JP2003145511A - 国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造方法 - Google Patents
国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造方法Info
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- JP2003145511A JP2003145511A JP2002332218A JP2002332218A JP2003145511A JP 2003145511 A JP2003145511 A JP 2003145511A JP 2002332218 A JP2002332218 A JP 2002332218A JP 2002332218 A JP2002332218 A JP 2002332218A JP 2003145511 A JP2003145511 A JP 2003145511A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 木材に熱硬化性樹脂を含浸することによっ
て、長期間使用しても変形や摩耗の少ない国産材、杉・
松、間伐材等の木材を原材料とした建材及び木材成形品
の製造方法及び製造装置を提供すると共に解体木造住宅
の木材の再利用や地球温暖化防止に貢献する。 【解決手段】 木材12を蒸煮タンク14内で減圧蒸煮
することにより、木材12内の樹脂の拡散を行う減圧蒸
煮工程と、減圧蒸煮工程を経た木材12に熱硬化性樹脂
27を真空加圧含浸する含浸工程と、含浸工程を経た木
材12を圧縮型押し成形機61に装着した状態で、樹脂
加熱層57内にて加熱して塑性圧縮変形加工を行い、更
に含浸した熱硬化性樹脂27の熱硬化を行う成形工程と
を有する。
て、長期間使用しても変形や摩耗の少ない国産材、杉・
松、間伐材等の木材を原材料とした建材及び木材成形品
の製造方法及び製造装置を提供すると共に解体木造住宅
の木材の再利用や地球温暖化防止に貢献する。 【解決手段】 木材12を蒸煮タンク14内で減圧蒸煮
することにより、木材12内の樹脂の拡散を行う減圧蒸
煮工程と、減圧蒸煮工程を経た木材12に熱硬化性樹脂
27を真空加圧含浸する含浸工程と、含浸工程を経た木
材12を圧縮型押し成形機61に装着した状態で、樹脂
加熱層57内にて加熱して塑性圧縮変形加工を行い、更
に含浸した熱硬化性樹脂27の熱硬化を行う成形工程と
を有する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木材を加熱するこ
とにより熱硬化性樹脂が含浸され易く、しかも塑性変形
し易い状態にして、熱硬化性樹脂を含浸し、更に加熱し
ながら所望の形状の成形品を圧縮型押し成形機により形
成する国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした
建材及び木材成形品の製造方法及び製造装置に関する。
とにより熱硬化性樹脂が含浸され易く、しかも塑性変形
し易い状態にして、熱硬化性樹脂を含浸し、更に加熱し
ながら所望の形状の成形品を圧縮型押し成形機により形
成する国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした
建材及び木材成形品の製造方法及び製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、木材を加熱することにより塑性変
形し易い状態にして、所望の形状の成形品を形成する方
法として、例えば特許第2557272号公報に開示さ
れているように、木材を加熱処理し、軟化した材を四方
向から同時に圧縮して整形し、冷却したうえ形状を保持
しながら再度加熱処理し、所望の形状に固定する方法が
ある。
形し易い状態にして、所望の形状の成形品を形成する方
法として、例えば特許第2557272号公報に開示さ
れているように、木材を加熱処理し、軟化した材を四方
向から同時に圧縮して整形し、冷却したうえ形状を保持
しながら再度加熱処理し、所望の形状に固定する方法が
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法では、木材が圧縮されて、所望の形状に形成さ
れるが、木材組織が押しつぶされても、木材組織の導管
内には空洞部分が残り、吸湿性と放湿性が残存する。こ
れは天然の構造材料としては長所となることもあるが、
コンクリートやガラス等の無機質材料との組み合わせで
使用されて、吸湿性を好まない構造材料、例えばサッ
シ、戸枠、窓枠等では、長期間の使用によって膨潤して
変形したり、摺動部分が摩耗し易くなって、寿命が短く
なったりするというおそれがあった。本発明はこのよう
な事情に鑑みてなされたもので、木材に熱硬化性樹脂を
含浸することによって、長期間使用しても変形や摩耗の
少ない国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした
建材及び木材成形品の製造方法及び製造装置を提供する
と共に解体木造住宅の木材の再利用や地球温暖化防止に
貢献することを目的とする。
来の方法では、木材が圧縮されて、所望の形状に形成さ
れるが、木材組織が押しつぶされても、木材組織の導管
内には空洞部分が残り、吸湿性と放湿性が残存する。こ
れは天然の構造材料としては長所となることもあるが、
コンクリートやガラス等の無機質材料との組み合わせで
使用されて、吸湿性を好まない構造材料、例えばサッ
シ、戸枠、窓枠等では、長期間の使用によって膨潤して
変形したり、摺動部分が摩耗し易くなって、寿命が短く
なったりするというおそれがあった。本発明はこのよう
な事情に鑑みてなされたもので、木材に熱硬化性樹脂を
含浸することによって、長期間使用しても変形や摩耗の
少ない国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした
建材及び木材成形品の製造方法及び製造装置を提供する
と共に解体木造住宅の木材の再利用や地球温暖化防止に
貢献することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う本発明に
係る国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした建
材及び木材成形品の製造方法は、木材を蒸煮タンク内で
減圧蒸煮することにより、木材内の樹脂の拡散を行う減
圧蒸煮工程と、減圧蒸煮工程を経た木材に熱硬化性樹脂
を真空加圧含浸する含浸工程と、含浸工程を経た木材を
圧縮型押し成形機に装着した状態で、樹脂加熱層内にて
加熱して塑性圧縮変形加工を行い、更に含浸した前記熱
硬化性樹脂の熱硬化を行う成形工程とを有する。
係る国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした建
材及び木材成形品の製造方法は、木材を蒸煮タンク内で
減圧蒸煮することにより、木材内の樹脂の拡散を行う減
圧蒸煮工程と、減圧蒸煮工程を経た木材に熱硬化性樹脂
を真空加圧含浸する含浸工程と、含浸工程を経た木材を
圧縮型押し成形機に装着した状態で、樹脂加熱層内にて
加熱して塑性圧縮変形加工を行い、更に含浸した前記熱
硬化性樹脂の熱硬化を行う成形工程とを有する。
【0005】これにより、減圧蒸煮工程で、例えば蒸煮
タンクを備えた減圧蒸煮装置により100〜130℃に
加熱することにより、トールスと称される弁状の構成等
の木材組織が壊れ、木材組織内の樹脂が拡散し、細胞壁
孔の閉鎖が防止されて、木材組織の導管内に水分や樹脂
等が入り易くなる。その後、含浸工程で熱硬化性樹脂を
真空加圧含浸するので、木材組織に熱硬化性樹脂が十分
に含浸される。また、成形工程で木材を例えば110〜
130℃に加熱することにより、木材が軟化して圧縮に
よる塑性変形が容易となり、例えば窓枠等の形状を備え
た成形型に木材を押圧することによって、所望の形状に
成形することができる。しかも、130〜180℃に加
熱することにより木材に加圧含浸された熱硬化性樹脂が
熱硬化し、木材は塑性変形した形状を熱硬化性樹脂の高
い硬度を備えた状態で維持され、表面に光沢が出て熱変
形が少なく、水分の吸収・発散が極めて少なく、寿命の
長い建材、木材成形品を得ることができる。
タンクを備えた減圧蒸煮装置により100〜130℃に
加熱することにより、トールスと称される弁状の構成等
の木材組織が壊れ、木材組織内の樹脂が拡散し、細胞壁
孔の閉鎖が防止されて、木材組織の導管内に水分や樹脂
等が入り易くなる。その後、含浸工程で熱硬化性樹脂を
真空加圧含浸するので、木材組織に熱硬化性樹脂が十分
に含浸される。また、成形工程で木材を例えば110〜
130℃に加熱することにより、木材が軟化して圧縮に
よる塑性変形が容易となり、例えば窓枠等の形状を備え
た成形型に木材を押圧することによって、所望の形状に
成形することができる。しかも、130〜180℃に加
熱することにより木材に加圧含浸された熱硬化性樹脂が
熱硬化し、木材は塑性変形した形状を熱硬化性樹脂の高
い硬度を備えた状態で維持され、表面に光沢が出て熱変
形が少なく、水分の吸収・発散が極めて少なく、寿命の
長い建材、木材成形品を得ることができる。
【0006】本発明に係る国産材、杉・松、間伐材等の
木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造方法にお
いて、含浸工程以前に木材を加熱乾燥する乾燥工程を有
してもよい。この場合、木材が十分に乾燥されていない
木材でも、乾燥工程によって木材組織の中の水分を除去
され、熱硬化性樹脂を十分に含浸することができる。本
発明に係る国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料と
した建材及び木材成形品の製造方法において、成形工程
以前に最終製品の形状に応じた素材木材を形成する素材
加工工程を有してもよい。この場合、木材を最終製品の
形状に応じた形状の素材木材を形成して、その素材木材
を成形工程で用いる圧縮型押し成形機に設けた成形型に
装着するので、成形型がコンパクトになり、圧縮成形作
業が容易となる。
木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造方法にお
いて、含浸工程以前に木材を加熱乾燥する乾燥工程を有
してもよい。この場合、木材が十分に乾燥されていない
木材でも、乾燥工程によって木材組織の中の水分を除去
され、熱硬化性樹脂を十分に含浸することができる。本
発明に係る国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料と
した建材及び木材成形品の製造方法において、成形工程
以前に最終製品の形状に応じた素材木材を形成する素材
加工工程を有してもよい。この場合、木材を最終製品の
形状に応じた形状の素材木材を形成して、その素材木材
を成形工程で用いる圧縮型押し成形機に設けた成形型に
装着するので、成形型がコンパクトになり、圧縮成形作
業が容易となる。
【0007】本発明に係る国産材、杉・松、間伐材等の
木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造方法にお
いて、成形工程は、液状の熱媒中に浸漬した状態で行っ
てもよい。この場合、例えばパラフィン等の50〜80
℃の液状の熱媒を入れた加熱槽の中に熱硬化性樹脂を含
浸した木材を浸漬し、更に110〜130℃に加熱する
と、木材は均一に加熱されて軟化し、軟化した状態で塑
性変形させるので、加圧装置の容量を小さくすることが
できる。また、更に130〜180℃に加熱して熱硬化
性樹脂の熱硬化も進行するので、成形工程を効率よく行
うことができる。なお、成形工程の後、数10分〜数時
間、100〜130℃で加熱(アフターベーキング)す
ることにより、更に熱硬化性樹脂の硬化が進み、寸法精
度が安定した建材や木材成形品を得ることができる。
木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造方法にお
いて、成形工程は、液状の熱媒中に浸漬した状態で行っ
てもよい。この場合、例えばパラフィン等の50〜80
℃の液状の熱媒を入れた加熱槽の中に熱硬化性樹脂を含
浸した木材を浸漬し、更に110〜130℃に加熱する
と、木材は均一に加熱されて軟化し、軟化した状態で塑
性変形させるので、加圧装置の容量を小さくすることが
できる。また、更に130〜180℃に加熱して熱硬化
性樹脂の熱硬化も進行するので、成形工程を効率よく行
うことができる。なお、成形工程の後、数10分〜数時
間、100〜130℃で加熱(アフターベーキング)す
ることにより、更に熱硬化性樹脂の硬化が進み、寸法精
度が安定した建材や木材成形品を得ることができる。
【0008】前記目的に沿う本発明に係る国産材、杉・
松、間伐材等の木材を原材料とした建材及び木材成形品
の製造装置において、木材を減圧した状態で加熱する減
圧蒸煮装置と、木材に熱硬化性樹脂を真空加圧含浸する
含浸装置と、熱硬化性樹脂を真空加圧含浸した木材を圧
縮成形する圧縮型押し成形機と、圧縮型押し成形機と共
に木材を熱硬化性樹脂の硬化温度まで上昇可能な樹脂加
熱槽とを備えている。これにより、熱硬化性樹脂を真空
加圧含浸した木材を130〜180℃の温度に圧縮型押
し成形機と共に木材を加熱できるので、木材が可塑化し
て粘土状あるいはゴム状になって成形型による圧縮成形
が容易となり、更に木材に含浸された熱硬化性樹脂が熱
硬化して、硬度の高い建材や木材成形品を連続して形成
することができる。
松、間伐材等の木材を原材料とした建材及び木材成形品
の製造装置において、木材を減圧した状態で加熱する減
圧蒸煮装置と、木材に熱硬化性樹脂を真空加圧含浸する
含浸装置と、熱硬化性樹脂を真空加圧含浸した木材を圧
縮成形する圧縮型押し成形機と、圧縮型押し成形機と共
に木材を熱硬化性樹脂の硬化温度まで上昇可能な樹脂加
熱槽とを備えている。これにより、熱硬化性樹脂を真空
加圧含浸した木材を130〜180℃の温度に圧縮型押
し成形機と共に木材を加熱できるので、木材が可塑化し
て粘土状あるいはゴム状になって成形型による圧縮成形
が容易となり、更に木材に含浸された熱硬化性樹脂が熱
硬化して、硬度の高い建材や木材成形品を連続して形成
することができる。
【0009】本発明に係る国産材、杉・松、間伐材等の
木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造装置にお
いて、樹脂加熱槽は、加熱により液状にした油脂からな
る熱媒を充填してもよい。この場合、樹脂加熱槽に充填
した熱媒として、加熱により液状にすることができる油
脂、例えばパラフィンワックス(石蝋)を用いると、溶
融温度が46〜93℃であるので、熱媒を50〜80℃
程度に加熱することにより液状にすることができる。こ
の熱媒の中に圧縮型押し成形機と共に木材を浸漬し、熱
媒を加熱することにより、木材の温度を可塑化温度であ
る110〜130℃及び熱硬化性樹脂の硬化温度である
130〜180℃にすることができる。なお、パラフィ
ンワックスは人体に対しても安全で、冷却することによ
り成形型からの型離れもよく、作業性がよい。本発明に
係る国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした建
材及び木材成形品の製造装置において、減圧蒸煮した木
材を加熱乾燥する高周波乾燥機又は高温蒸気式乾燥機を
含む加熱乾燥装置を設けてもよい。この場合、木材が十
分に乾燥されていない間伐材等の木材でも、加熱乾燥装
置によって急速に木材組織の中の水分を除去することが
でき、熱硬化性樹脂を十分に木材に含浸することができ
る。
木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造装置にお
いて、樹脂加熱槽は、加熱により液状にした油脂からな
る熱媒を充填してもよい。この場合、樹脂加熱槽に充填
した熱媒として、加熱により液状にすることができる油
脂、例えばパラフィンワックス(石蝋)を用いると、溶
融温度が46〜93℃であるので、熱媒を50〜80℃
程度に加熱することにより液状にすることができる。こ
の熱媒の中に圧縮型押し成形機と共に木材を浸漬し、熱
媒を加熱することにより、木材の温度を可塑化温度であ
る110〜130℃及び熱硬化性樹脂の硬化温度である
130〜180℃にすることができる。なお、パラフィ
ンワックスは人体に対しても安全で、冷却することによ
り成形型からの型離れもよく、作業性がよい。本発明に
係る国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした建
材及び木材成形品の製造装置において、減圧蒸煮した木
材を加熱乾燥する高周波乾燥機又は高温蒸気式乾燥機を
含む加熱乾燥装置を設けてもよい。この場合、木材が十
分に乾燥されていない間伐材等の木材でも、加熱乾燥装
置によって急速に木材組織の中の水分を除去することが
でき、熱硬化性樹脂を十分に木材に含浸することができ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1は本発明の一実施の形
態に係る国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とし
た建材の製造装置の構成図、図2は同減圧蒸煮装置の正
面図、図3は同真空加圧含浸装置の正面図、図4は同圧
縮成形装置の成形加工中の状態を示す正面図、図5は同
圧縮成形装置の成形加工前後の状態を示す正面図、図6
(A)は同圧縮成形装置に装着される成形型の側面図、
(B)は同圧縮成形装置に装着される成形型の変形例を
示す側面図である。図7は本発明の他の実施の形態に係
る国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした木材
成形品の圧縮型押し成形機の変形例を示す正面図であ
る。
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1は本発明の一実施の形
態に係る国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とし
た建材の製造装置の構成図、図2は同減圧蒸煮装置の正
面図、図3は同真空加圧含浸装置の正面図、図4は同圧
