JP2003143408A - 画像処理装置 - Google Patents

画像処理装置

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JP2003143408A JP2001334079A JP2001334079A JP2003143408A JP 2003143408 A JP2003143408 A JP 2003143408A JP 2001334079 A JP2001334079 A JP 2001334079A JP 2001334079 A JP2001334079 A JP 2001334079A JP 2003143408 A JP2003143408 A JP 2003143408A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 画像の修復や領域分割等に応用されている基
板技術としてのマルコフ確率場を高速で実行することが
できる画像処理装置を提供すること。 【構成】 画像入力装置と、該画像入力装置によって入
力された画像信号を処理する信号処理装置と、該信号処
理装置によって処理された画像信号を出力する画像出力
装置とで構成される画像処理装置において、前記信号処
理装置を、画素の状態値を更新すべき画素を選択する画
素選択手段と、該画素選択手段によって選択された画素
の状態値を計算する画素更新手段によって構成し、前記
画素選択手段によって画素の状態値から計算される選択
確率に基づいて選択するか否かを決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像処理装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】領域分割は、画像の定義域である2次元
実空間を分割することを言う。以下、議論を正確にする
ために、画像が定義されている2次元空間を実空間、実
空間上に定義されている関数としての画像及びそれを変
換したもの全てを表現する空間を特微量空間と区別す
る。
【0003】ところで、領域分割は、領域の境界の不連
続性に基づく方法と領域の一様性に基づく方法とに大別
される。前者は、領域の境界における不連続性を明示的
(explicit)に定義する方法である。最も単純な方法
は、不連続性を一階微係数の絶対値で定義し、予め設定
した閾値を超える点を不連読点とする方法である。これ
は、画像に線形フィルタを作用させることによって達成
されるため、画素数と同じ次元を持つベクトルに対する
線形演算1回で処理が終了する。しかも、フィルタ核の
サポートは限定された近傍系で十分であるため、計算複
雑性は非常に小さくなる。各種微分フィルタを用いる方
法は、この方式に属する。
【0004】他方、後者は、領域を構成する要素の属性
値に関する一様性に着目し、対象となる要素の属性値が
一様性を満足するか否かによって、その要素が領域に属
するか否かを決定する。この意味で、不連続性を暗示的
(implicit)に定義している。例えば、コスト関数とし
て領域の一様性を採用し、或い予め与えられた要素の集
合に基づいて領域を成長させていく過程において、コス
ト関数の値が或る値を超える要素に到達した時点で成長
を終了するという方法がある。
【0005】しかし、不遷続性が実空間上の狭い領域内
での特微量解析で評価できるのに対して、連続性は、実
空間上の広い領域に渡る解析が必要であり、計算量が大
きくなる。領域成長方法、特微量空間でのクラスタリン
グに基づく方法、確率過程に基づく方法がこの方法に含
まれる。
【0006】上記2つの方法を以下に詳述する. [エッジに基づく方式]最も単純で最も自然な領域分割
方法は、エッジに基づくものである。この方法は、領域
と領域の境界は連続性が壊れるという仮定に基づいてい
る。エッジは、基本的に一階微係数の極値と定義される
ため、コンパクトサポートを持つカーネルによる積分変
換によって検出できる。これは、デジタル画像では、3
×3,5×5のように、タップ数の少ないマスクとして
実装される。このような方式は、計算複雑性が小さいと
いう利点がある一方、微係数を用いることから、高周波
雑音の影響を受ける。画像に低域濾過フィルタを作用さ
せれば、このような影響を軽減することができるが、同
時に、元々画像に存在する高周波数成分も除去してしま
うという欠点があり、必ずしも有効な方法とは言えな
い。
【0007】エッジ検出に基づく領域分割には、もう1
つ大きな問題がある。何らかの理由でエッジが閉領域を
形成しない場合が生じるのである。これには以下の2つ
の原因が考えられる。
【0008】1.元画像に存在したエッジが雑音によっ
て消滅する。
【0009】2.照明等の条件によって、元の画像その
ものにエッジが観測されない。
【0010】後者の場合は、エッジの消滅が連続してい
る可能性が十分に考えられる。このような場合は、対象
