JP2003135891A - 二酸化炭素による洗浄方法及びその装置 - Google Patents
二酸化炭素による洗浄方法及びその装置Info
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Abstract
浄が終了した後、洗浄槽内を急激に降圧させても、ドラ
イアイスが発生せず、また、被洗浄物の破損も生じない
ため、高い稼働率で洗浄を行うことができる二酸化炭素
による洗浄方法及びその装置を提供する。 【解決手段】 洗浄槽6内に被洗浄物12と、洗浄溶媒
として液体二酸化炭素又は超臨界二酸化炭素を導入して
洗浄を行う工程と、該洗浄槽6内の該洗浄溶媒を不活性
ガスで置換した後、該洗浄槽6から該被洗浄物12を取
り出す工程とを含んでなることを特徴とする。
Description
洗浄方法及びその装置に関し、さらに詳しくは、液体又
は超臨界状態とした二酸化炭素を使用することにより、
水を用いずに衣類等の被洗浄物を洗浄することができる
二酸化炭素による洗浄方法及びその装置に関する。
常圧の大気中に約300ppm含まれる不活性ガスであ
る。しかし、加圧雰囲気下のある温度条件では、液体二
酸化炭素状態(以下、LCO2)に変化し、臨界圧力
(7.39MPa)及び臨界温度(31.0℃)以上の
条件では、超臨界二酸化炭素状態(以下、SCCO2)
に変化する。このSCCO2やLCO2には、油脂などを
溶かす溶解力があるため、溶媒として用いられている。
この技術を衣類等の洗浄に応用する技術として、特開平
5−202388号公報や特開平8−290128号公
報などがある。
の洗浄装置を示す概要図である。図2に示すように、C
O2供給部21から供給されるCO2は、冷却器22で冷
却されて液化した後、高圧ポンプ23及び加熱器24で
加圧、加温されてSCCO2やLCO2となり、洗浄槽2
5に導入される。そして、洗浄槽25内で、被洗浄物2
8とSCCO2又はLCO2とを接触させることにより、
被洗浄物28に付着した有機物質などの汚れをSCCO
2又はLCO2へ溶解させて、被洗浄物28から汚れを除
去する。汚れを含んだSCCO2又はLCO2は、汚れ分
離器27へ排出される。汚れ分離器27では、SCCO
2又はLCO2を油脂の溶解力の無い状態まで減圧して、
汚れとCO2とを分離する。汚れが分離されたCO2は、
再び冷却器2に送られて再使用される。
する必要が無く、また、水が乾燥時に濃縮されウォータ
ーマーク(乾燥跡)として残るといった水洗浄での不具
合を解消できる等の優れた効果を有する。しかし、洗浄
終了後、被洗浄物を取り出すために、洗浄槽内のSCC
O2又はLCO2を排出して大気圧へ降圧させるが、その
時に以下の問題が生じる。 (1)急激に降圧させると、CO2が昇華してドライア
イスが発生する。そのため、ドライアイスを溶解させる
ための乾燥手段が必要となる。 (2)被洗浄物が衣料の場合、急激に降圧させると、繊
維内に入り込んだCO2も急激に気化して繊維内に気泡
が発生し、繊維が膨張する。そのため、衣料が破損され
る。 (3)ドライアイスの生成や衣料の破損を防ぐため、ゆ
っくり降圧させると、降圧時間が長くなる。そのため、
全洗浄時間が長くなり、稼働率が低下する。
点を鑑み、液体二酸化炭素又は超臨界二酸化炭素による
洗浄が終了した後、洗浄槽内を急激に降圧させても、ド
ライアイスが発生せず、また、被洗浄物の破損も生じな
いため、高い稼働率で洗浄を行うことができる二酸化炭
素による洗浄方法及びその装置を提供することを目的と
する。
めに、本発明に係る二酸化炭素による洗浄方法は、洗浄
槽内に被洗浄物と、洗浄溶媒として液体二酸化炭素(L
CO2)又は超臨界二酸化炭素(SCCO2)を導入して
洗浄を行う工程と、該洗浄槽内の該洗浄溶媒を不活性ガ
スで置換した後、該洗浄槽から該被洗浄物を取り出す工
程とを含んでなることを特徴とする。上記不活性ガスと
しては、窒素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴ
ンガスなどを用いることが好ましい。このように、洗浄
槽内のLCO2又はSCCO2を、全て不活性ガスで置換
してから降圧させることにより、当然、ドライアイスは
生成せず、また、置換した不活性ガスは相変化を伴うこ
とが無いので、洗浄槽内に液体又は固体が残存すること
を防止できる。また、被洗浄物に衣料を用いた場合も、
繊維中のCO2も不活性ガスに置換されるため、被洗浄
物の破損も防止できる。さらに、不活性ガスの降圧に時
間をかける必要が無いため、全洗浄時間の短縮が可能と
なる。加えて、地球温暖化の一因でもあるCO2を大気
に放出することを防止できるとともに、CO2より安価
な不活性ガスを排気するため、ランニングコストの削減
が可能となる。
洗浄溶媒中から汚れ成分を分離除去し、再び洗浄溶媒と
して再利用することが好ましい。これにより、地球温暖
化の一因でもあるCO2を大気に放出することを防止で
きるとともに、CO2の再利用によりランニングコスト
の削減が可能となる。また、上記発明において、上記再
