JP2003145392A - 工具ホルダ及び工作機械 - Google Patents

工具ホルダ及び工作機械

Info

Publication number
JP2003145392A
JP2003145392A JP2001345671A JP2001345671A JP2003145392A JP 2003145392 A JP2003145392 A JP 2003145392A JP 2001345671 A JP2001345671 A JP 2001345671A JP 2001345671 A JP2001345671 A JP 2001345671A JP 2003145392 A JP2003145392 A JP 2003145392A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tool holder
supply pipe
mist supply
mist
tool
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2001345671A
Other languages
English (en)
Inventor
Masahito Kinouchi
木ノ内雅人
Motofumi Kuroda
基文 黒田
Tetsuya Meiji
哲也 明事
Yoshihiro Doi
義博 土井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2001345671A priority Critical patent/JP2003145392A/ja
Publication of JP2003145392A publication Critical patent/JP2003145392A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Auxiliary Devices For Machine Tools (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ミスト状切削油剤を工具先端にまで安定に供
給することができ、セミドライ加工に対応することがで
きる工具ホルダ及び工作機械を提供する。 【解決手段】 工具ホルダ本体4の内部に工具ホルダ本
体4の回転に影響されない非回転の切削油剤ミスト供給
管7を設置し、主軸1内部の非回転のミスト供給管8と
密着させて一体化させることにより、主軸1及び工具ホ
ルダ本体4内部でのミストの液状化を防止し、工具6手
前までミスト状切削油剤を安定に供給する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は工具ホルダ及び工作
機械に関するものである。
【0002】
【従来の技術】工作機械による加工では被加工物や工具
の冷却及び潤滑、又は切り屑の除去などのため加工部に
多量の切削油剤を供給しながら加工作業を行っている。
しかし、加工時使用する切削油剤は環境汚染や作業員の
健康上の悪影響、切削油剤の廃油処理に伴うコスト増
加、被加工物の過冷却による工具寿命の低下、又は切削
油剤過多による工具の微細切り込み加工時の滑り磨耗な
ど様々な問題の原因となっている。また加工時に多量の
切削油剤が切り屑に付着するため、切り屑の処理や再利
用の際これに付着した切削油剤を分離することが必要と
なる。
【0003】このような中、作業・加工能率向上の要求
やISO14001をはじめとする環境問題に対する関
心の高まりから、主に作業環境の改善を狙いとして、切
削油剤を使用しないで加工を行う、いわゆるドライ加工
の要求が高まっている。しかしFMSなどの発達により
無人加工で安定した品質が得られることが要求されてい
るため、信頼性が低いという理由からドライ加工を敢え
て適用している例はまだ多くない。
【0004】これらの問題を解決するため、極微量の切
削油剤をミスト状にして加工部に吹き付けながら加工す
る、いわゆるMQL(Minimum Quantit
yLubrication)加工を行うものとした工作
機械が出現してきている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】MQL加工における加
工点へのミスト供給方法としては、外部からノズル等に
より供給する外部給油法と主軸内や工具ホルダ内に流路
を設けてその中を通す軸心給油法がある。このうち軸心
給油法は被加工物の比較的深い個所を加工する際に工具
先端部を効果的に潤滑することができる優れた方法であ
るが、安定したミストを工具先端部へ供給することが難
しいという問題を抱えている。
【0006】図3は従来から多用されている工作機械の
スピンドルヘッドの先端部概略断面を表す。主軸1は図
3の中に図示していない主軸駆動モータに連結してお
り、主軸駆動モーターの回転が主軸1を回転させる。ま
た、主軸1と工具ホルダ本体4、プルスタッドネジ5及
び工具6はすべて取付機構により連結されており、作業
時は主軸1、工具ホルダ4、プルスタッドネジ5及び工
具6の全てが高速回転することによって被加工物に加工
が施される。
【0007】ここで、切削油剤のミストは図3の中に図
