JP3890219B2 - 画像処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
領域分割は、画像の定義域である2次元実空間を分割することを言う。以下、議論を正確にするために、画像が定義されている2次元空間を実空間、実空間上に定義されている関数としての画像及びそれを変換したもの全てを表現する空間を特微量空間と区別する。
【0003】
ところで、領域分割は、領域の境界の不連続性に基づく方法と領域の一様性に基づく方法とに大別される。前者は、領域の境界における不連続性を明示的(explicit)に定義する方法である。最も単純な方法は、不連続性を一階微係数の絶対値で定義し、予め設定した閾値を超える点を不連読点とする方法である。これは、画像に線形フィルタを作用させることによって達成されるため、画素数と同じ次元を持つベクトルに対する線形演算1回で処理が終了する。しかも、フィルタ核のサポートは限定された近傍系で十分であるため、計算複雑性は非常に小さくなる。各種微分フィルタを用いる方法は、この方式に属する。
【0004】
他方、後者は、領域を構成する要素の属性値に関する一様性に着目し、対象となる要素の属性値が一様性を満足するか否かによって、その要素が領域に属するか否かを決定する。この意味で、不連続性を暗示的(implicit)に定義している。例えば、コスト関数として領域の一様性を採用し、或い予め与えられた要素の集合に基づいて領域を成長させていく過程において、コスト関数の値が或る値を超える要素に到達した時点で成長を終了するという方法がある。
【0005】
しかし、不遷続性が実空間上の狭い領域内での特微量解析で評価できるのに対して、連続性は、実空間上の広い領域に渡る解析が必要であり、計算量が大きくなる。領域成長方法、特微量空間でのクラスタリングに基づく方法、確率過程に基づく方法がこの方法に含まれる。
【0006】
上記2つの方法を以下に詳述する.
[エッジに基づく方式]
最も単純で最も自然な領域分割方法は、エッジに基づくものである。この方法は、領域と領域の境界は連続性が壊れるという仮定に基づいている。エッジは、基本的に一階微係数の極値と定義されるため、コンパクトサポートを持つカーネルによる積分変換によって検出できる。これは、デジタル画像では、3×3,5×5のように、タップ数の少ないマスクとして実装される。このような方式は、計算複雑性が小さいという利点がある一方、微係数を用いることから、高周波雑音の影響を受ける。画像に低域濾過フィルタを作用させれば、このような影響を軽減することができるが、同時に、元々画像に存在する高周波数成分も除去してしまうという欠点があり、必ずしも有効な方法とは言えない。
【0007】
エッジ検出に基づく領域分割には、もう1つ大きな問題がある。何らかの理由でエッジが閉領域を形成しない場合が生じるのである。これには以下の2つの原因が考えられる。
【0008】
1.元画像に存在したエッジが雑音によって消滅する。
【0009】
2.照明等の条件によって、元の画像そのものにエッジが観測されない。
【0010】
後者の場合は、エッジの消滅が連続している可能性が十分に考えられる。このような場合は、対象とする状況を可成り限定しない限り、エッジを復元することは困難である。
【0011】
一方、前者は、雑音の種類にもよるが、連続してエッジが消滅することは考えにくいため、エッジ復元が可能である。
【0012】
[領域成長方式]
リージョン・グローイングとは、種となる小領域の特微量を調べ、その小領域の周囲の画素のうち、小領域の特徴に近い特微量を持つ画素を取り込んでいくことによって領域を拡張するものである。領域の連続性に着目する方式は、全ての画素が処理の対象となり得るため、一般に計算コストが非常に高く、処理に時間が掛かり過ぎるいう欠点を持つ。
【0013】
[マルコフ確率場に基づく方式]
マルコフ確率場と事後確率最大推定にライン過程を組み合わせた方法は、エッジ復元のための確率論的手法として、Geman等によって提案された。確率過程に属するマルコフ確率場は、1次元信号に対するマルコフ過程の2次元への拡張であり、事前知識として持っている画業の局所的パターンの確率分布を用いて雑音パターンを除去するという機能を持っている。これは、雑音によって消滅したエッジを復元する機能も有している。マルコフ確率場は、エネルギ関数を適当に定義することによって、様々な局所パターンを表現することができる。従来の方法は、エネルギ関数の定義によってマルコフ確率場に組み込むことができる。
【0014】
しかし、マルコフ確率場は、系の状態を確率論的に更新する手法であるため、領域成長方式よりも計算時間が掛かる。