縮成形装置の成形加工中の状態を示す正面図、図5は同
圧縮成形装置の成形加工前後の状態を示す正面図、図6
(A)は同圧縮成形装置に装着される成形型の側面図、
(B)は同圧縮成形装置に装着される成形型の変形例を
示す側面図である。図7は本発明の他の実施の形態に係
る国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした木材
成形品の圧縮型押し成形機の変形例を示す正面図であ
る。
【0011】図1、図2に示すように、本発明の一実施
の形態に係る国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料
とした建材の製造装置10は、第1の搬送コンベア11
によって搬送される国産材、杉・松、間伐材等の丸太の
木材12を減圧した雰囲気中で100〜130℃に蒸煮
する減圧蒸煮装置13を備えている。減圧蒸煮装置13
は、所定長さの、例えば2〜4mの木材12を所定量装
入可能な蒸煮タンク14を設けて、端部に設けた開閉扉
15を有する装入口16から木材12を出し入れできる
ようにし、蒸煮タンク14の内部には加熱装置17を設
けている。蒸煮タンク14の近傍には、真空ポンプ18
を設けて吸引管19及び第1のバルブ20を介して蒸煮
タンク14に接続し、蒸煮タンク14内の空気を排出
し、減圧できるようにしている。蒸煮タンク14の下部
には、減圧・蒸煮によって木材12の組織から滲み出さ
れた水分や樹脂類等の滲出物を排出する排出管21を設
け、排出管21に接続された第2のバルブ22を介して
滲出物収納槽23に接続している。蒸煮タンク14の上
部には第3のバルブ24を介して空気を取り入れる空気
取入口25を設けている。
の形態に係る国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料
とした建材の製造装置10は、第1の搬送コンベア11
によって搬送される国産材、杉・松、間伐材等の丸太の
木材12を減圧した雰囲気中で100〜130℃に蒸煮
する減圧蒸煮装置13を備えている。減圧蒸煮装置13
は、所定長さの、例えば2〜4mの木材12を所定量装
入可能な蒸煮タンク14を設けて、端部に設けた開閉扉
15を有する装入口16から木材12を出し入れできる
ようにし、蒸煮タンク14の内部には加熱装置17を設
けている。蒸煮タンク14の近傍には、真空ポンプ18
を設けて吸引管19及び第1のバルブ20を介して蒸煮
タンク14に接続し、蒸煮タンク14内の空気を排出
し、減圧できるようにしている。蒸煮タンク14の下部
には、減圧・蒸煮によって木材12の組織から滲み出さ
れた水分や樹脂類等の滲出物を排出する排出管21を設
け、排出管21に接続された第2のバルブ22を介して
滲出物収納槽23に接続している。蒸煮タンク14の上
部には第3のバルブ24を介して空気を取り入れる空気
取入口25を設けている。
【0012】図1、図3に示すように、減圧蒸煮装置1
3の近傍には、減圧蒸煮装置13から第2の搬送コンベ
ア26によって搬送される減圧蒸煮工程を経た木材12
に熱硬化性樹脂27を真空加圧含浸する含浸装置28を
設けている。含浸装置28は、所定量の木材12を装入
可能な、例えば30kg/mm2 程度の耐圧強度を有す
る含浸タンク29を備えている。含浸タンク29には木
材12を出し入れするために、端部に開閉扉30を有す
る装入口31を設け、第4のバルブ32及び空気管33
を介して含浸タンク29内の空気を排除する真空ポンプ
34が接続されている。また、含浸タンク29の上部に
は第5のバルブ35を介して空気を取り入れる空気取入
口36を設けている。含浸タンク29の下方には、例え
ばフェノール樹脂からなる熱硬化性樹脂27を貯留する
貯留タンク37を備えている。なお、フェノール樹脂
は、例えば成形温度が130℃で硬化時間が2〜6分、
180℃で1〜3分程度で硬化したあと、養生のための
冷却を行うのが望ましいが、多量生産の場合のように、
成形した後硬化時間を十分取れない場合には、100〜
130℃で数10分〜数時間加熱するアフターベーキン
グを行うことが望ましい。
3の近傍には、減圧蒸煮装置13から第2の搬送コンベ
ア26によって搬送される減圧蒸煮工程を経た木材12
に熱硬化性樹脂27を真空加圧含浸する含浸装置28を
設けている。含浸装置28は、所定量の木材12を装入
可能な、例えば30kg/mm2 程度の耐圧強度を有す
る含浸タンク29を備えている。含浸タンク29には木
材12を出し入れするために、端部に開閉扉30を有す
る装入口31を設け、第4のバルブ32及び空気管33
を介して含浸タンク29内の空気を排除する真空ポンプ
34が接続されている。また、含浸タンク29の上部に
は第5のバルブ35を介して空気を取り入れる空気取入
口36を設けている。含浸タンク29の下方には、例え
ばフェノール樹脂からなる熱硬化性樹脂27を貯留する
貯留タンク37を備えている。なお、フェノール樹脂
は、例えば成形温度が130℃で硬化時間が2〜6分、
180℃で1〜3分程度で硬化したあと、養生のための
冷却を行うのが望ましいが、多量生産の場合のように、
成形した後硬化時間を十分取れない場合には、100〜
130℃で数10分〜数時間加熱するアフターベーキン
グを行うことが望ましい。
【0013】含浸タンク29と貯留タンク37とは、第
6のバルブ38及び連絡管39を介して連通され、第6
のバルブ38を開くことにより、含浸タンク29内の熱
硬化性樹脂27が貯留タンク37に流れ落ちるようにし
ている。連絡管39の下端は貯留タンク37の底部40
の近傍まで伸ばされて、含浸タンク29が減圧されたと
き、第6のバルブ38及び連絡管39を介して貯留タン
ク37内の熱硬化性樹脂27が吸い上げられて、含浸タ
ンク29に充填されるようにしている。貯留タンク37
には、貯留タンク37内の樹脂レベルを検出して、貯留
タンク37の中の熱硬化性樹脂27の貯留量を測定する
樹脂量計41を設けている。
6のバルブ38及び連絡管39を介して連通され、第6
のバルブ38を開くことにより、含浸タンク29内の熱
硬化性樹脂27が貯留タンク37に流れ落ちるようにし
ている。連絡管39の下端は貯留タンク37の底部40
の近傍まで伸ばされて、含浸タンク29が減圧されたと
き、第6のバルブ38及び連絡管39を介して貯留タン
ク37内の熱硬化性樹脂27が吸い上げられて、含浸タ
ンク29に充填されるようにしている。貯留タンク37
には、貯留タンク37内の樹脂レベルを検出して、貯留
タンク37の中の熱硬化性樹脂27の貯留量を測定する
樹脂量計41を設けている。
【0014】貯留タンク37には所定高さの隔壁42を
介して隣接させた計量タンク43を備え、貯留タンク3
7に熱硬化性樹脂27を完全充填したとき、隔壁42を
越えて熱硬化性樹脂27が計量タンク43に流れ込むよ
うにし、計量タンク43内には隔壁42の上端まで所定
量(少なくとも1回の含浸作業で所定量の木材12に含
浸する樹脂量)を超える熱硬化性樹脂27を貯留可能に
している。計量タンク43には上方に延びる吸い上げ管
44と第7のバルブ45とを設け、第7のバルブ45の
下流側には分岐管46を接続し、分岐管46は計量タン
ク43内の熱硬化性樹脂27を吸い上げる加圧ポンプ4
7に接続されている。また、分岐管46には第8のバル
ブ48を介して貯留タンク37に連通する樹脂補充管4
9が接続されている。加圧ポンプ47は、所定圧力を維
持する圧力調整バルブ50、第9のバルブ51及び樹脂
管52を介して熱硬化性樹脂27を含浸タンク29に供
給するようにしている。圧力調整バルブ50は含浸タン
ク29側の圧力が所定圧力以上に上昇したときに戻し管
53を介して計量タンク43に熱硬化性樹脂27を戻す
ようにしている。計量タンク43には、計量タンク43
内の樹脂レベルの変化を検出して樹脂減少量を計測する
樹脂量計54を備えている。
介して隣接させた計量タンク43を備え、貯留タンク3
7に熱硬化性樹脂27を完全充填したとき、隔壁42を
越えて熱硬化性樹脂27が計量タンク43に流れ込むよ
うにし、計量タンク43内には隔壁42の上端まで所定
量(少なくとも1回の含浸作業で所定量の木材12に含
浸する樹脂量)を超える熱硬化性樹脂27を貯留可能に
している。計量タンク43には上方に延びる吸い上げ管
44と第7のバルブ45とを設け、第7のバルブ45の
下流側には分岐管46を接続し、分岐管46は計量タン
ク43内の熱硬化性樹脂27を吸い上げる加圧ポンプ4
7に接続されている。また、分岐管46には第8のバル
ブ48を介して貯留タンク37に連通する樹脂補充管4
9が接続されている。加圧ポンプ47は、所定圧力を維
持する圧力調整バルブ50、第9のバルブ51及び樹脂
管52を介して熱硬化性樹脂27を含浸タンク29に供
給するようにしている。圧力調整バルブ50は含浸タン
ク29側の圧力が所定圧力以上に上昇したときに戻し管
53を介して計量タンク43に熱硬化性樹脂27を戻す
ようにしている。計量タンク43には、計量タンク43
内の樹脂レベルの変化を検出して樹脂減少量を計測する
樹脂量計54を備えている。
【0015】図1、図4に示すように、含浸装置28の
近傍には、含浸工程を経た木材12を圧縮成形する圧縮
成形装置55を設けている。圧縮成形装置55は、下部
に加熱装置56を設けた樹脂加熱槽57を備え、樹脂加
熱槽57の中には木材12を130〜180℃に加熱し
て可塑化するための液状の熱媒58、例えば引火点が高
く(例えば200〜260℃)溶融温度が低い(例えば
46〜93℃)、パラフィンワックス(石蝋)等の油脂
類を加熱・溶融して液状にしたものを充填している。な
お、パラフィンワックスは人体に対しても安全で、冷却
することにより金型や機械装置から離れやすくなるの
で、清掃作業が容易で作業性がよい。樹脂加熱槽57の
上方には、巻上機59を載置して走行させる走行台車7
2を備えた搬送装置60を設け、巻上機59によって油
圧プレス等からなる圧縮型押し成形機61を昇降させ
て、圧縮型押し成形機61に取付けられた成形型62の
上型63及び下型64と、上型63及び下型64の間に
装着した木材12を樹脂加熱槽57の中の熱媒58中に
浸漬可能にしている。
近傍には、含浸工程を経た木材12を圧縮成形する圧縮
成形装置55を設けている。圧縮成形装置55は、下部
に加熱装置56を設けた樹脂加熱槽57を備え、樹脂加
熱槽57の中には木材12を130〜180℃に加熱し
て可塑化するための液状の熱媒58、例えば引火点が高
く(例えば200〜260℃)溶融温度が低い(例えば
46〜93℃)、パラフィンワックス(石蝋)等の油脂
類を加熱・溶融して液状にしたものを充填している。な
お、パラフィンワックスは人体に対しても安全で、冷却
することにより金型や機械装置から離れやすくなるの
で、清掃作業が容易で作業性がよい。樹脂加熱槽57の
上方には、巻上機59を載置して走行させる走行台車7
2を備えた搬送装置60を設け、巻上機59によって油
圧プレス等からなる圧縮型押し成形機61を昇降させ
て、圧縮型押し成形機61に取付けられた成形型62の
上型63及び下型64と、上型63及び下型64の間に
装着した木材12を樹脂加熱槽57の中の熱媒58中に
浸漬可能にしている。
【0016】圧縮型押し成形機61は、下型64を固定
するボルスタープレート65と、上型63を固定するラ
ムプレート66と、ラムプレート66を昇降駆動する油
圧シリンダー67と、油圧シリンダー67を固定したシ
リンダープレート68とを備え、シリンダープレート6
8とボルスタープレート65とを複数のガイドポスト6
9によって所定間隔を開けて固定し、シリンダープレー
ト68とボルスタープレート65との間でラムプレート
66をガイドポスト69に摺動自在に嵌合させている。
なお、成形型62はそれぞれ上型63及び下型64に所
望の建材70を形成する形状を備え、例えば図6(A)
に示すように、上型63及び下型64にそれぞれ楕円曲
面を備えた溝部63A、64Aを形成して、上型63と
下型64との間に木材12を装着し、圧縮成形するとこ
とにより、丸太状の木材12から手摺り状の建材70を
形成するようにしている。
するボルスタープレート65と、上型63を固定するラ
ムプレート66と、ラムプレート66を昇降駆動する油
圧シリンダー67と、油圧シリンダー67を固定したシ
リンダープレート68とを備え、シリンダープレート6
8とボルスタープレート65とを複数のガイドポスト6
9によって所定間隔を開けて固定し、シリンダープレー
ト68とボルスタープレート65との間でラムプレート
66をガイドポスト69に摺動自在に嵌合させている。
なお、成形型62はそれぞれ上型63及び下型64に所
望の建材70を形成する形状を備え、例えば図6(A)
に示すように、上型63及び下型64にそれぞれ楕円曲
面を備えた溝部63A、64Aを形成して、上型63と
下型64との間に木材12を装着し、圧縮成形するとこ
とにより、丸太状の木材12から手摺り状の建材70を
形成するようにしている。
【0017】シリンダープレート68の周囲には樹脂加
熱槽57との間に隙間が生じないようにカバー71を設
けている。搬送装置60は、走行台車72が含浸装置2
8側から樹脂加熱槽57の上方を走行して含浸装置28
とは反対側に移動しうる搬送レール73を設け、含浸工
程を経た木材12を成形型62に装着した状態で、圧縮
型押し成形機61を含浸装置28側から樹脂加熱槽57
の上方まで搬送して停止し、この位置で巻上機59によ
って圧縮型押し成形機61を樹脂加熱槽57の中に浸漬
するまで下降させ、成形工程が終了後、圧縮型押し成形
機61を上昇させ、更に含浸装置28側と反対側の第3
の搬送コンベア74上に圧縮型押し成形機61を搬送装
置60によって搬送するようにしている。第3の搬送コ
ンベア74は、圧縮型押し成形機61から取り出された
木材12を次のアフターベーキング工程を行うアフター
ベーキング炉75に搬送するようにしている。圧縮成形
装置55の下流側近傍には、第3の搬送コンベア74に
よって搬送された建材70を100〜130℃で数10
分〜数時間加熱するアフターベーキング炉75を設け、
アフターベーキング炉75の近傍には第4の搬送コンベ
ア76を設けて、建材70の完成品を搬出するようにし
ている。
熱槽57との間に隙間が生じないようにカバー71を設
けている。搬送装置60は、走行台車72が含浸装置2
8側から樹脂加熱槽57の上方を走行して含浸装置28
とは反対側に移動しうる搬送レール73を設け、含浸工
程を経た木材12を成形型62に装着した状態で、圧縮
型押し成形機61を含浸装置28側から樹脂加熱槽57
の上方まで搬送して停止し、この位置で巻上機59によ
って圧縮型押し成形機61を樹脂加熱槽57の中に浸漬
するまで下降させ、成形工程が終了後、圧縮型押し成形
機61を上昇させ、更に含浸装置28側と反対側の第3
の搬送コンベア74上に圧縮型押し成形機61を搬送装
置60によって搬送するようにしている。第3の搬送コ
ンベア74は、圧縮型押し成形機61から取り出された
木材12を次のアフターベーキング工程を行うアフター
ベーキング炉75に搬送するようにしている。圧縮成形
装置55の下流側近傍には、第3の搬送コンベア74に
よって搬送された建材70を100〜130℃で数10
分〜数時間加熱するアフターベーキング炉75を設け、
アフターベーキング炉75の近傍には第4の搬送コンベ
ア76を設けて、建材70の完成品を搬出するようにし
ている。
【0018】ここで、本発明の一実施の形態に係る国産
材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした建材の製造
装置10を使用して建材70を形成する製造方法につい
て説明する。 (1)先ず、蒸煮タンク14の開閉扉15を開いて、装
入口16から、第1の搬送コンベア11によって搬送さ
れた、例えば丸太等の木材12を蒸煮タンク14の中に
装入する。 (2)開閉扉15を閉じ、第2、第3のバルブ22、2
4を閉じ、第1のバルブ20を開いて、真空ポンプ18
を駆動して蒸煮タンク14内の圧力を、例えば真空度が
20〜30mmHg程度に減圧する。また、加熱装置1
7によって蒸煮タンク14内の温度を、例えば120〜
130℃に加熱し減圧蒸煮する。この減圧、蒸煮によっ
て、木材12の組織が壊れ、特に木材組織の導管内を通
る水分等を遮断したり導通させたりする有縁壁孔を構成
するトールスと称される弁状の構成が壊れるものと考え
られ、それに伴って、木材組織内の樹脂が拡散し、有縁
壁孔の閉鎖が防止されて、木材組織の導管内に水分や樹
脂等が入り易い状態になる。
材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした建材の製造
装置10を使用して建材70を形成する製造方法につい
て説明する。 (1)先ず、蒸煮タンク14の開閉扉15を開いて、装
入口16から、第1の搬送コンベア11によって搬送さ
れた、例えば丸太等の木材12を蒸煮タンク14の中に
装入する。 (2)開閉扉15を閉じ、第2、第3のバルブ22、2
4を閉じ、第1のバルブ20を開いて、真空ポンプ18
を駆動して蒸煮タンク14内の圧力を、例えば真空度が
20〜30mmHg程度に減圧する。また、加熱装置1
7によって蒸煮タンク14内の温度を、例えば120〜
130℃に加熱し減圧蒸煮する。この減圧、蒸煮によっ
て、木材12の組織が壊れ、特に木材組織の導管内を通
る水分等を遮断したり導通させたりする有縁壁孔を構成
するトールスと称される弁状の構成が壊れるものと考え
られ、それに伴って、木材組織内の樹脂が拡散し、有縁
壁孔の閉鎖が防止されて、木材組織の導管内に水分や樹
脂等が入り易い状態になる。
【0019】(3)この状態を20〜40分程度維持し
た後、真空ポンプ18を停止し、第2、第3のバルブ2
2、24を開き、蒸煮タンク14内の圧力を大気圧に戻
してから開閉扉15を開いて、真空加圧処理した木材1
2を蒸煮タンク14から取り出し、減圧蒸煮工程を終了
し、第2の搬送コンベア26によって含浸装置28の近
傍に搬送する。このとき、蒸煮タンク14内の木材12
から滲出した水分や樹脂等は排出管21、第2のバルブ
22を介して滲出物収納槽23に流れて溜められる。 (4)含浸装置28の含浸タンク29の開閉扉30を開
き、第2の搬送コンベア26によって搬送された所定量
の木材12を装入口31から含浸タンク29の中に装入
する。 (5)開閉扉30を閉じ、第4のバルブ32を開放し、
