JP4123760B2 - 情報処理システムおよび情報処理方法、プログラムおよび記録媒体、情報処理装置、並びに制御装置および制御方法 - Google Patents
情報処理システムおよび情報処理方法、プログラムおよび記録媒体、情報処理装置、並びに制御装置および制御方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報処理システムおよび情報処理方法、プログラムおよび記録媒体、情報処理装置、並びに制御装置および制御方法に関し、特に、例えば、ユーザの操作技術等を向上させることができるようにする情報処理システムおよび情報処理方法、プログラムおよび記録媒体、情報処理装置、並びに制御装置および制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、従来の手術用のマニピュレータシステムにおいては、マスタとなるマスタマニピュレータをユーザが操作し、その操作にしたがって、離れた位置にある、スレーブとなるスレーブマニピュレータが動作することにより、患者に対して、手術が施される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従って、従来のマニピュレータシステムにおいては、スレーブマニピュレータによる作業精度は、ユーザの操作技術に大きく影響を受ける。従って、未熟なユーザは、熟練したユーザから、操作技術を教授してもらい、その操作技術を習得する必要がある。
【0004】
しかしながら、熟練したユーザを十分な人数だけ確保することができるとは限らず、十分な人数の未熟なユーザを教授することが困難な場合がある。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、ユーザの操作技術等を、容易に向上させることができるようにするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の情報処理システムは、複数のユーザの操作と、所定の情報とに応じて作動する複数の作動手段と、複数の作動手段の状態を検知する複数の検知手段と、複数の検知手段による複数の作動手段の状態を受信する受信手段と、複数の作動手段の動きの基準となり、当該複数の作動手段が作動する際に所定の情報として読み出される基準情報を記憶する記憶手段と、複数の作動手段の状態に基づいて、基準情報を生成する生成手段と、生成手段によって生成された新たな基準情報によって、記憶手段の記憶内容を更新する更新手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の第1の情報処理方法は、複数の検知手段による複数の作動手段の状態を受信する受信ステップと、複数の作動手段の状態に基づいて、基準情報を生成する生成ステップと、生成ステップの処理によって生成された新たな基準情報によって、記憶手段の記憶内容を更新する更新ステップとを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明の第1のプログラムは、複数の検知手段による複数の作動手段の状態を受信する受信ステップと、複数の作動手段の状態に基づいて、基準情報を生成する生成ステップと、生成ステップの処理によって生成された新たな基準情報によって、記憶手段の記憶内容を更新する更新ステップとを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の第1の記録媒体は、複数の検知手段による複数の作動手段の状態を受信する受信ステップと、複数の作動手段の状態に基づいて、基準情報を生成する生成ステップと、生成ステップの処理によって生成された新たな基準情報によって、記憶手段の記憶内容を更新する更新ステップとを備えるコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の情報処理装置は、ユーザの操作と、所定の情報とに応じて作動する作動手段と、作動手段の状態を検知する検知手段と、他の情報処理装置における作動手段の状態を受信する受信手段と、作動手段の動きの基準となり、当該作動手段が作動する際に所定の情報として読み出される基準情報を記憶する記憶手段と、自身の作動手段の状態、および他の情報処理装置における作動手段の状態に基づいて、基準情報を生成する生成手段と、生成手段によって生成された新たな基準情報によって、記憶手段の記憶内容を更新する更新手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
本発明の第2の情報処理方法は、他の情報処理装置における作動手段の状態を受信する受信ステップと、自身の作動手段の状態、および他の情報処理装置における作動手段の状態に基づいて、基準情報を生成する生成ステップと、生成ステップの処理によって生成された新たな基準情報によって、記憶手段の記憶内容を更新する更新ステップとを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明の第2のプログラムは、他の情報処理装置における作動手段の状態を受信する受信ステップと、自身の作動手段の状態、および他の情報処理装置における作動手段の状態に基づいて、基準情報を生成する生成ステップと、生成ステップの処理によって生成された新たな基準情報によって、記憶手段の記憶内容を更新する更新ステップとを備えることを特徴とする。
【0013】
本発明の第2の記録媒体は、他の情報処理装置における作動手段の状態を受信する受信ステップと、自身の作動手段の状態、および他の情報処理装置における作動手段の状態に基づいて、基準情報を生成する生成ステップと、生成ステップの処理によって生成された新たな基準情報によって、記憶手段の記憶内容を更新する更新ステップとを備えるコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されていることを特徴とする。
【0014】
本発明の制御装置は、複数の情報処理装置における作動手段の状態を受信する受信手段と、複数の情報処理装置における作動手段の動きの基準となり、当該複数の情報処理装置における作動手段が作動する際に所定の情報として読み出される基準情報を記憶する記憶手段と、複数の情報処理装置における作動手段の状態に基づいて、基準情報を生成する生成手段と、生成手段によって生成された新たな基準情報によって、記憶手段の記憶内容を更新する更新手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
本発明の制御方法は、複数の情報処理装置における作動手段の状態を受信する受信ステップと、複数の情報処理装置における作動手段の状態に基づいて、基準情報を生成する生成ステップと、生成ステップの処理によって生成された新たな基準情報によって、記憶手段の記憶内容を更新する更新ステップとを備えることを特徴とする。
【0016】
本発明の第3のプログラムは、複数の情報処理装置における作動手段の状態を受信する受信ステップと、複数の情報処理装置における作動手段の状態に基づいて、基準情報を生成する生成ステップと、生成ステップの処理によって生成された新たな基準情報によって、記憶手段の記憶内容を更新する更新ステップとを備えることを特徴とする。
【0017】
本発明の第3の記録媒体は、複数の情報処理装置における作動手段の状態を受信する受信ステップと、複数の情報処理装置における作動手段の状態に基づいて、基準情報を生成する生成ステップと、生成ステップの処理によって生成された新たな基準情報によって、記憶手段の記憶内容を更新する更新ステップとを備えるコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されていることを特徴とする。
【0018】
本発明の情報処理システムおよび第1の情報処理方法、並びに第1のプログラムにおいては、複数の検知手段による複数の作動手段の状態が受信され、その複数の作動手段の状態に基づいて、基準情報が生成され、生成された新たな基準情報によって、記憶手段の記憶内容が更新される。
【0019】
本発明の情報処理装置および第2の情報処理方法、並びに第2のプログラムにおいては、他の情報処理装置における作動手段の状態が受信され、自身の作動手段の状態、および他の情報処理装置における作動手段の状態に基づいて、基準情報が生成され、生成された新たな基準情報によって、記憶手段の記憶内容が更新される。
【0020】
本発明の制御装置および制御方法、並びに第3のプログラムにおいては、複数の情報処理装置における作動手段の状態が受信され、その複数の情報処理装置における作動手段の状態に基づいて、基準情報が生成され、生成された新たな基準情報によって、記憶手段の記憶内容が更新される。
【0021】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を適用した手術システムの一実施の形態の構成例を示している。
【0022】
この手術システムは、手術用のマニピュレータシステムであり、スレーブマニピュレータ61、複数であるK個のマスタマニピュレータ621乃至62K、ネットワーク63、およびスーパドクタデータベース部64から構成されている。
【0023】
スレーブマニピュレータ61は、ネットワーク63を介して供給される信号に基づいて作動し、手術の対象である、例えば、犬等の動物に対して、径皮的手術等を行う。なお、ここでは、スレーブマニピュレータ61が、動物に対して、径皮的手術を行うものとしているが、その他、スレーブマニピュレータ61は、動物に対して、手術以外の、例えばトリミング等を行うものとすることが可能である。
【0024】
マスタマニピュレータ62kは、例えば獣医であるユーザUkの操作と、スーパドクタデータベース部64からネットワーク63を介して供給される情報とに応じて作動する。また、マスタマニピュレータ62kは、その作動の状態を検知し、その検知結果を、ネットワーク63を介して、スーパドクタデータベース部64に送信する。
【0025】
なお、図1の実施の形態では、K個のマスタマニピュレータ621乃至62Kが設けられているが、以下、適宜、これらを特に区別する必要がない限り、マスタマニピュレータ62と記載する。
【0026】
ネットワーク63は、スレーブマニピュレータ61、マスタマニピュレータ621乃至62K、スーパドクタデータベース部64それぞれの間での通信を可能とする。
【0027】
スーパドクタデータベース部64は、ネットワーク63を介して供給されるマスタマニピュレータ62の作動の状態を受信し、その状態に基づいて、手術に関する情報を生成する。さらに、スーパドクタデータベース部64は、その手術に関する情報と、マスタマニピュレータ62の状態に基づき、制御信号を生成し、ネットワーク63を経由して、スレーブマニピュレータ61およびマスタマニピュレータ62に供給することによって、スレーブマニピュレータ61およびマスタマニピュレータ62を制御する。
【0028】
次に、図2は、図1のスレーブマニピュレータ61とマスタマニピュレータ62の外観構成例を示している。
【0029】
即ち、図2(A)は、スレーブマニピュレータ61の外観構成例を、図2(B)は、マスタマニピュレータ62の外観構成例を、それぞれ示している。
【0030】
図2(A)のスレーブマニピュレータ61において、手術台1は、長方形状をしており、そこには、手術の対象となっている患者(図2の例では、犬)が寝かされる。また、手術台1には、スレーブマニピュレータ部3Lおよびスレーブマニピュレータ部3Rが取り付けられている。
【0031】
スレーブマニピュレータ部3Lおよびスレーブマニピュレータ部3R(以下、個々に区別する必要がない場合、これらをまとめて、スレーブマニピュレータ部3と称する)は、後述するマスタマニピュレータ部8Lおよびマスタマニピュレータ部8Rのそれぞれにより遠隔操作され、手術台1に寝かされている患者に対する径皮的手術を行う。
【0032】
スレーブマニピュレータ部3Lは、手術台1の左側(手術台1を上から見た場合の左側)に設置され、その先端には、把持鉗子、メス、縫合器、または注射器等の処置具で構成される先端部4Lが取り付けられている。
【0033】
スレーブマニピュレータ部3Rは、手術台1の右側に設置され、その先端には、把持鉗子、メス、縫合器、または注射器等の処置具で構成される先端部4Rが取り付けられている。
【0034】
スレーブマニピュレータ部3は、複数のアームからなる関節構造を有している。さらに、スレーブマニピュレータ部3の各関節部分には、アクチュエータ(図2においては図示せず)が配設されており、このアクチュエータが作動することによって、アームが所定の自由度をもって動き、これにより、スレーブマニピュレータ部3は、各種の姿勢をとることができるようになっている。
【0035】
また、スレーブマニピュレータ部3の関節部分やアームの必要な部分には、先端部4Lや4Rその他の部分が外部から受ける力やトルク(いずれも、大きさおよび方向を含む)を検出し、さらには、スレーブマニピュレータ部3の姿勢を検出するセンサ(図2においては図示せず)が取り付けられている。
【0036】
なお、スレーブマニピュレータ3に取り付けられているセンサとアクチュエータは、後述する図5において、センサ75とアクチュエータ76として、それぞれ図示してある。
【0037】
手術台1には、さらに、患者の腹腔内の様子その他を撮像するCCD(Charge Coupled Device)カメラ6が先端に取り付けられたカメラ部5が設置されている。また、手術台1には、その四隅に、音を集音するためのマイク21乃至24が取り付けられている。
【0038】
なお、図2(A)においては、図が煩雑になるのを避けるため、1つのカメラ部5しか図示していないが、カメラ部5は、患部の状態や、スレーブマニピュレータ部3等を、様々な方向から観察することができるように、複数取り付けられている。
【0039】
また、カメラ部5は、複数のアームからなる関節構造を有しており、さらに、その各関節部分には、図示せぬアクチュエータが配設されている。そして、このアクチュエータが作動することによって、アームが所定の自由度をもって動き、これにより、カメラ部5に取り付けられたCCDカメラ6は各種の視点から撮影(撮像)を行うことができるようになっている。
【0040】
一方、図2(B)のマスタマニピュレータ62において、操作台7には、ユーザUにより操作される、マスタマニピュレータ部8L,8R(以下、適宜、両方含めて、マスタマニピュレータ部8という)がそれぞれ設置されている。
【0041】
マスタマニピュレータ部8Lは、操作台7の左側(操作台7を背にした場合の左側)に設置され、その先端には、ユーザUの左手により保持されて操作される操作部9Lが取り付けられている。
【0042】
マスタマニピュレータ部8Rは、操作台7の右側に設置され、その先端には、ユーザUの右手により保持されて操作される操作部9Rが取り付けられている。
【0043】
ここで、以下、適宜、操作部9Lおよび9Rを、両方まとめて、操作部9という。
【0044】
マスタマニピュレータ部8は、スレーブマニピュレータ部3と同様に、複数のアームからなる関節構造を有しており、所定の自由度をもって動くようになっている。これにより、マスタマニピュレータ部8Lの操作部9Lは、ユーザUの左手による操作によって3次元的に移動し、また、マスタマニピュレータ部8Rの操作部9Rも、ユーザUの右手による操作によって3次元的に移動する。
【0045】
なお、マスタマニピュレータ部8の各関節部分には、アクチュエータ(図2においては図示せず)が配設されており、このアクチュエータが作動することによって、アームが所定の自由度をもって動き、これにより、マスタマニピュレータ部8は、ユーザUに対して、所定の反力、あるいは付勢力を与える。
【0046】
また、マスタマニピュレータ部8の関節部分やアームの必要な部分には、操作部9Lや9Rその他の部分が外部から受ける力やトルク、さらには、マスタマニピュレータ部8の姿勢を検出(検知)するセンサ(図2においては図示せず)が取り付けられている。
【0047】
なお、マスタマニピュレータ62に取り付けられているセンサとアクチュエータは、後述する図6において、センサ85とアクチュエータ86として、それぞれ図示してある。
【0048】
操作台7の前方(ユーザUがマスタマニピュレータ部8を操作するために、操作台7の前に立った場合の、ユーザUの正面方向)には、ユーザUが、マスタマニピュレータ部8を操作しながら、そこに表示される画像を見ることができるように、モニタ10が設けられている。モニタ10には、カメラ部5のCCDカメラ6により撮像された画像が表示される。
【0049】
モニタ10の周辺には、スピーカ11が設けられており、このスピーカ11からは、スレーブマニピュレータ61の手術台1に取り付けられたマイク21乃至24で集音された音が出力される。
【0050】
さらに、モニタ10の周辺には、操作パネル12が設けられている。操作パネル12には、各種のスイッチやボタン等が取り付けられており、ユーザによって、必要に応じて操作される。なお、操作パネル12におけるスイッチ等としては、電源スイッチや、モニタ10に表示される画像を切り換えるスイッチ等がある。
【0051】
以上のように構成されるマスタマニピュレータ62を操作するユーザUは、操作台7を背にして操作台7とモニタ10の間に立ち、モニタ10に映し出されるスレーブマニピュレータ部3の先端部4等の様子を見ながら、左手で、マスタマニピュレータ部8Lの操作部9Lを3次元的に移動するように操作し、また右手で、マスタマニピュレータ部8Rの操作部9Rを3次元的に移動するように操作する。
【0052】