示していない切削油剤霧化装置で生成され、順に主軸1
内部の空間eからプルスタットネジ5内部の空間f、工
具ホルダ本体4内部の空間g、工具6内部の空間dの中
をf1方向に流れる。
【0008】この時、安定したミスト供給が困難となる
原因としては以下2つの原因が考えられる。すなわち一
つめは、主軸1、工具ホルダ本体4、プルスタッドネジ
5、工具6が高速回転するため、ミストが通る前記e、
f、g、dの空間内部に働く遠心力によりミストが当該
空間内壁に付着し液状化することである。また二つめ
は、当該空間内の内径が均一ではなく、特に内径が大き
く変化する箇所では乱流が発生しミストが液状化するこ
とである。この結果、工具6先端から切削油剤が出なか
ったり液だれを生じたりし、切削油剤の供給が不安定と
なり切削油剤噴出作動の開始及び停止の応答性を損ねる
問題が発生している。
【0009】解決策として、主軸1の内部に非回転のミ
スト供給管を挿入し上記問題を回避させる技術がある
(登録実用新案3060856号、登録実用新案306
4423号、登録実用新案3064424号)。しかし
ながら、当該技術における非回転のミスト供給管は主軸
1内部にしか設置されておらず、プルスタッドネジ5及
び工具ホルダ本体4の内部には設けられていない。工具
6先端にまで確実にミストを供給するためには、工具6
近傍まで安定したミストを運ぶことが重要であり、プル
スタッドネジ5及び工具ホルダ本体4の内部にも非回転
のミスト供給管を設置することの有用性は高い。しかし
工具ホルダ本体4は主軸1との取り外しがあるため、主
軸1内部と工具ホルダ本体4内部のミスト供給管同士の
接続部やミスト供給管と工具ホルダ本体4とのシール機
構について課題がある。
【0010】本発明は上記状況に鑑みてなされたもの
で、切削油剤のミストを工具先端にまで安定に供給可能
な工具ホルダ及び工作機械を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する第1
の発明は、切削油剤霧化装置により発生させた切削油剤
のミストを工具先端にまでミスト状態を保たせながら安
定に供給するため、主軸に取り付けられて主軸とともに
回転される工具ホルダ本体の内部に、前記主軸や前記工
具ホルダ本体の回転には影響されない非回転の工具ホル
ダ内ミスト供給管を設置したことを特徴とする工具ホル
ダである。
【0012】また、第2の発明は、第1の発明におい
て、前記工具ホルダ内ミスト供給管の内径変化により発
生するミストの乱流及びそれにより引き起こされるミス
トの液状化を防ぐため、前記工具ホルダ内ミスト供給管
の内径が一定であることを特徴とする工具ホルダであ
る。なお、供給管については、主軸の内部に設置された
ミスト供給管の内径についても一定にすることで同様の
効果を得ることができ、更には前記工具ホルダ内ミスト
供給管と前記主軸内ミスト供給管の内径を一致させミス
ト供給管全部にわたって一定にすることでより良い効果
を得ることができる。
【0013】また、第3の発明は、第1又は第2の発明
において、主軸内のミスト供給管と前記工具ホルダ内ミ
スト供給管同士をシールするため及び前記主軸内ミスト
供給管の非回転状態を前記工具ホルダ内ミスト供給管に
伝達させるために、前記工具ホルダ内ミスト供給管の前
記主軸側の端部が、前記主軸内ミスト供給管に対しOリ
ングを介して押接されることを特徴とする工具ホルダで
ある。
【0014】また、第4の発明は、第1ないし第3のい
ずれかの発明において、作業時における軸方向への振動
や遠心力による工具ホルダ本体の変動に対応するため、
前記工具ホルダ内ミスト供給管が軸方向に移動可能とな
っていることを特徴とする工具ホルダである。
【0015】また、第5の発明は、第1ないし第4のい
ずれかの発明において、前記工具ホルダ内ミスト供給管
の工具側の端部と前記工具ホルダ本体との間が高速回転
部のシールに有効であるラビリンスシール機構でシール
されており、前記工具ホルダ内ミスト供給管の軸方向の
移動範囲が前記ラビリンスシール機構のシール機能を損
なわない範囲で規制されていることを特徴とする工具ホ
ルダである。
【0016】また、第6の発明は、第5の発明におい
て、前記工具ホルダ内ミスト供給管の外面に対し気圧が
加えられていることを特徴とする工具ホルダである。す
なわち、前記ラビリンスシール機構のシール部における
前記工具ホルダ内ミスト供給管の内部と外部の圧力差を
小さくし、前記ラビリンスシール機構における前記工具
ホルダ内ミスト供給管外部へのミストの漏洩を防止する
ため、前記工具ホルダ内ミスト供給管の外部(前記工具
ホルダ本体の内部における当該供給管の外部)に対し気
体による圧力が加えられているのである。なお、前記気
圧は例えば空気気流や窒素ガス気流などを用いて発生さ
せることができる。
【0017】また、第7の発明は、工具ホルダの工具ホ
ルダ本体内に、当該工具ホルダ本体に装着される工具近
くにまで伸びる工具ホルダ内ミスト供給管を前記工具ホ
ルダ本体に対し回転自在に設ける一方、主軸内に主軸内
ミスト供給管を支持し、前記主軸に前記工具ホルダが装
着されたときに前記主軸内ミスト供給管の端面が前記工
具ホルダ内ミスト供給管の端面にOリングを介して弾力
的に押し付けられて、前記工具ホルダ内ミスト供給管が
