JP2003138905A - エアフォイルおよびエアフォイルの熱伝達改善方法 - Google Patents

エアフォイルおよびエアフォイルの熱伝達改善方法

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JP2003138905A
JP2003138905A JP2002269736A JP2002269736A JP2003138905A JP 2003138905 A JP2003138905 A JP 2003138905A JP 2002269736 A JP2002269736 A JP 2002269736A JP 2002269736 A JP2002269736 A JP 2002269736A JP 2003138905 A JP2003138905 A JP 2003138905A
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cavity
cooling
side wall
trailing edge
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Frank J Cunha
ジェイ.クンハ フランク
Young H Chon
エイチ.チョン ヤング
Bryan P Dube
ピー.ドゥブ ブライアン
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    • F01D5/189Convection cooling with an insert in the blade cavity to guide the cooling fluid, e.g. forming a separation wall the insert having a tubular cross-section, e.g. airfoil shape
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 改善された冷却機構を有するエアフォイルを
提供する。 【解決手段】 タービンのエアフォイル部は、内部キャ
ビティ(52,54)とこの内部キャビティの内側面
(38)に設けられた複数の窪み(90)とを含む。こ
れらの窪み(90)は、エアフォイルの内部キャビティ
(52,54)を冷却するために熱伝達を高め、これに
よりエアフォイルの寿命を延長するとともに必要な圧縮
機抽気の量を減少させることでエンジン効率を最適化す
る。この冷却機構は、内部キャビティ(52,54)内
の冷却流れを制限しない点で有利である。窪み(90)
は、変化するパターンや異なる幾何学的形状を有するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービンエン
ジンなどの高温回転機械で使用される種類の冷却可能な
エアフォイルに関し、特に、内部冷却流路を有するエア
フォイル用の効率が高い改善された冷却機構に関する。
【0002】
【従来の技術】ガスタービンエンジンまたはガスタービ
ン機械のタービンは、非常に高い温度にさらされてい
る。燃焼器からタービンに流入する高温ガスの温度は、
一般に、タービンのロータブレードおよびステータベー
ンが製造される合金の融点よりもかなり高い。ブレード
およびベーンは、共にこのような高温にさらされるの
で、構造的な欠陥がない状態に維持するためには冷却が
必要である。
【0003】一般に、ブレードおよびベーンは、燃焼器
をバイパスする圧縮機からの抽気によって冷却される。
冷却空気は、続いて、対応するブレードおよびベーンの
内部キャビティを通って流れる。圧縮機からの抽気の温
度は、一般に、高温ガスよりも低温である。このような
冷却のための圧縮機抽気は、燃焼器内の燃焼を維持する
ために利用できなくなる。よって、燃焼を維持する空気
流が不充分であることによるエンジン性能の犠牲を最小
にするために、ブレードおよびベーンを冷却する機構
は、圧縮機冷却抽気の利用を最適化する必要がある。エ
アフォイルの冷却は、外側のフィルム冷却と内側の空気
衝突および対流冷却、またはこれらの組み合わせによっ
て達成される。
【0004】対流冷却では、圧縮機抽気は、ブレードお
