JP2003145173A - 酸化マグネシウムを用いた廃酸の中和処理法 - Google Patents

酸化マグネシウムを用いた廃酸の中和処理法

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JP2003145173A JP2001350560A JP2001350560A JP2003145173A JP 2003145173 A JP2003145173 A JP 2003145173A JP 2001350560 A JP2001350560 A JP 2001350560A JP 2001350560 A JP2001350560 A JP 2001350560A JP 2003145173 A JP2003145173 A JP 2003145173A
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英敏 石澤
Michio Oiwa
道夫 大岩
Takao Matsumoto
孝雄 松本
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MISAKI SANGYO KK
Yoshizawa Lime Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】廃酸の収納された容器の破砕片など、廃酸が付
着した被洗浄物の洗浄と中和を効果的に行う。容器内の
強酸性液の中和処理を経済的に行うとともに、中和処理
と同時に酸化マグネシウムの共存成分による吸着効果等
によってPb++(イオン)の処理その他の事後的処理を
容易にする。 【解決手段】廃酸の付着する被洗浄物(廃酸収納容器の
破砕片等)が混入された洗浄液に乾燥酸化マグネシウム
の粉末を添加することにより、水和熱と中和熱の両反応
熱を利用して、pHを5〜8とする中和処理と被洗浄物の
洗浄処理とを行った後、上記酸化マグネシウムの未反応
残留物と水和された水酸化マグネシウムを主成分とする
未反応残留物を用いて、上記廃酸を含む強酸性液を中和
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃酸の中和処理
法、主として廃酸を収納する容器等をリサイクルする際
に、容器に付着していた廃酸及び容器に収納されていた
廃酸を中和処理するための処理法に関するものである。
【0002】
【従来技術】酸を収納した容器、例えば酸性液を内臓す
る鉛蓄電池は、耐酸性のPP(ポリプロピレン)系合成樹
脂材によって形成された容器(上蓋を含む)に電解液と
しての希硫酸を収容し、この電解液中に鉛系電極を配設
して成る。陽極には過酸化鉛(PbO2)が、また陰極
には海綿状鉛(巣鉛)がそれぞれ用いられる。
【0003】回収処分される鉛蓄電池(廃鉛蓄電池)
は、解体され、通常、電極と容器はリサイクル処理さ
れ、電解液は中和処理後、外部環境に放流される。電極
は、竪炉によりコークス等を用いて溶融及び還元されて
金属鉛のインゴットとして回収され、新しい電極に再生
される。容器は、粗砕機で粗砕後、いわゆる廃プラとし
てリサイクルされる。
【0004】容器のリサイクル処理は、具体的には、粗
砕機によって例えば片長20〜50mm、肉厚2〜5mm程
度の大きさに粗砕されたプラスチック破砕片を、循環水
槽内の水と接触させ、浮遊状態で表面洗浄した後、回収
して袋(フレキシブルコンテナ)詰めする。洗浄は常温
(通常10〜30度C)で行われ、回収されたプラスチ
ック破砕片のpHは1〜2程度である。
【0005】また、電解液は、pH=0〜0.5の硫酸酸
性水溶液で、少量の懸濁性微粒子とPbイオン(P
++)を含んでいる。中和処理には、通常、苛性ソーダ
(水酸化ナトリウム)水溶液(夏期約48重量%、冬期
約25重量%)が用いられる。その反応式は、次の通り
である。 H2SO4+2NaOH=NaSO4+2H2O+QNNは中和熱を示す そして、中和液中のPb++(イオン)を除去するため
に、凝集剤及びキレート剤添加、濾過などの高度な処理
を行った後、放流される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来の処理法