第5のバルブ35、第6のバルブ38及び第9のバルブ
51を閉じる。そして、真空ポンプ34を運転して含浸
タンク29内の空気を排除し、含浸タンク29内を所定
の真空度、例えば20〜30mmHgにして40〜60
分保持する。
た後、真空ポンプ18を停止し、第2、第3のバルブ2
2、24を開き、蒸煮タンク14内の圧力を大気圧に戻
してから開閉扉15を開いて、真空加圧処理した木材1
2を蒸煮タンク14から取り出し、減圧蒸煮工程を終了
し、第2の搬送コンベア26によって含浸装置28の近
傍に搬送する。このとき、蒸煮タンク14内の木材12
から滲出した水分や樹脂等は排出管21、第2のバルブ
22を介して滲出物収納槽23に流れて溜められる。 (4)含浸装置28の含浸タンク29の開閉扉30を開
き、第2の搬送コンベア26によって搬送された所定量
の木材12を装入口31から含浸タンク29の中に装入
する。 (5)開閉扉30を閉じ、第4のバルブ32を開放し、
第5のバルブ35、第6のバルブ38及び第9のバルブ
51を閉じる。そして、真空ポンプ34を運転して含浸
タンク29内の空気を排除し、含浸タンク29内を所定
の真空度、例えば20〜30mmHgにして40〜60
分保持する。
【0020】(6)木材12の真空処理後、第6のバル
ブ38を開放して、含浸タンク29の中に貯留タンク3
7から熱硬化性樹脂27を吸い上げる。このとき、真空
ポンプ34により含浸タンク29内を真空にするだけで
は、含浸タンク29内の上部に含浸タンク29の容積の
例えば1〜2%程度の空間ができるので、この空間分の
熱硬化性樹脂27を補充する。すなわち、第4のバルブ
32、第6のバルブ38及び第7のバルブ45を閉じ、
第8のバルブ48、及び第9のバルブ51を開き、加圧
ポンプ47を駆動して、樹脂補充管49から分岐管4
6、圧力調整バルブ50及び樹脂管52を介して含浸タ
ンク29内に熱硬化性樹脂27を供給し、熱硬化性樹脂
27が空気管33の入口に達するまで含浸タンク29の
中に熱硬化性樹脂27を完全充填する。含浸タンク29
が完全充填された後、第8のバルブ48を閉じる。ここ
で、貯留タンク37から熱硬化性樹脂27が含浸タンク
29に完全充填されるまで供給されるので、貯留タンク
37内の熱硬化性樹脂27のレベルは隔壁42の上端よ
り下がるが、計量タンク43内の熱硬化性樹脂27のレ
ベルは隔壁42の上端と一致し、この状態が計量タンク
43の初期状態となる。
ブ38を開放して、含浸タンク29の中に貯留タンク3
7から熱硬化性樹脂27を吸い上げる。このとき、真空
ポンプ34により含浸タンク29内を真空にするだけで
は、含浸タンク29内の上部に含浸タンク29の容積の
例えば1〜2%程度の空間ができるので、この空間分の
熱硬化性樹脂27を補充する。すなわち、第4のバルブ
32、第6のバルブ38及び第7のバルブ45を閉じ、
第8のバルブ48、及び第9のバルブ51を開き、加圧
ポンプ47を駆動して、樹脂補充管49から分岐管4
6、圧力調整バルブ50及び樹脂管52を介して含浸タ
ンク29内に熱硬化性樹脂27を供給し、熱硬化性樹脂
27が空気管33の入口に達するまで含浸タンク29の
中に熱硬化性樹脂27を完全充填する。含浸タンク29
が完全充填された後、第8のバルブ48を閉じる。ここ
で、貯留タンク37から熱硬化性樹脂27が含浸タンク
29に完全充填されるまで供給されるので、貯留タンク
37内の熱硬化性樹脂27のレベルは隔壁42の上端よ
り下がるが、計量タンク43内の熱硬化性樹脂27のレ
ベルは隔壁42の上端と一致し、この状態が計量タンク
43の初期状態となる。
【0021】(7)次に、第7のバルブ45を開き、加
圧ポンプ47を駆動して、計量タンク43から含浸タン
ク29に熱硬化性樹脂27を所定圧力、例えば15気圧
程度を保持しながら供給し、所定時間例えば40〜60
分維持する。したがって、含浸タンク29の中では、所
定圧力を維持した熱硬化性樹脂27の中に、木材組織が
壊れ更に真空処理された木材12が装入された状態にな
るので、次第に木材12の中に熱硬化性樹脂27が浸透
して注入される。木材12に熱硬化性樹脂27が注入さ
れると、含浸タンク29内の熱硬化性樹脂27が減少
し、含浸タンク29内の圧力が低下しようとするが、加
圧ポンプ47によって所定圧力に維持するように熱硬化
性樹脂27が計量タンク43から含浸タンク29に追加
供給される。なお、加圧ポンプ47によって含浸タンク
29内の圧力が所定圧力以上になると、圧力調整バルブ
50によって熱硬化性樹脂27が戻し管53を介して計
量タンク43に戻され、含浸タンク29内の圧力は常に
所定圧力に維持される。
圧ポンプ47を駆動して、計量タンク43から含浸タン
ク29に熱硬化性樹脂27を所定圧力、例えば15気圧
程度を保持しながら供給し、所定時間例えば40〜60
分維持する。したがって、含浸タンク29の中では、所
定圧力を維持した熱硬化性樹脂27の中に、木材組織が
壊れ更に真空処理された木材12が装入された状態にな
るので、次第に木材12の中に熱硬化性樹脂27が浸透
して注入される。木材12に熱硬化性樹脂27が注入さ
れると、含浸タンク29内の熱硬化性樹脂27が減少
し、含浸タンク29内の圧力が低下しようとするが、加
圧ポンプ47によって所定圧力に維持するように熱硬化
性樹脂27が計量タンク43から含浸タンク29に追加
供給される。なお、加圧ポンプ47によって含浸タンク
29内の圧力が所定圧力以上になると、圧力調整バルブ
50によって熱硬化性樹脂27が戻し管53を介して計
量タンク43に戻され、含浸タンク29内の圧力は常に
所定圧力に維持される。
【0022】(8)追加供給された熱硬化性樹脂27は
計量タンク43の熱硬化性樹脂27の減少量として樹脂
量計54によって測定され、熱硬化性樹脂27の減少量
が所定値になったときに、加圧ポンプ47を停止して、
熱硬化性樹脂27の供給を停止する。 (9)第5及び第6のバルブ35、38を開放し、含浸
タンク29内の熱硬化性樹脂27を連絡管39を介して
貯留タンク37内に落とす。 (10)含浸タンク29内の熱硬化性樹脂27が排除さ
れたら、開閉扉30を開いて含浸タンク29内の木材1
2を取り出し、所定量だけ熱硬化性樹脂27が含浸され
た木材12を得て含浸工程を終了する。なお、木材12
に含浸される熱硬化性樹脂27の量は木材12の種類や
生育状態によって異なるが、国産の杉材では木材12の
重量の5〜30%程度が適量とされている。
計量タンク43の熱硬化性樹脂27の減少量として樹脂
量計54によって測定され、熱硬化性樹脂27の減少量
が所定値になったときに、加圧ポンプ47を停止して、
熱硬化性樹脂27の供給を停止する。 (9)第5及び第6のバルブ35、38を開放し、含浸
タンク29内の熱硬化性樹脂27を連絡管39を介して
貯留タンク37内に落とす。 (10)含浸タンク29内の熱硬化性樹脂27が排除さ
れたら、開閉扉30を開いて含浸タンク29内の木材1
2を取り出し、所定量だけ熱硬化性樹脂27が含浸され
た木材12を得て含浸工程を終了する。なお、木材12
に含浸される熱硬化性樹脂27の量は木材12の種類や
生育状態によって異なるが、国産の杉材では木材12の
重量の5〜30%程度が適量とされている。
【0023】(11)予め、樹脂加熱槽57の加熱装置
56によって樹脂加熱槽57内に充填された熱媒58の
温度を60〜80℃程度に上昇させてパラフィンワック
スを液状化させておき、図5に示すように、巻上機59
によって吊り上げられた圧縮型押し成形機61を搬送装
置60によって含浸装置28側に搬送し、巻上機59に
よって圧縮型押し成形機61を下降させ、熱硬化性樹脂
27が含浸された木材12を下型64に装着し、圧縮型
押し成形機61によって上型63を取付けたラムプレー
ト66を降下させ、下型64と上型63とによって木材
12を挟んで圧縮型押し成形機61の成形型62に装着
する。 (12)巻上機59によって圧縮型押し成形機61を上
昇させて、搬送装置60によって圧縮型押し成形機61
を樹脂加熱槽57の上方まで搬送して、巻上機59によ
って圧縮型押し成形機61を下降させ、木材12と共に
圧縮型押し成形機61を樹脂加熱槽57の熱媒58の中
に浸漬させる。
56によって樹脂加熱槽57内に充填された熱媒58の
温度を60〜80℃程度に上昇させてパラフィンワック
スを液状化させておき、図5に示すように、巻上機59
によって吊り上げられた圧縮型押し成形機61を搬送装
置60によって含浸装置28側に搬送し、巻上機59に
よって圧縮型押し成形機61を下降させ、熱硬化性樹脂
27が含浸された木材12を下型64に装着し、圧縮型
押し成形機61によって上型63を取付けたラムプレー
ト66を降下させ、下型64と上型63とによって木材
12を挟んで圧縮型押し成形機61の成形型62に装着
する。 (12)巻上機59によって圧縮型押し成形機61を上
昇させて、搬送装置60によって圧縮型押し成形機61
を樹脂加熱槽57の上方まで搬送して、巻上機59によ
って圧縮型押し成形機61を下降させ、木材12と共に
圧縮型押し成形機61を樹脂加熱槽57の熱媒58の中
に浸漬させる。
【0024】(13)図4に示すように、巻上機59に
よって圧縮型押し成形機61を、少なくとも上型63が
熱媒58に浸漬するまで下降させ、加熱装置56によっ
て熱媒58を加熱して、木材12の温度を110〜13
0℃になるまで上昇させ、木材12を可塑化させる。こ
の状態で圧縮型押し成形機61の油圧シリンダー67に
よってラムプレート66を下方に押し下げて下型64と
上型63との間に装着された木材12を塑性圧縮変形加
工する。更に、130〜180℃に加熱して含浸した熱
硬化性樹脂27の熱硬化を行う。このとき、木材12
は、熱媒58によって加熱されて塑性変形が容易なゴム
状あるいは粘土状となっているので、例えば3〜30k
g/cm2 程度の圧力で上型63、下型64の形状に倣
って変形し、建材70が形成される。
よって圧縮型押し成形機61を、少なくとも上型63が
熱媒58に浸漬するまで下降させ、加熱装置56によっ
て熱媒58を加熱して、木材12の温度を110〜13
0℃になるまで上昇させ、木材12を可塑化させる。こ
の状態で圧縮型押し成形機61の油圧シリンダー67に
よってラムプレート66を下方に押し下げて下型64と
上型63との間に装着された木材12を塑性圧縮変形加
工する。更に、130〜180℃に加熱して含浸した熱
硬化性樹脂27の熱硬化を行う。このとき、木材12
は、熱媒58によって加熱されて塑性変形が容易なゴム
状あるいは粘土状となっているので、例えば3〜30k
g/cm2 程度の圧力で上型63、下型64の形状に倣
って変形し、建材70が形成される。
【0025】(14)成形工程の終了後、図5に示すよ
うに、巻上機59によって圧縮型押し成形機61を上昇
させ、搬送装置60によって樹脂加熱槽57の下流側の
第3の搬送コンベア74上に移動させ、圧縮型押し成形
機61を下降させる。そして、油圧シリンダー67によ
ってラムプレート66と共に上型63を上昇させて、上
型63を建材70から引き離し、下型64から建材70
を取り出して第3の搬送コンベア74上に載置する。 (15)成形工程を終了した建材70は徐々に冷却して
養生するか、アフターベーキング炉75によって数10
分〜数時間、100〜130℃で加熱(アフターベーキ
ング)することにより、更に熱硬化性樹脂27の硬化を
進め、建材70の寸法精度を安定させ、アフターベーキ
ング終了後、第4の搬送コンベア76によって次の工程
に搬送する。
うに、巻上機59によって圧縮型押し成形機61を上昇
させ、搬送装置60によって樹脂加熱槽57の下流側の
第3の搬送コンベア74上に移動させ、圧縮型押し成形
機61を下降させる。そして、油圧シリンダー67によ
ってラムプレート66と共に上型63を上昇させて、上
型63を建材70から引き離し、下型64から建材70
を取り出して第3の搬送コンベア74上に載置する。 (15)成形工程を終了した建材70は徐々に冷却して
養生するか、アフターベーキング炉75によって数10
分〜数時間、100〜130℃で加熱(アフターベーキ
ング)することにより、更に熱硬化性樹脂27の硬化を
進め、建材70の寸法精度を安定させ、アフターベーキ
ング終了後、第4の搬送コンベア76によって次の工程
に搬送する。
【0026】このようにして、木材は減圧蒸煮工程によ
って木材組織が壊れて熱硬化性樹脂が含浸され易くな
り、その状態で木材に熱硬化性樹脂を真空加圧含浸させ
ることにより、木材組織に入っていた空気や水分が熱硬
化性樹脂に置き替わる。更に、木材の可塑化温度以上に
加熱して粘土状あるいはゴム状に可塑化し、成形型によ
って圧縮成形することにより、容易に成形型に倣った形
状に成形することができる。また、圧縮成形後に熱硬化
性樹脂の熱硬化温度に加熱することにより、木材に含浸
された熱硬化性樹脂が硬化し、硬度の高い、表面に光沢
が出る建材を得ることができる。
って木材組織が壊れて熱硬化性樹脂が含浸され易くな
り、その状態で木材に熱硬化性樹脂を真空加圧含浸させ
ることにより、木材組織に入っていた空気や水分が熱硬
化性樹脂に置き替わる。更に、木材の可塑化温度以上に
加熱して粘土状あるいはゴム状に可塑化し、成形型によ
って圧縮成形することにより、容易に成形型に倣った形
状に成形することができる。また、圧縮成形後に熱硬化
性樹脂の熱硬化温度に加熱することにより、木材に含浸
された熱硬化性樹脂が硬化し、硬度の高い、表面に光沢
が出る建材を得ることができる。
【0027】なお、変形例として、例えば、前記実施の
形態で用いた圧縮成形装置55の構成の中で、Vブロッ
クからなる成形型62の代わりに、図6(B)に示すよ
うに、成形型77の上型78に複数の突条部79を設
け、下型80には角形溝81を設けて上型78と下型8
0の間に含浸工程を経た木材を装入し、上型78と下型
80の間で加熱・圧縮して敷居状の建材82を形成する
ようにしてもよい。また、前記実施の形態に係る建材の
製造装置10で、第1の搬送コンベア11、減圧蒸煮装
置13、第2の搬送コンベア26、含浸装置28、圧縮
成形装置55、搬送装置60、第3の搬送コンベア74
等の動作はプログラマブルコントローラからなる制御装
置(図示しない)によって、シーケンス制御を行い、木
材12の蒸煮から圧縮成形に至る連続した工程の自動化
が可能である。
形態で用いた圧縮成形装置55の構成の中で、Vブロッ
クからなる成形型62の代わりに、図6(B)に示すよ
うに、成形型77の上型78に複数の突条部79を設
け、下型80には角形溝81を設けて上型78と下型8
0の間に含浸工程を経た木材を装入し、上型78と下型
80の間で加熱・圧縮して敷居状の建材82を形成する
ようにしてもよい。また、前記実施の形態に係る建材の
製造装置10で、第1の搬送コンベア11、減圧蒸煮装
置13、第2の搬送コンベア26、含浸装置28、圧縮
成形装置55、搬送装置60、第3の搬送コンベア74
等の動作はプログラマブルコントローラからなる制御装
置(図示しない)によって、シーケンス制御を行い、木
材12の蒸煮から圧縮成形に至る連続した工程の自動化
が可能である。
【0028】以上、本発明を一実施の形態に係る国産
材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした建材の製造
方法について説明してきたが、本発明は、何ら前記の実
施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許
請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられる
その他の実施の形態や変形例も含むものである。例え
ば、図7に示す本発明の他の実施の形態に係る国産材、
杉・松、間伐材等の木材を原材料とした木材成形品の製
造装置のように、前記実施の形態に係る国産材、杉・
松、間伐材等の木材を原材料とした建材の製造装置10
で説明した圧縮成形装置55の油圧プレスを用いた圧縮
型押し成形機61の代わりに、例えば陶磁器や粘土人形
等の素材となる圧縮成形品を多量生産するときに用いら
れる、15〜18気圧で圧縮成形が可能な圧縮型押し成
形機83を用いてもよい。すなわち、圧縮型押し成形機
83に複数の木材成形品93を同時に成形する成形型8
4を取付け、巻上機59に電動式ねじ移動装置85を設
けて圧縮型押し成形機83を昇降させるようにし、加熱
により液状にした熱媒58を充填させた樹脂加熱槽57
に中に成形型84と共に圧縮型押し成形機83を浸漬し
て加熱するようにしている。
材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした建材の製造
方法について説明してきたが、本発明は、何ら前記の実
施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許
請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられる
その他の実施の形態や変形例も含むものである。例え
ば、図7に示す本発明の他の実施の形態に係る国産材、
杉・松、間伐材等の木材を原材料とした木材成形品の製
造装置のように、前記実施の形態に係る国産材、杉・
松、間伐材等の木材を原材料とした建材の製造装置10
で説明した圧縮成形装置55の油圧プレスを用いた圧縮
型押し成形機61の代わりに、例えば陶磁器や粘土人形
等の素材となる圧縮成形品を多量生産するときに用いら
れる、15〜18気圧で圧縮成形が可能な圧縮型押し成
形機83を用いてもよい。すなわち、圧縮型押し成形機
83に複数の木材成形品93を同時に成形する成形型8
4を取付け、巻上機59に電動式ねじ移動装置85を設
けて圧縮型押し成形機83を昇降させるようにし、加熱
により液状にした熱媒58を充填させた樹脂加熱槽57
に中に成形型84と共に圧縮型押し成形機83を浸漬し
て加熱するようにしている。
【0029】この場合、成形型84の上型86に複数の
円錐台状突出部87を形成し、下型88には円錐台状突
出部87が隙間を開けて嵌入し得る複数の円錐台状凹部
89を形成して、圧縮型押し成形機83のボルスター9
0に下型88を取付け、油圧シリンダー91によって昇
降するラム92には上型86を取付けて、上型86と下
型88の間に含浸工程を経た円板状の木材を装入し、上
型86と下型88の間で加熱・圧縮して皿、あるいは丼