この場合、ユーザUによるマスタマニピュレータ部8の操作に対応する操作信号が、ネットワーク63を介して、スーパドクタデータベース部64に供給され、スーパドクタデータベース部64は、その操作信号を処理し、スレーブマニピュレータ61を制御する制御信号を生成する。この制御信号は、ネットワーク63を介して、スーパドクタデータベース部64からスレーブマニピュレータ61に供給される。スレーブマニピュレータ61では、スーパドクタデータベース部64からの制御信号にしたがい、スレーブマニピュレータ部3が作動する。これにより、スレーブマニピュレータ部3Lの先端部4Lが、マスタマニピュレータ部8Lの操作部9Lの動きに同期するように動くとともに、スレーブマニピュレータ部3Rの先端部4Rが、マスタマニピュレータ部8Rの操作部9Rの動きに同期するように動き、患者に対する径皮的手術が行われる。
【0053】
ここで、あるユーザUkが、マスタマニピュレータ部8の操作部9を、所定の状態としての、例えば、それぞれ所定の角度のロール(roll)回転、ピッチ(pitch)回転、およびヨー(yaw)回転した状態で、操作部9の作用点が所定の位置としての座標(x,y,z)で特定される位置を経由するように操作しようとしても、実際の操作と目標とする操作に、ずれが生じる場合がある。
【0054】
なお、ヨー回転とは、図3に示すように、X軸およびY軸の、Z軸を回転中心とする回転であり、その回転角度は、図中、θyで示されている。ピッチ回転とは、Z軸、およびθyだけヨー回転したX軸(図中、X’で示す)の、ヨー回転したY軸(図中、Y’で示す)を回転中心とする回転であり、その回転角度は、図中、θpで示されている。ロール回転とは、θyだけヨー回転したY軸(図中、Y’で示す)、およびθpだけピッチ回転したZ軸(図中、Z’で示す)の、θyだけヨー回転した後さらにθpだけピッチ回転したX軸(図中、x軸で示す)を回転中心とする回転であり、その回転角度は、図中、θrで示されている。
【0055】
例えば、図4(A)に示すような、所定の位置Aから、一定のふくらみをもって位置Bに至る軌跡(目標軌跡)を描くように、スレーブマニピュレータ部3の先端部4を移動させたい場合、ユーザU1乃至UKそれぞれは、目標軌跡に対応した軌跡(スレーブマニピュレータ部3およびマスタマニピュレータ部8の大きさ等、その構造の違いにもよるが、ここでは、簡単のために同じ軌跡)を描くように、マスタマニピュレータ部8の操作部9を移動させようとする。しかしながら、実際には、ユーザU1乃至UKのマスタマニピュレータ部8(操作部9)に対する操作技術のレベルにもよるが、図4(B)の実線で示すように、図4(B)の点線で示される目標軌跡からずれた軌跡(操作軌跡)を描くように、操作部9を移動させてしまうことがある。
【0056】
ところで、通常、操作軌跡と目標軌跡とのずれは、無作為に発生するため(一定の傾向をもって発生するものではないため)、複数の操作軌跡(ユーザU1乃至UKそれぞれの操作軌跡(図4(B)))を平均することにより、目標軌跡により近い軌跡を得ることができる。
【0057】
そこで、スーパドクタデータベース部64は、マスタマニピュレータ621乃至62Kにおける操作内容を合成し(例えば、平均し)、その合成した(平均した)操作内容に基づいて、スレーブマニピュレータ61(スレーブマニピュレータ部3)を遠隔操作する。これにより、スレーブマニピュレータ61において、図4(C)に示すように、目標軌跡に近い軌跡を描くようにスレーブマニピュレータ部3の先端部4を移動させることができるようになっている。
【0058】
なお、図4(A)中、点線の矢印は、軌跡の方向を示し、図4(B)中の点線の矢印は、操作部9の移動方向を示し、図4(C)中の点線の矢印は、先端部4の移動方向を示している。
【0059】
また、スーパドクタデータベース部64は、世界の名医による過去の手術の技術的な情報である手術技術情報を、例えば、症状別に記憶しており、その手術技術情報に基づいて、マスタマニピュレータ621乃至62Kにおける操作内容を修正する。即ち、スーパドクタデータベース部64は、マスタマニピュレータ621乃至62Kにおける操作内容の他、記憶している手術技術情報にも基づいて、スレーブマニピュレータ61を制御する。
【0060】
従って、手術システムでは、世界各地に分散した獣医としてのユーザU1乃至UKそれぞれがマスタマニピュレータ621乃至62Kを操作することによる合同手術が、手術技術情報を参照しながら行われることから、最高レベルの手術の実現が可能となる。
【0061】
次に、図5は、図1のスレーブマニピュレータ61の電気的構成例を示している。
【0062】
スレーブマニピュレータ制御装置51は、ネットワーク63に接続されており、スレーブマニピュレータ部3を制御する。
【0063】
即ち、スレーブマニピュレータ制御装置51は、制御部71、姿勢遷移機構部72、制御機構部73、および通信部74で構成されている。
【0064】
制御部71は、通信部74を介して受信した、スーパドクタデータベース部64によってネットワーク63上に送出された制御信号としての後述する姿勢パラメータを、姿勢遷移機構部72に供給するとともに、制御機構部73を介して供給されるスレーブマニピュレータ部3のセンサ75の出力に基づいて、スレーブマニピュレータ部3の先端部4の姿勢パラメータを算出し、通信部74を介して、ネットワーク63に送出する。
【0065】
ここで、スレーブマニピュレータ部3の先端部4の姿勢パラメータは、例えば、先端部4(作用点)の位置を特定する、X軸の値、Y軸の値、およびZ軸の値からなる座標と、先端部4の角度を特定するヨー角θy、ピッチ角θp、およびロール角θr等から構成される。即ち、先端部4の位置は、例えば、先端部4が移動可能な空間上の所定の位置を原点として定義されたXYZ直交座標系上の座標で表され、また、先端部4の角度は、例えば、先端部4について定義したXYZ直交座標系を基準として、図3に示したように定義されるもので表される。なお、以下、適宜、これらの位置と角度とを両方含めて、姿勢という。
【0066】
制御部71は、また、制御機構部73を介して供給される、スレーブマニピュレータ部3のセンサ75の出力に基づいて、スレーブマニピュレータ部3の先端部4が外部から受けた力F1やトルクT1を算出し、通信部74を介して、ネットワーク63上に送出する。
【0067】
姿勢遷移機構部72は、スレーブマニピュレータ部3の先端部4の姿勢を、現在の姿勢から、制御部71から供給された姿勢パラメータに対応する姿勢に遷移させるための姿勢遷移情報を生成し、これを制御機構部73に送出する。
【0068】
制御機構部73は、姿勢遷移機構部72からの姿勢遷移情報に従って、制御信号を生成し、これを、スレーブマニピュレータ部3に供給する。スレーブマニピュレータ3のアクチュエータ76は、制御機構部73から供給された制御信号に従って駆動し、これにより、先端部4は、スーパドクタデータベース部64から送信されてきた姿勢パラメータに対応する姿勢をとる。
【0069】
制御機構部73は、また、スレーブマニピュレータ部3のセンサ75の出力を取得し、制御部71に供給する。
【0070】
通信部74は、ネットワーク63を介しての通信制御を行い、これにより、ネットワーク63から送信されてくる情報を受信して、制御部71に供給するとともに、制御部71から供給される情報を、ネットワーク63に送信する。
【0071】
入出力制御装置52は、ネットワーク63に接続されており、マイク21乃至24それぞれで集音された音声データ、およびカメラ61乃至65それぞれで撮像された画像データを、ネットワーク63を介して送信する。
【0072】
ここで、カメラ61乃至65は、図2のカメラ6に対応するものである。また、カメラ61乃至65のうち、カメラ61乃至64は、患者の患部等を、所定の視点方向から撮像する小型のCCDカメラとなっており、カメラ65は、スレーブマニピュレータ部3の周囲全体の撮像が可能な全方位カメラとなっている。なお、全方位カメラの詳細については、後述する。
【0073】
次に、図6は、図1のマスタマニピュレータ62の電気的構成例を示している。
【0074】
マスタマニピュレータ制御装置53は、ネットワーク63に接続されており、マスタマニピュレータ部8を制御する。
【0075】
即ち、マスタマニピュレータ制御装置53は、制御部81、姿勢遷移機構部82、制御機構部83、および通信部84で構成されている。
【0076】
制御部81は、また、通信部84を介して取得した、後述する基準姿勢パラメータと、力F1およびトルクT1(スレーブマニピュレータ部3の先端部4が外部から受けた力およびトルク)に基づいて、後述する力FoおよびトルクToを算出し、制御機構部83に供給する。
【0077】
さらに、制御部81は、制御機構部83を介して供給される、マスタマニピュレータ部8のセンサ85の出力に基づいて、マスタマニピュレータ部8の操作部9の姿勢パラメータを算出し、通信部84を介して、ネットワーク63に送信する。
【0078】
ここで、マスタマニピュレータ部8の操作部9の姿勢パラメータは、スレーブマニピュレータ部3の先端部4の姿勢パラメータと同様に、操作部9(作用点)の位置を特定する、X軸の値、Y軸の値、およびZ軸の値からなる座標と、操作部9の角度を特定するヨー角θy、ピッチ角θp、およびロール角θr等から構成されている。即ち、操作部9の位置は、操作部9が移動可能な空間上の所定の位置を原点として定義されたXYZ直交座標系上の座標で表され、また、先端部4の角度は、例えば、操作部9について定義したXYZ直交座標系を基準として、図3に示したように定義されるもので表される。
【0079】
なお、マスタマニピュレータ部8の操作部9の姿勢パラメータと、上述のスレーブマニピュレータ部3の先端部4の姿勢パラメータとは、同一のXYZ直交座標系において定義しても良いし、異なるXYZ直交座標系において定義しても良い。但し、先端部4と操作部9の姿勢パラメータを、異なるXYZ直交座標系において定義する場合には、スーパドクタデータベース部64が、その異なるXYZ直交座標系どうしの対応関係を認識している必要がある。
【0080】
制御機構部83は、制御部81から供給された力F0とトルクT0に従って、制御信号を生成し、これを、マスタマニピュレータ部8に送出する。マスタマニピュレータ部8のアクチュエータ86は、この制御信号に従って駆動し、これにより、マスタマニピュレータ部8の操作部9は、制御部81により算出された力F0とトルクT0を、その操作部9を操作しているユーザUに与える。
【0081】
制御機構部83は、また、マスタマニピュレータ部8のセンサ85の出力を、制御部81に供給する。
【0082】
通信部84は、ネットワーク63を介しての通信制御を行い、ネットワーク63から送信されてくる情報を受信して、制御部81に供給するとともに、制御部81から供給される情報を、ネットワーク63に送信する。
【0083】
入出力制御装置54は、ネットワーク63に接続されており、ネットワーク63から送信されてくる画像データと音声データを受信し、モニタ10とスピーカ11にそれぞれ供給する。これにより、モニタ10では、スレーブマニピュレータ61のカメラ61乃至65で撮像された画像が表示され、スピーカ11では、スレーブマニピュレータ61のマイク21乃至24で集音された音声が出力される。
【0084】
また、入出力制御装置54は、操作パネル12が、ユーザUによって操作されることにより出力する操作信号を受信し、その操作信号に応じて、モニタ10に表示する画像や、スピーカ11から出力する音声を切り換える。さらに、入出力制御装置54は、操作パネル12からの操作信号を、必要に応じて、ネットワーク63に送信する。
【0085】
次に、図7は、図1のスーパドクタデータベース部64の構成例を示している。
【0086】
入出力制御装置21は、ネットワーク63に接続されており、ネットワーク63を介しての通信制御を行うことにより、ネットワーク63から送信されてくる情報を受信して、姿勢パラメータ登録部22や姿勢パラメータ制御部28に供給するとともに、姿勢パラメータ制御部28から供給される情報を、ネットワーク63に送信する。
【0087】
ここで、入出力制御装置21がネットワーク63から受信する情報としては、例えば、スレーブマニピュレータ61が送信する先端部4の姿勢パラメータや、マスタマニピュレータ62が送信する操作部9の姿勢パラメータ等がある。
【0088】
姿勢パラメータ登録部22は、入出力制御装置21から供給される、マスタマニピュレータ62が送信する操作部9の姿勢パラメータに基づき、マスタマニピュレータ62が、どのような手術内容の操作をしようとしたのかを認識し、その認識した手術内容と姿勢パラメータとを、手術情報として、手術情報データベース25に登録する。
【0089】
手術経過情報データベース23は、例えば、図1の手術システムにおける手術を含め、世界各国で行われた手術について、その手術後の患者の状態に関する情報である手術経過情報を、例えば手術別に記憶する。
【0090】
手術経過情報登録部24は、手術経過情報を、各手術別に、手術経過情報データベース23に登録する。なお、手術経過情報登録部24は、例えば、世界各国の病院(手術システムを含む)におけるカルテ等の内容が記憶された外部のデータベースから、ネットワーク63を介して、手術経過情報を収集し、手術経過情報データベース23に登録する。また、手術経過情報登録部24には、所定の操作者が操作を行うことによって、手術経過情報を、直接入力することもでき、この場合、手術経過情報登録部24は、その直接入力された手術経過情報を、手術経過情報データベース23に登録する。
【0091】
手術情報データベース25は、姿勢パラメータ登録部22から供給される手術情報を記憶する。
【0092】
更新部26は、手術情報データベース25に記憶された手術情報が表す手術内容による手術が、成功したかどうかを、手術経過情報データベース23の手術経過情報を参照することによって判定し、成功した手術については、その手術情報に基づいて、手術技術情報データベース27を更新する。
【0093】
手術技術情報データベース27は、更新部26や手術技術情報登録部30から供給される、手術の技術的な情報である手術技術情報を記憶する。即ち、手術技術情報データベース27は、各手術について、症状別に、その手術を行うのに最適な操作部9の操作方法や、操作部9の操作として制限すべき操作内容等の操作部9の操作の基準となる基準情報を、手術技術情報として記憶する。
【0094】
姿勢パラメータ制御部28は、入出力制御装置21で受信された、マスタマニピュレータ62の操作部9の姿勢パラメータを受信する。さらに、姿勢パラメータ制御部28は、必要に応じて、検索部29を介して、手術技術情報を参照しながら、その受信した姿勢パラメータを修正等し、基準姿勢パラメータとして、入出力制御装置21に供給する。
【0095】
検索部29は、姿勢パラメータ制御部28の制御に従って、手術技術情報データベース27に記憶された手術技術情報を検索し、その検索結果を、姿勢パラメータ制御部28に供給する。
【0096】
手術技術情報登録部30は、例えば、所定の操作者によって操作され、その操作に対応して、世界の名医による手術に基づいて得られた手術技術情報を、手術技術情報データベース27に登録する。
【0097】
次に、図8のフローチャートを参照して、図5のスレーブマニピュレータ61の処理について説明する。
【0098】
ステップS1において、入出力制御装置52は、マイク21乃至24、およびカメラ61乃至65を動作状態にし、マイク21乃至24それぞれで集音された音声データ、およびカメラ61乃至65それぞれで撮像された画像データの送信を開始する。
【0099】
即ち、入出力制御装置52は、マイク21乃至24それぞれで集音された音声データ、およびカメラ61乃至65それぞれで撮像された画像データを受信し、ネットワーク63を介して、スーパドクタデータベース部64に送信する。なお、この画像データと音声データの送信は、その後、例えば、マスタマニピュレータ62(図6)の操作パネル12が、その送信を停止するように操作されるまで続行される。
【0100】
さらに、ステップS1では、スレーブマニピュレータ制御装置51が、スレーブマニピュレータ部3の先端部4の姿勢パラメータを、スーパドクタデータベース部64に送信する。
【0101】
即ち、スレーブマニピュレータ制御装置51において、制御機構部73は、スレーブマニピュレータ部3のセンサ75を動作状態にし、その出力を受信して、制御部71に供給する。制御部71は、制御機構部73から供給されるセンサ75の出力に基づいて、スレーブマニピュレータ部3の先端部4の姿勢パラメータを求め、通信部74に供給する。通信部74は、制御部71からの姿勢パラメータを、ネットワーク63を介して、スーパドクタデータベース部64に送信する。
【0102】
その後、後述するように、スーパドクタデータベース部64から、ネットワーク63を介して、姿勢パラメータが送信されてくるので、スレーブマニピュレータ制御装置51の通信部74は、スーパドクタデータベース部64から姿勢パラメータが送信されてくるのを待って、ステップS2に進み、その姿勢パラメータを受信する。
【0103】
この姿勢パラメータは、通信部74から制御部71に供給され、制御部71は、ステップS3において、スレーブマニピュレータ部3の先端部4が、その姿勢パラメータに対応する姿勢をとるように、スレーブマニピュレータ部3を制御する。
【0104】
具体的には、スレーブマニピュレータ制御装置51の制御部71は、通信部74からの姿勢パラメータを、姿勢遷移機構部72に供給する。姿勢遷移機構部72は、スレーブマニピュレータ部3の先端部4の姿勢を、現在の姿勢から、制御部71から供給された姿勢パラメータに対応する姿勢に遷移させるための姿勢遷移情報を生成し、制御機構部73に供給する。
【0105】