の場合、粗砕されたプラスチック破砕片には強酸性(pH
=0〜0.5)の電解液が付着しているため、循環水槽
内の洗浄水がpH=1〜2程度の強酸性となり、洗浄水の
中和処理が必要となる。また、洗浄後の破砕片は、依然
としてpHが1〜2程度の強酸性を示すため、その取扱い
に注意を要する。更に、常温での洗浄のため、破砕片表
面に付着していた砂その他の異物を除去しにくい。
【0007】電解液の中和に苛性ソーダを用いる従来の
処理法の場合、処理費に関して、コスト改善が望まれて
いる。また、中和液中に含まれるPb++(イオン)を除
去するために、凝集剤及びキレート剤を添加したり、濾
過などの高度な処理を行わないと、外部に放流できな
い。
【0008】本発明の主目的は、廃酸の収納された容器
の破砕片など、廃酸が付着した被洗浄物の洗浄と中和を
効果的に行って、被洗浄物をリサイクルする際の回収さ
れた被洗浄物の質的向上を図ることのできる、廃酸の中
和処理法を提供することにある。
【0009】本発明の別の目的は、上記目的に加えて、
廃蓄電池の電解液など強酸性液の中和処理を経済的に行
うとともに、中和処理と同時に酸化マグネシウムの共存
成分による吸着効果等により、Pb++(イオン)の処理
その他の事後的処理を容易にする、廃酸の中和処理法を
提供することにある。
【0010】
【課題を達成するための手段】本発明は、上記した目的
を達成するために次の構成を備える。すなわち、請求項
1の発明は、廃酸を収納していた合成樹脂質収納容器を
破砕した後、その破砕片を洗浄する工程で乾燥酸化マグ
ネシウムの粉末を添加することにより、水和熱と中和熱
の両反応熱を利用して破砕片に付着していた廃酸の中和
と破砕片の洗浄とを行う、点に特徴がある。
【0011】また、請求項2の発明は、請求項1の発明
の構成に加えて、合成樹脂製破砕片の中和及び洗浄工程
に使用した酸化マグネシウム中の未反応残留物及び水和
された水酸化マグネシウムを主成分とする未反応残留物
を用いて、前記合成樹脂質収納容器に収納されていた強
酸性液を中和する、点に特徴を有する。
【0012】更に、請求項3の発明は、廃酸の付着物を
容器破砕片に限ることなく、洗浄を必要とする他の廃酸
付着物(被洗浄物)及び廃酸液について本発明を適用し
たもので、廃酸の付着する被洗浄物が混入された洗浄液
に乾燥酸化マグネシウムの粉末を添加することにより、
水和熱と中和熱の両反応熱を利用して、pHを5〜8とす
る中和処理と被洗浄物の洗浄処理とを行った後、上記酸
化マグネシウムの未反応残留物と水和された水酸化マグ
ネシウムを主成分とする未反応残留物を用いて、上記廃
酸を含む強酸性液を中和する、点に特徴を有する。
【0013】本発明では、容器を構成するプラスチック
材の破砕片あるいは被洗浄物(以下、破砕片等という)
の洗浄工程に酸化マグネシウム(MgO)を中和剤とし
て用い、水和(消和)熱と中和熱の両反応熱を利用する
ことで、洗浄液中に混入した廃酸の中和を行うと同時に
破砕片等の洗浄を行う。粉末酸化マグネシウム(乾燥
物)を循環水槽に適量添加することで、洗浄液のpHは5
〜8に保たれる。
【0014】循環水槽の洗浄液中に添加された酸化マグ
ネシウムによる主反応は次の通りである。 MgO+H2O=Mg(OH)2+QHHは水和熱を示す H2SO4+Mg(OH)2=MgSO4+2H2O+QN'N'は中和熱を示す なお、Mg(OH)2スラリーを中和剤に使用する場合
にはQH(水和熱)を使用できない。
【0015】例えば100Kgの廃酸(温度20℃)に8
〜9Kgの酸化マグネシウムを添加し、軽く撹拌すること
により、中和反応は極めて速やかに進行し、液温は85
〜95℃に達する(pH=6〜8)。本発明の場合、酸化
マグネシウムを用いて破砕片等の表面及び洗浄液を中和
することで、温度上昇は65〜75℃になる。水酸化マ
グネシウム30重量%のスラリー添加の場合には、温度
上昇は25〜35℃程度である。循環液の温度が上昇す
ることで、破砕片等の表面に付着した強酸性液の中和に
は極めて効果的であるばかりでなく、洗浄効果が上昇す
