JP2003144453A - 情報処理システムおよび情報処理方法、プログラムおよび記録媒体、情報処理装置、並びに制御装置および制御方法 - Google Patents

情報処理システムおよび情報処理方法、プログラムおよび記録媒体、情報処理装置、並びに制御装置および制御方法

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JP2003144453A
JP2003144453A JP2001343982A JP2001343982A JP2003144453A JP 2003144453 A JP2003144453 A JP 2003144453A JP 2001343982 A JP2001343982 A JP 2001343982A JP 2001343982 A JP2001343982 A JP 2001343982A JP 2003144453 A JP2003144453 A JP 2003144453A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ユーザの操作技術等を向上させる。 【解決手段】 マスタマニピュレータ621乃至62
Kは、ユーザU1乃至UKの操作と、スーパドクタデータ
ベース部64に記憶された、過去の手術の技術的な情報
である手術技術情報とに応じて作動し、ユーザU1乃至
Kに対して、所定の反力を与える。また、マスタマニ
ピュレータ621乃至62Kは、ユーザU1乃至UKの操作
によって変化した姿勢の状態を検知し、スーパドクタデ
ータベース部64に送信する。スーパドクタデータベー
ス部64は、マスタマニピュレータ621乃至62Kの姿
勢の状態を受信し、その姿勢の状態に基づいて、手術技
術情報を生成、更新する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報処理システム
および情報処理方法、プログラムおよび記録媒体、情報
処理装置、並びに制御装置および制御方法に関し、特
に、例えば、ユーザの操作技術等を向上させることがで
きるようにする情報処理システムおよび情報処理方法、
プログラムおよび記録媒体、情報処理装置、並びに制御
装置および制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、従来の手術用のマニピュレータ
システムにおいては、マスタとなるマスタマニピュレー
タをユーザが操作し、その操作にしたがって、離れた位
置にある、スレーブとなるスレーブマニピュレータが動
作することにより、患者に対して、手術が施される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従って、従来のマニピ
ュレータシステムにおいては、スレーブマニピュレータ
による作業精度は、ユーザの操作技術に大きく影響を受
ける。従って、未熟なユーザは、熟練したユーザから、
操作技術を教授してもらい、その操作技術を習得する必
要がある。
【0004】しかしながら、熟練したユーザを十分な人
数だけ確保することができるとは限らず、十分な人数の
未熟なユーザを教授することが困難な場合がある。
【0005】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たものであり、ユーザの操作技術等を、容易に向上させ
ることができるようにするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の情報処理システ
ムは、複数のユーザの操作と、所定の情報とに応じて作
動する複数の作動手段と、複数の作動手段の状態を検知
する複数の検知手段と、複数の検知手段による複数の作
動手段の状態を受信する受信手段と、複数の作動手段の
状態に基づいて、複数の作動手段の動きの基準となる基
準情報を、所定の情報として生成する生成手段とを備え
ることを特徴とする。
【0007】本発明の第1の情報処理方法は、複数の検
知手段による複数の作動手段の状態を受信する受信ステ
ップと、複数の作動手段の状態に基づいて、複数の作動
手段の動きの基準となる基準情報を、所定の情報として
生成する生成ステップとを備えることを特徴とする。
【0008】本発明の第1のプログラムは、複数の検知
手段による複数の作動手段の状態を受信する受信ステッ
プと、複数の作動手段の状態に基づいて、複数の作動手
段の動きの基準となる基準情報を、所定の情報として生
成する生成ステップとを備えることを特徴とする。
【0009】本発明の第1の記録媒体は、複数の検知手
段による複数の作動手段の状態を受信する受信ステップ
と、複数の作動手段の状態に基づいて、複数の作動手段
の動きの基準となる基準情報を、所定の情報として生成
する生成ステップとを備えるコンピュータが読み取り可
能なプログラムが記録されていることを特徴とする。
【0010】本発明の情報処理装置は、ユーザの操作
と、所定の情報とに応じて作動する作動手段と、作動手
段の状態を検知する検知手段と、他の情報処理装置にお
ける作動手段の状態を受信する受信手段と、自身の作動
手段の状態、および他の情報処理装置における作動手段
の状態に基づいて、作動手段の動きの基準となる基準情
報を、所定の情報として生成する生成手段とを備えるこ
とを特徴とする。
【0011】本発明の第2の情報処理方法は、他の情報
処理装置における作動手段の状態を受信する受信ステッ
プと、自身の作動手段の状態、および他の情報処理装置
における作動手段の状態に基づいて、作動手段の動きの
基準となる基準情報を、所定の情報として生成する生成
ステップとを備えることを特徴とする。
【0012】本発明の第2のプログラムは、他の情報処
理装置における作動手段の状態を受信する受信ステップ
と、自身の作動手段の状態、および他の情報処理装置に
おける作動手段の状態に基づいて、作動手段の動きの基
準となる基準情報を、所定の情報として生成する生成ス
テップとを備えることを特徴とする。
【0013】本発明の第2の記録媒体は、他の情報処理
装置における作動手段の状態を受信する受信ステップ
と、自身の作動手段の状態、および他の情報処理装置に
おける作動手段の状態に基づいて、作動手段の動きの基
準となる基準情報を、所定の情報として生成する生成ス
テップとを備えるコンピュータが読み取り可能なプログ
ラムが記録されていることを特徴とする。
【0014】本発明の制御装置は、複数の情報処理装置
における作動手段の状態を受信する受信手段と、複数の
情報処理装置における作動手段の状態に基づいて、作動
手段の動きの基準となる基準情報を、所定の情報として
生成する生成手段とを備えることを特徴とする。
【0015】本発明の制御方法は、複数の情報処理装置
における作動手段の状態を受信する受信ステップと、複
数の情報処理装置における作動手段の状態に基づいて、
作動手段の動きの基準となる基準情報を、所定の情報と
して生成する生成ステップとを備えることを特徴とす
る。
【0016】本発明の第3のプログラムは、複数の情報
処理装置における作動手段の状態を受信する受信ステッ
プと、複数の情報処理装置における作動手段の状態に基
づいて、作動手段の動きの基準となる基準情報を、所定
の情報として生成する生成ステップとを備えることを特
徴とする。
【0017】本発明の第3の記録媒体は、複数の情報処
理装置における作動手段の状態を受信する受信ステップ
と、複数の情報処理装置における作動手段の状態に基づ
いて、作動手段の動きの基準となる基準情報を、所定の
情報として生成する生成ステップとを備えるコンピュー
タが読み取り可能なプログラムが記録されていることを
特徴とする。
【0018】本発明の情報処理システムおよび第1の情
報処理方法、並びに第1のプログラムにおいては、複数
の検知手段による複数の作動手段の状態が受信され、そ
の複数の作動手段の状態に基づいて、複数の作動手段の
動きの基準となる基準情報が生成される。
【0019】本発明の情報処理装置および第2の情報処
理方法、並びに第2のプログラムにおいては、他の情報
処理装置における作動手段の状態が受信され、自身の作
動手段の状態、および他の情報処理装置における作動手
段の状態に基づいて、作動手段の動きの基準となる基準
情報が生成される。
【0020】本発明の制御装置および制御方法、並びに
第3のプログラムにおいては、複数の情報処理装置にお
ける作動手段の状態が受信され、その複数の情報処理装
置における作動手段の状態に基づいて、作動手段の動き
の基準となる基準情報が生成される。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は、本発明を適用した手術シ
ステムの一実施の形態の構成例を示している。
【0022】この手術システムは、手術用のマニピュレ
ータシステムであり、スレーブマニピュレータ61、複
数であるK個のマスタマニピュレータ621乃至62K
ネットワーク63、およびスーパドクタデータベース部
64から構成されている。
【0023】スレーブマニピュレータ61は、ネットワ
ーク63を介して供給される信号に基づいて作動し、手
術の対象である、例えば、犬等の動物に対して、径皮的
手術等を行う。なお、ここでは、スレーブマニピュレー
タ61が、動物に対して、径皮的手術を行うものとして
いるが、その他、スレーブマニピュレータ61は、動物
に対して、手術以外の、例えばトリミング等を行うもの
とすることが可能である。
【0024】マスタマニピュレータ62kは、例えば獣
医であるユーザUkの操作と、スーパドクタデータベー
ス部64からネットワーク63を介して供給される情報
とに応じて作動する。また、マスタマニピュレータ62
kは、その作動の状態を検知し、その検知結果を、ネッ
トワーク63を介して、スーパドクタデータベース部6
4に送信する。
【0025】なお、図1の実施の形態では、K個のマス
タマニピュレータ621乃至62Kが設けられているが、
以下、適宜、これらを特に区別する必要がない限り、マ
スタマニピュレータ62と記載する。
【0026】ネットワーク63は、スレーブマニピュレ
ータ61、マスタマニピュレータ621乃至62K、スー
パドクタデータベース部64それぞれの間での通信を可
能とする。
【0027】スーパドクタデータベース部64は、ネッ
トワーク63を介して供給されるマスタマニピュレータ
62の作動の状態を受信し、その状態に基づいて、手術
に関する情報を生成する。さらに、スーパドクタデータ
ベース部64は、その手術に関する情報と、マスタマニ
ピュレータ62の状態に基づき、制御信号を生成し、ネ
ットワーク63を経由して、スレーブマニピュレータ6
1およびマスタマニピュレータ62に供給することによ
って、スレーブマニピュレータ61およびマスタマニピ
ュレータ62を制御する。
【0028】次に、図2は、図1のスレーブマニピュレ
ータ61とマスタマニピュレータ62の外観構成例を示
している。
【0029】即ち、図2(A)は、スレーブマニピュレ
ータ61の外観構成例を、図2(B)は、マスタマニピ
ュレータ62の外観構成例を、それぞれ示している。
【0030】図2(A)のスレーブマニピュレータ61
において、手術台1は、長方形状をしており、そこに
は、手術の対象となっている患者(図2の例では、犬)
が寝かされる。また、手術台1には、スレーブマニピュ
レータ部3Lおよびスレーブマニピュレータ部3Rが取
り付けられている。
【0031】スレーブマニピュレータ部3Lおよびスレ
ーブマニピュレータ部3R(以下、個々に区別する必要
がない場合、これらをまとめて、スレーブマニピュレー
タ部3と称する)は、後述するマスタマニピュレータ部
8Lおよびマスタマニピュレータ部8Rのそれぞれによ
り遠隔操作され、手術台1に寝かされている患者に対す
る径皮的手術を行う。
【0032】スレーブマニピュレータ部3Lは、手術台
1の左側(手術台1を上から見た場合の左側)に設置さ
れ、その先端には、把持鉗子、メス、縫合器、または注
射器等の処置具で構成される先端部4Lが取り付けられ
ている。
【0033】スレーブマニピュレータ部3Rは、手術台
1の右側に設置され、その先端には、把持鉗子、メス、
縫合器、または注射器等の処置具で構成される先端部4
Rが取り付けられている。
【0034】スレーブマニピュレータ部3は、複数のア
ームからなる関節構造を有している。さらに、スレーブ
マニピュレータ部3の各関節部分には、アクチュエータ
(図2においては図示せず)が配設されており、このア
クチュエータが作動することによって、アームが所定の
自由度をもって動き、これにより、スレーブマニピュレ
ータ部3は、各種の姿勢をとることができるようになっ
ている。
【0035】また、スレーブマニピュレータ部3の関節
部分やアームの必要な部分には、先端部4Lや4Rその
他の部分が外部から受ける力やトルク(いずれも、大き
さおよび方向を含む)を検出し、さらには、スレーブマ
ニピュレータ部3の姿勢を検出するセンサ(図2におい
ては図示せず)が取り付けられている。
【0036】なお、スレーブマニピュレータ3に取り付
けられているセンサとアクチュエータは、後述する図5
において、センサ75とアクチュエータ76として、そ
れぞれ図示してある。
【0037】手術台1には、さらに、患者の腹腔内の様
子その他を撮像するCCD(ChargeCoupled Device)カメ
ラ6が先端に取り付けられたカメラ部5が設置されてい
る。また、手術台1には、その四隅に、音を集音するた
めのマイク21乃至24が取り付けられている。
【0038】なお、図2(A)においては、図が煩雑に
なるのを避けるため、1つのカメラ部5しか図示してい
ないが、カメラ部5は、患部の状態や、スレーブマニピ
ュレータ部3等を、様々な方向から観察することができ
るように、複数取り付けられている。
【0039】また、カメラ部5は、複数のアームからな
る関節構造を有しており、さらに、その各関節部分に
は、図示せぬアクチュエータが配設されている。そし
て、このアクチュエータが作動することによって、アー
ムが所定の自由度をもって動き、これにより、カメラ部
5に取り付けられたCCDカメラ6は各種の視点から撮
影(撮像)を行うことができるようになっている。
【0040】一方、図2(B)のマスタマニピュレータ
62において、操作台7には、ユーザUにより操作され
る、マスタマニピュレータ部8L,8R(以下、適宜、
両方含めて、マスタマニピュレータ部8という)がそれ
ぞれ設置されている。
【0041】マスタマニピュレータ部8Lは、操作台7
の左側(操作台7を背にした場合の左側)に設置され、
その先端には、ユーザUの左手により保持されて操作さ
れる操作部9Lが取り付けられている。
【0042】マスタマニピュレータ部8Rは、操作台7
の右側に設置され、その先端には、ユーザUの右手によ
り保持されて操作される操作部9Rが取り付けられてい
る。
【0043】ここで、以下、適宜、操作部9Lおよび9
Rを、両方まとめて、操作部9という。
【0044】マスタマニピュレータ部8は、スレーブマ
ニピュレータ部3と同様に、複数のアームからなる関節
構造を有しており、所定の自由度をもって動くようにな
っている。これにより、マスタマニピュレータ部8Lの
操作部9Lは、ユーザUの左手による操作によって3次
元的に移動し、また、マスタマニピュレータ部8Rの操
作部9Rも、ユーザUの右手による操作によって3次元
的に移動する。
【0045】なお、マスタマニピュレータ部8の各関節
部分には、アクチュエータ(図2においては図示せず)
が配設されており、このアクチュエータが作動すること
によって、アームが所定の自由度をもって動き、これに
より、マスタマニピュレータ部8は、ユーザUに対し
て、所定の反力、あるいは付勢力を与える。
【0046】また、マスタマニピュレータ部8の関節部
分やアームの必要な部分には、操作部9Lや9Rその他
の部分が外部から受ける力やトルク、さらには、マスタ
マニピュレータ部8の姿勢を検出(検知)するセンサ
(図2においては図示せず)が取り付けられている。
【0047】なお、マスタマニピュレータ62に取り付
けられているセンサとアクチュエータは、後述する図6
において、センサ85とアクチュエータ86として、そ
れぞれ図示してある。
【0048】操作台7の前方(ユーザUがマスタマニピ
ュレータ部8を操作するために、操作台7の前に立った
場合の、ユーザUの正面方向)には、ユーザUが、マス
タマニピュレータ部8を操作しながら、そこに表示され
る画像を見ることができるように、モニタ10が設けら
れている。モニタ10には、カメラ部5のCCDカメラ
6により撮像された画像が表示される。
【0049】モニタ10の周辺には、スピーカ11が設
けられており、このスピーカ11からは、スレーブマニ
ピュレータ61の手術台1に取り付けられたマイク21
乃至24で集音された音が出力される。
【0050】さらに、モニタ10の周辺には、操作パネ
ル12が設けられている。操作パネル12には、各種の
スイッチやボタン等が取り付けられており、ユーザによ
って、必要に応じて操作される。なお、操作パネル12
におけるスイッチ等としては、電源スイッチや、モニタ
10に表示される画像を切り換えるスイッチ等がある。
【0051】以上のように構成されるマスタマニピュレ
ータ62を操作するユーザUは、操作台7を背にして操
作台7とモニタ10の間に立ち、モニタ10に映し出さ
れるスレーブマニピュレータ部3の先端部4等の様子を
見ながら、左手で、マスタマニピュレータ部8Lの操作
部9Lを3次元的に移動するように操作し、また右手
で、マスタマニピュレータ部8Rの操作部9Rを3次元
的に移動するように操作する。
【0052】この場合、ユーザUによるマスタマニピュ
レータ部8の操作に対応する操作信号が、ネットワーク
63を介して、スーパドクタデータベース部64に供給
され、スーパドクタデータベース部64は、その操作信
