JP2003139118A5 - - Google Patents

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JP2003139118A5
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【発明の名称】締結体
【特許請求の範囲】
【請求項1】筒体の長さ方向に向かって割部、又は、薄肉部を設けた筒体の両端内部に、左ネジと右ネジを有した二つの介在体を、結合軸の左ネジと右ネジにそれぞれ嵌め合わせて、結合軸を回動させて筒体の両端部を取付基体の穴の内壁に当接させるように拡開することを特徴とした締結体。
【請求項2】筒体の長さ方向に向かって割部、又は、薄肉部を設けた筒体の両端内部に、結合軸に一つは貫通穴を有した介在体を通して、もう一つはネジを有した介在体を嵌め合わせて、結合軸を回動させて筒体の両端部を取付基体の穴の内壁に当接させるように拡開することを特徴とした締結体。
【請求項3】筒体の長さ方向に向かって割部、又は、薄肉部を設けた筒体の両端内部に、結合軸に設けた押圧部と結合軸に設けたネジに介在体のネジを嵌め合わせて、結合軸を回動して筒体の両端部を取付基体の穴の内壁に当接させるように拡開することを特徴とした締結体。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明はコンクリートの床上に機械等を取り付ける際や、ネジを不要として相手部材に堅固に固着することができるもので、主に土木建築や電気、機械製品等や、それらを製作するための設備等に広く使用することができる締結体に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来の技術として使用されているものは、主に取付部材にネジが使用できないような材料に使用するものであった。
【0003】
従って、コンクリートの平面に機械等を取り付けるには、商品名で言うストライクアンカやカットアンカ等があった。
【0004】
それらはコンクリートに丸形の穴を設けた穴に、筒体の一方の先を複数割りした部分に円錐状の部材を打ち込んで筒体の先の広がりがコンクリートの穴の側壁に圧着して固着するものであった。
【0005】
このようにした筒体の反対側に設けたネジ部によって、例えば、機械等を取付けするものである。
【0006】
従って、取付基体にネジを使用しないで取付基体に相手取付部材を取付けするには締結具のストライクアンカやカットアンカ等は、コンクリートには以下に順をおって述べる欠点を有しながらも、取付基体がコンクリートでは使用できても金属や柔らかい合成樹脂には使用できなかった。
【0007】
又、コンクリートでなくブロック及び石垣等などの壁面においては、従来の締結具のストライクアンカやカットアンカ等では取付基体に設けた穴に無理な拡開力が働き取付基体が割れてしまって使用できなかった。
【0008】
尚、従来のカットアンカのような締結具は図35で示すように、取付基体に円錐状の軸体のテーパ部109Bに筒体111Aを打ち入れて、筒体111Aに軸体を固着させるだけなのでひとりでに抜け易い欠点を生じていたものであった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
コンクリートなどに従来のストライクアンカやカットアンカ等を使用すると、コンクリートの穴の側壁を広めてコンクリートの側壁に嵌着することができずひとりでに抜けだして、その取付けの役目を達成し得ないような場合が発生した。
【0010】
又、コンクリートでなくブロック及び石垣等などの壁面においては、従来の締結具のストライクアンカやカットアンカ等では取付基体に設けた穴に無理な拡開力が働き取付基体が割れてしまって使用できない欠点があった。
【0011】
そのためにコンクリートの穴の側壁に堅固に抜け出さないように圧接固着させるには、ストライクアンカやカットアンカ等をコンクリートに確実に取付けるには容易でなく、又、ブロック及び石垣等には使用できない等の欠点を有した。
【0012】
又、一方では、ストライクアンカやカットアンカ等を取付けてしまうと、取外しが困難な欠点を有した。
【0013】