とする状況を可成り限定しない限り、エッジを復元する
ことは困難である。
【0011】一方、前者は、雑音の種類にもよるが、連
続してエッジが消滅することは考えにくいため、エッジ
復元が可能である。
【0012】[領域成長方式]リージョン・グローイン
グとは、種となる小領域の特微量を調べ、その小領域の
周囲の画素のうち、小領域の特徴に近い特微量を持つ画
素を取り込んでいくことによって領域を拡張するもので
ある。領域の連続性に着目する方式は、全ての画素が処
理の対象となり得るため、一般に計算コストが非常に高
く、処理に時間が掛かり過ぎるいう欠点を持つ。
【0013】[マルコフ確率場に基づく方式]マルコフ
確率場と事後確率最大推定にライン過程を組み合わせた
方法は、エッジ復元のための確率論的手法として、Ge
man等によって提案された。確率過程に属するマルコ
フ確率場は、1次元信号に対するマルコフ過程の2次元
への拡張であり、事前知識として持っている画業の局所
的パターンの確率分布を用いて雑音パターンを除去する
という機能を持っている。これは、雑音によって消滅し
たエッジを復元する機能も有している。マルコフ確率場
は、エネルギ関数を適当に定義することによって、様々
な局所パターンを表現することができる。従来の方法
は、エネルギ関数の定義によってマルコフ確率場に組み
込むことができる。
【0014】しかし、マルコフ確率場は、系の状態を確
率論的に更新する手法であるため、領域成長方式よりも
計算時間が掛かる。
【0015】そこで、状態更新を決定論的に行うことに
よって、計算量の軽減を達成する方式が提案された。こ
の方式では、両業の状態を更新する際に、更新の対象と
している画素とその近傍系から局所的なエネルギ関数を
計算し、その最小値を取る状態を画素の状態として選択
するものである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、マルコ
フ確率場(MRF)を用いる限り、計算量の問題は避け
られない。たとえ、決定論的緩和法を用いたとしても、
画素数のオーダーの計算量が必要となってしまう。
【0017】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、その目的とする処は、画像の修復や領域分割等に応
用されている基板技術としてのマルコフ確率場を高速で
実行することができる画像処理装置を提供することにあ
る。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、画像入力装置と、該画像入力装置によっ
て入力された画像信号を処理する信号処理装置と、該信
号処理装置によって処理された画像信号を出力する画像
出力装置とで構成される画像処理装置において、前記信
号処理装置を、画素の状態値を更新すべき画素を選択す
る画素選択手段と、該画素選択手段によって選択された
画素の状態値を計算する画素更新手段によって構成し、
前記画素選択手段によって画素の状態値から計算される
選択確率に基づいて選択するか否かを決定することを特
徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0020】本発明は、画素数に依存しない状態更新方
法を提供する。そのために、状態更新するセルを選択す
る際、状態更新のための計算を実際に実施するか否かを
判定する手段を導入し、実施するセルと判定されたもの
のみに対して、セルの状態更新処理を実施する。このよ
うな処理によって、実際に更新処理を計算する回数が少
なくなり、結果として計算量の軽減が期待できる。
【0021】原理は次の通りである。
【0022】即ち、或るセルが、確率P(X=j)でj
という状態値を取っているとする。すると、このセルが
現在の状態値以外の状態値を取る確率は、1−P(X=
j)である。他のセルの状態が変化しないと仮定する
と、このセルの状態値に対する確率分布は変化しないた
め、セルの状態更新の機会を1−P(X=j)という確
率で選び、状態更新の処理を行う。
【0023】1回のタイミングでは1個のセルの状態更
新しか行わないが、状態更新の回数が増加するに従っ
て、“確率分布が変化しない”という仮定は信頼性が低
下していく。
【0024】そこで、確率P(X=j)を次式に基づい
て変化(減少)させる。
【0025】上式の解は、時刻t=0での確率ををP
t=0 (X=j)とすると、次式で与えられる。
【0026】状態がjである確率を時間と共に減少させ
ることによって、セルが状態更新の対象として選択され
る確率が増加する。
【0027】<実施の形態1>本実施の形態は、本発明
の劣化画像の修復方法である。本実施の形態は、図6に
示す構成の通常のコンピュータ上のソフトウェアとして
実現できる。
【0028】(システムの構成)図6において、入力装
置2001、RAM2003、HDD2004、キーボ