よびベーンの内部キャビティを通って流れ、これらのブ
レードおよびベーンから連続的に熱を取り除く。圧縮機
抽気は、内部キャビティへ抽気を放出する1つまたは複
数の入口を介してキャビティに流入する。内部キャビテ
ィは、その壁にフィンまたは(トリップストリップとも
呼ばれる)リッジを含むことができ、これらのフィンま
たはリッジは、ブレードおよびベーンの壁の対流冷却の
向上を促進する。
【0005】フィルム冷却は、非常に効果的であること
が証明されているが、相当量の流体流れを必要とする。
また、フィルム冷却孔を有するエアフォイルの製造およ
び機械加工は、複雑さが増してコストが高くなる。
【0006】また、冷却空気がエアフォイルの内部キャ
ビティから放出されて高温ガスと混合されると、この混
合プロセスおよび混合される流れの異なる温度レベルに
よって性能に重大な不利益がある。特に、エアフォイル
の負圧面の後縁領域に設けられたフィルム孔から冷却空
気が噴射されると、この領域で生じる不利な圧力勾配に
よって混合による損失が大きくなるために、上述の望ま
しくない影響が増大する。さらに、フィルム冷却孔が負
圧壁のスロート領域を超えた位置に設けられる場合に
は、望ましくない流れの剥離が起こり得る。従って、フ
ィルム冷却では、必要となる冷却空気の量が多く、かつ
エアフォイルの外側面の冷却が不充分となるおそれがあ
る。
【0007】フィルム冷却孔が使用されなければ、冷却
不足のためにエアフォイルがクリープするおそれがあ
る。例えば、エアフォイルが断熱コーティングでコーテ
ィングされている場合には、コーティングが剥離して金
属が高温ガスにさらされるおそれがあり、エアフォイル
壁に望ましくない亀裂や焼損が生じ得る。クリープに対
処する伝統的な方法は、ブレードおよびベーンの内部流
路に突出するリブ(トリップストリップ、タービュレー
タ(turbulator))を設けることによって、
主流における乱流混合を促進して熱伝達量を増加させる
方法である。しかし、後縁領域では、内部キャビティが
比較的小さいので、利用済の冷却流を妨害することな
く、内部キャビティ内に突出するリブを追加することは
困難である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】衝突冷却は、クリープ
を軽減するために利用することができるもう1つの冷却
技術であるが、この衝突冷却も難点を有する。空気の衝
突では、圧縮機抽気がエアフォイルの内部に導かれ、エ
アフォイルの内側壁上に向けられる。この空気は、続い
てエアフォイル壁に設けられた一組のフィルム孔を通し
てエアフォイルから流出する。しかし、フィルム冷却が
望ましくない領域で衝突冷却が利用される場合には、利
用済の衝突空気は、近傍のフィルム冷却孔を通して流出
することができない。このため、上流の衝突孔からの交
差する流れによって下流の衝突孔の衝突動作が低下し、
衝突冷却の効果が減少してしまう。
【0009】従って、当該技術分野において、エアフォ
イルの寿命を延長するとともに、エンジン効率を最適化
し、かつエンジンで燃焼される燃料の量を減少させ、こ
れによりエンジン動作の経済性を高める、改善された冷
却機構を有するエアフォイルが求められている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述および他の難点およ
び欠陥は、本発明によって解決もしくは軽減される。
【0011】従って、本発明は、エアフォイルの内部キ
ャビティを冷却するために熱伝達が改善されたタービン
エアフォイルを提供し、このタービンエアフォイルは、
必要な圧縮機抽気の量を最小にすることでエンジン効率
を最適化する。
【0012】エアフォイルの後方内部キャビティまたは
他のキャビティの内側面は、エアフォイルのキャビティ
の内側面に沿って配置された複数の窪みを利用して対流
冷却される。窪みは、特に、エアフォイルの凸状(負
圧)側壁の内側面に沿って、後縁の近傍に設けることが
できる。これにより、本発明は、エアフォイルのキャビ
ティの内側面を冷却し、フィルム冷却機構を利用した場
合のように追加の冷却空気供給を必要とせずにエアフォ
イルの寿命を延長する。よって、タービン効率に悪影響