利用する洗浄溶媒と上記洗浄槽内に導入する洗浄溶媒と
を熱交換することが好ましい。これにより、熱エネルギ
ーを節約することができ、更なるランニングコストの削
減が可能になる。
装置は、二酸化炭素の供給を行う二酸化炭素供給手段
と、該二酸化炭素を臨界圧力以上まで加圧する加圧手段
と、該二酸化炭素を臨界温度以上まで加熱する加熱手段
と、被洗浄物を液体二酸化炭素又は臨界二酸化炭素で洗
浄する洗浄槽と、該洗浄槽内に不活性ガスを供給する不
活性ガス供給手段とを備えたことを特徴とする。
炭素を一時的に貯留する貯留槽を、更に備えることが好
ましい。これにより、(1)ドライアイスの発生を防
ぐ、(2)被洗浄物の破損を生じない、(3)すばやく
洗浄槽内の圧力を減圧できるため高い稼働率で洗浄でき
る、などのメリットがある。また、上記発明において、
上記洗浄槽で洗浄に使用された二酸化炭素から汚れ成分
を分離除去する分離手段と、該分離手段で汚れ成分が除
去された二酸化炭素と上記洗浄槽に供給される二酸化炭
素とで熱交換を行う熱交換手段とを、更に備えることが
好ましい。
発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明に係る二
酸化炭素による洗浄装置の一実施の形態を示す概要図で
ある。図1に示すように、CO2ボンベなどのCO2供給
部1の後段には、CO 2を液化する冷却器2が設けら
れ、さらにその後段には、CO2を臨界圧力以上まで加
圧する高圧ポンプ3が設けられている。高圧ポンプ3の
後段には、熱交換器4を介して、CO2を臨界温度以上
まで加熱する加熱器5が設けられている。加熱器5の後
段には、CO2の臨界温度及び臨界圧力以上を保持でき
る耐圧容器の洗浄槽6が設けられている。また、洗浄槽
6の前段に、不活性ガスを洗浄槽6に供給する不活性ガ
ス供給部8も設けられている。不活性ガスとしては、窒
素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガスなど
を用いることが好ましい。
超えるとCO2を通過させる保圧弁7を介して、洗浄槽
6内で洗浄に用いられたCO2から汚れ成分を分離除去
する汚れ分離器11と、バルブ10を介して、洗浄槽6
内のCO2を一時的に貯留するサブタンク9とが設けら
れている。汚れ分離器11の後段には、汚れ成分が除去
されたCO2を再利用するため、熱交換器4を介して、
冷却器2が配置されている。なお、洗浄槽6では、攪
拌、超音波、又は減圧により発生した気泡などにより、
機械力を与えて、洗浄力の向上を図ることもできる。
給部1により供給されるCO2は、冷却器2で冷却され
て液化した後、高圧ポンプ3で臨界圧力(7.39MP
a)以上に加圧される。そして、熱交換器4により洗浄
後の常温のCO2と熱交換した後、加熱器5でさらに臨
界温度(31.0℃)以上に加熱され、洗浄槽6に供給
される。CO2は、随時、高圧ポンプ3で洗浄槽6へ供
給され、洗浄装置内を循環している。洗浄槽6内は、C
O2が、SCCO2又はLCO2として存在できるよう
に、温度及び圧力が保持されている。そして、予め洗浄
槽6内に導入された被洗浄物12と、洗浄溶媒であるS
CCO2又はLCO2とが接触することにより、被洗浄物
12から汚れ成分が除去される。洗浄中、洗浄槽6内は
保圧弁7により圧力を一定に保つことができる。
されるSCCO2又はLCO2は、洗浄槽6内が設定圧力
以上に加圧された時、過剰のSCCO2又はLCO2とし
て、汚れ分離器11に送られる。汚れ分離器11ではS
CCO2又はLCO2を油脂の溶解力の無い状態まで減圧
し、汚れとCO2を分離する。汚れが除去されたCO
2は、熱交換器4で新しく洗浄槽6へ供給される低温の
CO2と熱交換した後、さらに冷却器2で冷却されて液
化し、再度、洗浄に使用することができる。ただし、汚
れ分離器11から送られるCO2を冷却器2へ導入する
場合は、ポンプ等により、CO2供給部1から冷却器2
へCO2を供給するのを一時的に止める。
て、被洗浄物12の洗浄が終了すると、次に、不活性ガ
ス供給部8から不活性ガスを洗浄槽6内の圧力より高い
圧力で洗浄槽6に供給する。これと同時に、バルブ10
を開き、洗浄槽6内のSCCO 2又はLCO2をサブタン
ク9に移す。このとき、不活性ガスと比較してSCCO
2又はLCO2は密度が高いため、比重差及び圧力差で、
サブタンク9に選択的に移動させることができる。この
操作により、洗浄槽6内のSCCO2又はLCO2を全て
不活性ガスに置換することができる。なお、SCCO2
又はLCO2をサブタンク9に移す代わりに、汚れ分離
器11に移すこともできる。この場合、サブタンク9は
不要になるので洗浄装置を小型化できる。
浄槽6内の不活性ガスを排出し、急速に大気圧まで降圧
させても、不活性ガスは相変化を伴うことが無いので、
洗浄槽6内に液体又は固体が残存することがなく、また
蒸発潜熱の補給の必要も無くなる。よって、洗浄後に乾
燥する必要がなく、また破損もない被洗浄物12を得る
ことができる。また、CO2より安価な不活性ガスを排
出するので、CO2を排出する場合と比較して、ランニ