制御機構部73は、姿勢遷移機構部72からの姿勢遷移情報に従って制御信号を生成し、これを、スレーブマニピュレータ部3に送出する。スレーブマニピュレータ部3では、アクチュエータ76が、制御機構部73からの制御信号に従って駆動し、これにより、先端部4は、その姿勢を変化させ、通信部74で受信された姿勢パラメータ、即ち、スーパドクタデータベース部64から送信されてきた姿勢パラメータに対応する姿勢をとる。
【0106】
そして、ステップS4に進み、スレーブマニピュレータ制御装置51は、ステップS3での制御で、スレーブマニピュレータ部3の先端部4が姿勢を変化させることで、先端部4が外部(患者の腹腔内)から受けた力F1とトルクT1を、その先端部4の姿勢パラメータとともに、ネットワーク63を介して、スーパドクタデータベース部64に送信する。
【0107】
即ち、スレーブマニピュレータ制御装置51において、制御機構部73は、センサ75の出力を、制御部71に供給し、制御部71は、そのセンサ75の出力から、先端部4が外部から受けた力F1とトルクT1、および先端部4の姿勢パラメータを算出する。さらに、制御部71は、この力F1とトルクT1、および姿勢パラメータを、通信部74に供給し、通信部74は、その力F1とトルクT1、および姿勢パラメータを、ネットワーク63を介して、スーパドクタデータベース部64に送信する。
【0108】
その後は、ステップS2に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0109】
従って、スレーブマニピュレータ61においては、スレーブマニピュレータ部3の先端部4が、スーパドクタデータベース部64から送信されてくる姿勢パラメータに対応する姿勢に変化していくことによって、患者に対する手術が行われる。
【0110】
次に、図9のフローチャートを参照して、図6のマスタマニピュレータ62の処理について説明する。
【0111】
後述するように、スーパドクタデータベース部64は、スレーブマニピュレータ61から送信されてくる画像データと音声データを、ネットワーク63を介して、マスタマニピュレータ62に送信してくるので、ステップS21では、その画像データと音声データの受信が開始される。
【0112】
即ち、ステップS21では、入出力制御装置54は、ネットワーク63を介して、スーパドクタデータベース部64から送信されてくる画像データと音声データを受信し、画像データを、モニタ10に供給するとともに、音声データをスピーカ11に供給する。これにより、モニタ10には、スレーブマニピュレータ61(図5)のカメラ61乃至65で撮像された画像が表示され、また、スピーカ11からは、スレーブマニピュレータ61のマイク21乃至24で集音された音が出力される。
【0113】
さらに、後述するように、スーパドクタデータベース部64は、スレーブマニピュレータ61から送信されてくる、先端部4の姿勢パラメータを、ネットワーク63を介して、マスタマニピュレータ62に送信してくるので、ステップS21では、マスタマニピュレータ制御装置53は、その姿勢パラメータを受信し、その姿勢パラメータに基づいて、マスタマニピュレータ部8の操作部9の姿勢を制御する。
【0114】
即ち、マスタマニピュレータ制御装置53において、通信部84は、ネットワーク63を介して、スーパドクタデータベース部64から送信されてくる、スレーブマニピュレータ部3の先端部4の姿勢パラメータを受信し、制御部81に供給する。制御部81は、通信部84からの姿勢パラメータを受信し、姿勢遷移機構部82に供給する。姿勢遷移機構部82は、マスタマニピュレータ部8の操作部9の姿勢を、現在の姿勢から、制御部81から供給された姿勢パラメータに対応する姿勢に遷移させるための姿勢遷移情報を生成し、制御機構部83に供給する。制御機構部83は、姿勢遷移機構部82からの姿勢遷移情報に従って制御信号を生成し、これを、マスタマニピュレータ部8に送出する。マスタマニピュレータ部8のアクチュエータ86は、この制御信号に従って駆動し、これにより、操作部9は、その姿勢を変化させ、スレーブマニピュレータ部3の先端部4の姿勢と同一の姿勢をとる。
【0115】
その後、ステップS22において、マスタマニピュレータ部8の操作部9の姿勢パラメータが、ネットワーク63を介して、スーパドクタデータベース部64に送信される。
【0116】
具体的には、マスタマニピュレータ制御装置53において、制御機構部83は、マスタマニピュレータ部8のセンサ85の出力を受信し、制御部81に供給する。制御部81は、センサ85の出力から、マスタマニピュレータ部8の操作部9の姿勢パラメータを算出し、通信部84に供給する。通信部84は、制御部81からの操作部9の姿勢パラメータを、ネットワーク63を介して、スーパドクタデータベース部64に送信する。
【0117】
ここで、このステップS22の処理によって、ユーザUがマスタマニピュレータ部8の操作部門を操作することにより、所定の姿勢にされた操作部9について、その姿勢を表す姿勢パラメータが、スーパドクタデータベース部64に送信される。
【0118】
そして、ステップS23に進み、マスタマニピュレータ制御装置53の通信部84は、ネットワーク63を介してスーパドクタデータベース部64から送信されてくる、スレーブマニピュレータ部3の先端部4の姿勢パラメータを、基準姿勢パラメータとして受信し、ステップS24に進む。ステップS24では、マスタマニピュレータ制御装置53の通信部84は、スーパドクタデータベース部64から、先端部4の姿勢パラメータとともに送信されてくる、先端部4が外部から受けた力F1とトルクT1を受信する。この先端部4についての姿勢パラメータ(基準姿勢パラメータ)、および力F1とトルクT1は、通信部84から制御部81に供給され、ステップS24からS25に進む。
【0119】
ステップS25では、制御部81は、ステップS22で取得(算出)した操作部9の姿勢パラメータと、ステップS23で取得(受信)した基準姿勢パラメータの差を算出し、ステップS26に進む。
【0120】
ステップS26では、制御部81は、ステップS25で算出した、操作部9の姿勢パラメータと基準姿勢パラメータとの差(ずれ)の大きさに比例した大きさで、ずれの方向とは逆方向の力F2とトルクT2を算出し、ステップS27に進む。
【0121】
ステップS27では、制御部81は、ステップS26で算出した力F2とトルクT2のそれぞれに、ステップS24で取得(受信)した力F1およびトルクT1に比例する力とトルクを加算し、操作部9を操作するユーザUに知覚させる力FoおよびトルクToを算出する。すなわち、制御部81は、例えば、式(1)に従って、力FoおよびトルクToを算出する。
【0122】
【数1】
【0123】
なお、例えば、マスタマニピュレータ部8の操作部9を動かすのに、スレーブマニピュレータ部3の先端部4を直接動かす場合に比べ、より大きな力が必要なとき(いわゆる重いとき)、αおよびβは、1より大きい値となり、また、操作部9を動かすのに、先端部4を動かす場合に比べ、小さな力でよい場合(いわゆる軽いとき)、αおよびβは、1より小さい値となる。また、同じ力でそれらを動かす場合、αおよびβは、1となる。
【0124】
その後、ステップS28において、マスタマニピュレータ部8の操作部9を操作するユーザUに、ステップS27で算出された力FoとトルクToを知覚させるように、マスタマニピュレータ部8が制御される。
【0125】
即ち、制御部81は、ステップS23で得た基準姿勢パラメータと、ステップS26で得た力FoおよびトルクToを、姿勢遷移機構部82に供給する。姿勢遷移機構部82は、マスタマニピュレータ部8の操作部9の姿勢を、現在の姿勢から、制御部81から供給された基準姿勢パラメータに対応する姿勢に遷移させるための姿勢遷移情報であって、さらに、力FoおよびトルクToをユーザに知覚させることのできる加速度(角加速度を含む)の情報を含むものを生成し、制御機構部83に供給する。制御機構部83は、姿勢遷移機構部82からの姿勢遷移情報に従って制御信号を生成し、これを、マスタマニピュレータ部8に送出する。マスタマニピュレータ部8のアクチュエータ86は、この制御信号に従って駆動し、これにより、操作部9は、その姿勢を、所定の加速度で変化させることにより、ユーザUに力FoおよびトルクToを知覚させながら、スレーブマニピュレータ部3の先端部4の姿勢と同一の姿勢をとる。
【0126】
その後は、ステップS22に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0127】
以上のように、ユーザUに知覚させる力FoおよびトルクToを、ステップS25で算出されたずれの大きさに比例した大きさで、ずれの方向とは逆方向の力F2およびトルクT2と、スレーブマニピュレータ部3の先端部4が受けたに力F1とトルクT1に比例する力およびトルクとが加算されたものとするようにしたので、ユーザUに、操作部9の姿勢パラメータと基準姿勢パラメータとのずれ、およびスレーブマニピュレータ部3の先端部4が受ける反力を意識させることができる。
【0128】
従って、ユーザUは、マスタマニピュレータ部8の操作部9を、基準姿勢パラメータに対応する姿勢と異なる姿勢にするように操作した場合には、その姿勢の異なり具合が大きいほど、大きな反力を受けるので、自身の操作が、スレーブマニピュレータ部3の先端部4が実際にとった姿勢(基準姿勢パラメータが表す姿勢)とどの程度異なるかを、いわば感覚的に認識することができる。
【0129】
なお、ユーザUには、例えば、力F2とトルクT2のみを知覚させるようにすることもできる。
【0130】
次に、図10のフローチャートを参照して、図7のスーパドクタデータベース部64の処理について説明する。
【0131】
まず最初に、ステップS41において、入出力制御装置21は、スレーブマニピュレータ61からの画像データおよび音声データの受信と、その画像データおよび音声データのマスタマニピュレータ62への送信を開始する。
【0132】
即ち、図8で説明したように、ステップS1において、スレーブマニピュレータ61(図5)は、カメラ61乃至65で撮像された画像データと、マイク21乃至24で集音された音声データの、スーパドクタデータベース部64への送信を開始するので、スーパドクタデータベース部64の入出力制御装置21は、そのようにしてスレーブマニピュレータ61からネットワーク63を介して送信されてくる画像データと音声データの受信を開始する。
【0133】
さらに、入出力制御装置21は、スレーブマニピュレータ61から受信した画像データと音声データの、マスタマニピュレータ62への送信を開始する。ここで、マスタマニピュレータ62では、このようにして、入出力制御装置21から送信される画像データと音声データの受信が、上述の図9のステップS21で開始される。
【0134】
また、ステップS41では、入出力制御装置21は、図8のステップS1においてスレーブマニピュレータ61から送信されてくる姿勢パラメータ(スレーブマニピュレータ部3の先端部4の姿勢パラメータ)を受信し、その姿勢パラメータを、基準姿勢パラメータとして、マスタマニピュレータ62に送信する。ここで、この基準姿勢パラメータは、マスタマニピュレータ62において、上述の図9のステップS21で受信され、これにより、操作部9(マスタマニピュレータ部8の操作部9)は、その基準パラメータに対応する姿勢、即ち、スレーブマニピュレータ部3の先端部4の姿勢と同一の姿勢をとる。
【0135】
その後、ステップS42に進み、入出力制御装置21は、スレーブマニピュレータ61から、その先端部4についての姿勢パラメータ(基準姿勢パラメータ)と、力F1およびトルクT1が、図8のステップS4で送信されてくるのを待って受信し、その姿勢パラメータを基準姿勢パラメータとして、力F1およびトルクT1とともに、マスタマニピュレータ62に送信する。ここで、マスタマニピュレータ62では、先端部4について姿勢パラメータ(基準姿勢パラメータ)は、図9のステップS23で受信され、先端部4についての力F1およびトルクT1は、図9のステップS24で受信される。
【0136】
そして、ステップS43に進み、入出力制御装置21は、マスタマニピュレータ621乃至62Kそれぞれが図9のステップS22で送信してくる操作部9の姿勢パラメータを受信し、姿勢パラメータ登録部22および姿勢パラメータ制御部28に供給して、ステップS44に進む。
【0137】
ステップS44では、姿勢パラメータ登録部22は、マスタマニピュレータ621乃至62Kそれぞれの姿勢パラメータに基づいて、ユーザU1乃至UKが行おうとしている手術内容を認識する。さらに、姿勢パラメータ登録部22は、その手術内容と対応する姿勢パラメータを、手術情報データベース25に供給して登録し、ステップS45に進む。
【0138】
ステップS45では、姿勢パラメータ制御部28が、マスタマニピュレータ621乃至62Kそれぞれからの操作部9の姿勢パラメータについて分散を計算し、その分散が所定の閾値以上であるかどうかを判定する。
【0139】
ステップS45において、マスタマニピュレータ621乃至62Kそれぞれからの操作部9の姿勢パラメータの分散が所定の閾値以上でないと判定された場合、即ち、マスタマニピュレータ621乃至62KそれぞれのユーザU1乃至UKが、ほぼ同じような操作をした場合、ステップS46に進み、姿勢パラメータ制御部28は、マスタマニピュレータ621乃至62Kそれぞれからの姿勢パラメータの、例えば平均値等の重み付け加算値を求め、ステップS47に進む。
【0140】
ここで、複数の姿勢パラメータの重み付け加算値としては、その複数の姿勢パラメータそれぞれに対する重みを同一にした平均値を計算する他、複数の姿勢パラメータそれぞれに対する重みを異なる値にしたものを計算することも可能である。即ち、姿勢パラメータに対する重みは、例えば、その姿勢パラメータを送信してきたマスタマニピュレータ62kを操作するユーザUkの熟練度等に基づき、その熟練度が高い程大きく設定することが可能である。なお、熟練度等に基づく重みは、例えば、マスタマニピュレータ62(図6)の操作パネル12を操作すること等によって設定することが可能である。
【0141】
ステップS47では、姿勢パラメータ制御部28は、検索部29に手術技術情報データベース27を検索させることにより、ステップS46で求められた重み付け加算値としての姿勢パラメータによる手術を制限するような手術技術情報が、手術技術情報データベース27に登録されているかどうかを判定する。
【0142】
ステップS47において、重み付け加算値である姿勢パラメータによる手術を制限するような手術技術情報が、手術技術情報データベース27に登録されていないと判定された場合、ステップS48をスキップして、ステップS49に進み、姿勢パラメータ制御部28は、重み付け加算値である姿勢パラメータを、入出力制御装置21に供給し、入出力制御装置21は、姿勢パラメータ制御部28からの姿勢パラメータを、スレーブマニピュレータ61に送信する。その後、ステップS42に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0143】
従って、この場合、スレーブマニピュレータ61の先端部4の動きは、マスタマニピュレータ621乃至62KのユーザU1乃至UKそれぞれによる操作を平均化したものに従うことなる。
【0144】
また、ステップS47において、重み付け加算値である姿勢パラメータによる手術を制限する手術技術情報が、手術技術データベース27に登録されていると判定された場合、即ち、重み付け加算値である姿勢パラメータによる手術の内容が、例えば、過去に前例のないものである場合や、あるいは、過去に、良い手術経過が得られなかったものである場合、ステップS48に進み、姿勢パラメータ制御部28は、重み付け加算値である姿勢パラメータを、その姿勢パラメータによる手術を制限する手術技術情報に基づいて修正し、その手術技術情報による制限の範囲内のものとする。そして、ステップS49に進み、姿勢パラメータ制御部28は、修正後の姿勢パラメータを、入出力制御装置21を介して、スレーブマニピュレータ61に送信して、ステップS42に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
【0145】
従って、この場合、スレーブマニピュレータ61の先端部4の動きは、マスタマニピュレータ621乃至62KのユーザU1乃至UKそれぞれによる操作を平均化したものを手術技術情報に基づいて修正したものに従うことなる。
【0146】
一方、ステップS45において、マスタマニピュレータ621乃至62Kそれぞれからの操作部9の姿勢パラメータの分散が所定の閾値以上であると判定された場合、即ち、マスタマニピュレータ621乃至62KそれぞれのユーザU1乃至UKのうちの1以上が、他のユーザと同じとはいえない程度の異なる操作をした場合、ステップS50に進み、姿勢パラメータ制御部28は、マスタマニピュレータ621乃至62Kそれぞれからの操作部9の姿勢パラメータの中から、他の姿勢パラメータと異なる姿勢パラメータ(分散を大きくしている原因となっている姿勢パラメータ)(以下、適宜、特異パラメータという)を検出する。
【0147】
なお、ここでは、説明を簡単にするために、特異パラメータとなる姿勢パラメータは1つとする。
【0148】
ステップS50において特異パラメータが検出されると、ステップS51に進み、姿勢パラメータ制御部28は、更新部26を制御することにより、手術情報データベース25に記憶された、特異パラメータに対応する手術情報が表す手術内容による手術が、過去に成功したことがあるかどうかを、手術経過情報データベース23の手術経過情報を参照させることによって判定させる。
【0149】
ステップS51において、特異パラメータに対応する手術情報が表す手術内容による手術が、過去に成功したことがないと判定された場合、ステップS52に進み、姿勢パラメータ制御部28は、その特異パラメータが、操作部9の誤操作等によるものであるとして、マスタマニピュレータ621乃至62Kそれぞれからの操作部9の姿勢パラメータのうちの、特異パラメータを除いたものの、例えば平均値等の重み付け加算値を求め、ステップS47に進む。