ード2005、ディスプレイ2006には、それぞれを
制御するコントローラが内蔵されており、CPU200
2から送信されるコマンドに対して適当な処理を行うこ
とができる。入力装置2001は、例えばスキャナ、デ
ジタルカメラ、デジタルビデオカメラであり、CPU2
002から画像入力のコマンドが与えられると、レンズ
に代表されるような光学系と、CCDセンサに代表され
るような視覚センサを用いて像をサンプリングしてデジ
タル画像を構成し、白黒センサの場合は、グレー値とし
て0〜255の正整数を各面素毎に1個、カラーセンサ
の場合は、R、G、Bそれぞれの色成分値として0〜2
55の正整数を各画素毎に3個、左上に位置する画素か
ら右下に向かって順次CPU2002に送信する。
【0029】CPU2002は、電源投入後、ROM2
007に記憶されているBIOS(Basic I/O System)
と呼ばれるプログラムを起動する。その際、必要な変数
はRAM2003に確保する。
【0030】BIOSは、システムを構成する要素に対
する初期設定を実行する。その後、ROM2007或は
HDD2004に記憶されているオペレーティング・シ
ステム(OS)を起動する。OSがROM2007に記
憶されている場合は、CPU2002はROM2007
の番地に直接アクセスして実行文を読み取って対応する
演算処理を実行する。
【0031】OSがHDD2004に記憶されている場
合は、OSをRAM2003の適当な領域に複写した
後、RAM2003の番地にアクセスして実行文を読み
取り、対応する演算処理を実行する。OSでは、例え
ば、ファイルシステムの初期化のように、ユーザーイン
ターフェースに関する処理の初期化を行う。OSの初期
化処理が終了した後、CPU2002は、ROM200
7或はHDD2004に記憶されているコマンドインタ
ープリタを起動する。
【0032】コマンドインタープリタがROM2007
に記憶されている場合は、CPU2002は、ROM2
007の番地に直接アクセスして実行文を読み取り、対
応する演算処理を実行する。コマンドインタープリタが
HDD2004に記憶されている場合は、コマンドイン
タープリタをRAM2003の適当な領域に複写した
後、RAM2003の番地にアクセスして実行文を読み
取り、対応する演算処理を実行する。コマンドインター
プリタは、コマンドプロンプトをディスプレイ2006
に表示し、キーボード2005からのコマンド入力を待
つ。以下で説明する本発明の実施の形態1は、このよう
な状態でコマンドを入力することによって起動される。
【0033】RAM2003は、CPU2002が実行
する演算処理における1次記憶装置として用いられる。
CPU2002は、プログラムの実行文に従ってRAM
2003上に変数領域を確保する。RAM2003にコ
ントローラが内蔵されており、CPU2002から領域
のバイト数を引数として変数領域を確保するという命令
が送信されたとき、RAM2003コントローラは、未
使用領域を検出してCPU2002からの要求を満たす
大きさの領域を確保する。この領域は不連続な複数の領
域から確保されていても良く、その場合は、これら複数
の領域を連結させるためにリスト構造で表現しておく。
RAM2003は、要求された領域が確保できなかった
場合、CPU2002にエラーコードを返すが、以下の
説明では、本発明を実施するために十分な領域があり、
RAM2003がエラーコードを返す場合がないとして
いる。
【0034】HDD2004は、OSや外部コマンドと
して起動されるアプリケーションプログラム、アプリケ
ーションプログラムで使用されるデータファイルが記憶
される2次記憶装置である。HDD2004は前記RA
M2003に比べて、一般に記憶容量が大きいが、アク
セス速度が遅いため、プログラムで頻繁にアクセスする
変数領域の記憶領域、即ち短期記憶装置として用いるよ
りも、長期記憶装置として用いることが多い。
【0035】キーボード2005は、ユーザからの信号
の入力手段を提供する装置である。コマンドインタープ
リタがコマンド入力待ちになったとき、ユーザは、キー
ボード2005を用いて、起動したいプログラムの名称
を入力する。勿論、ポインティングデバイスが付属して
いれば、ユーザインターフェースは更に向上する。
【0036】ディスプレイ2006は、CPU2002
の処理状況をユーザが確認する際に用いられる。例え
ば、キーボード2005から入力されたコマンドをディ
スプレイ2006に表示する(エコーバックと言う)こ
とによって、入力が正しく行われたか否かを確認するこ
とができる。又、アプリケーションプログラムの途中結
果を逐次表示することによって、プログラムがユーザの
要求通りに進行しているか否かを確認することができ
る。
【0037】ROM2007は、BIOS、OSのよう
に、システムに最低限必要で、処理が固定的なプログラ
ムを記憶する装置である。従って、システムが特別な用