号を処理し、スレーブマニピュレータ61を制御する制
御信号を生成する。この制御信号は、ネットワーク63
を介して、スーパドクタデータベース部64からスレー
ブマニピュレータ61に供給される。スレーブマニピュ
レータ61では、スーパドクタデータベース部64から
の制御信号にしたがい、スレーブマニピュレータ部3が
作動する。これにより、スレーブマニピュレータ部3L
の先端部4Lが、マスタマニピュレータ部8Lの操作部
9Lの動きに同期するように動くとともに、スレーブマ
ニピュレータ部3Rの先端部4Rが、マスタマニピュレ
ータ部8Rの操作部9Rの動きに同期するように動き、
患者に対する径皮的手術が行われる。
【0053】ここで、あるユーザUkが、マスタマニピ
ュレータ部8の操作部9を、所定の状態としての、例え
ば、それぞれ所定の角度のロール(roll)回転、ピッチ
(pitch)回転、およびヨー(yaw)回転した状態で、操
作部9の作用点が所定の位置としての座標(x,y,
z)で特定される位置を経由するように操作しようとし
ても、実際の操作と目標とする操作に、ずれが生じる場
合がある。
【0054】なお、ヨー回転とは、図3に示すように、
X軸およびY軸の、Z軸を回転中心とする回転であり、
その回転角度は、図中、θyで示されている。ピッチ回
転とは、Z軸、およびθyだけヨー回転したX軸(図
中、X’で示す)の、ヨー回転したY軸(図中、Y’で
示す)を回転中心とする回転であり、その回転角度は、
図中、θpで示されている。ロール回転とは、θyだけヨ
ー回転したY軸(図中、Y’で示す)、およびθpだけ
ピッチ回転したZ軸(図中、Z’で示す)の、θyだけ
ヨー回転した後さらにθpだけピッチ回転したX軸(図
中、x軸で示す)を回転中心とする回転であり、その回
転角度は、図中、θrで示されている。
【0055】例えば、図4(A)に示すような、所定の
位置Aから、一定のふくらみをもって位置Bに至る軌跡
(目標軌跡)を描くように、スレーブマニピュレータ部
3の先端部4を移動させたい場合、ユーザU1乃至UK
れぞれは、目標軌跡に対応した軌跡(スレーブマニピュ
レータ部3およびマスタマニピュレータ部8の大きさ
等、その構造の違いにもよるが、ここでは、簡単のため
に同じ軌跡)を描くように、マスタマニピュレータ部8
の操作部9を移動させようとする。しかしながら、実際
には、ユーザU1乃至UKのマスタマニピュレータ部8
(操作部9)に対する操作技術のレベルにもよるが、図
4(B)の実線で示すように、図4(B)の点線で示さ
れる目標軌跡からずれた軌跡(操作軌跡)を描くよう
に、操作部9を移動させてしまうことがある。
【0056】ところで、通常、操作軌跡と目標軌跡との
ずれは、無作為に発生するため(一定の傾向をもって発
生するものではないため)、複数の操作軌跡(ユーザU
1乃至UKそれぞれの操作軌跡(図4(B)))を平均す
ることにより、目標軌跡により近い軌跡を得ることがで
きる。
【0057】そこで、スーパドクタデータベース部64
は、マスタマニピュレータ621乃至62Kにおける操作
内容を合成し(例えば、平均し)、その合成した(平均
した)操作内容に基づいて、スレーブマニピュレータ6
1(スレーブマニピュレータ部3)を遠隔操作する。こ
れにより、スレーブマニピュレータ61において、図4
(C)に示すように、目標軌跡に近い軌跡を描くように
スレーブマニピュレータ部3の先端部4を移動させるこ
とができるようになっている。
【0058】なお、図4(A)中、点線の矢印は、軌跡
の方向を示し、図4(B)中の点線の矢印は、操作部9
の移動方向を示し、図4(C)中の点線の矢印は、先端
部4の移動方向を示している。
【0059】また、スーパドクタデータベース部64
は、世界の名医による過去の手術の技術的な情報である
手術技術情報を、例えば、症状別に記憶しており、その
手術技術情報に基づいて、マスタマニピュレータ621
乃至62Kにおける操作内容を修正する。即ち、スーパ
ドクタデータベース部64は、マスタマニピュレータ6
1乃至62Kにおける操作内容の他、記憶している手術
技術情報にも基づいて、スレーブマニピュレータ61を
制御する。
【0060】従って、手術システムでは、世界各地に分
散した獣医としてのユーザU1乃至UKそれぞれがマスタ
マニピュレータ621乃至62Kを操作することによる合
同手術が、手術技術情報を参照しながら行われることか
ら、最高レベルの手術の実現が可能となる。
【0061】次に、図5は、図1のスレーブマニピュレ
ータ61の電気的構成例を示している。
【0062】スレーブマニピュレータ制御装置51は、
ネットワーク63に接続されており、スレーブマニピュ
レータ部3を制御する。
【0063】即ち、スレーブマニピュレータ制御装置5
1は、制御部71、姿勢遷移機構部72、制御機構部7
3、および通信部74で構成されている。
【0064】制御部71は、通信部74を介して受信し
た、スーパドクタデータベース部64によってネットワ
ーク63上に送出された制御信号としての後述する姿勢
パラメータを、姿勢遷移機構部72に供給するととも
に、制御機構部73を介して供給されるスレーブマニピ
ュレータ部3のセンサ75の出力に基づいて、スレーブ
マニピュレータ部3の先端部4の姿勢パラメータを算出
し、通信部74を介して、ネットワーク63に送出す
る。
【0065】ここで、スレーブマニピュレータ部3の先
端部4の姿勢パラメータは、例えば、先端部4(作用
点)の位置を特定する、X軸の値、Y軸の値、およびZ
軸の値からなる座標と、先端部4の角度を特定するヨー
角θy、ピッチ角θp、およびロール角θr等から構成さ
れる。即ち、先端部4の位置は、例えば、先端部4が移
動可能な空間上の所定の位置を原点として定義されたX
YZ直交座標系上の座標で表され、また、先端部4の角
度は、例えば、先端部4について定義したXYZ直交座
標系を基準として、図3に示したように定義されるもの
で表される。なお、以下、適宜、これらの位置と角度と
を両方含めて、姿勢という。
【0066】制御部71は、また、制御機構部73を介
して供給される、スレーブマニピュレータ部3のセンサ
75の出力に基づいて、スレーブマニピュレータ部3の
先端部4が外部から受けた力F1やトルクT1を算出し、
通信部74を介して、ネットワーク63上に送出する。
【0067】姿勢遷移機構部72は、スレーブマニピュ
レータ部3の先端部4の姿勢を、現在の姿勢から、制御
部71から供給された姿勢パラメータに対応する姿勢に
遷移させるための姿勢遷移情報を生成し、これを制御機
構部73に送出する。
【0068】制御機構部73は、姿勢遷移機構部72か
らの姿勢遷移情報に従って、制御信号を生成し、これ
を、スレーブマニピュレータ部3に供給する。スレーブ
マニピュレータ3のアクチュエータ76は、制御機構部
73から供給された制御信号に従って駆動し、これによ
り、先端部4は、スーパドクタデータベース部64から
送信されてきた姿勢パラメータに対応する姿勢をとる。
【0069】制御機構部73は、また、スレーブマニピ
ュレータ部3のセンサ75の出力を取得し、制御部71
に供給する。
【0070】通信部74は、ネットワーク63を介して
の通信制御を行い、これにより、ネットワーク63から
送信されてくる情報を受信して、制御部71に供給する
とともに、制御部71から供給される情報を、ネットワ
ーク63に送信する。
【0071】入出力制御装置52は、ネットワーク63
に接続されており、マイク21乃至24それぞれで集音さ
れた音声データ、およびカメラ61乃至65それぞれで撮
像された画像データを、ネットワーク63を介して送信
する。
【0072】ここで、カメラ61乃至65は、図2のカメ
ラ6に対応するものである。また、カメラ61乃至65
うち、カメラ61乃至64は、患者の患部等を、所定の視
点方向から撮像する小型のCCDカメラとなっており、
カメラ65は、スレーブマニピュレータ部3の周囲全体
の撮像が可能な全方位カメラとなっている。なお、全方
位カメラの詳細については、後述する。
【0073】次に、図6は、図1のマスタマニピュレー
タ62の電気的構成例を示している。
【0074】マスタマニピュレータ制御装置53は、ネ
ットワーク63に接続されており、マスタマニピュレー
タ部8を制御する。
【0075】即ち、マスタマニピュレータ制御装置53
は、制御部81、姿勢遷移機構部82、制御機構部8
3、および通信部84で構成されている。
【0076】制御部81は、また、通信部84を介して
取得した、後述する基準姿勢パラメータと、力F1およ
びトルクT1(スレーブマニピュレータ部3の先端部4
が外部から受けた力およびトルク)に基づいて、後述す
る力FoおよびトルクToを算出し、制御機構部83に供
給する。
【0077】さらに、制御部81は、制御機構部83を
介して供給される、マスタマニピュレータ部8のセンサ
85の出力に基づいて、マスタマニピュレータ部8の操
作部9の姿勢パラメータを算出し、通信部84を介し
て、ネットワーク63に送信する。
【0078】ここで、マスタマニピュレータ部8の操作
部9の姿勢パラメータは、スレーブマニピュレータ部3
の先端部4の姿勢パラメータと同様に、操作部9(作用
点)の位置を特定する、X軸の値、Y軸の値、およびZ
軸の値からなる座標と、操作部9の角度を特定するヨー
角θy、ピッチ角θp、およびロール角θr等から構成さ
れている。即ち、操作部9の位置は、操作部9が移動可
能な空間上の所定の位置を原点として定義されたXYZ
直交座標系上の座標で表され、また、先端部4の角度
は、例えば、操作部9について定義したXYZ直交座標
系を基準として、図3に示したように定義されるもので
表される。
【0079】なお、マスタマニピュレータ部8の操作部
9の姿勢パラメータと、上述のスレーブマニピュレータ
部3の先端部4の姿勢パラメータとは、同一のXYZ直
交座標系において定義しても良いし、異なるXYZ直交
座標系において定義しても良い。但し、先端部4と操作
部9の姿勢パラメータを、異なるXYZ直交座標系にお
いて定義する場合には、スーパドクタデータベース部6
4が、その異なるXYZ直交座標系どうしの対応関係を
認識している必要がある。
【0080】制御機構部83は、制御部81から供給さ
れた力F0とトルクT0に従って、制御信号を生成し、こ
れを、マスタマニピュレータ部8に送出する。マスタマ
ニピュレータ部8のアクチュエータ86は、この制御信
号に従って駆動し、これにより、マスタマニピュレータ
部8の操作部9は、制御部81により算出された力F 0
とトルクT0を、その操作部9を操作しているユーザU
に与える。
【0081】制御機構部83は、また、マスタマニピュ
レータ部8のセンサ85の出力を、制御部81に供給す
る。
【0082】通信部84は、ネットワーク63を介して
の通信制御を行い、ネットワーク63から送信されてく
る情報を受信して、制御部81に供給するとともに、制
御部81から供給される情報を、ネットワーク63に送
信する。
【0083】入出力制御装置54は、ネットワーク63
に接続されており、ネットワーク63から送信されてく
る画像データと音声データを受信し、モニタ10とスピ
ーカ11にそれぞれ供給する。これにより、モニタ10
では、スレーブマニピュレータ61のカメラ61乃至65
で撮像された画像が表示され、スピーカ11では、スレ
ーブマニピュレータ61のマイク21乃至24で集音され
た音声が出力される。
【0084】また、入出力制御装置54は、操作パネル
12が、ユーザUによって操作されることにより出力す
る操作信号を受信し、その操作信号に応じて、モニタ1
0に表示する画像や、スピーカ11から出力する音声を
切り換える。さらに、入出力制御装置54は、操作パネ
ル12からの操作信号を、必要に応じて、ネットワーク
63に送信する。
【0085】次に、図7は、図1のスーパドクタデータ
ベース部64の構成例を示している。
【0086】入出力制御装置21は、ネットワーク63
に接続されており、ネットワーク63を介しての通信制
御を行うことにより、ネットワーク63から送信されて
くる情報を受信して、姿勢パラメータ登録部22や姿勢
パラメータ制御部28に供給するとともに、姿勢パラメ
ータ制御部28から供給される情報を、ネットワーク6
3に送信する。
【0087】ここで、入出力制御装置21がネットワー
ク63から受信する情報としては、例えば、スレーブマ
ニピュレータ61が送信する先端部4の姿勢パラメータ
や、マスタマニピュレータ62が送信する操作部9の姿
勢パラメータ等がある。
【0088】姿勢パラメータ登録部22は、入出力制御
装置21から供給される、マスタマニピュレータ62が
送信する操作部9の姿勢パラメータに基づき、マスタマ
ニピュレータ62が、どのような手術内容の操作をしよ
うとしたのかを認識し、その認識した手術内容と姿勢パ
ラメータとを、手術情報として、手術情報データベース
25に登録する。
【0089】手術経過情報データベース23は、例え
ば、図1の手術システムにおける手術を含め、世界各国
で行われた手術について、その手術後の患者の状態に関
する情報である手術経過情報を、例えば手術別に記憶す
る。
【0090】手術経過情報登録部24は、手術経過情報
を、各手術別に、手術経過情報データベース23に登録
する。なお、手術経過情報登録部24は、例えば、世界
各国の病院(手術システムを含む)におけるカルテ等の
内容が記憶された外部のデータベースから、ネットワー
ク63を介して、手術経過情報を収集し、手術経過情報
データベース23に登録する。また、手術経過情報登録
部24には、所定の操作者が操作を行うことによって、
手術経過情報を、直接入力することもでき、この場合、
手術経過情報登録部24は、その直接入力された手術経
過情報を、手術経過情報データベース23に登録する。
【0091】手術情報データベース25は、姿勢パラメ
ータ登録部22から供給される手術情報を記憶する。
【0092】更新部26は、手術情報データベース25
に記憶された手術情報が表す手術内容による手術が、成
功したかどうかを、手術経過情報データベース23の手
術経過情報を参照することによって判定し、成功した手
術については、その手術情報に基づいて、手術技術情報
データベース27を更新する。
【0093】手術技術情報データベース27は、更新部
26や手術技術情報登録部30から供給される、手術の
技術的な情報である手術技術情報を記憶する。即ち、手
術技術情報データベース27は、各手術について、症状
別に、その手術を行うのに最適な操作部9の操作方法
や、操作部9の操作として制限すべき操作内容等の操作
部9の操作の基準となる基準情報を、手術技術情報とし
て記憶する。
【0094】姿勢パラメータ制御部28は、入出力制御
装置21で受信された、マスタマニピュレータ62の操
作部9の姿勢パラメータを受信する。さらに、姿勢パラ
メータ制御部28は、必要に応じて、検索部29を介し
て、手術技術情報を参照しながら、その受信した姿勢パ
ラメータを修正等し、基準姿勢パラメータとして、入出
力制御装置21に供給する。
【0095】検索部29は、姿勢パラメータ制御部28
の制御に従って、手術技術情報データベース27に記憶
された手術技術情報を検索し、その検索結果を、姿勢パ
ラメータ制御部28に供給する。
【0096】手術技術情報登録部30は、例えば、所定
の操作者によって操作され、その操作に対応して、世界
の名医による手術に基づいて得られた手術技術情報を、
手術技術情報データベース27に登録する。
【0097】次に、図8のフローチャートを参照して、
図5のスレーブマニピュレータ61の処理について説明
する。
【0098】ステップS1において、入出力制御装置5
2は、マイク21乃至24、およびカメラ61乃至65を動
作状態にし、マイク21乃至24それぞれで集音された音
声データ、およびカメラ61乃至65それぞれで撮像され
た画像データの送信を開始する。
【0099】即ち、入出力制御装置52は、マイク21
乃至24それぞれで集音された音声データ、およびカメ
ラ61乃至65それぞれで撮像された画像データを受信
し、ネットワーク63を介して、スーパドクタデータベ
ース部64に送信する。なお、この画像データと音声デ
ータの送信は、その後、例えば、マスタマニピュレータ
62(図6)の操作パネル12が、その送信を停止する
ように操作されるまで続行される。
【0100】さらに、ステップS1では、スレーブマニ
ピュレータ制御装置51が、スレーブマニピュレータ部
3の先端部4の姿勢パラメータを、スーパドクタデータ
ベース部64に送信する。
【0101】即ち、スレーブマニピュレータ制御装置5
1において、制御機構部73は、スレーブマニピュレー
タ部3のセンサ75を動作状態にし、その出力を受信し
て、制御部71に供給する。制御部71は、制御機構部
73から供給されるセンサ75の出力に基づいて、スレ
ーブマニピュレータ部3の先端部4の姿勢パラメータを
求め、通信部74に供給する。通信部74は、制御部7
1からの姿勢パラメータを、ネットワーク63を介し
て、スーパドクタデータベース部64に送信する。
【0102】その後、後述するように、スーパドクタデ
ータベース部64から、ネットワーク63を介して、姿
勢パラメータが送信されてくるので、スレーブマニピュ
レータ制御装置51の通信部74は、スーパドクタデー
タベース部64から姿勢パラメータが送信されてくるの
を待って、ステップS2に進み、その姿勢パラメータを
受信する。
【0103】この姿勢パラメータは、通信部74から制
御部71に供給され、制御部71は、ステップS3にお
いて、スレーブマニピュレータ部3の先端部4が、その
姿勢パラメータに対応する姿勢をとるように、スレーブ
マニピュレータ部3を制御する。
【0104】具体的には、スレーブマニピュレータ制御
装置51の制御部71は、通信部74からの姿勢パラメ
ータを、姿勢遷移機構部72に供給する。姿勢遷移機構
部72は、スレーブマニピュレータ部3の先端部4の姿
