JP2003144471A

JP2003144471A - 腰痛治療機

Info

Publication number: JP2003144471A
Application number: JP2001346777A
Authority: JP
Inventors: Koremori Kawai; 維衛川合
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 2001-11-12
Filing date: 2001-11-12
Publication date: 2003-05-20

Abstract

(57)【要約】【課題】中板を安定して水平に保てるようにし、さら
に回転筒軸に対する把持部軸体の偏心量を、人のカンに
頼らず精度良く且つ確実性をもって調整できるようにし
た腰痛治療機を提供する。【解決手段】患者８を載せる寝台Ｓが患者の上半身部
を載せる上半身部用台２と患者の臀部（腰部）を載せこ
れを固定させ得る係止具を備える臀部用台３と患者の下
肢部を載せる脚部用台４とに分割形成され、且つ、水平
配設された回転筒軸６０に対し偏心して把持部６５を取
着したローリング手段６が複数設けられ、該把持部６５
が前記臀部用台３に垂下する支柱３２を所定間隔をあけ
て把持し、前記回転筒軸が回転運動又は反転揺動するこ
とにより前記臀部用台３に載る患者の臀部を、身長方向
に対し垂直面で患者の背骨軸をほぼ中心にして、回転ま
たは半転揺動させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、腰痛治療に使用さ
れる腰痛治療機に関する。

【０００２】

【従来の技術】本発明者は先に腰痛治療機を出願した
（特開２０００−２３７２２）。この腰痛治療機は基板
上に患者８を仰向けに寝かせることのできる寝台が設け
られが、該寝台は上半身部用台と臀部用台と脚部用台と
に３分割形成される。該臀部用台３Ｚは、人の臀部８２
が載るほどの大きさからなる平板状中板３１Ｚと該中板
３１Ｚの裏面中央から垂下する一本の支柱３２Ｚを備え
る。該支柱３２Ｚの下部はローリング手段６Ｚの偏心出
力軸６６Ｚに連結する（図６）。ローリング手段６Ｚ
は、正逆回転制御ができるモータ６１の駆動により臀部
用台３Ｚを患者８の身長方向に対し垂直面で患者８の背
骨軸をほぼ中心に回転運動または反転揺動させるための
もので、該ローリング手段６Ｚは、可動枠９Ｚ上に減速
機付のモータ６１Ｚおよびその回転出力軸６２Ｚを支持
する軸受６３Ｚを設け、該回転出力軸６２Ｚの先端部に
クランク機構６４Ｚを設けている。そして、該クランク
機構６４Ｚの偏心出力軸６６Ｚをベアリング６７Ｚを介
して支柱３２Ｚの下端部に連結する。前記クランク機構
６４Ｚは、図７に示すように機枠６８Ｚ内にブロック６
９Ｚが回転出力軸６２Ｚの半径方向に移動可能に設けら
れ（図７の白抜き矢印）、該ブロック６９Ｚに前記偏心
出力軸６６Ｚを突設させている。そして、機枠６８Ｚに
螺合された調節螺子６５Ｚを操作し、該ブロック６９Ｚ
を回転出力軸６２Ｚの半径方向に適宜移動させること
で、回転出力軸６２Ｚに対する偏心出力軸６６Ｚの偏心
量を５ｍｍ〜３０ｍｍの範囲内で調節できる構成とす
る。こうして、回転出力軸６２Ｚが回転運動又は反転揺
動することにより前記臀部用台に載る患者の臀部を身長
方向に対し垂直面で患者の背骨軸をほぼ中心に回転また
は半転揺動させ腰痛治療ができるようにしていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかるに、前記腰痛治
療機は偏心出力軸６６Ｚの一本で支柱３２Ｚを介して中
板３１Ｚを支えていたため、偏心出力軸６６Ｚを支点に
支柱上部,中板３１Ｚが振り子のようにふらつき中板３
１Ｚが不安定になっていた。従って中板を水平に安定さ
せるガイドが必要になっていた。また、クランク機構６
４Ｚは調節螺子６５Ｚを操作して回転出力軸６２Ｚに対
する偏心出力軸６６Ｚの偏心量を調節するのであるが、
微調節螺子６５Ｚでは妙な調整が難しく人のカンに頼
り、また緩み等の問題もあった。さらに、調節螺子６５
Ｚの操作が労力負担になっていた。

