溶剤、水等)が蒸発し、イ
ンク中の固形物(顔料や発光材料、金や銀等のメタル粉
末)が、直径数十ミクロンのノズルの出口に固着するこ
とに起因する。よって、これを防ぐ方法は、オリフィス
プレートの表面のノズル開口部でのインク中の溶剤の蒸
発を低減、好ましくは防止することに尽きる。溶媒の蒸
発は、ノズル内のインク表面(メニスカス)の溶媒濃度
とノズルの外側の空間の溶媒濃度との差、いわゆる濃度
勾配によって生じる。従って、ノズルの外側の空間にお
ける溶媒蒸気濃度をノズル内のメニスカス表面近傍の溶
媒蒸気濃度に近づけるか、あるいは少なくとも相対湿度
が60%RH以上の環境を整えれば、インク中の溶媒の
蒸発を低減、あるいは防止することができる。このた
め、ノズル開口部に近接して、インク中に含まれる溶媒
を吸収保持し、かつ保持された溶媒が蒸発して大気中に
放出される機能を有する保持体、例えば、スポンジや不
織布等のマットを配置し、少なくともインクジェット装
置の稼働中は保持体内に溶媒が所定量含まれているよう
に適時溶媒を補充する構成とするとよい。
【0015】以下、本発明の具体例を説明する。
【0016】図1は本発明の第1の例となるインクジェ
ットヘッドの構成を説明する概略断面図、図2は平面図
を示す。PZT等の圧電素子3に駆動電源2から電圧が
印加されると、圧電素子が変位し、これによって振動板
4が変形してインク室5内のインクが加圧され、オリフ
ィスプレート6に設けられたノズル(開口部)8からイ
ンク滴9が吐出する。オリフィスプレート6は100μ
mの厚みを持つステンレスやFe−42Ni等の材質よ
りなり、この表面を酸処理した後、撥インク処理層7と
して、フッ素系の高分子膜が形成されている。好ましく
は、これに加えてノズル8の内部に深さ10μm程度ま
で、フッ素系の高分子膜を入り込ませることが望まし
い。
【0017】図2に示すように、オリフィスプレート6
の表面であって、ライン状に配列された複数のノズル8
の列を挟んだ両側には溶媒の保持体12a、12bを設
ける。ここでは、溶媒の保持体12として、レーヨン及
びまたはポリエステル等の高分子繊維や、金属繊維から
なる不職布のシートを用いている。一般に、プリンタ等
の用途では、オリフィスプレート6のノズル面と記録媒
体13の印刷面との間隙を1〜1.5mmとするため、
不職布のシート12の厚みは0.5mm〜1.0mmと
し、記録媒体面と接触しないようにする必要がある。ま
た、保持体12への溶媒16の補給は、溶媒16を貯蔵
するタンク15からチューブ19を介して毛管現象ある
いはポンプ(図示せず)により行なわれる。保持体12
a、12bの領域の一部には湿度センサ18が設けられ
ており、センサ出力値に基づきCPU(図示せず)が保
持体12内の水分の消耗量を算出し、この結果に基づき
必要に応じて図1及び図2の矢印28の方向にチューブ
19を移動させ、保持体12a、12bに連結すること
により、溶媒16の補給を行なう。チューブ19の途中
には開閉弁17を設けており、非供給時の溶媒16の蒸
発を防止できる構成となっている。
【0018】保持体12として不職布のシートを用いた
場合には、シートに空隙が存在するため、この空隙内に
溶媒が保持され、これがノズル開口部近傍空間11に蒸
気となって放出される。その結果、空間11の湿度は、
基本的にヘッド設置環境温度での飽和蒸気圧レベルとな
る。なお、ノズル8の中心とシート12との距離Lは短
すぎるとインク吐出の障害となり、離れすぎると空間1
1の湿度の調節が難しくなり、適切な条件が存在する。
実験の結果、距離Lは0.3〜1mmが好ましいことが
わかった。
【0019】以上の構成とすることにより、ノズルでの
溶媒の乾燥によるインクの増粘度化を防止でき、ノズル
の目詰まりのない高信頼な記録ができる。さらに、保持
体12において、空間11と対向しない面には、空隙が
露出しないように金属箔やプラスチックシートよりなる
被覆材14を設けることにより、溶媒の蒸発領域を空間
11と対向する面のみとすることができ、溶媒の消費量
を低減できる効果がある。
【0020】なお、溶媒16としては、使用するインク
の溶媒を用いるのが好ましい。例えば、インクとして水
性インクを用いた場合、インクジェットプリンタで用い
る水性インクの構成は色材(染料や顔料)が2〜5%、
溶媒としての水が80%、エチレングリコールやグリセ
リンが10%であるから、上記構成のインクジェットヘ
ッドにおいて水性インクを用いた場合には、タンク15
内に貯蔵する溶媒16は水でよい。
【0021】次に、本発明の第2の例について図3を用
いて説明する。先の例では、オリフィスプレート6の表
面上のライン状に配列された複数のノズル8の列を挟ん
だ両側に保持体12a、12bを設けたが、本例では、