【0150】
その後、ステップS47乃至S49において、マスタマニピュレータ621乃至62Kそれぞれからの操作部9の姿勢パラメータのうちの、特異パラメータを除いたものの重み付け加算値を対象に、上述した場合と同様の処理が行われ、ステップS42に戻る。
【0151】
従って、この場合、スレーブマニピュレータ61の先端部4の動きは、マスタマニピュレータ621乃至62KのユーザU1乃至UKそれぞれによる操作のうち、特に他の操作と異なった操作を除いたものを平均化したもの(あるいは、その平均化した操作を手術技術情報に基づいて修正したもの)に従うことなる。
【0152】
一方、ステップS51において、特異パラメータに対応する手術情報が表す手術内容による手術が、過去に成功したことがあると判定された場合、ステップS53に進み、姿勢パラメータ制御部28は、更新部26を制御することにより、手術技術情報データベース27を更新させる。
【0153】
即ち、この場合、更新部26は、特異パラメータに対応する手術情報が表す手術内容に基づいて、その手術を行うのに最適な操作部9の操作方法(手順)や、操作部9の操作として制限すべき操作内容等を、手術技術情報として生成し、手術技術情報データベース27に供給して記憶させることにより、手術技術情報データベース27を更新する。
【0154】
そして、ステップS54に進み、姿勢パラメータ制御部28は、入出力制御装置21を制御することにより、特異パラメータである姿勢パラメータを、スレーブマニピュレータ61に送信し、ステップS42に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
【0155】
従って、この場合、スレーブマニピュレータ61の先端部4の動きは、マスタマニピュレータ621乃至62KのユーザU1乃至UKそれぞれによる操作のうち、特に他の操作と異なった操作に従うことになる。
【0156】
即ち、マスタマニピュレータ621乃至62KのユーザU1乃至UKのうちの一人のユーザが、他のユーザとは異なる操作(ここでは、同一の操作と見なすことができない程度の異なる操作)を行ったが、そのような操作による手術が成功した前例がある場合には、スレーブマニピュレータ61の先端部4の動きは、他のユーザとは異なる操作を行った一人のユーザによる操作に従うことになる。
【0157】
その結果、例えば、ユーザU1乃至UKのうちの一人のユーザが、他のユーザに比較して、手術技術の熟練した、いわば名医である場合において、その名医であるユーザが、最新の手術技術に基づき、他のユーザと異なる操作をしたときには、スレーブマニピュレータ61の先端部4は、その名医のユーザの操作に対応して動くことになる。
【0158】
従って、図1の手術システムでは、マスタマニピュレータ621乃至62Kそれぞれの操作に基づく姿勢パラメータによって、スーパドクタデータベース部64における手術技術情報データベース27の手術技術情報が、より良いものに更新されていく。さらに、スーパドクタデータベース部64では、マスタマニピュレータ621乃至62Kそれぞれの操作に基づく姿勢パラメータと、手術技術情報から、スレーブマニピュレータ61に提供する姿勢パラメータ(基準姿勢パラメータ)が生成され、スレーブマニピュレータ61では、その基準姿勢パラメータにしたがって先端部4の姿勢が制御されることによって、患者の手術が行われる一方、マスタマニピュレータ621乃至62Kでは、それぞれの操作と、基準姿勢パラメータとのずれを、いわば矯正するように、操作部9を操作するユーザU1乃至UKに負荷がかけられる。
【0159】
その結果、スレーブマニピュレータ61では、多数のユーザとしての医者による技術と、過去の手術によって構築され、さらに更新されていく手術技術情報とに基づく、いわば最高レベルの手術が行われることになる。
【0160】
また、マスタマニピュレータ62では、ユーザである獣医の操作が、実際の手術としての先端部4の動きに一致するように矯正されるので、ユーザである獣医の手術技術の向上を、短時間で図ることができる。
【0161】
即ち、図1の手術システムでは、図11に示すように、マスタマニピュレータ621乃至62Kそれぞれの操作に基づいて、スーパドクタデータベース部64の手術技術情報が、より良いものに更新されていき、さらに、マスタマニピュレータ621乃至62Kにおいては、手術技術情報の、いわばフィードバックを受け、ユーザの操作が、手術技術情報に適合するように矯正される。
【0162】
従って、マスタマニピュレータ621乃至62Kそれぞれにおいては、それ単独の場合ではできなかった、ユーザである医者の技術を短時間で向上させるという高機能が実現されているということができるが、これは、マスタマニピュレータ621乃至62Kと、スーパドクタデータベース部64とが、図11において点線で囲むように、まるで1つの装置であるかのようになって、マスタマニピュレータ621乃至62Kそれぞれの操作に基づいて、スーパドクタデータベース部64の手術技術情報が、より良いものに更新されることにより、結果として、マスタマニピュレータ621乃至62Kそれぞれが、手術技術情報を、より良いものに更新するという処理を、互いに協調しながら分担することとなっているからである。
【0163】
これに対して、スーパドクタデータベース部64が、単に、マスタマニピュレータ621乃至62Kそれぞれの操作内容を記憶し、マスタマニピュレータ621乃至62Kそれぞれにフィードバックするというだけでは、マスタマニピュレータ621乃至62Kそれぞれが、ユーザによる操作内容を、スーパドクタデータベース部64に供給するという処理を、単に分担しているだけとなり、マスタマニピュレータ621乃至62Kそれぞれにおいて、ユーザである獣医の技術を向上させるという高機能を実現することはできない。
【0164】
次に、図12は、本発明を適用したデザインシステムの一実施の形態の構成例を示している。
【0165】
このデザインシステムは、デザイン用のマニピュレータシステムであり、擬似スレーブマニピュレータ41、マスタマニピュレータ421乃至42K、ネットワーク43、およびスーパデザイナデータベース部44から構成されている。
【0166】
擬似スレーブマニピュレータ41は、ネットワーク43を介して供給される信号に基づいて動作し、デザインの対象となっている物品に対して、所定のデザインを施す。なお、ここでは、例えば、PDA(Personal Digital Assistant)を、デザインの対象とする。但し、デザインの対象は、PDAに限定されるものではない。
【0167】
マスタマニピュレータ42kは、ユーザUkの操作と、スーパデザイナデータベース部44からネットワーク43を介して供給される情報とに応じて作動する。また、マスタマニピュレータ42kは、その作動の状態を検知し、その検知結果を、ネットワーク43を介して、スーパデザイナデータベース部44に送信する。
【0168】
なお、図12の実施の形態では、K個のマスタマニピュレータ421乃至42Kが設けられているが、以下、適宜、これらを特に区別する必要がない限り、マスタマニピュレータ42と記載する。
【0169】
ネットワーク43は、擬似スレーブマニピュレータ41、マスタマニピュレータ421乃至42K、スーパデザイナデータベース部44それぞれの間での通信を可能とする。
【0170】
スーパデザイナデータベース部44は、ネットワーク43を介して供給されるマスタマニピュレータ42の作動の状態を受信し、その状態に基づいて、デザインに関する情報を生成する。さらに、スーパデザイナデータベース部44は、そのデザインに関する情報と、マスタマニピュレータ42の状態に基づき、制御信号を生成し、ネットワーク43を経由して、擬似スレーブマニピュレータ41に供給することによって、擬似スレーブマニピュレータ41を制御する。
【0171】
なお、図12の実施の形態においては、擬似スレーブマニピュレータ41は、実際の作業を行うマニピュレータではなく、マスタマニピュレータ42にしたがって、仮想的に作業を行うマニピュレータとなっている。但し、擬似スレーブマニピュレータ41は、実際の作業を行うマニピュレータとして構成することも可能である。
【0172】
次に、図13は、図12の擬似スレーブマニピュレータ41の電気的構成例を示している。なお、図中、図5のスレーブマニピュレータ61における場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は、適宜省略する。
【0173】
擬似スレーブマニピュレータ部77は、図5のスレーブマニピュレータ部3と擬似的に同一の機能を有するもので、例えば、CPUがプログラムを実行することにより実現される。そして、擬似スレーブマニピュレータ部77は、スレーブマニピュレータ制御装置51の制御にしたがい、デザインの対象に対して、各種の作用を仮想的に施す。
【0174】
即ち、擬似スレーブマニピュレータ部77は、デザイン情報データベース78に記憶されている、PDAのデザイン用のデータから特定される仮想的なPDAに対して、スレーブマニピュレータ制御装置51の制御にしたがい、仮想的な先端部(図2(A)のスレーブマニピュレータ61における先端部4Lと4Rに相当する)によって各種の処理を施す。
【0175】
また、擬似スレーブマニピュレータ部77は、図5のスレーブマニピュレータ部3と同様に、仮想的なPDAに対し、仮想的な先端部によって操作を施すことにより、その仮想的な先端部が、仮想的なPDAから受ける力F1やトルクT1等に対応する信号、即ち、図5のスレーブマニピュレータ部3のセンサ75の出力に対応する信号を計算し、制御機構部73に供給する。
【0176】
デザイン情報データベース78は、仮想的なPDAの外観構成を特定するためのデータとしてのデザイン情報を記憶する。即ち、デザイン情報データベース78は、マスタマニピュレータ421乃至42KのユーザU1乃至UKそれぞれが、マスタマニピュレータ421乃至42Kを操作することによってデザインしたPDAのデザイン情報を記憶する。
【0177】
画像生成部79は、擬似スレーブマニピュレータ部77の内部データに基づいて、仮想的な先端部等の状態を表す画像データを生成する。さらに、画像生成部79は、デザイン情報データベース78に記憶されたデザイン情報から、仮想的なPDAの画像データを生成する。そして、画像生成部79は、仮想的な先端部等の画像データと、仮想的なPDAの画像データとを合成し、これにより、擬似スレーブマニピュレータ部77が実際のマニピュレータであり、実際のPDAに対して作業を行っていれば、図5のスレーブマニピュレータ61のカメラ61乃至65によって撮像されたであろう画像の画像データを生成する。この画像データは、画像生成部79から入出力制御装置80に供給される。
【0178】
入出力制御装置80は、ネットワーク43に接続されており、画像生成部79から供給される画像データを、ネットワーク43を介して、スーパデザイナデータベース部44に送信する。また、入出力制御装置80は、デザイン情報データベース78に記憶された、ユーザU1乃至UKそれぞれがデザインしたPDAについてのデザイン情報を、ネットワーク43を介して、スーパデザイナデータベース部44に送信する。
【0179】
次に、図14は、図12のマスタマニピュレータ42の電気的構成例を示している。なお、図中、図6のマスタマニピュレータ62と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は、適宜省略する。即ち、図12のマスタマニピュレータ42は、スピーカ11が設けられていない他は、図6のマスタマニピュレータ62と同様に構成されている。従って、図示しないが、マスタマニピュレータ42の外観構成も、図2(B)に示したマスタマニピュレータ62の外観構成と基本的に同一である。
【0180】
次に、図15は、図12のスーパデザイナデータベース部44の構成例を示している。なお、図中、図7のスーパドクタデータベース部64における場合と対応する部分については、同一の符号を付してあり、以下では、その説明は、適宜省略する。
【0181】
デザイン情報登録部91は、図13の擬似スレーブマニピュレータ41の入出力制御装置80がネットワーク43を介して送信してくる、デザイン情報データベース78に記憶された、ユーザU1乃至UKそれぞれがデザインしたPDAについてのデザイン情報を受信し、デザイン情報データベース92に供給して登録する。なお、ユーザUkがデザインしたPDAについてのデザイン情報の、擬似スレーブマニピュレータ41からスーパデザイナデータベース部44への転送は、例えば、ユーザUkが、自身のPDAのデザインを登録するように、マスタマニピュレータ42の操作部12を操作することによって行われる。
【0182】
デザイン情報データベース92は、デザイン情報登録部91からのデザイン情報を記憶する。
【0183】
デザイン評価部93は、デザイン情報データベース92に記憶されたデザイン情報によって特定されるPDAのデザインを、例えば外部からの情報に基づいて評価する。
【0184】
即ち、デザイン評価部93は、例えば、デザイン情報データベース92に記憶されたデザイン情報によって特定されるPDAの外観構成を、インターネット上のWebページに公開して、人気投票を行い、その投票結果に基づいて、PDAのデザインを評価する。あるいは、また、デザイン評価部93は、例えば、デザイン情報データベース92に記憶されたデザイン情報によって特定されるPDAが、既に商品化されて販売されている場合には、ネットワーク43を介して、そのPDAの販売個数を収集し、その販売個数に基づいて、PDAのデザインを評価する。なお、PDAのデザインについては、そのデザインに対する人気投票の投票数が多いほど、また、そのデザインのPDAの販売個数が多いほど、高い評価が与えられる。
【0185】
特異デザイン情報データベース94は、姿勢パラメータ登録部22から供給される特異デザイン情報を記憶し、流行デザイン情報データベース95は、更新部26から供給される流行デザイン情報を記憶する。
【0186】
ここで、流行デザイン情報とは、デザイン情報データベース92に記憶されたデザイン情報のうち、デザイン評価部93による評価が高いものを意味し、特異デザイン情報とは、流行デザイン情報から、いわばはずれたデザイン(以下、適宜、特異デザインという)のデザイン情報を意味する。
【0187】
次に、図16は、図13のデザイン情報データベース78、図15のデザイン情報データベース92、特異デザイン情報データベース94、流行デザイン情報データベース95に記憶されるPDAのデザイン情報の例を示している。
【0188】
PDAのデザイン情報としては、図16(A)に示すように、PDAの横の長さp1、縦の長さp2、PDAの表示部としてのLCDの横の長さp3、その縦の長さp4、PDAの重心の位置p6、PDAに設けられたボタンの位置p7,p8等を採用することができる。
【0189】
また、例えば、図16(B)に示すように、PDAが円弧状の丸みを有する場合には、その円弧の半径p9,p10,p11,p12等を、PDAのデザイン情報として採用することができる。
【0190】
次に、図17のフローチャートを参照して、図13の擬似スレーブマニピュレータ41の処理について説明する。
【0191】
ステップS61において、入出力制御装置80は、画像生成部79で生成された画像データの送信を開始する。
【0192】
即ち、マスタマニピュレータ42k(図14)のユーザUkが、デザインを開始するように、操作パネル12を操作すると、その操作に対応する操作信号(以下、適宜、開始信号という)が、入出力制御装置54から、ネットワーク43を介して、擬似スレーブマニピュレータ41とスーパデザイナデータベース部44に送信される。
【0193】
マスタマニピュレータ42kからの開始信号は、擬似スレーブマニピュレータ41の入出力制御装置80で受信され、この場合、入出力制御装置80は、ユーザUk用の画像データを生成するように、画像生成部79に指令する。これにより、画像生成部79は、ユーザUk用に、画像データの生成を開始し、入出力制御装置80は、そのユーザUk用に生成された画像データ(以下、適宜、ユーザUk用の画像データという)の送信を開始する。なお、この画像データの送信は、その後、例えば、マスタマニピュレータ42k(図14)の操作パネル12が、その送信を停止するように操作されるまで続行される。
【0194】
さらに、ステップS61では、スレーブマニピュレータ制御装置51が、擬似スレーブマニピュレータ部77の仮想的な先端部の姿勢パラメータを、スーパデザイナデータベース部44に送信する。
【0195】
即ち、スレーブマニピュレータ制御装置51において、制御機構部73は、擬似スレーブマニピュレータ部77が出力する仮想的な先端部等の状態に関する信号(以下、適宜、状態信号という)を受信して、制御部71に供給する。制御部71は、制御機構部73から供給される状態信号に基づいて、擬似スレーブマニピュレータ部77の仮想的な先端部の姿勢パラメータを求め、通信部74に供給する。通信部74は、制御部71からの姿勢パラメータを、ネットワーク43を介して、スーパデザイナデータベース部44に送信する。
【0196】
その後、後述するように、スーパデザイナデータベース部44から、ネットワーク43を介して、姿勢パラメータが送信されてくるので、スレーブマニピュレータ制御装置51の通信部74は、スーパドクタデータベース部64から姿勢パラメータが送信されてくるのを待って、ステップS62に進み、その姿勢パラメータを受信する。
【0197】
この姿勢パラメータは、通信部74から制御部71に供給され、制御部71は、ステップS63において、擬似スレーブマニピュレータ部77の仮想的な先端部が、その姿勢パラメータに対応する姿勢をとるように、擬似スレーブマニピュレータ部77を制御する。