ングコストを約1/3に削減することが可能となる。な
お、新たな被洗浄物12を洗浄槽6に入れて再度洗浄を
行う場合、サブタンク9内のCO2は再利用できるの
で、バルブ10を開いてサブタンク9内のCO2を洗浄
槽6へ供給してから、CO2供給部1よりCO2の供給を
行う。
発明によれば、液体二酸化炭素又は超臨界二酸化炭素に
よる洗浄が終了した後、洗浄槽内を急激に降圧させて
も、ドライアイスが発生せず、また、被洗浄物の破損も
生じないため、高い稼働率で洗浄を行うことができる二
酸化炭素による洗浄方法及びその装置を提供することが
できる。
施の形態を示す概要図である。
である。
Claims (6)
- 【請求項1】 洗浄槽内に被洗浄物と、洗浄溶媒として
液体二酸化炭素又は超臨界二酸化炭素を導入して洗浄を
行う工程と、該洗浄槽内の該洗浄溶媒を不活性ガスで置
換した後、該洗浄槽から該被洗浄物を取り出す工程とを
含んでなる二酸化炭素による洗浄方法。 - 【請求項2】 上記洗浄に使用された洗浄溶媒中から汚
れ成分を分離除去し、再び洗浄溶媒として再利用する工
程をさらに含んでなる請求項1に記載の二酸化炭素によ
る洗浄方法。 - 【請求項3】 上記再利用する洗浄溶媒と上記洗浄槽内
に導入する洗浄溶媒とを熱交換して、熱エネルギーを節
約することを特徴とする請求項1又は2に記載の二酸化
炭素による洗浄方法。 - 【請求項4】 二酸化炭素の供給を行う二酸化炭素供給
手段と、該二酸化炭素を臨界圧力以上まで加圧する加圧
手段と、該二酸化炭素を臨界温度以上まで加熱する加熱
手段と、被洗浄物を液体二酸化炭素又は超臨界二酸化炭
素で洗浄する洗浄槽と、該洗浄槽内に不活性ガスを供給
する不活性ガス供給手段とを備えたことを特徴とする二
酸化炭素による洗浄装置。 - 【請求項5】 上記洗浄槽内の二酸化炭素を一時的に貯
留する貯留槽を更に備えたことを特徴とする請求項4に
記載の二酸化炭素による洗浄装置。 - 【請求項6】 上記洗浄槽で洗浄に使用された二酸化炭
素から汚れ成分を分離除去する分離手段と、該分離手段
で汚れ成分が除去された二酸化炭素と上記洗浄槽に供給
される二酸化炭素とで熱交換を行う熱交換手段とを更に
備えたことを特徴とする請求項4又は5に記載の二酸化
炭素による洗浄装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001339503A JP2003135891A (ja) | 2001-11-05 | 2001-11-05 | 二酸化炭素による洗浄方法及びその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003135891A true JP2003135891A (ja) | 2003-05-13 |
Family
ID=19153843
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001339503A Pending JP2003135891A (ja) | 2001-11-05 | 2001-11-05 | 二酸化炭素による洗浄方法及びその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003135891A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005288388A (ja) * | 2004-04-02 | 2005-10-20 | Showa Tansan Co Ltd | 気液分離装置 |
JP2009089796A (ja) * | 2007-10-04 | 2009-04-30 | Hisaka Works Ltd | 二酸化炭素によるクリーニング方法およびそれに用いる装置 |
JP2010148632A (ja) * | 2008-12-25 | 2010-07-08 | Sharp Corp | 洗浄装置 |
JP2011218352A (ja) * | 2011-04-27 | 2011-11-04 | Showa Tansan Co Ltd | 気液分離装置 |
IT201600074797A1 (it) * | 2016-07-18 | 2018-01-18 | Alessio Pecorella | Lavatrice ad acqua gasata |
KR20220107555A (ko) * | 2021-01-25 | 2022-08-02 | 엘지전자 주식회사 | 의류처리장치 |
-
2001
- 2001-11-05 JP JP2001339503A patent/JP2003135891A/ja active Pending
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KR102472994B1 (ko) | 2021-01-25 | 2022-12-01 | 엘지전자 주식회사 | 의류처리장치 |
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