JP2003143243A - 変調方式識別回路、これを備えた受信装置、無線局、及び変調方式識別方法 - Google Patents
変調方式識別回路、これを備えた受信装置、無線局、及び変調方式識別方法Info
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Abstract
識別精度を得ることができる変調方式識別回路、これを
備えた受信装置、無線局、及び変調方式識別方法を得
る。 【解決手段】 予め定められた複数の変調方式のうち、
何れかの変調方式で変調された受信信号を入力し、当該
受信信号を直交座標上で表現された直交信号に変換する
受信信号変換手段と、複数の変調方式各々のコンスタレ
ーションに基づいて予め決定された各信号点各々に関す
る尤度系算用信号値、及び前記直交信号に基づいて、所
定の方法により各変調方式の尤度をそれぞれ算出する尤
度計算手段と、前記複数の尤度に基づいて前記受信信号
の変調方式を識別する識別判定手段とを備える。
Description
の無線局における信号処理に関するものであり、特に、
受信信号に基づいて未知の変調方式を識別する変調方式
識別回路、これを備えた受信装置、無線局、及び変調方
式識別方法に関する。
線通信システムが混在する環境下において、一局の無線
局で多数の通信方式に対応可能とする通信技術として、
従来ハードウエアで行われていた無線信号処理機能をソ
フトウエアによって実現するソフトウエア無線技術(S
DR:Software Defined Radio)が注目を浴びている。
ソフトウエア無線技術は、DSP(Digital Signal Pro
cessor)やFPGA(Field Programmable Gate Arra
y)等のプログラマブルで更新可能な信号処理デバイス
を用い、無線信号処理機能をソフトウェアによって実現
するものであり、単一のハードウエア構成でも複数の通
信システムに対応できるマルチモード通信や、通信環境
の変化に応じて最適な通信システムを自動選択し無線信
号処理機能を最適化する環境適応通信、伝送路状況に応
じて伝送品質やスループットの向上を実現する適応変復
調通信などが実現可能となる。
現するための要素技術の一つとして、受信信号に基づい
て未知の変調方式を特定する変調方式識別技術の検討が
行われている。以下で、例えば「最近傍決定法による変
調信号自動識別技術」(吉岡他、電子情報通信学会論文
誌(B),Vol.J84−B,No.7,pp.11
76‐1186(2001年7月))に開示された、従
来の変調方式識別技術について説明する。
ず受信側の無線局が受信信号に基づいて瞬時振幅値の標
準偏差と、所定数の連続シンボル時間の位相差分値の分
散とを算出する。次に当該無線局は、当該瞬時振幅値の
標準偏差及び位相差分値の分散に基づいて、以下に示す
最近傍決定法による変調方式の識別処理を行う。
記瞬時振幅値の標準偏差及び位相差分値の分散の代表的
な数値範囲を各変調方式のプロトタイプとして受信側の
無線局に予め記憶しておく。例えば前述の従来技術で
は、図13に示すように、推定対象となる受信信号の各
変調方式(BPSK、QPSK、π/4QPSK、GM
SK、16QAM)に各々対応した、瞬時振幅値の標準
偏差及び位相差分値の分散のプロトタイプが、予め計算
機シミュレーションや予備実験などにより算出され、各
変調方式のプロトタイプが予め受信側の無線局に記憶さ
れている。
の受信信号が入力され、当該受信信号に関する瞬時振幅
値の標準偏差及び位相差分値の分散が算出されると、該
無線局は算出された瞬時振幅値の標準偏差及び位相差分
値の分散と、各プロトタイプとの誤差距離をそれぞれ算
出し、当該誤差距離が最小となるプロトタイプに対応す
る変調方式を識別結果として出力する。
別回路では、変調方式識別処理のために、計算機シミュ
レーションや予備実験などを行い、各変調方式のプロト
タイプを予め受信側の無線局に記憶しておく必要があ
る。しかし実際の無線通信では、ガウス通信路やフェー