状容器等の複数の木材成形品93を同時に形成するよう
にしている。また、この場合、含浸装置の近傍に木材を
所定の大きさに切断する切断装置を設けて、最終製品の
形状に応じた素材木材を形成する素材加工工程を行い、
素材木材を上型86と下型88の間に装着して成形工程
を容易にしてもよい。更に、前記実施の形態では熱硬化
性樹脂としてフェノール樹脂を使用した例について説明
したが、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性
樹脂を使用することも可能である。
円錐台状突出部87を形成し、下型88には円錐台状突
出部87が隙間を開けて嵌入し得る複数の円錐台状凹部
89を形成して、圧縮型押し成形機83のボルスター9
0に下型88を取付け、油圧シリンダー91によって昇
降するラム92には上型86を取付けて、上型86と下
型88の間に含浸工程を経た円板状の木材を装入し、上
型86と下型88の間で加熱・圧縮して皿、あるいは丼
状容器等の複数の木材成形品93を同時に形成するよう
にしている。また、この場合、含浸装置の近傍に木材を
所定の大きさに切断する切断装置を設けて、最終製品の
形状に応じた素材木材を形成する素材加工工程を行い、
素材木材を上型86と下型88の間に装着して成形工程
を容易にしてもよい。更に、前記実施の形態では熱硬化
性樹脂としてフェノール樹脂を使用した例について説明
したが、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性
樹脂を使用することも可能である。
【0030】したがって、このような木材成形品の製造
装置を用いて、所望の形状を備えた成形型を油圧プレス
あるいは圧縮型押し成形機に装着し、熱硬化性樹脂を含
浸した木材を加熱圧縮成形することにより、例えば柱、
壁板、木製サッシ、戸枠、窓枠、手摺り等の建材や、高
級感の要求される椅子、テーブル、置時計の枠、ペン軸
等の事務用具、人形、玩具、漆塗り器類の素材等の木材
成形品を提供することができる。更に、このようにして
形成された木材成形品は、熱硬化性樹脂の耐熱性、電気
絶縁性等の特性を備えているので、テレビや電気掃除機
等の家電製品のケースや電気機器の絶縁部品としても利
用することが可能となる。また、前記実施の形態に係る
国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした建材の
製造装置10を使用して建材70を形成する製造方法で
は、減圧蒸煮工程の後、含浸工程を行った例について説
明したが、高周波乾燥機又は高温蒸気式乾燥機を含む加
熱乾燥装置を設け、加熱乾燥装置に減圧蒸煮した木材を
装入して、減圧蒸煮工程の後に50〜100℃程度の乾
燥工程を行い、木材を乾燥するようにしてもよい。この
場合、木材が十分に乾燥されていない間伐材等の木材で
も、加熱乾燥装置によって急速に木材組織の中の水分を
除去することができ、後工程の含浸工程で熱硬化性樹脂
を十分に木材に含浸することができる。なお、解体木造
住宅の木材等の乾燥状態や保存状態が良い木材を再利用
して木材成形品を形成するときには、乾燥工程を省略し
たり、減圧蒸煮工程を省略してもよい。
装置を用いて、所望の形状を備えた成形型を油圧プレス
あるいは圧縮型押し成形機に装着し、熱硬化性樹脂を含
浸した木材を加熱圧縮成形することにより、例えば柱、
壁板、木製サッシ、戸枠、窓枠、手摺り等の建材や、高
級感の要求される椅子、テーブル、置時計の枠、ペン軸
等の事務用具、人形、玩具、漆塗り器類の素材等の木材
成形品を提供することができる。更に、このようにして
形成された木材成形品は、熱硬化性樹脂の耐熱性、電気
絶縁性等の特性を備えているので、テレビや電気掃除機
等の家電製品のケースや電気機器の絶縁部品としても利
用することが可能となる。また、前記実施の形態に係る
国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした建材の
製造装置10を使用して建材70を形成する製造方法で
は、減圧蒸煮工程の後、含浸工程を行った例について説
明したが、高周波乾燥機又は高温蒸気式乾燥機を含む加
熱乾燥装置を設け、加熱乾燥装置に減圧蒸煮した木材を
装入して、減圧蒸煮工程の後に50〜100℃程度の乾
燥工程を行い、木材を乾燥するようにしてもよい。この
場合、木材が十分に乾燥されていない間伐材等の木材で
も、加熱乾燥装置によって急速に木材組織の中の水分を
除去することができ、後工程の含浸工程で熱硬化性樹脂
を十分に木材に含浸することができる。なお、解体木造
住宅の木材等の乾燥状態や保存状態が良い木材を再利用
して木材成形品を形成するときには、乾燥工程を省略し
たり、減圧蒸煮工程を省略してもよい。
【0031】
【発明の効果】請求項1〜4記載の国産材、杉・松、間
伐材等の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造
方法においては、木材を減圧した蒸煮タンク内で減圧蒸
煮することにより、木材内の樹脂の拡散を行う減圧蒸煮
工程と、減圧蒸煮工程を経た木材に熱硬化性樹脂を真空
加圧含浸する含浸工程と、含浸工程を経た木材を圧縮型
押し成形機に装着した状態で、樹脂加熱層内にて加熱し
て塑性圧縮変形加工を行い、更に含浸した熱硬化性樹脂
の熱硬化を行う成形工程とを有するので、木材組織の導
管内に水分や樹脂等が入り易くなる。その後、含浸工程
で熱硬化性樹脂を真空加圧含浸して、成形工程で木材を
例えば130〜180℃に加熱することにより、木材を
軟化させ、所望の形状に成形して熱硬化性樹脂を熱硬化
させ、高い硬度を備えた長期間使用しても熱変形や摩耗
が少なく、しかも表面に光沢を備えた水分の吸収・発散
が極めて少なく、寿命の長い建材、木材成形品を形成す
ることができる。また、解体木造住宅の木材の再利用が
でき、省エネ、省資源、環境問題に寄与することができ
る。
伐材等の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造
方法においては、木材を減圧した蒸煮タンク内で減圧蒸
煮することにより、木材内の樹脂の拡散を行う減圧蒸煮
工程と、減圧蒸煮工程を経た木材に熱硬化性樹脂を真空
加圧含浸する含浸工程と、含浸工程を経た木材を圧縮型
押し成形機に装着した状態で、樹脂加熱層内にて加熱し
て塑性圧縮変形加工を行い、更に含浸した熱硬化性樹脂
の熱硬化を行う成形工程とを有するので、木材組織の導
管内に水分や樹脂等が入り易くなる。その後、含浸工程
で熱硬化性樹脂を真空加圧含浸して、成形工程で木材を
例えば130〜180℃に加熱することにより、木材を
軟化させ、所望の形状に成形して熱硬化性樹脂を熱硬化
させ、高い硬度を備えた長期間使用しても熱変形や摩耗
が少なく、しかも表面に光沢を備えた水分の吸収・発散
が極めて少なく、寿命の長い建材、木材成形品を形成す
ることができる。また、解体木造住宅の木材の再利用が
でき、省エネ、省資源、環境問題に寄与することができ
る。
【0032】特に、請求項2記載の国産材、杉・松、間
伐材等の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造
方法においては、含浸工程以前に木材を加熱乾燥する乾
燥工程を有しているので、木材が十分に乾燥されていな
い木材でも、乾燥工程によって木材組織の中の水分を除
去され、熱硬化性樹脂を十分に含浸することができ品質
の高い建材や木材成形品を提供できる。請求項3記載の
国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした建材及
び木材成形品の製造方法においては、成形工程以前に最
終製品の形状に応じた素材木材を形成する素材加工工程
を有しているので、木材を最終製品の形状に応じた形状
の素材木材を形成して、その素材木材を成形工程で用い
る圧縮型押し成形機に設けた成形型に装着することがで
き、成形型がコンパクトになり、圧縮成形作業を容易に
することができる。
伐材等の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造
方法においては、含浸工程以前に木材を加熱乾燥する乾
燥工程を有しているので、木材が十分に乾燥されていな
い木材でも、乾燥工程によって木材組織の中の水分を除
去され、熱硬化性樹脂を十分に含浸することができ品質
の高い建材や木材成形品を提供できる。請求項3記載の
国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした建材及
び木材成形品の製造方法においては、成形工程以前に最
終製品の形状に応じた素材木材を形成する素材加工工程
を有しているので、木材を最終製品の形状に応じた形状
の素材木材を形成して、その素材木材を成形工程で用い
る圧縮型押し成形機に設けた成形型に装着することがで
き、成形型がコンパクトになり、圧縮成形作業を容易に
することができる。
【0033】請求項4記載の国産材、杉・松、間伐材等
の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造方法に
おいては、成形工程は、液状の熱媒中に浸漬した状態で
行っているので、木材は均一に加熱されて軟化し、圧縮
成形だけによる成形加工が極めて容易となり複雑な形
状、例えば彫刻製品に類似した形状を備えた備品や、食
器類等の木材成形品を形成することができ、しかも圧縮
型押し成形機の容量を小さくすることができる。また、
同時に熱硬化性樹脂の熱硬化も進行するので、成形工程
を効率よく行うことができ、整形後の変形が生じ難い建
材や木材成形品を提供できる。
の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造方法に
おいては、成形工程は、液状の熱媒中に浸漬した状態で
行っているので、木材は均一に加熱されて軟化し、圧縮
成形だけによる成形加工が極めて容易となり複雑な形
状、例えば彫刻製品に類似した形状を備えた備品や、食
器類等の木材成形品を形成することができ、しかも圧縮
型押し成形機の容量を小さくすることができる。また、
同時に熱硬化性樹脂の熱硬化も進行するので、成形工程
を効率よく行うことができ、整形後の変形が生じ難い建
材や木材成形品を提供できる。
【0034】請求項5〜7記載の国産材、杉・松、間伐
材等の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造装
置においては、木材を減圧した状態で加熱する減圧蒸煮
装置と、木材に熱硬化性樹脂を真空加圧含浸する含浸装
置と、熱硬化性樹脂を真空加圧含浸した木材を成形型に
よって圧縮成形する圧縮型押し成形機と、圧縮型押し成
形機と共に木材を熱硬化性樹脂の硬化温度まで上昇可能
な樹脂加熱槽とを備えているので、木材が可塑化して粘
土状あるいはゴム状になって成形型による圧縮成形が容
易となり、硬度の高い高級感のある建材や木材成形品を
多量に生産することができる。
材等の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造装
置においては、木材を減圧した状態で加熱する減圧蒸煮
装置と、木材に熱硬化性樹脂を真空加圧含浸する含浸装
置と、熱硬化性樹脂を真空加圧含浸した木材を成形型に
よって圧縮成形する圧縮型押し成形機と、圧縮型押し成
形機と共に木材を熱硬化性樹脂の硬化温度まで上昇可能
な樹脂加熱槽とを備えているので、木材が可塑化して粘
土状あるいはゴム状になって成形型による圧縮成形が容
易となり、硬度の高い高級感のある建材や木材成形品を
多量に生産することができる。
【0035】特に、請求項6記載の国産材、杉・松、間
伐材等の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造
装置においては、樹脂加熱槽は、加熱により液状にした
油脂からなる熱媒を充填しているので、この熱媒の中に
圧縮型押し成形機と共に木材を浸漬し、熱媒を加熱する
ことにより、木材の温度を可塑化温度及び熱硬化性樹脂
の硬化温度にすることが極めて簡単に、しかも安全にで
き、作業性が著しく向上する。請求項7記載の国産材、
杉・松、間伐材等の木材を原材料とした建材及び木材成
形品の製造装置においては、減圧蒸煮した木材を加熱乾
燥する高周波乾燥機又は高温蒸気式乾燥機を含む加熱乾
燥装置を設けているので、木材が十分に乾燥されていな
い間伐材等の木材でも、加熱乾燥装置によって急速に木
材組織の中の水分を除去することができ、熱硬化性樹脂
が十分に木材に含浸され、高品質の建材や木材成形品を
形成することができる。
伐材等の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造
装置においては、樹脂加熱槽は、加熱により液状にした
油脂からなる熱媒を充填しているので、この熱媒の中に
圧縮型押し成形機と共に木材を浸漬し、熱媒を加熱する
ことにより、木材の温度を可塑化温度及び熱硬化性樹脂
の硬化温度にすることが極めて簡単に、しかも安全にで
き、作業性が著しく向上する。請求項7記載の国産材、
杉・松、間伐材等の木材を原材料とした建材及び木材成
形品の製造装置においては、減圧蒸煮した木材を加熱乾
燥する高周波乾燥機又は高温蒸気式乾燥機を含む加熱乾
燥装置を設けているので、木材が十分に乾燥されていな
い間伐材等の木材でも、加熱乾燥装置によって急速に木
材組織の中の水分を除去することができ、熱硬化性樹脂
が十分に木材に含浸され、高品質の建材や木材成形品を
形成することができる。
【図1】本発明の一実施の形態に係る国産材、杉・松、
間伐材等の木材を原材料とした建材の製造装置の構成図
である。
間伐材等の木材を原材料とした建材の製造装置の構成図
である。
【図2】同減圧蒸煮装置の正面図である。
【図3】同真空加圧含浸装置の正面図である。
【図4】同圧縮成形装置の成形加工中の状態を示す正面
図である。
図である。
【図5】同圧縮成形装置の成形加工前後の状態を示す正
面図である。
面図である。
【図6】(A)は同圧縮成形装置に装着される成形型の
側面図、(B)は同圧縮成形装置に装着される成形型の
変形例を示す側面図である。
側面図、(B)は同圧縮成形装置に装着される成形型の
変形例を示す側面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態に係る国産材、杉・
松、間伐材等の木材を原材料とした木材成形品の製造装
置の圧縮型押し成形機を示す正面図である。
松、間伐材等の木材を原材料とした木材成形品の製造装
置の圧縮型押し成形機を示す正面図である。
10:国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした
建材の製造装置、11:第1の搬送コンベア、12:木
材、13:減圧蒸煮装置、14:蒸煮タンク、15:開
閉扉、16:装入口、17:加熱装置、18:真空ポン
プ、19:吸引管、20:第1のバルブ、21:排出
管、22:第2のバルブ、23:滲出物収納槽、24:
第3のバルブ、25:空気取入口、26:第2の搬送コ
ンベア、27:熱硬化性樹脂、28:含浸装置、29:
含浸タンク、30:開閉扉、31:装入口、32:第4
のバルブ、33:空気管、34:真空ポンプ、35:第
5のバルブ、36:空気取入口、37:貯留タンク、3
8:第6のバルブ、39:連絡管、40:底部、41:
樹脂量計、42:隔壁、43:計量タンク、44:吸い
上げ管、45:第7のバルブ、46:分岐管、47:加
圧ポンプ、48:第8のバルブ、49:樹脂補充管、5
0:圧力調整バルブ、51:第9のバルブ、52:樹脂
管、53:戻し管、54:樹脂量計、55:圧縮成形装
置、56:加熱装置、57:樹脂加熱槽、58:熱媒、
59:巻上機、60:搬送装置、61:圧縮型押し成形
機、62:成形型、63:上型、63A:溝部、64:
下型、64A:溝部、65:ボルスタープレート、6
6:ラムプレート、67:油圧シリンダー、68:シリ
ンダープレート、69:ガイドポスト、70:建材、7
1:カバー、72:走行台車、73:搬送レール、7
4:第3の搬送コンベア、75:アフターベーキング
炉、76:第4の搬送コンベア、77:成形型、78:
上型、79:突条部、80:下型、81:角形溝、8
2:建材、83:圧縮型押し機、84:成形型、85:
電動式ねじ移動装置、86:上型、87:円錐台状突出
部、88:下型、89:円錐台状凹部、90:ボルスタ
ー、91:油圧シリンダー、92:ラム、93:木材成
形品
建材の製造装置、11:第1の搬送コンベア、12:木
材、13:減圧蒸煮装置、14:蒸煮タンク、15:開
閉扉、16:装入口、17:加熱装置、18:真空ポン
プ、19:吸引管、20:第1のバルブ、21:排出
管、22:第2のバルブ、23:滲出物収納槽、24:
第3のバルブ、25:空気取入口、26:第2の搬送コ
ンベア、27:熱硬化性樹脂、28:含浸装置、29:
含浸タンク、30:開閉扉、31:装入口、32:第4
のバルブ、33:空気管、34:真空ポンプ、35:第
5のバルブ、36:空気取入口、37:貯留タンク、3
8:第6のバルブ、39:連絡管、40:底部、41:
樹脂量計、42:隔壁、43:計量タンク、44:吸い
上げ管、45:第7のバルブ、46:分岐管、47:加
圧ポンプ、48:第8のバルブ、49:樹脂補充管、5
0:圧力調整バルブ、51:第9のバルブ、52:樹脂
管、53:戻し管、54:樹脂量計、55:圧縮成形装
置、56:加熱装置、57:樹脂加熱槽、58:熱媒、
59:巻上機、60:搬送装置、61:圧縮型押し成形
機、62:成形型、63:上型、63A:溝部、64:
下型、64A:溝部、65:ボルスタープレート、6
6:ラムプレート、67:油圧シリンダー、68:シリ
ンダープレート、69:ガイドポスト、70:建材、7
1:カバー、72:走行台車、73:搬送レール、7
4:第3の搬送コンベア、75:アフターベーキング
炉、76:第4の搬送コンベア、77:成形型、78:
上型、79:突条部、80:下型、81:角形溝、8
2:建材、83:圧縮型押し機、84:成形型、85:
電動式ねじ移動装置、86:上型、87:円錐台状突出
部、88:下型、89:円錐台状凹部、90:ボルスタ
ー、91:油圧シリンダー、92:ラム、93:木材成
形品
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年11月19日(2002.11.