従来は取付基体がコンクリートにはストライクアンカやカットアンカ等の締結具を取付けて使用することはできたが、取付基体が金属や合成樹脂のようなものにネジを使用しないで取付部材を取付けることはできなかった。
【0014】
又、取付基体にストライクアンカやカットアンカ等の締結具のように、いったんコンクリートに取付けてしまうと、取付け取外しができない欠点があった。又、それらに変わる締結具は殆んどと言ってよいほど無かった。
【0015】
従って、本発明の目的は従来の問題を解決するために発明したものであって、コンクリートは勿論のこと、他の材料であってもネジを取付基体に使用しなで堅固に固着して抜け出さないように圧接固着することができて、取付けたものが容易に取外し可能な締結体を提供することにある。
【0016】
又、主にコンクリートに使用して堅固に抜け出ないように圧接固着することができる締結体を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記目的の第一の発明は、筒体の長さ方向に向かって割部、又は、薄肉部を設けた筒体の両端内部に、左ネジと右ネジを有した二つの介在体を、結合軸の左ネジと右ネジにそれぞれ嵌め合わせて、結合軸を回動させて筒体の両端部を取付基体の穴の内壁に当接させるように拡開することを特徴とした締結体とすること。
【0018】
前記目的の第二の発明は、筒体の長さ方向に向かって割部、又は、薄肉部を設けた筒体の両端内部に、結合軸に一つは貫通穴を有した介在体を通して、もう一つはネジを有した介在体を嵌め合わせて、結合軸を回動させて筒体の両端部を取付基体の穴の内壁に当接させるように拡開することを特徴とした締結体とすること。
【0019】
前記目的の第三の発明は、筒体の長さ方向に向かって割部、又は、薄肉部を設けた筒体の両端内部に、結合軸に設けた押圧部と結合軸に設けたネジに介在体のネジを嵌め合わせて、結合軸を回動して筒体の両端部を取付基体の穴の内壁に当接させるように拡開することを特徴とした締結体とすること。
【0020】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を二っに分けて説明すると、
第1は、筒体の長さ方向の両端の径部を複数に分割した割部、又は、薄肉部を設けた筒体の両端部に、一つは内部に左ネジを設けた介在体と、反対側には、もう一つは内部に右ネジを設けた介在体とを、結合軸に設けた左ネジと右ネジとがはまり合うようにする。
【0021】
取付基体の穴径に合わせて締結体を取付けるために、筒体を取付基体に固定するのに、筒体はばらばらにならないように連成部を有した一体から形成するものを取付基体に押し込み固定するもので、結合軸を回すと筒体の両端の二つの介在体が筒体に入り込み、筒体は中央部から端部に向かって拡開するようになる。
【0022】
このようにして膨らんだ筒体を取付基体の穴に挿入する。
【0023】
このようにして挿入すると取付基体の穴に筒体の両端部が圧着するので、結合軸を回すと筒体の両端部は拡開して取付基体の穴に堅固に固着する。
【0024】
ことによって、筒体の両端部が相手取付穴の側壁に堅固に圧接固着する締結体を得ることができる。
【0025】
段落番号0023の過程の作業を経て取付けられた締結体は介在体と結合軸に設けた右ネジと左ネジの作用によって取り付いて、結合軸に他の取付部材を取り付けても安定的に保持力を維持することができるものである。
【0026】
発明の実施の形態の第2は、
発明は、結合軸のネジ部に介在体を介在体の貫通穴を通して取付けした後に、更に結合軸に筒体の長さ方向に向かって割部又は薄肉部を設けた筒体を取付けて、その結合軸の先端側のネジ部に介在体のネジ部を螺合して、結合軸を回動させて筒体の両端部が取付基体の穴の内壁に当接して拡開するようにする。
【0027】
又、発明は、結合軸のネジ部と押圧部に、筒体の長さ方向に向かって割部又は薄肉部を設けた筒体を取付けて、その結合軸の先端側のネジ部に介在体のネジ部を螺合させて、結合軸を回動すると筒体の両端部を取付基体の穴の内壁に当接させるように拡開するようになる。
【0028】
このようにして膨らんだ筒体を取付基体の穴に挿入すると取付基体の穴に筒体の両端部が圧着するので、結合軸を回すと筒体の両端部は拡開して取付基体の穴に堅固に固着する。
【0029】