【0015】
そこで、状態更新を決定論的に行うことによって、計算量の軽減を達成する方式が提案された。この方式では、両業の状態を更新する際に、更新の対象としている画素とその近傍系から局所的なエネルギ関数を計算し、その最小値を取る状態を画素の状態として選択するものである。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、マルコフ確率場(MRF)を用いる限り、計算量の問題は避けられない。たとえ、決定論的緩和法を用いたとしても、画素数のオーダーの計算量が必要となってしまう。
【0017】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、画像の修復や領域分割等に応用されている基板技術としてのマルコフ確率場を高速で実行することができる画像処理装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の画像処理装置は、画像入力手段と、該画像入力手段によって入力された画像から画素の状態値を更新すべき画素を選択する画素選択手段と、該画素選択手段によって選択された画素の状態値を更新すべきか否かを当該画素の状態値から計算される選択確率に基づいて判定する判定手段と、該判定手段によって更新すべきと判定された画素の状態値を更新する更新手段と、該更新手段による更新後の画像を出力する画像出力手段とを備える。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0020】
本発明は、画素数に依存しない状態更新方法を提供する。そのために、状態更新するセルを選択する際、状態更新のための計算を実際に実施するか否かを判定する手段を導入し、実施するセルと判定されたもののみに対して、セルの状態更新処理を実施する。このような処理によって、実際に更新処理を計算する回数が少なくなり、結果として計算量の軽減が期待できる。
【0021】
原理は次の通りである。
【0022】
即ち、或るセルが、確率P(X=j)でjという状態値を取っているとする。すると、このセルが現在の状態値以外の状態値を取る確率は、1−P(X=j)である。他のセルの状態が変化しないと仮定すると、このセルの状態値に対する確率分布は変化しないため、セルの状態更新の機会を1−P(X=j)という確率で選び、状態更新の処理を行う。
【0023】
1回のタイミングでは1個のセルの状態更新しか行わないが、状態更新の回数が増加するに従って、“確率分布が変化しない”という仮定は信頼性が低下していく。
【0024】
そこで、確率P(X=j)を次式に基づいて変化(減少)させる。
Figure 0003890219
【0025】
上式の解は、時刻t=0での確率ををPt=0 (X=j)とすると、次式で与えられる。
Figure 0003890219
【0026】
状態がjである確率を時間と共に減少させることによって、セルが状態更新の対象として選択される確率が増加する。
【0027】
<実施の形態1>
本実施の形態は、本発明の劣化画像の修復方法である。本実施の形態は、図6に示す構成の通常のコンピュータ上のソフトウェアとして実現できる。
【0028】
(システムの構成)
図6において、入力装置2001、RAM2003、HDD2004、キーボード2005、ディスプレイ2006には、それぞれを制御するコントローラが内蔵されており、CPU2002から送信されるコマンドに対して適当な処理を行うことができる。入力装置2001は、例えばスキャナ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラであり、CPU2002から画像入力のコマンドが与えられると、レンズに代表されるような光学系と、CCDセンサに代表されるような視覚センサを用いて像をサンプリングしてデジタル画像を構成し、白黒センサの場合は、グレー値として0〜255の正整数を各面素毎に1個、カラーセンサの場合は、R、G、Bそれぞれの色成分値として0〜255の正整数を各画素毎に3個、左上に位置する画素から右下に向かって順次CPU2002に送信する。
【0029】
CPU2002は、電源投入後、ROM2007に記憶されているBIOS(Basic I/O System)と呼ばれるプログラムを起動する。その際、必要な変数はRAM2003に確保する。
【0030】
BIOSは、システムを構成する要素に対する初期設定を実行する。その後、ROM2007或はHDD2004に記憶されているオペレーティング・システム(OS)を起動する。OSがROM2007に記憶されている場合は、CPU2002はROM2007の番地に直接アクセスして実行文を読み取って対応する演算処理を実行する。