19)
19)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 国産材、杉・松、間伐材等の木材を原
材料とした建材及び木材成形品の製造方法
材料とした建材及び木材成形品の製造方法
【特許請求の範囲】
【請求項2】 請求項1記載の国産材、杉・松、間伐材
等の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造方法
において、前記成形工程以前に最終製品の形状に応じた
素材木材を形成する素材加工工程を有することを特徴と
する国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした建
材及び木材成形品の製造方法。
等の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造方法
において、前記成形工程以前に最終製品の形状に応じた
素材木材を形成する素材加工工程を有することを特徴と
する国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした建
材及び木材成形品の製造方法。
【請求項3】 請求項1記載の国産材、杉・松、間伐材
等の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造方法
において、前記成形工程は、液状の熱媒中に浸漬した状
態で行うことを特徴とする国産材、杉・松、間伐材等の
木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造方法。
等の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造方法
において、前記成形工程は、液状の熱媒中に浸漬した状
態で行うことを特徴とする国産材、杉・松、間伐材等の
木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、木材を加熱するこ
とにより熱硬化性樹脂が含浸され易く、しかも塑性変形
し易い状態にして、熱硬化性樹脂を含浸し、更に加熱し
ながら所望の形状の成形品を圧縮型押し成形機により形
成する国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした
建材及び木材成形品の製造方法に関する。
とにより熱硬化性樹脂が含浸され易く、しかも塑性変形
し易い状態にして、熱硬化性樹脂を含浸し、更に加熱し
ながら所望の形状の成形品を圧縮型押し成形機により形
成する国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした
建材及び木材成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、木材を加熱することにより塑性変
形し易い状態にして、所望の形状の成形品を形成する方
法として、例えば特許第2557272号公報に開示さ
れているように、木材を加熱処理し、軟化した材を四方
向から同時に圧縮して整形し、冷却したうえ形状を保持
しながら再度加熱処理し、所望の形状に固定する方法が
ある。
形し易い状態にして、所望の形状の成形品を形成する方
法として、例えば特許第2557272号公報に開示さ
れているように、木材を加熱処理し、軟化した材を四方
向から同時に圧縮して整形し、冷却したうえ形状を保持
しながら再度加熱処理し、所望の形状に固定する方法が
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の方法では、木材が圧縮されて、所望の形状に形成さ
れるが、木材組織が押しつぶされても、木材組織の導管
内には空洞部分が残り、吸湿性と放湿性が残存する。こ
れは天然の構造材料としては長所となることもあるが、
コンクリートやガラス等の無機質材料との組み合わせで
使用されて、吸湿性を好まない構造材料、例えばサッ
シ、戸枠、窓枠等では、長期間の使用によって膨潤して
変形したり、摺動部分が摩耗し易くなって、寿命が短く
なったりするというおそれがあった。本発明はこのよう
な事情に鑑みてなされたもので、木材に熱硬化性樹脂を
含浸することによって、長期間使用しても変形や摩耗の
少ない国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした
建材及び木材成形品の製造方法を提供すると共に解体木
造住宅の木材の再利用や地球温暖化防止に貢献すること
を目的とする。
来の方法では、木材が圧縮されて、所望の形状に形成さ
れるが、木材組織が押しつぶされても、木材組織の導管
内には空洞部分が残り、吸湿性と放湿性が残存する。こ
れは天然の構造材料としては長所となることもあるが、
コンクリートやガラス等の無機質材料との組み合わせで
使用されて、吸湿性を好まない構造材料、例えばサッ
シ、戸枠、窓枠等では、長期間の使用によって膨潤して
変形したり、摺動部分が摩耗し易くなって、寿命が短く
なったりするというおそれがあった。本発明はこのよう
な事情に鑑みてなされたもので、木材に熱硬化性樹脂を
含浸することによって、長期間使用しても変形や摩耗の
少ない国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした
建材及び木材成形品の製造方法を提供すると共に解体木
造住宅の木材の再利用や地球温暖化防止に貢献すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う本発明に
係る国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした建
材及び木材成形品の製造方法は、乾燥した木材に熱硬化
性樹脂を真空加圧含浸する含浸工程と、含浸工程を経た
木材を圧縮型押し成形機に装着した状態で、樹脂加熱層
内にて加熱して塑性圧縮変形加工を行い、更に含浸した
前記熱硬化性樹脂の熱硬化を行う成形工程とを有する。
係る国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした建
材及び木材成形品の製造方法は、乾燥した木材に熱硬化
性樹脂を真空加圧含浸する含浸工程と、含浸工程を経た
木材を圧縮型押し成形機に装着した状態で、樹脂加熱層
内にて加熱して塑性圧縮変形加工を行い、更に含浸した
前記熱硬化性樹脂の熱硬化を行う成形工程とを有する。
【0005】これにより、含浸工程で熱硬化性樹脂を真
空加圧含浸するので、木材組織に熱硬化性樹脂が十分に
含浸される。また、成形工程で木材を例えば110〜1
30℃に加熱することにより、木材が軟化して圧縮によ
る塑性変形が容易となり、例えば窓枠等の形状を備えた
成形型に木材を押圧することによって、所望の形状に成
形することができる。しかも、130〜180℃に加熱
することにより木材に加圧含浸された熱硬化性樹脂が熱
硬化し、木材は塑性変形した形状を熱硬化性樹脂の高い
硬度を備えた状態で維持され、表面に光沢が出て熱変形
が少なく、水分の吸収・発散が極めて少なく、寿命の長
い建材、木材成形品を得ることができる。
空加圧含浸するので、木材組織に熱硬化性樹脂が十分に
含浸される。また、成形工程で木材を例えば110〜1
30℃に加熱することにより、木材が軟化して圧縮によ
る塑性変形が容易となり、例えば窓枠等の形状を備えた
成形型に木材を押圧することによって、所望の形状に成
形することができる。しかも、130〜180℃に加熱
することにより木材に加圧含浸された熱硬化性樹脂が熱
硬化し、木材は塑性変形した形状を熱硬化性樹脂の高い
硬度を備えた状態で維持され、表面に光沢が出て熱変形
が少なく、水分の吸収・発散が極めて少なく、寿命の長
い建材、木材成形品を得ることができる。
【0006】本発明に係る国産材、杉・松、間伐材等の
木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造方法にお
いて、含浸工程以前に木材を加熱乾燥する乾燥工程を有
してもよい。この場合、木材が十分に乾燥されていない
木材でも、乾燥工程によって木材組織の中の水分を除去
され、熱硬化性樹脂を十分に含浸することができる。本
発明に係る国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料と
した建材及び木材成形品の製造方法において、成形工程
以前に最終製品の形状に応じた素材木材を形成する素材
加工工程を有してもよい。この場合、木材を最終製品の
形状に応じた形状の素材木材を形成して、その素材木材
を成形工程で用いる圧縮型押し成形機に設けた成形型に
装着するので、成形型がコンパクトになり、圧縮成形作
業が容易となる。
木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造方法にお
いて、含浸工程以前に木材を加熱乾燥する乾燥工程を有
してもよい。この場合、木材が十分に乾燥されていない
木材でも、乾燥工程によって木材組織の中の水分を除去
され、熱硬化性樹脂を十分に含浸することができる。本
発明に係る国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料と
した建材及び木材成形品の製造方法において、成形工程
以前に最終製品の形状に応じた素材木材を形成する素材
加工工程を有してもよい。この場合、木材を最終製品の
形状に応じた形状の素材木材を形成して、その素材木材
を成形工程で用いる圧縮型押し成形機に設けた成形型に
装着するので、成形型がコンパクトになり、圧縮成形作
業が容易となる。
【0007】本発明に係る国産材、杉・松、間伐材等の
木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造方法にお
いて、成形工程は、液状の熱媒中に浸漬した状態で行っ
てもよい。この場合、例えばパラフィン等の50〜80
℃の液状の熱媒を入れた加熱槽の中に熱硬化性樹脂を含
浸した木材を浸漬し、更に110〜130℃に加熱する
と、木材は均一に加熱されて軟化し、軟化した状態で塑
性変形させるので、加圧装置の容量を小さくすることが
できる。また、更に130〜180℃に加熱して熱硬化
性樹脂の熱硬化も進行するので、成形工程を効率よく行
うことができる。なお、成形工程の後、数10分〜数時
間、100〜130℃で加熱(アフターベーキング)す
ることにより、更に熱硬化性樹脂の硬化が進み、寸法精
度が安定した建材や木材成形品を得ることができる。
木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造方法にお
いて、成形工程は、液状の熱媒中に浸漬した状態で行っ
てもよい。この場合、例えばパラフィン等の50〜80
℃の液状の熱媒を入れた加熱槽の中に熱硬化性樹脂を含
浸した木材を浸漬し、更に110〜130℃に加熱する
と、木材は均一に加熱されて軟化し、軟化した状態で塑
性変形させるので、加圧装置の容量を小さくすることが
できる。また、更に130〜180℃に加熱して熱硬化
性樹脂の熱硬化も進行するので、成形工程を効率よく行
うことができる。なお、成形工程の後、数10分〜数時
間、100〜130℃で加熱(アフターベーキング)す
ることにより、更に熱硬化性樹脂の硬化が進み、寸法精
度が安定した建材や木材成形品を得ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1は本発明の一実施の形
態に係る国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とし
た建材の製造装置の構成図、図2は同減圧蒸煮装置の正
面図、図3は同真空加圧含浸装置の正面図、図4は同圧
縮成形装置の成形加工中の状態を示す正面図、図5は同
圧縮成形装置の成形加工前後の状態を示す正面図、図6
(A)は同圧縮成形装置に装着される成形型の側面図、
(B)は同圧縮成形装置に装着される成形型の変形例を
示す側面図である。図7は本発明の他の実施の形態に係
る国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした木材
成形品の圧縮型押し成形機を示す正面図である。
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。ここに、図1は本発明の一実施の形
態に係る国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とし
た建材の製造装置の構成図、図2は同減圧蒸煮装置の正
面図、図3は同真空加圧含浸装置の正面図、図4は同圧
縮成形装置の成形加工中の状態を示す正面図、図5は同
圧縮成形装置の成形加工前後の状態を示す正面図、図6
(A)は同圧縮成形装置に装着される成形型の側面図、
(B)は同圧縮成形装置に装着される成形型の変形例を
示す側面図である。図7は本発明の他の実施の形態に係
る国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした木材
成形品の圧縮型押し成形機を示す正面図である。
【0009】図1、図2に示すように、本発明の一実施
の形態に係る国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料
とした建材の製造装置10は、第1の搬送コンベア11
によって搬送される国産材、杉・松、間伐材等の丸太の
木材12を100〜130℃に蒸煮する減圧蒸煮装置1
3を備えている。減圧蒸煮装置13は、所定長さの、例
えば2〜4mの木材12を所定量装入可能な蒸煮タンク
14を設けて、端部に設けた開閉扉15を有する装入口
16から木材12を出し入れできるようにし、蒸煮タン
ク14の内部には加熱装置17を設けている。蒸煮タン
ク14の近傍には、真空ポンプ18を設けて吸引管19
及び第1のバルブ20を介して蒸煮タンク14に接続
し、蒸煮タンク14内の空気を排出し、減圧できるよう
にしている。蒸煮タンク14の下部には、減圧・蒸煮に
よって木材12の組織から滲み出された水分や樹脂類等
の滲出物を排出する排出管21を設け、排出管21に接
続された第2のバルブ22を介して滲出物収納槽23に
接続している。蒸煮タンク14の上部には第3のバルブ
24を介して空気を取り入れる空気取入口25を設けて
いる。
の形態に係る国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料
とした建材の製造装置10は、第1の搬送コンベア11
によって搬送される国産材、杉・松、間伐材等の丸太の
木材12を100〜130℃に蒸煮する減圧蒸煮装置1
3を備えている。減圧蒸煮装置13は、所定長さの、例
えば2〜4mの木材12を所定量装入可能な蒸煮タンク
14を設けて、端部に設けた開閉扉15を有する装入口
16から木材12を出し入れできるようにし、蒸煮タン
ク14の内部には加熱装置17を設けている。蒸煮タン
ク14の近傍には、真空ポンプ18を設けて吸引管19
及び第1のバルブ20を介して蒸煮タンク14に接続
し、蒸煮タンク14内の空気を排出し、減圧できるよう
にしている。蒸煮タンク14の下部には、減圧・蒸煮に
よって木材12の組織から滲み出された水分や樹脂類等
の滲出物を排出する排出管21を設け、排出管21に接
続された第2のバルブ22を介して滲出物収納槽23に
接続している。蒸煮タンク14の上部には第3のバルブ
24を介して空気を取り入れる空気取入口25を設けて
いる。
【0010】図1、図3に示すように、減圧蒸煮装置1
3の近傍には、減圧蒸煮装置13から第2の搬送コンベ
ア26によって搬送される減圧蒸煮工程を経た木材12
に熱硬化性樹脂27を真空加圧含浸する含浸装置28を
設けている。含浸装置28は、所定量の木材12を装入
可能な、例えば30kg/mm2 程度の耐圧強度を有す
る含浸タンク29を備えている。含浸タンク29には木
材12を出し入れするために、端部に開閉扉30を有す
る装入口31を設け、第4のバルブ32及び空気管33
を介して含浸タンク29内の空気を排除する真空ポンプ
34が接続されている。また、含浸タンク29の上部に
は第5のバルブ35を介して空気を取り入れる空気取入
口36を設けている。含浸タンク29の下方には、例え
ばフェノール樹脂からなる熱硬化性樹脂27を貯留する
貯留タンク37を備えている。なお、フェノール樹脂
は、例えば成形温度が130℃で硬化時間が2〜6分、
180℃で1〜3分程度で硬化したあと、養生のための
冷却を行うのが望ましいが、多量生産の場合のように、
成形した後硬化時間を十分取れない場合には、100〜
130℃で数10分〜数時間加熱するアフターベーキン
グを行うことが望ましい。
3の近傍には、減圧蒸煮装置13から第2の搬送コンベ
ア26によって搬送される減圧蒸煮工程を経た木材12
に熱硬化性樹脂27を真空加圧含浸する含浸装置28を
設けている。含浸装置28は、所定量の木材12を装入
可能な、例えば30kg/mm2 程度の耐圧強度を有す
る含浸タンク29を備えている。含浸タンク29には木
材12を出し入れするために、端部に開閉扉30を有す
る装入口31を設け、第4のバルブ32及び空気管33
を介して含浸タンク29内の空気を排除する真空ポンプ
34が接続されている。また、含浸タンク29の上部に
は第5のバルブ35を介して空気を取り入れる空気取入
口36を設けている。含浸タンク29の下方には、例え
ばフェノール樹脂からなる熱硬化性樹脂27を貯留する
貯留タンク37を備えている。なお、フェノール樹脂
は、例えば成形温度が130℃で硬化時間が2〜6分、
180℃で1〜3分程度で硬化したあと、養生のための
冷却を行うのが望ましいが、多量生産の場合のように、
成形した後硬化時間を十分取れない場合には、100〜
130℃で数10分〜数時間加熱するアフターベーキン
グを行うことが望ましい。
【0011】含浸タンク29と貯留タンク37とは、第
6のバルブ38及び連絡管39を介して連通され、第6