【０００４】本発明は上記問題点を解決するもので、ガ
イド等のサポートなしに中板を安定して水平に保てるよ
うにし、更に回転出力軸（本発明では回転筒軸）に対す
る偏心出力軸（本発明では把持部の軸体）の偏心量を人
のカンに頼らず精度良く且つ確実性をもって調整できる
ようにした腰痛治療機を提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
請求項１に記載の発明の要旨は、患者を載せる寝台が患
者の上半身部を載せる上半身部用台（２）と患者の臀部
（腰部）を載せこれを固定させ得る係止具を備える臀部
用台（３）と患者の下肢部を載せる脚部用台（４）とに
分割形成され、且つ、水平配設された回転筒軸に対し偏
心して把持部を取着したローリング手段（６）が複数設
けられ、該把持部が前記臀部用台に垂下する支柱を所定
間隔をあけて把持し、前記回転筒軸が回転運動又は反転
揺動することにより前記臀部用台に載る患者の臀部を、
身長方向に対し垂直面で患者の背骨軸をほぼ中心にし
て、回転または半転揺動させるようにしたことを特徴と
する腰痛治療機にある。請求項２の発明は、請求項１
で、水平配設された第一回転筒軸の端部にブロックが固
着され、且つ前記回転筒軸の筒内を貫通して前記ブロッ
ク内で第一回転筒軸に直交する回転自在のボルトに係合
する第一回転軸と、前記ボルトに螺合するナットに連結
して前記第一回転軸が回動することにより第一回転軸に
直交して前記ブロック面を滑動するスライド体と、該ス
ライド体に把持部が自転可能に取着される第一ローリン
グ手段（６Ａ）と、前記第一回転筒軸の真下でこれに平
行配設された第二回転筒軸の端部にブロックが固着さ
れ、且つ前記第二回転筒軸の筒内を貫通して前記ブロッ
ク内で回転筒軸に直交する回転自在のボルトに係合する
第二回転軸と、前記ボルトに螺合するナットに連結して
前記第二回転軸が回動することにより第二回転軸に直交
して前記ブロック面を滑動するスライド体と、該スライ
ド体に把持部が自転可能に取着される第二ローリング手
段（６Ｂ）と、を具備するローリング手段（６）を備え
て、該第一,第二ローリング手段の両把持部で前記支柱
を所定間隔をあけて把持すると共に、前記第一,第二回
転軸を回動調節することにより第一,第二回転筒軸に対
する把持部の偏心量を調整し、第一,第二回転筒軸を回
転運動又は反転揺動させることにより前記臀部用台に載
る患者の臀部を、身長方向に対し垂直面で患者の背骨軸
をほぼ中心にして、回転または半転揺動させるようにし
たことを特徴とする。

【０００６】請求項１の発明のごとく、ローリング手段
が複数設けられ、回転筒軸に偏心して取着された複数の
把持部が臀部用台に垂下する支柱を所定間隔をあけて把
持すると、回転筒軸が回転運動又は反転揺動することに
より臀部用台に載る患者の臀部を身長方向に対し垂直面
で患者の背骨軸をほぼ中心にして、回転または半転揺動
させても、臀部用台の患者を受ける上面（ここでは中
板）は常に水平に保たれる。請求項２の発明のごとく、
第一,第二回転軸がボルト,ナット,スライド体を介して
把持部がスライド体に自転可能に取着されると、第一,
第二回転軸を回動調節するだけで、それぞれの第一,第
二回転筒軸に対する把持部の偏心量を精度良く且つ確実
性をもって調整できる。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る腰痛治療機の
実施形態を詳述する。図１〜図５は、本発明の腰痛治療
機の一形態で、図１はその全体の概略斜視図、図２,図
３は臀部用台及びローリング手段周りの正面図、図４ロ
ーリング手段周りの側面図、図５は臀部用台に設けられ
る係止具の位置を表す平面説明図である。

【０００８】本発明は寝台Ｓとローリング手段６とを具
備する。基板１上に患者８を仰向けに寝かせることので
きる寝台Ｓが設けられるが、該寝台Ｓは上半身部用台２
と臀部用台３と脚部用台４とに３分割形成される。上半
身部用台２の上板２１と臀部用台３の中板３１と脚部用
台４の下板４１は、常態下において、互いに若干離れた
形で同一水平面上に並ぶ（図１）。