ジング通信路等というように通信環境に応じて受信信号
の特徴量が変動する。したがって、予め計算機シミュレ
ーション等で用いられた伝送路状況と、実際の無線局間
の伝送路状況とが相違している場合には、変調方式の識
別精度が低下するといった課題があった。
は複数の伝送路状況について予め計算機シミュレーショ
ン等を行い、各変調方式について複数の伝送路状況に応
じた複数のプロトタイプをそれぞれ準備しておくといっ
た方法がとられるが、このような方法では無線局の記憶
容量が増大するとともに、受信信号を元に算出された瞬
時振幅値の標準偏差及び位相差分値の分散と各プロトタ
イプとの誤差距離算出し、これらを比較識別する演算処
理負荷が増大するといった課題があった。
れたものであり、実際の無線局間の伝送路状況が未知で
あっても高い識別精度を得ることができる変調方式識別
回路、これを備えた受信装置、無線局、及び変調方式識
別方法を提供することを目的とする。
を達成するために、本発明に係る変調方式識別回路は、
予め定められた複数の変調方式のうち、何れかの変調方
式で変調された受信信号を入力し、当該受信信号を直交
座標上で表現された直交信号に変換する受信信号変換手
段と、前記直交信号及び前記複数の変調方式のコンスタ
レーションに基づいて、所定の方法により各変調方式の
尤度をそれぞれ算出する尤度計算手段と、前記複数の尤
度に基づいて前記受信信号の変調方式を識別する識別判
定手段とを備える。
て、尤度計算手段は、複数の変調方式各々のコンスタレ
ーションに基づいて予め決定された各信号点各々に関す
る尤度計算用信号値と、直交信号とに基づいて、所定の
方法により各変調方式の尤度をそれぞれ算出する構成と
される。
て、尤度計算手段は、複数の変調方式の各信号点と、直
交信号との信号点間距離を算出し、当該信号点間距離に
基づいて各変調方式の尤度をそれぞれ算出する構成とさ
れる。
て、識別判定手段は、前記複数の変調方式それぞれに対
応する複数の判定値であって、受信信号の変調方式に対
応する判定値が最大となるものを、各変調方式の尤度に
基づいて所定の方法により算出し、前記最大の判定値に
対応する変調方式を識別結果として出力する構成とされ
る。
調方式の尤度を所定の観測シンボル数に亘って累積加算
し、尤度の累積加算値を識別判定手段に出力する累積加
算手段をさらに備える。
010]ないし[0014]の何れかに記載の変調方式
識別回路と、該変調方式識別回路の識別結果に基づいて
受信信号の復調処理を行い復調データを出力する復調器
とを備える。
送路状況を推定する伝送路推定手段と、推定された伝送
路状況に応じた変調方式の選択を行う変調方式制御手段
と、該変調方式制御手段によって選択された所定の変調
方式に従って送信データを変調処理し、変調信号を送信
する変調手段とを備えた送信装置と、前記段落[001
5]に記載の受信装置とを備える。
定められた複数の変調方式のうち、何れかの変調方式で
変調された受信信号を入力し、当該受信信号を直交座標
上で表現された直交信号に変換する受信信号変換工程
と、前記直交信号及び前記複数の変調方式のコンスタレ
ーションに基づいて、所定の方法により各変調方式の尤
度をそれぞれ算出する尤度計算工程と、前記複数の尤度
に基づいて前記受信信号の変調方式を識別する識別判定
工程とを備える。
て、尤度計算工程は、複数の変調方式各々のコンスタレ
ーションに基づいて予め決定された各信号点各々に関す
る尤度計算用信号値と、直交信号とに基づいて、所定の
方法により各変調方式の尤度をそれぞれ算出する。
て、尤度計算工程は、複数の変調方式の各信号点と、直
交信号との信号点間距離を算出し、当該信号点間距離に
基づいて各変調方式の尤度をそれぞれ算出する。
て、識別判定工程は、前記複数の変調方式それぞれに対
応する複数の判定値であって、受信信号の変調方式に対
応する判定値が最大となるものを、各変調方式の尤度に
基づいて所定の方法により算出し、前記最大の判定値に
対応する変調方式を識別結果として出力する。