る。回収後の破砕片等に付着する洗浄液の量は、粘度の
低下効果もあって減少し、しかも中性(pH=6〜8)で
あるので、袋詰、保管、貯蔵、輸送等多くの面で、安全
且つ好適である。
【0016】本発明で用いられる酸化マグネシウムの入
手源は、大別すると次の2通りが考えられる。 (1).MgCO3(炭酸マグネシウム:天然素材)及びM
g(OH)2(水酸化マグネシウム:天然素材)の熱分
解法及び脱水法によるもの。 主反応 MgCO3→MgO+CO2↑ 主反応 Mg(OH)2→MgO+H2O↑(水蒸気) (2).海水中のMgCl2(塩化マグネシウム)のアルカ
リ分解法及び脱水法によるもの。 主反応 MgCl2+Ca(OH)2 (水酸化カルシウ
ム)→Mg(OH)2↓+CaCl2(水酸化マグネシウ
ム)(塩化カルシウム) Mg(OH)2→MgO+H2O↑(水蒸気)
【0017】過去10年間の実績から判断し、将来傾向
を予測すると、酸化マグネシウム源の大半は、炭酸マグ
ネシウムの熱分解法により得られたものが主流を占める
と予測される。資源としては海外資源に依存する度合い
が大であるが、埋蔵量及び産出量が豊富であり、比較的
簡単な工程で生産できるので、価格が安価であり、経済
性を見出し得ることが最大のメリットである。一方、海
水中の塩化マグネシウムから酸化マグネシウムを得る方
法は、少なくとも二段階の反応を経て製造する必要があ
り、水酸化カルシウムと水酸化マグネシウムの分離が比
較的困難であるので、製造費用が若干高くなる傾向があ
る。ただし、得られる酸化マグネシウムの品位は、天然
鉱物を資源とする場合と異なり、海水中の溶解成分を資
源としているので、比較的品位が安定し、純度が高いと
いう長所を有している。
【0018】本発明では、上記したように、乾燥酸化マ
グネシウム粉末を廃酸収納容器のプラスチック破砕片等
の洗浄及び廃酸の中和に使用することを特徴としてい
る。本発明に適用される酸化マグネシウムの主な特性
(成分比率)について次に説明する。
【0019】(1).酸化マグネシウムの特性 炭酸マグネシウム(MgCO3)を主成分とする鉱石を
熱分解するに際し、比較的低温度(800℃以下)で均
一に加熱し、半融状態にならないことが重要である。こ
れにより、多孔質で比表面積(内部表面積)が大であっ
て、吸着及びイオン交換特性等を期待できる性状の酸化
マグネシウムが得られる。本発明の酸化マグネシウムは
こうした特性を有するものであることが望ましい。添加
剤として本発明方法に使用される場合、含有率としては
純然たる酸化マグネシウムが高いほど望ましい条件であ
るが、90%以上であれば十分に適用可能である(一部
に後述する夾雑物を含むものであって良い)。
【0020】(2).酸化カルシウム(CaO)の共存 酸化マグネシウムとはいえ、天然資源であるため、炭酸
カルシウムが若干含まれているのは当然である。勿論、
酸化カルシウムの含有率は小であることが望ましい条件
であるが、3重量%以下であれば特に問題がない。
【0021】(3).その他の成分 酸化カルシウム以外に、酸化ケイ素(SiO2)、酸化
アルミニウム(Al2 3)、酸化第2鉄(Fe23)等
が通常含まれている。これらの成分についても、含有率
が小である程望ましい条件であるが、0.5〜2.0重
量%程度であれば、使用可能である。なお、酸化ケイ素
と酸化アルミニウムの共存は、吸着特性として望ましい
条件を提供する場合がある。
【0022】本発明において、プラスチック破砕片等に
付着した電解液による強酸性水溶液を中和するのに必要
な酸化マグネシウムの量は、比較的少量であり、pH=5
〜6の循環液に少量の酸化マグネシウムを添加し、pH=
6〜8になるように調整している。数秒〜数十秒の短時
間で極めて簡単に処理が可能である。
【0023】プラスチック破砕片等の中和(pH=5〜
8)及び洗浄に使用する粉末酸化マグネシウムは、上記
した中和条件域(pH=5〜8)の範囲では、一部未反応
の状態で残留する。その量は、酸化マグネシウムの含有
率及び活性度によって異なるが、添加した酸化マグネシ
ウムの略20〜40重量%に達する。しかしながら、こ
の残留した不活性の酸化マグネシウムは、pH=0〜0.
