JP2003138478A - ポリエステル系繊維の減量加工方法 - Google Patents

ポリエステル系繊維の減量加工方法

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JP2003138478A
JP2003138478A JP2001330632A JP2001330632A JP2003138478A JP 2003138478 A JP2003138478 A JP 2003138478A JP 2001330632 A JP2001330632 A JP 2001330632A JP 2001330632 A JP2001330632 A JP 2001330632A JP 2003138478 A JP2003138478 A JP 2003138478A
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alkylene glycol
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Hiroshi Horiuchi
裕志 堀内
Minoru Nakajima
実 中島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繊維より減量除去されたポリエステル成分を
も有効に利用することのできる、ポリエステル系繊維の
減量加工方法を提供すること。 【解決手段】 ポリエステル系繊維を減量加工する際
に、アルキレングリコール、減量剤及び該アルキレング
リコールより沸点の低い減量促進剤とから実質的になる
減量処理剤混合物を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリエステル系繊
維の減量加工方法に関し、更に詳しくは、該繊維より減
量除去された成分を有効に利用でき、かつ減量処理速度
に優れた減量加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリエステル、とりわけポリアルキレン
テレフタレートは、その化学的安定性が優れていること
から、繊維等生活関連資材に大量に生産・使用されてい
る。しかしながらこれを特に婦人用衣料素材として用い
る場合には、風合いの点に大きな問題があった。
【0003】この問題を解決するため、水酸化ナトリウ
ム水溶液中で60℃以上の温度で処理し、加水分解する
ことによって風合いの改良を行うアルカリ減量加工法
(英国特許明細書第652948号)が提案された。
【0004】該アルカリ減量加工処理は、その目的に応
じた風合いを得るため数%〜50%の減量率で実施する
が、20%以上の高減量を行おうとする場合には、20
〜50重量%もの高濃度の水酸化ナトリウム水溶液を使
用するのが一般的である。しかしながら、このような高
濃度の水酸化ナトリウム水溶液の使用は作業危険度が非
常に高いという問題点があった。
【0005】更に、該減量加工処理時に発生する、ポリ
アルキレンテレフタレートを溶解したアルカリ減量処理
工程から排出される廃水(以下、単にアルカリ廃水と略
記することがある。)の処理についても、該廃水はこの
ままでは廃棄できず、硫酸等を用いた酸析で二価芳香族
カルボン酸とアルカリ塩水溶液を生成させ、固液分離等
の操作で二価芳香族カルボン酸をアルカリ塩水溶液より
分離して焼却などを行う必要があり、水酸化ナトリウ
ム、硫酸及びポリエステル原料となり得る資源を多量に
消費するという点で問題であった。
【0006】また、アルカリ塩水溶液には二価芳香族カ
ルボン酸と結合していた多量のアルキレングリコールが
含有されており、該水溶液の廃棄は、活性汚泥処理装置
等のアルキレングリコール除去設備を経由してからでな
いと実施できないという問題があった。
【0007】また、特開平10−317276号公報で
は、溶媒としてアルキレングリコールやポリオキシアル
キレングリコールを60%以上含んだ水に10%未満の
アルカリを使用する方法が提案されている。この方法で
は、使用する水が少なくアルカリ消費も少ないという利
点は保有するものの、アルカリ加水分解という手段を使
用している限り、アルカリ減量加工後に残る廃液処理問
題の根本的解決には至っていなかった。
【0008】一方、回収した二価芳香族カルボン酸を有
効利用しようとする提案(特公平5−59899号公報
等)もなされている。すなわち、アルカリ廃水の酸析処
理から得られた固形物の二価芳香族カルボン酸には、酸
析過程での酸成分及び減量対象となる繊維に含まれてい
る二酸化チタンなどを主成分とする灰分を保有してお
り、この回収二価芳香族カルボン酸を水洗し、次いでメ
タノール、酢酸コバルトと共に高温加圧反応設備で二価
芳香族カルボン酸ジメチルに戻す方法である。
【0009】しかしながらこの方法では、多量の洗浄水
を必要とすること、酸成分が残留する物質を高温下で取
り扱うため、これに耐える設備を必要とする等の問題が
あり、また酸析に用いる酸の消費という点で依然として
問題がある。このため、アルカリ廃水から回収した二価
芳香族カルボン酸は焼却等の廃棄処理以外には、効果的
な処理方法は確立されておらず、ポリエステル資源とし
て有用な成分を消失しているのが現状であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
したような従来技術が有していた問題点を解消し、繊維
より減量除去されたポリエステル成分をも有効に利用す