途のために構成されたものであれば、そのアプリケーシ
ョンプログラムをROM2007に記憶しておくのも有
効である。
【0038】以下はコマンドインタープリタの入力待ち
になっている状態からの処理である。
【0039】(処理の流れ)以下に処理のステップを示
す(図1参照)。
【0040】(S1):キーボード2005から、本発
明を実現するプログラムの実行をCPU2002に指示
するための文字列を入力する。
【0041】(S2):CPU2002は、HDD20
04から所定のプログラムをRAM2003の適当な領
域に複写する。CPU2002は、RAM2003に複
写されたプログラムから順次命令を読み出しながら、以
下の処理を実行する。
【0042】(S3):CPU2002は、入力装置2
001に対して画像を読み取り、その結果得られたデー
タをCPU2002に送信するという命令信号を送信す
る。入力装置2001)としては、スキャナー、デジタ
ルカメラ、デジタルビデオ等が利用できる。
【0043】(S4):入力装置2001は、CPU2
002から送信された命令信号に基づいて画像を入力す
る。画像データは、異なる位置においてサンプルされた
画素の輝度値、或は青、緑、赤の3原色の強度値の集合
として与えられる。これらの値は、CCDセンサによっ
て得ることができる。以下、画像データの画素数を縦M
個、横N個とし、縦m番目、横n番目の画素の状態をX
m,n と書く。
【0044】(S5):CPU2002は、入力装置2
001から送信されてきた画像データをRAM2003
の適当な領域に記憶する。画像が白黒画像の場合は画素
の状態は、例えば0〜255の1個の整数値を取る。画
像がカラーの場合は、例えば0〜255の整数の3つ組
を取る。現時点で、Xm,n に対応するRAM2003の
番地には、入力装置2001で読み込まれた値が格納さ
れている。
【0045】(S6):状態更新手続きを実行する画素
を選択する画素の選択処理(図2を用いて後述)を実行
する。
【0046】(S7):選択された画素について、状態
更新処理(図3を用いて後述)を実行する。
【0047】(S8):(S6)〜(S7)の処理を状
態値が安定するまで繰り返す。即ち、過去M×Nの更新
処理において、状態が更新された画素の数を数え、それ
が予め設定された値より小さければ、状態が安定したと
判断することができる。
【0048】(S9):安定した画素の状態Xm,n をH
DD2004に記憶し、必要であれば、ディスプレイ2
006に画像として表示する。
【0049】(S6)で実行される画素選択処理を以下
に説明する(図2参照)。但し、以下の処理は、HDD
2004からRAM2003に複写されたプログラムに
従ってCPU2002が演算を行う。又、下記の変数は
RAM2003の適当な領域に確保される。
【0050】(S201):0以上1以下の実数を一様
な確率で生成する乱数発生手段を用いて、画素の番号
(k,l)を得る。
【0051】(S202):画素(k,l)の現在の状
態値Xk,l がjであるとする。現在の状態値に対応する
確率p(Xk,l =j)を用いて、次式で定義される選択
確率qを計算する。
【0052】但し、tは前回状態を更新した時刻からの
時間である。
【0053】(S203):前述の乱数発生手段を用い
て乱数を1個生成し、それがq以下ならば、画素(k,
l)を状態更新の対象として選択し、処理を終了する。
そうでなければ(S201)に進む。
【0054】(S7)で実行される画素状態更新手続き
を以下に説明する(図3参照)。但し、以下の処理は、
HDD2004からRAM2003に複写されたプログ
ラムに従ってCPU2002が演算を行う。又、下記の
変数は、RAM2003の適当な領域に確保される。
【0055】(S301):画素の各状態値jについ
て、次式で定義されるエネルギ関数の ここで、Nk,l は画素(k,l)の近傍系であり、例え
ば、 のような4近傍で良い。又、δ(x)はr=0のとき
1、それ以外で0を取る関数である。Yk,l は入力デー
タである。上式の左辺第1項は、周りの画素と同じ状態
を取るときにはエネルギが低く、そうでないとき高くな
る。第2項は、入力データと異なったとき高くなる。
【0056】(S302):各状態値jに対するエネル
ギ関数E(Xk,l =j)から、それぞれの確率p(X
k,l =j)を計算する。: 但し、θは温度パラメータと呼ばれる変数であり、次式
で計算される。: ここで、Cは3程度の値を取る正定数、tは処理の反復
回数である。
【0057】(S303):確率分布を基に画素の状態
値を決定する。
【0058】(S303)で実行される処理は、例えば
以下の方法で実現できる。
【0059】・確率分布から累積分布を計算する。累積
分布によって0〜1の区間が各状態値毎に割り当てられ
