JP2003142961A - 差動増幅回路およびレベル検出器 - Google Patents
差動増幅回路およびレベル検出器Info
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Abstract
OSトランジスタよりなるカレントミラー負荷と、定電
流源を有し、回路を構成するPMOSトランジスタのし
きい値電圧の絶対値がNMOSトランジスタのしきい値
電圧より小さく形成されている差動増幅回路において、
低レベル入力電圧が印加された場合においても高い差動
電圧利得を確保する。 【解決手段】 差動回路の各入力の前段にPMOSトラ
ンジスタで構成したソースフォロワ回路を介在させ、入
力電圧をそのゲート、ソース間電位差分だけプラス方向
にレベルシフトさせて差動回路に供給する。
Description
に電池等の低電圧電源で動作し、プラス数mV程度の低
レベル信号のレベル検出器に利用して有効な技術に関す
る。
を使用した電子回路を用いて処理されており、これらの
電子回路は電池からの単一電源で動作し、且つ低消費電
力で動作するようさまざまな工夫が施されている。たと
えば、ICカードを使用したETCS(自動料金徴収シ
ステム)用アナログ回路では、路上器アンテナが受信し
た信号をモニタし、信号を受信している間のみシステム
を通常消費電力状態で動作させ、信号を受信していない
時は低消費電力状態であるスリープ状態に保持して消費
電力を少なくすることが行われている。
の判定は、数mVという非常に低い電圧レベルで行われ
る。図3は従来技術の差動増幅回路によるコンパレータ
である。ここでこの差動増幅回路を前述のような低い電
圧のレベル検出に使用した場合に生ずる問題点、ひいて
は本発明が解決しようとする課題を明らかにするため
に、この回路の構成および動作について説明する。(以
下の説明においては、図3中の素子は全て同一ICチッ
プ上に形成され、トランジスタP1とP2、N1とN2
は同じ特性を有するものとする。)
ンジスタ(P-type Metal Oxide Semiconductor)P1、
P2のソースは互いに共通にPMOSトランジスタP3
のドレインに接続され、そのPMOSトランジスタP3
はソースが電源電圧Vddを供給する電源線に、ゲートは
PMOSトランジスタP4のゲートに接続されている。
そしてトランジスタP4は、ソースが電源電圧Vddを供
給する電源線に、ドレインとゲートは共通に接続された
上で抵抗Rを介して接地された基準電位Vgndにそれぞ
れ接続されている。これによりトランジスタP4のゲー
ト、ソース間の電圧VgsP4 は、その電流駆動能力が十
分高く形成されているとすると、PMOSトランジスタ
P4のしきい値電圧VthPにほぼ等しい一定電圧とな
る。従ってトランジスタP3のゲート、ソース間にもP
MOSトランジスタのしきい値電圧Vthpにほぼ等しい
一定電圧が常時加わる。この状態でトランジスタP3の
ドレイン、ソース間に僅かの電圧(ソースに対してドレ
インがマイナスとなる電圧)が加われば、トランジスタ
P3は定電流源として動作し、トランジスタP1、P2
のソース共通接続点に一定の電流が供給される。
は、能動負荷としてのカレントミラー回路を構成するN
MOSトランジスタ(N-type Metal Oxide Semiconduct
or)N1、N2のドレインにそれぞれ接続されている。
トランジスタN1、N2のゲートは、共通接続されてト
ランジスタN1のドレインに接続されているので、その
ゲート、ソース間電圧VgsN1、VgsN2が所定電圧以上
(例えばNMOSトランジスタのしきい値電圧VthN以
上)であれば、トランジスタN1、N2には殆ど等しい
大きさのドレイン電流Id1、Id2が流れる。
P1、P2のゲートに印加され、出力電圧Voutはトラ
ンジスタP2のドレインから取り出される。低電圧の単
一電源で動作させるために全てのトランジスタはエンハ
ンスメント型MOSにより形成されている。
基準電圧0Vとのレベル比較をする場合を考える。基準
電圧Vrefは0Vであるので、トランジスタP2のゲー
トを基準電位Vgndに接続し、微小入力電圧Vinはトラ
ンジスタP1のゲートに加えたとする。この場合の回路
の小信号差動電圧利得Admは、トランジスタP3が定電
流源として動作している場合には次式で表される。 Adm=(−1/2)gm・Rd (1)式 ここにgmはトランジスタP1、P2の相互コンダクタ