【0031】
OSがHDD2004に記憶されている場合は、OSをRAM2003の適当な領域に複写した後、RAM2003の番地にアクセスして実行文を読み取り、対応する演算処理を実行する。OSでは、例えば、ファイルシステムの初期化のように、ユーザーインターフェースに関する処理の初期化を行う。OSの初期化処理が終了した後、CPU2002は、ROM2007或はHDD2004に記憶されているコマンドインタープリタを起動する。
【0032】
コマンドインタープリタがROM2007に記憶されている場合は、CPU2002は、ROM2007の番地に直接アクセスして実行文を読み取り、対応する演算処理を実行する。コマンドインタープリタがHDD2004に記憶されている場合は、コマンドインタープリタをRAM2003の適当な領域に複写した後、RAM2003の番地にアクセスして実行文を読み取り、対応する演算処理を実行する。コマンドインタープリタは、コマンドプロンプトをディスプレイ2006に表示し、キーボード2005からのコマンド入力を待つ。以下で説明する本発明の実施の形態1は、このような状態でコマンドを入力することによって起動される。
【0033】
RAM2003は、CPU2002が実行する演算処理における1次記憶装置として用いられる。CPU2002は、プログラムの実行文に従ってRAM2003上に変数領域を確保する。RAM2003にコントローラが内蔵されており、CPU2002から領域のバイト数を引数として変数領域を確保するという命令が送信されたとき、RAM2003コントローラは、未使用領域を検出してCPU2002からの要求を満たす大きさの領域を確保する。この領域は不連続な複数の領域から確保されていても良く、その場合は、これら複数の領域を連結させるためにリスト構造で表現しておく。RAM2003は、要求された領域が確保できなかった場合、CPU2002にエラーコードを返すが、以下の説明では、本発明を実施するために十分な領域があり、RAM2003がエラーコードを返す場合がないとしている。
【0034】
HDD2004は、OSや外部コマンドとして起動されるアプリケーションプログラム、アプリケーションプログラムで使用されるデータファイルが記憶される2次記憶装置である。HDD2004は前記RAM2003に比べて、一般に記憶容量が大きいが、アクセス速度が遅いため、プログラムで頻繁にアクセスする変数領域の記憶領域、即ち短期記憶装置として用いるよりも、長期記憶装置として用いることが多い。
【0035】
キーボード2005は、ユーザからの信号の入力手段を提供する装置である。コマンドインタープリタがコマンド入力待ちになったとき、ユーザは、キーボード2005を用いて、起動したいプログラムの名称を入力する。勿論、ポインティングデバイスが付属していれば、ユーザインターフェースは更に向上する。
【0036】
ディスプレイ2006は、CPU2002の処理状況をユーザが確認する際に用いられる。例えば、キーボード2005から入力されたコマンドをディスプレイ2006に表示する(エコーバックと言う)ことによって、入力が正しく行われたか否かを確認することができる。又、アプリケーションプログラムの途中結果を逐次表示することによって、プログラムがユーザの要求通りに進行しているか否かを確認することができる。
【0037】
ROM2007は、BIOS、OSのように、システムに最低限必要で、処理が固定的なプログラムを記憶する装置である。従って、システムが特別な用途のために構成されたものであれば、そのアプリケーションプログラムをROM2007に記憶しておくのも有効である。
【0038】
以下はコマンドインタープリタの入力待ちになっている状態からの処理である。
【0039】
(処理の流れ)
以下に処理のステップを示す(図1参照)。
【0040】
(S1):キーボード2005から、本発明を実現するプログラムの実行をCPU2002に指示するための文字列を入力する。
【0041】
(S2):CPU2002は、HDD2004から所定のプログラムをRAM2003の適当な領域に複写する。CPU2002は、RAM2003に複写されたプログラムから順次命令を読み出しながら、以下の処理を実行する。
【0042】
(S3):CPU2002は、入力装置2001に対して画像を読み取り、その結果得られたデータをCPU2002に送信するという命令信号を送信する。入力装置2001)としては、スキャナー、デジタルカメラ、デジタルビデオ等が利用できる。