のバルブ38を開くことにより、含浸タンク29内の熱
硬化性樹脂27が貯留タンク37に流れ落ちるようにし
ている。連絡管39の下端は貯留タンク37の底部40
の近傍まで伸ばされて、含浸タンク29が減圧されたと
き、第6のバルブ38及び連絡管39を介して貯留タン
ク37内の熱硬化性樹脂27が吸い上げられて、含浸タ
ンク29に充填されるようにしている。貯留タンク37
には、貯留タンク37内の樹脂レベルを検出して、貯留
タンク37の中の熱硬化性樹脂27の貯留量を測定する
樹脂量計41を設けている。
6のバルブ38及び連絡管39を介して連通され、第6
のバルブ38を開くことにより、含浸タンク29内の熱
硬化性樹脂27が貯留タンク37に流れ落ちるようにし
ている。連絡管39の下端は貯留タンク37の底部40
の近傍まで伸ばされて、含浸タンク29が減圧されたと
き、第6のバルブ38及び連絡管39を介して貯留タン
ク37内の熱硬化性樹脂27が吸い上げられて、含浸タ
ンク29に充填されるようにしている。貯留タンク37
には、貯留タンク37内の樹脂レベルを検出して、貯留
タンク37の中の熱硬化性樹脂27の貯留量を測定する
樹脂量計41を設けている。
【0012】貯留タンク37には所定高さの隔壁42を
介して隣接させた計量タンク43を備え、貯留タンク3
7に熱硬化性樹脂27を完全充填したとき、隔壁42を
越えて熱硬化性樹脂27が計量タンク43に流れ込むよ
うにし、計量タンク43内には隔壁42の上端まで所定
量(少なくとも1回の含浸作業で所定量の木材12に含
浸する樹脂量)を超える熱硬化性樹脂27を貯留可能に
している。計量タンク43には上方に延びる吸い上げ管
44と第7のバルブ45とを設け、第7のバルブ45の
下流側には分岐管46を接続し、分岐管46は計量タン
ク43内の熱硬化性樹脂27を吸い上げる加圧ポンプ4
7に接続されている。また、分岐管46には第8のバル
ブ48を介して貯留タンク37に連通する樹脂補充管4
9が接続されている。加圧ポンプ47は、所定圧力を維
持する圧力調整バルブ50、第9のバルブ51及び樹脂
管52を介して熱硬化性樹脂27を含浸タンク29に供
給するようにしている。圧力調整バルブ50は含浸タン
ク29側の圧力が所定圧力以上に上昇したときに戻し管
53を介して計量タンク43に熱硬化性樹脂27を戻す
ようにしている。計量タンク43には、計量タンク43
内の樹脂レベルの変化を検出して樹脂減少量を計測する
樹脂量計54を備えている。
介して隣接させた計量タンク43を備え、貯留タンク3
7に熱硬化性樹脂27を完全充填したとき、隔壁42を
越えて熱硬化性樹脂27が計量タンク43に流れ込むよ
うにし、計量タンク43内には隔壁42の上端まで所定
量(少なくとも1回の含浸作業で所定量の木材12に含
浸する樹脂量)を超える熱硬化性樹脂27を貯留可能に
している。計量タンク43には上方に延びる吸い上げ管
44と第7のバルブ45とを設け、第7のバルブ45の
下流側には分岐管46を接続し、分岐管46は計量タン
ク43内の熱硬化性樹脂27を吸い上げる加圧ポンプ4
7に接続されている。また、分岐管46には第8のバル
ブ48を介して貯留タンク37に連通する樹脂補充管4
9が接続されている。加圧ポンプ47は、所定圧力を維
持する圧力調整バルブ50、第9のバルブ51及び樹脂
管52を介して熱硬化性樹脂27を含浸タンク29に供
給するようにしている。圧力調整バルブ50は含浸タン
ク29側の圧力が所定圧力以上に上昇したときに戻し管
53を介して計量タンク43に熱硬化性樹脂27を戻す
ようにしている。計量タンク43には、計量タンク43
内の樹脂レベルの変化を検出して樹脂減少量を計測する
樹脂量計54を備えている。
【0013】図1、図4に示すように、含浸装置28の
近傍には、含浸工程を経た木材12を圧縮成形する圧縮
成形装置55を設けている。圧縮成形装置55は、下部
に加熱装置56を設けた樹脂加熱槽57を備え、樹脂加
熱槽57の中には木材12を130〜180℃に加熱し
て可塑化するための液状の熱媒58、例えば引火点が高
く(例えば200〜260℃)溶融温度が低い(例えば
46〜93℃)、パラフィンワックス(石蝋)等の油脂
類を加熱・溶融して液状にしたものを充填している。な
お、パラフィンワックスは人体に対しても安全で、冷却
することにより金型や機械装置から離れやすくなるの
で、清掃作業が容易で作業性がよい。樹脂加熱槽57の
上方には、巻上機59を載置して走行させる走行台車7
2を備えた搬送装置60を設け、巻上機59によって油
圧プレス等からなる圧縮型押し成形機61を昇降させ
て、圧縮型押し成形機61に取付けられた成形型62の
上型63及び下型64と、上型63及び下型64の間に
装着した木材12を樹脂加熱槽57の中の熱媒58中に
浸漬可能にしている。
近傍には、含浸工程を経た木材12を圧縮成形する圧縮
成形装置55を設けている。圧縮成形装置55は、下部
に加熱装置56を設けた樹脂加熱槽57を備え、樹脂加
熱槽57の中には木材12を130〜180℃に加熱し
て可塑化するための液状の熱媒58、例えば引火点が高
く(例えば200〜260℃)溶融温度が低い(例えば
46〜93℃)、パラフィンワックス(石蝋)等の油脂
類を加熱・溶融して液状にしたものを充填している。な
お、パラフィンワックスは人体に対しても安全で、冷却
することにより金型や機械装置から離れやすくなるの
で、清掃作業が容易で作業性がよい。樹脂加熱槽57の
上方には、巻上機59を載置して走行させる走行台車7
2を備えた搬送装置60を設け、巻上機59によって油
圧プレス等からなる圧縮型押し成形機61を昇降させ
て、圧縮型押し成形機61に取付けられた成形型62の
上型63及び下型64と、上型63及び下型64の間に
装着した木材12を樹脂加熱槽57の中の熱媒58中に
浸漬可能にしている。
【0014】圧縮型押し成形機61は、下型64を固定
するボルスタープレート65と、上型63を固定するラ
ムプレート66と、ラムプレート66を昇降駆動する油
圧シリンダー67と、油圧シリンダー67を固定したシ
リンダープレート68とを備え、シリンダープレート6
8とボルスタープレート65とを複数のガイドポスト6
9によって所定間隔を開けて固定し、シリンダープレー
ト68とボルスタープレート65との間でラムプレート
66をガイドポスト69に摺動自在に嵌合させている。
なお、成形型62はそれぞれ上型63及び下型64に所
望の建材70を形成する形状を備え、例えば図6(A)
に示すように、上型63及び下型64にそれぞれ楕円曲
面を備えた溝部63A、64Aを形成して、上型63と
下型64との間に木材12を装着し、圧縮成形するとこ
とにより、丸太状の木材12から手摺り状の建材70を
形成するようにしている。
するボルスタープレート65と、上型63を固定するラ
ムプレート66と、ラムプレート66を昇降駆動する油
圧シリンダー67と、油圧シリンダー67を固定したシ
リンダープレート68とを備え、シリンダープレート6
8とボルスタープレート65とを複数のガイドポスト6
9によって所定間隔を開けて固定し、シリンダープレー
ト68とボルスタープレート65との間でラムプレート
66をガイドポスト69に摺動自在に嵌合させている。
なお、成形型62はそれぞれ上型63及び下型64に所
望の建材70を形成する形状を備え、例えば図6(A)
に示すように、上型63及び下型64にそれぞれ楕円曲
面を備えた溝部63A、64Aを形成して、上型63と
下型64との間に木材12を装着し、圧縮成形するとこ
とにより、丸太状の木材12から手摺り状の建材70を
形成するようにしている。
【0015】シリンダープレート68の周囲には樹脂加
熱槽57との間に隙間が生じないようにカバー71を設
けている。搬送装置60は、走行台車72が含浸装置2
8側から樹脂加熱槽57の上方を走行して含浸装置28
とは反対側に移動しうる搬送レール73を設け、含浸工
程を経た木材12を成形型62に装着した状態で、圧縮
型押し成形機61を含浸装置28側から樹脂加熱槽57
の上方まで搬送して停止し、この位置で巻上機59によ
って圧縮型押し成形機61を樹脂加熱槽57の中に浸漬
するまで下降させ、成形工程が終了後、圧縮型押し成形
機61を上昇させ、更に含浸装置28側と反対側の第3
の搬送コンベア74上に圧縮型押し成形機61を搬送装
置60によって搬送するようにしている。第3の搬送コ
ンベア74は、圧縮型押し成形機61から取り出された
木材12を次のアフターベーキング工程を行うアフター
ベーキング炉75に搬送するようにしている。圧縮成形
装置55の下流側近傍には、第3の搬送コンベア74に
よって搬送された建材70を100〜130℃で数10
分〜数時間加熱するアフターベーキング炉75を設け、
アフターベーキング炉75の近傍には第4の搬送コンベ
ア76を設けて、建材70の完成品を搬出するようにし
ている。
熱槽57との間に隙間が生じないようにカバー71を設
けている。搬送装置60は、走行台車72が含浸装置2
8側から樹脂加熱槽57の上方を走行して含浸装置28
とは反対側に移動しうる搬送レール73を設け、含浸工
程を経た木材12を成形型62に装着した状態で、圧縮
型押し成形機61を含浸装置28側から樹脂加熱槽57
の上方まで搬送して停止し、この位置で巻上機59によ
って圧縮型押し成形機61を樹脂加熱槽57の中に浸漬
するまで下降させ、成形工程が終了後、圧縮型押し成形
機61を上昇させ、更に含浸装置28側と反対側の第3
の搬送コンベア74上に圧縮型押し成形機61を搬送装
置60によって搬送するようにしている。第3の搬送コ
ンベア74は、圧縮型押し成形機61から取り出された
木材12を次のアフターベーキング工程を行うアフター
ベーキング炉75に搬送するようにしている。圧縮成形
装置55の下流側近傍には、第3の搬送コンベア74に
よって搬送された建材70を100〜130℃で数10
分〜数時間加熱するアフターベーキング炉75を設け、
アフターベーキング炉75の近傍には第4の搬送コンベ
ア76を設けて、建材70の完成品を搬出するようにし
ている。
【0016】ここで、本発明の一実施の形態に係る国産
材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした建材の製造
装置10を使用して建材70を形成する製造方法につい
て説明する。 (1)先ず、蒸煮タンク14の開閉扉15を開いて、装
入口16から、第1の搬送コンベア11によって搬送さ
れた、例えば丸太等の木材12を蒸煮タンク14の中に
装入する。 (2)開閉扉15を閉じ、第2、第3のバルブ22、2
4を閉じ、第1のバルブ20を開いて、真空ポンプ18
を駆動して蒸煮タンク14内の圧力を、例えば真空度が
20〜30mmHg程度に減圧する。そして、加熱装置
17によって蒸煮タンク14内の温度を、例えば120
〜130℃に加熱する。この減圧・蒸煮によって、木材
12の組織が壊れ、特に木材組織の導管内を通る水分等
を遮断したり導通させたりする有縁壁孔を構成するトー
ルスと称される弁状の構成が壊れるものと考えられ、そ
れに伴って、木材組織内の樹脂が拡散し、有縁壁孔の閉
鎖が防止されて、木材組織の導管内に水分や樹脂等が入
り易い状態になる。
材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした建材の製造
装置10を使用して建材70を形成する製造方法につい
て説明する。 (1)先ず、蒸煮タンク14の開閉扉15を開いて、装
入口16から、第1の搬送コンベア11によって搬送さ
れた、例えば丸太等の木材12を蒸煮タンク14の中に
装入する。 (2)開閉扉15を閉じ、第2、第3のバルブ22、2
4を閉じ、第1のバルブ20を開いて、真空ポンプ18
を駆動して蒸煮タンク14内の圧力を、例えば真空度が
20〜30mmHg程度に減圧する。そして、加熱装置
17によって蒸煮タンク14内の温度を、例えば120
〜130℃に加熱する。この減圧・蒸煮によって、木材
12の組織が壊れ、特に木材組織の導管内を通る水分等
を遮断したり導通させたりする有縁壁孔を構成するトー
ルスと称される弁状の構成が壊れるものと考えられ、そ
れに伴って、木材組織内の樹脂が拡散し、有縁壁孔の閉
鎖が防止されて、木材組織の導管内に水分や樹脂等が入
り易い状態になる。
【0017】(3)この状態を20〜40分程度維持し
た後、第2、第3のバルブ22、24を開き、蒸煮タン
ク14内の圧力を大気圧に戻してから開閉扉15を開い
て、真空加圧処理した木材12を蒸煮タンク14から取
り出し、減圧蒸煮工程を終了し、第2の搬送コンベア2
6によって含浸装置28の近傍に搬送する。このとき、
蒸煮タンク14内の木材12から滲出した水分や樹脂等
は排出管21、第2のバルブ22を介して滲出物収納槽
23に流れて溜められる。 (4)含浸装置28の含浸タンク29の開閉扉30を開
き、第2の搬送コンベア26によって搬送された所定量
の木材12を装入口31から含浸タンク29の中に装入
する。 (5)開閉扉30を閉じ、第4のバルブ32を開放し、
第5のバルブ35、第6のバルブ38及び第9のバルブ
51を閉じる。そして、真空ポンプ34を運転して含浸
タンク29内の空気を排除し、含浸タンク29内を所定
の真空度、例えば20〜30mmHgにして40〜60
分保持する。
た後、第2、第3のバルブ22、24を開き、蒸煮タン
ク14内の圧力を大気圧に戻してから開閉扉15を開い
て、真空加圧処理した木材12を蒸煮タンク14から取
り出し、減圧蒸煮工程を終了し、第2の搬送コンベア2
6によって含浸装置28の近傍に搬送する。このとき、
蒸煮タンク14内の木材12から滲出した水分や樹脂等
は排出管21、第2のバルブ22を介して滲出物収納槽
23に流れて溜められる。 (4)含浸装置28の含浸タンク29の開閉扉30を開
き、第2の搬送コンベア26によって搬送された所定量
の木材12を装入口31から含浸タンク29の中に装入
する。 (5)開閉扉30を閉じ、第4のバルブ32を開放し、
第5のバルブ35、第6のバルブ38及び第9のバルブ
51を閉じる。そして、真空ポンプ34を運転して含浸
タンク29内の空気を排除し、含浸タンク29内を所定
の真空度、例えば20〜30mmHgにして40〜60
分保持する。
【0018】(6)木材12の真空処理後、第6のバル
ブ38を開放して、含浸タンク29の中に貯留タンク3
7から熱硬化性樹脂27を吸い上げる。このとき、真空
ポンプ34により含浸タンク29内を真空にするだけで
は、含浸タンク29内の上部に含浸タンク29の容積の
例えば1〜2%程度の空間ができるので、この空間分の
熱硬化性樹脂27を補充する。すなわち、第4のバルブ
32、第6のバルブ38及び第7のバルブ45を閉じ、
第8のバルブ48、及び第9のバルブ51を開き、加圧
ポンプ47を駆動して、樹脂補充管49から分岐管4
6、圧力調整バルブ50及び樹脂管52を介して含浸タ
ンク29内に熱硬化性樹脂27を供給し、熱硬化性樹脂
27が空気管33の入口に達するまで含浸タンク29の
中に熱硬化性樹脂27を完全充填する。含浸タンク29
が完全充填された後、第8のバルブ48を閉じる。ここ
で、貯留タンク37から熱硬化性樹脂27が含浸タンク
29に完全充填されるまで供給されるので、貯留タンク
37内の熱硬化性樹脂27のレベルは隔壁42の上端よ
り下がるが、計量タンク43内の熱硬化性樹脂27のレ
ベルは隔壁42の上端と一致し、この状態が計量タンク
43の初期状態となる。
ブ38を開放して、含浸タンク29の中に貯留タンク3
7から熱硬化性樹脂27を吸い上げる。このとき、真空
ポンプ34により含浸タンク29内を真空にするだけで
は、含浸タンク29内の上部に含浸タンク29の容積の
例えば1〜2%程度の空間ができるので、この空間分の
熱硬化性樹脂27を補充する。すなわち、第4のバルブ
32、第6のバルブ38及び第7のバルブ45を閉じ、
第8のバルブ48、及び第9のバルブ51を開き、加圧
ポンプ47を駆動して、樹脂補充管49から分岐管4
6、圧力調整バルブ50及び樹脂管52を介して含浸タ
ンク29内に熱硬化性樹脂27を供給し、熱硬化性樹脂
27が空気管33の入口に達するまで含浸タンク29の
中に熱硬化性樹脂27を完全充填する。含浸タンク29
が完全充填された後、第8のバルブ48を閉じる。ここ
で、貯留タンク37から熱硬化性樹脂27が含浸タンク
29に完全充填されるまで供給されるので、貯留タンク
37内の熱硬化性樹脂27のレベルは隔壁42の上端よ
り下がるが、計量タンク43内の熱硬化性樹脂27のレ
ベルは隔壁42の上端と一致し、この状態が計量タンク
43の初期状態となる。
【0019】(7)次に、第7のバルブ45を開き、加
圧ポンプ47を駆動して、計量タンク43から含浸タン
ク29に熱硬化性樹脂27を所定圧力、例えば15気圧
程度を保持しながら供給し、所定時間例えば40〜60
分維持する。したがって、含浸タンク29の中では、所
定圧力を維持した熱硬化性樹脂27の中に、木材組織が
壊れ更に真空処理された木材12が装入された状態にな
るので、次第に木材12の中に熱硬化性樹脂27が浸透
して注入される。木材12に熱硬化性樹脂27が注入さ
れると、含浸タンク29内の熱硬化性樹脂27が減少
し、含浸タンク29内の圧力が低下しようとするが、加
圧ポンプ47によって所定圧力に維持するように熱硬化
性樹脂27が計量タンク43から含浸タンク29に追加
供給される。なお、加圧ポンプ47によって含浸タンク
29内の圧力が所定圧力以上になると、圧力調整バルブ
50によって熱硬化性樹脂27が戻し管53を介して計
量タンク43に戻され、含浸タンク29内の圧力は常に
所定圧力に維持される。
圧ポンプ47を駆動して、計量タンク43から含浸タン
ク29に熱硬化性樹脂27を所定圧力、例えば15気圧
程度を保持しながら供給し、所定時間例えば40〜60
分維持する。したがって、含浸タンク29の中では、所
定圧力を維持した熱硬化性樹脂27の中に、木材組織が
壊れ更に真空処理された木材12が装入された状態にな