【０００９】上半身部用台２は上板２１に患者８の上半
身部が載る台で、四方に脚２２がある机の格好した机板
状の中仕切り板２５の上に頭部側の２箇所の支持具２６
と臀部用台側の２箇所のスプリング２７が四方に配さ
れ、該支持具２６,スプリング２７によって上板２１が
受け支えられる。４つの脚２２は基板１上に固着する。

【００１０】臀部用台３は、人の臀部８２が載るほどの
大きさからなる平板状中板３１と該中板３１の裏面中央
から垂下する一本の支柱３２を備える。該支柱３２の下
部は第一,第二ローリング手段６Ａ,６Ｂの把持部６５,
６５の２箇所に連結される。中板３１上には患者８の腰
部８２を固定できる係止具が設けられる（図１）。ここ
では、腰部８２をほぼ巻回できる帯３３と帯３３の両端
にバンド３４を取着して、患者８の腰部８２を巻回固定
できるようにする。帯３３の中央部は中板３１に固着さ
れており、ローリング手段６の回転筒軸６０が回転また
は反転揺動すれば、中板３１と一緒に帯３３で巻回され
た腰部８２がそのローリング手段６の動きに追動する。

【００１１】脚部用台４は下板４１に患者の下肢部が載
る台で、四方の４つの脚４２がローリング手段６と共に
可動枠９に固定される。四方に脚４２がある机の格好し
たその机板状の中仕切り板４５上に臀部用台側の２箇所
のスプリング４７と足先側の２箇所の支持具４６が四方
に配され、該支持具４６,スプリング４７によって下板
４１が受け支えられる。上板２１及び下板４１の臀部用
台３側にスプリング２７,４７を設けるのは、臀部用台
３の中板３１がローリング手段６の回転または反転揺動
に伴い上下動するため（図４）、その上下動時に臀部用
台３寄りの上板,下板部分を追随できるようにして患者
の負担を和らげるためである。尚、寝台Ｓに患者が乗り
降りするときは図示しないストッパでスプリング２７,
４７が働かないようにできる。牽引手段７に向き合う脚
部用台４の側端には牽引用ワイヤ（又は牽引用ロープ）
７２が取付けられる。

【００１２】前記可動枠９は、基板１の長手方向に平行
に配した一対の棒状体９１に横バー９２を固着して橇状
のスライダを形成するものである。棒状体９１の下面側
凸部が基板１の両側縁で長手方向に沿って配されるガー
ドレール１１の溝１１ａに嵌合し、該ガードレール１１
に沿って摺動自在に動けるようになっている。可動枠９
には脚部用台４とローリング手段６が乗るが、ローリン
グ手段６は臀部用台３を支えているため、該臀部用台３
も可動枠９と一緒に動く構成となる。

【００１３】牽引手段７は、図１のごとく脚部用台４の
下手（図の右方）に配され、脚部用台４に固着したワイ
ヤ７２の他端を公知のリールウインチ等を使って巻回
し、脚部用台４を下手方向に引っ張ることのできる機器
になっている。符号７４はワイヤ７２の巻き加減を調節
する操作盤を示す。牽引手段７でワイヤ７２を牽引する
力は調整できる。一般的に、患者８の体重の約１／３を
目安として牽引が行われ、２００Ｎ〜５００Ｎの範囲で
引っ張られる。なお、牽引手段７による牽引では、既述
のごとく、脚部用台４のみならず可動枠９に乗っている
ローリング手段６及びこれが支える臀部用台３も一緒に
牽引される。

【００１４】ローリング手段６は、正逆回転制御ができ
る減速機付きモータ６１の駆動により臀部用台３を、患
者８の身長方向に対し垂直面で患者８の背骨軸８５をほ
ぼ中心にして、回転運動または反転揺動させるためのも
のである。水平配設された回転筒軸６０に対し偏心して
把持部６５を取着したローリング手段６が複数設けら
れ、該把持部６５が前記臀部用台３に垂下する支柱３２
を所定間隔をあけて把持し、前記回転筒軸６０が回転運
動又は反転揺動することにより前記臀部用台３に載る患
者８の臀部８２を、身長方向に対し垂直面で患者の背骨
軸８５をほぼ中心にして、回転または半転揺動させるこ
とができるようになっている。