5の強酸性の廃電解液とは速やかに反応し、90%以上
を有効に活用できる。更に詳細に述べれば、酸化マグネ
シウム中の酸化カルシウムは中和剤として有効に活用で
きる。ただし、酸化ケイ素(SiO2)は活用できず、
残渣として残留する。請求項2の発明は、pH=5〜8の
領域で使用した酸化マグネシウムの未反応残留物をpH=
0〜0.5の強酸性域で中和剤として有効に活用するこ
とが、大きな特徴となっている。この方式により酸化マ
グネシウム中の有効成分を十分に活用することが可能と
なる。
【0024】理論的に明白であるが、水酸化マグネシウ
ムと通常使用されている水酸化ナトリウムの所要量を比
較すると H2SO+Mg(OH)2→MgSO4+2H2O (1mol:1mol) H2SO4+2NaOH→Na2SO4+2H2O (1mol:2mol) H2SO41molに対し、Mg(OH)21molで中和が可
能であるが、NaOHの場合には2molを必要とする。
中和に必要な中和剤の費用については、価格変動の可能
性を考慮しても、現在ではMg(OH)2を使用するこ
とが遙かに経済的に有利であることが予測される。
【0025】中和に水酸化マグネシウムを使用する場合
のその他のメリットは、次の通りである。中和剤として
水酸化ナトリウム(NaOH)を使用する場合には、硫
酸ナトリウム(Na2SO4)が水溶液として生成する。
中和剤として水酸化マグネシウムを使用する場合には、
同様に硫酸マグネシウム(MgSO4)が水溶液として
生成する。なお、中和剤としてCa(OH)2(水酸化
カルシウム)を使用する場合には、難溶性のCaSO4
(硫酸カルシウム)を副成する。
【0026】酸化マグネシウムを使用する場合、多孔性
と表面特性を活用することで、Pbイオン、その他のイ
オンを吸着及びイオン交換反応等により削減することが
期待できる。更に、Mg(元素)は光合成反応を促進す
る唯一の重要元素であり、Mgの収支と配分は環境上も
極めて重要である。なお、本発明の適用に際して、従来
から使用されている中和剤である水酸化ナトリウムとの
併用を妨げるものではない。
【0027】
【実施の最良の形態】以下、本発明の実施例を説明す
る。 実施例1 廃蓄電池の容器を形成しているポリプロピレン質プラス
チック材を、片長1〜3cm、厚さ2〜3mmに破砕する。
プラスチック破砕片は、表層及び破面にpH=0〜0.5
の強酸性硫酸水溶液が付着しており、更に砂、ダスト、
少量の固形物も付着している。このプラスチック破砕片
は、比重が小であるため、大部分が液面に浮遊する。乾
燥酸化マグネシウム粉末(酸化マグネシウム含有率9
2.6%)を強酸性硫酸水溶液に添加して、pH=6〜7
の水溶液を調整する。
【0028】この水溶液は上記酸性液付着のプラスチッ
ク破砕片の洗浄液として使用される。洗浄液をポンプ等
で循環させながら、酸性液及び夾雑物付着のプラスチッ
ク破砕片と接触させる。洗浄液のpHが6〜8になるよう
に乾燥酸化マグネシウム粉末を少量ずつ添加する。添加
量は接触させるプラスチック投入量に対応して適量を添
加することで十分である。
【0029】添加された酸化マグネシウムは、水和熱と
中和熱を発生し、循環液温を約10〜30℃上昇させ
る。この温度上昇により、酸性液以外にプラスチック破
砕片に付着していたダスト、砂、固形物等が効果的に除
去される。従来のプラスチック破砕片の性状(pH=0.
2〜0.3)に比較して、著しく性状が向上し、pH=6
〜7で洗浄された回収物を得ることができた。本結果は
本発明に基づく著しい効果を明瞭に示すものである。
【0030】実施例2 酸性液の中和及びプラスチック破砕片の洗浄に使用する
乾燥MgO粉末中には、酸化マグネシウム以外にSiO
2(酸化ケイ素)、Al23(酸化アルミニウム)、F
23(酸化第二鉄)などが少量含まれている。使用す
る酸化マグネシウムには、酸性成分と反応し難い性状の
酸化マグネシウムも含まれている。この比較的反応し難
い酸化マグネシウム(以下、不活性酸化マグネシウムと
記す)は、pH=4〜7の酸性液下では反応性に乏しい
が、pH=0〜0.5の強酸性下では徐々に反応し、未反
応物を殆ど残さず有効に活用できる。弱酸性から中性の
状態では反応性に乏しく、約70〜90%の酸化マグネ
シウムが反応するが、残りの10〜30%は必ずしも有
効に作用しない。即ち、不溶解物あるいは沈降物として
残留する。
【0031】この特性により、実施例1で示したプラス
チック破砕片の洗浄に使用した酸化マグネシウムの一部
は、循環タンクの底部に沈降する。この沈降物を上澄液
と分離し、強酸性液と接触させることにより、有効に活
用することができる。プラスチック破砕片の洗浄に使用
した酸化マグネシウム中には、25〜30重量%の不活
性酸化マグネシウム等が含まれていた。この不活性酸化
マグネシウムをpH=0〜0.5の強酸性水溶液の中和に