【0198】
具体的には、スレーブマニピュレータ制御装置51の制御部71は、通信部74からの姿勢パラメータを、姿勢遷移機構部72に供給する。姿勢遷移機構部72は、擬似スレーブマニピュレータ部77の仮想的な先端部の姿勢を、現在の姿勢から、制御部71から供給された姿勢パラメータに対応する姿勢に遷移させるための姿勢遷移情報を生成し、制御機構部73に供給する。
【0199】
制御機構部73は、姿勢遷移機構部72からの姿勢遷移情報に従って制御信号を生成し、これを、擬似スレーブマニピュレータ部77に送出する。擬似スレーブマニピュレータ部77は、制御機構部73からの制御信号に従って、仮想的な先端部の姿勢を変化させ、通信部74で受信された姿勢パラメータに対応する姿勢をとらせる。
【0200】
そして、ステップS64に進み、スレーブマニピュレータ制御装置51は、ステップS63での制御で、擬似スレーブマニピュレータ部77の仮想的な先端部が姿勢を変化させることで、仮想的な先端部が外部(デザインの対象である仮想的なPDA)から受けた力F1とトルクT1を、その仮想的な先端部の姿勢パラメータとともに、ネットワーク43を介して、スーパデザイナデータベース部44に送信する。
【0201】
即ち、スレーブマニピュレータ制御装置51において、制御機構部73は、擬似スレーブマニピュレータ部77が出力する状態信号を、制御部71に供給し、制御部71は、その状態信号から、仮想的な先端部が外部から受けた力F1とトルクT1、および仮想的な先端部の姿勢パラメータを算出する。さらに、制御部71は、この力F1とトルクT1、および姿勢パラメータを、通信部74に供給し、通信部74は、その力F1とトルクT1、および姿勢パラメータを、ネットワーク43を介して、スーパデザイナデータベース部44に送信する。
【0202】
その後は、ステップS62に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0203】
従って、擬似スレーブマニピュレータ41においては、擬似スレーブマニピュレータ部77の仮想的な先端部が、スーパデザイナデータベース部44から送信されてくる姿勢パラメータに対応する姿勢に変化していくことによって、PDAに対してデザインが施される。
【0204】
なお、ステップS64においては、例えば、PDAが、模型用の材料として用いられる発泡プラスチックやABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)樹脂等で構成されているとして、力F1とトルクT1を計算するようにすることができる。
【0205】
次に、図18のフローチャートを参照して、図14のマスタマニピュレータ42の処理について説明する。
【0206】
後述するように、スーパデザイナデータベース部44は、擬似スレーブマニピュレータ41から送信されてくる画像データを、ネットワーク43を介して、マスタマニピュレータ42に送信してくるので、ステップS71では、その画像データの受信が開始される。
【0207】
即ち、ステップS71では、入出力制御装置54は、ネットワーク43を介して、スーパデザイナデータベース部44から送信されてくる画像データを受信し、画像データを、モニタ10に供給する。これにより、モニタ10には、擬似スレーブマニピュレータ部77(図13)がPDAに対して処理を施している様子を表す画像が表示される。
【0208】
さらに、後述するように、スーパデザイナデータベース部44は、擬似スレーブマニピュレータ41から送信されてくる、仮想的な先端部の姿勢パラメータを、ネットワーク43を介して、マスタマニピュレータ42に送信してくるので、ステップS71では、マスタマニピュレータ制御装置53は、その姿勢パラメータを受信し、その姿勢パラメータに基づいて、マスタマニピュレータ部8の操作部9の姿勢を制御する。
【0209】
即ち、マスタマニピュレータ制御装置53において、通信部84は、ネットワーク43を介して、スーパデザイナデータベース部44から送信されてくる、擬似スレーブマニピュレータ部77の仮想的な先端部の姿勢パラメータを受信し、制御部81に供給する。制御部81は、通信部84からの姿勢パラメータを受信し、姿勢遷移機構部82に供給する。姿勢遷移機構部82は、マスタマニピュレータ部8の操作部9の姿勢を、現在の姿勢から、制御部81から供給された姿勢パラメータに対応する姿勢に遷移させるための姿勢遷移情報を生成し、制御機構部83に供給する。制御機構部83は、姿勢遷移機構部82からの姿勢遷移情報に従って制御信号を生成し、これを、マスタマニピュレータ部8に送出する。マスタマニピュレータ部8のアクチュエータ86は、この制御信号に従って駆動し、これにより、操作部9は、その姿勢を変化させ、擬似スレーブマニピュレータ部77の仮想的な先端部の姿勢と同一の姿勢をとる。
【0210】
その後、ステップS72において、マスタマニピュレータ部8の操作部9の姿勢パラメータが、ネットワーク43を介して、スーパデザイナデータベース部44に送信される。
【0211】
具体的には、マスタマニピュレータ制御装置53において、制御機構部83は、マスタマニピュレータ部8のセンサ85の出力を受信し、制御部81に供給する。制御部81は、センサ85の出力から、マスタマニピュレータ部8の操作部9の姿勢パラメータを算出し、通信部84に供給する。通信部84は、制御部81からの操作部9の姿勢パラメータを、ネットワーク43を介して、スーパデザイナデータベース部44に送信する。
【0212】
このステップS72の処理によって、ユーザの操作によって変化したマスタマニピュレータ部8の操作部9の姿勢を表す姿勢パラメータが、スーパデザイナデータベース部44に送信される。
【0213】
そして、ステップS73に進み、マスタマニピュレータ制御装置53の通信部84は、ネットワーク43を介してスーパデザイナデータベース部44から送信されてくる、擬似スレーブマニピュレータ部77の仮想的な先端部の姿勢パラメータを、基準姿勢パラメータとして受信し、ステップS74に進む。ステップS74では、マスタマニピュレータ制御装置53の通信部84は、スーパデザイナデータベース部44から、仮想的な先端部の姿勢パラメータとともに送信されてくる、仮想的な先端部が外部から受けた力F1とトルクT1を受信する。この仮想的な先端部についての姿勢パラメータ、および力F1とトルクT1は、通信部84から制御部81に供給され、ステップS74からS75に進む。
【0214】
ステップS75では、制御部81は、ステップS72で取得(算出)した操作部9の姿勢パラメータと、ステップS73で取得(受信)した基準姿勢パラメータの差を算出し、ステップS76に進む。
【0215】
ステップS76では、制御部81は、ステップS75で算出した、操作部9の姿勢パラメータと基準姿勢パラメータとの差(ずれ)の大きさに比例した大きさで、ずれの方向とは逆方向の力F2とトルクT2を算出し、ステップS77に進む。
【0216】
ステップS77では、制御部81は、ステップS76で算出した力F2とトルクT2のそれぞれに、ステップS74で取得した力F1およびトルクT1に比例する力とトルクを加算し、操作部9を操作するユーザUに知覚させる力FoおよびトルクToを算出する。すなわち、制御部81は、例えば、上述の式(1)に従って、力FoおよびトルクToを算出する。
【0217】
その後、ステップS78において、マスタマニピュレータ部8の操作部9を操作するユーザUkに、ステップS77で算出された力FoとトルクToを知覚させるように、マスタマニピュレータ部8が制御される。
【0218】
即ち、制御部81は、ステップS73で得た基準姿勢パラメータと、ステップS76で得た力FoおよびトルクToを、姿勢遷移機構部82に供給する。姿勢遷移機構部82は、マスタマニピュレータ部8の操作部9の姿勢を、現在の姿勢から、制御部81から供給された基準姿勢パラメータに対応する姿勢に遷移させるための姿勢遷移情報であって、さらに、力FoおよびトルクToをユーザに知覚させることのできる加速度(上述したように、角加速度を含む)の情報を含むものを生成し、制御機構部83に供給する。制御機構部83は、姿勢遷移機構部82からの姿勢遷移情報に従って制御信号を生成し、これを、マスタマニピュレータ部8に送出する。マスタマニピュレータ部8のアクチュエータ86は、この制御信号に従って駆動し、これにより、操作部9は、その姿勢を、所定の加速度で変化させることにより、ユーザUに力FoおよびトルクToを知覚させながら、擬似スレーブマニピュレータ部77の仮想的な先端部の姿勢と同一の姿勢をとる。
【0219】
その後は、ステップS72に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0220】
以上のように、ユーザUに知覚させる力FoおよびトルクToを、ステップS75で算出されたずれの大きさに比例した大きさで、ずれの方向とは逆方向の力F2とトルクT2と、擬似スレーブマニピュレータ部77の仮想的な先端部が受けたに力F1とトルクT1に比例する力とトルクとが加算されたものとするようにしたので、ユーザUに、操作部9の姿勢パラメータと基準姿勢パラメータとのずれ、および擬似スレーブマニピュレータ部77の仮想的な先端部が受ける反力を意識させることができる。
【0221】
従って、ユーザUkは、マスタマニピュレータ部8の操作部9を、基準姿勢パラメータに対応する姿勢と異なる姿勢にするように操作した場合には、その姿勢の異なり具合が大きいほど、大きな反力を受けるので、自身の操作が、擬似スレーブマニピュレータ部77の仮想的な先端部が実際にとった姿勢とどの程度異なるかを、いわば感覚的に認識することができる。
【0222】
次に、図19のフローチャートを参照して、図15のスーパデザイナデータベース部44の処理について説明する。なお、スーパデザイナデータベース部44は、開始信号を送信してきたマスタマニピュレータ42kごとに、そのマスタマニピュレータ42kと擬似スレーブマニピュレータ41を制御する処理として、図15のフローチャートに従った処理(以下、適宜、制御処理という)を行う。従って、擬似スレーブマニピュレータ41でも、開始信号を送信したマスタマニピュレータ42kごとに対して、上述の処理が行われる。
【0223】
まず最初に、ステップS91において、入出力制御装置21は、擬似スレーブマニピュレータ41からの画像データの受信と、その画像データのマスタマニピュレータ42kへの送信を開始する。
【0224】
即ち、図17で説明したように、ステップS61において、擬似スレーブマニピュレータ41(図13)は、画像データの、スーパデザイナデータベース部44への送信を開始するので、スーパデザイナデータベース部44の入出力制御装置21は、そのようにして擬似スレーブマニピュレータ41からネットワーク43を介して送信されてくる画像データの受信を開始する。
【0225】
さらに、入出力制御装置21は、擬似スレーブマニピュレータ41から受信した画像データの、マスタマニピュレータ42kへの送信を開始する。ここで、マスタマニピュレータ42では、このようにして、入出力制御装置21から送信される画像データの受信が、上述の図18のステップS71で開始される。
【0226】
また、ステップS91では、入出力制御装置21は、図17のステップS61において擬似スレーブマニピュレータ41から送信されてくる姿勢パラメータ(擬似スレーブマニピュレータ部77の仮想的な先端部の姿勢パラメータ)を受信し、その姿勢パラメータを、基準姿勢パラメータとして、マスタマニピュレータ42kに送信する。ここで、この基準姿勢パラメータは、マスタマニピュレータ42kにおいて、上述の図18のステップS71で受信され、これにより、操作部9(マスタマニピュレータ部8の操作部9)は、その基準パラメータに対応する姿勢、即ち、擬似スレーブマニピュレータ部77の仮想的な先端部の姿勢と同一の姿勢をとる。
【0227】
その後、ステップS92に進み、入出力制御装置21は、擬似スレーブマニピュレータ41から、その仮想的な先端部についての姿勢パラメータと、力F1およびトルクT1が、図17のステップS64で送信されてくるのを待って受信し、その姿勢パラメータを基準姿勢パラメータとして、力F1およびトルクT1とともに、マスタマニピュレータ42kに送信する。ここで、マスタマニピュレータ42kでは、仮想的な先端部について姿勢パラメータは、図18のステップS73で受信され、仮想的な先端部についての力F1およびトルクT1は、図18のステップS74で受信される。
【0228】
そして、ステップS93に進み、入出力制御装置21は、マスタマニピュレータ42kが図18のステップS72で送信してくる操作部9の姿勢パラメータを受信し、姿勢パラメータ制御部28に供給して、ステップS94に進む。
【0229】
ステップS94では、姿勢パラメータ制御部28は、検索部29に流行デザイン情報データベース95を検索させることにより、ステップS93でマスタマニピュレータ42kから受信した姿勢パラメータによるデザインを制限するような流行デザイン情報が、流行デザイン情報データベース95に登録されているかどうかを判定する。
【0230】
ステップS94において、マスタマニピュレータ42kからの姿勢パラメータによるデザインを制限するような流行デザイン情報が、流行デザイン情報データベース95に登録されていないと判定された場合、即ち、姿勢パラメータによるデザインが、流行デザイン情報が表す、流行しているデザインから、それほどはずれるもの(特異デザイン)ではない場合、ステップS99に進み、姿勢パラメータ制御部28は、マスタマニピュレータ42kからの姿勢パラメータを、入出力制御装置21に供給し、入出力制御装置21は、姿勢パラメータ制御部28からの姿勢パラメータを、擬似スレーブマニピュレータ41に送信する。その後、ステップS92に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0231】
従って、この場合、擬似スレーブマニピュレータ41の仮想的な先端部の動きは、マスタマニピュレータ42kのユーザUkによる操作に従うことなる。
【0232】
一方、ステップS94において、マスタマニピュレータ42kからの姿勢パラメータによるデザインを制限するような流行デザイン情報が、流行デザイン情報データベース95に登録されていると判定された場合、即ち、姿勢パラメータによるデザインが、流行デザイン情報が表す、流行しているデザインからはずれるもの(特異デザイン)である場合(現在の流行からすれば、突飛なデザインである場合)、ステップS95に進み、姿勢パラメータ制御部28は、姿勢パラメータ登録部22を制御することにより、マスタマニピュレータ42kからの姿勢パラメータによる特異デザインを表す特異デザイン情報を、特異デザイン情報データベース94に登録させ、ステップS96に進む。
【0233】
ステップS96では、更新部26が、直前のステップS95で特異デザイン情報データベース94に登録された特異デザイン情報(以下、適宜、直前特異デザイン情報という)の頻度が所定の閾値より大であるかどうかを判定する。
【0234】
ステップS96において、直前特異デザイン情報の頻度が所定の閾値より大でないと判定された場合、即ち、直前特異デザイン情報が表す特異デザインを施すような操作が、1以上のユーザによってそれほど行われていない場合、ステップS97に進み、姿勢パラメータ制御部28は、マスタマニピュレータ42kからの姿勢パラメータを、その姿勢パラメータによるデザインを制限する流行デザイン情報に基づいて修正し、その流行デザイン情報による制限の範囲内のものとする。そして、ステップS99に進み、姿勢パラメータ制御部28は、修正後の姿勢パラメータを、入出力制御装置21を介して、擬似スレーブマニピュレータ41に送信して、ステップS92に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
【0235】
従って、この場合、擬似スレーブマニピュレータ41の仮想的な先端部の動きは、マスタマニピュレータ42kのユーザUkによる操作を流行デザイン情報に基づいて修正したもの、つまり、ユーザが行おうとした突飛なデザイン(特異デザイン)を、流行のデザインからあまりかけ離れたものとならないように修正したものに従うことなる。ここで、上述のように、擬似スレーブマニピュレータ41の仮想的な先端部を動かそうとするマスタマニピュレータ42kのユーザUkによる操作は、流行デザイン情報によって制限されることから、流行デザイン情報は、マスタマニピュレータ42kの動きの基準となる情報ということができる。
【0236】
一方、ステップS96において、直前特異デザイン情報の頻度が大であると判定された場合、即ち、直前特異デザイン情報が表す特異デザインを施すような操作が、1以上のユーザによって多数行われ(多数のユーザによって行われた場合と、ユーザによって多数回行われた場合の両方を含む)、その結果、現在の流行が、直前特異デザイン情報が表すデザインに変化してきたと推測される場合、ステップS98に進み、更新部26は、直前特異デザイン情報を、特異デザイン情報データベース94から読み出し、流行デザイン情報として、流行デザイン情報データベース95に転送して追加記憶させる。
【0237】
その後は、ステップS99に進み、姿勢パラメータ制御部28は、マスタマニピュレータ42kからの姿勢パラメータを、入出力制御装置21に供給し、入出力制御装置21は、姿勢パラメータ制御部28からの姿勢パラメータを、擬似スレーブマニピュレータ41に送信する。その後、ステップS92に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。
【0238】