【００１５】ここでは、ローリング手段６として第一ロ
ーリング手段６Ａと第二ローリング手段６Ｂとを備え、
第一ローリング手段６Ａは水平配設された第一回転筒軸
６０Ａの端部にブロック６３が固着され、且つ前記第一
回転筒軸６０Ａの筒内を貫通して前記ブロック６３内で
回転筒軸６０に直交する回転自在のボルト６３３に係合
する第一回転軸６６と、前記ボルト６３３に螺合するナ
ット６３６に連結して前記第一回転軸６６Ａが回動する
ことにより第一回転軸６６Ａに直交して前記ブロック面
６３９を滑動するスライド体６４と、を具備し、該スラ
イド体６４に把持部６５が自転可能に取着される。第二
ローリング手段６Ｂは、前記第一回転筒軸６０Ａの真下
でこれに平行配設された第二回転筒軸６０Ｂの端部にブ
ロック６３が固着され、且つ前記第二回転筒軸６０Ｂの
筒内を貫通して前記ブロック６３内で第二回転筒軸６０
Ｂに直交する回転自在のボルト６３３に係合する第二回
転軸６６Ｂと、前記ボルト６３３に螺合するナット６３
６に連結して前記第二回転軸６６Ｂが回動することによ
り第二回転軸６６Ｂに直交して前記ブロック面６３９を
滑動するスライド体６４と、とを具備し、該スライド体
６４に把持部６５が自転可能に取着される。そして、第
一,第二ローリング手段６Ａ,６Ｂの両把持部６５,６５
で前記支柱の下部を所定間隔をあけて把持すると共に、
前記第一,第二回転軸６６Ａ,６６Ｂを回動調節すること
により第一,第二回転筒軸６０Ａ,６０Ｂに対する把持部
６５の偏心量εを調整し、第一,第二回転筒軸６０Ａ,６
０Ｂを回転運動又は反転揺動させたときに、臀部用台３
に載る患者８の臀部８２を、身長方向に対し垂直面で患
者の背骨軸をほぼ中心にして、回転または半転揺動させ
る構成とする。

【００１６】詳しくは、横バー９２上にプレート９９が
敷かれ、該プレート９９上にローリング手段６を載置す
る。プレート９９上に所定間隔を開けて立壁Ｆ_１〜Ｆ_４
が起立固定される。第一ローリング手段６Ａは回転機構
Ｋと偏心機構Ｈを備え、その回転機構Ｋは立壁Ｆ_１,Ｆ
_２により水平配設される第一回転筒軸６０Ａが臀部用台
側に突き出したその端部にブロック６３を固着する。第
二ローリング手段６Ｂの回転機構Ｋも立壁Ｆ_１,Ｆ_２に
より水平配設される第二回転筒軸６０Ｂが臀部用台側に
突き出したその端部にブロック６３を固着する。該ブロ
ック６３は第一ローリング手段６Ａの真下に配される。
モータ出力軸６１１に固着した歯付きプーリ６１２と第
二回転軸６６Ｂに固着した歯付きプーリ６０１間に歯付
きベルト６１３を掛け、モータ６１を回すことにより第
二回転筒軸６０Ｂ,ブロック６３を回す。また第一,第二
回転筒軸６０Ａ,６０Ｂに固着した歯付きプーリ６２１,
６２２間に歯付きベルト６２３を掛けて、減速機付きモ
ータ６１が回れば第二回転筒軸６０Ｂの回転に同期をと
って第一回転筒軸６０Ａも回るようにする。

【００１７】第一ローリング手段６Ａの偏心機構Ｈは、
第一回転軸６６Ａが第一回転筒軸６０Ａの筒内を該第一
回転筒軸の軸心Ｃ_１に合わせて貫通し、その一端部に傘
歯車６６１を固着する。該傘歯車６６１はブロック中空
室６３ａで第一回転筒軸６０Ａと直交する回転自在のボ
ルト６３３に固着した傘歯車６３４に噛合する。該ボル
ト６３３にはナット６３６が螺合し、該ナット６３６は
連結具６３７を介してスライド体６４に連結する。スラ
イド体６４には把持部６５が自転可能に取着される。把
持部６５の軸体６５１がベアリング６４１を介してスラ
イド体６４に取着される。第二ローリング手段６Ｂの偏
心機構Ｈも、第一ローリング手段６Ａと同様、第二回転
軸６６Ｂが第二筒軸６０Ｂの筒内を貫通してその一端部
に傘歯車６６１を固着する。該傘歯車６６１はブロック
６３内で第二回転筒軸６０Ｂと直交する回転自在のボル
ト６３３に固着した傘歯車６３４に噛合する。該ボルト
６３３にはナット６３６が螺合し、さらに連結具６３７
が該ナット６３６とスライド体６４とを連結する。スラ
イド体６４には把持部６５が自転可能に取着される。ス
ライド体６４が当接する段差ブロック面６３９にはボル
ト軸６３３に平行に連結具幅の長孔６３８が形成され
（図４）、連結具６３７は該長孔６３８にガイドされた
状態で移動可能とする。