前記主軸内ミスト供給管と共に前記工具ホルダに対し非
回転とされることを特徴とする工作機械である。この発
明において、前記工具ホルダ内ミスト供給管は内径が一
定であるものや軸方向に移動可能なもの、前記工具ホル
ダ本体との間がラビリンスシール機構でシールされてい
るもの、当該ラビリンスシール機構のシール機能を損な
わない範囲で軸方向に移動可能なものを使用することが
できる。また、前記工具ホルダ本体の内部における工具
ホルダ内ミスト供給管の外部に気体による圧力が加えら
れるようになっていてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面に
基づき詳細に説明する。図1は本発明の一実施形態例に
係る工具ホルダを搭載した工作機械の先端部概略断面図
である。図2は図1中のシール部Bの拡大図であり、ラ
ビリンスシール機構を表す。
【0019】図1に示すように主軸1の内部に軸受10
を介して主軸内ミスト供給管8が支持されている。図1
の中に図示していない主軸駆動モーターは主軸1のみに
連結され主軸1を回転させるが、主軸内ミスト供給管8
は軸受10を介することにより主軸1に支持されている
ため、主軸1の回転とは独立して非回転状態が保たれ
る。
【0020】また、工具ホルダ本体4及びプルスタッド
ネジ5の内部には二つの軸受9a、9bを介して工具ホ
ルダ内ミスト供給管7が支持されている。ここで、図1
の中に図示していない切削油剤霧化装置で生成された切
削油剤のミストは主軸内ミスト供給管8の内部、工具ホ
ルダ内ミスト供給管7の内部、工具ホルダ本体4の下端
部、さらには内部に切削油剤の通路が設けられた工具6
の内部を通り、工具先端に供給される。
【0021】ここで、安定にミスト状態を維持したまま
工具先端からミスト状切削油剤を噴出させるためには、
前記二つの課題を解決しなければならない。すなわち二
つの課題とは、ミスト供給管の回転で発生する遠心力に
よるミストの液状化と、ミスト供給管の内径変化で発生
するミスト乱流によるミストの液状化である。
【0022】本実施形態では、工具ホルダ本体4の内部
にも非回転(本非回転機構については以下で説明する)
の工具ホルダ内ミスト供給管7を設置し、非回転のミス
ト供給管を主軸内のみでなく工具ホルダ本体4の内部に
まで延長してある。これにより、高速回転する主軸1と
工具ホルダ本体4において、主軸1の内部でのミストの
液状化防止のみならず工具ホルダ本体4の内部での液状
化を防止することが可能となる。
【0023】また、工具ホルダ内ミスト供給管7は内径
が一定の供給管であり、内径が一定でない供給管内部で
発生するミスト乱流及び当該乱流によるミストの液状化
を防止することができる。すなわち非回転でありかつ内
径が一定の工具ホルダ内ミスト供給管7により前記二つ
の課題を解決し、工具6先端からの安定したミスト状切
削油剤の供給が実現する。
【0024】また、供給管内径の問題に関しては、工具
ホルダ内ミスト供給管7の内径のみでなく、主軸内ミス
ト供給管8の内径についても一定にすることで同様の効
果を得ることができ、更には工具ホルダ内ミスト供給管
7と主軸内ミスト供給管8の内径を一致させミスト供給
管全部にわたって一定にすることでより良い効果を得る
ことができる。なおミストの乱流は急激な内径変化に伴
って顕著に現れるため、主軸内ミスト供給管8の内径が
工具ホルダ内ミスト供給管7の内径に比べ大きく、両供
給管の接続部分(図1中のシール部A)において急激な
内径変化が起こる場合、主軸内ミスト供給管8の内径を
工具ホルダ内ミスト供給管7の内径に徐々に近づけるこ
とにより、又は両供給管内径を徐々に近づけることによ
り、当該接続部で内径を一致させミストの乱流発生を回
避することができる。
【0025】次に、工具ホルダ内ミスト供給管7を非回
転とする機構について説明する。工具ホルダ内ミスト供
給管7は二つの軸受9a、9bを介して工具ホルダ本体
4に支持されているため、これにより工具ホルダ内ミス
ト供給管5は工具ホルダ本体4の回転とは独立して存在
することができる。一方、主軸内ミスト供給管8の工具
ホルダ側の端部と工具ホルダ内ミスト供給管7の主軸側
の端部との接続部であるシール部Aは、工具ホルダ内ミ
スト供給管7の主軸側の端部にOリング14を埋め込
み、このOリング14を介して工具ホルダ内ミスト供給
管7の主軸側の端部を主軸内ミスト供給管8の工具ホル
ダ側の端部に押接させた構造となっている。また、主軸
1内に設けられたバネ受け12と主軸内ミスト供給管8
の工具ホルダ側の端部との間に挟まれたバネ11の弾性
力により、シール部Aは常に密着状態となっている。
【0026】このように、非回転の主軸内ミスト供給管
8と工具ホルダ本体4の高速回転には影響されない工具
ホルダ内ミスト供給管7とを密着させ一体化させること
で、主軸内ミスト供給管8の非回転状態を工具ホルダ内
ミスト供給管7に伝達し、工具ホルダ内ミスト供給管7
を非回転化させている。
【0027】また、主軸内ミスト供給管8のバネ11に
よるf1方向への最大移動量は止めネジ13で押さえら
れており、主軸本体3から工具ホルダ本体4の取り外し
(工具ホルダ本体4と一体的に工具ホルダ内ミスト供給
管7も取り外される)の際に主軸内ミスト供給管8が主