が及ばない。この冷却機構は、さらに、利用済の衝突流
がエアフォイルの内部キャビティ内に流れることを妨げ
ない点で有利である。特に、後方内部キャビティ内でか
つ後縁の近傍に窪みを設けた場合には、利用済の衝突流
が後方内部キャビティから後縁の冷却スロットを通って
排出されることが妨げられない。
【0013】上記窪みは、エアフォイルの翼幅方向すな
わち長手方向に互い違いに配置されていることが好まし
い。また、複数の窪みがジグザグ状の線を中心に配置さ
れるように、長手方向に延びる少なくとも2つの列で互
い違いに配列されることが最も好ましい。窪みの長手方
向の配置パターンは、冷却空気と平行に、またはこの流
れと直交するように、または冷却流れに対して他の角度
とすることができる。窪みのパターンは、熱伝達面の熱
伝達が最大になるように局部的な流れの流線方向に対し
て最適化されることが好ましい。
【0014】好ましくは、それぞれの窪みは、エアフォ
イルの内側面内に延びるディンプルである。しかし、窪
みは、後縁において同様に熱伝達を高めるとともにここ
で説明する追加の利点を伴う他の幾何学的形状を有する
ことができる。窪みは、平行六面体、楕円形、インゲン
豆形、または矩形とすることができる。また、窪みは、
ランプ形、半円形、レーストラック形状とすることもで
きる。選択される窪みの幾何学的形状は、面積と所望の
熱伝達の増加によって決まる。さらに、窪みは、変化す
る深さを有することができ、この深さは、隣接する窪み
間の離間距離に関連して最適化される。
【0015】本発明は、さらに、エアフォイルの内部キ
ャビティの内側面に複数の窪みを形成することによって
タービンエアフォイルの冷却を改善する方法を提供す
る。この方法は、既存の冷却機構をさらに改善するため
に既存のエアフォイルで使用することもできる。
【0016】
【発明の実施の形態】図1には、発電または推進力のた
めに使用されるガスタービンなどのガスタービンエンジ
ン10が示されており、このガスタービンエンジン10
は、エンジンの中心線すなわち軸方向の中心線軸12を
中心に周方向に配置されている。エンジン10は、ファ
ン14、圧縮機16、燃焼部18、およびタービン20
を含む。当該技術分野で周知のように、圧縮機16で圧
縮された空気は、燃料と混合され、燃焼部18で燃焼さ
れるとともにタービン20で膨張する。圧縮機16で圧
縮された空気とタービン20内で膨張する燃料混合物
は、共に高温ガス流28と呼ぶことができる。タービン
20は、ロータ22を含み、これらのロータ22は、膨
張に応じて回転し、圧縮機16とファン14とを駆動す
る。タービン20は、回転エアフォイルすなわちブレー
ド24と固定エアフォイルすなわちベーン26の交互の
列を含む。図1の装置を示したのは、単に説明のためで
あり、本発明を限定するものではない。本発明は、発電
および航空機で使用されるガスタービンで使用すること
ができる。
【0017】次に、図2,図3を参照すると、図1のベ
ーン26の説明図が示されている。ベーン26は、長手
方向すなわち翼幅方向の軸32を有するとともに前縁3
4および後縁36を備えるエアフォイル30を含む。エ
アフォイル30は、内側面38とこれとは反対側の外側
金属面(外側面)40とを有する。外側面40は、燃焼
部からタービン20に流入する高温ガス流28にさらさ
れる。エアフォイル30の外側面40は、凹状側壁すな
わち正圧側壁42と凸状側壁すなわち負圧側壁44を有
するように前縁34から後縁36にかけて形状づけられ
ている。一般に、凹状側壁42は、高温ガス流28が通
過するに従って比較的高いガス圧力を受け、凸状側壁4
4は、高温ガス流28が通過するに従って比較的低いガ
ス圧力を受ける。凹状側壁42および凸状側壁44は、
それぞれ後縁36および前縁34によって境界づけられ
ている。タービン20の段における隣接するブレード2
4およびベーン26の間には、その特定の段に高温ガス
流28を通過させる最小のスロート領域が延びている。
この最小の領域が、ゲージポイントG(図4参照)に対
応する。エアフォイル30の好適実施例は、さらに、前
方内部キャビティ52と後方内部キャビティ54とを含
む。前方内部キャビティ52と後方内部キャビティ54
は、複数のフィルム空気孔68(図4参照)を含んでい
