JP2003130597A - クラッカー - Google Patents

クラッカー

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JP2003130597A
JP2003130597A JP2001329386A JP2001329386A JP2003130597A JP 2003130597 A JP2003130597 A JP 2003130597A JP 2001329386 A JP2001329386 A JP 2001329386A JP 2001329386 A JP2001329386 A JP 2001329386A JP 2003130597 A JP2003130597 A JP 2003130597A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 受圧板8が、筒状体1の軸線と直交する姿勢
に確実に保持されると共に、爆風圧を筒状体内面との間
から逃がすことなく効率よく受けて送り体7に有効に伝
えるし、しかも送り体7を爆薬3の爆発片や爆熱から防
護できるクラッカーを提供する。 【解決手段】 前端に放出口2を有する筒状体1の内部
に、後方から前方に向かって順に爆薬受座4、引紐5の
引張り操作で爆発する爆薬3、この爆薬の爆発エネルギ
ーを受けて放出口2の方向へ発射される平板状の受圧板
8、この受圧板との衝突作用により放出口2の方向へ飛
ばされる被放出物9を備えているクラッカーにおいて、
受圧板8は筒状体1に圧入されて該筒状体の内面に圧接
係合しており、受圧板8と被放出物9との間には、受圧
板8により押されるまま発射し被放出物9に衝突して該
被放出物を前方へ飛ばすための送り体7を配備してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、引紐の引張り操作
によって爆薬が爆発し、この爆発によって軽量の紙テー
プ等の被放出物が空中に放出されるクラッカーの改良に
関する。
【0002】
【従来の技術】この種のクラッカーは、一般に、図5に
示すように、筒状体1の内部に、爆薬3の爆風を受けて
発射し、紙片や小巻きテープ等被放出物9に衝突して該
被放出物9を放出口2から飛ばすための足付きパンと俗
称される紙製の足付き受圧板20、あるいは丸パンと称
される円板状の受圧板が配備されている(例えば、実開
昭60−189796号公報)。また、この種のクラッ
カーの受圧体21が、図7に示すように、発泡プラスチ
ック製の円柱体からなるものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、足付き受圧
板20を備えた上記クラッカーでは、足付き受圧板20
は、本来、図6に実線で示すように、その円板部20a
が筒状体1の軸線Xと直交する状態に保持されるべきも
のであるが、足部片20bが円板部20aに対し鈍角又
は鋭角に変位し易い。このため、実際に、この足付き受
圧板20を筒状体1に組み込むとき足部片20bが筒状
体1の内面に対し部分的に摺接することにより円板部2
0aに対し鈍角又は鋭角に変位し、組み込み後に必ずし
も円板部20aが筒状体1の軸線Xと直交する状態に保
持されているものとは限られず、図6に仮想線で示すご
とく円板部20aが軸線Xに対し斜めになっていること
がよくある。かかる斜めの状態で受圧板20がそのまま
爆薬3の爆風を受けて筒状体1内を移動した場合は、多
量の被放出物9の飛距離を十分に出すことができない。
【0004】これに対し、円柱状の受圧体21を備えた
後者のクラッカーによれば、前者の足付き受圧板20に
より生じる上記のような不具合はなく、筒状体1の軸線
に沿って真っ直ぐにかつ安定よく移動できるため、被放
出物9をできる限り遠方にまで飛ばすことができる。し
かし、円柱状の受圧体21の材料には、一般に、発泡ス
チロール樹脂がよく使用されているが、この受圧体21
は爆薬3の爆発片や爆熱で変形したり、破損、損傷した
りし、これにより被放出物9に爆発力を有効に伝えられ
ず、多量の被放出物9を十分に飛ばす力を低下、喪失す
ることがあった。
【0005】そこで、本発明の目的は、このような問題
を解決するためになされたものであり、爆薬の爆発エネ
ルギーを直接受ける平板状の受圧板を筒状体の軸線に沿