軸本体3の中から必要以上に出てこないようになってい
る。
【0028】図2は工具ホルダ内ミスト供給管7の工具
側の端部と工具ホルダ本体4の接続部であるシール部B
の拡大図である。図2に示すようにシール部Bは工具ホ
ルダ本体4が工具ホルダ内ミスト供給管7に対して高速
回転するため、高速回転部のシールに有効であるラビリ
ンスシール機構16を用いてシールをおこなう。このラ
ビリンスシール機構16はシール面に凹凸を付すことに
よってシール効果を高めたもので、シール面間隔が凹凸
部の大きさt2より広くなったりt1より狭くなったり
すると、十分なシール機能が発揮されない。すなわち、
シール面間隔がt2より広くなるとラビリンスシール機
構16特有の凹凸面を利用したシール効果が低下する結
果、高速回転に対応できなくなる。また、シール面間隔
がt1より狭くなると高速回転の工具ホルダ本体4と非
回転の工具ホルダ内ミスト供給管7が接触するおそれが
ある。
【0029】一方、作業中の工作機械自体が受ける軸方
向(f1及びf2方向)の振動や高速回転による工具ホ
ルダ本体4のf2方向への変動により、ミスト供給管の
非回転機能やシール部Bのシール機能に不具合が生じる
ことがある。この不具合は非回転のミスト供給管が軸方
向に遊びを持たない場合に起こり、本実施形態ではこれ
を解消するため、工具ホルダ内ミスト供給管7に肉厚部
15を設けてある。これにより、工具ホルダ内ミスト供
給管7は軸方向へ規制された範囲で移動することができ
る。
【0030】図1に示すように、工具ホルダ内ミスト供
給管7における二つの軸受9a、9bにより挟まれた部
分に、軸方向の長さと位置が調整された肉厚部15を設
けることにより、工具ホルダ内ミスト供給管7が軸方向
(f1、f2)に一定量移動が可能となっている。すな
わち、工具ホルダ内ミスト供給管7はバネ11により主
軸内ミスト供給管8を介して常にf1方向へ押されてお
り、肉厚部15下端が下部軸受9bに押し付けられてい
る。この状態から肉厚部15上端が上部軸受9aに接触
するまで、工具ホルダ内ミスト供給管7はf2方向に移
動が可能なため、この移動により作業中に生じる軸方向
の振動を吸収することができる。
【0031】また、工具ホルダ内ミスト供給管7の前記
軸方向への移動は工具ホルダ本体4の動きと独立してお
り、シール部Bのシール面間隔の変化に伴う前記ラビリ
ンスシール機構16のシール機能への悪影響が考えられ
る。この悪影響を避けるため、工具ホルダ内ミスト供給
管7の軸方向の移動量を、最もf1方向へ移動した時で
も当該シール面間隔がt1を有し、逆に最もf2方向へ
移動した時でも当該シール面間隔が凹凸部の大きさt2
を越えないように抑制する必要がある。本実施形態で
は、当該シール面間隔がt1の時に肉厚部15の端部1
5b(図1中、下側の端部)と下部軸受9bが接するよ
うにし、当該シール面間隔がt2の時に肉厚部15の端
部15a(図1中、上側の端部)と上部軸受9aが接す
るように、工具ホルダ内ミスト供給管7に肉厚部15を
設けている。これにより、工具ホルダ内ミスト供給管7
は軸方向へ規制された範囲で移動することができる。
【0032】以上のように工具ホルダ内ミスト供給管7
の決められた中腹部に肉厚部15を設けることにより、
軸方向に規制された移動範囲で工具ホルダ内ミスト供給
管7が移動することができ、シール部Bにおけるラビリ
ンスシール機構16を有効に作用させつつ作業時の軸方
向の振動等に対応することができる。なお、前記移動範
囲を規制する機構については本実施形態に係る機構のほ
かに、肉厚部15が連続した(繋がった)一つの部分か
らなるのではなく肉厚部15の端部15a及び端部15
bに相当する部分のみが肉厚となった二つの凸部からな
る機構や、当該二つの凸部が上部軸受9aを挟んで両側
に設置される機構または当該二つの凸部が下部軸受9b
を挟んで両側に設置される機構など、移動範囲を規制す
るストッパ部として機能するものであればどのようなも
のであってもよい。
【0033】次に、シール部Bにおける切削油剤の漏洩
を防止する機構について説明する。工具ホルダ本体4と
工具ホルダ内ミスト供給管7との空間cにはミスト供給
時には常に気体による圧力が加えられるようになってい
る。一方、ミスト供給時は当該供給管7内部をミスト状
切削油剤が流れ、シール部Bからの切削油剤の漏洩が問
題となるが、当該空間cに前記圧力を加えることにより
シール部Bにおける当該供給管7の内部と外部の圧力差
が小さくなる結果、切削油剤の漏洩を防止することがで
きる。
【0034】なお、前記圧力を加える方法はどのような
方法でもよいが、本実施形態では、主軸1から工具ホル
ダ本体4が取り外されている時に主軸1と工具ホルダ本
体4の接続部(テーパ部)に付いた切屑等を排除するた
めに主軸1と主軸内ミスト供給管8との空間aに供給さ
れる気体を利用している。すなわち、前記空間a、プル
スタッドネジ5と工具ホルダ内ミスト供給管7との空間
b、工具ホルダ本体4と工具ホルダ内ミスト供給管7と
の空間cは全て繋がった空間であり、当該空間aに気体
を供給することで前記空間cに圧力をかけることができ
る。またこのとき使用できる気体としては空気や窒素ガ
ス等が考えられる。
【0035】
【発明の効果】第1発明によれば、主軸に取り付けられ