る。例えば、画素が取り得る状態値を10個とすると、 0≦b1 <b2 <…<b9 <1 (9) なる9個のbj が得られる。状態値jに対応する区間は
[bj-1 ,bj ]である。
【0060】・(0,1)の範囲の一様乱数sを1個生
成し、累積分布との対応によって状態値を決定する。即
ち、乱数がらbj-1 ≦s<bj なる式を満足するとき、
状態値としてjを選択することにする。
【0061】別の方法として、出現確率が最大となる状
態を採用するという方法がある。
【0062】(実験による検証)高速化によって得られ
た解の評価関数値が通常の方法による評価関数値(エネ
ルギ関数値)と変わらないことを確認するために、次の
3通りの方式に対してシミュレーション実験を行った: 方式1:全ての画素について確率分布に従って状態を確
率的に更新する方法 方式2:更新画素選択方式を用いて選択した画素に対し
て確率的に状態更新を行う方法 方式3:更新画素選択法式を用いて選択した画素に対し
て最大の出現確率を取る状態を選択する方法 実験は、コンピュータで元画像を生成し、全画素の20
%に当たる数の画素の状態を一様乱数で変更することに
よって劣化画像を作った。このような劣化画像10枚に
対する平均性能を示したのが図4である。図4中、横軸
は状態更新処理を施した画素の述べ数、縦軸は最終的に
達成されたエネルギ関数である。従って、左下に位置す
る点に対応する方式程、性能が良いことになる。
【0063】菱形が方式1、実線の楕円で囲まれている
点が方式2、一点鎮線の楕円に含まれる点が方式3であ
る。方式2及び3では、式(3)のγの値を10通り変
化させて性能を評価している。グラフより、方式3が優
れていることが分かる。
【0064】<実施の形態2>本実施の形態では、画像
領域分割への応用として、ガウスマルコフ確率場(GM
RF)を用いた応用事例を示す。実施の形態1との差違
は、モデルの構造とエネルギ関数の定義である。従っ
て、構成図は実施の形態1と同じ図6に示されるもので
ある。
【0065】図6において、CPU2002の処理と、
RAM2003に確保される変数が異なる。本実施の形
態では、HDD2004に記憶された処理対象画像から
以下の処理結果を計算し、HDD2004の別の適当な
領域に記憶する。: 1.与えられた元の画像 2. 画素に領域番号を格納することによって領域のマッ
プを表現するラベル画像 ラベル画像を用いれば、各領域に属する画素を知ること
ができる。従って、次のような情報を生成することがで
きる。: {領域番号、領域に属する画素のヒストグラム} (10) 或は次のような情報も領域の特徴量として有効であ
る。: {色の平均ベクトル、色の共分散行列} (11) GMRFは結合MRFの一種である。結合MRFは、観
測過程Yと領域過程Xという2種類の確率空間から構成
される。観測過程Yは、観測される画像に対応する確率
空間、領域過程Xは、領域番号を画素値として持つ画像
に対応する確率空間である。これらの確率空間は、領域
過程が情報源で、それを観測した結果として観測過程が
存在する。
【0066】XからYへの条件付き確率が与えられてい
るとき、画像の領域分割は次のように数学的に定式化さ
れる。:画像Y=y,{ym,n },m=1,…,M,n
=1,…,Nが与えられたとき、その情報源としての領
域画像X=x,{xm,n }を次式で与えられる事後確率
を最大にするxとして推定する。: 但し、xm,n は、観測過程、即ち与えられた画像の
(m,n)画素が属する領域の番号であり、領域数をR
としたときに、D={1,…,R}の集合に属する。
【0067】上記事後確率の式に、MRFと、或る仮定
を導入することによって、上式と同じ関係が局所的に成
立するようにできる。: ここで、Xm,n 及びYm,n は、それぞれ領域過程及び観
測過程の(m,n)番目の画素に対する確率変数を表し
ている。又、Nm,n は、Xm,n の近傍系である。
【0068】GMRFでは、上式の左辺に現れるp(Y
m,n =y|Xm,n =x)が正規分布をしていると仮定す
る。即ち、Xm,n =xなる領域に属する画素の色ベクト
ルY m,n がym,n である確率は、次式のように多次元正
規分布で表されると仮定する。: 但し、θ-1 は前述した温度パラメータ、μx 、Σx
は、領域xに属する画素の色ベクトル集合Ax における
平均ベクトルと共分散行列である。: 又、ZYXは分配関数であり、次式で与えられる。: p(Xc )は領域過程X上のXm,n を含むクリークXc
の配意空間上での確率分布である。この確率分布は、画
素Xm,n とその近傍系Nm,n とで次式のように書き直す
ことができる、: 但し、θ-1は前述した温度パラメータ、p(Nm,n
z)のzは近傍系に属する画素の状態値の組で構成され
るベクトルである。
【0069】上式右辺のp(Nm,n =n)は、近傍系の
画素に対する先験的知識が与えられない場合等の原理に
従って可能な状態値の数の逆数を代入する。