ることのできる、ポリエステル系繊維の減量加工方法を
確立することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の従
来技術に鑑み、鋭意検討を行って、本発明を完成するに
至った。
【0012】すなわち、本発明の目的は、ポリエステル
系繊維の減量加工を、アルキレングリコール、減量剤及
び該アルキレングリコールより沸点の低い減量促進剤の
三者から実質的になる減量処理剤混合物を用いて行う、
ポリエステル系繊維の減量加工方法によって達成するこ
とができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の減量加工の対象となるも
のは、ポリエステル系繊維であるが、ポリエステル系繊
維のみからなる織物、編物、不織布に止まらず、綿等の
天然繊維が含まれる混紡糸、布帛等に対しても本発明の
減量加工の対象とすることができる。
【0014】なお、本発明においてポリエステル系繊維
とは、ジオール成分と二価カルボン酸成分とを主たる構
成成分とするポリエステルよりなる繊維であって、就
中、ポリアルキレンテレフタレートよりなる繊維である
ことが好ましい。ここで、「主たる構成成分」とは該構
成成分が全構成成分を基準として70%以上を占めてい
ることをいう。
【0015】対象とするポリエステル系繊維を減量する
に際しては、繊維減量加工処理浴での減量剤濃度、減量
剤促進剤濃度、アルキレングリコール温度及び処理時間
との組み合わせによって適宜、目標とする風合いに適し
た減量率まで処理すればよく、処理温度としては、例え
ば70℃〜140℃の範囲に設定することができる。該
範囲内とすれば、減量加工後の繊維強度も十分に保持さ
せることができ、更に上記範囲内であれば、常圧での減
量処理操作も可能である。該処理温度は更に好ましくは
70℃〜120℃である。
【0016】また、処理時間としては、例えば5分〜1
80分の範囲に設定することができ、特に、生産性と製
品の減量率安定性との観点から20分〜90分が好まし
く、該減量加工は回分式で行っても連続式で行ってもど
ちらでもよい。
【0017】使用する減量剤としては、アルキレングリ
コール中で繊維を減量する作用があるかぎり、いずれも
選択することができるが、就中、アルカリ金属の炭酸
塩、酸化物、水酸化物、アルカリ土類金属の炭酸塩、酸
化物、水酸化物からなる群から選ばれた少なくとも一種
の金属化合物を用いることが好ましく、特に剤コスト、
取り扱い性の良さから炭酸ナトリウムを用いることが好
ましい。
【0018】上記減量剤の投入量には特に制限はない
が、減量処理剤混合物中での濃度が0.1〜10重量%
となるようすることが好ましい。
【0019】本発明においては、減量速度を高め、減量
加工に要する時間を短縮するため、減量促進剤を使用す
る。使用する減量促進剤としては、廃液処理工程で容易
に分離できるよう、減量加工に使用するアルキレングリ
コールより沸点の低いものを使用する。
【0020】該減量促進剤の例としては、アンモニア、
メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、エ
チレンジアミンのようなアミノ基を含む化合物、エチレ
ングリコールジメチルエーテルのようなエーテル化合
物、水等を挙げることができ、アミノ基を含む化合物か
らなる群から選ばれた少なくとも一種を用いるのが好ま
しい。
【0021】上記減量促進剤の投入量は減量剤混合物中
の1〜20重量%であることが好ましく、1重量%未満
では所定の減量に至る時間が長くなり、一方で10重量
%を越えると、減量が余りに早いため減量率の制御が困
難となるうえ、促進剤がポリエステルと反応し回収する
ことが困難となり、コストの点でも好ましくない。
【0022】上記の条件で減量加工した繊維は繊維減量
加工処理浴から引き上げ、必要に応じ脱液機にかけた
後、水洗浄器にて水洗する。水洗後の水は、少量のアル
キレングリコール、減量剤及び減量促進剤とを含有する
が、必要に応じ蒸留での回収、活性汚泥での処理といっ
た公知の従来技術が適用可能であり、これらは容易に分
離することができる。該水洗を充分に行った繊維は乾燥
設備で乾燥させて、減量済みの製品繊維となる。
【0023】一方、繊維減量加工処理浴中に存在してい
る減量剤混合物には繊維が溶解し続けるので、該減量剤
混合物には繊維に由来するアルキレングリコールや二価
芳香族カルボン酸エステルが次第に増加するが、浴中の
減量剤混合物を一定量抜き出すと同時に、一定量の新し
い減量剤混合物を投入すれば、浴中の二価芳香族カルボ
ン酸エステル濃度を一定に保つ事が出来る。減量剤混合
物の抜き出しは、以上のような連続式以外にも一定期間
毎に入れ替える回分式も当然適用可能であることはいう
までもない。
【0024】抜き出した減量剤混合物は未反応アルキレ
ングリコール、減量剤、減量促進剤、及び繊維に由来す
るアルキレングリコールや二価芳香族カルボン酸のエス
テルを含む。本発明においては、該抜き出し減量剤混合
物から減量促進剤を蒸留等の手段で分離することが容易
である。
【0025】また、分離した減量促進剤を減量工程へ再
利用することもできる。また、減量促進剤を分離するし
ないにかかわらず、抜き出した減量剤混合物は従来公知
のポリエステル廃棄物から有効成分を回収するポリアル
キレンテレフタレートのケミカルリサイクルプロセスの
原料としてそのまま使用することができる。
【0026】例えば、ポリアルキレンテレフタレートを