て主軸とともに回転される工具ホルダ本体の内部に、ミ
スト状の切削油剤を供給する、前記主軸や前記工具ホル
ダ本体の回転には影響されない非回転の工具ホルダ内ミ
スト供給管を設置することにより、工具ホルダ内におけ
るミスト状切削油剤の液状化を防止し、ミスト状切削油
剤を工具先端にまでミスト状態を保たせながら安定に供
給することできる。またこれにより、従来多量の切削油
剤を使っていた切削作業を極微量の切削油剤でおこなえ
るようになり、多量の切削油剤による環境汚染や作業員
への悪影響及び工具寿命の低下、廃油処理に伴うコスト
増加等の問題を改善することができる。
【0036】また、第2発明によれば、前記工具ホルダ
内ミスト供給管の内径が一定であることにより、供給管
内径の変化が引き起こすミストの乱流及びミストの液状
化を防止し、工具先端にまで安定にミスト状切削油剤を
供給することができる。
【0037】また、第3発明によれば、前記工具ホルダ
内ミスト供給管の前記主軸側の端部が前記主軸内のミス
ト供給管に対しOリングを介して押接されることによ
り、両供給管の接続部に挟み込まれた前記Oリングは当
該接続部をシールしかつ前記主軸内ミスト供給管の非回
転状態を前記工具ホルダ内ミスト供給管に伝達すること
で工具ホルダ内ミスト供給管を非回転化させることがで
きる。これにより、主軸との取り外しがおこなわれる工
具ホルダ本体の内部に、主軸内ミスト供給管との接続を
要する工具ホルダ内ミスト供給管を設置することが困難
であったという問題を解決し、主軸本体との取り外しを
可能としながら工具ホルダ本体の内部にまで非回転のミ
スト供給管を延長して設置することが可能となった。
【0038】また、第4発明によれば、前記工具ホルダ
内ミスト供給管を軸方向に移動可能とすることにより、
作業時における軸方向への振動や遠心力による工具ホル
ダ本体の変動に対応することができる。
【0039】また、第5発明によれば、前記工具ホルダ
内ミスト供給管の工具側の端部と前記工具ホルダ本体と
の間がラビリンスシール機構でシールされており、また
前記工具ホルダ内ミスト供給管の軸方向の移動範囲が前
記ラビリンスシール機構のシール機能を損ねない範囲で
規制されていることにより、高速回転部のシールに有効
であるラビリンスシール機構を効果的に利用し、かつ作
業時における軸方向への振動や遠心力による工具ホルダ
本体の変動に対応することができる。
【0040】また、第6発明によれば、前記工具ホルダ
内ミスト供給管の外面に対し気圧が加えられていること
により、前記ラビリンスシール機構における当該供給管
の内部と外部の圧力差を小さくし、当該シール部におけ
る当該供給管からの切削油剤の漏洩を防止することがで
きる。
【0041】また、第7発明によれば、工作機械におい
て、工具ホルダの工具ホルダ本体内に、当該工具ホルダ
本体に装着される工具近くにまで伸びる工具ホルダ内ミ
スト供給管を前記工具ホルダ本体に対し回転自在に設け
る一方、主軸内に主軸内ミスト供給管を支持し、前記主
軸に前記工具ホルダが装着されたときに前記主軸内ミス
ト供給管の端面を前記工具ホルダ内ミスト供給管の端面
にOリングを介して弾力的に押し付け、前記工具ホルダ
内ミスト供給管を前記主軸内ミスト供給管と共に前記工
具ホルダに対し非回転とすることにより、主軸及び工具
ホルダ本体の高速回転には影響されない切削油剤ミスト
供給管を工具手前まで設置することが可能となり、工具
先端からのミスト状切削油剤の供給を極めて安定におこ
なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる工具ホルダを搭載した工作機械
の先端部の断面図である。
【図2】図1におけるシール部Bの拡大図である。
【図3】従来のスピンドルヘッド先端部の一例の概略断
面図である。
【符号の説明】 1 主軸 2 工具ホルダ 3 主軸本体 4 工具ホルダ本体 5 プルスタッドネジ 6 工具 7 工具ホルダ内ミスト供給管 8 主軸内ミスト供給管 9a 上部軸受 9b 下部軸受 10 軸受 11 バネ 12 バネ受け 13 止めネジ 14 Oリング 15 肉厚部 15a 肉厚部の端部 15b 肉厚部の端部 16 ラビリンスシール機構 a 主軸本体3と主軸内ミスト供給管8との空間 b プルスタッドネジ5と工具ホルダ内ミスト供給管7
との空間 c 工具ホルダ本体4と工具ホルダ内ミスト供給管7と
の空間 d 工具内部の空間 e 主軸本体3の内部 f プルスタッドネジ5の内部 g 工具ホルダ本体4の内部 A 工具ホルダ内ミスト供給管7と主軸内ミスト供給管
8とのシール部 B 工具ホルダ内ミスト供給管7と工具ホルダ本体4と
のシール部 f1 軸方向の移動 f2 軸方向の移動 t1 シール部Bにおけるラビリンスシールの凸部の高
さ t2 シール部Bにおける最小時シール面間隔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 明事 哲也 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 (72)発明者 土井 義博 広島県広島市西区観音新町四丁目6番22号 三菱重工業株式会社広島研究所内 Fターム(参考) 3C011 EE06 EE09