って真っ直ぐにかつ安定よく平行移動できるようにし、
もって多量の被放出物をできる限り遠方にまで飛ばすこ
とのできるクラッカーを提供することにある。また、本
発明の目的は、受圧板と併用され、受圧板により押され
るまま発射し被放出物に衝突して該被放出物を飛ばすた
めの送り体を、爆薬の爆発片や爆熱から防護できるクラ
ッカーを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前端に放出口
を有する筒状体の内部に、後方から前方に向かって順に
爆薬受座、引紐の引張り操作で爆発する爆薬、この爆薬
の爆発エネルギーを受けて前記放出口の方向へ発射され
る平板状の受圧板、この受圧板の衝突を受けて前記放出
口の方向へ飛ばされる被放出物を備えているクラッカー
において、前記受圧板は前記筒状体に圧入されて該受圧
板の外周が前記筒状体の内面に圧接係合されており、該
受圧板と前記被放出物との間には、前記受圧板の板厚よ
りも大きい厚みを有して該受圧板により押されるまま発
射し前記被放出物に衝突して該被放出物を前方へ飛ばす
ための送り体が配備されていることに特徴を有するもの
である。
【0007】この場合において、前記筒状体は少なくと
も前記受圧板の圧接係合する前方付近が前方に向かって
漸次拡開するテーパー状に形成することができる。ま
た、前記送り体は、前記筒状体に圧入させて該筒状体の
内面に圧接係合させるか、あるいは非圧接状態に収容す
ることができる。さらに、前記受圧板は前記送り体より
も爆発衝撃に耐え得る材料で形成することができる。
【0008】
【作用】上記構成のクラッカーによれば、受圧板は筒状
体に圧入されて該筒状体の内面に圧接係合しているの
で、この受圧板は筒状体の軸線と直交する状態に確実に
保持することができる。したがって、受圧板は筒状体の
軸線に沿って真っ直ぐにかつ安定よく移動できて多量の
被放出物を送り体を介してできる限り遠方にまで飛ばす
ことができる。また、筒状体に圧入されて該筒状体の内
面に圧接係合している受圧板は、爆薬の爆風圧を筒状体
の内面との間から漏らすようなことがないため、受圧効
率が高められ、送り体に爆発力を有効に伝え、発射効率
を上げることができる。
【0009】受圧板と被放出物との間には、受圧板によ
り押されるまま被放出物を前方へ飛ばすための送り体を
配備されるが、この送り体は爆薬の爆発片や爆熱により
変形や破損、損傷を加えられるのを受圧板で防止される
ため、送り体は被放出物に爆発力を有効に伝えることが
できて被放出物を飛ばす作用を確実に発揮する。また、
送り体は受圧板が筒状体の内部で斜めに倒れるのを防止
し、受圧板が筒状体の軸線と直交する姿勢保持をより確
実にする。
【0010】筒状体は少なくとも受圧板の圧接係合する
前方付近が前方に向かって漸次拡開するテーパー状に形
成しておくと、この筒状体の内部で受圧板が、当初、圧
接係合していても、爆薬の爆発力を受けて一旦筒状体内
面との係合を解いて前方へ少し移動した瞬間から筒状体
内面との間に隙間を生じるため摩擦抵抗なく初速のまま
速やかに前方に発射し、被放出物に送り体を介してぶつ
かって該被放出物を放出口から勢いよく飛ばし放出す
る。このように爆発時に受圧板は筒状体内面との摩擦抵
抗を持続することなく飛ばされるので、爆薬量が少ない
場合でも爆発力を十分に生かすことができる。
【0011】送り体は筒状体の内面に圧接係合させてお
くと、受圧板の姿勢保持機能をより確実に果たすことに
なる。送り体が筒状体のテーパー内面に圧接係合する場
合も、爆薬の爆発に伴って一旦筒状体内面との係合を解
いた瞬間から筒状体内面との間に隙間を生じるため摩擦
抵抗なく速やかに前方に発射することになる。受圧板は
送り体よりも爆発衝撃に耐え得る材料で形成しておく
と、送り体を爆薬の爆片や爆熱から十分に防護すること
ができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の好適な実施形態を図面に
基づき説明する。図1は本発明の一実施例を示すクラッ
カーの断面図、図2、図3はいずれも他の実施例を示す
クラッカーの断面図である。
【0013】本発明に係るクラッカーは、図1に示すよ
うに、プラスチック、厚紙などで筒状体1を後方から前
方に至るまで漸次拡開する円錐又は角錐のテーパー筒状
又はラッパ状に形成し、前端に放出口2を形成する。そ