る。
【0018】エアフォイル30は、全体が符号46とし
て示されている内側プラットフォームと、これに対向し
て、全体が符号48として示されている外側プラットフ
ォームによって境界づけられている。内側および外側の
プラットフォーム46,48は、(図3の矢印50によ
って示される)加圧された冷却空気供給を前方および後
方の内部キャビティ52,54に導く環状のガス流路を
形成する。外側プラットフォーム48は、対向するフラ
ンジ56とレール58とを含む。同様に、内側プラット
フォーム46は、対向するフランジ60とレール62と
を含む。レール58,62は、ベーン26をタービン2
0のケース(図示省略)に固定する。これにより、内側
プラットフォーム46のフランジ60は、加圧された冷
却空気50の一部を圧縮機16から後方内部キャビティ
54に供給するプレナム64の一部を構成する。同様
に、外側プラットフォーム48のフランジ56は、加圧
された冷却空気50の一部を圧縮機16から前方内部キ
ャビティ52に供給するプレナム66の一部を構成す
る。
【0019】前方内部キャビティ52には、前方バッフ
ル(インサート)70が配置されており、この前方バッ
フル70は、前方内部キャビティ52と実質的に同じ形
状を有する。前方バッフル70は、挿入後にベーン26
の隣接する内側面38に溶接部または同様の取付手段に
よって固定される。このように固定されると、前方バッ
フル70と隣接する前方内部キャビティ52の内側面3
8との間に間隙73(図4参照)が形成され、この間隙
73は、前方バッフル70に流入する加圧された冷却空
気50から隔離(closed off)される。前方
バッフル70は、このように冷却流路となる内部プレナ
ム72(図4参照)を画成するとともに、複数の連結孔
すなわち衝突孔74を含む。これにより、プレナム64
からの加圧された冷却空気50が冷却流路72に流入
し、衝突孔74を通って間隙73(図4参照)内に流
れ、隣接するエアフォイル30の内側面38に衝突して
ベーン26の内側面38を冷却する。よって、冷却流路
72は加圧され、加圧された空気50は、複数のフィル
ム空気孔68から流出するとともにベーン26の外側面
40に空気のフィルムを形成し、ベーン26の外側面4
0を冷却する。
【0020】後方内部キャビティ54には、後方バッフ
ル(インサート)76が配置されており、この後方バッ
フル76は、後方内部キャビティ54と実質的に同じ形
状を有する。後方バッフル76は、挿入後にベーン26
の隣接する内側面38に溶接部または同様の取付手段に
よって固定される。このように固定されると、後方バッ
フル76と隣接する後方内部キャビティ54の内側面3
8との間に間隙77が形成され、この間隙77は、後方
バッフル76の内部に流入する加圧された冷却空気50
から隔離される。後方バッフル76は、このように内部
プレナム78(図4参照)を画成するとともに、複数の
連結孔すなわち衝突孔80を含む。これにより、プレナ
ム66からの加圧された冷却空気50が内部プレナム7
8に流入し、衝突孔80を通って間隙77(図4参照)
内に流れ、隣接するエアフォイル30の内側面38に衝
突してベーン26の内側面38を冷却する。よって、内
部プレナム78は加圧される。加圧された空気50の一
部は、後方内部キャビティ54の凹状の側壁42に設け
られた複数のフィルム空気孔68から流出するとともに
ベーン26の外側面40に空気のフィルムを形成し、ベ
ーン26の外側面40を冷却する。
【0021】上述した後方内部キャビティ54のフィル
ム冷却に加えて、以下に説明するように、後縁36はさ
らに冷却される。後縁36は、この後縁36をフィルム
冷却するために加圧された冷却空気50の一部を排出す
る手段を有し、この加圧された冷却空気50の一部を排
出する手段は、後方内部キャビティ54と流体的に連通
している。加圧された冷却空気50の一部を排出するた
めの手段は、凹状側壁42から長手方向すなわち翼幅方
向に延びる複数の冷却スロット84であることが好まし
い。
【0022】後方内部キャビティ54には、凸状側壁4
4の内側面38に沿って後方バッフル76に隣接する突
出部すなわちガイド82が設けられており、これらのガ