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主軸に取り付けられて主軸とともに回転
    される工具ホルダ本体の内部に、ミスト状の切削油剤を
    供給する、前記主軸や前記工具ホルダ本体の回転には影
    響されない非回転の工具ホルダ内ミスト供給管を設置し
    たことを特徴とする工具ホルダ。
  2. 【請求項2】 前記工具ホルダ内ミスト供給管の内径
    が、一定であることを特徴とする請求項1記載の工具ホ
    ルダ。
  3. 【請求項3】 前記工具ホルダ内ミスト供給管の前記主
    軸側の端部が、前記主軸内のミスト供給管に対しOリン
    グを介して押接されることを特徴とする請求項1又は2
    に記載の工具ホルダ。
  4. 【請求項4】 前記工具ホルダ内ミスト供給管が軸方向
    に移動可能となっていることを特徴とする請求項1ない
    し3のいずれかに記載の工具ホルダ。
  5. 【請求項5】 前記工具ホルダ内ミスト供給管の工具側
    の端部と前記工具ホルダ本体との間がラビリンスシール
    機構でシールされており、前記工具ホルダ内ミスト供給
    管の軸方向の移動範囲が前記ラビリンスシール機構のシ
    ール機能を損なわない範囲で規制されていることを特徴
    とする請求項1ないし4のいずれかに記載の工具ホル
    ダ。
  6. 【請求項6】 前記工具ホルダ内ミスト供給管の外面に
    対し気圧が加えられていることを特徴とする請求項5記
    載の工具ホルダ。
  7. 【請求項7】 工具ホルダの工具ホルダ本体内に、当該
    工具ホルダ本体に装着される工具近くにまで伸びる工具
    ホルダ内ミスト供給管を前記工具ホルダ本体に対し回転
    自在に設ける一方、主軸内に主軸内ミスト供給管を支持
    し、前記主軸に前記工具ホルダが装着されたときに前記
    主軸内ミスト供給管の端面が前記工具ホルダ内ミスト供
    給管の端面にOリングを介して弾力的に押し付けられ
    て、前記工具ホルダ内ミスト供給管が前記主軸内ミスト
    供給管と共に前記工具ホルダに対し非回転とされること
    を特徴とする工作機械。
JP2001345671A 2001-11-12 2001-11-12 工具ホルダ及び工作機械 Withdrawn JP2003145392A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001345671A JP2003145392A (ja) 2001-11-12 2001-11-12 工具ホルダ及び工作機械