ことによって、筒体の両端部が相手取付穴の側壁に堅固に圧接固着する締結体を得ることができる。
【0031】
段落番号0028の過程の作業を経て取付けられた締結体は介在体と結合軸に設けたネジの作用によって取り付いて、結合軸に他の取付部材を取り付けても安定的に保持力を維持することができるものである。
【0032】
【実施例】
発明の実施の形態の第1を実施例に基づき図示に従って説明すると、
図1は取付基体Xに取付部材Aと取付部材Bを本発明の締結体によって締結するものである。
【0033】
図面において、1は例えば鉄、ステンレス、アルミニウムあるいは合成樹脂等で形成された筒体である。
【0034】
この筒体1には、その両端部の長さ方向(両端部の長さ方向とは筒体の径方向と直角となる筒体の長さ方向を示す)に向かって割部2と割部3が設けられている。 4は円錐状で内部に左ネジ5を設けた第1の介在体で、前記筒体1の図面上左端部にその円錐状部を挿入している。6は同じく円錐状で内部に右ネジ7を設けた介在体で、前記筒体1の図面上右端部にその円錐状部を挿入するように構成されている。
【0035】
これらの介在体4及び6には、左ネジ9と右ネジ10を有する結合軸8を螺合させる。
【0036】
そして、結合軸8を一方に回転すると、左ネジと右ネジの作用によって介在体4と介在体6が近接する方向に移動するので、筒体1の両端部が介在体の円錐状部によって中央から端部に向かって拡開するように押し広げられ、筒体1の両端部は取付基体の穴の側面に圧接固着される。
【0037】
これによって結合軸8は取付基体に堅固に固定される。
【0038】
このように取り付けられた結合軸8に締付輪Cを取り付け締め付けることにより取付部材Aと取付部材Bは結合軸8に取り付けられる。
【0039】
一方、締付輪Cを取外し、結合軸8を前記と反対方向に回転すれば、同様に左ネジと右ネジの作用によって介在体4と介在体6が離反する方向に移動するので、筒体1の両端部から介在体が離脱し、筒体1の両端部は取付基体の穴の側面から離れる。
【0040】
従って、締結体を取付基体の穴から取り出すことができる。
【0041】
この構成によれば取付基体の穴に簡単に固着又は脱離することができる締結体を得ることができる。
【0042】
このようにした締結体によれば、結合軸8を回転させるための締付部11を回転すると、結合軸8によって、二つの介在体4と介在体6は筒体1の内部に入り込むので、筒体1の両端部は筒体1の中心部から筒体の端部に向かって拡開して、取付基体Xの穴の側壁に筒体1は堅固に圧接固着して、結果として締結体は取付基体Xの穴から抜けなく取り付けてある。
【0043】
図7のように筒体21の拡開部を大きくするために、筒体の両端部に割部を設けた筒体21の内部の径方向の筒体21の両端が、筒体の中心部から端部に向かって拡開する傾斜面32と傾斜面33を設けることで、介在体24と介在体26のように円錐状のテーパ面を必要としなくなり介在体は筒体21の中に入り込むので、筒体の長さ方向の長さを短くすることができて、筒体21の両端を拡開することができる。
【0044】
図20のように筒体の中央部に凹部58を設けることによって、筒体の両端部が小さな力でも曲がり易くなるので締結体の取付機能を増すことができるようになるものである。
【0045】
このようにすれば、筒体21が小さくしても大きな力で筒体21を取付基体Yに堅固に圧着固着することができるようになる。
【0046】
本発明の応用例を説明すると、図1と図7に述べて説明したものに更につけ加えると、筒体において、筒体は以下に説明するように種々なものを使用することができる。
【0047】
図8は筒体35に割部2Aと割部3Aを設けて繋ぎ部34によって、繋ぎ部34は一つの筒体35と連成して筒体35の長さ方向の中央部に設けて筒体35を構成するものである。
【0048】
この繋ぎ部34は筒体35の他の部分より薄く設けてもよく、この繋ぎ部34の役目は取付基体の穴に筒体35を入れたときに、筒体35が空回りしないように取付基体の穴の壁面に圧接して筒体35が空回りしないようにしておいてから、筒体35の両端部が取付基体の穴に堅固に固着するようにしたものである。
【0049】
又、繋ぎ部34は取付基体の穴に入り易いように繋ぎ部34が突き出る両側に傾斜面54を設けると締結体の取付け取外しにおいても、筒体35は取付基体に入り易くなり、又、取り出し易くもなるものである。