従って、この場合、擬似スレーブマニピュレータ41の仮想的な先端部の動きは、マスタマニピュレータ42kのユーザUkによる操作に従うことなる。
【0239】
図19のフローチャートにしたがった処理によれば、マスタマニピュレータ42kからの姿勢パラメータによるデザインが、流行デザイン情報が表す、流行しているデザインからはずれる特異デザインである場合(現在の流行からすれば、突飛なデザインである場合)、最初のうちは、そのような特異デザインを行おうとする操作は、流行デザイン情報に基づいて修正される。しかしながら、最初は、特異デザインであっても、その特異デザインを施すような操作が多数行われた場合には、特異デザインが多数に受け入れられ、現在の流行が、その特異デザインに変化したと推測される。そこで、この場合には、流行デザイン情報データベース95に、その特異デザイン情報が、流行デザイン情報として追加記憶され、さらに、そのような特異デザインを施そうとするユーザの操作も、流行デザイン情報によって制限(修正)されないようになる。
【0240】
その結果、擬似スレーブマニピュレータ41の仮想的な先端部は、最初は、特異デザインを施すような操作に従わなかったのが、その特異デザインが多数に認知されてくると、その特異デザインを施す操作に従って動くようになる。即ち、例えば、図16(A)に示したようなPDAのデザインが流行している場合において、図16(B)に示したようなPDAのデザインを施すように、マスタマニピュレータ42を操作しても、最初のうちは、その操作が制限されるが、そのような操作が多数行われていくうちに、その操作が制限されなくなり、図16(B)のPDAのデザインを施すことが可能になっていく。
【0241】
以上のように、図12のデザインシステムでは、マスタマニピュレータ421乃至42Kを操作するユーザU1乃至UKそれぞれによって行われるデザインに基づいて、流行デザイン情報データベース95の更新(上述の場合には、特異デザイン情報の追加記憶)が行われるが、さらに、このデザインシステムでは、外部の一般ユーザによる評価にも基づいて、流行デザイン情報データベース95の更新が行われるようになっている。
【0242】
そこで、図20のフローチャートを参照して、外部の一般ユーザによる評価に基づく、流行デザイン情報データベース95の更新処理について説明する。
【0243】
まず最初に、ステップS111において、デザイン評価部93は、デザイン情報登録部91によってデザイン情報データベース92に登録されたデザイン情報によるデザインを評価する評価情報を収集する。
【0244】
即ち、デザイン評価部93は、例えば、デザイン情報データベース92に記憶されたデザイン情報を公開しているWebページについて、一般ユーザが行ったデザイン情報の人気投票結果を、評価情報として、ネットワーク43を介して収集する。また、デザイン評価部93は、デザイン情報データベース92に記憶されたデザイン情報によって特定されるPDAの販売個数を、評価情報として、ネットワーク43を介して収集する。
【0245】
そして、ステップS112に進み、デザイン評価部93は、デザイン情報データベース92に記憶されているデザイン情報それぞれに対し、ステップS111で収集した評価情報に基づき、評価値を計算し、その評価値によって、デザイン情報データベース92を更新する。
【0246】
即ち、デザイン情報データベース92には、デザイン情報が、前回の更新処理で得られた評価値(以下、適宜、前回の評価値という)と対応付けられて記憶されており、ステップS112では、デザイン情報について新たに計算された評価値(以下、適宜、今回の評価値という)によって、各デザイン情報に対応付けられている評価値(前回の評価値)が更新される。
【0247】
ここで、評価値は、例えば、0以上の値で、その値が大きいほど、評価の程度が高いものとする。
【0248】
その後、ステップS113に進み、更新部26は、評価値が所定の閾値ε1以上で、かつ評価値の変化の割合が閾値+ε2以上のデザイン情報が、デザイン情報データベース92に登録されているかどうかを判定する。
【0249】
ステップS113において、評価値が所定の閾値ε1以上で、かつ評価値の変化の割合が+ε2以上のデザイン情報が、デザイン情報データベース92に登録されていると判定された場合、即ち、評価値自体が大きく、さらに、評価値の変化(伸び)も大きいデザイン情報(以下、適宜、人気デザイン情報という)が存在する場合、ステップS114に進み、更新部26は、その人気デザイン情報が、流行デザイン情報として、流行デザイン情報データベース95に既に登録されているかどうかを判定する。
【0250】
ステップS114において、人気デザイン情報が、流行デザイン情報として、流行デザイン情報データベース95に既に登録されていると判定された場合、ステップS111に戻り、以下、同様の処理を繰り返す。
【0251】
また、ステップS114において、人気デザイン情報が、流行デザイン情報データベース95に登録されていないと判定された場合、ステップS115に進み、更新部26は、デザイン情報データベース92から、人気デザイン情報を読み出し、流行デザイン情報として、流行デザイン情報データベース95に供給して追加記憶させ、これにより、流行デザイン情報データベース95を更新して、ステップS111に戻る。
【0252】
一方、ステップS113において、評価値が所定の閾値ε1以上で、かつ評価値の変化の割合が+ε2以上のデザイン情報が、デザイン情報データベース92に登録されていないと判定された場合、即ち、人気デザイン情報が存在しない場合、ステップS116に進み、更新部26は、評価値の変化の割合が所定の閾値ε3回以上続けて0以下になっているデザイン情報が、デザイン情報データベース92に登録されているかどうかを判定する。
【0253】
ステップS116において、評価値の変化の割合が所定の閾値ε3回以上続けて0以下になっているデザイン情報が存在すると判定された場合、即ち、評価値が変化しないか、または下降する一方のデザイン情報(以下、適宜、不人気デザイン情報という)が存在する場合、ステップS117に進み、更新部26は、不人気デザイン情報が、流行デザイン情報として、流行デザイン情報データベース95に登録されているかどうかを判定する。
【0254】
ステップS117において、不人気デザイン情報が、流行デザイン情報として、流行デザイン情報データベース95に登録されていると判定された場合、ステップS118に進み、更新部26は、その流行デザイン情報としての不人気デザイン情報を、流行デザイン情報データベース95から削除し、これにより、流行デザイン情報データベース95を更新して、ステップS111に戻る。
【0255】
また、ステップS117において、不人気デザイン情報が、流行デザイン情報データベース95に登録されていないと判定された場合、ステップS118をスキップして、ステップS111に戻る。
【0256】
以上のように、図12のデザインシステムでは、マスタマニピュレータ421乃至42Kそれぞれの操作に基づく姿勢パラメータによって、スーパデザイナデータベース部44における流行デザイン情報データベース95の流行デザイン情報が、より良いもの(現在の流行にあったデザイン)に更新されていく。さらに、スーパデザイナデータベース部44における流行デザイン情報データベース95の流行デザイン情報は、外部のユーザによる評価にも基づいて、より良いものに更新されていく。さらに、スーパデザイナデータベース部44では、マスタマニピュレータ42kの操作に基づく姿勢パラメータと、流行デザイン情報から、擬似スレーブマニピュレータ41に提供する姿勢パラメータ(基準姿勢パラメータ)が生成され、擬似スレーブマニピュレータ41では、その基準姿勢パラメータにしたがって仮想的な先端部の姿勢が制御されることによって、デザインが施される一方、マスタマニピュレータ42kでは、そのユーザUkの操作と、基準姿勢パラメータとのずれを、いわば矯正するように、操作部9を操作するユーザUkに負荷がかけられる。
【0257】
その結果、擬似スレーブマニピュレータ41では、ユーザUkのデザインセンスと、その他の多数のユーザのデザインセンスから構築され、更新されていく流行デザイン情報とに基づく、いわば流行に沿ったデザインが施されることになる。
【0258】
また、マスタマニピュレータ42kでは、ユーザUkの操作が、流行デザイン情報に基づいて矯正されるので、ユーザUkのデザイン技術の向上を短時間で図ることができる。
【0259】
ここで、図12のデザインシステムでは、図21に示すように、マスタマニピュレータ421乃至42Kそれぞれの操作に基づいて、スーパデザイナデータベース部44の流行デザイン情報が、より良いものに更新されていき、さらに、マスタマニピュレータ421乃至42Kにおいては、流行デザイン情報の、いわばフィードバックを受け、ユーザの操作が、流行デザイン情報に適合するように矯正される。
【0260】
従って、マスタマニピュレータ421乃至42Kそれぞれにおいては、それ単独の場合ではできなかった、ユーザU1乃至UKそれぞれのデザイン技術を向上させるという高機能が実現されているということができるが、これは、マスタマニピュレータ421乃至42Kと、スーパデザイナデータベース部44とが、図21において点線で囲むように、まるで1つの装置であるかのようになって、マスタマニピュレータ421乃至42Kそれぞれの操作に基づいて、スーパデザイナデータベース部44の流行デザイン情報が、より良いものに更新されることにより、結果として、マスタマニピュレータ421乃至42Kそれぞれが、流行デザイン情報を、より良いものに更新するという処理を、互いに協調しながら分担することとなっているからである。
【0261】
これに対して、スーパデザイナデータベース部44が、単に、マスタマニピュレータ421乃至42Kそれぞれの操作内容を記憶し、マスタマニピュレータ421乃至42Kそれぞれにフィードバックするというだけでは、マスタマニピュレータ421乃至42Kそれぞれが、ユーザによる操作内容を、スーパデザイナデータベース部44に供給するという処理を、単に分担しているだけとなり、マスタマニピュレータ421乃至42Kそれぞれにおいて、ユーザU1乃至UKのデザイン技術を向上させるという高機能を実現することはできない。
【0262】
次に、図22は、全方位カメラである図5のカメラ65の構成例を示している。
【0263】
カメラ65は、集光部202が、撮像部203の上部に配置された支持体201によって支持されることによって構成されており、集光部202の周囲360度の方向を撮像することができるようになっている。
【0264】
支持体201は、ガラスなどの反射率の低い透明材料からなり、ガラス面での光の屈折を最小化するために、入射光がガラス面と直交するように、集光部202の後述する焦点を中心とした球面になっている。
【0265】
集光部202には、双曲面形状をしており、支持体201を介して入射する周囲の光を、撮像部203の方向に反射する。
【0266】
撮像部203は、例えば、CCD等の光電変換素子で構成され、そこに入射する光を電気信号としての画像データに変換する。この撮像部203で得られる画像データが、カメラ65の出力となる。
【0267】
ここで、カメラ65としての全方位カメラの構成や集光の原理については、例えば、「移動ロボット用全方位視覚センサの開発」、自動化技術第29巻第6号(1997年)(以下、適宜、文献1という)に開示されているため、ここでは、簡単に説明する。
【0268】
図23は、図22の全方位カメラによって撮像された画像データの例を示している。
【0269】
全方位カメラにおいては、その周囲360度の方向が撮像され、自身を中心とする全方位の画像が得られる。ここで、この全方位カメラで得られる全方位の画像(データ)を、以下、適宜、全方位画像(データ)という。
【0270】
全方位カメラで得られる全方位画像データは、中心点C1を中心とする2つの円の円周F1とF2によって区分される。なお、図23では、円周F1の方が、円周F2よりも半径が大きいものとなっている。
【0271】
即ち、全方位画像データは、大きい円周F1の内側で、かつ小さい円周F2の外側になっている領域R1、大きい円周F1の外側の領域R2、小さい円周R2に囲まれた領域(内側の領域)R3から構成される。
【0272】
以上の3つの領域R1乃至R3のうち、領域R1においては、集光部202で反射された、周囲からの光に対応する画像データが撮像されており、領域R2においては、集光部202の外側の部分(集光部202で反射されずに、撮像部203に直接入射する光)が撮像されている。また、領域R3には、撮像部203自身が撮像されている。
【0273】
さらに、図23の実施の形態では、領域R1には、複数の建物が撮像されているが、大きい円の円周F1に近い方向に、建物の上部が撮像され、小さい円の円周F2に近い方向に、建物の下部が撮像されている。
【0274】
次に、図24を参照して、図22の集光部202を構成する双曲面について説明する。
【0275】
集光部202は、双曲面の一部により構成されており、双曲面の軸に対して垂直な面により、双曲面を切断して得られる双曲面の凸型先頭部の凸状面に、鏡面を形成したものとなっている
【0276】
集光部202には、双曲面の1つである二葉双曲面を用いることができ、二葉双曲面は、図24に示すように、双曲線を軸(Z軸)回りに回転して得られる曲面であり、Z>0の領域に存在する下に凸の双曲面H1と、Z<0の領域に存在する上に凸の双曲面H2から構成される。
【0277】
集光部202には、二葉の双曲面H1とH2のうち、Z>0の領域にある双曲面H1を利用する。なお、以下、適宜、Z軸を、双曲線の中心軸または単に軸ともいう。
【0278】
図24に示したX,Y,Zの3次元直交座標系において、二葉双曲面H1とH2は、式(2)で示される。
【0279】
【数2】
【0280】
ここで、式(2)において、定数aとbは、双曲面H1およびH2の形状を定義する定数である。即ち、定数bは、原点Oから、双曲面H1(H2)とZ軸との交点までの距離を表す。また、定数aは、その交点を通る、XY平面と平行な平面と、双曲面H1(H2)の漸近面A1との交線が描く円の半径を表す。
【0281】
さらに、式(2)において、定数cは、双曲面H1およびH2の焦点の位置を定義する定数である。即ち、Z軸上の+cの位置(0,0,+c)が、双曲面H2の焦点f1となり、Z軸上の−cの位置(0,0,−c)が、双曲面H1の焦点f2となる。
【0282】
なお、定数a,b,cは、次式で示される関係を有する。
【0283】
【数3】
【0284】
集光部202が、図24で説明したような双曲面H1で構成されるとした場合、撮像部203は、図25に示すように、そのレンズの中心軸がZ軸に一致し、かつ、レンズ中心が、双曲面H1の焦点f2に一致するように配置される。
【0285】
次に、撮像部203が出力する全方位画像データは、上述の図23に示したようなものとなるが、いま、この全方位画像データについて、図26に示すように、その左上の点を原点Oとするとともに、左から右方向にx軸をとり、上から下方向にy軸をとった2次元直交座標系を定義する。
【0286】
この場合、円周F1の円および円周F2の円の中心点C1の座標を(X0 、Y0 )とするとともに、円周F1の円の半径をrF1とし、円周F2の円の半径をrF2とすると、円周F1の外側の領域R2を構成する点(x,y)は、式(4)により表され、円周F2の内側の領域R3を構成する点(x,y)は、式(5)により表される。
【0287】
【数4】
【0288】
【数5】
【0289】
全方位画像データを処理する場合には、その前処理として、式(4)で表される領域R2を構成する画素値と、式(5)で表される領域R3を構成する画素値が、例えば、0に変換される。
【0290】
ここで、この画素値の変換にあたっては、中心点C1の座標(X0 、Y0 )、並びに半径rF1およびrF2が必要となるが、これらの情報は、全方位カメラであるカメラ65が出力する。
【0291】
なお、ここでは、説明を簡単にするため、露出時間や、絞り、ズーム等は、固定であるとする。
【0292】
ところで、図23や図26に示した領域R1の画像データである全方位画像データについては、所望の被写体が表示されている部分等の、全方位画像データの一部分だけが必要な場合があり、この場合、その一部分が、全方位画像データから切り出されるが、この切り出しは、図27に示すように行われる。
【0293】
即ち、中心点C1を通る半径方向の2つの直線Lc1とLc2に囲まれ、かつ中心点C1を中心とする2つの円の円周Fc1とFc2に囲まれる略扇形の領域R11の画像データが切り出される。
【0294】
次に、全方位画像データは、図23や図26に示したように、中心点C1に近づくほど狭まったものとなり、逆に、中心点C1から遠ざかるほど広がったものとなるような歪みを有する。このことは、全方位画像データから切り出された図27の略扇形の画像データについても同様であり、このようは歪みのある画像データは、表示等するにあたって、歪みのないものに変換する必要がある。
【0295】
全方位カメラが出力する、上述のような全方位画像データの歪みは、中心点C1を通る円の円周方向の歪みと、半径方向の歪みとに分けて考えることができる。
【0296】
そこで、まず円周方向の歪みを考えてみると、図23や図26の全方位画像データの、中心点C1を中心とするある円の円周上においては、スケールが一定であり、従って、歪みはない。
【0297】
即ち、図28は、Z軸方向から見た集光部202としての双曲面H1を示している。
【0298】
図28では、被写体上のある点P(X,Y,Z)から、Z軸に向かい、X軸(XZ平面)と角度θをつくるように、光線rが入射している。この光線rは、双曲面H1で反射され、後述する図29に図示してある撮像部203の受光面(画像面)A3上の点p(x,y)に到達する。そして、この場合、点p(x,y)は、X軸(XZ平面)との間で、光線rがX軸との間でつくるのと同一の角度θをつくる。