ンス、RdはトランジスタN1、N2のソース接地出力
抵抗である。
するためには、(1)式で表される差動電圧利得Admが
できる限り大きいことが望ましい。そのためには各トラ
ンジスタを相互コンダクタンスgmと出力抵抗Rdの値が
大きな値となる動作状態、即ち、ゲート、ソース間電圧
Vgsをパラメータとしてドレイン電流Idを縦軸に、ド
レイン、ソース間電圧Vdsを横軸にとって描いたMOS
トランジスタのソース接地出力特性図(以下、Id−Vd
特性図と略す)におけるドレイン電流の飽和領域で動作
させることが必要である。
−Vd特性図を示したものである。図中に示した飽和領
域では、ドレイン電流Idがドレイン、ソース間電圧Vd
sの変化に関わらず殆ど一定値で飽和の状態を呈する。
このため相互コンダクタンスgmおよび出力抵抗Rdは、
図中の非飽和領域で動作する場合と比べて非常に大きな
値となる。
MOSトランジスタがこのId−Vd特性図における飽和
領域で動作するのは、次の条件式が成立する場合である
ことが知られている。 |Vds|≧|Vgs|−|Vth| (2)式 ここにVdsはドレイン、ソース間電圧、Vgsはゲート、
ソース間電圧、Vthはしきい値電圧である。この(2)
式より、図3のトランジスタP1が相互コンダクタンス
の高い状態、即ち飽和領域で動作するための条件は次の
ようになる。 |VdsP1| ≧ (|VgsP1|−|VthP|) (3)式 ここにVthPはPMOSトランジスタP1のしきい値電
圧である。NMOSトランジスタN1のドレイン、ソー
ス間電圧をVdsN1とすると(3)式より次式が導かれ
る。 |VthP|+ Vin ≧ VdsN1 (4)式
状態、即ち飽和領域で動作する条件を考えると、トラン
ジスタN1はゲート電圧とドレイン電圧とが等しいこと
から、常に(2)式を満足している。即ち、ドレイン電
流が流れている状態では常に飽和領域で動作しているこ
とになる。このことからトランジスタN1が飽和状態で
動作するための条件は、次式で表せる。 VdsN1 ≧ VthN (5)式 (4)、(5)式をまとめると、次式のようになる。 |VthP|+ Vin ≧ VdsN1 ≧|VthN| (6)式 これより入力電圧Vinが0Vの基準電圧に等しい場合には、次のようになる。 |VthP|≧ VdsN1 ≧|VthN| (7)式 以上はトランジスタP1、N1について検討してきた
が、トランジスタN1とN2、P1とP2は同特性であ
るので、入力電圧Vinと基準電圧Vrefが共に0Vであ
る場合には、(6)式はトランジスタP2、N2が飽和
領域で動作するための条件でもある。
飽和領域で動作できないトランジスタがあることを、具
体的な数字による例で説明する。いま、図3の回路を次
の条件で動作させたとする。 PMOSしきい値電圧: |VthP|=0.9V NMOSしきい値電圧: |VthN|=1.0V 電源電圧 : Vdd=2.5V 入力電圧、基準電圧 : ViN=Vref=0V 電源基準電位 : Vgnd=0V 定電流を供給するトランジスタP3の電流駆動能力は十
分に高いものとする。
3、能動負荷N1、N2がすべて飽和領域で動作してい
るとすると、トランジスタP3のドレイン電位は電源電
圧より約0.1V低い約2.4V、トランジスタN1の
ドレイン電位は、基準電位よりNMOSトランジスタの
しきい値電圧より少し高い約1.1Vとなる。この結果
トランジスタP1のドレイン、ソース間電圧の絶対値は
1.3V、ゲート、ソース間電圧の絶対値は2.4Vと
なる。トランジスタP1が飽和領域で動作するには、ゲ
ート、ソース間電圧2.4VからPMOSトランジスタ
のしきい値電圧0.9Vを差し引いた1.5V以上でな
ければならない。しかしトランジスタP1のドレイン、
ソース間電圧は、これより小さい1.3Vである。従っ
て、トランジスタP1は飽和領域で動作することができ
ず、非飽和領域で動作することとなる。
なことが言える。即ち、図3の差動増幅回路を、入力電
圧Vinおよび基準電圧Vrefを電源基準電位Vgndに近い
低レベルにして動作させた場合において、PMOSトラ
ンジスタのしきい値電圧VthPの絶対値が、NMOSト
ランジスタのしきい値電圧VthNの絶対値より小さく形
成されていると、トランジスタP1、P2、N1、N2
の内の何れか1個または複数個の動作点が飽和領域から
外れて非飽和領域に移ることとなるため、(1)式で表