勢を、現在の姿勢から、制御部71から供給された姿勢
パラメータに対応する姿勢に遷移させるための姿勢遷移
情報を生成し、制御機構部73に供給する。
【0105】制御機構部73は、姿勢遷移機構部72か
らの姿勢遷移情報に従って制御信号を生成し、これを、
スレーブマニピュレータ部3に送出する。スレーブマニ
ピュレータ部3では、アクチュエータ76が、制御機構
部73からの制御信号に従って駆動し、これにより、先
端部4は、その姿勢を変化させ、通信部74で受信され
た姿勢パラメータ、即ち、スーパドクタデータベース部
64から送信されてきた姿勢パラメータに対応する姿勢
をとる。
【0106】そして、ステップS4に進み、スレーブマ
ニピュレータ制御装置51は、ステップS3での制御
で、スレーブマニピュレータ部3の先端部4が姿勢を変
化させることで、先端部4が外部(患者の腹腔内)から
受けた力F1とトルクT1を、その先端部4の姿勢パラメ
ータとともに、ネットワーク63を介して、スーパドク
タデータベース部64に送信する。
【0107】即ち、スレーブマニピュレータ制御装置5
1において、制御機構部73は、センサ75の出力を、
制御部71に供給し、制御部71は、そのセンサ75の
出力から、先端部4が外部から受けた力F1とトルクT
1、および先端部4の姿勢パラメータを算出する。さら
に、制御部71は、この力F1とトルクT1、および姿勢
パラメータを、通信部74に供給し、通信部74は、そ
の力F1とトルクT1、および姿勢パラメータを、ネット
ワーク63を介して、スーパドクタデータベース部64
に送信する。
【0108】その後は、ステップS2に戻り、以下、同
様の処理が繰り返される。
【0109】従って、スレーブマニピュレータ61にお
いては、スレーブマニピュレータ部3の先端部4が、ス
ーパドクタデータベース部64から送信されてくる姿勢
パラメータに対応する姿勢に変化していくことによっ
て、患者に対する手術が行われる。
【0110】次に、図9のフローチャートを参照して、
図6のマスタマニピュレータ62の処理について説明す
る。
【0111】後述するように、スーパドクタデータベー
ス部64は、スレーブマニピュレータ61から送信され
てくる画像データと音声データを、ネットワーク63を
介して、マスタマニピュレータ62に送信してくるの
で、ステップS21では、その画像データと音声データ
の受信が開始される。
【0112】即ち、ステップS21では、入出力制御装
置54は、ネットワーク63を介して、スーパドクタデ
ータベース部64から送信されてくる画像データと音声
データを受信し、画像データを、モニタ10に供給する
とともに、音声データをスピーカ11に供給する。これ
により、モニタ10には、スレーブマニピュレータ61
(図5)のカメラ61乃至65で撮像された画像が表示さ
れ、また、スピーカ11からは、スレーブマニピュレー
タ61のマイク21乃至24で集音された音が出力され
る。
【0113】さらに、後述するように、スーパドクタデ
ータベース部64は、スレーブマニピュレータ61から
送信されてくる、先端部4の姿勢パラメータを、ネット
ワーク63を介して、マスタマニピュレータ62に送信
してくるので、ステップS21では、マスタマニピュレ
ータ制御装置53は、その姿勢パラメータを受信し、そ
の姿勢パラメータに基づいて、マスタマニピュレータ部
8の操作部9の姿勢を制御する。
【0114】即ち、マスタマニピュレータ制御装置53
において、通信部84は、ネットワーク63を介して、
スーパドクタデータベース部64から送信されてくる、
スレーブマニピュレータ部3の先端部4の姿勢パラメー
タを受信し、制御部81に供給する。制御部81は、通
信部84からの姿勢パラメータを受信し、姿勢遷移機構
部82に供給する。姿勢遷移機構部82は、マスタマニ
ピュレータ部8の操作部9の姿勢を、現在の姿勢から、
制御部81から供給された姿勢パラメータに対応する姿
勢に遷移させるための姿勢遷移情報を生成し、制御機構
部83に供給する。制御機構部83は、姿勢遷移機構部
82からの姿勢遷移情報に従って制御信号を生成し、こ
れを、マスタマニピュレータ部8に送出する。マスタマ
ニピュレータ部8のアクチュエータ86は、この制御信
号に従って駆動し、これにより、操作部9は、その姿勢
を変化させ、スレーブマニピュレータ部3の先端部4の
姿勢と同一の姿勢をとる。
【0115】その後、ステップS22において、マスタ
マニピュレータ部8の操作部9の姿勢パラメータが、ネ
ットワーク63を介して、スーパドクタデータベース部
64に送信される。
【0116】具体的には、マスタマニピュレータ制御装
置53において、制御機構部83は、マスタマニピュレ
ータ部8のセンサ85の出力を受信し、制御部81に供
給する。制御部81は、センサ85の出力から、マスタ
マニピュレータ部8の操作部9の姿勢パラメータを算出
し、通信部84に供給する。通信部84は、制御部81
からの操作部9の姿勢パラメータを、ネットワーク63
を介して、スーパドクタデータベース部64に送信す
る。
【0117】ここで、このステップS22の処理によっ
て、ユーザUがマスタマニピュレータ部8の操作部門を
操作することにより、所定の姿勢にされた操作部9につ
いて、その姿勢を表す姿勢パラメータが、スーパドクタ
データベース部64に送信される。
【0118】そして、ステップS23に進み、マスタマ
ニピュレータ制御装置53の通信部84は、ネットワー
ク63を介してスーパドクタデータベース部64から送
信されてくる、スレーブマニピュレータ部3の先端部4
の姿勢パラメータを、基準姿勢パラメータとして受信
し、ステップS24に進む。ステップS24では、マス
タマニピュレータ制御装置53の通信部84は、スーパ
ドクタデータベース部64から、先端部4の姿勢パラメ
ータとともに送信されてくる、先端部4が外部から受け
た力F1とトルクT1を受信する。この先端部4について
の姿勢パラメータ(基準姿勢パラメータ)、および力F
1とトルクT1は、通信部84から制御部81に供給さ
れ、ステップS24からS25に進む。
【0119】ステップS25では、制御部81は、ステ
ップS22で取得(算出)した操作部9の姿勢パラメー
タと、ステップS23で取得(受信)した基準姿勢パラ
メータの差を算出し、ステップS26に進む。
【0120】ステップS26では、制御部81は、ステ
ップS25で算出した、操作部9の姿勢パラメータと基
準姿勢パラメータとの差(ずれ)の大きさに比例した大
きさで、ずれの方向とは逆方向の力F2とトルクT2を算
出し、ステップS27に進む。
【0121】ステップS27では、制御部81は、ステ
ップS26で算出した力F2とトルクT2のそれぞれに、
ステップS24で取得(受信)した力F1およびトルク
T1に比例する力とトルクを加算し、操作部9を操作す
るユーザUに知覚させる力FoおよびトルクToを算出す
る。すなわち、制御部81は、例えば、式(1)に従っ
て、力FoおよびトルクToを算出する。
【0122】
【数1】 ・・・(1)
【0123】なお、例えば、マスタマニピュレータ部8
の操作部9を動かすのに、スレーブマニピュレータ部3
の先端部4を直接動かす場合に比べ、より大きな力が必
要なとき(いわゆる重いとき)、αおよびβは、1より
大きい値となり、また、操作部9を動かすのに、先端部
4を動かす場合に比べ、小さな力でよい場合(いわゆる
軽いとき)、αおよびβは、1より小さい値となる。ま
た、同じ力でそれらを動かす場合、αおよびβは、1と
なる。
【0124】その後、ステップS28において、マスタ
マニピュレータ部8の操作部9を操作するユーザUに、
ステップS27で算出された力FoとトルクToを知覚さ
せるように、マスタマニピュレータ部8が制御される。
【0125】即ち、制御部81は、ステップS23で得
た基準姿勢パラメータと、ステップS26で得た力Fo
およびトルクToを、姿勢遷移機構部82に供給する。
姿勢遷移機構部82は、マスタマニピュレータ部8の操
作部9の姿勢を、現在の姿勢から、制御部81から供給
された基準姿勢パラメータに対応する姿勢に遷移させる
ための姿勢遷移情報であって、さらに、力Foおよびト
ルクToをユーザに知覚させることのできる加速度(角
加速度を含む)の情報を含むものを生成し、制御機構部
83に供給する。制御機構部83は、姿勢遷移機構部8
2からの姿勢遷移情報に従って制御信号を生成し、これ
を、マスタマニピュレータ部8に送出する。マスタマニ
ピュレータ部8のアクチュエータ86は、この制御信号
に従って駆動し、これにより、操作部9は、その姿勢
を、所定の加速度で変化させることにより、ユーザUに
力FoおよびトルクToを知覚させながら、スレーブマニ
ピュレータ部3の先端部4の姿勢と同一の姿勢をとる。
【0126】その後は、ステップS22に戻り、以下、
同様の処理が繰り返される。
【0127】以上のように、ユーザUに知覚させる力F
oおよびトルクToを、ステップS25で算出されたずれ
の大きさに比例した大きさで、ずれの方向とは逆方向の
力F2およびトルクT2と、スレーブマニピュレータ部3
の先端部4が受けたに力F1とトルクT1に比例する力お
よびトルクとが加算されたものとするようにしたので、
ユーザUに、操作部9の姿勢パラメータと基準姿勢パラ
メータとのずれ、およびスレーブマニピュレータ部3の
先端部4が受ける反力を意識させることができる。
【0128】従って、ユーザUは、マスタマニピュレー
タ部8の操作部9を、基準姿勢パラメータに対応する姿
勢と異なる姿勢にするように操作した場合には、その姿
勢の異なり具合が大きいほど、大きな反力を受けるの
で、自身の操作が、スレーブマニピュレータ部3の先端
部4が実際にとった姿勢(基準姿勢パラメータが表す姿
勢)とどの程度異なるかを、いわば感覚的に認識するこ
とができる。
【0129】なお、ユーザUには、例えば、力F2とト
ルクT2のみを知覚させるようにすることもできる。
【0130】次に、図10のフローチャートを参照し
て、図7のスーパドクタデータベース部64の処理につ
いて説明する。
【0131】まず最初に、ステップS41において、入
出力制御装置21は、スレーブマニピュレータ61から
の画像データおよび音声データの受信と、その画像デー
タおよび音声データのマスタマニピュレータ62への送
信を開始する。
【0132】即ち、図8で説明したように、ステップS
1において、スレーブマニピュレータ61(図5)は、
カメラ61乃至65で撮像された画像データと、マイク2
1乃至24で集音された音声データの、スーパドクタデー
タベース部64への送信を開始するので、スーパドクタ
データベース部64の入出力制御装置21は、そのよう
にしてスレーブマニピュレータ61からネットワーク6
3を介して送信されてくる画像データと音声データの受
信を開始する。
【0133】さらに、入出力制御装置21は、スレーブ
マニピュレータ61から受信した画像データと音声デー
タの、マスタマニピュレータ62への送信を開始する。
ここで、マスタマニピュレータ62では、このようにし
て、入出力制御装置21から送信される画像データと音
声データの受信が、上述の図9のステップS21で開始
される。
【0134】また、ステップS41では、入出力制御装
置21は、図8のステップS1においてスレーブマニピ
ュレータ61から送信されてくる姿勢パラメータ(スレ
ーブマニピュレータ部3の先端部4の姿勢パラメータ)
を受信し、その姿勢パラメータを、基準姿勢パラメータ
として、マスタマニピュレータ62に送信する。ここ
で、この基準姿勢パラメータは、マスタマニピュレータ
62において、上述の図9のステップS21で受信さ
れ、これにより、操作部9(マスタマニピュレータ部8
の操作部9)は、その基準パラメータに対応する姿勢、
即ち、スレーブマニピュレータ部3の先端部4の姿勢と
同一の姿勢をとる。
【0135】その後、ステップS42に進み、入出力制
御装置21は、スレーブマニピュレータ61から、その
先端部4についての姿勢パラメータ(基準姿勢パラメー
タ)と、力F1およびトルクT1が、図8のステップS4
で送信されてくるのを待って受信し、その姿勢パラメー
タを基準姿勢パラメータとして、力F1およびトルクT1
とともに、マスタマニピュレータ62に送信する。ここ
で、マスタマニピュレータ62では、先端部4について
姿勢パラメータ(基準姿勢パラメータ)は、図9のステ
ップS23で受信され、先端部4についての力F1およ
びトルクT1は、図9のステップS24で受信される。
【0136】そして、ステップS43に進み、入出力制
御装置21は、マスタマニピュレータ621乃至62K
れぞれが図9のステップS22で送信してくる操作部9
の姿勢パラメータを受信し、姿勢パラメータ登録部22
および姿勢パラメータ制御部28に供給して、ステップ
S44に進む。
【0137】ステップS44では、姿勢パラメータ登録
部22は、マスタマニピュレータ621乃至62Kそれぞ
れの姿勢パラメータに基づいて、ユーザU1乃至UKが行
おうとしている手術内容を認識する。さらに、姿勢パラ
メータ登録部22は、その手術内容と対応する姿勢パラ
メータを、手術情報データベース25に供給して登録
し、ステップS45に進む。
【0138】ステップS45では、姿勢パラメータ制御
部28が、マスタマニピュレータ621乃至62Kそれぞ
れからの操作部9の姿勢パラメータについて分散を計算
し、その分散が所定の閾値以上であるかどうかを判定す
る。
【0139】ステップS45において、マスタマニピュ
レータ621乃至62Kそれぞれからの操作部9の姿勢パ
ラメータの分散が所定の閾値以上でないと判定された場
合、即ち、マスタマニピュレータ621乃至62Kそれぞ
れのユーザU1乃至UKが、ほぼ同じような操作をした場
合、ステップS46に進み、姿勢パラメータ制御部28
は、マスタマニピュレータ621乃至62Kそれぞれから
の姿勢パラメータの、例えば平均値等の重み付け加算値
を求め、ステップS47に進む。
【0140】ここで、複数の姿勢パラメータの重み付け
加算値としては、その複数の姿勢パラメータそれぞれに
対する重みを同一にした平均値を計算する他、複数の姿
勢パラメータそれぞれに対する重みを異なる値にしたも
のを計算することも可能である。即ち、姿勢パラメータ
に対する重みは、例えば、その姿勢パラメータを送信し
てきたマスタマニピュレータ62kを操作するユーザUk
の熟練度等に基づき、その熟練度が高い程大きく設定す
ることが可能である。なお、熟練度等に基づく重みは、
例えば、マスタマニピュレータ62(図6)の操作パネ
ル12を操作すること等によって設定することが可能で
ある。
【0141】ステップS47では、姿勢パラメータ制御
部28は、検索部29に手術技術情報データベース27
を検索させることにより、ステップS46で求められた
重み付け加算値としての姿勢パラメータによる手術を制
限するような手術技術情報が、手術技術情報データベー
ス27に登録されているかどうかを判定する。
【0142】ステップS47において、重み付け加算値
である姿勢パラメータによる手術を制限するような手術
技術情報が、手術技術情報データベース27に登録され
ていないと判定された場合、ステップS48をスキップ
して、ステップS49に進み、姿勢パラメータ制御部2
8は、重み付け加算値である姿勢パラメータを、入出力
制御装置21に供給し、入出力制御装置21は、姿勢パ
ラメータ制御部28からの姿勢パラメータを、スレーブ
マニピュレータ61に送信する。その後、ステップS4
2に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0143】従って、この場合、スレーブマニピュレー
タ61の先端部4の動きは、マスタマニピュレータ62
1乃至62KのユーザU1乃至UKそれぞれによる操作を平
均化したものに従うことなる。
【0144】また、ステップS47において、重み付け
加算値である姿勢パラメータによる手術を制限する手術
技術情報が、手術技術データベース27に登録されてい
ると判定された場合、即ち、重み付け加算値である姿勢
パラメータによる手術の内容が、例えば、過去に前例の
ないものである場合や、あるいは、過去に、良い手術経
過が得られなかったものである場合、ステップS48に
進み、姿勢パラメータ制御部28は、重み付け加算値で
ある姿勢パラメータを、その姿勢パラメータによる手術
を制限する手術技術情報に基づいて修正し、その手術技
術情報による制限の範囲内のものとする。そして、ステ
ップS49に進み、姿勢パラメータ制御部28は、修正
後の姿勢パラメータを、入出力制御装置21を介して、
スレーブマニピュレータ61に送信して、ステップS4
2に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
【0145】従って、この場合、スレーブマニピュレー
タ61の先端部4の動きは、マスタマニピュレータ62
1乃至62KのユーザU1乃至UKそれぞれによる操作を平
均化したものを手術技術情報に基づいて修正したものに
従うことなる。
【0146】一方、ステップS45において、マスタマ
ニピュレータ621乃至62Kそれぞれからの操作部9の
姿勢パラメータの分散が所定の閾値以上であると判定さ
れた場合、即ち、マスタマニピュレータ621乃至62K
それぞれのユーザU1乃至UKのうちの1以上が、他のユ
ーザと同じとはいえない程度の異なる操作をした場合、
ステップS50に進み、姿勢パラメータ制御部28は、
マスタマニピュレータ621乃至62Kそれぞれからの操
作部9の姿勢パラメータの中から、他の姿勢パラメータ
と異なる姿勢パラメータ(分散を大きくしている原因と
なっている姿勢パラメータ)(以下、適宜、特異パラメ
ータという)を検出する。
【0147】なお、ここでは、説明を簡単にするため
に、特異パラメータとなる姿勢パラメータは1つとす
る。
【0148】ステップS50において特異パラメータが