【0299】
また、Z軸に向かい、X軸と角度θ’をつくるように入射する光線r’を考えた場合、この光線r’も、双曲面H1で反射され、受光面(画像面)A3上の点p’(x’,y’)に到達する。そして、この場合も、点p’(x’,y’)は、X軸との間で、光線r’がX軸との間でつくるのと同一の角度θ’をつくる。
【0300】
また、光線rとr’の、Z軸に対する仰角(後述する)が同一であれば、光線rおよびr’は、受光面A3上の、位置は異なるが、Z軸から同一の距離rpだけ離れた点で受光される。
【0301】
以上から、Z軸に対する仰角が同一の複数の光線それぞれは、受光面A3上の、Z軸から同一の距離にある点であって、X軸との間で、光線とX軸とがつくるのと同一の角度をつくる点で受光される。
【0302】
従って、Z軸に対する仰角が同一で、X軸との角度が等角度の複数の光線は、受光面A3の、Z軸を中心とする円周上に、等間隔で入射することになるから、全方位画像データにおいて、受光面A3とZ軸との交点にあたる中心点C1を中心とする円の円周方向には、歪みは生じない。
【0303】
一方、図23や図26の全方位画像データの、中心点C1を通る半径方向の直線上においては、中心点C1に近づくほど、スケールが小さくなり、中心点C1から離れるほど、スケールが大きくなることから、全方位画像データは、半径方向の歪みを有する。
【0304】
即ち、図29は、X軸方向から見た集光部202としての双曲面H1を示している。
【0305】
図29において、Z軸に対して仰角0度で、焦点f1に向かって入射する光線r1は、双曲面H1で反射され、焦点f2に向かっていき、撮像部203の受光面(画像面)A3で受光される。
【0306】
ここで、Z軸に対する仰角とは、Z軸上の焦点f1を通り、XY面に平行な面と、焦点f1に向かって入射する光線とがつくる角度を意味する。また、撮像部203の受光面A3は、カメラ65の焦点距離をfとすると、焦点f2から、Z軸に沿って、fだけ離れた原点O方向に位置する。
【0307】
Z軸に対して仰角△d度で、焦点f1に向かって入射する光線r2は、双曲面H1で反射され、焦点f2に向かっていき、受光面A3で受光される。Z軸に対して仰角2△d度で、焦点f1に向かって入射する光線r3は、双曲面H1で反射され、焦点f2に向かっていき、受光面A3で受光される。仰角がΔd度ずつ大きくなる光線r4,r5,r6も、同様にして、受光面A3で受光される。
【0308】
このように、仰角が△d度ずつ異なる光線r1乃至r6それぞれが、受光面A3で受光される点どうしの間隔は、図29の拡大図に示すように、等間隔にはならず、Z軸に近い点どうしの間隔ほど狭くなる(Z軸から離れた点どうしの間隔ほど広くなる)。即ち、仰角が大きい光線どうしの間隔ほど狭くなる(仰角が小さい光線どうしの間隔ほど広くなる)。
【0309】
そして、仰角が等角度の光線について、受光面A3上で受光される点どうしの間隔が、上述のように、等間隔にならないことから、全方位画像データには、半径方向の歪みが生じる。
【0310】
従って、全方位画像データの半径方向の歪みを除去するには、仰角が等角度の光線の、受光面A3上での受光点どうしの間隔が、等間隔になるようにすれば良い。
【0311】
そこで、いま、図30に示すように、被写体上のある点P(X,Y,Z)から、焦点f1に向かって、仰角α度で入射する光線rを考える。
【0312】
この光線rは、図29で説明した場合と同様に、集光部202としての双曲面H1で反射され、焦点f2に向かっていき、受光面A3で受光される。
【0313】
この場合において、焦点f2に向かう光線rが、焦点f2を通り、XY平面に平行な平面とつくる角度をγ度とする。さらに、X軸とY軸とで定義される2次元直交座標系において、光線rが受光面A3で受光された点(受光点)pの座標を(x,y)で表し、その点p(x,y)とZ軸との距離をRと表す。
【0314】
図30における角度αは、式(2)で表される双曲面H1において、光線rが反射される点の座標を求めることにより、次式で表すことができる。
【0315】
【数6】
【0316】
式(6)から、tanαは、次式で求めることができる。
【0317】
【数7】
【0318】
ここで、cosγを、次式のようにおく。
【0319】
【数8】
【0320】
式(7)に、式(8)を代入すると、次式が求められる。
【0321】
【数9】
【0322】
式(9)を変形して、式(10)が得られる。
【0323】
【数10】
【0324】
一方、AとBを、それぞれ式(11)と(12)に示すように定義する。
【0325】
【数11】
【0326】
【数12】
【0327】
式(10)に、式(11)および(12)を代入することにより、式(13)が求められる。
【0328】
【数13】
【0329】
式(13)は、次のような、Xについての2次方程式とすることができる。
【0330】
【数14】
【0331】
式(14)の2次方程式を解くと、次式が得られる。
【0332】
【数15】
【0333】
従って、式(8)より、角度γは、次式によって求めることができる。
【0334】
【数16】
【0335】
但し、式(16)において、Xは、式(15)で定義されるものであり、また、式(15)中のAとBは、それぞれ、式(11)と(12)で定義されるものである。
【0336】
また、図30の点pの座標から、角度γは、次式で求めることができる。
【0337】
【数17】
【0338】
一方、図30におけるZ軸と点p(x,y)との距離Rは、√(x2+y2)で表されるから、式(17)は、次式のように変形することができる。
【0339】
【数18】
【0340】
以上から、式(16)によって、角度γを求め、その角度γを用いて、式(18)を計算することにより、Z軸に対して仰角α度で、焦点f1に向かって入射する光線rが、受光面A3において受光される点p(x,y)のZ軸からの距離Rを算出することができる。
【0341】
従って、Z軸に対する仰角の所定の範囲(例えば、0度乃至80度など)を等角度△dに分割し、各仰角△d,2△d,3△d,・・・で入射する光線が、受光面A3上で受光される各点p1,p2,p3・・・について、Z軸からの距離Rp1,Rp2,Pp3・・・を求めておき、隣接する点どうしの距離の差|Rp1−Rp2|,|Rp2−Pp3|,・・・が、一定値になるように、カメラ65が出力する全方位画像データを変換することにより、その半径方向の歪みを除去した全方位画像データを得ることができることになる。
【0342】
即ち、図31に示すように、上述した半径方向の歪みがある全方位画像データ(以下、適宜、歪み全方位画像データという)、中心点C1、円周F1の円の半径rF1、および円周F2の円の半径rF2を用い、中心点C1を中心とする半径rF1の円の円周F1と、中心点C1を中心とする半径rF2の円の円周F2とで囲まれる領域R1内において、中心点C1を中心とする、上述のRp1,Rp2,Pp3・・・を半径とする複数の同心円を描く。さらに、その複数の同心円の円周を等分する、中心点C1を通る複数の直線を描く。これにより、領域R1において、複数の同心円と、複数の直線とで形成される多数の交点を得る。
【0343】
ここで、上述の複数の同心円と、複数の直線とで形成される多数の交点を、以下、適宜、変換対象点という。
【0344】
上述したことから、変換対象点を、その隣接するものどうしが等間隔になるように配置することで、歪みのある全方位画像データを、その歪みを除去した画像データに変換することができる。
【0345】
そこで、いま、図31における、図27に示したのと同一の略扇形の領域R11の画像データを、歪みのないものに変換することを考える。
【0346】
この領域R11内には、図32(A)に示すように、中心点C1を中心とする複数の同心円の円弧F11,F12,F13,F14,F15,F16それぞれと、中心点C1を通る複数の直線L1,L2,L3,L4,L5,L6それぞれとの交点である多数の変換対象点が存在するが、この領域R11内に存在する多数の変換対象点を、図32(B)に示すように、隣接するものどうしが等間隔になるように配置する。
【0347】
即ち、図32(A)の円弧F11,F12,F13,F14,F15,F16それぞれに対応する、等間隔に配置された横方向の直線L21,L22,L23,L24,L25,L26と、図32(A)の直線L1,L2,L3,L4,L5,L6それぞれに対応する、等間隔に配置された縦方向の直線L11,L12,L13,L14,L15,L16を想定し、その横方向の直線L21乃至L26それぞれと、縦方向の直線L11乃至L16それぞれとの交点上に、対応する変換対象点を変換する(割り当てる)。
【0348】
これにより、例えば、図32(A)において、円弧F14と、直線L5との交点である変換対象点p11は、図32(B)の、円弧F14に対応する直線L24と、直線L5に対応する直線L15との交点p12に変換される。
【0349】
ところで、上述のように、変換対象点の位置を変換(変更)することによって、半径方向の歪みを有する画像データを、その歪みを除去した画像データに変換することができるが、変換対象点は、上述したように、中心点C1を中心とする円と、中心点C1を通る直線との交点である。従って、変換対象点は、撮像部203(図22)の受光面A3(図29、図30)を構成する画素の画素中心に一致するとは限らず、むしろ、一般には、一致しないことが多い。
【0350】
このように、変換対象点は、画素中心からずれているのが一般的であるから、変換対象点の位置を変換する前に、その変換対象点における画素値を求める必要があるが、変換対象点における画素値は、例えば、次のようにして求めることができる。
【0351】
即ち、いま、図32の変換対象点p11が、図33に示すように、受光面A3上の隣接する2×2の4画素P1,P2,P3,P4それぞれの画素中心CP1,CP2,CP3,CP4を頂点とする長方形(正方形)の範囲内にあるとする。なお、図33の実施の形態においては、上下、または左右方向に隣接する画素中心どうしの距離が1であるとしてある。
【0352】
そして、変換対象点p11が、画素中心CP1よりも距離αだけ右方向の、距離βだけ下方向の点である場合、例えば、次式で求められる画素値Ssが、変換対象点p11の画素値とされる。
【0353】
【数19】
【0354】
但し、式(19)において、Sa,Sb,Sc,Sdは、画素P1,P2,P3,P4それぞれの画素値を表す。また、式(19)において、αおよびβは、0以上1以下の範囲の値で、変換対象点p11の位置に対応するものである。
【0355】
次に、上述した一連の処理は、ハードウェアにより行うこともできるし、ソフトウェアにより行うこともできる。一連の処理をソフトウェアによって行う場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、汎用のコンピュータ等にインストールされる。
【0356】
そこで、図34は、上述した一連の処理を実行するプログラムがインストールされるコンピュータの一実施の形態の構成例を示している。
【0357】
プログラムは、コンピュータに内蔵されている記録媒体としてのハードディスク2105やROM2103に予め記録しておくことができる。
【0358】
あるいはまた、プログラムは、フレキシブルディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory),MO(Magneto optical)ディスク,DVD(Digital Versatile Disc)、磁気ディスク、半導体メモリなどのリムーバブル記録媒体2111に、一時的あるいは永続的に格納(記録)しておくことができる。このようなリムーバブル記録媒体2111は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することができる。
【0359】
なお、プログラムは、上述したようなリムーバブル記録媒体2111からコンピュータにインストールする他、ダウンロードサイトから、ディジタル衛星放送用の人工衛星を介して、コンピュータに無線で転送したり、LAN(Local Area Network)、インターネットといったネットワークを介して、コンピュータに有線で転送し、コンピュータでは、そのようにして転送されてくるプログラムを、通信部2108で受信し、内蔵するハードディスク2105にインストールすることができる。
【0360】
コンピュータは、CPU(Central Processing Unit)2102を内蔵している。CPU2102には、バス2101を介して、入出力インタフェース2110が接続されており、CPU2102は、入出力インタフェース2110を介して、ユーザによって、キーボードや、マウス、マイク等で構成される入力部2107が操作等されることにより指令が入力されると、それにしたがって、ROM(Read Only Memory)2103に格納されているプログラムを実行する。あるいは、また、CPU2102は、ハードディスク2105に格納されているプログラム、衛星若しくはネットワークから転送され、通信部2108で受信されてハードディスク2105にインストールされたプログラム、またはドライブ2109に装着されたリムーバブル記録媒体2111から読み出されてハードディスク2105にインストールされたプログラムを、RAM(Random Access Memory)2104にロードして実行する。これにより、CPU2102は、上述したフローチャートにしたがった処理、あるいは上述したブロック図の構成により行われる処理を行う。そして、CPU2102は、その処理結果を、必要に応じて、例えば、入出力インタフェース2110を介して、LCD(Liquid CryStal Display)やスピーカ等で構成される出力部2106から出力、あるいは、通信部2108から送信、さらには、ハードディスク2105に記録等させる。
【0361】
ここで、本明細書において、コンピュータに各種の処理を行わせるためのプログラムを記述する処理ステップは、必ずしもフローチャートとして記載された順序に沿って時系列に処理する必要はなく、並列的あるいは個別に実行される処理(例えば、並列処理あるいはオブジェクトによる処理)も含むものである。
【0362】
また、プログラムは、1のコンピュータにより処理されるものであっても良いし、複数のコンピュータによって分散処理されるものであっても良い。さらに、プログラムは、遠方のコンピュータに転送されて実行されるものであっても良い。
【0363】
本発明によれば、作動手段を操作するユーザの操作技術等を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した手術システムの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】スレーブマニピュレータ61とマスタマニピュレータ62の外観構成例を示す斜視図である。
【図3】ロール回転、ピッチ回転、およびヨー回転を説明する図である。
【図4】目標軌跡、操作軌跡、および平均軌跡を示す図である。
【図5】スレーブマニピュレータ61の電気的構成例を示すブロック図である。
【図6】マスタマニピュレータ62の電気的構成例を示すブロック図である。
【図7】スーパドクタデータベース部64の電気的構成例を示すブロック図である。
【図8】スレーブマニピュレータ61の処理を説明するフローチャートである。
【図9】マスタマニピュレータ62の処理を説明するフローチャートである。
【図10】スーパドクタデータベース部64の処理を説明するフローチャートである。
【図11】手術システムにおける協調分担を説明するための図である。
【図12】本発明を適用したデザインシステムの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図13】擬似スレーブマニピュレータ41の電気的構成例を示すブロック図である。
【図14】マスタマニピュレータ42の電気的構成例を示すブロック図である。
【図15】スーパデザイナデータベース部44の電気的構成例を示すブロック図である。
【図16】デザイン情報を説明する図である。
【図17】擬似スレーブマニピュレータ41の処理を説明するフローチャートである。
【図18】マスタマニピュレータ42の処理を説明するフローチャートである。
【図19】スーパデザイナデータベース部44の処理(制御処理)を説明するフローチャートである。
【図20】スーパデザイナデータベース部44の処理(更新処理)を説明するフローチャートである。
【図21】デザインシステムにおける協調分担を説明するための図である。
【図22】全方位カメラであるカメラ65の構成例を示す斜視図である。
【図23】全方位画像データを示す図である。
【図24】集光部202を構成する双曲面を説明する図である。
【図25】集光部202と撮像部203との位置関係を説明するための図である。
【図26】全方位画像データを示す図である。
【図27】全方位画像データからの切り出しを説明するための図である。
【図28】円周方向の歪みを説明するための図である。
【図29】半径方向の歪みを説明するための図である。
【図30】半径方向の歪みを除去する方法を説明するための図である。
【図31】半径方向の歪みを除去する方法を説明するための図である。
【図32】半径方向の歪みを除去する全方位画像データの変換を説明するための図である。
【図33】変換対象点における画素値の求め方を説明するための図である。