のテーパーの勾配は、0.2〜5°、より好ましくは
0.5〜3°に設定する。筒状体1の内部後端は円錐形
に形成して、引玉と称される爆薬3を受止め支持するた
めの爆薬受座4を一体に設け、爆薬3に通された引紐5
を通す引紐通し穴6を爆薬受座4に形成している。爆薬
受座4は筒状体1とは別体に断面U形状(図7参照)、
V形状等に形成し、これを筒状体1の内部の後端部には
め込み固定することもできる。
【0014】筒状体1内の爆薬3の前方には、送り体7
と受圧板8とを前後にして収容配備する。受圧板8は厚
紙やプラスチック等の材料で平板状に形成されるが、筒
状体1内の爆薬3より所定間隔を置いた所定位置の内径
よりも少し大きい径に形成され、筒状体1の前方から圧
入されて前記所定位置の内面に受圧板8の外周が圧接係
合される。受圧板8は筒状体1の内面に対し圧接係合さ
れて筒状体1の軸線Xと直交する姿勢に保持される。
【0015】送り体7は、発泡プラスチック、非発泡プ
ラスチック、コルク、木材、パルプ材等の材料からなっ
て受圧板8の板厚よりも数倍の厚さ(例えば、10mm
前後)を有する円柱もしくは角柱状に形成されて、この
外周を筒状体1の内面に圧接係合させるか、非圧接状態
に収容される。送り体7は、中実状の円柱もしくは角柱
状に形成する以外に、図2に示すごとき平板状のヘッド
部7a及びスカート部7bを有する断面凹形状である中
空状の円柱もしくは角柱状に形成することもできる。送
り体7の材料が、例えば発泡プラスチックである場合、
受圧板8はそれよりも爆発衝撃に耐え得る材料、例えば
硬い厚紙や非発泡プラスチック等で形成される。なお、
受圧板8と送り体7は、互いに接着、粘着、又は融着し
てもよいし、あるいは予め接着、粘着又は融着したもの
を使用してもよい。
【0016】筒状体1内における送り体7と放出口2と
の間には、紙片や小巻テープ等の被放出物9が収容され
る。図示例では筒状体1の放出口2は、筒状体1とは別
体に形成された前蓋10を放出口2内に緩く係合させて
塞いでいるが、筒状体1が紙製の場合、筒状体1の前端
又は筒状体1の外装紙にフラップ状の前蓋を一体に折曲
自在に連設し、これを放出口2を塞ぐように折り込むこ
ともできる(図5、図7参照)。
【0017】上記実施例では筒状体1が後方から前方に
至るまで漸次拡開するテーパー筒状に形成されている
が、図3に示すように、筒状体1は受圧板8の圧接係合
する箇所から或る距離だけ前方に向かって漸次拡開する
テーパー状部1aを形成し、このテーパー状部1aの前
端から前方部分1bは平行な筒状に形成するものであっ
てもよい。また、筒状体1は受圧板8の圧接係合する箇
所から爆薬受座4までの間の後方部1cは、図3に示す
ごとく平行筒状に形成するものであってもよい。要する
に、筒状体1は少なくとも受圧板8の圧接係合する前方
付近が前方に向かって漸次拡開するテーパー状に形成さ
れておればよい。
【0018】上記構成のクラッカーにおいて、引紐通穴
6から導出する引紐5を後方へ引っ張って爆薬3を爆発
させると、受圧板8がこの爆薬の爆発エネルギーを受け
て放出口2の方向へ発射し、送り体7が受圧板8により
押されるまま被放出物9に衝突し、この衝突作用により
被放出物9が前蓋10を押し出して放出口2を開放する
や否や空中に飛ばされる。
【0019】その際、受圧板8は発射前においては筒状
体1の内面に対し軸線Xと直交する姿勢を確保するよう
にその外周を圧接係合しているので、この受圧板8は爆
薬3の爆風を受けて発射するときは筒状体1の軸線Xに
沿って真っ直ぐにかつ安定よく平行移動して、多量の被
放出物9を送り体7を介してできる限り遠方にまで飛ば
す。また、筒状体1に圧入されて該筒状体1の内面に圧
接係合している受圧板8は、爆薬3の爆風圧を筒状体1
の内面との間で漏らすようなことがないため、爆風圧を
効率よく受けて飛ばされる。
【0020】受圧板8により送り体7が爆薬3の爆発片
や爆熱で変形したり、破損、損傷したりするのを防止さ
れるため、送り体7は被放出物9を前方へ飛ばす機能を
安定確実に発揮する。また送り体7は、受圧板8が筒状
体1の内部で斜めに倒れるのを防止するため、受圧板8
が筒状体1の軸線Xと直交する姿勢を確実に保持する機
能をも発揮する。
【0021】筒状体1は少なくとも受圧板8の圧接係合
する前方付近が前方に向かって漸次拡開するテーパー状