【0050】
図16は本発明の他の応用例であって、筒体41の両端部が拡開するときにばらばらにならないように、筒体41に繋ぎ部55と割部2Bと割部3Bとをもうけて、それらの間には切れ易い連成部56を設けることによって本発明の締結体の筒体がえられる。
【0051】
図18は更なる本発明の他の応用例であって、筒体51の筒部を形成する部分に筒体51の長さ方向に対して薄肉部57を複数個設けて、この薄肉部57を設けた薄い部分から筒体51の両端部が拡開するときに、薄肉部57が切り離れて筒体51の両端が拡開しながら筒体51の両端部は介在体と取付基体とに圧接し堅固に固着するものである。
【0052】
図18のような筒体51を用いるのは、例えば、石垣のように取付基体に割れ目の入っているような所に用いると、筒体の割部に有した隙間分だけ筒体の両端部が拡開しても筒体の側面が離れなくなるので、取付基体の穴の側壁に対して均衡した力で相手壁面に接するので取付基体に馴染み易い締結体を得ることができるものである。
【0053】
以上の如く本発明を説明したように、筒体の形状や筒体に割部をどのように設けるかによって、筒体が取付基体に取付ける条件が変わるものである。
【0054】
図2の筒体1のように筒体に割部を設けるか又は、図9又は、図16のように筒体の中央部を堺として中央部に形成する連成部を残して割部を筒体に複数個設けて、筒体の両端側を固着部として取付基体の穴に取付けるように筒体を形成することもできるものである。
【0055】
本発明を更に説明すると、筒体の長さ方向の中心部を他の部分より薄く形成すれば筒体の中心部から両端に向かって拡開し易くなり、締結体の締結を容易にすることもできるものである。
【0056】
尚、薄くするためには筒体の内又は外面に、又は筒体の内外面に環状凹部を形成することによっても達成される。
【0057】
筒体の形状は、取付基体の要素でなる材質を含めた形成の条件や穴の大きさや穴の深さなどによつて決まるものである。
【0059】
筒体に設ける割部の形状は、取付基体の材質などにもよるが、筒体の両端部が相手取付の穴の側壁に筒体の固着部となる部分を堅固に圧接固着するか等で、筒体の形状を形成する割部の巾や長さ等、そして、筒体が一体であって、且つ、連成部を有するように設定すればよいものである。
【0060】
又、筒体の外径面が筒体を取付基体に取付ける際に滑らないようにすることや取付基体から締結体が取付けた後に抜けださないようにするために、筒体の両端部の外径面にとがった凹凸などを設けておくと、取付基体の穴の側壁にくい込んで圧着固着し易くすることもできる。
【0061】
又、筒体の外径面に取付基体の穴の深さ方向に向かって環状的の傾斜面と約直角からなる凹凸を有したノコギリ状の溝を設けることによって、筒体が取付基体の穴に入り易く抜けにくくなるようにした締結体がえられる。
【0062】
本発明の筒体にバネ力を有する材質を用いると、筒体を締結体に使用したときに、筒体の両端が永久変形しにくくなるので、本発明の締結体の取付け、取外しを容易にするものである。
【0063】
介在体の円錐状のテーパ面には筒体と滑らないように凹凸を設けておくこともできる。
【0064】
筒体の材質は取付基体によって、金属の他に合成樹脂などを用いて締結体を得ることができるものである。
【0065】
従来のストライクアンカやカットアンカ等は取付基体の穴の側壁の一箇所に筒体が楔状にくい込むようになるので取付基体が弱いものになると、例えば、ブロックや古いコンクリートになると、それらがストライクアンカやカットアンカ等では破損し易くなりストライクアンカやカットアンカ等は使用できなくなる。
【0066】
又、それらを使用すると重大な欠陥をまねく恐れを生じることが発生するものである。
【0067】
取付基体の穴に対しストライクアンカやカットアンカ等を取付けたときに、穴と外径との寸法差のガタを生じるので取付部材を取付けると、そのガタ分だけストライクアンカやカットアンカ等が倒れるので、いったん取り付けたストライクアンカやカットアンカ等は取付基体から抜け易くなるものである。
【0068】