【図34】本発明を適用したコンピュータの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 手術台, 21乃至24 マイク, 3L,3R スレーブマニピュレータ部, 4L,4R 先端部, 5 カメラ部, 6(61乃至65) カメラ, 8L,8R マスタマニピュレータ部, 9L,9R 操作部, 10 モニタ, 11 スピーカ, 12 操作パネル, 21 入出力制御装置, 22 姿勢パラメータ登録部, 23 手術経過情報データベース, 24 手術経過情報登録部, 25 手術情報データベース, 26 更新部, 27 手術技術情報データベース, 28 姿勢パラメータ制御部, 29 検索部, 30手術技術情報登録部, 41 擬似スレーブマニピュレータ, 421乃至42K マスタマニピュレータ, 43 ネットワーク, 44 スーパデザイナデータベース部, 51 スレーブマニピュレータ制御装置, 52 入出力制御装置, 53 マスタマニピュレータ制御装置, 54 入出力制御装置, 61 スレーブマニピュレータ, 621乃至62K マスタマニピュレータ, 63 ネットワーク, 64 スーパドクタデータベース部, 71 制御部,72 姿勢遷移機構部, 73 制御機構部, 74 通信部, 75 センサ, 76 アクチュエータ, 77 擬似スレーブマニピュレータ, 78 デザイン情報データベース, 79 画像生成部, 80 入出力制御装置, 81 制御部, 82 姿勢遷移機構部, 83 制御機構部, 84 通信部, 85 センサ, 86 アクチュエータ, 91 デザイン情報登録部, 92 デザイン情報データベース, 93 デザイン評価部, 94 特異デザイン情報データベース, 95 流行デザイン情報データベース, 96 更新部, 2101 バス, 2102 CPU, 2103 ROM, 2104 RAM, 2105 ハードディスク, 2106 出力部, 2107 入力部, 2108 通信部, 2109 ドライブ, 2110 入出力インタフェース, 2111 リムーバブル記録媒体
Claims (39)
- 複数のユーザの操作と、所定の情報とに応じて作動する複数の作動手段と、
前記複数の作動手段の状態を検知する複数の検知手段と、
前記複数の検知手段によって検知された前記複数の作動手段の状態を受信する受信手段と、
前記複数の作動手段の動きの基準となり、当該複数の作動手段が作動する際に前記所定の情報として読み出される基準情報を記憶する記憶手段と、
前記複数の作動手段の状態に基づいて、前記基準情報を生成する生成手段と、
前記生成手段によって生成された新たな前記基準情報によって、前記記憶手段の記憶内容を更新する更新手段と
を備えることを特徴とする情報処理システム。 - 前記生成手段は、前記複数の作動手段の状態と、外部からの情報に基づいて、前記基準情報を生成する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。 - 前記生成手段は、前記複数の検知手段により検知された前記複数の作動手段の状態としての姿勢パラメータの分散を大きくしている姿勢パラメータ、或いは、前記記憶手段に記憶される前記基準情報としての姿勢パラメータから一定以上異なると判別された姿勢パラメータを特異パラメータとして検出し、
前記更新手段は、前記特異パラメータと、前記外部からの情報とに応じて、前記記憶手段に記憶される前記基準情報を更新する
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。 - 前記更新手段は、前記特異パラメータに対応する過去の事例を前記外部からの情報より検出し、その過去の事例が成功事例であるとき、前記特異パラメータに応じて前記記憶手段に記憶される前記基準情報を更新する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。 - 前記更新手段は、これまでに前記特異パラメータが登録された頻度を前記外部からの情報より検出し、当該頻度が所定値以上であるとき、登録されている前記特異パラメータに基づき前記記憶手段に記憶される前記基準情報を更新する
ことを特徴とする請求項3に記載の情報処理システム。 - 前記作動手段は、マニピュレータである
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。 - 前記作動手段であるマニピュレータは、所定の対象物に所定の作用を与えるスレーブのマニピュレータを制御するマスタのマニピュレータである
ことを特徴とする請求項6に記載の情報処理システム。 - 前記基準情報は、前記所定の対象物に与える作用を制限するための情報である
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理システム。 - 前記基準情報は、前記所定の対象物を手術するための情報である
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理システム。 - 前記基準情報は、前記所定の対象物のデザインに関する情報である
ことを特徴とする請求項7に記載の情報処理システム。 - 複数のユーザの操作と、所定の情報とに応じて作動する複数の作動手段と、
前記複数の作動手段の状態を検知する複数の検知手段と、
前記複数の作動手段の動きの基準となり、当該複数の作動手段が作動する際に前記所定の情報として読み出される基準情報を記憶する記憶手段と
を備える情報処理システムの情報処理方法であって、
前記複数の検知手段によって検知された前記複数の作動手段の状態を受信する受信ステップと、
前記複数の作動手段の状態に基づいて、前記基準情報を生成する生成ステップと、
前記生成ステップの処理によって生成された新たな前記基準情報によって、前記記憶手段の記憶内容を更新する更新ステップと
を含むことを特徴とする情報処理方法。 - 複数のユーザの操作と、所定の情報とに応じて作動する複数の作動手段と、
前記複数の作動手段の状態を検知する複数の検知手段と、
前記複数の作動手段の動きの基準となり、当該複数の作動手段が作動する際に前記所定の情報として読み出される基準情報を記憶する記憶手段と
を備える情報処理システム用のプログラムであって、
前記複数の検知手段によって検知された前記複数の作動手段の状態を受信する受信ステップと、
前記複数の作動手段の状態に基づいて、前記基準情報を生成する前記複数の作動手段の動きの基準となる基準情報を、前記所定の情報として生成する生成ステップと、
前記生成ステップの処理によって生成された新たな前記基準情報によって、前記記憶手段の記憶内容を更新する更新ステップと
を含むことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラム。 - 複数のユーザの操作と、所定の情報とに応じて作動する複数の作動手段と、
前記複数の作動手段の状態を検知する複数の検知手段と、
前記複数の作動手段の動きの基準となり、当該複数の作動手段が作動する際に前記所定の情報として読み出される基準情報を記憶する記憶手段と
を備える情報処理システム用のプログラムが記録されている記録媒体であって、
前記複数の検知手段によって検知された前記複数の作動手段の状態を受信する受信ステップと、
前記複数の作動手段の状態に基づいて、前記基準情報を生成する生成ステップと、
前記生成ステップの処理によって生成された新たな前記基準情報によって、前記記憶手段の記憶内容を更新する更新ステップと
を含むコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている
ことを特徴とする記録媒体。 - 所定の情報処理を行う情報処理装置であって、
ユーザの操作と、所定の情報とに応じて作動する作動手段と、
前記作動手段の状態を検知する検知手段と、
他の情報処理装置における前記作動手段の状態を受信する受信手段と、
前記作動手段の動きの基準となり、当該作動手段が作動する際に前記所定の情報として読み出される基準情報を記憶する記憶手段と、
自身の前記作動手段の状態、および前記他の情報処理装置における前記作動手段の状態に基づいて、前記基準情報を生成する生成手段と、
前記生成手段によって生成された新たな前記基準情報によって、前記記憶手段の記憶内容を更新する更新手段と
を備えることを特徴とする情報処理装置。 - 前記生成手段は、前記自身の作動手段の状態、および前記他の情報処理装置における作動手段の状態と、外部からの情報に基づいて、前記基準情報を生成する
ことを特徴とする請求項14に記載の情報処理装置。 - 前記生成手段は、前記検知手段により検知された前記作動手段の状態としての姿勢パラ メータの分散を大きくしている姿勢パラメータ、或いは、前記記憶手段に記憶される前記基準情報としての姿勢パラメータから一定以上異なると判別された姿勢パラメータを特異パラメータとして検出し、
前記更新手段は、前記特異パラメータと、前記外部からの情報とに応じて、前記記憶手段に記憶される前記基準情報を更新する
ことを特徴とする請求項15に記載の情報処理装置。 - 前記更新手段は、前記特異パラメータに対応する過去の事例を前記外部からの情報より検出し、その過去の事例が成功事例であるとき、前記特異パラメータに応じて前記記憶手段に記憶される前記基準情報を更新する
ことを特徴とする請求項16に記載の情報処理装置。 - 前記更新手段は、これまでに前記特異パラメータが登録された頻度を前記外部からの情報より検出し、当該頻度が所定値以上であるとき、登録されている前記特異パラメータに基づき前記記憶手段に記憶される前記基準情報を更新する
ことを特徴とする請求項16に記載の情報処理装置。 - 前記作動手段は、マニピュレータである
ことを特徴とする請求項14に記載の情報処理装置。 - 前記作動手段であるマニピュレータは、所定の対象物に所定の作用を与えるスレーブのマニピュレータを制御するマスタのマニピュレータである
ことを特徴とする請求項19に記載の情報処理装置。 - 前記基準情報は、前記所定の対象物に与える作用を制限するための情報である
ことを特徴とする請求項20に記載の情報処理装置。 - 前記基準情報は、前記所定の対象物を手術するための情報である
ことを特徴とする請求項20に記載の情報処理装置。 - 前記基準情報は、前記所定の対象物のデザインに関する情報である
ことを特徴とする請求項20に記載の情報処理装置。 - 所定の情報処理を行う情報処理装置の情報処理方法であって、
前記情報処理装置は、
ユーザの操作と、所定の情報とに応じて作動する作動手段と、
前記作動手段の状態を検知する検知手段と、
前記作動手段の動きの基準となり、当該作動手段が作動する際に前記所定の情報として読み出される基準情報を記憶する記憶手段と
を備え、
他の情報処理装置における前記作動手段の状態を受信する受信ステップと、
自身の前記作動手段の状態、および前記他の情報処理装置における前記作動手段の状態に基づいて、前記基準情報を生成する生成ステップと、
前記生成ステップの処理によって生成された新たな前記基準情報によって、前記記憶手段の記憶内容を更新する更新ステップと
を含むことを特徴とする情報処理方法。 - ユーザの操作と、所定の情報とに応じて作動する作動手段と、
前記作動手段の状態を検知する検知手段と、
前記作動手段の動きの基準となり、当該作動手段が作動する際に前記所定の情報として読み出される基準情報を記憶する記憶手段と
を備える情報処理装置用のプログラムであって、
他の情報処理装置における前記作動手段の状態を受信する受信ステップと、
自身の前記作動手段の状態、および前記他の情報処理装置における前記作動手段の状態に基づいて、前記基準情報を生成する生成ステップと、
前記生成ステップの処理によって生成された新たな前記基準情報によって、前記記憶手 段の記憶内容を更新する更新ステップと
を含むことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラム。 - ユーザの操作と、所定の情報とに応じて作動する作動手段と、
前記作動手段の状態を検知する検知手段と、
前記作動手段の動きの基準となり、当該作動手段が作動する際に前記所定の情報として読み出される基準情報を記憶する記憶手段と
を備える情報処理装置用のプログラムが記録されている記録媒体であって、
他の情報処理装置における前記作動手段の状態を受信する受信ステップと、
自身の前記作動手段の状態、および前記他の情報処理装置における前記作動手段の状態に基づいて、前記基準情報を生成する生成ステップと、
前記生成ステップの処理によって生成された新たな前記基準情報によって、前記記憶手段の記憶内容を更新する更新ステップと
を含むコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている
ことを特徴とする記録媒体。 - ユーザの操作と、所定の情報とに応じて作動する作動手段と、
前記作動手段の状態を検知する検知手段と
を備える複数の情報処理装置を制御する制御装置であって、
前記複数の情報処理装置における前記作動手段の状態を受信する受信手段と、
前記複数の情報処理装置における前記作動手段の動きの基準となり、当該複数の情報処理装置における前記作動手段が作動する際に前記所定の情報として読み出される基準情報を記憶する記憶手段と、
前記複数の情報処理装置における前記作動手段の状態に基づいて、前記基準情報を生成する生成手段と、
前記生成手段によって生成された新たな前記基準情報によって、前記記憶手段の記憶内容を更新する更新手段と
を備えることを特徴とする制御装置。 - 前記生成手段は、前記複数の情報処理装置における前記作動手段の状態と、外部からの情報に基づいて、前記基準情報を生成する
ことを特徴とする請求項27に記載の制御装置。 - 前記生成手段は、前記検知手段により検知された前記複数の情報処理装置における前記作動手段の状態としての姿勢パラメータの分散を大きくしている姿勢パラメータ、或いは、前記記憶手段に記憶される前記基準情報としての姿勢パラメータから一定以上異なると判別された姿勢パラメータを特異パラメータとして検出し、
前記更新手段は、前記特異パラメータと、前記外部からの情報とに応じて、前記記憶手段に記憶される前記基準情報を更新する
ことを特徴とする請求項28に記載の情報処理システム。 - 前記更新手段は、前記特異パラメータに対応する過去の事例を前記外部からの情報より検出し、その過去の事例が成功事例であるとき、前記特異パラメータに応じて前記記憶手段に記憶される前記基準情報を更新する
ことを特徴とする請求項29に記載の情報処理システム。 - 前記更新手段は、これまでに前記特異パラメータが登録された頻度を前記外部からの情報より検出し、当該頻度が所定値以上であるとき、登録されている前記特異パラメータに基づき前記記憶手段に記憶される前記基準情報を更新する
ことを特徴とする請求項29に記載の情報処理システム。 - 前記作動手段は、マニピュレータである
ことを特徴とする請求項27に記載の制御装置。 - 前記作動手段であるマニピュレータは、所定の対象物に所定の作用を与えるスレーブのマニピュレータを制御するマスタのマニピュレータである
ことを特徴とする請求項32に記載の制御装置。 - 前記基準情報は、前記所定の対象物に与える作用を制限するための情報である
ことを特徴とする請求項33に記載の制御装置。 - 前記基準情報は、前記所定の対象物を手術するための情報である
ことを特徴とする請求項33に記載の制御装置。 - 前記基準情報は、前記所定の対象物のデザインに関する情報である
ことを特徴とする請求項33に記載の制御装置。 - ユーザの操作と、所定の情報とに応じて作動する作動手段と、
前記作動手段の状態を検知する検知手段と、
を備える複数の情報処理装置を制御する、前記複数の情報処理装置における前記作動手段の動きの基準となり、当該複数の情報処理装置における前記作動手段が作動する際に前記所定の情報として読み出される基準情報を記憶する記憶手段を備える制御装置の制御方法であって、
前記複数の情報処理装置における前記作動手段の状態を受信する受信ステップと、
前記複数の情報処理装置における前記作動手段の状態に基づいて、前記基準情報を生成する生成ステップと、
前記生成ステップの処理によって生成された新たな前記基準情報によって、前記記憶手段の記憶内容を更新する更新ステップと
を含むことを特徴とする制御方法。 - ユーザの操作と、所定の情報とに応じて作動する作動手段と、
前記作動手段の状態を検知する検知手段と
を備える複数の情報処理装置を制御する、前記複数の情報処理装置における前記作動手段の動きの基準となり、当該複数の情報処理装置における前記作動手段が作動する際に前記所定の情報として読み出される基準情報を記憶する記憶手段を備える制御装置のプログラムであって、
前記複数の情報処理装置における前記作動手段の状態を受信する受信ステップと、
前記複数の情報処理装置における前記作動手段の状態に基づいて、前記基準情報を生成する生成ステップと、
前記生成ステップの処理によって生成された新たな前記基準情報によって、前記記憶手段の記憶内容を更新する更新ステップと
を含むことを特徴とするコンピュータが読み取り可能なプログラム。 - ユーザの操作と、所定の情報とに応じて作動する作動手段と、
前記作動手段の状態を検知する検知手段と
を備える複数の情報処理装置を制御する、前記複数の情報処理装置における前記作動手段の動きの基準となり、当該複数の情報処理装置における前記作動手段が作動する際に前記所定の情報として読み出される基準情報を記憶する記憶手段を備える制御装置のプログラムが記録されている記録媒体であって、
前記複数の情報処理装置における前記作動手段の状態を受信する受信ステップと、
前記複数の情報処理装置における前記作動手段の状態に基づいて、前記基準情報を生成する生成ステップと、
前記生成ステップの処理によって生成された新たな前記基準情報によって、前記記憶手段の記憶内容を更新する更新ステップと
を含むコンピュータが読み取り可能なプログラムが記録されている
ことを特徴とする記録媒体。
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