イドは、凸状側壁44の内側面から凹状側壁42の内側
面38に向かって外向きに延在するとともに複数の冷却
スロット84で終端となっている。これらの突出部82
は、後方バッフル76の衝突孔から排出される利用済の
衝突流を、後縁36に設けられた冷却スロット84へと
案内するために設けられている。これにより、利用済の
衝突流は、冷却スロット84を通って後方内部キャビテ
ィ54から排出されて、後縁36を冷却する空気フィル
ムが形成される。好ましくは、突出部82は、複数のガ
イドまたは旋回ベーン86を含み、これらのベーン86
は、複数の涙形の突出部88と一致するように設けられ
る。涙形の突出部88は、冷却スロット84に隣接する
とともにこれらのスロットと一致しており、涙形の突出
部88の頂部が、図3に示すように冷却スロット84の
両側にそれぞれ位置している。
【0023】続いて、図4を特に参照すると、図2のベ
ーン26の断面図が示されている。上述したように、後
方内部キャビティ54の内側面38は、衝突冷却によっ
て冷却される。後方内部キャビティ54の内側面38
は、さらに、凹状のリセスを含む複数の窪み90を利用
して冷却される。これらの窪み90は、エアフォイル3
0における冷媒の熱吸収を高める。これにより、熱伝達
が向上する。利用済の衝突流がそれぞれの窪み90上を
流れると、窪み90のリセス内に再循環領域が生じる。
これは、図5Aにもっともよく示されている。この再循
環領域は、この部分における内側面38に沿って、局部
的な対流熱伝達を引き起こして内側面38を冷却する。
この“渦の発生”は、混合を促進することで内側面38
に沿って対流熱伝達を高める。好ましくは、窪み90
は、エアフォイル30の翼幅方向すなわち長手方向32
に互い違いに配列されている。最も好ましくは、窪み9
0は、少なくとも2つの長手方向に延びる列で互い違い
に設けられており、複数の窪み90がジグザグ状の線に
沿って中心づけられている。窪み90の長手方向の配置
パターンは、冷却空気と平行に、またはこの流れと直交
するように、または冷却流れに対して他の角度とするこ
とができる。窪み90のパターンは、熱伝達面の熱伝達
を可能な限り高めるように、局部的な流れの流線方向に
対して最適化されていることが好ましい。
【0024】また、好ましくは、窪み90は、空間的な
制約がある後方内部キャビティ54の内側面38に沿っ
て設けられる。これにより、後方バッフル76から排出
される利用済の衝突空気流を遮断または制限することな
く、熱伝達を高めることができる。最も好ましくは、窪
み90は、突出部82に隣接し、かつゲージポイントを
超えた位置で、後方内部キャビティ54の凸状側壁44
の内側面38に設けられており、後縁36で生じる加
熱、より具体的にはエアフォイル30の凸状側壁44に
沿って生じる加熱を軽減する。
【0025】後縁36に隣接して凸状側壁44の内側面
に窪み90を設けることによって、他の利点も得られ
る。エアフォイル30の外側面40に隣接する凸状側壁
44上の領域には、減速する流れ領域によって生じる不
利な圧力勾配が存在し、この圧力勾配によって混合によ
る損失が引き起こされる。このような混合による損失
は、タービン20の効率に悪影響を与える非常に不安定
な領域を生じさせる。従って、本発明は、フィルム冷却
機構であれば必要となる追加の冷却空気を必要とせずに
エアフォイルキャビティの内側面を冷却してエアフォイ
ルの寿命を延長する。このため、タービン効率が悪影響
を受けることがない。この冷却機構は、利用済の衝突流
の後方内部キャビティ54内における流れを妨げない。
特に、窪み90は、後縁36の近傍で後方内部キャビテ
ィ54内に設けられている場合に、利用済の衝突流が冷
却スロット84を通って後方内部キャビティ54から流
出するのを妨げない。
【0026】続いて図5を参照すると、図4に示したエ
アフォイル30の面の一部を通る5−5線に沿った断面
図と、本発明の窪み90に適した他の幾何学的形状(図
5B〜図5H)が示されている。それぞれの窪み90
は、エアフォイル30の内側面38内に延びるディンプ
ル(dimple)であることが好ましい。しかし、窪
み90は、後縁36において同様に熱伝達を高めること
ができるとともに、ここで説明した全ての追加利点を提