るので、次第に木材12の中に熱硬化性樹脂27が浸透
して注入される。木材12に熱硬化性樹脂27が注入さ
れると、含浸タンク29内の熱硬化性樹脂27が減少
し、含浸タンク29内の圧力が低下しようとするが、加
圧ポンプ47によって所定圧力に維持するように熱硬化
性樹脂27が計量タンク43から含浸タンク29に追加
供給される。なお、加圧ポンプ47によって含浸タンク
29内の圧力が所定圧力以上になると、圧力調整バルブ
50によって熱硬化性樹脂27が戻し管53を介して計
量タンク43に戻され、含浸タンク29内の圧力は常に
所定圧力に維持される。
【0020】(8)追加供給された熱硬化性樹脂27は
計量タンク43の熱硬化性樹脂27の減少量として樹脂
量計54によって測定され、熱硬化性樹脂27の減少量
が所定値になったときに、加圧ポンプ47を停止して、
熱硬化性樹脂27の供給を停止する。 (9)第5及び第6のバルブ35、38を開放し、含浸
タンク29内の熱硬化性樹脂27を連絡管39を介して
貯留タンク37内に落とす。 (10)含浸タンク29内の熱硬化性樹脂27が排除さ
れたら、開閉扉30を開いて含浸タンク29内の木材1
2を取り出し、所定量だけ熱硬化性樹脂27が含浸され
た木材12を得て含浸工程を終了する。なお、木材12
に含浸される熱硬化性樹脂27の量は木材12の種類や
生育状態によって異なるが、国産の杉材では木材12の
重量の5〜30%程度が適量とされている。
計量タンク43の熱硬化性樹脂27の減少量として樹脂
量計54によって測定され、熱硬化性樹脂27の減少量
が所定値になったときに、加圧ポンプ47を停止して、
熱硬化性樹脂27の供給を停止する。 (9)第5及び第6のバルブ35、38を開放し、含浸
タンク29内の熱硬化性樹脂27を連絡管39を介して
貯留タンク37内に落とす。 (10)含浸タンク29内の熱硬化性樹脂27が排除さ
れたら、開閉扉30を開いて含浸タンク29内の木材1
2を取り出し、所定量だけ熱硬化性樹脂27が含浸され
た木材12を得て含浸工程を終了する。なお、木材12
に含浸される熱硬化性樹脂27の量は木材12の種類や
生育状態によって異なるが、国産の杉材では木材12の
重量の5〜30%程度が適量とされている。
【0021】(11)予め、樹脂加熱槽57の加熱装置
56によって樹脂加熱槽57内に充填された熱媒58の
温度を60〜80℃程度に上昇させてパラフィンワック
スを液状化させておき、図5に示すように、巻上機59
によって吊り上げられた圧縮型押し成形機61を搬送装
置60によって含浸装置28側に搬送し、巻上機59に
よって圧縮型押し成形機61を下降させ、熱硬化性樹脂
27が含浸された木材12を下型64に装着し、圧縮型
押し成形機61によって上型63を取付けたラムプレー
ト66を降下させ、下型64と上型63とによって木材
12を挟んで圧縮型押し成形機61の成形型62に装着
する。 (12)巻上機59によって圧縮型押し成形機61を上
昇させて、搬送装置60によって圧縮型押し成形機61
を樹脂加熱槽57の上方まで搬送して、巻上機59によ
って圧縮型押し成形機61を下降させ、木材12と共に
圧縮型押し成形機61を樹脂加熱槽57の熱媒58の中
に浸漬させる。
56によって樹脂加熱槽57内に充填された熱媒58の
温度を60〜80℃程度に上昇させてパラフィンワック
スを液状化させておき、図5に示すように、巻上機59
によって吊り上げられた圧縮型押し成形機61を搬送装
置60によって含浸装置28側に搬送し、巻上機59に
よって圧縮型押し成形機61を下降させ、熱硬化性樹脂
27が含浸された木材12を下型64に装着し、圧縮型
押し成形機61によって上型63を取付けたラムプレー
ト66を降下させ、下型64と上型63とによって木材
12を挟んで圧縮型押し成形機61の成形型62に装着
する。 (12)巻上機59によって圧縮型押し成形機61を上
昇させて、搬送装置60によって圧縮型押し成形機61
を樹脂加熱槽57の上方まで搬送して、巻上機59によ
って圧縮型押し成形機61を下降させ、木材12と共に
圧縮型押し成形機61を樹脂加熱槽57の熱媒58の中
に浸漬させる。
【0022】(13)図4に示すように、巻上機59に
よって圧縮型押し成形機61を、少なくとも上型63が
熱媒58に浸漬するまで下降させ、加熱装置56によっ
て熱媒58を加熱して、木材12の温度を110〜13
0℃になるまで上昇させ、木材12を可塑化させる。こ
の状態で圧縮型押し成形機61の油圧シリンダー67に
よってラムプレート66を下方に押し下げて下型64と
上型63との間に装着された木材12を塑性圧縮変形加
工する。更に、130〜180℃に加熱して含浸した熱
硬化性樹脂27の熱硬化を行う。このとき、木材12
は、熱媒58によって加熱されて塑性変形が容易なゴム
状あるいは粘土状となっているので、例えば3〜30k
g/cm2 程度の圧力で上型63、下型64の形状に倣
って変形し、建材70が形成される。
よって圧縮型押し成形機61を、少なくとも上型63が
熱媒58に浸漬するまで下降させ、加熱装置56によっ
て熱媒58を加熱して、木材12の温度を110〜13
0℃になるまで上昇させ、木材12を可塑化させる。こ
の状態で圧縮型押し成形機61の油圧シリンダー67に
よってラムプレート66を下方に押し下げて下型64と
上型63との間に装着された木材12を塑性圧縮変形加
工する。更に、130〜180℃に加熱して含浸した熱
硬化性樹脂27の熱硬化を行う。このとき、木材12
は、熱媒58によって加熱されて塑性変形が容易なゴム
状あるいは粘土状となっているので、例えば3〜30k
g/cm2 程度の圧力で上型63、下型64の形状に倣
って変形し、建材70が形成される。
【0023】(14)成形工程の終了後、図5に示すよ
うに、巻上機59によって圧縮型押し成形機61を上昇
させ、搬送装置60によって樹脂加熱槽57の下流側の
第3の搬送コンベア74上に移動させ、圧縮型押し成形
機61を下降させる。そして、油圧シリンダー67によ
ってラムプレート66と共に上型63を上昇させて、上
型63を建材70から引き離し、下型64から建材70
を取り出して第3の搬送コンベア74上に載置する。 (15)成形工程を終了した建材70は徐々に冷却して
養生するか、アフターベーキング炉75によって数10
分〜数時間、100〜130℃で加熱(アフターベーキ
ング)することにより、更に熱硬化性樹脂27の硬化を
進め、建材70の寸法精度を安定させ、アフターベーキ
ング終了後、第4の搬送コンベア76によって次の工程
に搬送する。
うに、巻上機59によって圧縮型押し成形機61を上昇
させ、搬送装置60によって樹脂加熱槽57の下流側の
第3の搬送コンベア74上に移動させ、圧縮型押し成形
機61を下降させる。そして、油圧シリンダー67によ
ってラムプレート66と共に上型63を上昇させて、上
型63を建材70から引き離し、下型64から建材70
を取り出して第3の搬送コンベア74上に載置する。 (15)成形工程を終了した建材70は徐々に冷却して
養生するか、アフターベーキング炉75によって数10
分〜数時間、100〜130℃で加熱(アフターベーキ
ング)することにより、更に熱硬化性樹脂27の硬化を
進め、建材70の寸法精度を安定させ、アフターベーキ
ング終了後、第4の搬送コンベア76によって次の工程
に搬送する。
【0024】このようにして、木材は減圧蒸煮工程によ
って木材組織が壊れて熱硬化性樹脂が含浸され易くな
り、その状態で木材に熱硬化性樹脂を真空加圧含浸させ
ることにより、木材組織に入っていた空気や水分が熱硬
化性樹脂に置き替わる。更に、木材の可塑化温度以上に
加熱して粘土状あるいはゴム状に可塑化し、成形型によ
って圧縮成形することにより、容易に成形型に倣った形
状に成形することができる。また、圧縮成形後に熱硬化
性樹脂の熱硬化温度に加熱することにより、木材に含浸
された熱硬化性樹脂が硬化し、硬度の高い、表面に光沢
が出る建材を得ることができる。
って木材組織が壊れて熱硬化性樹脂が含浸され易くな
り、その状態で木材に熱硬化性樹脂を真空加圧含浸させ
ることにより、木材組織に入っていた空気や水分が熱硬
化性樹脂に置き替わる。更に、木材の可塑化温度以上に
加熱して粘土状あるいはゴム状に可塑化し、成形型によ
って圧縮成形することにより、容易に成形型に倣った形
状に成形することができる。また、圧縮成形後に熱硬化
性樹脂の熱硬化温度に加熱することにより、木材に含浸
された熱硬化性樹脂が硬化し、硬度の高い、表面に光沢
が出る建材を得ることができる。
【0025】なお、変形例として、例えば、前記実施の
形態で用いた圧縮成形装置55の構成の中で、Vブロッ
クからなる成形型62の代わりに、図6(B)に示すよ
うに、成形型77の上型78に複数の突条部79を設
け、下型80には角形溝81を設けて上型78と下型8
0の間に含浸工程を経た木材を装入し、上型78と下型
80の間で加熱・圧縮して敷居状の建材82を形成する
ようにしてもよい。また、前記実施の形態に係る建材の
製造装置10で、第1の搬送コンベア11、減圧蒸煮装
置13、第2の搬送コンベア26、含浸装置28、圧縮
成形装置55、搬送装置60、第3の搬送コンベア74
等の動作はプログラマブルコントローラからなる制御装
置(図示しない)によって、シーケンス制御を行い、木
材12の蒸煮から圧縮成形に至る連続した工程の自動化
が可能である。
形態で用いた圧縮成形装置55の構成の中で、Vブロッ
クからなる成形型62の代わりに、図6(B)に示すよ
うに、成形型77の上型78に複数の突条部79を設
け、下型80には角形溝81を設けて上型78と下型8
0の間に含浸工程を経た木材を装入し、上型78と下型
80の間で加熱・圧縮して敷居状の建材82を形成する
ようにしてもよい。また、前記実施の形態に係る建材の
製造装置10で、第1の搬送コンベア11、減圧蒸煮装
置13、第2の搬送コンベア26、含浸装置28、圧縮
成形装置55、搬送装置60、第3の搬送コンベア74
等の動作はプログラマブルコントローラからなる制御装
置(図示しない)によって、シーケンス制御を行い、木
材12の蒸煮から圧縮成形に至る連続した工程の自動化
が可能である。
【0026】以上、本発明を一実施の形態に係る国産
材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした建材の製造
方法について説明してきたが、本発明は、何ら前記の実
施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許
請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられる
その他の実施の形態や変形例も含むものである。例え
ば、図7に示す本発明の他の実施の形態に係る国産材、
杉・松、間伐材等の木材を原材料とした木材成形品の製
造装置のように、前記実施の形態に係る国産材、杉・
松、間伐材等の木材を原材料とした建材の製造装置10
で説明した圧縮成形装置55の油圧プレスを用いた圧縮
型押し成形機61の代わりに、例えば陶磁器や粘土人形
等の素材となる圧縮成形品を多量生産するときに用いら
れる、15〜18気圧で圧縮成形が可能な圧縮型押し成
形機83を用いてもよい。すなわち、圧縮型押し成形機
83に複数の木材成形品93を同時に成形する成形型8
4を取付け、巻上機59に電動式ねじ移動装置85を設
けて圧縮型押し成形機83を昇降させるようにし、加熱
により液状にした熱媒58を充填させた樹脂加熱槽57
に中に成形型84と共に圧縮型押し成形機83を浸漬し
て加熱するようにしている。
材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした建材の製造
方法について説明してきたが、本発明は、何ら前記の実
施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許
請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられる
その他の実施の形態や変形例も含むものである。例え
ば、図7に示す本発明の他の実施の形態に係る国産材、
杉・松、間伐材等の木材を原材料とした木材成形品の製
造装置のように、前記実施の形態に係る国産材、杉・
松、間伐材等の木材を原材料とした建材の製造装置10
で説明した圧縮成形装置55の油圧プレスを用いた圧縮
型押し成形機61の代わりに、例えば陶磁器や粘土人形
等の素材となる圧縮成形品を多量生産するときに用いら
れる、15〜18気圧で圧縮成形が可能な圧縮型押し成
形機83を用いてもよい。すなわち、圧縮型押し成形機
83に複数の木材成形品93を同時に成形する成形型8
4を取付け、巻上機59に電動式ねじ移動装置85を設
けて圧縮型押し成形機83を昇降させるようにし、加熱
により液状にした熱媒58を充填させた樹脂加熱槽57
に中に成形型84と共に圧縮型押し成形機83を浸漬し
て加熱するようにしている。
【0027】この場合、成形型84の上型86に複数の
円錐台状突出部87を形成し、下型88には円錐台状突
出部87が隙間を開けて嵌入し得る複数の円錐台状凹部
89を形成して、圧縮型押し成形機83のボルスター9
0に下型88を取付け、油圧シリンダー91によって昇
降するラム92には上型86を取付けて、上型86と下
型88の間に含浸工程を経た円板状の木材を装入し、上
型86と下型88の間で加熱・圧縮して皿、あるいは丼
状容器等の複数の木材成形品93を同時に形成するよう
にしている。また、この場合、含浸装置の近傍に木材を
所定の大きさに切断する切断装置を設けて、最終製品の
形状に応じた素材木材を形成する素材加工工程を行い、
素材木材を上型86と下型88の間に装着して成形工程
を容易にしてもよい。更に、前記実施の形態では熱硬化
性樹脂としてフェノール樹脂を使用した例について説明
したが、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性
樹脂を使用することも可能である。
円錐台状突出部87を形成し、下型88には円錐台状突
出部87が隙間を開けて嵌入し得る複数の円錐台状凹部
89を形成して、圧縮型押し成形機83のボルスター9
0に下型88を取付け、油圧シリンダー91によって昇
降するラム92には上型86を取付けて、上型86と下
型88の間に含浸工程を経た円板状の木材を装入し、上
型86と下型88の間で加熱・圧縮して皿、あるいは丼
状容器等の複数の木材成形品93を同時に形成するよう
にしている。また、この場合、含浸装置の近傍に木材を
所定の大きさに切断する切断装置を設けて、最終製品の
形状に応じた素材木材を形成する素材加工工程を行い、
素材木材を上型86と下型88の間に装着して成形工程
を容易にしてもよい。更に、前記実施の形態では熱硬化
性樹脂としてフェノール樹脂を使用した例について説明
したが、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等の熱硬化性
樹脂を使用することも可能である。
【0028】したがって、このような木材成形品の製造
装置を用いて、所望の形状を備えた成形型を油圧プレス
あるいは圧縮型押し成形機に装着し、熱硬化性樹脂を含
浸した木材を加熱圧縮成形することにより、例えば柱、
壁板、木製サッシ、戸枠、窓枠、手摺り等の建材や、高
級感の要求される椅子、テーブル、置時計の枠、ペン軸
等の事務用具、人形、玩具、漆塗り器類の素材等の木材
成形品を提供することができる。更に、このようにして
形成された木材成形品は、熱硬化性樹脂の耐熱性、電気
絶縁性等の特性を備えているので、テレビや電気掃除機
等の家電製品のケースや電気機器の絶縁部品としても利
用することが可能となる。また、前記実施の形態に係る
国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした建材の
製造装置10を使用して建材70を形成する製造方法で
は、減圧蒸煮工程の後、含浸工程を行った例について説
明したが、高周波乾燥機又は高温蒸気式乾燥機を含む加
熱乾燥装置を設け、加熱乾燥装置に減圧・蒸煮した木材
を装入して、減圧蒸煮工程の後に50〜100℃程度の
乾燥工程を行い、木材を乾燥するようにしてもよい。こ
の場合、木材が十分に乾燥されていない間伐材等の木材
でも、加熱乾燥装置によって急速に木材組織の中の水分
を除去することができ、後工程の含浸工程で熱硬化性樹
脂を十分に木材に含浸することができる。なお、解体木
造住宅の木材等の乾燥状態や保存状態が良い木材を再利
用して木材成形品を形成するときには、乾燥工程を省略
したり、減圧蒸煮工程を省略してもよい。
装置を用いて、所望の形状を備えた成形型を油圧プレス
あるいは圧縮型押し成形機に装着し、熱硬化性樹脂を含
浸した木材を加熱圧縮成形することにより、例えば柱、
壁板、木製サッシ、戸枠、窓枠、手摺り等の建材や、高
級感の要求される椅子、テーブル、置時計の枠、ペン軸
等の事務用具、人形、玩具、漆塗り器類の素材等の木材
成形品を提供することができる。更に、このようにして
形成された木材成形品は、熱硬化性樹脂の耐熱性、電気
絶縁性等の特性を備えているので、テレビや電気掃除機
等の家電製品のケースや電気機器の絶縁部品としても利
用することが可能となる。また、前記実施の形態に係る
国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした建材の
製造装置10を使用して建材70を形成する製造方法で
は、減圧蒸煮工程の後、含浸工程を行った例について説
明したが、高周波乾燥機又は高温蒸気式乾燥機を含む加
熱乾燥装置を設け、加熱乾燥装置に減圧・蒸煮した木材
を装入して、減圧蒸煮工程の後に50〜100℃程度の
乾燥工程を行い、木材を乾燥するようにしてもよい。こ
の場合、木材が十分に乾燥されていない間伐材等の木材
でも、加熱乾燥装置によって急速に木材組織の中の水分
を除去することができ、後工程の含浸工程で熱硬化性樹
脂を十分に木材に含浸することができる。なお、解体木