【００１８】前記第一回転軸６６Ａは第二回転軸６６Ｂ
より他端側が延びて、その他端部には第一回転軸６６Ａ
を回動し得るハンドルＨＬが取着される。ハンドルＨＬ
を回すことによって、第一回転軸６６Ａ,傘歯車６６１
が回り、傘歯車６３４を介して係合するボルト６３３が
回り、ナット６３６が該ボルト６３３上を移動する。こ
れに伴って長孔６３８内を挿通する連結具６３７が移動
し、スライド体６４が長孔６３８を形成する段差ブロッ
ク面６３９を滑動する（図４）。そして、スライド体６
４に取着された把持部６５が追従する。図２の状態は、
把持部６５の軸体６５１の軸心Ｃ_２と第一回転軸６６Ａ
の軸心Ｃ_１が一致するが、ハンドルＨＬを回すにつれ図
４のように回転筒軸６０の軸心Ｃ_１から把持部軸体６５
１の軸心Ｃ_２までの距離、すなわち偏心量εが増加して
いく。また第一,第二回転軸６６Ａ,６６Ｂに固着した歯
付きプーリ６７１,６７２間に歯付きベルト６７３を掛
けており、ハンドルＨＬを回せば第一回転軸６６Ａの回
転に同期をとって第二回転軸６６が回り、把持部６５の
偏心量εも同じ量だけ増加する構成にある。

【００１９】符号６８は第一回転軸６６Ａと第一回転筒
軸６０Ａの結合を断続可能にする断続手段たる第一クラ
ッチである（図２,図３）。第一クラッチ６８は第一回
転筒軸６０Ａの他端部に形成される。該第一クラッチ６
８が入ると第一回転軸６６Ａと第一回転筒軸６０Ａが一
体化し、第一クラッチ６８が切れると第一回転軸６６Ａ
は第一回転筒軸６０Ａから切り離される。符号６９はハ
ンドルＨＬ寄りの第一回転軸６６Ａの途中を断続するた
めのクラッチを示す。該第二クラッチ６９が入るとハン
ドルＨＬと傘歯車側第一回転軸６６Ａがつながってハン
ドル操作が傘歯車６６１側の第一回転軸６６０に伝達
し、第二クラッチ６９が切れるとハンドルＨＬと傘歯車
側第一回転軸６６０が切り離される。第一,第二クラッ
チ６８,６９はスイッチ操作で一方が入った時は他方が
切れる状態とする。符号ｆ_１,ｆ_２は第一,第二回転筒軸
６０Ａ,６０Ｂ用の軸受、符号ｆ_３,ｆ_４は第一回転軸６
６Ａ用の軸受、符号６３１,６３２はブロック６３の中
空室６３ａ内でボルト６３３,傘歯車６３４,支軸６３５
の一体品を回転自在に支えるベアリング、符号６３０は
スライド体６４が段差ブロック面６３９を滑動できるよ
うにスライド体上面に当てがわれるガイド体を示す。