に形成してあるので、この筒状体1の内部で受圧板8
は、当初、圧接係合していても、爆薬3の爆発に伴って
一旦筒状体1内面との係合を解いた瞬間から筒状体1内
面との間に隙間を生じるため摩擦抵抗なく初速のまま速
やかに前方に発射し、被放出物9に送り体7を介してぶ
つかって被放出物9を放出口2から遠くへ飛ばすことが
できる。
【0022】送り体7はテーパー筒状体1に圧入されて
該筒状体1の内面に圧接係合していると、受圧板8の姿
勢保持機能をより確実に果たすことになる。このように
送り体7がテーパー状の筒状体1の内面に圧接係合して
いても、受圧板8の場合と同様に、爆薬3の爆発に伴っ
て一旦筒状体1内面との係合を解いた瞬間から筒状体1
内面との間に隙間を生じるため摩擦抵抗なく速やかに前
方に発射することになる。
【0023】本発明は、筒状体1が、図4に示すよう
に、後方から前方に至るまで同一径の平行な円筒状、ま
たは角筒状に形成されるものにも適用できる。この場
合、受圧板8は筒状体1に圧入されて該筒状体1の内面
に圧接係合することは上記実施例の場合と同様である
が、送り体7は筒状体1の内面に対し非圧接状態にして
筒状体1内を摩擦抵抗なく円滑に移動できるようにす
る。受圧板8は、送り体7の厚みよりも薄く平板状に形
成されて受圧板8の内面に対し線接触状態にあるので、
筒状体1内を比較的摩擦抵抗少なく平行移動できるから
である。
【0024】上記構成のクラッカーは単筒式のものに限
られず、複数個一体的にセットした複筒式のものにも同
様に適用できる。
【0025】
【発明の効果】本発明によれば、筒状体の内面に対し圧
接係合されている受圧板は、筒状体の軸線と直交する姿
勢に確実に保持されると共に、爆風圧を筒状体内面との
間から逃がすことなく効率よく受けて送り体に有効に伝
えるため、爆薬の爆発に伴って受圧板及び送り体により
多量の被放出物もできる限り遠方にまで飛ばして放出す
ることができる。しかも、受圧板により送り体を爆薬の
爆発片や爆熱からよく防護できるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すクラッカーの断面図で
ある。
【図2】他の実施例を示す断面図である。
【図3】更に他の実施例を示す断面図である。
【図4】更に又、他の実施例を示す断面図である。
【図5】従来例のクラッカーの断面図である。
【図6】図5のクラッカーの受圧板の不具合な状態を示
す断面図である。
【図7】他の従来例のクラッカーの断面図である。
【符号の説明】
1 筒状体 2 放出口 3 爆薬 4 爆薬受座 5 引紐 7 送り体 8 受圧板 9 被放出物 10 前蓋

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 前端に放出口を有する筒状体の内部に、
    後方から前方に向かって順に爆薬受座、引紐の引張り操
    作で爆発する爆薬、この爆薬の爆発エネルギーを受けて
    前記放出口の方向へ発射される平板状の受圧板、この受
    圧板の衝突を受けて前記放出口の方向へ飛ばされる被放
    出物を備えているクラッカーにおいて、前記受圧板は前
    記筒状体に圧入されて該受圧板の外周が前記筒状体の内
    面に圧接係合されており、該受圧板と前記被放出物との
    間には、前記受圧板の板厚よりも大きい厚みを有して該
    受圧板により押されるまま発射し前記被放出物に衝突し
    て該被放出物を前方へ飛ばすための送り体が配備されて
    いることを特徴とする、クラッカー。
  2. 【請求項2】 前記筒状体は少なくとも前記受圧板の圧
    接係合する前方付近が前方に向かって漸次拡開するテー
    パー状に形成されている、請求項1記載のクラッカー。
  3. 【請求項3】 前記送り体が前記筒状体に圧入されて該
    筒状体の内面に圧接係合している、請求項2記載のクラ
    ッカー。
  4. 【請求項4】 前記送り体が前記筒状体の内面に対し非
    圧接状態にある、請求項1又は2記載のクラッカー。
  5. 【請求項5】 前記受圧板が前記送り体よりも爆発衝撃
    に耐え得る材料で形成されている、請求項1ないし3の
    いずれかに記載のクラッカー。
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