【0070】クリークに対する確率分布は、或る画素が
属する領域は、その近傍に位置する画素が属する領域と
同じであることが望ましいという仮定に基づいてモデル
化する。これを式で表現すると以下のようになる。: ここで、h(ym,n ,yk,l )は、画素値の連続性を表
現する関数であり、次式で定義される。: 但し、thrは0に近い正整数である。又、δ(a)は
a=0のとき1、それ以外で0を取るデルタ関数、ηは
正整数である。
【0071】図5に実施の形態2を自然画像に適用した
例を示す。図中(a)が元画像、(b)が通常の処理に
よる結果、(c)が本発明による結果である。(c)は
(b)に比べて半分以下のCPU時間で処理を終えてい
る。どちらも、例えば顔の領域が1つの領域として得ら
れているように、人間にとって不自然でない領域分割結
果が得られている。このように、同様な結果をより短時
間で計算できることから、本発明が良好な結果を提供す
ることが分かる。
【0072】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、画像入力装置と、該画像入力装置によって入力
された画像信号を処理する信号処理装置と、該信号処理
装置によって処理された画像信号を出力する画像出力装
置とで構成される画像処理装置において、前記信号処理
装置を、画素の状態値を更新すべき画素を選択する画素
選択手段と、該画素選択手段によって選択された画素の
状態値を計算する画素更新手段によって構成し、前記画
素選択手段によって画素の状態値から計算される選択確
率に基づいて選択するか否かを決定するようにしたた
め、画像の修復や領域分割等に応用されている基板技術
としてのマルコフ確率場を高速で実行することができる
という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像処理装置における全体の処理
手順を示すフローチャートである。
【図2】本発明の実施の形態1に係る画像処理装置にお
けるセル選択処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態1に係る画像処理装置にお
ける画素の状態値更新処理手順を示すフローチャートで
ある。
【図4】本発明の実施の形態1における効果の検証図で
ある。
【図5】本発明の実施の形態2における結果の一例を示
す図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る画像処理装置の構
成を示すブロック図である。
【符号の説明】
2001 入力装置 2002 CPU 2003 RAM 2004 HDD 2005 キーボード 2006 ディスプレイ 2007 ROM
フロントページの続き Fターム(参考) 5B057 CA01 CA08 CA12 CA16 CB01 CB08 CB12 CB16 CC02 CE02 DB02 DB06 DB09 DC23 DC30 5C077 LL02 MP01 PP02 PP28 PP47 PP48 PQ08 PQ12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像入力装置と、該画像入力装置によっ
    て入力された画像信号を処理する信号処理装置と、該信
    号処理装置によって処理された画像信号を出力する画像
    出力装置とで構成される画像処理装置において、 前記信号処理装置を、画素の状態値を更新すべき画素を
    選択する画素選択手段と、該画素選択手段によって選択
    された画素の状態値を計算する画素更新手段によって構
    成し、前記画素選択手段によって画素の状態値から計算
    される選択確率に基づいて選択するか否かを決定するこ
    とを特徴とする画像処理装置。
  2. 【請求項2】 前記画素選択手段において画素が選択さ
    れない場合には、選択されなかった画素の選択確率を予
    め定められた規則に従って1に至るまで増加させること
    を特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 【請求項3】 前記画像信号は雑音を含む信号であり、
    前記画素の状態値は雑音を除去した信号であることを特
    徴とする請求項1又は2記載の画像処理装置。
  4. 【請求項4】 前記画像信号は雑音を含む信号であり、
    前記画素の状態値は該画素が属する領域の番号であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の画像処理装置。
  5. 【請求項5】 前記画像信号は雑音を含む信号であり、
    前記画素の状態値は該画素の速度ベクトルであることを
    特徴とする請求項1又は2記載の画像処理装置。
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