まずアルキレングリコールで解重合し、次いでメタノー
ルとエステル交換反応する事によりジメチルテレフタレ
ートとアルキレングリコールとを回収する方法におい
て、アルキレングリコールとして系内に加えればよく、
更に、該廃アルキレングリコールは一度蒸留し、留出ア
ルキレングリコールは再度繊維減量加工処理浴で使用
し、蒸留残渣釜残を上記回収プロセスに供給する事も可
能である。
【0027】
【実施例】以下、実施例により本発明の内容を更に具体
的に説明するが、本発明はこれにより何ら限定を受ける
ものではない。尚、実施例中の各数値は以下の方法によ
り求めた。また、実施例中において特に断らない限り
「部」は「重量部」を示す。 (1)繊維減量率(%):減量操作前後の繊維重量の差
を測定し、下記式に従って求めた。尚、重量は90℃に
保ったスチーム乾燥機内で乾燥させた後、冷却してから
測定した。
【0028】
【数1】減量処理前後の繊維重量の差÷減量処理前繊維
重量 × 100 (%) (2)減量剤濃度(重量%)・減量促進剤濃度(重量
%) 減量剤混合物の全重量を基準として重量濃度として重量
%で求めた。 (3)風合い アルカリ減量後のポリエステル織物(比較例2の織物)
を基準とし、他の例の減量処理後織物を、嵩高性、柔軟
性の点から比較した。
【0029】[実施例1]繊維減量加工処理浴混合液と
して、ステンレス製の密閉できる平容器内に試薬エチレ
ングリコール240部に減量剤として試薬炭酸ナトリウ
ム2.4部及び減量促進剤としてエチレンジアミン1.
6部を添加し、減量剤1.0重量%濃度、減量促進剤
0.65重量%の減量剤混合物を調製した。撹拌付き加
熱プレート上にこの平容器を載せ、内温が100℃にな
るように加熱した。
【0030】該溶液の内温が100℃に達した後、ポリ
エチレンテレフタレート繊維で構成された平織り織物を
外部の上部ローラーと繊維減量加工処理浴中液深40m
m位に中心を持つ下部ローラーとの間にセットし、上部
ローラーが35rpmでまわるように小型モーターを駆
動させた。上部ローラーの径は37mmで下部ローラー
の径は15mmであった。
【0031】織物を浴中に120分間浸した後、ローラ
ーから布を取り外し、50℃の温水1000部の中で水
洗した。水洗は2回実施し上記スチーム乾燥器で乾燥さ
せた。減量率は18.8%であった。得られた織物の風
合いは良好なものであった。
【0032】また、繊維減量加工処理浴中の液からは公
知の方法によって容易にポリエステル原料を回収するこ
とが可能であった。
【0033】[比較例1]実施例1において、繊維減量
加工処理浴中に減量促進剤としてのエチレンジアミンを
添加しなかったこと以外は同様の操作を行ったところ、
減量率は15.0%であり、減量速度が実施例に比べ劣
っていた。
【0034】[参考例]実施例1において、繊維減量加
工処理浴混合液として、12重量%水酸化ナトリウム2
40部を用い、内温を90℃としたこと以外は同様の操
作を実施した。織物の減量率は19.4%であった。得
られた織物の風合いは良好なものであったが、アルカリ
廃水が多量に発生した。
【0035】
【発明の効果】本発明の方法によれば、ポリエステル系
繊維の減量加工処理操作において、減量操作によって生
成する二価芳香族カルボン酸成分をポリアルキレンテレ
フタレートケミカルリサイクルの原料として有効利用す
ることができ、その工業的意義は大である。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステル系繊維の減量加工を、アル
    キレングリコール、減量剤及び該アルキレングリコール
    より沸点の低い減量促進剤の三者から実質的になる減量
    処理剤混合物を用いて行う、ポリエステル系繊維の減量
    加工方法。
  2. 【請求項2】 ポリエステル系繊維がポリアルキレンテ
    レフタレートからなる繊維である、請求項1記載の減量
    加工方法。
  3. 【請求項3】 アルキレングリコールが、エチレングリ
    コール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジ
    オールからなる群から選ばれた少なくとも一種のジオー
    ルである、請求項1記載の減量加工方法。
  4. 【請求項4】 減量剤が、アルカリ金属の炭酸塩、酸化
    物、水酸化物、アルカリ土類金属の炭酸塩、酸化物、水
    酸化物からなる群から選ばれた少なくとも一種の金属化
    合物である、請求項1記載の減量加工方法。
  5. 【請求項5】 減量促進剤が、アミノ基を含む化合物群
    から選ばれた少なくとも一種の化合物である、請求項1
    記載の減量加工処理方法。
  6. 【請求項6】 減量処理剤混合物を基準として、アルキ
    レングリコールが80重量%以上を占め、かつ減量剤促
    進剤濃度が0.1〜20重量%を占める、請求項1記載
    の減量加工処理方法。
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GB2473737A (en) * 2009-09-18 2011-03-23 Peter James Hammond Treatment of materials to bind carbon dioxide to their surface

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