調方式の尤度を所定の観測シンボル数に亘って累積加算
し、尤度の累積加算値を識別判定工程に出力する累積加
算工程をさらに備える。
形態1の無線局及び通信システムの構成図である。図1
において、1は送信データを所定の変調方式により変調
処理する変調部、2は変調処理された送信データを無線
信号に変換して送信する送信部、3は無線信号を受信す
る受信部、4は受信部3で受信された受信信号を所定の
復調方式により復調処理して復調データを出力する復調
部、5は受信信号を基に伝送路状況を推定する伝送路推
定部、6は無線信号の変調方式を制御する変調方式制御
部である。
ムの各無線局A、Bの動作について説明する。まず無線
局Aの受信部3は、無線局Bの送信部2から送信された
無線信号を受信し、当該無線信号の信号電力の増幅処理
や周波数変換処理等を行い、後段の信号処理に適した受
信信号に変換する。次に復調部4は、前記受信部3から
出力された受信信号を入力し、変調方式の識別を行うと
ともに、当該識別された変調方式により当該受信信号を
復調処理し、復調データを出力する。
2において、10はの変調方式を識別する変調方式識別
回路、11は受信信号の伝送速度を推定する伝送速度推
定回路、12は変調方式識別回路10の識別結果に対応
する復調方式で前記受信信号の復調処理する復調処理回
路である。また、20は受信信号から所望の周波数成分
を濾波する低域通過フィルタ部(以下、LPF部)、2
1は前記LPF部の出力信号に基づいて当該信号のビッ
トタイミングを再生するBTR部、22は受信信号を周
波数補正制御する自動周波数制御部(以下、AFC
部)、23は当該受信信号の搬送波を再生する搬送波再
生部(以下、CR部)、24はCR部23で再生された
再生搬送波に基づき受信信号の判定処理を行って復調デ
ータを生成する判定部である。
まず伝送速度推定回路11は、当該復調部4に入力され
た受信信号の伝送速度をフーリエ変換処理して周波数ス
ペクトルを算出し、当該周波数スペクトルのピーク成分
の周波数値に基づき、当該受信信号の伝送速度を推定す
る。
力される。当該復調処理回路12においてLPF部20
は、前記伝送路推定回路11により推定された受信信号
の伝送速度に基づいて、所望の濾波周波数帯域を決定し
当該受信信号のフィルタリング処理を行う。BTR部2
1は、前記推定伝送速度に基づいて、LPF部20によ
って濾波処理された受信信号からシンボルタイミングを
抽出し、当該シンボルタイミングに同期した受信信号デ
ータを出力する。
信号データを入力し前記受信信号の変調方式を識別す
る。図3は、変調方式識別回路10の構成図である。図
3において、30は受信信号の信号位相θを算出する位
相算出部、31は位相θの所定シンボル間の差分量Δθ
を算出する位相差分部、32は位相差分量Δθを直交座
標で表された直交信号に変換する直交座標変換部、33
は各変調方式に関する尤度ρkを算出する尤度計算部、
34は尤度ρkを所定シンボル間に渡って累積加算する
累積加算部、35は尤度ρkの累積加算結果に基づき変
調方式の識別を行う識別判定部である。
を図面に従って説明する。図4は、受信信号の各変調方
式(BPSK、QPSK、π/4シフトQPSK、8P
SK、MSK)の理想的な信号点のコンスタレーション
を、直交座標系(I−Q平面)で示した説明図である。
復調部4に入力される受信信号は、図4に示す何れかの
変調方式(BPSK、QPSK、π/4シフトQPS
K、8PSK、MSK)で変調処理されており、変調方
式識別回路10は当該受信信号に基づいて変調方式の識
別処理を行う。
n:任意の整数)において、前記BTR部21から出力
された受信信号データSR(n) SR(n)(=SRI(n)+jSRQ(n)) ・・・式1 が当該変調方式識別回路10に入力される。位相算出部
30は、下記式2に従い受信信号データSR(n)から位
相θ(n)を算出する。 θ(n)=tan−1(SRQ(n)/SRI(n)) ・・・式2 ただし、−180°≦θ(n)<180°