される差動電圧利得Admが十分に得られず、増幅器とし
ての性能が低下するという問題が生ずる。
を解決せんとするものであって、その目的は、図3に示
すような従来の差動増幅回路を、電源基準電位Vgnd近
傍の入力電圧で動作させた場合において、回路を構成す
るPMOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値がNM
OSトランジスタのしきい値電圧の絶対値より小さく形
成されていても、回路を構成するトランジスタを全てド
レイン電流の飽和領域で動作させるようにして差動電圧
利得Amdの低下を防ぎ、電圧利得が高く、安定動作する
差動増幅回路を提供することにある。
本発明の構成は、差動対をなすPMOSトランジスタの
各ゲートの前に、定電流源とPMOSトランジスタとで
構成するソースフォロワ回路を使用したレベルシフト回
路を追加し、PMOSトランジスタのしきい値電圧分だ
け入力電圧をプラス方向にレベルシフトした電圧が、差
動対トランジスタのゲートに加わるようにした。このた
め、入力電圧が電源基準電位Vgnd近傍の低レベルであ
っても、前記(6)式の条件が満たされる結果、回路を
構成する全てのトランジスタがドレイン電流飽和領域で
動作することとなり、高い差動電圧利得Amdが得られる
効果を生ずる。
図1を用いて説明する。図中の1は第1のレベルシフト
回路、2は第2のレベルシフト回路である。この第1、
第2のレベルシフト回路1、2を除いた回路部分は図3
に示した差動増幅回路と同じであり、その構成および動
作は「従来の技術」の項で詳述した通りである。(図1
中、図3と同じ部分は同じ符号が付してある。)
トランジスタP5、P6を縦続接続してソースフォロワ
回路構成としたもので、一方のトランジスタP6のソー
スは電源電圧Vddを供給する電源線に接続され、他方の
トランジスタP5のドレインは、電源基準電位 Vgndに
接続される。共通接続されたトランジスタP5のソース
とトランジスタP6のドレインの接続点3は、第1のレ
ベルシフト回路の出力電圧が現れる個所であり、差動対
の反転入力端子であるトランジスタP1のゲートに接続
される。電源基準電位Vgnd側に接続されたトランジス
タP5のゲートには入力電圧Vinが印加され、他方、電
源Vdd側に接続されたトランジスタP6のゲートはトラ
ンジスタP4のゲートに接続される。
間電圧は、ゲートとドレインが共通に接続されているた
め、トランジスタP4の電流駆動能力が高く形成されて
いれば、PMOSトランジスタのしきい値電圧に殆ど等
しい一定の値となる。従って、トランジスタP6のゲー
ト、ソース間電圧もPMOSトランジスタのしきい値電
圧に殆ど等しい一定値に維持されるため、トランジスタ
P6は電流源として動作し、電源基準電位Vgnd側に接
続されたトランジスタP5のドレインに一定の電流Id6
を供給する。この結果、第1のレベルシフト回路の出力
にあたる接続点3の電位Vin1は、トランジスタP5の
ゲート電位に、トランジスタP5のゲート、ソース間電
圧の絶対値|VgsP5|がプラスされた電位となる。この
電圧|VgsP5|はトランジスタP5に供給されるドレイ
ン電流Id6に依存するが、トランジスタP5がドレイ
ン電流Id6を十分駆動できる能力を有している場合に
は、PMOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値|V
thP|に殆ど等しい値となる。従って、次の式が成り立
つ。 Vin1 ≒ Vin + |VthP| (8)式
も、第1のレベルシフト回路1と同じである。異なるの
は電源基準電位Vgnd側に接続されたトランジスタP7
のゲートには、差動入力の他方の入力電圧Vrefが印加
され、そのレベルシフトされた出力であるトランジスタ
P7のソースが差動対の非反転入力端子であるトランジ
スタP2のゲートに接続される点である。
と同じ条件、即ち、基準電圧Vrefを与える端子を電源
基準電位Vgndに接続して0Vとし、入力電圧Vinとし
て電源基準電位Vgnd近傍の微小電圧を加えて動作させ
たとする。この場合に回路中の全てのトランジスタが飽
和領域で動作する条件は、(8)式のVin1を(6)式
のVinに代入して次のようになる。 2|VthP|+ Vin ≧ VdsN1 ≧ |VthN| (9)式 従って、VdsN1が|VthN|に殆ど等しい場合には、入