ノズル8の列に対して記録媒体13の搬送方向下流側に
保持体12bのみを設置し、反対側(上流側)にはプレ
ート状の気流遮蔽体24を設けている。記録媒体13が
高速で搬送されると、オリフィスプレート6と記録媒体
13との距離が1.0〜1.5mmと狭いため、この空
間で気流が生じる。気流が保持体に流れないように遮蔽
することにより、保持体から蒸発した溶媒が気流によっ
て外部に流れるのを防ぎ、蒸発した溶媒がノズル開口部
近傍の空間11に留まるようにできる。さらに、保持体
の個数を削減することができ、かつ、ノズル部での溶媒
の乾燥を低減することができる効果がある。
【0022】なお、本例においても第1の例と同様に、
保持体12bの領域の一部には湿度センサ(図示せず)
が設けられており、センサ出力値に基づきCPU(図示
せず)が保持体12b内の水分の消耗量を算出し、この
結果に基づき必要に応じて矢印28の方向にチューブ1
9を移動させ、保持体12a、12bに連結することに
より、溶媒16の補給を行なう。チューブ19の途中に
は開閉弁17を設けており、非供給時の溶媒16の蒸発
を防止できる構成となっている。
【0023】前述した第1の例、及び第2の例において
は、ノズル8に接して設けた溶媒の保持体12として、
レーヨン及びまたはポリエステル等の高分子繊維や、金
属繊維からなる不職布のシートを用いた例を説明した
が、本発明の構成を更に有効に機能させるためには、保
持体12として高吸水性ポリマー材料を用いるとよい。
高吸水性ポリマーは、水に対して高い吸着・吸収能力を
備えるとともに、この吸収した水分を保水する機能を持
ち、粉末状、繊維状、フィルム状のものが製造されてい
る。
【0024】一例として、アクリル繊維の加水分解物系
の繊維状高吸水性ポリマー(日本エクスラン製、商品
名:ランシール)を用い、厚み0.1mmのシート状の
保持体12を作成した。図1に示す本発明のインクジェ
ットヘッドに保持体12として前述したシート状の高吸
水性ポリマーを用いたところ、高吸水性ポリマーからの
水分の蒸散作用によりノズル開口部近傍空間11を高湿
に保つことができた。実験の結果、冬季環境でも、ノズ
ル近傍空間11の相対湿度を65〜76%RH、夏季環
境で76〜85%RHにできることがわかった。なお、
このシートは吸水によって最大1mmの厚みとなるた
め、記録媒体が搬送中に、保持体に接触しないようにヘ
ッドと記録媒体間の距離を設定する必要がある。
【0025】以上述べたように、高吸水性ポリマー材料
は、前述した第1の例、及び第2の例で使用したレーヨ
ン及びまたは、ポリエステル等の高分子繊維や金属繊維
からなる不職布のシートに比べて、保水効果があるため
補充周期を長くすることができる。例えば、インクジェ
ット装置の起動時に吸水することにより数時間は補充な
しでも対応することができるため、装置が簡単にして、
かつノズルでの水分の乾燥によるインクの増粘度化を防
止でき、ノズルの目詰まりのない高信頼な記録ができる
効果がある。当然の事ながら、高吸水性ポリマーからな
る保持体は、図3に示すインクジェットヘッドにも適用
できることは言うまでもない。
【0026】更に、本発明の第3の例について図4を用
いて説明する。本構成のインクジェット装置は、記録時
にライン記録型のインクジェットヘッド1が位置しする
記録ステーションと、非記録時にインクジェットヘッド
1を非記録領域に退避させる保全ステーションを有す
る。記録ステーションにおいては、インクジェットヘッ
ド1はノズル8側の面に記録媒体13が対向し、搬送さ
れる構成となっている。よって、記録媒体13の搬送に
同期して、インクジェットヘッド1に記録信号が送ら
れ、これに基づく圧電素子の変位に連動した振動板の変
形によりインクがノズル8から吐出し、記録媒体13上
にインクによる文字・画像が形成される。非記録時、す
なわち記録休止時、あるいは定期的にライン記録型のイ
ンクジェットヘッド1が清掃期間に入る場合、インクジ
ェットヘッド1が矢印21の方向に移動し、保全ステー
ションに移動する。
【0027】インクジェットヘッド1のノズル8の列の
両側には保持体22a、22bのみ、あるいは保持体2
2a、22bと被覆材(図示せず)が設けられており、
保持体22a、22bの端部には夫々チューブ29と連
通するコネクタ(図示せず)が設けられている。また、
保全ステーションには、溶媒26が貯蔵されているタン
ク25が設置されており、コネクタと連結されるチュー
ブ29を介して保持体22a、22bへ溶媒26を供給
する構成となっている。なお、チューブ19の途中には
開閉弁27を設けており、溶媒26の補給量を調節でき
る構成となっている。
【0028】上記構成において、保全ステーションへの
移動時(矢印30の方向)に、インクジェットヘッド1