含まれるキャリア位相成分や周波数偏差による影響を低
減するため、下記式3に示す通り、時刻nTsにおける
位相θ(n)と、時刻(n−1)Tsにおける位相θ(n−
1)との差分を算出し、位相差分量Δθ(n)を算出す
る。 Δθ(n)=θ(n)−θ(n−1) ・・・式3 ここで、位相差分部31から出力された位相差分量Δθ
(n)の直交座標系上のコンスタレーションは図5に示す
通りとなり、各変調方式でそれぞれ異なるコンスタレー
ションとなる。
θ(n)を入力し、下記式4−1〜4−3に従って、直交
座標系のデータ{SNDI、SNDQ}からなる直交信
号S ND(n)を出力する。 SND(n)=SNDI(n)+jSNDQ(n) ・・・式4−1 SNDI(n)=cos(Δθ(n)) ・・・式4−2 SNDQ(n)=sin(Δθ(n)) ・・・式4−3
変調方式の各信号点について、変調方式の「もっともら
しさ」を表す尤度を計算するための尤度計算用信号値W
ki(kは変調方式を特定するための番号、iは信号点
を特定するための番号)が予め保存されている。前記直
交座標変換部32から直交信号SND(n)が出力される
と、尤度計算部33は下記式5に従って、当該直交信号
SND(n)と各変調方式の各信号点に関する尤度計算用
信号値Wkiとの内積値ρki(n)を算出する。 ρki(n)=SNDI(n)・WkiI+SNDQ(n)・WkiQ ・・・式5
いて複数の信号点で算出された内積値ρki(n)のうち
で最大のものを選択し、これを当該変調方式に関する尤
度ρ k(n)とする。即ち、各変調方式の尤度ρk(n)は
下記式6で与えられる。 ρk(n)=maxi(ρki(n)) ・・・式6
0,1)に関する尤度計算の具体例を示した説明図であ
る。図7の例では、直交座標変換部32から出力された
直交信号SND(n)≒(0.34,0.94)と、i=
0に対応した尤度計算用信号値W10=(1,0)、及
びi=1に対応した尤度計算用信号値W11=(−1,
0)との間で、上記式5及び式6に示す尤度計算処理を
行い、当該変調方式に関する尤度ρ1(n)=0.34を
出力する。
力された各変調方式に関する尤度ρ k(n)(k=1,2,
…,5)を、変調方式識別処理のために予め定められた
所定の観測シンボル数Nだけ各々累積加算し、尤度の累
積加算値<ρk>(k=1,2,…,5)を算出する。す
なわち、尤度の累積加算値<ρk>は下記式7で算出さ
れる。
ら出力された各変調方式の尤度の累積加算値<ρk>
(k=1,2,…,5)に基づき、下記式8−1〜8−5
に従って、変調方式を特定するための判定値D1〜D5
を算出する。 D1=α1<ρ1>−β1<ρ2> ・・・式8−1 D2=α2<ρ3>−β2<ρ4> ・・・式8−2 D3=α3<ρ4>−β3<ρ3> ・・・式8−3 D4=α4<ρ5>−β4max[<ρ3>, <ρ4>] ・・・式8−4 D5=α5<ρ2>−β5<ρ1> ・・・式8−5 ただし、αj、βj(j=1,2,…,5)は、判定値D
1〜D5算出のため予め定められた重み係数である。
(j=1,5)及びαj=βj=2(j=2〜4)と
し、受信信号のSN比が無限大で受信信号のデータ系列
がランダムであると仮定して、前記観測シンボル数をN
とした場合には、上記式8−1〜8−5に基づいて算出
された判定値D1〜D5は、各変調方式について図8に
示された値をとる。すなわち、受信信号の変調方式がB
PSKの場合は判定値D1が最大となり、以下、QPS
Kの場合は判定値D2が最大、π/4シフトQPSKの
場合は判定値D3が最大、8PSKの場合は判定値D4
が最大、MSKの場合は判定値D5が最大となる。識別
判定部35は、算出された各判定値D1〜D5のうち最
大のものを特定し、当該特定された判定値に対応する変
調方式を識別結果として出力する。
路10の計算機シミュレーションによる各変調方式の識
別率の評価結果を示した特性図である。図9において、
(a)はフェージング通信路における変調方式の識別率