用いた結果、不活性酸化マグネシウムの90%以上を有
効に活用でき、未反応物は1〜2%であり、砂その他の
少量の夾雑物が主体であった。本方法は、弱酸性から中
性液状態で未反応の不活性酸化マグネシウムを強酸液状
態で利用する向流方式に該当し、本発明の別の著しい効
果を示すものである。
【0032】
【発明の効果】請求項1から請求項3に係る発明は、次
の効果を奏する。 廃酸の付着する被洗浄物、例えば廃酸を収納する容器
の解体再生業務に際して容器を構成する破砕片を、酸化
マグネシウム粉末を利用することにより、効果的に洗浄
できるとともに破砕片等に付着していた廃酸を効果的に
中和できる。 酸化マグネシウムの水和熱と酸性液との中和熱の両反
応熱によって、洗浄液の温度は上昇する。この昇温によ
り、破砕片等の洗浄をより良好に行うことができ、再生
資源の品位向上を図ることができる。
【0033】請求項2と請求項3に係る発明は、更に次
の効果を奏する。 被洗浄物の洗浄に用いた酸化マグネシウム中の不活性
酸化マグネシウム他によって強酸性液の中和を行うので
(向流方式)、洗浄工程で添加した酸化マグネシウムを
有効に活用でき、強酸性液の中和処理を経済的に行うこ
とができる。 強酸性液の中和処理の最終処理液中には、代表的成分
として硫酸マグネシウムが含まれるので、環境に対し、
Caとのバランス、光合成反応の助長など種々の別の利
点を期待できる。
【0034】請求項1から請求項3に係る本発明は、更
に次の効果を奏する。 本発明で用いられる酸化マグネシウムは、天然資源と
して豊富な産出量が確保されており、入手し易く、比較
的にコストも低廉で、しかも処理後に固形物を副成する
ことはない。 軽焼酸化マグネシウムは、多孔質でイオン交換性に優
れているので、洗浄液あるいは強酸性液中に含まれる有
害有毒成分の吸着や不溶化を期待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大岩 道夫 東京都墨田区横川1丁目10番4号 美崎産 業株式会社内 (72)発明者 松本 孝雄 栃木県安蘇郡葛生町宮下町7−10 吉澤石 灰工業株式会社内 Fターム(参考) 3B201 BB91 CA05 4F301 AA14 BF12 BF27 BF31

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】廃酸を収納していた合成樹脂質収納容器を
    破砕した後、その破砕片を洗浄する工程で乾燥酸化マグ
    ネシウムの粉末を添加することにより、水和熱と中和熱
    の両反応熱を利用して破砕片に付着していた廃酸の中和
    と破砕片の洗浄とを行う、 ことを特徴とする酸化マグネシウムを用いた廃酸の中和
    処理法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の廃酸の中和処理法におい
    て、 合成樹脂製破砕片の中和及び洗浄工程に使用した酸化マ
    グネシウム中の未反応残留物及び水和された水酸化マグ
    ネシウムを主成分とする未反応残留物を用いて、前記合
    成樹脂質収納容器に収納されていた強酸性液を中和す
    る、 ことを特徴とする酸化マグネシウムを用いた廃酸の中和
    処理法。
  3. 【請求項3】廃酸の付着する被洗浄物が混入された洗浄
    液に乾燥酸化マグネシウムの粉末を添加することによ
    り、水和熱と中和熱の両反応熱を利用して、pHを5〜8
    とする中和処理と被洗浄物の洗浄処理とを行った後、上
    記酸化マグネシウムの未反応残留物と水和された水酸化
    マグネシウムを主成分とする未反応残留物を用いて、上
    記廃酸を含む強酸性液を中和する、 ことを特徴とする酸化マグネシウムを用いた廃酸の中和
    処理法。
  4. 【請求項4】前記酸化マグネシウムは、炭酸マグネシウ
    ムを主成分とする天然資源の加熱による脱炭酸反応によ
    って得られる、純然たる酸化マグネシウムを主成分と
    し、一部に夾雑物を含む混合物である、 請求項1から3のいずれかに記載の廃酸の中和処理法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012035227A (ja) * 2010-08-10 2012-02-23 Sosei Mineral Kk 廃酸の処理方法とその廃酸中和剤及び廃酸中和物の再資源化方法

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JP2012035227A (ja) * 2010-08-10 2012-02-23 Sosei Mineral Kk 廃酸の処理方法とその廃酸中和剤及び廃酸中和物の再資源化方法

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