検出されると、ステップS51に進み、姿勢パラメータ
制御部28は、更新部26を制御することにより、手術
情報データベース25に記憶された、特異パラメータに
対応する手術情報が表す手術内容による手術が、過去に
成功したことがあるかどうかを、手術経過情報データベ
ース23の手術経過情報を参照させることによって判定
させる。
【0149】ステップS51において、特異パラメータ
に対応する手術情報が表す手術内容による手術が、過去
に成功したことがないと判定された場合、ステップS5
2に進み、姿勢パラメータ制御部28は、その特異パラ
メータが、操作部9の誤操作等によるものであるとし
て、マスタマニピュレータ621乃至62Kそれぞれから
の操作部9の姿勢パラメータのうちの、特異パラメータ
を除いたものの、例えば平均値等の重み付け加算値を求
め、ステップS47に進む。
【0150】その後、ステップS47乃至S49におい
て、マスタマニピュレータ621乃至62Kそれぞれから
の操作部9の姿勢パラメータのうちの、特異パラメータ
を除いたものの重み付け加算値を対象に、上述した場合
と同様の処理が行われ、ステップS42に戻る。
【0151】従って、この場合、スレーブマニピュレー
タ61の先端部4の動きは、マスタマニピュレータ62
1乃至62KのユーザU1乃至UKそれぞれによる操作のう
ち、特に他の操作と異なった操作を除いたものを平均化
したもの(あるいは、その平均化した操作を手術技術情
報に基づいて修正したもの)に従うことなる。
【0152】一方、ステップS51において、特異パラ
メータに対応する手術情報が表す手術内容による手術
が、過去に成功したことがあると判定された場合、ステ
ップS53に進み、姿勢パラメータ制御部28は、更新
部26を制御することにより、手術技術情報データベー
ス27を更新させる。
【0153】即ち、この場合、更新部26は、特異パラ
メータに対応する手術情報が表す手術内容に基づいて、
その手術を行うのに最適な操作部9の操作方法(手順)
や、操作部9の操作として制限すべき操作内容等を、手
術技術情報として生成し、手術技術情報データベース2
7に供給して記憶させることにより、手術技術情報デー
タベース27を更新する。
【0154】そして、ステップS54に進み、姿勢パラ
メータ制御部28は、入出力制御装置21を制御するこ
とにより、特異パラメータである姿勢パラメータを、ス
レーブマニピュレータ61に送信し、ステップS42に
戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
【0155】従って、この場合、スレーブマニピュレー
タ61の先端部4の動きは、マスタマニピュレータ62
1乃至62KのユーザU1乃至UKそれぞれによる操作のう
ち、特に他の操作と異なった操作に従うことになる。
【0156】即ち、マスタマニピュレータ621乃至6
KのユーザU1乃至UKのうちの一人のユーザが、他の
ユーザとは異なる操作(ここでは、同一の操作と見なす
ことができない程度の異なる操作)を行ったが、そのよ
うな操作による手術が成功した前例がある場合には、ス
レーブマニピュレータ61の先端部4の動きは、他のユ
ーザとは異なる操作を行った一人のユーザによる操作に
従うことになる。
【0157】その結果、例えば、ユーザU1乃至UKのう
ちの一人のユーザが、他のユーザに比較して、手術技術
の熟練した、いわば名医である場合において、その名医
であるユーザが、最新の手術技術に基づき、他のユーザ
と異なる操作をしたときには、スレーブマニピュレータ
61の先端部4は、その名医のユーザの操作に対応して
動くことになる。
【0158】従って、図1の手術システムでは、マスタ
マニピュレータ621乃至62Kそれぞれの操作に基づく
姿勢パラメータによって、スーパドクタデータベース部
64における手術技術情報データベース27の手術技術
情報が、より良いものに更新されていく。さらに、スー
パドクタデータベース部64では、マスタマニピュレー
タ621乃至62Kそれぞれの操作に基づく姿勢パラメー
タと、手術技術情報から、スレーブマニピュレータ61
に提供する姿勢パラメータ(基準姿勢パラメータ)が生
成され、スレーブマニピュレータ61では、その基準姿
勢パラメータにしたがって先端部4の姿勢が制御される
ことによって、患者の手術が行われる一方、マスタマニ
ピュレータ621乃至62Kでは、それぞれの操作と、基
準姿勢パラメータとのずれを、いわば矯正するように、
操作部9を操作するユーザU1乃至UKに負荷がかけられ
る。
【0159】その結果、スレーブマニピュレータ61で
は、多数のユーザとしての医者による技術と、過去の手
術によって構築され、さらに更新されていく手術技術情
報とに基づく、いわば最高レベルの手術が行われること
になる。
【0160】また、マスタマニピュレータ62では、ユ
ーザである獣医の操作が、実際の手術としての先端部4
の動きに一致するように矯正されるので、ユーザである
獣医の手術技術の向上を、短時間で図ることができる。
【0161】即ち、図1の手術システムでは、図11に
示すように、マスタマニピュレータ621乃至62Kそれ
ぞれの操作に基づいて、スーパドクタデータベース部6
4の手術技術情報が、より良いものに更新されていき、
さらに、マスタマニピュレータ621乃至62Kにおいて
は、手術技術情報の、いわばフィードバックを受け、ユ
ーザの操作が、手術技術情報に適合するように矯正され
る。
【0162】従って、マスタマニピュレータ621乃至
62Kそれぞれにおいては、それ単独の場合ではできな
かった、ユーザである医者の技術を短時間で向上させる
という高機能が実現されているということができるが、
これは、マスタマニピュレータ621乃至62Kと、スー
パドクタデータベース部64とが、図11において点線
で囲むように、まるで1つの装置であるかのようになっ
て、マスタマニピュレータ621乃至62Kそれぞれの操
作に基づいて、スーパドクタデータベース部64の手術
技術情報が、より良いものに更新されることにより、結
果として、マスタマニピュレータ621乃至62Kそれぞ
れが、手術技術情報を、より良いものに更新するという
処理を、互いに協調しながら分担することとなっている
からである。
【0163】これに対して、スーパドクタデータベース
部64が、単に、マスタマニピュレータ621乃至62K
それぞれの操作内容を記憶し、マスタマニピュレータ6
1乃至62Kそれぞれにフィードバックするというだけ
では、マスタマニピュレータ621乃至62Kそれぞれ
が、ユーザによる操作内容を、スーパドクタデータベー
ス部64に供給するという処理を、単に分担しているだ
けとなり、マスタマニピュレータ621乃至62Kそれぞ
れにおいて、ユーザである獣医の技術を向上させるとい
う高機能を実現することはできない。
【0164】次に、図12は、本発明を適用したデザイ
ンシステムの一実施の形態の構成例を示している。
【0165】このデザインシステムは、デザイン用のマ
ニピュレータシステムであり、擬似スレーブマニピュレ
ータ41、マスタマニピュレータ421乃至42K、ネッ
トワーク43、およびスーパデザイナデータベース部4
4から構成されている。
【0166】擬似スレーブマニピュレータ41は、ネッ
トワーク43を介して供給される信号に基づいて動作
し、デザインの対象となっている物品に対して、所定の
デザインを施す。なお、ここでは、例えば、PDA(Per
sonal Digital Assistant)を、デザインの対象とする。
但し、デザインの対象は、PDAに限定されるものでは
ない。
【0167】マスタマニピュレータ42kは、ユーザUk
の操作と、スーパデザイナデータベース部44からネッ
トワーク43を介して供給される情報とに応じて作動す
る。また、マスタマニピュレータ42kは、その作動の
状態を検知し、その検知結果を、ネットワーク43を介
して、スーパデザイナデータベース部44に送信する。
【0168】なお、図12の実施の形態では、K個のマ
スタマニピュレータ421乃至42Kが設けられている
が、以下、適宜、これらを特に区別する必要がない限
り、マスタマニピュレータ42と記載する。
【0169】ネットワーク43は、擬似スレーブマニピ
ュレータ41、マスタマニピュレータ421乃至42K
スーパデザイナデータベース部44それぞれの間での通
信を可能とする。
【0170】スーパデザイナデータベース部44は、ネ
ットワーク43を介して供給されるマスタマニピュレー
タ42の作動の状態を受信し、その状態に基づいて、デ
ザインに関する情報を生成する。さらに、スーパデザイ
ナデータベース部44は、そのデザインに関する情報
と、マスタマニピュレータ42の状態に基づき、制御信
号を生成し、ネットワーク43を経由して、擬似スレー
ブマニピュレータ41に供給することによって、擬似ス
レーブマニピュレータ41を制御する。
【0171】なお、図12の実施の形態においては、擬
似スレーブマニピュレータ41は、実際の作業を行うマ
ニピュレータではなく、マスタマニピュレータ42にし
たがって、仮想的に作業を行うマニピュレータとなって
いる。但し、擬似スレーブマニピュレータ41は、実際
の作業を行うマニピュレータとして構成することも可能
である。
【0172】次に、図13は、図12の擬似スレーブマ
ニピュレータ41の電気的構成例を示している。なお、
図中、図5のスレーブマニピュレータ61における場合
と対応する部分については、同一の符号を付してあり、
以下では、その説明は、適宜省略する。
【0173】擬似スレーブマニピュレータ部77は、図
5のスレーブマニピュレータ部3と擬似的に同一の機能
を有するもので、例えば、CPUがプログラムを実行する
ことにより実現される。そして、擬似スレーブマニピュ
レータ部77は、スレーブマニピュレータ制御装置51
の制御にしたがい、デザインの対象に対して、各種の作
用を仮想的に施す。
【0174】即ち、擬似スレーブマニピュレータ部77
は、デザイン情報データベース78に記憶されている、
PDAのデザイン用のデータから特定される仮想的なP
DAに対して、スレーブマニピュレータ制御装置51の
制御にしたがい、仮想的な先端部(図2(A)のスレー
ブマニピュレータ61における先端部4Lと4Rに相当
する)によって各種の処理を施す。
【0175】また、擬似スレーブマニピュレータ部77
は、図5のスレーブマニピュレータ部3と同様に、仮想
的なPDAに対し、仮想的な先端部によって操作を施す
ことにより、その仮想的な先端部が、仮想的なPDAか
ら受ける力F1やトルクT1等に対応する信号、即ち、図
5のスレーブマニピュレータ部3のセンサ75の出力に
対応する信号を計算し、制御機構部73に供給する。
【0176】デザイン情報データベース78は、仮想的
なPDAの外観構成を特定するためのデータとしてのデ
ザイン情報を記憶する。即ち、デザイン情報データベー
ス78は、マスタマニピュレータ421乃至42Kのユー
ザU1乃至UKそれぞれが、マスタマニピュレータ421
乃至42Kを操作することによってデザインしたPDA
のデザイン情報を記憶する。
【0177】画像生成部79は、擬似スレーブマニピュ
レータ部77の内部データに基づいて、仮想的な先端部
等の状態を表す画像データを生成する。さらに、画像生
成部79は、デザイン情報データベース78に記憶され
たデザイン情報から、仮想的なPDAの画像データを生
成する。そして、画像生成部79は、仮想的な先端部等
の画像データと、仮想的なPDAの画像データとを合成
し、これにより、擬似スレーブマニピュレータ部77が
実際のマニピュレータであり、実際のPDAに対して作
業を行っていれば、図5のスレーブマニピュレータ61
のカメラ61乃至65によって撮像されたであろう画像の
画像データを生成する。この画像データは、画像生成部
79から入出力制御装置80に供給される。
【0178】入出力制御装置80は、ネットワーク43
に接続されており、画像生成部79から供給される画像
データを、ネットワーク43を介して、スーパデザイナ
データベース部44に送信する。また、入出力制御装置
80は、デザイン情報データベース78に記憶された、
ユーザU1乃至UKそれぞれがデザインしたPDAについ
てのデザイン情報を、ネットワーク43を介して、スー
パデザイナデータベース部44に送信する。
【0179】次に、図14は、図12のマスタマニピュ
レータ42の電気的構成例を示している。なお、図中、
図6のマスタマニピュレータ62と対応する部分につい
ては、同一の符号を付してあり、以下では、その説明
は、適宜省略する。即ち、図12のマスタマニピュレー
タ42は、スピーカ11が設けられていない他は、図6
のマスタマニピュレータ62と同様に構成されている。
従って、図示しないが、マスタマニピュレータ42の外
観構成も、図2(B)に示したマスタマニピュレータ6
2の外観構成と基本的に同一である。
【0180】次に、図15は、図12のスーパデザイナ
データベース部44の構成例を示している。なお、図
中、図7のスーパドクタデータベース部64における場
合と対応する部分については、同一の符号を付してあ
り、以下では、その説明は、適宜省略する。
【0181】デザイン情報登録部91は、図13の擬似
スレーブマニピュレータ41の入出力制御装置80がネ
ットワーク43を介して送信してくる、デザイン情報デ
ータベース78に記憶された、ユーザU1乃至UKそれぞ
れがデザインしたPDAについてのデザイン情報を受信
し、デザイン情報データベース92に供給して登録す
る。なお、ユーザUkがデザインしたPDAについての
デザイン情報の、擬似スレーブマニピュレータ41から
スーパデザイナデータベース部44への転送は、例え
ば、ユーザUkが、自身のPDAのデザインを登録する
ように、マスタマニピュレータ42の操作部12を操作
することによって行われる。
【0182】デザイン情報データベース92は、デザイ
ン情報登録部91からのデザイン情報を記憶する。
【0183】デザイン評価部93は、デザイン情報デー
タベース92に記憶されたデザイン情報によって特定さ
れるPDAのデザインを、例えば外部からの情報に基づ
いて評価する。
【0184】即ち、デザイン評価部93は、例えば、デ
ザイン情報データベース92に記憶されたデザイン情報
によって特定されるPDAの外観構成を、インターネッ
ト上のWebページに公開して、人気投票を行い、その
投票結果に基づいて、PDAのデザインを評価する。あ
るいは、また、デザイン評価部93は、例えば、デザイ
ン情報データベース92に記憶されたデザイン情報によ
って特定されるPDAが、既に商品化されて販売されて
いる場合には、ネットワーク43を介して、そのPDA
の販売個数を収集し、その販売個数に基づいて、PDA
のデザインを評価する。なお、PDAのデザインについ
ては、そのデザインに対する人気投票の投票数が多いほ
ど、また、そのデザインのPDAの販売個数が多いほど、
高い評価が与えられる。
【0185】特異デザイン情報データベース94は、姿
勢パラメータ登録部22から供給される特異デザイン情
報を記憶し、流行デザイン情報データベース95は、更
新部26から供給される流行デザイン情報を記憶する。
【0186】ここで、流行デザイン情報とは、デザイン
情報データベース92に記憶されたデザイン情報のう
ち、デザイン評価部93による評価が高いものを意味
し、特異デザイン情報とは、流行デザイン情報から、い
わばはずれたデザイン(以下、適宜、特異デザインとい
う)のデザイン情報を意味する。
【0187】次に、図16は、図13のデザイン情報デ
ータベース78、図15のデザイン情報データベース9
2、特異デザイン情報データベース94、流行デザイン
情報データベース95に記憶されるPDAのデザイン情
報の例を示している。
【0188】PDAのデザイン情報としては、図16
(A)に示すように、PDAの横の長さp1、縦の長さ
p2、PDAの表示部としてのLCDの横の長さp3、
その縦の長さp4、PDAの重心の位置p6、PDAに
設けられたボタンの位置p7,p8等を採用することが
できる。
【0189】また、例えば、図16(B)に示すよう
に、PDAが円弧状の丸みを有する場合には、その円弧
の半径p9,p10,p11,p12等を、PDAのデ
ザイン情報として採用することができる。
【0190】次に、図17のフローチャートを参照し
て、図13の擬似スレーブマニピュレータ41の処理に
ついて説明する。
【0191】ステップS61において、入出力制御装置
80は、画像生成部79で生成された画像データの送信
を開始する。
【0192】即ち、マスタマニピュレータ42k(図1
4)のユーザUkが、デザインを開始するように、操作
パネル12を操作すると、その操作に対応する操作信号
(以下、適宜、開始信号という)が、入出力制御装置5
4から、ネットワーク43を介して、擬似スレーブマニ
ピュレータ41とスーパデザイナデータベース部44に
送信される。
【0193】マスタマニピュレータ42kからの開始信
号は、擬似スレーブマニピュレータ41の入出力制御装
置80で受信され、この場合、入出力制御装置80は、
ユーザUk用の画像データを生成するように、画像生成
部79に指令する。これにより、画像生成部79は、ユ
ーザUk用に、画像データの生成を開始し、入出力制御
装置80は、そのユーザUk用に生成された画像データ
(以下、適宜、ユーザUk用の画像データという)の送
信を開始する。なお、この画像データの送信は、その
後、例えば、マスタマニピュレータ42k(図14)の
操作パネル12が、その送信を停止するように操作され
るまで続行される。
【0194】さらに、ステップS61では、スレーブマ
ニピュレータ制御装置51が、擬似スレーブマニピュレ
ータ部77の仮想的な先端部の姿勢パラメータを、スー
パデザイナデータベース部44に送信する。
【0195】即ち、スレーブマニピュレータ制御装置5