【００２０】次に前記腰痛治療機の動作について説明す
る。まず、患者８に合った偏心量εを調整する。第一ク
ラッチ６８を切り、第二クラッチ６９を入れた図２の状
態にし、ハンドルＨＬを回しながら偏心量εを調整セッ
トする。プーリ６７１,６７２,歯付きベルト６７３によ
って第一,第二回転筒軸６０Ａ,６０Ｂの両軸心Ｃ_１から
それぞれの把持部６５の軸体中心Ｃ_２までの偏心量εが
同期をとって調整される（図４）。第一クラッチ６８が
切られているため、ハンドル操作が第一回転筒軸６０Ａ
に伝達されず、且つモータ６１が止まって回転筒軸６０
は静止規制を受けているので、回転筒軸６０を静止状態
にして回転軸６０だけを動かし円滑に偏心量εの調整が
できる。ハンドルＨＬの回転に応じてボルト６３３が回
り、ナット６３６が移動してこれに一体化する把持部６
５が移動するので微調整できる。そして、患者８を寝台
Ｓに仰向けに寝かせ、上半身部は上半身部用台２に載せ
その上半身部を図示しない係止手段で固定する。腰部８
２は帯３３を巻回してバンド３４を締めて臀部用台３に
固定する。また、下肢部を脚部用台４に載せる。続い
て、患者８の体重等を加味しながら脚部用台４に取付け
たワイヤ７２を牽引手段７で牽引することにより脚部用
台４を引っ張る。脚部用台４は可動枠９に固着されてお
り、脚部用台４は牽引手段７の引張力に応じて可動枠９
がガイドレール上を摺動して図１の右方へ引っ張られ
る。可動枠９にはローリング手段６も固着されており、
ローリング手段６及びこれが支える臀部用台３も右方へ
引っ張れる。その一方で、上半身部用台２は基板１に固
着されているため、上記引張力で腰痛が発生している腰
あたりの脊椎８５が伸ばされることになる。

【００２１】その後、第一クラッチ６８を入れ第二クラ
ッチ６９を切って、モータ６１を作動させる（図３）。
第二クラッチ６９を切るのはハンドルＨＬが回るのを防
止するためである。正逆回転制御のモータ６１によって
回転筒軸６０が正逆回転し、例えば１８０度の範囲で脊
椎軸（背骨軸）を中心に前記偏心量εに応じて反転揺動
させる。回転筒軸６０の軸心Ｃ_１に対し把持部軸体６５
１の軸心Ｃ_２が偏心量εだけズレて、減速機によって３
〜５秒で一往復とするゆっくりしたローリング運動が繰
り返される。２箇所の把持部６５が支柱３２を垂直に保
ち、中板３１がローリング運動中も水平に保たれる。牽
引手段７で脊椎８５を伸ばしながら、高齢者の患者８で
は、こうした１８０度の右半転と左半転を交互に繰り返
すことにより関節面に円滑なスベリを生じさせて、正常
な腰部の動きに改善する。腰痛症の初期の段階で斯る治
療を行うことで、慢性化への移行を阻止できる。牽引手
段７で脊椎８５を伸ばすことで、腰痛部分の骨と骨の間
にアソビができる。そして、このアソビを活かしてゆっ
くりと半転揺動させることで無理な力をかけず且つ傷み
を加えずして関節面に円滑なスベリを生じさせていくこ
とが可能になる。若い年齢層の患者８においては、上述
のような半転揺動をとらず、回転筒軸６０に対し把持部
軸体６５１の軸心を適当にズラし、脊椎軸を中心に全回
転運動させることもできる。

【００２２】ここで、回転筒軸６０と回転軸６６が一体
になってローリング運動するので、ハンドルＨＬにより
調整された偏心量εが安定維持される。さらに、前記第
一クラッチ６８が入ることによって回転筒軸６０と回転
軸６６がより確実に一体化する。回転筒軸６０と回転軸
６６が第一クラッチ６８の作用により一体化すること
で、その設定した偏心量εを確実に保持してローリング
運動が行なわれる。第一クラッチ６８で第一回転筒軸６
０Ａと第一回転軸６６Ａとが一体化し、さらにこの第一
回転軸６６Ａと同期をとって第二回転軸６６Ｂが回転
し、前記第一回転筒軸６０Ａに同期をとって第二回転筒
軸６０Ｂが回転するので、ローリング運動中に偏心量ε
が狂うことはない。

【００２３】このように構成した腰痛治療機は、第一,
第二ローリング手段６Ａ,６Ｂのモータ出力軸６１１や
ハンドルＨＬの回転に対し、二つの回転筒軸６０,二つ
の把持部６５が同期をとって動くようになる。二つの把
持部６５,６５が支柱３２の下部を所定間隔をあけて把
持するので、ローリング運動中も支柱３２は常に垂直状
態を保ち中板３１が水平に保持される。そして、ハンド
ルＨＬの操作で偏心量εの微調整ができ、しかもハンド
ル操作一つで第一,第二ローリング手段６Ａ,６Ｂの偏心
量εを同時に整合させることができる。ハンドル操作で
精度良く調整でき、従来の人のカンに頼っていた問題を
解消する。上下にある微調節螺子６５Ｚ,６５Ｚによっ
た場合の難儀な労力負担からも開放される。さらに、モ
ータ出力軸６１１の回転により回転筒軸６０と回転軸６
６が一体になってローリング運動することから従来のよ
うな微調節螺子６５Ｚに見られるような緩みが生じな
い。特に、第一クラッチ６８を入れて回転筒軸６０と回
転軸６６を一体化させると、ローリング運動中もその設
定した偏心量εが確実に維持される。先に出願した腰痛
治療機（特開２０００−２３７２２）の操作性向上やロ
ーリング運動中の偏心量εの安定性を一層高める腰痛治
療機になっている。