供する、異なる幾何学的形状を有してもよい。窪み90
の例示的な幾何学的形状は、図5に示されている。窪み
90は、具体的には、円形の他、平行六面体92、楕円
形94、インゲン豆(kidney)形96、または矩
形98とすることができる。また、窪みは、ランプ(r
amp)形100、半円形102、レーストラック形状
104とすることもできる。全ての形状90,92,9
4,96,98,100,102,104は、凹状側壁
42または凸状側壁44の内側表面積を増加させ、これ
により利用済の衝突流の熱吸収を増加させる。
【0027】窪み90の選択された幾何学的形状は、面
積と所望の熱伝達の増加によって決まる。さらに、窪み
90は、変化する深さDを有することができる。窪み9
0の深さdは、隣接する窪み90間の好適な間隔に関連
する。それぞれの窪み90の中心Cは、隣接する窪みの
中心Cから長さLだけ離間されていることが好ましく、
長さLは、深さdの約6倍に等しい。
【0028】当業者であれば理解されるように、エアフ
ォイル30またはタービン20の特定の段に含まれるエ
アフォイルにおいて、異なる大きさおよび形状の窪み9
0を組み合わせて使用することができ、このような形態
も本発明の範囲内である。また、窪み90の幾何学的形
状または形状および寸法の選択は、熱伝達面の熱伝達を
可能な限り高めるように、局部的な流れの流線方向に対
して最適化されることが好ましい。所定のエアフォイル
30の流れの流線方向を求めるのは、一般に容易である
ことが理解されよう。
【0029】本明細書で開示および説明した本発明の利
点は、図6を参照するとさらによく理解される。図6
は、後縁の近傍で凸状側壁に窪みを含む冷却エアフォイ
ルと窪みを含まない冷却エアフォイルについて、冷却エ
アフォイルの翼弦中間部におけるエアフォイル30の外
側金属面40に沿った相対温度プロファイルを示したグ
ラフである。図6において、TEは、後縁36、LE
は、前縁34、PSは、正圧側壁、SSは、負圧側壁を
指す。
【0030】曲線110は、窪み90を含まない場合の
相対温度プロファイルを示しており、曲線112は、窪
み90を含む場合の相対温度プロファイルを示してい
る。長さL1は、窪み90を使用することが好ましい領
域である後縁36の近傍における凸状側壁44上の領域
を示す。曲線112を参照すると、後縁36に配置され
た本発明の窪み90が、エアフォイル30の外側面40
の相対温度を減少させており、これにより後縁36の近
傍における後方内部キャビティ54の内側面38が冷却
されていることが分かる。曲線112によって示される
この温度の減少は、後縁36の冷却機構の改善を示して
おり、この冷却機構では、窪み90が設けられていない
場合に比べて必要な圧縮機抽気がかなり少なくなる。
【0031】最後に、本発明は、改善された冷却機構す
なわち窪み90を有利に利用しており、この冷却機構
は、追加の圧縮機抽気を必要とせずにエアフォイル30
の冷却を高める。従って、タービン効率が損なわれるこ
となく、またエンジン(推進力)および機械(地上での
発電)の運転コストも損なわれることがない。このこと
は、推進力や発電に使用される近代のガスタービンエン
ジンが、より大きな推力または電気出力をそれぞれ提供
するようになるにつれてますます重要になる。このよう
なガスタービンエンジンでは、燃焼を維持するのにより
多くの空気量が必要となるので、効率化のためにはエア
フォイルで使用可能な冷却空気が少なくなる。本発明の
また他の利点は、利用済の衝突流の交差によってバッフ
ル衝突冷却の効果が最も低くなる箇所である後縁に向か
って窪み90の使用が集中していることである。従っ
て、利用済の衝突流が後縁36の冷却スロット84から
流出するのを制限することなく、エアフォイル30の後
縁36において冷却が改善される。さらに、当業者であ
れば分かるように、窪み90によるエアフォイル冷却の
改善は、既存のエアフォイルにおいてみられる後縁36
の近傍における衝突冷却や、後縁36の近傍で凸状側壁
44に存在しうるフィルム冷却孔とともに良好に機能
し、このような構成も本発明の範囲に含まれる。
【0032】さらに、本発明は、衝突孔およびフィルム
冷却孔の両方を含む既存のエアフォイル30で容易に用