造住宅の木材等の乾燥状態や保存状態が良い木材を再利
用して木材成形品を形成するときには、乾燥工程を省略
したり、減圧蒸煮工程を省略してもよい。
【0029】
【発明の効果】請求項1〜3記載の国産材、杉・松、間
伐材等の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造
方法においては、乾燥した木材に熱硬化性樹脂を真空加
圧含浸する含浸工程と、含浸工程を経た木材を圧縮型押
し成形機に装着した状態で、樹脂加熱層内にて加熱して
塑性圧縮変形加工を行い、更に含浸した熱硬化性樹脂の
熱硬化を行う成形工程とを有するので、木材組織の導管
内に水分や樹脂等が入り易くなる。その後、含浸工程で
熱硬化性樹脂を真空加圧含浸して、成形工程で木材を例
えば130〜180℃に加熱することにより、木材を軟
化させ、所望の形状に成形して熱硬化性樹脂を熱硬化さ
せ、高い硬度を備えた長期間使用しても熱変形や摩耗が
少なく、しかも表面に光沢を備えた水分の吸収・発散が
極めて少なく、寿命の長い建材、木材成形品を形成する
ことができる。また、解体木造住宅の木材の再利用がで
き、省エネ、省資源、環境問題に寄与することができ
る。
伐材等の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造
方法においては、乾燥した木材に熱硬化性樹脂を真空加
圧含浸する含浸工程と、含浸工程を経た木材を圧縮型押
し成形機に装着した状態で、樹脂加熱層内にて加熱して
塑性圧縮変形加工を行い、更に含浸した熱硬化性樹脂の
熱硬化を行う成形工程とを有するので、木材組織の導管
内に水分や樹脂等が入り易くなる。その後、含浸工程で
熱硬化性樹脂を真空加圧含浸して、成形工程で木材を例
えば130〜180℃に加熱することにより、木材を軟
化させ、所望の形状に成形して熱硬化性樹脂を熱硬化さ
せ、高い硬度を備えた長期間使用しても熱変形や摩耗が
少なく、しかも表面に光沢を備えた水分の吸収・発散が
極めて少なく、寿命の長い建材、木材成形品を形成する
ことができる。また、解体木造住宅の木材の再利用がで
き、省エネ、省資源、環境問題に寄与することができ
る。
【0030】請求項2記載の国産材、杉・松、間伐材等
の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造方法に
おいては、成形工程以前に最終製品の形状に応じた素材
木材を形成する素材加工工程を有しているので、木材を
最終製品の形状に応じた形状の素材木材を形成して、そ
の素材木材を成形工程で用いる圧縮型押し成形機に設け
た成形型に装着することができ、成形型がコンパクトに
なり、圧縮成形作業を容易にすることができる。
の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造方法に
おいては、成形工程以前に最終製品の形状に応じた素材
木材を形成する素材加工工程を有しているので、木材を
最終製品の形状に応じた形状の素材木材を形成して、そ
の素材木材を成形工程で用いる圧縮型押し成形機に設け
た成形型に装着することができ、成形型がコンパクトに
なり、圧縮成形作業を容易にすることができる。
【0031】請求項3記載の国産材、杉・松、間伐材等
の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造方法に
おいては、成形工程は、液状の熱媒中に浸漬した状態で
行っているので、木材は均一に加熱されて軟化し、圧縮
成形だけによる成形加工が極めて容易となり複雑な形
状、例えば彫刻製品に類似した形状を備えた備品や、食
器類等の木材成形品を形成することができ、しかも圧縮
型押し成形機の容量を小さくすることができる。また、
同時に熱硬化性樹脂の熱硬化も進行するので、成形工程
を効率よく行うことができ、整形後の変形が生じ難い建
材や木材成形品を提供できる。
の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造方法に
おいては、成形工程は、液状の熱媒中に浸漬した状態で
行っているので、木材は均一に加熱されて軟化し、圧縮
成形だけによる成形加工が極めて容易となり複雑な形
状、例えば彫刻製品に類似した形状を備えた備品や、食
器類等の木材成形品を形成することができ、しかも圧縮
型押し成形機の容量を小さくすることができる。また、
同時に熱硬化性樹脂の熱硬化も進行するので、成形工程
を効率よく行うことができ、整形後の変形が生じ難い建
材や木材成形品を提供できる。
【0032】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る国産材、杉・松、
間伐材等の木材を原材料とした建材の製造装置の構成図
である。
間伐材等の木材を原材料とした建材の製造装置の構成図
である。
【図2】同減圧蒸煮装置の正面図である。
【図3】同真空加圧含浸装置の正面図である。
【図4】同圧縮成形装置の成形加工中の状態を示す正面
図である。
図である。
【図5】同圧縮成形装置の成形加工前後の状態を示す正
面図である。
面図である。
【図6】(A)は同圧縮成形装置に装着される成形型の
側面図、(B)は同圧縮成形装置に装着される成形型の
変形例を示す側面図である。
側面図、(B)は同圧縮成形装置に装着される成形型の
変形例を示す側面図である。
【図7】本発明の他の実施の形態に係る国産材、杉・
松、間伐材等の木材を原材料とした木材成形品の製造装
置の圧縮型押し成形機を示す正面図である。
松、間伐材等の木材を原材料とした木材成形品の製造装
置の圧縮型押し成形機を示す正面図である。
【符号の説明】
10:国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした
建材の製造装置、11:第1の搬送コンベア、12:木
材、13:減圧蒸煮装置、14:蒸煮タンク、15:開
閉扉、16:装入口、17:加熱装置、18:真空ポン
プ、19:吸引管、20:第1のバルブ、21:排出
管、22:第2のバルブ、23:滲出物収納槽、24:
第3のバルブ、25:空気取入口、26:第2の搬送コ
ンベア、27:熱硬化性樹脂、28:含浸装置、29:
含浸タンク、30:開閉扉、31:装入口、32:第4
のバルブ、33:空気管、34:真空ポンプ、35:第
5のバルブ、36:空気取入口、37:貯留タンク、3
8:第6のバルブ、39:連絡管、40:底部、41:
樹脂量計、42:隔壁、43:計量タンク、44:吸い
上げ管、45:第7のバルブ、46:分岐管、47:加
圧ポンプ、48:第8のバルブ、49:樹脂補充管、5
0:圧力調整バルブ、51:第9のバルブ、52:樹脂
管、53:戻し管、54:樹脂量計、55:圧縮成形装
置、56:加熱装置、57:樹脂加熱槽、58:熱媒、
59:巻上機、60:搬送装置、61:圧縮型押し成形
機、62:成形型、63:上型、63A:溝部、64:
下型、64A:溝部、65:ボルスタープレート、6
6:ラムプレート、67:油圧シリンダー、68:シリ
ンダープレート、69:ガイドポスト、70:建材、7
1:カバー、72:走行台車、73:搬送レール、7
4:第3の搬送コンベア、75:アフターベーキング
炉、76:第4の搬送コンベア、77:成形型、78:
上型、79:突条部、80:下型、81:角形溝、8
2:建材、83:圧縮型押し機、84:成形型、85:
電動式ねじ移動装置、86:上型、87:円錐台状突出
部、88:下型、89:円錐台状凹部、90:ボルスタ
ー、91:油圧シリンダー、92:ラム、93:木材成
形品
建材の製造装置、11:第1の搬送コンベア、12:木
材、13:減圧蒸煮装置、14:蒸煮タンク、15:開
閉扉、16:装入口、17:加熱装置、18:真空ポン
プ、19:吸引管、20:第1のバルブ、21:排出
管、22:第2のバルブ、23:滲出物収納槽、24:
第3のバルブ、25:空気取入口、26:第2の搬送コ
ンベア、27:熱硬化性樹脂、28:含浸装置、29:
含浸タンク、30:開閉扉、31:装入口、32:第4
のバルブ、33:空気管、34:真空ポンプ、35:第
5のバルブ、36:空気取入口、37:貯留タンク、3
8:第6のバルブ、39:連絡管、40:底部、41:
樹脂量計、42:隔壁、43:計量タンク、44:吸い
上げ管、45:第7のバルブ、46:分岐管、47:加
圧ポンプ、48:第8のバルブ、49:樹脂補充管、5
0:圧力調整バルブ、51:第9のバルブ、52:樹脂
管、53:戻し管、54:樹脂量計、55:圧縮成形装
置、56:加熱装置、57:樹脂加熱槽、58:熱媒、
59:巻上機、60:搬送装置、61:圧縮型押し成形
機、62:成形型、63:上型、63A:溝部、64:
下型、64A:溝部、65:ボルスタープレート、6
6:ラムプレート、67:油圧シリンダー、68:シリ
ンダープレート、69:ガイドポスト、70:建材、7
1:カバー、72:走行台車、73:搬送レール、7
4:第3の搬送コンベア、75:アフターベーキング
炉、76:第4の搬送コンベア、77:成形型、78:
上型、79:突条部、80:下型、81:角形溝、8
2:建材、83:圧縮型押し機、84:成形型、85:
電動式ねじ移動装置、86:上型、87:円錐台状突出
部、88:下型、89:円錐台状凹部、90:ボルスタ
ー、91:油圧シリンダー、92:ラム、93:木材成
形品
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
Fターム(参考) 2B230 AA15 AA30 BA02 CB25 EA20
EB02 EB13
2B250 AA01 BA05 BA09 DA01 FA21
HA01 HA05
Claims (7)
- 【請求項1】 木材を蒸煮タンク内で減圧蒸煮すること
により、前記木材内の樹脂の拡散を行う減圧蒸煮工程
と、前記減圧蒸煮工程を経た前記木材に熱硬化性樹脂を
真空加圧含浸する含浸工程と、前記含浸工程を経た前記
木材を圧縮型押し成形機に装着した状態で、樹脂加熱層
内にて加熱して塑性圧縮変形加工を行い、更に含浸した
前記熱硬化性樹脂の熱硬化を行う成形工程とを有するこ
とを特徴とする国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材
料とした建材及び木材成形品の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の国産材、杉・松、間伐材
等の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造方法
において、前記含浸工程以前に前記木材を加熱乾燥する
乾燥工程を有することを特徴とする国産材、杉・松、間
伐材等の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造
方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2記載の国産材、杉・松、
間伐材等の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製
造方法において、前記成形工程以前に最終製品の形状に
応じた素材木材を形成する素材加工工程を有することを
特徴とする国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料と
した建材及び木材成形品の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1又は2記載の国産材、杉・松、
間伐材等の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製
造方法において、前記成形工程は、液状の熱媒中に浸漬
した状態で行うことを特徴とする国産材、杉・松、間伐
材等の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造方
法。 - 【請求項5】 木材を減圧した状態で加熱する減圧蒸煮
装置と、前記木材に熱硬化性樹脂を真空加圧含浸する含
浸装置と、前記熱硬化性樹脂を真空加圧含浸した木材を
圧縮成形する圧縮型押し成形機と、前記圧縮型押し成形
機と共に前記木材を前記熱硬化性樹脂の硬化温度まで上
昇可能な樹脂加熱槽とを備えたことを特徴とする国産
材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした建材及び木
材成形品の製造装置。 - 【請求項6】 請求項5記載の国産材、杉・松、間伐材
等の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造装置
において、前記樹脂加熱槽は、加熱により液状にした油
脂からなる熱媒を充填していることを特徴とする国産
材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした建材及び木
材成形品の製造装置。 - 【請求項7】 請求項5又は6記載の国産材、杉・松、
間伐材等の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製
造装置において、減圧蒸煮した前記木材を加熱乾燥する
高周波乾燥機又は高温蒸気式乾燥機を含む加熱乾燥装置
を設けたことを特徴とする国産材、杉・松、間伐材等の
木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002332218A JP2003145511A (ja) | 2002-11-15 | 2002-11-15 | 国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002332218A JP2003145511A (ja) | 2002-11-15 | 2002-11-15 | 国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造方法 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000131452A Division JP2001310306A (ja) | 2000-04-28 | 2000-04-28 | 国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造方法及び製造装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003145511A true JP2003145511A (ja) | 2003-05-20 |
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ID=19197719
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002332218A Pending JP2003145511A (ja) | 2002-11-15 | 2002-11-15 | 国産材、杉・松、間伐材等の木材を原材料とした建材及び木材成形品の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003145511A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008044353A (ja) * | 2006-07-20 | 2008-02-28 | Yamaha Corp | 木質成形体の製造方法及び木質構造材、車両用内装材、音響用構造材 |
KR101161922B1 (ko) | 2009-05-13 | 2012-07-03 | 강승모 | 제주도 삼나무를 이용한 목재 고분자 복합체 및 그 제조방법 |
WO2017130957A1 (ja) * | 2016-01-27 | 2017-08-03 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 | 植物系材料の成形方法及び成形体 |
US10434680B2 (en) | 2014-06-10 | 2019-10-08 | Ilvolankoski Oy | Method for producing a wood product by means of hot pressing and use of method |
Citations (6)
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JPH09295303A (ja) * | 1996-05-02 | 1997-11-18 | Hisaka Works Ltd | 木材の圧密化方法 |
-
2002
- 2002-11-15 JP JP2002332218A patent/JP2003145511A/ja active Pending
Patent Citations (6)
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US20210170625A1 (en) * | 2016-01-27 | 2021-06-10 | National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology | Method of molding plant-based material and molded body |
US11691312B2 (en) | 2016-01-27 | 2023-07-04 | National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology | Method of molding plant-based material and molded body |
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