の評価結果、(b)はガウス通信路における識別率の評
価結果を示す(観測シンボル数N=300シンボル)。
図9より明らかであるとおり、受信信号の1シンボル当
りのSN比(Es/N0)が、フェージング通信路で1
4dB以上、ガウス通信路で9dB以上であれば、各変
調方式とも高い識別率が得られている。
0の識別結果に対応した復調方式に基づいて、前記受信
信号データSR(n)の周波数偏差の推定し、当該周波数
偏差の補償処理を行う。またCR部23は、周波数偏差
補償後の受信信号データを入力し、変調方式識別回路1
0の識別結果に対応した復調方式に基づいて当該受信信
号の搬送波信号を再生する。さらに判定部24は、前記
再生搬送波信号に基づいて、変調方式識別回路10の識
別結果に対応した復調方式に従い、前記受信信号データ
のデータ判定処理し復調データを生成する。以上が無線
局Aの復調部4における受信信号処理の説明である。
3から出力された受信信号に基づいて、信号電力対雑音
電力比(SN)やフェージングの変動速度、伝送路応答
特性等(以下、伝送路パラメータと呼ぶ)を検出し、伝
送路状況を推定する。
定された伝送路の状況に応じて無線局Bにおける伝送品
質が最適となるように変調方式の選択・制御を行う。例
えば、当該変調方式制御部6には、無線局A−B間で使
用する複数の変調方式(例えば、BPSK、QPSK、
π/4シフトQPSK、8PSK、MSKの5種類)に
それぞれに適した伝送路状況を規定するための、伝送路
パラメータに関する複数の閾値が予め記憶されており、
前記伝送路推定部5で検出された実際の伝送路パラメー
タと、当該複数の閾値とを比較することにより、無線局
A−B間の伝送路状況に適した変調方式を選択する。
選択された変調方式を用いて送信データを変調処理し、
送信部2は変調部1から出力された変調信号を所定の増
幅率で増幅処理し、無線周波数に周波数変換して無線信
号を生成し、無線局Bに対して送信する。
における受信信号処理と同様に、受信部3において無線
局Aより送信された無線信号の受信・増幅処理を行い、
復調部4において当該無線信号の変調方式識別処理及び
復調処理を行って復調データを得る。また、伝送路推定
部5において前記受信信号に基づき伝送路状況の推定を
行い、変調方式制御部6において推定された伝搬路状況
に基づき適切な変調方式を選択し、変調部1で当該変調
方式に従い送信データを変調処理して、送信部2におい
て変調信号を無線信号に変換して端末局Aに対して送信
する。
識別回路では、各変調方式の各信号点それぞれに関する
尤度計算用信号値Wkiを予め記憶しておき、当該尤度
計算用信号値Wkiと、受信信号を変換して得られた直
交信号SND(n)との内積値に基づいて各変調方式に関
する尤度ρk(n)をそれぞれ算出し、当該尤度ρk(n)
に基づいて、例えば上記式8−1〜8−5に示すような
方法により、受信信号が変調処理された一の変調方式に
対応する判定値のみが最大となるような判定値D1〜D
5を導出して、未知の変調方式の識別を行うような構成
としたため、変調方式識別のために伝送路状況に応じた
受信信号の特徴量のプロトタイプを受信無線局に予め準
備する必要がなく、想定された伝送路状況が実際の無線
局間の伝送路状況と相違している場合であっても、未知
の変調方式を高精度で識別することができる。
構成としたことにより、変調方式が未知の受信信号を入
力した場合であっても、当該受信信号に基づいて変調方
式を自動的に識別し、適切な方法で復調処理することが
できる。
において、復調部に変調方式識別回路を備える構成とし
たことにより、通信システム内の変調方式が伝送路状況
に応じて適応的に切替えられる場合であっても、変調方
式識別のための特定の制御情報を無線信号内に挿入する
必要がなく、伝送効率の向上を図ることができる。
部33は、受信信号を変換した直交信号SND(n)と各
変調方式の各信号点に関する尤度計算用信号値Wkiと
の内積値ρki(n)を算出しその最大値を尤度ρk(n)
としたが、尤度ρk(n)の計算方法はこれに限定される