いることができる。例えば、既存のエアフォイル30が
一連のフィルム冷却孔を有する場合には、本発明の利用
によって熱伝達がさらに高まるとともにエアフォイル3
0を冷却するために要求されるフィルム冷却量が減少す
る。既存のエアフォイル30がフィルム冷却孔を備えて
いない場合には、本発明の利用によって、エンジン性能
の低下を伴うことなく、既存のエアフォイル30に対流
冷却を改善する手段を提供する。
【0033】上述のように、本発明は、他の多くのエア
フォイル構成で実施および利用することができる。本発
明の冷却可能なエアフォイル30は、タービンベーン2
6に関連して説明したが、本発明は、回転タービンブレ
ード24でも同様の有用性で使用することができる。さ
らに、本発明は、タービン発電機ともに、航空機や海上
用途などのタービンエンジンのタービンエアフォイルで
使用可能である。
【0034】本発明は、好適実施例を参照して説明した
が、当業者であれば分かるように、本発明の趣旨から逸
脱することなく、種々の変更を行うことができるととも
にその要素を同等物と交換することができる。さらに、
本発明の実質的な範囲から逸脱することなく、特定の状
況または材料を本発明の教示に適用させるために種々の
修正を行うことができる。従って、本発明は、発明を実
施するための好適実施例として開示した特定の実施例に
限定されることなく、請求の範囲に含まれる全ての実施
例を含む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のタービンエアフォイルを使用する種類
のガスタービンエンジンの概略的な断面図である。
【図2】本発明に係るタービンエアフォイル、特に2つ
のプラットフォームと組み合わさったタービンベーンの
斜視図である。
【図3】2つのバッフルを含む図2のエアフォイルの拡
大説明図である。
【図4】図3の4−4線に沿った図2のエアフォイルの
断面図である。
【図5】図5Aは、図4の部分拡大図であり、図5B〜
図5Hは、本発明の異なる幾何学的な表面窪みを示す説
明図である。
【図6】窪みを後縁の近傍でかつ凸状側壁に設けた冷却
エアフォイルおよび窪みを含まないエアフォイルに関す
る、冷却エアフォイルの翼弦中央部におけるエアフォイ
ルの外側金属面40に沿った相対温度プロファイルのグ
ラフである。
【符号の説明】
38…内側面 52…前方内部キャビティ 54…後方内部キャビティ 68…フィルム空気孔 70…前方バッフル 72,78…内部プレナム 73,77…間隙 76…後方バッフル 90…窪み G…ゲージポイント
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 フランク ジェイ.クンハ アメリカ合衆国,コネチカット,エイボ ン,ブルース レーン 5 (72)発明者 ヤング エイチ.チョン アメリカ合衆国,コネチカット,マンチェ スター,ミドル ターンパイク ダブリュ ー.ナンバービー1 1200 (72)発明者 ブライアン ピー.ドゥブ アメリカ合衆国,コネチカット,ミドルタ ウン,ミルブルック ロード 392 Fターム(参考) 3G002 CA09 CA11 CB05 GA08 GB01

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前縁と、後縁と、正圧側壁と、負圧側壁
    と、を有し、前記正圧側壁と前記負圧側壁とは、前記前
    縁および前記後縁で接続されているとともに、間にキャ
    ビティを画成するように互いから離間されており、前記
    キャビティは、該キャビティの端部から冷却空気が流入
    可能となるように前記エアフォイルの根部と先端部との
    間で長手方向に延びているとともに内側面を有し、 さらに、前記内側面に設けられた複数の窪みを有するこ
    とを特徴とするエアフォイル。
  2. 【請求項2】 前記窪みは、前記負圧側壁の内側面に設
    けられていることを特徴とする請求項1記載のエアフォ
    イル。
  3. 【請求項3】 前記窪みは、前記正圧側壁の内側面に設
    けられていることを特徴とする請求項1記載のエアフォ
    イル。
  4. 【請求項4】 前記窪みは、前記後縁の近傍に設けられ