1において、制御機構部73は、擬似スレーブマニピュ
レータ部77が出力する仮想的な先端部等の状態に関す
る信号(以下、適宜、状態信号という)を受信して、制
御部71に供給する。制御部71は、制御機構部73か
ら供給される状態信号に基づいて、擬似スレーブマニピ
ュレータ部77の仮想的な先端部の姿勢パラメータを求
め、通信部74に供給する。通信部74は、制御部71
からの姿勢パラメータを、ネットワーク43を介して、
スーパデザイナデータベース部44に送信する。
【0196】その後、後述するように、スーパデザイナ
データベース部44から、ネットワーク43を介して、
姿勢パラメータが送信されてくるので、スレーブマニピ
ュレータ制御装置51の通信部74は、スーパドクタデ
ータベース部64から姿勢パラメータが送信されてくる
のを待って、ステップS62に進み、その姿勢パラメー
タを受信する。
【0197】この姿勢パラメータは、通信部74から制
御部71に供給され、制御部71は、ステップS63に
おいて、擬似スレーブマニピュレータ部77の仮想的な
先端部が、その姿勢パラメータに対応する姿勢をとるよ
うに、擬似スレーブマニピュレータ部77を制御する。
【0198】具体的には、スレーブマニピュレータ制御
装置51の制御部71は、通信部74からの姿勢パラメ
ータを、姿勢遷移機構部72に供給する。姿勢遷移機構
部72は、擬似スレーブマニピュレータ部77の仮想的
な先端部の姿勢を、現在の姿勢から、制御部71から供
給された姿勢パラメータに対応する姿勢に遷移させるた
めの姿勢遷移情報を生成し、制御機構部73に供給す
る。
【0199】制御機構部73は、姿勢遷移機構部72か
らの姿勢遷移情報に従って制御信号を生成し、これを、
擬似スレーブマニピュレータ部77に送出する。擬似ス
レーブマニピュレータ部77は、制御機構部73からの
制御信号に従って、仮想的な先端部の姿勢を変化させ、
通信部74で受信された姿勢パラメータに対応する姿勢
をとらせる。
【0200】そして、ステップS64に進み、スレーブ
マニピュレータ制御装置51は、ステップS63での制
御で、擬似スレーブマニピュレータ部77の仮想的な先
端部が姿勢を変化させることで、仮想的な先端部が外部
(デザインの対象である仮想的なPDA)から受けた力
F1とトルクT1を、その仮想的な先端部の姿勢パラメー
タとともに、ネットワーク43を介して、スーパデザイ
ナデータベース部44に送信する。
【0201】即ち、スレーブマニピュレータ制御装置5
1において、制御機構部73は、擬似スレーブマニピュ
レータ部77が出力する状態信号を、制御部71に供給
し、制御部71は、その状態信号から、仮想的な先端部
が外部から受けた力F1とトルクT1、および仮想的な先
端部の姿勢パラメータを算出する。さらに、制御部71
は、この力F1とトルクT1、および姿勢パラメータを、
通信部74に供給し、通信部74は、その力F1とトル
クT1、および姿勢パラメータを、ネットワーク43を
介して、スーパデザイナデータベース部44に送信す
る。
【0202】その後は、ステップS62に戻り、以下、
同様の処理が繰り返される。
【0203】従って、擬似スレーブマニピュレータ41
においては、擬似スレーブマニピュレータ部77の仮想
的な先端部が、スーパデザイナデータベース部44から
送信されてくる姿勢パラメータに対応する姿勢に変化し
ていくことによって、PDAに対してデザインが施され
る。
【0204】なお、ステップS64においては、例え
ば、PDAが、模型用の材料として用いられる発泡プラ
スチックやABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)
樹脂等で構成されているとして、力F1とトルクT1を計
算するようにすることができる。
【0205】次に、図18のフローチャートを参照し
て、図14のマスタマニピュレータ42の処理について
説明する。
【0206】後述するように、スーパデザイナデータベ
ース部44は、擬似スレーブマニピュレータ41から送
信されてくる画像データを、ネットワーク43を介し
て、マスタマニピュレータ42に送信してくるので、ス
テップS71では、その画像データの受信が開始され
る。
【0207】即ち、ステップS71では、入出力制御装
置54は、ネットワーク43を介して、スーパデザイナ
データベース部44から送信されてくる画像データを受
信し、画像データを、モニタ10に供給する。これによ
り、モニタ10には、擬似スレーブマニピュレータ部7
7(図13)がPDAに対して処理を施している様子を
表す画像が表示される。
【0208】さらに、後述するように、スーパデザイナ
データベース部44は、擬似スレーブマニピュレータ4
1から送信されてくる、仮想的な先端部の姿勢パラメー
タを、ネットワーク43を介して、マスタマニピュレー
タ42に送信してくるので、ステップS71では、マス
タマニピュレータ制御装置53は、その姿勢パラメータ
を受信し、その姿勢パラメータに基づいて、マスタマニ
ピュレータ部8の操作部9の姿勢を制御する。
【0209】即ち、マスタマニピュレータ制御装置53
において、通信部84は、ネットワーク43を介して、
スーパデザイナデータベース部44から送信されてく
る、擬似スレーブマニピュレータ部77の仮想的な先端
部の姿勢パラメータを受信し、制御部81に供給する。
制御部81は、通信部84からの姿勢パラメータを受信
し、姿勢遷移機構部82に供給する。姿勢遷移機構部8
2は、マスタマニピュレータ部8の操作部9の姿勢を、
現在の姿勢から、制御部81から供給された姿勢パラメ
ータに対応する姿勢に遷移させるための姿勢遷移情報を
生成し、制御機構部83に供給する。制御機構部83
は、姿勢遷移機構部82からの姿勢遷移情報に従って制
御信号を生成し、これを、マスタマニピュレータ部8に
送出する。マスタマニピュレータ部8のアクチュエータ
86は、この制御信号に従って駆動し、これにより、操
作部9は、その姿勢を変化させ、擬似スレーブマニピュ
レータ部77の仮想的な先端部の姿勢と同一の姿勢をと
る。
【0210】その後、ステップS72において、マスタ
マニピュレータ部8の操作部9の姿勢パラメータが、ネ
ットワーク43を介して、スーパデザイナデータベース
部44に送信される。
【0211】具体的には、マスタマニピュレータ制御装
置53において、制御機構部83は、マスタマニピュレ
ータ部8のセンサ85の出力を受信し、制御部81に供
給する。制御部81は、センサ85の出力から、マスタ
マニピュレータ部8の操作部9の姿勢パラメータを算出
し、通信部84に供給する。通信部84は、制御部81
からの操作部9の姿勢パラメータを、ネットワーク43
を介して、スーパデザイナデータベース部44に送信す
る。
【0212】このステップS72の処理によって、ユー
ザの操作によって変化したマスタマニピュレータ部8の
操作部9の姿勢を表す姿勢パラメータが、スーパデザイ
ナデータベース部44に送信される。
【0213】そして、ステップS73に進み、マスタマ
ニピュレータ制御装置53の通信部84は、ネットワー
ク43を介してスーパデザイナデータベース部44から
送信されてくる、擬似スレーブマニピュレータ部77の
仮想的な先端部の姿勢パラメータを、基準姿勢パラメー
タとして受信し、ステップS74に進む。ステップS7
4では、マスタマニピュレータ制御装置53の通信部8
4は、スーパデザイナデータベース部44から、仮想的
な先端部の姿勢パラメータとともに送信されてくる、仮
想的な先端部が外部から受けた力F1とトルクT1を受信
する。この仮想的な先端部についての姿勢パラメータ、
および力F1とトルクT1は、通信部84から制御部81
に供給され、ステップS74からS75に進む。
【0214】ステップS75では、制御部81は、ステ
ップS72で取得(算出)した操作部9の姿勢パラメー
タと、ステップS73で取得(受信)した基準姿勢パラ
メータの差を算出し、ステップS76に進む。
【0215】ステップS76では、制御部81は、ステ
ップS75で算出した、操作部9の姿勢パラメータと基
準姿勢パラメータとの差(ずれ)の大きさに比例した大
きさで、ずれの方向とは逆方向の力F2とトルクT2を算
出し、ステップS77に進む。
【0216】ステップS77では、制御部81は、ステ
ップS76で算出した力F2とトルクT2のそれぞれに、
ステップS74で取得した力F1およびトルクT1に比例
する力とトルクを加算し、操作部9を操作するユーザU
に知覚させる力FoおよびトルクToを算出する。すなわ
ち、制御部81は、例えば、上述の式(1)に従って、
力FoおよびトルクToを算出する。
【0217】その後、ステップS78において、マスタ
マニピュレータ部8の操作部9を操作するユーザU
kに、ステップS77で算出された力FoとトルクToを
知覚させるように、マスタマニピュレータ部8が制御さ
れる。
【0218】即ち、制御部81は、ステップS73で得
た基準姿勢パラメータと、ステップS76で得た力Fo
およびトルクToを、姿勢遷移機構部82に供給する。
姿勢遷移機構部82は、マスタマニピュレータ部8の操
作部9の姿勢を、現在の姿勢から、制御部81から供給
された基準姿勢パラメータに対応する姿勢に遷移させる
ための姿勢遷移情報であって、さらに、力Foおよびト
ルクToをユーザに知覚させることのできる加速度(上
述したように、角加速度を含む)の情報を含むものを生
成し、制御機構部83に供給する。制御機構部83は、
姿勢遷移機構部82からの姿勢遷移情報に従って制御信
号を生成し、これを、マスタマニピュレータ部8に送出
する。マスタマニピュレータ部8のアクチュエータ86
は、この制御信号に従って駆動し、これにより、操作部
9は、その姿勢を、所定の加速度で変化させることによ
り、ユーザUに力FoおよびトルクToを知覚させなが
ら、擬似スレーブマニピュレータ部77の仮想的な先端
部の姿勢と同一の姿勢をとる。
【0219】その後は、ステップS72に戻り、以下、
同様の処理が繰り返される。
【0220】以上のように、ユーザUに知覚させる力F
oおよびトルクToを、ステップS75で算出されたずれ
の大きさに比例した大きさで、ずれの方向とは逆方向の
力F2とトルクT2と、擬似スレーブマニピュレータ部7
7の仮想的な先端部が受けたに力F1とトルクT1に比例
する力とトルクとが加算されたものとするようにしたの
で、ユーザUに、操作部9の姿勢パラメータと基準姿勢
パラメータとのずれ、および擬似スレーブマニピュレー
タ部77の仮想的な先端部が受ける反力を意識させるこ
とができる。
【0221】従って、ユーザUkは、マスタマニピュレ
ータ部8の操作部9を、基準姿勢パラメータに対応する
姿勢と異なる姿勢にするように操作した場合には、その
姿勢の異なり具合が大きいほど、大きな反力を受けるの
で、自身の操作が、擬似スレーブマニピュレータ部77
の仮想的な先端部が実際にとった姿勢とどの程度異なる
かを、いわば感覚的に認識することができる。
【0222】次に、図19のフローチャートを参照し
て、図15のスーパデザイナデータベース部44の処理
について説明する。なお、スーパデザイナデータベース
部44は、開始信号を送信してきたマスタマニピュレー
タ42kごとに、そのマスタマニピュレータ42kと擬似
スレーブマニピュレータ41を制御する処理として、図
15のフローチャートに従った処理(以下、適宜、制御
処理という)を行う。従って、擬似スレーブマニピュレ
ータ41でも、開始信号を送信したマスタマニピュレー
タ42kごとに対して、上述の処理が行われる。
【0223】まず最初に、ステップS91において、入
出力制御装置21は、擬似スレーブマニピュレータ41
からの画像データの受信と、その画像データのマスタマ
ニピュレータ42kへの送信を開始する。
【0224】即ち、図17で説明したように、ステップ
S61において、擬似スレーブマニピュレータ41(図
13)は、画像データの、スーパデザイナデータベース
部44への送信を開始するので、スーパデザイナデータ
ベース部44の入出力制御装置21は、そのようにして
擬似スレーブマニピュレータ41からネットワーク43
を介して送信されてくる画像データの受信を開始する。
【0225】さらに、入出力制御装置21は、擬似スレ
ーブマニピュレータ41から受信した画像データの、マ
スタマニピュレータ42kへの送信を開始する。ここ
で、マスタマニピュレータ42では、このようにして、
入出力制御装置21から送信される画像データの受信
が、上述の図18のステップS71で開始される。
【0226】また、ステップS91では、入出力制御装
置21は、図17のステップS61において擬似スレー
ブマニピュレータ41から送信されてくる姿勢パラメー
タ(擬似スレーブマニピュレータ部77の仮想的な先端
部の姿勢パラメータ)を受信し、その姿勢パラメータ
を、基準姿勢パラメータとして、マスタマニピュレータ
42kに送信する。ここで、この基準姿勢パラメータ
は、マスタマニピュレータ42kにおいて、上述の図1
8のステップS71で受信され、これにより、操作部9
(マスタマニピュレータ部8の操作部9)は、その基準
パラメータに対応する姿勢、即ち、擬似スレーブマニピ
ュレータ部77の仮想的な先端部の姿勢と同一の姿勢を
とる。
【0227】その後、ステップS92に進み、入出力制
御装置21は、擬似スレーブマニピュレータ41から、
その仮想的な先端部についての姿勢パラメータと、力F
1およびトルクT1が、図17のステップS64で送信さ
れてくるのを待って受信し、その姿勢パラメータを基準
姿勢パラメータとして、力F1およびトルクT1ととも
に、マスタマニピュレータ42kに送信する。ここで、
マスタマニピュレータ42kでは、仮想的な先端部につ
いて姿勢パラメータは、図18のステップS73で受信
され、仮想的な先端部についての力F1およびトルクT1
は、図18のステップS74で受信される。
【0228】そして、ステップS93に進み、入出力制
御装置21は、マスタマニピュレータ42kが図18の
ステップS72で送信してくる操作部9の姿勢パラメー
タを受信し、姿勢パラメータ制御部28に供給して、ス
テップS94に進む。
【0229】ステップS94では、姿勢パラメータ制御
部28は、検索部29に流行デザイン情報データベース
95を検索させることにより、ステップS93でマスタ
マニピュレータ42kから受信した姿勢パラメータによ
るデザインを制限するような流行デザイン情報が、流行
デザイン情報データベース95に登録されているかどう
かを判定する。
【0230】ステップS94において、マスタマニピュ
レータ42kからの姿勢パラメータによるデザインを制
限するような流行デザイン情報が、流行デザイン情報デ
ータベース95に登録されていないと判定された場合、
即ち、姿勢パラメータによるデザインが、流行デザイン
情報が表す、流行しているデザインから、それほどはず
れるもの(特異デザイン)ではない場合、ステップS9
9に進み、姿勢パラメータ制御部28は、マスタマニピ
ュレータ42kからの姿勢パラメータを、入出力制御装
置21に供給し、入出力制御装置21は、姿勢パラメー
タ制御部28からの姿勢パラメータを、擬似スレーブマ
ニピュレータ41に送信する。その後、ステップS92
に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0231】従って、この場合、擬似スレーブマニピュ
レータ41の仮想的な先端部の動きは、マスタマニピュ
レータ42kのユーザUkによる操作に従うことなる。
【0232】一方、ステップS94において、マスタマ
ニピュレータ42kからの姿勢パラメータによるデザイ
ンを制限するような流行デザイン情報が、流行デザイン
情報データベース95に登録されていると判定された場
合、即ち、姿勢パラメータによるデザインが、流行デザ
イン情報が表す、流行しているデザインからはずれるも
の(特異デザイン)である場合(現在の流行からすれ
ば、突飛なデザインである場合)、ステップS95に進
み、姿勢パラメータ制御部28は、姿勢パラメータ登録
部22を制御することにより、マスタマニピュレータ4
kからの姿勢パラメータによる特異デザインを表す特
異デザイン情報を、特異デザイン情報データベース94
に登録させ、ステップS96に進む。
【0233】ステップS96では、更新部26が、直前
のステップS95で特異デザイン情報データベース94
に登録された特異デザイン情報(以下、適宜、直前特異
デザイン情報という)の頻度が所定の閾値より大である
かどうかを判定する。
【0234】ステップS96において、直前特異デザイ
ン情報の頻度が所定の閾値より大でないと判定された場
合、即ち、直前特異デザイン情報が表す特異デザインを
施すような操作が、1以上のユーザによってそれほど行
われていない場合、ステップS97に進み、姿勢パラメ
ータ制御部28は、マスタマニピュレータ42kからの
姿勢パラメータを、その姿勢パラメータによるデザイン
を制限する流行デザイン情報に基づいて修正し、その流
行デザイン情報による制限の範囲内のものとする。そし
て、ステップS99に進み、姿勢パラメータ制御部28
は、修正後の姿勢パラメータを、入出力制御装置21を
介して、擬似スレーブマニピュレータ41に送信して、
ステップS92に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
【0235】従って、この場合、擬似スレーブマニピュ
レータ41の仮想的な先端部の動きは、マスタマニピュ
レータ42kのユーザUkによる操作を流行デザイン情報
に基づいて修正したもの、つまり、ユーザが行おうとし
た突飛なデザイン(特異デザイン)を、流行のデザイン
からあまりかけ離れたものとならないように修正したも
のに従うことなる。ここで、上述のように、擬似スレー
ブマニピュレータ41の仮想的な先端部を動かそうとす
るマスタマニピュレータ42kのユーザUkによる操作