力電圧Vinが0Vであっても次の式、 2|VthP| ≧ |VthN| が成り立つようにトランジスタのしきい値電圧が設計し
てあれば、全てのトランジスタが飽和領域で動作し、高
い差動電圧利得が得られることとなる。
りは負の値であっても、全てのトランジスタが飽和領域
で動作し、高い差動電圧利得が得られる。
トランジスタP6、P8は、それぞれ入力トランジスタ
P5、P7に一定の定電流を供給する役割を果たすもの
であるので、必ずしも図に示した回路構成に限られるも
のではなく、一定の電流を入力トランジスタP5、P7
にそれぞれ常時供給できる定電流回路であればよい。同
様に図中のトランジスタP3は、差動対をなすトランジ
スタP1とP2のソース共通接続点に定電流を供給する
役割を果たすものであるので、図に示す回路に限られる
ものではなく、一定電流を流せる他の方式の回路でもよ
い。
的構成図
力特性図
Vgndは電源の基準電位、Vin、Vrefは差動入力電圧、
Voutは出力電圧、N1、N2はNMOSトランジス
タ、P1〜P8はPMOSトランジスタを示す。
Claims (3)
- 【請求項1】 差動対をなす1対のエンハンスメント型
PMOSトランジスタと、該トランジスタの負荷となる
エンハンスメント型NMOSトランジスタで構成したカ
レントミラー回路と、前記差動対トランジスタの共通接
続されたソースに定電流を供給する定電流回路とを有す
る差動回路の、反転入力側および非反転入力側に、定電
流源を負荷とするPMOSトランジスタによるソースフ
ォロワ回路からなるレベルシフト回路をそれぞれ介在さ
せ、差動入力電圧を該ソースフォロワ回路のPMOSト
ランジスタのソース、ゲート間電位差分だけそれぞれプ
ラス方向にレベルシフトして前記差動対トランジスタの
各ゲートに供給する差動増幅回路。 - 【請求項2】 前記ソースフォロワ回路の定電流源は、
ソースを電源に接続し、ゲートに一定電圧を印加したP
MOSトランジスタで構成したことを特徴とする請求項
1記載の差動増幅回路。 - 【請求項3】 前記ソースフォロワ回路の一方のゲート
に、PMOSトランジスタとNMOSトランジスタの各
しきい値電圧の絶対値の差以内の正または負の微小電圧
を基準電圧として印加し、他方のゲートに未知入力電圧
を印加して使用する請求項1又は2記載の差動増幅回路
を使用したレベル検出器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001334646A JP3846267B2 (ja) | 2001-10-31 | 2001-10-31 | 差動増幅回路およびレベル検出器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2003142961A true JP2003142961A (ja) | 2003-05-16 |
JP3846267B2 JP3846267B2 (ja) | 2006-11-15 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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JP (1) | JP3846267B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012145540A (ja) * | 2011-01-14 | 2012-08-02 | Seiko Instruments Inc | 温度センサ装置 |
CN103166584A (zh) * | 2013-02-06 | 2013-06-19 | 苏州硅智源微电子有限公司 | 增强灌电流并驱动电容负载的cmos放大器 |
-
2001
- 2001-10-31 JP JP2001334646A patent/JP3846267B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2012145540A (ja) * | 2011-01-14 | 2012-08-02 | Seiko Instruments Inc | 温度センサ装置 |
CN103166584A (zh) * | 2013-02-06 | 2013-06-19 | 苏州硅智源微电子有限公司 | 增强灌电流并驱动电容负载的cmos放大器 |
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