    ていることを特徴とする請求項2記載のエアフォイル。
  5. 【請求項5】 前記窪みは、前記後縁の近傍に設けられ
    ていることを特徴とする請求項3記載のエアフォイル。
  6. 【請求項6】 前記窪みは、前記前縁の近傍に設けられ
    ていることを特徴とする請求項1記載のエアフォイル。
  7. 【請求項7】 前記複数の窪みは、ジグザグ状の線を中
    心に配置されるように、長手方向に延びる少なくとも2
    つの列で互い違いに配列されていることを特徴とする請
    求項1記載のエアフォイル。
  8. 【請求項8】 前記前縁は、前記後縁をフィルム冷却す
    るために前記冷却空気の一部を排出する空気排出手段を
    備えており、この空気排出手段は、前記キャビティと流
    体的に連通していることを特徴とする請求項4記載のエ
    アフォイル。
  9. 【請求項9】 前記空気排出手段は、前記前縁を通って
    延びる複数の前縁フィルム冷却孔であることを特徴とす
    る請求項8記載のエアフォイル。
  10. 【請求項10】 さらに、バッフルを有し、このバッフ
    ルは、前記キャビティ内に設けられているとともに複数
    の貫通孔を含んでおり、かつ前記キャビティの内側面を
    冷却するように構成されていることを特徴とする請求項
    4記載のエアフォイル。
  11. 【請求項11】 前記バッフルは、プレナムを画成し、
    このプレナムは、前記冷却空気を受け入れ、前記貫通孔
    は、前記プレナムで受け入れた冷却空気を対応する噴流
    として前記内側面に衝突するように導く衝突孔であるこ
    とを特徴とする請求項9記載のエアフォイル。
  12. 【請求項12】 前記窪みは、それぞれディンプルであ
    り、これらのディンプルは、前記内側面に設けられた凹
    状のリセスを含むことを特徴とする請求項1記載のエア
    フォイル。
  13. 【請求項13】 エアフォイルの熱伝達改善方法であっ
    て、 前縁と、後縁と、正圧側壁と、負圧側壁と、を有する前
    記エアフォイルを用意することを含み、前記正圧側壁と
    前記負圧側壁とは、前記前縁および前記後縁で接続され
    ているとともに、間にキャビティを画成するように互い
    から離間されており、前記キャビティは、該キャビティ
    の端部から冷却空気が流入可能となるように前記エアフ
    ォイルの根部と先端部との間で長手方向に延びていると
    ともに内側面を有し、 さらに、前記内側面に複数の窪みを形成することを含む
    ことを特徴とするエアフォイルの熱伝達改善方法。
  14. 【請求項14】 前記窪みは、前記負圧側壁の内側面で
    かつ前記後縁の近傍に設けられていることを特徴とする
    請求項13記載のエアフォイルの熱伝達改善方法。
  15. 【請求項15】 前記窪みは、前記正圧側壁の内側面で
    かつ前記前縁の近傍に設けられていることを特徴とする
    請求項13記載のエアフォイルの熱伝達改善方法。
  16. 【請求項16】 前記複数の窪みは、ジグザグ状の線を
    中心に配置されるように、長手方向に延びる少なくとも
    2つ列で互い違いに配列されていることを特徴とする請
    求項13記載のエアフォイルの熱伝達改善方法。
  17. 【請求項17】 前記前縁は、該前縁を通って延びる複
    数のフィルム冷却孔を備えており、これらのフィルム冷
    却孔は、前記後縁をフィルム冷却するために前記冷却空
    気の一部を排出するように前記キャビティと流体的に連
    通して設けられていることを特徴とする請求項13記載
    のエアフォイルの熱伝達改善方法。
  18. 【請求項18】 さらに、バッフルを有し、このバッフ
    ルは、前記キャビティ内に設けられているとともに複数
    の貫通孔を含んでおり、前記バッフルは、前記キャビテ
    ィの内側面を冷却するように構成されていることを特徴
    とする請求項14記載のエアフォイルの熱伝達改善方
    法。
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