は、流行デザイン情報によって制限されることから、流
行デザイン情報は、マスタマニピュレータ42kの動き
の基準となる情報ということができる。
【0236】一方、ステップS96において、直前特異
デザイン情報の頻度が大であると判定された場合、即
ち、直前特異デザイン情報が表す特異デザインを施すよ
うな操作が、1以上のユーザによって多数行われ(多数
のユーザによって行われた場合と、ユーザによって多数
回行われた場合の両方を含む)、その結果、現在の流行
が、直前特異デザイン情報が表すデザインに変化してき
たと推測される場合、ステップS98に進み、更新部2
6は、直前特異デザイン情報を、特異デザイン情報デー
タベース94から読み出し、流行デザイン情報として、
流行デザイン情報データベース95に転送して追加記憶
させる。
【0237】その後は、ステップS99に進み、姿勢パ
ラメータ制御部28は、マスタマニピュレータ42k
らの姿勢パラメータを、入出力制御装置21に供給し、
入出力制御装置21は、姿勢パラメータ制御部28から
の姿勢パラメータを、擬似スレーブマニピュレータ41
に送信する。その後、ステップS92に戻り、以下、同
様の処理が繰り返される。
【0238】従って、この場合、擬似スレーブマニピュ
レータ41の仮想的な先端部の動きは、マスタマニピュ
レータ42kのユーザUkによる操作に従うことなる。
【0239】図19のフローチャートにしたがった処理
によれば、マスタマニピュレータ42kからの姿勢パラ
メータによるデザインが、流行デザイン情報が表す、流
行しているデザインからはずれる特異デザインである場
合(現在の流行からすれば、突飛なデザインである場
合)、最初のうちは、そのような特異デザインを行おう
とする操作は、流行デザイン情報に基づいて修正され
る。しかしながら、最初は、特異デザインであっても、
その特異デザインを施すような操作が多数行われた場合
には、特異デザインが多数に受け入れられ、現在の流行
が、その特異デザインに変化したと推測される。そこ
で、この場合には、流行デザイン情報データベース95
に、その特異デザイン情報が、流行デザイン情報として
追加記憶され、さらに、そのような特異デザインを施そ
うとするユーザの操作も、流行デザイン情報によって制
限(修正)されないようになる。
【0240】その結果、擬似スレーブマニピュレータ4
1の仮想的な先端部は、最初は、特異デザインを施すよ
うな操作に従わなかったのが、その特異デザインが多数
に認知されてくると、その特異デザインを施す操作に従
って動くようになる。即ち、例えば、図16(A)に示
したようなPDAのデザインが流行している場合におい
て、図16(B)に示したようなPDAのデザインを施
すように、マスタマニピュレータ42を操作しても、最
初のうちは、その操作が制限されるが、そのような操作
が多数行われていくうちに、その操作が制限されなくな
り、図16(B)のPDAのデザインを施すことが可能
になっていく。
【0241】以上のように、図12のデザインシステム
では、マスタマニピュレータ421乃至42Kを操作する
ユーザU1乃至UKそれぞれによって行われるデザインに
基づいて、流行デザイン情報データベース95の更新
(上述の場合には、特異デザイン情報の追加記憶)が行
われるが、さらに、このデザインシステムでは、外部の
一般ユーザによる評価にも基づいて、流行デザイン情報
データベース95の更新が行われるようになっている。
【0242】そこで、図20のフローチャートを参照し
て、外部の一般ユーザによる評価に基づく、流行デザイ
ン情報データベース95の更新処理について説明する。
【0243】まず最初に、ステップS111において、
デザイン評価部93は、デザイン情報登録部91によっ
てデザイン情報データベース92に登録されたデザイン
情報によるデザインを評価する評価情報を収集する。
【0244】即ち、デザイン評価部93は、例えば、デ
ザイン情報データベース92に記憶されたデザイン情報
を公開しているWebページについて、一般ユーザが行
ったデザイン情報の人気投票結果を、評価情報として、
ネットワーク43を介して収集する。また、デザイン評
価部93は、デザイン情報データベース92に記憶され
たデザイン情報によって特定されるPDAの販売個数
を、評価情報として、ネットワーク43を介して収集す
る。
【0245】そして、ステップS112に進み、デザイ
ン評価部93は、デザイン情報データベース92に記憶
されているデザイン情報それぞれに対し、ステップS1
11で収集した評価情報に基づき、評価値を計算し、そ
の評価値によって、デザイン情報データベース92を更
新する。
【0246】即ち、デザイン情報データベース92に
は、デザイン情報が、前回の更新処理で得られた評価値
(以下、適宜、前回の評価値という)と対応付けられて
記憶されており、ステップS112では、デザイン情報
について新たに計算された評価値(以下、適宜、今回の
評価値という)によって、各デザイン情報に対応付けら
れている評価値(前回の評価値)が更新される。
【0247】ここで、評価値は、例えば、0以上の値
で、その値が大きいほど、評価の程度が高いものとす
る。
【0248】その後、ステップS113に進み、更新部
26は、評価値が所定の閾値ε1以上で、かつ評価値の
変化の割合が閾値+ε2以上のデザイン情報が、デザイ
ン情報データベース92に登録されているかどうかを判
定する。
【0249】ステップS113において、評価値が所定
の閾値ε1以上で、かつ評価値の変化の割合が+ε2以上
のデザイン情報が、デザイン情報データベース92に登
録されていると判定された場合、即ち、評価値自体が大
きく、さらに、評価値の変化(伸び)も大きいデザイン
情報(以下、適宜、人気デザイン情報という)が存在す
る場合、ステップS114に進み、更新部26は、その
人気デザイン情報が、流行デザイン情報として、流行デ
ザイン情報データベース95に既に登録されているかど
うかを判定する。
【0250】ステップS114において、人気デザイン
情報が、流行デザイン情報として、流行デザイン情報デ
ータベース95に既に登録されていると判定された場
合、ステップS111に戻り、以下、同様の処理を繰り
返す。
【0251】また、ステップS114において、人気デ
ザイン情報が、流行デザイン情報データベース95に登
録されていないと判定された場合、ステップS115に
進み、更新部26は、デザイン情報データベース92か
ら、人気デザイン情報を読み出し、流行デザイン情報と
して、流行デザイン情報データベース95に供給して追
加記憶させ、これにより、流行デザイン情報データベー
ス95を更新して、ステップS111に戻る。
【0252】一方、ステップS113において、評価値
が所定の閾値ε1以上で、かつ評価値の変化の割合が+
ε2以上のデザイン情報が、デザイン情報データベース
92に登録されていないと判定された場合、即ち、人気
デザイン情報が存在しない場合、ステップS116に進
み、更新部26は、評価値の変化の割合が所定の閾値ε
3回以上続けて0以下になっているデザイン情報が、デ
ザイン情報データベース92に登録されているかどうか
を判定する。
【0253】ステップS116において、評価値の変化
の割合が所定の閾値ε3回以上続けて0以下になってい
るデザイン情報が存在すると判定された場合、即ち、評
価値が変化しないか、または下降する一方のデザイン情
報(以下、適宜、不人気デザイン情報という)が存在す
る場合、ステップS117に進み、更新部26は、不人
気デザイン情報が、流行デザイン情報として、流行デザ
イン情報データベース95に登録されているかどうかを
判定する。
【0254】ステップS117において、不人気デザイ
ン情報が、流行デザイン情報として、流行デザイン情報
データベース95に登録されていると判定された場合、
ステップS118に進み、更新部26は、その流行デザ
イン情報としての不人気デザイン情報を、流行デザイン
情報データベース95から削除し、これにより、流行デ
ザイン情報データベース95を更新して、ステップS1
11に戻る。
【0255】また、ステップS117において、不人気
デザイン情報が、流行デザイン情報データベース95に
登録されていないと判定された場合、ステップS118
をスキップして、ステップS111に戻る。
【0256】以上のように、図12のデザインシステム
では、マスタマニピュレータ421乃至42Kそれぞれの
操作に基づく姿勢パラメータによって、スーパデザイナ
データベース部44における流行デザイン情報データベ
ース95の流行デザイン情報が、より良いもの(現在の
流行にあったデザイン)に更新されていく。さらに、ス
ーパデザイナデータベース部44における流行デザイン
情報データベース95の流行デザイン情報は、外部のユ
ーザによる評価にも基づいて、より良いものに更新され
ていく。さらに、スーパデザイナデータベース部44で
は、マスタマニピュレータ42kの操作に基づく姿勢パ
ラメータと、流行デザイン情報から、擬似スレーブマニ
ピュレータ41に提供する姿勢パラメータ(基準姿勢パ
ラメータ)が生成され、擬似スレーブマニピュレータ4
1では、その基準姿勢パラメータにしたがって仮想的な
先端部の姿勢が制御されることによって、デザインが施
される一方、マスタマニピュレータ42kでは、そのユ
ーザUkの操作と、基準姿勢パラメータとのずれを、い
わば矯正するように、操作部9を操作するユーザU k
負荷がかけられる。
【0257】その結果、擬似スレーブマニピュレータ4
1では、ユーザUkのデザインセンスと、その他の多数
のユーザのデザインセンスから構築され、更新されてい
く流行デザイン情報とに基づく、いわば流行に沿ったデ
ザインが施されることになる。
【0258】また、マスタマニピュレータ42kでは、
ユーザUkの操作が、流行デザイン情報に基づいて矯正
されるので、ユーザUkのデザイン技術の向上を短時間
で図ることができる。
【0259】ここで、図12のデザインシステムでは、
図21に示すように、マスタマニピュレータ421乃至
42Kそれぞれの操作に基づいて、スーパデザイナデー
タベース部44の流行デザイン情報が、より良いものに
更新されていき、さらに、マスタマニピュレータ421
乃至42Kにおいては、流行デザイン情報の、いわばフ
ィードバックを受け、ユーザの操作が、流行デザイン情
報に適合するように矯正される。
【0260】従って、マスタマニピュレータ421乃至
42Kそれぞれにおいては、それ単独の場合ではできな
かった、ユーザU1乃至UKそれぞれのデザイン技術を向
上させるという高機能が実現されているということがで
きるが、これは、マスタマニピュレータ421乃至42K
と、スーパデザイナデータベース部44とが、図21に
おいて点線で囲むように、まるで1つの装置であるかの
ようになって、マスタマニピュレータ421乃至42K
れぞれの操作に基づいて、スーパデザイナデータベース
部44の流行デザイン情報が、より良いものに更新され
ることにより、結果として、マスタマニピュレータ42
1乃至42Kそれぞれが、流行デザイン情報を、より良い
ものに更新するという処理を、互いに協調しながら分担
することとなっているからである。
【0261】これに対して、スーパデザイナデータベー
ス部44が、単に、マスタマニピュレータ421乃至4
Kそれぞれの操作内容を記憶し、マスタマニピュレー
タ42 1乃至42Kそれぞれにフィードバックするという
だけでは、マスタマニピュレータ421乃至42Kそれぞ
れが、ユーザによる操作内容を、スーパデザイナデータ
ベース部44に供給するという処理を、単に分担してい
るだけとなり、マスタマニピュレータ421乃至42K
れぞれにおいて、ユーザU1乃至UKのデザイン技術を向
上させるという高機能を実現することはできない。
【0262】次に、図22は、全方位カメラである図5
のカメラ65の構成例を示している。
【0263】カメラ65は、集光部202が、撮像部2
03の上部に配置された支持体201によって支持され
ることによって構成されており、集光部202の周囲3
60度の方向を撮像することができるようになってい
る。
【0264】支持体201は、ガラスなどの反射率の低
い透明材料からなり、ガラス面での光の屈折を最小化す
るために、入射光がガラス面と直交するように、集光部
202の後述する焦点を中心とした球面になっている。
【0265】集光部202には、双曲面形状をしてお
り、支持体201を介して入射する周囲の光を、撮像部
203の方向に反射する。
【0266】撮像部203は、例えば、CCD等の光電
変換素子で構成され、そこに入射する光を電気信号とし
ての画像データに変換する。この撮像部203で得られ
る画像データが、カメラ65の出力となる。
【0267】ここで、カメラ65としての全方位カメラ
の構成や集光の原理については、例えば、「移動ロボッ
ト用全方位視覚センサの開発」、自動化技術第29巻第
6号(1997年)(以下、適宜、文献1という)に開
示されているため、ここでは、簡単に説明する。
【0268】図23は、図22の全方位カメラによって
撮像された画像データの例を示している。
【0269】全方位カメラにおいては、その周囲360
度の方向が撮像され、自身を中心とする全方位の画像が
得られる。ここで、この全方位カメラで得られる全方位
の画像(データ)を、以下、適宜、全方位画像(デー
タ)という。
【0270】全方位カメラで得られる全方位画像データ
は、中心点C1を中心とする2つの円の円周F1とF2
によって区分される。なお、図23では、円周F1の方
が、円周F2よりも半径が大きいものとなっている。
【0271】即ち、全方位画像データは、大きい円周F
1の内側で、かつ小さい円周F2の外側になっている領
域R1、大きい円周F1の外側の領域R2、小さい円周
R2に囲まれた領域(内側の領域)R3から構成され
る。
【0272】以上の3つの領域R1乃至R3のうち、領
域R1においては、集光部202で反射された、周囲か
らの光に対応する画像データが撮像されており、領域R
2においては、集光部202の外側の部分(集光部20
2で反射されずに、撮像部203に直接入射する光)が
撮像されている。また、領域R3には、撮像部203自
身が撮像されている。
【0273】さらに、図23の実施の形態では、領域R
1には、複数の建物が撮像されているが、大きい円の円
周F1に近い方向に、建物の上部が撮像され、小さい円
の円周F2に近い方向に、建物の下部が撮像されてい
る。
【0274】次に、図24を参照して、図22の集光部
202を構成する双曲面について説明する。
【0275】集光部202は、双曲面の一部により構成
されており、双曲面の軸に対して垂直な面により、双曲
面を切断して得られる双曲面の凸型先頭部の凸状面に、
鏡面を形成したものとなっている
【0276】集光部202には、双曲面の1つである二
葉双曲面を用いることができ、二葉双曲面は、図24に
示すように、双曲線を軸(Z軸)回りに回転して得られ
る曲面であり、Z>0の領域に存在する下に凸の双曲面
H1と、Z<0の領域に存在する上に凸の双曲面H2か
ら構成される。
【0277】集光部202には、二葉の双曲面H1とH
2のうち、Z>0の領域にある双曲面H1を利用する。
なお、以下、適宜、Z軸を、双曲線の中心軸または単に
軸ともいう。
【0278】図24に示したX,Y,Zの3次元直交座
標系において、二葉双曲面H1とH2は、式(2)で示
される。
【0279】
【数2】 ・・・(2)
【0280】ここで、式(2)において、定数aとb
は、双曲面H1およびH2の形状を定義する定数であ
る。即ち、定数bは、原点Oから、双曲面H1(H2)
とZ軸との交点までの距離を表す。また、定数aは、そ
の交点を通る、XY平面と平行な平面と、双曲面H1
(H2)の漸近面A1との交線が描く円の半径を表す。
【0281】さらに、式(2)において、定数cは、双
曲面H1およびH2の焦点の位置を定義する定数であ
る。即ち、Z軸上の+cの位置(0,0,+c)が、双
曲面H2の焦点f1となり、Z軸上の−cの位置(0,
0,−c)が、双曲面H1の焦点f2となる。
【0282】なお、定数a,b,cは、次式で示される
関係を有する。
【0283】
【数3】 ・・・(3)
【0284】集光部202が、図24で説明したような
双曲面H1で構成されるとした場合、撮像部203は、
図25に示すように、そのレンズの中心軸がZ軸に一致
し、かつ、レンズ中心が、双曲面H1の焦点f2に一致
するように配置される。
【0285】次に、撮像部203が出力する全方位画像
データは、上述の図23に示したようなものとなるが、
いま、この全方位画像データについて、図26に示すよ
うに、その左上の点を原点Oとするとともに、左から右
方向にx軸をとり、上から下方向にy軸をとった2次元
直交座標系を定義する。
【0286】この場合、円周F1の円および円周F2の
円の中心点C1の座標を(X0 、Y0 )とするととも
に、円周F1の円の半径をrF1とし、円周F2の円の半
径をrF2とすると、円周F1の外側の領域R2を構成す
る点(x,y)は、式(4)により表され、円周F2の
内側の領域R3を構成する点(x,y)は、式(5)に
より表される。
【0287】
【数4】 ・・・(4)
【0288】
【数5】 ・・・(5)
【0289】全方位画像データを処理する場合には、そ
の前処理として、式(4)で表される領域R2を構成す
る画素値と、式(5)で表される領域R3を構成する画
素値が、例えば、0に変換される。
【0290】ここで、この画素値の変換にあたっては、
中心点C1の座標(X0 、Y0 )、並びに半径rF1
よびrF2が必要となるが、これらの情報は、全方位カメ
ラであるカメラ65が出力する。
【0291】なお、ここでは、説明を簡単にするため、
露出時間や、絞り、ズーム等は、固定であるとする。
【0292】ところで、図23や図26に示した領域R