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001345671A JP2003145392A (ja) 2001-11-12 2001-11-12 工具ホルダ及び工作機械

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003145392A true JP2003145392A (ja) 2003-05-20

Family

ID=19158972

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001345671A Withdrawn JP2003145392A (ja) 2001-11-12 2001-11-12 工具ホルダ及び工作機械

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003145392A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007307688A (ja) * 2006-05-22 2007-11-29 Denso Corp 工作機械用の工具ホルダ

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007307688A (ja) * 2006-05-22 2007-11-29 Denso Corp 工作機械用の工具ホルダ

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4609893B2 (ja) 工具ホルダー
US6179692B1 (en) Work machining method
US6602031B2 (en) Machining method and mist supplying apparatus
JP3316680B1 (ja) 工作機械の主軸装置
US4921376A (en) Arbor for mounting a tool to a spindle of a machine tool and a machining method of employing the same
JPS62193704A (ja) 超精密旋盤
EP0860637B1 (en) Bearing seal with uniform fluid purge
US7509719B2 (en) Method and device for lubricating bearing positions, especially in machine tools or their parts
US7090448B2 (en) Tool holder assembly
JP2001012360A (ja) 回転流体カップリング
JP4720823B2 (ja) 加工装置
JP2003145392A (ja) 工具ホルダ及び工作機械
JP3511198B2 (ja) ガンドリルの切粉気流除去装置
JP2005529757A (ja) 同軸の潤滑システム
JP2008110430A (ja) 加工方法及び工作機械
JP2002018676A (ja) 工作機械の主軸の軸受潤滑廃油排出装置
JP2595522Y2 (ja) 木工用回転継手
JP3064423U (ja) 工作機械の工作回転軸装置
JP2004034163A (ja) 工具ホルダの冷却方法および工具ホルダ
EP0988927A2 (en) A method of machining a workpiece and apparatus for supplying mist used therein
KR20040021964A (ko) 드릴링머신의 비트 냉각 및 윤활장치 및 그 방법
US20020085889A1 (en) Machining method and mist supplying apparatus for use in the method
CN213317713U (zh) 一种钻孔机的主轴
JP2001087986A (ja) 工具保持具の冷却装置
JP5353158B2 (ja) 工作機械用主軸装置

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20050201