本発明の締結体によれば、筒体が取付基体の穴の側壁の深い部分と浅い部分の二箇所から筒体を拡開して、筒体の少なくとも両端が取付基体の側壁に、締結体のネジ作用で筒体の固着部分が圧着するので、筒体と取付基体とにはガタを生じなくなるので締結体は取付基体に堅固に固着するものである。
【0069】
更に、本発明の締結体の応用例を示せば、結合軸のネジ部に取付部材が直に接しないように、結合軸と取付部材との間にカラーを結合軸のネジに噛み合わせて入れた後に締付輪で取付基体に取付部材を取付けることもできるものである。
【0070】
段落番号0069に記載した構造を簡単にすると、図8又は、図20のように結合軸に噛み合って締付け機能を発揮するように締付輪とカラ−とを一体に設けた突出部59を締付輪Dに設けることによって、部品点数を少なくして、結合軸に取付部材が直に接しないようにした取付基体に取付部材を取付け可能にする締付けも締付輪によってできるものである。
【0071】
この締結体によれば、取付基体が、どのような材質であっても、例えば、柔らかい木材、合成樹脂、アルミニューム等であっても使用することが容易に可能であり、この締結体の使用分野は広く用いられるものである。
【0072】
前記実施例によれば、筒体の両端部が結合軸に介在体に通した左ネジと右ネジで介在体によって筒体が拡開されて、取付基体の側壁に筒体の両端の二個所が堅固に圧着固着されるので、締結体は取付基体から抜けないように固着させることができる。
【0073】
従って、この締結体はこの種の締結には従来にない機能を発揮するものである。
【0074】
取付基体にはネジの埋設を必要としないので、固いものから、柔らかい材質のものまで広く使用されるので、工業上の新しい用途に使用することができる。
【0075】
発明の実施の形態の第2を実施例に基づき図示に従って説明すると、
図21は取付基体Xに取付部材Aと取付部材Bを本発明の締結体によって締結するものである。
【0076】
図面において、71は例えば鉄、ステンレス、アルミニウムあるいは合成樹脂等で形成された筒体である。
【0077】
この筒体71には、その両端部の長さ方向(両端部の長さ方向とは筒体の径方向と直角となる筒体の長さ方向を示す)に向かって割部2Cと割部3Cが設けられてある。介在体6Cは円錐状で内部にネジの無い貫通穴7Aを設けた第1の介在体で、前記筒体71の図面上右端部にその円錐状部を挿入している。介在体4Cは同じく円錐状で内部にネジ5Bを有して前記筒体71の図面上左端部にその円錐状部を螺合して構成されている。
【0078】
結合軸8Bに介在体6Cの貫通穴7Aを通し介在体6Cを取付けて後に、筒体71を取付けて、更に、結合軸8Bのネジ部10Cには介在体4Cのネジ部5Bを螺合して介在体4Cを取付けてある。
【0079】
そして、結合軸8Bを一方に回転すると、ネジの作用によって介在体4Cが介在体6Cに近接する方向に移動するので、筒体71の両端部が介在体の円錐状部によって中央から端部に向かって拡開するように押し広げられ、筒体71の両端部は取付基体の穴の側面に圧接固着される。
【0080】
これによって結合軸8Bは取付基体に堅固に圧着固定される。
【0081】
このように取り付けられた結合軸8Bに締付輪Eを取り付け締め付けることにより取付部材Aと取付部材Bは結合軸8Bに取り付けられる。
【0082】
一方、締付輪Cを取外し、結合軸8Bを前記と反対方向に回転すれば、同様にネジの作用によって介在体4Cが離反する方向に移動するので、筒体71の両端部から介在体が離脱し、筒体71の両端部は取付基体の穴の側面から離れる。
【0083】
従って、締結体を取付基体の穴から取り出すことができる。
【0084】
この構成によれば取付基体の穴に簡単に結合軸8Bの右ネジか左ネジかのいずれか一方のみでも圧着固着又は脱離することができる締結体を得ることができる。
【0085】
このようにした締結体によれば、結合軸8Bを回転させるための締付部11Bを回転すると、結合軸8Bによって、二つの介在体4Cと介在体6Cは筒体71の内部に入り込むので、筒体71の両端部は筒体71の中心部から筒体の端部に向かって拡開して、取付基体Xの穴の側壁に筒体71は堅固に圧接固着して、結果として締結体は取付基体Xの穴から抜けなく取り付けてある。
【0086】