【0043】
(S4):入力装置2001は、CPU2002から送信された命令信号に基づいて画像を入力する。画像データは、異なる位置においてサンプルされた画素の輝度値、或は青、緑、赤の3原色の強度値の集合として与えられる。これらの値は、CCDセンサによって得ることができる。以下、画像データの画素数を縦M個、横N個とし、縦m番目、横n番目の画素の状態をXm,n と書く。
【0044】
(S5):CPU2002は、入力装置2001から送信されてきた画像データをRAM2003の適当な領域に記憶する。画像が白黒画像の場合は画素の状態は、例えば0〜255の1個の整数値を取る。画像がカラーの場合は、例えば0〜255の整数の3つ組を取る。現時点で、Xm,n に対応するRAM2003の番地には、入力装置2001で読み込まれた値が格納されている。
【0045】
(S6):状態更新手続きを実行する画素を選択する画素の選択処理(図2を用いて後述)を実行する。
【0046】
(S7):選択された画素について、状態更新処理(図3を用いて後述)を実行する。
【0047】
(S8):(S6)〜(S7)の処理を状態値が安定するまで繰り返す。即ち、過去M×Nの更新処理において、状態が更新された画素の数を数え、それが予め設定された値より小さければ、状態が安定したと判断することができる。
【0048】
(S9):安定した画素の状態Xm,n をHDD2004に記憶し、必要であれば、ディスプレイ2006に画像として表示する。
【0049】
(S6)で実行される画素選択処理を以下に説明する(図2参照)。但し、以下の処理は、HDD2004からRAM2003に複写されたプログラムに従ってCPU2002が演算を行う。又、下記の変数はRAM2003の適当な領域に確保される。
【0050】
(S201):0以上1以下の実数を一様な確率で生成する乱数発生手段を用いて、画素の番号(k,l)を得る。
【0051】
(S202):画素(k,l)の現在の状態値Xk,l がjであるとする。現在の状態値に対応する確率p(Xk,l =j)を用いて、次式で定義される選択確率qを計算する。
Figure 0003890219
【0052】
但し、tは前回状態を更新した時刻からの時間である。
【0053】
(S203):前述の乱数発生手段を用いて乱数を1個生成し、それがq以下ならば、画素(k,l)を状態更新の対象として選択し、処理を終了する。そうでなければ(S201)に進む。
【0054】
(S7)で実行される画素状態更新手続きを以下に説明する(図3参照)。但し、以下の処理は、HDD2004からRAM2003に複写されたプログラムに従ってCPU2002が演算を行う。又、下記の変数は、RAM2003の適当な領域に確保される。
【0055】
(S301):画素の各状態値jについて、次式で定義されるエネルギ関数の
Figure 0003890219
ここで、Nk,l は画素(k,l)の近傍系であり、例えば、
Figure 0003890219
のような4近傍で良い。又、δ(x)はr=0のとき1、それ以外で0を取る関数である。Yk,l は入力データである。上式の左辺第1項は、周りの画素と同じ状態を取るときにはエネルギが低く、そうでないとき高くなる。第2項は、入力データと異なったとき高くなる。
【0056】
(S302):各状態値jに対するエネルギ関数E(Xk,l =j)から、それぞれの確率p(Xk,l =j)を計算する。:
Figure 0003890219
但し、θは温度パラメータと呼ばれる変数であり、次式で計算される。:
Figure 0003890219
ここで、Cは3程度の値を取る正定数、tは処理の反復回数である。
【0057】
(S303):確率分布を基に画素の状態値を決定する。
【0058】
(S303)で実行される処理は、例えば以下の方法で実現できる。
【0059】
・確率分布から累積分布を計算する。累積分布によって0〜1の区間が各状態値毎に割り当てられる。例えば、画素が取り得る状態値を10個とすると、
0≦b1 <b2 <…<b9 <1 (9)
なる9個のbj が得られる。状態値jに対応する区間は[bj-1 ,bj ]である。
【0060】
・(0,1)の範囲の一様乱数sを1個生成し、累積分布との対応によって状態値を決定する。即ち、乱数がらbj-1 ≦s<bj なる式を満足するとき、状態値としてjを選択することにする。
【0061】
別の方法として、出現確率が最大となる状態を採用するという方法がある。
【0062】
(実験による検証)