ものではなく、例えば、受信信号の信号点と予め記憶さ
れた各変調方式の理想的な信号点(図5参照)との信号
点間距離に基づいて尤度ρk(n)を算出するような構成
であってもよい。
式識別回路では、位相算出部30において受信信号デー
タの位相θ(n)を算出し、位相差分部31により当該位
相の差分量Δθ(n)を算出したが、本実施の形態2で
は、前記受信信号データを遅延検波処理した後に、位相
算出処理を行って受信信号データの位相差分量Δθ(n)
を算出する。なお、本実施の形態2は上記実施の形態1
とは、変調方式識別回路における位相差分量Δθ(n)の
算出処理が異なるものであり、その他の構成は同様であ
るため、同一の構成には同一の符号を付して説明を省略
する。
回路10の構成図である。図10において、40は前記
BTR部21から出力された受信信号データを遅延検波
処理する遅延検波部である。
0の動作について説明する。まず、前記BTR部21か
ら出力された時刻nTsにおける受信信号データS
R(n)(=SRI(n)+jSRQ(n))は遅延検波部40
に入力される。遅延検波部40には前記受信信号データ
の1シンボル遅延データSR(n−1)が保存されてい
る。遅延検波部40は、下記式9に従い、前記受信信号
データSR(n)と、前記遅延データの複素共役値SR *
(n−1)(以下、*は複素共役値を表す)とを複素乗算
処理し、遅延検波処理済信号SD(n)(=SDI(n)+
jSDQ(n))を算出する。 SD(n)=SR(n)×SR *(n−1) ・・・式9 ただし、×は複素乗算処理を表すものとする。
記遅延検波部40から出力された遅延検波処理済信号S
D(n)から位相差分量Δθ(n)を算出する。 Δθ(n)=tan−1(SDQ(n)/SDI(n)) ・・・式10 ただし、−180°≦Δθ(n)<180°
0から出力された位相差分量Δθ(n)を座標変換処理し
て直交信号SND(n)を出力する。
識別回路では、上記実施の形態1と同様に変調方式識別
のために伝送路状況に応じた受信信号の特徴量のプロト
タイプを受信無線局に予め準備する必要がなく、想定さ
れた伝送路状況が実際と相違している場合であっても、
受信信号の未知の変調方式を高精度で識別することがで
きる。
式識別回路では、遅延検波部40において受信信号デー
タを遅延検波処理し、位相算出部30において遅延検波
処理済信号の位相を検出して差分量Δθ(n)を算出し、
直交座標変換部32で位相差分量Δθ(n)を座標変換処
理して直交信号SND(n)を生成したが、本実施の形態
3では、前記遅延検波処理済信号を所定の振幅レベルに
調整制御することにより直交信号SN D(n)を得る。な
お、本実施の形態3は上記実施の形態2とは、変調方式
識別回路における直交信号SND(n)の生成処理が異な
るものであり、その他の構成は同様であるため、同一の
構成には同一の符号を付して説明を省略する。
回路10の構成図である。図11において、41は前記
遅延検波部40から出力された遅延検波処理済信号の振
幅を制御する振幅制御部である。
て説明する。まず、BTR部21から出力された受信信
号データSR(n)(=SRI(n)+jSRQ(n))は、遅
延検波部40によって上記式9に従い遅延検波処理さ
れ、遅延検波処理済信号SD(n)(=SDI(n)+jS
DQ(n))が算出される。振幅制御部41は、遅延検波
処理済信号SD(n)を下記式11に従って演算処理し、
振幅レベルが一定である直交信号SND(n)を算出す
る。 SND(n)=SD(n)/(SDI 2(n)+SDQ 2(n))1/2 ・・・式11
ら出力された振幅レベルが一定値の直交信号SND(n)
に基づいて尤度ρk(n)の算出処理を行う。
識別回路では、上記実施の形態1と同様に変調方式識別
のために伝送路状況に応じた受信信号の特徴量のプロト
タイプを受信無線局に予め準備する必要がなく、想定さ
れた伝送路状況が実際と相違している場合であっても、
受信信号の未知の変調方式を高精度で識別することがで