図29は図21の応用例で図30のような筒体81の拡開部を大きくするために、筒体の両端部に割部2D、割部3Dを設けて筒体81の内部の径方向の両端が、筒体の中心部から両端部に向かって拡開する傾斜面32Cと傾斜面33Cを設けることで、一つは介在体の替わりに結合軸8Cと一体に設けた押圧部6にすれば円錐状のテーパ面でもよく、又、押圧部6Dは摩擦の少ないような形状であればよいものと、介在体4Dは筒体81の中に入り込むので筒体の長さ方向の長さを短くすることができて筒体81の両端を拡開することができる。
【0087】
この締結体の介在体は結合軸8Cと一体に設けた押圧部6にしてもよく、図21のように介在体は別体にしても締結体の取付基体Xに圧着固着する機能を得ることができるものである。
【0088】
筒体81の中央部に凹部を設けて薄くすることによって、筒体の両端部が小さな力でも曲がり易くなるので締結体の取付機能を増すことができるようになるものである。
【0089】
このようにすれば、筒体81が小さくしても大きな力で筒体81を取付基体Xに堅固に圧着固着することができるようになる。
【0090】
本発明の応用例を説明すると、図21と図29に述べて説明したものに更につけ加えると、筒体において、筒体は以下に説明するような種々なものを使用することができる。
【0091】
図33は筒体91の筒部を形成する部分に筒体91の長さ方向に対して薄肉部57Aを複数個設けて、この薄肉部57Aを設けた薄い部分から筒体91の両端部が拡開するときに、薄肉部57Aが切り離れて筒体91の両端が拡開しながら筒体91の両端部は介在体と取付基体とに圧接し堅固に固着するものである。
【0092】
図33のような筒体91を使用するのは、例えば、石垣のように取付基体に割れ目の入っているような所に用いると、筒体の割部に有した隙間分だけ筒体の両端部が拡開しても筒体の側面が離れなくなるので、取付基体の穴の側壁に対して均衡した力で相手壁面に接するので取付基体に馴染み易い締結体を得ることができるものである。
【0093】
以上の如く本発明を説明したように、筒体の形状や筒体に割部や薄肉部をどのように設けるかによって、筒体が取付基体に取付ける条件が変わるものである。
【0094】
本発明を更に説明すると、筒体の長さ方向の中心部を他の部分より薄く形成すれば筒体の中心部から両端に向かって拡開し易くなり、締結体の締結を容易にすることもできるものである。
【0095】
尚、薄くするためには筒体の内又は外面に、又は筒体の内外面に環状凹部を形成することによっても達成される。
【0096】
筒体の形状は、取付基体の要素でなる材質を含めた形成の条件や穴の大きさや穴の深さなどによつて決まるものである。
【0097】
筒体に設ける割部や薄肉部の形状は、取付基体の材質などにもよるが、筒体の両端部が相手取付の穴の側壁に筒体の固着部となる部分を堅固に圧接固着するか等で、筒体の形状を形成する割部や薄肉部の巾や長さ等を設定すればよいものである。
【0098】
又、筒体の外径面が筒体を取付基体に取付ける際に滑らないようにすることや取付基体から締結体が取付けた後に抜けださないようにするために、筒体の両端部の外径面にとがった凹凸などを設けておくと、取付基体の穴の側壁にくい込んで圧着固着し易くすることもできる。
【0099】
又、筒体の外径面に取付基体の穴の深さ方向に向かって環状的な凹凸を有したノコギリ状の溝を設けることによって、筒体が取付基体の穴に入り易く抜けにくくなるようにした締結体がえられる。
【0100】
本発明の筒体にバネ力を有する材質を用いると、筒体を締結体に使用したときに、筒体の両端が永久変形しにくくなるので、本発明の締結体の取付け、取外しを容易にするものである。
【0101】
介在体が結合軸のネジ部と螺合して回動する介在体には、介在体と筒体の両端部が合着する部分に凹凸を設けて該部の滑りを防止することもできる。
【0102】
又、逆に結合軸と一体に設けた押圧部が回動し易くするために該部には凹凸は設けないようにすることもある。
【0103】
筒体の材質は取付基体によって、金属の他に合成樹脂などを用いて締結体を得ることができるものである。
【0104】
更に、この発明によれば、結合軸の先端側の径の太さを取付基体の穴の径の大きさと取付部材の穴の径を同じようにしないと、該部にガタを生じると取付部材の取付けが不安定になる。
【0105】