1の画像データである全方位画像データについては、所
望の被写体が表示されている部分等の、全方位画像デー
タの一部分だけが必要な場合があり、この場合、その一
部分が、全方位画像データから切り出されるが、この切
り出しは、図27に示すように行われる。
【0293】即ち、中心点C1を通る半径方向の2つの
直線Lc1とLc2に囲まれ、かつ中心点C1を中心とする
2つの円の円周Fc1とFc2に囲まれる略扇形の領域R1
1の画像データが切り出される。
【0294】次に、全方位画像データは、図23や図2
6に示したように、中心点C1に近づくほど狭まったも
のとなり、逆に、中心点C1から遠ざかるほど広がった
ものとなるような歪みを有する。このことは、全方位画
像データから切り出された図27の略扇形の画像データ
についても同様であり、このようは歪みのある画像デー
タは、表示等するにあたって、歪みのないものに変換す
る必要がある。
【0295】全方位カメラが出力する、上述のような全
方位画像データの歪みは、中心点C1を通る円の円周方
向の歪みと、半径方向の歪みとに分けて考えることがで
きる。
【0296】そこで、まず円周方向の歪みを考えてみる
と、図23や図26の全方位画像データの、中心点C1
を中心とするある円の円周上においては、スケールが一
定であり、従って、歪みはない。
【0297】即ち、図28は、Z軸方向から見た集光部
202としての双曲面H1を示している。
【0298】図28では、被写体上のある点P(X,
Y,Z)から、Z軸に向かい、X軸(XZ平面)と角度
θをつくるように、光線rが入射している。この光線r
は、双曲面H1で反射され、後述する図29に図示して
ある撮像部203の受光面(画像面)A3上の点p
(x,y)に到達する。そして、この場合、点p(x,
y)は、X軸(XZ平面)との間で、光線rがX軸との
間でつくるのと同一の角度θをつくる。
【0299】また、Z軸に向かい、X軸と角度θ’をつ
くるように入射する光線r’を考えた場合、この光線
r’も、双曲面H1で反射され、受光面(画像面)A3
上の点p’(x’,y’)に到達する。そして、この場
合も、点p’(x’,y’)は、X軸との間で、光線
r’がX軸との間でつくるのと同一の角度θ’をつく
る。
【0300】また、光線rとr’の、Z軸に対する仰角
(後述する)が同一であれば、光線rおよびr’は、受
光面A3上の、位置は異なるが、Z軸から同一の距離r
pだけ離れた点で受光される。
【0301】以上から、Z軸に対する仰角が同一の複数
の光線それぞれは、受光面A3上の、Z軸から同一の距
離にある点であって、X軸との間で、光線とX軸とがつ
くるのと同一の角度をつくる点で受光される。
【0302】従って、Z軸に対する仰角が同一で、X軸
との角度が等角度の複数の光線は、受光面A3の、Z軸
を中心とする円周上に、等間隔で入射することになるか
ら、全方位画像データにおいて、受光面A3とZ軸との
交点にあたる中心点C1を中心とする円の円周方向に
は、歪みは生じない。
【0303】一方、図23や図26の全方位画像データ
の、中心点C1を通る半径方向の直線上においては、中
心点C1に近づくほど、スケールが小さくなり、中心点
C1から離れるほど、スケールが大きくなることから、
全方位画像データは、半径方向の歪みを有する。
【0304】即ち、図29は、X軸方向から見た集光部
202としての双曲面H1を示している。
【0305】図29において、Z軸に対して仰角0度
で、焦点f1に向かって入射する光線r1は、双曲面H
1で反射され、焦点f2に向かっていき、撮像部203
の受光面(画像面)A3で受光される。
【0306】ここで、Z軸に対する仰角とは、Z軸上の
焦点f1を通り、XY面に平行な面と、焦点f1に向か
って入射する光線とがつくる角度を意味する。また、撮
像部203の受光面A3は、カメラ65の焦点距離をf
とすると、焦点f2から、Z軸に沿って、fだけ離れた
原点O方向に位置する。
【0307】Z軸に対して仰角△d度で、焦点f1に向
かって入射する光線r2は、双曲面H1で反射され、焦
点f2に向かっていき、受光面A3で受光される。Z軸
に対して仰角2△d度で、焦点f1に向かって入射する
光線r3は、双曲面H1で反射され、焦点f2に向かっ
ていき、受光面A3で受光される。仰角がΔd度ずつ大
きくなる光線r4,r5,r6も、同様にして、受光面
A3で受光される。
【0308】このように、仰角が△d度ずつ異なる光線
r1乃至r6それぞれが、受光面A3で受光される点ど
うしの間隔は、図29の拡大図に示すように、等間隔に
はならず、Z軸に近い点どうしの間隔ほど狭くなる(Z
軸から離れた点どうしの間隔ほど広くなる)。即ち、仰
角が大きい光線どうしの間隔ほど狭くなる(仰角が小さ
い光線どうしの間隔ほど広くなる)。
【0309】そして、仰角が等角度の光線について、受
光面A3上で受光される点どうしの間隔が、上述のよう
に、等間隔にならないことから、全方位画像データに
は、半径方向の歪みが生じる。
【0310】従って、全方位画像データの半径方向の歪
みを除去するには、仰角が等角度の光線の、受光面A3
上での受光点どうしの間隔が、等間隔になるようにすれ
ば良い。
【0311】そこで、いま、図30に示すように、被写
体上のある点P(X,Y,Z)から、焦点f1に向かっ
て、仰角α度で入射する光線rを考える。
【0312】この光線rは、図29で説明した場合と同
様に、集光部202としての双曲面H1で反射され、焦
点f2に向かっていき、受光面A3で受光される。
【0313】この場合において、焦点f2に向かう光線
rが、焦点f2を通り、XY平面に平行な平面とつくる
角度をγ度とする。さらに、X軸とY軸とで定義される
2次元直交座標系において、光線rが受光面A3で受光
された点(受光点)pの座標を(x,y)で表し、その
点p(x,y)とZ軸との距離をRと表す。
【0314】図30における角度αは、式(2)で表さ
れる双曲面H1において、光線rが反射される点の座標
を求めることにより、次式で表すことができる。
【0315】
【数6】 ・・・(6)
【0316】式(6)から、tanαは、次式で求める
ことができる。
【0317】
【数7】 ・・・(7)
【0318】ここで、cosγを、次式のようにおく。
【0319】
【数8】 ・・・(8)
【0320】式(7)に、式(8)を代入すると、次式
が求められる。
【0321】
【数9】 ・・・(9)
【0322】式(9)を変形して、式(10)が得られ
る。
【0323】
【数10】 ・・・(10)
【0324】一方、AとBを、それぞれ式(11)と
(12)に示すように定義する。
【0325】
【数11】 ・・・(11)
【0326】
【数12】 ・・・(12)
【0327】式(10)に、式(11)および(12)
を代入することにより、式(13)が求められる。
【0328】
【数13】 ・・・(13)
【0329】式(13)は、次のような、Xについての
2次方程式とすることができる。
【0330】
【数14】 ・・・(14)
【0331】式(14)の2次方程式を解くと、次式が
得られる。
【0332】
【数15】 ・・・(15)
【0333】従って、式(8)より、角度γは、次式に
よって求めることができる。
【0334】
【数16】 ・・・(16)
【0335】但し、式(16)において、Xは、式(1
5)で定義されるものであり、また、式(15)中のA
とBは、それぞれ、式(11)と(12)で定義される
ものである。
【0336】また、図30の点pの座標から、角度γ
は、次式で求めることができる。
【0337】
【数17】 ・・・(17)
【0338】一方、図30におけるZ軸と点p(x,
y)との距離Rは、√(x2+y2)で表されるから、式
(17)は、次式のように変形することができる。
【0339】
【数18】 ・・・(18)
【0340】以上から、式(16)によって、角度γを
求め、その角度γを用いて、式(18)を計算すること
により、Z軸に対して仰角α度で、焦点f1に向かって
入射する光線rが、受光面A3において受光される点p
(x,y)のZ軸からの距離Rを算出することができ
る。
【0341】従って、Z軸に対する仰角の所定の範囲
(例えば、0度乃至80度など)を等角度△dに分割
し、各仰角△d,2△d,3△d,・・・で入射する光
線が、受光面A3上で受光される各点p1,p2,p3
・・・について、Z軸からの距離Rp1,Rp2,Pp3・・
・を求めておき、隣接する点どうしの距離の差|Rp1
p2|,|Rp2−Pp3|,・・・が、一定値になるよう
に、カメラ65が出力する全方位画像データを変換する
ことにより、その半径方向の歪みを除去した全方位画像
データを得ることができることになる。
【0342】即ち、図31に示すように、上述した半径
方向の歪みがある全方位画像データ(以下、適宜、歪み
全方位画像データという)、中心点C1、円周F1の円
の半径rF1、および円周F2の円の半径rF2を用い、中
心点C1を中心とする半径r F1の円の円周F1と、中心
点C1を中心とする半径rF2の円の円周F2とで囲まれ
る領域R1内において、中心点C1を中心とする、上述
のRp1,Rp2,Pp3・・・を半径とする複数の同心円を
描く。さらに、その複数の同心円の円周を等分する、中
心点C1を通る複数の直線を描く。これにより、領域R
1において、複数の同心円と、複数の直線とで形成され
る多数の交点を得る。
【0343】ここで、上述の複数の同心円と、複数の直
線とで形成される多数の交点を、以下、適宜、変換対象
点という。
【0344】上述したことから、変換対象点を、その隣
接するものどうしが等間隔になるように配置すること
で、歪みのある全方位画像データを、その歪みを除去し
た画像データに変換することができる。
【0345】そこで、いま、図31における、図27に
示したのと同一の略扇形の領域R11の画像データを、
歪みのないものに変換することを考える。
【0346】この領域R11内には、図32(A)に示
すように、中心点C1を中心とする複数の同心円の円弧
F11,F12,F13,F14,F15,F16それ
ぞれと、中心点C1を通る複数の直線L1,L2,L
3,L4,L5,L6それぞれとの交点である多数の変
換対象点が存在するが、この領域R11内に存在する多
数の変換対象点を、図32(B)に示すように、隣接す
るものどうしが等間隔になるように配置する。
【0347】即ち、図32(A)の円弧F11,F1
2,F13,F14,F15,F16それぞれに対応す
る、等間隔に配置された横方向の直線L21,L22,
L23,L24,L25,L26と、図32(A)の直
線L1,L2,L3,L4,L5,L6それぞれに対応
する、等間隔に配置された縦方向の直線L11,L1
2,L13,L14,L15,L16を想定し、その横
方向の直線L21乃至L26それぞれと、縦方向の直線
L11乃至L16それぞれとの交点上に、対応する変換
対象点を変換する(割り当てる)。
【0348】これにより、例えば、図32(A)におい
て、円弧F14と、直線L5との交点である変換対象点
p11は、図32(B)の、円弧F14に対応する直線
L24と、直線L5に対応する直線L15との交点p1
2に変換される。
【0349】ところで、上述のように、変換対象点の位
置を変換(変更)することによって、半径方向の歪みを
有する画像データを、その歪みを除去した画像データに
変換することができるが、変換対象点は、上述したよう
に、中心点C1を中心とする円と、中心点C1を通る直
線との交点である。従って、変換対象点は、撮像部20
3(図22)の受光面A3(図29、図30)を構成す
る画素の画素中心に一致するとは限らず、むしろ、一般
には、一致しないことが多い。
【0350】このように、変換対象点は、画素中心から
ずれているのが一般的であるから、変換対象点の位置を
変換する前に、その変換対象点における画素値を求める
必要があるが、変換対象点における画素値は、例えば、
次のようにして求めることができる。
【0351】即ち、いま、図32の変換対象点p11
が、図33に示すように、受光面A3上の隣接する2×
2の4画素P1,P2,P3,P4それぞれの画素中心
P1,CP2,CP3,CP4を頂点とする長方形(正方形)
の範囲内にあるとする。なお、図33の実施の形態にお
いては、上下、または左右方向に隣接する画素中心どう
しの距離が1であるとしてある。
【0352】そして、変換対象点p11が、画素中心C
P1よりも距離αだけ右方向の、距離βだけ下方向の点で
ある場合、例えば、次式で求められる画素値Ssが、変
換対象点p11の画素値とされる。
【0353】
【数19】 ・・・(19)
【0354】但し、式(19)において、Sa,Sb,S
c,Sdは、画素P1,P2,P3,P4それぞれの画素
値を表す。また、式(19)において、αおよびβは、
0以上1以下の範囲の値で、変換対象点p11の位置に
対応するものである。
【0355】次に、上述した一連の処理は、ハードウェ
アにより行うこともできるし、ソフトウェアにより行う
こともできる。一連の処理をソフトウェアによって行う
場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、
汎用のコンピュータ等にインストールされる。
【0356】そこで、図34は、上述した一連の処理を
実行するプログラムがインストールされるコンピュータ
の一実施の形態の構成例を示している。
【0357】プログラムは、コンピュータに内蔵されて
いる記録媒体としてのハードディスク2105やROM
2103に予め記録しておくことができる。
【0358】あるいはまた、プログラムは、フレキシブ
ルディスク、CD-ROM(Compact DiscRead Only Memory),
MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile
Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブ
ル記録媒体2111に、一時的あるいは永続的に格納
(記録)しておくことができる。このようなリムーバブ
ル記録媒体2111は、いわゆるパッケージソフトウエ
アとして提供することができる。
【0359】なお、プログラムは、上述したようなリム
ーバブル記録媒体2111からコンピュータにインスト
ールする他、ダウンロードサイトから、ディジタル衛星
放送用の人工衛星を介して、コンピュータに無線で転送
したり、LAN(Local Area Network)、インターネットと
いったネットワークを介して、コンピュータに有線で転
送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてく
るプログラムを、通信部2108で受信し、内蔵するハ
ードディスク2105にインストールすることができ
る。
【0360】コンピュータは、CPU(Central Processing
Unit)2102を内蔵している。CPU2102には、バ
ス2101を介して、入出力インタフェース2110が
接続されており、CPU2102は、入出力インタフェー
ス2110を介して、ユーザによって、キーボードや、
マウス、マイク等で構成される入力部2107が操作等
されることにより指令が入力されると、それにしたがっ
て、ROM(Read Only Memory)2103に格納されている
プログラムを実行する。あるいは、また、CPU2102
は、ハードディスク2105に格納されているプログラ
ム、衛星若しくはネットワークから転送され、通信部2
108で受信されてハードディスク2105にインスト
ールされたプログラム、またはドライブ2109に装着
されたリムーバブル記録媒体2111から読み出されて
ハードディスク2105にインストールされたプログラ
ムを、RAM(Random Access Memory)2104にロードし
て実行する。これにより、CPU2102は、上述したフ
ローチャートにしたがった処理、あるいは上述したブロ
ック図の構成により行われる処理を行う。そして、CPU
2102は、その処理結果を、必要に応じて、例えば、
入出力インタフェース2110を介して、LCD(Liquid C
ryStal Display)やスピーカ等で構成される出力部21
06から出力、あるいは、通信部2108から送信、さ
らには、ハードディスク2105に記録等させる。
【0361】ここで、本明細書において、コンピュータ
に各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処
理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載され
た順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あ
るいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるい
はオブジェクトによる処理)も含むものである。
【0362】また、プログラムは、1のコンピュータに
より処理されるものであっても良いし、複数のコンピュ
ータによって分散処理されるものであっても良い。さら
に、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実
行されるものであっても良い。
【0363】
【発明の効果】本発明の情報処理システムおよび第1の
情報処理方法、並びに第1のプログラムによれば、複数
の検知手段による複数の作動手段の状態が受信され、そ
の複数の作動手段の状態に基づいて、複数の作動手段の
動きの基準となる基準情報が生成される。従って、作動
手段を操作するユーザの操作技術等を向上させることが
可能となる。
【0364】本発明の情報処理装置および第2の情報処
理方法、並びに第2のプログラムによれば、他の情報処
理装置における作動手段の状態が受信され、自身の作動