きる。
から出力された受信信号データSR(n)を遅延検波部4
0において遅延検波処理した後に、振幅制御部41にお
いて遅延検波処理済信号SD(n)の所定の振幅レベルに
調整制御することにより直交信号SND(n)を得たが、
変調方式識別回路10はこのような構成に限定されるも
のではない。例えば図12に示す通り、上記受信信号デ
ータSR(n)を振幅制御部41に入力し、下記式12に
従って振幅レベルが一定の受信信号データSN(n)に振
幅制御処理する。 SN(n)=SR(n)/(SRI 2(n)+SRQ 2(n))1/2 ・・・式12 その後、当該振幅制御後の受信信号データSN(n)を、
遅延検波処理部40にて遅延検波処理して直交信号S
ND(n)を得るような構成であっても、上記実施の形態
3と同様の効果を得ることは当然可能である。
変調方式で変調処理された受信信号を入力し、当該受信
信号を直交座標上に座標変換処理した直交信号と、想定
される複数の変調方式各々のコンスタレーションとに基
づいて各変調方式の尤度を算出し、当該尤度に基づいて
前記受信信号の変調方式を識別するような構成としたこ
とにより、無線局間の伝送路状況が未知であっても高精
度に変調方式を識別することができる、といった効果を
奏する。
と、複数の変調方式各々のコンスタレーションに基づい
て予め決定された各信号点各々に関する尤度計算用信号
値とに基づいて、所定の方法により各変調方式の尤度を
それぞれ算出する構成としたことにより、受信側の無線
局に複数の伝送路状況に応じた受信信号の特徴量のプロ
トタイプを予め保存しておく必要がなく、伝送路状況に
よらず高精度な変調方式識別回路を得ることができる、
といった効果を奏する。
各信号点と前記直交信号との信号点間距離を算出して各
変調方式の尤度を算出するような構成としたことによ
り、受信側の無線局に複数の伝送路状況に応じた受信信
号の特徴量のプロトタイプを予め保存しておく必要がな
く、伝送路状況によらず高精度な変調方式識別回路を得
ることができる、といった効果を奏する。
の尤度に基づき、受信信号の変調方式に対応するものが
最大となる複数の判定値を所定の方法により算出し、最
大の判定値に対応する変調方式を識別結果として出力す
る構成としたことにより、簡易な演算処理により高精度
な変調方式識別回路を得ることができる、といった効果
を奏する。
の観測シンボル数に亘って累積加算するような構成とし
たことにより、受信信号の瞬時変動による影響を低減さ
せて高精度な変調方式識別回路を得ることができる、と
いった効果を奏する。
変調方式識別回路と復調器とを備える構成としたことに
より、未知の変調方式で変調処理された受信信号が入力
された場合であっても、当該変調方式を自動的に識別
し、適切な方法で復調処理することができる、といった
効果を奏する。
構成する各無線局において、受信信号から推定される伝
送路状況に応じて適切な変調方式を選択して送信データ
を変調処理する送信装置と、上記変調方式識別回路を備
えた受信装置とを備える構成としたことにより、通信シ
ステム内の変調方式が伝送路状況に応じて適応的に切替
えられる場合であっても、変調方式識別のための特定の
制御情報を無線信号内に挿入する必要がなく、伝送効率
の向上を図ることができる、といった効果を奏する。
テムの構成図である。
る。
構成図である。
調方式のコンスタレーションを表した説明図である。
コンスタレーションを表した説明図である。
号値の例を示した説明図である。
の具体例を示した説明図である。
果を示した説明図である。
よる各変調方式の識別率の評価結果を示した特性図であ
る。
の構成図である。
の構成図である。
回路の構成図である。
受信信号の特徴量のプロトタイプの例を表した模式図で
ある。
Claims (12)
- 【請求項1】 予め定められた複数の変調方式のうち、
何れかの変調方式で変調された受信信号を入力し、当該
受信信号を直交座標上で表現された直交信号に変換する