高速化によって得られた解の評価関数値が通常の方法による評価関数値(エネルギ関数値)と変わらないことを確認するために、次の3通りの方式に対してシミュレーション実験を行った:
方式1:全ての画素について確率分布に従って状態を確率的に更新する方法
方式2:更新画素選択方式を用いて選択した画素に対して確率的に状態更新を行う方法
方式3:更新画素選択法式を用いて選択した画素に対して最大の出現確率を取る状態を選択する方法
実験は、コンピュータで元画像を生成し、全画素の20%に当たる数の画素の状態を一様乱数で変更することによって劣化画像を作った。このような劣化画像10枚に対する平均性能を示したのが図4である。図4中、横軸は状態更新処理を施した画素の述べ数、縦軸は最終的に達成されたエネルギ関数である。従って、左下に位置する点に対応する方式程、性能が良いことになる。
【0063】
菱形が方式1、実線の楕円で囲まれている点が方式2、一点鎮線の楕円に含まれる点が方式3である。方式2及び3では、式(3)のγの値を10通り変化させて性能を評価している。グラフより、方式3が優れていることが分かる。
【0064】
<実施の形態2>
本実施の形態では、画像領域分割への応用として、ガウスマルコフ確率場(GMRF)を用いた応用事例を示す。実施の形態1との差違は、モデルの構造とエネルギ関数の定義である。従って、構成図は実施の形態1と同じ図6に示されるものである。
【0065】
図6において、CPU2002の処理と、RAM2003に確保される変数が異なる。本実施の形態では、HDD2004に記憶された処理対象画像から以下の処理結果を計算し、HDD2004の別の適当な領域に記憶する。:
1.与えられた元の画像
2. 画素に領域番号を格納することによって領域のマップを表現するラベル画像
ラベル画像を用いれば、各領域に属する画素を知ることができる。従って、次のような情報を生成することができる。:
{領域番号、領域に属する画素のヒストグラム} (10)
或は次のような情報も領域の特徴量として有効である。:
{色の平均ベクトル、色の共分散行列} (11)
GMRFは結合MRFの一種である。結合MRFは、観測過程Yと領域過程Xという2種類の確率空間から構成される。観測過程Yは、観測される画像に対応する確率空間、領域過程Xは、領域番号を画素値として持つ画像に対応する確率空間である。これらの確率空間は、領域過程が情報源で、それを観測した結果として観測過程が存在する。
【0066】
XからYへの条件付き確率が与えられているとき、画像の領域分割は次のように数学的に定式化される。:
画像Y=y,{ym,n },m=1,…,M,n=1,…,Nが与えられたとき、その情報源としての領域画像X=x,{xm,n }を次式で与えられる事後確率を最大にするxとして推定する。:
Figure 0003890219
但し、xm,n は、観測過程、即ち与えられた画像の(m,n)画素が属する領域の番号であり、領域数をRとしたときに、D={1,…,R}の集合に属する。
【0067】
上記事後確率の式に、MRFと、或る仮定を導入することによって、上式と同じ関係が局所的に成立するようにできる。:
Figure 0003890219
ここで、Xm,n 及びYm,n は、それぞれ領域過程及び観測過程の(m,n)番目の画素に対する確率変数を表している。又、Nm,n は、Xm,n の近傍系である。
【0068】
GMRFでは、上式の左辺に現れるp(Ym,n =y|Xm,n =x)が正規分布をしていると仮定する。即ち、Xm,n =xなる領域に属する画素の色ベクトルYm,n がym,n である確率は、次式のように多次元正規分布で表されると仮定する。:
Figure 0003890219
但し、θ-1 は前述した温度パラメータ、μx 、Σx は、領域xに属する画素の色ベクトル集合Ax における平均ベクトルと共分散行列である。:
Figure 0003890219
又、ZYXは分配関数であり、次式で与えられる。:
Figure 0003890219
p(Xc )は領域過程X上のXm,n を含むクリークXc の配意空間上での確率分布である。この確率分布は、画素Xm,n とその近傍系Nm,n とで次式のように書き直すことができる、:
Figure 0003890219
但し、θ-1は前述した温度パラメータ、p(Nm,n =z)のzは近傍系に属する画素の状態値の組で構成されるベクトルである。
【0069】
上式右辺のp(Nm,n =n)は、近傍系の画素に対する先験的知識が与えられない場合等の原理に従って可能な状態値の数の逆数を代入する。
【0070】
クリークに対する確率分布は、或る画素が属する領域は、その近傍に位置する画素が属する領域と同じであることが望ましいという仮定に基づいてモデル化する。これを式で表現すると以下のようになる。:
Figure 0003890219
ここで、h(ym,n ,yk,l )は、画素値の連続性を表現する関数であり、次式で定義される。:
Figure 0003890219
但し、thrは0に近い正整数である。又、δ(a)はa=0のとき1、それ以外で0を取るデルタ関数、ηは正整数である。
【0071】
図5に実施の形態2を自然画像に適用した例を示す。図中(a)が元画像、(b)が通常の処理による結果、(c)が本発明による結果である。(c)は(b)に比べて半分以下のCPU時間で処理を終えている。どちらも、例えば顔の領域が1つの領域として得られているように、人間にとって不自然でない領域分割結果が得られている。このように、同様な結果をより短時間で計算できることから、本発明が良好な結果を提供することが分かる。
【0072】
【発明の効果】
以上の説明で明らかなように、本発明によれば、画像処理装置に、画像入力手段と、該画像入力手段によって入力された画像から画素の状態値を更新すべき画素を選択する画素選択手段と、該画素選択手段によって選択された画素の状態値を更新すべきか否かを当該画素の状態値から計算される選択確率に基づいて判定する判定手段と、該判定手段によって更新すべきと判定された画素の状態値を更新する更新手段と、該更新手段による更新後の画像を出力する画像出力手段とを備えたため、画像の修復や領域分割等に応用されている基板技術としてのマルコフ確率場を高速で実行することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像処理装置における全体の処理手順を示すフローチャートである。
【図2】本発明の実施の形態1に係る画像処理装置におけるセル選択処理手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施の形態1に係る画像処理装置における画素の状態値更新処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施の形態1における効果の検証図である。
【図5】本発明の実施の形態2における結果の一例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る画像処理装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
2001 入力装置
2002 CPU
2003 RAM
2004 HDD
2005 キーボード
2006 ディスプレイ
2007 ROM

Claims (5)

  1. 画像入力手段と、
    該画像入力手段によって入力された画像から画素の状態値を更新すべき画素を選択する画素選択手段と、
    該画素選択手段によって選択された画素の状態値を更新すべきか否かを当該画素の状態値から計算される選択確率に基づいて判定する判定手段と、
    該判定手段によって更新すべきと判定された画素の状態値を更新する更新手段と
    該更新手段による更新後の画像を出力する画像出力手段とを備えたことを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記更新手段による画素の状態値の更新がなされない場合に、当該状態値から計算される選択確率を予め定められた規則に従って増加させることを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  3. 前記画素選択手段は、画素の状態値を更新すべき画素をランダムに選択することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  4. 前記判定手段は、前記選択確率が判定ごとに決定される閾値以上であれば、前記選択された画素の状態値を更新すべきと判定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
  5. 前記更新手段は、前記更新すべきと判定された画素の更新後の状態値を、当該画素に隣接する画素の状態値に基づいて決定することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
JP2001334079A 2001-10-31 2001-10-31 画像処理装置 Expired - Fee Related JP3890219B2 (ja)

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