手段の状態、および他の情報処理装置における作動手段
の状態に基づいて、作動手段の動きの基準となる基準情
報が生成される。従って、作動手段を操作するユーザの
操作技術等を向上させることが可能となる。
【0365】本発明の制御装置および制御方法、並びに
第3のプログラムによれば、複数の情報処理装置におけ
る作動手段の状態が受信され、その複数の情報処理装置
における作動手段の状態に基づいて、作動手段の動きの
基準となる基準情報が生成される。従って、作動手段を
操作するユーザの操作技術等を向上させることが可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した手術システムの一実施の形態
の構成例を示すブロック図である。
【図2】スレーブマニピュレータ61とマスタマニピュ
レータ62の外観構成例を示す斜視図である。
【図3】ロール回転、ピッチ回転、およびヨー回転を説
明する図である。
【図4】目標軌跡、操作軌跡、および平均軌跡を示す図
である。
【図5】スレーブマニピュレータ61の電気的構成例を
示すブロック図である。
【図6】マスタマニピュレータ62の電気的構成例を示
すブロック図である。
【図7】スーパドクタデータベース部64の電気的構成
例を示すブロック図である。
【図8】スレーブマニピュレータ61の処理を説明する
フローチャートである。
【図9】マスタマニピュレータ62の処理を説明するフ
ローチャートである。
【図10】スーパドクタデータベース部64の処理を説
明するフローチャートである。
【図11】手術システムにおける協調分担を説明するた
めの図である。
【図12】本発明を適用したデザインシステムの一実施
の形態の構成例を示すブロック図である。
【図13】擬似スレーブマニピュレータ41の電気的構
成例を示すブロック図である。
【図14】マスタマニピュレータ42の電気的構成例を
示すブロック図である。
【図15】スーパデザイナデータベース部44の電気的
構成例を示すブロック図である。
【図16】デザイン情報を説明する図である。
【図17】擬似スレーブマニピュレータ41の処理を説
明するフローチャートである。
【図18】マスタマニピュレータ42の処理を説明する
フローチャートである。
【図19】スーパデザイナデータベース部44の処理
(制御処理)を説明するフローチャートである。
【図20】スーパデザイナデータベース部44の処理
(更新処理)を説明するフローチャートである。
【図21】デザインシステムにおける協調分担を説明す
るための図である。
【図22】全方位カメラであるカメラ65の構成例を示
す斜視図である。
【図23】全方位画像データを示す図である。
【図24】集光部202を構成する双曲面を説明する図
である。
【図25】集光部202と撮像部203との位置関係を
説明するための図である。
【図26】全方位画像データを示す図である。
【図27】全方位画像データからの切り出しを説明する
ための図である。
【図28】円周方向の歪みを説明するための図である。
【図29】半径方向の歪みを説明するための図である。
【図30】半径方向の歪みを除去する方法を説明するた
めの図である。
【図31】半径方向の歪みを除去する方法を説明するた
めの図である。
【図32】半径方向の歪みを除去する全方位画像データ
の変換を説明するための図である。
【図33】変換対象点における画素値の求め方を説明す
るための図である。
【図34】本発明を適用したコンピュータの一実施の形
態の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 手術台, 21乃至24 マイク, 3L,3R ス
レーブマニピュレータ部, 4L,4R 先端部, 5
カメラ部, 6(61乃至65) カメラ,8L,8R
マスタマニピュレータ部, 9L,9R 操作部,
10 モニタ, 11 スピーカ, 12 操作パネ
ル, 21 入出力制御装置, 22姿勢パラメータ登
録部, 23 手術経過情報データベース, 24 手
術経過情報登録部, 25 手術情報データベース,
26 更新部, 27 手術技術情報データベース,
28 姿勢パラメータ制御部, 29 検索部, 30
手術技術情報登録部, 41 擬似スレーブマニピュレ
ータ, 421乃至42K マスタマニピュレータ, 4
3 ネットワーク, 44 スーパデザイナデータベー
ス部, 51 スレーブマニピュレータ制御装置, 5
2 入出力制御装置, 53 マスタマニピュレータ制
御装置, 54 入出力制御装置,61 スレーブマニ
ピュレータ, 621乃至62K マスタマニピュレー
タ,63 ネットワーク, 64 スーパドクタデータ
ベース部, 71 制御部,72 姿勢遷移機構部,
73 制御機構部, 74 通信部, 75 センサ,
76 アクチュエータ, 77 擬似スレーブマニピ
ュレータ, 78デザイン情報データベース, 79
画像生成部, 80 入出力制御装置,81 制御部,
82 姿勢遷移機構部, 83 制御機構部, 84
通信部, 85 センサ, 86 アクチュエータ,
91 デザイン情報登録部,92 デザイン情報デー
タベース, 93 デザイン評価部, 94 特異デザ
イン情報データベース, 95 流行デザイン情報デー
タベース, 96 更新部, 2101 バス, 21
02 CPU, 2103 ROM, 2104 RAM, 2
105 ハードディスク, 2106 出力部, 21
07 入力部,2108 通信部, 2109 ドライ
ブ, 2110 入出力インタフェース, 2111
リムーバブル記録媒体

Claims (33)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数のユーザの操作と、所定の情報とに
    応じて作動する複数の作動手段と、 前記複数の作動手段の状態を検知する複数の検知手段
    と、 前記複数の検知手段によって検知された前記複数の作動
    手段の状態を受信する受信手段と、 前記複数の作動手段の状態に基づいて、前記複数の作動
    手段の動きの基準となる基準情報を、前記所定の情報と
    して生成する生成手段とを備えることを特徴とする情報
    処理システム。
  2. 【請求項2】 前記基準情報を記憶する記憶手段と、 前記生成手段によって生成された新たな前記基準情報に
    よって、前記記憶手段の記憶内容を更新する更新手段と
    をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の情報
    処理システム。
  3. 【請求項3】 前記生成手段は、前記複数の作動手段の
    状態と、外部からの情報に基づいて、前記基準情報を生
    成することを特徴とする請求項1に記載の情報処理シス
    テム。
  4. 【請求項4】 前記作動手段は、マニピュレータである
    ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
  5. 【請求項5】 前記作動手段であるマニピュレータは、
    所定の対象物に所定の作用を与えるスレーブのマニピュ
    レータを制御するマスタのマニピュレータであることを
    特徴とする請求項4に記載の情報処理システム。
  6. 【請求項6】 前記基準情報は、前記所定の対象物に与
    える作用を制限するための情報であることを特徴とする
    請求項5に記載の情報処理システム。
  7. 【請求項7】 前記基準情報は、前記所定の対象物を手
    術するための情報であることを特徴とする請求項5に記
    載の情報処理システム。
  8. 【請求項8】 前記基準情報は、前記所定の対象物のデ
    ザインに関する情報であることを特徴とする請求項5に
    記載の情報処理システム。
  9. 【請求項9】 複数のユーザの操作と、所定の情報とに
    応じて作動する複数の作動手段と、 前記複数の作動手段の状態を検知する複数の検知手段
    と、 を備える情報処理システムの情報処理方法であって、 前記複数の検知手段によって検知された前記複数の作動
    手段の状態を受信する受信ステップと、 前記複数の作動手段の状態に基づいて、前記複数の作動
    手段の動きの基準となる基準情報を、前記所定の情報と
    して生成する生成ステップとを備えることを特徴とする
    情報処理方法。
  10. 【請求項10】 複数のユーザの操作と、所定の情報と
    に応じて作動する複数の作動手段と、 前記複数の作動手段の状態を検知する複数の検知手段
    と、 を備える情報処理システム用のプログラムであって、 前記複数の検知手段によって検知された前記複数の作動
    手段の状態を受信する受信ステップと、 前記複数の作動手段の状態に基づいて、前記複数の作動
    手段の動きの基準となる基準情報を、前記所定の情報と
    して生成する生成ステップとを備えることを特徴とする
    コンピュータが読み取り可能なプログラム。
  11. 【請求項11】 複数のユーザの操作と、所定の情報と
    に応じて作動する複数の作動手段と、 前記複数の作動手段の状態を検知する複数の検知手段
    と、 を備える情報処理システム用のプログラムが記録されて
    いる記録媒体であって、 前記複数の検知手段によって検知された前記複数の作動
    手段の状態を受信する受信ステップと、 前記複数の作動手段の状態に基づいて、前記複数の作動
    手段の動きの基準となる基準情報を、前記所定の情報と
    して生成する生成ステップとを備えるコンピュータが読
    み取り可能なプログラムが記録されていることを特徴と
    する記録媒体。
  12. 【請求項12】 所定の情報処理を行う情報処理装置で
    あって、 ユーザの操作と、所定の情報とに応じて作動する作動手
    段と、 前記作動手段の状態を検知する検知手段と、 他の情報処理装置における前記作動手段の状態を受信す
    る受信手段と、 自身の前記作動手段の状態、および前記他の情報処理装
    置における前記作動手段の状態に基づいて、前記作動手
    段の動きの基準となる基準情報を、前記所定の情報とし
    て生成する生成手段とを備えることを特徴とする情報処
    理装置。
  13. 【請求項13】 前記基準情報を記憶する記憶手段と、 前記生成手段によって生成された新たな前記基準情報に
    よって、前記記憶手段の記憶内容を更新する更新手段と
    をさらに備えることを特徴とする請求項12に記載の情
    報処理装置。
  14. 【請求項14】 前記生成手段は、前記自身の作動手段
    の状態、および前記他の情報処理装置における作動手段
    の状態と、外部からの情報に基づいて、前記基準情報を
    生成することを特徴とする請求項12に記載の情報処理
    装置。
  15. 【請求項15】 前記作動手段は、マニピュレータであ
    ることを特徴とする請求項12に記載の情報処理装置。
  16. 【請求項16】 前記作動手段であるマニピュレータ
    は、所定の対象物に所定の作用を与えるスレーブのマニ
    ピュレータを制御するマスタのマニピュレータであるこ
    とを特徴とする請求項15に記載の情報処理装置。
  17. 【請求項17】 前記基準情報は、前記所定の対象物に
    与える作用を制限するための情報であることを特徴とす
    る請求項16に記載の情報処理装置。
  18. 【請求項18】 前記基準情報は、前記所定の対象物を
    手術するための情報であることを特徴とする請求項16
    に記載の情報処理装置。
  19. 【請求項19】 前記基準情報は、前記所定の対象物の
    デザインに関する情報であることを特徴とする請求項1
    6に記載の情報処理装置。
  20. 【請求項20】 所定の情報処理を行う情報処理装置の
    情報処理方法であって、 前記情報処理装置は、 ユーザの操作と、所定の情報とに応じて作動する作動手
    段と、 前記作動手段の状態を検知する検知手段とを備え、 他の情報処理装置における前記作動手段の状態を受信す
    る受信ステップと、 自身の前記作動手段の状態、および前記他の情報処理装
    置における前記作動手段の状態に基づいて、前記作動手
    段の動きの基準となる基準情報を、前記所定の情報とし
    て生成する生成ステップとを備えることを特徴とする情
    報処理方法。
  21. 【請求項21】 ユーザの操作と、所定の情報とに応じ
    て作動する作動手段と、 前記作動手段の状態を検知する検知手段と を備える情報処理装置用のプログラムであって、 他の情報処理装置における前記作動手段の状態を受信す
    る受信ステップと、 自身の前記作動手段の状態、および前記他の情報処理装
    置における前記作動手段の状態に基づいて、前記作動手
    段の動きの基準となる基準情報を、前記所定の情報とし
    て生成する生成ステップとを備えることを特徴とするコ
    ンピュータが読み取り可能なプログラム。
  22. 【請求項22】 ユーザの操作と、所定の情報とに応じ
    て作動する作動手段と、 前記作動手段の状態を検知する検知手段とを備える情報
    処理装置用のプログラムが記録されている記録媒体であ
    って、 他の情報処理装置における前記作動手段の状態を受信す
    る受信ステップと、 自身の前記作動手段の状態、および前記他の情報処理装
    置における前記作動手段の状態に基づいて、前記作動手
    段の動きの基準となる基準情報を、前記所定の情報とし
    て生成する生成ステップとを備えるコンピュータが読み
    取り可能なプログラムが記録されていることを特徴とす
    る記録媒体。
  23. 【請求項23】 ユーザの操作と、所定の情報とに応じ
    て作動する作動手段と、 前記作動手段の状態を検知する検知手段とを備える複数
    の情報処理装置を制御する制御装置であって、 前記複数の情報処理装置における前記作動手段の状態を
    受信する受信手段と、 前記複数の情報処理装置における前記作動手段の状態に
    基づいて、前記作動手段の動きの基準となる基準情報
    を、前記所定の情報として生成する生成手段とを備える
    ことを特徴とする制御装置。
  24. 【請求項24】 前記基準情報を記憶する記憶手段と、 前記生成手段によって生成された前記基準情報によっ
    て、前記記憶手段の記憶内容を更新する更新手段とをさ
    らに備えることを特徴とする請求項23に記載の制御装
    置。
  25. 【請求項25】 前記生成手段は、前記複数の情報処理
    装置における前記作動手段の状態と、外部からの情報に
    基づいて、前記基準情報を生成することを特徴とする請
    求項23に記載の制御装置。
  26. 【請求項26】 前記作動手段は、マニピュレータであ
    ることを特徴とする請求項23に記載の制御装置。
  27. 【請求項27】 前記作動手段であるマニピュレータ
    は、所定の対象物に所定の作用を与えるスレーブのマニ
    ピュレータを制御するマスタのマニピュレータであるこ
    とを特徴とする請求項26に記載の制御装置。
  28. 【請求項28】 前記基準情報は、前記所定の対象物に
    与える作用を制限するための情報であることを特徴とす
    る請求項27に記載の制御装置。
  29. 【請求項29】 前記基準情報は、前記所定の対象物を
    手術するための情報であることを特徴とする請求項27
    に記載の制御装置。
  30. 【請求項30】 前記基準情報は、前記所定の対象物の
    デザインに関する情報であることを特徴とする請求項2
    7に記載の制御装置。
  31. 【請求項31】 ユーザの操作と、所定の情報とに応じ
    て作動する作動手段と、 前記作動手段の状態を検知する検知手段とを備える複数
    の情報処理装置を制御する制御方法であって、 前記複数の情報処理装置における前記作動手段の状態を
    受信する受信ステップと、 前記複数の情報処理装置における前記作動手段の状態に
    基づいて、前記作動手段の動きの基準となる基準情報
    を、前記所定の情報として生成する生成ステップとを備
    えることを特徴とする制御方法。
  32. 【請求項32】 ユーザの操作と、所定の情報とに応じ
    て作動する作動手段と、 前記作動手段の状態を検知する検知手段とを備える複数
    の情報処理装置を制御するプログラムであって、 前記複数の情報処理装置における前記作動手段の状態を
    受信する受信ステップと、 前記複数の情報処理装置における前記作動手段の状態に
    基づいて、前記作動手段の動きの基準となる基準情報
    を、前記所定の情報として生成する生成ステップとを備
    えることを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプ
    ログラム。
  33. 【請求項33】 ユーザの操作と、所定の情報とに応じ
    て作動する作動手段と、 前記作動手段の状態を検知する検知手段とを備える複数
    の情報処理装置を制御するプログラムが記録されている
    記録媒体であって、 前記複数の情報処理装置における前記作動手段の状態を
    受信する受信ステップと、 前記複数の情報処理装置における前記作動手段の状態に
    基づいて、前記作動手段の動きの基準となる基準情報
    を、前記所定の情報として生成する生成ステップとを備
    えるコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録さ
    れていることを特徴とする記録媒体。
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