受信信号変換手段と、 前記直交信号及び前記複数の変調方式の各信号点の直交
座標上の配置(以下、コンスタレーションと呼ぶ)に基
づいて、所定の方法により各変調方式の尤度をそれぞれ
算出する尤度計算手段と、 前記複数の尤度に基づいて前記受信信号の変調方式を識
別する識別判定手段とを備えたことを特徴とする変調方
式識別回路。 - 【請求項2】 尤度計算手段は、複数の変調方式各々の
コンスタレーションに基づいて予め決定された各信号点
各々に関する尤度計算用信号値と、直交信号とに基づい
て、所定の方法により各変調方式の尤度をそれぞれ算出
する構成とされたことを特徴とする、請求項1記載の変
調方式識別回路。 - 【請求項3】 尤度計算手段は、複数の変調方式の各信
号点と、直交信号との信号点間距離を算出し、当該信号
点間距離に基づいて各変調方式の尤度をそれぞれ算出す
る構成とされたことを特徴とする、請求項1記載の変調
方式識別回路。 - 【請求項4】 識別判定手段は、前記複数の変調方式そ
れぞれに対応する複数の判定値であって、受信信号の変
調方式に対応する判定値が最大となるものを、各変調方
式の尤度に基づいて所定の方法により算出し、前記最大
の判定値に対応する変調方式を識別結果として出力する
構成とされたことを特徴とする、請求項1ないし3の何
れかに記載の変調方式識別回路。 - 【請求項5】 各変調方式の尤度を所定の観測シンボル
数に亘って累積加算し、尤度の累積加算値を識別判定手
段に出力する累積加算手段をさらに備えたことを特徴と
する、請求項1ないし4の何れかに記載の変調方式識別
回路。 - 【請求項6】 請求項1ないし5の何れかに記載の変調
方式識別回路と、 該変調方式識別回路の識別結果に基づいて受信信号の復
調処理を行い復調データを出力する復調器とを備えたこ
とを特徴とする受信装置。 - 【請求項7】 受信信号から伝送路状況を推定する伝送
路推定手段と、 推定された伝送路状況に応じた変調方式の選択を行う変
調方式制御手段と、 該変調方式制御手段によって選択された所定の変調方式
に従って送信データを変調処理し、変調信号を送信する
変調手段とを備えた、送信装置と、 請求項6に記載の受信装置とを備えたことを特徴とする
無線局。 - 【請求項8】 予め定められた複数の変調方式のうち、
何れかの変調方式で変調された受信信号を入力し、当該
受信信号を直交座標上で表現された直交信号に変換する
受信信号変換工程と、 前記直交信号及び前記複数の変調方式のコンスタレーシ
ョンに基づいて、所定の方法により各変調方式の尤度を
それぞれ算出する尤度計算工程と、 前記複数の尤度に基づいて前記受信信号の変調方式を識
別する識別判定工程とを備えたことを特徴とする変調方
式識別方法。 - 【請求項9】 尤度計算工程は、複数の変調方式各々の
コンスタレーションに基づいて予め決定された各信号点
各々に関する尤度計算用信号値と、直交信号とに基づい
て、所定の方法により各変調方式の尤度をそれぞれ算出
することを特徴とする、請求項8記載の変調方式識別方
法。 - 【請求項10】 尤度計算工程は、複数の変調方式の各
信号点と、直交信号との信号点間距離を算出し、当該信
号点間距離に基づいて各変調方式の尤度をそれぞれ算出
することを特徴とする、請求項8記載の変調方式識別方
法。 - 【請求項11】 識別判定工程は、前記複数の変調方式
それぞれに対応する複数の判定値であって、受信信号の
変調方式に対応する判定値が最大となるものを、各変調
方式の尤度に基づいて所定の方法により算出し、前記最
大の判定値に対応する変調方式を識別結果として出力す
ることを特徴とする、請求項8ないし10の何れかに記
載の変調方式識別方法。 - 【請求項12】 各変調方式の尤度を所定の観測シンボ
ル数に亘って累積加算し、尤度の累積加算値を識別判定
工程に出力する累積加算工程をさらに備えたことを特徴
とする、請求項8ないし11の何れかに記載の変調方式
識別回路。
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