のノズル8の表面がブレード20と接触することによ
り、ノズル8を含めたヘッド面が清掃され、保全ステー
ションに至る。保全ステーションでは、インクジェット
ヘッド1に設けられた保持体22a、22bの端部のコ
ネクタとチューブ29が連結し、これによってタンク1
5より開閉弁17を介して保持体22a、22bに溶媒
26が供給される。なお、溶媒26が保持体22a、2
2bに供給される前に、ノズル8からインクの吐出(パ
ージ)操作を行っても良い。その後、再び、インクジェ
ットヘッド1が記録ステーションの方向(矢印31)へ
移動し、再び、記録動作に入る。
【0029】以上示した各例では1色分のインクジェッ
トヘッドについて説明したが、複数のインクジェットヘ
ッドを用いてカラー印刷を行う場合においても、それぞ
れのインクジェットヘッドに対して同様の対応を取るこ
とができる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、従来のように水蒸気を発生させる加湿器や、ヘッド
に供給された加湿空気を排出する排出機構を必要とせ
ず、インクジェットヘッドのノズル近傍にインク溶媒の
吸収保持体を設けるだけの簡単な構成で、インクジェッ
トヘッドのノズル開口部近傍の空間でのインク中の溶媒
の蒸発を防止できるので、低湿度環境下においてノズル
からインクが吐出しない時間が続いても、インクの増粘
度化を防止することができるのため、ノズルの目詰まり
がなく、高信頼な印刷が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の例となるインクジェットヘッ
ドの構成を示す断面図。
【図2】 本発明の第1の例となるインクジェットヘッ
ドの溶媒供給時の概略を示す平面図。
【図3】 本発明の第2の例となるインクジェットヘッ
ドの構成を示す断面図。
【図4】 本発明の第3の例となるインクジェット装置
の構成を示す概略平面図。
【図5】 従来のインクジェットヘッドの構成を示す断
面図。
【図6】 相対湿度と吐出ノズル率のと関係を示すグラ
フ。
【符号の説明】
1はインクジェットヘッド、3は圧電素子、4は振動
板、5はインク室、6はオリフィスプレート、7は撥イ
ンク処理層、8はノズル、9はインク滴、10はメニス
カス、11はノズル開口部近傍の空間、12a、12
b、22a、22bは保持体、13は記録媒体、15、
25はタンク、17、27は開閉弁、18は湿度セン
サ、19、29はチューブ、20はブレード、24は気
流遮蔽体である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA17 EB31 EC07 EC22 FA04 HA03 HA24 HA60 JA03 JA17 JA21 JA25 2C057 AF74 AG04 AG07 AG99 AL30 AM31 AN01 BA03 BA14

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インク吐出信号に基づいてノズルからイン
    クを吐出し、記録媒体上にインク滴からなるパターンを
    形成するインクジェットヘッドを有するインクジェット
    装置において、 インクジェットヘッドのノズル近傍に、溶媒を吸収、保
    持する保持体を設け、該保持体から前記溶媒を自然蒸発
    せしめることを特徴とするインクジェット装置。
  2. 【請求項2】前記保持体の材料が、レーヨン、ポリエス
    テル、もしくはこれらの繊維を混合したもの、あるいは
    金属繊維等からなる不職布であることを特徴とする請求
    項1記載のインクジェット装置。
  3. 【請求項3】前記保持体の材料が、高吸水性ポリマーか
    らなる繊維あるいはシートであることを特徴とする請求
    項1記載のインクジェット装置。
  4. 【請求項4】前記保持体からの溶媒の蒸発が特定領域か
    らのみとなるように、前記保持体の表面の一部を被覆材
    または遮蔽板にて遮蔽したことを特徴とする請求項1な
    いし3記載のインクジェット装置。
  5. 【請求項5】請求項1ないし4記載のインクジェット装
    置において、 前記保持体に溶媒を補充する手段を有することを特徴と
    するインクジェット装置。
  6. 【請求項6】請求項6記載のインクジェット装置におい
    て、 前記保持体に溶媒を補充する手段は前記インクジェット
    ヘッドの非記録領域に設けられ、インクジェットヘッド
    の非記録時にのみ保持体に溶媒を補給することを特徴と
    するインクジェット装置。
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