これらを図21又図29のような結合軸にすると取付部材と結合軸との間にガタをなくして締付部の径の太さを自由に変えても取付部材を取付けても支障がなくなるものである。
【0106】
本発明の締結体によれば、筒体が取付基体の穴の側壁の深い部分と浅い部分の二箇所から筒体を拡開して、筒体の少なくとも両端が取付基体の側壁に、締結体のネジ作用で筒体の固着部分が圧着するので、筒体と取付基体とにはガタを生じなくなるので締結体は取付基体に堅固に固着するものである。
【0107】
この締結体によれば、取付基体が、どのような材質であっても、例えば、柔らかい木材、合成樹脂、アルミニューム等であっても使用することが容易に可能であり、この締結体の使用分野は広く用いられるものである。
【0108】
前記実施例によれば、筒体の両端部が結合軸に介在体を介してネジの締付作用で筒体が拡開されて、取付基体の側壁に筒体の両端の二個所が圧着されるので、締結体は取付基体に堅固に抜けないように固着させることができる。
【0109】
本発明の締結体を発明の実施例の形態で説明してきた、第1、第2の発明の説明に更につけ加えると、筒体は取付基体に取り付き易く、又、取外しができるように、筒体がばらばらにならないような連成部を有した一体から形成しなければならないものである。
【0110】
従って、この締結体はこの種の締結には従来にない機能を発揮するものである。
【0111】
締結体の材質は金属や合成樹脂によって製作するものである。
【0112】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、コンクリートは勿論のこと、他の材料であってもネジを取付基体に使用しなで堅固に固着して抜け出さないように圧接固着することができて、取付けたものが容易に取外し可能な締結体を提供することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の締結体を取付基体に取付ける状態を示す要部断面図。
【図2】図1の筒体を示す正面図。
【図3】図2の筒体の側面図。
【図4】図1の介在体を示す要部図。
【図5】図1の介在体を示す要部図。
【図6】図1の結合軸を示す正面図。
【図7】図1の締結体の応用例を示す要部断面図。
【図8】本発明の締結体の筒体の応用例を示す要部断面図。
【図9】図8の筒体の正面図。
【図10】図9の筒体の側面図。
【図11】図8の介在体の正面図。
【図12】図11の介在体の側面図。
【図13】図8の介在体の正面図。
【図14】図13の介在体の側面図。
【図15】図8の結合軸を示す正面図。
【図16】本発明の締結体の筒体の他の応用例を示す正面図。
【図17】図16の筒体の側面図。
【図18】本発明の締結体の筒体の他の更なる応用例を示す正面図。
【図19】図18の筒体の側面図。
【図20】本発明の締結体を示し筒体に凹部を設けた例を示す締結体の要部断面図。
【図21】本発明の締結体の他の実施例を取付基体に取付ける状態を示す要部断面図。
【図22】図21の筒体を示す正面図。
【図23】図22の筒体の側面図。
【図24】図21の左介在体の正面図。
【図25】図21の左介在体の側面図。
【図26】図21の右介在体の正面図。
【図27】図21の右介在体の側面図。
【図28】図21の結合軸を示す正面図。
【図29】図21の締結体の応用例を示す要部断面図。
【図30】図29の筒体の正面図。
【図31】図29の筒体の側面図。
【図32】図29の結合軸を示す正面図。
【図33】本発明の締結体の筒体の応用例を示す正面図。
【図34】図33の筒体の側面図。
【図35】従来の締結具であるカツトアンカを示す要部断面図。
【符号の説明】
1.21.31.35.41.51.61.71.81.91:筒体
2.2A.2B.2C.2D:割部
3.3A.3B.3C.3D:割部
4.4A.4B.4C.4D:介在体
5.5A.5B.7.7B:ネジ部
6.6B.6C:介在体
6D:押圧部
7A:貫通穴
8.8A.8B.8C:結合軸
10.10A.10C.10D:ネジ部
11.11A.11B.11C:締付部
32.32C:傾斜面
33.33C:傾斜面
57.57A:薄肉部
X.Y.Z:取付基体
A.B:取付部材
C.D.E.F:締付輪
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