【００２４】尚、本発明においては、前記実施形態に示
すものに限られず、目的，用途に応じて本発明の範囲で
種々変更できる。上半身用台２,臀部用台３,脚部用台
４,ローリング手段６等の形状，大きさ，個数,それらの
材質等は用途に合わせて適宜選択できる。

【００２５】

【発明の効果】以上のごとく、本発明の腰痛治療機は、
複数の把持部で支柱を垂直状態にして把持し、且つそれ
らの把持部が同期をとってローリング運動するので、中
板を安定して水平に保てるようになり、さらに回転筒軸
に対する把持部軸体の偏心量をハンドル操作等で精度良
く且つ確実性をもって調整できるなど優れた効果を発揮
する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の腰痛治療機の一形態で、その全体の概
略斜視図である。

【図２】臀部用台及びローリング手段周りの正面図であ
る。

【図３】臀部用台及びローリング手段周りの正面図であ
る。

【図４】ローリング手段周りの側面図である。

【図５】臀部用台に設けられる係止具の位置を表す平面
説明図である。

【図６】従来技術の説明図である。

【図７】従来技術の説明図である。

【符号の説明】

２上半身用台３臀部用台３２支柱４脚部用台６,６Ａ,６Ｂローリング手段６０, 回転筒軸６０Ａ第一回転筒軸６０Ｂ第二回転筒軸６３ブロック６３３ボルト６３６ナット６３９ブロック面６４スライド体６５把持部８患者８２臀部Ｓ寝台 ε 偏心量

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】患者を載せる寝台が患者の上半身部を載
せる上半身部用台（２）と患者の臀部（腰部）を載せこ
れを固定させ得る係止具を備える臀部用台（３）と患者
の下肢部を載せる脚部用台（４）とに分割形成され、且
つ、水平配設された回転筒軸に対し偏心して把持部を取
着したローリング手段（６）が複数設けられ、該把持部
が前記臀部用台に垂下する支柱を所定間隔をあけて把持
し、前記回転筒軸が回転運動又は反転揺動することによ
り前記臀部用台に載る患者の臀部を、身長方向に対し垂
直面で患者の背骨軸をほぼ中心にして、回転または半転
揺動させるようにしたことを特徴とする腰痛治療機。
【請求項２】水平配設された第一回転筒軸の端部にブ
ロックが固着され、且つ前記回転筒軸の筒内を貫通して
前記ブロック内で第一回転筒軸に直交する回転自在のボ
ルトに係合する第一回転軸と、前記ボルトに螺合するナ
ットに連結して前記第一回転軸が回動することにより第
一回転軸に直交して前記ブロック面を滑動するスライド
体と、該スライド体に把持部が自転可能に取着される第
一ローリング手段（６Ａ）と、前記第一回転筒軸の真下でこれに平行配設された第二回
転筒軸の端部にブロックが固着され、且つ前記第二回転
筒軸の筒内を貫通して前記ブロック内で回転筒軸に直交
する回転自在のボルトに係合する第二回転軸と、前記ボ
ルトに螺合するナットに連結して前記第二回転軸が回動
することにより第二回転軸に直交して前記ブロック面を
滑動するスライド体と、該スライド体に把持部が自転可
能に取着される第二ローリング手段（６Ｂ）と、を具備
するローリング手段（６）を備えて、該第一,第二ローリング手段の両把持部で前記支柱を所
定間隔をあけて把持すると共に、前記第一,第二回転軸
を回動調節することにより第一,第二回転筒軸に対する
把持部の偏心量を調整し、第一,第二回転筒軸を回転運
動又は反転揺動させることにより前記臀部用台に載る患
者の臀部を、身長方向に対し垂直面で患者の背骨軸をほ
ぼ中心にして、回転または半転揺動させるようにした請
求項１記載の腰痛治療機。